(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143541
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】セラミック配線部材
(51)【国際特許分類】
H10N 30/80 20230101AFI20241003BHJP
H03H 9/02 20060101ALI20241003BHJP
H10N 30/85 20230101ALI20241003BHJP
H10N 30/87 20230101ALI20241003BHJP
H10N 30/88 20230101ALI20241003BHJP
H01L 23/04 20060101ALI20241003BHJP
H01L 23/13 20060101ALI20241003BHJP
H01C 7/04 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
H10N30/80
H03H9/02 A
H10N30/85
H10N30/87
H10N30/88
H01L23/04 E
H01L23/12 C
H01C7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056273
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】391039896
【氏名又は名称】NGKエレクトロデバイス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】岩藤 司朗
(72)【発明者】
【氏名】塩原 正人
(72)【発明者】
【氏名】河口 英世
【テーマコード(参考)】
5E034
5J108
【Fターム(参考)】
5E034BA09
5E034DC01
5E034DD03
5J108BB02
5J108CC04
5J108EE03
5J108EE07
5J108FF11
5J108GG03
5J108GG15
5J108GG16
5J108JJ03
(57)【要約】
【課題】生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができるセラミック配線部材を提供する。
【解決手段】セラミック配線部材は、本体部と、導電部と、を備える。本体部は、板状部と、第1枠部と、を含む。本体部には、外周面の一部を内方側に凹ませた円弧状の凹部が形成されている。本体部は、第1線分と、第2線分と、凹部に沿う円弧状の曲線部と、を有する。導電部は、ランド部と、外部端子と、を含む。外部端子は、板状部の厚さ方向に見て、第1線分に沿って延び、第1線分に近い側の外部端子の外周縁を構成する第1構成線を有する。板状部の厚さ方向に見て、第1線分と第1構成線との間隔は、ランド部に近づくにしたがって狭くなっている。第1構成線の延びる方向において、ランド部と第1構成線との第1接触点における第1線分と第1構成線との間隔が最も狭い。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック製である本体部と、
前記本体部に接触して配置され、導電体から構成される導電部と、を備え、
前記本体部は、
板状部と、
前記板状部上の空間である第1キャビティを取り囲むように前記板状部から立ち上がる第1枠部と、を含み、
前記本体部の少なくとも一部には、外周面の一部を内方側に凹ませた円弧状の凹部が形成されており、
前記本体部は、前記板状部の厚さ方向に見て、
前記本体部の外周縁の一部を構成する第1線分と、
前記本体部の外周縁の一部を構成し、前記第1線分が延びる方向と交差する方向に延びる第2線分と、
前記本体部の外周縁の一部を構成し、前記第1線分の第1端部と前記第2線分の第2端部を繋ぎ、前記凹部に沿う円弧状の曲線部と、を有し、
前記導電部は、
前記板状部の厚さ方向において前記第1キャビティが配置される側の面とは反対側に位置する外部端子配置面上に配置され、前記板状部の厚さ方向に見て前記第1端部および前記第2端部を含み、前記凹部に沿って帯状に延びる形状である層状のランド部と、
前記外部端子配置面上に配置され、前記ランド部と繋がって形成される層状の外部端子と、を含み、
前記外部端子は、前記板状部の厚さ方向に見て、前記第1線分に沿って延び、前記第1線分に近い側の前記外部端子の外周縁を構成する第1構成線を有し、
前記板状部の厚さ方向に見て、前記第1線分と前記第1構成線との間隔は、前記ランド部に近づくにしたがって狭くなっており、
前記第1構成線の延びる方向において、前記ランド部と前記第1構成線との第1接触点における前記第1線分と前記第1構成線との間隔が最も狭い、セラミック配線部材。
【請求項2】
前記外部端子は、前記板状部の厚さ方向に見て、前記第2線分に沿って延び、前記第2線分に近い側の前記外部端子の外周縁を構成する第2構成線を有し、
前記板状部の厚さ方向に見て、前記第2線分と前記第2構成線との間隔は、前記ランド部に近づくにしたがって狭くなっており、
前記第2構成線の延びる方向において、前記ランド部と前記第2構成線との第2接触点における前記第2線分と前記第2構成線との間隔が最も狭い、請求項1に記載のセラミック配線部材。
【請求項3】
前記第1接触点は、前記第1線分と交わっている、請求項1または請求項2に記載のセラミック配線部材。
【請求項4】
前記第1接触点は、前記第1線分と離れて配置されている、請求項1または請求項2に記載のセラミック配線部材。
【請求項5】
前記板状部の厚さ方向に見て、前記第1構成線は、直線部分を含む、請求項1または請求項2に記載のセラミック配線部材。
【請求項6】
前記板状部の厚さ方向に見て、前記第1構成線は、円弧状部分を含む、請求項1または請求項2に記載のセラミック配線部材。
【請求項7】
前記本体部は、前記板状部の厚さ方向において前記第1キャビティと反対側に位置し、前記板状部上の空間である第2キャビティを取り囲むように前記板状部から前記板状部の厚さ方向において前記第1枠部と反対側に立ち上がる第2枠部を含み、
前記第2枠部は、前記外部端子配置面を含む、請求項1または請求項2に記載のセラミック配線部材。
【請求項8】
前記板状部は、平板状であり、
