(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146787
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】CO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
C04B 28/02 20060101AFI20241004BHJP
C04B 40/02 20060101ALI20241004BHJP
C04B 18/10 20060101ALI20241004BHJP
C04B 18/08 20060101ALI20241004BHJP
C04B 18/14 20060101ALI20241004BHJP
B09B 3/30 20220101ALI20241004BHJP
B09B 101/30 20220101ALN20241004BHJP
【FI】
C04B28/02
C04B40/02
C04B18/10 Z
C04B18/10 A
C04B18/08 Z
C04B18/14 A
C04B18/14 F
B09B3/30
B09B101:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024032713
(22)【出願日】2024-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2023059643
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】大村 昂平
(72)【発明者】
【氏名】大西 雄大
【テーマコード(参考)】
4D004
4G112
【Fターム(参考)】
4D004AA36
4D004AB03
4D004BA02
4D004CC01
4G112PA26
4G112PA27
4G112PA29
4G112RA02
4G112RA05
(57)【要約】
【課題】 水が介在する効率的な炭酸化条件においても、CO
2を多量に排出しないプロセスにて、最終的に得られるCO
2が固定化された製造物を含水率が小さく、汎用性の高い状態で得ること。
【解決手段】 カルシウム含有組成物と水とを混合した混合物に、CO
2を含むガスを接触させることで、CO
2を固定化したカルシウム含有組成物を製造する。反応装置へ、カルシウム含有組成物と、液体の水と、温度が20℃以上300℃以下でかつCO
2濃度が1体積%以上100体積%以下のCO
2含有ガス、とを供給する。供給したCO
2含有ガスによりカルシウム含有組成物と水を流動させる、もしくはカルシウム含有組成物と水を攪拌することにより、カルシウム含有組成物へCO
2を固定化すると同時にカルシウム含有組成物を乾燥し、含水率が5質量%以下のCO
2固定型カルシウム含有組成物を製造する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルシウム含有組成物と水とを混合した混合物に、CO2を含むガスを接触させることで、CO2を固定化したカルシウム含有組成物を製造する方法であって、
反応装置へ、カルシウム含有組成物と、液体の水と、温度が20℃以上300℃以下でかつCO2濃度が1体積%以上100体積%以下のCO2含有ガス、とを供給し、
供給したCO2含有ガスによりカルシウム含有組成物と前記水を流動させる、もしくはカルシウム含有組成物と前記水を攪拌することにより、カルシウム含有組成物へCO2を固定化すると同時にカルシウム含有組成物を乾燥し、
含水率が5質量%以下のCO2固定型カルシウム含有組成物を製造することを特徴とする、
CO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項2】
カルシウム含有組成物が、灰、スラグ、および汚泥から成る群の少なくとも一員であることを特徴とする請求項1記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項3】
乾燥状態のカルシウム含有組成物100質量部に対する水の混合量が10質量部以上であることを特徴とする、請求項1記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項4】
乾燥状態のカルシウム含有組成物100質量部に対する水の混合量が10質量部以上30質量部以下であることを特徴とする、請求項3記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項5】
CO2含むガスの温度が60℃以上であることを特徴とする、請求項1記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項6】
CO2含むガスの温度が100℃以上であることを特徴とする、請求項5記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項7】
含水率が1質量%以下のCO2固定型カルシウム含有組成物を製造することを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項8】
