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特開2024-141577絞り駆動制御装置、絞り駆動制御装置の作動方法、絞り駆動制御装置の作動プログラム、並びに撮像装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141577
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】絞り駆動制御装置、絞り駆動制御装置の作動方法、絞り駆動制御装置の作動プログラム、並びに撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/02 20210101AFI20241003BHJP
   H04N 23/75 20230101ALI20241003BHJP
   G03B 7/095 20210101ALI20241003BHJP
【FI】
G03B9/02 B
H04N23/75
G03B7/095
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053308
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 雅人
【テーマコード(参考)】
2H002
2H080
5C122
【Fターム(参考)】
2H002CC21
2H002GA55
2H002HA03
2H080AA54
2H080BB48
2H080CC00
5C122EA42
5C122FE02
5C122FF01
5C122FF05
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA82
5C122HB01
5C122HB06
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】ズームレンズの焦点距離の変動に応じた適切な絞り駆動を行うことが可能な絞り駆動制御装置、絞り駆動制御装置の作動方法、絞り駆動制御装置の作動プログラム、並びに撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置の制御部のCPUは、絞り駆動制御部を備える。絞り駆動制御部は、現在開度と、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた目標開度とを関連付けた開度履歴情報に基づいて、絞り開度調整機構の駆動制御を行う。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
絞りの開度と、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた前記絞りの目標の開度とを関連付けた開度履歴情報に基づいて、前記絞りの開度を調整する絞り開度調整機構の駆動制御を行う、
絞り駆動制御装置。
【請求項2】
前記目標の開度は、前記ズームレンズの操作中における前記焦点距離に関する情報に応じた値であり、
前記プロセッサは、
前記開度履歴情報に基づいて、前記ズームレンズの操作中における前記絞り開度調整機構の駆動制御を行う請求項1に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記目標の開度および現在の開度を関連付けて、前記開度履歴情報の1つのレコードとして記憶部に記憶する制御を行う請求項1に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
撮像素子が順次出力するフレームに応じて、前記レコードを前記記憶部に記憶する制御を行う請求項3に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードが前記開度履歴情報に記憶されていなかった場合、現フレームにおいて導出した前記目標の開度および前記現在の開度に基づいて前記駆動制御を行い、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードが前記開度履歴情報に記憶されていた場合、前記開度履歴情報に基づいて前記駆動制御を行う請求項4に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度と前記現在の開度とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度に変化がなかった場合、
前記絞り開度調整機構の駆動を抑制する請求項5に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度と前記現在の開度とに、予め設定された第1閾値以下の差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度が、予め設定された第2閾値以下の変化量で変化していた場合、
前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を上げる請求項5に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度と前記現在の開度とに、予め設定された第3閾値以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコードの前記目標の開度と前記現在の開度との差と、現フレームのレコードの前記目標の開度と前記現在の開度との差の正負が反転していた場合、
前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を下げる請求項5に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記開度履歴情報に基づいて、現フレームの次のフレームの前記目標の開度と前記現在の開度との差の予測値を導出する請求項5に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度が、予め設定された第4閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの前記目標の開度と前記現在の開度との差と、前記予測値の正負が反転していなかった場合、
前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を上げる請求項9に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度が、予め設定された第5閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの前記目標の開度と前記現在の開度との差と、前記予測値の正負が反転していた場合、
前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を下げる請求項9に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記目標の開度と現在の開度との差が予め設定された第6閾値以上であった場合は、前記現在の開度を前記目標の開度とすべく前記絞り開度調整機構を駆動させ、
前記差が前記第6閾値未満であった場合は、前記絞り開度調整機構を駆動させずに前記現在の開度を維持させる請求項1に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記ズームレンズの操作速度に応じて、前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を変化させる請求項1に記載の絞り駆動制御装置。
【請求項14】
請求項1に記載の絞り駆動制御装置を備える撮像装置。
【請求項15】
絞りの開度と、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた前記絞りの目標の開度とを関連付けた開度履歴情報に基づいて、前記絞りの開度を調整する絞り開度調整機構の駆動制御を行うこと、
を含む絞り駆動制御装置の作動方法。
【請求項16】
絞りの開度と、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた前記絞りの目標の開度とを関連付けた開度履歴情報に基づいて、前記絞りの開度を調整する絞り開度調整機構の駆動制御を行うこと、
を含む処理をコンピュータに実行させる絞り駆動制御装置の作動プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、絞り駆動制御装置、絞り駆動制御装置の作動方法、絞り駆動制御装置の作動プログラム、並びに撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の絞り羽根と、複数の絞り羽根を開閉方向に移動させる開閉機構と、開閉機構を駆動するアクチュエータと、アクチュエータの駆動を制御する制御手段とを有する光学機器が記載されている。制御手段は、動画撮影において絞り羽根を第1の位置から第2の位置に移動させる際に、第1の位置から第2の位置までの移動量に対応するアクチュエータの目標駆動量と、第1および第2の位置のうち少なくとも一方と絞り羽根の移動方向とに応じて変化するアクチュエータの駆動補正量との加算値を求め、加算値に応じてアクチュエータの駆動を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-003083号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の技術に係る1つの実施形態は、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた適切な絞り駆動を行うことが可能な絞り駆動制御装置、絞り駆動制御装置の作動方法、絞り駆動制御装置の作動プログラム、並びに撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の絞り駆動制御装置は、プロセッサを備え、プロセッサは、絞りの開度と、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた絞りの目標の開度とを関連付けた開度履歴情報に基づいて、絞りの開度を調整する絞り開度調整機構の駆動制御を行う。
【0006】
目標の開度は、ズームレンズの操作中における焦点距離に関する情報に応じた値であり、プロセッサは、開度履歴情報に基づいて、ズームレンズの操作中における絞り開度調整機構の駆動制御を行うことが好ましい。
【0007】
プロセッサは、目標の開度および現在の開度を関連付けて、開度履歴情報の1つのレコードとして記憶部に記憶する制御を行うことが好ましい。
【0008】
プロセッサは、撮像素子が順次出力するフレームに応じて、レコードを記憶部に記憶する制御を行うことが好ましい。
【0009】
プロセッサは、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードが開度履歴情報に記憶されていなかった場合、現フレームにおいて導出した目標の開度および現在の開度に基づいて駆動制御を行い、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードが開度履歴情報に記憶されていた場合、開度履歴情報に基づいて駆動制御を行うことが好ましい。
