(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145423
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、プログラムおよびゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20241004BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241004BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/79 500
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057761
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 伸也
(72)【発明者】
【氏名】塚中 健介
(72)【発明者】
【氏名】倉本 順郎
(57)【要約】
【課題】第1のプレーヤがプレイするゲームに、第2のプレーヤに係るオブジェクトを出現させる際の多様性を高めるための新しい技術を提供すること。
【解決手段】サーバシステム1100は、第1のプレーヤ3と他プレーヤとの関係性に基づいて、他プレーヤの中から第2のプレーヤ5を選択し、当該第2のプレーヤ5が所有するゲームオブジェクト10(10m、10n、…)に基づいて出現オブジェクト33を設定する。そして、出現オブジェクト33を、現在プレイ中である第1のプレーヤ3のゲーム内に出現させる。第1のプレーヤ3と第2のプレーヤ5との関係性は様々である。また、誰を第2のプレーヤ5とするかによっても様々である。また、第2のプレーヤ5が所有するゲームオブジェクト10も様々である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレーヤと第2のプレーヤとの関係性を判定する関係性判定手段と、
前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記第1のプレーヤがプレイ中のゲームに、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトに基づく出現オブジェクトを出現させる出現制御手段と、
を備え、
前記関係性判定手段は、関係性の種類および/又は程度を判定し、
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段の判定結果に基づいて前記出現オブジェクトの出現制御を行う、
コンピュータシステム。
【請求項2】
前記ゲームに係る各プレーヤのフレンドプレーヤ情報を管理する管理手段、
を更に備え、
前記関係性判定手段は、前記フレンドプレーヤ情報に基づいて、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとの前記関係性を判定する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段、
を更に備え、
前記プレーヤ関連情報は、過去にマルチプレイを行った際のプレーヤの情報を含むプレイ履歴情報と、ゲームプレイによって変化する当該プレーヤのパラメータの情報と、を含み、
前記関係性判定手段は、1)前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとが一緒にマルチプレイを行った情報に基づいて、又は、2)前記第1のプレーヤの前記パラメータの情報と前記第2のプレーヤの前記パラメータの情報とに基づいて、前記関係性を判定する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段、
を更に備え、
前記プレーヤ関連情報は、ゲーム進行状況、使用キャラクタ、および、プレーヤレベルの情報を含み、
前記関係性判定手段は、ゲーム進行状況、使用キャラクタ、および、プレーヤレベルのうちの少なくとも1つに関する前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとの類否又は差異に基づいて、前記関係性を判定する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現位置を設定する出現位置設定手段、を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現確率を設定する出現確率設定手段、を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現頻度を設定する出現頻度設定手段、を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現タイミングを設定する出現タイミング設定手段、を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現方法を設定する出現方法設定手段、を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトを変更することで、前記出現オブジェクトを設定する出現オブジェクト設定手段、を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記出現オブジェクト設定手段は、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトに設定されているパラメータ値、属性、当該ゲームオブジェクトの構成要素、形態、のうちの少なくとも1つを変更することで、前記出現オブジェクトを設定する、
請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記出現オブジェクト設定手段は、前記第1のプレーヤに基づいて、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトの変更具合を決定する、
請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトを、前記ゲームにおける所定の出現事物に設定する出現事物設定手段、を有する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記出現事物設定手段は、前記出現オブジェクトを、前記ゲーム中で前記第1のプレーヤが獲得可能な事物に設定する、
請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
前記第1のプレーヤが前記出現オブジェクトを獲得した場合に、前記第1のプレーヤおよび/又は前記第2のプレーヤに所与の特典を付与する特典付与制御手段、
を更に備える請求項14に記載のコンピュータシステム。
【請求項16】
前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段と、
各プレーヤの前記プレーヤ関連情報に基づいて、前記第2のプレーヤを選出する選出手段と、
を更に備え、
前記関係性判定手段は、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ関連情報と前記第2のプレーヤの前記プレーヤ関連情報とに基づいて、前記関係性を判定する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記プレイ履歴情報は、過去にマルチプレイを行った際の時間情報を含み、
前記第1のプレーヤの前記時間情報に基づく所与の時間条件を満たすプレーヤを、前記第2のプレーヤとして選出する選出手段、
を更に備える請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段、
を更に備え、
前記関係性判定手段は、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ関連情報と前記第2のプレーヤの前記プレーヤ関連情報とに基づいて、前記関係性を判定し、
前記プレーヤ関連情報管理手段は、当該プレーヤがゲームプレイをしていない所与のタイミングで当該プレーヤの前記プレーヤ関連情報を更新する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段、
を更に備え、
前記関係性判定手段は、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ関連情報と前記第2のプレーヤの前記プレーヤ関連情報とに基づいて、前記関係性を判定し、
前記プレーヤ関連情報管理手段は、当該プレーヤのゲームプレイ中に当該プレーヤの前記プレーヤ関連情報を随時更新して管理する、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
コンピュータシステムを、
第1のプレーヤと第2のプレーヤとの関係性を判定する関係性判定手段、
前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記第1のプレーヤがプレイ中のゲームに、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトに基づく出現オブジェクトを出現させる出現制御手段、
として機能させ、
前記関係性判定手段は、関係性の種類および/又は程度を判定し、
前記出現制御手段は、前記関係性判定手段の判定結果に基づいて前記出現オブジェクトの出現制御を行う、
プログラム。
【請求項21】
コンピュータシステムが実行するゲーム制御方法であって、
第1のプレーヤと第2のプレーヤとの関係性を判定する関係性判定ステップと、
前記関係性判定ステップで判定された関係性に基づいて、前記第1のプレーヤがプレイ中のゲームに、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトに基づく出現オブジェクトを出現させる出現制御ステップと、
を含み、
前記関係性判定ステップは、関係性の種類および/又は程度を判定することを含み、
前記出現制御ステップは、前記関係性判定手段の判定結果に基づいて前記出現オブジェクトの出現制御を行うステップである、
ゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所与のゲームを実行するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインゲームの中には、他プレーヤのプレイ履歴データに基づいてゲーム攻略に係る情報をゲーム内にて表示させるものや、他プレーヤが使用したキャラクタをゲーム内に登場させるものがある。例えば、特許文献1には、ゲームサーバが、ゲームフィールド内に設定された特定位置から所定範囲内にいるプレーヤキャラクタのプレーヤを選択し、当該プレーヤのゲーム内に、他プレーヤのゲームの再現映像や当該他プレーヤからのメッセージを表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、第1のプレーヤがプレイするゲームに、第2のプレーヤに係るオブジェクトを出現させる際の多様性を高めるための新しい技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するための第1の発明は、第1のプレーヤと第2のプレーヤとの関係性を判定する関係性判定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、関係性判定部218、
図17のステップS30)と、
前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記第1のプレーヤがプレイ中のゲームに、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトに基づく出現オブジェクトを出現させる出現制御手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、出現制御部220、
図16のステップS84)と、を備え、前記関係性判定手段は、関係性の種類および/又は程度を判定し、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段の判定結果に基づいて前記出現オブジェクトの出現制御を行う、コンピュータシステムである。
【0006】
プレーヤは、ゲーム内で使用するゲームオブジェクトを所有する。「所有する」とは使用権を有していることを意味する。例えば、プレーヤは、プレーヤキャラクタとして使用可能なキャラクタ、プレーヤキャラクタの装備、ゲーム内で使用するアイテム、味方NPC(Non Player Character)、などを所有する。
【0007】
