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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143818
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20241003BHJP
   F28D 15/04 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 23/473 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20241003BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F28D15/02 101H
F28D15/02 L
F28D15/02 104C
F28D15/04 C
F28D15/04 D
F28D15/04 G
H01L23/46
H01L23/46 B
H05K7/20 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056717
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】引地 秀太
(72)【発明者】
【氏名】青木 博史
(72)【発明者】
【氏名】川畑 賢也
(72)【発明者】
【氏名】下田 和紀
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322DB07
5E322DB12
5E322EA11
5E322FA01
5F136BA04
5F136CB01
5F136CC11
5F136CC18
(57)【要約】
【課題】コンテナ内部に封入された一次冷媒の還流特性に優れ、発熱体から一次冷媒への熱伝達が円滑化された冷却装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの発熱体が外面に熱的に接続されるコンテナと、前記コンテナ内部に封入された一次冷媒と、前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、前記コンテナの内面に形成された、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部と、を備え、前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方の先端が、前記凝縮管と接触している接触部を有する冷却装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発熱体が外面に熱的に接続されるコンテナと、
前記コンテナ内部に封入された一次冷媒と、
前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、
前記コンテナの内面に形成された、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部と、を備え、
前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方の先端が、前記凝縮管と接触している接触部を有する冷却装置。
【請求項2】
前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向下方が、液相の前記一次冷媒中に浸漬されている請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記コンテナ内面表面積増大部が、板状フィン、ピンフィン及び/または窪みである請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部領域に、毛細管力を有するウィック部が形成されている請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記コンテナ内面表面積増大部の前記接触部に、前記ウィック部が形成されている請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記ウィック部が、前記接触部から前記コンテナの内面まで連続して形成されている請求項4に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記ウィック部が、金属焼結体、金属メッシュ、金属編組体及びエッジング部からなる群から選択された少なくとも1種である請求項4に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記凝縮管の径方向の形状が、扁平形状である請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記コンテナ内部に、複数の前記凝縮管が配置されている請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記コンテナ内面表面積増大部の先端と接触している前記凝縮管と、前記コンテナ内面表面積増大部の先端と接触していない前記凝縮管と、を備える請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記コンテナの外面のうち、液相の前記一次冷媒が存在する部位または液相の前記一次冷媒が存在する部位の近傍に、前記発熱体が熱的に接続される請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記凝縮管の外面に、気相の前記一次冷媒との接触面積を増大させる凝縮管外面表面積増大部が形成されている請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記凝縮管の内面に、前記二次冷媒との接触面積を増大させる凝縮管内面表面積増大部が形成されている請求項1または2に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気・電子部品等を冷却する冷却装置に関し、特に、冷媒の還流特性に優れることで、電気・電子部品等の発熱体の冷却特性に優れた冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の高機能化に伴い、電子機器内部には、電気・電子部品等の発熱体が高密度に搭載され、また、発熱体の発熱量が増大化されている。電気・電子部品等の発熱体の温度が所定の許容温度よりも上昇してしまうと、電気・電子部品等が誤作動等を起こす原因となるので、電気・電子部品等の発熱体の温度を許容温度以下に維持することが重要である。そこで、電気・電子部品等を冷却するための冷却装置が、電子機器内部に搭載されている。
【0003】
一方で、上記の通り、電気・電子部品等の発熱体は高密度に搭載されているので、冷却装置の設置可能空間には制限がある。従って、冷却装置には、大型化を避けつつ冷却特性をさらに向上させることが要求されている。そこで、コンテナ内部に貯留した液相の一次冷媒に電子部品等の発熱体を浸漬させ、発熱体から受熱した液相の一次冷媒が、液相から気相へ相変化してコンテナ内部を上昇し、コンテナ内部の上部に設けられた二次冷媒が流通する凝縮管の熱交換作用によって、凝縮管の外面にて気相の一次冷媒が液相へ相変化し、液相へ相変化した一次冷媒が、凝縮管の外面から発熱体が浸漬している液相の一次冷媒へ滴下、還流することで、発熱体の温度を許容温度以下に維持する冷却装置が提案されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1では、発熱体の熱は、発熱体が浸漬している一次冷媒を介して二次冷媒へ伝達され、二次冷媒が流通する凝縮管を介して外部環境へ放出される。特許文献1では、気相の一次冷媒をコンテナ内部に円滑に拡散させて、一次冷媒から二次冷媒への熱伝達を円滑化するために、発熱体が浸漬している液相の一次冷媒の液面と二次冷媒が流通する凝縮管との間に大きな空間を設けている。
【0005】
特許文献1では、凝縮管の外面にて液相へ相変化した一次冷媒が凝縮管の外面から発熱体が浸漬している液相の一次冷媒へ滴下することで一次冷媒が還流する。従って、特許文献1では、凝縮管の外面にて液相へ相変化した一次冷媒が、発熱体が浸漬している液相の一次冷媒へ滴下するには、凝縮管の外面で液相へ相変化した一次冷媒が一定量まで溜まる必要があった。
【0006】
上記から、特許文献1では、一次冷媒の還流特性が円滑ではなく、その結果、冷却装置の冷却特性が十分ではないという問題があった。
