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特開2024-145559表示制御装置、撮影システム、撮影装置、表示制御方法、及び撮影方法
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  • 特開-表示制御装置、撮影システム、撮影装置、表示制御方法、及び撮影方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145559
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】表示制御装置、撮影システム、撮影装置、表示制御方法、及び撮影方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/222 20060101AFI20241004BHJP
   H04N 23/611 20230101ALI20241004BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H04N5/222 400
H04N23/611
G09G5/00 550C
G09G5/00 530T
G09G5/00 550B
G09G5/00 510B
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057965
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100153822
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 重之
(72)【発明者】
【氏名】藤本 真一
(72)【発明者】
【氏名】田中 康一
(72)【発明者】
【氏名】石田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊輝
【テーマコード(参考)】
5C122
5C182
【Fターム(参考)】
5C122DA35
5C122FH11
5C122FK23
5C122FK24
5C122HB01
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA12
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA29
5C182BA54
5C182BA55
5C182BA56
5C182BB04
5C182BB11
5C182BB12
5C182BB13
5C182CB12
5C182CB54
5C182CC21
5C182DA44
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】本開示の技術に係る一つの実施形態は、被写体の姿勢情報に基づいて表示装置を制御する表示制御装置、撮影システム、撮影装置、表示制御方法、及び撮影方法を提供する。
【解決手段】本発明の一の態様に係る表示制御装置は、プロセッサを備える撮影制御装置であって、プロセッサは、第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、表示された第1画像または第1映像と、表示装置に関連する被写体とを撮影装置に撮影させ、撮影により取得された第2画像または第2映像における被写体の姿勢情報を解析し、解析した姿勢情報に基づいて表示装置を制御する。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備える表示制御装置であって、
前記プロセッサは、
第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、
前記表示された前記第1画像または前記第1映像と、前記表示装置に関連する被写体とを撮影装置に撮影させ、
前記撮影により取得された第2画像または第2映像における前記被写体の姿勢情報を解析し、
前記解析した前記姿勢情報に基づいて前記表示装置を制御する、
表示制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記被写体と前記表示装置との位置関係に基づいて前記表示装置を制御する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記被写体の視線方向と、前記被写体の顔及び/または体の向きとのうち少なくとも一方に関する情報を前記姿勢情報として取得する請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記姿勢情報を解析した結果、
前記被写体が前記表示装置を見ているか否かに応じて前記表示を制御する請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記被写体が前記表示装置を見ていると判断した場合に、前記第1画像または前記第1映像を前記表示装置に表示させる請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記被写体が前記表示装置を見ていると判断した場合は、前記第1画像または前記第1映像を前記被写体の視線に基づいて前記表示装置に表示させる請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記姿勢情報を解析した結果、前記被写体が前記表示装置を見ていないと判断した場合は、前記第1画像または前記第1映像として単一色の背景を前記表示装置に表示させる請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記撮影により取得された前記第2画像または前記第2映像を画像処理した結果、前記被写体の姿勢を計測するセンサの出力、及び前記被写体に装着されたマーカーを検出するトラッカーの出力のうち1つ以上に基づいて前記姿勢情報を解析する請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