【0010】
プロセッサは、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標の開度と現在の開度とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標の開度に変化がなかった場合、絞り開度調整機構の駆動を抑制することが好ましい。
【0011】
プロセッサは、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標の開度と現在の開度とに、予め設定された第1閾値以下の差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標の開度が、予め設定された第2閾値以下の変化量で変化していた場合、絞り開度調整機構から絞りに与える駆動力を上げることが好ましい。
【0012】
プロセッサは、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標の開度と現在の開度とに、予め設定された第3閾値以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコードの目標の開度と現在の開度との差と、現フレームのレコードの目標の開度と現在の開度との差の正負が反転していた場合、絞り開度調整機構から絞りに与える駆動力を下げることが好ましい。
【0013】
プロセッサは、開度履歴情報に基づいて、現フレームの次のフレームの目標の開度と現在の開度との差の予測値を導出することが好ましい。
【0014】
プロセッサは、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標の開度が、予め設定された第4閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの目標の開度と現在の開度との差と、予測値の正負が反転していなかった場合、絞り開度調整機構から絞りに与える駆動力を上げることが好ましい。
【0015】
プロセッサは、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標の開度が、予め設定された第5閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの目標の開度と現在の開度との差と、予測値の正負が反転していた場合、絞り開度調整機構から絞りに与える駆動力を下げることが好ましい。
【0016】
プロセッサは、目標の開度と現在の開度との差が予め設定された第6閾値以上であった場合は、現在の開度を目標の開度とすべく絞り開度調整機構を駆動させ、差が第6閾値未満であった場合は、絞り開度調整機構を駆動させずに現在の開度を維持させることが好ましい。
【0017】
プロセッサは、ズームレンズの操作速度に応じて、絞り開度調整機構から絞りに与える駆動力を変化させることが好ましい。
【0018】
本開示の撮像装置は、上に記載の絞り駆動制御装置を備える。
【0019】
本開示の絞り駆動制御装置の作動方法は、絞りの開度と、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた絞りの目標の開度とを関連付けた開度履歴情報に基づいて、絞りの開度を調整する絞り開度調整機構の駆動制御を行うこと、を含む。
【0020】
本開示の絞り駆動制御装置の作動プログラムは、絞りの開度と、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた絞りの目標の開度とを関連付けた開度履歴情報に基づいて、絞りの開度を調整する絞り開度調整機構の駆動制御を行うこと、を含む処理をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】撮像装置の構成を示す図である。
図2】フォーカスレンズおよびフォーカスレンズ駆動機構を示す図である。
図3】ズームレンズおよびズームレンズ駆動機構を示す図である。
図4】絞りおよび絞り開度調整機構を示す図である。
図5】撮像素子の画素の配置を示す図である。
図6】制御部の詳細構成を示す図である。
図7】CPUの処理部を示すブロック図である。
図8】ズーム位置と開度との関係を示すグラフである。
図9】RW制御部の処理を示す図である。
図10】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードが開度履歴情報に記憶されていなかった場合の処理を示す図である。
図11】現フレームにおいて導出した目標開度と現在開度とに差があった場合の処理を示す図である。
図12】現フレームにおいて導出した目標開度と現在開度とに差がなかった場合の処理を示す図である。
図13】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードが開度履歴情報に記憶されていた場合の処理を示す図である。
図14】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度と現在開度とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度に変化がなかった場合の処理を示す図である。
図15】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度と現在開度とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度に変化がない状況の例を示すグラフである。
図16】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度と現在開度とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度に変化がない状況の別の例を示すグラフである。
図17】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度と現在開度とに差はあるが、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度が変化していた場合の処理を示す図である。
図18】CPUの処理手順を示すフローチャートである。
図19】CPUの処理手順を示すフローチャートである。
図20】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度と現在開度とに、予め設定された第1閾値以下の差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度が、予め設定された第2閾値以下の変化量で変化していた場合の処理を示す図である。
図21】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度と現在開度とに、予め設定された第1閾値以下の差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度が、予め設定された第2閾値以下の変化量で変化している状況の例を示すグラフである。
図22】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度と現在開度とに、予め設定された第3閾値以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコードの目標開度と現在開度との差と、現フレームのレコードの目標開度と現在開度との差の正負が反転していた場合の処理を示す図である。
図23】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度と現在開度とに、予め設定された第3閾値以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコードの目標開度と現在開度との差と、現フレームのレコードの目標開度と現在開度との差の正負が反転している状況の例を示すグラフである。
図24】絞り開度調整機構から絞りに与える駆動力を上げる場合と下げる場合の例を示す図である。
図25】第2実施形態のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
図26】第2実施形態のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
図27】第3実施形態のCPUの処理部を示すブロック図である。
図28】現フレームの次のフレームの目標開度と現在開度との差の予測値を導出する様子を示す図である。
図29】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度が、予め設定された第4閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの目標開度と現在開度との差と、予測値の正負が反転していなかった場合の処理を示す図である。
図30】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度が、予め設定された第4閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの目標開度と現在開度との差と、予測値の正負が反転していない状況の例を示すグラフである。
図31】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度が、予め設定された第5閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの目標開度と現在開度との差と、予測値の正負が反転していた場合の処理を示す図である。
図32】現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの目標開度が、予め設定された第5閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの目標開度と現在開度との差と、予測値の正負が反転している状況の例を示すグラフである。
図33】第3実施形態のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
図34】第3実施形態のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
図35】目標開度と現在開度との差が予め設定された第6閾値以上であった場合の処理を示す図である。
図36】目標開度と現在開度との差が予め設定された第6閾値未満であった場合の処理を示す図である。
図37】ズームレンズの操作速度に応じて、絞り開度調整機構から絞りに与える駆動力を変化させる態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