前記板状部の厚さ方向において前記第1枠部の立ち上がる向きと反対側の面に前記外部端子配置面を含む、請求項1または請求項2に記載のセラミック配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、セラミック配線部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水晶振動素子を用いた圧電デバイスに関する技術が、例えば、特開2020-88634号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示の圧電デバイスは、矩形状の基板と、枠体と、基板の上面に位置している電極パッドと、枠体内で基板の下面に位置している接続パッドと、枠体の下面に位置している複数の外部端子と、電極パッドに実装されている圧電素子と、接続パッドに実装されている感温部品と、圧電素子を気密封止している蓋体と、を有する。特許文献1に開示の圧電デバイスは、枠体の4隅に、枠体の側面に沿って延びる凹部(キャスタレーション)を有する。この凹部に形成された導体層が、接続部を介して外部端子と接続している。この構成によって、外部端子と枠体の内部に収容される電子部品とが電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の圧電デバイスにおいては、セラミック材料から構成される基板が用いられる。基板の下面(裏面)には、外部端子としての導体層が形成される。層状の外部端子は、基板の下面のうち、基板の4隅に近い位置に形成される。このような基板を製造する際には、製造効率の観点から縦横に基板が配置された大きな基板を準備し、基板を個別に分割する。分割前の大きな基板には、基板の4隅に対応する部分に貫通穴が形成されている。また、分割前の大きな基板では、外部端子としての導体層にめっき層が設けられている。ここで、外部端子としての導体層が基板の外周縁に近い位置に形成されると、個別に分割する際の境界部分で隣り合う基板に形成された外部端子としての導体層同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれがある。このような繋がりが生じれば、個別に分割する際の分割不良が発生しやすい。分割不良が発生するおそれを低減した生産性の向上が求められる。
【0005】
一方、このような分割不良が生じやすい状況を回避すべく、基板の外周縁から遠い位置に外部端子としての導体層を形成することになると、個別に切り出した際に基板の4隅に形成される導電性のランド部と外部端子としての導体層との接続領域の幅が狭くなる。そうすると、電気的な接続が切断されるおそれがある。このような断線による不良が生じるおそれがある外部接続端子を含んでいれば、圧電デバイスにおいて動作不良が発生するおそれが高い。
【0006】
そこで、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができるセラミック配線部材を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従ったセラミック配線部材は、セラミック製である本体部と、本体部に接触して配置され、導電体から構成される導電部と、を備える。本体部は、板状部と、板状部上の空間である第1キャビティを取り囲むように板状部から立ち上がる第1枠部と、を含む。本体部の少なくとも一部には、外周面の一部を内方側に凹ませた円弧状の凹部が形成されている。本体部は、板状部の厚さ方向に見て、本体部の外周縁の一部を構成する第1線分と、本体部の外周縁の一部を構成し、第1線分が延びる方向と交差する方向に延びる第2線分と、本体部の外周縁の一部を構成し、第1線分の第1端部と第2線分の第2端部を繋ぎ、凹部に沿う円弧状の曲線部と、を有する。導電部は、板状部の厚さ方向において第1キャビティが配置される側の面とは反対側に位置する外部端子配置面上に配置され、板状部の厚さ方向に見て第1端部および第2端部を含み、凹部に沿って帯状に延びる形状である層状のランド部と、外部端子配置面上に配置され、ランド部と繋がって形成される層状の外部端子と、を含む。外部端子は、板状部の厚さ方向に見て、第1線分に沿って延び、第1線分に近い側の外部端子の外周縁を構成する第1構成線を有する。板状部の厚さ方向に見て、第1線分と第1構成線との間隔は、ランド部に近づくにしたがって狭くなっている。第1構成線の延びる方向において、ランド部と第1構成線との第1接触点における第1線分と第1構成線との間隔が最も狭い。
【発明の効果】
【0008】
このようなセラミック配線部材によると、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態1におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1におけるセラミック配線部材の構造を示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1におけるセラミック配線部材の構造を示す概略底面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1におけるセラミック配線部材の使用状態を示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、
図3に示すセラミック配線部材の一部を拡大して示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施の形態2におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2におけるセラミック配線部材の構造を示す概略底面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態3におけるセラミック配線部材の構造の一部を拡大して示す概略底面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態4におけるセラミック配線部材の構造の一部を拡大して示す概略底面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態5におけるセラミック配線部材の構造の一部を拡大して示す概略底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態の概要]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示に係るセラミック配線部材は、セラミック製である本体部と、本体部に接触して配置され、導電体から構成される導電部と、を備える。本体部は、板状部と、板状部上の空間である第1キャビティを取り囲むように板状部から立ち上がる第1枠部と、を含む。本体部の少なくとも一部には、外周面の一部を内方側に凹ませた円弧状の凹部が形成されている。本体部は、板状部の厚さ方向に見て、本体部の外周縁の一部を構成する第1線分と、本体部の外周縁の一部を構成し、第1線分が延びる方向と交差する方向に延びる第2線分と、本体部の外周縁の一部を構成し、第1線分の第1端部と第2線分の第2端部を繋ぎ、凹部に沿う円弧状の曲線部と、を有する。導電部は、板状部の厚さ方向において第1キャビティが配置される側の面とは反対側に位置する外部端子配置面上に配置され、板状部の厚さ方向に見て第1端部および第2端部を含み、凹部に沿って帯状に延びる形状である層状のランド部と、外部端子配置面上に配置され、ランド部と繋がって形成される層状の外部端子と、を含む。外部端子は、板状部の厚さ方向に見て、第1線分に沿って延び、第1線分に近い側の外部端子の外周縁を構成する第1構成線を有する。板状部の厚さ方向に見て、第1線分と第1構成線との間隔は、ランド部に近づくにしたがって狭くなっている。第1構成線の延びる方向において、ランド部と第1構成線との第1接触点における第1線分と第1構成線との間隔が最も狭い。
【0011】