前記反応装置が流動層式反応装置であることを特徴とする、請求項7記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項9】
CO2を含むガスがセメントクリンカー製造設備から抽気したガスであることを特徴とする、請求項1記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項10】
CO2を含むガスが火力発電設備から抽気したガスであることを特徴とする、請求項1記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項11】
製造したCO2固定型カルシウム含有組成物を、5質量%以下の濃度になるように、セメント中に混合することを特徴とする、請求項1記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項12】
製造したCO2固定型カルシウム含有組成物を、コンクリート混合材として使用することを特徴とする、請求項1記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項13】
前記液体の水にアンモニアを混合することを特徴とする、請求項1記載のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法。
【請求項14】
カルシウム含有組成物と水とを混合した混合物に、CO2を含むガスを接触させることで、CO2を固定化したカルシウム含有組成物を製造する製造装置であって、
カルシウム含有組成物を貯蔵するための貯蔵設備と、
カルシウム含有組成物を流動層反応装置に供給するための定量供給装置と、
流動層反応装置に供給される前のカルシウム含有組成物に水を混合するための注水装置と、
カルシウム含有組成物の炭酸化反応を実施するための流動層反応装置と、
CO2を含むガスを流動層反応装置に供給するための送風装置と、
排ガスに含まれる粉塵を回収するための集塵装置と、
排ガスを吸引するための送風装置、とを備えることを特徴とする、CO2固定型カルシウム含有組成物の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法と製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CO2は温室効果ガスであることから、地球温暖化への影響を有することが知られている。近年、先進国を中心に世界中でCO2排出量削減が求められており、そのためにはCO2発生量を低減したり、一旦発生したCO2を回収して有効利用したりすることが必要である。産業分野では特に火力発電所やセメント製造工場からのCO2排出量が比較的多く、これらの設備を対象に、化石燃料の使用量を減らしてCO2の排出量を低減するための試みや、排ガスからCO2を回収するための試み、そして回収したCO2を固定化するための試みが多々行われている。
【0003】
CO2を回収、固定化する試みとして、例えば特許文献1には効果的にCO2をコンクリート中に固定化する技術が記載されている。当該技術では、セメントの水和時に生成する水酸化カルシウムと添加されたCO2との反応によって炭酸カルシウムが生成することで、CO2が固定化されると記載されている。
【0004】
また、特許文献2にはCO2を短い時間で固定化できる建設材料の製造方法が記載されている。具体的には、石炭灰などのアルカリ性固体を可搬式コンテナ等の容器に入れ、この容器に炭酸ガスを導入してアルカリ性固体物を炭酸化することで、従来のコンクリートに二酸化炭素を接触させる場合と比較して、速やかに炭酸化が進行すると記載されている。石炭灰や焼却灰などのアルカリ性固体物に含まれる酸化カルシウム等のカルシウム成分が炭酸化し、炭酸カルシウムが生成すると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-37493号公報
【特許文献2】特開2021-155270号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】環境工学研究論文集・第41巻・2004(49)焼却灰有効利用 のための炭酸化による重金属の不溶化に関する基礎的研究
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
カルシウム成分を炭酸化して炭酸カルシウムとしてCO2を固定する試みは多々行われており、炭酸化反応を効率的に行うためにはカルシウムとCO2との反応に水が介在することが重要である。これは、水が介在することで、カルシウム成分と水とが反応して、炭酸化反応が進行しやすい水酸化カルシウムの形に、カルシウム成分が変化するためであると考えられる。そして、水酸化カルシウムはCO2と反応して炭酸カルシウムへと変化する。カルシウム成分が酸化カルシウムであった場合の化学反応式を例示すると、式(1)(2)となる。
【0008】
式(1) CaO+H2O→Ca(OH)2
式(2) Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
【0009】
