(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146183
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】焼結体基板の製造方法及び発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/12 20060101AFI20241004BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20241004BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20241004BHJP
H05K 3/18 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H05K3/12 610J
H05K3/12 610G
H05K3/12 610M
H05K1/11 N
H05K3/40 K
H05K3/18 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058931
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝又 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】山田 正一
【テーマコード(参考)】
5E317
5E343
【Fターム(参考)】
5E317AA24
5E317BB04
5E317BB12
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5E317GG07
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5E343FF04
5E343FF16
5E343FF23
5E343GG04
5E343GG06
5E343GG20
(57)【要約】
【課題】実装性が良い焼結体基板の製造方法及び発光装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】焼結体基板の製造方法は、第1面及び前記第1面の反対側となる第2面を持ち、前記第1面と前記第2面とを繋ぐように貫通する貫通孔を有するセラミックス基板を準備することと、前記第1面又は前記第2面から突出する凸部を有するように前記貫通孔に、金属粉体と、活性金属粉体と、有機溶剤と、を少なくとも含む導電ペーストを配置することと、前記配置された前記導電ペーストを焼成して金属部材を得ることと、前記金属部材の表面に粉末状離型材を介在させて、前記金属部材が溶融する温度に加熱しかつ加圧することと、前記金属部材から前記粉末状離型材を除去することと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面の反対側となる第2面を持ち、前記第1面と前記第2面とを繋ぐように貫通する貫通孔を有するセラミックス基板を準備することと、
前記第1面又は前記第2面から突出する凸部を有するように前記貫通孔に、金属粉体と、活性金属粉体と、有機溶剤と、を少なくとも含む導電ペーストを配置することと、
前記配置された前記導電ペーストを焼成して金属部材を得ることと、
前記金属部材の表面に粉末状離型材を介在させて、前記金属部材が溶融する温度に加熱しかつ加圧することと、
前記金属部材から前記粉末状離型材を除去することと、を含む、焼結体基板の製造方法。
【請求項2】
前記セラミックス基板を準備することにおいて、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に配置する凹部を備え、前記凹部の位置に前記貫通孔を備える請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項3】
前記加熱しかつ加圧することにおいて、10Pa以下の真空雰囲気、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気中で加熱しかつ加熱する請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項4】
前記加熱し加圧することにおいて、熱プレス機を用いて行い、前記熱プレス機の盤面に前記粉末状離型材を塗布ことで前記粉末状離型材を介在させる請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項5】
前記加熱し加圧することにおいて、前記加圧が5MPa以上50MPa以下である請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項6】
前記加熱しかつ加圧することにおいて、前記粉末状離型材は、融点が800℃以上で、平均粒径が5μm以下の粉体である請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項7】
前記加熱しかつ加圧することにおいて、前記粉末状離型材の粉体は、窒化物、炭化物、酸化物、及び、炭素クラスターの少なくともいずれか1種である請求項6に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項8】
前記セラミックス基板を準備することにおいて、前記セラミックス基板の前記第1面側からレーザ光を照射して前記貫通孔を形成する請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項9】
前記セラミックス基板を準備することにおいて、前記セラミックス基板の前記第1面側又は前記第2面側からレーザ光を照射して前記凹部を形成する請求項2に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項10】
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記活性金属粉体の含有量は、1重量部以上5重量部以下である請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項11】
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記金属粉体は、Ag、Al、Zn、Sn、及び、Ag-Cu合金粉末の少なくともいずれか1種を含む請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項12】
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記金属粉体は、Cu、Cr、及び、Niの少なくともいずれか1種を含む請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項13】
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記活性金属粉体は、TiH2、CeH2、ZrH2、及び、MgH2の少なくともいずれか1種を含む請求項10に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項14】
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記導電ペーストは、さらに樹脂を含む請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項15】
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記導電ペーストは、さらに、金属を除く複数個の無機フィラーを含む請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項16】
前記金属部材を得ることにおいて、焼成温度は780℃以上1100℃以下である請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項17】
前記金属部材を得ることにおいて、焼成雰囲気は10Pa以下の真空雰囲気または99.9%以上のAr雰囲気である請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項18】
前記粉末状離型材を除去することにおいて、前記粉末状離型材を前記金属粉体から除去した後の前記金属部材の端面の算術平均粗さRaが0.01μm以上1.5μm以下である請求項1に記載の焼結体基板の製造方法。
【請求項19】
請求項1又は請求項2に記載の焼結体基板の製造方法で製造した焼結体基板を準備することと、
前記金属部材の粉末状離型材を除去した導電部に発光素子を配置することと、を含み、
前記発光素子を配置することにおいて、前記導電部と、前記発光素子と、を直接又は間接に電気的に接続する、発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、焼結体基板の製造方法及び発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Si3N4基板等の高熱伝導性に優れたセラミックス基板では、活性金属ろう材がビア材や配線に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6122561号公報
【特許文献2】特許第5922739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、セラミックス基板では、焼成時において活性金属ろう材の表面に凹凸が生じるため、実装し難い場合がある。
本開示に係る実施形態は、実装性が良い焼結体基板の製造方法及び発光装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に開示される焼結体基板の製造方法は、第1面及び前記第1面の反対側となる第2面を持ち、前記第1面と前記第2面とを繋ぐように貫通する貫通孔を有するセラミックス基板を準備することと、前記第1面又は前記第2面から突出する凸部を有するように前記貫通孔に、金属粉体と、活性金属粉体と、有機溶剤と、を少なくとも含む導電ペーストを配置することと、前記配置された前記導電ペーストを焼成して金属部材を得ることと、前記金属部材の表面に粉末状離型材を介在させて、前記金属部材が溶融する温度に加熱しかつ加圧することと、前記金属部材から前記粉末状離型材を除去することと、を含む。
