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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145647
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】基板アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20241004BHJP
   H01S 5/022 20210101ALI20241004BHJP
【FI】
H05K1/14 C
H01S5/022
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058089
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 和彦
(72)【発明者】
【氏名】澤村 壮嗣
(72)【発明者】
【氏名】永井 京子
(72)【発明者】
【氏名】梅田 康平
【テーマコード(参考)】
5E344
5F173
【Fターム(参考)】
5E344AA02
5E344AA22
5E344BB02
5E344BB04
5E344BB10
5E344CC23
5E344DD02
5E344EE06
5F173MC18
5F173ME48
5F173MF23
5F173MF36
5F173MF39
5F173MF40
(57)【要約】
【課題】例えば、接合材の流動状態での流出による導体間の短絡を防止することが可能となるような、改善された新規な基板アセンブリを提供する。
【解決手段】基板アセンブリは、例えば、ベースと、当該ベース上で突出するとともに第一方向と交差した第二方向に延びた露出部を含む複数の導体と、露出部のそれぞれに設けられた第一電極と、が設けられた第一面を有した、リジッド基板と、複数の突出領域と、当該複数の突出領域の間に設けられた凹溝と、突出領域のそれぞれに設けられた第二電極と、が設けられた第二面を有した、フレキシブル基板と、を備え、第一電極と第二電極とが第一方向に重なった状態で接合材を介して電気的に接続され、第一方向に見た場合に、凹溝は、第一方向および第二方向と交差した第三方向において隣り合った二つの露出部とそれぞれ第一方向に重なるとともに、当該二つの露出部の間で折れ曲がって延びる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向を向いた第一面であって、ベースと、当該ベース上で突出するとともに前記第一方向と交差した第二方向に延びた露出部を含む複数の導体と、前記露出部のそれぞれに設けられた第一電極と、が設けられた第一面を有した、リジッド基板と、
前記第一方向の反対方向を向いた第二面であって、複数の突出領域と、当該複数の突出領域の間に設けられた凹溝と、前記突出領域のそれぞれに設けられた第二電極と、が設けられた第二面を有した、フレキシブル基板と、
を備え、
前記第一電極と前記第二電極とが前記第一方向に重なった状態で接合材を介して電気的に接続され、
前記第一方向に見た場合に、前記凹溝は、前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向において隣り合った二つの前記露出部とそれぞれ前記第一方向に重なるとともに、当該二つの露出部の間で折れ曲がって延びた、基板アセンブリ。
【請求項2】
前記第二面には、前記第一方向に凹む凹部が設けられ、
前記第一方向に見た場合に、前記露出部と前記凹部とがずれて設けられた、請求項1に記載の基板アセンブリ。
【請求項3】
前記凹溝は、前記第一方向に見た場合に前記露出部と重なる重畳部位を有し、
前記重畳部位が、前記接合材のうち前記露出部に沿って延びて前記第一電極から最も離れた端部より当該第一電極から離れた位置に、設けられた、請求項1または2に記載の基板アセンブリ。
【請求項4】
第一方向を向いた第一面であって、ベースと、当該ベース上で突出するとともに前記第一方向と交差した第二方向に延びた露出部を含む複数の導体と、前記露出部のそれぞれに設けられた第一電極と、が設けられた第一面を有した、リジッド基板と、
前記第一方向の反対方向を向いた第二面であって、第二電極と、前記第一方向に凹む凹部と、が設けられた第二面を有した、フレキシブル基板と、
を備え、
