IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バンダイナムコゲームスの特許一覧

特開2024-143030コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法
<>
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図1
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図2
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図3
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図4
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図5
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図6
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図7
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図8
  • 特開-コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143030
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/131 20220101AFI20241003BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241003BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20241003BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
H04L67/131
G06T19/00 300A
G06F3/01 510
G06F3/04815
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055496
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】山田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】野田 竜輝
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA26
5B050FA02
5E555AA25
5E555AA27
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC18
5E555BD08
5E555BE17
5E555DB32
5E555DB39
5E555DB41
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC13
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザに過疎である感覚を抱かせないようにすることが可能なコンピュータシステム等を提供すること。
【解決手段】コンピュータシステムは、コンテンツを実行する複数のサーバを含み、サーバは、サーバに接続された端末のユーザに対応するアバターを含むコンテンツ要素をコンテンツ空間(以下、第1のコンテンツ空間という)に配置するコンテンツ要素配置部と、アバターが所与の過疎条件を満たしているか否かを判断する過疎条件判断部とを含み、コンテンツ要素配置部は、アバターが過疎条件を満たす場合に、第1のコンテンツ空間におけるアバターの位置に対応する他のサーバのコンテンツ空間(以下、第2のコンテンツ空間という)における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報を他のサーバから取得し、当該コンテンツ要素を、前記アバターが表示される位置に基づいて配置する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサーバでコンテンツが実行されるコンピュータシステムであって、
前記サーバは、
前記サーバに接続された端末のユーザに対応するアバターを含むコンテンツ要素をコンテンツ空間(以下、第1のコンテンツ空間という)に配置するコンテンツ要素配置部と、
前記アバターが所与の過疎条件を満たしているか否かを判断する過疎条件判断部とを含み、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記アバターが前記過疎条件を満たす場合に、前記第1のコンテンツ空間における前記アバターの位置に対応する他のサーバのコンテンツ空間(以下、第2のコンテンツ空間という)における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得し、当該コンテンツ要素を、前記アバターが表示される位置に基づいて配置することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記過疎条件判断部は、
前記第1のコンテンツ空間に配置されている前記アバターの数に基づいて、前記過疎条件を満たしている否かを判断することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項3】
請求項1において、
前記過疎条件判断部は、
前記端末の表示画面に表示されているコンテンツ要素に関する情報に基づいて、当該端末のユーザに対応する前記アバターが前記過疎条件を満たしている否かを判断することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項4】
請求項1において、
前記過疎条件判断部は、
前記第1のコンテンツ空間に配置されているアバター間のコミュニケーションの状況に基づいて、前記過疎条件を満たしている否かを判断することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項5】
請求項1において、
前記サーバは、
前記端末のユーザによる操作に基づいて、前記過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部を更に含むことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項6】
請求項1において、
前記サーバは、
前記サーバの負荷状況に応じて、前記過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部を更に含むことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項7】
請求項1において、
前記サーバは、