【0006】
また、実施形態に開示される発光装置の製造方法は、前記した焼結体基板の製造方法で製造した焼結体基板を準備することと、前記金属部材の粉末状離型材を除去した導電部に発光素子を配置することと、を含み、前記発光素子を配置することにおいて、前記導電部と、前記発光素子と、を直接又は間接に電気的に接続する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施形態によれば、実装性が良い焼結体基板の製造方法及び発光装置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る焼結体基板を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図1のII-II線における斜視断面図である。
【
図3】実施形態に係る焼結体基板の製造方法を例示するフローチャートである。
【
図4A】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、セラミックス基板を模式的に示す断面図である。
【
図4B】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、セラミックス基板に凹部を形成して模式的に示す端面図である。
【
図4C】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、セラミックス基板の凹部に貫通孔を形成して模式的に示す端面図である。
【
図4D】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、セラミックス基板の凹部及び貫通孔に導電ペーストを配置する状態を模式的に示す端面図である。
【
図5A】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、導電ペーストを貫通孔及び凹部に配置した状態を模式的に示す端面図である。
【
図5B】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、導電ペーストを焼成して金属部材を得た状態を模式的に示す端面図である。
【
図5C】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、粉末状離型材を金属部材に配置した状態を模式的に示す端面図である。
【
図5D】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、粉末状離型材を介在させて金属部材が溶融する温度に加熱し加圧する状態を模式的に示す端面図である。
【
図5E】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、加熱及び加圧した後の金属部材の状態を模式的に示す端面図である。
【
図5F】実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、金属部材の粉末状離型材を除去して導電部とした焼結体基板を模式的に示す端面図である。
【
図6A】実施形態に係る焼結体基板の導電部の端面の一部を例示する平面写真である。
【
図6B】従来の導電部の端面の一部を例示する平面写真である。
【
図6C】従来の導電部の一部を例示する断面写真である。
【
図7A】実施形態の応用例に係る焼結体基板の製造方法において、粉末状離型材を熱プレス機側に配置した状態を模式的に示す断面図である。
【
図7B】実施形態の応用例に係る焼結体基板の製造方法において、粉末状離型材を介して金属部材を熱プレス機で加熱、加圧する状態を模式的に示す断面図である。
【
図8】実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図である。
【
図9】実施形態に係る発光装置の製造方法を例示するフローチャートである。
【
図10A】実施形態に係る発光装置の製造方法において、焼結体基板に接合部材を配置した状態を例示する断面図である。
【
図10B】実施形態に係る発光装置の製造方法において、発光素子を配置した状態を示す断面図である。
【
図10C】実施形態の応用例に係る発光装置の製造方法において、光反射部材を配置した状態を例示する断面図である。
【
図11】他の実施形態に係る焼結体基板を模式的に示す断面図である。
【
図12】他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法を例示するフローチャートである。
【
図13A】他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、貫通孔を形成したセラミックス基板を模式的に示す断面図である。
【
図13B】他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、貫通孔に導電ペーストをセラミックス基板の表面から突出する凸部を有するように配置した状態を模式的に示す断面図である。
【
図13C】他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、導電ペーストを焼成した状態を模式的に示す断面図である。
【
図13D】他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、金属部材に粉末状離型材を配置して加熱し加圧する状態を模式的に示す断面図である。
【
図13E】他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、金属部材に粉末状離型材を配置して加熱し加圧した後の状態を模式的に示す断面図である。
【
図13F】他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、金属部材から粉末状離型材除去して導電部とした状態を模式的に示す断面図である。
【
図13G】他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、導電部に配線部及び接合部材を配置した状態を模式的に示す断面図である。
【
図14】他の実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示に係る技術的思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、発明を以下のものに限定しない。一つの実施形態において説明する内容は、他の実施形態及び変形例にも適用可能である。また、図面は実施形態を概略的に示すものであり、説明を明確にするため、各部材のスケールや間隔、位置関係等を誇張し、あるいは、部材の一部の図示を省略している場合がある。各図において示す方向は、構成要素間の相対的な位置を示し、絶対的な位置を示すことを意図したものではない。また、説明の便宜上、断面と表記している場合でも端面の場合があり、その逆もあり得る。なお、同一の名称、符号については、原則として、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。また、実施形態について、「覆う」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して覆う場合も含む。また、「配置する」とは直接接する場合に限らず、間接的に、例えば他の部材を介して配置する場合も含む。
【0010】
[焼結体基板]
実施形態に係る焼結体基板10を、
図1及び
図2を参照しながら説明する。なお、
図1は、実施形態に係る焼結体基板を模式的に示す平面図である。
図2は、
図1のII-II線における斜視断面図である。
【0011】
焼結体基板10は、第1面1A及び第1面1Aの反対側となる第2面1Bを持ち、第1面1Aと第2面1Bとを繋ぐように貫通する貫通孔2を有するセラミックス基板1と、貫通孔2内に配置された導電部3と、を備えている。そして、導電部3は、金属45と、貫通孔を画定する内壁に配置される金属化合物6の反応層6aと、を含んでいる。なお、セラミックス基板1は、第1面1A及び第2面1Bの少なくとも一方は貫通孔2よりも孔径が大きく貫通孔2と連続する凹部9を有することとして説明する。また、接合部材11を配置した状態で図示しているが、接合部材11は焼結体基板10を発光素子20等に接合するときに使用されるものであり、焼結体基板10としては無くても構わない。
以下、焼結体基板10の各構成について説明する。
【0012】
(セラミックス基板)
セラミックス基板1は、焼結体基板10の基礎となる板状の部材である。セラミックス基板1の平面視形状は、例えば矩形状である。なお、セラミックス基板1の平面視形状は特に限定されない。セラミックス基板1は、例えば、既に焼成されて硬化しているセラミックスの基板を使用することが好ましい。セラミックス基板1は、一例として、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、及び、酸化アルミニウムの少なくとも1種を含むものであることが好ましい。なお、セラミックス基板1は、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの窒化物系セラミックスが好ましいが、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの酸化物系セラミックスを使用してもよい。また、セラミックス基板1は、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、ムライト、ホウケイ酸ガラス等も使用してもよい。
【0013】