【0007】
また、特許文献1では、コンテナ内部に貯留した液相の一次冷媒に発熱体を浸漬させて発熱体から液相の一次冷媒へ熱伝達しているので、発熱体の性能が液相の一次冷媒の影響を受ける可能性があり、また、発熱体と液相の一次冷媒との間の接触面積が限定されて発熱体から一次冷媒への熱伝達が円滑化できない場合があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0105122号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、コンテナ内部に封入された一次冷媒の還流特性に優れ、発熱体から一次冷媒への熱伝達が円滑化された冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の冷却装置の構成の要旨は、以下の通りである。
[1]少なくとも1つの発熱体が外面に熱的に接続されるコンテナと、
前記コンテナ内部に封入された一次冷媒と、
前記コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管と、
前記コンテナの内面に形成された、液相の前記一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部と、を備え、
前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向上方の先端が、前記凝縮管と接触している接触部を有する冷却装置。
[2]前記コンテナ内面表面積増大部の重力方向下方が、液相の前記一次冷媒中に浸漬されている[1]に記載の冷却装置。
[3]前記コンテナ内面表面積増大部が、板状フィン、ピンフィン及び/または窪みである[1]または[2]に記載の冷却装置。
[4]前記コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部領域に、毛細管力を有するウィック部が形成されている[1]または[2]に記載の冷却装置。
[5]前記コンテナ内面表面積増大部の前記接触部に、前記ウィック部が形成されている[4]に記載の冷却装置。
[6]前記ウィック部が、前記接触部から前記コンテナの内面まで連続して形成されている[4]に記載の冷却装置。
[7]前記ウィック部が、金属焼結体、金属メッシュ、金属編組体及びエッジング部からなる群から選択された少なくとも1種である[4]に記載の冷却装置。
[8]前記凝縮管の径方向の形状が、扁平形状である[1]または[2]に記載の冷却装置。
[9]前記コンテナ内部に、複数の前記凝縮管が配置されている[1]または[2]に記載の冷却装置。
[10]前記コンテナ内面表面積増大部の先端と接触している前記凝縮管と、前記コンテナ内面表面積増大部の先端と接触していない前記凝縮管と、を備える[1]または[2]に記載の冷却装置。
[11]前記コンテナの外面のうち、液相の前記一次冷媒が存在する部位または液相の前記一次冷媒が存在する部位の近傍に、前記発熱体が熱的に接続される[1]または[2]に記載の冷却装置。
[12]前記凝縮管の外面に、気相の前記一次冷媒との接触面積を増大させる凝縮管外面表面積増大部が形成されている[1]または[2]に記載の冷却装置。
[13]前記凝縮管の内面に、前記二次冷媒との接触面積を増大させる凝縮管内面表面積増大部が形成されている[1]または[2]に記載の冷却装置。
【0011】
上記冷却装置の態様では、コンテナ内部に封入された一次冷媒が発熱体からの熱を受けることで、液相から気相へ相変化し、気相へ相変化した一次冷媒は、コンテナ内部の気相部を貫通した、二次冷媒が流通する凝縮管によって、凝縮管の外面にて気相から液相へ相変化する。この相変化の際に、一次冷媒から放出される潜熱が、凝縮管を流通する二次冷媒へ伝達される。一次冷媒から潜熱を受けた二次冷媒は、凝縮管を冷却装置の内部から外部へ流通することで、潜熱が冷却装置の外部へ輸送される。また、凝縮管の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒は、コンテナ内面表面積増大部が凝縮管と接触している部位である接触部を介して、凝縮管の外面からコンテナ内面表面積増大部へ還流する。コンテナ内面表面積増大部は、冷却装置の蒸発部(受熱部)として機能させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の冷却装置の態様では、蒸発部(受熱部)として機能させることができるコンテナ内面表面積増大部の重力方向上方の先端が、凝縮管と接触している接触部を有することにより、凝縮管の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒は、一定量まで溜まらなくても、凝縮管の外面から前記接触部を介してコンテナ内面表面積増大部へ還流する。従って、本発明の冷却装置の態様によれば、コンテナ内部に封入された一次冷媒の還流特性に優れており、結果、熱抵抗が低減されて優れた冷却特性を発揮することができる。
【0013】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、コンテナ内面表面積増大部の先端が凝縮管と接触している接触部を有することにより、発熱体をコンテナに熱的に接続させる際に、コンテナに重力方向上方への荷重がかかっても、コンテナの変形を防止できる。また、本発明の冷却装置の態様によれば、発熱体が熱的に接続されるコンテナの内面に、液相の一次冷媒との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部が形成されていることにより、コンテナを介した発熱体から一次冷媒への熱伝達が円滑化されて、優れた冷却特性を発揮することができる。
【0014】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、コンテナ内面表面積増大部の重力方向下方が液相の一次冷媒中に浸漬されていることにより、凝縮管の外面から接触部を介しての液相の一次冷媒の還流が、より円滑化される。
【0015】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、コンテナ内面表面積増大部の少なくとも一部領域に毛細管力を有するウィック部が形成されていることにより、ウィック部の毛細管力によって、凝縮管の外面からコンテナ内面表面積増大部への液相の一次冷媒の還流が促進されるので、一次冷媒の還流特性がさらに向上する。
【0016】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、コンテナ内面表面積増大部の接触部にウィック部が形成されていることにより、ウィック部の毛細管力によって、凝縮管の外面からコンテナ内面表面積増大部への液相の一次冷媒の還流が確実に促進される。
【0017】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、ウィック部が接触部からコンテナの内面まで連続して形成されていることにより、ウィック部の毛細管力によって、液相の一次冷媒は、凝縮管の外面からコンテナ内面表面積増大部を介してコンテナ内部に貯留されている液相の一次冷媒へ円滑に還流されるので、一次冷媒の還流特性がさらに向上する。
【0018】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、凝縮管の径方向の形状が扁平形状であることにより、コンテナ内部が狭小空間であっても、多くの凝縮管を配置することができるので、冷却装置の冷却特性がさらに向上する。
【0019】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、凝縮管の外面に、気相の一次冷媒との接触面積を増大させる凝縮管外面表面積増大部が形成されていることにより、凝縮管の熱交換作用が向上して一次冷媒の気相から液相への相変化が促進される。従って、一次冷媒から二次冷媒への熱伝達がより促進されて、冷却装置の冷却特性がさらに向上する。
【0020】
また、本発明の冷却装置の態様によれば、凝縮管の内面に、二次冷媒との接触面積を増大させる凝縮管内面表面積増大部が形成されていることにより、凝縮管の熱交換作用が向上するので、一次冷媒から二次冷媒への熱伝達がさらに促進される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
