(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142809
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】着脱装置
(51)【国際特許分類】
B25J 15/00 20060101AFI20241003BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20241003BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B25J15/00 Z
B25J9/06 B
B25J5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055147
(22)【出願日】2023-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-20
(71)【出願人】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000217594
【氏名又は名称】田辺工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 明之
(72)【発明者】
【氏名】城 和則
(72)【発明者】
【氏名】川田 義猛
(72)【発明者】
【氏名】井上 廣河
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄二郎
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707CS08
3C707KS03
3C707KS04
3C707KS35
3C707KW06
3C707KX06
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】自動的に、ボンベの口金に配管が接続されたナットを、所定のトルクで嵌め合わせることができる着脱装置を提供する。
【解決手段】ボンベ100の口金103に、配管が接続されたナットを着脱させる着脱装置1であって、ナットの位置及び向きを検出する3次元形状測定部20と、自身の開口部25aに配管が挿通可能であるとともに、ナットに着脱可能なソケット25と、ソケットの第1軸線回りのトルクが、予め定められた所定のトルクとなるようにソケットを第1軸線回りに回転させてナットを口金に嵌め合わせる回転駆動部と、ソケットが取付けられた支持部18を、自身の第1端部に有し、自身の第2端部に対する、支持部の位置及び向きを調節可能なアーム15と、回転駆動部及びアームを制御する制御部50と、を備え、開口部は、ソケットにおける第1軸線回りの一部に形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンベの口金に、配管が接続されたナットを着脱させる着脱装置であって、
前記ナットの位置及び向きを検出する3次元形状測定部と、
自身の開口部に前記配管が挿通可能であるとともに、前記ナットに着脱可能なソケットと、
前記ソケットの第1軸線回りのトルクが、予め定められた所定のトルクとなるように前記ソケットを前記第1軸線回りに回転させて前記ナットを前記口金に嵌め合わせる回転駆動部と、
前記ソケットが取付けられた支持部を、自身の第1端部に有し、自身の第2端部に対する、前記支持部の位置及び向きを調節可能なアームと、
前記回転駆動部及び前記アームを制御する制御部と、
を備え、
前記開口部は、前記ソケットにおける前記第1軸線回りの一部に形成されている、着脱装置。
【請求項2】
前記配管には被把持部が設けられ、
前記被把持部を着脱可能に把持し、前記支持部に取付けられた把持部を備える、
請求項1に記載の着脱装置。
【請求項3】
前記ボンベの第2軸線回りの向きを調整可能な調整部を備える、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【請求項4】
前記3次元形状測定部は、前記支持部に取付けられている、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【請求項5】