このような構成のセラミック配線部材によると、板状部の厚さ方向に見て、本体部の第1線分と外部端子の第1構成線との間隔は、ランド部に近づくにしたがって狭くなっているため、ランド部と外部端子とが接続される領域の幅を広くすることができる。このため、電気的な接続が切断されるおそれをより低減することができる。この場合、外部端子の第1構成線は、ランド部から遠ざかるにつれ、第1線分との間隔が広くなっているため、製造時において隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して繋がってしまうおそれが低減されることとなる。そうすると、個別に分割する際の分割不良の発生を抑制することができる。したがって、このようなセラミック配線部材によると、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができる。
【0012】
上記態様のセラミック配線部材において、外部端子は、板状部の厚さ方向に見て、第2線分に沿って延び、第2線分に近い側の外部端子の外周縁を構成する第2構成線を有してもよい。板状部の厚さ方向に見て、第2線分と第2構成線との間隔は、ランド部に近づくにしたがって狭くなっていてもよい。第2構成線の延びる方向において、ランド部と第2構成線との第2接触点における第2線分と第2構成線との間隔が最も狭くてもよい。このようにすることにより、外部端子のうち、第1構成線側および第2構成線側の両側において、ランド部と外部端子とが接続される領域の幅を広くすることができる。したがって、電気的な接続が切断されるおそれをより低減することができる。
【0013】
上記態様のいずれか一つの態様のセラミック配線部材において、第1接触点は、第1線分と交わっていてもよい。このようにすることにより、ランド部と外部端子とが接続される領域の幅をさらに広くすることができる。したがって、電気的な接続が切断されるおそれをさらに低減することができる。
【0014】
上記態様のいずれか一つの態様のセラミック配線部材において、第1接触点は、第1線分と離れて配置されていてもよい。このようにすることにより、第1接触点の近傍において、隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して繋がってしまうおそれを大きく低減することができる。そうすると、個別に分割する際の分割不良の発生をより抑制することができる。したがって、生産性の向上をより図ることができる。
【0015】
上記態様のいずれか一つの態様のセラミック配線部材において、板状部の厚さ方向に見て、第1構成線は、直線部分を含んでもよい。このようにすることにより、外部端子の外形形状をシンプルな形状として単純化を図ることができる。
【0016】
上記態様のいずれか一つの態様のセラミック配線部材において、板状部の厚さ方向に見て、第1構成線は、円弧状部分を含んでもよい。このようにすることにより、第1線分と第1構成線との間隔が広い部分をより多く確保することができる。したがって、第1接触点の近傍において、隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれをより低減することができる。そうすると、個別に分割する際の分割不良の発生をより抑制することができる。したがって、生産性の向上をより図ることができる。
【0017】
上記態様のいずれか一つの態様のセラミック配線部材において、本体部は、板状部の厚さ方向において第1キャビティと反対側に位置し、板状部上の空間である第2キャビティを取り囲むように板状部から板状部の厚さ方向において第1枠部と反対側に立ち上がる第2枠部を含んでもよい。第2枠部は、外部端子配置面を含んでもよい。このようにすることにより、セラミック配線部材が第1キャビティおよび第2キャビティを備える構成において、第2枠部に形成される外部端子の形状を適切にして、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができる。
【0018】
上記態様のいずれか一つの態様のセラミック配線部材において、板状部は、平板状であってもよい。板状部の厚さ方向において第1枠部の立ち上がる向きと反対側の面に外部端子配置面を含んでもよい。このようにすることにより、セラミック配線部材が第1キャビティのみを備える構成において、板状部に形成される外部端子の形状を適切にして、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができる。
【0019】
[実施形態の具体例]
次に、本開示のセラミック配線部材の具体的な実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0020】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1に係るセラミック配線部材について説明する。
図1は、実施の形態1におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。
図2は、実施の形態1におけるセラミック配線部材の構造を示す概略平面図である。
図3は、実施の形態1におけるセラミック配線部材の構造を示す概略底面図である。
図1は、
図2および
図3中の線分I-Iに沿う断面に対応する図である。
図2は、
図1に示すセラミック配線部材を矢印IIで示す向きに見た図である。なお、理解を容易にする観点から、
図2において、後述する外部端子の外形形状を破線で図示している。
図3は、
図1に示すセラミック配線部材を矢印IIIで示す向きに見た図である。
図1および以下に示す図において、X方向は、セラミック配線部材の長手方向を示し、Y方向は、セラミック配線部材の短手方向を示し、Z方向は、セラミック配線部材の高さ方向(厚さ方向)を示す。X方向、Y方向およびZ方向はそれぞれ、直交している。なお、
図4は、実施の形態1におけるセラミック配線部材の使用状態を示す概略断面図である。
【0021】
図1~
図4を参照して、実施の形態1におけるセラミック配線部材10aは、例えば水晶振動素子を用いた水晶デバイスのパッケージとして利用される。セラミック配線部材10aは、セラミック製である本体部11aと、導電体から構成される導電部12aと、を含む。導電部12aは、本体部11aに接触して配置される。
【0022】
本実施形態においては、本体部11aは、板状部20aと、第1枠部21aと、第2枠部22aと、を含む。板状部20a、第1枠部21aおよび第2枠部22aは全て、セラミックから構成されている。用いられるセラミックの材質としては、特に限定されるものではないが、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)を採用することができる。また、用いられるセラミックは、焼結助剤として二酸化珪素(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化マンガン(MnO)および酸化バリウム(BaO)からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0023】
本実施形態においては、板状部20aは、平板状の形状を有している。板状部20aの厚さ方向(以下、単に厚さ方向ということがある。)は、
