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特開2024-144806状態検知システムおよび状態検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144806
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】状態検知システムおよび状態検知方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/389 20190101AFI20241004BHJP
   G01R 31/382 20190101ALI20241004BHJP
   G01R 31/385 20190101ALI20241004BHJP
   G01R 31/00 20060101ALI20241004BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
G01R31/389
G01R31/382
G01R31/385
G01R31/00
H01M10/48 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056927
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】光山 泰司
【テーマコード(参考)】
2G036
2G216
5H030
【Fターム(参考)】
2G036AA03
2G036BB08
2G216AB01
2G216BA01
2G216BA51
2G216BA53
2G216BA58
2G216BA59
5H030AA01
5H030AS08
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
【課題】バッテリの正確な抵抗を測定することができる状態検知システムおよび状態検知方法を提供する。
【解決手段】状態検知システムは、複数の負荷における少なくとも1つ以上の動作時におけるリップル電流値およびリップル電圧値を取得する取得部151と、リップル電流値およびリップル電圧値に基づいて、リップル抵抗値を算出する算出部152と、動作した負荷6、リップル電流値およびリップル電圧値に基づいて、バッテリ2と負荷6とを電気的に接続するハーネスのハーネス抵抗値を特定する特定部153と、リップル抵抗値からハーネス抵抗値を減算したバッテリ2の内部抵抗値をバッテリ2の状態と推定する推定部154と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の負荷それぞれに電力を放電する充放電可能なバッテリの状態を検知する状態検知センサを備える状態検知システムであって、
前記複数の負荷における少なくとも1つ以上の動作時におけるリップル電流値およびリップル電圧値を取得する取得部と、
前記リップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、リップル抵抗値を算出する算出部と、
動作した前記負荷、前記リップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、前記バッテリと前記負荷とを電気的に接続するハーネスのハーネス抵抗値を特定する特定部と、
前記リップル抵抗値から前記ハーネス抵抗値を減算した前記バッテリの内部抵抗値を前記バッテリの状態と推定する推定部と、
を備える、
状態検知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の状態検知システムであって、
前記特定部は、
前記リップル電圧値、前記リップル電流値および前記リップル抵抗値に基づいて、前記複数の負荷の中から動作した前記負荷を特定し、該動作した前記負荷の内部抵抗を用いて前記ハーネス抵抗値を特定する、
状態検知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の状態検知システムであって、
前記取得部は、
前記リップル電流値および前記リップル電圧値を取得して記憶部に格納し、
前記算出部は、
前記記憶部に格納された前記リップル電流値の積算値および前記リップル電圧値の積算値に基づいて、前記リップル抵抗値を算出して前記記憶部に格納し、
前記特定部は、
前記記憶部に格納された前記リップル電圧値、前記リップル電流値および前記リップル抵抗値に基づくヒストグラムを用いて、前記複数の負荷の中から動作した前記負荷を特定する、
状態検知システム。
【請求項4】
請求項1に記載の状態検知システムであって、
前記推定部は、
前記バッテリの内部抵抗値に対して、前記バッテリのSOCおよび前記バッテリの温度の少なくとも一方に基づく補正値を乗じることによって前記バッテリの状態を推定する、
状態検知システム。