前記3次元形状測定部、前記ソケット、前記回転駆動部、前記アーム、及び前記制御部を、支持面上で搬送する搬送部を備える、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボンベ(重量物)を搬送する自動搬送システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。自動搬送システムは、自身の載置部と、ボンベの搬出入先との間で、ボンベの搬出及び搬入を自動で行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、ボンベの口金に配管が接続されたナットを嵌め合わせることは、自動搬送システムが行うことができず、作業者が行っていた。口金とナットとのネジ嵌合による嵌め合わせ作業には、熟練した腕前が必要である。嵌め合わせが不十分だと、ボンベ内のガス等が嵌め合わせ部を通して、ボンベの外部に漏れる虞がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、自動的に、ボンベの口金に配管が接続されたナットを、所定のトルクで嵌め合わせることができる着脱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1は、ボンベの口金に、配管が接続されたナットを着脱させる着脱装置であって、前記ナットの位置及び向きを検出する3次元形状測定部と、自身の開口部に前記配管が挿通可能であるとともに、前記ナットに着脱可能なソケットと、前記ソケットの第1軸線回りのトルクが、予め定められた所定のトルクとなるように前記ソケットを前記第1軸線回りに回転させて前記ナットを前記口金に嵌め合わせる回転駆動部と、前記ソケットが取付けられた支持部を、自身の第1端部に有し、自身の第2端部に対する、前記支持部の位置及び向きを調節可能なアームと、前記回転駆動部及び前記アームを制御する制御部と、を備え、前記開口部は、前記ソケットにおける前記第1軸線回りの一部に形成されている、着脱装置である。
【0007】
この発明では、制御部は、3次元形状測定部の検出結果に基づいて、アームを駆動して、アームの第2端部に対する支持部の位置及び向きを調節することにより、配管をソケットの開口部に挿通させるとともに、ソケットをナットに装着させる。そして、制御部は、回転駆動部を駆動して、ソケットを第1軸線回りに回転させて、ナットを所定のトルクとなるように口金に嵌め合わせる。
従って、着脱装置により、自動的に、ボンベの口金に配管が接続されたナットを、所定のトルクで嵌め合わせることができる。
【0008】
(2)本発明の態様2は、前記配管には被把持部が設けられ、前記被把持部を着脱可能に把持し、前記支持部に取付けられた把持部を備える、(1)に記載の着脱装置であってもよい。
この発明では、把持部で被把持部を把持すると、把持部に対して支持部を介して取付けられているソケットに対するナットの位置が保持される。このため、口金に着脱させるナットの動きを安定させることができる。
【0009】
(3)本発明の態様3は、前記ボンベの第2軸線回りの向きを調整可能な調整部を備える、(1)又は(2)に記載の着脱装置であってもよい。
一般的に、ボンベの口金は、第2軸線に交差するように延びている。この発明では、調整部により、第2軸線周りに口金が延びる向きを調整することができる。
【0010】
(4)本発明の態様4は、前記3次元形状測定部は、前記支持部に取付けられている、(1)から(3)のいずれか一に記載の着脱装置であってもよい。
この発明では、3次元形状測定部は、ソケットと一体となって移動する。この3次元形状測定部により、口金の位置及び向きを検出することで、配管をソケットの開口部に挿通しやすくし、ナットをソケットに装着しやすくすることができる。
【0011】
(5)本発明の態様5は、前記3次元形状測定部、前記ソケット、前記回転駆動部、前記アーム、及び前記制御部を、支持面上で搬送する搬送部を備える、(1)から(4)のいずれか一に記載の着脱装置であってもよい。
この発明では、搬送部により支持面上で、3次元形状測定部、ソケット、回転駆動部、アーム、及び制御部を、自動的に搬送することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の着脱装置では、自動的に、ボンベの口金に配管が接続されたナットを、所定のトルクで嵌め合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態の着脱装置の側面図である。
【
図3】ボンベとバルブ・ナットユニットとの接続状態を示す半断面図である。
【
図4】同着脱装置がボンベの口金からバルブ・ナットユニットのナットを取外す工程を示す斜視図である。
【
