(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145294
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07C 231/02 20060101AFI20241004BHJP
C07C 233/07 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
C07C231/02
C07C233/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057583
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100162710
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 真理奈
(72)【発明者】
【氏名】森岡 公平
(72)【発明者】
【氏名】古川 達也
(72)【発明者】
【氏名】飛田 憲之
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC53
4H006BB11
4H006BC31
4H006BV25
(57)【要約】
【課題】向上した生産性を有する、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液の製造方法を提供すること。
【解決手段】水酸基を有さない有機溶媒中でジカルボン酸エステル化合物とアニリン誘導体とを混合してアミド化反応を行い、アミド化反応中またはアミド化反応後に、アミド化反応により生成したアルコールの留去を行うことを含む、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水酸基を有さない有機溶媒中でジカルボン酸エステル化合物とアニリン誘導体とを混合してアミド化反応を行い、アミド化反応中またはアミド化反応後に、アミド化反応により生成したアルコールの留去を行うことを含む、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)の製造方法。
【請求項2】
前記有機溶媒溶液(A)において、アルコールの含有量は、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の含有量に対して15質量%以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機溶媒は芳香族系溶媒である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記アニリン誘導体1モル当量に対して1.6~4.0モル当量のジカルボン酸エステル化合物を混合する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記ジカルボン酸エステル化合物は、下記式(I):
R7-O-OC-X-CO-O-R8 (I)
[式中、R7およびR8は、相互に独立して炭素数1~4のアルキル基であり、Xは、単結合、アルキレン基または炭素数3~8の二価の脂環式炭化水素基である]
で示される化合物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記ジカルボン酸エステル化合物はシュウ酸ジエステルである、請求項1または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネル表示装置(FPD)に用いられる、偏光板、位相差板等の光学フィルムに適用され得る材料の中間体として、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物が用いられている。
非特許文献1には、無溶媒下で、シュウ酸ジエチルとアニリン誘導体とをアミド化反応させることによりカルボン酸エステル基を有するアミド化合物を製造する方法が記載されている。当該方法では、過剰のシュウ酸ジエチルを使用しているため、アミド化反応後に、反応液をエーテル中に投入し、沈殿物を濾過、乾燥させることによりシュウ酸ジエチルを除去して目的物を取り出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】European Journal of Medical Chemistry, 123(2016), 514-522
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法は、濾過工程および乾燥工程を含むため、工業スケールでの製造には適さない。
【0005】
本発明では、向上した生産性を有する、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の好適な実施形態を提供するものである。
[1] 水酸基を有さない有機溶媒中でジカルボン酸エステル化合物とアニリン誘導体とを混合してアミド化反応を行い、アミド化反応中またはアミド化反応後に、アミド化反応により生成したアルコールの留去を行うことを含む、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)の製造方法。
[2] 前記有機溶媒溶液(A)において、アルコールの含有量は、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の含有量に対して15質量%以下である、[1]に記載の方法。
[3] 前記有機溶媒は芳香族系溶媒である、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記アニリン誘導体1モル当量に対して1.6~4.0モル当量のジカルボン酸エステル化合物を混合する、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 前記ジカルボン酸エステル化合物は、下記式(I):
R7-O-OC-X-CO-O-R8 (I)
[式中、R7およびR8は、相互に独立して炭素数1~4のアルキル基であり、Xは、単結合、アルキレン基または炭素数3~8の二価の脂環式炭化水素基である]
で示される化合物である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 前記ジカルボン酸エステル化合物はシュウ酸ジエステルである、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、向上した生産性を有する、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のカルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)の製造方法は、水酸基を有さない有機溶媒中でジカルボン酸エステル化合物とアニリン誘導体とを混合してアミド化反応を行い、アミド化反応中またはアミド化反応後に、アミド化反応により生成したアルコールの留去を行うことを含む製造方法である。