前記第一電極と前記第二電極とが前記第一方向に重なった状態で接合材を介して電気的に接続され、
前記第一方向に見た場合に、前記露出部と前記凹部とがずれて設けられた、基板アセンブリ。
【請求項5】
第一方向を向いた第一面であって、ベースと、当該ベース上で突出するとともに前記第一方向と交差した第二方向に延びた露出部を含む複数の導体と、前記露出部のそれぞれに設けられた第一電極と、が設けられた第一面を有した、リジッド基板と、
前記第一方向の反対方向を向いた第二面であって、複数の突出領域と、当該複数の突出領域の間に設けられた凹溝と、前記突出領域のそれぞれに設けられた第二電極と、が設けられた第二面を有した、フレキシブル基板と、
を備え、
前記第一電極と前記第二電極とが前記第一方向に重なった状態で接合材を介して電気的に接続され、
前記凹溝は、前記第一方向に見た場合に前記露出部と重なる重畳部位を有し、
前記重畳部位が、前記接合材のうち前記露出部に沿って延びて前記第一電極から最も離れた端部より当該第一電極から離れた位置に、設けられた、基板アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リジッド基板の導体とフレキシブル基板の導体とがはんだのような接合材を介して電気的に接続された構造が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-23274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の構造では、構造の小型化や導体数の増大等に伴って導体間のピッチが狭くなると、接合材の固化されていない流動状態での所期の場所からの流出による短絡が、問題になりやすい。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、例えば、接合材の流動状態での流出による導体間の短絡を防止することが可能となるような、改善された新規な基板アセンブリを得ること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の基板アセンブリは、例えば、第一方向を向いた第一面であって、ベースと、当該ベース上で突出するとともに前記第一方向と交差した第二方向に延びた露出部を含む複数の導体と、前記露出部のそれぞれに設けられた第一電極と、が設けられた第一面を有した、リジッド基板と、前記第一方向の反対方向を向いた第二面であって、複数の突出領域と、当該複数の突出領域の間に設けられた凹溝と、前記突出領域のそれぞれに設けられた第二電極と、が設けられた第二面を有した、フレキシブル基板と、を備え、前記第一電極と前記第二電極とが前記第一方向に重なった状態で接合材を介して電気的に接続され、前記第一方向に見た場合に、前記凹溝は、前記第一方向および前記第二方向と交差した第三方向において隣り合った二つの前記露出部とそれぞれ前記第一方向に重なるとともに、当該二つの露出部の間で折れ曲がって延びる。
【0007】
前記基板アセンブリでは、前記第二面には、前記第一方向に凹む凹部が設けられ、前記第一方向に見た場合に、前記露出部と前記凹部とがずれて設けられてもよい。
【0008】
前記基板アセンブリでは、前記凹溝は、前記第一方向に見た場合に前記露出部と重なる重畳部位を有し、前記重畳部位が、前記接合材のうち前記露出部に沿って延びて前記第一電極から最も離れた端部より当該第一電極から離れた位置に、設けられてもよい。
【0009】
本発明の基板アセンブリは、例えば、第一方向を向いた第一面であって、ベースと、当該ベース上で突出するとともに前記第一方向と交差した第二方向に延びた露出部を含む複数の導体と、前記露出部のそれぞれに設けられた第一電極と、が設けられた第一面を有した、リジッド基板と、前記第一方向の反対方向を向いた第二面であって、第二電極と、前記第一方向に凹む凹部と、が設けられた第二面を有した、フレキシブル基板と、を備え、前記第一電極と前記第二電極とが前記第一方向に重なった状態で接合材を介して電気的に接続され、前記第一方向に見た場合に、前記露出部と前記凹部とがずれて設けられる。
【0010】
