(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146208
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20241004BHJP
A61B 1/04 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
A61B1/00 715
A61B1/04 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023058979
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋 辰也
(72)【発明者】
【氏名】二宮 正和
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF35
4C161FF43
4C161HH32
4C161LL02
4C161PP08
4C161QQ06
(57)【要約】
【課題】内視鏡の細径を維持しながら、遠位端部に位置する非可動領域の軸方向の長さを短くして、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡を提供する。
【解決手段】内視鏡10Aに配設されたイメージセンサ部210は、撮像開口部121を通じて受光する固体撮像素子221を含むセンサモジュール220と、センサモジュール220の近位側に接続する接続部231を有するフレキシブル基板230と、樹脂成形体240と、により構成され、処置具チャンネル連通孔112の少なくとも一部が、イメージセンサ部210において断面積が最大となる断面をイメージセンサ部210の最遠位端と最近位端との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間S1内に配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に軸方向に沿って処置具チャンネルが形成されている可撓性のシャフトと、
前記シャフトを屈曲操作可能とするために前記シャフトの遠位端部に取り付けられており、前記シャフトに沿って延在する操作ワイヤと、
前記シャフトの近位端に固定されるとともに前記操作ワイヤの近位端部と接続する操作装置と、
前記シャフトの遠位端に取り付けられており、処置具チャンネル開口部および撮像開口部が遠位端に形成されているとともに、前記処置具チャンネル開口部と前記シャフトの遠位端に開口する前記処置具チャンネルとを連通する処置具チャンネル連通孔が形成されている先端部と、
前記先端部内に少なくとも一部または全体が配設されており、前記撮像開口部を通じて受光する固体撮像素子を含むセンサモジュールと、前記センサモジュールに接続する電気的な配線が形成されたフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の少なくとも一部または全体を覆う樹脂成形体とにより構成されたイメージセンサ部と、
前記フレキシブル基板に取り付けられており、前記シャフトに沿って延在するケーブルと、を備えており、
前記処置具チャンネル連通孔の少なくとも一部が、前記イメージセンサ部において断面積が最大となる断面を前記イメージセンサ部の最遠位端と最近位端との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間内に配置されていることを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記フレキシブル基板が、前記センサモジュールの近位端面に接続する接続部と、前記接続部に接続して前記接続部の側辺から鋭角に折れ曲がる屈曲部と、一端が前記屈曲部に接続して近位側に延伸し、他端が前記イメージセンサ部の断面の略中央部に配置された延設部と、により構成されており、
前記樹脂成形体が、前記フレキシブル基板を覆うように配設されているとともに、前記処置具チャンネル連通孔と近接する位置において、前記所定空間よりも内側に凹んだ凹部を有しており、
前記処置具チャンネル連通孔の一部が、前記凹部において前記所定空間内に入り込むように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記フレキシブル基板が、前記センサモジュールの近位端面に接続する接続部と、前記接続部に接続して前記接続部の側辺から略90°に折れ曲がる屈曲部と、一端が前記屈曲部に接続して近位側に略軸方向に延伸する延設部と、により構成されており、
前記樹脂成形体が、前記フレキシブル基板を覆うように配設されているとともに、前記処置具チャンネル連通孔と近接する位置において、前記所定空間よりも内側に凹んだ凹部を有しており、
前記処置具チャンネル連通孔の一部が、前記凹部において前記所定空間内に入り込むように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記樹脂成形体が、前記フレキシブル基板の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部からなることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記樹脂成形体が、前記フレキシブル基板の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部と、前記フレキシブル基板の前記接続部および前記延設部を支持するように設けられた支持部と、からなることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記フレキシブル基板が、前記センサモジュールの近位端面に接続する接続部と、前記接続部に接続して近位側に波状または螺旋状に延伸し、近位側の一部が前記樹脂成形体に覆われていない露出部を有する延設部と、により構成されており、
前記樹脂成形体が、少なくとも前記接続部を覆うように配設されており、
前記処置具チャンネル連通孔の一部が、前記露出部の近傍において前記所定空間内に入り込むように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器として使用される内視鏡に関し、特に遠位端部が屈曲操作可能なように構成された内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屈曲操作可能な内視鏡の遠位端部には、撮像装置が配設されている。このような撮像装置は、例えば下記の特許文献1に記載されているように、CCDセンサおよびCMOSセンサや裏面照射型の撮像素子等の固体撮像素子を含むセンサモジュール、フレキシブル基板、ならびに樹脂成形体により構成されたイメージセンサ部を備えており、当該イメージセンサ部は、例えば略直方体状または略円筒状に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の内視鏡は、操作機構によって遠位端部が屈曲可能なように構成されている。撮像装置のイメージセンサ部は、内視鏡の最も遠位端部に配設され、イメージセンサ部を含む遠位側の領域は、操作機構によって屈曲しない非可動領域となっている。この非可動領域は屈曲しない部分となっていることから、非可動領域の軸方向の長さが長いと内視鏡の遠位端部は急峻な可動が行えず、内視鏡の操作性が劣ってしまうという課題がある。
【0005】
ところで、内視鏡は体内に挿入される必要があることから、その径を小さくすることが求められている。例えば、
図16に示すように、内視鏡10zのシャフト20zの遠位側に先端部100zを取り付けて先端部100z内に撮像装置200zのイメージセンサ部210zを配設し、シャフト20z内に設けられた処置具チャンネル21azの延長線上に、先端部100z内のイメージセンサ部210zが重なるように配列することがある。先端部100zより近位側は内視鏡10zの可動領域Rmzを構成し、先端部100zは内視鏡の10zの非可動領域Rnzを構成する。
【0006】
この場合、先端部100z内にはシャフト20z内に形成された処置具チャンネル21azを遠位端の処置具チャンネル開口部111zに導く処置具チャンネル連通孔112zが形成される。先端部100z内に配設される撮像装置200zのイメージセンサ部210zは、固体撮像素子221zを含むセンサモジュール220z、フレキシブル基板230z、樹脂成形体240zにより構成され、
図17に示すように略直方体状または略円筒状に形成されている。このイメージセンサ部210zをシャフト20zの処置具チャンネル21azの延長線上に重なるように配設可能とするために、処置具チャンネル連通孔112zは、イメージセンサ部210zを避けるようになだらかに湾曲して延びる湾曲部112azを有するように形成され、これによりシャフト20zの径および先端部100zの径を小さくすることができるようになる。
【0007】
上述した構成のように、シャフト20zの処置具チャンネル21azの延長線上に重なるようにイメージセンサ部210zを配設して、イメージセンサ部210zを避けるように湾曲部112azを有する処置具チャンネル連通孔112zを形成した場合には、内視鏡10zは細径になるものの、イメージセンサ部210zの一部と処置具チャンネル連通孔112zの湾曲部112azの一部とが同一軸上に重なるように配列される。
【0008】
このため、イメージセンサ部210zと処置具チャンネル連通孔112zとの干渉を避けるために、非可動領域Rnzの軸方向の長さを長くして、イメージセンサ部210zの近位側に処置具チャンネル連通孔112zの湾曲部112azを配置可能とする空間を確保する必要がある。内視鏡10zは細径にするためにイメージセンサ部210zの近位側に処置具チャンネル連通孔112zの湾曲部112azを配置可能とする空間を確保した場合には、非可動領域Rnzの軸方向の長さが長くなってしまい、その結果、内視鏡10zの先端部100zを含む遠位側は急峻な可動が行えず、内視鏡10zの操作性が劣ってしまうという課題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、内視鏡の細径を維持しながら、遠位端部に位置する非可動領域の軸方向の長さを短くして、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係る内視鏡は、内部に軸方向に沿って処置具チャンネルが形成されている可撓性のシャフトと、前記シャフトを屈曲操作可能とするために前記シャフトの遠位端部に取り付けられており、前記シャフトに沿って延在する操作ワイヤと、前記シャフトの近位端に固定されるとともに前記操作ワイヤの近位端部と接続する操作装置と、前記シャフトの遠位端に取り付けられており、処置具チャンネル開口部および撮像開口部が遠位端に形成されているとともに、前記処置具チャンネル開口部と前記シャフトの遠位端に開口する前記処置具チャンネルとを連通する処置具チャンネル連通孔が形成されている先端部と、前記先端部内に少なくとも一部または全体が配設されており、前記撮像開口部を通じて受光する固体撮像素子を含むセンサモジュールと、前記センサモジュールに接続する電気的な配線が形成されたフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の少なくとも一部または全体を覆う樹脂成形体とにより構成されたイメージセンサ部と、前記フレキシブル基板に取り付けられており、前記シャフトに沿って延在するケーブルと、を備えており、前記処置具チャンネル連通孔の少なくとも一部が、前記イメージセンサ部において断面積が最大となる断面を前記イメージセンサ部の最遠位端と最近位端との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間内に配置されていることを特徴とする。
