(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024141986
(43)【公開日】2024-10-10
(54)【発明の名称】基板処理装置及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241003BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/304 643A
H01L21/304 648L
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023053905
(22)【出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】待鳥 真一
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA12
5F131BA37
5F131CA12
5F131EA06
5F131EA23
5F131EA24
5F131EB55
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB32
5F157CF16
5F157CF32
5F157DB02
(57)【要約】
【課題】基板を処理するために昇降可能な処理部を備える基板処理装置において、駆動機構から発生するパーティクルによる基板の汚染を防止する。
【解決手段】本開示の基板処理装置は、駆動機構を備える基部と、前記基部を覆うカバー部と、前記カバー部に覆われる内部領域から当該領域の外側の外部領域へと突出し、前記駆動機構によって前記基部に対して昇降移動する昇降体と、前記外部領域にて前記昇降体に接続された、基板を処理するための処理部と、前記駆動機構から発生するパーティクルを吸引するための吸引口が形成された吸引部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動機構を備える基部と、
前記基部を覆うカバー部と、
前記カバー部に覆われる内部領域から当該領域の外側の外部領域へと突出し、前記駆動機構によって前記基部に対して昇降移動する昇降体と、
前記外部領域にて前記昇降体に接続された、基板を処理するための処理部と、
前記駆動機構から発生するパーティクルを吸引するための吸引口が形成された吸引部と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記吸引口は、前記内部領域に設けられる請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記吸引口は、前記カバー部と前記昇降体との間に形成される隙間を介して前記外部領域に連通する請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記カバー部は前記基部を上方から覆うと共に前記昇降体が貫通する上壁を備え、
前記上壁と前記基部との間は、前記隙間に連通して前記パーティクルを前記吸引口から吸引するための吸引路をなす請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記吸引口は上方に向いて開口する請求項4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記駆動機構は、前記昇降体に接続されるスライダを備え、
前記スライダの昇降可能範囲の高さの中心よりも上側に前記吸引口が開口する請求項5記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記内部領域について、前記吸引口が設けられる上方側空間と、当該上方側空間の下方の下方側空間とに区画するように、横方向に伸長する第1仕切部が設けられる請求項2ないし6のいずれか一つに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記内部領域について、前記吸引口が設けられる一方側の空間と、当該一方側の空間の側方に位置する他方側の空間と、に区画するように縦方向に伸長する第2仕切部を備える請求項1記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記内部領域において前記昇降体、前記基部、前記吸引部がこの順で横方向に並び、
当該内部領域にて、前記駆動機構に対して当該昇降体側に縦方向に伸長して設けられ、
当該内部領域を、前記昇降体、前記基部、前記吸引部の配列方向に並ぶ一の空間と、他の空間とに区画する第3仕切部を備える請求項1記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記カバー部は、
前記昇降体、前記基部及び前記吸引部を側方から囲む側壁と、
前記基部を上方から覆うと共に前記昇降体が貫通する上壁と、
前記上壁よりも下方に形成され、前記側壁から前記昇降体の昇降路に向けて突出する下壁と、
を備える請求項9記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記昇降体には前記処理部を支持する支持部材が設けられ、
前記処理部は、前記支持部材に支持されるノズルまたはブラシである請求項10記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記基板を収容する処理容器と、
前記処理部により前記基板を処理するために、前記処理容器内で当該基板を保持する基板保持部と、
を備える請求項1記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記吸引口からの吸引は、前記基板処理装置の稼働中に常時行われる請求項1記載の基板処理装置。
【請求項14】
カバー部により覆われる基部に設けられる駆動機構により、前記カバー部に覆われる内部領域から当該領域の外側の外部領域へと突出する昇降体を、前記基部に対して昇降移動させる工程と、
前記外部領域にて前記昇降体に接続された処理部により、基板を処理する工程と、
吸引部に形成された吸引口により、前記駆動機構から発生するパーティクルを吸引する工程と、
を備える基板処理方法。
【請求項15】
前記吸引口は、前記カバー部に囲まれる領域に設けられる請求項14記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを製造するにあたり、基板である半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)に対して装置内で各種の処理が行われる。特許文献1においてはウエハを装置内で昇降搬送するにあたり、当該ウエハを支持して搬送するための搬送アームについて、ボールスクリューを含む駆動機構を用いて昇降移動させる技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板を処理するために昇降可能な処理部を備える基板処理装置において、駆動機構から発生するパーティクルによる基板の汚染を防止することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の基板処理装置は、駆動機構を備える基部と、
前記基部を覆うカバー部と、
前記カバー部に覆われる内部領域から当該領域の外側の外部領域へと突出し、前記駆動機構によって前記基部に対して昇降移動する昇降体と、
前記外部領域にて前記昇降体に接続された、基板を処理するための処理部と、
前記駆動機構から発生するパーティクルを吸引するための吸引口が形成された吸引部と、
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、基板を処理するために昇降可能な処理部を備える基板処理装置において、駆動機構から発生するパーティクルによる基板の汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態に係る基板処理装置である現像装置の平面図である。
【
図3】前記現像装置に設けられる昇降ユニットの斜視図である。
【
図8】前記昇降ユニットを構成する上カバーを構成する部材の斜視図である。
【
図9】前記現像装置を構成する部材の位置関係を示すための平面図である。
【
図10】前記昇降ユニットにおける気流を示す説明図である。
【
図11】昇降ユニットの他の例を示す縦断側面図である。
【
図12】昇降ユニットのさらに他の例を示す横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施形態に係る基板処理装置として、現像装置1について、