図3】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図4】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の接触部の概要を示す説明図である。
図5】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置に設けられる凝縮管の外面を拡大した説明図である。
図6】本発明の第1実施形態例に係る冷却装置に設けられる凝縮管の内面を拡大した説明図である。
図7】本発明の第2実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
図8】本発明の第3実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
図9】本発明の第4実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
図10】本発明の第5実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
図11】本発明の第6実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
図12】本発明の第7実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、図1は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。図3は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。図4は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置の接触部の概要を示す説明図である。図5は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置に設けられる凝縮管の外面を拡大した説明図である。図6は、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置に設けられる凝縮管の内面を拡大した説明図である。
【0023】
図1~3に示すように、本発明の第1実施形態例に係る冷却装置1は、コンテナ10と、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20と、コンテナ10内部の気相部11を貫通した、二次冷媒30が流通する凝縮管40と、を備えている。コンテナ10の外面12に冷却対象である発熱体100が熱的に接続されることで、発熱体100が冷却される。
【0024】
コンテナ10内部には、中空の空洞部13が形成されている。空洞部13は、外部環境に対して密閉された空間であり、脱気処理により減圧されている。コンテナ10の形状は、特に限定されないが、冷却装置1では、高さの低い直方体となっている。
【0025】
図1~3に示すように、空洞部13には、所定量の液相の一次冷媒20が収納されている。液相の一次冷媒20は、コンテナ10内部に気相部11が形成できる体積量にて収納されている。空洞部13の重力方向下方側に、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20が存在し、空洞部13の重力方向上方側に、液相の一次冷媒20が収納されていない気相部11が形成されている。
【0026】
発熱体100の接続位置は、特に限定されないが、冷却装置1では、コンテナ10の外面12のうち、液相の一次冷媒20が存在する部位または液相の一次冷媒20が存在する部位の近傍に、より具体的には、コンテナ10の底面16に、熱的に接続されている。発熱体100のコンテナ10への接続位置を上記部位とすることで、発熱体100からコンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20への熱伝達が円滑化されて、発熱体100から一次冷媒20への熱抵抗を低減できる。
【0027】
凝縮管40は、管状部材であり、凝縮管40の内部空間を二次冷媒30が流通する。凝縮管40は、コンテナ10内部の気相部11を貫通している部位を有する。凝縮管40の内部空間は、コンテナ10の内部(空洞部13)とは連通していない。すなわち、凝縮管40の内部空間は、気相部11とは連通していない、気相部11から独立した空間となっている。コンテナ10の内部には、複数の凝縮管40、40、40・・・が、所定の間隔にて並列に配置されている。
【0028】
複数の凝縮管40、40、40・・・には、後述する、冷却装置1の蒸発部であるコンテナ内面表面積増大部50と平面視にて重なり合う部位を有する複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・と、コンテナ内面表面積増大部50と平面視にて重なり合わない複数の第2凝縮管40-2、40-2、40-2・・・とが存在する。複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・は、コンテナ10内部において、相互に略同一平面上に並列配置され、複数の第2凝縮管40-2、40-2、40-2・・・は、コンテナ10内部において、相互に略同一平面上に並列配置されている。
【0029】
冷却装置1に冷却対象である発熱体100が熱的に接続されている場合等、冷却装置1が稼動している場合には、複数の凝縮管40、40、40・・・のうち、第1凝縮管40-1は、重力方向下方側に貯留された液相の一次冷媒20(すなわち、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20)とは接触していない。すなわち、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20は、第1凝縮管40-1とは接触していない。一方で、冷却装置1では、複数の凝縮管40、40、40・・・のうち、第2凝縮管40-2は、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20と接触している。冷却装置1では、第2凝縮管40-2の重力方向下方側は、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20と接触し、冷却装置1が稼動している場合には、第2凝縮管40-2の重力方向上方側は、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20とは接触していない。なお、冷却装置1に冷却対象である発熱体100が熱的に接続されていない場合等、冷却装置1が稼動していない場合には、第1凝縮管40-1は、重力方向下方側に貯留された液相の一次冷媒20と接触している場合がある。また、冷却装置1が稼動していない場合には、第2凝縮管40-2の重力方向下方側がコンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20と接触しているだけではなく、第2凝縮管40-2の重力方向上方側もコンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20と接触している場合がある。
【0030】
凝縮管40の幅方向(すなわち、径方向)の断面形状は、特に限定されないが、冷却装置1では、扁平形状となっている。冷却装置1では、第1凝縮管40-1は、扁平部がコンテナ10の高さ方向に延びた縦扁平の状態で配置され、第2凝縮管40-2は、扁平部がコンテナ10の幅方向に伸びた横扁平の状態で配置されている。
【0031】
コンテナ10のうち、凝縮管の設置位置に対応する部位に貫通孔(図示せず)が形成されており、該貫通孔に凝縮管40が嵌挿されることで、空洞部13の密閉状態を維持したまま、凝縮管40がコンテナ10に取り付けられている。
【0032】
冷却装置1では、コンテナ10の内面15に、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部50が形成されている。冷却装置1では、コンテナ10の内面15のうち、発熱体100が熱的に接続される部位に対応する領域に、凸凹等、コンテナ10の内面15の表面積を増大させる部位であるコンテナ内面表面積増大部50が形成されている。上記から、コンテナ内面表面積増大部50は、冷却装置1の蒸発部(受熱部)として機能する。冷却装置1では、コンテナ10の内面15のうち、底面16の中央部に、コンテナ内面表面積増大部50が形成されている。
【0033】