【0011】
上述の構成によれば、内視鏡の先端部において、シャフト内に形成された処置具チャンネルの延長線上に重なるようにイメージセンサ部を配設して、湾曲部を有する処置具チャンネル連通孔を形成した場合であっても、イメージセンサ部によって画定される所定空間の内側に処置具チャンネル連通孔を配置することができるので、内視鏡の細径を維持しながら遠位端部に位置する非可動領域の軸方向の長さを短くすることができ、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡を提供することができる。
【0012】
本発明に係る内視鏡は、上記の構成において、前記フレキシブル基板が、前記センサモジュールの近位端面に接続する接続部と、前記接続部に接続して前記接続部の側辺から鋭角に折れ曲がる屈曲部と、一端が前記屈曲部に接続して近位側に延伸し、他端が前記イメージセンサ部の断面の略中央部に配置された延設部と、により構成されており、前記樹脂成形体が、前記フレキシブル基板を覆うように配設されているとともに、前記処置具チャンネル連通孔と近接する位置において、前記所定空間よりも内側に凹んだ凹部を有しており、前記処置具チャンネル連通孔の一部が、前記凹部において前記所定空間内に入り込むように設けられていてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、イメージセンサ部によって画定される所定空間よりも内側に凹むように形成された凹部に処置具チャンネル連通孔を配置することができるので、内視鏡の細径を維持しながら遠位端部に位置する非可動領域の軸方向の長さを短くすることができ、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡を提供することができる。
【0014】
本発明に係る内視鏡は、上記の構成において、前記フレキシブル基板が、前記センサモジュールの近位端面に接続する接続部と、前記接続部に接続して前記接続部の側辺から略90°に折れ曲がる屈曲部と、一端が前記屈曲部に接続して近位側に略軸方向に延伸する延設部と、により構成されており、前記樹脂成形体が、前記フレキシブル基板を覆うように配設されているとともに、前記処置具チャンネル連通孔と近接する位置において、前記所定空間よりも内側に凹んだ凹部を有しており、前記処置具チャンネル連通孔の一部が、前記凹部において前記所定空間内に入り込むように設けられていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、フレキシブル基板の軸方向の長さを短くできるとともに、イメージセンサ部によって画定される所定空間よりも内側に凹むように形成された凹部に処置具チャンネル連通孔を配置することができるので、内視鏡の細径を維持しながら遠位端部に位置する非可動領域の軸方向の長さを短くすることができ、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡を提供することができる。
【0016】
本発明に係る内視鏡は、上記の構成において、前記樹脂成形体が、前記フレキシブル基板の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部からなってもよい。
【0017】
上記の構成によれば、樹脂成形体をフレキシブル基板の形状に合わせた形状にして、イメージセンサ部に確実に凹部を形成することができる。
【0018】
本発明に係る内視鏡は、上記の構成において、前記樹脂成形体が、前記フレキシブル基板の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部と、前記フレキシブル基板の前記接続部および前記延設部を支持するように設けられた支持部と、からなってもよい。
【0019】
上記の構成によれば、樹脂成形体をフレキシブル基板の形状に合わせた形状にして、イメージセンサ部に確実に凹部を形成することができるとともに、フレキシブル基板の接続部および延設部を支持部により支持してイメージセンサ部の強度を向上させることができる。
【0020】
本発明に係る内視鏡は、上記の構成において、前記フレキシブル基板が、前記センサモジュールの近位端面に接続する接続部と、前記接続部に接続して近位側に波状または螺旋状に延伸し、近位側の一部が前記樹脂成形体に覆われていない露出部を有する延設部と、により構成されており、前記樹脂成形体が、少なくとも前記接続部を覆うように配設されており、前記処置具チャンネル連通孔の一部が、前記露出部の近傍において前記所定空間内に入り込むように設けられていてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、波状または螺旋状にすることで柔軟性を備えたフレキシブル基板を実現するとともに、樹脂成形体に覆われていない露出部をフレキシブル基板の近位側の一部に設けて、当該露出部の近傍に処置具チャンネル連通孔を配置することができるので、内視鏡の細径を維持しながら遠位端部に位置する非可動領域の軸方向の長さを短くすることができ、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態における内視鏡の構成の一例を示す全体図である。
【
図3】本発明の第1実施形態における内視鏡のシャフトの遠位端部および先端部を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における内視鏡の先端部を示す正面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態における内視鏡のシャフトの遠位端部および先端部を示す側面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態における内視鏡のシャフトの遠位端部および先端部の内部構造を示す断面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態における内視鏡の先端部に配設される撮像装置を示す図であり、(a)は撮像装置の断面図、(b)は撮像装置の上面図、(c)は撮像装置の下面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態における内視鏡のシャフトの遠位端部および先端部の内部構造を示す断面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態における内視鏡の先端部に配設される撮像装置を示す図であり、(a)は撮像装置の断面図、(b)は撮像装置の上面図、(c)は撮像装置の下面図である。
【
図10】本発明の第3実施形態における内視鏡のシャフトの遠位端部および先端部の内部構造を示す断面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態における内視鏡の先端部に配設される撮像装置を示す図であり、(a)は撮像装置の断面図、(b)は撮像装置の上面図、(c)は撮像装置の下面図である。
【
図12】本発明の第4実施形態における内視鏡のシャフトの遠位端部および先端部の内部構造を示す断面図である。
【
図13】本発明の第4実施形態における内視鏡の先端部に配設される撮像装置を示す図であり、(a)は撮像装置の断面図、(b)は撮像装置の上面図、(c)は撮像装置の下面図である。
【
図14】本発明の第5実施形態における内視鏡のシャフトの遠位端部および先端部の内部構造を示す断面図である。
【
図15】本発明の第5実施形態における内視鏡の先端部に配設される撮像装置を示す図であり、(a)は第1の例の撮像装置の断面図、(b)は第2の例の撮像装置の断面図である。
【
図16】従来の技術における内視鏡のシャフトの遠位端部および先端部の内部構造を示す断面図である。
【
図17】従来の技術における内視鏡の先端部に配設される撮像装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1~第5実施形態における内視鏡について説明する。本明細書では、内視鏡の使用者を基準として、患者の体内側を遠位側とし、使用者の手元側を近位側とする。本明細書において参照する図面は、実際の寸法に対して必ずしも正確な縮尺を有するものではなく、本発明に係る構成を模式的に示すために一部を誇張または簡略化したものである。
【0024】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。
【0025】
図1を参照しながら、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aの構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aの構成の一例を示す全体図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aは、体内に挿入される挿入部であるシャフト20と、シャフト20の近位側に連結されている操作装置70と、を備えている。シャフト20の遠位端には、内視鏡10Aの遠位端を構成する先端部100が取り付けられている。
【0027】
第1実施形態における内視鏡10Aのシャフト20は、体内の管腔臓器に挿入可能なように可撓性の長尺部材で構成されている。シャフト20は、挿入対象である大腸、食道、胃、十二指腸、小腸、胆管、膵管、尿管、気管等の管腔臓器に適合した外径を有している。シャフト20はチューブ状に形成されており、その内部には軸方向に延びるように1つまたは複数のルーメン(管腔)が形成されている。シャフト20の内部に形成されたルーメンは、近位側が操作装置70内に連通しており、遠位側がシャフト20の遠位端部30まで延在するように形成されている。
【0028】