図1の平面図及び
図2の側面図を用いて説明する。図中、X方向、Y方向は各々水平方向であり、互いに直交する。Z方向は鉛直方向である。X方向を前後方向、Y方向を左右方向として呼称する場合が有る。現像装置1には、図示しない搬送機構によってウエハWが搬送される。ウエハWの表面にはレジスト膜が形成され、当該レジスト膜は所定のパターンに沿って露光されている。現像装置1では、このウエハWに対して現像液の供給による現像処理、洗浄液の供給による洗浄処理が順に行われる。
【0009】
現像装置1は、スピンチャック11、回転機構12、カップ13、現像部2及び洗浄部2Aを備えている。スピンチャック11はウエハWの裏面中央部を吸着して、当該ウエハWを水平に保持する載置部である。基板保持部であるスピンチャック11は、回転機構12に接続されており、ウエハWを保持した状態で鉛直軸周りに回転し、当該ウエハWについては中心周りに回転する。
【0010】
カップ13は、スピンチャック11に載置されたウエハWを側方から囲み、ウエハWに供給されてウエハWから撥ねた処理液(現像液及び洗浄液)を、その内周面で受け止めて、飛散することを防止する。従って、カップ13はスピンチャック11上のウエハWを収容する処理容器として構成されている。カップ13の上端の開口部を14として示している。上記のように処理液の飛散を防止するため、カップ13の上端は、スピンチャック11に載置されて処理がなされるウエハWの上面よりも上方に位置する。開口部14を介して、図示しない搬送機構とスピンチャック11との間でウエハWが受け渡される。この受け渡しは、カップ13内に設けられる3本のピンを備えた昇降機構15により行われる。
【0011】
カップ13の上方には図示しない気体供給部が設けられており、当該気体供給部から下方に向けて清浄な気体、例えば大気が供給されることで、カップ13及びその周囲に下降気流が形成される。なおこの下降気流は、現像装置1の稼働中に常時形成される。カップ13内には排液口16及び排気口17が開口している。排液口16を介して上記の処理液はカップ13外に排出される。また、排気口17から上記の大気が排気される。
【0012】
続いて、現像部2及び洗浄部2Aについて説明する。現像部2は現像処理を行うためにウエハWに現像液を供給する機構であり、洗浄部2Aは洗浄処理を行うためにウエハWに洗浄液を供給する機構である。現像液、処理液は現像部2、洗浄部2Aに夫々設けられるノズルから、スピンチャック11上のウエハWに吐出される。そのようにウエハWに供給する処理液の種類が異なること、及びノズルの形状が異なることを除いて、洗浄部2Aは現像部2と概ね同様の構成である。以下では代表して、現像部2について説明する。
【0013】
現像部2は、現像液をウエハWに吐出する現像ノズル21と、カップ13の前方に設けられる移動ユニット22と、現像ノズル21と移動ユニット22とを接続するアーム23と、を備えている。移動ユニット22によって現像ノズル21は、左右の水平移動及び鉛直方向の昇降移動が可能であり、カップ13の外側に設けられる待機領域24と、スピンチャック11に載置されるウエハWの上方との間で移動することができる。待機領域24は、ウエハWに対して処理を行わないときに、現像ノズル21を待機させる領域である。
【0014】
上記した移動ユニット22は、アーム23を介して現像ノズル21を昇降させるための昇降ユニット4と、当該昇降ユニット4を左右に移動させる水平移動機構25と、を備えている。この昇降ユニット4について、
図3の斜視図も参照して概略構成を説明する。昇降ユニット4は、基部41、昇降体42、吸引管31及びカバー部6により構成されている。基部41は駆動機構5を備えており、アーム23が接続される昇降体42を昇降させる。カバー部6は駆動機構5から生じたパーティクルが、周囲へ飛散することを抑えるために基部41及び昇降体42を囲む。カバー部6に囲まれる空間が内部領域であり、カバー部6の外側で既述したカップ13が設けられる領域が外部領域である。昇降体42の上部側については外部領域へと突出しており、そのように外部領域に位置する上部側に、アーム23の基端部が接続されている。アーム23の先端側については後方へ向けて水平に伸びると共に現像ノズル21を支持しており、現像ノズル21は、下方に現像液を吐出する。アーム23は、そのように処理部である現像ノズル21を支持する支持部材である。
【0015】
昇降体42が昇降するにあたってスライダ56及び昇降体42が、カバー部6内を移動することによってカバー部6内の空間の体積が変動する。より具体的には、昇降体42及びスライダ56が上昇するにあたり、当該空間の体積が当該昇降体42及びスライダ56の移動量分、上部に押し出される。昇降体42の昇降を妨げないようにするために、カバー部6と昇降体42との間には微小な隙間(以下、昇降用隙間と記載する)65が形成されているが、上記のカバー部6内の空間についての体積が、昇降体42及びスライダ56の移動量分押し出されることによって、この隙間65を介してパーティクルがカバー部6の外に放出されてしまうおそれが有る。その場合、ウエハWの処理空間をなすカップ13内にパーティクルが放出され、ウエハWに付着してしまうことが考えられるが、そのようなパーティクルの放出が防止されるようにカバー部6内には、吸引部として吸引管31が設けられている。この吸引管31による排気がなされることで、当該パーティクルは吸引、除去される。なお、隙間65を介してカバー部6の外側の大気が当該カバー部6内に流入し、吸引管31に流れ込むことになる。
【0016】
以下、昇降ユニット4について
図4の分解斜視図、
図5の縦断正面図、
図6の横断平面図及び
図7の縦断側面図も参照して詳しく説明する。
図6は、
図5のA-A′矢視断面図である。上記した昇降体42は鉛直方向に伸びる直方体をなし、上面視ではその外形をなす4辺のうちの2辺が前後(X方向)に、他の2辺が左右(Y方向)に沿って伸びる。上記のアーム23は、昇降体42の上端面に接続されている。昇降体42の右側に基部41が設けられている。
【0017】
基部41は、駆動機構5と、吸引管31を支持するための吸引管支持部30と、により構成される。駆動機構5について説明すると、駆動機構5は、ボールスクリュー52を含む直動部51と、モータ59と、により構成されており、水平移動機構25に接続され、左右方向の移動が可能である。
【0018】
直動機構(直線移動機構)51は、その側面が上記した昇降体42の側面に対向すると共に縦長の直方体の概形を有しており、鉛直方向に伸びるボールスクリュー52と、ボールスクリュー52の上端部、下端部が夫々接続される軸受け53、54と、囲み部55と、昇降可能なスライダ56と、を備えている。囲み部55については横断平面が凹部形状をなすと共に鉛直方向に伸びるように形成され、ボールスクリュー52を前方、後方及び右方から囲み、当該スライダ56に接続されてスライダ56の昇降をガイドする部材を備える。囲み部55の上部、下部に夫々軸受け53、54が設けられている。軸受け部53については直動部51の上端部を形成しており、この軸受け部53において、ボールスクリュー52との摺動がなされる摺動部を53Aとして示している。具体的に摺動部53Aは、軸受け部53において鉛直方向に穿孔される貫通孔によって形成され、ボールスクリュー52が当該貫通孔に挿通されている。モータ59は軸受け54の下方に設けられており、ボールスクリュー52を当該ボールスクリュー52の軸回りに回転させる。
【0019】
スライダ56は囲み部55によって囲まれる領域に、ボールスクリュー52に接続されて設けられ、当該領域をボールスクリュー52の回転に応じて昇降する。スライダ56は軸受け部53に接する位置から軸受け部54に接する位置までを昇降可能な範囲とするが、その昇降可能範囲の高さの中心を
図5中でHとして示している。スライダ56の左方に、上記した昇降体42の右側面が接続されており、スライダ56、昇降体42は左右方向(Y方向)に並んでいる。従って、モータ59及びボールスクリュー52の回転動作に連動して、スライダ56及び昇降体42、ひいては昇降体42に接続される現像ノズル21が昇降する。
【0020】
吸引管支持部30について説明すると、吸引管支持部30は、その厚さ方向が左右方向となるように直動部51に右側から接続された厚板状の部材であって、鉛直方向に長尺な矩形板として構成されている。吸引管支持部30の上端は、後述する軸受け部53上に形成される気流を妨げないように、直動部51の上端よりも若干下方に位置している。吸引管支持部30及び直動部51についての各々の前後の幅は同じであると共に、前端の位置、後端の位置は夫々揃っているため、吸引管支持部30及び直動部51の概形としては一つの直方体をなす。
