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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024145908
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】プロスタグランジンD2産生抑制剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20241004BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20241004BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20241004BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/752 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/489 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/484 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20241004BHJP
   A61K 36/906 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/73 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/78 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/9062 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/718 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/9066 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/605 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/61 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/28 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/738 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/534 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/53 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/268 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/756 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/896 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/20 20060101ALI20241004BHJP
   A61K 36/23 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20241004BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q7/00
A61Q5/02
A61Q5/12
A61K36/752
A61K36/489
A61K36/484
A61K8/9794
A61K36/906
A61K36/73
A61K36/185
A61K36/78
A61K36/9062
A61K36/718
A61K36/9066
A61K36/605
A61K36/61
A61K36/28
A61K36/738
A61K36/534
A61K36/53
A61K36/268
A61K36/756
A61K36/896
A61K36/20
A61K36/23
A61P17/14
A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058494
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】591082421
【氏名又は名称】丸善製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】田邊 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】大戸 信明
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AC072
4C083AC092
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC182
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC642
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC792
4C083AD132
4C083AD332
4C083AD552
4C083AD662
4C083CC37
4C083CC38
4C083CC39
4C083DD23
4C083EE22
4C088AB12
4C088AB26
4C088AB32
4C088AB34
4C088AB38
4C088AB40
4C088AB47
4C088AB51
4C088AB57
4C088AB59
4C088AB60
4C088AB62
4C088AB81
4C088AB85
4C088AC01
4C088AC02
4C088AC04
4C088AC05
4C088AC06
4C088AC11
4C088AC13
4C088CA05
4C088CA08
4C088NA14
4C088ZA92
4C088ZC41
(57)【要約】
【課題】毛髪成長を阻害する作用や線維芽細胞増殖因子-5産生促進作用を有するプロスタグランジンDの産生を抑制する優れたプロスタグランジンD産生抑制作用を有し、かつ安全性が高いプロスタグランジンD産生抑制剤の提供。
【解決手段】クジン抽出物、甘草抽出物、ショウガ抽出物、ビワ抽出物、甜茶抽出物、トルメンチラ抽出物、アマチャ抽出物、ハマメリス抽出物、ジュウヤク抽出物、月桃抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、マロニエ抽出物、ウコン抽出物、ソウハクヒ抽出物、テンニンカ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トゲナシ抽出物、ペパーミント抽出物、マジョラム抽出物、ベニバナ抽出物、オウバク抽出物、ブッチャーズ・ブルーム抽出物、モミジ抽出物、セキセツソウ抽出物、アルニカ抽出物、グレープフルーツ抽出物、及びオレンジ抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を含むプロスタグランジンD産生抑制剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クジン抽出物、甘草抽出物、ショウガ抽出物、ビワ抽出物、甜茶抽出物、トルメンチラ抽出物、アマチャ抽出物、ハマメリス抽出物、ジュウヤク抽出物、月桃抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、マロニエ抽出物、ウコン抽出物、ソウハクヒ抽出物、テンニンカ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トゲナシ抽出物、ペパーミント抽出物、マジョラム抽出物、ベニバナ抽出物、オウバク抽出物、ブッチャーズ・ブルーム抽出物、モミジ抽出物、セキセツソウ抽出物、アルニカ抽出物、グレープフルーツ抽出物、及びオレンジ抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とするプロスタグランジン(PG)D産生抑制剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロスタグランジン(PG)D(以下、「PGD」と称することがある。)産生抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
健康なヘアサイクルは成長期(2~7年)、退行期(2~3週間)、休止期(2~3か月)を1サイクルとして発毛と脱毛を繰り返している。男性型脱毛症患者(AGA)では、男性ホルモンがヘアサイクルを短縮させ、毛包が充分に成長しないまま退行期へと移行される結果、毛包のミニチュア化へ繋がっている(非特許文献1参照)。
【0003】
AGA患者の脱毛部位、非脱毛部位を比較検証した結果、脱毛組織においてプロスタグランジン(PG)Dが多く産生されている事が解明され、PGDもAGA発症に関与する毛髪成長阻害因子として報告されている(非特許文献2参照)。この報告では、毛髪成長期後期にPGD合成酵素であるPtgdsの発現が上昇し、退行期への移行と同時期に毛乳頭細胞において退行期に関与する因子であるFgf5が上昇していることも報告されている。
【0004】
線維芽細胞増殖因子は、線維芽細胞に対する増殖活性を有するだけではなく、様々な細胞に対する細胞増殖・分化活性を有する形態形成因子、組織障害のときに働く組織修復因子、生体の恒常性を維持するための代謝調節因子等として重要な役割を果たしている多機能性分泌因子である。FGFには、20種類以上のファミリーが存在することが知られている。
【0005】
上述したように、毛髪は、成長期、退行期、及び休止期からなる周期的なヘアサイクル(毛周期)に従って成長及び脱落を繰り返している。成長期が短いと、毛髪は十分に成長せず、細く短いまま脱落してしまう。さらに、一度成長期が短くなると、次の成長期も短くなり、毛髪はますます細く短くなってしまうと考えられている。
ここで、前述したFGFのうちのFGF-5はヘアサイクル(毛周期)への関与が知られており、毛乳頭に作用して、毛周期における成長期から退行期へ移行させる作用を有していることが報告されている(非特許文献3参照)
【0006】