シャフト20の内部には、軸方向に沿って、例えば、シャフト20の遠位側に向かって各種の内視鏡用処置具やガイドワイヤ等を挿通させるための処置具チャンネル(鉗子チャンネル)21a、内視鏡10Aの遠位端から外部(体内)に放出する液体を流通させる送水チャンネル、内視鏡10Aの外部(体内)から吸引した液体を流通させる吸引チャンネル等が設けられている。
【0029】
例えば
図2の断面図に示すように、シャフト20は、先端部100に配置された撮像機構や照明機構に接続するケーブル250や、シャフト20の遠位端部30を偏向可能とする操作ワイヤW1、W2、W3、W4等が挿通可能となっている。より詳細には、内視鏡10Aのシャフト20の内部に形成された管腔に、処置具チャンネル21aを形成するチューブ部材21、送水チャンネルを形成するチューブ部材22、撮像機構や照明機構に接続するケーブル250が、操作装置70からシャフト20の遠位端部30まで挿通されている。チューブ部材21、22およびケーブル250は、シャフト20の内部に形成された管腔内に充填した樹脂等により固定されている。さらに、シャフト20の周面近傍には、シャフト20の遠位端部30を偏向可能とする複数の操作ワイヤW1a、W1b、W2a、W2b、W3a、W3b、W4a、W4bが挿通されている。
【0030】
なお、1つのルーメンが複数の用途に用いられてもよい。例えば、処置具チャンネル21aと連通した鉗子チャンネルポート71に、吸引装置と接続可能なポートを有するアダプタ90を取り付けた場合には、処置具チャンネル21aを吸引チャンネルとして使用することができるようになる。
【0031】
内視鏡10Aの遠位端には先端部100が取り付けられている。後述するように、先端部100の内部には撮像機構や照明機構が配置されており、処置具チャンネル21aや送水チャンネル等を開口する各種開口部が設けられている。
【0032】
シャフト20の近位端には、操作装置70が連結固定されている。操作装置70は、内視鏡10Aの使用者が操作可能な操作機構を含んで構成されている。操作装置70には、一例として、各種の内視鏡用処置具やガイドワイヤ等を挿通させるための鉗子チャンネルポート71、内視鏡10Aの遠位端から外部(体内)に放出する液体を供給する送水ポンプ(送水装置)と接続可能な送水ポート72、内視鏡10Aの外部(体内)から液体を吸引する吸引装置(例えばシリンジ等)と接続可能な吸引ポート73、シャフト20の遠位端部30の偏向操作を行うためのアングルノブ75等が設けられている。
図1に示す操作装置70の形状や機能は一例にすぎず、図示したものに限定されない。
【0033】
操作装置70には、画像処理装置と接続可能なコネクタ部80が取り付けられている。コネクタ部80に接続される画像処理装置は、画像表示装置や画像記録装置等を含んで構成されており、ケーブル250を通じてシャフト20の遠位端部30に設けられた撮像機構に給電するとともに撮像機構により得られた撮像画像信号を処理し、画像表示装置に表示したり画像記録装置に記録したりすることができるようになっている。
【0034】
コネクタ部80は、シャフト20の遠位端部30に設けられた照明機構を制御する照明制御装置と接続可能なように構成されている。例えば後述する
図3に示すように、先端部100内にLED(Light-Emitting Diode)223が配置され、照明制御装置は、ケーブル250を通じてこのLED223に給電を行うことで、LED223を発光させることができるようになっている。なお、照明制御装置が光源装置を備えて構成され、光ファイバケーブルを通じて光信号を供給して、先端部100に配置された光ファイバケーブルの端面から発光させることができるようになっていてもよい。
【0035】
図3~
図6を参照しながら、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aのシャフト20の遠位端部30および先端部100について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aのシャフト20の遠位端部30および先端部100を示す斜視図である。
図4は、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aの先端部100を示す正面図である。
図5は、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aのシャフト20の遠位端部30および先端部100を示す側面図である。
図6は、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aのシャフト20の遠位端部30および先端部100の内部構造を示す断面図である。
【0036】
図3~
図6に示すように、本実施形態における内視鏡10Aのシャフト20の遠位端面20aには、先端部100が取り付けられている。先端部100の近位端面100aは、一例として
図6に示すように、シャフト20の遠位端面20aに形成されている開口部に部分的に嵌め込まれて、接着剤等によりシャフト20の遠位端面20aに固定されている。さらに、先端部100の近位端面100aとシャフト20の遠位端面20aとを跨ぐように、円筒状の保護部材25が、先端部100およびシャフト20の遠位端部30に外嵌されている。
【0037】
先端部100には、各種開口部が設けられている。本実施形態における先端部100の遠位端には、処置具チャンネル開口部111、撮像開口部121、送水チャンネル開口部131が形成されている。
【0038】
処置具チャンネル開口部111は、各種の内視鏡用処置具やガイドワイヤ等を導出するための鉗子口である。
図6に示すように、先端部100には、軸方向に貫通する処置具チャンネル連通孔112が形成されている。処置具チャンネル連通孔112の遠位側は処置具チャンネル開口部111で開口し、処置具チャンネル連通孔112の近位側は、シャフト20に形成されたチューブ部材21の管腔(処置具チャンネル21a)と連通している。処置具チャンネル連通孔112の近位側は、なだらかに湾曲する湾曲部112aを有している。処置具チャンネル連通孔112の湾曲部112aの遠位側にはイメージセンサ部210が配置されており、湾曲部112aはイメージセンサ部210を避けるように湾曲している。
【0039】
撮像開口部121は、先端部100内に配置された撮像機構のための撮像窓である。
図6に示すように、先端部100には、例えばパッケージ化された撮像装置200Aを収容するイメージセンサ収容部122が形成されている。イメージセンサ収容部122の遠位側は撮像開口部121で開口し、イメージセンサ収容部122の近位側からは、撮像装置200Aのケーブル250がシャフト20内を延在するように配置されている。
【0040】
イメージセンサ収容部122は、撮像装置200Aのイメージセンサ部210に適合した形状に形成されている。本実施形態では、後述するように撮像装置200Aのイメージセンサ部210の構成に変更を加えており、イメージセンサ部210の形状に合わせたイメージセンサ収容部122を形成することで、内視鏡10Aの遠位端部に位置する非可動領域の軸方向の長さを短くすることが可能となっている。
【0041】
送水チャンネル開口部131は、外部(体内)に液体を放出するための送水口である。本実施形態では、先端部100に2つの送水チャンネル開口部131が開口している。また、
図6には不図示であるが、先端部100には、軸方向に貫通する送水チャンネル連通孔が形成されている。送水チャンネル連通孔は2股に分岐しており、送水チャンネル連通孔の遠位側は2つの送水チャンネル開口部131で開口し、送水チャンネル連通孔の近位側は、シャフト20に形成されたチューブ部材22の管腔(送水チャンネル)と連通している。
【0042】
内視鏡10Aのシャフト20の遠位端部30は、操作装置70によって屈曲操作可能なように構成されている。本実施形態では一例として、複数の操作ワイヤW1、W2、W3、W4がシャフト20に挿通されており、複数の操作ワイヤW1、W2、W3、W4は、シャフト20の遠位端面20aでそれぞれ折り返すように配置されている。なお、本明細書における屈曲とは、緩やかに湾曲することも含む。
【0043】
より詳細には、操作ワイヤW1a、W1bは1本の操作ワイヤW1で構成されており、操作ワイヤW1の中間点W1mがシャフト20の遠位端面20aに係合するように折り返されている。同様に、操作ワイヤW2a、W2bも1本の操作ワイヤW2、操作ワイヤW3a、W3bも1本の操作ワイヤW3、操作ワイヤW4a、W4bも1本の操作ワイヤW4でそれぞれ構成されており、シャフト20の遠位端面20aに係合するようにそれぞれ折り返されている。4本の操作ワイヤW1、W2、W3、W4はそれぞれ周方向に90°離れた位置に配置されており、4本の操作ワイヤW1、W2、W3、W4を近位側に引っ張ることで、シャフト20の遠位端部30を各操作ワイヤW1、W2、W3、W4に対応する方向に屈曲させることができるようになっている。
図6には、操作ワイヤW1a、W1bとその中間点W1m、および操作ワイヤW3a、W3bとその中間点W3mが図示されている。中間点W1m、W3mよりも近位側が、内視鏡10Aの遠位端部の可動領域Rmであり、中間点W1m、W3mよりも遠位側が、内視鏡10Aの遠位端部の非可動領域Rnである。なお、操作ワイヤW1、W2、W3、W4の本数、位置、取り付け方法等は特に限定されない。
【0044】
以下、
図6に示す断面図に加えて、
図7を参照しながら、撮像装置200Aについて説明する。
図7は、本発明の第1実施形態における内視鏡10Aの先端部100に配設される撮像装置200Aを示す図であり、
図7(a)は撮像装置200Aの断面図、
図7(b)は撮像装置200Aの上面図、
図7(c)は撮像装置200Aの下面図である。
図7(b)の上面図および
図7(c)の下面図は、
図7(a)の方向Uおよび方向Dからそれぞれ見た図であり、樹脂成形体240を透明化して樹脂成形体240の内部に配置されているケーブル250を図示している。
【0045】
本実施形態の内視鏡10Aの先端部100に配設される撮像装置200Aは、イメージセンサ部210と、イメージセンサ部210に接続したケーブル250とが一体に構成されている。
【0046】
イメージセンサ部210は、先端部100内に少なくとも一部または全体が配設されており、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240と、を備えて構成されている。イメージセンサ部210は、
図6に示すように先端部100のイメージセンサ収容部122内に収容されている。
【0047】
センサモジュール220は、撮像機構を構成する固体撮像素子221を含んでいる。固体撮像素子221の撮像面(受光面)222は、撮像開口部121を通じて外部(体内)の光を受光できるように、撮像開口部121の近傍に配置されている。センサモジュール220の材料は特に限定されないが、例えばセラミックを用いることができる。
【0048】