【0021】
吸引管支持部30の右側に、吸引管31が設けられている。従って、昇降体42、基部41、吸引管31は、この順に右側に向けて一列に並んでいる。即ち、これらはY方向に並ぶ。吸引管31の上流端を形成する吸引口32は、鉛直上方に向けて開口し、後に詳しく述べるように、直動部51の上方側に気流を形成することができる。この吸引口32の位置についてさらに詳しく述べると、当該吸引口32は、吸引管支持部30の上端よりも僅かに下方の高さに開口している。従って、吸引口32の高さとしては直動部51の上端よりも下方であって、上記したスライダ56の昇降可能範囲の高さの中心Hよりも上方である。また、吸引口32の位置については、吸引管支持部30の前後方向(X方向)の中央部の右側であると共に、直動部51の摺動部53Aの右側である。
【0022】
このように吸引口32として開口する位置から、吸引管31は鉛直方向に沿って吸引管支持部30の下方へと伸び、さらに後述する下カバー69に囲まれる空間の外部へと引き出され、排気機構33に接続されている。排気機構33は、例えばエジェクタにより構成されている。排気機構33の動作により、吸引口32からの吸引がなされる状態と、当該吸引が停止する状態とが切り替えられる。
【0023】
吸引管支持部30には、吸引管31を固定するための固定部材が上下に互いに離れて3段に設けられており、これらの固定部材を上方から下方に向けて固定部材34A、34B、34Cとする。固定部材34A~34Cは、各々前後方向(X方向)、即ち横方向に伸長する角型のブロック状に構成されている。そして、固定部材34A~34Cの前後方向の中央部には鉛直方向の貫通孔が形成され、吸引管31の上流側の部位は、固定部材34A~34Cの各貫通孔に挿通されることで、吸引管支持部30に固定されている。このように固定部材34A~34Cが設けられるので、上面視では固定部材34A~34Cは吸引管31から前方及び後方に伸びる。
【0024】
固定部材34A~34Cのうち、最も吸引口32寄りに設けられる固定部材34Aは後に詳しく述べるように、吸引管31による吸引力を高めるために吸引口32が位置する空間を周囲の空間から区画する役割も有している。固定部材34Aは、吸引管31の上端よりも若干下方で、上記した高さ中心Hよりも上方に位置している。固定部材34A及び固定部材34Bは、後述する上カバー61に覆われる高さに設けられており、当該上カバー61に対する位置関係については後に詳しく述べる。固定部材34Cは、下カバー69に覆われる高さに設けられている。
【0025】
なお、上記したように昇降ユニット4については左右に移動するため、吸引管31についてはこの移動を妨げないように少なくとも、固定部材34Cにより固定される位置よりも上流側(排気機構33側)には、可撓性を有する部位を備えている。具体的には、吸引管31は蛇腹構造を備えることでこの可撓性を有しているが、蛇腹の図示は省略している。
【0026】
吸引管支持部30の後方端(アーム23の伸長方向の端)には、当該後方端から右方(即ち、Y方向)へ突出すると共に鉛直方向、即ち縦方向に伸長して前後(X方向)を仕切る前後仕切板35が設けられている。前後仕切板35は矩形板であり、吸引管支持部30の上端から固定部材34Bの上面に至るように、縦長に設けられている。従って、前後仕切板35の上端、下端は夫々吸引口32に対して上方、下方に夫々位置しているなお、固定部材34Aの前端面は、前後仕切板35の後面に接続されている。この前後仕切板35の役割については後述する。
【0027】
続いて、カバー部6について説明する。カバー部6は基部41に対して、ねじなどの図示しない固定具により固定されて設けられ、上カバー61及び下カバー69によって構成されている。上カバー61は方形の筐体として構成されており、鉛直方向に起立した側壁62と、水平な上壁63と、を備えるが、筐体の下壁については一部を残して大きく切り欠かれた構成となっている。平面視における上カバー61の外形をなす4つの辺のうち、2つの辺は前後(X方向)に沿い、他の2つの辺は左右(Y方向)に沿う。説明にあたり、側壁62については上記の4つの各辺を構成する部位毎に区別し、前方側(アーム23の伸長方向とは逆側)の部位から時計回りに順に、前壁62A、左壁62B、後壁62C、右壁62Dとして表記する。基部41の上部側と、吸引管31のうち当該基部41の上部側に設けられる部位と、については側壁62、上壁63によって、上方、側方から夫々覆われる。また、昇降体42は側壁62により囲まれると共に、その上部が上カバー61の上方へと突出する。
【0028】
下カバー69については、鉛直方向に長尺な角型の筐体についての上壁及び左壁が切り取られたように構成されている。基部41の下部側と、吸引管31のうちで当該基部41の下部側に設けられる部位とは、この下カバー69に覆われる。下カバー69の上端と、上カバー61の下端と、は互いに接続されおり、上カバー61に囲まれる空間と、下カバー69に囲まれる空間とは連通する。また、下カバー69についても上カバー61と同様、平面視において外形をなす各辺は、前後方向あるいは左右方向に沿うように形成されている。
【0029】
以下、上カバー61について詳しく説明する。上カバー61は、前カバー71と、後カバー72とに分離可能である。前カバー71、後カバー72は、上カバー61が左右方向(Y方向)に沿って前後(X方向)に分割された分割体である。従って、前カバー71は下方及び後方(アーム23の伸長方向)が開放される筐体として構成され、右壁62D、左壁62B及び上壁63の各々の前方側と、前壁62Aと、を形成する。そして、後カバー72は下方及び前方(アーム23の伸長方向とは逆方向)が開放される筐体として構成され、右壁62D、左壁62B及び上壁63の各々の後方側と、後壁62Cと、を形成する。
【0030】
ただし前カバー71において上壁63を形成する部位(上壁前方形成部71Aとする)の後端部は、右壁62D、左壁62Bを構成する部位に対して後方に突出することで、突片73をなす。後カバー72が基部41に固定されるにあたり、後カバー72の上壁63を形成する部位(上壁後方形成部72Aとする)は、直動部51の上面に支持される。そして前カバー71が基部41に固定されるにあたり、突片73が上壁後方形成部72A上に支持される。従って、上カバー61の上壁63については、前後方向における一部が二重壁になっており、その上面及び下面に段差が形成された構成となっている。
【0031】
前後の幅について、前カバー71の方が後カバー72よりも大きい。そのため、上記のように前カバー71及び後カバー72が基部41に固定されるにあたり、直動部51については後端部のみ上壁63との間に隙間が形成されず、直動部51における上面の前後の中央部から前端に亘る領域と上壁63との間には排気用隙間75が形成されている。従って、直動部51の摺動部53Aの上方も、排気用隙間75として構成されている。
【0032】
上壁63についてさらに詳しく説明する。上壁前方形成部71Aの後端の一部及び上壁後方形成部72Aの前端の一部が切り欠かれることで、上壁63の左前方の角部には、平面視で矩形の貫通孔64が形成されている。昇降体42の上部側は、貫通孔64を介して上カバー61の外へ突出する。貫通孔64の孔縁は昇降体42に沿うと共に近接して形成されており、当該孔縁と昇降体42との間は、既述した昇降用隙間65として形成されている。従って平面視で昇降用隙間65は、角型のリング状に形成されている。なお、このような構成であるため、上壁63は側壁62の上側にて当該側壁62に対して屈曲して設けられると共に、昇降体42に向けて突出している。
【0033】
上記した排気用隙間75を介して、昇降用隙間65は吸引管31の吸引口32に連通しており、左右方向において排気用隙間75から見て、吸引管31は昇降用隙間65の反対側に位置している。従って、吸引管31によって吸引されることで、上カバー61に囲まれる空間の外側から昇降用隙間65を介して上カバー61内に流入した大気は、吸引路である排気用隙間75を通過して、吸引口32に流入する。つまり、摺動部53Aを含むことで比較的パーティクルが発生しやすい軸受け部53上に気流が形成されるので、当該パーティクルはこの気流に乗って吸引口32へと流されやすい。従って、排気用隙間75を形成するように上壁63を形成することは、パーティクルの捕集効率を高めることに寄与している。
【0034】