そのため、FGF-5の機能を抑制することができれば、毛周期における成長期から退行期への移行を阻害して毛髪の成長期を延長し、薄毛や脱毛の予防・改善をすることができ、育毛・養毛用途に有用であると考えられている。
【0007】
皮脂の構成成分としてトリグリセリド、ワックスエステル、スクアレンや遊離脂肪酸などが頭皮に存在し、細菌や乾燥から身を守るために必要なものとされている。なかでも、スクアレンは、紫外線等が原因で酸化が進むと過酸化スクアレンになり表皮細胞に作用することによって炎症性サイトカインであるIL-1やプロスタノイド変換酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2の発現量を上昇させること(非特許文献4、5参照)や、毛髪のハリ・コシに関与するKAP5.1遺伝子発現を低下させること(非特許文献4参照)が報告されている。さらに、頭皮トラブルの1つであるフケ症では、過酸化スクアレン量は有意に増加し(非特許文献6参照)、不健康な頭皮では炎症が起きている(非特許文献2参照)ことも報告されている。
【0008】
したがって、安全性の高い天然物由来成分であって、毛髪成長を阻害する作用やFGF-5産生促進作用を有するPGDの産生を抑制し、そのため、医薬品、医薬部外品、化粧料等の外用組成物、飲食品、研究用試薬などの成分として広く利用が可能な新たな素材に対する要望は強く、その速やかな開発が求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】前田憲寿ほか、毛髪再生の最前線、シーエムシー出版、2020
【非特許文献2】Sci Transl Med. 2012 March 21;4(126):126ra34
【非特許文献3】Cell,1994年,vo.78,no.6,pp.1017-1025
【非特許文献4】J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn. Vol.52, No.1 2018
【非特許文献5】Lipids(2010)45:833-841
【非特許文献6】Arch Dermatol Res (2016) 308:153-163
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、毛髪成長を阻害する作用や線維芽細胞増殖因子-5産生促進作用を有するプロスタグランジンDの産生を抑制する優れたプロスタグランジンD産生抑制作用を有し、かつ安全性が高いプロスタグランジンD産生抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、過酸化スクアレン刺激により、表皮角化細胞においてプロスタグランジンDの産生が促進されることを見い出した。そして、安全性の高い天然物由来の素材であるクジン抽出物、甘草抽出物、ショウガ抽出物、ビワ抽出物、甜茶抽出物、トルメンチラ抽出物、アマチャ抽出物、ハマメリス抽出物、ジュウヤク抽出物、月桃抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、マロニエ抽出物、ウコン抽出物、ソウハクヒ抽出物、テンニンカ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トゲナシ抽出物、ペパーミント抽出物、マジョラム抽出物、ベニバナ抽出物、オウバク抽出物、ブッチャーズ・ブルーム抽出物、モミジ抽出物、セキセツソウ抽出物、アルニカ抽出物、グレープフルーツ抽出物、及びオレンジ抽出物からなる群から選択される少なくとも1種が、優れたプロスタグランジンD産生抑制作用を有することを知見し、本発明を完成した。
【0012】
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> クジン抽出物、甘草抽出物、ショウガ抽出物、ビワ抽出物、甜茶抽出物、トルメンチラ抽出物、アマチャ抽出物、ハマメリス抽出物、ジュウヤク抽出物、月桃抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、マロニエ抽出物、ウコン抽出物、ソウハクヒ抽出物、テンニンカ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トゲナシ抽出物、ペパーミント抽出物、マジョラム抽出物、ベニバナ抽出物、オウバク抽出物、ブッチャーズ・ブルーム抽出物、モミジ抽出物、セキセツソウ抽出物、アルニカ抽出物、グレープフルーツ抽出物、及びオレンジ抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とするプロスタグランジン(PG)D産生抑制剤である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のプロスタグランジンD産生抑制剤によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、毛髪成長を阻害する作用や線維芽細胞増殖因子-5産生促進作用を有するプロスタグランジンDの産生を抑制する優れたプロスタグランジンD産生抑制作用を有し、かつ安全性が高いプロスタグランジンD産生抑制剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(プロスタグランジンD産生抑制剤)
本実施形態に係るプロスタグランジン(PG)D産生抑制剤は、クジン抽出物、甘草抽出物、ショウガ抽出物、ビワ抽出物、甜茶抽出物、トルメンチラ抽出物、アマチャ抽出物、ハマメリス抽出物、ジュウヤク抽出物、月桃抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オウレン抽出物、マロニエ抽出物、ウコン抽出物、ソウハクヒ抽出物、テンニンカ抽出物、トウキンセンカ抽出物、トゲナシ抽出物、ペパーミント抽出物、マジョラム抽出物、ベニバナ抽出物、オウバク抽出物、ブッチャーズ・ブルーム抽出物、モミジ抽出物、セキセツソウ抽出物、アルニカ抽出物、グレープフルーツ抽出物、及びオレンジ抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
【0015】
本明細書において、プロスタグランジンDの産生を抑制するとは、前記PGD産生抑制剤を投与しない場合と比較して、PGDの産生を減らすことをいう。
【0016】
前記クジン抽出物、前記甘草抽出物、前記ショウガ抽出物、前記ビワ抽出物、前記甜茶抽出物、前記トルメンチラ抽出物、前記アマチャ抽出物、前記ハマメリス抽出物、前記ジュウヤク抽出物、前記月桃抽出物、前記ウスベニアオイ抽出物、前記オウレン抽出物、前記マロニエ抽出物、前記ウコン抽出物、前記ソウハクヒ抽出物、前記テンニンカ抽出物、前記トウキンセンカ抽出物、前記トゲナシ抽出物、前記ペパーミント抽出物、前記マジョラム抽出物、前記ベニバナ抽出物、前記オウバク抽出物、前記ブッチャーズ・ブルーム抽出物、前記モミジ抽出物、前記セキセツソウ抽出物、前記アルニカ抽出物、前記グレープフルーツ抽出物、及び前記オレンジ抽出物(以下、これらの抽出物をまとめて「本実施形態に係る植物抽出物」と称することがある。)が、優れたPGD産生抑制作用を有し、PGD産生抑制剤として有用であることは、従来は全く知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
【0017】
<クジン抽出物>
前記クジン(生薬名)は、日本、韓国、中国各地に分布しているマメ科クララ属に属する多年生草本であるクララ(学名:Sophora flavescens Aiton)の根部であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0018】
前記クジン抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0019】
前記クジンの抽出部位は、クララの根部である。
前記クジンの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0020】
<甘草抽出物>
前記甘草は、マメ科カンゾウ属に属する植物である。前記甘草の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリチリーザ グラブラ(Glychyrrhiza glabra)、グリチリーザ インフラータ(Glychyrrhiza inflata)、グリチリーザ ウラレンシス(Glychyrrhiza uralensis)、グリチリーザ アスペラ(Glychyrrhiza aspera)、グリチリーザ パリディフロラ(Glychyrrhiza pallidiflora)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリチリーザ グラブラ(Glychyrrhiza glabra)、グリチリーザ インフラータ(Glychyrrhiza inflata)、グリチリーザ ウラレンシス(Glychyrrhiza uralensis)が好ましい。
【0021】
前記甘草抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0022】
前記甘草の抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根部、根茎部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記甘草の抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0023】
<ショウガ抽出物>
前記ショウガ(学名:Zingiber officinale)は、ショウガ科の植物であり、日本各地で栽培されておりこれらの地域から容易に入手することができる。
【0024】
前記ショウガ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0025】
前記ショウガの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、茎部、花部、蕾部、果実部、根茎部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、生薬名でショウキョウと呼ばれる根茎部が好ましい。
前記ショウガの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0026】
<ビワ抽出物>
