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特開2024-144484重合体、潤滑油用摩擦低減剤、および潤滑油組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144484
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】重合体、潤滑油用摩擦低減剤、および潤滑油組成物
(51)【国際特許分類】
   C10M 145/14 20060101AFI20241003BHJP
   C10M 149/04 20060101ALI20241003BHJP
   C10M 149/06 20060101ALI20241003BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20241003BHJP
   C10N 40/25 20060101ALN20241003BHJP
   C10N 40/04 20060101ALN20241003BHJP
   C10N 40/08 20060101ALN20241003BHJP
   C10N 40/20 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
C10M145/14
C10M149/04
C10M149/06
C10N30:06
C10N40:25
C10N40:04
C10N40:08
C10N40:20 Z
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117141
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2024543064の分割
【原出願日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2022143787
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142309
【弁理士】
【氏名又は名称】君塚 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】徳江 洋
(72)【発明者】
【氏名】松村 一成
(72)【発明者】
【氏名】増田 絵理
(57)【要約】
【課題】高い摩擦低減効果を有する重合体潤滑油添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供できる重合体を提供すること。
【解決手段】主鎖ポリマー構造と、側鎖ポリマー構造とを有し、前記側鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含み、前記主鎖ポリマー構造、及び側鎖ポリマー構造の少なくとも一つが、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位を含む、重合体。式(1)中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、水素原子または極性基を含有する有機基を表す。ただし、極性基を含有する有機基は、アルコキシアルキル基を含まない。
[化1]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主鎖ポリマー構造と、側鎖ポリマー構造とを有し、
前記側鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含み、
前記主鎖ポリマー構造、及び側鎖ポリマー構造の少なくとも一つが、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位を含み、
前記(メタ)アクリレート(b)の極性基が、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アミノ基またはアミド基である、潤滑油添加剤用重合体。
【化1】
(式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、水素原子または極性基を含有する有機基を表す。ただし、極性基を含有する有機基は、アルコキシアルキル基を含まない。)
【請求項2】
前記(メタ)アクリレート(b)の極性基が、ヒドロキシル基である、請求項1に記載の潤滑油添加剤用重合体。
【請求項3】
さらにアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含む、請求項1に記載の潤滑油添加剤用重合体。
【請求項4】
前記主鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含む、請求項1に記載の潤滑油添加剤用重合体。
【請求項5】
前記主鎖ポリマー構造が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位を含、み、前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位の少なくとも一部は、前記(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位である、
請求項1に記載の潤滑油添加剤用重合体。
【請求項6】
前記側鎖ポリマー構造が、マクロモノマー(M)由来の構成単位を含む、請求項5に記載の潤滑油添加剤用重合体。
【請求項7】
前記マクロモノマー(M)が、前記アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含む請求項6に記載の潤滑油添加剤用重合体。
【請求項8】
前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する請求項6に記載の潤滑油添加剤用重合体。
【化2】
(式中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCHOHを示し、Y~Yは、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)のモノマー構成単位であるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX~Xn-1以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体を含む、潤滑油添加剤。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の潤滑油添加剤用重合体、及び溶媒を含む、潤滑油用摩擦低減剤。
【請求項11】
請求項10に記載の潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物。
【請求項12】
前記溶媒が、ベースオイルである、請求項10に記載の潤滑油用摩擦低減剤。
【請求項13】
請求項12に記載の潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンオイル等に使用される重合体、潤滑油用摩擦低減剤、潤滑油組成物に関する。
本願は、2022年9月9日に、日本に出願された特願2022-143787号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジン油や駆動系油等に代表される潤滑油には、摩擦によるエネルギー損失の削減や、焼き付き防止による機器の長寿命化を目的として、各種摩擦摩低減剤が配合されている。近年の省燃費化を目的とした潤滑油の低粘度化を背景に、金属同士の接触面の負荷は過酷さを増しており、摩擦低減剤の役割は一層重要なものとなってきている。
摩擦低減剤としては、長鎖脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミド等の油性向上剤や、リン酸エステルおよびジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、有機硫黄化合物および有機ハロゲン化合物等の極圧剤、有機モリブデン化合物等の摩擦調整剤等が挙げられるが、使用条件や使用環境によっては、これらの添加剤だけでは摩擦の低減効果が不十分となる課題があった。この課題を克服するために、摩擦低減剤としてポリマー材料を用いる検討が進められており、例えば、特許文献1には、ポリオレフィンベースのマクロモノマーに由来する繰り返し単位と、低分子量モノマーに由来する繰り返し単位を包含する櫛型ポリマーが摩擦変更剤(摩擦改良剤)として、好適に使用できることが開示されている。また、特許文献2には、(メタ)アクリル系グラフト共重合体が摩擦調整剤として、好適に使用できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2020-502344号公報
【特許文献2】特開2022-113676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、摩擦の低減効果が不十分である。
【0005】
本発明の目的は、重合体を提供することにあり、前記重合体を用いて、高い摩擦低減効果を有する重合体潤滑油添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供できる重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] 主鎖ポリマー構造と、側鎖ポリマー構造とを有し、
前記側鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含み、
前記主鎖ポリマー構造、及び側鎖ポリマー構造の少なくとも一つが、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位を含む、重合体。
【化1】
(式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、水素原子または極性基を含有する有機基を表す。ただし、極性基を含有する有機基は、アルコキシアルキル基を含まない。)
[2] 前記(メタ)アクリレート(b)の極性基が、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アミノ基またはアミド基である、[1]に記載の重合体。
[3] 前記(メタ)アクリレート(b)の極性基が、ヒドロキシル基である、[1]又は[2]に記載の重合体。
[4] さらにアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の重合体。
[5] 前記主鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含む、[1]~[4]のいずれか一項に記載の重合体。
[6] 前記主鎖ポリマー構造の割合は、重合体の総質量に対して、25~98質量%が好ましく、30~95質量%がより好ましく、40~90質量%がさらに好ましい、[1]~[5]のいずれか一項に記載の重合体。
[7] 前記側鎖ポリマー構造の割合は、重合体の総質量に対して、2~75質量%が好ましく、5~70質量%がより好ましく、10~60質量%がさらに好ましい、[1]~[6]のいずれか一項に記載の重合体。
