(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144314
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20241003BHJP
A61F 13/42 20060101ALI20241003BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241003BHJP
A61B 5/107 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
G16H50/30
A61F13/42 Z
H04M11/00 301
A61B5/107 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024049941
(22)【出願日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】202310311664.9
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 祐介
【テーマコード(参考)】
3B200
4C038
5K201
5L099
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200DF01
3B200DF02
3B200DF04
4C038VA03
4C038VB24
4C038VB35
4C038VB36
4C038VC05
5K201BA02
5K201BA19
5K201CC03
5K201CC10
5K201DC04
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED09
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】失禁をした利用者自身に失禁に関する情報を提供する。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、利用者(例えば、産後の女性)の失禁に関する失禁情報(例えば、利用者の失禁の回数や、利用者の失禁により排出された尿量などを示す情報)を取得する取得部と、取得部により取得された失禁情報に基づいて、利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する生成部と、生成部により生成された傾向情報を利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の失禁に関する失禁情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された失禁情報に基づいて、前記利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された傾向情報を前記利用者に提供する提供部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記利用者が着用する物品に取り付けられた検出装置が検出した前記失禁情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記利用者が着用するショーツに取り付けられた検出装置が検出した前記失禁情報を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記利用者の失禁の回数を示す前記失禁情報を取得し、
前記生成部は、
前記利用者の失禁の回数の推移を示す前記傾向情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記利用者の失禁により排出された尿量を示す前記失禁情報を取得し、
前記生成部は、
前記利用者の失禁により排出された尿量の推移を示す前記傾向情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、
さらに、前記利用者の動作に関する動作情報を取得し、
前記生成部は、
前記失禁情報及び前記動作情報に基づいて、失禁した際の前記利用者の動作を示す前記傾向情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
さらに、前記利用者の失禁を抑制するための行動に関するコンテンツを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記利用者の失禁の程度に応じた前記コンテンツを提供する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、
さらに、失禁を抑制するために前記利用者が行った行動に関する行動情報を取得し、
前記生成部は、
前記失禁情報及び前記行動情報に基づいて、前記行動の効果を示す前記傾向情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、
失禁を抑制するために前記利用者が行ったトレーニングに関する前記行動情報を取得し、
前記生成部は、
前記トレーニングの効果を示す前記傾向情報を生成する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記取得部は、
さらに、前記利用者の体型を示す体型情報を取得し、
前記体型情報の履歴に基づいて、前記利用者の体型の変化を推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記利用者の体型の変化と、前記行動情報とに基づいて、前記行動による前記利用者の体型の変化に対する効果を示す情報を提示する提示部と
をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記取得部は、
さらに、前記利用者の生理に関する生理情報を取得し、
前記生成部は、
前記失禁情報及び前記生理情報に基づいて、失禁した際の前記利用者の生理の状況を示す前記傾向情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記提供部は、
さらに、前記利用者の失禁に関連する情報を他の利用者の失禁に関連する情報と比較した結果を示す比較情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記取得部は、
さらに、前記傾向情報の提供を行うサービスに対する前記利用者の支払状況を取得し、