図5】同着脱装置におけるソケット近傍の斜視図である。
【
図6】同着脱装置がボンベの口金からバルブ・ナットユニットのナットを取外す工程を示す斜視図である。
【
図7】同着脱装置がボンベの口金からバルブ・ナットユニットのナットを取外す工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る着脱装置の一実施形態を、
図1から
図7を参照しながら説明する。以下ではまず、着脱装置とともに用いられるボンベ、バルブ・ナットユニット、及びキャビネットについて説明する。
図1及び
図2に示すように、ボンベ(気体容器)100は、不図示のガス(気体)が収容された容器である。ボンベ100は、ボンベ本体101と、バルブ本体102と、口金103と、を備える。
【0015】
ボンベ本体101は、有底円筒状に形成されている。例えば、ボンベ本体101内には、フッ素(F
2)、塩化水素(HCl)等のガスが収容されている。ボンベ本体101は、第2軸線O2に沿って延びるとともに、第2軸線O2が上下方向に沿うように配置されている。
バルブ本体102は、ボンベ本体101の上端部に固定されている。バルブ本体102内には、図示しない開閉バルブが設けられている。
図3に示すように、口金103は円筒状に形成されている。口金103の外周面には、雄ネジ103aが形成されている。
図1及び
図2に示すように、口金103は、バルブ本体102から第2軸線O2に交差する方向、すなわち水平面に沿って延びている。口金103内の空間は、バルブ本体102の開閉バルブを介してボンベ本体101内の空間に連通している。
【0016】
開閉バルブは、閉状態になっている。口金103には、図示しないアウトレットキャップが取付けられている。アウトレットキャップは、チェーンを介してバルブ本体102等に接続されている。
【0017】
図3及び
図4に示すように、バルブ・ナットユニット110は、ナット111と、配管112と、バルブケース113と、被把持部114と、を備える。なお、
図3では、配管112のうちのスリーブ118のみを示している。
この例では、ナット111には、
図4に示す六角ナットが用いられている。
図3に示すように、ナット111における第1端部の内径は、第1端部以外の部分の内径よりも小さい。ナット111における第1端部とは反対側の第2端部の内周面には、雌ネジ111aが形成されている。雌ネジ111aは、口金103の雄ネジ103aに嵌め合うことができる。
ナット111の第2端部の内周面における第1端部側の部分には、ベアリング117が取付けられている。ナット111としては、ベアリング内蔵の管継手を採用することにより、スラスト抵抗を低減することができる。
【0018】
図3に示すように、配管112は、自身の第1端部に、スリーブ118を有している。スリーブ118は、円管状の本体118aと、本体118aの端部に設けられた大径部118bと、を有する。
本体118aは、ナット111の第1端部内に通されている。
大径部118bは、円環状に形成されている。大径部118bの外径は、本体118aの外径よりも大きく、ナット111の第1端部の内径よりも大きい。大径部118bは、ナット111の第2端部内に配置されている。ナット111は、配管112に対して、配管112の軸線回りに回転可能である。
大径部118bにおけるナット111の外側を向く面には、ガスケット120が取付けられている。
【0019】
ボンベ100の口金103にナット111を締め付けると、ベアリング117が大径部118bに、配管112の第2端部側から接触するとともに、ガスケット120がスリーブ118の大径部118bと口金103の第1端部との間で締め付けられる。
ベアリング117が設けられていることで、スリーブ118とナット111との間に作用する摩擦力が低減され、スリーブ118に対してナット111を容易に回転させることができる。
以上のように、ナット111には、配管112が接続されている。配管112の第2端部は、バルブケース113に接続されている。
【0020】
バルブケース113は、ケース121と、図示しないバルブと、を有する。
バルブは、ケース121に内蔵されている。バルブは、ケース121に供給されるガスの供給路を開閉する。
バルブケース113には、図示しない延長配管が接続され、延長配管は、図示しない被供給装置に接続されている。ボンベ100内のガスは、バルブ・ナットユニット110の配管112、バルブケース113、及び延長配管を通して、被供給装置に供給される。
【0021】