前記コンテンツの状況に応じて、前記過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部を更に含むことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項8】
請求項1において、
前記サーバは、
ゲームの進行状況に応じて、前記過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部を更に含む
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項9】
請求項1において、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記アバターの過疎状況に応じて、前記第1のコンテンツ空間に配置する前記第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素を変更することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項10】
請求項9において、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記アバターの過疎状況に応じて、前記第1のコンテンツ空間に配置する前記第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素の数を変更することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項11】
請求項9において、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記アバターの過疎状況に応じて、前記第1のコンテンツ空間に配置する前記第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素の種別を変更することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項12】
請求項9において、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記アバターの過疎状況に応じて、前記第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素を配置する位置を変更することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項13】
請求項1において、
前記コンテンツ要素配置部は、
所与のサーバ選定条件に基づいて、前記コンテンツ要素の情報を取得する前記他のサーバを選択することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項14】
請求項13において、
前記サーバ選定条件は、前記他のサーバにおけるアバターの過疎状況に関する条件であることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項15】
請求項13において、
前記サーバ選定条件は、前記サーバのサーバ情報と前記他のサーバのサーバ情報との近似に関する条件であることを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項16】
請求項1において、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記コンテンツ要素の情報を取得する前記他のサーバを抽選により決定することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項17】
請求項1において、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記第2のコンテンツ空間においてリアルタイムに存在する前記コンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項18】
請求項1において、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記第2のコンテンツ空間において過去に存在した前記コンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項19】
請求項1において、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記第2のコンテンツ空間に存在する他のユーザのアバターを、前記ユーザのアバターが表示される位置に基づいて配置し、前記ユーザのアバターによる前記他のユーザのアバターに対するアクションに関する操作を受け付けた場合に、当該アクションに関する情報を前記他のサーバに通知することを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項20】
コンテンツを実行するサーバのためのプログラムであって、
前記サーバに接続された端末のユーザに対応するアバターを含むコンテンツ要素をコンテンツ空間(以下、第1のコンテンツ空間という)に配置するコンテンツ要素配置部と、
前記アバターが所与の過疎条件を満たしているか否かを判断する過疎条件判断部としてコンピュータを機能させ、
前記コンテンツ要素配置部は、
前記アバターが前記過疎条件を満たす場合に、前記第1のコンテンツ空間における前記アバターの位置に対応する他のサーバのコンテンツ空間(以下、第2のコンテンツ空間という)における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得し、当該コンテンツ要素を、前記アバターが表示される位置に基づいて配置することを特徴とするプログラム。
【請求項21】
複数のサーバでコンテンツが実行されるサービス提供方法であって、
前記サーバが、
前記サーバに接続された端末のユーザに対応するアバターを含むコンテンツ要素をコンテンツ空間(以下、第1のコンテンツ空間という)に配置するコンテンツ要素配置部と、
前記アバターが所与の過疎条件を満たしているか否かを判断する過疎条件判断部とを含み、且つ、
前記コンテンツ要素配置部が、
前記アバターが前記過疎条件を満たす場合に、前記第1のコンテンツ空間における前記アバターの位置に対応する他のサーバのコンテンツ空間(以下、第2のコンテンツ空間という)における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得し、当該コンテンツ要素を、前記アバターが表示される位置に基づいて配置する場合において、
前記端末において受け付けられた前記アバターの動作を指示する操作に関する情報を前記サーバに送信することを特徴とするサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユーザで1つの仮想空間を共有し、ユーザ間でアバターを介してコミュニケーションをとるなどの活動を行う技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-312744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