【請求項5】
複数の負荷それぞれに電力を放電する充放電可能なバッテリの状態を検知する状態検知センサを備える状態検知システムが実行する状態検知方法であって、
前記複数の負荷における少なくとも1つ以上の動作時におけるリップル電流値およびリップル電圧値を取得する取得ステップと、
前記リップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、リップル抵抗値を算出する算出ステップと、
動作した前記負荷、前記リップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、前記バッテリと前記負荷とを電気的に接続するハーネスのハーネス抵抗値を特定する特定ステップと、
前記リップル抵抗値から前記ハーネス抵抗値を減算した前記バッテリの内部抵抗値を前記バッテリの状態と推定する推定ステップと、
を含む、
状態検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、状態検知システムおよび状態検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたバッテリの状態を検出するバッテリ状態監視表示装置として、バッテリ供給ラインに存在するリップル電圧を基準としてバッテリの状態を推定する技術が知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-98008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1では、バッテリが負荷に応じて充放電する場合、負荷の種類に応じてバッテリから負荷までのハーネスのハーネス抵抗値が異なることで、バッテリの正確な抵抗を測定することが難しかった。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、バッテリの正確な抵抗を測定することができる状態検知システムおよび状態検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る状態検知システムは、複数の負荷それぞれに電力を放電する充放電可能なバッテリの状態を検知する状態検知センサを備える状態検知システムであって、前記複数の負荷における少なくとも1つ以上の動作時におけるリップル電流値およびリップル電圧値を取得する取得部と、前記リップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、リップル抵抗値を算出する算出部と、動作した前記負荷、前記リップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、前記バッテリと前記負荷とを電気的に接続するハーネスのハーネス抵抗値を特定する特定部と、前記リップル抵抗値から前記ハーネス抵抗値を減算した前記バッテリの内部抵抗値を前記バッテリの状態と推定する推定部と、を備える。
【0007】
また、本開示に係る状態検知システムは、上記開示において、前記特定部は、前記リップル電圧値、前記リップル電流値および前記リップル抵抗値に基づいて、前記複数の負荷の中から動作した前記負荷を特定し、特定した動作した前記負荷の内部抵抗を用いて前記ハーネス抵抗値を特定する。
【0008】
また、本開示に係る状態検知システムは、上記開示において、前記取得部は、前記リップル電流値および前記リップル電圧値を取得して記憶部に格納し、前記算出部は、前記記憶部に格納された前記リップル電流値の積算値および前記リップル電圧値の積算値に基づいて、前記リップル抵抗値を算出して前記記憶部に格納し、前記特定部は、前記記憶部に格納された前記リップル電圧値、前記リップル電流値および前記リップル抵抗値に基づくヒストグラムを用いて、前記複数の負荷の中から動作した前記負荷を特定する。
【0009】
また、本開示に係る状態検知システムは、上記開示において、前記推定部は、前記バッテリの内部抵抗値に対して、前記バッテリのSOCおよび前記バッテリの温度の少なくとも一方に基づく補正値を乗じることによって前記バッテリの状態を推定する。
【0010】
また、本開示に係る状態検知方法は、上記開示において、複数の負荷それぞれに電力を放電する充放電可能なバッテリの状態を検知する状態検知センサを備える状態検知システムが実行する状態検知方法であって、前記複数の負荷における少なくとも1つ以上の動作時におけるリップル電流値およびリップル電圧値を取得する取得ステップと、前記リップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、リップル抵抗値を算出する算出ステップと、動作した前記負荷、前記リップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、前記バッテリと前記負荷とを電気的に接続するハーネスのハーネス抵抗値を特定する特定ステップと、前記リップル抵抗値から前記ハーネス抵抗値を減算した前記バッテリの内部抵抗値を前記バッテリの状態と推定する推定ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、バッテリの正確な抵抗を測定することができるバッテリ状態検知システムおよび状態検知方法を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の一実施の形態に係る車両の電源系統を含む模式図である。