セラミックス基板1は、第1面1Aと第2面1Bとを連通するように板厚方向に貫通孔2が所定位置に設置され、貫通孔2の内部に導電部3が配置される。また、セラミックス基板1は、第1面1A及び第2面1Bの少なくとも一方に貫通孔2よりも孔径が大きく貫通孔2と連通する凹部を有している。セラミックス基板1の貫通孔2は、一例として、第1面1A及び第2面1Bに配置した凹部9内の位置に配置されている。この凹部9は、ここでは、第1面1Aに配置した第1凹部9aと、第2面1Bに配置した第2凹部9bとを備え、第1凹部9a及び第2凹部9bを連通するように貫通孔2が配置されている。第1凹部9aと第2凹部9bとが、互いに対向する位置に配置されており、貫通孔2よりも内径が大きい。なお、貫通孔2及び凹部9において内径、直径あるいは径とは、矩形であればその対角線の長さである。貫通孔2は、セラミックス基板1の第1面1A側から第2面1B側に電気的な導通が必要な部分の凹部9内に配置されている。貫通孔2は、ここでは、セラミックス基板1上に配置される配線パッドとなる部分の凹部9を連通するように配置されている。配線パッドは、電子部品等が配置される電極となる部分である。なお、凹部9は、配線パッドに連続する配線の部分にも配置することが好ましい。凹部9が配線となる位置にあることで、セラミックス基板1と配線との密着性を向上することができる。貫通孔2は、内部に配置される導電部3を介して発光素子20の素子電極24と、焼結体基板10の反対側の配線パッド又は配線とを電気的に接続するためのビアホールとなる部分である。
【0014】
セラミックス基板1では、一例として貫通孔2を、凹部9ごとに凹部9のほぼ中央に一箇所配置したものとして図示している。貫通孔2は、凹部9に対して複数の貫通孔2を配置することとしてもよい。また、貫通孔2は、一端から他端まで同じ直径で図示されているが、素子電極が接続される側よりも反対側となる孔径が大きくなるようにしても構わない。平面視において貫通孔2の開口形状は、円形や多角形であってもよく、四角形であれば台形の形状や平行四辺形の形状、また、三角形や五角形や六角形であってもよい。貫通孔2の開口形状を多角形とすることで発光素子の電極の形状に合わせた形状とし、電気伝導性を高めたり、放熱性を向上させたりすることができる。貫通孔2の開口形状が多角形である場合において、開口形状の角部は丸みを帯びていることが好ましい。貫通孔2の開口形状が多角形であることで、凹部9に連続する開口面積を大きくすることができる。貫通孔2の最大径(直径又は対角線の長さ)は、0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。貫通孔2が0.05mm以上であると、焼成前の導電ペースト3Aの充填が行い易くなり、導電性を向上させることができる。また、貫通孔2が0.5mm以下である場合、強度を維持することができ、また、充填される導電ペースト3Aの充填量を少なくすることができる。貫通孔2が多角形である場合には、最大径は対角線の長さとなる。
【0015】
(導電部)
導電部3は、セラミックス基板1の貫通孔2内、若しくは、凹部9内、又は、貫通孔2内及び凹部9内の両方に配置されるものである。導電部3は、単独で、あるいは、配線と共に、発光素子20と電気的な接続を行う部材である。導電部3は、後記するように導電ペースト3Aが焼成され金属部材33となり、その金属部材33に粉末状離型材60を介在させて金属部材33が溶融するように加熱し加圧し、粉末状離型材60を除去することで得られるものである。導電部3は、ここでは、貫通孔2に配置する第1部分13と、第1部分13に接して第1面1A及び第2面1Bの少なくとも一方に配置した凹部9内に配置される第2部分(配線部)8と、を備えている。図面では第1面1A及び第2面1Bの両方に第2部分8を備える。導電部3の第2部分8は、凹部9内に配置されて、セラミックス基板1の表面と同一平面となるように配置されている。そして、第2部分8は、単独であるいは接合部材11と共に、セラミックス基板1の配線や配線パッドとして機能する場合もある。
【0016】
導電部3は、一例として、金属45と、貫通孔2を画定する内壁に配置される金属化合物の反応層6aと、を含む。導電部3は、金属45と、金属化合物6として、反応層6aと、反応物と、を少なくとも有している。導電部3は、一例として、金属を含まない無機フィラー7を含有しており、無機フィラー7の周囲にも金属化合物6の反応物が配置される。
図6B及び
図6Cに示すように、従来の導電部分300は石垣状態になっていたり泡状の孔のような隙間Hが生じていたりしたため、導電部分300を研磨又は研削しても凹凸の少ない平面を形成し難く、平面とするための研磨量又は研削量が多いものになっている。それに対し、本実施形態では導電部3が平坦になっているため、導電部3を研磨又は研削しても平面を形成し易く、平面とするための研磨量又は研削量も少なくすることができる。なお、
図6Aは、実施形態に係る焼結体基板の導電部の端面の一部を例示する平面写真であり、
図6Bは、従来の導電部の端面の一部を例示する平面写真である。
図6Cは、従来の導電部の一部を例示する断面写真である。
【0017】
導電部3は、
図2に示すように、金属化合物6が、セラミックス基板1の凹部9及び貫通孔2を画定する内壁に金属化合物6の反応層6aとして配置されている。また、導電部3は、無機フィラー7を含んでいる場合、金属化合物6が、無機フィラー7の周囲と、金属45が下記で示すように特定の成分を含んでいる場合、その特定の成分の周囲に、金属化合物6の反応物として配置されている。なお、導電部3では、無機フィラー7を含んでいることで、金属45が含んでいる成分を、より均等に分散する。
【0018】
金属45は、一例として、金属化合物6を含有している。そして、金属45として、Ag、Al、Zn、Sn、及び、Ag-Cu合金の少なくともいずれか1種を含んでいることが好ましい。また、金属45として、Cu、Cr、及び、Niの少なくともいずれか1種を含んでも構わない。なお、金属45は、前記したCu、Cr、及び、Niの少なくとも一種の成分を含んでいる場合、金属化合物6の反応物が、その成分の周囲に形成されることになる。
【0019】
導電部3において、金属化合物6は、一例として、金属化合物6の反応層6aと、金属化合物6の反応物と、を備えている。金属化合物6は、焼成前において、活性金属粉体6Aであり、TiH2(水素化チタン)、CeH2、ZrH2、及び、MgH2の少なくともいずれか1種を含むことが好ましい。焼成後として金属化合物6は、セラミックス基板1の凹部9及び貫通孔2を画定する内壁に配置される反応層6aと、金属45が前記した特定の成分を含む場合には、その成分の表面に配置される金属化合物6の反応物と、無機フィラー7が含有されている場合には、無機フィラー7の周囲に配置される反応物と、を備えている。
【0020】
金属化合物6は、特に、TiH2が使用されることが好ましく、TiH2を含むことで、セラミックス基板1の窒素を含む場合のセラミックス成分の窒素と反応し、セラミックス基板1との界面において、TiNを含有する反応層6aを形成し、導電部3とセラミックス基板1との密着性を向上させ、導電部3が貫通孔2の内壁に対して強固に密着することができる。
【0021】
導電部3は、セラミックス基板から露出する端面(第2部分8の表面)の算術平均粗さRaが0.01μm以上1.5μm以下であることが好ましい。導電部3の端面の算術平均粗さRaは、1.0μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることがさらに好ましく、0.1μm以下であることが最も好ましい。算術平均粗さRaが1.5μm以下であることで、導電部3の端面(第2部分8の表面)に直接あるいは接合部材11を介して接続する素子電極を安定して接合することができる。導電部3の端面とは、後記する製造方法において、導電ペースト3Aを焼成して金属部材33とし、その金属部材33の端面に、粉末状離型材60を介して金属部材33が溶融する温度で加熱し加圧した後に、研磨あるいは研削した状態である。なお、導電部3の端面(第2部分8の表面)の表面粗さである算術平均粗さ(Ra)は、触針を使用する触針式、あるいは、レーザを使用する非触針式の測定器を使用して、国際規格で示す、ISO 25178表面性状(面粗さ測定)を測定してもよい(JIS B 0601に準拠)。
【0022】
(無機フィラー)
無機フィラー7は、導電部3内に分散してクラックの発生を低減する。焼成前の無機フィラー7Aは、一例として、金属を除く複数個の粒状の部材であり、セラミックスフィラーとして、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などの結晶性フィラーやガラスなどの非晶質フィラーが挙げられる。なお、導電部3に含有される焼成前の無機フィラー7Aは、導電ペースト3Aに、他の含有物の効果を妨げない範囲の含有量で含有される。
【0023】
(有機溶剤)
有機溶剤7B(
図5D参照)は、焼成前の導電ペースト3Aに含有される部材である。この有機溶剤7Bは、焼成後には蒸発して導電部3内には残留していない状態となる。有機溶剤7Bは、一例として、一般的にビア材として使用される溶剤及び樹脂材料であってもよい。なお、有機溶剤7Bとは別に樹脂を導電ペースト3Aに含有させることとしてもよい。含有させる樹脂は、ペースト状のものが用いられることが好ましい。
【0024】
(配線部)
配線部は、一例として、
図1及び
図2では、導電部3の第2部分8として配置されている。なお、配線部は導電部3の第2部分8として、予め設定されたセラミックス基板1に配置される配線パターンであり、配線パッドあるいは外部接続電極、それらに接続する配線等を形成するものである。配線部は、例えば、焼成前は第2導電ペースト3A2(
図5A参照)として配置される。配線部は、導電部3の第2部分8として、導電部3の第1部分13に連続するように配置され、ここでは、セラミックス基板1の第1面1A側及び第2面1B側のそれぞれの凹部9内に導電部3の第2部分8として配置されている。配線部としての第2部分8は、セラミックス基板1の表面と同一平面になるように配置されている。なお、配線部となる導電部3の第2部分8は、一例として、めっき層等の接合部材11が配置されている。また、第2部分8である配線部は、一例として、平面視が矩形として図示しているが、その形状や配置は任意であり限定されるものではない。
【0025】
また、配線部である第2部分8は、例えば、導電部3の第2部分8として第1部分13と同じ部材を使用してもよい。接合部材11として使用する金属部材の材料は、例えば、金、銀、銅、白金、及び、アルミニウム等の単体若しくはその合金や混合粉末と樹脂を用いる樹脂バインダとの混合物であってもよい。バインダとして使用される樹脂は、例えば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。また、接合部材11には、有機酸等の還元剤を含むことが好ましい。これにより接合部材11における酸化を低減し、接続における電気抵抗を小さくすることができる。