第1の発明のコンピュータシステムは、第1のプレーヤと第2のプレーヤとの関係性に基づいて、当該第2のプレーヤが所有するゲームオブジェクトに基づく出現オブジェクトを、現在プレイ中の第1のプレーヤのゲーム内に出現させることができる。
【0008】
第1のプレーヤと第2プレーヤとの関係性は様々である。更には、どのプレーヤを第2のプレーヤとするかによっても様々である。また、第2のプレーヤが所有するゲームオブジェクトは様々である。よって、第1のプレーヤがプレイするゲームに、第2のプレーヤに係るオブジェクトを出現させる際の多様性を従来よりも高めることができる。
【0009】
第2の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記ゲームに係る各プレーヤのフレンドプレーヤ情報を管理する管理手段(例えば、
図10のユーザ管理部202、
図13のフレンドプレーヤ情報603)を更に備え、前記関係性判定手段は、前記フレンドプレーヤ情報(例えば、
図6のポイント算出関数fの変数である親密度Fl)に基づいて、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとの前記関係性(例えば、
図6のポイント算出関数f)を判定する、コンピュータシステムである。
【0010】
ここで言う「フレンドプレーヤ」とは、友好関係を相互に登録した他のプレーヤ、例えば、フレンド登録した他ユーザや、同じパーティ・チーム・グループに登録した他ユーザである。「フレンドプレーヤの情報」とは、相互登録の有無、友好関係の度合を示す親密度・名称などである。
第2の発明のコンピュータシステムは、関係性を、フレンドプレーヤである第2のプレーヤの情報に基づいて判定できる。
【0011】
第3の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段(例えば、
図10のプレーヤ関連情報管理部212、
図11のユーザ情報600、プレイ履歴情報670、プレイデータ700)、を更に備え、前記プレーヤ関連情報は、過去にマルチプレイを行った際のプレーヤの情報を含むプレイ履歴情報(例えば、
図11のプレイ履歴情報670)と、ゲームプレイによって変化する当該プレーヤのパラメータの情報(例えば、
図13のプレーヤパラメータ情報611、キャラクタパラメータ情報653)と、を含み、
前記関係性判定手段は、1)前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとが一緒にマルチプレイを行った情報(例えば、
図6のポイント算出関数fの変数である対戦プレイ回数Nv、共闘プレイ回数Nf)に基づいて、又は、2)前記第1のプレーヤの前記パラメータの情報と前記第2のプレーヤの前記パラメータの情報(例えば、
図6のプレーヤパラメータ情報類似度Pp、キャラクタパラメータ情報類似度Cp)とに基づいて、前記関係性(例えば、
図6のポイント算出関数f)を判定する、コンピュータシステムである。
【0012】
第2のプレーヤとマルチプレイを行った実績は様々である。また、誰を第2のプレーヤとするかによってもマルチプレイを行った実績は異なる。また、第1のプレーヤのパラメータの情報と第2のプレーヤのパラメータの情報も様々である。
よって、第4の発明のコンピュータシステムは、関係性の判定に、第1のプレーヤと第2のプレーヤとが一緒にマルチプレイを行った情報や、第1のプレーヤのパラメータの情報および第2のプレーヤのパラメータの情報を用いることで、出現オブジェクトを出現させる際の多様性をより一層高めることができる。
【0013】
第4の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段(例えば、
図10のプレーヤ関連情報管理部212、
図11のユーザ情報600、プレイ履歴情報670、プレイデータ700)、を更に備え、
前記プレーヤ関連情報は、ゲーム進行状況(例えば、
図13のゲーム進行状況情報640)、使用キャラクタ(例えば、
図13のプレーヤキャラクタ設定データ650)、および、プレーヤレベル(例えば、
図13のプレーヤパラメータ情報611)の情報を含み、
前記関係性判定手段は、ゲーム進行状況、使用キャラクタ、および、プレーヤレベルのうちの少なくとも1つに関する前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤとの類否又は差異に基づいて、前記関係性を判定する(例えば、
図6のポイント算出関数fの変数であるゲーム進行状況類似度Sg、プレーヤパラメータ情報類似度Pp、キャラクタパラメータ情報類似度Cp)、コンピュータシステムである。
【0014】
第4の発明のコンピュータシステムは、第1のプレーヤと第2のプレーヤのパラメータの、ゲーム進行状況の情報、使用キャラクタの情報、プレーヤレベルの情報、を関係性の判定に用いる。よって、出現オブジェクトを出現させる際の多様性をより一層高めることができる。
【0015】
第5の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現位置を設定する出現位置設定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、出現位置設定部222、
図9の出現状況定義データ580、関係性条件581a、出現位置583a、
図18のステップS60)を有する、コンピュータシステムである。
【0016】
第5の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトの出現位置を関係性に基づいて設定できる。よって、出現オブジェクトを出現させる際の多様性をより一層高めることができる。
【0017】
第6の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現確率を設定する出現確率設定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、出現確率設定部224、
図9の出現状況定義データ580、関係性条件581a、出現確率583d、
図18のステップS60)、を有する、コンピュータシステムである。
【0018】
第6の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトの出現確率を関係性に基づいて設定できる。よって、出現オブジェクトを出現させる際の多様性をより一層高めることができる。
【0019】
第7の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現頻度を設定する出現頻度設定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、出現頻度設定部226、
図9の出現状況定義データ580、関係性条件581a、出現頻度583b、
図18のステップS60)、を有する、コンピュータシステムである。
【0020】
第7の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトの出現頻度を関係性に基づいて設定できる。よって、出現オブジェクトを出現させる際の多様性をより一層高めることができる。
【0021】
第8の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現タイミングを設定する出現タイミング設定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、出現タイミング設定部228、
図9の出現状況定義データ580、関係性条件581a、出現タイミング583c、
図18のステップS60)、を有するコンピュータシステムである。
【0022】
第8の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトの出現タイミングを関係性に基づいて設定できる。よって、出現オブジェクトを出現させる際の多様性をより一層高めることができる。
【0023】
第9の発明は、上記コンピュータシステムにおいて、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトの出現方法を設定する出現方法設定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、出現方法設定部230、
図9の出現状況定義データ580、関係性条件581a、出現方法583e、
図18のステップS60)、を有するコンピュータシステムである。
【0024】
第9の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトの出現方法を関係性に基づいて設定できる。よって、出現オブジェクトを出現させる際の多様性をより一層高めることができる。
【0025】
第10の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトを変更することで、前記出現オブジェクトを設定する出現オブジェクト設定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、出現オブジェクト設定部234、
図9の出現状況定義データ580、関係性条件581a、変更内容定義データ585、
図18のステップS58)、を有する、コンピュータシステムである。
【0026】
第10の発明によれば、コンピュータシステムは、第2のプレーヤのゲームオブジェクトを元にして、その一部を変更して出現オブジェクトを設定できる。よって、出現オブジェクトに多様性をもたらすことができる。
【0027】
第11の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現オブジェクト設定手段は、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトに設定されているパラメータ値、属性、当該ゲームオブジェクトの構成要素、形態、のうちの少なくとも1つを変更することで、前記出現オブジェクトを設定する(例えば、
図9の変更内容定義データ585、
図18のステップS58)、コンピュータシステムである。
【0028】
第11の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトの元になった第2のプレーヤのゲームオブジェクトの設定の一部を、第2のプレーヤのゲームオブジェクトに設定されているパラメータ値、属性、当該ゲームオブジェクトの構成要素、形態、のうちの少なくとも1つを変更することで出現オブジェクトを設定できる。よって、出現オブジェクトに多様性をもたらすことができる。
【0029】
第12の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現オブジェクト設定手段は、前記第1のプレーヤに基づいて(例えば、
図9のプレーヤパラメータ情報条件581c、出現オブジェクト使用制限条件581f)、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトの変更具合を決定する(例えば、
図9の変更内容定義データ585、
図18のステップS58)、コンピュータシステムである。
【0030】
第12の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトの元になった第2のプレーヤのゲームオブジェクトの設定の一部を、第1のプレーヤに基づいて変更して出現オブジェクトを設定できる。よって、出現オブジェクトに多様性をもたらすことができる。
【0031】
第13の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記出現オブジェクトを、前記ゲームにおける所定の出現事物に設定する出現事物設定手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、出現事物設定部232、
図9の出現状況定義データ580、関係性条件581a、出現事物583f、
図18のステップS60)、を有するコンピュータシステムである。
【0032】
「出現事物」の例としては、敵NPC、味方NPC、アイテム、背景、などが挙げられる。
第13の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトの出現事物を関係性に基づいて設定できる。よって、出現オブジェクトの出現に関する多様性をより一層高めることができる。
【0033】
第14の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記出現事物設定手段は、前記出現オブジェクトを、前記ゲーム中で前記第1のプレーヤが獲得可能な事物に設定する(例えば、
図5のアイテム8、
