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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145572
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/00 20060101AFI20241004BHJP
   B65H 3/08 20060101ALI20241004BHJP
   B65H 1/14 20060101ALI20241004BHJP
   B65H 31/00 20060101ALI20241004BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
B65H1/00 Z
B65H3/08 342Z
B65H1/14 322Z
B65H31/00 Z
G03G21/16 138
G03G21/16 195
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023057983
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】森 雄太
【テーマコード(参考)】
2H171
3F054
3F343
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA22
2H171GA04
2H171JA16
2H171JA17
2H171JA39
2H171SA06
2H171XA16
3F054AA01
3F054AC01
3F054BA02
3F054BC13
3F054DA01
3F343FA02
3F343FB01
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA17
3F343JB05
3F343KB03
3F343KB15
3F343KB19
(57)【要約】
【課題】コストを抑えた画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像形成装置10と、前記画像形成装置にシートを供給する供給装置20と、前記画像形成装置から排出されたシートを受け取る後処理装置30と、を有する画像形成システム1であって、前記供給装置及び前記後処理装置は、シートを搬送する搬送手段を組付け可能な構造体40を有し、前記構造体は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、
前記画像形成装置にシートを供給する供給装置と、
前記画像形成装置から排出されたシートを受け取る後処理装置と、を有する画像形成システムであって、
前記供給装置及び前記後処理装置は、シートを搬送する搬送手段を組付け可能な構造体を有し、
前記構造体は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能であり、
前記搬送手段は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能である
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記搬送手段は、シートを挟持又は吸着しながら搬送する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記構造体は、前記搬送手段を組付け可能な領域を複数有する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記供給装置と前記後処理装置とで前記搬送手段を組付ける領域が異なっており、各々定めた領域に前記搬送手段が組付けられる
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記供給装置及び前記後処理装置は、シートが積載される積載手段と、前記積載手段を昇降させる昇降手段とを有し、
前記積載手段及び前記昇降手段は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記供給装置と前記後処理装置は、前記供給装置と前記後処理装置に共通して使用できる機能と、各々に特有の機能とを有し、
前記特有の機能は、ユニット化されて前記供給装置又は前記後処理装置に組付け可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置本体の外側に配置した給紙装置からシートを供給し、画像形成部で画像が形成された後、画像形成装置本体の外側に配置した排紙装置にシートを排出する技術が知られている。このような給紙装置と排紙装置を用いる場合、コストが増大するため、従来技術では、コストの増大を抑えるための技術について検討されている。
【0003】
特許文献1では、画像形成装置本体の上流側に、画像形成部にシートを給送する上流側シート給送ユニットと、画像形成装置本体の下流側に、画像形成部にシートを給送する下流側シート給送ユニットとを併設した画像形成装置が開示されている。また、特許文献1では、最下流側にシート処理部が設けられており、シート処理部は排出されたシートに対して後処理を行う。特許文献1では、上流側シート給送ユニットと下流側シート給送ユニットを同一の構造にすることで、コストの増加を抑えることができるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、上流側シート給送ユニット、下流側シート給送ユニット及びシート処理部で異なる構成(例えば異なる搬送手段)になっており、特許文献1の画像形成装置を作製するには多くのコストがかかってしまう。