図1以下に示す矢印Zで示す向きまたはその逆の向きによって示される方向である。板状部20aは、厚さ方向に位置する第1平面23aと、第1平面23aと厚さ方向の反対側に位置する第2平面24aと、を含む。
【0024】
本体部11aに含まれる第1枠部21aは、板状部20a上の空間である第1キャビティ13aを取り囲むように板状部20aから立ち上がるよう構成されている。厚さ方向に見て、第1枠部21aは、第1キャビティ13aを内部空間とした環状である。本実施形態においては、第1枠部21aは、第1平面23a上に配置される。第1枠部21aは、厚さ方向における第1枠端面25aを含む。第1枠端面25aは、厚さ方向において板状部20aと反対側に位置する端面である。
【0025】
本体部11aに含まれる第2枠部22aは、板状部20a上の空間である第2キャビティ14aを取り囲むように板状部20aから立ち上がるよう構成されている。厚さ方向に見て、第2枠部22aは、第2キャビティ14aを内部空間とした環状である。本実施形態においては、第2枠部22aは、第2平面24a上に配置される。厚さ方向において、第2キャビティ14aは、第1キャビティ13aと反対側に位置する。第2枠部22aは、厚さ方向における第2枠端面26aを含む。第2枠端面26aは、Z方向において板状部20aと反対側に位置する端面である。この第2枠端面26aが、後述する外部端子が形成される外部端子配置面29aとなる。
【0026】
厚さ方向に見た本体部11aの外形形状は、4つの角が内方側に円弧状に凹んだ矩形状を有する。本体部11aは、外周面の一部を内方側に凹ませた円弧状の凹部(第1凹部)16a、凹部(第2凹部)17a、凹部(第3凹部)18a、凹部(第4凹部)19aが形成されている。凹部16a,17a,18a,19aはそれぞれ、厚さ方向に見て矩形状の4つの隅に対応する位置において内方側に削るように形成されている。凹部16a,17a,18a,19aはそれぞれ、本体部11aを厚さ方向に貫通するように形成されている。すなわち、本実施形態においては、厚さ方向に見た板状部20a、第1枠部21aおよび第2枠部22aの外形形状はそれぞれ、4つの角が内方側に円弧状に凹んだ矩形状を有する。厚さ方向に見た場合において、円弧状の凹部16a,17a,18a,19aのそれぞれの曲率等は同様となるように構成されている。なお、凹部16a,17a,18a,19aの表面には、厚さ方向に延び、凹部16a,17a,18a,19aをそれぞれ覆う導電性の側面導体部34a,35a,36a,37aが配置される。側面導体部34a,35a,36a,37aはそれぞれ、
図2において一点鎖線で示している。側面導体部34a,35a,36a,37aはそれぞれ、後述するランド部56a,57a,58a,59aと繋がるように設けられる。
【0027】
導電部12aは、導電体から構成される。導電部12aは、本体部11aに接触して配置される。すなわち、導電部12aは、板状部20a、第1枠部21aおよび第2枠部22aのうちの少なくともいずれか1つに接触して配置される。
【0028】
導電部12aは、第1枠端面25a上に配置される導電層27aを含む。導電層27aは、厚さ方向をZ方向とする層状である。本実施形態においては、導電層27aは、第1枠端面25aを全て覆うよう構成されている。導電層27aは、Z方向における第1端面28aを含む。第1端面28aが、第1枠部21aが配置される領域において、セラミック配線部材10aのZ方向の端面となる。
【0029】
導電部12aは、外部端子(第1外部端子)41aと、外部端子(第2外部端子)42aと、外部端子(第3外部端子)43aと、外部端子(第4外部端子)44aと、を含む。外部端子41a、外部端子42a、外部端子43aおよび外部端子44aはそれぞれ、厚さ方向をZ方向とする層状である。外部端子41aと外部端子42aは、一対で用いられる。外部端子41aと外部端子42aとの間に電圧が印加される。また、外部端子43aと外部端子44aは、一対で用いられる。外部端子43aと外部端子44aとの間に電圧が印加される。
【0030】
外部端子41a、外部端子42a、外部端子43aおよび外部端子44aはそれぞれ、本体部11aに含まれる第2枠部22aに接触して配置される。外部端子41a、外部端子42a、外部端子43aおよび外部端子44aはそれぞれ、第2枠端面26a上において、それぞれ間隔をあけて配置される。具体的には、外部端子41aは、外部端子43aとX方向に間隔をあけて配置される。外部端子41aは、外部端子44aとY方向に間隔をあけて配置される。外部端子42aは、外部端子43aとY方向に間隔をあけて配置される。外部端子42aは、外部端子44aとX方向に間隔をあけて配置される。外部端子41a、外部端子42a、外部端子43aおよび外部端子44aはそれぞれ、厚さ方向に見て本体部11aの矩形状の4隅の近傍に対応する位置に配置される。本実施形態においては、第2枠端面26aが、板状部20aの厚さ方向において第1キャビティ13aが配置される側の面とは反対側に位置する外部端子配置面29aとなる。外部端子41a、外部端子42a、外部端子43aおよび外部端子44aはそれぞれ、セラミック配線部材10aとセラミック配線部材10aの外部との電気的な接続を確保するために用いられる。外部端子41a等の構成については、後に詳述する。
【0031】
導電部12aは、内部端子(第1内部端子)45aと、内部端子(第2内部端子)46aと、内部端子(第3内部端子)47aと、内部端子(第4内部端子)48aと、を含む。内部端子45a、内部端子46a、内部端子47aおよび内部端子48aはそれぞれ、厚さ方向をZ方向とする層状である。内部端子45aと内部端子46aは、一対で用いられる。内部端子45aと内部端子46aとの間に電圧が印加される。また、内部端子47aと内部端子48aは、一対で用いられる。内部端子47aと内部端子48aとの間に電圧が印加される。
【0032】
内部端子45a、内部端子46a、内部端子47aおよび内部端子48aはそれぞれ、本体部11aに含まれる板状部20aに接触して配置される。内部端子45aおよび内部端子46aは、X方向に間隔をあけて第2平面24a上に配置される。また、内部端子45aおよび内部端子46aは、厚さ方向に見て第2枠部22aによって取り囲まれた領域内に配置される。内部端子47aおよび内部端子48aは、Y方向に間隔をあけて第1平面23a上に配置される。また、内部端子47aおよび内部端子48aは、厚さ方向に見て第1枠部21aによって取り囲まれた領域内に配置される。
【0033】
導電部12aは、配線(第1配線)51aと、配線(第2配線)52aと、配線(第3配線)53aと、配線(第4配線)54aと、を含む。配線51aは、第2平面24aに設けられており、側面導体部34aを介して外部端子41aと内部端子45aとを電気的に接続する。配線52aは、第2平面24aに設けられており、側面導体部35aを介して外部端子42aと内部端子46aとを電気的に接続する。配線53aは、第1平面23aに設けられており、側面導体部36aを介して外部端子43aと内部端子47aとを電気的に接続する。配線54aは、第1平面23aに設けられており、側面導体部37aを介して外部端子44aと内部端子48aとを電気的に接続する。なお、第1枠部21aの凹部17aに設けられる側面導体部35aは、導電層27aと外部端子42aとを電気的に接続する。