図2図2は、本開示の一実施の形態に係る状態検知センサが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図3図3は、本開示の一実施の形態に係る状態検知装置の取得部が電圧センサおよび電流センサそれぞれから取得する電圧値および電流値の時間変化を示す図である。
図4図4は、リップル抵抗値Riの測定精度を示す図である。
図5図5は、リップル抵抗値Riの測定精度を示す図である。
図6図6は、本開示の一実施の形態に係る状態検知装置の特定部が特定する複数の負荷のうち動作した負荷の特定方法を模式的に示す3次元ヒストグラムの一例を示す図である。
図7図7は、本開示の一実施の形態に係る状態検知装置の特定部が特定する複数の負荷のうち動作した負荷の特定方法を模式的に示す3次元ヒストグラムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態に係る状態検知システムを備える車両について説明する。なお、以下に説明する実施の形態により、この発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には、適宜同一の符号を付し、重複説明を適宜省略する。また、図面は、模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0014】
(一実施の形態)
〔車両の機能構成〕
図1は、本開示の一実施の形態に係る車両の電源系統を含む模式図である。図1に示す車両1は、ICE(Internal Combustion Engine)を備える車両、HEV(Hybrid Electric Vehicle)および電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)等である。車両1は、バッテリ2と、オルタネータ3と、エンジン4と、スタータモータ5と、負荷6と、ECU(Electronic Control Unit)7と、イグニッションスイッチ8と、状態検知センサ9と、を備える。
【0015】
バッテリ2は、電解液を有する充電可能な電池を用いて構成される。例えば、バッテリ2は、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池またはニッケル水素電池等の二次電池を用いて構成される。バッテリ2は、オルタネータ3によって充電され、スタータモータ5を駆動するとともに、負荷6へ電力を供給する。
【0016】
オルタネータ3は、エンジン4によって駆動されて交流電力を発生し、この発生した交流電力を整流回路によって直流電力に変換してバッテリ2を充電する。
【0017】
エンジン4は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン等のレシプロエンジンまたはロータリーエンジン等によって構成される。エンジン4は、スタータモータ5によって始動され、トランスミッションを介して駆動輪を駆動し、車両1に推進力を与えるとともに、オルタネータ3を駆動する。
【0018】
スタータモータ5は、直流電動機によって構成される。スタータモータ5は、バッテリ2から供給される電力によって回転力を発生し、エンジン4を始動する。
【0019】
負荷6は、電動ステアリングモータ、デフォッガ、シートヒータ、イグニッションコイル、コンプレッサー、ブロワ、DCDCコンバータ、カーオーディオおよびカーナビゲーション等によって構成される。負荷6は、バッテリ2から放電される電力によって動作する。なお、一実施の形態では、負荷6に、オルタネータ3、スタータモータ5を含めてもよいが、詳細な説明を行うため、負荷6からオルタネータ3およびスタータモータ5を別体にして表現して説明する。
【0020】
ECU7は、車両1の駆動系の主要な制御を司る上位の制御装置であり、車両1を構成する各部を制御する。ECU7は、メモリとプロセッサを用いて構成される。そのプロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアからなる。また、メモリは、主記憶装置であって、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)からなる。ECU7は、プログラムをメモリ(主記憶装置)の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部などを制御することにより、所定の目的に合致した機能を実現する。具体的には、ECU7は、イグニッションスイッチからのオン信号に従って、車両1を構成する各部を駆動する。
