IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日清食品ホールディングス株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141823
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】風味改善剤及び風味改善方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20241003BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20241003BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20241003BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20241003BHJP
   A23J 3/00 20060101ALN20241003BHJP
   A23J 3/16 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/20 D
A23J3/14
A23L5/00 H
A23J3/00 509
A23J3/16
A23J3/00 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053667
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】前中 理沙
(72)【発明者】
【氏名】澤永 叔基
【テーマコード(参考)】
4B035
4B047
【Fターム(参考)】
4B035LC01
4B035LE01
4B035LE05
4B035LE06
4B035LG04
4B035LG15
4B035LG31
4B035LG33
4B035LK01
4B035LP03
4B035LP24
4B035LP25
4B035LP32
4B035LP43
4B047LB08
4B047LF10
4B047LG05
4B047LG18
4B047LG37
(57)【要約】
【課題】植物性タンパク質を原料として使用する食品に対する新たな風味改善剤を提供する。
【解決手段】
2,4,7-トリデカトリエナールを含有させることで植物性タンパク質又は植物性タンパク質を使用した食品の風味を改善することができる。
また、本願においては、2,4,7-トリデカトリエナールを含有する植物性タンパク質含有食品の風味改善とともに、2,4,7-トリデカトリエナールを含有させる工程を含む植物性タンパク質含有食品の製造方法及び風味改善方法も意図している。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,4,7-トリデカトリエナールを含有することを特徴とする、植物性タンパク質含有食品に対する風味改善剤。
【請求項2】
2,4,7-トリデカトリエナールを含有する植物性タンパク質含有食品。
【請求項3】
前記食品が加工食品である請求項2に記載の植物性タンパク質含有食品。
【請求項4】
植物性タンパク質含有食品の製造方法であって、2,4,7-トリデカトリエナールを添加する工程を含む植物性タンパク質含有食品の製造方法。
【請求項5】
植物性タンパク質を使用する食品において、2,4,7-トリデカトリエナールを含有させることによる風味改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性タンパク質を原料として使用する食品に添加して、当該食品の風味を改善することができる風味改善剤等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加工食品をはじめとする各種食品においては、大豆タンパク質等の植物性タンパク質が利用される場合がある。このような植物性タンパク質は将来の畜肉原料の不足等の状況が予想されることから、代替肉として重要に考えられるようになってきている。そして、その使用量が増加してきており、将来的にはさらに多く使用されていくことが予想される。
一方、植物性タンパク質と畜肉類のタンパク質とは、生物種の違いやアミノ酸組成、付随する油脂等の違いから風味や味が相違する。また、植物性タンパク質は独特の風味を有する点が問題となる場合があった。
【0003】
このような状況下において、植物性タンパク質に対してその風味を改善することができれば、一層の植物性タンパク質の利用を促進することができる。
植物性タンパク質の風味を改善する素材として例えば、以下の特許文献1に記載の発酵調味料組成物が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-078340
【0005】
上記の発酵調味料組成物は、植物性タンパク質の特有の臭いの改善に有効な物質である。一方、他にも積極的に植物性タンパク質の風味改善する方法の検討の余地はある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の発明者らは植物性タンパク質を原料として使用する食品に対する新たな風味の改善剤を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、種々の素材を用いてその香気成分について実験を繰り返し実施した。本発明者の鋭意研究の結果、2,4,7-トリデカトリエナールを利用することで、植物性タンパク質を使用する食品に対するその風味を改善する効果を見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本願第一の発明は、