【0026】
上記のような構成を備える焼結体基板10は、導電部3の端面が、
図6Aで示すような滑らかで凹凸やひび割れがない平面となる。そのため、焼結体基板10は、導電部3に直接、あるいは、めっき層等の接合部材11を介して、発光素子20の素子電極24を接続する場合に接触状態が良好になり基板の信頼性を向上することができる。また、焼結体基板10は、金属化合物の反応層6aをセラミックス基板1の凹部9及び貫通孔2を画定する部分に配置しているので、導電部3の接続強度を向上させて、基板の信頼性等の性能向上が可能となる。
【0027】
[焼結体基板の製造方法]
次に、実施形態に係る焼結体基板の製造方法を、
図3から
図5Fを参照しながら説明する。
図3は、実施形態に係る焼結体基板の製造方法を例示するフローチャートである。
図4Aは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、セラミックス基板を模式的に示す断面図である。
図4Bは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、セラミックス基板に凹部を形成して模式的に示す端面図である。
図4Cは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、セラミックス基板の凹部に貫通孔を形成して模式的に示す端面図である。
図4Dは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、セラミックス基板の凹部及び貫通孔に配置する導電ペーストを配置する状態を模式的に示す端面図である。
図5Aは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、導電ペーストを貫通孔及び凹部に配置した状態を模式的に示す端面図である。
図5Bは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、導電ペーストを焼成して金属部材を得た状態を模式的に示す端面図である。
図5Cは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、粉末状離型材を金属部材に配置した状態を模式的に示す端面図である。
図5Dは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、粉末状離型材を介在させて金属部材が溶融する温度に加熱し加圧する状態を模式的に示す端面図である。
図5Eは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、加熱及び加圧した後の金属部材の状態を模式的に示す端面図である。
図5Fは、実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、金属部材の粉末状離型材を除去して導電部を有する焼結体基板を模式的に示す端面図である。
【0028】
焼結体基板の製造方法S10は、第1面1A及び第1面1Aの反対側となる第2面1Bを持ち、第1面1Aと第2面1Bとを繋ぐように貫通する貫通孔2を有するセラミックス基板1を準備することと、第1面1A又は第2面1Bから突出する凸部3A3を有するように貫通孔2に、金属粉体45Aと、活性金属粉体6Aと、有機溶剤7Bと、を少なくとも含む導電ペースト3Aを配置することと、配置された導電ペースト3Aを焼成して金属部材33を得ることと、金属部材33の表面に粉末状離型材60を介在させて、金属部材33が溶融する温度に加熱しかつ加圧することと、金属部材33から前記粉末状離型材60を除去することと、を含むものである。なお、焼結体基板の製造方法S10では、セラミックス基板を準備することにおいて、第1面1A及び第2面1Bの少なくとも一方(図面では両方)に配置する凹部9を備え、凹部9の位置に貫通孔2を備えることとして説明する。
すなわち、焼結体基板の製造方法S10は、セラミックス基板を準備することS11と、凸部を有するように導電ペーストを配置することS12と、焼成して金属部材を得ることS13と、粉末状離型材を介在させて加熱しかつ加圧することS14と、粉末状離型材を除去することS15と、を含むものである。
【0029】
(セラミックス基板を準備すること)
セラミックス基板を準備することS11(以下、工程S11という)は、第1面1Aと第2面1Bとを繋ぐように貫通する貫通孔2を有するセラミックス基板1を準備することである。ここで使用されるセラミックス基板1は、すでに焼成して硬化しているものである。この工程S11では、準備するセラミックス基板1において、第1面1Aの貫通孔2の開口面積の直径よりも大きくなるように第1凹部9aが形成され、かつ、第2面1Bの貫通孔2の開口面積の直径よりも大きくなるように第2凹部9bが形成される。工程S11では、一例として、セラミックス基板1として、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、及び、窒化ホウ素の少なくともいずれか1種を含む材料の平板状の基板を使用している。この工程S11において、準備されたセラミックス基板1は、例えば、セラミックス基板1の第1面1A及び第2面1Bのそれぞれの面側からレーザ光を照射するレーザ加工等により平面視が矩形の第1凹部9a、第2凹部9b及び平面視が円形の貫通孔2が形成され、第1凹部9a及び第2凹部9bを連通するように貫通孔2も形成される。なお、セラミックス基板1は、複数の発光素子20を配置する面積の大きさ、及び、素子電極24の数に対応した数の貫通孔2を形成した状態で準備されることや、所定の数の発光素子20を配置する大きさに切断されて準備されることとしてもよい。
【0030】
また、この工程S11において、セラミックス基板1に形成された貫通孔2は、平面視の形状が円形に形成され、セラミックス基板1に対して垂直方向に切断した際に、貫通孔2の断面の形状は長方形であり、貫通孔2が一定の幅である。なお、貫通孔2の最大径が、0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましい。さらに、貫通孔2は、発光素子20の素子電極24と接続される側とは反対側となる第2面1B側の開口面積が広くなるように形成されてもよい。第2面1B側の貫通孔2の開口面積が第1面1A側よりも広くなると放熱性に優れるようになる。
【0031】
(導電ペーストを配置すること)
導電ペーストを配置することS12(以下、工程S12という)は、セラミックス基板1に形成された貫通孔2及び凹部9に導電ペースト3Aを配置することである。この工程S12では、導電ペースト3Aを、セラミックス基板1の第1面1A及び第2面1Bから突出する凸部3A3を有するようにマスクMAを介して配置している。この工程S12では、例えば、スクリーン印刷により、セラミックス基板1の両面にマスクMAを介して導電ペースト3Aを塗布することで、導電ペースト3Aを、凸部3A3を有するように貫通孔2内及び凹部9内にも配置している。導電ペースト3Aは、セラミックス基板1の第1面1Aを、マスクMAを介して一定の厚みで、スクリーン印刷により配置され、さらに、セラミックス基板1の第2面1Bを、マスクMAを介して一定の厚みでスクリーン印刷により配置される。導電ペースト3Aは、焼成後に第1部分13となる部分の第1導電ペースト3A1と第2部分8となる部分の第2導電ペースト3a2が連続して、又は、同じ一連のスクリーン印刷等により配置されることが望ましい。なお、導電ペースト3Aの凸部3A3は、最終的には研磨あるいは研削されて除去される。
【0032】
導電ペースト3Aは、貫通孔2内に配置して焼成後に第1部分13となる部分と、焼成後に第2部分8となる部分とを、同じ材料にすることが好ましい。導電ペースト3Aは、一例として、金属粉体45Aと、活性金属粉体6Aと、有機溶剤7Bと、を少なくとも含んでおり、さらに、樹脂も含んでいてもよい。金属粉体45Aは、Ag、Al、Zn、Sn、及び、Ag-Cu合金の少なくともいずれか1種を含んでいてもよい。そして、前記した金属属粉体45Aに加えて、さらに、Cu、Cr、及び、Niの成分を含んでいても構わない。導電ペースト3Aは、一例として、金属粉体45Aが63質量%以上85質量%以下、活性金属粉体6Aが1質量%以上15質量%以下、溶剤である有機溶剤7Bを5質量%以上15質量%以下含み、金属を除く無機フィラー7A及び樹脂を許容範囲の質量%で含むものである。なお、活性金属粉体6Aは、他の部材の全体を100としたときに、1重量部以上5重量部以下となるように含んでいることがより好ましい。工程S12で使用される導電ペースト3A(第1導電ペースト3A1及び第2導電ペースト3A2)は、有機溶剤7Bと併せてペースト状の樹脂を含むことで流動性を有しており、任意の形状の貫通孔2及び凹部9に充填が自在でできると共に、凸部3A3を有するように任意の形状、厚みに塗布して配置することができる。
【0033】
この工程S12において、金属粉体45Aは、Ag、Al、Zn、Sn、及び、Ag-Cu合金粉末の少なくともいずれか1種を含むことが好ましく、一例として、Ag-Cu合金粉末を用いることとする。さらに、金属粉体45Aは、Cu、Cr、及び、Niの少なくともいずれか1種を含むこととしてもよく、一例として、Cu粉末を用いている。そして、金属粉体45Aが、Ag、Al、Zn、Sn、及び、Ag-Cu合金粉末の少なくともいずれか1種である場合、その金属粉体成分の融点は、200℃以上1000℃以下であることが好ましい。さらに、金属粉体45AがCu、Cr、及び、Niの少なくとも1種を含んでいる場合、その金属粉体成分の融点は、1050℃以上2500℃以下であることが好ましい。この工程S12において、金属粉体45Aのメジアン径は、1μm以上50μm以下であることが好ましい。
【0034】
この工程S12において、活性金属粉体6Aは、TiH2、CeH2、ZrH2、及び、MgH2の少なくともいずれか1種を含むことが好ましく、一例として、TiH2を用いることとする。また、活性金属粉体6Aの含有量は、前記したように1重量部以上5重量部以下であることが好ましい。活性金属粉体6Aの含有量が1重量部以上とすることで、焼成後の金属化合物6の反応層6a、反応物を必要最小限で形成することができる。また、活性金属粉体6Aの含有量が5重量部以下であると、焼成後の金属化合物6の反応層6a、反応物を安価に形成することができる。