図4に示すように、例えば、被把持部114は、側面視でL字状を呈している。被把持部114は、基台片114aと、非把持片114bと、を有する。
基台片114aは、上下方向に延びている。基台片114aは、ケース121の側面に固定されている。非把持片114bは、基台片114aの下端部から水平面に沿って延びている。
以上のように、被把持部114は、バルブケース113を介して配管112に設けられている。
【0022】
図1及び
図2に示すように、キャビネット130は、筐体131と、支持台132と、ボンベ把持部133と、受け部134と、を有する。
筐体131は、側壁の1つが開口131aである箱状に形成されている。
支持台132は、筐体131の底壁上に配置されている。例えば、支持台132は複数のローラ(不図示)を有している。複数のローラは、ボンベ100のボンベ本体101を、ボンベ本体101の下方から支持する。
【0023】
ボンベ把持部133は、筐体131の側壁に固定されている。ボンベ把持部133は、支持台132上のボンベ100が倒れないように把持する。
受け部134は、支持台132上のボンベ100に対する、開口131aとは反対側に配置されている。受け部134が有するローラは、ボンベ100のボンベ本体101の側面に接触する。
【0024】
次に、着脱装置について説明する。
図1及び
図2に示すように、本実施形態では、着脱装置1は、AGV(Automated Guided Vehicle)と呼ばれる無人搬送車である。着脱装置1は、ボンベ100の口金103に、バルブ・ナットユニット110のナット111を着脱させる装置である。
着脱装置1は、装置本体10と、アーム15と、3Dスキャナ(3次元形状測定部)20と、ソケット25と、回転駆動部(不図示)と、把持部35と、調整部40と、搬送部45と、制御部50と、を備える。
【0025】
装置本体10は、着脱装置1の下部を構成する。
アーム15には、公知の多関節アームが用いられている。アーム15では、複数のリンク(腕)16が、ジョイント(関節)17を介して直列に接続されている。複数のリンク16のうち、アーム15の第1端部を構成するリンク16Aには、支持部18が固定されている。複数のリンク16のうち、アーム15における第1端部とは反対側の端部である第2端部を構成するリンク16Bは、装置本体10の上部に固定されている。
【0026】
例えば、ジョイント17には、図示はしないが、角度駆動部が内蔵されている。角度駆動部は、ジョイント17が接続される一対のリンク16の接続角度を調節可能である。このため、アーム15は、リンク16Bに対する、支持部18の位置及び向きを調節可能である。
【0027】
3Dスキャナ20には、公知の構成の装置が用いられる。3Dスキャナ20は、図示はしないが、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等を有している。メモリには、ボンベ100の口金103、バルブ・ナットユニット110のナット111及び被把持部114、アウトレットキャップ(以下では、口金103等とも言う)の形状等が記憶されている。3Dスキャナ20は、口金103等の位置及び向き(姿勢)をそれぞれ検出する。
本実施形態では、3Dスキャナ20、ソケット25、及び把持部35は、アーム15の支持部18に取付けられている。
3Dスキャナ20は、検出結果を制御部50に送る。
【0028】
図1及び
図5に示すように、この例では、ソケット25は、円筒状に形成されている。より詳しくは、ソケット25の第1軸線O1方向に見たときに、ソケット25はC字状を呈している。すなわち、
図5に示すように、ソケット25には、第1軸線O1回りの一部に、O字状の形状から切り欠かれた開口部25aが形成されている。開口部25aは、ソケット25の径方向外側から第1軸線O1まで達している。
ソケット25の開口部25aには、バルブ・ナットユニット110の配管112が挿通可能である。すなわち、開口部25aにおけるソケット25の周方向の長さは、配管112の外径よりも大きい。
ソケット25には、バルブ・ナットユニット110のナット111に嵌め合う六角形状の穴25bが形成されている。ソケット25は、ナット111に着脱可能である。
ソケット25は、支持部材26により、ソケット25の第1軸線O1回りに回転可能に支持されている。支持部材26は、アーム15の支持部18に取付けられている。すなわち、ソケット25は、支持部材26を介して支持部18に取付けられている。
【0029】