一例として図1に示すように、撮像装置10は、例えばミラーレス一眼デジタルカメラであり、撮像光学系11および撮像素子12を備える。撮像光学系11は、撮像素子12に被写体光を結像させるための複数種のレンズを有する。具体的には、撮像光学系11は、対物レンズ13、フォーカスレンズ14、およびズームレンズ15を有する。これら各レンズ13~15は、この順に、物体側(被写体側)から結像側(撮像素子12側)に向かって配置されている。図1では簡略化しているが、各レンズ13~15は、実際には複数枚のレンズが組み合わされたレンズ群である。撮像光学系11は絞り16も有する。絞り16は撮像光学系11の最も結像側に配置されている。なお、撮像装置10は、撮像光学系11等が内蔵されたレンズ鏡胴と、撮像素子12等が内蔵された本体とが一体のタイプでもよいし、レンズ鏡胴と本体とが別体の、いわゆるレンズ交換タイプでもよい。
【0023】
フォーカスレンズ14にはフォーカスレンズ駆動機構17が設けられ、ズームレンズ15にはズームレンズ駆動機構18が設けられ、絞り16には絞り開度調整機構19が設けられている。
【0024】
一例として図2に示すように、フォーカスレンズ駆動機構17は、フォーカスレンズ14を保持し、外周にカム溝が形成されたフォーカス用カム環40、フォーカス用カム環40を光軸OA周りに回転させることで、フォーカス用カム環40を光軸OAに沿って移動させるフォーカス用モータ41、およびフォーカス用モータ41のドライバ42等を含む。一例として図3に示すように、ズームレンズ駆動機構18も同様に、ズームレンズ15を保持し、外周にカム溝が形成されたズーム用カム環45、ズーム用カム環45を光軸OA周りに回転させることで、ズーム用カム環45を光軸OAに沿って移動させるズーム用モータ46、およびズーム用モータ46のドライバ47等を含む。フォーカス用カム環40およびズーム用カム環45は、レンズ鏡胴の外側からユーザが手動で回転させることも可能である。つまり、撮像装置10は、焦点調整および焦点距離の変更を、フォーカス用モータ41およびズーム用モータ46により電動で行うこともできるし、ユーザにより手動で行うこともできる。
【0025】
一例として図4に示すように、絞り16はいわゆる虹彩絞りであり、複数枚の絞り羽根50を組み合わせて構成される。絞り16は、図示省略したカム機構によって絞り羽根50を同時に動かして、絞り羽根50の内縁により形成される中央の開口51を開閉、すなわち開口51の開度(以下、絞り16の開度と表記する)を変更することで、通過する光の量を調整する。絞り開度調整機構19は、絞り羽根50を開閉する絞り用モータ52、および絞り用モータ52のドライバ53等を含む。絞り16はユーザが手動で開閉させることもできる。つまり、撮像装置10は、絞り16の開度の調整を、絞り用モータ52により電動で行うこともできるし、ユーザにより手動で行うこともできる。
【0026】
フォーカス用モータ41、ズーム用モータ46、および絞り用モータ52は、例えばステッピングモータである。この場合、フォーカス用モータ41、ズーム用モータ46、および絞り用モータ52の駆動量から、光軸OA上のフォーカスレンズ14の位置とズームレンズ15の位置(以下、ズーム位置と表記する)、並びに絞り16の開度を導出することができる。なお、フォーカス用モータ41およびズーム用モータ46の駆動量ではなく、位置センサを設けて、フォーカスレンズ14の位置およびズーム位置を検出してもよい。
【0027】
図1に戻って、各駆動機構17~19のモータ(フォーカス用モータ41、ズーム用モータ46、および絞り用モータ52)あるいはドライバ(ドライバ42、47、および53)等の電気部品は、制御部20に接続されている。各駆動機構17~19の電気部品は、制御部20の制御の下で駆動される。より詳しくは、制御部20は、操作部21を介して入力されたユーザからの指示等に応じた駆動信号を発して、各駆動機構17~19の電気部品を駆動させる。例えば、操作部21の画角変更スイッチを介して画角を望遠側に変更する指示が入力された場合、制御部20は、ズームレンズ駆動機構18のズーム用モータ46のドライバ47に駆動信号を発して、ズームレンズ15を望遠側に移動させる。以下、ズームレンズ15の焦点距離を変更するための画角変更スイッチまたはズーム用カム環45の操作を、ズーム操作と表記する。
【0028】
フォーカス用モータ41、ズーム用モータ46、および絞り用モータ52は、駆動量を制御部20に出力する。制御部20は、駆動量から光軸OA上のフォーカスレンズ14の位置およびズーム位置、並びに絞り16の開度を導出する(図7参照)。
【0029】
撮像素子12は、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサであり、被写体光を撮像する撮像面62(図5参照)を有している。撮像素子12は、撮像面62の中心が光軸OAと一致し、かつ撮像面62が光軸OAと直交するよう配されている。なお、ここでいう「一致」および「直交」とは、完全な一致および直交の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの一致および直交を指す。
【0030】
撮像素子12には撮像素子ドライバ22が接続されている。撮像素子ドライバ22は制御部20に接続されている。撮像素子ドライバ22は、制御部20の制御の下、撮像素子12に垂直走査信号および水平走査信号を供給する等して、撮像素子12による被写体光の撮像タイミングを制御する。
【0031】
撮像光学系11と撮像素子12の間にはシャッター23が設けられている。シャッター23は、例えば先幕および後幕を有するフォーカルプレーンシャッターである。シャッター23にはシャッター駆動機構24が接続されている。シャッター駆動機構24は、先幕および後幕を保持し、かつその保持を解除して先幕および後幕を走行させる電磁石、およびそのドライバ等を含む。シャッター駆動機構24は、制御部20の制御の下で駆動し、シャッター23を開閉させる。
【0032】
制御部20は、画像入力コントローラ25、画像メモリ26、および画像処理部27といった各部と、バスライン28を通じて接続されている。バスライン28には他に、VRAM(Video Random Access Memory)29、表示制御部30、メディアコントローラ31、および指示受付部32等が接続されている。なお、図示は省略したが、バスライン28には、ストロボ装置の駆動を制御するストロボ駆動制御部、USB(Universal Serial Bus)端子といった接続端子を介して外部装置と通信する外部通信I/F(Interface)、あるいは無線通信I/F等も接続されている。
【0033】
画像入力コントローラ25には、被写体光を撮像して得られた画像データが撮像素子12から入力される。画像入力コントローラ25は、画像データを画像メモリ26に出力する。画像メモリ26は、例えばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、画像データを一時的に記憶する。
【0034】
画像処理部27は、画像メモリ26から未処理の画像データを読み出す。画像処理部27は画像データに対して各種画像処理を施す。各種画像処理は、例えば、オフセット補正処理、感度補正処理、画素補間処理、ホワイトバランス補正処理、ガンマ補正処理、デモザイク処理、輝度信号および色差信号生成処理、輪郭強調処理、色補正処理等である。画像処理部27は、各種画像処理後の画像データを画像メモリ26に書き戻す。
【0035】
VRAM29には、各種画像処理後の画像データであって、ライブビュー画像(スルー画像とも呼ばれる)として表示するための画像データが画像メモリ26から入力される。VRAM29は、連続する2フレーム分の画像データを記憶する領域を有する。VRAM29に記憶される画像データは、順次新しい画像データに書き換えられる。VRAM29は、連続する2フレーム分の画像データのうちの新しいほうの画像データを、順次表示制御部30に出力する。
【0036】
表示制御部30は、VRAM29からの画像データをビデオデータに変換し、ファインダモニタ33および背面モニタ34のうちのいずれかに出力する、いわゆるビデオエンコーダの機能を担う。これにより、ファインダモニタ33および背面モニタ34のうちのいずれかを通じて、ユーザはライブビュー画像を視認することができる。ライブビュー画像の表示フレームレートは、例えば60fps(frame per seconds)である。
【0037】
なお、ビデオデータをファインダモニタ33および背面モニタ34のうちのいずれに出力するかは、例えば以下のように決定する。すなわち、ファインダに瞳検出センサを設けておく。そして、瞳検出センサによりユーザがファインダを覗いていると検出した場合は、ファインダモニタ33にビデオデータを出力する。対して、瞳検出センサによりユーザがファインダを覗いていないと検出した場合は、背面モニタ34にビデオデータを出力する。
【0038】
操作部21のレリーズボタンの全押し操作により静止画または動画の撮影開始指示が行われた場合、画像処理部27は、画像メモリ26の画像データに対して圧縮処理を施す。静止画の場合、画像処理部27は、画像データに対して例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の圧縮処理を施す。動画の場合、画像処理部27は、画像データに対して例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)形式の圧縮処理を施す。画像処理部27は、圧縮処理後の画像データをメディアコントローラ31に出力する。
【0039】
メディアコントローラ31は、画像処理部27からの圧縮処理後の画像データをメモリカード35に記録する。メモリカード35は、図示省略したメモリカードスロットに着脱可能に装着される。
【0040】
操作部21のモード切替スイッチを介して画像再生モードが選択された場合、メディアコントローラ31は、画像データをメモリカード35から読み出し、画像処理部27に出力する。画像処理部27は、メモリカード35からの画像データに対して伸張処理を施す。伸張処理後の画像データは表示制御部30に出力される。表示制御部30は画像データをビデオデータに変換し、背面モニタ34に出力する。これにより、背面モニタ34を通じて、ユーザは再生画像を視認することができる。
【0041】
指示受付部32は、操作部21、および背面モニタ34と一体的に設けられたタッチパネル36を介してユーザから入力される各種操作指示を受け付ける。指示受付部32は、受け付けた各種操作指示を、バスライン28を通じて制御部20に出力する。
【0042】
操作部21は、前述のように、画角変更スイッチ、レリーズボタン、およびモード切替スイッチを含む。画角変更スイッチによるズーム操作では、ズームレンズ15の操作速度(移動速度)を、例えば高中低の3段階に切り替え設定することが可能である。レリーズボタンは、半押し操作および全押し操作が可能な2段階の押しボタンである。レリーズボタンの半押し操作により静止画または動画の撮影準備指示が行われ、全押し操作により静止画または動画の撮影開始指示が行われる。これらの他にも、操作部21は、背面モニタ34に各種設定メニューを表示させるためのメニューボタン、数値設定および選択肢の切替等に用いられる十字キー、設定を確定させる際等に操作される確定ボタンといったものを含む。タッチパネル36は、背面モニタ34の表示面に重畳されている。タッチパネル36は、ユーザの指またはスタイラスペン等の専用の指示器の接触を検知することで、ユーザからの各種操作指示を認識する。