[8] 前記アルキル(メタ)アクリレート(a)が、炭素数が11~20の直鎖状あるいは分岐状のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が11~20の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートがより好ましく、炭素数が11~18の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートがさらに好ましく、炭素数が12~14の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートが特に好ましい、[1]~[7]のいずれか一項に記載の共重合体。
[9] 前記アルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位の含有量は、側鎖ポリマー構造の総質量に対して、30~100質量%が好ましく、50~100質量%がより好ましく、80~99質量%がさらに好ましい、[1]~[8]のいずれか一項に記載の重合体。
[10] 前記アルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位の含有量は、重合体の総質量に対して、20~90質量%が好ましく、25~85質量%がより好ましく、30~80質量%がさらに好ましい、[1]~[9]のいずれか一項に記載の重合体。
[11] 前記(メタ)アクリレート(b)の極性基が、ヒドロキシル基、カルボキシ基、炭素数2~6の脂肪族複素環、炭素数4~10の芳香族複素環、アルコキシシリル基、炭素数3~9のトリアルコキシシリル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、又はアミド基が好ましく;ヒドロキシル基、カルボキシ基、アミノ基、又はアミド基がより好ましく;ヒドロキシル基がさらに好ましい、[1]~[10]のいずれか一項に記載の重合体。
[12] 前記(メタ)アクリレート(b)の総炭素数は、3~10が好ましく、3~9がより好ましく、3~8がさらに好ましい。[1]~[11]のいずれか一項に記載の重合体。
[13] 前記(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位の含有量は、重合体の総質量に対して、0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.05質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以上3質量%以下が特に好ましい、[1]~[12]のいずれか一項に記載の共重合体。
[14] さらにアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含む、[1]~[13]のいずれか一項に記載の重合体。
[15] さらにアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含み、前記アルキル(メタ)アクリレート(c)が、炭素数が1~4のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が1~4のアルキルアクリレートがより好ましく、n-ブチルアクリレートがさらに好ましい、[1]~[14]のいずれか一項に記載の重合体。
[16] さらにアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含み、前記アルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位の含有量は、重合体の総質量に対して、20質量%以上95質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましく、45質量%以上80質量%以下がさらに好ましい、[1]~[15]のいずれか一項に記載の重合体。
[17] 前記アルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位、前記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位、及びアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位の含有量の合計は、重合体の総質量に対して、70~100質量%であることが好ましく、80~100質量%であることがより好ましく、90~100質量%であることがさらに好ましい、[1]~[16]のいずれか一項に記載の重合体。
[18] 前記主鎖ポリマー構造が、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位を含み、前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位の少なくとも一部は、前記(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位である、
[1]~[17]のいずれか一項に記載の重合体。
[19] 前記側鎖ポリマー構造がマクロモノマー(M)由来の構成単位を含む、[1]~[18]のいずれか一項に記載の重合体。
[20] 前記マクロモノマー(M)が、前記アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含む[19]に記載の重合体。
[21] 前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する[19]又は[20]に記載の重合体。
【化2】
(式中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCHOHを示し、Y~Yは、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)のモノマー構成単位であるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX~Xn-1以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
[22] 前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)が、前記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)、及びアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)を含む、[18]~[21]のいずれか一項に記載の重合体。
[23] 前記ビニル系ラジカル重合性単量体(m2)が、前記アルキル(メタ)アクリレート(a)を含む、[18]~[22]のいずれか一項に記載の重合体。
[24] 前記アルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位の含有量が、前記マクロモノマー(M)の総質量に対し、80~100質量%含有することが好ましく、85~99.9質量%含有することがより好ましく、90~99.8質量%含有することがさらに好ましく、95~99.5質量%含有することが特に好ましい、[19]~[23]のいずれか一項に記載の重合体。
[25] アルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位の含有量が、前記マクロモノマー(M)の総質量に対し、0質量%超20質量%以下含有することが好ましく、0.1~15質量%含有することがより好ましく、0.2~10質量%含有することがさらに好ましく、0.5~5質量%含有することが特に好ましい、[19]~[24]のいずれか一項に記載の重合体。
[26] [アルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位の含有量]/[前記アルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位の含有量]で表される比は、0.001~3.5が好ましく、0.002~3.0がより好ましく、0.005~2.6がさらに好ましい、[18]~[25]のいずれか一項に記載の重合体。
[27] 前記マクロモノマー(M)由来の構成単位の含有量は、重合体の総質量に対し、1~70質量%が好ましく、2~60質量%がより好ましく、5~50質量%がさらに好ましい、[19]~[26]のいずれか一項に記載の重合体。
[28] 前記マクロモノマー(M)のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した質量平均分子量(Mw)は、2000~100000が好ましく、3000~80000がより好ましく、4000~50000がさらに好ましく、5000~30000が特に好ましい、[19]~[27]のいずれか一項に記載の重合体。
[29] 前記マクロモノマー(M)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)は、500~30000が好ましく、1000~25000がより好ましく、2000~20000がさらに好ましく、3000~16000が特に好ましい、[19]~[28]のいずれか一項に記載の重合体。
[30] 前記マクロモノマー(M)のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布(Mw/Mn)は、1.0~5.0が好ましく、1.3~3.0がより好ましく、1.5~2.5がさらに好ましい、[19]~[29]のいずれか一項に記載の重合体。
[31] 前記重合体のGPCで測定した質量平均分子量(Mw)は、10000以上500000以下が好ましく、15000以上300000以下であることがより好ましく、20000以上200000以下であることがさらに好ましい、[1]~[30]のいずれか一項に記載の重合体。
[32] 前記重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)は、5000以上100000以下が好ましく、10000以上80000以下であることがより好ましく、15000以上50000以下であることがさらに好ましい、[1]~[31]のいずれか一項に記載の重合体。
[33] 前記重合体のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)は、1.0以上15以下が好ましく、2.0以上10以下であることがより好ましく、3.0以上8.0以下であることがさらに好ましい、[1]~[32]のいずれか一項に記載の重合体。
[34] 前記重合体を2質量%含有するベースオイル溶液を調製し、SRV5試験機(Optimol Instruments Pruftechnik GmbH社製)を用いて40℃において測定される摩擦係数は、0.16以下が好ましく、0.155以下がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい、[1]~[33]のいずれか一項に記載の重合体。
[35] [1]~[34]のいずれか一項に記載の重合体を含む、潤滑油添加剤。
[36] [1]~[34]のいずれか一項に記載の重合体、及び溶媒を含む、潤滑油用摩擦低減剤。
[37] 前記溶媒が、ベースオイルである、[36]に記載の潤滑油用摩擦低減剤。
[38] 前記ベースオイルは、API規格GroupIIIのベースオイル、API規格GroupIIIプラスのベースオイル、又はAPI規格GroupIVのベースオイルである、[37]に記載の潤滑油用摩擦低減剤。
[39] 前記重合体の含有量は、潤滑油添加剤の全質量を100質量%とした際に、10~80質量%が好ましく、15~70質量%がより好ましく、20~60質量%がさらに好ましい、[36]~[38]のいずれか一項に記載の潤滑油用摩擦低減剤。
[40] [36]~[39]のいずれか一項に記載の潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物。
