(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144618
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ダイシング装置
(51)【国際特許分類】
B24B 27/06 20060101AFI20241003BHJP
B24D 5/00 20060101ALI20241003BHJP
B24D 5/12 20060101ALI20241003BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B24B27/06 M
B24D5/00 T
B24D5/12 Z
H01L21/78 F
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024120262
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2023027476の分割
【原出願日】2016-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000151494
【氏名又は名称】株式会社東京精密
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】岡田 悠仁
(72)【発明者】
【氏名】新井 裕介
(57)【要約】
【課題】ブレードを交換もしくは再利用する際にブレード情報の入力作業に要する手間や時間を削減し、全体のスループットの低下を防止することができるダイシング装置を提供する。
【解決手段】ダイシング装置10は、ブレード12のハブ50に備えられ、ブレード情報を記憶する記憶手段であるRFIDタグ52と、RFIDタグ52に記憶されたブレード情報に基づいてブレード12によるワークの切削加工を制御する制御手段として機能する制御部26と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークと、環状の刃部及び前記刃部を保持するハブにより構成されるブレードとを相対的に移動させながら前記ワークを前記ブレードによって切削加工するダイシング装置であって、
前記ハブに備えられ、ブレード情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記ブレード情報に基づいて、前記ブレードによる前記ワークの切削加工を制御する制御手段と、
を備えるダイシング装置。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶された前記ブレード情報に基づいて、前記ブレードが使用可能であるか否かを判定する判定手段を更に備える、
請求項1に記載のダイシング装置。
【請求項3】
前記記憶手段はRFIDタグである、
請求項1又は2に記載のダイシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイシング装置に係り、特に半導体ウェーハ等のワークと回転するブレードとを相対的に移動させながらワークをブレードによって切削加工するダイシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程では、半導体ウェーハの表面に各種の処理を施して、電子デバイスを有する複数の半導体素子を製造する。半導体素子の各チップは、検査装置によって電気的特性が検査された後、ダイシング装置の高速回転するブレードによってチップ毎に分断される。
【0003】
ブレードは、加工時間の経過とともに摩耗していくため新たなブレードと交換される。また、ワークの種類を変更した際に、そのワークに対応した別の種類のブレードに交換される場合がある。このようにブレードの交換が行われると、交換前後のブレードの形状が異なるため、交換後のブレードの形状等に関するブレード情報をダイシング装置に登録する作業が行われる。ダイシング装置は、登録された交換後のブレード情報に基づいて、ワークに対するブレードの切込み深さ等を制御して、切削加工を継続する。
【0004】
特許文献1には、ブレード交換用の操作画面を利用してブレード交換作業を行うダイシング装置(加工装置)が開示されている。このダイシング装置では、ブレードを交換した際には、表示された操作画面の表示に従い、ブレード情報として、ロットID、新/旧情報、ブレード外径、刃厚、フランジ外径等の情報を入力するようになっている。
【0005】