負荷分散のために複数のサーバで同じコンテンツを実行する場合、従来の技術では、同じサーバに接続されたユーザの情報しかユーザ画面に反映されないため、サーバの接続ユーザ数が少ない場合、ユーザに過疎だと感じさせてしまう可能性があった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザに過疎である感覚を抱かせないようにすることが可能なコンピュータシステム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、複数のサーバでコンテンツが実行されるコンピュータシステムであって、前記サーバは、前記サーバに接続された端末のユーザに対応するアバターを含むコンテンツ要素をコンテンツ空間(以下、第1のコンテンツ空間という)に配置するコンテンツ要素配置部と、前記アバターが所与の過疎条件を満たしているか否かを判断する過疎条件判断部とを含み、前記コンテンツ要素配置部は、前記アバターが前記過疎条件を満たす場合に、前記第1のコンテンツ空間における前記アバターの位置に対応する他のサーバのコンテンツ空間(以下、第2のコンテンツ空間という)における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得し、当該コンテンツ要素を、前記アバターが表示される位置に基づいて配置することを特徴とするコンピュータシステムに関する。また本発明は、コンテンツを実行するサーバのためのプログラムであって、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。
【0007】
また本発明は、複数のサーバでコンテンツが実行されるサービス提供方法であって、前記サーバが、前記サーバに接続された端末のユーザに対応するアバターを含むコンテンツ要素をコンテンツ空間(以下、第1のコンテンツ空間という)に配置するコンテンツ要素配置部と、前記アバターが所与の過疎条件を満たしているか否かを判断する過疎条件判断部とを含み、且つ、前記コンテンツ要素配置部が、前記アバターが前記過疎条件を満たす場合に、前記第1のコンテンツ空間における前記アバターの位置に対応する他のサーバのコンテンツ空間(以下、第2のコンテンツ空間という)における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得し、当該コンテンツ要素を、前記アバターが表示される位置に基づいて配置する場合において、前記端末において受け付けられた前記アバターの動作を指示する操作に関する情報を前記サーバに送信することを特徴とするサービス提供方法に関する。
【0008】
本発明によれば、第1のコンテンツ空間においてアバターが過疎条件を満たす場合に、第1のコンテンツ空間における当該アバターの位置に対応する第2のコンテンツ空間における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報を取得し当該アバターが表示される位置に基づいて配置することで、ユーザに過疎である感覚を抱かせないようにすることができる。
【0009】
(2)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記過疎条件判断部は、前記第1のコンテンツ空間に配置されている前記アバターの数に基づいて、前記過疎条件を満たしている否かを判断してもよい。
【0010】
(3)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記過疎条件判断部は、前記端末の表示画面に表示されているコンテンツ要素に関する情報に基づいて、当該端末のユーザに対応する前記アバターが前記過疎条件を満たしている否かを判断してもよい。
【0011】
(4)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記過疎条件判断部は、前記第1のコンテンツ空間に配置されているアバター間のコミュニケーションの状況に基づいて、前記過疎条件を満たしている否かを判断してもよい。
【0012】
(5)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記サーバは、前記端末のユーザによる操作に基づいて、前記過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部を更に含んでもよい。
【0013】
(6)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記サーバは、前記サーバの負荷状況に応じて、前記過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部を更に含んでもよい。
【0014】
(7)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記サーバは、前記コンテンツの状況に応じて、前記過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部を更に含んでもよい。
【0015】
(8)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記サーバは、ゲームの進行状況に応じて、前記過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部を更に含んでもよい。
【0016】
(9)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、前記アバターの過疎状況に応じて、前記第1のコンテンツ空間に配置する前記第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素を変更してもよい。
【0017】
(10)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、前記アバターの過疎状況に応じて、前記第1のコンテンツ空間に配置する前記第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素の数を変更してもよい。
【0018】
(11)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、前記アバターの過疎状況に応じて、前記第1のコンテンツ空間に配置する前記第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素の種別を変更してもよい。
【0019】
(12)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、前記アバターの過疎状況に応じて、前記第2のコンテ
ンツ空間のコンテンツ要素を配置する位置を変更してもよい。
【0020】
(13)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、所与のサーバ選定条件に基づいて、前記コンテンツ要素の情報を取得する前記他のサーバを選択してもよい。