記第2画像または前記第2映像における前記第1画像または前記第1映像の部分を指定された画像または映像に変更する請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記表示装置を制御したタイミングに関する情報を前記第2画像または前記第2映像に関連付けて取得する請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記第1画像または前記第1映像がオフからオンになったタイミングを示す表示開始情報、及び前記第1画像または前記第1映像がオンからオフになったタイミングを示す表示終了情報を、前記第2画像または前記第2映像に関連付けて取得する請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記表示開始情報及び前記表示終了情報を、前記第2画像または前記第2映像のファイルに記録する請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記表示開始情報及び前記表示終了情報を、前記第2画像または前記第2映像のファイルとは別のファイルに記録する請求項12に記載の表示制御装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記表示開始情報及び前記表示終了情報に基づいて、前記第2画像または前記第2映像における前記第1画像または前記第1映像の部分を、指定された画像または映像に変更する請求項11に記載の表示制御装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、一の前記表示開始情報により示される表示開始タイミングから、前記一の前記表示開始情報に対応する前記表示終了情報により示される表示終了タイミングまでの期間について、前記第2画像または前記第2映像における前記第1画像または前記第1映像の部分を、前記指定された画像または映像に変更する請求項14に記載の表示制御装置。
【請求項16】
請求項1または2に記載の表示制御装置と、
前記撮影装置と、
前記表示装置と、
を備える撮影システム。
【請求項17】
前記被写体を照明する照明装置をさらに備え、
前記プロセッサは、前記表示の前記制御に連動して前記照明装置による前記照明を制御する請求項16に記載の撮影システム。
【請求項18】
前記撮影装置は画像データまたは映像データを保存するデータ保存部を備え、
前記プロセッサは、前記画像データに基づく画像または前記映像データに基づく映像を前記第1画像または前記第1映像として前記表示装置に表示させる請求項16に記載の撮影システム。
【請求項19】
前記第1画像または前記第1映像を投影するプロジェクタと、前記第1画像または前記第1映像が投影されるスクリーンと、を備え、
前記プロセッサは前記スクリーンを前記表示装置として前記第1画像または前記第1映像を表示させる請求項16に記載の撮影システム。
【請求項20】
前記第1画像または前記第1映像を表示するモニタ装置を備え、
前記プロセッサは前記モニタ装置を前記表示装置として前記第1画像または前記第1映像を表示させる請求項16に記載の撮影システム。
【請求項21】
撮影部と、プロセッサと、を備える撮影装置であって、
前記プロセッサは、
第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、
前記第1画像または前記第1映像と、前記表示装置に関連する被写体とを前記撮影部に撮影させ、
前記撮影により取得された第2画像または第2映像における前記被写体の姿勢情報を解析し、
前記解析した前記姿勢情報に基づいて前記表示装置を制御する、
撮影装置。
【請求項22】
プロセッサを備える表示制御装置により実行される表示制御方法であって、
前記プロセッサは、
第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、
前記表示された前記第1画像または前記第1映像と、前記表示装置に関連する被写体とを撮影装置に撮影させ、
前記撮影により取得された第2画像または第2映像における前記被写体の姿勢情報を解析し、
前記解析した前記姿勢情報に基づいて前記表示装置を制御する、
表示制御方法。
【請求項23】
撮影部と、プロセッサと、を備える撮影装置により実行される撮影方法であって、
前記プロセッサは、
第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、
前記表示された第1画像または前記第1映像と、前記表示装置に関連する被写体とを前記撮影部に撮影させ、
前記撮影により取得された第2画像または第2映像における前記被写体の姿勢情報を解析し、
前記解析した前記姿勢情報に基づいて前記表示装置を制御する、
撮影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を制御する表示制御装置、撮影システム、撮影装置、表示制御方法、及び撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置を制御する技術に関し、例えば特許文献1には、背景等を表示するスタジオセット用ディスプレイ及びこのディスプレイを備えるスタジオセットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-199252号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、被写体の姿勢情報に基づいて表示装置を制御する表示制御装置、撮影システム、撮影装置、表示制御方法、及び撮影方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に係る表示制御装置は、プロセッサを備える表示制御装置であって、プロセッサは、第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、表示された第1画像または第1映像と、表示装置に関連する被写体とを撮影装置に撮影させ、撮影により取得された第2画像または第2映像における被写体の姿勢情報を解析し、解析した姿勢情報に基づいて表示装置を制御する。