また、ブレードとしては、ダイヤモンド砥粒やCBN(Cubic Boron Nitride)砥粒をニッケルで電着した電着ブレードが知られており、また、金属粉末を混入した樹脂で結合したメタルレジンボンドのブレード等が知られている。ブレードの大きさは、加工内容によって種々選択されるが、通常の半導体ウェーハをダイシングする場合は、直径φ50~60mm、厚さ30μm前後のものが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたダイシング装置では、ブレードを交換する都度、オペレータが操作画面を利用してブレード情報を入力しなければならず、その入力作業の間、ダイシング装置を停止せざるを得ない。
【0008】
また、ブレードを再利用する場合には、別の検出装置を用いて、最新のブレード情報(ブレード外径や刃厚等)を取得しなければならず、しかも、取得した最新のブレード情報の入力作業も必要となる。
【0009】
このように従来のダイシング装置では、ブレードを交換もしくは再利用する際にブレード情報の入力作業に手間と時間を要するため、全体のスループットが低下してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ブレードの交換もしくは再利用する際にブレード情報の入力作業に要する手間や時間を削減し、全体のスループットの低下を防止することができるダイシング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係るダイシング装置の一態様は、ワークとブレードとを相対的に移動させながらワークをブレードによって切削加工する加工部と、ブレードに備えられたRFIDタグにブレード情報を読み書き可能なリードライト手段と、リードライト手段によって読み取られたブレード情報に基づいて加工部を制御するとともに、加工部による切削加工に伴って作成もしくは更新されたブレード情報をリードライト手段を介してRFIDタグに書き込む制御手段と、を備える。
【0012】
本発明に係るダイシング装置の一態様において、ブレード情報は、少なくともブレードの刃部の外径、刃部の厚さ、及び刃部の突出量のいずれか1つの情報を含む。
【0013】
本発明に係るダイシング装置の一態様において、リードライト手段によって読み取られたブレード情報に基づいて、ブレードが使用可能であるか否かを判定する判定手段を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ブレードを交換もしくは再利用する際にブレード情報の入力作業に要する手間や時間を削減し、全体のスループットの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態のダイシング装置を示した全体斜視図
【
図2】
図1に示したダイシング装置の加工部の構造を示す斜視図
【
図3】(A)はブレードの平面図、(B)はブレードの断面図
【
図4】本実施形態のダイシング装置の構成を示したブロック図
【
図5】RFIDタグに記憶されるブレード情報の一例を示した図
【
図6】本実施形態のダイシング装置の動作の一例を示したフローチャート
【
図7】本実施形態のダイシング装置の動作の他の一例を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
【0017】
まず、本実施形態のダイシング装置10について説明する。
図1は、本実施形態のダイシング装置10を示した全体斜視図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のダイシング装置10は、一対のブレード12、12が対向して配置されたツインスピンドルダイサーと称されるダイシング装置である。このダイシング装置10は、先端部にブレード12が装着された高周波モータ内蔵型の一対のスピンドル14と、ワークである半導体ウェーハWが載置されて半導体ウェーハWを吸着保持するワークテーブル16と、を有する加工部18を備える。この加工部18は、半導体ウェーハWとブレード12とを相対的に移動させながら半導体ウェーハWをブレード12によって切削加工する。
【0019】
また、ダイシング装置10には、加工済みの半導体ウェーハWをスピン洗浄する洗浄部20と、複数枚の半導体ウェーハWを収納したカセットが載置されるロードポート22と、半導体ウェーハWを搬送する搬送装置24と、がそれぞれ所定の位置に配置される。また、ダイシング装置10には、ダイシング装置10の各部材の動作を統括制御する制御部(制御手段)26が内蔵されている。
【0020】
【0021】