「2,4,7-トリデカトリエナールを含有することを特徴とする、植物性タンパク質含有食品に対する風味改善剤。」、である。
【0008】
次に、本出願人は、2,4,7-トリデカトリエナールを含有する植物性タンパク質含有食品も意図している。すなわち、本願第二の発明は、
「2,4,7-トリデカトリエナールを含有する植物性タンパク質含有食品。」、である。
【0009】
次に、前記植物性タンパク質含有食品は、加工食品であることが好ましい。すなわち、本願第三の発明は、
「前記食品が加工食品である請求項2に記載の植物性タンパク質含有食品。」、である。
【0010】
次に、本出願人は、植物性タンパク質含有食品の製造方法において、2,4,7-トリデカトリエナールを添加する工程を含む植物性タンパク質含有食品の製造方法についても意図している。
すなわち、本願第四の発明は、
「植物性タンパク質含有食品の製造方法であって、2,4,7-トリデカトリエナールを添加する工程を含む植物性タンパク質含有食品の製造方法。」、である。
【0011】
次に、本出願人は、植物性タンパク質を使用する食品において、2,4,7-トリデカトリエナールを含
有させることによって風味を改善させる方法についても意図している。
すなわち、本願第五の発明は、
“植物性タンパク質を使用する食品において、2,4,7-トリデカトリエナールを含有させることによる風味改善方法。”、である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の風味改善剤を利用することで、植物性タンパク質を使用する食品、特に加工食品を始めとする各種食品において植物性タンパク質の有する風味を改善させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施の形態に準じて詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施態
様に限定されるものではない。本発明の有効成分は以下の物質である。
【0014】
─2,4,7-トリデカトリエナール─
本発明における2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)については、特に(E,Z,Z) -2,4,7-トリデカトリエナール、(E,E,Z)-2,4,7-トリデカトリエナール、(E,E,E)-2,4,7-トリデカトリエナール等を利用することができる。 特にこれらのうち、(E,Z,Z)-2,4,7-トリデカトリエナール(CAS番号13552-96-0)を利用することが好ましい。
【0015】
また、(E,Z,Z)-2,4,7-トリデカトリエナール((E,Z,Z)-2,4,7-tridecatrienal)については、市販のタイプを入手等することができ食品用香料化合物として使用することができる。
【0016】
本発明に利用する2,4,7-トリデカトリエナールについては、市販のタイプを購入することができる。また、合成したものを利用することもできる。さらに、抽出(蒸留等)により、その香気成分を取り出したものを用いることもできる。
尚、本2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を使用する場合は、液体油脂等の溶剤に溶解させた状態のタイプのものを利用することが好ましい。
【0017】
─植物性タンパク質─
本発明にいう植物性タンパク質とは、植物に含まれるタンパク質をいう。植物性タンパク質は、動物性のタンパク質(牛、豚、鶏、卵、魚等)に比べて、脂質量が少なく、カロリー摂取を抑える面からは有利である。また、種々の食品に添加しやすいという特徴を有している。
主な植物性タンパク質については、大豆、エンドウ豆、そら豆等の豆類や、とうもろこし、そば、小麦等の穀類が原料となる各種タンパク質が挙げられる。その他、植物自体に含まれる量は比較的少ないが、アスパラガス、ブロッコリー等の野菜類や、アボカド、バナナ等の果実類にも含まれている。
【0018】
本発明にいう植物性タンパク質は、主としては大豆やエンドウ豆、そら豆等の豆類や、とうもろこし、そば、小麦等の穀類由来の植物性タンパク質をいうが、これに限定されず、野菜類、果実類の植物性タンパク質も含まれる。
次に、当該植物性タンパク質については、例えば、当該植物体から抽出、分離等された状態から得られたタイプのものが挙げられる。但し、抽出については、厳密な精製等のレベルでなく、粗抽出でもよいことは勿論である。
【0019】
また、大豆等の植物体をそのまま使用することも可能であり、当該植物体に含む植物性タンパク質を利用することもできる。上記のように種々の方法で植物性タンパク質を利用した食品を製造することができる。
植物性タンパク質としては、乾燥タイプやウエットタイプのいずれも利用することができる。特に乾燥タイプの植物性タンパク質を利用する場合、一旦、水と混合してパテ状にしたものを利用する場合もある。
【0020】
─植物性タンパク質含有食品─