前記支払状況が所定の条件を満たす場合は、前記サービスへの支払に関する所定の通知を行う通知部
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
利用者の失禁に関する失禁情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された失禁情報に基づいて、前記利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する生成工程と、
前記生成工程により生成された傾向情報を前記利用者に提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
利用者の失禁に関する失禁情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された失禁情報に基づいて、前記利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する生成手順と、
前記生成手順により生成された傾向情報を前記利用者に提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の失禁を検出して通知を行うための技術が知られている。このような技術の一例として、患者のおむつにセンサを設けて、センサからの信号により失禁の確認を行い、失禁確認が行われると、看護者に通知し、おむつ交換を促す技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、失禁をした利用者自身に失禁に関する情報を提供できるとは言えない。
【0005】
例えば、上述した従来技術では、患者の失禁を検出して看護者に通知しているに過ぎず、失禁をした利用者自身に失禁に関する情報を提供できるとは言えない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、失禁をした利用者自身に失禁に関する情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、利用者の失禁に関する失禁情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された失禁情報に基づいて、前記利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する生成部と、前記生成部により生成された傾向情報を前記利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、失禁をした利用者自身に失禁に関する情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るコンテンツ情報データベース31の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る利用者情報データベース32の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置10が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0011】
態様1は、利用者の失禁に関する失禁情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された失禁情報に基づいて、前記利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する生成部と、前記生成部により生成された傾向情報を前記利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする。
【0012】
ここで、産後の女性(利用者)は、骨盤底筋が緩み、失禁(尿漏れ)を引き起こす場合がある。一般的に骨盤底筋のゆるみは生活や運動等を通して徐々に回復し、それに伴い失禁も治まっていくが、利用者が自身の失禁に関する状態が改善されているか否かを把握したいといった要望がある。
【0013】
なお、従来、利用者の失禁を検出して通知を行うための技術の一例として、患者のおむつにセンサを設けて、センサからの信号により失禁の確認を行い、失禁確認が行われると、看護者に通知し、おむつ交換を促す技術が知られている。しかしながら、このような技術では、患者の失禁を検出して看護者に通知しているに過ぎず、失禁をした利用者自身に失禁に関する情報を提供し、利用者が自身の失禁に関する状態が改善されているか否かを把握できるとは言えない。
【0014】
そこで、このような態様1によれば、例えば、利用者の失禁に関する失禁情報に基づいて、利用者の失禁の傾向(例えば、失禁の状態が改善されているか否か)に関する傾向情報を生成し、傾向情報を利用者に提供することができるため、利用者が自身の失禁に関する状態が改善されているか否かを把握することができる。
【0015】
また、態様2は、態様1において、前記利用者が着用する物品に取り付けられた検出装置が検出した前記失禁情報を取得する。
【0016】
このような態様2によれば、例えば、利用者が着用する物品に取り付けられた検出装置が検出した情報を取得するため、利用者に提供する情報の精度を高めることができる。
【0017】
また、態様3は、態様2において、前記利用者が着用するショーツに取り付けられた検出装置が検出した前記失禁情報を取得する。
【0018】
このような態様3によれば、例えば、利用者が着用するショーツに取り付けられた検出装置が検出した情報を取得するため、利用者に提供する情報の精度を高めることができる。
【0019】
また、態様4は、態様1から3において、前記利用者の失禁の回数を示す前記失禁情報を取得し、前記利用者の失禁の回数の推移を示す前記傾向情報を生成する。
【0020】
このような態様4によれば、例えば、失禁の頻度が少なくなっているか否かを示す情報を利用者に提供することができるため、利用者が自身の失禁に関する状態が改善されているか否かを把握することができる。
【0021】
また、態様5は、態様1から4において、前記利用者の失禁により排出された尿量を示す前記失禁情報を取得し、前記利用者の失禁により排出された尿量の推移を示す前記傾向情報を生成する。
【0022】
このような態様5によれば、例えば、失禁により排出された尿量が少なくなっているか否かを示す情報を利用者に提供することができるため、利用者が自身の失禁に関する状態が改善されているか否かを把握することができる。