さらに、センサモジュール220にはLED223が配設されている。LED223は、外部(体内)に光を照射する照明機構を構成し、本実施形態では、
図3および
図4に示すように固体撮像素子221の撮像面222の周囲に配設されている。
【0049】
センサモジュール220の近位端面220aには、フレキシブル基板230との電気接点が配置されている。センサモジュール220の内部では、当該電気接点と固体撮像素子221およびLED223とが電気的に接続されており、フレキシブル基板230から電気接点を介して固体撮像素子221およびLED223へ適切に給電することができ、固体撮像素子221から電気接点を介してフレキシブル基板230へ撮像画像信号を適切に伝送することができるようになっている。
【0050】
フレキシブル基板230は、センサモジュール220の近位端面220aに配置された電気接点に接続する接続部231と、接続部231と延設部233とを接続する屈曲部232と、電気的な配線が配置された延設部233と、を備えて構成されている。フレキシブル基板230は、例えば1枚の板状部材を屈曲部232で鋭角に折り曲げて形成されており、センサモジュール220に対向する面を構成する接続部231と、近位側に向かって延伸する延設部233とが屈曲部232を介して一体に構成されてもよい。また、接続部231と延設部233とを屈曲部232において接着または接合等によって繋いでもよい。
【0051】
接続部231は、センサモジュール220の近位端面220aに接続されている。フレキシブル基板230の接続部231の面と、センサモジュール220の電気接点が配置された近位端面220aとの接続方法は特に限定されないが、例えば半田付けや溶接等によって接合してもよく、導電性の接着剤等で接着してもよい。
【0052】
屈曲部232は、接続部231と延設部233との間に介在している。屈曲部232は、接続部231の側辺(例えば、
図6に示す内視鏡10Aの上面側の側辺)に接続し、接続部231に対して鋭角に折れ曲がるように形成されている。
【0053】
延設部233は、その一端が接続部231の側辺に接続しており、近位側に向かって斜め方向に延伸している。フレキシブル基板230の延設部233に取り付けられたケーブル250がイメージセンサ部210の断面の略中央部から近位側に向かって延在するように、延設部233の近位端はイメージセンサ部210の断面の略中央部に位置している。
【0054】
樹脂成形体240は、フレキシブル基板230の少なくとも一部または全体を覆うように配設されている。樹脂成形体240は、フレキシブル基板230の保護や外部からの絶縁を目的として配設される部材であり、特に、センサモジュール220とフレキシブル基板230との接続面を覆うように配設されることが好ましい。本実施形態における内視鏡10Aで使用される撮像装置200Aの樹脂成形体240は、センサモジュール220とフレキシブル基板230との接続面、ならびにフレキシブル基板230の接続部231および延設部233全体を覆うように配設されている。樹脂成形体240の形成方法は特に限定されないが、例えば、センサモジュール220およびフレキシブル基板230を配置した金型内に、溶融した樹脂材料を注入して射出成形を行うことで樹脂成形体240を含むイメージセンサ部210を作製することができる。
【0055】
ケーブル250は、フレキシブル基板230の延設部233の遠位側に取り付けられることでイメージセンサ部210に接続しており、イメージセンサ部210から近位側に向かってシャフト20内に延在するように配置されている。ケーブル250は、シャフト20内では絶縁性部材により被覆された状態で延在しており、イメージセンサ部210に挿入される位置では筒状の保護部材251に内挿されてケーブル250およびイメージセンサ部210の強度を確保できるようになっている。
【0056】
本実施形態における撮像装置200Aでは、イメージセンサ部210の樹脂成形体240の近位側に凹部411、412が形成されている。凹部411は、樹脂成形体240の下面側に形成されており、凹部412は、樹脂成形体240の上面側に形成されている。凹部411、412は、例えば樹脂成形体240を含むイメージセンサ部210を作製した後に、樹脂成形体240を切削することで形成されてもよい。また、射出成形時に、凹部411、412を有する樹脂成形体240を作製するように準備された金型を使用して、イメージセンサ部210が作製されてもよい。
【0057】
イメージセンサ部210は、樹脂成形体240の近位側に凹部411、412が形成されることで、遠位側に配置されたセンサモジュール220よりも、近位側に配置された樹脂成形体240が細くなっている。
【0058】
例えば、本実施形態におけるセンサモジュール220は略直方体状であり、センサモジュール220の断面は矩形状となっている。樹脂成形体240は、センサモジュール220の近位端面220aに接続したフレキシブル基板230の接続部231を覆っており、樹脂成形体240の遠位側(接続部231を覆う位置)の断面は、センサモジュール220と同様に矩形状となっている。一方、樹脂成形体240の近位側の断面は、凹部411、412の形成により、樹脂成形体240の遠位側の断面よりも小さくなっている。
【0059】
本実施形態では、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240とによって構成されるイメージセンサ部210において、センサモジュール220の断面または樹脂成形体240の遠位側の断面が、イメージセンサ部210の断面積が最大となる断面である。そして、この断面積が最大となる断面を、イメージセンサ部210の最遠位端(
図7(a)~(c)に示すセンサモジュール220の遠位端220e)と最近位端(
図7(a)~(c)に示す樹脂成形体240の近位端240e)との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間S1を想定した場合、イメージセンサ部210は、この所定空間S1よりも凹部411、412において内側に凹んだ形状となっている。
【0060】
イメージセンサ部210を先端部100内に配設する際には、樹脂成形体240の下面側が、先端部100に形成された処置具チャンネル連通孔112と対向するように配置され、凹部411は処置具チャンネル連通孔112と近接する位置に配置される。イメージセンサ部210は、樹脂成形体240の下面側に形成された凹部411において所定空間S1よりも内側に凹んでいるので、
図6に示すように、凹部411において、処置具チャンネル連通孔112の湾曲部112aの一部を所定空間S1内に入り込むように配置することができる。
【0061】
これにより、樹脂成形体240に凹部411が形成されていない状態に比べて、凹部411によって形成された凹んだ空間の分だけ、イメージセンサ部210を近位側に配置することができるようになる。その結果、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Aの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Aの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0062】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。以下では、上述した第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、その説明を省略または簡略化することがある。
【0063】
図8および
図9を参照しながら、本発明の第2実施形態における内視鏡10Bの構成について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態における内視鏡10Bのシャフト20の遠位端部30および先端部100の内部構造を示す断面図である。
図9は、本発明の第2実施形態における内視鏡10Bの先端部100に配設される撮像装置200Bを示す図であり、
図9(a)は撮像装置200Bの断面図、
図9(b)は撮像装置200Bの上面図、
図9(c)は撮像装置200Bの下面図である。
図9(b)の上面図および
図9(c)の下面図は、
図9(a)の方向Uおよび方向Dからそれぞれ見た図であり、樹脂成形体240を透明化して樹脂成形体240の内部に配置されているケーブル250を図示している。
【0064】
第2実施形態における内視鏡10Bは、上述した第1実施形態の内視鏡10Aと対比した場合、撮像装置200Bの構造が相違しており、さらに、先端部100のイメージセンサ収容部122が、撮像装置200Bのイメージセンサ部210に適合した形状に形成されている点で相違している。
【0065】
本実施形態の内視鏡10Bの先端部100に配設される撮像装置200Bは、イメージセンサ部210と、イメージセンサ部210に接続したケーブル250とが一体に構成されている。
【0066】
イメージセンサ部210は、先端部100内に少なくとも一部または全体が配設されており、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240と、を備えて構成されている。イメージセンサ部210は、
図8に示すように先端部100のイメージセンサ収容部122内に収容されている。
【0067】
センサモジュール220の構成は、上述した第1実施形態における撮像装置200Aのセンサモジュール220と同様である。第2実施形態においても、センサモジュール220は、撮像機構を構成する固体撮像素子221を含んでおり、LED223が配設されている。さらに、センサモジュール220の近位端面220aには、フレキシブル基板230との電気接点が配置されている。
【0068】
フレキシブル基板230は、センサモジュール220の近位端面220aに接続される接続部231と、接続部231と延設部233とを接続する屈曲部232と、電気的な配線が配置された延設部233と、を備えて構成されている。フレキシブル基板230は、例えば1枚の板状部材を屈曲部232で略90°に折り曲げて形成されており、センサモジュール220に対向する面を構成する接続部231と、近位側に向かって延伸する延設部233とが屈曲部232を介して一体に構成されてもよい。また、接続部231と延設部233とを屈曲部232において接着または接合等によって繋いでもよい。
【0069】
第2実施形態では、接続部231と延設部233との間に介在する屈曲部232が接続部231の側辺(例えば、
図8に示す内視鏡10Bの上面側の側辺)に接続し、接続部231に対して略90°に折れ曲がるように形成されている。すなわち、フレキシブル基板230は側方から見てL字状となるように形成されている。
【0070】