【0035】
工程S12では、例えば、スクリーン印刷で導電ペースト3Aを配置する場合、セラミックス基板1の凹部9以外の位置となる第1面1A及び第2面1BにマスクMAを配置しているので、導電ペースト3Aの配置が終了したら、セラミックス基板1の第1面1A及び第2面1Bに配置したマスクを除去することとしてもよい。また、マスクMAは、次工程により導電ペースト3Aを焼成するときに、併せて焼成して除去することとしてもよい。
【0036】
(導電ペーストを焼成して金属部材を得ること)
次に、導電ペーストを焼成して金属材料を得ることS13(以下、工程S13という)を行う。この工程S13では、電気炉等の焼成炉を使用して、焼成温度を、780℃以上1100℃以下の温度で行っている。焼成温度は、850℃以上1050℃以下の温度で行うことが好ましい。なお、工程S13では、焼成作業を行う場合、焼成雰囲気は10Pa以下の真空雰囲気又は99.9%以上のAr雰囲気であることが好ましい。この工程S13を行うことで、セラミックス基板1に配置された導電ペースト3Aの凸部3A3の表面が、石垣状態となり、隙間Hが形成された金属部材33となる。なお、セラミックス基板1は、工程S11の段階で既に焼成され硬化しているものであり、この工程S13で焼成して硬化するものではない。
【0037】
また、この工程S13を行う前に、導電ペーストを乾燥させることを行うことが好ましい。導電ペースト3Aを乾燥させることでは、凸部3A3を形成した導電ペースト3Aを、例えば、自然乾燥、乾燥炉等を用いて乾燥させている。導電ペースト3Aを乾燥させるには、次工程で使用される焼成炉を使用してもよい。焼成炉を使用して導電ペースト3Aを乾燥させるには、焼成炉内の温度を、例えば、20℃以上60℃以下程度に保って所定時間経過させることで、導電ペースト3Aを乾燥させることとしてもよい。この導電ペーストを乾燥させることは、導電ペースト3Aを焼成炉で行うことで、乾燥することと、工程S13とを連続して作業を行うことができる。工程S13を行うことで、導電ペースト3Aが焼成されて金属部材33となり、金属部材33は、金属45と金属化合物6とを含むこととなる。また、金属化合物6は、反応層6a及び反応物を含むものである。
【0038】
(粉末状離型材を介在させて加熱しかつ加圧すること)
次に、粉末状離型材を介在させて加熱しかつ加圧することS14(以下、工程S14という)を行う。この工程S14では、粉末状離型材60を金属部材33の表面に配置し、焼成した金属部材33が溶融する温度で加熱し加圧している。例えば、粉末状離型材60として、融点が800℃以上、好ましくは870℃以上で、平均粒径が5μm以下の粉体である粉末材を、金属部材33を覆うようにセラミックス基板1の表面に配置し、その状態で金属部材33が溶融する温度で加熱し加圧する。例えば、金属部材33がAg-Cu合金であれば、780℃以上で加熱し、かつ、5MPa以上50MPa以下で加圧している。この工程S14において、加圧される場合に5MPa以上であると加熱することと併せて、金属部材33が石垣状態となることなく、隙間Hを低減して滑らかな平面とすることができる。また、この工程S14において、加圧する場合に50MPa以下であれば、加熱すること併せて金属部材33が石垣状態となることなく、隙間Hを低減し、セラミックス基板1を破損することなく滑らかな平面とすることができる。粉末状離型材60は、焼成温度以上の融点、好ましくは、焼成温度に対して少なくとも20℃以上高い融点を有するものが好ましい。金属部材33の表面に配置される粉末状離型材60は溶融していないため、熱プレス機PAから容易に離型することができる。
【0039】
工程S14で用いられる粉末状離型材60は、一例として、窒化物、炭化物、酸化物、炭素クラスターの少なくともいずれか1種である粉体であることが好ましい。粉末状離型材60を用いて加熱し加圧する場合には、金属部材33が溶融する温度に加熱し加圧している。また、工程S14において、加熱し加圧する場合、10Pa以下の真空雰囲気、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気中で行うことが好ましい。この工程S14で、加熱し加圧する場合には、熱プレス機PAを使用することが好ましい。工程S14を行うことで、金属部材33に形成されている石垣状態や、隙間Hが無くなる。つまり、この工程S14を行うことにより、金属部材33の端面に形成されている石垣状態や隙間Hが、加熱及び加圧されることで溶融すると共に活性金属がより濡れ広がり滑らかな平面となる。また、金属部材33の表面には、粉末状離型材60が配置されていることで、加熱し加圧した後に、熱プレス機PAから容易に離型することができる。
【0040】
(粉末状離型材を除去すること)
粉末状離型材を除去することS15(以下、工程S15という)は、粉末状離型材60を配置した金属部材33の表面を、粉末状離型材60と共に、研磨あるいは研削することで除去することである。工程S15で除去される金属部材33の表面側は、導電ペースト3Aの凸部3A3として予めセラミックス基板1の表面から突出させた部分であるので、除去される量も少なくて済む。工程S15を行うことで、金属部材33は、石垣状態や隙間Hがない導電部3とすることができる。そのため、工程S15を行った後の金属部材33、つまり導電部3の端面は、算術平均粗さRaが0.01μm以上1.5μm以下の範囲となるように滑らかな平面を得ることができる。この工程S15を行うことで、セラミックス基板1の第1面1A及び第2面1Bが露出し、かつ、導電部3の端面もセラミックス基板1の表面と同一平面となる。なお、
図6Aで示すように、金属部材33の端面が、滑らかな平らな状態となっているのは、金属部材33の溶融する温度で、加熱しかつ加圧しているためである。金属部材33は、金属部材33が溶融する温度で、加熱し加圧することで、活性金属粉体6Aが金属粉体45A内に濡れ広がり、石垣状態や隙間Hがない滑らかな平面になる。
【0041】
以上説明したように工程S11から工程S15により、焼結体基板10を製造することができる。なお、焼結体基板10は、工程S15の後に、導電部3にめっき層のような接合部材11を配置することとしても構わない。焼結体基板10では、例えば、
図6Bで示すような、従来の導電部分300のような石垣状態や隙間Hが形成されることがなく、
図6A示すように、凹凸やひび割れ等のない滑らかな平面となる。そのため、焼結体基板10では、導電部3と直接あるいは接合部材11を介して接続する素子電極24等の接合強度が向上する。
【0042】
また、焼結体基板10は、導電部3において、金属化合物6の反応層6aが貫通孔2の内側面に形成され、さらに、金属化合物6は、反応物が、金属粉体45AにおいてCu、Cr、及び、Niの少なくともいずれか1種の成分である場合、その成分が焼成された金属5の周囲や、無機フィラー7を含有していれば、その無機フィラー7の周囲にも位置するようになる。そのため、焼結体基板10は、貫通孔2及び凹部9と導電部3との接合強度が向上する。
【0043】
なお、前記した工程S14では、
図7A及び
図7Bに示すように、粉末状離型材を熱プレス機PA側に配置して、金属部材33を加熱し加圧することとしてもよい。
図7Aは、実施形態の応用例に係る焼結体基板の製造方法において、粉末状離型材をプレス装置側に配置した状態を模式的に示す断面図である。
図7Bは、実施形態の応用例に係る焼結体基板の製造方法において、粉末状離型材を介して金属部材をプレス装置で加熱、加圧する状態を模式的に示す断面図である。
セラミックス基板1の上下に配置する熱プレス機PAの盤面に粉末状離型材60を塗布して、前記した条件において、加熱し加圧する。粉末状離型材60は、熱プレス機PAの盤面に塗布させるためにスラリー状となるようにして配置することが好ましい。
【0044】
[発光装置]
次に、実施形態に係る発光装置100を、
図8を参照しながら説明する。
図8は、実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図である。
発光装置100は、焼結体基板10に発光素子20を配置して発光するようにした装置であり、焼結体基板10と、素子電極24を持つ発光素子20と、を備え、焼結体基板10の導電部3と、素子電極24と、を電気的に接続しているものである。
発光装置100は、既に説明した焼結体基板10と、焼結体基板10の配線部となる導電部3に電気的に接続される発光素子20と、を備えている。なお、発光装置100は、発光素子20側面及び焼結体基板10上を覆う光反射部材30を一例として配置しているものとして説明する。また、発光装置100は、焼結体基板10の導電部3に接合部材11を配置して電気的に接続される構成として説明する。
【0045】
発光装置100では、素子電極24を持つ発光素子20が焼結体基板10に配置されており、セラミックス基板1の第1面1A及び第2面1Bに配線部となる導電部3には、接合部材11としてめっき層が配置されている。発光装置100では導電部3が、セラミックス基板1の第1面及び第2面と同一平面で露出し、その導電部3に接合部材11が配置されている。なお、導電部3の端面は、凹凸やひび割れがほとんどない平らで滑らかな面である。そのため、接合部材11となるめっき層を施したときに、めっき層の表面も凹凸やひび割れがない平らで滑らかな面となる。したがって、素子電極24を接合するときに接合し易く接合強度が向上する。
【0046】
(発光素子)
発光素子20は、一対の素子電極24と、発光素子20の光取出し面側に配置される透光性部材23と、素子基板22と、半導体積層体21と、を有している。
発光素子20は、一例として素子基板22に半導体積層体21を有し、本実施形態においては透光性部材23が素子基板22の光取出し面となる上面側に配置され、素子基板22の下面側に半導体積層体21を備え、半導体積層体21側に一対の素子電極24を有している。半導体積層体21としては、所望とする発光波長に応じて任意の組成を用いることができるが、例えば、青色又は緑色の発光が可能な窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)やGaP、又は、赤色の発光が可能なGaAlAsやAlInGaPなどを用いることができる。また、使用する目的に応じて発光素子20の大きさや形状は適宜選択が可能である。