【0021】
イグニッションスイッチ8は、エンジン4の始動または停止を指示する指示信号の入力を受け付け、この受け付けた指示信号をECU7へ出力する。
【0022】
状態検知センサ9は、バッテリ2の状態を検出し、この検知結果をECU7へ出力する。状態検知センサ9は、放電回路10と、電圧センサ11と、電流センサ12と、温度センサ13と、状態検知装置14と、を備える。なお、一実施の形態では、状態検知センサ9が状態検知システムとして機能する。
【0023】
放電回路10は、バッテリ2の状態を検知するために用いられる回路である。放電回路10は、例えば、半導体スイッチと抵抗素子とが直列接続されて構成された回路であり、状態検知装置14からの制御に応じて半導体スイッチをオン/オフすることで所定の(例えば矩形波状の)パターンでバッテリ2を放電させる。所定のパターンは、例えば放電を所定回数行うパターンも含む。
【0024】
電圧センサ11は、バッテリ2の端子電圧を測定し、この測定した電圧を示す信号を状態検知装置14へ出力する。
【0025】
電流センサ12は、バッテリ2の充電電流および放電電流それぞれを測定し、この測定した電流を示す信号を状態検知装置14へ出力する。
【0026】
温度センサ13は、バッテリ2の電解液またはバッテリ2の周囲の温度を測定し、この測定した温度を示す信号を状態検知装置14へ出力する。
【0027】
状態検知装置14は、バッテリ2が放電時に、電圧センサ11、電流センサ12および温度センサ13それぞれから出力される信号を取得し、これらの取得した信号に基づいてバッテリ2の状態を検知する。状態検知装置14は、バッテリ2の状態を検知した検知結果をECU7へ出力する。なお、実施の形態1では、状態検知装置14、電圧センサ11、電流センサ12、温度センサ13を別々の構成としているが、これに限定されることなく、これらの一部または全てをまとめた構成を状態検知装置として構成してもよい。また、状態検知装置14は、制御部15と、通信インターフェース16と、記憶部17と、を備える。
【0028】
制御部15は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはDSP(Digital Signal Processor)等のハードウェアからなる。制御部15は、取得部151と、算出部152と、特定部153と、推定部154と、を有する。
【0029】
取得部151は、電圧センサ11が検出するリップル電圧値および電流センサ12が検出するリップル電流値を所定時間間隔、例えば1ms間隔で取得する。
【0030】
算出部152は、取得部151が取得したリップル電流値および前記リップル電圧値に基づいて、リップル抵抗値を算出する。
【0031】
特定部153は、動作した負荷6、リップル電流値およびリップル電圧値に基づいて、バッテリ2と負荷6とを電気的に接続するハーネスのハーネス抵抗値を特定する。さらに、特定部153は、リップル電圧値、リップル電流値およびリップル抵抗値に基づいて、複数の負荷6の中から動作した負荷6を特定し、特定した動作した負荷6の内部抵抗を用いてハーネス抵抗値を特定する。
【0032】
推定部154は、算出部152が算出したリップル抵抗値から特定部153が特定した動作した負荷6のハーネス抵抗値を減算したバッテリ2の内部抵抗値をバッテリ2の状態と推定する。
【0033】
通信インターフェース16は、ECU7から入力される信号を制御部15へ出力するとともに、制御部15から出力された信号をECU7へ出力する。通信インターフェース16は、例えばLIN(Local Interconnect Network)通信可能な通信モジュールを用いて構成される。
【0034】
記憶部17は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等を用いて構成され、各種情報を記憶する。記憶部17は、車両1における負荷6に関する各種設計情報、例えばバッテリ2から負荷6までのハーネス抵抗値およびハーネスの電流経路長を記憶する。
【0035】
〔状態検知センサの処理〕
次に、状態検知センサ9が実行する処理について説明する。図2は、状態検知センサ9が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0036】
図2に示すように、取得部151は、イグニッションスイッチ8がオン状態の後に、電圧センサ11が検出する電圧値(リップル電圧値)および電流センサ12が検出する電流値(リップル電流値)を取得する(ステップS1)。