[41] 前記潤滑油用摩擦低減剤の含有量は、潤滑油組成物の全質量を100質量%とした際に、0.01~30質量%が好ましく、0.05~25質量%がより好ましく、0.1~20質量%がさらに好ましい、[40]に記載の潤滑油組成物。
[42] [1]~[34]のいずれか一項に記載の重合体の、潤滑油組成物を製造するための使用。
[43] [1]~[34]のいずれか一項に記載の重合体の、摩擦低減のための使用。
[44] [1]~[34]のいずれか一項に記載の重合体の、潤滑性向上のための使用。
[45] [1]~[34]のいずれか一項に記載の重合体を含む組成物の、摩擦低減のための使用。
[46] [1]~[34]のいずれか一項に記載の重合体を含む組成物の、潤滑性向上のための使用。
[47] 前記組成物が、溶媒を含む、[45]又は[46]に記載の使用。
[48] 前記溶媒が、ベースオイルである、[47]に記載の使用。
[49] 前記ベースオイルは、API規格GroupIIIのベースオイル、API規格GroupIIIプラスのベースオイル、又はAPI規格GroupIVのベースオイルである、[48]に記載の使用。
[50] 前記重合体の含有量は、組成物の全質量を100質量%とした際に、0.01~30質量%が好ましく、0.05~25質量%がより好ましく、0.1~20質量%がさらに好ましい、[45]~[49]のいずれか一項に記載の使用。
【0007】
加えて、本発明は以下の態様を有する。
[1]主鎖ポリマー構造と、側鎖ポリマー構造とを有する(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aを含有する潤滑油用摩擦低減剤であって、前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を前記側鎖ポリマー構造に含み、かつ下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位を含む、潤滑油用摩擦低減剤。
【0008】
【化3】
【0009】
(式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、水素原子または極性基を含有する有機基を表す。ただし、極性基を含有する有機基は、アルコキシアルキル基を含まない。)
[2]前記(メタ)アクリレート(b)の極性基が、ヒドロキシル基、カルボキシ基、アミノ基またはアミド基である[1]の潤滑油用摩擦低減剤。
[3]前記(メタ)アクリレート(b)の極性基が、ヒドロキシル基である[1]の潤滑油用摩擦低減剤。
[4]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、さらにアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含有する[1]~[3]のいずれか1つに記載の潤滑油用摩擦低減剤。
[5]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を前記主鎖ポリマー構造に含有する[1]~[4]のいずれか1つに記載の潤滑油用摩擦低減剤。
[6]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体Aが、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)由来の構成単位と、を含む[1]~[5]のいずれか1つに記載の潤滑油用摩擦低減剤。
[7]前記マクロモノマー(M)が、前記アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含む[6]の潤滑油用摩擦低減剤。
[8]前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する[6]の潤滑油用摩擦低減剤。
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCHOHを示し、Y~Yは、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)のモノマー構成単位であるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX~Xn-1以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
[9][1]~[8]のいずれかの潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物。
【発明の効果】
【0012】
本発明の重合体によれば、高い摩擦低減効果を有する潤滑油添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
【0014】
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の総称である。「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の総称であり、CH=C(R)-C(=O)-(Rは水素原子又はメチル基)で表される基である。「マクロモノマー」とは、ラジカル重合性基又は付加反応性の官能基を有する重合物を意味する。「ビニル系ラジカル重合性単量体」とは、マクロモノマーではないエチレン性不飽和結合を有する単量体を意味する。
【0015】
本発明の重合体は、主鎖ポリマー構造と、側鎖ポリマー構造とを有し、前記側鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を含み、前記主鎖ポリマー構造、及び側鎖ポリマー構造の少なくとも一つが、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位を含む。
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、水素原子または極性基を含有する有機基を表す。ただし、極性基を含有する有機基は、アルコキシアルキル基を含まない。)
【0018】
潤滑油用摩擦低減剤は、重合体を含む。
前記重合体は、構成単位の少なくとも一部が(メタ)アクリル系単量体由来の構成単位である共重合体を意味する。重合体は、(メタ)アクリル系単量体以外の単量体(たとえばスチレン等)由来の構成単位をさらに含んでいてもよい。
【0019】
前記重合体は、主鎖ポリマー構造と、主鎖ポリマー構造(幹ポリマー構造)に化学結合する側鎖ポリマー構造(枝ポリマー構造)で構成されたグラフト共重合体であることが好ましい。本明細書において、グラフト共重合体とは、主鎖ポリマー構造に、側鎖ポリマー構造として接続された1種以上のブロックを持つ高分子である。主鎖ポリマーと側鎖ポリマーの構造は、異なってもよいし、同じであってもよい。グラフト共重合体の製造方法としては特に限定されないが、末端にラジカル重合性二重結合を有するマクロモノマーを側鎖ポリマー構造として製造した後に、主鎖ポリマーの構成単位となるモノマーとラジカル重合する方法や、反応点を有する主鎖ポリマーと反応点を有するマクロモノマーを予め製造した後、それらを反応させる方法、主鎖ポリマーの製造後に水素引き抜き能を有する開始剤を使用して主鎖ポリマー上にラジカルを発生させ、側鎖ポリマーの構成単位となるモノマーを反応させて側鎖ポリマー構造を製造する方法等が挙げられる。
【0020】
前記重合体は、アルキル基の炭素数が11~30のアルキル(メタ)アクリレート(a)(以下、「(a)成分」ともいう。)由来の構成単位を側鎖ポリマー構造に含み、かつ前記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)(以下、「(b)成分」ともいう。)由来の構成単位を含むグラフト共重合体であることが好ましい。
【0021】
前記(a)成分としては、例えば、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、i-ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、i-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、i-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、i-テトラデシル(メタ)アクリレート、n-セチル(メタ)アクリレート、i-セチル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、i-ステアリル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレート、i-オクタデシル(メタ)アクリレート、n-ベヘニル(メタ)アクリレート、i-ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0022】
ベースオイルへの溶解性および摩擦低減効果が優れることから(a)成分としては、炭素数が11~20の直鎖状あるいは分岐状のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が11~20の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートがより好ましく、炭素数が11~18の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートがさらに好ましく、炭素数が12~14の直鎖状あるいは分岐状のアルキルメタクリレートが特に好ましい。
【0023】
また、ベースオイルへの溶解性および摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、(a)成分由来の構成単位の含有量は側鎖ポリマー構造の総質量に対して30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
【0024】
また、ベースオイルへの溶解性および摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、(a)成分由来の構成単位の含有量は重合体の総質量に対して20~90質量%が好ましく、25~85質量%がより好ましく、30~80質量%がさらに好ましい。
前記重合体のベースオイルへの溶解性を良好なものとできることから前記重合体は構成単位として、前記(a)成分由来の構成単位を主鎖ポリマー構造にも含有することが好ましい。
【0025】
前記(b)成分は、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレートである(以下、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート(b)を、「極性基含有(メタ)アクリレート(b)」ともいう。)。
【0026】
【化6】
【0027】
(式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Rは、水素原子または極性基を含有する有機基を表す。ただし、極性基を含有する有機基は、アルコキシアルキル基を含まない。)