【0043】
モード切替スイッチにより切替可能なモードには、静止画撮影モード、動画撮影モード、画像再生モード、および設定モード等がある。静止画撮影モードには、1枚の静止画を撮影する通常撮影モードはもちろんのこと、所定の撮影間隔(例えば5fps~10fpsのフレームレート)で連続的に静止画を撮影する連写撮影モードも含まれている。連写撮影モードは、例えば、レリーズボタンの全押し状態を所定時間以上(例えば1秒以上)継続した場合に発動する。連写撮影モードは、レリーズボタンの全押し状態が解除された場合に終了する。
【0044】
一例として図5に示すように、撮像素子12には光電変換部60が設けられている。光電変換部60は、X方向およびY方向に沿って2次元状に配列された複数の画素61により構成される。複数の画素61は撮像面62を形成する。画素61は、周知のように、マイクロレンズ、カラーフィルタ、およびフォトダイオード等の光電変換素子により構成される。なお、X方向およびY方向は、撮像装置10の底面を水平面に載置した状態における水平方向および鉛直方向である。
【0045】
画素61の行間には、X方向に平行な走査線が配線されている。また、画素61の列間には、Y方向に平行な信号線が配線されている。画素61(の光電変換素子)は、増幅器およびスイッチを介して信号線に接続されている。スイッチには走査線も接続されている。被写体光に応じた信号電荷を画素61(の光電変換素子)に蓄積する蓄積動作の場合には、走査線を通じて垂直走査信号としてオフ信号が供給されてスイッチがオフされる。信号電荷に応じた画像信号(電圧信号)63を画素61(の光電変換素子)から読み出す読み出し動作の場合には、走査線を通じて垂直走査信号としてオン信号が供給されてスイッチがオンされる。信号線の末端はCDS(Correlated Double Sampling)回路およびADC(Analog to Digital Converter)回路に接続されている。CDS回路は、信号線を通じて入力された画像信号63に対して相関二重サンプリングを施す。ADC回路は、相関二重サンプリング後の画像信号63をデジタルの画像信号63に変換する。このデジタルの画像信号63が画像データとして画像メモリ26に記憶される。
【0046】
画素61は、カラーフィルタの種類によって、緑色の波長帯域の光に感度を有する緑色画素(図5においては「G」と表記)、赤色の波長帯域の光に感度を有する赤色画素(図5においては「R」と表記)、および青色の波長帯域の光に感度を有する青色画素(図5においては「B」と表記)の3種に分かれる。3種の画素61は、既定の配列にて規則的に並べられている。既定の配列として、ここでは縦横2×2の画素に緑色画素を2つ、青色画素および赤色画素を1つずつ配置した、いわゆるベイヤー配列を例示している。
【0047】
画素61には、通常画素61Nと位相差検出画素61Pとがある。位相差検出画素61Pは、周知のように、カラーフィルタと光電変換素子との間に遮光部材が配置された画素であり、自動焦点調整専用の画素である。自動焦点調整においては、この位相差検出画素61Pから出力された画像信号63に基づいて、被写体光の位相差が検出される。位相差によれば、フォーカスレンズ14をどちらの方向にどれだけ移動させれば合焦位置となるかが分かる。自動焦点調整においては、位相差に基づいてフォーカスレンズ14の合焦位置を演算し、演算した合焦位置にフォーカスレンズ14を自動的に移動させる。
【0048】
なお、ここでは、いわゆる位相差検出方式の自動焦点調整機能を例に説明したが、これに限らない。位相差検出方式の自動焦点調整機能に代えて、あるいは加えて、コントラスト検出方式の自動焦点調整機能を採用してもよい。また、2つの光電変換素子で1つの画素61を構成し、通常画素61Nと位相差検出画素61Pを1つの画素61で兼用する撮像素子を用いてもよい。
【0049】
通常画素61Nから出力された画像信号63は、ライブビュー画像といった画像の生成に用いられる。対して位相差検出画素61Pから出力された画像信号63は、位相差を検出するためだけに用いられ、画像の生成には用いられない。このため、画像処理部27は、画素補間処理において、位相差検出画素61Pの周囲の通常画素61Nの画像信号63を用いて、位相差検出画素61Pの画素値を補間する。
【0050】
一例として図6に示すように、制御部20は、ストレージ65、CPU(Central Processing Unit)66、およびメモリ67を備える。これらストレージ65、CPU66、およびメモリ67は、バスライン68を介して相互接続されている。制御部20は、本開示の技術に係る「絞り駆動制御装置」および「コンピュータ」の一例である。
【0051】
ストレージ65は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)といった不揮発性の記憶装置である。ストレージ65は、各種プログラム、および各種プログラムに付随する各種データ等を記憶する。ストレージ65は、本開示の技術に係る「記憶部」の一例である。なお、EEPROMに代えて、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、あるいはMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)をストレージ65として用いてもよい。
【0052】
メモリ67は、CPU66が処理を実行するためのワークメモリである。CPU66は、ストレージ65に記憶されたプログラムをメモリ67へロードして、プログラムにしたがった処理を実行する。これによりCPU66は撮像装置10の各部を統括的に制御する。CPU66は、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。なお、メモリ67は、CPU66に内蔵されていてもよい。
【0053】
一例として図7に示すように、ストレージ65には作動プログラム70が記憶されている。作動プログラム70は、CPU66に絞り16の駆動制御等を実行させるためのプログラムである。すなわち、作動プログラム70は、本開示の技術に係る「絞り駆動制御装置の作動プログラム」の一例である。ストレージ65には、作動プログラム70に加えて、導出参照情報71および開度履歴情報72も記憶されている。
【0054】
作動プログラム70が起動されると、CPU66は、メモリ67等と協働して、現在ズーム位置導出部75、リードライト(以下、RW(Read Write)と表記する)制御部76、目標開度導出部77、現在開度導出部78、および絞り駆動制御部79として機能する。
【0055】
現在ズーム位置導出部75は、ズームレンズ駆動機構18からのズーム用モータ46の駆動量に基づいて、現在のズーム位置(以下、現在ズーム位置と表記する)80を導出する。現在ズーム位置導出部75は、現在ズーム位置80を目標開度導出部77に出力する。現在ズーム位置80は、本開示の技術に係る「ズームレンズの操作中における焦点距離に関する情報」の一例である。なお、現在ズーム位置80に代えて、ズーム用モータ46の駆動量、あるいはズームレンズ15の焦点距離自体等を、「ズームレンズの操作中における焦点距離に関する情報」として取得してもよい。
【0056】
RW制御部76は、ストレージ65への各種データの記憶、およびストレージ65に記憶された各種データの読み出しを制御する。RW制御部76は、導出参照情報71をストレージ65から読み出し、読み出した導出参照情報71を目標開度導出部77に出力する。また、RW制御部76は、開度履歴情報72をストレージ65から読み出し、読み出した開度履歴情報72を絞り駆動制御部79に出力する。
【0057】
目標開度導出部77は、導出参照情報71に基づいて、現在ズーム位置80に応じた絞り16の目標の開度(以下、目標開度と表記する)81を導出する。目標開度導出部77は、目標開度81をRW制御部76および絞り駆動制御部79に出力する。
【0058】
現在開度導出部78は、絞り開度調整機構19からの絞り用モータ52の駆動量に基づいて、絞り16の現在の開度(以下、現在開度と表記する)82を導出する。現在開度導出部78は、現在開度82をRW制御部76および絞り駆動制御部79に出力する。
【0059】
絞り駆動制御部79は、開度履歴情報72、または目標開度81および現在開度82に基づいて、ズームレンズ15の操作中における絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。
【0060】
一例として図8に示すように、ズーム位置の変動、すなわちズームレンズ15の焦点距離の変動に応じて、F値(画像の明るさ)を一定に保つための絞り16の開度は異なる。このため、画像の明るさを一定に保つためには、ズームレンズ15の焦点距離の変動に応じて、絞り16の開度を調整する必要がある。ここで、画像の明るさを一定に保つための絞り16の開度とは、目標開度81に他ならない。導出参照情報71は、この図8で示したズーム位置と絞り16の開度との関係を、F値毎にデータテーブルまたは関数の形式でもつ。
【0061】
一例として図9に示すように、RW制御部76は、1つのズーム操作の開始から終了までの間、撮像素子12が順次出力するフレーム毎に、目標開度81および現在開度82を関連付けて、開度履歴情報72の1つのレコード85としてストレージ65に記憶する制御を行う。RW制御部76は、同じフレームにおいて導出した目標開度81および現在開度82に同じフレームNo.を付すことで、目標開度81および現在開度82を関連付ける。図9においては、ズーム操作の開始から5フレーム目に導出した目標開度81および現在開度82に共通のフレームNo.5を付して、開度履歴情報72に記憶する様子を例示している。なお、フレーム毎ではなく、1フレームおき、2フレームおき等、所定の間隔を開けて目標開度81および現在開度82を記憶してもよい。
【0062】
一例として図10に示すように、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていなかった場合、絞り駆動制御部79は、一例として図11および図12に示すように、現フレームにおいて導出した目標開度81および現在開度82に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。ここで、5フレームは、本開示の技術に係る「予め設定されたフレーム」の一例である。図10においては、現フレームがズーム操作の開始から4フレーム目で、3フレーム分のレコード85しか開度履歴情報72に記憶されていなかった場合を例示している。
【0063】
図11に示すように、現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82とに差があった場合、言い換えれば目標開度81と現在開度82とが異なっていた場合、絞り駆動制御部79は、次のフレームの撮影の前に、絞り16の開度を目標開度81とすべく絞り開度調整機構19を駆動する。一方、図12に示すように、現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82とに差がなかった場合、言い換えれば目標開度81と現在開度82とが等しかった場合、絞り駆動制御部79は、絞り開度調整機構19の駆動を停止させる。