前記ビワ(Eriobotrya japonica Lindley)は、バラ科ビワ属に属する常緑高木であり、中国南西部原産であり、長崎、千葉、鹿児島等で栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0027】
前記ビワ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0028】
前記ビワの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、幹部、枝部、花部、果実部、種子部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記ビワの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0029】
<甜茶抽出物>
前記甜茶(Rubus suavissimus)は、バラ科キイチゴ属に属する灌木であって、中国南部で自生しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0030】
前記甜茶抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0031】
前記甜茶の抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、果実部等の地上部、根部等の地下部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記甜茶の抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】
<トルメンチラ抽出物>
前記トルメンチラ(学名:Potentilla tormentilla vulgaris)は、バラ科に属する植物であり、ヨーロッパ、西アジア、シベリア、まれに地中海に分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0033】
前記トルメンチラ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0034】
前記トルメンチラの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、根部、全草部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、根部が好ましい。
前記トルメンチラの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0035】
<アマチャ抽出物>
前記アマチャ(学名:Hydrangea serrata)は、関東地方以西、四国、九州等に自生しているユキノシタ科アジサイ属に属する落葉小低木であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0036】
前記アマチャ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0037】
前記アマチャの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、果実部、果核部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、地上部が好ましい。
前記アマチャの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0038】
<ハマメリス抽出物>
前記ハマメリス(学名:Hamamelis virginiana)は、マンサク科マンサク属の植物であり、北米東部からテキサス州の原産で、日本では、庭園樹、切り花用に各地で植栽されており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0039】
前記ハマメリス抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0040】
前記ハマメリスの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記ハマメリスの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0041】
<ジュウヤク抽出物>
前記ジュウヤク(生薬名)は、ドクダミ科ドクダミ属に属する植物であるドクダミ(学名:Houttuynia cordata Thunberg)であり、日本の陰湿地に多く野生しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0042】
前記ジュウヤク抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0043】
前記ジュウヤクの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根茎部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、地上部が好ましい。
前記ジュウヤクの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0044】
<月桃抽出物>
前記月桃(Alpinia speciosa (Wendl.) K. Schum.)は、ショウガ科ハナミョウガ属に属する多年生常緑草本であり、九州南部からインドにまで分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0045】
前記月桃抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0046】
前記月桃の抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、幹部、地上部、花部、果実部、種子部、根部、全草などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記月桃の抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0047】
<ウスベニアオイ抽出物>
前記ウスベニアオイ(学名:Malva sylvestris)は、ヨーロッパ原産であって、アジアやアメリカ等に分布しているアオイ科アオイ属に属する多年生草本であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0048】
前記ウスベニアオイ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0049】
前記ウスベニアオイの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、果実部、果核部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部、花部が好ましい。
前記ウスベニアオイの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0050】
<オウレン抽出物>
前記オウレン(学名:Coptis japonica Makino)は、北海道、本州、四国の山地等において栽培されているキンポウゲ科オウレン属に属する多年草の植物であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0051】
前記オウレン抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0052】
前記オウレンの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部、地上部、根茎部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、根茎部が好ましい。
前記オウレンの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0053】
<マロニエ抽出物>
前記マロニエ(学名:Aesculus hippocastanum)は、ムクロジ科トチノキ属に属する植物であり、世界各地で栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0054】
前記マロニエ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0055】
前記マロニエの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、幹部、樹皮部、花部、種子部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、種子部が好ましい。
前記マロニエの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0056】
<ウコン抽出物>
前記ウコン(学名:Curcuma longa)は、ショウガ科クルクマ(ウコン)属に属する植物であり、熱帯アジアに分布し、インド、沖縄、中国東南部や東南アジアで栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0057】
前記ウコン抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0058】
前記ウコンの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、果実部、根茎部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、根茎部が好ましい。
前記ウコンの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0059】
<ソウハクヒ抽出物>
前記ソウハクヒ(生薬名)は、中国等に分布している落葉高木であるクワ科クワ属に属するマグワ(学名:Morus alba L.)の根皮部であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0060】
前記ソウハクヒ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0061】
前記ソウハクヒの抽出部位は、マグワの根皮部である。