図2に示すように、加工部18は、Xテーブル34を備える。Xテーブル34は、Xベース28に設けられたXガイド30、30によってガイドされ、リニアモータ32によって矢印X-Xで示すX方向に駆動される。また、Xテーブル34の上面にはθ方向に回転する回転テーブル36が固定され、この回転テーブル36にワークテーブル16が設けられている。よって、ワークテーブル16は、Xテーブル34によってX方向に移動され、かつ回転テーブル36によってθ方向に回転される。
【0022】
また、加工部18は、Xベース28を跨ぐように門型に構成されたYベース38を備える。Yベース38の壁面には、一対のYテーブル42、42が設けられる。一対のYテーブル42、42は、Yベース38の壁面に固定されたYガイド40、40によってガイドされ、図示しないステッピングモータとボールスクリューとからなる駆動装置によって矢印Y-Yで示すY方向に駆動される。
【0023】
Yテーブル42、42には、それぞれZテーブル44、44が設けられる。Zテーブル44、44は、Yテーブル42に設けられた不図示のZガイドにガイドされ、図示しないステッピングモータとボールスクリューとからなる駆動装置によって矢印Z-Zで示すZ方向に駆動される。Zテーブル44、44にはスピンドル14、14が対向した状態で固定され、スピンドル14、14の先端部に装着されたブレード12、12が対向配置される。
【0024】
上記の加工部18の構成により、ブレード12、12はY方向にインデックス送りされるとともにZ方向に切り込み送りされ、ワークテーブル16はX方向に切削送りされるとともにθ方向に回転される。これらの動作は制御部26(
図1参照)によって制御されるが、特にZ方向の切り込み量は、ブレード12の刃部の突出量に応じて制御されるものなので、ブレード12の交換に伴い新たな刃部の突出量がダイシング装置10の制御部26に必ず入力される。ブレード12の刃部の突出量については後述する。
【0025】
なお、前述のX方向とは水平方向における一つの方向を指し、Y方向とは水平方向においてX方向に直交する方向を指す。また、Z方向とはX方向及びY方向にそれぞれ直交する鉛直方向を指し、θ方向とは鉛直軸を中心軸とする回転方向を指す。
【0026】
図3(A)はブレード12の正面図であり、
図3(B)はブレード12の断面図である。
【0027】
図3(A)及び(B)に示すように、ブレード12は、アルミニウム合金等で製作されたハブ(フランジとも言う。)50の一方の端面の外周縁部に、刃部48が取り付けられて構成される。刃部48は、ダイヤモンド等の砥粒を電鋳することによりハブ50に備えられる。また、ハブ50の中央部には、ダイシング装置10のスピンドル14にブレード12を装着するための装着孔46が備えられている。
【0028】
刃部48は、半導体ウェーハWに対して切り込みされる部分である。刃部48の厚さt(刃厚とも言う。)は少なくとも半導体ウェーハWの厚さより薄く構成される。例えば厚さ100μmの半導体ウェーハWに対して切削加工を行う場合には、刃部48の厚さtは50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。また、刃部48の断面形状としては、均一な厚さを有するストレート形状でもよく、外周に向って厚さが徐々に薄くなるテーパ形状でもよい。
【0029】
ここで、刃部48の外径φ1からハブ50の外径φ2を減算した値を2で除算した値((φ1-φ2)/2)が、前述した刃部48の突出量aである。刃部48の突出量aは、加工時間の経過とともに減少する値であり、また、ブレード12を新たなブレード12と交換する度にダイシング装置10にリセットされる。
【0030】
刃部48の突出量aは、上述したようにZ方向の切り込み量を制御するための大きな要素なので、同一のブレード12での加工中においても、ブレード12の刃先の位置を検出する検出装置によって、刃部の突出量aが間接的に測定され、測定された突出量aがダイシング装置10の制御部26にアップデートされる。また、ブレード12が交換された際にも、その交換後のブレード12の刃部48の突出量aが制御部26にリセットされる。新品のブレード12の場合には、刃部48の突出量aがカタログ値として明記されている。
【0031】
ところで、本実施形態におけるブレード12には、
図3(A)に示すように、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ52が設けられている。このRFIDタグ52は読み書き可能な記憶媒体であり、ブレード12の表面に備えられる。
【0032】