【0064】
一例として図13に示すように、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていた場合、絞り駆動制御部79は、一例として図14および図17に示すように、開度履歴情報72に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。図13においては、現フレームがズーム操作の開始から6フレーム目で、5フレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていた場合を例示している。
【0065】
一例として図14に示すように、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81に変化がなかった場合、絞り駆動制御部79は、絞り開度調整機構19の駆動を抑制する。具体的には、絞り駆動制御部79は、絞り開度調整機構19の駆動を停止させる。現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81に変化がない理由としては、ズーム操作の速度が比較的遅いことが考えられる。図14においては、現フレームがズーム操作の開始から35フレーム目で、30~34フレームの全てのレコード85の目標開度81が「50」、現在開度82が「48」であった場合を例示している。なお、絞り開度調整機構19の駆動を停止させる代わりに、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を下げることで、絞り開度調整機構19の駆動を抑制してもよい。
【0066】
現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81に変化がないという状況は、横軸をフレーム、縦軸を開度とする、一例として図15に示すグラフのような状況が考えられる。すなわち、絞り開度調整機構19を駆動させているにも関わらず、ズーム操作の速度が比較的遅いことで一定となった目標開度81に対して、一段低い開度で絞り16が停止し続けている状況である。こうした状況となる理由としては、絞り羽根50の重量が重いこと等が原因で絞り16の停止精度があまり良くない、あるいは、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過小であるといったことが考えられる。なお、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81に変化がないという状況は、一例として図16に示すグラフのように、絞り開度調整機構19を駆動させているにも関わらず、ズーム操作の速度が比較的遅いことで一定となった目標開度81に対して、一段高い開度で絞り16が停止し続けている状況の場合も考えられる。
【0067】
一例として図17に示すように、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差はあるが、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81に変化があった場合、絞り駆動制御部79は、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていなかった場合と同じく、現フレームにおいて導出した目標開度81および現在開度82に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。図17においては、現フレームがズーム操作の開始から50フレーム目で、45~49フレームのレコード85の目標開度81が「50」から「55」へと変化している場合を例示している。
【0068】
なお、ズームレンズ15の操作中でない場合、絞り駆動制御部79は、以下のように絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。まず、露出モードが絞り優先およびマニュアル設定であった場合、絞り駆動制御部79は、絞り16の開度が設定された開度になるように絞り開度調整機構19を駆動する。一方、露出モードが絞り優先およびマニュアル設定でなかった場合、例えばシャッター速度優先であった場合、絞り駆動制御部79は、設定されたシャッター速度に応じた、適正露出となる絞り16の開度になるように絞り開度調整機構19を駆動する。また、露出モードがオート設定であった場合、絞り駆動制御部79は、被写体の明るさに応じた、適正露出となる絞り16の開度になるように絞り開度調整機構19を駆動する。
【0069】
次に、上記構成による作用について、一例として図18および図19に示すフローチャートを参照して説明する。制御部20のCPU66は、図7で示したように、作動プログラム70の起動により、現在ズーム位置導出部75、RW制御部76、目標開度導出部77、現在開度導出部78、および絞り駆動制御部79として機能される。
【0070】
ユーザにより操作部21の画角変更スイッチまたはズーム用カム環45が操作された場合、すなわちズーム操作がされた場合(ステップST100でYES)、現在ズーム位置導出部75により、ズーム用モータ46の駆動量から現在ズーム位置80が導出される(ステップST105)。現在ズーム位置80は、現在ズーム位置導出部75から目標開度導出部77に出力される。
【0071】
次に、目標開度導出部77において、導出参照情報71に基づいて、現在ズーム位置80に応じた目標開度81が導出される(ステップST110)。目標開度81は、目標開度導出部77からRW制御部76および絞り駆動制御部79に出力される。
【0072】
また、現在開度導出部78において、絞り用モータ52の駆動量から現在開度82が導出される(ステップST115)。現在開度82は、現在開度導出部78からRW制御部76および絞り駆動制御部79に出力される。
【0073】
図13で示したように、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていた場合(ステップST120でYES)、ステップST125に進む。一方、図10で示したように、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていなかった場合(ステップST120でNO)、図19のステップST135に進む。
【0074】
ステップST125においては、絞り駆動制御部79により、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81に変化がないか否かが判定される。現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81に変化がなかった場合(ステップST125でYES)、図14で示したように、絞り駆動制御部79により絞り開度調整機構19の駆動が停止される(ステップST130)。一方、図17で示したように、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差はあるが、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が変化していた場合(ステップST125でNO)、図19のステップST135に進む。
【0075】
ステップST135においては、絞り駆動制御部79により、現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82とに差があるか否かが判定される。現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82とに差があった場合(ステップST135でYES)、図11で示したように、絞り駆動制御部79により、開度を目標開度81とすべく絞り開度調整機構19が駆動される(ステップST140)。一方、現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82とに差がなかった場合(ステップST135でNO)、図12で示したように、絞り駆動制御部79により絞り開度調整機構19の駆動が停止される(ステップST145)。
【0076】
絞り開度調整機構19の駆動制御の終了後、図9で示したように、RW制御部76により、目標開度81および現在開度82が1つのレコード85として関連付けられて、開度履歴情報72に記憶される(ステップST150)。これらステップST105~ステップST150の一連の処理は、絞り開度調整機構19の駆動が停止され、かつズーム操作が終了しない(ステップST155でNO)うちは繰り返し続けられる。
【0077】
以上説明したように、撮像装置10の制御部20のCPU66は、絞り駆動制御部79を備える。絞り駆動制御部79は、現在開度82と、ズームレンズ15の焦点距離の変動に応じた目標開度81とを関連付けた開度履歴情報72に基づいて、絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。このため、ズームレンズ15の焦点距離の変動に応じた適切な絞り駆動を行うことが可能となる。
【0078】
目標開度81は、ズームレンズ15の操作中における焦点距離に関する情報である現在ズーム位置80に応じた値である。絞り駆動制御部79は、開度履歴情報72に基づいて、ズームレンズ15の操作中における絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。このため、ズームレンズ15の操作中における焦点距離の変動に応じた適切な絞り駆動を行うことが可能となる。
【0079】
図9で示したように、RW制御部76は、目標開度81および現在開度82を関連付けて、開度履歴情報72の1つのレコード85としてストレージ65に記憶する制御を行う。このため、容易に開度履歴情報72を得ることができる。また、RW制御部76は、撮像素子12が順次出力するフレームに応じて、レコード85をストレージ65に記憶する制御を行う。このため、フレーム毎のレコード85等、間隔が揃ったレコード85を得ることができ、目標開度81と現在開度82の時間的な推移を容易に把握することができる。
【0080】
図10図12で示したように、絞り駆動制御部79は、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていなかった場合、現フレームにおいて導出した目標開度81および現在開度82に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。一方、図13図14、および図17で示したように、絞り駆動制御部79は、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていた場合、開度履歴情報72に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。つまり、絞り駆動制御部79は、絞り開度調整機構19の駆動制御に参照するに十分なレコード85が開度履歴情報72に記憶されているか否かによって、開度履歴情報72に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行うか否かを決定する。このため、絞り開度調整機構19の駆動制御に参照するに十分なレコード85が開度履歴情報72に記憶されていないうちに、開度履歴情報72に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行ってしまう事態を避けることができる。開度履歴情報72のレコード85の数に応じたより適切な絞り駆動を行うことが可能となる。