本発明にいう植物性タンパク質含有食品とは、上述の植物性タンパク質を原料として用いた食品という。当該植物性タンパク質が原料として一部に利用されていればよく、当該植物性タンパク質以外の原料が含まれていてもよい。より具体的には、植物性タンパク質以外に動物性タンパク質(牛肉、豚肉、鶏肉、魚肉等)、炭水化物(穀類、野菜等)、脂質、食物繊維、水分、ミネラル、ビタミン、色素、食品添加物等を含んでいてもよい。
【0021】
次に、本発明における植物性タンパク質含有食品において植物性タンパク質の使用量は特に限定されない。少量若しくは微量であっても植物性タンパク質含有食品に含まれることは勿論である。
また、植物性タンパク質含有食品は、固体状又は液体状のいずれの形態も可能であることは勿論である。植物性タンパク質を使用した具体的な食品名としては、例えば、即席食品(即席カップ麺や即席袋麺等の即席麺、即席カップライス、即席スープ等)が挙げられる。
【0022】
特に、即席麺(即席カップ麺)や即席カップライスでは、具材として、大豆タンパク質等の植物性タンパク質を一部に使用した乾燥具材(熱風乾燥や凍結乾燥による乾燥具材)を使用する場合があるが、本発明は、これらの乾燥具材に好適に適用できる。
【0023】
また、大豆タンパク質及び/又はエンドウ豆タンパク質等の植物性タンパク質を利用した疑似肉(ハンバーグ、ミンチボール等)にも好適に適用することができる。
尚、当該乾燥具材や疑似肉を構成する他の成分として澱粉等の糖質、動物性タンパク質(牛、豚、鶏等)、塩、醤油及びソース等の調味料並びに香辛料が用いられてもよいことは勿論である。
【0024】
─植物性タンパク質含有食品の風味改善─
大豆タンパク質等の植物性タンパク質は独特の風味を有しており、当該風味が問題となる場合があった。特に大豆タンパク質の場合、大豆臭として知られている。具体的には好ましくない大豆臭として、大豆の豆臭さや青臭さが知られている。
本発明における風味改善とは、上記の大豆臭等の植物性タンパク質が有する独特の風味をマスキングしたり、カモフラージュする効果を奏する効果をいう。
【0025】
─2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を含有する風味改善剤─
本発明においては、2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を含有する風味改善剤について意図しているが、当該風味改善剤は2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を植物性タンパク質含有食品に対して添加又は含有させるものであれば、あらゆる態様を含むものとする。
また、2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)以外の他の香料や各種添加物、香辛料等の様々な食品に利用できる成分を含んでいてもよいことは勿論である。
【0026】
─2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を含有する植物性タンパク質含有食品─
本発明においては、2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を含有する植物性タンパク質含有食品についても意図している。ここで、植物性タンパク質含有食品が2,4,7-トリデカトリエナールを含有するとは、まず、植物性タンパク質含有食品の製造過程のいずれかにおいて、2,4,7-トリデカトリエナールが添加される場合が挙げられる。
【0027】
植物性タンパク質含有食品の製造過程については、当該植物性タンパク質含有食品が乾燥するタイプの乾燥食品であれば、例えば、植物性タンパク質を含む原料を混合→加熱→乾燥等のステップを経て完成させる製造プロセスの例が挙げられる。この場合においては、原料段階で添加してもよいし、混合中に添加してもよい。また、加熱前に添加してもよいし、加熱後に添加してもよい。
【0028】
または、例えば、即席麺や即席ライス等の加工食品等で喫食時に添付フレーバーとして、喫食者が付属のスープパック等を開封して加える場合には、当該スープパック等に含有しているものでもよく、喫食時に植物性タンパク質含有食品と2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)が同時に含有する態様であれば、あらゆる態様を含むものとする。
さらに、添加される2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)は精製されたものである必要はなく、2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)をその一部の成分として含む、香料、食品素材等であれば、あらゆる態様を含むことは勿論である。
また、本発明の風味改善剤については、少なくとも2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を含有していればよく、他の成分として各種の油脂、溶媒、香料、調味料等を含んでいてもよいことは勿論である。
【0029】