【0006】
本発明の第2の態様に係る表示制御装置は第1の態様において、プロセッサは、被写体と表示装置との位置関係に基づいて表示装置を制御する。
【0007】
第3の態様に係る表示制御装置は第1または第2の態様において、プロセッサは、被写体の視線方向と、被写体の顔及び/または体の向きとのうち少なくとも一方に関する情報を姿勢情報として取得する。
【0008】
第4の態様に係る表示制御装置は第1から第3の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、姿勢情報を解析した結果、被写体が表示装置を見ているか否かに応じて表示を制御する。
【0009】
第5の態様に係る表示制御装置は第1から第4の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、被写体が表示装置を見ていると判断した場合に、第1画像または第1映像を表示装置に表示させる。
【0010】
第6の態様に係る表示制御装置は第4または第5の態様において、プロセッサは、被写体が表示装置を見ていると判断した場合は、第1画像または第1映像を被写体の視線に基づいて表示装置に表示させる。
【0011】
第7の態様に係る表示制御装置は第1から第6の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、姿勢情報を解析した結果、被写体が表示装置を見ていないと判断した場合は、第1画像または第1映像として単一色の背景を表示装置に表示させる。
【0012】
第8の態様に係る表示制御装置は第1から第7の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、撮影により取得された第2画像または第2映像を画像処理した結果、被写体の姿勢を計測するセンサの出力、及び被写体に装着されたマーカーを検出するトラッカーの出力のうち1つ以上に基づいて姿勢情報を解析する。
【0013】
第9の態様に係る表示制御装置は第1から第8の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、第2画像または第2映像における第1画像または第1映像の部分を指定された画像または映像に変更する。
【0014】
第10の態様に係る表示制御装置は第1から第9の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、表示装置を制御したタイミングに関する情報を第2画像または第2映像に関連付けて取得する。
【0015】
第11の態様に係る表示制御装置は第1から第10の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、第1画像または第1映像がオフからオンになったタイミングを示す表示開始情報、及び第1画像または第1映像がオンからオフになったタイミングを示す表示終了情報を、第2画像または第2映像に関連付けて取得する。
【0016】
第12の態様に係る表示制御装置は第11の態様において、プロセッサは、表示開始情報及び表示終了情報を、第2画像または第2映像のファイルに記録する。
【0017】
第13の態様に係る表示制御装置は第12の態様において、プロセッサは、表示開始情報及び表示終了情報を、第2画像または第2映像のファイルとは別のファイルに記録する。
【0018】
第14の態様に係る表示制御装置は、第11から第13の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、表示開始情報及び表示終了情報に基づいて、第2画像または第2映像における第1画像または第1映像の部分を、指定された画像または映像に変更する。
【0019】
第15の態様に係る表示制御装置は第14の態様において、プロセッサは、一の表示開始情報により示される表示開始タイミングから、一の表示開始情報に対応する表示終了情報により示される表示終了タイミングまでの期間について、第2画像または第2映像における第1画像または第1映像の部分を、指定された画像または映像に変更する。なお、第15の態様及び以下の各態様において、「一の」とは「任意の」「いずれかの」「一以上の」の意味であり、数は特に限定されない。
【0020】
第16の態様に係る撮影システムは、第1から第15の態様のいずれか1つに係る表示制御装置と、撮影装置と、表示装置と、を備える。
【0021】
第17の態様に係る撮影システムは第16の態様において、被写体を照明する照明装置をさらに備え、プロセッサは、表示の制御に連動して照明装置による照明を制御する。
【0022】
第18の態様に係る撮影システムは第16または第17の態様において、撮影装置は画像データまたは映像データを保存するデータ保存部を備え、プロセッサは、画像データに基づく画像または映像データに基づく映像を第1画像または第1映像として表示装置に表示させる。
【0023】
第19の態様に係る撮影システムは第16から第18の態様のいずれか1つにおいて、第1画像または第1映像を投影するプロジェクタと、第1画像または第1映像が投影されるスクリーンと、を備え、プロセッサはスクリーンを表示装置として第1画像または第1映像を表示させる。
【0024】
第20の態様に係る撮影システムは第16から第19の態様のいずれか1つにおいて、第1画像または第1映像を表示するモニタ装置を備え、プロセッサはモニタ装置を表示装置として第1画像または第1映像を表示させる。
【0025】
第21の態様に係る撮影装置は、撮影部と、プロセッサと、を備える撮影装置であって、プロセッサは、第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、第1画像または第1映像と、表示装置に関連する被写体とを撮影部に撮影させ、撮影により取得された第2画像または第2映像における被写体の姿勢情報を解析し、解析した姿勢情報に基づいて表示装置を制御する。
【0026】