延設部233は、その一端が接続部231の側辺に接続しており、近位側に向かって軸方向に延伸している。これにより、延設部233の近位端はイメージセンサ部210の断面の略中央部から偏った位置(上面側)に配置され、フレキシブル基板230の延設部233に取り付けられたケーブル250も、イメージセンサ部210の断面の略中央部から偏った位置から近位側に向かって延在している。
【0071】
上述した第1実施形態における撮像装置200Aでは、延設部233の近位端をイメージセンサ部210の断面の略中央部に位置させるために、フレキシブル基板230は、屈曲部232で鋭角に折れ曲がり、延設部233が接続部231の側辺から近位側に向かって斜め方向に延伸している。延設部233の近位端をイメージセンサ部210の断面の略中央部に位置させるためには、延設部233をある程度の長さにする必要がある。
【0072】
これに対して、第2実施形態における撮像装置200Bでは、フレキシブル基板230は、屈曲部232で略90°に折れ曲がり、延設部233が接続部231の側辺から近位側に向かって軸方向に延伸している。第2実施形態では、延設部233の近位端をイメージセンサ部210の断面の略中央部に位置させる必要がなく、このため、第1実施形態と比べて、延設部233の軸方向の長さを短くすることができる。
【0073】
樹脂成形体240は、フレキシブル基板230の少なくとも一部または全体を覆うように配設されている。第2実施形態では、撮像装置200Bの樹脂成形体240は、センサモジュール220とフレキシブル基板230との接続面、ならびにフレキシブル基板230の接続部231および延設部233全体を薄く覆うように配設されている。すなわち、樹脂成形体240は、フレキシブル基板230の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部245からなっており、側方から見た場合に、樹脂成形体240もL字状のフレキシブル基板230に沿ってL字状となるように形成されている。樹脂成形体240を所定の厚さ以下の薄膜部245で構成することで、フレキシブル基板230の外面全体をフレキシブル基板230に合わせた形状(例えば、側方から見てL字状)の樹脂成形体240で覆うことができる。
【0074】
樹脂成形体240の形成方法は特に限定されないが、例えば、センサモジュール220およびフレキシブル基板230を配置した金型内に、溶融した樹脂材料を注入して射出成形を行うことで樹脂成形体240を含むイメージセンサ部210を作製することができる。
【0075】
第2実施形態における撮像装置200Bでは、イメージセンサ部210の樹脂成形体240の近位側に凹部421が形成されている。凹部421は、L字状の樹脂成形体240の下面側に形成されており、樹脂成形体240の窪みを形成している。凹部421は、例えば薄膜部245の内面側に空間を形成している。
【0076】
凹部421は、例えば樹脂成形体240を含むイメージセンサ部210を作製した後に、樹脂成形体240を切削することで形成されてもよい。また、射出成形時に、凹部421を有する樹脂成形体240を作製するように準備された金型を使用して、イメージセンサ部210が作製されてもよい。
【0077】
イメージセンサ部210は、樹脂成形体240の近位側に凹部421が形成されることで、遠位側に配置されたセンサモジュール220よりも、近位側に配置された樹脂成形体240が細くなっている。
【0078】
例えば、本実施形態におけるセンサモジュール220は略直方体状であり、センサモジュール220の断面は矩形状となっている。樹脂成形体240は、センサモジュール220の近位端面220aに接続したフレキシブル基板230の接続部231を覆っており、樹脂成形体240の遠位側(接続部231を覆う位置)の断面は、センサモジュール220と同様に矩形状となっている。一方、樹脂成形体240の近位側の断面は、凹部421の形成により、樹脂成形体240の遠位側の断面よりも小さくなっている。
【0079】
本実施形態では、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240とによって構成されるイメージセンサ部210において、センサモジュール220の断面または樹脂成形体240の遠位側の断面が、イメージセンサ部210の断面積が最大となる断面である。そして、この断面積が最大となる断面を、イメージセンサ部210の最遠位端(
図9(a)~(c)に示すセンサモジュール220の遠位端220e)と最近位端(
図9(a)~(c)に示す樹脂成形体240の近位端240e)との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間S2を想定した場合、イメージセンサ部210は、この所定空間S2よりも凹部421において内側に凹んだ形状となっている。
【0080】
イメージセンサ部210を先端部100内に配設する際には、樹脂成形体240の下面側が、先端部100に形成された処置具チャンネル連通孔112と対向するように配置され、凹部421は処置具チャンネル連通孔112と近接する位置に配置される。イメージセンサ部210は、樹脂成形体240の下面側に形成された凹部421において所定空間S2よりも内側に凹んでいるので、
図8に示すように、凹部421において、処置具チャンネル連通孔112の湾曲部112aの一部を所定空間S2内に入り込むように配置することができる。
【0081】
これにより、樹脂成形体240に凹部421が形成されていない状態に比べて、凹部421によって形成された凹んだ空間の分だけ、イメージセンサ部210を近位側に配置することができるようになる。その結果、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Bの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Bの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0082】
さらに、第2実施形態における撮像装置200Bでは、フレキシブル基板230は、屈曲部232で略90°に折り曲げられており、延設部233が接続部231の側辺から近位側に向かって軸方向に延伸した構成となっており、第1実施形態と比べた場合に、延設部233の軸方向の長さを短くすることができる。このようにフレキシブル基板230の軸方向の長さを短くすることで、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Bの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Bの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0083】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。以下では、上述した第1および第2実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、その説明を省略または簡略化することがある。
【0084】
図10および
図11を参照しながら、本発明の第3実施形態における内視鏡10Cの構成について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態における内視鏡10Cのシャフト20の遠位端部30および先端部100の内部構造を示す断面図である。
図11は、本発明の第3実施形態における内視鏡10Cの先端部100に配設される撮像装置200Cを示す図であり、
図11(a)は撮像装置200Cの断面図、
図11(b)は撮像装置200Cの上面図、
図11(c)は撮像装置200Cの下面図である。
図11(b)の上面図および
図11(c)の下面図は、
図11(a)の方向Uおよび方向Dからそれぞれ見た図であり、樹脂成形体240を透明化して樹脂成形体240の内部に配置されているケーブル250を図示している。
【0085】
第3実施形態における内視鏡10Cは、上述した第2実施形態の内視鏡10Bと対比した場合、支持部435a、435bが設けられている点で相違しており、さらに、先端部100のイメージセンサ収容部122が、撮像装置200Cの支持部435a、435bが設けられたイメージセンサ部210に適合した形状に形成されている点で相違している。
【0086】
第3実施形態における撮像装置200Cでは、上述した第2実施形態と同様に、フレキシブル基板230の屈曲部232が略90°に折れ曲がっており、フレキシブル基板230は側方から見てL字状となるように形成されている。上述した第2実施形態と同様に、樹脂成形体240は、フレキシブル基板230の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部245からなっており、側方から見た場合に、樹脂成形体240もL字状のフレキシブル基板230に沿ってL字状となるように形成されている。
【0087】
第3実施形態では、側方から見てL字状に形成された樹脂成形体240の2つの面、すなわち、接続部231を覆う薄膜部245により形成された面、および延設部233を覆う薄膜部245により形成された面の間に、2つの支持部435a、435bが設けられている。
【0088】
2つの支持部435a、435bは、接続部231を覆う薄膜部245により形成された面、およびフレキシブル基板230の延設部233を覆う薄膜部245により形成された面の両方の面に接するように配置されており、L字状に形成された樹脂成形体240の2つの面を支持する役割を有している。2つの支持部435a、435bは、L字状に形成された樹脂成形体240の2つの面にそれぞれ接するように配置されればよく、その形状は特に限定されないが、例えば当該2つの面の筋交いの位置に斜辺が配置される直角三角形状にすることができる。
【0089】
2つの支持部435a、435bは、幅方向に離隔して配置されている。例えば
図11(c)に示すように、一方の支持部435aをイメージセンサ部210の一方の側面側(
図11(c)の上側)に配置し、他方の支持部435bをイメージセンサ部210の他方の側面側(
図11(c)の下側)に配置することで、2つの支持部435a、435bを幅方向に離隔させて、2つの支持部435a、435bの間に隙間を形成することができる。2つの支持部435a、435bのそれぞれの幅方向の長さ(厚さ)は特に限定されない。
【0090】
2つの支持部435a、435bの材料は特に限定されないが、樹脂成形体240と同一の材料を用いることができる。2つの支持部435a、435bは、例えば支持部435a、435bとなる部材を別途準備して、上述した第2実施形態における撮像装置200Bに対して接着することで設けられてもよい。また、例えば樹脂成形体240を含むイメージセンサ部210を作製した後に、樹脂成形体240を切削することで2つの支持部435a、435bが形成されてもよく、射出成形時に2つの支持部435a、435bを有する樹脂成形体240を作製するように準備された金型を使用して、イメージセンサ部210が作製されてもよい。