【0021】
(14)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記サーバ選定条件は、前記他のサーバにおけるアバターの過疎状況に関する条件であってもよい。
【0022】
(15)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記サーバ選定条件は、前記サーバのサーバ情報と前記他のサーバのサーバ情報との近似に関する条件であってもよい。
【0023】
(16)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、前記コンテンツ要素の情報を取得する前記他のサーバを抽選により決定してもよい。
【0024】
(17)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、前記第2のコンテンツ空間においてリアルタイムに存在する前記コンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得してもよい。
【0025】
(18)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、前記第2のコンテンツ空間において過去に存在した前記コンテンツ要素の情報を前記他のサーバから取得してもよい。
【0026】
(19)また本発明に係るコンピュータシステム、プログラム及びサービス提供方法では、前記コンテンツ要素配置部は、前記第2のコンテンツ空間に存在する他のユーザのアバターを、前記ユーザのアバターが表示される位置に基づいて配置し、前記ユーザのアバターによる前記他のユーザのアバターに対するアクションに関する操作を受け付けた場合に、当該アクションに関する情報を前記他のサーバに通知してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施形態のコンピュータシステムを示す図。
図2】本実施形態のサーバの機能ブロックの一例を示す図。
図3】本実施形態の端末の機能ブロックの一例を示す図。
図4】コンテンツ空間の例を示す図。
図5】コンテンツ空間の例を示す図。
図6】コンテンツ空間の例を示す図。
図7】コンテンツ空間の例を示す図。
図8】コンテンツ空間の例を示す図。
図9】本実施形態のコンピュータの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0029】
1.構成
図1は、本実施形態のコンピュータシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10
と複数のサーバ20(サーバ装置)とによって構成される。つまり、図1に示すように、本実施形態のコンピュータシステムは、サービスを提供するサーバ20と端末10とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0030】
サーバ20は、端末10からの要求に応じてオンラインサービスを提供する情報処理装置である。サーバ20は、サーバ群(認証サーバ、マッチングサーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0031】
本実施形態では、複数のサーバ20でコンテンツ(アバターを用いて共通するコンテンツ空間に参加可能なコンテンツ、同一のコンテンツ)が実行され、複数の端末10は複数のサーバ20のうちいずれか1つに接続される。サーバ20では、ユーザのアカウント情報や、コンテンツで使用可能な情報媒体(アバター、キャラクタ、アイテム、コンテンツ内通貨等)などの情報が管理される。
【0032】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0033】
図2に、本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のサーバは図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0034】
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部200のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部270は、格納部272(例えばデータベース)を含む。
【0035】
格納部272は、サーバ20に接続された複数の端末10のユーザ(サーバ20で実行されるコンテンツに参加する複数のユーザ)それぞれのユーザ情報を格納する。例えば、格納部272は、複数のユーザそれぞれのユーザ識別情報(ユーザIDや、ユーザが使用する端末IDなど)に対応づけて、ユーザ名(ユーザアカウント)、パスワード、端末10の宛先情報(IPアドレス等)などを、ユーザ情報として格納する。また、格納部272は、ユーザとフレンド関係(所定の関係の一例)にある他のユーザを特定するための情報を、ユーザ情報として格納する。また、格納部272は、ユーザ識別情報に対応づけて、ユーザが所有する情報媒体に関する情報を、ユーザ情報として格納する。
【0036】
通信部296は端末10や他のサーバとの間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0037】
処理部200(プロセッサ)は、端末10から送信され通信部296を介して受信したデータ、プログラムなどに基づいて、ユーザ情報の管理、ログイン/ログアウトに関する処理、通信制御処理などの各種処理を行う。処理部200は記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部200は、コンテンツ要素配置部210と、過疎条件判断部212を含む。
【0038】
コンテンツ要素配置部210は、サーバ20に接続された端末10のユーザに対応するアバターを含むコンテンツ要素をコンテンツ空間(第1のコンテンツ空間)に配置する。コンテンツ空間とは、仮想3次元空間或いは仮想2次元空間である。コンテンツ要素は、
アバターやキャラクタ、建物、植物等のオブジェクトの他、ユーザによって入力(チャット入力、コメント入力)されたテキスト情報や音声情報を含んでもよい。コンテンツ要素配置部210は、第1のコンテンツ空間に配置されたコンテンツ要素に関する情報(位置、種別など)をサーバ20に接続された端末10に送信し、また、端末10から受信した、アバターの動作(移動、チャットによる会話などのアクション)を指示する操作に関する情報に基づいて、当該アバターの第1のコンテンツ空間における位置を更新したり、当該アバターによる他のアバターに対するアクションを処理したりする。
【0039】