【0081】
図14で示したように、絞り駆動制御部79は、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81に変化がなかった場合、絞り開度調整機構19の駆動を抑制する。
【0082】
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81に変化がないという状況は、図15および図16で示したように、現在開度82はほぼ目標開度81に達しているが、絞り16自体の原因によって、これ以上絞り開度調整機構19を駆動させても目標開度81と現在開度82が等しくならない状況である。こうした状況においては、さらに絞り開度調整機構19を駆動させることにさほどの意味はない。このため、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81に変化がなかった場合に、絞り開度調整機構19の駆動を抑制することで、絞り開度調整機構19の無駄な駆動による電力消費を低減することができる。
【0083】
[第2実施形態]
一例として図20に示すように、第2実施形態においては、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに5以下の差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していた場合、絞り駆動制御部79は、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を上げる。目標開度81の変化量とは、連続する2フレーム間の目標開度81の差である。ここで、5以下の差の「5」は、本開示の技術に係る「第1閾値」の一例である。また、5以下の変化量の「5」は、本開示の技術に係る「第2閾値」の一例である。図20においては、現フレームがズーム操作の開始から35フレーム目で、30~34フレームの全てのレコード85の目標開度81と現在開度82との差が2(≦5)、30~34フレームの全てのレコード85の目標開度81の変化量が1(≦5)であった場合を例示している。
【0084】
現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに5以下の差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化しているという状況は、一例として図21に示すグラフのような状況が考えられる。すなわち、ズーム操作に応じて漸増している目標開度81に対して、絞り16の開度が一段低い状態で追従している状況である。なお、図示は省略したが、ズーム操作に応じて漸減している目標開度81に対して、絞り16の開度が一段高い状態で追従している状況も考えられる。こうした状況となる理由としては、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過小であることが考えられる。
【0085】
また、一例として図22に示すように、第2実施形態においては、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに3以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差の正負が反転していた場合、絞り駆動制御部79は、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を下げる。ここで、3以上の差の「3」は、本開示の技術に係る「第3閾値」の一例である。図22においては、現フレームがズーム操作の開始から35フレーム目で、30~34フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差の絶対値が3~5(≧3)、34フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差が+3(正)、現フレーム(35フレーム)のレコード85の目標開度81と現在開度82との差が-4(負)であった場合を例示している。
【0086】
現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに3以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差の正負が反転しているという状況は、一例として図23に示すグラフのような状況が考えられる。すなわち、ズーム操作に応じて漸増している目標開度81に対して、現在開度82が上下動している状況、すなわちハンチングが発生している状況である。なお、図示は省略したが、ズーム操作に応じて漸減している目標開度81に対して、現在開度82が上下動している状況も考えられる。こうした状況となる理由としては、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過大であることが考えられる。
【0087】
一例として図24に示すように、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を上げるとは、具体的には、駆動初期の絞り16の駆動速度の立ち上がりを、通常駆動時よりも急峻にするという意味である。また、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を下げるとは、具体的には、駆動初期の絞り16の駆動速度の立ち上がりを、通常駆動時よりも緩やかにするという意味である。
【0088】
図25および図26に、第2実施形態の作用を説明するためのフローチャートを示す。上記第1実施形態と共通するステップについては説明を省略し、主として第2実施形態に特有のステップについて説明する。
【0089】
現フレームから遡って5フレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていた場合(ステップST120でYES)、ステップST200に進む。
【0090】
ステップST200においては、絞り駆動制御部79により、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに5以下の差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化しているか否かが判定される。現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに5以下の差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していた場合(ステップST200でYES)、図20で示したように、絞り駆動制御部79により、開度を目標開度81とすべく絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が上げられる(ステップST205)。
【0091】
現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに5以下の差があり、かつ、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していなかった場合(ステップST200でNO)、図26のステップST210に進む。
【0092】
ステップST210においては、絞り駆動制御部79により、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに3以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差の正負が反転しているか否かが判定される。現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに3以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差の正負が反転していた場合(ステップST210でYES)、図22で示したように、絞り駆動制御部79により、開度を目標開度81とすべく絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が下げられる(ステップST215)。
【0093】
なお、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに3以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差の正負が反転していなかった場合(ステップST210でNO)は、図19のステップST135に進む。以降の処理は上記第1実施形態で説明済みであるため、説明を省略する。
【0094】
このように、第2実施形態においては、図20で示したように、絞り駆動制御部79は、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに、予め設定された第1閾値以下の差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81が、予め設定された第2閾値以下の変化量で変化していた場合、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を上げる。このため、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過小であるがゆえに、現在開度82が目標開度81に達しない状況を改善することができる。
【0095】
また、第2実施形態においては、図22で示したように、絞り駆動制御部79は、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81と現在開度82とに、予め設定された第3閾値以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差の正負が反転していた場合、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を下げる。このため、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過大であるがゆえに、現在開度82が目標開度81に達しないでハンチングしている状況を改善することができる。
【0096】
[第3実施形態]
一例として図27に示すように、第3実施形態の制御部20のCPU66は、上記第1実施形態の各処理部75~79(図27においては現在ズーム位置導出部75のみ不図示)に加えて、予測部90として機能する。予測部90には、目標開度導出部77から目標開度81が入力され、現在開度導出部78から現在開度82が入力される。また、予測部90には、RW制御部76から開度履歴情報72が入力される。予測部90は、現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82、並びに開度履歴情報72に基づいて、現フレームの次のフレームの目標開度81と現在開度82との差の予測値91を導出する。予測部90は、予測値91を絞り駆動制御部79に出力する。絞り駆動制御部79は、開度履歴情報72および予測値91に基づいて、絞り開度調整機構19の駆動制御を行う。なお、便宜上図示は省略したが、上記第1実施形態と同じく、目標開度81および現在開度82は、RW制御部76および絞り駆動制御部79にも出力される。また、開度履歴情報72は、絞り駆動制御部79にも出力される。
