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  • 特開-偏光子、及び、偏光板 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146858
(43)【公開日】2024-10-15
(54)【発明の名称】偏光子、及び、偏光板
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20241004BHJP
   H10K 50/86 20230101ALI20241004BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20241004BHJP
【FI】
G02B5/30
H10K50/86
H10K59/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024051347
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2023058733
(32)【優先日】2023-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】竹内 智康
(72)【発明者】
【氏名】住田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】中村 勇気
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 邦智
(72)【発明者】
【氏名】中里 成志
【テーマコード(参考)】
2H149
3K107
【Fターム(参考)】
2H149AA13
2H149AA18
2H149AB11
2H149AB13
2H149BA02
2H149BA13
2H149CA02
2H149EA12
2H149EA22
2H149FA02X
2H149FA03W
2H149FA04X
2H149FA05X
2H149FA08X
2H149FA12X
2H149FA13X
2H149FA63
2H149FA66
2H149FA69
2H149FD25
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB08
3K107CC24
3K107CC32
3K107EE26
3K107FF14
(57)【要約】
【課題】115℃の高温に曝された状態下での、偏光子の黄変を抑制できる偏光子を提供する。
【解決手段】ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を含有する偏光子であって、
前記偏光子が下記式(C)を満たす、偏光子。
0.001≦[Zn]/([I]×[B]×[K])≦0.070 (C)
[式(A)中、[Zn]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素の含有量(質量%)を表し、[I]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量(質量%)を表し、[B]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素の含有量(質量%)を表し、[K]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素の含有量(質量%)を表す。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を含有する偏光子であって、
前記偏光子が下記式(C)を満たす、偏光子。
0.001≦[Zn]/([I]×[B]×[K])≦0.070 (C)
[式(A)中、[Zn]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素の含有量(質量%)を表し、[I]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量(質量%)を表し、[B]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素の含有量(質量%)を表し、[K]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素の含有量(質量%)を表す。]
【請求項2】
[Zn]が、0.01質量%以上1.0質量%以下である請求項1に記載の偏光子。
【請求項3】
[B]が、3.5質量%以上6.0質量%以下である請求項1又は2に記載の偏光子。
【請求項4】
[I]が、2.0質量%以上4.0質量%以下である請求項1又は2に記載の偏光子。
【請求項5】
[K]が、0.40質量%以上1.0質量%以下である請求項1又は2に記載の偏光子。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の偏光子と、接着剤層と、保護フィルムとをこの順に備える偏光板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光子、及び、偏光板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ポリビニルアルコール系樹脂及びヨウ素を含むフィルムから形成される偏光子が知られている(例えば、特許文献1)。偏光子を含む画像表示装置は、カーナビゲーション装置やバックモニターなどの車載用の画像表示装置としても使用されるなど、その用途は広がっている。用途の拡大に伴い、画像表示装置および画像表示装置を構成する一部である偏光子には、従来要求されてきたよりも、より過酷な環境下(例えば、高温環境下)における高い耐久性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-71241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムから形成される偏光子は、高温環境下に晒された場合に、ポリビニルアルコールのポリエン化が進行するため、偏光子が黄色に変色する(黄変)という問題が生じることがある。特に、前述の車載用途のような高温環境下(例えば115℃)では、黄変の進行がより顕著になる傾向がある。しかしながら、従来の偏光子では、必ずしもこのような高温での黄変の抑制が十分とは言えない場合があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、115℃の高温に曝された状態下での、偏光子の黄変を抑制できる偏光子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を含有する偏光子であって、
前記偏光子が下記式(C)を満たす、偏光子。
0.001≦[Zn]/([I]×[B]×[K])≦0.070 (C)