例えば、非特許文献1には、焼却灰に含まれる鉛の不溶化を目的として、炭酸化を適用した例が記載されている。当該文献では、焼却灰の含水率を10~20質量%とした際に、多くのCO2が固定化されることが記載されている。しかしながら、CO2の固定化反応に水が必要である場合、最終的に得られる製造物に水が残存してしまうことが問題である。例えば、セメントに当該製造物を混合して使用する場合、セメントは水と接触すると反応してしまうので、実用上好ましくない。さらに、コンクリート製造時に混合する場合を例にとると、コンクリートの製造ではセメントや骨材と同時に水を混ぜるため、水が存在すること自体は問題ないが、含水率がいくらであるかが正確に把握できていないと、当該製造物から持ち込まれる水の量がわからないため、コンクリートの配合設計が不可能である。また、含水率は当該製造物の保管状態や、天候などの様々な条件によって変化するため、正確に管理することは困難である。このような理由から、当該製造物に水が含まれていることは、その後の利用に関して制限が設けられてしまい汎用性が低くなってしまう。
【0010】
一方、含水した当該製造物を乾燥するために別途乾燥工程を設けると、そのためのエネルギーが必要となり、例えば乾燥のための熱源に化石燃料を使用すればCO2が発生するため、なおさら好ましくない。さらに、反応設備と乾燥設備の双方が必要となり、プロセスが複雑化してしまう。
【0011】
従って本発明の課題は、水が介在する効率的な炭酸化条件においても、CO2を多量に排出しないプロセスにて、最終的に得られるCO2が固定化された製造物を、含水率が小さく、汎用性の高い状態で得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは上記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、上記課題を解決する手段として、カルシウム含有組成物と水とを混合した後、当該混合物とCO2との反応に使用するCO2を含むガスを乾燥にも有効利用することで、反応操作と乾燥操作を単一の装置で行うことを可能とし、かつ含水率が小さく、CO2が十分量固定されたCO2固定型カルシウム含有組成物を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
【0013】
即ち本発明は、 カルシウム含有組成物と水とを混合して混合物を得た後、当該混合物とCO2を含むガスを接触させることで、カルシウム含有組成物へCO2を固定化し、CO2固定型カルシウム含有組成物を製造する方法であって、製造物として得られるCO2固定型カルシウム含有組成物を100質量%とした際のCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率が5質量%以下である、CO2固定型カルシウム含有組成物の製造方法である。
【0014】
本発明の製造方法において、CO2を含むガスにより、カルシウム含有組成物へCO2を固定化する反応と、CO2固定型カルシウム含有組成物の含水率を5質量%以下とするための乾燥とが、同時に行われることが好ましい。
【0015】
また、乾燥状態のカルシウム含有組成物100質量部に対する水の混合量が10質量部以上であることが好ましく、乾燥状態のカルシウム含有組成物100質量部に対する水の混合量が10~30質量部であることが好ましい。
【0016】
CO2を含むガスの温度は60℃以上、さらには100℃以上であることが好ましい。
【0017】
好ましくは、製造物として得られるCO2固定型カルシウム含有組成物を100質量%とした際の、CO2固定型カルシウム含有組成物の含水率を1質量%以下とする。より好ましくは、カルシウム含有組成物へCO2を固定化する反応操作と、CO2固定型カルシウム含有組成物の含水率を1質量%以下とする乾燥操作を、単一の装置にて実施する。特に好ましくは、反応操作及び乾燥操作を、流動層式反応装置で実施する。
【0018】
CO2を含むガスが、セメントクリンカー製造設備から抽気したガスまたは火力発電設備から抽気したガスであることが好ましい。
【0019】
カルシウム含有組成物に混合する水にアンモニアが含まれていることが好ましい。
【0020】
好ましくは、CO2固定型カルシウム含有組成物を製造したのち、製造したCO2固定型カルシウム含有組成物をポルトランドセメント又は混合セメント中に5質量%以下含まれるよう混合し、ポルトランドセメント又は混合セメントを製造する。
【0021】
好ましくは、CO2固定型カルシウム含有組成物を製造したのち、製造したCO2固定型カルシウム含有組成物をコンクリート混合材として使用する。
【0022】
この発明のCO2固定型カルシウム含有組成物の製造装置は、
カルシウム含有組成物を貯蔵するための貯蔵設備と、
カルシウム含有組成物を流動層反応装置に供給するための定量供給装置と、
流動層反応装置に供給される前のカルシウム含有組成物に水を混合するための注水装置と、 カルシウム含有組成物の炭酸化反応を実施するための流動層反応装置と、
CO2を含むガスを流動層反応装置に供給するための送風装置と、
排ガスに含まれる粉塵を回収するための集塵装置と、