本実施形態のダイシング装置10は、ブレード12に設けられたRFIDタグ52にブレード情報を読み書きするために、以下の構成を備えている。
【0033】
図4は、本実施形態のダイシング装置10のうちブレード12設けられたRFIDタグ52を読み書きするための構成を示したブロック図である。
【0034】
図4に示すように、本実施形態のダイシング装置10は、ブレード12に備えられたRFIDタグ52にブレード情報を読み書きするリーダライタ(リードライト手段)54と、リーダライタ54によって読み取られたブレード情報に基づいて加工部18を制御するとともに、最新のブレード情報をリーダライタ54を介してRFIDタグ52に書き込む制御を行う制御部26とを備える。
【0035】
制御部26は、リーダライタ54によって読み取られたブレード情報を記憶するRAM(Random Access Memory)56を備えている。制御部26は、RAM56に記憶されたブレード情報を参照しながら上述した加工部18の制御を行う。
【0036】
また、RAM56には、加工部18による切削加工に伴って作成または更新されたブレード情報(最新のブレード情報)が記憶されており、後述するように、制御部26は、RAM56に記憶された最新のブレード情報をリーダライタ54によってRFIDタグ52に書き込むようになっている。
【0037】
図5は、RFIDタグ52に記憶されるブレード情報の一例を示した図である。
【0038】
図5に示すように、RFIDタグ52に記憶されるブレード情報には、少なくともブレード12の刃部48の外径φ1、厚さt、突出量aが含まれる。また、これらの他に、ブレード12の砥粒の種類、砥粒の粒度(番手)、集中度(含有率)、及び結合剤の種類なども含まれる場合がある。ブレード情報は、カタログ値でもよく、ブレード12の製造後に実測した詳細な情報でもよい。
【0039】
次に、本実施形態のダイシング装置10の動作について説明する。
【0040】
図6は、本実施形態のダイシング装置10の動作の一例を示したフローチャートである
。
【0041】
図6に示すように、ダイシング装置10では、ブレード12がスピンドル14に装着される前、又はブレード12がスピンドル14に装着された後に、RFIDタグ52に記憶されたブレード情報がリーダライタ54によって読み取られる(ステップS100)。このとき、リーダライタ54によって読み取られたブレード情報は制御部26のRAM56に記憶される。
【0042】
次に、制御部26は、リーダライタ54によって読み取られたブレード情報(具体的には、RAM56に記憶されたブレード情報)に基づいて加工部18を制御する(ステップS110)。
【0043】
制御部26による加工部18の具体的な制御は、加工部18をY方向又はZ方向に駆動する際に、RFIDタグ52から読み取ったブレード情報、すなわち、刃部外径φ1、刃部厚さt、刃部突出量aを主として参照し、Y方向又はZ方向の移動量を調整する。これにより、そのブレード12に特化した切削加工が可能となる。
【0044】
次に、制御部26は、加工部18による加工終了時又は加工途中時において、リーダライタ54を制御してRFIDタグ52に最新のブレード情報を書き込む(ステップS120)。RFIDタグ52に書き込んだブレード情報は、ブレード12を再使用する際にリーダライタ54に再度読み取られ、読み取った情報に基づいて制御部26が加工部18を制御する。
【0045】
ステップS120において、RFIDタグ52に書き込むブレード情報としては、上述したように、ブレード12の形状に関する情報の他に、ブレード12の使用過程の履歴情報(使用時間、使用されたダイシング装置を特定する識別記号、ダイシング装置のエラー情報)等が含まれる。ブレード12の形状に関する情報は、ブレード12をスピンドル14から取り外す際に、又は加工部18による加工終了時に、リーダライタ54からRFIDタグ52に書き込まれる。例えば、ダイシング装置10にブレード12の刃先の位置を検出する検出装置が具備されている場合には、その検出装置の検出結果から刃部48の外径φ1や突出量aが算出され、最新のブレード情報としてRFIDタグ52に書き込まれる。これにより、ブレード12のRFIDタグ52には最新の外径φ1や突出量aが随時更新されて書き込まれる。また、加工終了毎の外径φ1や突出量aの履歴を残しながらブレード12のRFIDタグ52に書き込むようにしてもよい。これにより、ブレード12の交換回数と1回の使用によるブレード12の摩耗量等を把握することができ、これらの情報をブレード12のメンテナンス等に活用することが可能となる。
【0046】