図9の出現方法583eの「ドロップアイテム」)、コンピュータシステムである。
【0034】
第14の発明によれば、コンピュータシステムは、出現オブジェクトを、第1のプレーヤが獲得・所有できる事物として出現させることできる。よって、出現オブジェクトを出現させる際の多様性をより一層高めることができる。
【0035】
第15の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記第1のプレーヤが前記出現オブジェクトを獲得した場合に、前記第1のプレーヤおよび/又は前記第2のプレーヤに所与の特典を付与する特典付与制御手段(例えば、
図10のサーバ処理部200s、特典付与制御部240、
図11の特典定義データ550、
図16のステップS106)、備えるコンピュータシステムである。
【0036】
第15の発明によれば、コンピュータシステムは、第1のプレーヤが出現オブジェクトを獲得した場合に特典を付与することができる。
【0037】
第16の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段(例えば、
図10のプレーヤ関連情報管理部212、
図11のユーザ情報600、プレイ履歴情報670、プレイデータ700)と、各プレーヤの前記プレーヤ関連情報に基づいて、前記第2のプレーヤを選出する選出手段(例えば、
図10の選出部216)と、を更に備え、前記関係性判定手段は、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ関連情報と前記第2のプレーヤの前記プレーヤ関連情報とに基づいて、前記関係性を判定する、コンピュータシステムである。
【0038】
第16の発明によれば、コンピュータシステムは、第2のプレーヤを複数の候補のなかから、プレーヤ関連情報に基づいて選択できる。また、第1のプレーヤのプレーヤ関連情報と第2のプレーヤのプレーヤ関連情報とに基づいて、関係性を判定できる。
【0039】
第17の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記プレイ履歴情報は、過去にマルチプレイを行った際の時間情報を含み(例えば、
図11のプレイ時間情報671)、前記第1のプレーヤの前記時間情報に基づく所与の時間条件を満たすプレーヤを、前記第2のプレーヤとして選出する選出手段(例えば、
図10の選出部216)、を更に備えるコンピュータシステムである。
【0040】
第17の発明によれば、コンピュータシステムは、第1のプレーヤと過去にマルチプレイを行った際の時間情報に基づく所与の時間条件を満たすプレーヤを第2のプレーヤとして選択できる。
【0041】
第18の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段(例えば、
図10のプレーヤ関連情報管理部212、
図11のユーザ情報600、プレイ履歴情報670、プレイデータ700)、を更に備え、前記関係性判定手段は、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ関連情報と前記第2のプレーヤの前記プレーヤ関連情報とに基づいて、前記関係性を判定し、前記プレーヤ関連情報管理手段は、当該プレーヤがゲームプレイをしていない所与のタイミングで当該プレーヤの前記プレーヤ関連情報を更新する(例えば、
図11のユーザ情報600、プレイ履歴情報670、
図16のステップS124)、コンピュータシステムである。
【0042】
「プレーヤがゲームプレイをしていない所与のタイミング」とは、ゲームプレイが終了した後は勿論のこと、ゲームプレイ中であっても連続して操作入力されていない時間が所与の継続時間を満たした場合(例えば、プレーヤが思案中など)、などが該当する。
【0043】
第18の発明によれば、コンピュータシステムは、各プレーヤのゲームプレイの結果を、プレーヤ関連情報に反映させることができる。
【0044】
第19の発明は、上記のコンピュータシステムにおいて、前記ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理するプレーヤ関連情報管理手段(例えば、
図10のプレーヤ関連情報管理部212、
図11のユーザ情報600、プレイ履歴情報670、プレイデータ700)、を更に備え、前記関係性判定手段は、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ関連情報と前記第2のプレーヤの前記プレーヤ関連情報とに基づいて、前記関係性を判定し、前記プレーヤ関連情報管理手段は、当該プレーヤのゲームプレイ中に当該プレーヤの前記プレーヤ関連情報を随時更新して管理する(例えば、
図11のプレイデータ700、
図16のステップS80)、コンピュータシステムである。
【0045】
第19の発明によれば、コンピュータシステムは、ゲームプレイ中の最新のプレーヤ関連情報に基づいて関係性を判定できる。
【0046】
第20の発明は、コンピュータシステムを、第1のプレーヤと第2のプレーヤとの関係性を判定する関係性判定手段、前記関係性判定手段により判定された関係性に基づいて、前記第1のプレーヤがプレイ中のゲームに、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトに基づく出現オブジェクトを出現させる出現制御手段、として機能させ、前記関係性判定手段は、関係性の種類および/又は程度を判定し、前記出現制御手段は、前記関係性判定手段の判定結果に基づいて前記出現オブジェクトの出現制御を行う、プログラムである。
【0047】
第20の発明によれば、コンピュータシステムに上記の発明と同様の作用効果を発揮させるプログラムを実現できる。
【0048】
第21の発明は、コンピュータシステムが実行するゲーム制御方法であって、第1のプレーヤと第2のプレーヤとの関係性を判定する関係性判定ステップと、前記関係性判定ステップで判定された関係性に基づいて、前記第1のプレーヤがプレイ中のゲームに、前記第2のプレーヤのゲームオブジェクトに基づく出現オブジェクトを出現させる出現制御ステップと、を含み、前記関係性判定ステップは、関係性の種類および/又は程度を判定することを含み、前記出現制御ステップは、前記関係性判定手段の判定結果に基づいて前記出現オブジェクトの出現制御を行うステップである、ゲーム制御方法である。
【0049】
第21の発明によれば、コンピュータシステムに上記の発明と同様の作用効果を発揮させるゲーム制御方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】ゲームシステムの構成例を示すシステム構成図。
【
図3】ゲームオブジェクトの使われ方の例を説明するための図。
【
図4】ゲームオブジェクトの使われ方の例を説明するための図。
【
図5】ゲームオブジェクトの使われ方の例を説明するための図。
【
図6】出現オブジェクトとするゲームオブジェクトの所有者の選択について説明するための図。
【
図7】出現オブジェクトの選択と、出現状況の設定について説明するための図。
【
図8】出現オブジェクト選択パターンデータのデータ構成例を示す図。
【
図9】出現状況定義データのデータ構成例を示す図。
【
図10】サーバシステムの機能構成例を示すブロック図。
【
図12】ゲームオブジェクト初期設定データのデータ構成例を示す図。
【
図15】プレーヤ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図16】サーバシステムが実行する処理の流れを説明するためのフローチャート。
【
図17】出現オブジェクト設定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0052】
図1は、本実施形態に係るゲームシステムの構成例を示すシステム構成図である。
ゲームシステム1000は、プレーヤであるユーザが、各々のプレーヤキャラクタを操作してプレイする所与のオンラインゲームを実行するためのコンピュータシステムである。
【0053】
ゲームシステム1000は、ネットワーク9を介してデータ通信可能に接続されたサーバシステム1100およびユーザ別のプレーヤ端末1500(1500a,1500b,…)を含むコンピュータシステムである。プレーヤ端末1500はマン・マシン・インターフェース(Man Machine Interface:MMIF)となる。
【0054】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネットを含む。
【0055】
サーバシステム1100は、所定の登録手続の提供、登録ユーザの情報の管理、オンラインゲームを提供するための各種データの生成と管理、などの各種処理を行うゲームサーバである。
【0056】
サーバシステム1100は、本体装置に制御基板1150を搭載する。制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153、が搭載されている。なお、制御基板1150に搭載された機能の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0057】
図1では、サーバシステム1100を、それぞれ1台のサーバ装置であるかのように描いているが、それぞれを複数の装置で実現する構成としてもよい。例えば、サーバシステム1100は、機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。また、サーバシステム1100には、データベースやオンラインストレージを含むとしてもよい。
【0058】
プレーヤ端末1500は、ユーザが仮想空間に参加するために使用するコンピュータシステムであって、ゲームシステム1000におけるマン・マシン・インターフェースの機能を担っている。
【0059】
プレーヤ端末1500(1500a,1500b,…)は、例えば、パソコン、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、携帯型ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、タブレット型コンピュータ、などのネットワーク9に接続可能なコンピュータシステムである。
【0060】
プレーヤ端末1500は、操作入力デバイス(例えば、タッチパネル1506、キーボード、ゲームコントローラ、マウスなど)と、画像表示デバイス(例えば、タッチパネル1506、ヘッドマウントディスプレイ、グラス型ディスプレイなど)と、制御基板1550と、を備える。
【0061】
制御基板1550は、CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワーク9に接続する通信モジュール1553、などを搭載する。また、GPS(Global Positioning System)等を利用して地球上における現在位置を取得する位置取得機能を実現する測位モジュール1554、を搭載する。
【0062】
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。制御基板1550は、プレーヤ端末1500としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。プレーヤ端末1500は、所定のアプリケーションプログラムを実行することにより、ゲームシステム1000のマン・マシン・インターフェースとして、またユーザが仮想空間サービスの提供を受ける際のクライアントとしての機能を実現する。
【0063】
なお、プレーヤ端末1500は、仮想空間サービスに係るプログラムやその実行に必要な各種データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、ユーザが別途入手したメモリカードなどの記憶媒体から読み出す構成としてもよい。
【0064】
図2は、サーバシステム1100が提供するオンラインゲームで使用されるゲームオブジェクト10の例を示す図である。サーバシステム1100が提供するオンラインゲームは、ロボット型の兵器オブジェクトをプレーヤキャラクタとして操作して、敵NPCと戦うアクション対戦ゲームである。なお、プレイスタイルは、シングルプレイとマルチプレイのどちらにも対応しており、プレーヤとなるユーザがプレイ開始前に任意に選択できる。
【0065】
ゲームオブジェクト10は、ゲームに登場する要素であり、ゲーム空間である仮想3次元空間に配置されるオブジェクトである。プレーヤは、各々、1つ又は複数のゲームオブジェクト10を所有する。ここで、所有とは、ゲーム内で使用する権利を有している意味である。1つのゲームオブジェクト10は、キャラクタ本体12、パーツ14、装備16、の1つ又は複数の集合として管理される。
【0066】