【0023】
また、態様6は、態様1から5において、さらに、前記利用者の動作に関する動作情報を取得し、前記失禁情報及び前記動作情報に基づいて、失禁した際の前記利用者の動作を示す前記傾向情報を生成する。
【0024】
このような態様6によれば、例えば、利用者がどのような動作を行った際に失禁したかを示す情報を提供することができるため、利用者が自身の失禁に関する状態を把握することができる。
【0025】
また、態様7は、態様1から6において、さらに、前記利用者の失禁を抑制するための行動に関するコンテンツを提供する。
【0026】
このような態様7によれば、例えば、骨盤底筋のトレーニングに関するコンテンツや、骨盤底筋のサポートを行うショーツ(例えば、骨盤を締め、矯正するショーツ)の購入を提案するコンテンツなどを提供することができるため、利用者の失禁の抑制をサポートすることができる。また、骨盤底筋のトレーニングや、骨盤底筋のサポートを行うショーツの着用などによる、体型の改善に関する効果を示すコンテンツを提供することにより、失禁の抑制するための行動を促進することができる。
【0027】
また、態様8は、態様7において、前記利用者の失禁の程度に応じた前記コンテンツを提供する。
【0028】
このような態様8によれば、例えば、利用者の失禁の頻度が高い場合や、失禁により排出される尿量が多い場合には、失禁を引き起こさないように、強度の低い骨盤底筋のトレーニングに関するコンテンツを提供することができるため、利用者の状態に適したコンテンツを提供することができる。
【0029】
また、態様9は、態様1から8において、さらに、失禁を抑制するために前記利用者が行った行動に関する行動情報を取得し、前記失禁情報及び前記行動情報に基づいて、前記行動の効果を示す前記傾向情報を生成する。
【0030】
このような態様9によれば、例えば、失禁を抑制するために利用者が行った各種の行動(例えば、骨盤底筋のサポートを行うショーツの着用)と、失禁との関係性を示す情報を提供し、これらの行動による失禁の抑制の効果を可視化することができるため、失禁を抑制するための行動を促進することができる。
【0031】
また、態様10は、態様9において、失禁を抑制するために前記利用者が行ったトレーニングに関する前記行動情報を取得し、前記トレーニングの効果を示す前記傾向情報を生成する。
【0032】
このような態様10によれば、例えば、失禁を抑制するために利用者が行った骨盤底筋のトレーニングと、失禁との関係性を示す情報を提供し、トレーニングによる失禁の抑制の効果を可視化することができるため、失禁を抑制するための行動を促進することができる。
【0033】
また、態様11は、態様9または10において、さらに、前記利用者の体型を示す体型情報を取得し、前記体型情報の履歴に基づいて、前記利用者の体型の変化を推定し、推定された前記利用者の体型の変化と、前記行動情報とに基づいて、前記行動による前記利用者の体型の変化に対する効果を示す情報を提示する。
【0034】
このような態様11によれば、例えば、産後の骨盤底筋が緩みや、骨盤のゆがみにより、利用者の体型が崩れてしまっている場合、骨盤底筋のトレーニングや、骨盤底筋のサポート(骨盤の矯正等)を行うショーツの着用などにより体型が改善されていることを可視化することができるため、失禁を抑制するための行動を促進することができる。
【0035】
また、態様12は、態様1から11において、さらに、前記利用者の生理に関する生理情報を取得し、前記失禁情報及び前記生理情報に基づいて、失禁した際の前記利用者の生理の状況を示す前記傾向情報を生成する。
【0036】
このような態様12によれば、例えば、利用者がどのような生理の状態であるときに失禁したかを示す情報を提供することができるため、利用者が自身の失禁に関する状態を把握することができる。
【0037】
また、態様13は、態様1から12において、さらに、前記利用者の失禁に関連する情報を他の利用者の失禁に関連する情報と比較した結果を示す比較情報を提供する。
【0038】
このような態様13によれば、例えば、他の利用者と比較し、利用者がどの程度失禁を抑制できているかや、利用者がどの程度失禁を抑制するための行動を行っているかなどを示すランキング等を提供して利用者を煽ることができるため、失禁を抑制するための行動を促進することができる。
【0039】
また、態様14は、態様1から13において、さらに、前記傾向情報の提供を行うサービスに対する前記利用者の支払状況を取得し、前記支払状況が所定の条件を満たす場合は、前記サービスへの支払に関する所定の通知を行う。
【0040】
このような態様14によれば、例えば、傾向情報の提供に関するサービスに対し、利用者が利用料の支払いを行っていない場合にはその旨を通知することができるため、利用者にサービスの利用料の支払いを促すことができる。
【0041】
以下に、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0042】
[実施形態]
〔1.情報処理の一例について〕
図1を用いて、本実施形態の情報処理装置等により実現される情報処理を説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図1に示す情報処理システム1は、本願に係る情報処理装置の一例である情報処理装置10と、利用者端末100とを含む。情報処理装置10及び利用者端末100は、ネットワークN(例えば、
図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ここで、ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した情報処理システム1には、複数台の情報処理装置10及び複数台の利用者端末100が含まれていてもよい。
【0043】
情報処理装置10は、後述する情報処理を制御する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
図1の例において、情報処理装置10は、利用者に対して産後の失禁に関する情報を配信する配信サービスを提供する。
【0044】
なお、情報処理装置10は、配信サービスに係るウェブサイトを提供するウェブサーバとしての機能を有していてもよい。また、情報処理装置10は、利用者端末100にインストールされた配信サービスに関するアプリケーションに表示する情報を、利用者端末100に配信する装置であってもよい。また、情報処理装置10は、アプリケーションのデータそのものを配信するサーバであってもよい。