前記ソウハクヒの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0062】
<テンニンカ抽出物>
前記テンニンカ(学名:Rhodomyrtus tomentosa)は、フトモモ科に属する植物であり、東南アジアの熱帯から亜熱帯地域に広く分布しており、沖縄や台湾などで野生しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0063】
前記テンニンカ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0064】
前記テンニンカの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、果実部、種子部、果肉部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、果実部が好ましい。
前記テンニンカの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0065】
<トウキンセンカ抽出物>
前記トウキンセンカ(学名:Calendula officinalis)は、ヨーロッパ原産のキク科の植物であり、日本各地で栽培されておりこれらの地域から容易に入手することができる。
【0066】
前記トウキンセンカ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0067】
前記トウキンセンカの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、茎部、花部、蕾部、根部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、花部が好ましい。
前記トウキンセンカの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0068】
<トゲナシ抽出物>
前記トゲナシ(刺梨)(Rosa roxburghii Tratt. f. normalis Rehd.et Wils.、和名:イザヨイバラ)は、中国の江蘇、湖北、四川、責州、雲南、広東の各省に自生または栽培されているバラ科の植物であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0069】
前記トゲナシ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0070】
前記トゲナシの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、根部、種子部、果実部、果肉部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、果実部が好ましい。
前記トゲナシの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0071】
<ペパーミント抽出物>
前記ペパーミント(学名:Mentha piperita、和名:セイヨウハッカ)は、ヨーロッパ原産のシソ科の多年草で、ヨーロッパ、アメリカで広く栽培されており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0072】
前記ペパーミント抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0073】
前記ペパーミントの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、果実部、根部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記ペパーミントの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0074】
<マジョラム抽出物>
前記マジョラム(Origanum majorana、別名:マヨラナ、オレガノ)は、地中海沿岸、北アフリカ、西アジア等に分布しているシソ科ハナハッカ属に属する多年生草本であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0075】
前記マジョラム抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0076】
前記マジョラムの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、根茎部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記マジョラムの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0077】
<ベニバナ抽出物>
前記ベニバナ(学名:Carthamus tinctorius)は、エジプトの原産といわれ、日本各地で栽培されているキク科に属する越年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0078】
前記ベニバナ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0079】
前記ベニバナの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、種子部、花部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、花部が好ましい。
前記ベニバナの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0080】
<オウバク抽出物>
前記オウバク(生薬名)は、北海道、本州、四国、九州等に分布しているミカン科キハダ属に属するキハダ(学名:Phellodendron amurense)の樹皮部であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0081】
前記オウバク抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0082】
前記オウバクの抽出部位は、キハダの樹皮部である。
前記オウバクの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0083】
<ブッチャーズ・ブルーム抽出物>
前記ブッチャーズ・ブルーム(学名:Ruscus aculeatus、和名:ナギイカダ)は、ユリ科ナギイカダ属の多年生の常緑低木であり、原産地はヨーロッパであり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0084】
前記ブッチャーズ・ブルーム抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0085】
前記ブッチャーズ・ブルームの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、果実部、根部、根茎部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、根部、根茎部が好ましい。
前記ブッチャーズ・ブルームの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0086】
<モミジ抽出物>
前記モミジ(学名:Acer palmatum)は、カエデ科カエデ属に属する植物であり、四国、九州、朝鮮南部、中国東部などに分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0087】
前記モミジ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0088】
前記モミジの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、根部、樹皮部、種子部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記モミジの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0089】
<セキセツソウ抽出物>
前記セキセツソウ(学名:Centella asiatica、和名:ツボクサ)は、セリ科の植物であり、本州西南部、四国、九州、沖縄、朝鮮半島、台湾、中国等に分布しておりこれらの地域から容易に入手することができる。
【0090】
前記セキセツソウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0091】
前記セキセツソウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、茎部、花部、蕾部、樹皮部、根茎部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、葉部、茎部が好ましい。
前記セキセツソウの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0092】
<アルニカ抽出物>
前記アルニカ(学名:Arnica montana L.)は、ヨーロッパから南ロシアまでの山岳地方の酸性土壌の牧草地に生育するヒナギク(daisy)に似たキク科ウサギギク属に属する多年草であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0093】
前記アルニカ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0094】
前記アルニカの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、幹部、地上部、花部、根部、全草などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、花部が好ましい。
前記アルニカの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0095】
<グレープフルーツ抽出物>
前記グレープフルーツ(学名:Citrus paradisi)は、ミカン科の植物であり、四国・九州南部で栽培されておりこれらの地域から容易に入手することができる。
【0096】
前記グレープフルーツ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0097】