【0047】
素子基板22は、一例として、サファイア基板あるいはシリコン基板、GaN基板が使用される。素子基板22の厚みは、例えば、20μmから2mmが挙げられ、50μmから500μmが好ましく、80μmから160μmがより好ましい。素子基板22は、その下面が半導体積層体21に対面し、その上面が透光性部材23に対面して配置される。なお、素子基板22と透光性部材23とは、直接接合であることや接合部材を介して接合されていることが好ましい。
【0048】
透光性部材23は、例えば、透光性の樹脂材料やガラスや酸化アルミニウム、蛍光体などの無機材料を用いることができる。透光性部材23は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらを混合した樹脂等を用いることができる。透光性部材23は、樹脂材料や無機材料に蛍光体を含んでいてもよく、又は、蛍光体のみでもよい。透光性部材23は、例えば、発光素子20からの青色の光を吸収し、黄色の光を放射する蛍光体を含むことにより、白色の光を出射させることができる。また、透光性部材23は、複数種類の蛍光体を含んでいてもよく、例えば、半導体積層体21からの青色の光を吸収して、緑色の光を放射する蛍光体と、赤色の光を放射する蛍光体と、を含むことによっても、発光素子20からの光が透光性部材23を介して白色の光として出射させることができる。
【0049】
このような蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、Mz(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、及びLaとCeを除くランタニド元素))、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si,Al)F6:Mn)、若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、又は、ペロブスカイト、カルコパイライト等の量子ドット蛍光体等を用いることができる。
【0050】
素子電極24は、金属バンプ12又は/及び接合部材11を介して焼結体基板10の配線部となる導電部3の第2部分8に接続されている。素子電極24は、一方がp電極であり、他方のn電極と電気的に短絡しない距離を保って配置されている。素子電極24は、一例として、p電極とn電極とをそれぞれ一か所ずつ配置する構成としているが、いずれか一方を2か所とし、他方を一か所に配置するような構成としても構わない。
【0051】
金属バンプ12又は/及び接合部材11は、素子電極24と配線部となる導電部3とを電気的に接続させるものである。金属バンプ12は、素子電極24側に配置されることや、配線部となる導電部3側に配置されることのいずれであってもよい。また、金属バンプ12は、その形状、大きさ、数は、いずれも、素子電極24の面積の範囲で配置できる限り、適宜設定することができる。また、金属バンプ12の大きさは、半導体積層体の大きさ、求められる発光素子の発光出力等によって適宜調整することができ、例えば、直径が数十μmから数百μm程度の大きさが挙げられる。
【0052】
金属バンプ12は、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Sn、Pt、Zn、Ni又はこれらの合金により形成することができ、当該分野で公知のスタッドバンプにより形成することができる。スタッドバンプは、スタッドバンプボンダー、ワイヤボンディング装置等により形成することができる。また、金属バンプ12は、電解めっき、無電解めっき、蒸着、スパッタ等の当該分野において公知の方法によって形成してもよい。
接合部材11は、例えば、錫-ビスマス(SnBi)系、錫-銅系、錫-銀系、金-錫系、または、錫-銀-銅(SAC)系などのはんだ、AuとSnとを主成分とする合金、AuとSiとを主成分とする合金、AuとGeとを主成分とする合金等の共晶合金、あるいは、銀、金、パラジウムなどのペースト材、ACP、ACF等の異方性導電材、低融点金属のろう材、これらを組み合わせた導電性接着材、導電性複合接着材等が挙げられる。接合部材11は、例えば、鍍金により配線部となる導電部3の上に塗布される。
【0053】
(光反射部材)
光反射部材30は、光反射性を有する部材である。光反射部材30は、焼結体基板10における上面を覆うと共に、発光素子20の側面を覆うように配置されている。また、光反射部材30は、発光素子20の光取出し面を露出するように配置され、発光素子20の透光性部材23と同一平面となるように配置されている。なお、光反射部材30は、一例として、発光素子20の下面と焼結体基板10の上面(第1面)との間にも配置されている。
【0054】
光反射部材30は、発光素子20からの光を有効に利用するために、高い反射率を有し、白色であることが好ましい。光反射部材30の反射率は、発光素子20の発する光の波長において、例えば90%以上であることが好ましく、94%以上がより好ましい。
光反射部材30は、光拡散材を含む樹脂を使用することができる。光反射部材に使用される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、光拡散材としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛又はガラス等の公知の材料を用いることができる。
【0055】
焼結体基板10は、一例として、外部の配線基板等に接続される。外部の配線基板は、セラミックス基板1の第2面1Bに配置した導電部3に接合部材11を介して電気的に接続される。外部の配線基板は、この種の発光装置100で使用されるものであれば、特にその構成を限定されるものではない。
【0056】
上記のような構成を備える発光装置100は、焼結体基板10における第1面及び第2面の導電部3の表面が、ひび割れや凹凸がない滑らかな平面となることで、接合部材11の表面もひび割れや凹凸がない滑らかな表面となり、素子電極24との接合強度を向上でき、装置の信頼性を向上することができる。また、発光装置100では、めっき層となる接合部材11の量を増やすことなく素子電極の接続を安定させることが可能となる。
なお、発光装置100は、1個の発光素子20を1つのユニットとして明るさ及び点消灯の制御単位としているが、1つのユニットに発光素子20を複数個が含まれ、含まれる発光素子20ごとに点消灯の制御単位とすることや、発光素子20の大きさや個数は、2個で1種類あるいは、複数個で2種類以上でもよい。例えば、同じ大きさの発光素子20を1行4列、あるいは、2行2列の4個の発光素子20や3行3列の9個の発光素子20を1つのユニットとすることができる。また、大きさの異なる発光素子20を大きさごとに整列させて任意の配置にする構成を1つのユニットとしてもよい。
【0057】
[発光装置の製造方法]
次に、実施形態に係る発光装置の製造方法を
図10Aから
図10Cを参照して説明する。
図10Aは、実施形態に係る発光装置の製造方法において、焼結体基板に接合部材を配置した状態を例示する断面図である。
図10Bは、実施形態に係る発光装置の製造方法において、発光素子を配置した状態を示す断面図である。
図10Cは、実施形態に係る発光装置の製造方法において、光反射部材を配置した状態を例示する断面図である。
発光装置の製造方法S20は、既に説明した焼結体基板の製造方法S10で製造した焼結体基板を準備することと、金属部材の粉末状離型材を除去した導電部に発光素子を配置することと、を含み、発光素子を配置することにおいて、導電部と、発光素子と、を直接又は間接に電気的に接続している。すなわち、発光装置の製造方法S20は、焼結体基板を準備することS21と、発光素子を配置することS22と、を含む。そして、焼結体基板を準備することS21において、貫通孔2に充填された導電ペースト3Aは、セラミックス基板1を焼成することにより、金属部材33となり、粉末状離型材60を除去することで、金属部材33の端部を研磨あるいは研削した導電部3として、導電部3に、発光素子を配置している。なお、発光素子を配置することS22の後に、一例として、発光素子20側面及び焼結体基板10上を覆う光反射部材を配置することS23を行うものとして説明する。
【0058】
(焼結体基板を準備すること)
焼結体基板を準備することS21(以下、工程S21という)とは、既に説明した焼結体基板の製造方法S10によって製造した焼結体基板10を準備することである。焼結体基板10は、第1面1A及び第2面1Bの導電部3の端面及び接合部材11が、石垣状態となることなく、隙間Hが形成されることがなく、ひび割れや凹凸がない平坦な状態となっている。なお、焼結体基板10は、発光素子20を配置する領域を複数配置し、後記する光反射部材30を配置した後に、発光装置100ごとに個片化する大きさとすることや、1つの発光装置100ごとの大きさとすることであっても構わない。
【0059】
(発光素子を配置すること)
発光素子を配置することS22(以下、工程S22という)とは、発光素子20を焼結体基板10に配置することである。なお、発光素子20は、予め透光性部材23が素子基板22に接続された状態のものが配置される。透光性部材23を素子基板22に接合する場合には、透光性の接合材料を使用している。この工程S22では、発光素子20の素子電極24を、配線部となる導電部3の第2部分(配線部)8に配置した接合部材11を介して、あるいは、金属バンプ12を介して接続している。
【0060】
(光反射部材を配置すること)
光反射部材を配置することS23(以下、工程S23という)とは、焼結体基板10の上面を覆うと共に、発光素子20の側面を覆うように光反射部材30を配置することである。この工程S23では、光反射部材30は、発光素子20を囲み発光素子20の光取出し面となる各透光性部材23の上面を露出するように焼結体基板10の上に配置される。光反射部材30は、平面視において矩形となるように配置される。
【0061】