過疎条件判断部212は、サーバ20に接続された端末10のユーザに対応するアバターが所与の過疎条件を満たしているか否かを判断する。過疎条件判断部212は、第1のコンテンツ空間に配置されているアバターの数に基づいて、過疎条件を満たしている否かを判断してもよいし、サーバ20に接続された端末10の表示画面に表示されているコンテンツ要素に関する情報に基づいて、当該端末10のユーザに対応するアバターが過疎条件を満たしている否かを判断してもよい。表示画面に表示されているコンテンツ要素に関する情報とは、例えば、表示画面に表示されているコンテンツ要素の数、種別、画面占有率である。また、過疎条件判断部212は、第1のコンテンツ空間に配置されているアバター間(サーバ20に接続された端末10のユーザ間)のコミュニケーションの状況に基づいて、過疎条件を満たしている否かを判断してもよい。
【0040】
コンテンツ要素配置部210は、サーバ20に接続された端末10のユーザに対応するアバターが過疎条件を満たす場合に、第1のコンテンツ空間における当該アバターの位置に対応する他のサーバのコンテンツ空間(第2のコンテンツ空間)における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報を他のサーバ20から取得し、当該コンテンツ要素を、当該アバターが表示される位置に基づいて配置する。例えば、当該コンテンツ要素を、第1のコンテンツ空間における当該アバターの位置周辺に配置してもよいし、第1のコンテンツ空間における当該アバター用の仮想カメラの視野範囲に配置してもよいし、第1のコンテンツ空間において当該アバターがコミュニケーション(チャット等のアクション)可能な位置に配置してもよい。
【0041】
また、コンテンツ要素配置部210は、サーバ20に接続された端末10のユーザに対応するアバターの過疎状況に応じて、第1のコンテンツ空間に配置する第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素(コンテンツ要素の数、種別、配置位置)を変更してもよい。
【0042】
また、コンテンツ要素配置部210は、所与のサーバ選定条件に基づいて、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバ20を選択してもよい。サーバ選定条件は、他のサーバにおけるアバターの過疎状況に関する条件であってもよいし、サーバ20のサーバ情報と他のサーバ20のサーバ情報との近似に関する条件であってもよい。また、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバ20を抽選により(例えば、ランダムに)選択してもよい。
【0043】
また、コンテンツ要素配置部210は、第2のコンテンツ空間においてリアルタイムに存在するコンテンツ要素の情報を他のサーバ20から取得してもよいし、第2のコンテンツ空間において過去に存在したコンテンツ要素の情報を他のサーバから取得してもよい。
【0044】
また、コンテンツ要素配置部210は、第2のコンテンツ空間に存在する他のユーザのアバターを、第1のコンテンツ空間におけるユーザのアバターの位置周辺に配置した後、当該ユーザのアバターによる当該他のユーザのアバターに対するアクションに関する操作を受け付けた場合に、当該アクションに関する情報を他のサーバ20(当該他のユーザの端末10が接続しているサーバ20)に通知してもよい。当該通知を受信した他のサーバ20は、当該アクションを処理する。
【0045】
処理部200は、過疎条件を可変に設定する過疎条件設定部214を更に含んでもよい。過疎条件設定部214は、端末10のユーザによる操作に基づいて当該ユーザのアバターに適用される過疎条件を設定・変更してもよいし、サーバ20の負荷状況に応じて当該サーバ20で適用される過疎条件を設定・変更してもよいし、サーバ20で実行されるコンテンツの状況に応じて過疎条件を設定・変更してもよいし、サーバ20で実行されるゲームの進行状況に応じて過疎条件を設定・変更してもよい。
【0046】
図3に、本実施形態の端末10の機能ブロックの一例を示す。なお本実施形態の端末は図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0047】
入力部150は、ユーザからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、ユーザの入力情報(操作情報)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
【0048】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0049】
表示部190は、処理部100で生成された画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのディスプレイにより実現できる。
【0050】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0051】
通信部196はサーバ20や他の端末10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0052】
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0053】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作情報)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、表示制御処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、表示制御部110、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0054】
表示制御部110は、サーバ20から受信した、コンテンツ空間に配置されたコンテンツ要素に関する情報に基づいて、コンテンツ空間に配置されたユーザのアバターや他のオブジェクト、チャット入力されたテキスト等を表示部190に表示させるための制御を行う。また、表示制御部110は、入力部150で入力された、ユーザのアバターの動作を指示する操作に関する情報をサーバ20に送信する。
【0055】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、コンテ
ンツ空間(仮想空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成する。表示制御部110は、ユーザのアバターが表示画像内に含まれるように、コンテンツ空間内の仮想カメラの位置と向きを制御する。
【0056】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0057】
また、本実施形態のコンピュータシステムをサーバシステムとして構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、処理部100の各部の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。