【0045】
利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。利用者端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、情報処理装置10等によって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、
図1に示す例において、利用者端末100は、利用者によって利用されるスマートフォンである場合を示す。
【0046】
以下、
図1を用いて、情報処理装置10により実現される情報処理について説明する。なお、以下の説明において、利用者端末100は、利用者U1により利用されるスマートフォンであるものとする。また、以下の説明では、利用者端末100を利用者U1と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を利用者端末100と読み替えることもできる。
【0047】
また、以下の説明において、利用者U1が着用するショーツに対し、利用者U1の失禁及び尿量を検出可能な検出装置SN1が予め取り付けられているものとする。例えば、検出装置SN1は、ショーツにおけるインピーダンスに基づいて、利用者U1の失禁及び尿量を検出する。具体的な例を挙げると、検出装置SN1は、インピーダンス情報に基づいて、失禁の有無を推定するとともに、失禁したと推定した場合には、このときの尿量を推定するという推定処理を行うことにより、利用者U1の失禁及び尿量を検出する。
【0048】
なお、検出装置SN1は、インピーダンス情報に基づき失禁及び尿量を検出する以外にも、例えば、ショーツにおける電気抵抗あるいは臭気に基づいて、失禁及び尿量を検出してもよい。また、排泄物に反応して変色するインジケータがショーツに設けられている場合、検出装置SN1は、インジケータによる色の変化により失禁及び尿量を検出してもよい。すなわち、検出装置SN1は、如何なる情報に基づき失禁及び尿量を検出してもよい。
【0049】
また、以下の説明において、検出装置SN1は、GPS(Global Positioning Satellite)や、加速度センサ、ジャイロセンサなどいった各種のセンサを具備しているものとする。
【0050】
まず、利用者端末100は、検出装置SN1が検出した情報を受け付ける(ステップS1)。例えば、検出装置SN1が利用者U1の失禁を検知した場合、利用者端末100は、利用者U1の失禁が有ったことを示す情報や、尿量、失禁が有った日時などを示す情報を検出装置SN1から受け付ける。また、利用者端末100は、利用者U1の失禁が有った日時において検出装置SN1が検出した位置情報や、利用者U1の失禁が有った日時における利用者U1の動作に関する動作情報(例えば、加速度センサや、ジャイロセンサなどにより検出した情報)などを受け付ける
【0051】
続いて、情報処理装置10は、利用者U1の失禁に関する失禁情報を利用者端末100から取得する(ステップS2)。例えば、情報処理装置10は、利用者U1の失禁が有ったことを示す情報や、尿量、失禁が有った日時、失禁の回数などを、失禁情報として取得する。また、情報処理装置10は、失禁が有った日時における利用者U1の位置情報や、当該日時における利用者U1の動作情報などを取得する。
【0052】
また、利用者端末100は、GPSや、加速度センサ、ジャイロセンサなどいった各種のセンサを具備していてもよい。そして、情報処理装置10は、利用者U1の失禁が有った日時において、利用者端末100が検出した利用者U1の位置情報や、動作情報などを取得してもよい。
【0053】
続いて、情報処理装置10は、上記の手法により失禁情報、位置情報及び動作情報を取得して蓄積し、蓄積したこれらの情報に基づいて、利用者U1の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する(ステップS3)。続いて、情報処理装置10は、傾向情報を利用者端末100に提供する(ステップS4)。例えば、情報処理装置10は、1日の間に蓄積された失禁情報、位置情報及び動作情報に基づいて、傾向情報D1を生成し、当日の夜の時間帯(例えば、20時~23時)に提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、各時間帯における失禁の尿量(cc)を示すグラフや、失禁が有ったタイミングで利用者U1が行っていた動作(例えば、位置情報や動作情報などに基づいて推定される動作)などを示す傾向情報D1を生成する。一例を挙げると、情報処理装置10は、8時台(8時~8時59分)において、20ccの尿量の失禁が有り、失禁が有ったタイミングで利用者U1が「坂道を上る」動作を行っていたことを示す傾向情報D1を生成する。
【0054】
また、例えば、情報処理装置10は、1か月の間に蓄積された失禁情報、位置情報及び動作情報に基づいて、傾向情報D2を生成し、月末に提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、1日ごとの失禁の回数の推移を示すグラフを示す傾向情報D2を生成する。一例を挙げると、情報処理装置10は、4月1日において、利用者U1が4回失禁したことを示す傾向情報D2を生成する。
【0055】
また、例えば、情報処理装置10は、所定の期間(例えば、半年間、1年間)に蓄積された失禁情報、位置情報及び動作情報に基づいて、傾向情報D3を生成し、所定の期間ごとに提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、1か月ごとの失禁の回数の推移を示すグラフを示す傾向情報D3を生成する。一例を挙げると、情報処理装置10は、2022年の1月において、利用者U1が20回失禁したことを示す傾向情報D3を生成する。
【0056】
なお、情報処理装置10は、1日ごとの失禁の尿量の推移を示すグラフを示す傾向情報や、1か月ごとの失禁の尿量の推移を示すグラフを示す傾向情報を生成してもよい。
【0057】
以上のように、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者の失禁に関する失禁情報に基づいて、利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成し、提供する。これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、失禁をした利用者自身に失禁に関する情報を提供することができる。