【0034】
導電部12aは、ランド部(第1ランド部)56a、ランド部(第2ランド部)57a、ランド部(第3ランド部)58a、ランド部(第4ランド部)59aを含む。ランド部56a,57a,58a,59aはそれぞれ、層状であって、外部端子配置面29a上に配置される。ランド部56a,57a,58a,59aはそれぞれ、凹部16a,17a,18a,19aに沿って帯状に延びる形状である。ランド部56aは、後述する第1端部76aおよび第2端部77aを含む。他のランド部57a,58a,59aについても同様である。本実施形態においては、ランド部56a,57a,58a,59aはそれぞれ、上記した側面導体部34a,35a,36a,37aと繋がっている。上記した外部端子41aは、ランド部56aと繋がって形成される。ランド部56aと外部端子41aとの境界87aを点線で図示している。上記した外部端子42aは、ランド部57aと繋がって形成される。ランド部57aと外部端子42aとの境界87fを点線で図示している。上記した外部端子43aは、ランド部58aと繋がって形成される。ランド部58aと外部端子43aとの境界87gを点線で図示している。上記した外部端子44aは、ランド部59aと繋がって形成される。ランド部59aと外部端子44aとの境界87hを点線で図示している。外部端子やランド部は、外部基板の配線と半田等で接続される。
【0035】
ここで、実施の形態1におけるセラミック配線部材10aの使用状態について、主に
図4を用いて説明する。
図4は、例えば、セラミック配線部材10aをパッケージとして用いる構造体30aである水晶デバイスである。セラミック配線部材10aにおいて、上記したように、外部端子41aと内部端子45a、外部端子42aと内部端子46a、外部端子43aと内部端子47a、外部端子44aと内部端子48aは、それぞれ対となって電気的に接続される。そのため、
図4に示すように、内部端子47aおよび内部端子48a上に、例えば圧電振動素子である水晶振動素子31aを配置することができる。また、内部端子45aおよび内部端子46a上に、例えばサーミスタ32aを配置することができる。セラミック配線部材10aは、複数の電子部品を搭載可能なセラミック配線部材である。具体的に、セラミック配線部材10aは、第1キャビティ13aと第2キャビティ14aのそれぞれに配置された電子部品を搭載可能なセラミック配線部材である。
【0036】
水晶振動素子31aの共振周波数は、温度の影響を受ける。
図4に示すように、水晶振動素子31aと温度を検知する素子であるサーミスタ32aとを単一のセラミック配線部材10a上に搭載することにより、サーミスタ32aにおいて検知した温度に基づいて水晶振動素子31aを駆動することにより、水晶振動素子31aを適切に動作させることができる。
【0037】
第1枠部21aの第1枠端面25a上に金属製の蓋33aを配置することにより、水晶振動素子31aを第1キャビティ13a内において気密状態で封止することができる。蓋33aと第1枠部21aの第1枠端面25a、具体的には、第1枠端面25a上に形成された導電層27aとは、溶接、ロウ付け、圧接等、任意の方法で接合することができる。第1枠部21aの第1枠端面25a上に金属製の蓋33aを配置すると、蓋33aと外部端子42aとが導電層27a、側面導体部35aを介して、電気的に接続される。外部端子42aは、グラウンド端子である。セラミック配線部材10aは、金属製の蓋33aにより封止可能な第1キャビティ13a内に搭載される水晶振動素子31aを含む複数の電子部品(水晶振動素子31aおよびサーミスタ32a)を搭載可能である。
【0038】
次に、本実施の形態のセラミック配線部材10aの製造方法の一例を概略的に説明する。本実施の形態のセラミック配線部材10aの製造方法では、まず、本体部11aとなるべきグリーンシートが準備される。具体的には、本体部11aを構成するセラミックの主成分であるAl
2O
3粉末と、焼結助剤であるSiO
2、CaO、MgO、MnOおよびBaOからなる群から選択される少なくとも1つの粉末と、樹脂、溶剤等とをボールミルにて混合し、スラリーを得る。このスラリーを、ドクターブレード法によりグリーンシートに加工する。これにより、本体部11aとなるべきグリーンシートが得られる。ここで、
図1を参照して、板状部20aとなるべきグリーンシートとして平面形状が矩形状のグリーンシートが複数枚準備される。また、第1枠部21aおよび第2枠部22aとなるべきグリーンシートも複数枚準備される。第1枠部21aおよび第2枠部22aとなるべきグリーンシートとしては、矩形状の平面形状を有し、第1キャビティ13a(あるいは第2キャビティ14a)に対応する部分が縦横に複数除去されたグリーンシートが準備される。
【0039】
次に、準備されたグリーンシートに、導電部12a、導電層27a、配線51a,52a,53a,54a、ランド部56a,57a,58a,59aおよび外部端子41a,42a,43a,44aとなるべきペーストが印刷される。具体的には、まず、W(タングステン)、Mo(モリブデン)およびCu(銅)の少なくともいずれか1つの金属成分と、添加剤、樹脂、溶剤等とを配合し、さらに必要に応じてセラミック粉末を添加し、混錬することによりペーストを作製する。
【0040】
このペーストを、先に準備されたグリーンシートに、例えばスクリーン印刷により印刷する。このとき、
図1~
図3を参照して、導電部12a、導電層27a、配線51a,52a,53a,54a、ランド部56a,57a,58a,59aおよび外部端子41a,42a,43a,44aのうち、X-Y平面内で広がる、または延びるものについてはグリーンシートの表面に上記ペーストを印刷し、Z方向に延びるものについてはグリーンシートを厚さ方向に貫通する貫通穴を形成し、当該貫通穴の表面を上記ペーストにて塗布する。その後、ペーストが印刷されたグリーンシートが乾燥され、積層されることにより、積層体が得られる。貫通穴は、セラミック配線部材10aとなる箇所の4隅の位置に設けられている。さらに積層体表面には貫通穴の中心で交差するようにX方向とY方向の分割溝が縦横に複数形成される。この積層体を焼成後、外部端子41a,42a,43a,44aなどの露出した導電部12aには酸化防止等を目的としてNi(ニッケル)やAu(金)等のめっき膜(めっき層)が設けられる。その後、分割溝を使って個片化するとセラミック配線部材10aが得られる。貫通穴の一部は、凹部16a,17a,18a,19aとなる。
【0041】
ここで、本体部11aに含まれる第2枠部22aおよび外部端子41aの構成について詳述する。
図5は、
図3に示すセラミック配線部材10aの一部を拡大して示す図である。
【0042】