図2の例では、キャラクタ本体12は、頭部パーツ14a・胴部パーツ14b・右腕部パーツ14c・左腕部パーツ14d・右脚部パーツ14e・左脚部パーツ14fと言った具合に複数のパーツ14により構成されている。なお、キャラクタ本体12のデザインは人型に限らない。キャラクタ本体12のデザインによっては、構成される部位の数や呼称は適宜変更可能である。
【0067】
装備16は、例えば、盾16a・銃16b・背部推進器16cなどキャラクタ本体12に装備させるオブジェクトである。なお、装備16の種類や数はこれらに限らない。キャラクタ本体12のデザインによっては、装備16のデザインや数、呼称は適宜変更可能である。
【0068】
図3、
図4、
図5は、他プレーヤのゲームオブジェクト10の使われ方の例を説明するための図である。使われ方とは、ゲーム内でどのような事物となるか、その役どころの意味である。
【0069】
図3に示すように、サーバシステム1100が提供するオンラインゲームでは、第1のプレーヤ3(2a:当該ゲームプレイ中のユーザ)は、自身の所有するゲームオブジェクト10の中からプレーヤキャラクタ4(10a)を選択してプレイする。ゲーム進行の状況によっては、第2のプレーヤ5(2b:第1のプレーヤ3以外のユーザであって、当該ゲームに参加していないユーザ)のゲームオブジェクト10が敵NPC6(10b)として出現する。
【0070】
また、
図4に示すように、別のゲーム進行の状況によっては、第2のプレーヤ5のゲームオブジェクト10が味方NPC7(10b)として出現する。
【0071】
また、
図5に示すように、更に別のゲーム進行の状況によっては、第2のプレーヤ5のゲームオブジェクト10は、第1のプレーヤ3が獲得可能なアイテム8(10b’)として出現する。アイテム8(10b’)は、当該ゲームオブジェクト10を構成するパーツ14および装備16の一部又は全部である。
【0072】
図5の例では、アイテム8(10b’)の元はゲームオブジェクト10b(厳密にはそのコピー)であるが、元のゲームオブジェクト10bが備える全パーツのうち胴部パーツ14bb・右腕部パーツ14bc・左腕部パーツ14bd・左脚部パーツ14bfだけになっている。つまり、アイテム8(10b’)は、あたかもゲームオブジェクト10bの残骸然とした状態で出現した様子を表している。
【0073】
なお、アイテム8は、敵NPC6を撃破すると発生するドロップアイテムであってもよいし、ゲーム空間に見えるように配置されているオープンアイテム、宝箱の中や隠し部屋に隠されている隠しアイテム、などであってもよい。
【0074】
第1のプレーヤ3が、アイテム8を獲得すると、当該アイテムは当該プレーヤが所有するゲームオブジェクト10として登録される。
図5の例では、アイテム8である胴部パーツ14bb・右腕部パーツ14bc・左腕部パーツ14bd・左脚部パーツ14bfが、第1のプレーヤ3の新たな所有ゲームオブジェクトとして登録されることになる。もし、アイテム8がゲームオブジェクト10bの完全体の場合には、ゲームオブジェクト10bのキャラクタ本体12の全てのパーツ14およびその時に装備していた全ての装備16が、新たな所有ゲームオブジェクトとして登録されることになる。
【0075】
そして、第1のプレーヤ3は、新たに所有したゲームオブジェクト10を以降のゲームプレイにて使用できる。例えば、
図5では、プレーヤキャラクタ4のカスタマイズに使用した例を示している。具体的には、プレーヤキャラクタ4としてキャラクタ本体12の元々の右腕部パーツ14c(
図3参照)を獲得した右腕部パーツ14bcに交換し、元々の左腕部パーツ14dを獲得した左腕部パーツ14bdに交換して、新たなキャラクタ本体12’へ改造している。
【0076】
勿論、所有するゲームオブジェクト10は、カスタマイズの要素としてだけでなくその他の目的(例えば、味方NPCとして選択してゲーム内で使うこと、仕掛けや罠の一種として使うこと、囮として使うこと、など)に使用することもできる。
【0077】
サーバシステム1100は、
図3の敵NPC6、
図4の味方NPC7、
図5のアイテム8は、それぞれ出現する事物としての種類は異なるが、出現が実行されるまでの間は等しく「出現オブジェクト」として管理される。
【0078】
具体的には、サーバシステム1100は、第1のプレーヤ3以外の他ユーザが所有するゲームオブジェクト(所有ゲームオブジェクト)の中から1つ又は複数を「出現オブジェクト」として選択して、どのようなシチュエーションでどのような役どころを与えて出現させるかである「出現状況」を決定する。そして、決定した出現状況において出現オブジェクトを出現させる。つまり、サーバシステム1100は、ゲームオブジェクト10を、1つのオンラインゲームにおいて様々なシチュエーションで様々な役どころでゲームに登場させる。
【0079】
図6は、出現オブジェクトとするゲームオブジェクトの所有者の選択について説明するための図である。
出現オブジェクトとするゲームオブジェクトの所有者を「第2のプレーヤ」と呼ぶ。
第2のプレーヤ5は、第1のプレーヤ3(2a)以外の他ユーザの中から、第2のプレーヤ候補21を1次選択し、第2のプレーヤ候補21毎に算出した「関係性ポイント」に基づいて第1のプレーヤ3と当該候補との関係性を数値(ポイント)として判定し、判定結果に基づいて2次選択する。
【0080】
第2のプレーヤ候補21は、第1のプレーヤ3(2a)が、フレンド登録しているフレンドユーザと、所与の期間および/又は所与のプレイ回数だけ過去において第1のプレーヤ3(2a)とマルチプレイしたマルチプレイユーザ、である。
【0081】
ここで言う所与の期間とは、例えば、過去1週間、過去1ヶ月など適宜設定可能である。所与の期間は、第1のプレーヤ3(2a)のプレイ履歴やプレイ頻度に応じて変化するように設定してもよい。
【0082】
ここで言う所与のプレイ回数は、例えば、過去10回、過去20回など適宜設定してもよい。所与のプレイ回数は、第1のプレーヤ3(2a)のプレイ履歴に基づき、過去のマルチプレイ回数総数に応じて変化するように設定してもよい。
【0083】
「関係性ポイント」は、所定のポイント算出関数f{Fl,Nv,Nf,Sg,Sc,Pp,Cp,…}に、第1のプレーヤ3および第2のプレーヤ候補21に関連する各種情報から求めることができる各種変数(Fl,Nv,Nf,Sg,Sc,Pp,Cp)の値を入力して求められる。ポイント算出関数fは、例えば、第1のプレーヤ3と、第2のプレーヤ候補21とが、仲が良いほど関係性ポイントが高くなるように、頻繁に遊んでいるほど関係性ポイントが高くなるように、設定されている。
【0084】
変数として使用する情報としては、例えば、(1)フレンド登録においてフレンドユーザとの親密度を表す親密度Fl、(2)今まで対戦プレイした対戦プレイ回数Nv、(3)今まで共闘プレイした共闘プレイ回数Nf、を用いる。また、(4)ゲーム進行状況類似度Sg、(5)使用キャラクタ類似度Sc、(6)プレーヤパラメータ情報類似度Pp、(7)キャラクタパラメータ情報類似度Cp、(8)組み合わせポイントPr、などを用いてもよい。これらの変数は、当該変数を算出する算出式を予め設定しておくことで算出することができる。
【0085】
親密度Flは、数値に限らず親密度を表す関係名称(例えば、普通の友人、ちょっと大切な友人、親友、など)のコードを数値化したものでもよい。
【0086】
ゲーム進行状況類似度Sgは、比較する互いのプレーヤのゲーム進行状況を記述するパラメータ値がどの程度類似しているかを示す値であり、差が小さいほど大きい数とすることができる。ゲーム進行状況を記述するパラメータ値としては、例えば、プレイ時間、クリアしたシナリオやステージの数、撃破した敵NPC6の数や最大レベル値、獲得した得点、などを用いることができる。
【0087】
使用キャラクタ類似度Scは、例えば、第1のプレーヤ3のプレーヤキャラクタ4(使用キャラクタ)に係る設定と、第2のプレーヤ候補21が直近のゲームで使用したゲームオブジェクト10(第2のプレーヤ候補21にとってのプレーヤキャラクタ4)に係る設定とがどの程度類似しているかを示す値である。例えば、使用キャラクタであるゲームオブジェクト10を構成するキャラクタ本体12,パーツ14,装備16の数や種類の類否又は差異を用いて所定の算出式で算出することとしてもよい。
【0088】
プレーヤパラメータ情報類似度Ppは、第1のプレーヤ3と第2のプレーヤ候補21、それぞれのプレーヤの技量を示すプレーヤレベル、プレーヤに付与されているスキルの情報(スキルの数やスキルのレベルなど)、プレイ成績の順位、プレーヤに与えられている称号、などの類似する程度を示す値である。
【0089】
キャラクタパラメータ情報類似度Cpは、例えば、第1のプレーヤ3と、第2のプレーヤ候補21、それぞれのプレーヤキャラクタ4の強さを示すキャラクタレベル、プレーヤキャラクタ4のスキルの情報(スキルの数やスキルのレベルなど)、などの類似する程度を示す値である。
【0090】
組み合わせポイントPrは、第1のプレーヤ3と第2のプレーヤ候補21との間に存在する関係性の組み合わせに応じて決まる。例えば、「両者の関係性が、フレンド登録=無し(×)、且つ、対戦プレイ=あり(○)、且つ、共闘プレイ=なし(×)」の場合には、Pr=1とする。両者の関係性が、フレンド登録=あり(○)、且つ、対戦プレイ=あり(○)、且つ、共闘プレイ=あり(○)」の場合には、Pr=10とする。なお、ポイント算出に採用する関係性の種類や数は、適宜設定可能である。
【0091】
これらの変数は、ゲーム終了後に更新されるゲームセーブデータや、プレイ履歴データから求めることができる。第2のプレーヤ候補21が、現在プレイ中である場合は、ゲーム進行状況類似度Sg、使用キャラクタ類似度Sc、プレーヤパラメータ情報類似度Pp、キャラクタパラメータ情報類似度Cpの1つ又は複数を、当該プレイ中の進行に係り随時更新されるゲームの最新情報(いわゆるプレイデータ等)から求めるとしてもよい。
【0092】
変数Fl,Nv,Nf,Sg,Sc,Pp,Cpは、関係性の程度を表す。変数Prは、関係性の種類の多少を示す。よって、関係性ポイントは、関係性の種類および/又は程度を判定した結果を表すといえる。
【0093】
そして、関係性ポイントを求めたならば、サーバシステム1100は、1次選択された第2のプレーヤ候補21の中から、それぞれの関係性ポイントに基づいて第2のプレーヤ5を選択・決定する。例えば、関係性ポイントでソートして、関係性ポイントの上位から所定数(例えば1つでもよいし、2つでもよい)を選択する。或いは、関係性ポイントが上位・中位・下位のそれぞれで所定数ずつ(例えば1つずつでもよいし、2つずつでもよい)選択するとしてもよい。勿論、第2のプレーヤ候補21の中からランダムに所定数(例えば1つでもよいし、2つでもよい)を選択して第2のプレーヤ5としてもよい。
図6の例では、第2のプレーヤ5(2b)の1人を2次選択している。
【0094】
なお、変数として使用する情報としては、これらの内の1つ又は複数を省略してもよい。
例えば、プレーヤパラメータ情報類似度Ppと、キャラクタパラメータ情報類似度Cpとの一方を省略してもよいし、両者を統合してもよい。
【0095】
また例えば、プレーヤ端末1500が現実世界における位置情報(例えば、GPS座標値など)を取得する手段(例えば、
図1の測位モジュール1554)となる位置取得機能を有し、且つサーバシステム1100がプレーヤ端末1500の位置情報をプレーヤ端末1500から取得・利用できるとする。当該構成であれば、現実世界における相対位置についての情報(例えば、相対距離、相対方位、相対高度、など)を変数として用いてもよい。
【0096】
また例えば、フレンド登録の有無を追加してもよい。ゲーム内容やゲームルールによっては、フレンド登録に代えてパーティ登録・グループ登録と読み替えてもよい。
【0097】
図7は、第2のプレーヤに係る出現オブジェクトの選択と、出現状況の設定について説明するための図である。
【0098】
サーバシステム1100は、第2のプレーヤ5(2b)が所有するゲームオブジェクト10(
図7の例では、キャラクタ本体12b(10m)、キャラクタ本体12c(10n)、装備16d(10p)、装備16e(10q)、…)のなかから、候補を選択して、候補のなかから出現オブジェクト33を決定する。厳密には、候補のなかから選ばれたゲームオブジェクト10の一部又は全部をコピーして、出現オブジェクト33を設定・決定する。基本的には、第1優先の候補は、第2のプレーヤ5(2b)が直近過去のプレイにおいてプレーヤキャラクタとしていたゲームオブジェクト10m(キャラクタ本体12b)とする。
【0099】
出現オブジェクト候補の選び方は、
図8に示す出現オブジェクト選択パターンデータ560で定義されている。出現オブジェクト選択パターンデータ560は、適用要件561が異なる複数種類が予め用意されており、それぞれが1つ又は複数の選択要件563(563a、563b、…)、を格納している。