本発明の基板アセンブリは、例えば、第一方向を向いた第一面であって、ベースと、当該ベース上で突出するとともに前記第一方向と交差した第二方向に延びた露出部を含む複数の導体と、前記露出部のそれぞれに設けられた第一電極と、が設けられた第一面を有した、リジッド基板と、前記第一方向の反対方向を向いた第二面であって、複数の突出領域と、当該複数の突出領域の間に設けられた凹溝と、前記突出領域のそれぞれに設けられた第二電極と、が設けられた第二面を有した、フレキシブル基板と、を備え、前記第一電極と前記第二電極とが前記第一方向に重なった状態で接合材を介して電気的に接続され、前記凹溝は、前記第一方向に見た場合に前記露出部と重なる重畳部位を有し、前記重畳部位が、前記接合材のうち前記露出部に沿って延びて前記第一電極から最も離れた端部より当該第一電極から離れた位置に、設けられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、例えば、接合材の流動状態での流出による導体間の短絡を防止することが可能となるような、改善された新規な基板アセンブリを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1実施形態の基板アセンブリの例示的かつ模式的な斜視図である。
図2図2は、第1実施形態の基板アセンブリに含まれる光ユニットの例示的かつ模式的な斜視図である。
図3図3は、第1実施形態の基板アセンブリに含まれるリジッド基板の例示的かつ模式的な平面図である。
図4図4は、第1実施形態の基板アセンブリに含まれるフレキシブル基板の例示的かつ模式的な平面図である。
図5図5は、図4の一部の拡大図である。
図6図6は、図5のVI-VI位置における基板アセンブリの例示的かつ模式的な断面図である。
図7図7は、図5のVII-VII位置における基板アセンブリの例示的かつ模式的な断面図である。
図8図8は、第2実施形態の基板アセンブリの例示的かつ模式的な平面図である。
図9図9は、図8のIX-IX断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0014】
以下に示される複数の実施形態は、同様の構成を備えている。よって、各実施形態の構成によれば、当該同様の構成に基づく同様の作用および効果が得られる。また、以下では、それら同様の構成には同様の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される場合がある。
【0015】
本明細書において、序数は、方向や、部材、部品、部位等を区別するために便宜上付与されており、優先順位や順番を示すものではなく、個数を限定するものでもない。
【0016】
各図において、X方向を矢印Xで表し、Y方向を矢印Yで表し、Z方向を矢印Zで表す。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差するとともに互いに直交している。また、X方向は長手方向または延び方向と称され、Y方向は短手方向または幅方向と称され、Z方向は厚さ方向若しくは高さ方向と称されうる。各図中の矢印は、組み立てられた状態での方向を示している。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の基板アセンブリ100A(100)の斜視図である。基板アセンブリ100は、不図示の筐体内に収容されている。本実施形態では、基板アセンブリ100は、筐体とともに、光学装置を構成している。
【0018】
基板アセンブリ100は、リジッド基板11と、複数の光ユニット12と、フレキシブル基板40と、を備えている。
【0019】
図2は、一つの光ユニット12の斜視図である。図2に示されるように、光ユニット12は、発光素子12aと、レンズ12bと、アイソレータ12cと、受光素子12dと、光ファイバ30の端部30aと、キャリア13と、を有している。発光素子12a、レンズ12b、アイソレータ12c、および受光素子12dは、キャリア13上に、接着剤等を介して取り付けられている。光ユニット12は、光モジュールとも称されうる。また、光ファイバ30の端部30aは、接着剤を介して支持部14に取り付けられている。
【0020】
発光素子12aは、レーザ光をX方向に出力する。発光素子12aからX方向に出力された光は、レンズ12bおよびアイソレータ12cを経由して、光ファイバ30の端部30aの芯線に入力される。発光素子12aは、例えば、レーザ発光素子であって、光素子の一例である。
【0021】