コンテナ内面表面積増大部50が形成されていることにより、コンテナ10の内面15のうち、発熱体100が熱的に接続される部位に対応する領域において、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20とコンテナ10の内面15との接触面積が増大する。従って、コンテナ内面表面積増大部50により、コンテナ10を介した発熱体100から液相の一次冷媒20への熱伝達が円滑化される。結果、一次冷媒20の液相から気相への相変化が促進されて、冷却装置1の冷却特性がより向上する。
【0034】
蒸発部であるコンテナ内面表面積増大部50は、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20中に浸漬されている。従って、コンテナ内面表面積増大部50は、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20と直接接している。冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向下方の領域52が、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20中に浸漬さている。一方で、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の領域51は、冷却装置1が稼動している場合には、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20に浸漬されずに、コンテナ10内部の気相部11に位置している。なお、冷却装置1が稼動していない場合には、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の領域51も、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20に浸漬されており、コンテナ10内部の気相部11に位置していない場合もある。
【0035】
コンテナ内面表面積増大部50は、例えば、型を用いたコンテナ10の成形、コンテナ10とは別部材をコンテナ10の内面15に取り付けることで設けることができる。コンテナ内面表面積増大部50の態様としては、例えば、コンテナ10の内面15に形成された凸凹部を挙げることができ、具体例としては、コンテナ10の底面16に立設された板状フィン、ピンフィン、コンテナ10の底面16に形成された窪み等を挙げることができる。板状フィン、ピンフィンの形成方法としては、例えば、別途作製した板状フィン、ピンフィンをコンテナ10の底面16に、はんだ付け、ろう付け、焼結等にて取り付ける方法、コンテナ10の底面16を切削する方法、押し出す方法、エッチングする方法等が挙げられる。また、窪みの形成方法としては、例えば、コンテナ10の底面16を切削する方法、押し出す方法、エッチングする方法等が挙げられる。
【0036】
冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50として、複数の正方形または長方形の薄板状フィン56、56、56・・・が所定間隔にて並列配置されている。冷却装置1では、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の高さは、いずれも略同じとなっている。上記から、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の領域51における先端53、すなわち、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53は、略同じ高さとなっている。
【0037】
図1~3に示すように、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方に、複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・が配置されている。冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の領域51における先端53は、複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・と対向配置されている。また、コンテナ内面表面積増大部50の先端53が、複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・と接触している接触部55を有している。
【0038】
冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53は、いずれの第1凝縮管40-1とも接触している。一方で、コンテナ内面表面積増大部50は、第2凝縮管40-2とは接触していない。上記から、凝縮管40は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触している凝縮管40(第1凝縮管40-1)と、コンテナ内面表面積増大部50の先端と接触していない凝縮管40(第2凝縮管40-2)と、を備えている。
【0039】
コンテナ内面表面積増大部50の少なくとも一部領域には、毛細管力を有するウィック部57が形成されている。冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の表面の少なくとも一部領域、すなわち、薄板状フィン56の表面の少なくとも一部領域に、ウィック部57が設けられている。具体的には、コンテナ内面表面積増大部50の接触部55、すなわち、コンテナ内面表面積増大部50の先端53に、ウィック部57が形成されている。上記から、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53に、ウィック部57が形成されている。従って、凝縮管40(第1凝縮管40-1)は、接触部55にてウィック部57と接触している。
【0040】
冷却装置1では、ウィック部57は、接触部55からコンテナ10の内面15まで連続して形成されている。上記から、ウィック部57は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53からコンテナ10の底面16まで連続して形成されている。
【0041】
冷却装置1が稼動している場合には、ウィック部57は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53においては、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20とは接触していない。ウィック部57の重力方向下方の領域52が、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20中に浸漬され、ウィック部57の重力方向上方の領域51は、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20に浸漬されずに、コンテナ10内部の気相部11に位置している。なお、冷却装置1が稼動していない場合には、ウィック部57の重力方向上方の領域51も、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20に浸漬されており、コンテナ10内部の気相部11に位置していない場合もある。
【0042】
図4に示すように、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、コンテナ内面表面積増大部50が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している部位である接触部55を介して、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から蒸発部であるコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。このとき、ウィック部57は、毛細管力の作用により、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて液相へ相変化した一次冷媒Lの、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面からコンテナ内面表面積増大部50への還流を促進する。
【0043】