極性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシ基、ヘテロ環構造(例えば、炭素数2~6の脂肪族複素環、炭素数4~10の芳香族複素環)、アルコキシシリル基、炭素数3~9のトリアルコキシシリル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基(例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の第2級アミノ基)、アミド基等が挙げられる。前記(b)成分としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、コハク酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシ基を含有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、等のヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレート;3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の炭素数3~9のトリアルコキシシリル基を有する(メタ)アクリレート;2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸エステル基を有する(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する(メタ)アクリレート、等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。上記極性基含有(メタ)アクリレート(b)としては、ヒドロキシル基又はカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、ヒドロキシル基又はカルボキシ基を有する(メタ)アクリレートがより好ましく、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートがより好ましく、ヒドロキシル基を有するアクリレートが特に好ましい。極性基含有(メタ)アクリレート(b)の総炭素数は、3~10が好ましく、3~9がより好ましく、3~8がさらに好ましい。
【0028】
極性基を有する有機基のなかでも、極性の大きな極性基を用いることがより好ましい。例えばヒドロキシル基、カルボキシ基、アミノ基、及びアミド基、リン酸基、リン酸エステル基はアルコキシアルキル基と比べ大きな極性を有し、好ましい極性基である。
極性の大きな極性基を有することにより、重合体はファンデルワールス力や水素結合等の分子間力の作用や、共有結合、イオン結合等の化学結合の形成によって、金属表面との親和性を向上させることができる。その結果、重合体の金属表面への密着性が向上し、摩擦低減性能を高めることができる。
【0029】
ベースオイルへの溶解性と摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、前記重合体の総質量に対して、前記(b)成分由来の構成単位の含有量は、0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.05質量%以上15質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以上3質量%以下が特に好ましい。
【0030】
摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから前記重合体は構成単位として、さらにアルキル基の炭素数が1~10のアルキル(メタ)アクリレート(c)(以下、「(c)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。
【0031】
前記(c)成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート等の直鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;i-プロピル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、i-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、i-デシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
摩擦低減効果が優れることから、炭素数が1~4のアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数が1~4のアルキルアクリレートがより好ましく、n-ブチルアクリレートがさらに好ましい。
摩擦低減効果が優れることから、前記(c)成分由来の構成単位は、主鎖ポリマー構造に含有することが好ましい。
【0032】
ベースオイルへの溶解性と摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、前記重合体の総質量に対して、前記(c)成分由来の構成単位の含有量は、20質量%以上95質量%以下が好ましく、30質量%以上90質量%以下がより好ましく、45質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。
【0033】
摩擦低減性能を良好なものとできることから前記(a)~(c)成分由来の構成単位の合計量は前記重合体の総質量に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。前記(a)~(c)成分由来の構成単位の合計量は前記重合体の総質量に対して、100質量%を超えない。
【0034】
前記重合体は、前記(a)~(c)成分以外のその他のラジカル重合性ビニル系化合物(d)(以下、「(d)成分」ともいう。)由来の構成単位を含有しても良い。
(d)成分としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニルおよび(a)~(c)成分以外の(メタ)アクリレートが挙げられる。その他の(メタ)アクリレートとしては、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1-ナフチル)メチル(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ(メタ)アクリレート;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
前記重合体は構成単位として、前記(a)~(d)成分由来の構成単位を、主鎖ポリマー構造と側鎖ポリマー構造とのいずれに含有してもよい。
【0035】
前記重合体は、ビニル系ラジカル重合性単量体(m1)(以下、「(m1)成分」ともいう。)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)(以下、「(M)成分」ともいう。)由来の構成単位と、を含んでもよい。(M)成分は、ビニル系ラジカル重合性基を有する単量体(m2)由来の構成単位を含む。
【0036】
前記(m1)成分としては、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、n-セチル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、n-ベヘニル(メタ)アクリレート等の直鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;i-プロピル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、i-ノニル(メタ)アクリレート、i-デシル(メタ)アクリレート、3-i-プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、i-ウンデシル(メタ)アクリレート、2-t-ブチルヘプチル(メタ)アクリレート、i-ドデシル(メタ)アクリレート、i-トリデシル(メタ)アクリレート、i-テトラデシル(メタ)アクリレート、i-ベヘニル(メタ)アクリレート等の分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の環状のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸、コハク酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシ基を含有する(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1-ナフチル)メチル(メタ)アクリレート等の芳香環構造を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレオイルモルフォリン等のヘテロ環構造を有する(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
【0037】
摩擦低減効果を高くできる点から、(m1)成分として、前記(b)成分及び(c)成分を含有することが好ましい。
前記(M)成分は、ビニル系ラジカル重合性基を有する単量体(m2)(以下、「(m2)成分」ともいう。)由来の構成単位を2以上含み、末端にラジカル重合性基を有する化合物であり、(m2)成分として前記(a)成分を含有する。(a)成分以外の(m2)成分としては、前記(m1)成分として挙げた化合物が挙げられる。
【0038】
ベースオイルへの重合体の溶解性を高くできる点から、(M)成分の総質量に対して、前記(a)成分由来の構成単位を50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがより好ましく、70質量%以上含有することがさらに好ましく、80質量%以上含有することが特に好ましい。(M)成分の総質量に対して、前記(a)成分由来の構成単位は100質量%であってもよく、100質量%未満であることが好ましい。
ベースオイルへの重合体の溶解性を高くできる点から、(M)成分の総質量に対して、前記(c)成分由来の構成単位を0質量%超20質量%以下含有することが好ましく、0.1~15質量%含有することがより好ましく、0.2~10質量%含有することがさらに好ましく、0.5~5質量%含有することが特に好ましい。
ベースオイルへの重合体の溶解性を高くできる点から、[前記(c)成分由来の構成単位の含有量]/[前記(a)成分由来の構成単位の含有量]で表される比は、0.001~3.5が好ましく、0.002~3.0がより好ましく、0.005~2.6がさらに好ましい。
【0039】
さらに前記(M)成分は、ラジカル重合性の点から、以下の式(2)で示される構造が好ましい。
【0040】
【化7】
【0041】
(式中、X~Xn-1は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCHOHを示し、Y~Yは、それぞれ独立して、モノマー構成単位である(m2)成分のビニル基に結合するX~Xn-1以外の置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
【0042】
~Xn-1及びY~Yは、それぞれ独立して、(m2)成分のビニル基に結合する置換基である。Y~Yは、例えば、OR、ハロゲン原子、COR、COOR、CN、CONR、NHCOR、又はRを示し、R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等を示す。
【0043】
なお末端基のZは、公知のラジカル重合で得られるポリマーの末端基と同様に、水素原子およびラジカル重合開始剤に由来する基が挙げられる。
【0044】
また、ベースオイルへの重合体の溶解性を高くできる点および、摩擦低減効果を高くできる点から、重合体の総質量に対して、前記(M)成分由来の構成単位の含有量は、1~70質量%が好ましく、2~60質量%がより好ましく、5~50質量%がさらに好ましい。