【0058】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。本実施形態のコンピュータシステムは、複数のサーバ20で同一のコンテンツを実行するように構成される。例えば、複数のサーバ20がサーバ「A」とサーバ「B」を含む場合、サーバ「A」に接続した端末10のユーザとサーバ「B」に接続した端末10のユーザは、同じコンテンツを楽しむことができる。コンテンツとは、各ユーザがアバターを用いてコンテンツ空間(仮想空間)に参加可能なコンテンツであって、アバターをコンテンツ空間内で移動させて、他のユーザと交流したり、コンテンツ空間内で開催されるイベント(仮想的なライブ・コンサートやスポーツイベント等)を鑑賞・観戦したりできるものである。コンテンツ空間はサーバ20毎に管理されるが、各サーバ20で管理されるコンテンツ空間は、コンテンツ空間を構成するマップデータ、コンテンツ空間に配置されるアバター以外のコンテンツ要素(樹木や建物などのオブジェクト)、コンテンツ空間で開催されるイベント、コンテンツ空間に流れるBGM等が共通する同一の空間である。
【0059】
図4に、サーバ「A」で管理されるコンテンツ空間SAとサーバ「B」で管理されるコンテンツ空間SBの一例を示す。コンテンツ空間SAとコンテンツ空間SBには、同一の建物BLが同一の位置に配置されている。また、コンテンツ空間SAには、サーバ「A」に接続された端末10のユーザに対応するアバターABが配置され、コンテンツ空間SBには、サーバ「B」に接続された端末10のユーザに対応するアバターABが配置される。
【0060】
ここで、コンテンツ空間SAには、サーバ「A」に接続された端末10のユーザ「a」に対応するアバターABaが配置されている。ユーザ「a」は、端末10の入力部150を操作して、アバターABaをコンテンツ空間SA内で移動させて建物BLの中に入ったり、コンテンツ空間SA内の他のアバターABに近づいてチャット入力により話しかけたりすることができる。
【0061】
本実施形態では、サーバ「A」は、コンテンツ空間SAに配置されたアバターABが所与の過疎条件を満たすか否かを判断し、アバターABが過疎条件を満たす場合、コンテンツ空間SA(第1のコンテンツ空間)における当該アバターABの位置に対応するコンテンツ空間SB(第2のコンテンツ空間)における位置周辺に存在するコンテンツ要素(アバターや他のオブジェクト)の情報をサーバ「B」から取得し、当該コンテンツ要素を、
過疎条件を満たすアバターABの位置周辺に配置する。同様に、サーバ「B」は、コンテンツ空間SBに配置されたアバターABが過疎条件を満たすか否かを判断し、アバターABが過疎条件を満たす場合、コンテンツ空間SB(第1のコンテンツ空間)における当該アバターABの位置に対応するコンテンツ空間SA(第2のコンテンツ空間)における位置周辺に存在するコンテンツ要素の情報をサーバ「A」から取得し、当該コンテンツ要素を、過疎条件を満たすアバターABの位置周辺に配置する。
【0062】
図4に示す例では、コンテンツ空間SAにおいてアバターABaの近くに他のアバターABがいないため、アバターABaが過疎条件を満たすと判断され、コンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置に対応するコンテンツ空間SBにおける位置Pa周辺に存在する3体のアバターABが、図5に示すように、3体のアバターAB’としてコンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺に配置されている。コンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置の座標と、コンテンツ空間SBにおける位置Paの座標は同一の座標である。なお、コンテンツ空間SBにおける位置Pa周辺にアバターAB以外のコンテンツ要素(樹木などのオブジェクト)がある場合には、当該オブジェクトもアバターABaの位置周辺に配置するようにしてもよい。コンテンツ空間SAに配置されたアバターAB’は、動作せず静止していてもよいし、所与のアルゴリズムに従って自動制御されてもよいし、処理負荷の低い簡易的なモーションで動作してもよいし、コンテンツ空間SBにおけるオリジナルのアバターABと同様にユーザの操作に基づき動作してもよい。また、アバターAB’は、2次元オブジェクトとして配置してもよいし、処理負荷の低い簡易的なポリゴンとして配置してもよいし、オリジナルのアバターABと同様の3次元オブジェクトとして配置してもよい。また、アバターAB’は、オリジナルのアバターABと同じ位置に配置してもよいし、アバターABaの位置周辺(或いは、アバターABa用の仮想カメラの視野範囲、アバターABaがコミュニケーション可能な位置)であればオリジナルのアバターABと異なる位置に配置するようにしてもよい。例えば、アバターAB’のオリジナルの位置がアバターABaの位置と重なる場合、アバターAB’の配置位置をオリジナルの位置からずらすようにしてもよい。
【0063】
過疎条件については、コンテンツ空間においてアバターの位置から所定距離内にいる他のアバターの数が所定の閾値以下である場合に、当該アバターが過疎条件を満たすと判断してもよいし、ユーザの端末10の表示画面に表示されているアバターの数が所定の閾値以下である場合に、当該ユーザのアバターが過疎条件を満たすと判断してもよいし、ユーザの端末10の表示画面に占めるアバターの表示領域の比(画面占有率)が所定の閾値以下である場合に、当該ユーザのアバターが過疎条件を満たすと判断してもよい。端末10の表示画面に表示されるアバターの数や画面占有率の情報は、端末10からサーバ20に通知される。また、アバターの位置から所定距離内にいるコンテンツ要素(アバターの他、樹木や建物などのオブジェクト、チャットやコメントの吹き出し)の数や、表示画面に表示されるコンテンツ要素の数や画面占有率が、所定の閾値以下であるかどうかを判断してもよいし、コンテンツ要素の種別(アバター、オブジェクト、吹き出し)ごとに閾値を設けて判断してもよい。また、コンテンツ空間におけるアバター間のコミュニケーションの状況に応じて過疎条件を判断してもよい。例えば、コンテンツ空間においてアバターABの位置から所定距離内にいる他のアバターのうちチャット等でコミュニケーションを取っている(コミュニケーションを取ることができる状況にいる)アバターの数が所定の閾値以下である場合に、当該アバターABが過疎条件を満たすと判断してもよい。なお、アバターが他のサーバのコンテンツ空間内のアバター(コンテンツ要素)とコミュニケーションを取ることができる場合、当該アバターも、コミュニケーションを取ることができる状況にいるアバターとしてカウントしてもよい。
【0064】
このように、アバターが過疎条件を満たす場合に、他のサーバのコンテンツ空間の同じ位置周辺にいる他のアバター等のコンテンツ要素を、過疎条件を満たすアバターの位置周
辺に配置することで、ユーザに過疎である感覚を抱かせないようにすることができる。
【0065】
本実施形態では、ユーザが、端末10の入力部150を操作することで、当該ユーザのアバターに適用される過疎条件(アバターの位置から所定距離内にいる他のアバターの数や、表示画面に表示されるアバターの数や画面占有率、コミュニケーションを取っているアバターの数に関する閾値)を変更できるようにしてもよい。