【0058】
〔2.その他の処理例〕
なお、上述した処理は一例に過ぎず、情報処理装置10は、様々な情報を用いて様々な処理を行ってもよい。この点について、以下例示を列挙する。
【0059】
〔2-1.コンテンツの提供について〕
図1の例において、情報処理装置10は、利用者U1の失禁を抑制するための行動に関するコンテンツを提供してもよい。例えば、情報処理装置10は、骨盤底筋のトレーニング方法を示すコンテンツや、骨盤底筋のサポートを行うショーツの購入・着用を提案するコンテンツを提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、骨盤底筋のトレーニングや、骨盤底筋のサポートを行うショーツの着用などによる、失禁の抑制の効果や、体型の改善に関する効果を示すコンテンツを提供する。
【0060】
なお、情報処理装置10は、利用者U1の失禁の程度に応じたコンテンツを提供してもよい。例えば、情報処理装置10は、利用者U1の失禁の頻度が高い程強度の低い骨盤底筋のトレーニング方法を示すコンテンツを提供する。また、情報処理装置10は、利用者U1の失禁の尿量が多い程強度の低い骨盤底筋のトレーニング方法を示すコンテンツを提供する。
【0061】
また、情報処理装置10は、失禁を抑制するために利用者U1が行った行動に関する行動情報を取得し、失禁情報及び行動情報に基づいて、当該行動の効果を示す傾向情報を提供してもよい。例えば、情報処理装置10は、失禁を抑制するための行動に関するコンテンツの閲覧履歴や、当該コンテンツが示すトレーニングを行ったか否かを示す情報、当該コンテンツが示す骨盤底筋のサポートを行うショーツを着用したか否かを示す情報などを行動情報として利用者端末100から取得する。そして、情報処理装置10は、コンテンツを閲覧する前の利用者U1の失禁の回数及び尿量と、コンテンツを閲覧した後の利用者U1の失禁の回数及び尿量との比較結果を示す傾向情報を生成し、提供する。また、情報処理装置10は、骨盤底筋のトレーニングを始める前の利用者U1の失禁の回数及び尿量と、骨盤底筋のトレーニングを始めた後の利用者U1の失禁の回数及び尿量との比較結果を示す傾向情報を生成し、提供する。また、情報処理装置10は、骨盤底筋のサポートを行うショーツを着用しない場合の利用者U1の失禁の回数及び尿量と、骨盤底筋のサポートを行うショーツを着用した場合の利用者U1の失禁の回数及び尿量との比較結果を示す傾向情報を生成し、提供する。
【0062】
なお、情報処理装置10は、利用者U1が骨盤底筋のトレーニングを行った累計時間の推移と、利用者U1の失禁の回数及び尿量の推移との関係性を示す傾向情報を生成し、提供してもよい。また、情報処理装置10は、骨盤底筋のサポートを行うショーツを着用した累計時間の推移と、利用者U1の失禁の回数及び尿量の推移との関係性を示す傾向情報を生成し、提供してもよい。
【0063】
また、情報処理装置10は、失禁を抑制するために利用者U1が行った行動による、利用者U1の体型への効果を示す情報を提示してもよい。例えば、情報処理装置10は、利用者U1が利用者端末100を用いて撮影した利用者U1の身体を示す画像を、利用者U1の体型を示す体型情報として取得する。そして、情報処理装置10は、所定の期間ごと(例えば、1週間ごと)に取得した体型情報の履歴に基づき、利用者U1の体型の変化(例えば、ヒップサイズの変化)を推定し、利用者U1の体型の変化と、失禁を抑制するために利用者U1が行った行動に関する行動情報とに基づいて、当該行動による利用者U1の体型の変化に対する効果を示す情報を提示する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、失禁を抑制するための行動を行い始める前の利用者U1の体型と、当該行動を行い始めた後の利用者U1の体型との比較結果を示す情報を提示する。また、情報処理装置10は、利用者U1が骨盤底筋のトレーニングを行った累計時間の推移と、利用者U1の体型の推移との関係性を示す情報を提示する。また、情報処理装置10は、骨盤底筋のサポートを行うショーツを着用した累計時間の推移と、利用者U1の体型の推移との関係性を示す情報を提示する。
【0064】
〔2-2.生理に関する情報に基づく傾向情報について〕
図1の例において、情報処理装置10は、利用者U1の生理に関する生理情報を取得し、失禁情報及び生理情報に基づいて、失禁した際の利用者U1の生理の状況を示す傾向情報を生成してもよい。例えば、情報処理装置10は、生理が始まっているか否かや、経血の有無、経血量、経血の粘度などを示す生理情報を取得する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、検出装置SN1や他の検出装置が検出した生理情報や、利用者U1により入力された生理情報を取得する。そして、情報処理装置10は、所定の期間における失禁の回数や、尿量、生理の状況などを示す傾向情報を生成する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、1か月の間に蓄積された失禁情報及び生理情報に基づいて、1日ごとの失禁の回数及び尿量を示すグラフと、当日の生理の状況(例えば、生理開始から何日目かを示す情報や、経血の有無、経血量、経血の粘度など)を示す傾向情報を生成し、利用者端末100に提供する。
【0065】
〔2-3.他の利用者との傾向情報の比較について〕
図1の例において、情報処理装置10は、利用者U1の失禁に関連する情報と、他の利用者の失禁に関連する情報とを比較した結果を示す比較情報を提供してもよい。例えば、情報処理装置10は、利用者U1の傾向情報を、利用者U1と類似する他の利用者(例えば、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性が類似する利用者や、産後に経過した期間が類似する利用者)の傾向情報と比較した結果を示す比較情報を提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、利用者U1の失禁の改善の度合い(例えば、所定の期間内における失禁の回数の減少数や、尿量の減少量)と、他の利用者の失禁の改善の度合いと比較した結果(ランキング)を示す比較情報を提供する。
【0066】