【0091】
上述した第2実施形態における撮像装置200Bでは、側方から見てL字状に形成されたフレキシブル基板230および樹脂成形体240に何らかの負荷が掛かった場合に、フレキシブル基板230の屈曲部232近傍に応力が集中する可能性がある。これに対して、第3実施形態では、接続部231を覆う薄膜部245により形成された面、および延設部233を覆う薄膜部245により形成された面の間に2つの支持部435a、435bを設けて、これら2つの面を2つの支持部435a、435bによって補強することができるようになっており、屈曲部232近傍への応力集中を抑制してイメージセンサ部210の破断を防ぐことができる。
【0092】
さらに、第3実施形態における撮像装置200Cでは、イメージセンサ部210の樹脂成形体240の近位側に凹部431が形成されている。凹部431は、L字状の樹脂成形体240の下面側に形成されており、樹脂成形体240の窪みを形成している。凹部431は、例えば薄膜部245の内面側や2つの支持部435a、435bの間に空間を形成している。
【0093】
イメージセンサ部210は、樹脂成形体240の近位側に凹部431が形成されることで、遠位側に配置されたセンサモジュール220よりも、近位側に配置された樹脂成形体240が細くなっている。
【0094】
例えば、本実施形態におけるセンサモジュール220は略直方体状であり、センサモジュール220の断面は矩形状となっている。また、樹脂成形体240は、センサモジュール220の近位端面220aに接続したフレキシブル基板230の接続部231を覆っており、樹脂成形体240の遠位側(接続部231を覆う位置)の断面は、センサモジュール220と同様に矩形状となっている。一方、樹脂成形体240の近位側の断面は、凹部431の形成により、樹脂成形体240の遠位側の断面よりも小さくなっている。
【0095】
本実施形態では、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240とによって構成されるイメージセンサ部210において、センサモジュール220の断面または樹脂成形体240の遠位側の断面が、イメージセンサ部210の断面積が最大となる断面である。そして、この断面積が最大となる断面を、イメージセンサ部210の最遠位端(
図11(a)~(c)に示すセンサモジュール220の遠位端220e)と最近位端(
図11(a)~(c)に示す樹脂成形体240の近位端240e)との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間S3を想定した場合、イメージセンサ部210は、この所定空間S3よりも凹部431において内側に凹んだ形状となっている。
【0096】
イメージセンサ部210を先端部100内に配設する際には、樹脂成形体240の下面側が、先端部100に形成された処置具チャンネル連通孔112と対向するように配置され、凹部431は処置具チャンネル連通孔112と近接する位置に配置される。イメージセンサ部210は、樹脂成形体240の下面側に形成された凹部431において所定空間S3よりも内側に凹んでいるので、
図10に示すように、凹部431において、処置具チャンネル連通孔112の湾曲部112aの一部を所定空間S3内に入り込むように配置することができる。特に、凹部431は2つの支持部435a、435bの間に形成されている隙間を有しており、2つの支持部435a、435bの間の隙間に処置具チャンネル連通孔112の湾曲部112aを配置することができるようになっている。
【0097】
これにより、樹脂成形体240に凹部431が形成されていない状態に比べて、凹部431によって形成された凹んだ空間の分だけ、イメージセンサ部210を近位側に配置することができるようになる。その結果、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Cの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Cの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0098】
さらに、第3実施形態における撮像装置200Cでは、フレキシブル基板230は、屈曲部232で略90°に折り曲げられており、延設部233が接続部231の側辺から近位側に向かって軸方向に延伸した構成となっており、第1実施形態と比べた場合に、延設部233の軸方向の長さを短くすることができる。このようにフレキシブル基板230の軸方向の長さを短くすることで、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Cの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Cの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0099】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。以下では、上述した第1~第3実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、その説明を省略または簡略化することがある。
【0100】
図12および
図13を参照しながら、本発明の第4実施形態における内視鏡10Dの構成について説明する。
図12は、本発明の第4実施形態における内視鏡10Dのシャフト20の遠位端部30および先端部100の内部構造を示す断面図である。
図13は、本発明の第4実施形態における内視鏡10Dの先端部100に配設される撮像装置200Dを示す図であり、
図13(a)は撮像装置200Dの断面図、
図13(b)は撮像装置200Dの上面図、
図13(c)は撮像装置200Dの下面図である。
図13(b)の上面図および
図13(c)の下面図は、
図13(a)の方向Uおよび方向Dからそれぞれ見た図であり、樹脂成形体240を透明化して樹脂成形体240の内部に配置されているケーブル250を図示している。
【0101】
第4実施形態における内視鏡10Dは、上述した第3実施形態の内視鏡10Cと対比した場合、支持部445の個数とその配置位置で相違しており、さらに、先端部100のイメージセンサ収容部122が、撮像装置200Dの支持部445が設けられたイメージセンサ部210に適合した形状に形成されている点で相違している。
【0102】
第4実施形態における撮像装置200Dでは、上述した第2および第3実施形態と同様に、フレキシブル基板230の屈曲部232が略90°に折れ曲がっており、フレキシブル基板230は側方から見てL字状となるように形成されている。また、上述した第2および第3実施形態と同様に、樹脂成形体240は、フレキシブル基板230の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部245からなっており、側方から見た場合に、樹脂成形体240もL字状のフレキシブル基板230に沿ってL字状となるように形成されている。
【0103】
第4実施形態では、側方から見てL字状に形成された樹脂成形体240の2つの面、すなわち、接続部231を覆う薄膜部245により形成された面、および延設部233を覆う薄膜部245により形成された面の間に、1つの支持部445が設けられている。
【0104】
支持部445は、接続部231を覆う薄膜部245により形成された面、およびフレキシブル基板230の延設部233を覆う薄膜部245により形成された面の両方の面に接するように配置されており、L字状に形成された樹脂成形体240の2つの面を支持する役割を有している。支持部445は、L字状に形成された樹脂成形体240の2つの面にそれぞれ接するように配置されればよく、その形状は特に限定されないが、例えば当該2つの面の筋交いの位置に斜辺が配置される直角三角形状にすることができる。
【0105】
支持部445は、
図13(c)に示すように、幅方向の略中央部に配置されている。ただし、支持部445は、イメージセンサ部210の一方または他方の側面側に偏って配置されてもよい。支持部445の幅方向の長さ(厚さ)は特に限定されないが、支持部445の幅方向の長さ(厚さ)を短くすることで、支持部445の側方に隙間を形成することができる。支持部445の材料は特に限定されないが、樹脂成形体240と同一の材料を用いることができる。支持部445は、例えば支持部445となる部材を別途準備して、上述した第2実施形態における撮像装置200Bに対して接着することで設けられてもよい。また、例えば樹脂成形体240を含むイメージセンサ部210を作製した後に、樹脂成形体240を切削することで支持部445が形成されてもよく、射出成形時に、支持部445を有する樹脂成形体240を作製するように準備された金型を使用して、イメージセンサ部210が作製されてもよい。
【0106】
第4実施形態で設けた支持部445は、上述した第3実施形態で設けた2つの支持部435a、435bと同様に、接続部231を覆う薄膜部245により形成された面、および延設部233を覆う薄膜部245により形成された面の2つの面を支持して補強する役割を有している。支持部445を設けることで、屈曲部232近傍への応力集中を抑制してイメージセンサ部210の破断を防ぐことができる。
【0107】
さらに、第4実施形態における撮像装置200Dでは、イメージセンサ部210の樹脂成形体240の近位側に凹部441が形成されている。凹部441は、L字状の樹脂成形体240の下面側に形成されており、樹脂成形体240の窪みを形成している。凹部441は、例えば薄膜部245の内面側および支持部445の周囲に空間を形成している。
【0108】
イメージセンサ部210は、樹脂成形体240の近位側に凹部441が形成されることで、遠位側に配置されたセンサモジュール220よりも、近位側に配置された樹脂成形体240が細くなっている。
【0109】
例えば、本実施形態におけるセンサモジュール220は略直方体状であり、センサモジュール220の断面は矩形状となっている。また、樹脂成形体240は、センサモジュール220の近位端面220aに接続したフレキシブル基板230の接続部231を覆っており、樹脂成形体240の遠位側(接続部231を覆う位置)の断面は、センサモジュール220と同様に矩形状となっている。一方、樹脂成形体240の近位側の断面は、凹部441の形成により、樹脂成形体240の遠位側の断面よりも小さくなっている。
【0110】
本実施形態では、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240とによって構成されるイメージセンサ部210において、センサモジュール220の断面または樹脂成形体240の遠位側の断面が、イメージセンサ部210の断面積が最大となる断面である。そして、この断面積が最大となる断面を、イメージセンサ部210の最遠位端(