また、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面からコンテナ内面表面積増大部50へ還流した一次冷媒Lは、コンテナ内面表面積増大部50から、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20へ還流する。このとき、ウィック部57は、毛細管力の作用により、液相へ相変化した一次冷媒Lの、コンテナ内面表面積増大部50から、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20への還流を促進する。
【0044】
ウィック部57の構造としては、例えば、金属焼結体、金属メッシュ、金属編組体、エッジング部等が挙げられる。金属焼結体としては、銅粉等の金属粉の焼結体、金属繊維の焼結体、金属メッシュの焼結体、金属編組体の焼結体等が挙げられる。
【0045】
薄板状フィン56の材料は、特に限定されず、例えば、熱伝導性部材を挙げることができる。薄板状フィン56の材料の具体例としては、金属部材(例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等)を挙げることができる。
【0046】
コンテナ10の材料としては、特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン、チタン合金等を挙げることができる。凝縮管40の材料としては、特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス、チタン、チタン合金等を挙げることができる。一次冷媒としては、特に限定されず、例えば、電気絶縁性の冷媒を挙げることができる。具体例としては、例えば、水、フルオロカーボン類、シクロペンタン、エチレングリコール、これらの混合物等を挙げることができる。二次冷媒としては、特に限定されず、例えば、水、不凍液(主成分は、例えば、エチレングリコール)等を挙げることができる。
【0047】
一方で、第2凝縮管40-2の重力方向上方側の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒は、重力の作用によって第2凝縮管40-2の外面に沿って重力方向下方側へ流れ、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20に還流する。
【0048】
なお、冷却装置1では、図5に示すように、凝縮管40の外面41に、凹凸等、凝縮管40の外面41の表面積を増大させることで、気相の一次冷媒との接触面積を増大させる凝縮管外面表面積増大部43が形成されていてもよい。凝縮管40の外面41に、凝縮管外面表面積増大部43が形成されていることにより、凝縮管40の熱交換作用が向上して一次冷媒の気相から液相への相変化が促進される。その結果、一次冷媒20から二次冷媒30への熱伝達がより促進されて、冷却装置1の冷却特性がさらに向上する。凝縮管外面表面積増大部43は、気相の一次冷媒と接触する外面41全体に形成されていてもよく、外面41の一部領域(例えば、コンテナ10に貯留した液相の一次冷媒20に対向する外面41の重力方向下方側)にのみ形成されていてもよい。
【0049】
凝縮管外面表面積増大部43は、例えば、型を用いた凝縮管40の成形、凝縮管40とは別部材を凝縮管40の外面41に取り付けることで設けることができる。凝縮管外面表面積増大部43の態様としては、特に限定されず、凝縮管40の外面41に形成された複数の突起、凝縮管40の外面41に形成された複数の溝、窪み等を挙げることができる。
【0050】
凝縮管外面表面積増大部43を構成する突起の形成方法としては、特に限定されず、例えば、別途作製した突起を凝縮管40の外面41に、はんだ付け、ろう付け、焼結等にて取り付ける方法等が挙げられる。また、凝縮管外面表面積増大部43を構成する窪み部、溝の形成方法としては、特に限定されず、例えば、凝縮管40の外面41を切削する方法、エッチングする方法等が挙げられる。
【0051】
図5の凝縮管外面表面積増大部43では、外面41上に錐体状の突起47が千鳥状に配置されている。より具体的には、図5の凝縮管外面表面積増大部43では、突起47の形状は四角錐である。凝縮管外面表面積増大部43では、複数の突起47が凝縮管40の長手方向に直線状に並列配置されることで突起列48が形成され、また、凝縮管40の周方向に沿って複数の突起列48が並列配置されている。また、隣接する突起列48は、相互に、突起47の位置が所定量ずれていることで、突起47が千鳥状に配置されている。上記の凝縮管外面表面積増大部43とすることで、凝縮管40の外面41の表面張力が低下して、一次冷媒の気相から液相への相変化が、より促進される。
【0052】
凝縮管外面表面積増大部43では、外面41を転造加工、鍛造加工、切削またはエッチングで突起47が形成されてもよい。上記方法の場合、凝縮管外面表面積増大部43は凝縮管40と一体となっている。凝縮管40の外面41が、転造加工、鍛造加工、切削、エッチングされて 凝縮管外面表面積増大部43が形成されていることにより、別途作製した突起を凝縮管40の外面41に取り付ける態様と比較して、凝縮管40を省スペース化、小型化することができ、ひいては、冷却装置1を省スペース化、小型化することができる。また、凝縮管40を省スペース化、小型化できることで、凝縮管40の外面41の単位面積あたり、より多くの突起47を設けることができ、結果、一次冷媒の気相から液相への相変化がさらに促進される。
【0053】
なお、冷却装置1では、図6に示すように、凝縮管40の内面42に、凹凸等、凝縮管40の内面42の表面積を増大させることで、凝縮管40の内面42と二次冷媒30との接触面積を増大させる凝縮管内面表面積増大部44が形成されていてもよい。凝縮管内面表面積増大部44が形成されていることにより、凝縮管40の熱交換作用が向上するので、一次冷媒20から二次冷媒30への熱伝達がさらに促進される。
【0054】
凝縮管内面表面積増大部44は、例えば、型を用いた凝縮管40の成形、凝縮管40とは別部材を凝縮管40の内面42に取り付けることで設けることができる。凝縮管内面表面積増大部44の態様としては、特に限定されず、凝縮管40の内面42に形成された複数の突起、凝縮管40の内面42に形成された複数の溝、窪み等を挙げることができる。
【0055】
凝縮管内面表面積増大部44を構成する突起の形成方法としては、例えば、別途作製した突起を凝縮管40の内面42に、はんだ付け、ろう付け、焼結等にて取り付ける方法、凝縮管40の内面42を切削する方法、エッチングする方法等が挙げられる。また、窪み部、溝の形成方法としては、例えば、凝縮管40の内面42を切削する方法、エッチングする方法等が挙げられる。図6の凝縮管内面表面積増大部44では、内面42に複数の溝が螺旋状に形成されている。
【0056】
次に、第1実施形態例に係る冷却装置1の動作について説明する。
【0057】
コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20が発熱体100からの熱を受けることで、液相の一次冷媒20が液相から気相へ相変化し、発熱体100からの熱を潜熱として吸収する。気相へ相変化した一次冷媒は、コンテナ10の内部空間を重力方向上方へ移動し、コンテナ10の気相部11へ流入する。一方で、気相部11を貫通した凝縮管40(第1凝縮管40-1と第2凝縮管40-2)には、低温の二次冷媒30が流通している。凝縮管40に低温の二次冷媒30が流通していることで、気相部11に配置された凝縮管40は、熱交換作用を発揮する。気相に相変化した一次冷媒は、凝縮管40の外面41に接触または接近することで、凝縮管40の熱交換作用により、潜熱を放出し、凝縮管40の外面にて気相から液相へ相変化する。一次冷媒が気相から液相へ相変化する際に放出された潜熱は、凝縮管40を流通する二次冷媒30へ伝達される。
【0058】