【0045】
ベースオイルへの溶解性および摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、前記マクロモノマー(M)のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した質量平均分子量(Mw)は、2000~100000が好ましく、3000~80000がより好ましく、4000~50000がさらに好ましく、5000~30000が特に好ましい。
【0046】
ベースオイルへの溶解性および摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、前記マクロモノマー(M)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)は、500~30000が好ましく、1000~25000がより好ましく、2000~20000がさらに好ましく、3000~16000が特に好ましい。
【0047】
ベースオイルへの溶解性および摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、前記マクロモノマー(M)のゲル浸透クロマトグラフィーで測定した分子量分布(Mw/Mn)は、1.0~5.0が好ましく、1.3~3.0がより好ましく、1.5~2.5がさらに好ましい。
【0048】
前記(M)成分は、公知の方法で製造したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。(M)成分の製造方法としては、例えば、コバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法(米国特許第4680352号明細書)、α-ブロモメチルスチレン等のα置換不飽和化合物を連鎖移動剤として用いる方法(国際公開88/04304号)、重合性基を化学的に結合させる方法(特開昭60-133007号公報及び米国特許第5147952号明細書)及び熱分解による方法(特開平11-240854号公報)が挙げられる。
【0049】
製造工程数が少なく、連鎖移動定数の高い触媒を使用する点でコバルト連鎖移動剤を用いて製造する方法が好ましい。コバルト連鎖移動剤は連鎖移動定数が高いため、少量の添加で分子量が制御されたマクロモノマーを得ることができる。
【0050】
コバルト連鎖移動剤としては、公知のコバルト錯体が使用できる。前記コバルト連鎖移動剤の量は、前記(m2)成分の100質量部に対して、0.00001~0.1質量部が好ましく、0.00005~0.05質量部であることがより好ましく、0.0001~0.02質量部であることが特に好ましい。
【0051】
また本発明の潤滑油用摩擦低減剤に含まれる重合体のGPCで測定した質量平均分子量(Mw)は、ベースオイルへの溶解性および摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、10000以上500000以下が好ましく、15000以上300000以下であることがより好ましく、20000以上200000以下であることがさらに好ましい。
【0052】
また本発明の潤滑油用摩擦低減剤に含まれる重合体Aのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)は、ベースオイルへの溶解性および摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、5000以上100000以下が好ましく、10000以上80000以下であることがより好ましく、15000以上50000以下であることがさらに好ましい。
【0053】
また本発明の潤滑油用摩擦低減剤に含まれる重合体Aのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量分布(Mw/Mn)は、ベースオイルへの溶解性および摩擦低減性能を良好なものとでき、潤滑油組成物の低粘度化によって省燃費性を向上できることから、1.0以上15以下が好ましく、2.0以上10以下であることがより好ましく、3.0以上8.0以下であることがさらに好ましい。
【0054】
本発明の潤滑油用摩擦低減剤の製造方法の一例を示す。
本発明の潤滑油用摩擦低減剤は、ベースオイル中で、前記アルキル(メタ)アクリレート(a)~(c)成分、前記その他のラジカル重合性ビニル系化合物(d)成分、マクロモノマー(M)成分を含む単量体混合物を、公知の方法で重合することで製造できる。
前記ベースオイルとしては、特に限定はされないが、SKルブリカンツ社製のYUBASE3等のAPI規格GroupIIIのベースオイル、SKルブリカンツ社製のYUBASE4等のAPI規格GroupIIIプラスのベースオイル、ポリアルファオレフィン等のAPI規格GroupIVのベースオイル等が挙げられる。
【0055】
重合は公知の条件で行えばよいが、重合時の発熱抑制効果に特に優れることから、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマーを用いることが好ましい。
【0056】
本発明の重合体を含む潤滑油用摩擦低減剤は、自動車や船舶等のモビリティや、産業機械、ロボット等で使用される、エンジン油、駆動系油(ギヤ油、変速機油)、作動油、金属加工油等の潤滑油に添加する潤滑油用摩擦低減剤として使用できる。
前記エンジンオイル、ギヤオイル、作動油等のベースオイルとしては、原油から精製された鉱物系基油や、化学的に合成された合成油が挙げられ、例えば、SKルブリカンツ社製のYUBASE3等のAPI規格GroupIIIのベースオイル、SKルブリカンツ社製のYUBASE4等のAPI規格GroupIIIプラスのベースオイル、ポリアルファオレフィン等のAPI規格GroupIVのベースオイル等が挙げられる。
【0057】
本発明の潤滑油組成物は、本発明の潤滑油用摩擦低減剤をベースオイルに配合したものである。本発明の潤滑油組成物は、本発明の潤滑油用摩擦低減剤以外の、他の添加剤を含有していてもよい。他の添加剤としては、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤、腐食防止剤、さび止め剤、消泡剤、乳化剤、防かび剤、抗乳化剤等が挙げられる。また、本発明以外の摩擦低減剤として、長鎖脂肪酸エステル及び脂肪酸アミド等の油性向上剤や、リン酸エステル及びジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、有機硫黄化合物及び有機ハロゲン化合物等の極圧剤、有機モリブデン化合物等の摩擦調整剤等を含有してもよい。
また、本発明の潤滑油組成物は、増ちょう剤を含有したグリースであっても良い。増ちょう剤としては、例えば、石けん系(リチウム石けん、カルシウム石けん、ナトリウム石けん、アルミニウム石けん等)や、無機物系(ベントナイト、シリカゲル等)、有機物系(ポリウレア、ポリウレタン等)等が挙げられる。
【0058】
前記潤滑油組成物に含まれる本発明の潤滑油用摩擦低減剤の含有量は、潤滑油組成物の全質量を100質量%とした際に、0.01~30質量%が好ましく、0.05~25質量%がより好ましく、0.1~20質量%がさらに好ましい。潤滑油用摩擦低減剤の含有量を0.01質量%以上とすることで潤滑油組成物の摩擦低減効果が改善され、30質量%以下とすることで、潤滑油組成物の低温における動粘度が低下し、燃費が改善される。
【0059】
重合体を2質量%含有するベースオイル溶液を調製し、SRV5試験機(Optimol Instruments Pruftechnik GmbH社製)を用いて40℃において測定される摩擦係数は、0.16以下が好ましく、0.155以下がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい。
【実施例0060】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに詳しく説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を表す。また、表1~6中、各単量体に由来する構成単位の含有量を質量%で示す。各構成単位の含有量は、重合反応において使用した単量体の総質量に対する、単量体の質量から算出した。以下の方法によって評価した。
【0061】
<マクロモノマー(M)の分子量>
GPC(東ソー株式会社製 HLC-8320)を用いて測定した。マクロモノマー(M)のテトラヒドロフラン溶液0.2質量%を調製後、東ソー株式会社製カラム(TSKgel SuperHZM-M(内径4.6mm、長さ15cm)、HZM-M(内径4.6mm、長さ15cm)、HZ-2000(内径4.6mm、長さ15cm)、TSKguardcolumn SuperHZ-L(内径4.6mm、長さ3.5cm)が装着された装置に上記の溶液10μlを注入し、流量:0.35ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にてMw、Mn、及びMw/Mnを算出した。
【0062】
<重合体の分子量>
GPC(東ソー株式会社製 HLC-8320)を用いて測定した。実施例で得られた重合体のテトラヒドロフラン溶液0.2質量%を調製後、東ソー社製カラム(TSKgelSuperHZM-H 2本(内径6.0mm、長さ15cm)、TSKguardcolumn SuperHZ-H(内径4.6mm、長さ3.5cm)が装着された装置に上記の溶液10μlを注入し、流量0.5ml/分、溶離液:テトラヒドロフラン(安定剤BHT)、カラム温度:40℃の条件で測定し、標準ポリスチレン換算にてMw、Mn、及びMw/Mnを算出した。
【0063】
<40℃の摩擦係数>
得られた重合体、YUBASE4およびMoDTC(モリブデンジアルキルジチオカルバメート)を表2~6に記載の組成で65℃に加熱しながら10分間混合することで潤滑油組成物を調製し、SRV5試験機(Optimol Instruments Pruftechnik GmbH社製)を用いて、40℃における摩擦係数を測定した。測定条件は以下の通りとし、測定開始30分後の摩擦係数を評価した。
・試験方法:ボールオンディスク(ボールの直径:10mm、ボールとディスクの材質:SUJ2)
・試験モード:往復(50Hz、ストローク1mm)
・荷重:200N
【0064】
[製造例1]
(Co錯体(コバルト連鎖移動剤)の合成)
撹拌装置を備えた合成装置中に、窒素雰囲気下で、酢酸コバルト(II)四水和物(和光純薬社製、和光特級)2.00g(8.03mmol)及びジフェニルグリオキシム(東京化成社製、EPグレード)3.86g(16.1mmol)及び予め窒素バブリングにより脱酸素したジエチルエーテル100mlを入れ、25℃で2時間撹拌した。
次いで、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(東京化成社製、EPグレード)20mlを加え、更に6時間撹拌した。得られたものを濾過し、固体をジエチルエーテルで洗浄し、100MPa以下で、20℃において12時間乾燥し、茶褐色固体のCo錯体5.02g(7.93mmol、収率99質量%)を得た。
【0065】
[製造例2]
(マクロモノマーM1の合成)