また、情報処理装置10は、利用者U1の行動情報を、利用者U1と類似する他の利用者の行動情報と比較した結果を示す比較情報を提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、利用者U1が骨盤底筋のトレーニングを行った累計の時間と、他の利用者が骨盤底筋のトレーニングを行った累計の時間と比較した結果を示す比較情報を提供する。
【0067】
〔2-4.配信サービスへの支払状況に応じた通知について〕
図1の例において、情報処理装置10は、配信サービスに対する利用者U1の支払状況に応じた通知を行ってもよい。例えば、情報処理装置10は、配信サービスに対する利用者U1の支払状況を、利用者端末100や、所定のサーバ装置などから取得する。そして、配信サービスの利用に対する対価が利用者U1から支払われていない場合、情報処理装置10は、配信サービスに対する支払を行う旨の通知を利用者端末100に対して行う。
【0068】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図2を用いて、情報処理装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0069】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100、施設端末200等との間で情報の送受信を行う。
【0070】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部30は、コンテンツ情報データベース31と、利用者情報データベース32とを有する。
【0071】
(コンテンツ情報データベース31について)
コンテンツ情報データベース31は、利用者に提供されるコンテンツに関する各種の情報を記憶する。ここで、
図3を用いて、コンテンツ情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。
図3は、実施形態に係るコンテンツ情報データベース31の一例を示す図である。
図3の例において、コンテンツ情報データベース31は、「コンテンツID」、「条件情報」、「コンテンツ」といった項目を有する。
【0072】
「コンテンツID」は、コンテンツを識別するための識別情報を示す。「条件情報」は、コンテンツを提供する条件(例えば、コンテンツの提供先とする利用者の失禁の程度)を示す。「コンテンツ」は、コンテンツの情報を示し、例えば、コンテンツのレイアウト情報や、コンテンツを構成するテキスト情報、コンテンツを構成する画像などを含む。
【0073】
すなわち、
図3では、コンテンツID「CID#1」により識別されるコンテンツの条件情報が「条件情報#1」、コンテンツの情報が「コンテンツ#1」である例を示す。
【0074】
(利用者情報データベース32について)
利用者情報データベース32は、利用者に関する情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、利用者情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る利用者情報データベース32の一例を示す図である。
図4の例において、利用者情報データベース32は、「利用者ID」、「失禁情報」、「動作情報」、「行動情報」、「体型情報」、「生理情報」、「支払状況」といった項目を有する。
【0075】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「失禁情報」は、利用者の失禁に関する情報を示す。「動作情報」は、利用者の動作に関する情報を示す。「行動情報」は、失禁を抑制するために利用者が行った行動に関する情報を示す。「体型情報」は、利用者の体型に関する情報を示す。「生理情報」は、利用者の生理に関する情報を示す。「支払状況」は、傾向情報の提供を行うサービスに対する利用者の支払状況を示す。
【0076】
すなわち、
図4では、利用者ID「UID#1」により識別される利用者の失禁情報が「失禁情報#1」、動作情報が「動作情報#1」、行動情報が「行動情報#1」、体型情報が「体型情報#1」、生理情報が「生理情報#1」、支払状況が「支払状況#1」である例を示す。
【0077】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、
図2に示すように、取得部41と、生成部42と、提供部43と、推定部44と、提示部45と、通知部46とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0078】
(取得部41について)
取得部41は、利用者の失禁に関する失禁情報を取得する。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者U1の失禁に関する失禁情報を利用者端末100から取得し、利用者情報データベース32に格納する。
【0079】
また、取得部41は、利用者が着用する物品に取り付けられた検出装置が検出した失禁情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者U1が着用する物品に取り付けられた検出装置SN1が検出した失禁情報を取得する。
【0080】
また、取得部41は、利用者が着用するショーツに取り付けられた検出装置が検出した失禁情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者U1が着用するショーツに取り付けられた検出装置SN1が検出した失禁情報を取得する。
【0081】
また、取得部41は、利用者の失禁の回数を示す失禁情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者U1の失禁の回数を示す失禁情報を取得する。
【0082】
また、取得部41は、利用者の失禁により排出された尿量を示す失禁情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者U1の失禁により排出された尿量を示す失禁情報を取得する。
【0083】
また、取得部41は、さらに、利用者の動作に関する動作情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、失禁が有った日時における利用者U1の動作情報を取得する。
【0084】