排ガスを吸引するための送風装置とを備えている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、水が介在する効率的な炭酸化条件においても、CO2を多量に排出しないプロセスにて、含水率が小さく、CO2が十分量固定されたCO2固定型カルシウム含有組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、流動層反応装置を使用してCO
2固定型カルシウム含有組成物を製造する,実施例の装置の模式図である。
【
図2】
図2は、試験に使用した装置の模式図である。
【
図3】
図3は、表3の主なデータを示す特性図である。
【
図4】
図4は、表4の主なデータを示す特性図である。
【
図5】
図5は、第2の実施例の装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、カルシウム含有組成物と水とを混合した後、当該混合物とCO2との反応に使用するガスを乾燥にも有効利用することで、CO2固定型カルシウム含有組成物を100質量%とした際のCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率が5質量%以下、好ましくは1質量%以下であるCO2固定型カルシウム含有組成物を得るための方法に適用される。なお、カルシウム含有組成物と水との混合工程や、カルシウム含有組成物にCO2を固定化する炭酸化工程など、以下全ての工程における各種操作は連続式でもバッチ式でも問題ない。
【0026】
ここで、カルシウム含有組成物は当該組成物中にカルシウムを含んでいれば、その含有量は限定しない。しかし、CO2を十分に固定するためにはカルシウムの含有量が大きいほど好ましい。カルシウム含有組成物としては例えば、一般廃棄物の焼却灰、火力発電所で石炭を燃焼させた際に発生する石炭灰、火力発電所でバイオマス燃料又は石炭とバイオマス燃料の双方を燃焼させた際に発生するバイオマス灰、製鉄や製鋼、各種金属精錬の工程で発生するスラグ、その他、汚泥類、セメント、石膏、生石灰、消石灰などが挙げられる。但し、当該組成物に含まれるカルシウムの全量が炭酸カルシウムとして存在している場合は、既にカルシウムが炭酸化した状態でのみ含まれており、さらなるCO2の固定化ができないので本発明におけるカルシウム含有組成物から除かれる。カルシウム含有組成物としては、CO2との反応性が良好であるという点から、含まれるカルシウムが結晶質の形態で存在しているカルシウム含有組成物であることが好ましい。カルシウムの全量が非晶質として存在している場合、非晶質として存在するカルシウムはCO2との反応性が低く、CO2の固定化の効率に劣る。カルシウムが一部でも炭酸カルシウム以外の結晶質の形態で存在していれば、好ましい本発明のカルシウム含有組成物として問題なく使用できる。炭酸カルシウム以外の結晶質の形態としては、例えば、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、塩化カルシウム、アルミン酸カルシウムなどが挙げられる。カルシウムが結晶質か非晶質かの判断はX線回折により判断することができる。結晶質の酸化カルシウムの有無や量に関しては、JCAS I-01-1997 遊離酸化カルシウムの定量方法により判断することも可能である。
【0027】
カルシウム含有組成物と混合する水の種類は特に限定されない。上水や工水などが使用可能であるが、雨水や海水、周辺の設備や施設から発生する排水や冷却水など、水以外の成分が含まれていても使用可能である。また、使用する水には、アンモニアが含まれていることが好ましい。アンモニアが含まれていることで、炭酸化の進行をより一層促進することが可能である。アンモニアの濃度は特に限定しないが、10質量%あれば十分な効果が期待できるので、例えば1質量%以上10質量%以下とする。
【0028】
カルシウム含有組成物に対する水の混合量は、乾燥状態のカルシウム含有組成物100質量部に対する水の混合量が10質量部以上であるが好ましく、10~30質量部の範囲にあることがより好ましい。含水量が大きくなるほどCO2固定化反応が促進する一方で、多すぎても乾燥に要する時間やエネルギーが増えてしまう。また、30質量部を超えた含水量ではCO2固定化量に大きな変化が生じないため、実用的には30質量部を上限とすることが好ましい。
【0029】
カルシウム含有組成物と水との混合は、カルシウム含有混合物にCO2を含むガスを接触させることで、カルシウム含有組成物へCO2を固定化する炭酸化反応のための反応装置に、カルシウム含有組成物及び水が供給される前が好ましい。混合方法は公知の技術、及び装置を使用可能であり、例えばカルシウム含有組成物の輸送工程内に散水して混合する方法、ミキサー内にカルシウム含有組成物と水を別々に供給して事前に混合し、反応装置に供給する方法などが挙げられる。
【0030】