【0066】
また、サーバ20の負荷状況に応じて、当該サーバ20のコンテンツ空間内のアバターに適用される過疎条件を可変に設定するようにしてもよい。この場合、サーバ20の処理負荷が高いほど、過疎条件が満たされ難くなるように(アバターの位置から所定距離内にいる他のアバターの数や、表示画面に表示されるアバターの数や画面占有率や、コミュニケーションを取っているアバターの数に関する閾値が大きくなるように)過疎条件を変更する。このようにすると、過疎を解消するための処理負荷によってサーバ20の処理能力が飽和してしまうことを抑制することができる。
【0067】
また、サーバ20で実行されるコンテンツの状況に応じて、当該サーバ20のコンテンツ空間内のアバターに適用される過疎条件を可変に設定するようにしてもよい。例えば、コンテンツ空間内でライブ・コンサートのイベントが開催されている等、ユーザに過疎だと感じさせることが好ましくない状況(過疎を解消すべき状況)である場合には、過疎条件が満たされ易くなるように(アバターの位置から所定距離内にいる他のアバターの数や、表示画面に表示されるアバターの数や、画面占有率や、コミュニケーションを取っているアバターの数に関する閾値が小さくなるように)過疎条件を設定する。逆に、コンテンツ空間内で恐怖演出のあるホラーテイストのイベントが開催されている等、過疎を許容できる状況である場合には、過疎条件が満たされ難くなるように過疎条件を設定する。
【0068】
また、サーバ20で実行されているゲームの進行状況に応じて、当該サーバ20のコンテンツ空間内のアバターに適用される過疎条件を可変に設定するようにしてもよい。例えば、バトルロワイヤル形式の対戦ゲーム(複数のアバターの中で最後までゲームを続けることができたアバターを勝者とするゲーム)を実行している場合、ゲームを続けているアバター(ユーザ)の数が少なくなるほど上記の閾値が小さくなるように(すなわち、ゲームの進行によって過疎条件の満たされ易さが変わることのないように)過疎条件を変更してもよい。
【0069】
また、過疎条件を満たすアバターの過疎状況に応じて、第1のコンテンツ空間に配置する第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素の数や位置を変更してもよい。アバターの過疎状況(過疎度、過疎の度合い)は、当該アバターの位置から所定距離内にいる他のアバターの数や表示画面に表示されるアバターの数や画面占有率やコミュニケーションを取っているアバターの数に基づき求め、当該数が小さいほど或いは画面占有率が低いほど過疎度が高いものとする。例えば、図6において、コンテンツ空間SA内のアバターABaが過疎条件を満たし、アバターABaの位置に対応するコンテンツ空間SBにおける位置Paから距離L内にいるアバターABをコンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺に配置する場合、アバターABaの過疎度が高いほど、距離Lが大きくなるようにして、コンテンツ空間SB内のより多くのより広い範囲のアバターABがコンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺に配置されるようにしてもよい。また、アバターABaの位置に対応するコンテンツ空間SBにおける位置Paからの距離が近い上位N体のアバターABをコンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺に配置する場合、アバターABaの過疎度が高いほど、Nが大きくなるようにして、コンテンツ空間SB内のより多くのより広い範囲のアバターABがコンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺に配置されるようにしてもよい。
【0070】
また、過疎条件を満たすアバターの過疎状況に応じて、第1のコンテンツ空間に配置する第2のコンテンツ空間のコンテンツ要素の種別を変更してもよい。例えば、上述した図6の例において、ユーザ「a」のアバターABaの過疎度が高い場合には、コンテンツ空間SBにおける位置Paから距離L内にいる全てのアバターABをコンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺に配置し、アバターABaの過疎度が低い場合には、位置Paから距離L内にいるアバターABのうちユーザ「a」とフレンド関係にある他のユーザのアバターABのみをアバターABaの位置周辺に配置するようにしてもよい。また、アバターABaの過疎度が高い場合には、コンテンツ空間SBにおける位置Paから距離L内にある全てのコンテンツ要素(アバターABの他、例えばライブ会場における紙吹雪やサイリウムの光などのオブジェクト、歓声など)をコンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺に配置し、アバターABaの過疎度が低い場合には、位置Paから距離L内にあるコンテンツ要素のうちアバターABのみをアバターABaの位置周辺に配置するようにしてもよい。
【0071】
また本実施形態では、所与のサーバ選定条件に基づいて、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバを選択する。サーバ選定条件は、他のサーバにおけるアバターの過疎状況(過疎度)に関する条件であってもよい。この場合、過疎条件を満たしたアバターの位置に対応する他のサーバのコンテンツ空間における位置周辺のアバターの数を他のサーバ間で比較し、当該数が最も大きい(アバターの過疎度が最も低い)他のサーバを、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバとして選択してもよい。例えば、図7において、複数のサーバ20がサーバ「A」、「B」、「C」であり、サーバ「A」のコンテンツ空間SA内のアバターABaが過疎条件を満たした場合、コンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置に対応するサーバ「B」のコンテンツ空間SBにおける位置Paから距離L内にいるアバターABの数と、コンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置に対応するサーバ「C」のコンテンツ空間SCにおける位置Paから距離L内にいるアバターABの数とを比較し、当該数が大きい方のサーバを、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバとして選択する。図7の例では、サーバ「B」の当該数が「2」であり、サーバ「C」の当該数が「4」であるから、コンテンツ空間SCにおける位置Paから距離L内にいる4体のアバターABの情報をサーバ「C」から取得して、当該4体のアバターABをコンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺に配置する。また、他のサーバに接続された端末10の数(コンテンツ空間内のアバターの数)を他のサーバ間で比較して、当該数が最も大きい(アバターの過疎度が最も低い)他のサーバを、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバとして選択するようにしてもよい。