複数の凝縮管40、40、40・・・のうち、第1凝縮管40-1の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、上記の通り、コンテナ内面表面積増大部50の接触部55を介して、第1凝縮管40-1の外面から蒸発部であるコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。第1凝縮管40-1の外面からコンテナ内面表面積増大部50へ還流した一次冷媒Lは、さらに、コンテナ内面表面積増大部50から、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20へ還流する。また、複数の凝縮管40、40、40・・・のうち、第2凝縮管40-2の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒は、第2凝縮管40-2の重力方向下方側はコンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20と接触していることから、上記の通り、重力の作用によって第2凝縮管40-2の外面に沿って重力方向下方側へ流れることで、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20に還流する。上記から、一次冷媒20は、コンテナ10の内部空間にて、液相から気相への相変化及び気相から液相への相変化を繰り返す。
【0059】
一次冷媒20から熱を受けた二次冷媒30は、凝縮管40の延在方向に沿って冷却装置1の内部から外部へ流通することで、発熱体100の熱が冷却装置1の外部へ輸送される。
【0060】
冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の先端53が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している接触部55を有するので、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、一定量まで溜まらなくても、重力の作用とあいまって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から接触部55を介して蒸発部であるコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。従って、冷却装置1では、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20の還流特性に優れており、結果、熱抵抗が低減されて優れた冷却特性を発揮することができる。
【0061】
また、冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している接触部55を有するので、発熱体100をコンテナ10に熱的に接続させる際に、コンテナ10に重力方向上方への荷重がかかっても、コンテナ10の変形を防止できる。また、冷却装置1では、発熱体100が熱的に接続されるコンテナ10の内面15に、コンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20との接触面積を増大させるコンテナ内面表面積増大部50が形成されているので、コンテナ10を介した発熱体100から一次冷媒20への熱伝達が円滑化されて、優れた冷却特性を発揮することができる。
【0062】
また、冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向下方がコンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20中に浸漬され、少なくとも冷却装置1の稼働時には、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方がコンテナ10内部の気相部11に位置するので、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から接触部55を介しての液相の一次冷媒Lの還流が、より円滑化される。
【0063】
また、冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の少なくとも一部領域に毛細管力を有するウィック部57が形成されているので、重力の作用とあいまって、ウィック部57の毛細管力によって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面からコンテナ内面表面積増大部50への液相の一次冷媒Lの還流が促進されるので、一次冷媒の還流特性がさらに向上する。
【0064】
特に、冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の接触部55にウィック部57が形成されているので、重力の作用とあいまって、ウィック部57の毛細管力によって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面からコンテナ内面表面積増大部50への液相の一次冷媒Lの還流が確実に促進される。
【0065】
また、特に、冷却装置1では、ウィック部57が接触部55からコンテナ10の底面16まで連続して形成されているので、重力の作用とあいまって、ウィック部57の毛細管力によって、液相の一次冷媒Lが、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面からコンテナ内面表面積増大部50を介してコンテナ10の空洞部13に貯留された液相の一次冷媒20へ円滑に還流されて、一次冷媒の還流特性がさらに向上する。
【0066】
また、冷却装置1では、凝縮管40の径方向の形状が扁平形状であることにより、コンテナ10内部が狭小空間であっても、多くの凝縮管40を配置することができるので、冷却装置1の冷却特性がさらに向上する。
【0067】
次に、本発明の第2実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第2実施形態例に係る冷却装置は、第1実施形態例に係る冷却装置と主要部が同じ構成なので、第1実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図7は、本発明の第2実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
【0068】
第1実施形態例に係る冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53、すなわち、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53は、略同じ高さとなっていたが、図7に示すように、第2実施形態例に係る冷却装置2では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53から重力方向上方へ突出した突出部60を有している。すなわち、冷却装置2では、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53は、重力方向上方へ突出した突出部60を有している。また、突出部60の高さは略同じとなっている。
【0069】
冷却装置2では、薄板状フィン56の先端53のうち、薄板状フィン56の幅方向の中央部に突出部60が形成されている。また、冷却装置2では、突出部60が、第1凝縮管40-1と接触している接触部55を有している。一方で、薄板状フィン56の先端53のうち、突出部60が形成されていない幅方向の両端部は、接触部55を有していない。
【0070】
上記から、冷却装置2では、複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・のうち、中央部に配置されている第1凝縮管40-1は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触し、両端部に配置されている第1凝縮管40-1は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触していない。
【0071】
冷却装置2でも、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の先端53が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している接触部55を有するので、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、一定量まで溜まらなくても、重力の作用とあいまって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から接触部55を介してコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。従って、冷却装置2でも、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20の還流特性に優れており、結果、熱抵抗が低減されて優れた冷却特性を発揮することができる。