第22の態様に係る表示制御方法は、プロセッサを備える表示制御装置により実行される表示制御方法であって、プロセッサは、第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、表示された第1画像または第1映像と、表示装置に関連する被写体とを撮影装置に撮影させ、撮影により取得された第2画像または第2映像における被写体の姿勢情報を解析し、解析した姿勢情報に基づいて表示装置を制御する。なお、第22の態様に係る表示制御方法は、第2から第15の態様に係る表示制御装置に対応する構成を備えていてもよい。また、これら態様の表示制御方法をコンピュータに実行させる表示制御プログラム、及び斯かる表示制御プログラムのコンピュータ読み取り可能なコードを記録した非一時的かつ有体の記録媒体も、本発明の態様として挙げることができる。
【0027】
第23の態様に係る撮影方法は、撮影部と、プロセッサと、を備える撮影装置により実行される撮影方法であって、プロセッサは、第1画像または第1映像を表示装置に表示させ、表示された第1画像または第1映像と、表示装置に関連する被写体とを撮影部に撮影させ、撮影により取得された第2画像または第2映像における被写体の姿勢情報を解析し、解析した姿勢情報に基づいて表示装置を制御する。なお、第22の態様に係る撮影方法は、第2から第15の態様に係る表示制御装置に対応する構成を備えていてもよい。また、これら態様の撮影方法をコンピュータに実行させる撮影プログラム、及び斯かる撮影プログラムのコンピュータ読み取り可能なコードを記録した非一時的かつ有体の記録媒体も、本発明の態様として挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、第1の実施形態に係る撮影システムの構成を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態におけるコントローラの構成を示す図である。
図3図3は、プロセッサの機能構成を示す図である。
図4図4は、記録装置に記録される情報の例を示す図である。
図5図5は、プロジェクタ及びスクリーンを用いた表示装置の構成例を示す図である。
図6図6は、モニタを用いた表示装置の構成例を示す図である。
図7図7は、表示装置の配置例を示す図である。
図8図8は、表示制御方法及び撮影方法の処理を示すフローチャートである。
図9図9は、チャプタを撮影画像等と別ファイルに記録した様子を示す図である。
図10図10は、背景等の表示制御の例を示す図である。
図11図11は、第2の実施形態に係る撮影システムの構成を示す図である。
図12図12は、第2の実施形態における撮影カメラの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[映像制作における背景等表示]
映像制作においては、背景画像等(背景画像または背景映像、以下同じ)を表示し、その手前に被写体を配置し、背景画像等および被写体を同時に撮影することで、被写体が背景の場所にいるかのような映像を取得する技術が知られている。また、背景画像等は被写体が演技等をするために仮に(簡素な、あるいは大体の情報を)表示しておき、撮影で取得された映像の背景部分を、撮影後に合成処理で差し替えることで、よりリアルな映像を取得することも行われている。従来の技術では、背景画像等を表示する場合は常に表示し続けているが、背景の表示が必要なのは主に被写体が背景との位置関係を確認したいタイミングであり、常に背景を表示し続けるのは熱や省電力の面から効率的ではない。また、背景画像等を投影によって表示する場合、投影される背景画像等によって被写体がまぶしく感じるという問題もある。
【0030】
本願発明者らは斯かる状況に鑑みて鋭意検討を進め、本願発明の着想を得た。以下、添付図面を参照しつつ、本願発明(表示制御装置、撮影システム、撮影装置、表示制御方法、及び撮影方法)の具体的態様について説明する。なお、以下の説明において、画像と映像をまとめて「画像等」と記載し、背景画像と背景映像をまとめて「背景画像等」と記載し、撮影した画像と映像をまとめて「撮影画像等」と記載する場合がある。
【0031】
[第1の実施形態]
[撮影システムの構成]
図1は、第1の実施形態に係る撮影システムの構成(水平方向に見た状態)を示す図である。図1に示すように、撮影システム1(撮影システム)は、コントローラ10(表示制御装置)と、撮影カメラ20(撮影装置)と、表示装置30(表示装置)と、照明装置50(照明装置)と、を備え、演技を行う人物等である被写体90(被写体)を撮影することができる。撮影システム1は、例えばテレビや映画の撮影を行うスタジオに設置することができる。
【0032】
[コントローラの構成]
図2は、第1の実施形態におけるコントローラの構成を示す図である。図2に示すように、コントローラ10は、プロセッサ100(プロセッサ)と、ROM110(ROM:Read Only Memory、非一時的かつ有体の記録媒体)と、RAM120(RAM:Random Access Memory)と、操作部130と、ディスプレイ140(表示装置)と、入出力インタフェース150と、記録装置160と、スピーカー165とを備え、これらの構成要素がバス190により接続されていて、必要に応じ通信を行う。
【0033】
[プロセッサの構成]
図3は、プロセッサ100の機能構成を示す図である。以下、これら機能の概略を説明する。表示制御部100Aは、表示装置30における画像または映像の表示を制御する機能であり、撮影制御部100Bは撮影カメラ20を制御して、表示装置30に表示された背景画像(第1画像)または背景映像(第1映像)と、表示装置30に関連する被写体90(被写体)とを撮影させる機能である。位置情報解析部100C及び姿勢情報解析部100Dは、被写体90の位置情報及び姿勢情報を取得及び解析する機能である。画像変更部100Eは、撮影した画像または映像(第2画像、第2映像)における背景画像または背景映像(第1画像、第1映像)の部分を指定された画像または映像に変更する機能である。照明制御部100Fは、表示装置30における表示の制御に連動して、照明装置50による照明を制御する機能である。タイミング情報制御部100Gは、背景画像または背景映像のオン/オフや内容の変更を示すタイミング情報(表示開始情報、表示終了情報等)を取得及び記録する機能である。外部入出力部100Hは、入出力インタフェース150を介して、撮影カメラ20や外部機器との通信を行い、画像や映像、必要なデータを入出力する機能である。なお、プロセッサ100は、撮影カメラ20の位置及び姿勢(撮影方向)を検出する機能を備えていてもよい。