なお、吸引口32は上記したように直動部51の上端よりも下方に開口しているが、この配置についても排気用隙間75において縦方向における下方側(即ち、直動部51寄りの位置)の気流を強くすることで、パーティクルの捕集効率を高めることに寄与している。排気用隙間75の流速を比較的高くしてパーティクルの捕集効果を高くするために、排気用隙間75の高さH1(
図5参照)としては比較的小さいことが好ましいので例えば3mm以下に設定する。
【0035】
ところで既述したように吸引口32は基部41の上端部付近、即ち昇降可能範囲の高さの中心Hよりも上方に開口するので排気用隙間75近くに位置しており、当該排気用隙間75の気流を強めることができる。それ故に、パーティクルの捕集効果がより高められている。また、既述したように吸引管31の吸引口32は上方に向けられている。つまり、縦方向において、排気用隙間75及び昇降用隙間65が位置する側に向けて吸引口32が開口しており、その点からも当該昇降用隙間65における吸引力が高く、パーティクルの捕集効果が高い。
【0036】
なお、上記したように排気用隙間75は直動部51上の前端側に形成され、直動部51上の後端部には形成されていない。つまり直動部51上の前後方向においてウエハWの処理空間をなすカップ13内に近い側である前方側では気流に乗ってパーティクルが移動せず、カップ13に遠い側である後方側でのみ、このパーティクルの移動が起きる。そのような構成とされることによって、カップ13内へのパーティクルの流入がより確実に抑制される。
【0037】
続いて上カバー61の側壁62について詳しく述べる。側壁62をなし、アーム23の伸長方向とは逆側に位置する前壁62Aは、直動部51、吸引管支持部30及び昇降体42の各部材の前面に対して近接して設けられる一方で、後壁62Cは、当該各部材の後面に対して若干離れて設けられる。つまり、前壁62Aと上記の各部材の前面との距離よりも、後壁62Cと当該各部材の後面との距離の方が長い。後壁62Cと当該各部材の後面との間のスペースには、昇降体42の高さ位置を検出するためのセンサ等の図示しない機器類が配置される。また、左壁62Bは、昇降体42の左面に対して近接して設けられている。
【0038】
そして右壁62Dは、上記した固定部材34A、34Bの右側面、及び前後仕切板35の右端に接している。従って、固定部材34A、34Bは、上カバー61に囲まれる内部領域のうち、吸引管支持部30に対して右方側の空間を縦方向に区画している。その区画された空間うちの固定部材34Aによって区画される空間に、吸引口32が開口している。固定部材34Aは第1仕切部であり、上カバー61内において固定部材34Aに対して上方の空間、下方の空間が夫々上方側空間、下方空間に該当する。
【0039】
前後仕切板35については、上カバー61に囲まれると共に吸引管支持部30に対して右側の空間を前後方向(X方向)に区画しており、そのように区画された空間のうちの前方側(アーム23の伸長方向側)の空間に吸引口32が開口している。前後仕切板35は第2仕切部を構成し、上カバー61内において前後仕切板35に対して後方側の空間、前方側の空間が夫々一方側の空間、他方側の空間に該当する。
【0040】
固定部材34A及び前後仕切板35によって画成され、吸引口32が開口する空間を吸引口設置空間36とする。見方によっては吸引口32が開口する吸引口設置空間36が比較的小さくなるように、固定部材34A及び前後仕切板35が設けられ、吸引管支持部30に対して右側の空間を分割している。なお、吸引口設置空間36は、上記した上方側の空間且つ一方側の空間である。
【0041】
吸引口32からの吸引が行われるにあたり、上記のように区画がなされていることで、上カバー61の内部領域において吸引口設置空間36に隣接する空間から当該吸引口設置空間36へ大気が流入するにあたっては、比較的大きい圧力損失を生じることになるので、当該大気の流入が抑制される。また、上記のように吸引口設置空間36が比較的小さく形成されていることで、吸引管31からの吸引によって当該吸引口設置空間36における圧力を比較的低くすることができる。以上のことから、吸引口設置空間36に連通する昇降用隙間65に対する吸引力が高まり、この昇降用隙間65からのパーティクルの放出が、より確実に抑制される。
【0042】
上カバー61をなす前カバー71の内側を示す斜視図である
図8を参照して説明を続ける。前壁62Aの下端が後方へと水平に突出することで、下側仕切板66として形成されている。上カバー61は下壁が一部を残して切り欠かれた筐体であることを述べたが、下側仕切板66が当該下壁に該当する。従って、この下側仕切板66については、上壁63よりも下方の位置に、側壁62に対して屈曲して設けられている。
【0043】
昇降体42が昇降するにあたり、その下端は、上カバー61内における高さと、上カバー61よりも下方の高さとの間で移動する。下側仕切板66は、そのように移動する昇降体42の下端に干渉しないように形成されている。具体的には下側仕切板66は平面視で矩形状に形成されており、右壁62Dから左壁62Bに亘るように形成される。そして下側仕切板66の後端は、直動部51、吸引管支持部30及び昇降体42の昇降路に近接しており、上カバー61内の大気が外部へ流出すること、及び大気が上カバー61内へ流入することを防ぐ。このような下側仕切板66が設けられることによって、吸引口設置空間36の流速が大きくなり、且つ、上カバー61内からのパーティクルの流出が抑制される。
【0044】
そして前壁62Aから後方に突出して左右仕切板67が設けられており、左右仕切板67の上端、下端は下側仕切板66と上壁63とに夫々接続されている。この左右仕切板67は側面視において矩形状で縦長であり、下側仕切板66と上壁63との間の空間を左右(Y方向)に分割するように設けられており、昇降体42に対してはその移動を妨げないように近接している。左右仕切板67は第3仕切部であり、上カバー61内で左右仕切板67に対して左側の空間及び右側の空間の一方、他方が夫々一の空間、他の空間に該当する。
【0045】
図2に戻って、上カバー61と上記したカップ13との高さの関係を述べる。上記したアーム23によって現像ノズル21をカップ13の内外で移動させることが可能であるように、アーム23はカップ13よりも上方を移動することになる。そのため昇降用隙間65が設けられる上カバー61の上壁63は、カップ13の上端よりも高い位置に設けられている。その一方で上カバー61の下端は、カップ13の上端よりも低い位置に設けられている。
【0046】
ところで上カバー61は下方が開放される構造となっているため、直動部51で発生したパーティクルは、上部側の昇降用隙間65の他に当該上カバー61の下方から放出されることで、カバー部6の外側へと放出され得る。しかし、上記したように上カバー61の下端はカップ13の上端よりも低く、且つカップ13の周囲には既述した下降気流が形成されているので、上カバー61の下側から放出されるパーティクルはカップ13内へと移動しにくい。つまり、上カバー61の下方からのパーティクルの放出よりも、昇降用隙間65からのパーティクルの放出が、カップ13内及びカップ13内に収納されるウエハWの上面の清浄度に大きく影響する。そこで、既述したように吸引管31については昇降用隙間65における吸引力が高くなるように、排気用隙間75の付近に吸引口32が開口するように設けられている。
【0047】
そして昇降用隙間65における吸引力を高めるためには、上カバー61において昇降用隙間65以外の箇所での外部から内部への気体の流入を抑えることが有効である。それ故に
図4、
図8等に示した下側仕切板66が設けられており、当該下側仕切板66によって、上カバー61の下方から当該上カバー61内へ向う大気の圧力損失が比較的大きくなり、当該上カバー61内への大気の流入が抑制されるようにしている。
【0048】
また、
図4、
図8等に示した左右仕切板67について補足して説明すると、この左右仕切板67は、上カバー61内でパーティクルが飛散することで昇降用隙間65から放出されてしまうことが抑制されるように、この飛散を抑制して当該パーティクルをより確実に吸引口32に導入させる役割を有する。さらに詳しく説明すると、直動部51に対して右側に吸引管31が設けられるので、直動部51から左方に向けて飛散したパーティクルは吸引管31から離れる方向に向かうことになる。そのため吸引によって形成される気流に乗らずに、昇降用隙間65や上カバー61の下方から放出されることが考えられる。
【0049】