図13(a)~(c)に示すセンサモジュール220の遠位端220e)と最近位端(
図13(a)~(c)に示す樹脂成形体240の近位端240e)との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間S4を想定した場合、イメージセンサ部210は、この所定空間S4よりも凹部441において内側に凹んだ形状となっている。
【0111】
イメージセンサ部210を先端部100内に配設する際には、樹脂成形体240の下面側が、先端部100に形成された処置具チャンネル連通孔112と対向するように配置され、凹部441は処置具チャンネル連通孔112と近接する位置に配置される。イメージセンサ部210は、樹脂成形体240の下面側に形成された凹部441において所定空間S4よりも内側に凹んでいるので、
図12に示すように、凹部441において、処置具チャンネル連通孔112の湾曲部112aの一部を所定空間S4内に入り込むように配置することができる。特に、例えば幅方向の略中央部に配置された支持部445の幅方向の長さ(厚さ)を短くすることで、支持部445の側方に隙間を形成することができ、この支持部445の側方の隙間に処置具チャンネル連通孔112の湾曲部112aを配置することができるようになっている。
【0112】
これにより、樹脂成形体240に凹部441が形成されていない状態に比べて、凹部441によって形成された凹んだ空間の分だけ、イメージセンサ部210を近位側に配置することができるようになる。その結果、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Dの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Dの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0113】
さらに、第4実施形態における撮像装置200Dでは、フレキシブル基板230は、屈曲部232で略90°に折り曲げられており、延設部233が接続部231の側辺から近位側に向かって軸方向に延伸した構成となっており、第1実施形態と比べた場合に、延設部233の軸方向の長さを短くすることができる。このようにフレキシブル基板230の軸方向の長さを短くすることで、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Dの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Dの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0114】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。以下では、上述した第1~第4実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、その説明を省略または簡略化することがある。
【0115】
図14および
図15を参照しながら、本発明の第5実施形態における内視鏡10Eの構成について説明する。
図14は、本発明の第5実施形態における内視鏡10Eのシャフト20の遠位端部30および先端部100の内部構造を示す断面図である。
図15は、本発明の第5実施形態における内視鏡10Eの先端部100に配設される撮像装置200Eを示す図であり、
図15(a)は第1の例の撮像装置200Eの断面図、
図15(b)は第2の例の撮像装置200Eの断面図である。
【0116】
第5実施形態における内視鏡10Eは、上述した第1実施形態の内視鏡10Aと対比した場合、撮像装置200Eの構造が相違しており、さらに、先端部100のイメージセンサ収容部122が、撮像装置200Eのイメージセンサ部210に適合した形状に形成されている点で相違している。
【0117】
本実施形態の内視鏡10Eの先端部100に配設される撮像装置200Eは、イメージセンサ部210と、イメージセンサ部210に接続したケーブル250とが一体に構成されている。
【0118】
イメージセンサ部210は、先端部100内に少なくとも一部または全体が配設されており、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240と、を備えて構成されている。イメージセンサ部210は、
図14に示すように先端部100のイメージセンサ収容部122内に収容されている。
【0119】
センサモジュール220の構成は、上述した第1実施形態における撮像装置200Aのセンサモジュール220と同様である。第5実施形態においても、センサモジュール220は、撮像機構を構成する固体撮像素子221を含んでおり、LED223が配設されている。さらに、センサモジュール220の近位端面220aには、フレキシブル基板230との電気接点が配置されている。
【0120】
第5実施形態では、フレキシブル基板230は、センサモジュール220の近位端面220aに接続される接続部231と、電気的な配線が配置された延設部233と、を備えて構成されている。接続部231と延設部233との接続方法は特に限定されないが、図示されている構成では、折れ曲がった形状の屈曲部232が接続部231と延設部233との間に介在している。
【0121】
フレキシブル基板230は、近位側に延伸する延設部233が柔軟に変形可能な構成となっている。例えば
図15(a)に示すように、延設部233は、屈曲部232を介して接続部231に接続した遠位端から近位側に向かって波状に延伸するように形成されてもよい。あるいは、例えば
図15(b)に示すように、延設部233は、屈曲部232を介して接続部231に接続した遠位端から近位側に向かって螺旋状に延伸するように形成されてもよい。
【0122】
フレキシブル基板230は、例えば1枚の板状部材を屈曲部232で折り曲げるとともに、さらに延設部233において板状部材が上下に波打ちながら、または螺旋状に旋回しながら近位側へ延伸するように形成されており、センサモジュール220に対向する面を構成する接続部231と、近位側に向かって延伸する延設部233とが屈曲部232を介して一体に構成されてもよい、また、接続部231と延設部233とを接着または接合等によって繋いでもよい。
【0123】
樹脂成形体240は、フレキシブル基板230の少なくとも接続部231を覆うように配設されている。第5実施形態では、撮像装置200Eの樹脂成形体240は、センサモジュール220とフレキシブル基板230との接続面および接続部231全体と、延設部233の遠位側の一部を覆うように配設されている。
【0124】
樹脂成形体240の形成方法は特に限定されないが、例えば、センサモジュール220およびフレキシブル基板230を配置した金型内に、溶融した樹脂材料を注入して射出成形を行うことで樹脂成形体240を含むイメージセンサ部210を作製することができる。
【0125】
第5実施形態における撮像装置200Eでは、フレキシブル基板230の延設部233の近位側の一部は、樹脂成形体240に覆われていない露出部234を有している。露出部234は、例えばフレキシブル基板230の延設部233全体を樹脂成形体240で覆った後に、樹脂成形体240を切削することで形成されてもよい。また、射出成形時に、延設部233の近位側の一部に樹脂成形体240を設けないようにしてもよい。
【0126】
イメージセンサ部210は、フレキシブル基板230の近位側に露出部234が設けられていることで、遠位側に配置されたセンサモジュール220よりも近位側が細くなっている。
【0127】
例えば、本実施形態におけるセンサモジュール220は略直方体状であり、センサモジュール220の断面は矩形状となっている。また、樹脂成形体240は、センサモジュール220の近位端面220aに接続したフレキシブル基板230の接続部231を覆っており、樹脂成形体240の遠位側(接続部231を覆う位置)の断面は、センサモジュール220と同様に矩形状となっている。一方、樹脂成形体240の近位側に存在するフレキシブル基板230の露出部234によって、イメージセンサ部210の近位側の断面は、センサモジュール220の断面や樹脂成形体240の遠位側の断面よりも小さくなっている。
【0128】
本実施形態では、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240とによって構成されるイメージセンサ部210において、センサモジュール220の断面または樹脂成形体240の遠位側の断面が、イメージセンサ部210の断面積が最大となる断面である。そして、この断面積が最大となる断面を、イメージセンサ部210の最遠位端(
図15(a)、(b)に示すセンサモジュール220の遠位端220e)と最近位端(
図15(a)、(b)に示すフレキシブル基板230の近位端230e)との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間S5を想定した場合、イメージセンサ部210は、この所定空間S5よりも露出部234において内側に凹んだ形状となっている。
【0129】
イメージセンサ部210を先端部100内に配設する際には、フレキシブル基板230の露出部234の下面側が、先端部100に形成された処置具チャンネル連通孔112と対向するように配置され、露出部234は処置具チャンネル連通孔112と近接する位置に配置される。イメージセンサ部210は、露出部234の下面側において所定空間S5よりも内側に凹んでいるので、
図14に示すように、露出部234の近傍において、処置具チャンネル連通孔112の湾曲部112aの一部を所定空間S5内に入り込むように配置することができる。
【0130】
これにより、樹脂成形体240に露出部234が形成されていない状態に比べて、露出部234によって形成された凹んだ空間の分だけ、イメージセンサ部210を近位側に配置することができるようになる。その結果、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Eの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Eの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0131】
さらに、第5実施形態における撮像装置200Eでは、フレキシブル基板230の延設部233は、波状または螺旋状に形成されており、バネのような柔軟性を有している。これにより、柔軟な延設部233をシャフト20の内部に形成された管腔に挿入して可動領域Rmに配置することができるようになり、延設部233をシャフト20の内部に挿入した分だけ、イメージセンサ部210を近位側に配置することができるようになる。その結果、先端部100の軸方向の長さを短くすることができ、内視鏡10Eの径を太くすることなく細径を維持したまま、内視鏡10Eの遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができる。