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を58部、アクリエステルSL(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルSL、アルキル基の炭素数が12であるアルキルメタクリレートと、アルキル基の炭素数が13であるアルキルメタクリレートの混合物)を98部、メチルメタクリレート(MMA)(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルM)を2部、製造例1で作製したCo錯体を0.005部加え、液温を40℃に昇温し攪拌しながら窒素を2時間バブリングして溶存酸素を除いた。YUBASE4(2部)と重合開始剤であるt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス26)0.1部からなる混合液を投入して液温を90℃に昇温し、2.5時間攪拌した後、YUBASE4(10部)とルペロックス26(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。滴下後105℃に昇温し、1.5時間保持した後、YUBASE4を20部添加して冷却し、マクロモノマーM1を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーM1のGPCの結果を表1に示す。
【0066】
[製造例3]
(マクロモノマーM2の合成)
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を58部、アクリエステルSLを98部、MMAを2部、製造例1で作製したCo錯体を0.005部加え、液温を40℃に昇温し攪拌しながら窒素を2時間バブリングして溶存酸素を除いた。YUBASE4(2部)と重合開始剤としてt-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス575)0.1部からなる混合液を投入して液温を90℃に昇温し、2.5時間攪拌した後、YUBASE4(10部)とルペロックス26(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。滴下後105℃に昇温し、1.5時間保持した後、YUBASE4を20部添加して冷却し、マクロモノマーM2を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーM2のGPCの結果を表1に示す。
【0067】
[製造例4]
(マクロモノマーM3の合成)
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を58部、アクリエステルSLを98部、MMAを2部、製造例1で作製したCo錯体を0.0075部加え、液温を40℃に昇温し攪拌しながら窒素を2時間バブリングして溶存酸素を除いた。YUBASE4(2部)と重合開始剤として1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーオクタO)0.1部からなる混合液を投入して液温を83℃に昇温し、2.5時間攪拌した後、YUBASE4(10部)とパーオクタO(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。滴下後95℃に昇温し、2時間保持した後、YUBASE4を20部添加して冷却し、マクロモノマーM3を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーM3のGPCの結果を表1に示す。
【0068】
[製造例5]
(マクロモノマーM4の合成)
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を58部、メチルメタクリレート(MMA)(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルM)を2部、ステアリルメタクリレート(共栄社化学社製、商品名:ライトエステルS)を98部、製造例1で作製したCo錯体を0.005部加え、液温を40℃に昇温し攪拌しながら窒素を2時間バブリングして溶存酸素を除いた。YUBASE4(2部)と重合開始剤であるt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス26)0.2部からなる混合液を投入して液温を90℃に昇温し、2.5時間攪拌した後、YUBASE4(10部)とルペロックス26(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。滴下後105℃に昇温し、1.5時間保持した後、YUBASE4を20部添加して冷却し、マクロモノマーM4を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーM4のGPCの結果を表1に示す。
【0069】
[製造例6]
(マクロモノマーM5の合成)
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を58部、2-エチルヘキシルメタクリレート100部、製造例1で作製したCo錯体を0.003部加え、液温を40℃に昇温し攪拌しながら窒素を2時間バブリングして溶存酸素を除いた。YUBASE4(2部)と重合開始剤であるt-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(アルケマ吉富社製、商品名:ルペロックス575)0.1部からなる混合液を投入して液温を90℃に昇温し、2.5時間攪拌した後、YUBASE4(10部)とルペロックス575(0.7部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。滴下後105℃に昇温し、1.5時間保持した後、YUBASE4を20部添加して冷却し、マクロモノマーM5を52.6質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られたマクロモノマーM5のGPCの結果を表1に示す。
【0070】
<実施例1>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部、n-ブチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:nBA)を56部、ラウリルアクリレート(大阪有機化学社製、商品名:LA)を18部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:4HBA)を1部、重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)を0.03部、連鎖移動剤としてα-メチルスチレンダイマー(日油社製、商品名:ノフマーMSD)を0.3部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とパーブチルO(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)とパーブチルO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を41.1部添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。表2~6中、ポリマー組成は、マクロモノマー(M)中の構成単位も含む。
【0071】
<実施例2>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、4HBA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0072】
<実施例3>
実施例2で得られた潤滑油用摩擦低減剤を用いて潤滑油組成物を調製する際に、表2に記載の比率でMoDTCを添加して評価に用いた。得られた潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0073】
<実施例4>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部、nBAを56部、LAを18部、4HBAを1部、パーブチルOを0.03部、ノフマーMSDを0.5部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とパーブチルO(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)とパーブチルO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を41.1部添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0074】
<実施例5>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、4HBA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0075】
<実施例6>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例4で得られたマクロモノマーM3のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、4HBA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0076】
<実施例7>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(44部)、LA(30部)、4HBA(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.3部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0077】
<実施例8>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、LA(65部)、4HBA(10部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.4部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0078】
<実施例9>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を9.5部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(69部)、LA(22部)、4HBA(4部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(76.2部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0079】
<実施例10>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を95.1部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(48部)、4HBA(2部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(35.6部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表2に示す。
【0080】
<実施例11>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:HEA)(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0081】