【0100】
適用要件561は、当該定義データが選択・適用されるために満たすべき要件を示す。適用要件561は、1つの詳細条件又は複数の詳細条件のANDやORによる組み合わせによって記述される。詳細条件は、「無制限」「設定無し」とすることができる。
【0101】
詳細条件としては、例えば、関係性条件561aと、プレーヤゲーム進行状況条件561bと、プレーヤキャラクタ条件561cと、プレーヤ所有ゲームオブジェクト条件561dと、を用いてもよい。
【0102】
関係性条件561aは、第1のプレーヤ3と第2のプレーヤ5との間の関係性についての条件である。例えば、関係性ポイントの範囲や閾値で記述される。
【0103】
プレーヤゲーム進行状況条件561bは、第1のプレーヤ3のゲーム進行状況・進度についての条件である。例えば、到達しているシナリオ分岐点、プレーヤキャラクタが到達したゲーム空間の座標範囲、クリアしているシナリオや、クリアしているクエスト、獲得しているNPC、攻略しているボスキャラクタ、などの条件を使って、1つ又は複数を組み合わせて記述される。
【0104】
プレーヤキャラクタ条件561cは、第1のプレーヤ3のプレーヤキャラクタ4に関する情報についての条件である。例えば、プレーヤキャラクタ4のキャラクタレベル、装備しているアイテムの種や数、プレーヤキャラクタ4が使用されている頻度、プレーヤキャラクタ4に設定されているスキルの種類や数、などについての条件として記述される。
【0105】
プレーヤ所有ゲームオブジェクト条件561dは、第1のプレーヤ3が所有しているゲームオブジェクト10についての条件である。例えば、所有しているゲームオブジェクト10の総数、キャラクタ本体12の所有数、単独のパーツ14であるゲームオブジェクト10の所有数、単独の装備16であるゲームオブジェクト10の所有数、などの1つ又は複数の条件として記述される。パーツ14および装備16についての所有数は、プレーヤキャラクタに使用できる/できない、装備できる/装備できない、で分けて計数してもよい。
【0106】
選択要件563は、適用要件561が満たされる状況において、第2のプレーヤ5が所有するゲームオブジェクト10のうち、出現オブジェクトとして選ばれるために満たすべき要件を示す。パターンデータによって選択要件563の数が異なってもよい。選択要件563が複数の場合は、それらをAND条件として組み合わせることで当該パターンデータの選択要件となる。よって、AND条件の要素となる選択要件563が多いほど、出現オブジェクトとして選択されるために満たすべき要件が多くなる。
【0107】
例えば、
図8では、第1選択要件563aは、「第2のプレーヤ5(2b)が直近(現在使用中も含む)に使用していたゲームオブジェクト10(キャラクタ本体12、装備16両方を含み得る)」とされる。第2選択要件563bは、「第2のプレーヤ5(2b)が直近に使用されていた装備16」とされる。第3選択要件563cは、「ゲームシナリオ上、プレーヤのゲーム進行状況で獲得可能な装備16」とされる。第4選択要件563dは、「現在のプレーヤキャラクタが使用可能な装備16」とされる。
【0108】
第1選択要件563a、第2選択要件563b、第3選択要件563c、第4選択要件563dのうちのどれを組み合わせるかは、適用要件561が示す状況において適宜設定可能である。勿論、これら以外の内容の選択要件を設定してもよい。
【0109】
サーバシステム1100は、適用要件561が適合する出現オブジェクト選択パターンデータ560の選択要件563を満たすゲームオブジェクト10を、第2のプレーヤ5(2b)が所有するゲームオブジェクト10の中から検索して、それらを出現オブジェクト33として設定する。
図7の例では、出現オブジェクト33は1つだけ記しているが、1人の第2のプレーヤ5(2b)に係る複数の出現オブジェクト33が設定されてもよい。
【0110】
出現状況をどのように設定するかは、
図9に示す出現状況定義データ580に基づいて決定する。出現状況定義データ580は、適用要件581の異なる複数種類が予め用意されており、それぞれ出現状況データ583と、変更内容定義データ585と、を格納している。
【0111】
適用要件581は、当該定義データが選択・適用されるために満たすべき要件を示す。適用要件581は、1つの詳細条件又は複数の詳細条件のANDやORによる組み合わせによって記述される。詳細条件は、「無制限」「設定無し」とすることができる。
【0112】
詳細条件としては、例えば、関係性条件581aと、出現オブジェクトカテゴリー条件581bと、プレーヤパラメータ情報条件581cと、過去プレイ条件581dと、を使用することできる。また、出現オブジェクトパラメータ情報条件581eと、出現オブジェクト使用制限条件581fと、を使用することができる。勿論、これら以外の内容の詳細条件を適用要件581の記述に使用してもよい。
【0113】
関係性条件581aは、第1のプレーヤ3と第2のプレーヤ5との間の関係性についての条件であって、例えば関係性ポイントの範囲や閾値として記述される。
【0114】
出現オブジェクトカテゴリー条件581bは、出現オブジェクト33のカテゴリーについての条件である。カテゴリーには、例えば、キャラクタ本体12としてのカテゴリーの他、装備16/キャラクタ本体12/パーツ14単独/装備16単独それぞれのカテゴリーがある。勿論、カテゴリーは、そのゲームにおけるゲームオブジェクト10のデザインによって適宜設定してよいが、キャラクタ本体12、パーツ14、装備16の包含関係や付属関係を網羅するように設定するものとする。ゲームオブジェクト10に属性情報が付加されている場合には、当該属性の種類をカテゴリーとしてもよい。
【0115】
プレーヤパラメータ情報条件581cは、第1のプレーヤ3のプレーヤパラメータ情報に関する条件である。プレーヤパラメータ情報としては、プレーヤレベルの他、ゲーム成績、ゲーム成績に応じて自動付与される称号、所有スキル、などである。プレーヤパラメータ情報条件581cは、それらについての満たすべき条件として記述される。
【0116】
過去プレイ条件581dは、第2のプレーヤ5が過去にどのようなプレイをしてきたかについての条件である。例えば、プレイ回数、プレーヤレベル、ゲーム進行状況度、対戦成績、ランキング、称号、などの1つ又は複数についての条件として記述される。
【0117】
出現オブジェクトパラメータ情報条件581eは、出現オブジェクト33がゲーム内で発揮する能力の強弱についての条件である。例えば、キャラクタレベル、装備レアリティ、配色パレット種類、などの1つ又は複数についての条件として記述される。なお、キャラクタレベルなど、プレーヤキャラクタのそれと比較できる能力については、絶対条件としてだけでなく、プレーヤキャラクタのそれと比較した相対条件として記述してもよい。
【0118】
出現オブジェクト使用制限条件581fは、出現オブジェクト33となったゲームオブジェクト10の使用制限に基づく条件である。例えば、ゲームバランスやゲームシナリオ上の理由から出現オブジェクト33となった場合に獲得されることを許容するか否か、出現オブジェクト33として獲得された場合にプレーヤキャラクタ4のカスタム用途に使用されることを許容するか否か、などとして記述される。よって、出現オブジェクト使用制限条件581fは、第1のプレーヤ3に基づく詳細条件の1つともいえる。
【0119】
出現状況データ583は、どのような出現状況に設定するか、その内容を示す。出現状況データ583は、出現位置583a、出現頻度583b、出現タイミング583c、出現確率583d、出現方法583e、出現事物583f、を含む。これらの1つ又は複数を省略又は実質的に「無制限」「設定無し」としてもよい。
【0120】
出現位置583aは、ゲーム空間の位置座標や範囲として記述される。
【0121】
出現頻度583bは、出現周期、出現の時間間隔の範囲、などとして記述される。例えば、ゲーム進行中に周期的に出現オブジェクト33を出現させたい場合にこれを設定しておく。
【0122】
出現タイミング583cは、ゲームシナリオやゲーム進行状況に基づいて判定されるタイミングを示している。例えば、敵NPCとのエンカウント、味方NPCとの共闘イベントの発生、討伐イベントのボス出現タイミング、アイテムドロップタイミング、隠しアイテムのあるイベントの発生、隠しアイテムのあるエリアへの進入など、が1つ又は複数設定される。
【0123】
出現確率583dは、出現タイミング583cにおいて、実際に出現が実行される確率である。確率は「0%」から「100%」の範囲内で設定する。
【0124】
出現方法583eは、出現オブジェクト33とされたゲームオブジェクト10の全構成要素(パーツ14や装備16)をまとめて出現させる「全形態」、出現オブジェクト33とされたゲームオブジェクト10の構成要素の一部のみを出現させる「部分形態」、敵NPCを撃破することをトリガーとして出現する「ドロップ」、ゲーム空間に放置されている「放置」、ゲーム空間に隠されている「隠蔽」、クエストやミッションの成功報酬とされる「報酬」、などが1つ又は複数設定される。また、これらの選択肢の何れかをランダムに選択する「ランダム」を設定してもよい。
【0125】
出現事物583fは、出現オブジェクト33をゲーム内でどのような事物として出現させるかを指定する。事物の種類としては、例えば、味方NPC、敵NPC、第1のプレーヤ3が獲得可能なアイテム、背景物、トラップ、などが1つ又は複数設定されている。
【0126】
変更内容定義データ585は、出現時に出現オブジェクト33の元になったゲームオブジェクト10のオリジナルの設定内容を一部変更してから出現させる場合に、その変更具合を定める。変更内容定義データ585によって、例えば、オブジェクトパラメータ情報の変更(当該ゲームオブジェクトがキャラクタであればキャラクタパラメータ値)、属性の変更、当該ゲームオブジェクトのパーツ14や装備16の構成要素の変更、形態(オブジェクトモデル、テクスチャ、配色、など)の変更、を指定できる。変更内容定義データ585は、「設定無し」とすることもできる。
【0127】
適用要件581と出現状況データ583を適切に設定することで、ゲーム進行や、出現オブジェクト33の内容に応じて、出現オブジェクト33をゲームバランスやゲーム演出上、適切に登場させることができる。
【0128】
例えば、出現オブジェクトパラメータ情報条件581eを適切に設定することで、強者(能力パラメータ値が相対的に秀でている個体)であるゲームオブジェクト10を元にした出現オブジェクト33を、雑魚な敵NPC6としてではなく、強敵な敵NPC6としてゲーム内に登場させることができる。
【0129】
具体的には、出現オブジェクトパラメータ情報条件581eが「出現オブジェクト33の全要素(キャラクタ本体12およびその装備16の全て)であって、その設定上の能力を積み上げると、明らかにボスキャラ級の「強者」である場合」とする。そして、出現状況データ583の出現事物583fを「敵NPC」とし、且つ出現タイミング583cをゲームフィールド移動中のエンカウントを含めず「クエストのボス戦」に限定すれば、明らかに強いゲームオブジェクト10を強者として相応しい状況で出現・登場させることができる。更に変更内容定義データ585で、ダーク系の配色に色換えの設定をしておけば、本来、白色の聖騎士風のキャラクタをダーク系の配色に変えて敵ボスNPCとして登場させる、といったことが可能になる。
【0130】
サーバシステム1100は、出現状況が設定された複数の出現オブジェクト33を常に用意しておく。そして、出現状況が満たされた出現オブジェクト33の有無を監視し続け、出現状況が満たされた出現オブジェクト33があれば、当該出現オブジェクト33をその出現状況を実現するようにゲームに出現させる。
【0131】
逆説的に言えば、出現状況データ583で設定される様々な状況は、ゲームシナリオ等により想定されるNPCの出現シチュエーションや、アイテムの出現シチュエーションを網羅している。
【0132】
次に、機能構成について説明する。
図10は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0133】
操作入力部100sは、サーバシステム1100の管理のための各種操作を入力するための手段である。例えば、キーボード、タッチパネル、マウス、などがこれに該当する。
【0134】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信した操作入力情報、などに基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0135】