そこで、直動部51に対して吸引管31が位置する側(右側)とは反対側(左側)に、当該反対側における空間を左右に分割するように左右仕切板67を設ける。この左右仕切板67により、直動部51から見て吸引管31とは反対側に位置する空間の奥行きが小さくなるので、当該反対側へとパーティクルの飛散する距離が抑えられ、このパーティクルを吸引管31からの吸引によって、より確実に捕集することができる。
【0050】
なお左右仕切板67を設けることによって上カバー61内の空間が左右に区画され、区画された左側の空間からは、吸引口32が位置する右側の空間へ向けて大気が流れ難くなるので、当該吸引口32からの昇降用隙間65に対する吸引力も高まる。つまり左右仕切板67は前後仕切板35と同様に、空間を区画することで吸引管31によるパーティクルの捕集効果を向上させる役割も有している。
【0051】
続いて
図9の平面図を参照して、上カバー61の昇降用隙間65とカップ13との位置関係について説明する。平面視においてカップ13の開口部14における点Pと吸引口32とを結ぶ直線をLとする。点Pとしては無数に設定し得るが、その中には図に示すように、点P、昇降用隙間65、吸引口32が同一の直線L上に位置する位置関係となるものが含まれる。これは、吸引口32からの吸引によって、開口部14上を排気して吸引口32へ向けて直線Lに沿った気流を形成することが可能であるということである。この気流に乗ったパーティクルを吸引、除去することができるため、開口部14内についてより確実な清浄化がなされることになる。
【0052】
下カバー69についても補足して述べると、固定部材34Cの右端は、下カバー69の右壁に接続される。下カバー69の右壁と、上カバー61の右壁62Dとの左右方向の位置は同じであり、下カバー69の後壁と、上カバー61の後壁62Cとの前後方向の位置は同じである。下カバー69の前壁については、下側仕切り板66の下面に接続される。なお、下カバー69は左方が開放されているが、そのように開放された構成であっても上記した下降気流の作用によって、当該下カバー69で覆われる空間で発生するパーティクルについては、カップ13内へは移動し難い。
【0053】
図1を参照して洗浄部2Aについても簡単に説明すると、現像ノズル21に相当する、アーム23に設けられる洗浄ノズルについて、21Aとして示している。そして待機領域24に相当する洗浄ノズル21A用の待機領域については、24Aとして示している。現像ノズル21及び洗浄ノズル21Aは、ウエハWに対して処理を行う処理部である。
【0054】
また、現像装置1は制御部10を備えている。制御部10はコンピュータにより構成されており、プログラムを備えている。プログラムには、後述する現像装置1における一連の動作を実施することができるように、ステップ群が組み込まれている。このプログラムによって制御部10は現像装置1の各部に制御信号を出力し、当該各部の動作が制御される。この制御には、モータ59の回転によるノズルの昇降、水平移動機構25による昇降ユニット4の移動、図示しない処理液供給源からの現像ノズル21、洗浄ノズル21Aへの各処理液の給断、排気機構33の動作による吸引管31からの吸引の有無の切替えなどの制御が含まれる。上記のプログラムは、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、DVDなどの記憶媒体に格納されて、制御部10にインストールされる。
【0055】
上記の排気機構33については現像装置1の稼働中は排気動作を行い、当該稼働中は常時吸引管31からの吸引が行われるように制御される。ここでの装置の稼働中とは装置に電源が投入されることでウエハWの処理が可能となっている状態のことであり、ウエハWに処理を行っている期間及びウエハWに処理を行っていない期間が含まれる。より具体的には、装置に連続して電源が投入されている間、ウエハWが複数枚現像装置1に処理されるとする。その複数枚のうちの最初のウエハWの現像装置1への搬入前から最後のウエハWの処理が終わってウエハWが現像装置1から搬出されるまでの間、継続して吸引管31から吸引が行われる。
【0056】
以下、現像装置1の動作について説明する。現像装置1にウエハWが搬入されておらず、現像装置1が待機している状態で、上記したカップ13の周囲に大気の下降気流が形成されると共に排気気孔33が動作し、吸引管31による排気が行われている。
図10は、この際の昇降ユニット4において形成される気流を点線の矢印で模式的に示したものである。吸引によってカバー部6の外側の大気が昇降用隙間65からカバー部6の上カバー61内に流入し、この上カバー61内を吸引管31に向かうことで、基部41の周囲に気流が形成される。既述した吸引口32の配置及び排気用隙間75が形成されることによって、直動部51の上方(即ち、排気用隙間75)における、気流の流速は比較的高いものとなり、パーティクルの流出が抑制される。
【0057】
そして、上記したように下側仕切板66によって、下方から上カバー61内への大気の流入及び上カバー61内からの大気の流出が抑制される。また、固定部材34A、前後仕切板35及び左右仕切板67により、上カバー61内が区画されることで、吸引口設置空間36の周囲から当該吸引口設置空間36への大気の流れができ、上カバー61内のパーティクルの吸引が促進される。
【0058】
搬送機構によってウエハWが現像装置1に搬送され、スピンチャック11に載置されて回転される。待機領域24、24Aで夫々待機していた現像ノズル21、洗浄ノズル21Aが上昇した後、左右方向に移動し、さらに下降して、各ノズルの下端部がカップ13内に進入する。そして、現像ノズル21が現像液を吐出しつつウエハWの径方向に沿って、ウエハWの周端部上から中心部上へ向けて移動し、ウエハWの上面全体に現像液が供給されて現像処理が行われ、レジスト膜にパターンが形成される。なお、このウエハWの径方向に沿った移動とは、左右方向の移動である。
【0059】
続いて現像ノズル21がウエハWの中心部上から退避し、洗浄ノズル21AがウエハWの周端部上から中心部上へと移動する。そして、洗浄ノズル21AからウエハWの中心部に洗浄液が吐出されて洗浄処理が行われ、現像液が除去される。その後、現像ノズル21、洗浄ノズル21Aはカップ13内への移動とは逆の動作で、待機領域24、24Aに夫々移動して、再度待機状態となる。洗浄処理後のウエハWは、搬送機構により現像装置1から搬出される。
【0060】
上記したウエハWの処理中における現像ノズル21、洗浄ノズル21Aの各昇降は、現像部2、洗浄部2Aのモータ59によるボールスクリューの52の回転によってなされ、このボールスクリュー52と、軸受け部53、54及びスライダ56との摺動によりパーティクルが発生する。このパーティクルの一部は、既述したように上カバー61内に形成される気流に乗って吸引管31から除去される。このように吸引管31から除去されるパーティクルの中には、左右仕切板67によって飛散が抑えられたものが含まれる。
図10中の鎖線の矢印は、そのようなパーティクルの流れを示したものである。また、発生したパーティクルのうちの他の一部については、上カバー61の下端の開口、あるいは下カバー69からカバー部6の外側へ移動し、下降気流に押し流されることによって現像装置1から除去される。以上のように、現像装置1においては駆動機構5を備える昇降ユニット4からのパーティクルの飛散が抑えられ、ウエハWの処理をクリーンな環境で行うことができる。従って、当該ウエハWから製造される半導体デバイスの歩留りの低下を抑制することができる。
【0061】
図11は昇降ユニット4の変形例の縦断正面図である。吸引管31についてはこの
図11に示すように、上流側の端部をカバー部6の上壁63上に突出させて、吸引口32を昇降用隙間65付近に配置し、昇降用隙間65からカバー部6の外側に放出されるパーティクルを吸引するようにしてもよい。ただし、カバー部6の外側の雰囲気が多く吸引管31に吸引されることになるので、昇降用隙間65に対する吸引作用は比較的低いものとなるおそれが有る。従って、より確実に昇降用隙間65に高い吸引力を作用させるためには、
図4等で示したように吸引口32は、カバー部6内に設けることが好ましい。
【0062】
そのようにカバー部6内に吸引口32を設けるにあたり、
図5等で説明した例よりも低い位置、例えば昇降可能範囲の高さの中心H付近に吸引口32が開口するように設けてもよいし、下カバー69に囲まれる空間に設けてもよい。しかし、上記したように昇降用隙間65からのパーティクルの放出をより確実に抑えるためには、
図5等で説明した位置に設けることが好ましい。
【0063】