【0072】
次に、本発明の第3実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第3実施形態例に係る冷却装置は、第1、2実施形態例に係る冷却装置と主要部が同じ構成なので、第1、第2実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図8は、本発明の第3実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
【0073】
第1実施形態例に係る冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53、すなわち、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53は、略同じ高さとなっていたが、図8に示すように、第3実施形態例に係る冷却装置3では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53から重力方向上方へ突出した突出部60を有している。すなわち、冷却装置3では、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53は、重力方向上方へ突出した突出部60を有している。また、突出部60の高さは略同じとなっている。
【0074】
冷却装置3では、薄板状フィン56の先端53のうち、薄板状フィン56の幅方向の一端部に突出部60が形成されている。また、冷却装置3では、突出部60が、第1凝縮管40-1と接触している接触部55を有している。一方で、薄板状フィン56の先端53のうち、突出部60が形成されていない幅方向の中央部と他端部は、接触部55を有していない。
【0075】
上記から、冷却装置3では、複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・のうち、一端部に配置されている第1凝縮管40-1は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触し、中央部と他端部に配置されている第1凝縮管40-1は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触していない。
【0076】
冷却装置3でも、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の先端53が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している接触部55を有するので、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、一定量まで溜まらなくても、重力の作用とあいまって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から接触部55を介してコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。従って、冷却装置3でも、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20の還流特性に優れており、結果、熱抵抗が低減されて優れた冷却特性を発揮することができる。
【0077】
次に、本発明の第4実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第4実施形態例に係る冷却装置は、第1~第3実施形態例に係る冷却装置と主要部が同じ構成なので、第1~第3実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図9は、本発明の第4実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
【0078】
第1実施形態例に係る冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53、すなわち、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53は、略同じ高さとなっていたが、図9に示すように、第4実施形態例に係る冷却装置4では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53から重力方向上方へ突出した突出部60を有している。すなわち、冷却装置4では、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53は、重力方向上方へ突出した突出部60を有している。また、突出部60の高さは略同じとなっている。
【0079】
冷却装置4では、薄板状フィン56の先端53のうち、薄板状フィン56の幅方向の両端部に突出部60が形成されている。また、冷却装置4では、突出部60が、第1凝縮管40-1と接触している接触部55を有している。一方で、薄板状フィン56の先端53のうち、突出部60が形成されていない幅方向の中央部は、接触部55を有していない。
【0080】
上記から、冷却装置4では、複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・のうち、両端部に配置されている第1凝縮管40-1は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触し、中央部に配置されている第1凝縮管40-1は、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触していない。
【0081】
冷却装置4でも、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の先端53が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している接触部55を有するので、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、一定量まで溜まらなくても、重力の作用とあいまって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から接触部55を介してコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。従って、冷却装置4でも、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20の還流特性に優れており、結果、熱抵抗が低減されて優れた冷却特性を発揮することができる。
【0082】
次に、本発明の第5実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第5実施形態例に係る冷却装置は、第1~第4実施形態例に係る冷却装置と主要部が同じ構成なので、第1~第4実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図10は、本発明の第5実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する正面断面図である。
【0083】
第1実施形態例に係る冷却装置1では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53、すなわち、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の先端53は、略同じ高さとなっていたが、図10に示すように、第5実施形態例に係る冷却装置5では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53から重力方向上方へ突出した複数の突出片61、61、61・・・を有している。すなわち、冷却装置4では、薄板状フィン56の先端53は、重力方向上方へ突出した複数の突出片61、61、61・・・を有している。複数の突出片61、61、61・・・は、いずれも先細り形状となっている。
【0084】
冷却装置5では、薄板状フィン56の先端53の幅方向の一端から他端にわたって、複数の突出片61、61、61・・・が所定間隔にて配置されている。また、冷却装置5では、突出片61が、第1凝縮管40-1と接触している接触部55を有している。冷却装置5では、突出片61が、隣接する第1凝縮管40-1と第1凝縮管40-1との間に第1凝縮管40-1の外周面に沿うように延在する態様にて、第1凝縮管40-1と接触している。上記から、冷却装置5では、コンテナ内面表面積増大部50の接触部55の面積が増大している。一方で、薄板状フィン56の先端53のうち、突出片61が形成されていない部位は、接触部55を有していない。