なお、発光装置の製造方法S20では、工程S23の作業が終了した後に、必要に応じて個片化作業が行われる。発光装置100は、使用されている発光素子20の数で予め発光装置100の1つの単位やユニットが設定されている。そのため、発光装置100をまとめて複数製造している場合には、個片化作業が行われる。個片化作業を行う場合には、格子状に切断することで、複数の発光装置100を作製する。また、切断する方法としては、例えば、円盤状の回転刃、超音波カッター、レーザ光照射等を用いることができる。
【0062】
上記のような構成を備える発光装置の製造方法S20は、焼結体基板の製造方法S10によって、焼結体基板10の金属部材33端面となる導電部3の端面及び接合部材11が、石垣状態や隙間Hが形成されていない、ひび割れや凹凸のない平面となるので、素子電極24との接合強度が向上し、貫通孔2に配置する導電部3の接合強度を向上させることで信頼性を図り、発光素子20の安定した制御をすることが可能となる。
【0063】
次に、
図11を参照して、応用例を示す焼結体基板10Aについて説明する。
図11は、他の実施形態を示す焼結体基板の断面図である。
焼結体基板10Aは、凹部9を備えていないことと、導電部3が第1部分13であり第2部分として導電部3に接続する配線部18をセラミックス基板1の表面に備えていることが、既に説明した焼結体基板10と異なる部分である。
焼結体基板10Aは、第1面1A及び第1面1Aの反対側となる第2面1Bを持ち、第1面1Aと第2面1Bとを繋ぐように貫通する貫通孔2を有するセラミックス基板1と、貫通孔2内に配置された導電部3と、を備えている。そして、導電部3は、金属45と、貫通孔2を画定する内壁に配置される金属化合物の反応層6aと、を含んでいる。なお、導電部3は、セラミックス基板1の表面に配置される配線部18を備えている。そして、配線部18の全部又は一部の領域は、導電部3の第1部分13に連続する第2部分と同等の役割を担い、接合部材11を介して素子電極24に接続される部分となっている。
【0064】
セラミックス基板1は、凹部9が無いこと以外は、既に説明した構成や部材と同じである。セラミックス基板1は、第1面1Aから第2面1Bに連続する同じ直径の貫通孔2を備えている。
導電部3は、セラミックス基板1の貫通孔2内に配置されている部分(第1部分)13と、セラミックス基板1の表面に配置される配線部(第2部分)18と、を備えている。導電部3は、既に説明したセラミックス基板1における第1部分13をセラミックス基板1の板厚の範囲で備えている。そして、導電部3は、第1部分13の少なくとも一部が接するように配置される第2部分を、セラミックス基板1の表面に配置される配線部18として備えている。導電部3は、第1部分13と配線部18とが、一例として、同じ部材で形成されていることが好ましい。第1部分13及び配線部18を備える導電部3は、金属45と、貫通孔2を画定する内壁、及び、配線部18がセラミックス基板1の表面と接する接合面に、金属化合物の反応層6aと、を備えている。
【0065】
そして、導電部3の端面側、つまり、第1部分13の端面及び配線部18の表面側では、算術平均粗さRaが0.01μm以上1.5μm以下であることが好ましい。第1部分13及び配線部18の表面側の算術平均粗さRaの測定方法は、既に説明した方法と同等である。導電部3の成分や含有する成分もすでに説明したものと同等である。焼結体基板10は、導電部3の端面となる配線部18及び接合部材11の表面がひび割れや凹凸のない滑らかな平面であるため、素子電極24等の接続を安定して行うことができる。また、焼結体基板10Aは、セラミックス基板1と導電部3の接触する部分に金属化合物6の反応層6aを備えていることから、配線部18を含む導電部3とセラミックス基板1との接合強度を向上させることができる。また、貫通孔2の開口面積が第1面1Aよりも第2面1B側が大きくなることで、発光素子20を接続したときの放熱性に優れる。
【0066】
つぎに、焼結体基板10Aの製造方法SA10について、
図12から
図13Gを参照して説明する。なお、既に説明した焼結体基板の製造方法S10において、同じ手順や構成である場合は、その説明を省略する。
図12は、他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法を例示するフローチャートである。
図13Aは、他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、貫通孔を形成したセラミックス基板を模式的に示す断面図である。
図13Bは、他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、貫通孔に導電ペーストをセラミックス基板の表面から突出する凸部を有するように配置した状態を模式的に示す断面図である。
図13Cは、他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、導電ペーストを焼成した状態を模式的に示す断面図である。
図13Dは、他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、金属部材に粉末状離型材を配置して加熱し加圧する状態を模式的に示す断面図である。
図13Eは、他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、金属部材に粉末状離型材を配置して加熱し加圧した後の状態を模式的に示す断面図である。
図13Fは、他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、金属部材から粉末状離型材除去して導電部とした状態を模式的に示す断面図である。
図13Gは、他の実施形態に係る焼結体基板の製造方法において、導電部に配線部及び接合部材を配置した状態を模式的に示す断面図である。
【0067】
焼結体基板の製造方法SA10は、第1面1A及び第1面1Aの反対側となる第2面1Bを持ち、第1面1Aと第2面1Bとを繋ぐように貫通する貫通孔2を有するセラミックス基板1を準備することと、貫通孔2に、第1導電ペースト3A1をセラミックス基板1の表面よりも突出する凸部3A3を有するように配置することと、貫通孔2内に配置した第1導電ペースト3A1及び凸部3A3を焼成することと、焼成した金属部材33の表面に粉末状離型材60を介在させて、金属部材33が溶融する温度に加熱しかつ加圧すること、金属部材から粉末状離型材60を除去することと、を含んでいる。つまり、焼結体基板の製造方法SA10は、セラミックス基板を準備することSA11と、凸部を有するように導電ペーストを配置することSA12と、導電ペーストを焼成することSA13と、粉末状離型材を介在させて加熱し加圧することとSA14と、粉末状離型材を除去することSA15と、を行っている。
【0068】
セラミックス基板を準備することSA11(以下、工程SA11という)は、第1面1Aと第2面1Bとを繋ぐように貫通する貫通孔2を有し、既に焼成されて硬化したセラミックス基板1を準備する。この工程SA11では、貫通孔2を形成し凹部9は形成していない。セラミックス基板1は、凹部9が形成されていないこと以外は既に説明したものと同じ構成、材質である。
【0069】
凸部を有するように導電ペーストを配置することSA12(以下、工程SA12という)は、セラミックス基板1の貫通孔2にセラミックス基板1の第1面1A及び第2面1Bの表面よりも突出する凸部3A3を有するように導電ペースト3Aとなる第1導電ペースト3A1を配置することである。この工程SA12では、例えば、スクリーン印刷やノズルにより注入することにより、貫通孔2に導電ペースト3Aを配置している。この工程SA12で使用される導電ペースト3Aは、既に説明した導電ペースト3Aと同じ成分である。
【0070】
導電ペーストを焼成することSA13(以下、工程SA13という)は、既に説明した工程と同じ焼成雰囲気、温度条件等で焼成作業を行っている。また、導電ペースト3Aを焼成する前に、既に説明したと同様に導電ペースト3Aを乾燥させることを行ってもよい。この工程SA15を行うと導電ペースト3Aが焼成されて金属部材33となり、金属部材33の凸部3A3であった部分の表面に石垣状態となることや隙間Hが形成される状態となる。また、この工程SA13により、導電ペースト3Aが焼成されて金属部材33となり、金属部材33は、金属45と金属化合物6とを含み、貫通孔2の内側面には金属化合物6の反応層6aが形成される。
【0071】
次に、粉末状離型材を介在させて加熱し加圧することとSA14(以下、工程SA14という)を行う。この工程SA14では、導電ペースト3Aが焼成されることで金属部材33となったその表面に粉末状離型材を介在させ、金属部材33の溶融する温度で加熱しかつ加圧している。そして、この工程SA14において、加熱し加圧する場合には、既に説明したように、熱プレス機PAを用いて、金属部材33が溶融する温度で加熱しながら5MPa以上50MPa以下で加圧している。
【0072】
続いて、粉末状離型材を除去することSA15(以下、工程SA15という)を行う。この工程SA15では、研磨装置あるいは研削装置を用いて、粉末状離型材60を金属部材33の一部と共に除去している。金属部材33の表面から粉末状離型材60を除去する場合には、セラミックス基板1の表面から突出している部分、あるいは、突出している部分とセラミックス基板1の表面の一部とが、粉末状離型材60と共に除去される。この工程SA15を行う場合に、研磨あるいは研削される焼成後の導電部3は、端面側において除去される量は少なくて済む。この工程SA16を行った後の焼結体基板10Aは、導電部3の表面が、石垣状態となることなく隙間Hのない滑らかな平面であるため、接合部材11を介して素子電極24等の接続を安定して行うことができる。
【0073】
焼結体基板10Aでは、導電部3において、金属化合物6の反応層6aが貫通孔2の内壁、セラミックス基板1面と接触する部分に形成され、さらに、金属化合物6は、反応物が、前記した特定の金属成分が含有している場合、その金属成分が焼成されたものの周囲や、無機フィラー7を含有していれば、その無機フィラー7の周囲にも位置するようになる。そのため、焼結体基板10Aは、貫通孔2及びセラミックス基板1と金属部材33及び配線部18との接合強度が向上する。なお、焼結体基板10Aでは、導電部3に配線部18及び、配線部18にめっき層等の接合部材11を配置してもよい。