【0005】
そこで本発明は、コストを抑えた画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成システムは、画像形成装置と、前記画像形成装置にシートを供給する供給装置と、前記画像形成装置から排出されたシートを受け取る後処理装置と、を有する画像形成システムであって、前記供給装置及び前記後処理装置は、シートを搬送する搬送手段を組付け可能な構造体を有し、前記構造体は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能であり、前記搬送手段は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コストを抑えた画像形成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の画像形成システムの一実施形態を説明するための概略図である。
図2】供給装置の一例を示す概略図(A)及び後処理装置の一例を示す概略図(B)である。
図3】供給装置における昇降手段の一例を示す概略図(A)及び(B)である。
図4】後処理装置における昇降手段の一例を示す概略図(A)及び(B)である。
図5】供給装置に特有の機能をユニット化した場合の一例を示す概略図(A)及び後処理装置に特有の機能をユニット化した場合の一例を示す概略図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像形成システムについて図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0010】
本発明の画像形成システムは、画像形成装置と、前記画像形成装置にシートを供給する供給装置と、前記画像形成装置から排出されたシートを受け取る後処理装置と、を有する画像形成システムであって、前記供給装置及び前記後処理装置は、シートを搬送する搬送手段を組付け可能な構造体を有し、前記構造体は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能であり、前記搬送手段は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能であることを特徴とする。
【0011】
本発明では、供給装置と後処理装置とで構造体及び搬送手段を共通で使用できるため、コストを抑えることができる。
【0012】
図1は、本実施形態に係る画像形成システムを説明するための概略図である。
本実施形態の画像形成システム1は、画像形成装置10と、画像形成装置10にシートを供給する供給装置20と、画像形成装置10から排出されたシートを受け取る後処理装置30と、を有している。
なお、図1において、画像形成装置10は外側から見た場合の要部概略図としており、供給装置20と後処理装置30は内側を見た場合の要部概略図としている。
【0013】
画像形成装置10は、例えば画像形成部、供給トレイ、排紙トレイ等を有する。給紙トレイ12に積載されたシートが画像形成部に搬送され、画像形成部により画像が形成され、シートが排紙トレイに排出される。なお、排出トレイは、図1では図示を省略している。
【0014】
画像形成装置10は必要に応じて表示部11を有していてもよい。表示部11には、例えば装置の状況を通知してもよいし、使用者が装置に指示を行うための画面を表示してもよい。
【0015】
近年、商用印刷等において大量に画像を形成するニーズが高まっている。画像形成装置10の給紙トレイ12に積載される量では足りない場合が多く、給紙トレイ12に手作業でシートを補充するのは手間が増大する。
【0016】
本実施形態の画像形成システム1は、画像形成装置10にシートを供給する供給装置20を有しているため、シートの供給について、大容量の供給を行うことができる。給紙トレイ12から画像形成部へのシートの供給と、供給装置20から画像形成部へのシートの供給について、どちらから供給を行うかの設定や順番の設定等は適宜変更できる。先に給紙トレイ12から画像形成部に供給を行った後、供給装置20から供給を行ってもよいし、始めから供給装置20から供給を行ってもよい。目的に応じて適宜選択すればよい。
【0017】
供給装置20により大容量の供給が行われた場合、供給された分のシートが排出されるため、これに対応する排出機構が必要になる。画像形成装置10の排紙トレイでは、排出容量を超えてしまう場合が多く、大量の画像形成が難しい。本実施形態の画像形成システム1は、画像形成装置10から排出されたシートを受け取る後処理装置30を有している。このため、大容量の供給に対応した排出を行うことができる。本実施形態では、大量の画像形成にも対応できる。
【0018】