前記グレープフルーツの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、果実部、果皮部、根部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、果実部が好ましい。
前記グレープフルーツの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0098】
<オレンジ抽出物>
前記オレンジ(Citrus sinensis L. Osbeck)は、世界中で栽培されているミカン科ミカン属に属する常緑小高木であり、これらの地域から容易に入手することができる。
【0099】
前記オレンジ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
【0100】
前記オレンジの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、果実部、果皮部、果汁、種子部、地上部などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、果実部、果汁が好ましい。
前記オレンジの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0101】
[抽出]
前記本実施形態に係る植物抽出物に含まれるPGD産生抑制作用を有する物質の詳細は不明であるが、植物の抽出等に一般に用いられている抽出方法によって、前記クジン、前記甘草、前記ショウガ、前記ビワ、前記甜茶、前記トルメンチラ、前記アマチャ、前記ハマメリス、前記ジュウヤク、前記月桃、前記ウスベニアオイ、前記オウレン、前記マロニエ、前記ウコン、前記ソウハクヒ、前記テンニンカ、前記トウキンセンカ、前記トゲナシ、前記ペパーミント、前記マジョラム、前記ベニバナ、前記オウバク、前記ブッチャーズ・ブルーム、前記モミジ、前記セキセツソウ、前記アルニカ、前記グレープフルーツ、及び前記オレンジからPGD産生抑制作用を有する抽出物を得ることができる。
【0102】
本発明において、「抽出物」には、抽出処理によって抽出原料から得られる抽出液、抽出液の希釈液もしくは濃縮液、抽出液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
【0103】
前記クジン、前記甘草、前記ショウガ、前記ビワ、前記甜茶、前記トルメンチラ、前記アマチャ、前記ハマメリス、前記ジュウヤク、前記月桃、前記ウスベニアオイ、前記オウレン、前記マロニエ、前記ウコン、前記ソウハクヒ、前記テンニンカ、前記トウキンセンカ、前記トゲナシ、前記ペパーミント、前記マジョラム、前記ベニバナ、前記オウバク、前記ブッチャーズ・ブルーム、前記モミジ、前記セキセツソウ、前記アルニカ、前記グレープフルーツ、及び前記オレンジの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出部位を乾燥させた後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供する方法などが挙げられる。前記乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。
【0104】
前記抽出の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、室温又は還流加熱下で、任意の抽出装置を用いて抽出する方法などが挙げられ、より具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、必要に応じて適宜撹拌しながら、例えば、30分間~4時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過して抽出残渣を除くことにより抽出液を得る方法などが挙げられる。前記抽出液は、更に、抽出溶媒を留去し、乾燥してもよい。
また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0105】
前記抽出における条件(抽出時間及び抽出温度)、抽出溶媒及び抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0106】
前記抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
【0107】
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水などの他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。なお、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水なども含まれる。前記水は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0108】
前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0109】
前記混合溶媒における前記水に対する前記親水性溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低級脂肪族アルコールを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~90容量部、低級脂肪族ケトンを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~40容量部、多価アルコールを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~90容量部添加することが好ましい。
【0110】
前記抽出溶媒の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
【0111】
得られた前記本実施形態に係る植物抽出物は、前記本実施形態に係る植物抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
【0112】
前記本実施形態に係る植物抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液-液分配抽出、各種クロマトグラフィー、膜分離などの精製方法が挙げられる。
【0113】
得られた前記本実施形態に係る植物抽出物は、そのままでも前記PGD産生抑制剤の有効成分として使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮液、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
【0114】
前記本実施形態に係る植物抽出物は、優れたPGD産生抑制作用を有しているため、その作用を利用して、PGD産生抑制剤の有効成分として用いることができる。
【0115】
前記本実施形態に係る植物抽出物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0116】
前記PGD産生抑制剤における、前記本実施形態に係る植物抽出物の合計含有量としては、特に制限はなく、これらの抽出物の生理活性等によって適宜調整することができる。
また、これらの抽出物を2種以上併用する場合における各抽出物の配合量の比としても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0117】
前記PGD産生抑制剤は、前記本実施形態に係る植物抽出物のみからなるものであってもよいし、前記本実施形態に係る植物抽出物を製剤化したものであってもよい。
【0118】
上記した前記本実施形態に係る植物抽出物は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。
前記PGD産生抑制剤は、他の組成物(例えば、毛髪用皮膚外用剤等の外用剤や飲食品)に配合して使用することができるほか、錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、エキス剤、シロップ剤等の経口投与剤;注射剤、点滴剤、坐剤等の非経口投与剤;軟膏剤、点眼剤、外用液剤、貼付剤などとして使用することもできる。
【0119】
製剤化したPGD産生抑制剤における前記本実施形態に係る植物抽出物の合計含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0120】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、前記PGD産生抑制剤の利用形態に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した製剤化する際に用いることができる成分などが挙げられる。また、必要に応じて、前記本実施形態に係る植物抽出物以外のPGD産生抑制作用を有する成分を配合してもよい。前記その他の成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0121】
前記PGD産生抑制剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0122】
前記PGD産生抑制剤の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、飲食品、研究用試薬などの幅広い用途に使用することができる。
【0123】
前記PGD産生抑制剤の用法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口、非経口、外用などの用法が挙げられる。
【0124】
前記PGD産生抑制剤の剤形としては、特に制限はなく、公知の剤形を目的に応じて適宜選択することができる。
任意の剤形の前記PGD産生抑制剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0125】
前記PGD産生抑制剤の投与方法、投与量、投与部位、投与期間、投与間隔などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0126】