サーバシステム1100のサーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、ゲーム管理部210と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sと、を有する。
【0136】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理およびユーザアカウントに紐付けられる各種情報の記憶管理を行う。
【0137】
ゲーム管理部210は、仮想空間サービスの提供に係る各種制御を行う。具体的には、仮想3次元空間に背景オブジェクトを配置してゲーム空間を設定し、ゲーム空間にプレーヤキャラクタ等のキャラクタを配置してその動作を制御する。そして、ゲームの進行を制御する。
【0138】
ゲーム管理部210は、プレーヤ関連情報管理部212と、位置情報取得部214と、選出部216と、関係性判定部218と、出現制御部220と、特典付与制御部240と、を有する。
【0139】
出現制御部220は、出現位置設定部222と、出現確率設定部224と、出現頻度設定部226と、出現タイミング設定部228と、出現方法設定部230と、出現事物設定部232と、出現オブジェクト設定部234と、を有する。
【0140】
プレーヤ関連情報管理部212は、ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報を管理する。プレーヤ関連情報は、(1)フレンドプレーヤの情報、(2)過去にマルチプレイを行った際のプレーヤの情報を含むプレイ履歴情報、(3)ゲームプレイによって変化する当該プレーヤのパラメータの情報、(4)ゲーム進行状況、(5)使用キャラクタ、(6)プレーヤレベルの情報、を含む。そして、プレーヤ関連情報管理部212は、当該プレーヤのゲームプレイが終わった後の情報に基づいて、当該プレーヤのプレーヤ関連情報を更新して保存管理する。また、ゲーム進行制御用に、当該プレーヤのゲームプレイ中に当該プレーヤのプレーヤ関連情報を随時更新して管理する。
【0141】
位置情報取得部214は、位置取得機能を有するプレーヤ端末から各プレーヤの位置情報を取得する制御を行う。具体的には、プレーヤ端末に所定の位置情報提供リクエストを送信して位置情報を取得し、プレーヤアカウントと紐付けてサーバ記憶部500sに一時記憶させる。
【0142】
選出部216は、登録ユーザのなかから、出現オブジェクトの元になるゲームオブジェクトを有している起源プレーヤ、すなわち第2のプレーヤを選出する。具体的には、選出部216は、各プレーヤのプレーヤ関連情報に基づいて、第2のプレーヤを選出する。より具体的には、選出部216は、フレンドプレーヤを第2のプレーヤとして選出する。また、選出部216は、第1のプレーヤが過去にマルチプレイを行った際の時間情報に基づく所与の時間条件を満たすように過去にマルチプレイをしていたプレーヤを、第2のプレーヤとして選出する。また、選出部216は、第1のプレーヤの位置情報に基づく所与の位置条件を満たすプレーヤを、第2のプレーヤとして選出する。
【0143】
関係性判定部218は、第1のプレーヤと第2のプレーヤとの間の関係性を判定する。具体的には、関係性判定部218は、第1のプレーヤのプレーヤ関連情報と第2のプレーヤのプレーヤ関連情報それぞれに含まれる情報の類否又は差異に基づいて、関係性の種類および/又は程度を判定する。より具体的には、関係性ポイントを算出して(
図6参照)、関係性ポイントの数値の大小で関係性の度合を判定する。
【0144】
出現制御部220は、関係性判定部218により判定された関係性に基づいて、第1のプレーヤがプレイ中のゲームに、第2のプレーヤのゲームオブジェクトに基づく出現オブジェクトを出現させる制御を行う。具体的には、出現制御部220は、出現オブジェクトの出現を関係性判定部218の判定結果に応じて可変に制御する。より具体的には、出現状況定義データ580(
図9参照)の適用要件581において関係性条件581aが含まれている。そして、適用要件581を満たした定義データの出現状況データ583が適用されることで、出現オブジェクトの出現が関係性判定部218の判定結果に応じて可変に制御されることになる。
【0145】
出現位置設定部222は、判定された関係性に基づいて、出現オブジェクトの出現位置を設定する。
出現確率設定部224は、判定された関係性に基づいて、出現オブジェクトの出現確率を設定する。
出現頻度設定部226は、判定された関係性に基づいて、出現オブジェクトの出現頻度を設定する。
出現タイミング設定部228は、判定された関係性に基づいて、出現オブジェクトの出現タイミングを設定する。
出現方法設定部230は、判定された関係性に基づいて、出現オブジェクトの出現方法を設定する
【0146】
出現事物設定部232は、判定された関係性に基づいて、出現オブジェクトを、ゲームにおける所定の出現事物に設定する。その1つとして、出現事物設定部232は、出現オブジェクトを、ゲーム中で第1のプレーヤが獲得可能な事物に設定する。
【0147】
出現オブジェクト設定部234は、判定された関係性に基づいて記第2のプレーヤのゲームオブジェクトを変更することで、出現オブジェクトを設定する。具体的には、出現オブジェクト設定部234は、第2のプレーヤのゲームオブジェクトに設定されているパラメータ値、属性、当該ゲームオブジェクトの構成要素、形態、のうちの少なくとも1つを変更することで、出現オブジェクトを設定する。その際、第1のプレーヤに基づいて、第2のプレーヤのゲームオブジェクトの変更具合を決定する。
【0148】
特典付与制御部240は、第1のプレーヤが出現オブジェクトを獲得した場合に、第1のプレーヤおよび/又は第2のプレーヤに所与の特典を付与する制御を行う。
【0149】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の各種計時を行う。
【0150】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現される。音生成部290sは、生成した音声信号を音出力部390sへ出力する。音出力部390sは、スピーカ等により実現され、音声信号に基づいて放音する。
【0151】
画像生成部292sは、サーバシステム1100のシステム管理のための各種管理画面の画像生成を行い、画像データを画像表示部392sに出力する。また、プレーヤ端末1500にて表示させる画像の一部又は全部の生成を行う。画像表示部392sは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
【0152】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信装置1153がこれに該当する。
【0153】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。これらの機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例では、サーバシステム1100の本体装置が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体がこれに該当する。オンラインストレージをサーバ記憶部500sに含めてもよい。
【0154】
図11は、サーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。
サーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用クライアントプログラム503と、ユーザ情報600と、プレイ履歴情報670と、プレイデータ700と、現在日時900と、を記憶する。なお、サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマーや、カウンタ、各種フラグ、など)も適宜記憶する。
【0155】
サーバプログラム501は、サーバシステム1100を、ユーザ管理部202、ゲーム管理部210、として機能させるためのプログラムである。
【0156】
配信用クライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500へ提供されて実行されるクライアントプログラムのオリジナルである。
【0157】
ゲーム初期設定データ510は、オンラインゲームに係る各種初期設定データ、つまり仮想空間サービスの提供に係る各種初期設定データを格納する。例えば、ゲーム初期設定データ510は、ゲームオブジェクト初期設定データ520と、特典定義データ550と、出現オブジェクト選択パターンデータ560(
図8参照)と、出現状況定義データ580(
図9参照)と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0158】
ゲームオブジェクト初期設定データ520は、ゲームオブジェクト10の種類毎に用意され、当該ゲームオブジェクト10に係る各種初期設定データを格納する。
1つのゲームオブジェクト初期設定データ520は、例えば
図12に示すように、ゲームオブジェクト種類521と、ゲームオブジェクト名523と、オブジェクトカテゴリー525と、構成パーツデータ530と、装備データ540と、初期オブジェクトパラメータ情報546と、使用制限データ548と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0159】
オブジェクトカテゴリー525は、例えば、キャラクタ本体12としてのカテゴリーが何か、装備16/キャラクタ本体12/パーツ14単独/装備16単独の何れであるか、を示す(
図2参照)。
【0160】
構成パーツデータ530は、当該ゲームオブジェクト10が複数のパーツ14を包含する場合に作成される。例えば、当該ゲームオブジェクト10がキャラクタ本体12であれば、当該キャラクタの各部位のパーツ14毎に構成パーツデータ530が作成される。1つの構成パーツデータ530は、部位名531と、当該パーツであるゲームオブジェクト10を示すパーツゲームオブジェクト種類533と、を格納する。
【0161】
装備データ540は、当該ゲームオブジェクト10が装備16を包含する場合に作成される。例えば、当該ゲームオブジェクト10が、キャラクタ本体12に装備16を備えて1個体のオブジェクトとして登録されている場合、当該装備16毎に装備データ540が作成される。1つの装備データ540は、当該装備をどこに備えているかを示す装備先部位名541と、当該装備を備えているゲームオブジェクトの種類を示す装備ゲームオブジェクト種類543と、を格納する。
【0162】
初期オブジェクトパラメータ情報546は、当該ゲームオブジェクトに係る各種パラメータの情報を格納する。初期オブジェクトパラメータ情報546は、例えば、オブジェクトレベル(当該、ゲームオブジェクト10がキャラクタであればキャラクタレベル)、属性、能力パラメータ値(例えば、攻撃力、防御力、移動力、スキル)などであり、ゲーム内容に応じて適宜設定する。
【0163】
使用制限データ548は、当該ゲームオブジェクトの使用制限についての各種情報を格納する。使用制限データ548は、出現オブジェクト使用制限条件581f(
図9参照)を満たしているか否かの判定にて参照される。
【0164】
使用制限データ548として、例えば、当該ゲームオブジェクトが使用可能なプレーヤレベルを示す「使用可能プレーヤレベル」を設定してもよい。
【0165】
また、当該ゲームオブジェクトが使用可能なキャラクタ本体12のゲームオブジェクト名523を示す「使用可能キャラクタ名」、当該ゲームオブジェクトをプレーヤキャラクタに装備可能にするために満たすべき「使用可能キャラクタレベル」を使用制限データ548として設定してもよい。
【0166】
また、ゲームバランスやゲームシナリオの観点から当該ゲームオブジェクトをプレーヤが使用・所有可能であるために満たされるべきゲーム進行状況を示す「使用可能進捗状況」、当該ゲームオブジェクトを使用可能な部位を示す「使用部位」、などを使用制限データ548として設定してもよい。
【0167】
図11に戻って、特典定義データ550は、獲得可能なアイテムとして出現した出現オブジェクト33を、第1のプレーヤ3が獲得した場合に付与される特典を定義する。例えば、プレーヤ向け特典データと、出現オブジェクト33の第2のプレーヤ向け特典データと、の一方又は両方を格納する。特典定義データ550は1つに限らない。例えば、出現オブジェクト33のオブジェクトカテゴリー別や出現状況別に、特典の内容や付与対象のユーザを変えたい場合には、適用オブジェクトカテゴリー種類や、付与対象ユーザ種類、の情報や条件を追加した複数の特典定義データ550を用意すればよい。
【0168】
ユーザ情報600は、登録ユーザ毎に用意され、当該ユーザに紐付けされる各種情報を格納する。すなわち、ユーザ情報600は、ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報の1つである。