【0009】
<カルボン酸エステル基を有するアミド化合物>
カルボン酸エステル基を有するアミド化合物は、例えばそれぞれ置換基を有してもよい、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フラン環、チオフェン環、チアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾチアゾール環およびチエノチオフェン環からなる群から選択される芳香族環構造を有する化合物であり、式(A1):
【化1】
[式中、
R
1~R
4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~8の脂環式炭化水素基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数1~8のチオエーテル基、炭素数1~8のスルホニル基およびハロゲン原子からなる群から選択される基を表し、
R
5は単結合、アルキレン基または炭素数3~8の二価の脂環式炭化水素基を表し、
R
6は炭素数1~4のアルキル基を表す]
で示されるアミド化合物であることが好ましい。
【0010】
炭素数1~8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基等が挙げられる。
炭素数3~8の脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1~8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1~8のチオエーテル基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1~8のスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、n-ヘプチルスルホニル基、n-オクチルスルホニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルキレン基としては、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
炭素数3~8の二価の脂環式炭化水素基としては、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
【0011】
カルボン酸エステル基を有するアミド化合物としては、下記の置換基の化合物が挙げられ、化合物(A1-3)が好ましい。
【0012】
<ジカルボン酸エステル化合物(A)>
ジカルボン酸エステル化合物は、例えば、式(I):
R7-O-OC-X-CO-O-R8 (I)
[式中、R7およびR8は、相互に独立して炭素数1~4のアルキル基であり、Xは、単結合、アルキレン基または炭素数3~8の二価の脂環式炭化水素基である]
で示される。
【0013】
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基等が挙げられ、エチル基が好ましい。
アルキレン基および炭素数3~8の二価の脂環式炭化水素基としては、上記と同じものが挙げられる。
【0014】
一実施形態において、ジカルボン酸エステル化合物(A)はシュウ酸ジエステルであることが好ましい。
【0015】
<アニリン誘導体>
アニリン誘導体は、例えば、式(II)で示される化合物である。
[式中、
R
1~R
4は、それぞれ上記と同じ意味を表す]
【0016】
<水酸基を有さない有機溶媒>
水酸基を有さない有機溶媒としては、ジカルボン酸エステル化合物、アニリン誘導体およびカルボン酸エステル基を有するアミド化合物を溶解できる有機溶媒を使用する。そのような有機溶媒の例としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール等の芳香族系溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;
アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒;
エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;
等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
水酸基を有さない有機溶媒としては、芳香族系溶媒が好ましい。
【0017】
上述した水酸基を有さない有機溶媒として例示した溶媒以外の溶媒をさらに含んでもよい。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン又はヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;テトラヒドロフラン又はジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;乳酸エチル等のエステル系溶媒;ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
水酸基を有さない有機溶媒として例示した溶媒以外の溶媒を使用する場合、その使用量は、水酸基を有さない有機溶媒1質量部に対して、好ましくは0.01~20質量部であり、より好ましくは0.01~10質量部であり、さらに好ましくは0.01~1質量部である。
【0019】
<アミド化反応>
水酸基を有さない有機溶媒中でジカルボン酸エステル化合物とアニリン誘導体とを混合してアミド化反応を行う。
ジカルボン酸エステル化合物の使用量は、アニリン誘導体1モル当量に対して、好ましくは1.6~4.0モル当量であり、より好ましくは2.0~3.0モル当量であり、さらに好ましくは2.3~2.8モル当量である。
水酸基を有さない有機溶媒の使用量は、アニリン誘導体1質量部に対して、好ましくは0.5~50質量部であり、より好ましくは1~20質量部であり、さらに好ましくは1~10質量部である。
アミド化反応の温度は、好ましくは60~160℃であり、より好ましくは90~140℃であり、さらに好ましくは110~130℃である。アミド化反応の時間は、好ましくは4分~24時間であり、より好ましくは4~16時間であり、さらに好ましくは4~12時間である。