<実施例12>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、HEA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.7部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0082】
<実施例13>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、HEA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.7部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0083】
<実施例14>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、グリセリンモノメタクリレート(日油社製、商品名:ブレンマーGLM)(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.4部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0084】
<実施例15>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(18部)、ブレンマーGLM(2部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.6部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0085】
<実施例16>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(18部)、ブレンマーGLM(2部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.6部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0086】
<実施例17>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、アクリル酸(三菱ケミカル社製、商品名:AA)(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.6部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0087】
<実施例18>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、AA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0088】
<実施例19>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、AA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表3に示す。
【0089】
<実施例20>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、LA(65部)、AA(10部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0090】
<実施例21>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、ジエチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製、商品名:DEAA)(1部)、ルペロックス575(0.4部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。95℃に昇温して2時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0091】
<実施例22>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(54部)、LA(16部)、DEAA(5部)、ルペロックス575(0.4部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。95℃に昇温して2時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0092】
<実施例23>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(54部)、LA(16部)、DEAA(5部)、ルペロックス575(0.4部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。95℃に昇温して2時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0093】
<実施例24>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日油社製、商品名:ブレンマーPP-800、プロピレンオキシド平均付加モル数:13、末端:ヒドロキシル基)(1部)、ルペロックス575(0.4部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。95℃に昇温して2時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0094】
<実施例25>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(54部)、LA(16部)、ブレンマーPP-800(5部)、ルペロックス575(0.4部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。95℃に昇温して2時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0095】
<実施例26>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(54部)、LA(16部)、ブレンマーPP-800(5部)、ルペロックス575(0.4部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。95℃に昇温して2時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0096】
<実施例27>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM503)(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.7部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0097】
<実施例28>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM503)(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.7部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0098】
<実施例29>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、4HBA(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表4に示す。
【0099】
<実施例30>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、4HBA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0100】
<実施例31>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、HEA(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.2部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0101】
<実施例32>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、HEA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0102】
<実施例33>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例4で得られたマクロモノマーM3のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、4HBA(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0103】
<実施例34>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例4で得られたマクロモノマーM3のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、4HBA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0104】
<実施例35>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例4で得られたマクロモノマーM3のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、HEA(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.2部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0105】
<実施例36>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例4で得られたマクロモノマーM3のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、HEA(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0106】
<実施例37>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、ジメチルアミノエチルアクリレート(東亜合成社製、商品名:アロンDA)(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0107】
<実施例38>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を95.1部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(49部)、ポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシ基の付加モル数:約4.5、日油社製、商品名:AE-200)(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(35.6部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0108】