図5を併せて参照して、第2枠部22aは、厚さ方向に見て、本体部11aに含まれる第2枠部22aの外周縁の一部を構成する第1線分71aと、本体部11aに含まれる第2枠部22aの外周縁の一部を構成し、第1線分71aが延びる方向と交差する方向に延びる第2線分72aと、本体部11aに含まれる第2枠部22aの外周縁の一部を構成し、第1線分71aの第1端部76aと第2線分72aの第2端部77aを繋ぎ、凹部16aに沿う円弧状の曲線部73aと、を有する。本実施形態においては、第1線分71aは、Y方向に延びている。第2線分72aは、X方向に延びている。また、第1線分71aと第2線分72aとは、直交している。すなわち、第2線分72aは、第1線分71aと直交する方向に延びている。よって、板状部20aの厚さ方向に見て矩形状としやすく、外形形状の単純化を図ることが容易となる。また、第2枠部22aは、それぞれ外周縁の一部を構成する、第1線分71aと平行な第1線分74aと、第2線分72aと平行な第2線分75aと、を含む。また、第2枠部22aは、それぞれ外周縁の一部を構成する、曲線部73f、73g、73hを含む。
【0043】
外部端子41aは、厚さ方向に見て、それぞれ外部端子41aの外周縁を構成する第1構成線81aと、第2構成線82aと、第3構成線83aと、第4構成線84aと、第5構成線85aと、を含む。第1構成線81aは、第1線分71aに近い側に位置し、第1線分71aに沿って延びている。本実施形態においては、第1構成線81aは、Y方向に対して若干傾斜した方向に延びている。また、厚さ方向に見て、第1構成線81aは、直線部分を含む。本実施形態においては、第1構成線81aは、線分のみから構成されている。第2構成線82aは、第2線分72aに近い側に位置し、第2線分72aに沿って延びている。本実施形態においては、第2構成線82aは、X方向に対して若干傾斜した方向に延びている。また、厚さ方向に見て、第2構成線82aは、直線部分を含む。本実施形態においては、第2構成線82aは、線分のみから構成されている。第3構成線83aは、X方向に沿って延び、その一方端部が第1構成線81aの他方端部と接続されている。第4構成線84aは、Y方向に沿って延び、その一方端部が第2構成線82aの他方端部と接続されている。第5構成線85aは、曲線で構成されており、第3構成線83aの他方端部と第4構成線84aの他方端部とを接続するように構成されている。第5構成線85aは、厚さ方向に見て外方側に円弧状に凹む部分を有する。
【0044】
同様に、外部端子42aは、第1構成線81fと、第2構成線82fと、第3構成線83fと、第4構成線84fと、第5構成線85fと、を含む。また、外部端子43aは、第1構成線81gと、第2構成線82gと、第3構成線83gと、第4構成線84gと、第5構成線85gと、を含む。外部端子44aは、第1構成線81hと、第2構成線82hと、第3構成線83hと、第4構成線84hと、第5構成線85hと、を含む。外部端子42a,43a,44aの外周縁の構成については、基本的に外部端子41aの外周縁の構成と同等であるため、それらの説明を省略する。
【0045】
ここで、第1構成線81a側の構成について説明する。板状部20aの厚さ方向に見て、第1線分71aと第1構成線81aとの間隔は、ランド部56aに近づくにしたがって狭くなっている。具体的には、第1線分71a上の点93aにおける第1線分71aと第1構成線81aとの間隔D1は、Y方向において点93aよりもランド部56aから遠い第1線分71aの点94aにおける第1線分71aと第1構成線81aとの間隔D2よりも狭くなっている。
【0046】
また、第1構成線81aの延びる方向において、ランド部56aと第1構成線81aとの第1接触点91aにおける第1線分71aと第1構成線81aとの間隔が最も狭くなっている。本実施形態においては、第1接触点91aは、第1線分71aと重なっている。なお、参考までに第1線分71aと平行に延びる仮想の第1構成線101aと、第2線分72aと平行に延びる仮想の第2構成線102aと、仮想の第1構成線101aとランド部56aとの接触点103aと、仮想の第2構成線102aとランド部56aとの接触点104aと、を
図5中において一点鎖線で図示している。
【0047】
本実施形態においては、第2構成線82a側の構成についても同様である。すなわち、板状部20aの厚さ方向に見て、第2線分72aと第2構成線82aとの間隔は、ランド部56aに近づくにしたがって狭くなっている。具体的には、第2線分72a上の点95aにおける第2線分72aと第2構成線82aとの間隔D3は、X方向において点95aよりもランド部56aから遠い第2線分72aの点96aにおける第2線分72aと第2構成線82aとの間隔D4よりも狭くなっている。
【0048】
また、第2構成線82aの延びる方向において、ランド部56aと第2構成線82aとの第2接触点92aにおける第2線分72aと第2構成線82aとの間隔が最も狭くなっている。本実施形態においては、第2接触点92aは、第2線分72aと重なっている。
【0049】
なお、外部端子42a,43a,44aの構成も、上記した第1外部端子の構成と同様である。すなわち、4つの隅に相当する領域において、第1外部端子と同様の構成が採用される。
【0050】
このような構成のセラミック配線部材10aによると、板状部20aの厚さ方向に見て、本体部11aの第1線分71aと外部端子41aの第1構成線81aとの間隔は、ランド部56aに近づくにしたがって狭くなっているため、ランド部56aと外部端子41aとが接続される領域88aの幅を広くすることができる。例えば領域88aの幅は、仮想の第1構成線101aとランド部56aとの接触点103aと、仮想の第2構成線102aとランド部56aとの接触点104aとを結ぶ領域105aの幅よりも広い。より具体的には、第1構成線81aとランド部56aとの第1接触点91aと、第2構成線82aとランド部56aとの第2接触点92aとを境界87aに沿って結ぶ円弧の長さは、仮想の第1構成線101aとランド部56aとの接触点103aと、仮想の第2構成線102aとランド部56aとの接触点104aとを境界87aに沿って結ぶ円弧の長さよりも長い。このため、電気的な接続が切断されるおそれをより低減することができる。一方、外部端子41aの第1構成線81aは、ランド部56aから遠ざかるにつれ、第1線分71aとの間隔が広くなっているため、製造時において隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれが低減されることとなる。そうすると、個別に分割する際の分割不良の発生を抑制することができる。したがって、このようなセラミック配線部材10aによると、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができる。
【0051】
本実施形態においては、外部端子41aは、板状部20aの厚さ方向に見て、第2線分72aに沿って延び、第2線分72aに近い側の外部端子41aの外周縁を構成する第2構成線82aを有する。板状部20aの厚さ方向に見て、第2線分72aと第2構成線82aとの間隔は、ランド部56aに近づくにしたがって狭くなっている。第2構成線82aの延びる方向において、ランド部56aと第2構成線82aとの第2接触点92aにおける第2線分72aと第2構成線82aとの間隔が最も狭い。よって、外部端子41aのうち、第1構成線81a側および第2構成線82a側の両側において、ランド部56aと外部端子41aとが接続される領域88aの幅を広くすることができる。したがって、電気的な接続が切断されるおそれをより低減することができる。