後処理装置30は、画像形成装置10から排出されたシートを受け取った後、用紙整合動作などの後処理を行う。後処理としては、この他にも例えば、シートを折る処理、ステイプル処理、パンチ処理などが挙げられる。用紙整合動作としては、特に制限されるものではないが、例えば、シートを束にまとめる、シートの端をそろえる、シートを並べ替える等が挙げられる。
【0019】
従来技術、例えば特許文献1では、シートを供給する装置(例えばマルチインサータ)とシートを受け取る装置(例えばシート処理部)は、異なる搬送機構になっているため、コストが大きくなっていた。一方、本実施形態では、供給装置20と後処理装置30とで共通の搬送手段を用いることができるため、コストを下げることができる。
【0020】
本実施形態における供給装置20及び後処理装置30は、シートを搬送する搬送手段を組付け可能な構造体を有し、前記構造体は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能であり、前記搬送手段は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能である。
【0021】
図2は、供給装置20と後処理装置30の内部構成例を説明するための概略図である。図2(A)は供給装置20の例を説明する図であり、図2(B)は後処理装置30の例を説明する図である。
【0022】
供給装置20及び後処理装置30は、それぞれ筐体40を有しており、筐体40は前記構造体の一例である。筐体40は、シートを搬送する搬送手段50を組付け可能である。筐体40は、供給装置20と後処理装置30のどちらにも共通して使用可能である。また、搬送手段50は、供給装置20の筐体40と後処理装置30の筐体40のどちらにも組付け可能であり、供給装置20と後処理装置30のどちらにも共通して使用可能である。筐体40と搬送手段50は、供給装置20と後処理装置30のどちらにも共通して使用可能であるため、コストを大きく下げることができる。
【0023】
筐体40は、スロット42a、42bを有している。以下の説明において、スロット42aとスロット42bを区別せずに説明する場合、スロット42と表記する。スロット42は、搬送手段50を組付け可能な領域である。筐体40に設けられるスロット42は、1つであってもよいし、複数であってもよい。本例の筐体40は、2つのスロット42を有している。図では、スロット42の1つに搬送手段50を組付けた状態を示している。
【0024】
筐体40に対して搬送手段50を組付け可能とすることにより、供給装置20又は後処理装置30を作製しやすくなる。また、供給装置20を作製した後に、後処理装置30に変更することも可能になる。逆も同様に、後処理装置30を作製した後に、供給装置20に変更することも可能になる。
【0025】
筐体40が搬送手段50を組付け可能であることで、筐体40に搬送手段50を着脱可能になる。本実施形態では、搬送手段50を後付けで装着させることができ、目的に応じて搬送手段50を変更することができる。例えば、シートのサイズにあわせて、搬送手段50を変更することができる。
【0026】
搬送手段50としては、適宜選択することが可能であり、例えばシートを挟持又は吸着しながら搬送する構成であることが好ましい。この場合、シートを確実に搬送することができ、紙詰まり等の不具合を防止しやすくなる。
【0027】
シートを挟持しながら搬送する搬送手段50としては、例えば、対向する2つの回転部材(例えばコロ)が挙げられ、コロが回転することにより、シートを挟持しながら搬送される。対向するコロの組は、搬送手段50中、1つでもよいし、複数でもよい。シートを挟持しながら搬送する搬送手段50としては、上記の他にも、シートの先端を挟持部材により挟持し、挟持部材の移動等により搬送する方法が挙げられる。
【0028】
シートを吸着しながら搬送する搬送手段50としては、例えば、開口部を有するベルト部材を介してシートを吸引しながら搬送する方法が挙げられる。この場合、シートはベルト部材に吸着しながら搬送される。吸引する方法は、適宜選択でき、例えばファンを回転させて吸引する方法が挙げられる。
【0029】
図2に示す例では、搬送手段50として、ベルト搬送ユニットを使用してシートを吸着しながら搬送している。図中の搬送手段50においては、ベルト部材と、ベルト部材を回転させる回転部材を図示しており、吸引を行うためのファン等は図示を省略している。また、図中の矢印は、シートPの搬送方向を模式的に示している。
【0030】
本実施形態において、搬送手段50はユニット化されており、ユニット化された搬送手段50としては、例えばベルト搬送ユニット、コロ搬送ユニット等が挙げられる。搬送手段50がユニット化されていることで、筐体40に搬送手段50を組付けしやすくなる。
【0031】
なお、図示する筐体40は、スロット42を2つ有する例としており、この場合、この筐体40に搬送手段50を2つ組付けることが可能になる。しかし、筐体40には1つの搬送手段50が組付けられていればよく、1つの搬送手段50が組付けられていれば、供給装置20又は後処理装置30を構成することができる。
【0032】
前記構造体は、搬送手段50を組付け可能な領域を複数有することが好ましい。つまり、筐体40は、スロット42を複数有していることが好ましい。筐体40がスロット42を複数有する場合、目的に応じて装置構成を変更しやすくなる。例えば、シートのサイズ等にあわせて搬送手段50を組み付ける位置を変えることが可能になり、適した搬送に変更できる。