【0037】
図3は、取得部151が電圧センサ11および電流センサ12それぞれから取得する電圧値および電流値の時間変化を示す図である。図3において、折れ線L1が電圧値の時間変化を示し、折れ線L2が電流値を示す。
【0038】
図3の折れ線L1および折れ線L2に示すように、取得部151は、所定のタイミング毎に電圧センサ11および電流センサ12それぞれから電圧値および電流値を取得する。具体的には、取得部151は、1ms間隔で電圧センサ11および電流センサ12それぞれから電圧値および電流値を取得する。この場合、取得部151は、電圧センサ11および電流センサ12それぞれから順次取得した電圧値ΔVおよび電流値ΔIを記憶部17に格納する。
【0039】
図2に戻り、ステップS2以降の説明を続ける。
算出部152は、取得部151が電圧センサ11および電流センサ12それぞれから取得した電圧値および電流値に基づいて、バッテリ2のリップル抵抗値を算出する(ステップS2)。具体的には、算出部152は、取得部151が記憶部17に所定のタイミング毎に取得した電圧値ΔVおよび電流値ΔIそれぞれのΔV積算値およびΔI積算値に基づいて、リップル抵抗値Riを算出する。
【0040】
ここで、リップル抵抗値の算出方法について説明する。リップル抵抗値の算出方法は、周知の技術を用いて算出される。例えば、リップル抵抗値の算出方法の一例としては、算出部152は、1ms毎にΔV×ΔI、ΔI×ΔIを算出し、下記の式(1)でリップル抵抗値Riを算出する。
リップル抵抗値Ri=(ΔV1×ΔI1+ΔV2×ΔI2+・・+ΔVn×ΔIn)/
(ΔI1×ΔI1+ΔI2×ΔI2+・・+ΔIn×ΔIn)
・・・(1)
なお、nは、1以上の自然数(n=1、2、3)。
分母でΔIの2乗とする理由は、値が0となることを防止するためである。分子でΔV×ΔIとする理由は、値が0となることを防止するためである。なお、ΔVおよびΔIの正負は、基本的に同じである。
【0041】
また、リップル抵抗値Riは、バッテリ2と負荷6との2点間に流れる電流経路の抵抗値である。即ち、リップル抵抗値Riの中には、バッテリ2の内部抵抗のみでなく、バッテリ2と負荷6とを接続するハーネスのハーネス抵抗値および接続部分の接続抵抗等も含まれる。さらに、電流経路は、動作する負荷6、種類および数によって異なる。この結果、リップル抵抗値Riの成分は、動作する負荷6によって異なる。
【0042】
図4は、リップル抵抗値Riの測定精度を示す図である。図5は、リップル抵抗値Riの測定精度を示す図である。図4および図5において、左縦軸が電流[A]を示し、右縦軸が電圧[V]または内部抵抗[mΩ]を示す。
【0043】
図4に示すように、エンジン4のクランキング直後は、リップル抵抗値Riが小さい。さらに、図4の領域D1,D2に示すように、バッテリ2の充電時のリップル抵抗値Riと放電時のリップル抵抗値Riとの差は、例えば約1mΩの差が生じる。
【0044】
また、図5の領域D3に示すように、エンジン4のクランキング直後は、リップル抵抗値Riが小さい。この理由は、エンジン4のクランキング時に算出部152によって算出されたリップル抵抗値Riがスタータモータ5の始動時による電流値および電流値の変化量を含み、ハーネス抵抗値が上乗せされていない状態であるためである。このため、算出部152は、リップル抵抗値Riを低めに算出することが推定される。具体的には、図5の領域D3に示すように、リップル抵抗値Riは、スタータモータ5の始動時の値と、エンジン4のクランキング直後の値とが近い値となる。そして、図5の領域D4に示すように、エンジン4のクランキング後に、所定の時間経過後のリップル抵抗値Riは、所定の値となる。この理由は、車両1のリップル抵抗値Riに、ハーネス抵抗が上乗せされるためである。
【0045】
より具体的には、図5の領域D3および領域D4に示すように、リップル抵抗値Riは、エンジン4のクランキング直後の値が例えば約6~7mΩであり、クランキング後、時間が経過した後等は、例えば約11~12mΩの値となる。このようにリップル抵抗値Riには、動作する負荷6によって、ハーネス抵抗に当たる抵抗値がバッテリ2の抵抗値に上乗せされた値となる。このため、リップル抵抗値Riに上乗せされるハーネス抵抗が約5mΩと推定することができる。また、リップル抵抗値Riは、上述した方法によって算出される。例えば、リップル抵抗値Riは、負荷6等の動作により発生した電流値および電圧値それぞれの変化量から算出することができるが、負荷6が動作している場合、その値にハーネス(上述した図1のハーネスR1参照)のハーネス抵抗値が含まれ、オルタネータ3が動作した場合、その値にオルタネータ3とバッテリ2とを電気的に接続するハーネス(上述した図1のハーネスR2を参照)のハーネス抵抗値が含まれる。
【0046】