なお、第1軸線O1方向に見たときに、ソケットは、コ字状、U字状、V字状等を呈してもよい。
【0030】
着脱装置1は、図示しないトルク測定部を備える。トルク測定部は、ソケット25の第1軸線O1回りのトルクを測定する。トルク測定部は、検出結果を制御部50に送る。
【0031】
図1に示すように、例えば、回転駆動部は、アーム15の支持部18に取付けられている。例えば、回転駆動部は、ジョイント17の角度駆動部のように構成されている。回転駆動部は、後述する所定のトルクとなるようにソケット25を第1軸線O1回りに回転させて、ナット111をボンベ100の口金103に嵌め合わせる。
なお、回転駆動部が取付けられる位置は、アーム15の支持部18に限定されず、装置本体10等でもよい。
【0032】
図1及び
図6に示すように、把持部35は、一対の把持片36と、把持駆動部37と、を有する。把持駆動部37は、一対の把持片36を互いに接近させたり、互いに離間させたりする。把持部35は、バルブ・ナットユニット110の被把持部114を着脱可能に把持する。
【0033】
図1及び
図2に示すように、例えば、調整部40は、一対の腕部41と、一対のローラ42と、ローラ駆動部(不図示)と、を有する。
一対の腕部41は、装置本体10の側面に、ボンベ100のボンベ本体101を径方向に挟むように配置されている。各ローラ42は、各腕部41の先端部に回転可能に支持されている。各ローラ42の回転軸線は上下方向に沿う。ローラ駆動部は、一対のローラ42をそれぞれ同じ向きに回転させる。
調整部40は、ボンベ100の第2軸線O2回りの向きを調整可能である。
【0034】
図1に示すように、搬送部45は、複数の自在車輪46と、複数の駆動車輪47と、車輪駆動部(不図示)と、を有する。
複数の自在車輪46及び複数の駆動車輪47は、装置本体10の下部に回転可能に支持されている。車輪駆動部は、複数の駆動車輪47をそれぞれ回転させる。
搬送部45は、装置本体10、アーム15、3Dスキャナ20、ソケット25、回転駆動部、把持部35、調整部40、及び制御部50を、支持面F上で搬送する。
なお、搬送部45が有する自在車輪46の数、及び駆動車輪47の数は、適宜設定される。
【0035】
制御部50は、図示はしないが、CPU、メモリ等を有している。メモリには、回転駆動部に対応する予め定められた所定のトルク等の値、CPUを制御するための制御プログラム等が記憶されている。
制御部50は、ジョイント17の角度駆動部、3Dスキャナ20、トルク測定部、回転駆動部、把持部35の把持駆動部37、調整部40のローラ駆動部、及び搬送部45の車輪駆動部に接続されている。制御部50は、アーム15のジョイント17の角度駆動部、回転駆動部、把持部35の把持駆動部37、調整部40のローラ駆動部、搬送部45の車輪駆動部を制御する。
【0036】
なお、着脱装置1は、公知の方法により、キャビネット130に対するボンベ100の搬入及び搬出が可能である。
【0037】
次に、以上のように構成された着脱装置1の動作について説明する。
なお、
図4に示すように、キャビネット130内における支持台132の脇には、口金140が配置されていることが好ましい。口金140は、ボンベ100の口金103と同様に構成されている。口金140には、バルブ・ナットユニット110のナット111が着脱可能である。
予め、ボンベ100の口金103に、バルブ・ナットユニット110のナット111が装着され、このボンベ100内のガスの残量が基準値よりも少なくなった場合で説明する。
【0038】
ガスの残量が少なくなったボンベ100は、キャビネット130において、筐体131内で支持台132上に配置されている。ボンベ100は、ボンベ把持部133により把持されている。
【0039】
まず、作業者は、バルブ・ナットユニット110の配管112内に窒素ガスを流す等して洗浄する。
制御部50は、搬送部45の車輪駆動部を駆動して、ガスの残量が少なくなったボンベ100に、着脱装置1を近づける。アーム15の角度駆動部を駆動して、リンク16Bに対する支持部18の位置及び向きを調節し、
図4に示すように、3Dスキャナ20が、バルブ・ナットユニット110のナット111及び被把持部114を視認可能となるように配置する。
3Dスキャナ20は、メモリに記憶されているナット111及び被把持部114の形状等に基づいて、公知の画像解析技術により、ナット111及び被把持部114の位置及び向きをそれぞれ検出する。3Dスキャナ20は、検出結果を制御部50に送る。
【0040】