また、発光素子12aは、レーザ光をX方向の反対方向にも出力する。発光素子12aからX方向の反対方向に出力された光は、発光素子12aに対して光ファイバ30とは反対側に設けられた受光素子12dに入力される。受光素子12dは、発光素子12aから出力された光の強度を検出する。受光素子12dは、例えば、フォトダイオードであって、光素子の一例である。
【0022】
光ユニット12に実装される発光素子12a、受光素子12dのようなアクティブ光学素子や、温度センサのような電子部品、ヒータのような電気部品等は、リジッド基板11の導体112と、ボンディングワイヤ50のような導体を介して、電気的に接続される。
【0023】
図1に示されるように、リジッド基板11は、四角形状かつ板状の形状を有している。本実施形態では、リジッド基板11は、Y方向における所定幅およびZ方向における所定厚さを有し、X方向に延びている。リジッド基板11は、例えば、シリコンで作られる。なお、リジッド基板11は、例えば、窒化アルミニウムのような、熱伝導率が比較的高いセラミックで作られてもよいし、これら以外の材料で作られてもよい。
【0024】
図3は、リジッド基板11の面11aを示す平面図である。図3は、リジッド基板11の面11aをZ方向の反対方向に見た図である。面11aは、第一面の一例である。
【0025】
リジッド基板11は、絶縁体で作られるベース111を有している。ベース111は、Z方向と交差するとともに直交しZ方向を向く面111aを有している。
【0026】
また、リジッド基板11は、少なくともベース111の面111a上に部分的に突出した複数の導体112を有している。導体112は、面111a上にZ方向における所定高さで突出し、Y方向における所定幅で、X方向に延びた延部112aを有している。また、導体112は、当該延部112aのX方向の反対方向の端部に設けられた電極112bを有している。複数の導体112は、Y方向における所定間隔、例えば略一定の間隔で、X方向に互いに平行に延びている。電極112bは、第一電極の一例である。X方向は、第二方向の一例である。
【0027】
電極112b間の距離を確保するため、電極112bは、Y方向に互い違いに並んでいる。本実施形態では、所定間隔、例えば略一定の間隔でY方向に並ぶ複数の電極112b1のアレイA1と、当該アレイA1に対してX方向にずれた位置で所定間隔、例えば略一定の間隔でY方向に並ぶ複数の電極112b2のアレイA2と、が設けられている。
【0028】
導体112のうち、少なくとも他の導体と電気的に接続される部位は、露出している。すなわち、導体112のうち、少なくとも電極112bと延部112aのうち電極112bに近い部位とは、接合材60(図6,7参照)との電気的な接続のため、露出している。延部112aのうち露出した部位は、露出部の一例である。なお、本実施形態では、導体112は、全体的に露出している。ただし、これには限定されず、延部112aのうち露出部以外の部分が絶縁膜で覆われてもよい。接合材60は、例えばはんだである。
【0029】
リジッド基板11の面11aは、全体的にZ方向を向き、Z方向と交差し、面111aと導体112の微小な凸部と有した微小な凹凸を有した面となる。
【0030】
図4は、フレキシブル基板40の面40aを示す平面図である。図4は、フレキシブル基板40の面40aをZ方向に見た図、すなわち、図3とは反対方向に見た図である。図1に示されるように、基板アセンブリ100にあっては、図3に示されるリジッド基板11の面11aと、図4に示されるフレキシブル基板40の面40aとが互いに面した状態で、リジッド基板11とフレキシブル基板40とが重ね合わせられる。面40aは、第二面の一例である。
【0031】
フレキシブル基板40は、例えばポリイミドのような絶縁性の合成樹脂材料で作られた絶縁層と、例えば銅系材料のような導電性の金属材料で作られた金属層と、を有している。金属層の一部が、面40a上に露出し、電極422を構成している。フレキシブル基板40は、例えば、多層のフレキシブルプリント配線板である。
【0032】
内部に形成された導体の厚さや、当該導体を被覆するカバーレイの形状等に応じて、フレキシブル基板40の面40aは、凹凸構造を有している。図4の例では、ベース411と、ベース411の面411aから突出した複数の突出領域421と、を有している。ベース411は、突出領域421に対して相対的に突出していない、言い換えると引っ込んでいる領域である。面411aは、突出領域421の周辺部および互いに隣り合う突出領域421間の凹溝412を形成している。面411aは底面とも称されうる。