この場合、算出部152は、バッテリ2の充電時にオルタネータ3により発生した電流値および電圧値の変化量からリップル抵抗値Riを算出する。この結果、リップル抵抗値Riには、大きめのハーネス抵抗値が上乗せされた状態で算出される。これに対して、算出部152は、バッテリ2の放電時に負荷6により発生した電流値および電圧値の変化量からリップル抵抗値Riを算出する。この結果、リップル抵抗値Riには、ハーネス抵抗値が小さくなった状態で算出される。
【0047】
このように、エンジン4のクランキング直後は、ハーネス抵抗の影響を受けないため、スタータモータ5のリップル抵抗値Riの測定値に近い値を取得することができる。さらに、スタータモータ5の始動完了後は、ハーネス抵抗がリップル抵抗値Riに上乗せされた状態のため、リップル抵抗値Riが上昇する。
【0048】
図2に戻り、ステップS3以降の説明を続ける。
特定部153は、リップル抵抗値Riに基づいて、複数の負荷6のうち動作した負荷6を特定することによってハーネス抵抗値を特定する(ステップS3)。具体的には、特定部153は、上述した図4および図5のリップル抵抗値Riの特性を用いて、複数の負荷6の中から動作した負荷6を特定し、この特定した負荷6に応じてハーネス抵抗を特定する。
【0049】
まず、特定部153は、リップル抵抗値Ri、電流値および抵抗値の頻度に基づく2次元または3次元のヒストグラムに基づいて、複数の負荷6の中から動作した負荷6を特定する。例えば、特定部153は、リップル抵抗値Riに電流値を乗じる値と頻度に基づくヒストグラムに基づいて、動作している負荷6を特定する。
【0050】
そして、特定部153は、負荷6動作時のリップル抵抗値Riと、特定した動作している負荷6の種別と、予め記憶部17に記録された車両設計情報から動作している充電側の負荷6と、動作している放電側の負荷6の内部抵抗および既知のハーネス抵抗値のいずれかを用いてハーネス抵抗の抵抗値を特定する。
【0051】
図6は、特定部153が特定する複数の負荷6のうち動作した負荷6の特定方法を模式的に示す3次元ヒストグラムの一例を示す図である。図7は、特定部153が特定する複数の負荷6のうち動作した負荷の特定方法を模式的に示す3次元ヒストグラムの一例を示す図である。図6において、2次元における横軸が内部抵抗[Ω]を示し、縦軸がバッテリ電流[A]を示し、3次元における垂直方向の軸が頻度を示す。また、図7において、2次元における横軸が測定電圧[V]を示し、縦軸がバッテリ電流[A]を示し、3次元における垂直方向の軸が頻度を示す。
【0052】
図6および図7に示すヒストグラムの用途は、二つとなる。一つ目は、複数の負荷6の中から動作している負荷6を特定するためである。例えば、電流値X~Y[A]であり、電圧値がX~Z[V]の頻度が高い場合、特定部153は、接続されている複数の負荷6のうち、負荷Aが動作していると特定することができる。なお、予め想定する負荷6の種類が少ないことが分かっている場合、特定部153は、電流値または電圧値のみの頻度から動作している負荷6を特定してもよい。
【0053】
二つ目は、図6のヒストグラムの頂点を抽出することによって、精度の高いリップル抵抗値Riを特定するためである。特定部153は、正確なリップル抵抗値Riを特定することによって、ハーネス抵抗値補正後のバッテリ2の抵抗値を正確な値として特定することができる。
【0054】
ヒストグラムの頂点(ピーク)の特定によってリップル抵抗値Riを用いる場合、記憶部17のメモリ容量の節約のため、頂点(ピーク)の値は、ヒストグラムの区間の中央の値となる。このため、区間の取り方が粗い場合、得られるリップル抵抗値Riの精度は、低下することが考えられる。この精度の低下を防止するため、上述した算出部152は、記憶部17のメモリ容量の制約がある場合、各度数(頻度)のインクリメント時に各区間に当たるリップル抵抗値Riの積算値を保持し、下記の式(2),(3)を用いて算出する。これにより、算出部152は、リップル抵抗値Riの精度を向上した値を算出することができる。
リップル抵抗値Riの積算値=リップル抵抗値Riの積算値
+区間中の最新のリップル抵抗値Ri ・・・(2)
リップル抵抗値Ri=リップル抵抗値Riの積算値/度数(頻度) ・・・(3)
【0055】
なお、記憶部17のメモリ容量に制約がない場合、算出部152の算出によって得られたヒストグラムの度数(頻度)毎に値を保存し平均してもよい。これにより、リップル抵抗値Riの精度を向上した値を算出することができる。もちろん、ヒストグラムの頂点(ピーク)を用いて区間の取り方を細かくすることによって、リップル抵抗値Riの精度を向上することができる。この場合、度数分布表中の度数の数が少なくなるため、頂点(ピーク)の度数(頻度)の数が十分貯まるまで算出(計算)すればよい。
【0056】