本実施形態のダイシング装置10では、ブレード12のRFID52には最新のブレード情報が記憶されるようになっているので、別の検出装置を用いることなく、リーダライタ54によって読み取ったブレード情報に基づいてブレード12が使用可能か否かを瞬時に判断することが可能となっている。
【0047】
図7は、本実施形態のダイシング装置10の動作の他の一例を示したフローチャートであり、リーダライタ54によって読み取られたブレード情報に基づいてブレード12が使用可能か否か判断する処理を示したものである。なお、ダイシング装置10には、ブレード12が使用可能か否かを判定する基準値(閾値)として刃部48の突出量aの最小値(最小突出量)が予め設定されているものとする。刃部48の突出量aの最小値はユーザが入力部(不図示)を介して設定できるようにしてもよい。
【0048】
図7に示すように、まず、ブレード12がスピンドル14に装着される前、又はブレード12がスピンドル14に装着された後に、RFIDタグ52に記憶されたブレード情報がリーダライタ54によって読み取られる(ステップS200)。このとき、リーダライタ54によって読み取られたブレード情報は制御部26のRAM56に記憶される。
【0049】
次に、制御部26は、本発明の判定手段として機能し、リーダライタ54によって読み取れたブレード情報に含まれる刃部48の突出量(現突出量)aと上述した最小突出量とを比較を比較し、現突出量aが最小突出量よりも大きいか否かを判定する(S210)。
【0050】
ステップS210において、制御部26は、現突出量aが最小突出量よりも大きいと判定した場合にはブレード12は使用可能と判断する(ステップS220)。この場合には、加工部18による加工は実施可能な状態に設定される。一方、現突出量aが最小突出量よりも小さい(あるいは最小突出量以下)と判定した場合にはブレード12は使用不可と判断する(ステップS230)。この場合には、加工部18による加工は実施不可能な状態に設定され、ブレード12の交換が必要である旨のメッセージがモニタ(不図示)に表示される。
【0051】
以上により、フローチャートに示した処理が終了する。
【0052】
このように本実施形態のダイシング装置10によれば、ブレード12にはRFIDタグ52が設けられ、RFIDタグ52に記憶されたブレード情報(刃部48の外径φ1、厚さt、突出量a等)が自動的に読み取られ、その読み取ったブレード情報に基づいて加工が行われる。また、ブレード12のRFIDタグ52には最新のブレード情報が書き込まれるようになっているので、ブレード12が中古ブレードとして再利用される際にも最新のブレード情報を改めて取得する必要がなくなる。したがって、ブレード12を交換もしくは再利用する際にブレード情報の入力作業に要する手間や時間を削減することができ、ブレード12の交換に起因するスループットの低下を防止することができる。その結果、ダイシング装置10の稼働時間を増やすことができ、全体のスループットを向上させることが可能となる。
【0053】
また、本実施形態のダイシング装置10では、ブレード12のRFID52には最新のブレード情報が記憶されるようになっているので、別の検出装置を用いることなく、リーダライタ54によって読み取ったブレード情報に基づいてブレード12が使用可能か否かを瞬時に判断することが可能となる。すなわち、ダイシング装置10においてブレード12が使用可能か否かの判定が自動的に実施されるので、ユーザの確認作業の負担を軽減することができる。
【0054】
また、本実施形態のダイシング装置10では、ブレード12には読み書き可能な記憶媒体としてRFIDタグ52が設けられるので、ブレード情報として、刃部48の外径φ1、厚さt、突出量aなどの他に、使用過程の履歴情報(使用時間、使用されたダイシング装置を特定する識別記号、ダイシング装置の不具合情報)をRFIDタグ52に書き込むことができる。
【0055】
また、RFIDタグ52にはリーダライタ54によって非接触でブレード情報を読み書きすることができるので、切削水、冷却水、切削粉が飛散する環境下においてもブレード情報の読み書きが可能である。
【符号の説明】
【0056】
W…ワーク、10…ダイシング装置、12…ブレード、14…スピンドル、16…ワークテーブル、18…加工部、20…洗浄部、22…ロードポート、24…搬送装置、26…制御部、28…Xベース、30…Xガイド、32…リニアモータ、34…Xテーブル、36…回転テーブル、38…Yベース、40…Yガイド、42…Yテーブル、44…Zテーブル、46…装着孔、48…刃部、50…ハブ、52…RFIDタグ、54…リーダライタ、56…RAM