【0033】
前記構造体が搬送手段50を組付け可能な領域を複数有する場合、供給装置20と後処理装置30とで搬送手段50を組付ける領域が異なっており、各々定めた領域に搬送手段50が組付けられることが好ましい。スロット42を複数有することにより、例えば、供給装置20の場合に搬送手段50を組み付けるスロットと、後処理装置30の場合に搬送手段50を組み付けるスロットとを変えることができる。図2に示す例では、そのようにしている。つまり、供給装置20では搬送手段50をスロット42aに組み付けており、後処理装置30では搬送手段50をスロット42bに組み付けている。このようにすることで、装置に給紙の機能又は排出の機能を付与する際に装置を構成しやすくなる。
【0034】
本実施形態は、図2に示す例に限られるものではない。供給装置20と後処理装置30のどちらにおいても、例えばスロット42aに搬送手段50を組み付けてもよいが、この場合、搬送手段50のシート搬送方向を供給装置20と後処理装置30とで変えるなどの対応が必要になる場合がある。
【0035】
次に、本発明の他の本実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。
【0036】
本実施形態の画像形成システムにおいて、供給装置20及び後処理装置30は、シートが積載される積載手段と、前記積載手段を昇降させる昇降手段とを有し、前記積載手段及び前記昇降手段は、供給装置20と後処理装置30のどちらにも共通して使用可能である。構造体のみでなく、積載手段及び昇降手段についても、供給装置20と後処理装置30のどちらにも共通して使用可能とすることで、積載手段及び昇降手段を有する装置構成にした場合でもコストを低減できる。
【0037】
図3は、本実施形態における供給装置20の一例を説明するための概略図である。図3(A)は、積載トレイ46が上昇する前の状態の一例を示す図であり、図3(B)は、積載トレイ46が上昇している状態又は上昇した後の状態の一例を示す図である。
【0038】
図示するように、本例の供給装置20は、シートPが積載される積載トレイ46を有している。積載トレイ46は積載手段の一例である。シートPが画像形成装置10に供給されて、貯留部44内のシートPが減ると積載トレイ46が上昇する。図3(B)では、積載トレイ46の上昇方向を矢印で模式的に示している。積載トレイ46が上昇することにより、給紙部44内のシートPが減った場合でも、シートPをスムーズに搬送することができる。
【0039】
積載トレイ46は、昇降手段48により上昇又は下降する。積載トレイ46は、特に制限されず、台車で運搬可能な構成でもよい。
【0040】
昇降手段48は、特に制限されるものではないが、例えば、ワイヤ、ボールねじ等を用いて昇降させる。また昇降手段48は、モータ等の駆動手段を有していてもよい。また、貯留部44内に積載されたシートPの上面を検知する検知手段を有していてもよい。
【0041】
図4は、本実施形態における後処理装置30の一例を説明するための概略図である。図4(A)は、積載トレイ46が下降している状態又は下降した後の一例を示す図であり、図4(B)は、積載トレイ46が下降した後の状態の一例を示す図である。
【0042】
図示するように、本例の後処理装置30は、排出されたシートPが積載される積載トレイ46を有している。貯留部44内に排出されたシートPが少ない場合は、図4(A)のように積載トレイ46を上昇させておき、排出されシートPが増えてきたら積載トレイ46を下降させる。このようにすることで、貯留部44からシートPがあふれてしまうことを防止できる。
【0043】
本実施形態において、供給装置20と後処理装置30は、積載手段(例えば積載トレイ46)と昇降手段48を共通して使用できる。換言すると、積載トレイ46と昇降手段48は、供給装置20にも使用でき、後処理装置30にも使用できる。このため、積載手段及び昇降手段を有する装置構成にした場合でもコストを低減できる。
【0044】
昇降手段48が上記の検知手段を有する場合の例について説明する。検知手段は、貯留部44内に積載されたシートPの上面を検知する。供給装置20において、貯留部44内に積載されたシートPが減って、検知手段がシートPの上面を検知すると、積載トレイ46を上昇させる。この場合、検知手段がシートPの上面を検知するたびに積載トレイ46を上昇させることができる。また、後処理装置30において、貯留部44内に積載されたシートPが増えて、検知手段がシートPの上面を検知すると、積載トレイ46を下降させる。この場合、検知手段がシートPの上面を検知するたびに積載トレイ46を下降させることができる。このような検知手段を用いる場合においても、検知手段を供給装置20と後処理装置30で共通して使用できるため、コストの増加を抑えることができる。
【0045】
次に、本発明の他の本実施形態について説明する。上記実施形態と同様の事項については説明を省略する。
【0046】
本実施形態における供給装置20と後処理装置30は、供給装置20と後処理装置30に共通して使用できる機能と、各々に特有の機能とを有し、前記特有の機能は、ユニット化されて供給装置20又は後処理装置30に組付け可能である。