次にカルシウム含有組成物と水との混合物に、CO2を含むガスを接触させる。CO2を含むガスのCO2濃度は特に限定されないが、炭酸化反応を効率的に実施するためには、カルシウム含有組成物が固定可能なCO2量よりも多い量が供給されていることが好ましい。例えば、連続式で炭酸化反応を実施する場合において、結晶質の酸化カルシウムが1質量%含まれているカルシウム含有組成物を反応装置内に100kg/hで供給したとすると、CO2を固定化可能な酸化カルシウムは100kg/h×1質量%=1kg/hで供給されることとなる。酸化カルシウムの炭酸化反応は前記式(1)(2)にて進行することが知られているが、ここで1kgの酸化カルシウム(モル質量:56.1kg/kmol)は下記式(3)より0.018kmolとなる。0.018kmolのCaOと反応するCO2は前記式(1)(2)より同量の0.018kmolであるため、CO2が標準状態にあると仮定すると、標準状態での気体1kmolの体積は22.4Nm3であるため下記式(4)により、CO2は0.4Nm3が必要である計算となる。
【0031】
式(3) 1kg/h÷56.1kg/kmol=0.018kmol/h
式(4) 22.4Nm3/kmol×0.018kmol/h=0.4Nm3/h
【0032】
従って、結晶質の酸化カルシウムが1質量%含まれているカルシウム含有組成物を反応装置内に100kg/hで供給した場合は、0.4Nm3/h以上のCO2が供給されることが好ましい。そして、CO2を含むガス中のCO2濃度が1体積%であった場合には100倍である40Nm3/h以上のガスが、CO2濃度が10体積%であった場合には10倍である4Nm3/h以上のガスが反応装置に供給されればよい。
【0033】
また、反応装置内ではCO2を固定する反応と同時に乾燥が実施されることが好ましい。一般には、乾燥のためには温度が高いガスが好適である。CO2が含まれており、かつ温度が常温よりも高いガスとしては、例えば火力発電やセメントクリンカー、化学製品などの製造工程、ごみの焼却工程などから抽気したガスが好適に利用可能である。CO2を含むガスの温度は常温より高いことが好適である一方で高すぎても問題となる。なぜなら、カルシウム含有組成物との炭酸化反応では水が介在する必要があるが、温度が高すぎると炭酸化反応が生じる前にカルシウム含有組成物が乾燥してしまい、十分な反応時間が確保できない。従って、好ましくは20~300℃、より好ましくは60~300℃、さらに好ましくは100~200℃となるようにガス温度を調節して反応装置に供給すると良い。CO2を含むガスの温度が低すぎる場合は、加熱して好適な温度まで高めることが可能であるが、その際に発生するCO2量が、固定化可能なCO2量よりも多くなってしまっては意味がない。従って、化石燃料を使用するのであれば発生するCO2量が、固定可能なCO2量より大きくならないように調整する必要がある。また、再生可能エネルギーや自然エネルギーなどを使用する場合はこの限りではない。
【0034】
反応に要する時間は、反応装置に供給するカルシウム含有組成物と水との混合物の量、CO2を含むガスの量、温度、CO2濃度などにより適宜設定することが可能である。
【0035】
CO2を含むガスの相対湿度は、例えば90%以下かつ0%超で、好ましくは60%以下かつ0%超である。
【0036】
CO2を含むガスでのCO2濃度は、好ましくは1体積%以上で100体積%以下、より好ましくは10体積%以上で100体積%以下、もっとも好ましくは20体積%以上で100%体積以下である。
【0037】
反応装置は粉体と気体を供給して、双方を接触させることが可能な公知の装置が使用可能である。好適な例としては例えば流動層式反応装置やロータリードライヤーが挙げられる。流動層は流動層式乾燥機や流動層式焼却炉など、粉体の乾燥や焼却に使用されている。以下、
図1を用いて詳細に説明するが、本発明で実施可能な態様はこの限りではない。
【0038】
(a)はカルシウム含有組成物を貯蔵するための貯蔵設備を示している。そして(a)から下方に抽出されたカルシウム含有組成物は(b)定量供給装置で(d)流動層反応装置へ輸送・供給される。輸送の過程で(c)注水装置により、カルシウム含有組成物に所定量の水が混合される。その後、カルシウム含有組成物と水との混合物は(d)流動層反応装置に供給される。なお、実線で示す矢印はカルシウム含有組成物又は/及び水の流れを示している。
【0039】
CO2を含むガスは、(e)送風装置を通じて(d)流動層反応装置の下方から供給される。そして(f)分散板により分散されたガスはカルシウム含有組成物と接触してCO2の固定化反応及び乾燥が実施される。排ガスは上方から排出され、(g)集塵装置により粉塵を回収した後(h)送風装置により排気される。(g)集塵装置により回収された粉は(a)カルシウム含有組成物を貯蔵するための貯蔵設備に戻すか、製造物であるCO2固定型カルシウム含有組成物に混合して使用することができる。
【0040】