<実施例39>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、ポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシ基の付加モル数:約10、日油社製、商品名:AE-400)(1部)、ルペロックス575(0.4部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表5に示す。
【0109】
<実施例40>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、ポリプロピレングリコールモノアクリレート(プロピレンオキシ基の付加モル数:約6、日油社製、商品名:AP-400)(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0110】
<実施例41>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例5で得られたマクロモノマーM4のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0111】
<実施例42>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(3部)、ルペロックス575(3部)、ノフマーMSD(4部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0112】
<実施例43>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(3部)、ルペロックス575(1部)、ノフマーMSD(1.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0113】
<実施例44>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を40部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(55部)、LA(17部)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(3部)、ルペロックス575(0.1部)、からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(48.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0114】
<実施例45>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を95.1部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(47部)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(3部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(1.3部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(35.6部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0115】
<実施例46>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例3で得られたマクロモノマーM2のYUBASE4溶液を133.1部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(30部)、nBA(27部)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(3部)、ルペロックス575(1部)、ノフマーMSD(0.9部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(20部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(44.5部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0116】
<比較例1>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を50部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部、nBAを56部、LAを19部、パーブチルOを0.03部、ノフマーMSDを0.05部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とパーブチルO(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(30部)とパーブチルO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を41.1部添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0117】
<比較例2>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を72.6部、nBAを44部、LAを30部、アクリエステルSLを24.5部、MMAを0.5部、4HBAを1部、パーブチルOを0.03部、ノフマーMSDを0.15部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、3.5時間保持した後にYUBASE4(42部)とパーブチルO(0.015部)からなる混合液を2時間かけて滴下した。さらに、85℃で1時間保持した後、YUBASE4(60部)とパーオクタO(0.5部)からなる混合液を1時間かけて滴下した。その後110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4を11.1部添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0118】
<比較例3>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例2で得られたマクロモノマーM1のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、2-メトキシエチルアクリレート(大阪有機化学社製、商品名:2-MTA)(1部)、ルペロックス575(1部)、ノフマーMSD(0.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0119】
<比較例4>
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、YUBASE4を30部、製造例6で得られたマクロモノマーM5のYUBASE4溶液を47.6部加え、攪拌しながら窒素をバブリングして溶存酸素を除いた。液温を85℃に昇温し、YUBASE4(25部)、nBA(56部)、LA(18部)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(1部)、ルペロックス575(0.1部)、ノフマーMSD(0.5部)からなる混合液を4時間かけて滴下した。85℃で1時間保持した後にYUBASE4(50部)とルペロックス575(0.5部)の混合液を1.5時間かけて滴下した。110℃に昇温して1時間保持した後、YUBASE4(58.1部)を添加して冷却し、重合体を35質量%含有するYUBASE4溶液を得た。得られた潤滑油用摩擦低減剤を含む潤滑油組成物の評価結果を表6に示す。
【0120】
比較例1は重合体が(b)成分由来の構成単位を含まないため、摩擦係数が高くなった。また、比較例2は側鎖ポリマー構造を有しないため、摩擦係数が高くなった。比較例3は、重合体が極性基としてアルコキシアルキル基有する構成単位を含むが、(b)成分由来の構成単位を含まないため、比較例1と同様に摩擦係数が高くなった。比較例4は、側鎖ポリマー構造が、(a)成分由来の構成単位を含まないため、摩擦係数が高くなった。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】
【表3】
【0124】
【表4】
【0125】
【表5】
【0126】
【表6】
【0127】
表1~6中の略語は下記の通りである。
・SLMA:アルキル基の炭素数が12であるアルキルメタクリレートと、アルキル基の炭素数が13であるアルキルメタクリレートの混合物(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルSL)
・MMA:メチルメタクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリエステルM)
・SMA:ステアリルメタクリレート(共栄社化学社製、商品名:ライトエステルS)
・EHMA:2-エチルヘキシルメタクリレート(三菱ケミカル株式会社製、商品名「アクリエステルEH」)
・M1:製造例2で合成したマクロモノマー
・M2:製造例3で合成したマクロモノマー
・M3:製造例4で合成したマクロモノマー
・M4:製造例5で合成したマクロモノマー
・M5:製造例6で合成したマクロモノマー
・LA:ラウリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:LA)
・4HBA:4-ヒドロキシブチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:4HBA)
・HEA:ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:HEA)
・GLM:グリセリンモノメタクリレート(日油社製、商品名:ブレンマーGLM)
・AA:アクリル酸(三菱ケミカル社製、商品名:アクリル酸)
・DEAA:ジエチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製、商品名:DEAA)
・PP800:ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日油社製、商品名:ブレンマーPP-800、プロピレンオキシド平均付加モル数:13、末端:ヒドロキシル基)
・KBM503:3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM503)
・アロンDA:ジメチルアミノエチルアクリレート(東亜合成社製、商品名:アロンDA)
・AE-200:ポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシ基の付加モル数:約4.5、日油社製、商品名:ブレンマーAE-200)
・AE-400:ポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシ基の付加モル数:約10、日油社製、商品名:ブレンマーAE-400)
・AP-400:ポリプロピレングリコールモノアクリレート(プロピレンオキシ基の付加モル数:約6、日油社製、商品名:ブレンマーAP-400)
・nBA:n-ブチルアクリレート(三菱ケミカル社製、商品名:アクリル酸ブチル)
・2-MTA:2-メトキシエチルアクリレート(大阪有機化学社製、商品名:2-MTA)
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明の重合体によれば、高い摩擦低減効果を有する潤滑油添加剤、潤滑油用摩擦低減剤、及び潤滑油組成物を提供できる。