【0034】
プロセッサ100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)等の各種のプロセッサや電気回路で構成される。これらのプロセッサや電気回路がソフトウェア(プログラム)を実行する際は、実行するソフトウェアのコンピュータ(例えば、プロセッサを構成する各種のプロセッサや電気回路、及び/またはそれらの組み合わせ)で読み取り可能なコードROM110等の非一時的かつ有体の記録媒体に記憶しておき、コンピュータがそのソフトウェアを参照する。
【0035】
非一時的かつ有体の記録媒体に記憶しておくソフトウェアは、本発明に係る画像処理プログラム(本発明に係る表示制御方法及び撮影方法をコンピュータに実行させるプログラム)、及びその実行に際して用いられるデータを含む。ROM110ではなく、フラッシュROMやEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の非一時的かつ有体の記録媒体にコードを記録してもよい。なお、この「非一時的かつ有体の記録媒体」は、搬送波信号や伝播信号そのもののような非有体の記録媒体を含まない。ソフトウェアを用いた処理の際には、RAM120が一時的記憶領域あるいは作業領域として用いられる。
【0036】
上述した構成のプロセッサ100を用いた処理については、詳細を後述する。
【0037】
[操作部及びディスプレイの構成]
操作部130は、図示せぬキーボード、マウス、ボタン、スイッチ等のデバイスにより構成される。ユーザはこれらのデバイスを介してコントローラ10に対する指示を行うことができ、プロセッサ100はその指示を受け付けて、受け付けた指示に応じた処理を行う。ディスプレイ140をタッチパネル型のデバイスにより構成して、ユーザがそのタッチパネルを介して指示を行うことができるようにしてもよい。ディスプレイ140は、そのようなタッチパネル型のデバイスや液晶表示装置等のデバイスにより構成され、取得した背景画像や背景映像、撮影した画像や映像、画像処理により生成された画像や映像、条件設定用の画面等を表示することができる。
【0038】
[入出力インタフェースの構成]
入出力インタフェース150は、ディスプレイやプリンタ、記録媒体等の外部機器を接続するための端子やスロット、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の通信インタフェース等により構成される。コントローラ10は、入出力インタフェース150を介して外部機器(サーバ装置、記録装置、データベース、撮影装置等)から画像データや映像データ、背景コンテンツ(第1画像、第1映像)等を取得することができる。外部機器はコントローラ10に対し有線接続されていてもよいし、無線接続されていてもよい。また、外部機器はインターネット等のネットワークを介して接続されていてもよい。
【0039】
[記録装置の構成]
記録装置160(記録装置、データ保存部)は、ハードディスクや半導体メモリ、各種の光磁気記録媒体等の記録媒体(非一時的かつ有体の記録媒体)及びそれらの制御部により構成され、各種の情報を記録あるいは保存する。
【0040】
図4は、記録装置160に記録される情報の例を示す図である。背景コンテンツ160Aは、表示装置30(表示装置)に表示される背景画像の画像データまたは背景映像の映像データ(第1画像、第1映像;単一色背景を含んでいてもよい)、及び後述する「変更」に用いられる画像等(指定された画像または映像;最終的な背景として用いる画像または映像)を含んでいてよい。撮影画像160B(第2画像、第2映像)は、表示装置30に表示された画像または映像と、表示装置30に関連する被写体90とを撮影カメラ20(撮影装置)に撮影させて得られた画像等(画像または映像)である。位置情報160C(位置情報)及び姿勢情報160D(姿勢情報)は、それぞれ被写体90の位置、姿勢を示す情報である。
【0041】
編集後画像160Eは、撮影画像160Bにおける背景コンテンツ160A(第1画像、第1映像)の部分を、指定された画像または映像に変更して得られた画像等(画像または映像)である。タイミング情報160Fは、表示装置30を制御したタイミング(背景等がオフからオンになったタイミング、オンからオフになったタイミング、内容が変更されたタイミング等)に関する情報であり、撮影画像160B(第2画像または第2映像)に関連付けて取得される。
【0042】
上述したコントローラ10は、例えば、本発明に係る表示制御方法及び撮像方法を実行するためのソフトウェア(プログラム)等をコンピュータ(スマートフォンや、タブレット端末等の機器でもよい)にインストールすることにより実現することができる。
【0043】
[撮影カメラの構成]
撮影カメラ20は図示せぬズームレンズ及びフォーカスレンズと、撮像素子と、画像生成部とを備え、コントローラ10の制御により、表示装置30に表示された背景等(第1画像、第1映像)と、表示装置30に関連する被写体とを撮影する。撮影カメラ20は前後左右、上下、円周方向等の方向に移動できることが好ましく、撮影方向を変えられる(例えば、仰角方向及び方位角方向)ことも好ましい。このような移動や撮影方向の変更はコントローラ10の制御により行われてもよいし、撮影スタッフが操作するのでもよい。また撮影カメラ20は台車や雲台に搭載されていてもよいし、移動及び回転が可能な移動体(ロボット、車両、ドローンその他の飛翔体等)に搭載されていてもよい。また、コントローラ10は、図示せぬ位置センサ及び姿勢センサ等により、撮影カメラ20の位置及び撮影方向の情報を取得することが好ましい。