そして、特定部153は、車両1の種別と、上述したヒストグラムで特定したリップル抵抗値Riと、特定した動作した負荷6の抵抗値と、に基づいて、式(4)または式(5)を用いて、ハーネス抵抗値を特定する。具体的には、特定部153は、車両1の種別がICEの場合において、負荷6がスタータモータ5のとき、以下の式(4)によってハーネス抵抗値を算出する。
ハーネス抵抗値=負荷動作時のリップル抵抗値Ri-スタータモータ5始動時の抵抗値
・・・(4)
【0057】
また、特定部153は、車両1の種別がHEVの場合において、負荷6が放電回路10のとき、以下の式(5)によってハーネス抵抗値を算出する。
ハーネス抵抗値=負荷動作時のリップル抵抗値Ri-放電回路10によるパルス放電時
の内部抵抗+既知のハーネス抵抗値
・・・(5)
【0058】
ここで、負荷6の内部抵抗の種類としては、スタータモータ5の始動時内部抵抗、放電回路10によるパルス放電時の内部抵抗、放電回路10によるパルス放電時のハーネス抵抗、負荷6の動作時におけるリップル抵抗値Riが挙げられる。もちろん、特定部153は、これ以外にも、内部抵抗値の特定に、電流値、電圧値、イグニッションスイッチ8のオンオフ情報、温度センサ13が検出する温度、バッテリ2のSOC(State of Charge)および温度依存係数等を用いて特定してもよい。具体的には、リップル抵抗値Riは、負荷6動作中のハーネス温度、バッテリ2の温度、バッテリ2のSOC、負荷6の動作状態によって細かく変動する。このため、特定部153は、ヒストグラムの頂点を抽出することによって、正確なリップル抵抗値Riを特定することができる。
【0059】
なお、特定部153は、ハーネス抵抗値に対して、温度に応じた補正値を乗じることによって、リップル抵抗値Riの計算期間中の温度変動を考慮し、温度変化を加味したハーネス抵抗値を算出してもよい。
【0060】
また、図6および図7では、特定部153がヒストグラムの頂点を抽出することによって、正確なリップル抵抗値Riを特定していたが、これに限定されることなく、種々の方法を用いてリップル抵抗値Riを特定することができる。例えば、特定部153は、ばらつきのあるリップル抵抗値Riの平均値を算出することによってリップル抵抗値Riを特定し、このリップル抵抗値Riに基づいて、複数の負荷6のうち動作した負荷6を特定することによってハーネス抵抗値を特定してもよい。具体的には、特定部153は、予め記憶部17に記録された車両設計情報から想定される電圧値および電流値の領域内でのリップル抵抗値Riの平均値を算出し、この算出した平均値のリップル抵抗値Riに基づいて、複数の負荷6のうち動作した負荷6を特定することによってハーネス抵抗値を特定してもよい。もちろん、特定部153は、ヒストグラムの頂点と、予め記憶部17に記録された車両設計情報から想定される電圧値および電流値の領域内でのリップル抵抗値Riの平均値と、を組み合わせて複数の負荷6のうち動作した負荷6を特定することによってハーネス抵抗値を特定してもよい。
【0061】
図2に戻り、ステップS4以降の説明を続ける。
推定部154は、リップル抵抗値Riからハーネス抵抗値を減算することによって算出したバッテリ2の内部抵抗をバッテリ2の状態として推定する(ステップS4)。具体的には、推定部154は、算出部152が算出したリップル抵抗値Riと、特定部153が特定したハーネス抵抗値と、に基づいて、バッテリ2の内部抵抗値を算出する。例えば、推定部154は、以下の式(6)によってバッテリ2の内部抵抗値を算出し、この算出した内部抵抗値をバッテリ2の状態として推定する。
バッテリ2の抵抗値=負荷動作時のリップル抵抗値Ri-ハーネス抵抗値・・・(6)
【0062】
このように、推定部154は、複数の負荷6それぞれの動作時に生じるハーネス抵抗値の変動を加味することによって正確なバッテリ2の内部抵抗値を算出することができるので、正確なバッテリ2の抵抗値を推定することができる。なお、推定部154は、バッテリ2の内部抵抗値に対して、温度センサ13から入力されるバッテリ2の周囲の温度またはバッテリ2の電解液の温度、および、電圧センサ11から入力される電圧値と電流センサ12から入力される電流値とによって推定されるバッテリ2のSOCの少なくとも一方に基づく依存性を反映した補正値を乗じることによってバッテリ2の内部抵抗値を補正してもよい。これにより、バッテリ2の温度変動とバッテリ2のSOC変動を加味したバッテリ2の内部抵抗値を算出することができる。ステップS4の後、状態検知センサ9は、本処理を終了する。
【0063】