上記の温度範囲及び時間範囲でアミド化反応を行うことにより、反応収率が向上し、生産性がより高くなる傾向がある。
【0020】
<アルコールの留去>
アミド化反応中またはアミド化反応後に、アミド化反応により生成したアルコールの留去を行う。ここで、アミド化反応により生成したアルコールとは、アミド化反応に用いるジカルボン酸エステル化合物に対応するアルコールのことであり、ジカルボン酸エステル化合物として、シュウ酸ジエチルを用いる場合は、生成するアルコールはエタノールである。
アルコールの留去は、エバポレーターなどの蒸留装置や、ディーンスターク装置を用いて行う。
アルコールを留去した後の、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)中のアルコールの含有量は、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の含有量に対して、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、また、好ましくは0.0001質量%以上であり、より好ましくは0.001質量%以上であり、さらに好ましくは0.01質量%以上である。
【0021】
<エステル基を有するチオアミド化合物の製造方法>
本発明の製造方法によって得られるカルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)とチオアミド化剤とを混合してチオアミド化反応を行うことにより、エステル基を有するチオアミド化合物を製造することができる。
【0022】
<エステル基を有するチオアミド化合物>
エステル基を有するチオアミド化合物は、例えば式(C1)で示される化合物である。
[式中、
R
1~R
6は、それぞれ上記と同じ意味を表す]
【0023】
<チオアミド化剤>
チオアミド化剤としては、例えばローソン試薬、五硫化二リンなどが挙げられ、好ましくはローソン試薬である。
【0024】
<チオアミド化反応>
チオアミド化剤の使用量は、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物1モル当量に対して、好ましくは0.5~1.0モル当量であり、より好ましくは0.5~0.8モル当量であり、さらに好ましくは0.5~0.6モル当量である。
チオアミド化反応の温度は、好ましくは60~90℃であり、より好ましくは65~85℃であり、さらに好ましくは70~80℃である。チオアミド化反応の時間は、好ましくは2~12時間であり、より好ましくは2~8時間であり、さらに好ましくは2~6時間である。
上記の温度範囲及び時間範囲でチオアミド化反応を行うことにより、反応収率が向上し、生産性がより高くなる傾向がある。
【0025】
チオアミド化反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒を用いる場合、溶媒の例としては、アミド化工程で用いられた水酸基を有さない有機溶媒が挙げられる。水酸基を有さない有機溶媒の使用量は、適宜選択すればよい。また、水酸基を有さない有機溶媒として例示した溶媒以外の溶媒をさらに用いてもよく、そのような溶媒の例としては、アミド化工程で用いてもよい水酸基を有さない有機溶媒として例示した溶媒以外の溶媒が挙げられる。使用する場合の水酸基を有さない有機溶媒として例示した溶媒以外の溶媒の使用量は、アミド化工程における使用量と同等であってよい。
【実施例0026】
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明する。なお、本明細書中の「%」及び「部」は、特に記載のない限り、それぞれ質量%及び質量部を意味する。
【0027】
<実施例1>
(カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)の製造)
ディーンスターク装置および温度計を設置した500mL四ツ口フラスコ内を窒素雰囲気とし、キシレン100g、シュウ酸ジエチル151g、上記式(II)で示されるアニリン誘導体としての、表1に記載の置換基を有するアニリン誘導体50gを混合し、120℃で8時間撹拌した。同時にディーンスターク装置を用いた加熱によってアルコールの留去を行い、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)を得た。
得られた有機溶媒溶液(A)をGC測定にて分析した結果、アニリン誘導体(1)の転化率は95%、エタノール含有量は4.5質量%であった。また、HPLC測定にて分析した結果、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の収率は82%(アニリン誘導体基準)であった。ジアミド化合物の生成割合は面積比14%(カルボン酸エステル基を有するアミド化合物に対して)であった。
【0028】
<実施例2~20>
表1に示す部分を変更したこと以外は、実施例1と同様にしてカルボン酸エステル基を有するアミド化合物の有機溶媒溶液(A)を得た。
【0029】
<比較例1>
非特許文献1に記載された方法に従い、シュウ酸ジエチルとアニリン誘導体(1)としての、表1に記載の置換基を有するアニリン誘導体を反応させた。150℃、5時間反応させた後にGC測定にて分析したアニリン誘導体(1)の転化率は99%であった。
濾過及び乾燥を経て得られたカルボン酸エステル基を有するアミド化合物をGC測定にて分析した結果、エタノールは未検出であった。また、HPLC測定にて分析した結果、カルボン酸エステル基を有するアミド化合物の収率は95%(アニリン誘導体基準)、ジアミド化合物の生成割合は面積比1%(カルボン酸エステル基を有するアミド化合物に対して)であった。
【0030】
<GCの測定条件>
GC装置:Agilent社製GC-6890
カラム:DB-5_0.32mmΦ×30m(df1.0μm)
カラム温度:50℃(5min)→10℃/min→200℃(0min)→5℃/min→300℃(20min)
注入量:1.0μL
キャリアーガス:He(1mL/min)、スプリット比:40/1
検出器:FID(250℃)
【0031】
<LCの測定条件>
装置:株式会社島津製作所社製 LC-20AT
カラム:Kinetex_2.6μm_C18、100Å、100mm×4.6mm
移動相:A液;0.1%(v/v)TFA含有水
B液;0.1%(v/v)TFA含有アセトニトリル
グラジエント条件:
B液;10%→(30min)→100%(5min)
温度:40℃
流速:1.0mL/分
注入量:5μL
検出器:UV(254nm)
【0032】