制御部50は、3Dスキャナ20の検出結果に基づいて、アーム15の角度駆動部を駆動して、
図6に示すように、バルブ・ナットユニット110の配管112をソケット25の開口部25aに挿通させる。
そして、
図7に示すように、ナット111をソケット25に装着させた後で、把持部35の把持駆動部37を駆動して、一対の把持片36で被把持部114の非把持片114bを把持する。このとき、ナット111の向きに応じてソケット25の第1軸線O1回りの向きを調節した後で、ナット111をソケット25に装着させる。
制御部50は、回転駆動部を駆動してソケット25を回転させ、口金103からナット111を取外す。このとき、口金103の雄ネジ103aの螺線形状に応じて、ソケット25を口金103から離間する方向(一対の把持片36に近づく方向)に移動させながら、口金103からナット111を取外すことが好ましい。
【0041】
制御部50は、バルブ・ナットユニット110のナット111を、口金140に嵌め合わせる。
作業者は、ガスの残量が少なくなったボンベ100において、バルブ本体102の開閉バルブを閉じ、口金103にアウトレットキャップを取付ける。このボンベ100からボンベ把持部133を取外す。作業者は、公知の台車等により、このボンベ100を、キャビネット130から搬出する。
例えば、作業者は、前記台車等により、キャビネット130の支持台132上に、ガスが充分に充填された新しいボンベ100を配置(搬入)する。ボンベ100を、ボンベ把持部133により把持する。ボンベ100のボンベ本体101の背面側の側面に、受け部134のローラを接触させる。
【0042】
制御部50は、搬送部45の車輪駆動部を駆動して着脱装置1を搬送させ、調整部40の一対のローラ42を、ボンベ100のボンベ本体101の正面側の側面に接触させる。すなわち、受け部134のローラ及び調整部40の一対のローラ42で、ボンベ100のボンベ本体101を挟む。
3Dスキャナ20は、ボンベ100の口金103の位置及び向きを検出する。制御部50は、3Dスキャナ20の検出結果に基づいて、調整部40のローラ駆動部を駆動して一対のローラ42を回転させ、ボンベ100の口金103の向きを、バルブ・ナットユニット110のナット111が嵌め合わせやすいように調節する。
ボンベ100が支持台132上に配置されているため、ボンベ100を第2軸線O2回りに回転させることが容易である。
着脱装置1は、ボンベ100の口金103からアウトレットキャップを取外す。
【0043】
3Dスキャナ20は、口金140に取付けられているバルブ・ナットユニット110のナット111及び被把持部114の位置及び向きをそれぞれ検出する。
制御部50は、前述のように、口金140からバルブ・ナットユニット110を取外す。作業者は、バルブ・ナットユニット110のガスケット120を適宜交換する。
制御部50は、トルク測定部による検出結果を確認しながら、回転駆動部を駆動して、ソケット25を第1軸線O1回りに回転させる。そして、ナット111を所定のトルクとなるように、新しいボンベ100の口金103に嵌め合わせる。
【0044】
作業者は、バルブ・ナットユニット110の配管112内に窒素ガスを流す等の気密試験を行う。新しいボンベ100において、バルブ本体102の開閉バルブを開く。すると、バルブ・ナットユニット110の配管112、バルブケース113、延長配管を通して、被供給装置に、新しいボンベ100内のガスが供給される。
なお、ボンベ100の搬出及び搬入を、公知の自動搬送システムにより自動的に行ってもよい。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の着脱装置1では、制御部50は、3Dスキャナ20の検出結果に基づいて、アーム15を駆動して、アーム15の第2端部に対する支持部18の位置及び向きを調節することにより、配管112をソケット25の開口部25aに挿通させるとともに、ソケット25をナット111に装着させる。そして、制御部50は、回転駆動部を駆動して、ソケット25を第1軸線O1回りに回転させて、ナット111を所定のトルクとなるようにボンベ100の口金103に嵌め合わせる。
従って、着脱装置1により、自動的に、ボンベ100の口金103に配管112が接続されたナット111を、所定のトルクで嵌め合わせることができる。
【0046】
配管112には被把持部114が設けられ、着脱装置1は把持部35を備える。把持部35で被把持部114を把持すると、把持部35に対して支持部18を介して取付けられているソケット25に対するナット111の位置が保持される。このため、口金103に着脱させるナット111の動きを安定させることができる。