【0097】
一例として図28に示すように、予測部90は、直線外挿により現フレームの次のフレームの目標開度81と現在開度82を予測する。そして、予測した目標開度81と現在開度82との差を予測値91として出力する。
【0098】
一例として図29に示すように、第3実施形態においては、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転していなかった場合、絞り駆動制御部79は、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を上げる。目標開度81の変化量とは、上記第2実施形態の場合と同じく、連続する2フレーム間の目標開度81の差である。ここで、5以下の変化量の「5」は、本開示の技術に係る「第4閾値」の一例である。図29においては、現フレームがズーム操作の開始から35フレーム目で、30~34フレームの全てのレコード85の目標開度81の変化量が1(≦5)、現フレーム(35フレーム)のレコード85の目標開度81と現在開度82との差が+2(正)、次のフレーム(36フレーム)の予測値91が+2(正)であった場合を例示している。
【0099】
現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転していないという状況は、一例として図30に示すグラフのような状況が考えられる。すなわち、ズーム操作に応じて漸増している目標開度81に対して、絞り16の開度が一段低い状態で追従していて、現フレームの次のフレームもそうした状態の継続が予測される状況である。なお、図示は省略したが、ズーム操作に応じて漸減している目標開度81に対して、絞り16の開度が一段高い状態で追従していて、現フレームの次のフレームもそうした状態の継続が予測される状況も考えられる。こうした状況となる理由としては、現フレームにおいて絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過小であることが考えられる。
【0100】
また、一例として図31に示すように、第3実施形態においては、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転していた場合、絞り駆動制御部79は、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を下げる。ここで、5以下の変化量の「5」は、本開示の技術に係る「第5閾値」の一例である。図31においては、現フレームがズーム操作の開始から35フレーム目で、30~34フレームの全てのレコード85の目標開度81の変化量が1(≦5)、現フレーム(35フレーム)のレコード85の目標開度81と現在開度82との差が+1(正)、次のフレーム(36フレーム)の予測値91が-1(負)であった場合を例示している。なお、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を上げる方法、または下げる方法は、上記第2実施形態の図24で示した方法と同じである。
【0101】
現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転しているという状況は、一例として図32に示すグラフのような状況が考えられる。すなわち、ズーム操作に応じて漸増している目標開度81に対して、現フレームの次のフレームにおいて現在開度82が目標開度81を上回る、つまりオーバーシュートすることが予測される状況である。なお、図示は省略したが、ズーム操作に応じて漸減している目標開度81に対して、現フレームの次のフレームにおいて現在開度82が目標開度81を下回る、つまりアンダーシュートすることが予測される状況も考えられる。こうした状況となる理由としては、現フレームにおいて絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過大であることが考えられる。
【0102】
図33および図34に、第3実施形態の作用を説明するためのフローチャートを示す。上記第1実施形態と共通するステップについては説明を省略し、主として第3実施形態に特有のステップについて説明する。
【0103】
現フレームから遡って5フレーム分のレコード85が開度履歴情報72に記憶されていた場合(ステップST120でYES)、ステップST300に進む。
【0104】
ステップST300においては、図27および図28で示したように、予測部90により、現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82、並びに開度履歴情報72に基づいて、現フレームの次のフレームの目標開度81と現在開度82との差の予測値91が導出される。予測値91は、予測部90から絞り駆動制御部79に出力される。
【0105】
続くステップST305においては、絞り駆動制御部79により、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転しているか否かが判定される。現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転していなかった場合(ステップST305でNO)、図29で示したように、絞り駆動制御部79により、開度を目標開度81とすべく絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が上げられる(ステップST310)。
【0106】
一方、現フレームから遡って5フレーム分のレコード85の目標開度81が5以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転していた場合(ステップST305でYES)、図31で示したように、絞り駆動制御部79により、開度を目標開度81とすべく絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が下げられる(図34のステップST315)。
【0107】
このように、第3実施形態においては、予測部90は、開度履歴情報72に基づいて、現フレームの次のフレームの目標開度81と現在開度82との差の予測値91を導出する。このため、開度履歴情報72だけでなく、予測値91にも基づいて、絞り開度調整機構19の駆動制御を行うことができる。
【0108】
また、第3実施形態においては、図29で示したように、絞り駆動制御部79は、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81が、予め設定された第4閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転していなかった場合、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を上げる。このため、現フレームの絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過小であるがゆえに、次のフレームにおいて現在開度82が目標開度81に達しない状況を改善することができる。
【0109】
さらに、第3実施形態においては、図31で示したように、絞り駆動制御部79は、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコード85の目標開度81が、予め設定された第5閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコード85の目標開度81と現在開度82との差と、予測値91の正負が反転していた場合、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を下げる。このため、現フレームの絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力が過大であるがゆえに、次のフレームにおいて現在開度82が目標開度81に達しないでオーバーシュートまたはアンダーシュートしてしまう状況を改善することができる。
【0110】
上記第1実施形態、上記第2実施形態、および上記第3実施形態を複合して実施してもよい。
【0111】
[第4実施形態]
一例として図35に示すように、第4実施形態においては、絞り駆動制御部79は、現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82との差が3以上であった場合は、開度を目標開度81とすべく絞り開度調整機構19を駆動させる。一方、一例として図36に示すように、絞り駆動制御部79は、現フレームにおいて導出した目標開度81と現在開度82との差が3未満であった場合は、絞り開度調整機構19を駆動させずに現在開度82を維持させる。ここで、3以上または3未満の「3」は、本開示の技術に係る「第6閾値」の一例である。
【0112】
こうして絞り開度調整機構19を駆動させるのに要する目標開度81と現在開度82との差に第6閾値というマージンを設けることで、目標開度81と現在開度82との差が微小な場合に絞り開度調整機構19が過敏に駆動されることを防止することができる。また、ユーザが画像の明るさの変動に気付かない程度の値に第6閾値を設定しておけば、目標開度81と現在開度82との差が3以上となって絞り開度調整機構19を駆動させた際の画像の明るさ変動を、ユーザにとって気にならないものとすることができる。
【0113】
[第5実施形態]
一例として図37に示すように、第5実施形態においては、絞り駆動制御部79は、ズーム操作によるズームレンズ15の操作速度に応じて、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を変化させる。より具体的には、ズームレンズ15の操作速度が相対的に速い場合、絞り駆動制御部79は、駆動初期の絞り16の駆動速度の立ち上がりを急峻にすることで、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を上げる。一方、ズームレンズ15の操作速度が相対的に遅い場合、駆動初期の絞り16の駆動速度の立ち上がりを緩やかにすることで、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を下げる。
【0114】
このように、第5実施形態においては、絞り駆動制御部79は、ズームレンズ15の操作速度に応じて、絞り開度調整機構19から絞り16に与える駆動力を変化させる。このため、ズームレンズ15の操作速度に応じた適切な絞り駆動を行うことが可能となる。
【0115】