【0169】
1つのユーザ情報600は、例えば
図13に示すように、ユーザアカウント601と、フレンドプレーヤ情報603と、ゲームセーブデータ610と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0170】
フレンドプレーヤ情報603は、フレンド登録の手続がなされた他ユーザ(すなわちフレンド)毎に作成され、フレンドのユーザアカウントであるフレンドアカウントおよび親密度を格納する。親密度は、サーバシステム1100が提供するチャットの利用回数や、マルチプレイの回数、所有ゲームオブジェクトの交換や譲渡などの回数、等に応じて自動的に更新される。
【0171】
ゲームセーブデータ610は、プレーヤパラメータ情報611と、所有ゲームオブジェクトデータ620と、ゲーム進行状況情報640と、ゲーム成績データ642と、プレーヤキャラクタ設定データ650と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0172】
所有ゲームオブジェクトデータ620は、ユーザアカウント601のユーザが所有するゲームオブジェクト10毎に作成される。
1つの所有ゲームオブジェクトデータ620は、固有の識別情報であるゲームオブジェクトID621と、ゲームオブジェクト種類623と、当該ゲームオブジェクトを構成するパーツ14毎のパーツデータ625と、を含む。また、当該ゲームオブジェクトに使用されている装備16毎の装備データ626と、オブジェクトパラメータ情報627と、当該ゲームオブジェクトをゲームで使用した記録である使用履歴データ629(例えば、使用日時、使用回数、など)と、を含む。
【0173】
第1のプレーヤ3が、プレーヤキャラクタ4とするゲームオブジェクト10をカスタマイズすると、パーツデータ625や装備データ626が作成される。
【0174】
オブジェクトパラメータ情報627は、当該ゲームオブジェクト10を所有した当初は、ゲームオブジェクト初期設定データ520(
図12参照)の初期オブジェクトパラメータ情報546が写されるが、ゲームで当該ゲームオブジェクトが使用されそれらの情報が変更されると、ゲーム終了時に更新される。
【0175】
プレーヤキャラクタ設定データ650は、直近のプレイでプレーヤキャラクタ4(
図3参照)としたゲームオブジェクト10の設定データである。つまり、使用キャラクタ情報である。
【0176】
プレーヤキャラクタ設定データ650は、プレーヤキャラクタ4として使用するゲームオブジェクト10を示す使用ゲームオブジェクトID651と、キャラクタパラメータ情報653と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0177】
図11に戻って、プレイ履歴情報670は、ゲームプレイ毎に作成され、当該プレイに係る各種データを格納する。1つのプレイ履歴情報670は、何時から何時までプレイしたかを示すプレイ時間情報671と、プレイ種類673と、プレーヤアカウントリスト675と、を含む。プレイ種類673は、シングルプレイ/対戦マルチプレイ/共闘マルチプレイの何れかを示す。プレーヤアカウントリスト675は、当該プレイに参加したユーザのユーザアカウントを格納する。よって、プレイ履歴情報670は、ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報の1つであるといえる。
【0178】
プレイデータ700は、ゲームプレイ毎に作成され、当該ゲームプレイの進行制御に必要な各種データ、最新状態を記述する各種データを格納し、ゲーム進行に応じて随時更新される。プレイデータ700も、ゲームに係る各プレーヤのプレーヤ関連情報の1つである。
【0179】
1つのプレイデータ700は、例えば
図14に示すように、プレーヤアカウント701と、ゲーム進行状況情報703と、第2のプレーヤ候補データ710と、第2のプレーヤアカウントリスト718と、出現オブジェクト設定データ720と、出現制御データ730と、を含む。
【0180】
第2のプレーヤ候補データ710は、第2のプレーヤ候補21(
図6参照)毎に作成される。1つの第2のプレーヤ候補データ710は、候補アカウント711と、関係性ポイント713と、を格納する。
【0181】
出現オブジェクト設定データ720は、出現オブジェクト33(
図7参照)毎に作成される。1つの出現オブジェクト設定データ720は、出現オブジェクトID721と、起源ゲームオブジェクトID722と、第2のプレーヤアカウント723と、適用出現状況データ725と、変更データ727と、出現フラグ729と、を含む。
【0182】
起源ゲームオブジェクトID722は、第2のプレーヤアカウント723の示すユーザが所有するゲームオブジェクト10を元(起源オブジェクト)にして当該出現オブジェクト33を設定したかを示す。
【0183】
適用出現状況データ725は、適用要件581が満たされた出現状況定義データ580の出現状況データ583が写される(
図9参照)。
変更データ727は、適用要件581が満たされた出現状況定義データ580の変更内容定義データ585の内容が写される(
図9参照)。
出現フラグ729は、当該出現オブジェクトがゲーム空間に出現されるとオン(フラグを立てる)にされる。
【0184】
出現制御データ730は、出現された出現オブジェクト33毎に作成され、出現後の表示制御や動作制御に係るデータが格納される。
【0185】
図15は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、位置取得部110と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500と、を備える。
【0186】
操作入力部100は、ユーザによってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、などによって実現できる。
【0187】
位置取得部110は、プレーヤ端末1500の地球上における現在位置(例えば、緯度・経度・高度など)を取得して端末処理部200へ出力する。
図1の例では測位モジュール1554がこれに該当する。位置取得部110が利用する測位システムは、GPSに限らずその他の衛星測位システムや、携帯電話などの基地局を用いた測位システム、などを用いるとしてもよい。
【0188】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間のデータ入出力の制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、プレーヤ端末1500の動作を制御する。
【0189】
端末処理部200は、クライアント制御部260と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を有する。
【0190】
クライアント制御部260は、ゲームシステム1000におけるクライアントとしての制御として、プレーヤ端末1500をMMIF(マン・マシン・インターフェース)として機能させる各種制御を行う。具体的には、クライアント制御部260は、操作入力情報提供部261と、表示制御部262と、を有する。
【0191】
操作入力情報提供部261は、操作入力部100からの入力に応じて操作入力情報をサーバシステム1100へ送信する制御を行う。
【0192】
表示制御部262は、サーバシステム1100から受信したデータに基づいて各種画像を表示させるための制御を行う。
【0193】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0194】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、楽曲や効果音、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。音出力部390は、スピーカなど音生成部290から入力される音信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。
【0195】
画像生成部292は、クライアント制御部260の制御に基づく画像を画像表示部392へ表示させる画像信号を生成・出力する。
図1の例では、制御基板1550に搭載されるGPU(Graphics Processing Unit)や、グラフィックコントローラ、グラフィックボード、などがこれに該当する。画像表示部392は、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
【0196】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0197】
通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信モジュール1553がこれに該当する。
【0198】
端末記憶部500は、端末処理部200に所与の機能を実現させるためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスクなどによって実現される。
図1の例では、制御基板1550が搭載するICメモリ1552がこれに該当する。
【0199】
具体的には、端末記憶部500は、プレーヤ端末1500を仮想空間サービス用のクライアント制御部260として機能させるためのクライアントプログラム800(アプリケーションプログラム)と、クライアントデータ810と、現在日時900と、を記憶する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶できる。
【0200】
クライアントデータ810は、クライアント制御部260が制御を実行するための各種データである。クライアントデータ810は、例えば、ユーザアカウントやパスワード、などを含む。
【0201】
図16は、サーバシステム1100が実行する処理の流れを説明するためのフローチャートである。
サーバシステム1100は、先ずプレーヤキャラクタ4の設定をする(ステップS10)。例えば、プレーヤ端末1500にて、第1のプレーヤ3(プレーヤであるユーザ2)のゲームセーブデータ610からプレーヤキャラクタ設定データ650(
図13参照)を参照して、前回プレイしたプレーヤキャラクタ4の情報を表示するとともに、今回のプレイにおいて、そのままプレーヤキャラクタ4を使用するかカスタマイズするかの選択操作を受け付ける。カスタマイズ操作が検出されると、所有ゲームオブジェクトデータ620を参照して所有するゲームオブジェクト10を表示して、プレーヤキャラクタ4を構成するゲームオブジェクト10を変更する、としてもよい。
【0202】
次に、サーバシステム1100は、出現オブジェクト設定処理を実行する(ステップS12)。
【0203】
図17と
図18は、出現オブジェクト設定処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図17に示すように、サーバシステム1100は、先ず第2のプレーヤの選択方法を「関係性基準」とするか「ランダム」に選択するかの2択から選択する(ステップS20)。例えば、ランダムに選択するとしてもよい。関係性基準の確率を高くして且つランダムの確率を低くして抽選処理してもよい。
【0204】
関係性基準を選択した場合(ステップS22の関係性基準)、サーバシステム1100は、第1のプレーヤ3のフレンドユーザを、第2のプレーヤ候補21(
図6参照)として1次選択する(ステップS24)。プレイデータ700(
図14参照)には、第2のプレーヤ候補データ710が作成されるが関係性ポイント713は、この段階では未算出である。
【0205】
次いで、サーバシステム1100は、プレイ履歴情報670(
図11参照)を参照して、登録されている全ユーザの中から、当該ゲームプレイに参加していない他ユーザであって、且つ第1のプレーヤ3と過去にマルチプレイした他ユーザを検索して、第2のプレーヤ候補21に加える(ステップS26)。
【0206】
なお、ステップS26については、ステップS24によって相当数の第2のプレーヤ候補21を選択できた場合には、これをスキップしてもよい。或いは、ステップS26を、マルチプレイの履歴有無に係わらず、ランダムに所定数の他ユーザを全ユーザの中から選択する、としてもよい。
【0207】
次に、サーバシステム1100は、第2のプレーヤ候補21の数の調整を行う(ステップS28)。具体的には、現在プレイ中のプレーヤ端末1500からそれぞれの現在位置情報を取得する。そして、ステップS26を終えた時点の第2のプレーヤ候補21の数が所定基準値よりも多い場合には、第1のプレーヤ3のプレーヤ端末1500の現在位置を基準とする所与の範囲外に位置するプレーヤ端末1500の第2のプレーヤ候補21を除外する、としてもよい。逆にステップS26を終えた時点の第2のプレーヤ候補21の数が所定基準値よりも少ない場合には、第1のプレーヤ3のプレーヤ端末1500の現在位置を基準とする所与の範囲内に位置するプレーヤ端末1500を使っている他ユーザを第2のプレーヤ候補21に追加するとしてもよい。