製造物として得られるCO2固定型カルシウム含有組成物のCO2固定量は、使用するCa含有組成物の種類や成分によって変わり得るので特に限定はされない。しかし、本発明のプロセスにおいて使用する電気、及び製造後のCO2固定型Ca含有組成物を使用する過程で発生する電気、輸送時の燃料などが要因となって発生するCO2量よりも、CO2固定型カルシウム含有組成物へのCO2固定量が大きくないと意味がない。このような理由を考慮すると、少なくともCO2固定後のカルシウム含有組成物を100質量%とした際に、1質量%以上のCO2が固定されていることが好ましく、2質量%以上のCO2が固定されていることがより好ましい。なお、本発明の方法によりCO2を固定する前の時点で、カルシウム含有組成物が炭酸カルシウムを含んでいた場合は、当該量を事前に把握し、本発明による固定量とは別に考慮する必要がある。具体的には、最終的に得られるCO2固定型カルシウム含有組成物中のCO2量から、カルシウム含有組成物にもともと含まれていたCO2量を差し引くことが必要である。本発明におけるCO2固定量の測定方法は、TG-DTA装置を使用した方法を使用することを基本とする。TG-DTA装置に所定量のCO2固定型カルシウム含有組成物を仕込み、窒素雰囲気において昇温速度10℃/minで室温から1000℃まで昇温させた際に、得られるTG曲線の550℃から700℃の範囲における質量減少率をCO2固定量とする。その他の方法としては、例えばクーロメーターを使用した方法、TOC計を使用した方法、CHN計を使用した方法、X線回折/リートベルト法を使用した炭酸カルシウムの定量による方法などがある。これらの方法を使用する場合においては、前記TG-DTA装置を使用した方法との相関性を十分に反映した上で、CO2固定量を決定する。
【0041】
CO2固定型カルシウム含有組成物(CO2固定後の組成物)の含水率は、その全量を100質量%とした際に5質量%以下である。5質量%を超えると通常の乾燥粉体と同様のハンドリングが困難となる。さらには、CO2固定型カルシウム含有組成物の含水率は1質量%以下であることが好ましい。1質量%以下であれば、ポルトランドセメント又は混合セメントに混合して使用する場合に、セメントと水が反応してセメントが使用前に反応して問題となることがない。また、コンクリート混合材として使用する場合は、コンクリートの品質に影響を及ぼしたり、配合設計を困難にしたりする問題が生じることがない。なお、同様にセメントやコンクリートに混合可能な材料には、例えばJIS A 6201に規定されるコンクリート用フライアッシュがある。コンクリート用フライアッシュは含水率(湿分)を1質量%以下とするよう規定されている。
【0042】
このようにして製造されたCO2固定型カルシウム含有組成物はそのまま、又は他の材料と混合して使用することが可能である。使用例としては、セメントへの混合、セメント系固化材やモルタル等のセメント系材料への混合、コンクリートへの混合などが挙げられる。
【実施例0043】
以下、実施例及び比較例を示すが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
【0044】
カルシウム含有組成物としては石炭とバイオマス燃料を混焼した際に得られる灰(以下、バイオマス灰)を用いた。蛍光X線分析により測定したバイオマス灰の成分を表1に、X線回折/リートベルト法により測定したカルシウムの存在形態を表2に示す。バイオマス灰はカルシウムをCaOとして11.1質量%含んでおり、また、炭酸化に寄与する結晶質の酸化カルシウムは4.0質量%、硫酸カルシウムは酸化物換算で0.5質量%含まれている。なお、表1及び表2で示す含有率は酸化物換算での値である。 得られるCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率は、回収したCO2固定型カルシウム含有組成物10gをステンレスバット上に静置し、100℃の乾燥機内で24時間乾燥させた際の、質量減少率から算出した。
【0045】
カルシウム含有組成物として用いたバイオマス灰中に元々含まれるCO2量、及び所定時間反応後に回収したCO2固定型カルシウム含有組成物のCO2固定量はTG-DTA装置を使用した方法により測定した。TG-DTA装置に所定量のサンプルを仕込み、窒素雰囲気において昇温速度10℃/minで室温から1000℃まで昇温させた。その際に得られるTG曲線の550℃から700℃の範囲における質量減少率を炭酸カルシウムの脱炭酸によるものとし、本実施例におけるCO2固定量とした。なお、CO2固定型カルシウム含有組成物へのCO2固定量は、Ca含有組成物として用いたバイオマス灰中に元々含まれるCO2量を差し引いたものとした。Ca含有組成物として用いたバイオマス灰中に元々含まれるCO2量は1.5質量%であった。
【0046】
【0047】
【0048】
そして、
図2に示す装置を用いて、バイオマス灰へのCO
2固定化を実施した。当該装置は流動層式反応装置を模擬したものである。内径40mmの円筒状の容器(i)の上下にメッシュで蓋をし、内部にバイオマス灰と水との混合物を仕込んだ。いずれの条件においても、乾燥状態のバイオマス灰50gを固定とし、当該バイオマス灰100質量部に対し、水を10~40質量部となるよう事前に混合したものを供給した。また、水の代わりに水にアンモニア水を添加して10質量%アンモニア水としたものを用い、10質量%アンモニア水の混合量20質量部となるよう混合したケースも実施した。そして下方に空いた穴よりCO
2を含むガスを供給して円筒容器内部へ通気させると同時にバイオマス灰と接触させ、炭酸化反応操作を行うと同時にCO