現フレームにおいて導出した目標開度81および現在開度82に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行うか、開度履歴情報72に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行うかを判定するためのフレーム数、並びに第1閾値~第6閾値として上記で示した数はあくまでも例示である。現フレームにおいて導出した目標開度81および現在開度82に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行うか、開度履歴情報72に基づいて絞り開度調整機構19の駆動制御を行うかを判定するためのフレーム数、並びに第1閾値~第6閾値を、ユーザが設定可能に構成してもよい。
【0116】
本開示の技術に係る撮像装置は、コンパクトデジタルカメラ、スマートフォン、あるいはタブレット端末でもよい。
【0117】
上記各実施形態において、例えば、画像処理部27、表示制御部30、指示受付部32、現在ズーム位置導出部75、RW制御部76、目標開度導出部77、現在開度導出部78、絞り駆動制御部79、および予測部90といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、ソフトウェア(作動プログラム70)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU66に加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、および/またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0118】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、および/または、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0119】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0120】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)を用いることができる。
【0121】
以上の記載から、下記の付記項に記載の技術を把握することができる。
【0122】
[付記項1]
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
絞りの開度と、ズームレンズの焦点距離の変動に応じた前記絞りの目標の開度とを関連付けた開度履歴情報に基づいて、前記絞りの開度を調整する絞り開度調整機構の駆動制御を行う、
絞り駆動制御装置。
[付記項2]
前記目標の開度は、前記ズームレンズの操作中における前記焦点距離に関する情報に応じた値であり、
前記プロセッサは、
前記開度履歴情報に基づいて、前記ズームレンズの操作中における前記絞り開度調整機構の駆動制御を行う付記項1に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項3]
前記プロセッサは、
前記目標の開度および現在の開度を関連付けて、前記開度履歴情報の1つのレコードとして記憶部に記憶する制御を行う付記項1または付記項2に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項4]
前記プロセッサは、
撮像素子が順次出力するフレームに応じて、前記レコードを前記記憶部に記憶する制御を行う付記項3に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項5]
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードが前記開度履歴情報に記憶されていなかった場合、現フレームにおいて導出した前記目標の開度および前記現在の開度に基づいて前記駆動制御を行い、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードが前記開度履歴情報に記憶されていた場合、前記開度履歴情報に基づいて前記駆動制御を行う付記項4に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項6]
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度と前記現在の開度とに差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度に変化がなかった場合、
前記絞り開度調整機構の駆動を抑制する付記項5に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項7]
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度と前記現在の開度とに、予め設定された第1閾値以下の差があり、かつ、現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度が、予め設定された第2閾値以下の変化量で変化していた場合、
前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を上げる付記項5または付記項6に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項8]
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度と前記現在の開度とに、予め設定された第3閾値以上の差があり、かつ、現フレームの1つ前のフレームのレコードの前記目標の開度と前記現在の開度との差と、現フレームのレコードの前記目標の開度と前記現在の開度との差の正負が反転していた場合、
前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を下げる付記項5から付記項7のいずれか1項に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項9]
前記プロセッサは、
前記開度履歴情報に基づいて、現フレームの次のフレームの前記目標の開度と前記現在の開度との差の予測値を導出する付記項5から付記項8のいずれか1項に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項10]
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度が、予め設定された第4閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの前記目標の開度と前記現在の開度との差と、前記予測値の正負が反転していなかった場合、
前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を上げる付記項9に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項11]
前記プロセッサは、
現フレームから遡って予め設定されたフレーム分のレコードの前記目標の開度が、予め設定された第5閾値以下の変化量で変化していて、かつ、現フレームのレコードの前記目標の開度と前記現在の開度との差と、前記予測値の正負が反転していた場合、
前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を下げる付記項9または付記項10に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項12]
前記プロセッサは、
前記目標の開度と現在の開度との差が予め設定された第6閾値以上であった場合は、前記現在の開度を前記目標の開度とすべく前記絞り開度調整機構を駆動させ、
前記差が前記第6閾値未満であった場合は、前記絞り開度調整機構を駆動させずに前記現在の開度を維持させる付記項1から付記項11のいずれか1項に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項13]
前記プロセッサは、
前記ズームレンズの操作速度に応じて、前記絞り開度調整機構から前記絞りに与える駆動力を変化させる付記項1から付記項12のいずれか1項に記載の絞り駆動制御装置。
[付記項14]
付記項1から付記項13のいずれか1項に記載の絞り駆動制御装置を備える撮像装置。
【0123】
本開示の技術は、上述の種々の実施形態および/または種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
【0124】
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0125】
本明細書において、「Aおよび/またはB」は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「Aおよび/またはB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、AおよびBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「および/または」で結び付けて表現する場合も、「Aおよび/またはB」と同様の考え方が適用される。
【0126】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0127】
10 撮像装置
11 撮像光学系
12 撮像素子
13 対物レンズ
14 フォーカスレンズ
15 ズームレンズ
16 絞り
17 フォーカスレンズ駆動機構
18 ズームレンズ駆動機構
19 絞り開度調整機構
20 制御部
21 操作部
22 撮像素子ドライバ
23 シャッター
24 シャッター駆動機構
25 画像入力コントローラ
26 画像メモリ
27 画像処理部
28、68 バスライン
29 VRAM
30 表示制御部
31 メディアコントローラ
32 指示受付部
33 ファインダモニタ
34 背面モニタ
35 メモリカード
36 タッチパネル
40 フォーカス用カム環
41 フォーカス用モータ
42、47、53 ドライバ
45 ズーム用カム環
46 ズーム用モータ
50 絞り羽根
51 開口
52 絞り用モータ
60 光電変換部
61 画素
61N 通常画素
61P 位相差検出画素
62 撮像面
63 画像信号
65 ストレージ
66 CPU
67 メモリ
70 作動プログラム
71 導出参照情報
72 開度履歴情報
75 現在ズーム位置導出部
76 リードライト制御部(RW制御部)
77 目標開度導出部
78 現在開度導出部
79 絞り駆動制御部
80 現在のズームレンズの位置(現在ズーム位置)
81 絞りの目標の開度(目標開度)
82 絞りの現在の開度(現在開度)
85 レコード
90 予測部
91 予測値
OA 光軸
ST100、ST105、ST110、ST115、ST120、ST125、ST130、ST135、ST140、ST145、ST150、ST155、ST200、ST205、ST210、ST215、ST300、ST305、ST310、ST315 ステップ
図1
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