【0072】
また、サーバ選定条件を、過疎条件を満たしたアバターがいるコンテンツ空間を管理するサーバのサーバ情報と他のサーバのサーバ情報との近似に関する条件とし、前記サーバとサーバ情報(例えば、サーバの位置情報、サーバに接続される端末のユーザのユーザ情報)が最も近似する他のサーバを、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバとして選択してもよい。例えば、前記サーバと同一国(地域)に設置された他のサーバや、前記サーバとサービス提供対象国(地域)が同じ他のサーバを、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバとして選択してもよい。また、前記サーバとユーザの年齢層や好みが近い他のサーバや、前記サーバのユーザとイベントにおいて同じチームを応援するユーザが多い他のサーバを、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバとして選択するようにしてもよい。また、サーバ選定条件を抽選として、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバをランダムに選択してもよい。
【0073】
また本実施形態では、コンテンツ空間においてアバターが過疎条件を満たした場合に、他のサーバのコンテンツ空間においてその時点で(リアルタイムに)存在しているコンテンツ要素の情報を当該他のサーバから取得してもよいし、他のサーバのコンテンツ空間においてその時点より過去に存在したコンテンツ要素の情報を当該他のサーバから取得して
もよい。後者の場合、各サーバは、コンテンツ空間における各アバター(或いは、各アバターを含む各コンテンツ要素)の位置情報等の時系列データをアーカイブ情報として保存しておく。例えば、第1の国のサーバ「B」のコンテンツ空間SBにおいて所定の日時(第1の国の現地時間)にイベントが開催され、その後、第1の国と時差のある第2の国のサーバ「A」のコンテンツ空間SAにおいて同じ日時(第2の国の現地時間)に同じイベントを開催する場合において、当該イベントの開催中にコンテンツ空間SAにおいてアバターが過疎条件を満たした場合、サーバ「A」は、コンテンツ空間SAにおける当該アバターの位置に対応するコンテンツ空間SBにおける位置周辺に時差の分だけ過去に遡った時点で存在したアバターのアーカイブ情報をサーバ「B」から取得し、当該過去の時点で存在したアバターを、過疎条件を満たしたアバターの位置周辺に配置する。このようにすると、各サーバのコンテンツ空間で開催されるイベントに時差がある場合であっても、イベントに参加するアバターの位置周辺に、他のサーバにおいて同一のイベントに参加した他のアバターを配置して過疎を解消することができる。
【0074】
また本実施形態では、図8に示すように、サーバ「A」に接続された端末10のユーザ「a」のアバターABaが過疎条件を満たし、コンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置に対応するサーバ「B」のコンテンツ空間SBにおける位置Pa周辺にいるユーザ「b」のアバターABbが、コンテンツ空間SAにおけるアバターABaの位置周辺にアバターABb’として配置された場合、ユーザ「a」は、アバターABb’を指定したチャット入力(他のユーザのアバターに対するアクションに関する操作の一例)を行うことで、アバターABb’(ユーザ「b」)に対して話しかけることができるようにしてもよい。この場合、サーバ「A」は、ユーザ「a」によるチャット入力に関する情報をサーバ「B」に通知し、サーバ「B」は、通知された情報に基づいて、ユーザ「a」からのチャットを表示するための情報をユーザ「b」の端末10に送信し、ユーザ「b」の端末10では、ユーザ「a」によってチャット入力された文字列を含む吹き出し画像BIがコンテンツ空間SBにおける位置Paに関連付けて表示される。この吹き出し画像BIは、コンテンツ空間SBにいる他のアバターAB(サーバ「B」に接続された他のユーザのアバター)からのチャットとは異なる態様(他のサーバのユーザからのチャットであることが分かる態様)で表示される。
【0075】
3.処理
次に、本実施形態のコンピュータシステム(サーバ20)の処理の一例について図9のフローチャートを用いて説明する。
【0076】
まず、コンテンツ要素配置部210は、サーバ20に接続された端末10のユーザに対応するアバターを含むコンテンツ要素をコンテンツ空間に配置する(ステップS10)。次に、コンテンツ要素配置部210は、端末10からの操作情報(アバターの動作を指示する操作に関する情報)に基づいて、アバターの動作(移動、チャット等)を制御し、制御結果(移動後のアバターの位置、チャットの内容等)を端末10に送信する(ステップS11)。
【0077】
次に、過疎条件判断部212は、コンテンツ空間に配置されているアバターの数(或いは、端末10の表示画面に表示されているコンテンツ要素に関する情報、アバター(ユーザ)間のコミュニケーションの状況)に基づいて、アバターが過疎条件を満たしているか否かを判断する(ステップS12)。アバターが過疎条件を満たしている場合(ステップS12のY)、コンテンツ要素配置部210は、サーバ選定条件(他のサーバにおけるアバターの過疎状況やサーバ情報の近似に関する条件)に基づいて、コンテンツ要素の情報を取得する他のサーバ20を選定する(ステップS13)。次に、コンテンツ要素配置部210は、過疎条件を満たすアバターの位置に対応する他のサーバ20(ステップS13で選定した他のサーバ)のコンテンツ空間における位置周辺に存在するコンテンツ要素の
情報を当該他のサーバ20から取得し(ステップS14)、取得した情報に基づいて、当該コンテンツ要素を、過疎条件を満たすアバターの位置周辺に配置する(ステップS15)。このとき、過疎条件を満たすアバターの過疎状況に応じて、当該アバターの位置周辺に配置する(他のサーバ20から情報を取得する)コンテンツ要素の数や位置、種別を決定してもよい。
【0078】
次に、処理部200は、処理を継続するか否かを判断し(ステップS16)、処理を継続する場合(ステップS16のY)には、ステップS11に移行する。
【0079】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0080】
10…端末、20…サーバ、100…処理部、110…表示制御部、120…画像生成部、130…音生成部、150…入力部、170…記憶部、190…表示部、192…音出力部、196…通信部、200…処理部、210…コンテンツ要素配置部、212…過疎条件判断部、214…過疎条件設定部、270…記憶部、272…格納部、296…通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9