また吸引管31については、側方に向けて吸引口32が開口する構成であってもよい。さらに、その側方に向う吸引口32が複数設けられ、互いに異なる高さに位置する構成であってもよい。ただし、上記した摺動部53Aが臨む隙間75に高い流速の気流を形成し、パーティクルの捕集効率を高める観点から、既述したように吸引口32は上方に向けて開口することが好ましい。
【0064】
ところで上記したように前後仕切板35は、上カバー61内を上下に伸びて前後に区画し、昇降用隙間65から吸引口32が開口する空間へ向う大気の流れを集中させて、吸引口32へ流れる大気の流量を大きくする(大気流量を集中させる)。この前後仕切板35については、そのように大気流量を集中させることができればよいので、例えば
図4等で示した例よりも鉛直方向の長さが短く、固定部材34Bとの間に隙間が設けられていてもよい。ただし、吸引口32と前後仕切板35との高さの位置がずれていると、前後仕切板35はその役割を十分に果たすことができない。そのため吸引口32については、前後仕切板35の上端と同じ高さかそれよりも低く、且つ前後仕切板35の下端と同じ高さかそれよりも高い位置に開口することが好ましい。なお、上カバー61内の空間の鉛直方向の高さをH2(
図5参照)とすると、前後仕切板35の鉛直方向の長さとしては、例えば高さH2×1/2以上の長さを有するように形成することが、上記した大気流量を集中させる効果を確実に得るにあたって好ましい。
【0065】
また、この前後仕切板35について、大気流量を集中させるために基部41から突出して上カバー61の側壁62をなす右壁62Dに接するように形成されている。従って、基部41と側壁62との左右の距離(Y方向の距離)L2=前後仕切板35の左右の幅L1である(
図12参照)。なお、板によってこのように前後(X方向)を区画することに限られず、例えば鉛直方向に伸びるブロックによって区画するようにしてもよい。
【0066】
また、左右仕切板67について、既述した例ではパーティクルの飛散防止効果及び高い圧力損失効果を高くするために縦長で上壁63から下側仕切板66に亘り、且つ側壁62に接するように形成されているが、そのように形成されていなくてもよい。つまり、上壁63、側壁62及び下側仕切板66(下壁)のうちの1つあるいは2つに左右仕切板67は接しておらず、その接していない壁との間に隙間が形成される構成であってもよい。
【0067】
ただし、上記した各効果を十分に得るために、上カバー61内の空間の鉛直方向の高さをH2(
図5参照)とすると、左右仕切板67の鉛直方向の長さとしては、高さH2となる(即ち、これまでに述べたように左右仕切板67の上端、下端が、上カバー61の上壁63、下側仕切板66に夫々接する)ように形成することが好ましい。
また、昇降体44と側壁62との前後の距離L4に対して、左右仕切板67の前後の幅L3が小さすぎると、左右仕切板67は十分にその役割を果たすことができないので、例えばL3/L4=0.8以上となるように左右仕切板67を形成することが好ましい。なお、板によってこのように前後を区画することに限られず、例えば鉛直方向に伸びるブロックによって区画するようにしてもよい。
【0068】
ところで左右仕切板67について、これまでに示した昇降体42に前後方向に並ぶ位置よりも右方に設けてもよく、例えば吸引管支持部30に対して前後に並ぶ位置に設けると共に、この吸引管支持部30に接続されるように設けてもよい。この場合にも、吸引口設置空間36への不要な大気の流入を抑制することができる。しかしそのような配置にすると、上記した駆動機構5から左方へ向うパーティクルの飛散が、左右仕切板67によって妨げられなくなるので、パーティクルの捕集する効果をより高くするためには、上記したように昇降体42に前後に並ぶ位置に左右仕切板67を設けることが好ましい。
【0069】
さらに、上記したように固定部材34Aは、前後仕切板35と共に吸引口32が設けられるスペースを小さくする役割を果たすが、この固定部材34Aに対して吸引口32は上方位置に設けられることに限られず、固定部材34Aの上面と同じ高さに設けられてもよい。また、吸引管31の上端を、固定部材34Aの上面よりも吸引部若干低い位置に設けてもよく、この場合は固定部材34Aの貫通孔が吸引口をなすことになる。
【0070】
また昇降体42、駆動機構5を備える基部41、吸引管31について、左側から右側に向けて順に並ぶ例を示したが、そのようなレイアウトであることに限られず、これらの部材の並びが左右逆であったり、前後方向にこの順で並んでいたりしてもよい。また、昇降体42、基部41、吸引管31をこのように一列に配列することには限られず、例えば昇降体42、基部41が並ぶ方向と、基部41、吸引管31が並ぶ方向と、が直交するように、これらの各部材を設けてもよい。具体的には、既述の例において吸引管31を基部41の右側に設ける代わりに、基部41の前方あるいは後方に設けてもよい。ただし、昇降体42、基部41、吸引管31をこの順に一列に配置することで、既述した昇降用隙間65から基部41上を介して吸引管31へと流れる気流を形成し、パーティクルの捕集効果をより高いものとすることができるため好ましい。なお、上カバー6内の空間を区画する各部材については、昇降体42、基部41及び吸引管31のレイアウトの変更に応じて、配置を適宜変更すればよい。
また、昇降体42について直方体であるとして述べたが形状は任意であり、例えば上面視でコ字型やC字型であってもよい。
【0071】
基板処理装置として現像装置1を例に挙げて説明したが、基板処理装置は現像装置として構成されることに限られない。具体的に、基板処理装置は例えばレジスト膜や絶縁膜などの各種の膜を形成する薬液をノズルからウエハW上に供給する塗布膜形成装置であってもよい。また現像装置1について、現像部2が設けられず、洗浄処理のみが行われる構成の装置(即ち、洗浄装置)としてもよい。さらに、基板処理装置としては例えばアーム23の先端側に処理部として回転するブラシを備え、ウエハWの表面または裏面を当該ブラシによって擦って洗浄する構成であってもよい。従って、処理部としては処理液を吐出するノズルであることに限られない。また、そのようにアーム23に支持される処理部としてはノズルやブラシ以外に、例えば基板表面または裏面の各種の膜を加熱するヒータでもよいし、基板の表面または側面の各種の膜を露光処理する光照射部でもよい。
【0072】
例えば、処理部がノズルである場合、既述したように当該ノズルをカップ13の内外で搬送するために、昇降用隙間65は比較的高い位置に設けられることになる。即ち、放出されるパーティクルが下降気流によってカップ13内へと流され得る高さに、昇降用隙間65が形成されることになるため、処理部がノズルとなる基板処理装置に本技術を適用することが特に有効である。また、基板処理装置として大気雰囲気に設けられる例を述べたが、不活性ガス雰囲気などの大気雰囲気以外の雰囲気に設けられていてもよい。
【0073】
また吸引管31からの吸引について、装置の稼働中に常時行うことには限られない。例えば1枚のウエハWを処理するにあたり、アーム23の昇降が必要になる時点に対して所定の時間だけ前の時点をt1、当該ウエハWの処理が完了して現像ノズル21及び昇降の21の昇降が不要となる時点の所定時間だけ後の時点をt2とすると、時点t1~時点t2の間に限って吸引が行われるようにしてもよい。従って現像装置1で複数のウエハWを順次処理するにあたり、吸引は各ウエハWの処理毎に行われ、一のウエハWの処理に対応する期間と、次のウエハWの処理に対応する期間との間で吸引が停止するようにしてもよい。また、アーム23の昇降移動中(即ち、モータ59の動作中)においてのみ、吸引がなされるようにしてもよい。従って、1枚のウエハWの処理中に吸引の有無が切り替えられつつ、当該ウエハWに処理が行われてもよい。なお、吸引管31の下流側については排気機構33の代わりに、負圧雰囲気が形成される工場の排気路に接続され、吸引管31に介設されるバルブの開閉によって吸引の有無が切り替えられる構成としてもよい
【0074】
また、駆動機構としてはボールスクリュー52を含む直動部51によってスライダ56を昇降させる構成のものには限られない。例えばモータ59と、対となる2つのプーリと、当該2つのプーリに掛けられる無端のベルトとにより構成され、2つのプーリのうちの一方がモータ59により回転することでベルトが駆動し、当該ベルトに接続されるスライダ56が昇降する構成であってもよい。その他に、エアシリンダなどのモータ59を用いない直動機構や、リニアモータなどによって駆動機構が構成されていてもよい。
【0075】