2固定型カルシウム含有組成物の乾燥操作を行った。なお、上方に空いた穴より排ガスが放出される構造となっている。図中、(j)はCO
2ガスの加熱器、(k)はガス温を測定する温度計である。
【0049】
CO2を含むガスは市販の炭酸ガスを使用した。CO2濃度は100体積%と20体積%の2通りの条件にて実施した。CO2濃度を20体積%に調整するためには市販のN2ガスと混合して濃度調整を実施した。
【0050】
反応装置に供給するガスの温度は20℃、60℃、100℃の3通りの条件にて実施した。各温度を保持することを目的として、円筒容器に供給される前にガス加熱器を使用した加熱による温度調整を実施した。
【0051】
CO2を含むガスの流量はCO2濃度に関わらず、所定の温度基準で10L/minとなるように調整した。
【0052】
表3、4、5に各条件と結果の一覧を示す。なお、表中に記載の(1)~(7)は下記項目に該当する。
(1) カルシウム含有組成物100質量部に対する水の混合量(質量部)
(2) CO2を含むガスのCO2濃度(体積%)
(3) CO2を含むガスの温度(℃)
(4) 反応時間(分)
(5) 回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物のCO2固定量(カルシウム含有組成物に元々含まれるCO2量を差し引いた値)
(6) カルシウム含有組成物に水を混合しなかった場合の最大CO2固定量(質量%)を基準とした際の、CO2固定量(質量%)の比(以下、基準比と示す)
(7) 回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率(質量%)
【0053】
【0054】
表3に示す各例は、全てCO
2を含むガスのCO
2濃度を100体積%、CO
2を含むガスの温度を20℃とした際の例である。表3の主要なデータを
図3に再掲する。横軸はカルシウム含有組成物への水の混合量、縦軸は反応時間である。データは、CO
2の固定量とCO
2固定型カルシウム含有組成物の含水率の対である。反応時間が短く、CO
2の固定量が高く、かつ含水率が低いことが好ましい。
図3から、水の混合量は10質量部以上30質量部以下が好ましいことが分かる。
【0055】
比較例1~4は、カルシウム含有組成物に水を混合していない例を示している。CO2固定量は反応時間20分以降変化することがなく、最大で1.2質量%であった。以下、表中の(6)に示す基準比には、カルシウム含有組成物に水を混合しなかった場合の最大CO2固定量を1.2質量とした際の値を示している。
【0056】
比較例5~7及び実施例1~2は、カルシウム含有組成物100質量部に対し、水が10質量部となるよう混合した際の例を示している。10質量部となるよう水を混合することで、CO2固定量は最大1.7質量%、基準比で1.4まで増加したことがわかった。一方、回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率は、比較例5~7に示す反応時間30分までの条件では、5質量%を上回っており、好ましい状態ではなかった。反応時間を60分とした実施例1では、含水率は4.2質量%で好適な状態であった。しかし実施例2では、含水率は0.4質量%で、より好適に使用可能なCO2固定型カルシウム含有組成物が得られたことがわかった。
【0057】
比較例8~11及び実施例3~4は、カルシウム含有組成物100質量部に対し、水が20質量部となるよう混合した際の例を示している。20質量部となるよう水を混合することでCO2固定量はさらに増加し、最大2.1質量%、基準比で1.8であった。一方、回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率は、比較例8~11に示す反応時間60分までの条件では、5質量%を上回っており、好ましい状態ではなかった。反応時間を90分とした実施例3においては、含水率は3.3質量%で、好適な状態であった。実施例4においては、含水率は0.8質量%で、より好適に使用可能なCO2固定型カルシウム含有組成物が得られたことがわかった。
【0058】
比較例12~16及び実施例5~6は、カルシウム含有組成物100質量部に対し、水が30質量部となるよう混合した際の例を示している。30質量部となるよう水を混合することでCO2固定量はさらに増加し、最大3.1質量%、基準比で2.6であった。一方、回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率は、比較例12~16に示す反応時間90分までの条件では、5質量%を上回っており、好ましい状態ではなかった。反応時間を120分とした実施例5においては、含水率は2.9質量%で、好適な状態であった。しかし、実施例6においては、含水率は0.2質量%で、より好適に使用可能なCO2固定型カルシウム含有組成物が得られたことがわかった。
【0059】