【0208】
次に、サーバシステム1100は、第2のプレーヤ候補21毎に関係性ポイントを算出し、これを関係性の判定とする(ステップS30)。そして、それぞれの関係性ポイントに基づいて第2のプレーヤ5(
図6参照)を選択する(ステップS32)。これにより、第2のプレーヤアカウントリスト718(
図14参照)が設定される。
【0209】
一方、第2のプレーヤの選択方法として「ランダム」が選択された場合(ステップS22のランダム)、サーバシステム1100は、当該プレイに参加していないプレーヤ以外の他ユーザのなかから所定数(第2のプレーヤとして要求される数)だけランダムに第2のプレーヤ候補21を選択する(ステップS40)。そして、第2のプレーヤ候補21毎に関係性ポイントを算出して(ステップS42)。第2のプレーヤ候補21をそのまま第2のプレーヤ5として設定する(ステップS44)。
【0210】
図18に移って、次に、サーバシステム1100は、第2のプレーヤ5毎にループAを実行する(ステップS50からステップS64)。
【0211】
ループAにおいて、サーバシステム1100は、ループAの処理対象とする第2のプレーヤ5の関係性ポイントの順位に応じて出現オブジェクト33の選出数を決定する(ステップS52)。例えば、関係性ポイントの順位を、上位グループ、中位グループ、下位グループに分ける。そして、上位グループの第2のプレーヤ5については、出現オブジェクト33の選出数を「5」とし、中位グループの第2のプレーヤ5については、出現オブジェクト33の選出数を「3」とし、下位グループの第2のプレーヤ5については、出現オブジェクト33の選出数を「2」とする、としてもよい。順位に所定の倍数を掛けて選出数を決定するとしてもよい。
【0212】
次に、決定した出現オブジェクト33の選出数だけループBを実行する(ステップS54からステップS62)。
【0213】
ループBにおいて、サーバシステム1100は、ループAの処理対象とする第2のプレーヤ5が所有するゲームオブジェクトの中からゲームオブジェクト10を選択し、これを新たな出現オブジェクト33の元(起源オブジェクト)として選択し、出現オブジェクト33の1次設定とする(ステップS56)。
【0214】
具体的には、サーバシステム1100は、出現オブジェクト選択パターンデータ560(
図8参照)のうち、適用要件561が満たされているパターンデータを検索する。そして、該当するパターンデータの選択要件563を満たすゲームオブジェクト10を検索する。検索されたゲームオブジェクト10が複数であれば、何れかをランダムに選択する。
【0215】
選択されたゲームオブジェクト10の所有ゲームオブジェクトデータ620(
図13参照)を写して新たな出現オブジェクト設定データ720(
図14参照)を作成する。この段階では、適用出現状況データ725と、変更データ727は未設定である。出現フラグ729はオフである。
【0216】
次いで、サーバシステム1100は、適用要件581が満たされている定義データに変更内容定義データ585(
図9参照)があれば、これを適用して変更データ727(
図14参照)を設定し、出現オブジェクト33の2次設定とする(ステップS58)。
【0217】
次に、サーバシステム1100は、適用要件581が満たされている定義データの出現状況データ583(
図9参照)を、出現オブジェクト33の適用出現状況データ725(
図14参照)に写してこれを設定する(ステップS60)。そして、ループBを終える(ステップS62)。
【0218】
ループAの処理対象とする第2のプレーヤ5について、ステップS52で決定した選出数だけループBを実行したならばループAを終える(ステップS64)。そして、全ての第2のプレーヤ5についてループAを実行したならば出現オブジェクト設定処理を終了する。
【0219】
図16に戻って、サーバシステム1100は次にゲーム進行制御を開始する(ステップS80)。例えば、サーバシステム1100は、ゲーム初期設定データ510を参照して、仮想3次元空間に背景オブジェクトを配置してゲーム空間を作成し、ゲーム空間に、プレーヤキャラクタ4やNPCのキャラクタオブジェクト等を配置する。そして、プレーヤ端末1500にて入力された操作入力情報に基づいて、プレーヤキャラクタ4動作制御し、NPCを自動制御する。レンダリングしたゲーム空間の様子から所与のゲーム画面を生成して、プレーヤ端末1500にて表示させる。
【0220】
サーバシステム1100は、刻々と変化するゲーム進行状況と照らして、適用出現状況データ725が示す出現状況(適用出現状況)を満たす出現オブジェクト33があるかを監視している。そして、適用出現状況を満たす出現オブジェクト33があれば(ステップS82のYES)、当該出現オブジェクト33をゲーム空間に出現処理する(ステップS84)。これに伴い、出現された出現オブジェクト33の出現フラグ729(
図14参照)がオンにされる。なお、ステップS84では、適用出現状況を満たす出現オブジェクト33であっても、当該出現オブジェクト33の出現フラグ729がオンになっていて出現済であることを示す場合は出現処理をスキップする。
【0221】
次に、サーバシステム1100は、出現させた出現オブジェクト33を、その役どころを果たすように出現後の制御を開始する(ステップS86)。例えば、敵NPCとして出現した出現オブジェクト33については、プレーヤキャラクタ4を攻撃するように自動動作制御をする。ドロップアイテムとして出現した出現オブジェクト33については、プレーヤによるアイテムの調査操作や取得操作に応じた表示制御をする。
【0222】
もし、第1のプレーヤ3が獲得可能なアイテムとして出現済の出現オブジェクト33を獲得する操作がプレーヤ端末1500にて検出されたならば(ステップS100のYES)、サーバシステム1100は、当該出現オブジェクト33を第1のプレーヤ3が所有するゲームオブジェクト10として追加登録する(ステップS102)。
【0223】
次いで、サーバシステム1100は、獲得された当該出現オブジェクト33をゲーム空間から消去し(ステップS104)、特典定義データ550(
図11参照)を参照してプレーヤおよび/また他は出現させた出現オブジェクト33の第2のプレーヤ5へ特典を付与する(ステップS106)。
【0224】
次いで、サーバシステム1100は、獲得された当該出現オブジェクト33の第2のプレーヤアカウント723の示す第2のプレーヤ5の関係性ポイント713(
図14参照)を増加変更し(ステップS108)、獲得された当該出現オブジェクト設定データ720を削除する(ステップS110)。
【0225】
次に、サーバシステム1100は、未出現の出現オブジェクト33の補充を行う(ステップS120)。ステップS12によって、ゲームプレイを開始する前に未出現の出現オブジェクト33が予め用意されたが、ステップS84で出現の出現オブジェクト33が消費される。出現済の出現オブジェクト33はステップS84では対象外とされるため、ゲームが進むにつれて、ステップS12で用意した未出現の出現オブジェクト33は減る。ステップS110では、出現フラグ729がオンになっていない出現オブジェクト33の数をカウントして、所定基準値に満たない場合、出現オブジェクト設定処理を再度実行して、未出現の出現オブジェクト33を十分に補充する。
【0226】
もし、第2のプレーヤ5として、当該ゲームプレイとは別のゲームをプレイ中の他ユーザが選ばれている場合、ステップS120によって、当該第2のプレーヤ5の最新のプレーヤキャラクタ設定データ650(
図13参照)や、プレイデータ700(
図14参照)が反映された関係性に基づいて最新のゲームオブジェクト10に基づいた新たな出現オブジェクト33が補充されることになる。
【0227】
なお、一度出現した出現オブジェクト33を何度でも繰り返し出現させてもよいとする構成も可能である。その場合には、出現フラグ729を省略し、ステップS110も省略してもよい。
【0228】
サーバシステム1100は、ゲーム終了条件が満たされるまで(ステップS122のNO)、ステップS82からステップS110を繰り返す。ゲーム終了条件が満たされると(ステップS122のYES)、プレイ成績の発表や、ユーザ情報600の更新、プレイ履歴情報670の作成、などを含む所与のゲーム終了処理を実行して(ステップS124)、一連の処理を終了する。
【0229】
以上、本実施形態によれば、第1のプレーヤがプレイするゲームに、第2のプレーヤに係るオブジェクトを出現させる際の多様性を高めることができる。
【0230】
すなわち、第1のプレーヤ3と第2のプレーヤ5を選択し、当該第2のプレーヤ5が所有するゲームオブジェクト10に基づいて出現オブジェクト33を設定する。そして、出現オブジェクト33を、現在プレイ中である第1のプレーヤ3のゲーム内に出現させることができる。第1のプレーヤ3と第2のプレーヤ5との間の関係性は、他プレーヤの誰を第2のプレーヤ5とするかによって様々である。また、第2のプレーヤ5が所有するゲームオブジェクト10も様々である。よって、第1のプレーヤ3がプレイするゲームに、第2のプレーヤ5に係るオブジェクトを出現させる際の多様性を従来よりも高めることができる。
【0231】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0232】
(変形例その1)
ゲームに登場するNPCやアイテムの全てが出現オブジェクト33であるとは限らない。従来のゲームのように、予めゲーム制作者が用意しているNPCやアイテムが出現するシチュエーションにおいて、それらに混じって第2のプレーヤ5が所有するゲームオブジェクト10を元にした出現オブジェクト33を出現させるとしてもよい。
【0233】
(変形例その2)
ステップS124として、ユーザ情報600やプレイ履歴情報670の更新を、プレイ終了毎に実行する例を示したが、プレーヤ関連情報の更新は、プレーヤがゲームプレイをしていない所与のタイミングであれば、プレイ終了タイミングに限らない。
例えば、ゲームプレイ中であっても、連続して操作入力されていない時間が所与の継続時間を満たした場合(例えば、プレーヤが思案中など)に、随時更新するとしてもよい。
【符号の説明】
【0234】
2…ユーザ
3…第1のプレーヤ
4…プレーヤキャラクタ
5…第2のプレーヤ
10…ゲームオブジェクト
12…キャラクタ本体
14…パーツ
16…装備
21…第2のプレーヤ候補
33…出現オブジェクト
110…位置取得部
200s…サーバ処理部
212…プレーヤ関連情報管理部
214…位置情報取得部
216…選出部
218…関係性判定部
220…出現制御部
222…出現位置設定部
224…出現確率設定部
226…出現頻度設定部
228…出現タイミング設定部
230…出現方法設定部
232…出現事物設定部
234…出現オブジェクト設定部
240…特典付与制御部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
510…ゲーム初期設定データ
520…ゲームオブジェクト初期設定データ
530…構成パーツデータ
540…装備データ
550…特典定義データ
560…出現オブジェクト選択パターンデータ
561…適用要件
561a…関係性条件
563…選択要件
580…出現状況定義データ
581…適用要件
581a…関係性条件
581c…プレーヤパラメータ情報条件
581e…出現オブジェクトパラメータ情報条件
583…出現状況データ
583a…出現位置
583b…出現頻度
583c…出現タイミング
583d…出現確率
583e…出現方法
583f…出現事物
585…変更内容定義データ
600…ユーザ情報
603…フレンドプレーヤ情報
610…ゲームセーブデータ
611…プレーヤパラメータ情報
620…所有ゲームオブジェクトデータ
627…オブジェクトパラメータ情報
630…キャラクタ設定データ
640…ゲーム進行状況情報
650…プレーヤキャラクタ設定データ
670…プレイ履歴情報
700…プレイデータ
701…プレーヤアカウント
703…ゲーム進行状況情報
710…第2のプレーヤ候補データ
713…関係性ポイント
718…第2のプレーヤアカウントリスト
720…出現オブジェクト設定データ
723…第2のプレーヤアカウント
725…適用出現状況データ
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
1500…プレーヤ端末
1550…制御基板
1554…測位モジュール