【0044】
[表示装置の構成]
[プロジェクタ及びスクリーンを用いた表示装置]
図5は、プロジェクタ及びスクリーンを用いた表示装置の構成例を示す図である。図5の(a)部分は、プロジェクタ34A,34B(プロジェクタ)により、背景画像等(第1画像または第1映像)をスクリーン32(スクリーン)の前方から投影する例を示しており、同図の(b)部分は、プロジェクタ38A,38B(プロジェクタ)により、背景画像等をスクリーン36(スクリーン)の後方から投影する例を示している。プロセッサ100は、スクリーン32やスクリーン36を表示装置として、背景画像等(第1画像または第1映像)を表示させることができる。なお、図5に示すように、投影は前方からでもよいし後方からでもよい。両方向からの投影を可能にして投影方向を必要に応じて切り替えてもよい。また、プロジェクタの位置及び数は図5の例に限定されず、天井部分や床部分にプロジェクタを設置する他に、あるいはそれらに代えて側面部分に設置してもよい。
【0045】
[モニタを用いた表示装置]
表示装置は、モニタ(モニタ装置)を用いて構成することもできる。モニタの構成は特に限定されず、液晶式、有機EL(EL:Electro Luminescence)式、LED(Light-emitting Diode)式等のモニタを用いることができる。また、図6(モニタを用いた表示装置の構成例を示す図)に示すように、モニタの数は1つでもよいし複数でもよい。例えば、図6の(a)部分に示すように1台のモニタ40で表示装置を構成してもよいし、同図の(b)部分に示すように複数台のモニタ42Aを並べて全体として1台のモニタ42を構成してもよい。図6の(b)部分に示す例のように複数台のモニタにより全体として1台のモニタを構成する場合、ディスプレイの「タイリング」あるいは「タイリングディスプレイ」と呼ばれる技術を用いることができる。
【0046】
なお以下の説明では、上述した態様の表示装置を、まとめて「表示装置30」と記載する場合がある。
【0047】
[表示装置の配置]
図7は、表示装置の配置例(鉛直上方から見た状態)を示す図である。撮影システム1においては、図7の(a)部分に示すように表示装置44が一つ設けられていてもよいし、同図の(b)部分に示すように複数の表示装置46A,46B,46Cが設けられていてもよい。また、図7の(c)部分に示すように、曲面状の表示装置48が設けられていてもよい。また、表示装置は鉛直方向に広がるものだけでなく、そのような表示装置に代えて、またはこれに加えて、天井付近や床付近等の水平方向に広がる表示装置を用いてもよい。
【0048】
[照明装置の構成]
照明装置50(照明装置)の構成は特に限定されないが、例えば複数色(赤色、青色、及び緑色等)のLEDで構成される照明装置を用いることができる。照明装置50は、オン及びオフに加えて、明るさ及び色合い(色温度等)の変更ができる装置であることが好ましい。また、照明装置50は図1の例のように被写体90の上方に配置されるだけでなく、下方(床面等)や側方に配置してもよい。また、照明装置50の数も特に限定されない。プロセッサ100(照明制御部100F)は、表示装置における背景画像等(第1画像、第1映像)の表示の制御に連動して、照明装置50による照明を制御する。
【0049】
[表示制御方法及び撮影方法]
上述した構成の撮影システム1における表示制御方法及び撮影方法について説明する。図8は、第1の実施形態における表示制御方法及び撮影方法の処理を示すフローチャートである。
【0050】
[撮影及び表示制御の開始]
プロセッサ100(撮影制御部100B)は、操作部130に対する操作等に応じて、少なくとも表示装置30に関連する被写体90を撮影カメラ20(撮影装置)に撮影させ、撮影が始まった以降に表示制御を開始する。撮影開始時において、表示装置30の表示はオフでもよいし、単一色でもよいし、背景画像等(第1画像または第1映像)でもよく、これらのいずれかが初期設定されていてもよい。プロセッサ100(撮影制御部100B)は、表示装置30に画像等が表示されている場合は、表示された画像等と被写体90とを、撮影カメラ20に撮影させる。
【0051】
ここで「表示装置に関連する被写体」とは、図1図7に示すように表示装置30の水平方向前方に存在する被写体90を含むが、このような状況には限定されず、例えば表示装置30が天井方向の水平面内に広がっている場合に被写体を床付近から上方に向けて撮影する場合等、撮影カメラ20と表示装置30との間に存在する被写体であればよい。
【0052】
[姿勢情報等の取得及び解析]
プロセッサ100(姿勢情報解析部100D)は、被写体90の、少なくとも姿勢情報を取得する(ステップS100)。プロセッサ100(姿勢情報解析部100D)は、被写体90の視線方向と、被写体90の顔及び/または体の向きとのうち少なくとも一方に関する情報を、姿勢情報として取得することができる。人物以外の被写体、例えば、動物、人型のロボットやキャラクター(着ぐるみを着た人物)等についても、同様に姿勢情報を取得することができる。なおプロセッサ100(位置情報解析部100C)は、姿勢情報に加えて被写体90の位置情報も取得し、表示制御に反映することが好ましい。以下では、姿勢情報及び位置情報を取得する場合について説明する。
【0053】
姿勢情報解析部100Dは、撮影により取得された画像等(第2画像または第2映像)を画像処理した結果、被写体の姿勢を計測するセンサ(加速度センサ、角速度センサ等)の出力、及び被写体に装着されたマーカーを検出するトラッカーの出力のうち1つ以上に基づいて姿勢情報を取得し(ステップS100)、取得した姿勢情報を解析する(ステップS110)。姿勢情報解析部100Dは、少なくとも「被写体90が表示装置30を見ているか否か」、また「見ているとすればどこを見ているか」を解析することができる。
【0054】