前記PGD産生抑制剤は、前記本実施形態に係る植物抽出物が有するPGD産生抑制作用を通じて、PGDの産生を抑制することができる。これにより、PGDの毛髪成長を阻害する作用を抑制し、薄毛や脱毛の予防・改善をすることができる。また、FGF-5の機能を抑制し、毛周期における成長期から退行期への移行を阻害して毛髪の成長期を延長し、薄毛や脱毛の予防・改善をすることもできる。ただし、本実施形態のPGD産生抑制剤は、これらの用途以外にもPGD産生抑制作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。
【0127】
前記PGD産生抑制剤は、優れたPGD産生抑制作用を有し、安全性が高いので、例えば、毛髪用皮膚外用剤等の外用剤や飲食品に配合することもできる。この場合に、前記本実施形態に係る植物抽出物をそのまま配合してもよいし、前記本実施形態に係る植物抽出物を製剤化したものを配合してもよい。
【0128】
前記外用剤としては、その区分に制限はなく、経皮的に使用される化粧料、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものである。
【0129】
前記PGD産生抑制剤を配合可能な外用剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ポマード、シャンプー、リンス、トリートメント等の毛髪用皮膚外用剤、軟膏、クリーム、乳液、ローション、化粧水、美容液、ジェル、美容オイル、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、ファンデーション、入浴剤、石鹸、ボディーソープ、アストリンゼントなどが挙げられる。
【0130】
前記PGD産生抑制剤を外用剤に配合する場合、その配合量としては、特に制限はなく、外用剤の種類などに応じて適宜調整することができるが、前記本実施形態に係る植物抽出物の合計量(固形分換算した値)に換算して0.0001質量%~20質量%が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましい。
【0131】
外用剤は、本発明の効果を妨げない限り、通常の外用剤の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料などを併用することができる。このように併用することで、より一般性のある製品となり、また、併用された他の有効成分との間の相乗作用が通常期待される以上の優れた効果をもたらすことがある。
【0132】
前記外用剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0133】
前記外用剤の投与方法、投与量、投与部位、投与期間、投与間隔などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0134】
前記外用剤は、PGD産生抑制用途などに好適に用いることができる。
【0135】
飲食品とは、人の健康に危害を加えるおそれが少なく、通常の社会生活において、経口又は消化管投与により摂取されるものをいい、行政区分上の食品、医薬品、医薬部外品等の区分に制限されるものではない。したがって、本実施形態における「飲食品」は、経口的に摂取される一般食品、健康食品(機能性飲食品)、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)、医薬部外品、医薬品等を幅広く含むものである。前記飲食品は、当該飲食品またはその包装に、前記本実施形態に係る植物抽出物が有する好ましい作用を表示することのできる飲食品であることが好ましく、保健機能食品(特定保健用食品,機能性表示食品、栄養機能食品)、医薬部外品および医薬品であることが特に好ましい。
【0136】
前記PGD産生抑制剤を飲食品に配合する場合、その配合量としては、特に制限はなく、飲食品の種類に応じて適宜調整することができるが、前記本実施形態に係る植物抽出物の合計量(固形分換算した値)に換算して0.0001質量%~20質量%が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましい。
【0137】
前記飲食品の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
【0138】
前記飲食品の摂取方法、摂取量、摂取期間、摂取間隔などとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0139】
前記飲食品は、PGD産生抑制用途などに好適に用いることができる。
【0140】
なお、本実施形態に係るPGD産生抑制剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、PGD産生抑制効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サル等)に対して適用することも可能である。
【0141】
また、本実施形態に係るPGD産生抑制剤は、PGD産生抑制作用機構に関する研究のための試薬としても好適に利用することができる。
【0142】
上述したように、本実施形態のPGD産生抑制剤は、優れたPGD産生抑制作用を有する。
したがって、本発明は、個体に、PGD産生抑制剤を投与することを特徴とするPGD産生抑制方法にも関する。
【実施例0143】
以下、本発明の試験例、配合例を説明するが、本発明は、これらの試験例、配合例に何ら限定されるものではない。
【0144】
(試験例1:プロスタグランジン(PG)D産生促進作用試験)
下記の方法により、PGD産生促進作用の試験を実施した。
【0145】
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により回収した。回収した細胞を7.5×10cells/mLの濃度になるようにKGMを用いて希釈した後、コラーゲンコートした48ウェルプレートに1ウェル当り200μLずつ播種(1.5×10cells/ウェル)し、一晩培養した。細胞が定着したことを確認した後、基礎培地(KBM)200μLにて、24時間培養した。
培養終了後、上清を除去し、100mmol/Lスクアレンを含有するエタノール溶液にUVA照射(照射量は下記表1を参照)して調製した過酸化スクアレン溶液をKBMに溶解後、各ウェルに400μL添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。なお、コントロールとして、過酸化スクアレン無添加のKBMを用いて同様に培養した。
培養終了後、各ウェルの培養上清中のPGDの量をPGD ELISA Kit(Cayman Chemical社)を用いて定量した。
得られた結果から、下記式によりPGD産生促進率を算出した。結果を下記表1に示す。なお、下記式において、過酸化スクアレン無添加時のPGD産生促進率は100%となる。
PGD産生促進率(%)=A/B×100
上記式中のA~Bは、それぞれ以下を表す。
A : 過酸化スクアレン添加時のPGD産生量
B : 過酸化スクアレン無添加時のPGD産生量
【0146】
【表1】
【0147】
表1に示すように、過酸化スクアレンが、PGD産生促進作用を有することが確認された。
【0148】
(試験例2:プロスタグランジン(PG)D産生抑制作用試験)
下記の製造例1~28で製造した抽出物を被験試料として用い、下記の試験方法により、プロスタグランジン(PG)D産生抑制作用を試験した。
【0149】
<被験試料>
[製造例1:クジン抽出物]
クジンの乾燥物100gに90容量%エタノール1,500mLを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥してクジン抽出物(12g)を得た。
【0150】
[製造例2:甘草抽出物]
甘草葉部の乾燥物100gに70容量%エタノール1,500mLを加え、還流抽出器を用いて80~90℃にて2時間還流抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥して甘草葉抽出物(5g)を得た。
【0151】
[製造例3:ショウガ抽出物]
ショウガ根茎の乾燥物100gに70容量%エタノール1,500mLを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、ショウガ抽出物(5g)を得た。
【0152】
[製造例4:ビワ抽出物]
ビワ葉の乾燥物100gに80容量%エタノール1,500mLを加えて、2時間還流抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、ビワ葉抽出物(14g)を得た。
【0153】
[製造例5:甜茶抽出物]
甜茶葉の乾燥物100gに精製水1,500mLを加えて、80~90℃で2時間加熱抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、甜茶抽出物(20g)を得た。
【0154】
[製造例6:トルメンチラ抽出物]
トルメンチラ根の乾燥物100gに精製水1,500mLを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、トルメンチラ抽出物(8g)を得た。
【0155】
[製造例7:アマチャ抽出物]
アマチャ葉の乾燥物100gに90容量%エタノール1,500mLを加えて、80~90℃で2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、アマチャ抽出物(2g)を得た。
【0156】
[製造例8:ハマメリス抽出物]
ハマメリス葉の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加えて、80~90℃で2時間加熱抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、ハマメリス抽出物(8g)を得た。
【0157】
[製造例9:ジュウヤク抽出物]
ドクダミ開花期の地上部の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加えて、80~90℃で2時間加熱抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、ジュウヤク抽出物(4g)を得た。
【0158】
[製造例10:月桃抽出物]
月桃葉部の乾燥物100gに80容量%エタノール1,500mLを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥して月桃抽出物(3g)を得た。
【0159】
[製造例11:ウスベニアオイ抽出物]