【0085】
上記から、冷却装置5では、コンテナ内面表面積増大部50の先端53は、いずれの第1凝縮管40-1とも接触している。
【0086】
冷却装置5でも、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の先端53が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している接触部55を有するので、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、一定量まで溜まらなくても、重力の作用とあいまって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から接触部55を介してコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。従って、冷却装置5でも、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20の還流特性に優れており、結果、熱抵抗が低減されて優れた冷却特性を発揮することができる。
【0087】
次に、本発明の第6実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第6実施形態例に係る冷却装置は、第1~第5実施形態例に係る冷却装置と主要部が同じ構成なので、第1~第5実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図11は、本発明の第6実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0088】
第1実施形態例に係る冷却装置1では、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の高さは、いずれも略同じとなっていたが、図11に示すように、第6実施形態例に係る冷却装置6では、薄板状フィン56の高さが異なっており、複数の薄板状フィン56、56、56・・・には、相対的に高い寸法を有する第1薄板状フィン56-1と相対的に低い寸法を有する第2薄板状フィン56-2とが存在する。
【0089】
冷却装置6では、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の配列方向Dの中央部に、第1薄板状フィン56-1が配置され、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の配列方向Dの両端部に、第2薄板状フィン56-2が配置されている。また、冷却装置6では、第1薄板状フィン56-1の先端53が、第1凝縮管40-1と接触している接触部55を有している。一方で、第2薄板状フィン56-2の先端53は、第1凝縮管40-1と接触している接触部55を有していない。
【0090】
上記から、冷却装置6では、複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・のいずれも、コンテナ内面表面積増大部50の配列方向Dの中央部にて、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触し、コンテナ内面表面積増大部50の配列方向Dの両端部にては、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触していない。
【0091】
冷却装置6でも、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の先端53が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している接触部55を有するので、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、一定量まで溜まらなくても、重力の作用とあいまって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から接触部55を介してコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。従って、冷却装置6でも、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20の還流特性に優れており、結果、熱抵抗が低減されて優れた冷却特性を発揮することができる。
【0092】
次に、本発明の第7実施形態例に係る冷却装置について説明する。なお、第7実施形態例に係る冷却装置は、第1~第6実施形態例に係る冷却装置と主要部が同じ構成なので、第1~第6実施形態例に係る冷却装置と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。なお、図12は、本発明の第7実施形態例に係る冷却装置の概要を説明する側面断面図である。
【0093】
第1実施形態例に係る冷却装置1では、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の高さは、いずれも略同じとなっていたが、図12に示すように、第7実施形態例に係る冷却装置7では、薄板状フィン56の高さが異なっており、複数の薄板状フィン56、56、56・・・には、相対的に高い寸法を有する第1薄板状フィン56-1と相対的に低い寸法を有する第2薄板状フィン56-2とが存在する。
【0094】
冷却装置7では、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の配列方向Dの両端部に、第1薄板状フィン56-1が配置され、複数の薄板状フィン56、56、56・・・の配列方向Dの中央部に、第2薄板状フィン56-2が配置されている。また、冷却装置7では、第1薄板状フィン56-1の先端53が、第1凝縮管40-1と接触している接触部55を有している。一方で、第2薄板状フィン56-2の先端53は、第1凝縮管40-1と接触している接触部55を有していない。
【0095】
上記から、冷却装置7では、複数の第1凝縮管40-1、40-1、40-1・・・のいずれも、コンテナ内面表面積増大部50の配列方向Dの両端部にて、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触し、コンテナ内面表面積増大部50の配列方向Dの中央部にては、コンテナ内面表面積増大部50の先端53と接触していない。
【0096】
冷却装置7でも、コンテナ内面表面積増大部50の重力方向上方の先端53が凝縮管40(第1凝縮管40-1)と接触している接触部55を有するので、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面にて気相から液相へ相変化した一次冷媒Lは、一定量まで溜まらなくても、重力の作用とあいまって、凝縮管40(第1凝縮管40-1)の外面から接触部55を介してコンテナ内面表面積増大部50へ還流する。従って、冷却装置7でも、コンテナ10内部に封入された一次冷媒20の還流特性に優れており、結果、熱抵抗が低減されて優れた冷却特性を発揮することができる。
【0097】
次に、本発明の他の実施形態例に係る冷却装置について説明する。上記各実施形態例に係る冷却装置では、凝縮管の幅方向(すなわち、径方向)の断面形状は扁平形状となっていたが、上記断面形状は、特に限定されず、例えば、円形状等でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の冷却装置は、一次冷媒の還流特性を向上させることで熱抵抗が低減できるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、中央演算処理装置(CPU)等、回路基板に搭載された発熱量の大きい電子部品を冷却する分野で利用価値が高い。
【符号の説明】
【0099】
1、2、3、4、5、6、7 冷却装置
10 コンテナ
11 気相部
20 一次冷媒
30 二次冷媒
40 凝縮管
50 コンテナ内面表面積増大部
53 先端
55 接触部
57 ウィック部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図12