【0132】
以下、上述した第1~第5実施形態における内視鏡10A~10Eの作用について説明する。
【0133】
第1~第5実施形態における内視鏡10A~10Eは、可撓性のシャフト20と、操作ワイヤW1、W2、W3、W4と、操作装置70と、先端部100と、イメージセンサ部210と、ケーブル250と、を備えている。
【0134】
シャフト20の内部には、軸方向に沿って処置具チャンネル21aが形成されている。操作ワイヤW1、W2、W3、W4は、シャフト20を屈曲操作可能とするためにシャフト20の遠位端部に取り付けられており、シャフト20に沿って延在している。操作装置70は、シャフト20の近位端に固定されるとともに操作ワイヤW1、W2、W3、W4の近位端部と接続している。
【0135】
先端部100はシャフト20の遠位端に取り付けられており、処置具チャンネル開口部111および撮像開口部121が遠位端に形成されているとともに、処置具チャンネル開口部111とシャフト20の遠位端に開口する処置具チャンネル21aとを連通する処置具チャンネル連通孔112が形成されている。
【0136】
イメージセンサ部210は、センサモジュール220と、フレキシブル基板230と、樹脂成形体240とにより構成されている。センサモジュール220は、先端部100内に少なくとも一部または全体が配設されており、撮像開口部121を通じて受光する固体撮像素子221を含んでいる。フレキシブル基板230は、センサモジュール220に接続する電気的な配線が形成されている。樹脂成形体240は、フレキシブル基板230の少なくとも一部または全体を覆っている。また、ケーブル250は、フレキシブル基板230に取り付けられており、シャフト20に沿って延在している。
【0137】
第1~第5実施形態における内視鏡10A~10Eのいずれにおいても、処置具チャンネル連通孔112の少なくとも一部が、イメージセンサ部210において断面積が最大となる断面をイメージセンサ部210の最遠位端と最近位端との間にわたって軸方向に走査することで画定される所定空間S1~S5内に配置されている。第1~第4実施形態における内視鏡10A~10Dの所定空間S1~S4を画定するイメージセンサ部210の最遠位端および最近位端は、それぞれセンサモジュール220の遠位端220eおよび樹脂成形体240の近位端240eである。第5実施形態における内視鏡10Eの所定空間S5を画定するイメージセンサ部210の最遠位端および最近位端は、それぞれセンサモジュール220の遠位端220eおよびフレキシブル基板230の近位端230eである。
【0138】
上述の構成によれば、内視鏡10A~10Eの先端部100において、シャフト20内に形成された処置具チャンネル21aの延長線上に重なるようにイメージセンサ部210を配設して、湾曲部112aを有する処置具チャンネル連通孔112を形成した場合であっても、イメージセンサ部210によって画定される所定空間S1~S5の内側に処置具チャンネル連通孔112を配置することができるので、内視鏡10A~10Eの細径を維持しながら遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができ、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡10A~10Eを提供することができる。
【0139】
また、第1実施形態における内視鏡10Aのように、フレキシブル基板230が、センサモジュール220の近位端面220aに接続する接続部231と、接続部231に接続して接続部231の側辺から鋭角に折れ曲がる屈曲部232と、一端が屈曲部232に接続して近位側に延伸し、他端がイメージセンサ部210の断面の略中央部に配置された延設部233と、により構成されており、樹脂成形体240が、フレキシブル基板230を覆うように配設されているとともに、処置具チャンネル連通孔112と近接する位置において、所定空間S1よりも内側に凹んだ凹部411を有しており、処置具チャンネル連通孔112の一部が、凹部411において所定空間S1内に入り込むように設けられていてもよい。
【0140】
上記の構成によれば、イメージセンサ部210によって画定される所定空間S1よりも内側に凹むように形成された凹部411に処置具チャンネル連通孔112を配置することができるので、内視鏡10Aの細径を維持しながら遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができ、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡10Aを提供することができる。
【0141】
また、第2~第4実施形態における内視鏡10B~10Dのように、フレキシブル基板230が、センサモジュール220の近位端面220aに接続する接続部231と、接続部231に接続して接続部231の側辺から略90°に折れ曲がる屈曲部232と、一端が屈曲部232に接続して近位側に略軸方向に延伸する延設部233と、により構成されており、樹脂成形体240が、フレキシブル基板230を覆うように配設されているとともに、処置具チャンネル連通孔112と近接する位置において、所定空間S2~S4よりも内側に凹んだ凹部421、431、441を有しており、処置具チャンネル連通孔112の一部が、凹部421、431、441において所定空間S2~S4内に入り込むように設けられていてもよい。
【0142】
上記の構成によれば、フレキシブル基板230の軸方向の長さを短くできるとともに、イメージセンサ部210によって画定される所定空間S2~S4よりも内側に凹むように形成された凹部421、431、441に処置具チャンネル連通孔112を配置することができるので、内視鏡10B~10Dの細径を維持しながら遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができ、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡10B~10Dを提供することができる。
【0143】
また、第2実施形態における内視鏡10Bのように、樹脂成形体240が、フレキシブル基板230の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部245からなってもよい。
【0144】
上記の構成によれば、樹脂成形体240をフレキシブル基板230の形状に合わせた形状にして、イメージセンサ部210に確実に凹部421を形成することができる。
【0145】
また、第3および第4実施形態における内視鏡10C、10Dのように、樹脂成形体240が、フレキシブル基板230の外面全体を所定の厚さ以下で覆う薄膜部245と、フレキシブル基板230の接続部231および延設部233を支持するように設けられた支持部435a、435b、445と、からなってもよい。第3実施形態における内視鏡10Cでは、支持部435a、435bは、一例として幅方向の側面側にそれぞれ設けられており、第4実施形態における内視鏡10Dでは、支持部445は、一例として幅方向の略中央部に設けられている。
【0146】
上記の構成によれば、樹脂成形体240をフレキシブル基板230の形状に合わせた形状にして、イメージセンサ部210に確実に凹部431、441を形成することができるとともに、フレキシブル基板230の接続部231および延設部233を支持部435a、435b、445により支持してイメージセンサ部210の強度を向上させることができる。
【0147】
また、第5実施形態における内視鏡10Eのように、フレキシブル基板230が、センサモジュール220の近位端面220aに接続する接続部231と、接続部231に接続して近位側に波状または螺旋状に延伸し、近位側の一部が樹脂成形体240に覆われていない露出部234を有する延設部233と、により構成されており、樹脂成形体240が、少なくとも接続部231を覆うように配設されており、処置具チャンネル連通孔112の一部が、露出部234の近傍において所定空間S5内に入り込むように設けられていてもよい。
【0148】
上記の構成によれば、波状または螺旋状にすることで柔軟性を備えたフレキシブル基板230を実現するとともに、樹脂成形体240に覆われていない露出部234をフレキシブル基板230の近位側の一部に設けて、当該露出部234の近傍に処置具チャンネル連通孔112を配置することができるので、内視鏡10Eの細径を維持しながら遠位端部に位置する非可動領域Rnの軸方向の長さを短くすることができ、急峻に屈曲可能な操作性に優れた内視鏡10Eを提供することができる。
【0149】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであり、本発明を限定するものではない。上述した実施形態に開示された各構成要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。また、各実施形態で説明した各構成要素を適宜組み合わせて得られる構成も本発明に包含される。
【符号の説明】
【0150】
10A、10B、10C、10D、10E、10z 内視鏡
20、20z シャフト
20a 遠位端面
21、22 チューブ部材
21a、21az 処置具チャンネル
25、251 保護部材
30 遠位端部
70 操作装置
71 鉗子チャンネルポート
72 送水ポート
73 吸引ポート
75 アングルノブ
80 コネクタ部
90 アダプタ
100、100z 先端部
100a、220a 近位端面
111、111z 処置具チャンネル開口部
112、112z 処置具チャンネル連通孔
112a、112az 湾曲部
121 撮像開口部
122 イメージセンサ収容部
131 送水チャンネル開口部
200A、200B、200C、200D、200E、200z 撮像装置
210、210z イメージセンサ部
220、220z センサモジュール
220e 遠位端
221、221z 固体撮像素子
222 撮像面(受光面)
223 LED
230、230z フレキシブル基板
230e 近位端
231 接続部
232 屈曲部
233 延設部
234 露出部
240、240z 樹脂成形体
240e 近位端
245 薄膜部
250 ケーブル
411、412、421、431、441 凹部
435a、435b、445 支持部
Rm、Rmz 可動領域
Rn、Rnz 非可動領域
S1、S2、S3、S4、S5 所定空間
W1、W1a、W1b、W2、W2a、W2b、W3、W3a、W3b、W4、W4a、W4b 操作ワイヤ
W1m、W3m 中間点