同様に、位置情報解析部100Cは、撮影画像等を画像処理した結果、被写体の位置を計測するセンサ(GPSセンサ(GPS:Global Positioning System)、加速度センサ、角速度センサ等)の出力、及びトラッカーの出力のうち1つ以上に基づいて位置情報を取得することができ、「被写体90が撮影カメラ20と表示装置30との間に存在するか否か」、また「表示される画像等に存在する物体と被写体90との仮想的な距離」等を解析することができる。
【0055】
[背景等の表示制御及びタイミング情報の取得]
[被写体が表示装置を見ている場合]
プロセッサ100(姿勢情報解析部100D)は、解析した姿勢情報に基づいて、被写体90が表示装置30を見ているか否かを判断し(ステップS120)、被写体90が表示装置30を見ていると判断した場合(ステップS120でYES)、表示制御部100Aは、背景画像等(第1画像または第1映像)を、被写体90の視線に基づいて(例えば、視線の方向に基づいて)、表示装置30に表示させる(ステップS130)。
また、照明制御部100Fは、表示の制御に連動して、照明装置50による照明を制御する(後述するステップS160,S180においても同様である)。例えば、照明制御部100Fは、表示装置30に背景等を表示する期間は照明装置50による照明の明るさを下げ、これにより被写体90が感じる眩しさや熱さを低減することができる。
【0056】
なお、表示される背景画像等は最終的な画像等における背景と同じであってもよく、この場合、被写体や撮影者、編集者等が最終的な画像等のイメージを把握しやすいが、最終的な画像等における背景と完全に同じでなくてもよい。例えば、「表示される背景画像等は、被写体の位置や姿勢に応じた変化がない(静止画像である)」「解像度が違う」「表示される背景画像等には、特殊効果が施されていない」等の相違があってもよい。コントローラ10は、後述するように、撮影された画像等における背景画像等の部分を、撮影後に別の画像等に変更することができる。
【0057】
また、タイミング情報制御部100Gは、タイミング情報を撮影画像等(第2画像または第2映像)に関連付けて取得する(ステップS140)。例えば、表示制御部100Aがタイミング情報を出力し、出力されたタイミング情報を、タイミング情報制御部100Gが取得することができる。「タイミング情報」は、第1画像または第1映像がオフからオンになったタイミングを示す表示開始タイミング(表示開始情報)、及び表示開始タイミングに対応し第1画像または第1映像がオンからオフになったタイミングを示す表示終了タイミング(表示終了情報)を含み、表示される第1画像または第1映像の内容が変更になったタイミングを示す内容変更情報をさらに含んでいてもよい。なお、表示開始タイミング及び表示終了タイミングは1または複数存在していてよく、回数は特に限定されない。
【0058】
[タイミング情報の記録]
タイミング情報制御部100Gは、取得したタイミング情報を記録装置160に記録することができる。タイミング情報制御部100Gは、タイミング情報(表示開始情報、表示終了情報、及び内容変更情報を含む)を、撮影画像等(第2画像または第2映像)のファイルに記録してもよいし、撮影画像等のファイルとは別のファイルに記録してもよい。図9は、チャプタ(タイミング情報)を撮影画像等と別ファイルに記録した様子を示す図である。図9の例では、チャプタ番号(Chapter 0~6)、撮影開始からの経過時間、及び内容(背景オフでスタートし、その後、背景1がオンになる、等)が含まれており、画像変更部100Eは、これらタイミング情報を用いて、後述する画像の変更(差し替え)を行うことができる。
【0059】
[被写体の位置に応じた背景等の表示制御]
位置情報解析部100Cは、被写体90の位置が変化したか否かを判断し(ステップ)、位置が変化した場合、表示制御部100Aはその変化に合わせて背景画像等の表示を変化させる(ステップS160)。表示制御部100Aは、例えば「表示される画像等に存在する物体と被写体90との仮想的な距離」に応じて、表示装置30に表示される背景画像等の倍率を変化させることができる。ステップS160の判断がYESとなって表示制御部100Aが背景画像等の表示を変化させた場合、タイミング情報制御部100Gは、タイミング情報(表示を変化させたタイミング、及び背景画像等の表示内容等;図9のChapter 2,3を参照)を取得し、記録装置160に記録する(ステップS170)。なお、被写体の位置情報を取得していない場合は、ステップS150~S170の処理を省略することができる。
【0060】
[被写体が表示装置を見ていない場合]
上述のステップS120において、姿勢情報解析部100Dが「被写体90が表示装置30を見ていない」と判断した場合、表示制御部100Aは、表示装置30に単一色の背景を表示させる(ステップS180)。表示制御部100Aは、表示をオフにしてもよい。また、照明制御部100Fは、この表示の制御に連動して、照明装置50による照明を制御する。さらに、タイミング情報制御部100Gは、図9について上述したのと同様のタイミング情報(例えば、チャプタ番号、タイミング、及び単一色またはオフにしたこと、表示の変更等)を記録する(ステップS190)。
【0061】
[表示制御の例]
図10は、背景等の表示制御の例を示す図である。図10の(a)部分~(c)部分は被写体90が表示装置30の前に存在しているが表示装置30を見ていない場合(同図の(a)部分を参照)における表示制御の例であり、表示装置30には同図の(b)部分に示すように単一色の背景92が表示されている(この場合、背景はオフでもよい)。この場合、同図の(c)部分に示すような撮影画像96が得られる。一方、図10の(d)部分~(f)部分は被写体90が表示装置30を見ている場合(同図の(d)部分を参照)における表示制御の例であり、同図の(e)部分に示すように表示装置30に背景94(第1画像、第1映像の例)が表示されていて、同図の(f)部分に示すような撮影画像98が得られる。なお、図10における点線の吹き出しは、吹き出し内の音声が発せられていることを示している。
【0062】