【0074】
次に、焼結体基板10Aを用いた発光装置100Aについて
図14を参照して説明する。
図14は、応用例を示す発光装置の断面図である。なお、既に説明した構成と同じ構成は、説明を省略する。
発光装置100Aは、焼結体基板10Aと、素子電極24を持つ発光素子20とを備え、焼結体基板10Aの導電部3(配線部18)と、素子電極24と、を電気的に接続している。焼結体基板10Aは、一例として、導電部3と接する配線部18に接合部材11であるめっき層を介して素子電極24を接続している。発光装置100Aは、既に説明した発光装置100と同様に光反射部材30を備えている。なお、配線部18は、石垣状態となることがなく、隙間Hが形成されることがなく、その表面がひび割れや凹凸のない滑らかな平面であるため、めっき層となる接合部材11を配置してもひび割れや凹凸のない平面を保つことができる。そのため、発光装置100Aでは、めっき層の量を増やすことなく素子電極の接続を安定させることが可能となる。
【0075】
発光装置100Aの製造方法は、既に説明した発光装置100の製造方法S20と同じ工程を行っている。すなわち、焼結体基板10Aを準備することと、セラミックス基板1の貫通孔2に導電部3を配置することと、導電部3に素子電極24を電気的に接続することとを行う。そして、導電部3を配置することにおいて、ここでは、配線部18あるいは配線部18に施しためっき層等の接合部材11を介して導電部3に素子電極24を電気的に接続している。さらに、光反射部材30を配置することで、発光装置100Aを製造している。
【0076】
なお、焼結体基板10の貫通孔2は、実装部品電極が接合される側となる第1面1Aの開口面積より第2面1Bの開口面積を広くすることで、焼結体基板10の熱伝導率を向上させ放熱性を高め、かつ、強度を保って剛性を維持した上での薄型化、信頼性等の性能アップが可能となる。貫通孔2は、一例として、レーザ加工で形成することや、機械的な加工で形成することや、エッチング等の化学的な加工で形成することができる。なお、貫通孔2は、円形とすることが好ましいが多角形でもよく、ここでいう多角形は、二つの連続する辺の頂角が、厳密に直線同士が接続して構成されるもの以外でもよい。多角形は、例えば、小さな円弧で直線同士が接続されるような角が丸みを帯びている状態の多角形様の形状であってもよい。また、焼結体基板の製造方法において、凹部9を形成する場合には、ブラスト処理やエッチング処理を行うことであってもよい。
【0077】
なお、本願発明では、以下のような構成となる各項の関係であってもよい。
[項1]
第1面及び前記第1面の反対側となる第2面を持ち、前記第1面と前記第2面とを繋ぐように貫通する貫通孔を有するセラミックス基板を準備することと、
前記第1面又は前記第2面から突出する凸部を有するように前記貫通孔に、金属粉体と、活性金属粉体と、有機溶剤と、を少なくとも含む導電ペーストを配置することと、
前記配置された前記導電ペーストを焼成して金属部材を得ることと、
前記金属部材の表面に粉末状離型材を介在させて、前記金属部材が溶融する温度に加熱しかつ加圧することと、
前記金属部材から前記粉末状離型材を除去することと、を含む、焼結体基板の製造方法。
[項2]
前記セラミックス基板を準備することにおいて、前記第1面及び前記第2面の少なくとも一方に配置する凹部を備え、前記凹部の位置に前記貫通孔を備える項1に記載の焼結体基板の製造方法。
[項3]
前記加熱しかつ加圧することにおいて、10Pa以下の真空雰囲気、窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気中で加熱しかつ加熱する項1又は項2に記載の焼結体基板の製造方法。
[項4]
前記加熱し加圧することにおいて、熱プレス機を用いて行い、前記熱プレス機の盤面に前記粉末状離型材を塗布ことで前記粉末状離型材を介在させる項1から項3のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項5]
前記加熱し加圧することにおいて、前記加圧が5MPa以上50MPa以下である項1から項4のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項6]
前記加熱しかつ加圧することにおいて、前記粉末状離型材は、融点が800℃以上で、平均粒径が5μm以下の粉体である項1から項5のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項7]
前記加熱しかつ加圧することにおいて、前記粉末状離型材の粉体は、窒化物、炭化物、酸化物、及び、炭素クラスターの少なくともいずれか1種である項1から項6のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項8]
前記セラミックス基板を準備することにおいて、前記セラミックス基板の前記第1面側からレーザ光を照射して前記貫通孔を形成する項1から項7のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項9]
前記セラミックス基板を準備することにおいて、前記セラミックス基板の前記第1面側又は前記第2面側からレーザ光を照射して前記凹部を形成する項2から項8において項2を引用するいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項10]
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記活性金属粉体の含有量は、1重量部以上5重量部以下である項1から項10のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項11]
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記金属粉体は、Ag、Al、Zn、Sn、及び、Ag-Cu合金粉末の少なくともいずれか1種を含む項1から項10のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項12]
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記金属粉体は、さらにCu、Cr、及び、Niの少なくともいずれか1種を含む項1から項11のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項13]
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記活性金属粉体は、TiH2、CeH2、ZrH2、及び、MgH2の少なくともいずれか1種を含む項1から項12のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項14]
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記導電ペーストは、さらに樹脂を含む項1から項13のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項15]
前記導電ペーストを配置することにおいて、前記導電ペーストは、さらに、金属を除く複数個の無機フィラーを含む項1から項14のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項16]
前記金属部材を得ることにおいて、焼成温度は780℃以上1100℃以下である項1から項15のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項17]
前記金属部材を得ることにおいて、焼成雰囲気は10Pa以下の真空雰囲気または99.9%以上のAr雰囲気である項1から項16のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項18]
前記粉末状離型材を除去することにおいて、前記粉末状離型材を前記金属粉体から除去した後の前記金属部材の端面の算術平均粗さRaが0.01μm以上1.5μm以下である項1から項17のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法。
[項19]
項1から項18のいずれか一項に記載の焼結体基板の製造方法で製造した焼結体基板を準備することと、
前記金属部材の粉末状離型材を除去した導電部に発光素子を配置することと、を含み、
前記発光素子を配置することにおいて、前記導電部と、前記発光素子と、を直接又は間接に電気的に接続する、発光装置の製造方法。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本開示の実施形態に係る発光装置は、配光可変型ヘッドランプ光源に利用することができる。その他、本開示の実施形態に係る発光装置は、液晶ディスプレイのバックライト光源、各種照明器具、大型ディスプレイ、広告や行き先案内等の各種表示装置、更には、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置、プロジェクタ装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 セラミックス基板
1A 第1面
1B 第2面
2 貫通孔
3 導電部
3A 導電ペースト
6 金属化合物
6A 活性金属粉体
6a 反応層
7 無機フィラー:焼成後
7A 無機フィラー:焼成前
7B 有機バインダ
8 第2導電部(配線部)
10 セラミックス焼結体基板
11 接合部材
12 金属バンプ
20 発光素子
21 半導体層
22 素子基板
23 透光性部材
24 素子電極
30 光反射部材
45 金属
45A 金属粉体
100 発光装置
S10 焼結体基板の製造方法
S11 セラミックス基板を準備すること
S12 導電ペーストを配置すること
S13 導電ペーストを配置すること
S14 セラミックス基板を焼成すること
S20 発光装置の製造方法
S21 焼結体基板を準備すること
S22 発光素子を配置すること
S23 光反射部材を配置すること
【手続補正書】
【提出日】2023-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】