【0033】
各突出領域421において、部分的に絶縁層が除去され、これにより、Z方向の反対方向に露出した電極422が形成されている。これら電極422は、リジッド基板11の電極112b(図3参照)と、組み立て状態ではZ方向に重なり、接合材60(図6,7参照)を介して電気的に接続されることになる。したがって、本実施形態では、所定間隔、例えば略一定の間隔でY方向に並ぶ複数の電極422aのアレイA1と、当該アレイA1に対してX方向にずれた位置で所定間隔、例えば略一定の間隔でY方向に並ぶ複数の電極422bのアレイA2と、が設けられている。Z方向において、フレキシブル基板40の電極422aとリジッド基板11の電極112b1とが重なるとともに、接合材60を介して電気的に接続され、フレキシブル基板40の電極422bとリジッド基板11の電極112b2とが重なるとともに、接合材60を介して電気的に接続される。電極422も、電極112bと同様に、Y方向に互い違いに並ぶことになる。
【0034】
突出領域421は、フレキシブル基板40に内蔵される複数の導体に対応して形成されている。よって、複数の突出領域421には、電極422aが露出する複数の突出領域421aと、電極422bが露出する複数の突出領域421bと、が含まれ、互いに隣り合う突出領域421の間に、凹溝412が形成されることになる。なお、各突出領域421のZ方向の反対方向の端部としての頂部は、略平坦な面となる。
【0035】
フレキシブル基板40の面40aは、全体的にZ方向を向き、Z方向と交差し、略平坦な複数の突出領域421の頂面と突出領域421間の凹溝412とを有した微小な凹凸を有した面となる。
【0036】
[接合材の流出による短絡を抑制する構造]
図5は、図6の一部の拡大図であって、フレキシブル基板40とZ方向に重なるリジッド基板11の導体112の延部112aを追記した図である。上述したように、フレキシブル基板40の電極422aは、リジッド基板11の電極112b1と接合材60を介して電気的に接続される。ここで、図3に示されるように、各電極112b1からは、X方向に導体112の延部112aが延びている。したがって、図5中のC1,C2のように、延部112aと凹溝412とが、交差する場所が生じる。電極112b1と電極422aとの間に介在する接合材60は、流動状態で電極112b1,422a間に塗布され、その後固化されるが、接合材60は、流動状態では電極112b1から導体112上で延部112aに沿って濡れ広がる。接合材60は、絶縁体上では、導体上に比べて濡れ広がり難い。ただし、場所C1,C2のように、延部112aが凹溝412とZ方向に重なっていると、当該流動状態の接合材60は、延部112aから凹溝412に流出する虞がある。ここで、仮に、図5中に二点鎖線で示すように場所C1,C2間でY方向に延びた直線状の凹溝412vが形成されていると、当該凹溝412vに沿って流れて延びた接合材60が場所C1と場所C2との間に渡り、そのまま固化されてしまい、Y方向に隣り合う延部112a同士、すなわちY方向に隣り合う導体112同士が、当該固化された接合材60によって電気的に接続されてしまう、すなわち短絡が生じてしまう虞がある。Y方向は、第三方向の一例である。
【0037】
そこで、本実施形態では、図5に示されるように、Z方向に見た場合に、凹溝412は、場所C1,C2間で、二つの延部112a間で折れ曲がって延びている。これにより、流動状態の接合材60が、延部112aから場所C1または場所C2で凹溝412内に流出し、当該凹溝412に沿って流れたとしても、場所C1,C2間で、凹溝412が折れ曲がることにより、凹溝412vのように直線状に形成された場合に比べて、流路長が長くなっているため、当該接合材60により隣り合う延部112a間が短絡するのを抑制することができる。
【0038】
凹溝412の平面視での折曲形状は、図5に示されるように、突出領域421aにおいて、電極422aからX方向に突出した部位421a1と、突出領域421bにおいて、電極422bからX方向の反対方向に突出した部位421b1と、によって構成されている。部位421b1は、X方向の反対方向に電極422aに対して電極422bとは反対側となる位置まで延びているが、これには限定されず、電極422aと部分的にY方向に重なる位置まで延びてもよい。また、部位421a1も、電極422bと部分的にY方向に重なる位置まで延びてもよいし、X方向に電極422bに対して電極422aとは反対側となる位置まで延びてもよい。また、これら部位421a1,421b1は、例えば、絶縁層(カバーレイ)によって構成することができるし、絶縁層の下層の導体および当該導体を被覆する絶縁層によって構成することができる。421a1,421b1は、突出部位とも称されうる。