装置で処理される基板としてはウエハWに限られず、FPD(フラットパネルディスプレイ)基板、露光マスクを製造するためのマスク基板であってもよい。そして、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更及び組み合わせがなされてもよい。
【符号の説明】
【0076】
41 基部
42 昇降体
5 駆動機構
6 カバー部
21 現像ノズル
【手続補正書】
【提出日】2024-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態に係る基板処理装置である現像装置の平面図である。
【
図3】前記現像装置に設けられる昇降ユニットの斜視図である。
【
図8】前記昇降ユニットを構成する上カバーを構成する部材の斜視図である。
【
図9】前記現像装置を構成する部材の位置関係を示すための平面図である。
【
図10】前記昇降ユニットにおける気流を示す説明図である。
【
図11】昇降ユニットの他の例を示す縦断
正面図である。
【
図12】昇降ユニットのさらに他の例を示す横断平面図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
上記した移動ユニット22は、アーム23を介して現像ノズル21を昇降させるための昇降ユニット4と、当該昇降ユニット4を左右に移動させる水平移動機構25と、を備えている。この昇降ユニット4について、
図3の斜視図
、及び図4の分解斜視図も参照して概略構成を説明する。昇降ユニット4は、基部41、昇降体42、吸引管31及びカバー部6により構成されている。基部41は駆動機構5を備えており、アーム23が接続される昇降体42を昇降させる。カバー部6は駆動機構5から生じたパーティクルが、周囲へ飛散することを抑えるために基部41及び昇降体42を囲む。カバー部6に囲まれる空間が内部領域であり、カバー部6の外側で既述したカップ13が設けられる領域が外部領域である。昇降体42の上部側については外部領域へと突出しており、そのように外部領域に位置する上部側に、アーム23の基端部が接続されている。アーム23の先端側については後方へ向けて水平に伸びると共に現像ノズル21を支持しており、現像ノズル21は、下方に現像液を吐出する。アーム23は、そのように処理部である現像ノズル21を支持する支持部材である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
以下、昇降ユニット4につい
て図5の縦断正面図、
図6の横断平面図及び
図7の縦断側面図も参照して詳しく説明する。
図6は、
図5のA-A′矢視断面図である。上記した昇降体42は鉛直方向に伸びる直方体をなし、上面視ではその外形をなす4辺のうちの2辺が前後(X方向)に、他の2辺が左右(Y方向)に沿って伸びる。上記のアーム23は、昇降体42の上端面に接続されている。昇降体42の右側に基部41が設けられている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
続いて、カバー部6について説明する。カバー部6は基部41に対して、ねじなどの図示しない固定具により固定されて設けられ、上カバー61及び下カバー69によって構成されている。上カバー61は方形の筐体として構成されており、鉛直方向に起立した側壁62と、水平な上壁63と、を備えるが、筐体の下壁については一部を残して大きく切り欠かれた構成となっている。平面視における上カバー61の外形をなす4つの辺のうち、2つの辺は前後(X方向)に沿い、他の2つの辺は左右(Y方向)に沿う。説明にあたり、側壁62については上記の4つの各辺を構成する部位毎に区別し、前方側(アーム23の伸長方向とは逆側)の部位から時計回りに順に、前壁62A、左壁62B、後壁62C、右壁62Dとして表記する。基部41の上部側と、吸引管31のうち当該基部41の上部側に設けられる部位と、については側壁62、上壁63によって、側方、上方から夫々覆われる。また、昇降体42は側壁62により囲まれると共に、その上部が上カバー61の上方へと突出する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
そして前壁62Aから後方に突出して左右仕切板67が設けられており、左右仕切板67の上端、下端は上壁63と下側仕切板66とに夫々接続されている。この左右仕切板67は側面視において矩形状で縦長であり、下側仕切板66と上壁63との間の空間を左右(Y方向)に分割するように設けられており、昇降体42に対してはその移動を妨げないように近接している。左右仕切板67は第3仕切部であり、上カバー61内で左右仕切板67に対して左側の空間及び右側の空間の一方、他方が夫々一の空間、他の空間に該当する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
以下、現像装置1の動作について説明する。現像装置1にウエハWが搬入されておらず、現像装置1が待機している状態で、上記したカップ13の周囲に大気の下降気流が形成されると共に排気
機構33が動作し、吸引管31による排気が行われている。
図10は、この際の昇降ユニット4において形成される気流を点線の矢印で模式的に示したものである。吸引によってカバー部6の外側の大気が昇降用隙間65からカバー部6の上カバー61内に流入し、この上カバー61内を吸引管31に向かうことで、基部41の周囲に気流が形成される。既述した吸引口32の配置及び排気用隙間75が形成されることによって、直動部51の上方(即ち、排気用隙間75)における、気流の流速は比較的高いものとなり、パーティクルの流出が抑制される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
ただし、上記した各効果を十分に得るために、上カバー61内の空間の鉛直方向の高さをH2(
図5参照)とすると、左右仕切板67の鉛直方向の長さとしては、高さH2となる(即ち、これまでに述べたように左右仕切板67の上端、下端が、上カバー61の上壁63、下側仕切板66に夫々接する)ように形成することが好ましい。
また、昇降体
42と側壁62との前後の距離L4に対して、左右仕切板67の前後の幅L3が小さすぎると、左右仕切板67は十分にその役割を果たすことができないので、例えばL3/L4=0.8以上となるように左右仕切板67を形成することが好ましい。なお、板によってこのように前後を区画することに限られず、例えば鉛直方向に伸びるブロックによって区画するようにしてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
さらに、上記したように固定部材34Aは、前後仕切板35と共に吸引口32が設けられるスペースを小さくする役割を果たすが、この固定部材34Aに対して吸引口32は上方位置に設けられることに限られず、固定部材34Aの上面と同じ高さに設けられてもよい。また、吸引管31の上端を、固定部材34Aの上面よりも若干低い位置に設けてもよく、この場合は固定部材34Aの貫通孔が吸引口をなすことになる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
また昇降体42、駆動機構5を備える基部41、吸引管31について、左側から右側に向けて順に並ぶ例を示したが、そのようなレイアウトであることに限られず、これらの部材の並びが左右逆であったり、前後方向にこの順で並んでいたりしてもよい。また、昇降体42、基部41、吸引管31をこのように一列に配列することには限られず、例えば昇降体42、基部41が並ぶ方向と、基部41、吸引管31が並ぶ方向と、が直交するように、これらの各部材を設けてもよい。具体的には、既述の例において吸引管31を基部41の右側に設ける代わりに、基部41の前方あるいは後方に設けてもよい。ただし、昇降体42、基部41、吸引管31をこの順に一列に配置することで、既述した昇降用隙間65から基部41上を介して吸引管31へと流れる気流を形成し、パーティクルの捕集効果をより高いものとすることができるため好ましい。なお、カバー部6内の空間を区画する各部材については、昇降体42、基部41及び吸引管31のレイアウトの変更に応じて、配置を適宜変更すればよい。
また、昇降体42について直方体であるとして述べたが形状は任意であり、例えば上面視でコ字型やC字型であってもよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