【0052】
本実施形態においては、第1接触点91aは、第1線分71aと交わっている。よって、ランド部56aと外部端子41aとが接続される領域88aの幅をさらに広くすることができる。よって、電気的な接続が切断されるおそれをさらに低減することができる。なお、第2接触点92aについても同様に、第2線分72aと交わっている。よって、接続される領域88aの幅をさらに広くすることができる。
【0053】
本実施形態においては、厚さ方向に見て、第1構成線81aは、直線部分を含む。よって、外部端子41aの外形形状をシンプルな形状として単純化を図ることができる。
【0054】
本実施形態においては、本体部11aは、板状部20aの厚さ方向において第1キャビティ13aと反対側に位置し、板状部20a上の空間である第2キャビティ14aを取り囲むように板状部20aから板状部20aの厚さ方向において第1枠部21aと反対側に立ち上がる第2枠部22aを含む。第2枠部22aは、外部端子配置面29aを含む。よって、セラミック配線部材10aが第1キャビティ13aおよび第2キャビティ14aを備える構成において、第2枠部22aに形成される外部端子41a等の形状を適切にして、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができる。
【0055】
なお、上記の実施の形態においては、セラミック配線部材10aは、第1キャビティ13aと第2キャビティ14aとを含む構成としたが、これに限らず、キャビティを一つのみ含む構成としてもよい。この場合、例えば、板状部20aの厚さ方向において第1枠部21aの立ち上がる向きと反対側の面に外部端子配置面29aを含むように構成してもよい。このようにすることにより、セラミック配線部材10aが第1キャビティ13aのみを備える構成において、板状部20aに形成される外部端子41aの形状を適切にして、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができる。
【0056】
なお、上記の実施の形態において、第1枠部21aが金属製であってもよい。金属製の第1枠部21aは、板状部20aの第1平面23aに設けられる導体層とロウ付け等で接合される。この場合、蓋33aは、金属製の第1枠部21a、ロウ材、導体層を介して側面導体部35a、配線52a、内部端子46a、外部端子42aと接続される。この場合、金属製の第1枠部21aと電気的に接続されないように配線53a,54aのいずれかが板状部20aの内部に設けられていてもよい。金属製の第1枠体21aの外周面に内方側に凹ませた円弧状の凹部が形成されていなくてもよい。金属製の第1枠体21aの外形サイズは、板状部20aの外形サイズよりも一回り小さくてもよい。また、第2キャビティ14aを設けなくてもよい。
【0057】
(実施の形態2)
他の実施の形態である実施の形態2について説明する。
図6は、本開示の実施の形態2におけるセラミック配線部材の構造を示す概略断面図である。
図7は、実施の形態2におけるセラミック配線部材の構造を示す概略底面図である。実施の形態2におけるセラミック配線部材10bは、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2のセラミック配線部材10bは、外部端子の数等の構成が、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0058】
図6および
図7を併せて参照して、実施の形態2におけるセラミック配線部材10bは、外部端子41bと、外部端子42bと、外部端子43bと、外部端子44bと、外部端子45bと、を含む。すなわち、実施の形態1の場合と比較して、外部端子45bが一つ多く含まれている。外部端子45bは、X方向において外部端子42bと外部端子44bとの間であって、それぞれと間隔をあけて配置される。外部端子45bは、いわゆるグラウンド端子である。外部端子45bは、図示されない配線により導電層27aと電気的に接続される。外部端子42bは、サーミスタと繋がる内部端子46aに電気的に接続されており、外部端子45b、導電層27aとは接続されていない。各外部端子41b,42b,43b,44bの構成は、実施の形態1における外部端子41a,42a,43a,44aと同様であるため、それらの説明を省略する。
【0059】
このような構成とすることにより、グラウンド端子としての外部端子45bを外部端子42bと切り分けて構成した場合でも、生産性の向上を図りつつ電気的な接続が切断されるおそれを低減することができる。
【0060】
なお、上記の実施の形態において、例えばサーミスタと繋がる内部端子46aに電気的に接続される外部端子42bと、外部端子45bとを入れ替えて構成することにしてもよい。この場合、隅側に配置される外部端子45bにおいて、上記した構成を採用することにしてもよい。
【0061】
(実施の形態3)
他の実施の形態である実施の形態3について説明する。
図8は、実施の形態3におけるセラミック配線部材の構造の一部を拡大して示す概略底面図である。
図8は実施の形態1における
図5に相当する図面である。実施の形態3におけるセラミック配線部材10cは、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態3のセラミック配線部材10cは、外部端子の外形形状の構成が、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0062】
図8を参照して、実施の形態3におけるセラミック配線部材10cに含まれる外部端子41cは、第1構成線81cと、第2構成線82cと、第3構成線83cと、第4構成線84cと、第5構成線85cと、を含む。第3構成線83c~第5構成線85cの構成は、実施の形態1の場合と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0063】
ここで、第1接触点91cは、第1線分71aと離れて配置されている。この場合、第1線分71aと第1構成線81cとを接続するように、ランド部56aの内周縁の一部を構成する円弧状、あるいは直線状の線78cが表れる。よって、ランド部56aと外部端子41cとが接続される領域88cの幅を広くすることにより、電気的な接続が切断されるおそれを低減しつつ、第1接触点91cの近傍も含め、隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれを大きく低減することができる。そうすると、個別に分割する際の分割不良の発生をより抑制することができる。したがって、生産性の向上をより図ることができる。なお、第2接触点92cにおいても同様に、第2線分72aと離れて配置されている。この場合、第2線分72aと第2構成線82cとを接続するように、ランド部56aの内周縁の一部を構成する円弧状、あるいは直線状の線79cが表れる。
【0064】
また、第1構成線81cは、直線部分を含む。よって、外部端子41cの外形形状をシンプルな形状として単純化を図ることができる。