また、取得部41は、さらに、失禁を抑制するために利用者が行った行動に関する行動情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、失禁を抑制するために利用者U1が行った行動に関する行動情報を取得する。
【0085】
また、取得部41は、失禁を抑制するために利用者が行ったトレーニングに関する行動情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、失禁を抑制するための行動に関するコンテンツが示すトレーニングを行ったか否かを示す情報を取得する。
【0086】
また、取得部41は、さらに、利用者の体型を示す体型情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者U1が利用者端末100を用いて撮影した利用者U1の身体を示す画像を、利用者U1の体型を示す体型情報として取得する。
【0087】
また、取得部41は、さらに、利用者の生理に関する生理情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者U1の生理が始まっているか否かや、経血の有無、経血量、経血の粘度などを示す生理情報を取得する。
【0088】
また、取得部41は、さらに、傾向情報の提供を行うサービスに対する利用者の支払状況を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、配信サービスに対する利用者U1の支払状況を、利用者端末100や、所定のサーバ装置などから取得する。
【0089】
(生成部42について)
生成部42は、取得部41により取得された失禁情報に基づいて、利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する。例えば、
図1の例において、生成部42は、蓄積した失禁情報に基づいて、利用者U1の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する。
【0090】
また、生成部42は、利用者の失禁の回数の推移を示す傾向情報を生成してもよい。例えば、
図1の例において、生成部42は、1日ごとの失禁の回数の推移を示すグラフを示す傾向情報D2や、1か月ごとの失禁の回数の推移を示すグラフを示す傾向情報D3を生成する。
【0091】
また、生成部42は、利用者の失禁により排出された尿量の推移を示す傾向情報を生成してもよい。例えば、
図1の例において、生成部42は、1日ごとの失禁の尿量の推移を示すグラフを示す傾向情報や、1か月ごとの失禁の尿量の推移を示すグラフを示す傾向情報を生成する。
【0092】
また、生成部42は、失禁情報及び動作情報に基づいて、失禁した際の利用者の動作を示す傾向情報を生成してもよい。例えば、
図1の例において、生成部42は、失禁が有ったタイミングで利用者U1が行っていた動作を示す傾向情報D1を生成する。
【0093】
また、生成部42は、失禁情報及び行動情報に基づいて、行動の効果を示す傾向情報を生成してもよい。例えば、
図1の例において、生成部42は、失禁を抑制するための行動に関するコンテンツを閲覧する前の利用者U1の失禁の回数及び尿量と、コンテンツを閲覧した後の利用者U1の失禁の回数及び尿量との比較結果を示す傾向情報を生成する。また、生成部42は、骨盤底筋のサポートを行うショーツを着用しない場合の利用者U1の失禁の回数及び尿量と、骨盤底筋のサポートを行うショーツを着用した場合の利用者U1の失禁の回数及び尿量との比較結果を示す傾向情報を生成する。
【0094】
また、生成部42は、トレーニングの効果を示す傾向情報を生成してもよい。例えば、
図1の例において、生成部42は、骨盤底筋のトレーニングを始める前の利用者U1の失禁の回数及び尿量と、骨盤底筋のトレーニングを始めた後の利用者U1の失禁の回数及び尿量との比較結果を示す傾向情報を生成する。
【0095】
また、生成部42は、失禁情報及び生理情報に基づいて、失禁した際の利用者の生理の状況を示す傾向情報を生成してもよい。例えば、
図1の例において、生成部42は、1か月の間に蓄積された失禁情報及び生理情報に基づいて、1日ごとの失禁の回数及び尿量を示すグラフと、当日の生理の状況を示す傾向情報を生成する。
【0096】
(提供部43について)
提供部43は、生成部42により生成された傾向情報を利用者に提供する。例えば、
図1の例において、提供部43は、傾向情報を利用者端末100に提供する。
【0097】
また、提供部43は、さらに、利用者の失禁を抑制するための行動に関するコンテンツを提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部43は、骨盤底筋のトレーニング方法を示すコンテンツや、骨盤底筋のサポートを行うショーツの購入・着用を提案するコンテンツを提供する。
【0098】
また、提供部43は、利用者の失禁の程度に応じたコンテンツを提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部43は、利用者U1の失禁の頻度が高い程強度の低い骨盤底筋のトレーニング方法を示すコンテンツを提供する。また、提供部43は、利用者U1の失禁の尿量が多い程強度の低い骨盤底筋のトレーニング方法を示すコンテンツを提供する。
【0099】
また、提供部43は、さらに、利用者の失禁に関連する情報を他の利用者の失禁に関連する情報と比較した結果を示す比較情報を提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部43は、利用者U1の傾向情報を、利用者U1と類似する他の利用者の傾向情報と比較した結果を示す比較情報を提供する。また、提供部43は、利用者U1が骨盤底筋のトレーニングを行った累計の時間と、他の利用者が骨盤底筋のトレーニングを行った累計の時間と比較した結果を示す比較情報を提供する。
【0100】
(推定部44について)
推定部44は、体型情報の履歴に基づいて、利用者の体型の変化を推定する。例えば、
図1の例において、推定部44は、所定の期間ごとに取得した体型情報の履歴に基づき、利用者U1の体型の変化を推定する。
【0101】
(提示部45について)
提示部45は、推定部44により推定された利用者の体型の変化と、行動情報とに基づいて、行動による利用者の体型の変化に対する効果を示す情報を提示する。例えば、