特有の機能をユニット化することで、余計な機能を持つユニットを除くことができ、コストを下げることができる。例えば、供給装置20において、後処理装置30に特有の機能を有するユニットを除くことができる。同様に、後処理装置30において、供給装置20に特有の機能を有するユニットを除くことができる。
【0047】
図5は、本実施形態を説明するための図である。図5(A)は、供給装置20の例を示す図であり、図5(B)は、後処理装置30の例を示す図である。
【0048】
本発明では、構造体を供給装置20と後処理装置30とで共通に使用できるようにしている。これに伴い、供給装置20と後処理装置30のそれぞれの機能を出せるように、供給装置20と後処理装置30にそれぞれ特有の機構はユニット化しておくことが好ましい。ユニット化した特有の機構を筐体40に組み付けることで、供給装置20又は後処理装置30としての機能を行える装置に組み上げることができる。
【0049】
供給装置20の場合、ユニット化の対象としては、例えばシート整合機構、シート保護機構、搬送補助機構等が挙げられる。これらをそれぞれユニット化して前記構造体(例えば筐体40)に直接又は間接に組付け可能にしておく。ユニット化した機構を組付ける場所は、それぞれの機構に応じて選択でき、例えば積載されたシートの付近に組み付ける。
【0050】
後処理装置30の場合、ユニット化の対象としては、例えばシート整合機構、シート戻し機構等が挙げられる。これらをそれぞれユニット化して前記構造体(例えば筐体40)に直接又は間接に組付け可能にしておく。ユニット化した機構を組付ける場所は、それぞれの機構に応じて選択でき、例えば排紙口の付近に組み付ける。この他にも、排出されたシートが積載される箇所の付近に組み付ける。
【0051】
図5(A)に示す例は、シート整合機構として、サイドフェンスとエンドフェンスを用いた場合の例である。サイドフェンス21とエンドフェンス22をそれぞれユニット化して、貯留部44に組み付けている。供給装置20に特有の部分を模式的に破線で表示している。
【0052】
図5(B)に示す例は、シート整合機構として、排出されたシートの端を揃える揃え部材31を用いた場合の例である。後処理装置30に特有の部分を模式的に破線で表示している。
【0053】
ユニット化した機構は、筐体40に組み付けてもよいし、筐体40に組付けられた部材等に組み付けてもよい。例えば、図5(A)に示す例の場合、貯留部44にサイドフェンス21とエンドフェンス22を組付けている。この場合、サイドフェンス21とエンドフェンス22は、筐体40に間接的に組付けられているといえる。
【0054】
なお、本実施形態において、ユニット化とは、供給装置20に共通して、後処理装置30に共通して、又は、供給装置20と後処理装置30に共通して組付けできる単位(ユニット)にすることをいう。
【0055】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
画像形成装置と、
前記画像形成装置にシートを供給する供給装置と、
前記画像形成装置から排出されたシートを受け取る後処理装置と、を有する画像形成システムであって、
前記供給装置及び前記後処理装置は、シートを搬送する搬送手段を組付け可能な構造体を有し、
前記構造体は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能であり、
前記搬送手段は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能である
ことを特徴とする画像形成システム。
<2>
前記搬送手段は、シートを挟持又は吸着しながら搬送する
ことを特徴とする<1>に記載の画像形成システム。
<3>
前記構造体は、前記搬送手段を組付け可能な領域を複数有する
ことを特徴とする<1>又は<2>に記載の画像形成システム。
<4>
前記供給装置と前記後処理装置とで前記搬送手段を組付ける領域が異なっており、各々定めた領域に前記搬送手段が組付けられる
ことを特徴とする<3>に記載の画像形成システム。
<5>
前記供給装置及び前記後処理装置は、シートが積載される積載手段と、前記積載手段を昇降させる昇降手段とを有し、
前記積載手段及び前記昇降手段は、前記供給装置と前記後処理装置のどちらにも共通して使用可能である
ことを特徴とする<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成システム。
<6>
前記供給装置と前記後処理装置は、前記供給装置と前記後処理装置に共通して使用できる機能と、各々に特有の機能とを有し、
前記特有の機能は、ユニット化されて前記供給装置又は前記後処理装置に組付け可能である
ことを特徴とする<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成システム。
【符号の説明】
【0056】
1 画像形成システム
10 画像形成装置
20 供給装置
30 後処理装置
40 筐体
42 スロット
44 貯留部
46 積載トレイ
48 昇降手段
50 搬送手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2003-261232号公報
図1
図2
図3
図4
図5