【0065】
(実施の形態4)
他の実施の形態である実施の形態4について説明する。
図9は、実施の形態4におけるセラミック配線部材の構造の一部を拡大して示す概略底面図である。
図9は実施の形態1における
図5に相当する図面である。実施の形態4におけるセラミック配線部材10dは、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態4のセラミック配線部材10dは、外部端子の外形形状の構成が、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0066】
図9を参照して、実施の形態4におけるセラミック配線部材10dに含まれる外部端子41dは、第1構成線81dと、第2構成線82dと、第3構成線83dと、第4構成線84dと、第5構成線85dと、を含む。第3構成線83d~第5構成線85dの構成は、実施の形態1の場合と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0067】
ここで、板状部20aの厚さ方向に見て、第1構成線81dは、円弧状部分を含む。本実施形態においては、第1構成線81dの全域が、円弧状部分である。よって、第1線分71aと第1構成線81dとの間隔が広い部分をより多く確保することができる。例えば、第1構成線81dの全域が直線状である場合に比べて第1線分71aと第1構成線81dとの間隔が広い部分をより多く確保することができる。したがって、ランド部56aと外部端子41dとが接続される領域88dの幅を広くすることにより電気的な接続が切断されるおそれを低減しつつ、隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれをより低減することができる。そうすると、個別に分割する際の分割不良の発生をより抑制することができる。したがって、生産性の向上をより図ることができる。
【0068】
なお、第2構成線82dについても同様であり、第2構成線82dは、円弧状部分を含む。よって、第1接触点92dの近傍において、隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれをより低減することができる。
【0069】
(実施の形態5)
他の実施の形態である実施の形態5について説明する。
図10は、実施の形態5におけるセラミック配線部材の構造の一部を拡大して示す概略底面図である。
図10は実施の形態1における
図5に相当する図面である。実施の形態5におけるセラミック配線部材10eは、基本的には実施の形態1の場合と同様の構成を有し、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態5のセラミック配線部材10eは、外部端子の外形形状の構成が、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0070】
図10を参照して、実施の形態5におけるセラミック配線部材10dに含まれる外部端子41eは、第1構成線81eと、第2構成線82eと、第3構成線83eと、第4構成線84eと、第5構成線85eと、を含む。第3構成線83e~第5構成線85eの構成は、実施の形態1の場合と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0071】
ここで、板状部20aの厚さ方向に見て、第1構成線81eは、円弧状部分を含む。本実施形態においては、第1構成線81eの全域が、円弧状部分である。よって、第1線分71aと第1構成線81eとの間隔が広い部分をより多く確保することができる。例えば、第1構成線81eの全域が直線状である場合に比べて第1線分71aと第1構成線
81eとの間隔が広い部分をより多く確保することができる。したがって、ランド部56aと外部端子41eとが接続される領域88eの幅を広くすることにより電気的な接続が切断されるおそれを低減しつつ、第1接触点91eの近傍も含め、隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれをより低減することができる。そうすると、個別に分割する際の分割不良の発生をより抑制することができる。したがって、生産性の向上をより図ることができる。
【0072】
なお、第2構成線82eについても同様であり、第2構成線82eは、円弧状部分を含む。よって、第2接触点92eの近傍において、隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれをより低減することができる。
【0073】
また、第1接触点91eは、第1線分71aと離れて配置されている。この場合、第1線分71aと第1構成線81eとを接続するように、ランド部56aの内周縁の一部を構成する円弧状、あるいは直線状の線78eが表れる。よって、第1接触点91eの近傍において、隣り合う基板に形成された外部端子同士がめっき層を介して互いに繋がってしまうおそれを大きく低減することができる。そうすると、個別に分割する際の分割不良の発生をより抑制することができる。したがって、生産性の向上をより図ることができる。なお、第2接触点92eにおいても同様に、第2線分72aと離れて配置されている。この場合、第2線分72aと第2構成線82eとを接続するように、ランド部56aの内周縁の一部を構成する円弧状、あるいは直線状の線79eが表れる。
【0074】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0075】
10a,10b,10c,10d,10e セラミック配線部材、11a 本体部、12a 導電部、13a 第1キャビティ、14a 第2キャビティ、16a,17a,18a,19a 凹部、20a 板状部、21a 第1枠部、22a 第2枠部、23a 第1平面、24a 第2平面、25a 第1枠端面、26a 第2枠端面、27a 導電層、28a 第1端面、29a 外部端子配置面、30a 構造体、31a 水晶振動素子、32a サーミスタ、33a 蓋、34a,35a,36a,37a 側面導体部、41a,41b,41c,41d,41e,42a,42b,43a,43b,44a,44b,45b 外部端子、45a,46a,47a,48a 内部端子、51a,52a,53a,54a 配線、56a,57a,58a,59a ランド部、71a,74a 第1線分、72a,75a 第2線分、73a,73f,73g,73h 曲線部、76a 第1端部、77a 第2端部、81a,81c,81d,81e,81f,81g,81h,101a 第1構成線、82a,82c,82d,82e,82f,82g,82h,102a 第2構成線、83a,83c,83d,83e,83f,83g,83h 第3構成線、84a,84c,84d,84e,84f,84g,84h 第4構成線、85a,85c,85d,85e,85f,85g,85h 第5構成線、87a 境界、88a,88c,88d,88e,105a 領域、91a,91c,91d,91e,92d,92e 第1接触点、92a,92c,92e 第2接触点、93a,95a 点、103a,104a 接触点。