着脱装置1は、調整部40を備える。従って、第2軸線O2周りに口金103が延びる向きを調整することができる。
【0047】
3Dスキャナ20は、アーム15の支持部18に取付けられている。このため、3Dスキャナ20は、ソケット25と一体となって移動する。この3Dスキャナ20により、口金103の位置及び向きを検出することで、配管112をソケット25の開口部25aに挿通しやすくし、ナット111をソケット25に装着しやすくすることができる。
着脱装置1は、搬送部45を備える。このため、搬送部45により支持面F上で、アーム15、3Dスキャナ20、ソケット25、回転駆動部、及び制御部50等を、自動的に搬送することができる。
【0048】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
例えば、前記実施形態では、3Dスキャナ20は、装置本体10等に取付けられてもよい。
着脱装置1は、装置本体10、把持部35、調整部40、及び搬送部45を備えなくてもよい。この場合、例えば、アーム15の第2端部を台車に固定し、作業者が台車を搬送してもよい。
【0049】
着脱装置1による処理の対象となるボンベ100は、キャビネット130内でなく、支持面F上に配置されてもよい。
バルブ・ナットユニット110は、バルブケース113及び被把持部114を備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 着脱装置
15 アーム
18 支持部
20 3Dスキャナ(3次元形状測定部)
25 ソケット
25a 開口部
35 把持部
40 調整部
45 搬送部
50 制御部
100 ボンベ
103 口金
111 ナット
112 配管
114 被把持部
F 支持面
O1 第1軸線
O2 第2軸線
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンベの口金に、配管が接続されたナットを着脱させる着脱装置であって、
前記ナットの位置及び向きを検出する3次元形状測定部と、
自身の開口部に前記配管が挿通可能であるとともに、前記ナットに着脱可能なソケット
と、
前記ソケットの第1軸線回りのトルクが、予め定められた所定のトルクとなるように前
記ソケットを前記第1軸線回りに回転させて前記ナットを前記口金に嵌め合わせる回転駆
動部と、
前記ソケットが取付けられた支持部を、自身の第1端部に有し、自身の第2端部に対す
る、前記支持部の位置及び向きを調節可能なアームと、
前記回転駆動部及び前記アームを制御する制御部と、
を備え、
前記開口部は、前記ソケットにおける前記第1軸線回りの一部に形成され、
前記配管は、前記ソケットの前記開口部に対して、前記ソケットの側方から挿通可能で
あり、
前記ナットは、前記ソケットに対して、前記第1軸線に沿う方向に着脱可能である、着
脱装置。
【請求項2】
前記配管には被把持部が設けられ、
前記被把持部を着脱可能に把持し、前記支持部に取付けられた把持部を備える、
請求項1に記載の着脱装置。
【請求項3】
前記ボンベの第2軸線回りの向きを調整可能な調整部を備える、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【請求項4】
前記3次元形状測定部は、前記支持部に取付けられている、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【請求項5】
前記3次元形状測定部、前記ソケット、前記回転駆動部、前記アーム、及び前記制御部
を、支持面上で搬送する搬送部を備える、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1は、ボンベの口金に、配管が接続されたナットを着脱させる着脱装
置であって、前記ナットの位置及び向きを検出する3次元形状測定部と、自身の開口部に
前記配管が挿通可能であるとともに、前記ナットに着脱可能なソケットと、前記ソケット
の第1軸線回りのトルクが、予め定められた所定のトルクとなるように前記ソケットを前
記第1軸線回りに回転させて前記ナットを前記口金に嵌め合わせる回転駆動部と、前記ソ
ケットが取付けられた支持部を、自身の第1端部に有し、自身の第2端部に対する、前記
支持部の位置及び向きを調節可能なアームと、前記回転駆動部及び前記アームを制御する