ここで、3種類の負荷6、例えば負荷A、負荷Bおよび負荷Cそれぞれが動いているときの場合について説明する。この場合、負荷A、負荷Bおよび負荷Cそれぞれとバッテリ2とを電気的に接続するハーネスの電流経路の長さは、各電流経路の太さを同じとし、接続抵抗を0とした場合、電流経路A<電流経路B<電流経路Cとなる。さらに、電圧の測定点は、GNDと負荷Cの電流経路Cよりも長い(GNDよりも遠い)ところの位置の2点を状態検知センサ9によって測定した場合、リップル抵抗値Riの算出によって得られるハーネス抵抗値は、ハーネス抵抗値Ra<ハーネス抵抗値Rb<ハーネス抵抗値Rcとなる。このとき、負荷Cと負荷Bとの間のハーネス抵抗値は、式(7)によって算出することができる。
負荷Cと負荷Bとの間のハーネス抵抗値=ハーネス抵抗値Rc-ハーネス抵抗値Rb
・・・(7)
また、負荷Bと負荷Aとの間のハーネス抵抗値は、式(8)によって算出することができる。
負荷Bと負荷Aとの間のハーネス抵抗値=ハーネス抵抗値Rb-ハーネス抵抗値Ra
・・・(8)
【0064】
さらに、特定部153は、負荷A、負荷Bおよび負荷Cそれぞれを特定するため、記憶部17が記憶する車両1の事前情報、例えば各負荷6の設計情報が必要となり、上記ハーネス抵抗値Ra、ハーネス抵抗値Rbおよびハーネス抵抗値Rcを算出することができたとしても、複数の負荷6のうち、どの負荷6であるか特定することが難しい。
【0065】
しかしながら、バッテリ2の内部抵抗値の推定するための用途では、現在の算出されているリップル抵抗値Riから、負荷6に応じた内部抵抗値を減算することができればよい。即ち、特定部153が複数の負荷6の中から動作している負荷6を特定することができればよく、例えば負荷Bが動作していることを特定することができた場合、推定部154は、リップル抵抗値Riからハーネス抵抗値Rbを減算することでバッテリ2の内部抵抗値を推定することができる。
【0066】
なお、バッテリ2の内部抵抗は、バッテリ2の状態、例えばSOC、温度および劣化度等に大きく変化する。しかしながら、負荷6間およびバッテリ2端子までを接続するハーネスの抵抗値は、温度依存性を有するが、あまり変化しない。このため、推定部154は、予め測定して記憶部17に格納し、このハーネスの温度依存生を用いて補正することで、正確なハーネス抵抗値を算出することができる。
【0067】
以上説明した一実施の形態によれば、推定部154が算出部152によって算出されたリップル抵抗値から特定部153によって特定された動作した負荷6のハーネス抵抗値を減算したバッテリ2の内部抵抗値をバッテリ2の状態と推定するため、バッテリ2の正確な抵抗を測定することができる。
【0068】
また、一実施の形態によれば、特定部153がリップル電圧値、リップル電流値およびリップル抵抗値に基づいて、複数の負荷6の中から動作した負荷6を特定し、この動作した負荷6の内部抵抗を用いてハーネス抵抗値を特定するため、動作した負荷6の正確なハーネス抵抗値を用いることなく、バッテリ2の状態を正確な抵抗を検出することができる。
【0069】
また、一実施の形態によれば、特定部153が記憶部17に格納されたリップル電圧値、リップル電流値およびリップル抵抗値に基づくヒストグラムを用いて、複数の負荷6の中から動作した負荷6を特定するため、動作した負荷6を正確に特定することができる。
【0070】
(その他の実施の形態)
一実施の形態に係る状態検知システムでは、上記してきた「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段または制御回路に読み替えることができる。
【0071】
また、一実施の形態に係る状態検知システムに実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0072】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本実施の形態を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0073】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施の形態に限定されるものではない。従って、添付のクレームおよびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0074】
以上、本願の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、本発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 車両
2 バッテリ
3 オルタネータ
4 エンジン
5 スタータモータ
6 負荷
7 ECU
8 イグニッションスイッチ
9 状態検知センサ
10 放電回路
11 電圧センサ
12 電流センサ
13 温度センサ
14 状態検知装置
15 制御部
16 通信インターフェース
17 記憶部
151 取得部
152 算出部
153 特定部
154 推定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7