ウスベニアオイ花の乾燥物100gに水1,500mL加えて80~90℃で2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、ウスベニアオイ抽出物(11g)を得た。
【0160】
[製造例12:オウレン抽出物]
オウレン根茎の乾燥物100gに90容量%エタノール1,500mLを加え、80~90℃にて2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、オウレン抽出物(5g)を得た。
【0161】
[製造例13:マロニエ抽出物]
マロニエ種子の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、マロニエ抽出物(9g)を得た。
【0162】
[製造例14:ウコン抽出物]
ウコン根茎の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加えて、80~90℃で2時間加熱抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、ウコン抽出物(8g)を得た。
【0163】
[製造例15:ソウハクヒ抽出物]
マグワ根皮の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、ソウハクヒ抽出物(7g)を得た。
【0164】
[製造例16:テンニンカ抽出物]
テンニンカ果実の乾燥物100gに80容量%エタノール1,500mLを加えて、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、テンニンカ果実抽出物(2g)を得た。
【0165】
[製造例17:トウキンセンカ抽出物]
トウキンセンカ頭花の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加えて、80~90℃で2時間加熱抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、トウキンセンカ抽出物(11g)を得た。
【0166】
[製造例18:トゲナシ抽出物]
イザヨイバラ果実の乾燥物100gに30容量%エタノール1,500mL加えて80~90℃で2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、トゲナシ抽出物(5g)を得た。
【0167】
[製造例19:ペパーミント抽出物]
セイヨウハッカ葉の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加え、還流抽出器で80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、ペパーミント抽出物(8g)を得た。
【0168】
[製造例20:マジョラム抽出物]
マジョラム葉の乾燥物100gに85容量%エタノール1,500mLを加えて80~90℃で2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、マジョラム抽出物(10g)を得た。
【0169】
[製造例21:ベニバナ抽出物]
ベニバナ花の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加えて、80~90℃で2時間加熱抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、ベニバナ抽出物(7g)を得た。
【0170】
[製造例22:オウバク抽出物]
キハダの周皮を除いた樹皮100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加えて、80~90℃で2時間加熱抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、オウバク抽出物(9g)を得た。
【0171】
[製造例23:ブッチャーズ・ブルーム抽出物]
ナギイカダ根茎の乾燥物100gに70容量%エタノール1,500mLを加えて80~90℃で2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、ブッチャーズ・ブルーム抽出物(5g)を得た。
【0172】
[製造例24:モミジ抽出物]
イロハモミジ葉の乾燥物100gに50容量%エタノール1,500mLを加えて80~90℃で2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、モミジ抽出物(9g)を得た。
【0173】
[製造例25:セキセツソウ抽出物]
ツボクサ葉及び茎の乾燥物100gに95容量%エタノール1,500mLを加えて80~90℃で2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、セキセツソウ抽出物(5g)を得た。
【0174】
[製造例26:アルニカ抽出物]
アルニカ花の乾燥物100gに50容量%1,3-ブチレングリコール1,500mLを加えて、80~90℃で2時間加熱抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、アルニカ抽出物(10g)を得た。
【0175】
[製造例27:グレープフルーツ抽出物]
グレープフルーツの果実(生)100gに30容量%エタノール1,500mL加えて80~90℃で2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、グレープフルーツ抽出物(5g)を得た。
【0176】
[製造例28:オレンジ抽出物]
オレンジの果実(生)から圧搾して得られた果汁100gに1,3-ブチレングリコール及び精製水を添加し、調整した。得られた抽出液を乾燥し、オレンジ抽出物(0.1g)を得た。
【0177】
<試験方法>
下記のようにして、過酸化スクアレン刺激によるプロスタグランジン(PG)D産生抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により回収した。回収した細胞を7.5×10cells/mLの濃度になるようにKGMを用いて希釈した後、コラーゲンコートした48ウェルプレートに1ウェル当り200μLずつ播種(1.5×10cells/ウェル)し、一晩培養した。細胞が定着したことを確認した後、基礎培地(KBM)200μLにて、24時間培養した。
培養終了後、上清を除去し、100mmol/Lスクアレンを含有するエタノール溶液に60mJ/cmUVA照射して得られた過酸化スクアレン溶液中のマロンジアルデヒド含量が試験回ごと同一に、さらに被験試料が必要濃度になるようKBMに溶解後(被験試料の最終濃度は下記表2~5を参照)、各ウェルに400μL添加し、37℃、5%CO下で24時間培養した。なお、コントロールとして、被験試料及び過酸化スクアレン無添加のKBMを用いて同様に培養した。
培養終了後、各ウェルの培養上清中のPGDの量をPGD ELISA Kit(Cayman Chemical社)を用いて定量した。同時に各ウェルの細胞からタンパク定量を行い、得られた値で割ることで細胞外に産生された細胞当たりのPGD産生量として算出した。
得られた結果から、下記式によりPGD産生抑制率を算出した。結果を表2~5に示す。なお、下記式において、過酸化スクアレン無添加且つ被験試料無添加のPGD産生抑制率は100%、過酸化スクアレン添加且つ被験試料無添加のPGD産生抑制率は0%となる。
PGD産生抑制率(%)={1-(C-E)/(D-E)}×100
上記式中のC~Eは、それぞれ以下を表す。
C : 被験試料添加、過酸化スクアレン添加時の細胞当たりのPGD産生量
D : 被験試料無添加、過酸化スクアレン添加時の細胞当たりのPGD産生量
E : 被験試料無添加、過酸化スクアレン無添加時の細胞当たりのPGD産生量
【0178】
【表2】
【0179】
【表3】
【0180】
【表4】
【0181】
【表5】
【0182】
表2~5の結果から、前記被験試料が、優れたPGD産生抑制作用を有することが確認された。
【0183】
(配合例1)
下記組成のヘアトニックを常法により製造した。
・ クジン抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.4g
・ 酢酸トコフェロール 適量
・ セファラチン 0.002g
・ イソプロピルメチルフェノール 0.1g
・ ヒアルロン酸ナトリウム 0.15g
・ グリセリン 15.0g
・ エタノール 15.0g
・ 香料 適量
・ キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
・ 防腐剤(ヒノキチオール) 適量
・ 可溶化剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 適量
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0184】
(配合例2)
下記組成のヘアトニックを常法により製造した。
・ ショウガ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.2g
・ 甘草抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.2g
・ 酢酸トコフェロール 適量
・ セファラチン 0.002g
・ イソプロピルメチルフェノール 0.1g
・ ヒアルロン酸ナトリウム 0.15g
・ グリセリン 15.0g
・ エタノール 15.0g
・ 香料 適量
・ キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
・ 防腐剤(ヒノキチオール) 適量
・ 可溶化剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 適量
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0185】
(配合例3)
下記組成のヘアトニックを常法により製造した。
・ ビワ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.2g
・ ウスベニアオイ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.1g
・ 甜茶抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.1g
・ 酢酸トコフェロール 適量
・ セファラチン 0.002g