制御部と、を備え、前記開口部は、前記ソケットにおける前記第1軸線回りの一部に形成
され、前記配管は、前記ソケットの前記開口部に対して、前記ソケットの側方から挿通可
能であり、前記ナットは、前記ソケットに対して、前記第1軸線に沿う方向に着脱可能で
ある、着脱装置である。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンベの口金に、配管が接続されたナットを着脱させる着脱装置であって、
前記ナットの位置及び向きを検出する3次元形状測定部と、
自身の開口部に前記配管が挿通可能であるとともに、前記ナットに着脱可能なソケットと、
前記ソケットの第1軸線回りのトルクが、予め定められた所定のトルクとなるように前記ソケットを前記第1軸線回りに回転させて前記ナットを前記口金に嵌め合わせる回転駆動部と、
前記ソケットが取付けられた支持部を、自身の第1端部に有し、自身の第2端部に対する、前記支持部の位置及び向きを調節可能なアームと、
前記回転駆動部及び前記アームを制御する制御部と、
を備え、
前記ソケットには、
前記ソケットを前記第1軸線に沿う方向に貫通する貫通孔と、
前記貫通孔の前記第1軸線に沿う方向の第1側の端部に前記貫通孔と同軸に配置され、前記第1側に向かって開口するとともに前記貫通孔よりも内径が大きく、自身に対する前記第1側から前記ナットが着脱可能な穴と、が形成され、
前記開口部は、前記ソケットにおける前記第1軸線回りの一部に形成されるとともに前記ソケットを前記第1軸線に沿う方向に貫通して前記貫通孔に連なって、前記ソケットの外側における前記第1軸線に交差する方向から前記配管が挿通される、着脱装置。
【請求項2】
前記配管には被把持部が設けられ、
前記被把持部を着脱可能に把持し、前記支持部に取付けられた把持部を備える、
請求項1に記載の着脱装置。
【請求項3】
前記ボンベは、
第2軸線に沿って延びるボンベ本体と、
前記ボンベ本体から前記第2軸線に交差する方向に延びる前記口金と、を有し、
前記ボンベの前記第2軸線回りの向きを調整可能な調整部を備える、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【請求項4】
前記3次元形状測定部は、前記支持部に取付けられている、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【請求項5】
前記3次元形状測定部、前記ソケット、前記回転駆動部、前記アーム、及び前記制御部を、支持面上で搬送する搬送部を備える、
請求項1又は2に記載の着脱装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の態様1は、ボンベの口金に、配管が接続されたナットを着脱させる着脱装置であって、前記ナットの位置及び向きを検出する3次元形状測定部と、自身の開口部に前記配管が挿通可能であるとともに、前記ナットに着脱可能なソケットと、前記ソケットの第1軸線回りのトルクが、予め定められた所定のトルクとなるように前記ソケットを前記第1軸線回りに回転させて前記ナットを前記口金に嵌め合わせる回転駆動部と、前記ソケットが取付けられた支持部を、自身の第1端部に有し、自身の第2端部に対する、前記支持部の位置及び向きを調節可能なアームと、前記回転駆動部及び前記アームを制御する制御部と、を備え、前記ソケットには、前記ソケットを前記第1軸線に沿う方向に貫通する貫通孔と、前記貫通孔の前記第1軸線に沿う方向の第1側の端部に前記貫通孔と同軸に配置され、前記第1側に向かって開口するとともに前記貫通孔よりも内径が大きく、自身に対する前記第1側から前記ナットが着脱可能な穴と、が形成され、前記開口部は、前記ソケットにおける前記第1軸線回りの一部に形成されるとともに前記ソケットを前記第1軸線に沿う方向に貫通して前記貫通孔に連なって、前記ソケットの外側における前記第1軸線に交差する方向から前記配管が挿通される、着脱装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
(3)本発明の態様3は、前記ボンベは、第2軸線に沿って延びるボンベ本体と、前記ボンベ本体から前記第2軸線に交差する方向に延びる前記口金と、を有し、前記ボンベの前記第2軸線回りの向きを調整可能な調整部を備える、(1)又は(2)に記載の着脱装置であってもよい。
一般的に、ボンベの口金は、第2軸線に交差するように延びている。この発明では、調整部により、第2軸線周りに口金が延びる向きを調整することができる。