また吸引管31からの吸引について、装置の稼働中に常時行うことには限られない。例えば1枚のウエハWを処理するにあたり、アーム23の昇降が必要になる時点に対して所定の時間だけ前の時点をt1、当該ウエハWの処理が完了して現像ノズル21及び昇降体42の昇降が不要となる時点の所定時間だけ後の時点をt2とすると、時点t1~時点t2の間に限って吸引が行われるようにしてもよい。従って現像装置1で複数のウエハWを順次処理するにあたり、吸引は各ウエハWの処理毎に行われ、一のウエハWの処理に対応する期間と、次のウエハWの処理に対応する期間との間で吸引が停止するようにしてもよい。また、アーム23の昇降移動中(即ち、モータ59の動作中)においてのみ、吸引がなされるようにしてもよい。従って、1枚のウエハWの処理中に吸引の有無が切り替えられつつ、当該ウエハWに処理が行われてもよい。なお、吸引管31の下流側については排気機構33の代わりに、負圧雰囲気が形成される工場の排気路に接続され、吸引管31に介設されるバルブの開閉によって吸引の有無が切り替えられる構成としてもよい
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
ただし前カバー71において上壁63を形成する部位(上壁前方形成部71Aとする)の後端部は、右壁62D、左壁62Bを構成する部位に対して後方に突出することで、突片73をなす。後カバー72が基部41に固定されるにあたり、後カバー72の上壁63を形成する部位(上壁後方形成部72Aとする)は、直動部51の上面に支持される。そして前カバー71が基部41に固定されるにあたり、突片73が上壁後方形成部72A上に支持される。従って、上カバー61の上壁63については、前後方向における一部が二重壁73Aになっており、その上面及び下面に段差が形成された構成となっている。
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
直動部(直線移動機構)51は、その側面が上記した昇降体42の側面に対向すると共に縦長の直方体の概形を有しており、鉛直方向に伸びるボールスクリュー52と、ボールスクリュー52の上端部、下端部が夫々接続される軸受け部53、54と、囲み部55と、昇降可能なスライダ56と、を備えている。囲み部55については横断平面が凹部形状をなすと共に鉛直方向に伸びるように形成され、ボールスクリュー52を前方、後方及び右方から囲み、当該スライダ56に接続されてスライダ56の昇降をガイドする部材を備える。囲み部55の上部、下部に夫々軸受け部53、54が設けられている。軸受け部53については直動部51の上端部を形成しており、この軸受け部53において、ボールスクリュー52との摺動がなされる摺動部を53Aとして示している。具体的に摺動部53Aは、軸受け部53において鉛直方向に穿孔される貫通孔によって形成され、ボールスクリュー52が当該貫通孔に挿通されている。モータ59は軸受け部54の下方に設けられており、ボールスクリュー52を当該ボールスクリュー52の軸回りに回転させる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
吸引管支持部30の前方端(アーム23の伸長方向とは逆側の端)には、当該前方端から右方(即ち、Y方向)へ突出すると共に鉛直方向、即ち縦方向に伸長して前後(X方向)を仕切る前後仕切板35が設けられている。前後仕切板35は矩形板であり、吸引管支持部30の上端から固定部材34Bの上面に至るように、縦長に設けられている。従って、前後仕切板35の上端、下端は夫々吸引口32に対して上方、下方に夫々位置しているなお、固定部材34Aの前端面は、前後仕切板35の後面に接続されている。この前後仕切板35の役割については後述する。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
なお、上記したように排気用隙間75は直動部51上の前端側に形成され、直動部51上の後端部には形成されていない。つまり直動部51上の前後方向においてウエハWの処理空間をなすカップ13内に近い側である後方側では気流に乗ってパーティクルが移動せず、カップ13に遠い側である前方側でのみ、このパーティクルの移動が起きる。そのような構成とされることによって、カップ13内へのパーティクルの流入がより確実に抑制される。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
そして右壁62Dは、上記した固定部材34A、34Bの右側面、及び前後仕切板35の右端に接している。従って、固定部材34A、34Bは、上カバー61に囲まれる内部領域のうち、吸引管支持部30に対して右方側の空間を縦方向に区画している。その区画された空間うちの固定部材34Aによって区画される空間に、吸引口32が開口している。固定部材34Aは第1仕切部であり、上カバー61内において固定部材34Aに対して上方の空間、下方の空間が夫々上方側空間、下方側空間に該当する。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
前後仕切板35については、上カバー61に囲まれると共に吸引管支持部30に対して右側の空間を前後方向(X方向)に区画しており、そのように区画された空間のうちの後方側(アーム23の伸長方向側)の空間に吸引口32が開口している。前後仕切板35は第2仕切部を構成し、上カバー61内において前後仕切板35に対して後方側の空間、前方側の空間が夫々一方側の空間、他方側の空間に該当する。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
ただし、上記した各効果を十分に得るために、上カバー61内の空間の鉛直方向の高さをH2(
図5参照)とすると、左右仕切板67の鉛直方向の長さとしては、高さH2となる(即ち、これまでに述べたように左右仕切板67の上端、下端が、上カバー61の上壁63、下側仕切板66に夫々接する)ように形成することが好ましい。
また、昇降体44と側壁62との前後の距離L4に対して、左右仕切板67の前後の幅L3が小さすぎると、左右仕切板67は十分にその役割を果たすことができないので、例えばL3/L4=0.8以上となるように左右仕切板67を形成することが好ましい。なお、板によってこのように
左右を区画することに限られず、例えば鉛直方向に伸びるブロックによって区画するようにしてもよい。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
上記したウエハWの処理中における現像ノズル21、洗浄ノズル21Aの各昇降は、現像部2、洗浄部2Aのモータ59によるボールスクリューの52の回転によってなされ、このボールスクリュー52と、軸受け部53、54及びスライダ56との摺動によりパーティクルが発生する。このパーティクルの一部は、既述したように上カバー61内に形成される気流に乗って吸引管31から除去される。このように吸引管31から除去されるパーティクルの中には、左右仕切板67によって飛散が抑えられたものが含まれる。
図10中の
点線の矢印
Aは、そのようなパーティクルの流れを示したものである。また、発生したパーティクルのうちの他の一部については、上カバー61の下端の開口、あるいは下カバー69からカバー部6の外側へ移動し、下降気流に押し流されることによって現像装置1から除去される。以上のように、現像装置1においては駆動機構5を備える昇降ユニット4からのパーティクルの飛散が抑えられ、ウエハWの処理をクリーンな環境で行うことができる。従って、当該ウエハWから製造される半導体デバイスの歩留りの低下を抑制することができる。
【手続補正23】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正7
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
ただし、上記した各効果を十分に得るために、上カバー61内の空間の鉛直方向の高さをH2(
図5参照)とすると、左右仕切板67の鉛直方向の長さとしては、高さH2となる(即ち、これまでに述べたように左右仕切板67の上端、下端が、上カバー61の上壁63、下側仕切板66に夫々接する)ように形成することが好ましい。
また、昇降体
42と側壁62との前後の距離L4に対して、左右仕切板67の前後の幅L3が小さすぎると、左右仕切板67は十分にその役割を果たすことができないので、例えばL3/L4=0.8以上となるように左右仕切板67を形成することが好ましい。なお、板によってこのように
左右を区画することに限られず、例えば鉛直方向に伸びるブロックによって区画するようにしてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】手続補正書
【補正対象項目名】手続補正21
【補正方法】削除
【補正の内容】