【0039】
図6は、図5のVI-VI断面図である。図6に示されるように、電極112b1の近傍において、延部112aには部位421a1が面しているため、接合材60が流動状態で凹溝412内に流出するのを抑制できる。
【0040】
図7は、図5のVII-VII断面図である。図5,7に示されるように、部位421a1は、電極422aからX方向に突出して設けられている。このため、電極422aから凹溝412までの距離D1を長くすることができ、その分、流動状態の接合材60が、凹溝412内に流出するのを抑制することができる。この場合、接合材60の量のばらつき範囲の最大塗布量(ばらつき範囲の最大体積)におけるX方向の端部60tが、凹溝412に到達しなければ、流動状態の接合材60の凹溝412への流出を防止できる。すなわち、上記距離D1が、接合材60のうち電極112b(または電極422a)から延部112aに沿ってX方向に延びた端部60tまでの距離D2より長ければよい。言い換えると、凹溝412のうち、延部112aとZ方向に重なる部位412aが、接合材60の延部112aに沿って電極112bからX方向に最も離れた端部60tより、当該電極112bから離れた位置に設けられればよい。部位412aは、重畳部位の一例である。
【0041】
以上、説明したように、本実施形態によれば、接合材60の凹溝412への流出による、隣り合う導体112間の短絡を抑制することができる。
【0042】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態の基板アセンブリ100B(100)の平面図である。図8に示されるように、本実施形態の基板アセンブリ100Bも、上記第1実施形態と同様の構成を有したリジッド基板11およびフレキシブル基板40を備えている。
【0043】
図9は、図8のIX-IX断面図である。図9に示されるように、本実施形態では、面40aにおいて、Z方向に凹む凹部413が設けられている。凹部413は、例えば、フレキシブル基板40に設けられたスルーホールの表面に形成される。
【0044】
凹部413と、延部112aとがZ方向に重なった場合、流動状態の接合材60が凹部413に流出し、当該凹部413から当該凹部413外に流出すると、さらに他の凹部413へ流出し、ひいては他の導体と短絡してしまう虞がある。
【0045】
そこで、本実施形態では、図8,9に示されるように、凹部413と延部112aと、が、Z方向に見た場合に互いにずれるように、言い換えると、Z方向と交差した方向にずれるように、設けられている。このような構成により、流動状態の接合材60が、延部112aから凹部413へ流出し、それにより短絡が生じるのを、抑制することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、型式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
11…リジッド基板
11a…面(第一面)
12…光ユニット
12a…発光素子
12b…レンズ
12c…アイソレータ
12d…受光素子
13…キャリア
14…支持部
30…光ファイバ
30a…端部
40…フレキシブル基板
40a…面(第二面)
50…ボンディングワイヤ
60…接合材
60t…端部
100,100A,100B…基板アセンブリ
111…ベース
111a…面
112…導体
112a…延部(露出部)
112b,112b1,112b2…電極(第一電極)
411…ベース
411a…面
412…凹溝
412a…部位(重畳部位)
412v…凹溝
413…凹部
421,421a,421b…突出領域
421a1,421b1…部位(突出部)
422,422a,422b…電極(第二電極)
A1,A2…アレイ
C1,C2…場所
D1,D2…距離
X…方向(第二方向)
Y…方向(第三方向)
Z…方向(第一方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9