さらに、風味改善剤の剤形態は必ずしも所定の形式の容器等に収納されている場合のみならず、植物性タンパク質含有食品を製造等する際に、その風味の改善のために、少なくとも2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を含む素材(粉状物、粒状物等の添加用の各種食材)が存在すればよく、当該素材を植物性タンパク質含有食品の製造の際や喫食時に植物性タンパク質含有食品に添加や混合する態様であれば、本発明にいう風味改善剤に該当するものとする。
【0030】
─本発明の風味改善剤を使用する食品─
本発明の風味改善剤は、植物性タンパク質を使用する各種食品に添加して当該食品のその風味を改善することができる。例えば、植物性タンパク質を一部又は全部に使用した疑似肉類に利用することができる。具体的には、ハンバーグやミンチボール等の種々に利用することができる。特に、加工食品である即席麺(即席カップ麺、即席袋めん)、即席スープ、即席カップライス等の即席食品に好適に利用することができる。これらの即席食品の添付スープ(粉末スープ、液体スープ)や添付の乾燥具材等にも好適に利用することができる。
【0031】
─本発明の風味改善剤の有効成分の配合濃度─
本発明においては、2,4,7-トリデカトリエナール(2,4,7-tridecatrienal)を必須の構成要素としている。2,4,7-トリデカトリエナールの添加対象である植物性タンパク質を含有する食品の重量に対する濃度は特に限定されるものではないが、喫食時の最終濃度としして0.00002ppt~2ppm程度が好ましく、さらに好ましくは、0.02ppt~0.2ppm程度であり、最も好ましくは0.2ppt~0.02ppm程度である。
【0032】
─2,4,7-トリデカトリエナールを含有させる工程を含む植物性タンパク質含有食品の製造方法─
本発明においては、植物性タンパク質の風味改善を目的として、植物性タンパク質含有食品の製造工程において2,4,7-トリデカトリエナールを含有させる工程を含む食品の製造方法も意図している。すなわち、当該植物性タンパク質含有食品の製造過程のいずれかの工程で2,4,7-トリデカトリエナールを含有させる工程を含む工程が存在すればよい。その使用量については限定されない。
【0033】
─2,4,7-トリデカトリエナールを含有させることによって植物性タンパク質を使用する食品の風味改善方法─
本発明においては、植物性タンパク質含有食品の風味改善を目的として、2,4,7-トリデカトリエナールを含有させることによる植物性タンパク質を使用する食品の風味改善方法についても意図している。
【実施例0034】
以下の本発明の実施例について説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0035】
[試験例1]ダイズタンパクに対する2,4,7-トリデカトリエナールが効果の確認
【0036】
粒状大豆タンパクを熱湯で湯戻しする際に2,4,7-トリデカトリエナールを添加し、所定時間後において、湯と大豆タンパク質を分別し官能評価した。
市販の粒状大豆タンパク質5gに対して熱湯50gを添加して湯戻し、当該湯戻しの際に2,4,7-トリデカトリエナールを添加して、3分後、湯と大豆タンパク質を分離して両者を官能評価した。
【0037】
─官能評価の方法─
評価は熟練のパネラー5人によって行い、風味改善の効果を次のように5段階で評価した。
0点:無添加の場合よりも好ましくない(異味がする等の場合を含む)
1点:無添加の場合と同等である
2点:無添加の場合よりやや好ましい
3点:無添加の場合より好ましい
4点:無添加の場合より大幅に好ましい。
結果を表1に示す。尚、1点より大きい点数であれば“改善の効果あり”とする。また、無添加の場合(希釈液の溶媒のみ)は1.0点であった。
【0038】
【表1】

大豆タンパク質に対して2,4,7-トリデカトリエナールを添加することによって、大豆の風味が改善されることがわかった。
【0039】
[試験例2] 植物性タンパク質(ダイズタンパク)を利用した加工食品に対する2,4,7-トリデカトリエナールの添加効果
植物性タンパク質として大豆タンパク質を利用した加工食品に対して、2,4,7-トリデカトリエナールを添加してその風味改善の効果について調べた。
【0040】
─加工食品の製造─
大豆タンパク質を水戻し、脱水した後にニーダーによって攪拌した後、押出し成型し、シート状の大豆タンパクシートを調製した。当該大豆タンパクシートについて蒸煮し、スライスし、さらに正方形状(16mm×16mm)にカットした後、着味(醤油、還元水飴等)を行った。
【0041】
当該着味後の大豆タンパクチップについてフリーズドライ処理し,FDされたチャーシュー様の大豆タンパクチップを作成した。
当該大豆チップ5gに対して、熱湯50gで湯戻しする際に2,4,7-トリデカトリエナールを添加した。
【0042】
─官能評価の方法─
評価は熟練のパネラー5人によって行い、風味改善の効果を次のように5段階で評価した。
0点:無添加の場合よりも好ましくない(異味がする等の場合を含む)
1点:無添加の場合と同等である
2点:無添加の場合よりやや好ましい
3点:無添加の場合より好ましい
4点:無添加の場合より大幅に好ましい。
結果を表2に示す。尚、1点より大きい点数であれば“改善の効果あり”とする。また、無添加の場合(希釈液の溶媒のみ)は1.0点であった。
【0043】
【表2】

2,4,7-トリデカトリエナール濃度を添加することで大豆タンパク質を含む加工食品の風味を改善することができた。