コントローラ10(プロセッサ100)は、ステップS100~S190の処理を、表示制御を終了するまで(ステップS200でYESになるまで)繰り返す。撮影の終了に合わせて表示制御を終了してもよいし、撮影の終了より前に表示制御を終了してもよい。
【0063】
[画像の変更]
撮影システム1では、撮影した画像等における背景画像等(第1画像または第1映像)の部分を、指定された画像または映像に変更することができる。コントローラ10(プロセッサ100)は、「指定された画像または映像」(以下「変更用画像等」と記載する場合がある)として、記録装置160に記録された背景コンテンツ160Aを用いてもよいし、入出力インタフェース150を介して接続された外部機器から画像等を取得して使用してもよい。ユーザは、操作部130を介して、どのような画像等を変更に用いるかの指示を行うことができる。画像変更部100Eは、例えば以下の手法により画像等の変更を行うことができるが、変更の手法はこれらに限定されるものではない。
(1)背景がグリーンバックやブルーバック等の単一色である場合、公知のクロマキー合成の手法を用いることができる。
(2)画像処理や機械学習の手法により撮影画像等における被写体の輪郭を抽出し、輪郭の外側の部分を変更用画像等に置き換える。
(3)撮影画像等と、その画像等で使用している背景(例えば、上述した第1画像または第1映像)との差分をとることで被写体の領域を抽出し、抽出した領域と変更用画像等とを重ね合わせる。
【0064】
画像変更部100Eは、上述したタイミング情報を用いて画像の変更を行うことができる。例えば、図9に示す例では、Chapter 1(経過時間0:04:14、表示開始タイミング)からChapter 4(経過時間0:17:40、表示終了タイミング)までが背景1の表示であり、画像変更部100Eは、この期間について、撮影画像等における背景1の部分を「変更用画像」に変更することができる(倍率の変更も行う)。同様に、Chapter 5(経過時間0:21:55、表示開始タイミング)からChapter 6(経過時間0:23:56、表示終了タイミング)までが背景2の表示であり、画像変更部100Eは、この期間について、撮影画像等における背景2の部分を「変更用画像」に変更することができる。また、画像変更部100Eは、Chapter 0からChapter 1までの期間、及びChapter 6以降の期間について、撮影画像等における背景がオフの部分及びグリーンバックの部分を「変更用画像」に変更することができる。
【0065】
以上説明したように、第1の実施形態に係る撮影システム1によれば、姿勢情報に基づいて表示装置における背景画像等の表示を制御することで、演者(被写体90)がイメージしやすい状況(どのような背景等が用いられるかを確認できる)を確保しつつ、演者が感じる眩しさや熱を低減し、また消費電力を削減することができる。
【0066】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図11は、第2の実施形態に係る撮影システム2(表示制御装置、撮影装置、撮影システム)の構成を示す図であり、図12は撮影カメラ22の構成を示す図である。これらの図に示すように、撮影システム2は、撮影部170(撮影装置、撮影部)及びコントローラ12(表示制御装置、プロセッサ)が撮影カメラ22(撮影装置)の中に設けられている(撮影カメラ22の構成要素として設けられている)点で、第1の実施形態に係る撮影システム1と異なっている。
【0067】
プロセッサ102(プロセッサ)の機能は撮影システム1におけるプロセッサ100の機能と同様であるが、プロセッサ102は撮影部170の制御をも行う。撮影部170は、第1の実施形態における撮影カメラ20と同様に図示せぬズームレンズ及びフォーカスレンズを含んで構成され、コントローラ12の制御により、表示装置30に表示された背景画像等(第1画像または第1映像)と、表示装置30に関連する被写体とを撮影する。
【0068】
なお、撮影カメラ22は、第1の実施形態における撮影カメラ20と同様に、移動及び回転(撮影方向の変更)が可能であることが好ましい。
【0069】
撮影システム2のその他の要素に関し、第1の実施形態と同じ要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0070】
上述した構成の撮影システム2においても、表示制御方法及び撮影方法の処理は第1の実施形態と同様に行うことができ、これにより演者がイメージしやすい状況を確保しつつ、演者が感じる眩しさや熱を低減し、また消費電力を削減することができる。
【0071】
以上で本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上述した態様に限定されず、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 撮影システム
2 撮影システム
10 コントローラ
12 コントローラ
20 撮影カメラ
22 撮影カメラ
30 表示装置
32 スクリーン
34A プロジェクタ
34B プロジェクタ
36 スクリーン
38A プロジェクタ
38B プロジェクタ
40 モニタ
42 モニタ
42A モニタ
44 表示装置
46A 表示装置
46B 表示装置
46C 表示装置
48 表示装置
50 照明装置
90 被写体
92 背景
94 背景
96 撮影画像
98 撮影画像
100 プロセッサ
100A 表示制御部
100B 撮影制御部
100C 位置情報解析部
100D 姿勢情報解析部
100E 画像変更部
100F 照明制御部
100G タイミング情報制御部
100H 外部入出力部
102 プロセッサ
130 操作部
140 ディスプレイ
150 入出力インタフェース
160 記録装置
160A 背景コンテンツ
160B 撮影画像
160C 位置情報
160D 姿勢情報
160E 編集後画像
160F タイミング情報
165 スピーカー
170 撮影部
190 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12