比較例17~22及び実施例7~8は、カルシウム含有組成物100質量部に対し水が40質量部となるよう混合した際の例を示している。40質量部となるよう水を混合した場合は、前記30質量部の場合と比較して、CO2固定量に大きな差が無かった。回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率は、比較例17~22に示す120分までの条件では、5質量%を上回っており、好ましい状態になく、反応時間を180分とした実施例7においては、含水率は3.0質量%で、好適な状態であり、実施例8においては、含水率は0.9質量%で、より好適に使用可能なCO2固定型カルシウム含有組成物が得られたことがわかった。
【0060】
比較例17~22及び実施例7~8の条件は、比較例12~16及び実施例5~6の条件と比較して、回収されるCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率の品質がほぼ同等である一方、乾燥には多くの時間がかかることがわかった。従って、工程中で必要な水量や乾燥に要するエネルギーなどを勘案すると、本実施例の条件においては、カルシウム含有組成物100質量部に対する水の混合比を30質量部より大きくすることは好ましくないことがわかった。
【0061】
【0062】
表4に示す各例は、全てカルシウム含有組成物100質量部に対する水の混合量を20質量部、CO
2を含むガスのCO
2濃度を20体積%とした際の例である。表4の主要なデータを
図4に再掲する。横軸は反応温度、縦軸は反応時間である。データは、CO
2の固定量とCO
2固定型カルシウム含有組成物の含水率の対である。反応時間が短く、CO
2の固定量が高く、かつ含水率が低いことが好ましい。
図4から、反応温度は60℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましいことが分かる。
【0063】
比較例23~26及び実施例9~10は、前記比較例8~11び実施例3~4の条件から、CO2を含むガスのCO2濃度を20体積%に下げた例である。前記比較例8~11及び実施例3~4と比較して、CO2固定量はほぼ同等あった。また、回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率を5質量%以下にするまでの時間においても、同等の90分が必要であった。即ち、CO2の固定化反応はカルシウム含有組成物との反応に必要なCO2が十分供給されていれば、CO2濃度は低くても問題ないことがわかった。
【0064】
比較例27及び実施例11~12は、CO2を含むガスの温度を60℃とした例である。温度が20℃であった前記比較例23~26及び実施例9~10と比較して、CO2固定量はほぼ同等あった。回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率は20分で4.4質量%まで、30分では含水率は0.9質量%まで低下しており、より短時間で好適に使用可能なCO2固定型カルシウム含有組成物が得られることがわかった。
【0065】
実施例13~14は、CO2を含むガスの温度を100℃とした例である。温度が60℃であった前記比較例27及び実施例11~12と比較して、CO2固定量はほぼ同等あった。回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率は10分で4.0質量%まで低下し、20分では1.0質量%まで低下しており、さらに短時間で好適に使用可能なCO2固定型カルシウム含有組成物が得られることがわかった。
【0066】
【0067】
表5に示す各例は、全てカルシウム含有組成物100質量部に対し10質量%アンモニア水を20質量部、CO2を含むガスのCO2濃度を20体積%、温度を20℃とした際の例である。
【0068】
比較例28~31及び実施例15~16は、前記比較例23~26及び実施例9~10の条件と比較して水をアンモニア水に変更した例である。前記比較例23~26及び実施例9~10と比較して、CO2固定量が増加し、最大3.5質量%、基準比で1.9であった。また、回収されたCO2固定型カルシウム含有組成物の含水率を5質量%以下になるまでの時間では、同等の90分が必要であった。即ち、アンモニア水の添加はCO2の固定化反応を促進することがわかった。
【0069】
実施例2
図1の流動層反応装置(d)では、CO
2の吸収が速く、少量の熱エネルギーで乾燥したCO
2固定型カルシウム含有組成物が得られる。これは流動層のため、カルシウム含有組成物がCO
2含有ガスと均一に接触するからである。しかし流動層反応装置(d)は小さなスケールのプラントには適さない。小さなスケールのプラントに適した反応装置の例を
図5に示す。
【0070】
閉じたハウジング(k)内に攪拌羽根(n)を配置し、モータ(m)により回転させる。灰投入口(p)から焼却灰等のカルシウム含有組成物を投入し、水投入口(r)から水を投入する。CO
2含有ガスをガス入口(s)から導入し、排ガス出口からカルシウム含有組成物にCO
2を供給し水蒸気を受け取った排ガスを排出する。そして出口(u)から製品のCO
2固定型カルシウム含有組成物を排出する。
図5の装置は
図1の装置に比べ、CO
2の吸収効率が低く、かつ熱効率も低い。しかし
図5の装置は
図1の装置に比べ、小規模で設備コストが小さい。
図5の実施例に関し、特に指摘した点以外は、
図1~
図4の実施例と同様である。