図1の例において、提示部45は、失禁を抑制するための行動を行い始める前の利用者U1の体型と、当該行動を行い始めた後の利用者U1の体型との比較結果を示す情報を提示する。また、提示部45は、利用者U1が骨盤底筋のトレーニングを行った累計時間の推移と、利用者U1の体型の推移との関係性を示す情報を提示する。また、提示部45は、骨盤底筋のサポートを行うショーツを着用した累計時間の推移と、利用者U1の体型の推移との関係性を示す情報を提示する。
【0102】
(通知部46について)
通知部46は、支払状況が所定の条件を満たす場合は、サービスへの支払に関する所定の通知を行う。例えば、
図1の例において、配信サービスの利用に対する対価が利用者U1から支払われていない場合、通知部46は、配信サービスに対する支払を行う旨の通知を利用者端末100に対して行う。
【0103】
〔4.情報処理手順〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置10が実行する情報処理の手順について説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置10が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0104】
図5に示すように、情報処理装置10は、利用者の失禁に関する失禁情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。失禁情報を取得していない場合(ステップS101;No)、情報処理装置10は、失禁情報を取得するまで待機する。一方、失禁情報を取得した場合(ステップS101;Yes)、情報処理装置10は、失禁情報に基づいて、利用者の失禁の傾向に関する傾向情報を生成する(ステップS102)。続いて、情報処理装置10は、傾向情報を利用者に提供し(ステップS103)、処理を終了する。
【0105】
〔5.変形例〕
上述した情報処理装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0106】
〔5-1.検出装置を取り付ける物品について〕
上述の実施形態において、検出装置が利用者の着用するショーツに取り付けられる例を示したが、検出装置が取り付けられる物品はこのような例に限定されず、任意のものであってもよい。例えば、検出装置は、利用者の着用するショーツに挿入される尿取りパッドに取り付けられてもよい。
【0107】
〔5-2.情報の取得について〕
上述の実施形態において、情報処理装置10が、利用者端末100から失禁情報等の情報を取得する例を示したが、情報の取得元はこのような例に限定されない。例えば、情報処理装置10は、利用者に所定のサービスを提供するサーバ装置等から情報を取得してもよい。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、利用者端末100に予めインストールされた生理に関する情報を管理するためのアプリケーション(生理管理アプリ)に関するサービスを提供するサーバ装置が収集した情報を取得する。また、情報処理装置10は、利用者に保険に関するサービスを提供する保険会社が管理するサーバ装置が収集した情報を取得する。
【0108】
〔5-3.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0109】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0110】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0111】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に情報処理装置10や、利用者端末100は、例えば
図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、キャッシュ1040、メモリ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続される。
【0112】
演算装置1030は、キャッシュ1040やメモリ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。キャッシュ1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するキャッシュである。また、メモリ1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現されるメモリである。
【0113】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現されてよい。一方、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0114】
例えば、入力装置1020は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置により実現されてもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体により実現されてもよい。
【0115】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する機能を有する。
【0116】
ここで、演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行うこととなる。例えば、演算装置1030は、入力装置1020やメモリ1050からプログラムをキャッシュ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、キャッシュ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現することとなる。
【0117】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明した。しかしながら、これらは例示であり、本願の実施形態は、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、所謂当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 通信部
30 記憶部
31 コンテンツ情報データベース
32 利用者情報データベース
40 制御部
41 取得部
42 生成部
43 提供部
44 推定部
45 提示部
46 通知部
100 利用者端末