・ イソプロピルメチルフェノール 0.1g
・ ヒアルロン酸ナトリウム 0.15g
・ グリセリン 15.0g
・ エタノール 15.0g
・ 香料 適量
・ キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
・ 防腐剤(ヒノキチオール) 適量
・ 可溶化剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 適量
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0186】
(配合例4)
下記組成のヘアトニックを常法により製造した。
・ マロニエ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.1g
・ アマチャ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.1g
・ ハマメリス抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.1g
・ ジュウヤク抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.1g
・ 酢酸トコフェロール 適量
・ セファラチン 0.002g
・ イソプロピルメチルフェノール 0.1g
・ ヒアルロン酸ナトリウム 0.15g
・ グリセリン 15.0g
・ エタノール 15.0g
・ 香料 適量
・ キレート剤(エデト酸ナトリウム) 適量
・ 防腐剤(ヒノキチオール) 適量
・ 可溶化剤(ポリオキシエチレンセチルエーテル) 適量
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0187】
(配合例5)
下記組成のシャンプーを常法により製造した。
・ 月桃抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 1.5g
・ ウメ果実部抽出物 0.2g
・ ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0g
・ ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 10.0g
・ ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0g
・ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0g
・ プロピレングリコール 2.0g
・ 香料 適量
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0188】
(配合例6)
下記組成のシャンプーを常法により製造した。
・ オウレン抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.7g
・ ウメ果実部抽出物 0.2g
・ ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0g
・ ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 10.0g
・ ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0g
・ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0g
・ プロピレングリコール 2.0g
・ 香料 適量
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0189】
(配合例7)
下記組成のシャンプーを常法により製造した。
・ トルメンチラ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.5g
・ ウコン抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.5g
・ ソウハクヒ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.5g
・ ウメ果実部抽出物 0.2g
・ ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0g
・ ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 10.0g
・ ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0g
・ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0g
・ プロピレングリコール 2.0g
・ 香料 適量
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0190】
(配合例8)
下記組成のシャンプーを常法により製造した。
・ テンニンカ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.4g
・ トウキンセンカ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.4g
・ トゲナシ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.4g
・ ペパーミント抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.3g
・ ウメ果実部抽出物 0.2g
・ ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0g
・ ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 10.0g
・ ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0g
・ ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0g
・ プロピレングリコール 2.0g
・ 香料 適量
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0191】
(配合例9)
下記組成のリンスを常法により製造した。
・ マジョラム抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.5g
・ 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5g
・ ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0g
・ セチルアルコール 2.0g
・ オクチルドデカノール 1.0g
・ カチオン化セルロース 0.5g
・ プロピレングリコール 5.0g
・ ムクロジエキス 0.2g
・ 黄杞エキス 0.5g
・ ローズマリーエキス 0.5g
・ 香料 3.0g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0192】
(配合例10)
下記組成のリンスを常法により製造した。
・ ベニバナ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.3g
・ オウバク抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.2g
・ 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5g
・ ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0g
・ セチルアルコール 2.0g
・ オクチルドデカノール 1.0g
・ カチオン化セルロース 0.5g
・ プロピレングリコール 5.0g
・ ムクロジエキス 0.2g
・ 黄杞エキス 0.5g
・ ローズマリーエキス 0.5g
・ 香料 3.0g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0193】
(配合例11)
下記組成のリンスを常法により製造した。
・ ブッチャーズ・ブルーム抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.2g
・ モミジ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.2g
・ セキセツソウ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.1g
・ 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5g
・ ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0g
・ セチルアルコール 2.0g
・ オクチルドデカノール 1.0g
・ カチオン化セルロース 0.5g
・ プロピレングリコール 5.0g
・ ムクロジエキス 0.2g
・ 黄杞エキス 0.5g
・ ローズマリーエキス 0.5g
・ 香料 3.0g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
【0194】
(配合例12)
下記組成のリンスを常法により製造した。
・ アルニカ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.2g
・ グレープフルーツ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.2g
・ オレンジ抽出物(試験例2で用いたものと同じ) 0.1g
・ 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.5g
・ ポリオキシエチレンセチルエーテル 1.0g
・ セチルアルコール 2.0g
・ オクチルドデカノール 1.0g
・ カチオン化セルロース 0.5g
・ プロピレングリコール 5.0g
・ ムクロジエキス 0.2g
・ 黄杞エキス 0.5g
・ ローズマリーエキス 0.5g
・ 香料 3.0g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)