[式(A)中、[Zn]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素の含有量(質量%)を表し、[I]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量(質量%)を表し、[B]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素の含有量(質量%)を表し、[K]は前記ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素の含有量(質量%)を表す。]
[2] [Zn]が、0.01質量%以上1.0質量%以下である請求項1に記載の偏光子。
[3] [B]が、3.5質量%以上6.0質量%以下である請求項1又は2に記載の偏光子。
[4] [I]が、2.0質量%以上4.0質量%以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の偏光子。
[5] [K]が、0.40質量%以上1.0質量%以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の偏光子。
[6] [1]~[5]のいずれか一項に記載の偏光子と、接着剤層と、保護フィルムとをこの順に備える偏光板。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、115℃の高温に曝された状態下での、偏光子の黄変を抑制できる偏光子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る偏光板を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<偏光子>
一実施形態に係る偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を含有する。
【0010】
(ポリビニルアルコール系樹脂)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常約85モル%以上、好ましくは約90モル%以上、より好ましくは約99モル%以上である。本明細書において「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
【0011】
ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等も使用し得る。
【0012】
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100以上10000以下であり、より好ましくは1500以上8000以下であり、さらに好ましくは2000以上5000以下である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が100未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超ではフィルム加工性に劣ることがある。
【0013】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂から形成された単膜のフィルムであってもよいし、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂フィルムとが積層された積層フィルムであってもよい。積層フィルムである場合は、例えば、基材フィルムの少なくとも一方の面に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を塗工、乾燥させることによって製造することができる。
【0014】
基材フィルムしては、例えば、熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。熱可塑性樹脂フィルムとしては、光学的に透明な熱可塑性樹脂から構成されるフィルムであることが好ましく、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;またはこれらの混合物、共重合物等からなる透明樹脂フィルムであることができる。
【0015】
偏光子すなわちポリビニルアルコール系樹脂フィルムの厚みは、例えば30μm以下であってよく、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下、なおさらに好ましくは14μm以下、特に好ましくは13μm以下、より特に好ましくは12μm以下である。偏光子の厚みが30μm以下である場合、光抜けを抑制し易くなる傾向にある。また、偏光子の厚みを薄くすることは、偏光板の薄膜化に有利である。偏光子の厚みは、通常2μm以上であり、例えば5μm以上であってよい。
【0016】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、一軸延伸されていることが好適である。一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、ヨウ素等の二色性色素が吸着配向していてよい。
【0017】
(パラメータC)
高温に曝された後の黄変を抑制する観点から、本実施形態の偏光子は、下記式(C)を満たす。
【0018】
0.001≦[Zn]/([I]×[B]×[K])≦0.070 (C)
[式(C)中、[Zn]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素の含有量(質量%)を表し、[I]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量(質量%)を表し、[B]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素の含有量(質量%)を表し、[K]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素の含有量(質量%)を表す。
【0019】
[Zn]/([I]×[B]×[K])は、0.003以上であってよく、0.005以上であってよく、0.010以上であってよい。
【0020】
[Zn]/([I]×[B]×[K])は、0.060以下であってよく、0.050以下であってよく、0.040以下であってよく、0.030以下であってよく、0.025以下であってよい。
【0021】
(作用機序)
偏光子中の亜鉛元素、ヨウ素元素、ホウ素元素及びカリウム元素はそれぞれ黄変に影響を及ぼす要因であると考えられる。例えば、偏光子中の亜鉛元素の含有量は、高温環境下でのI の安定性に影響を及ぼすと考えられる。偏光子中の亜鉛元素の含有量が相対的に多いと、115℃の高温に曝された後であったとしてもI を維持しやすくなる。115℃の高温に曝された後でもI の含有量を一定量維持することができる偏光子であると、ポリビニルアルコールのポリエン化が徐々に進行することとなり、ポリエン鎖が可視光領域の光を吸収できるまでに長くなってしまい、黄変が発生しやすくなる傾向にあると思料する。また、偏光子中のヨウ素元素の含有量は、初期のI の含有量の影響を及ぼすと考えられる。ヨウ素分子によるヨウ素元素の含有量が相対的に多いと、I の含有量も多いと考えられ、115℃の高温に曝された後であったとしてもI の含有量を一定量維持しやすいと考えられる。そのため、ポリビニルアルコールのポリエン化が徐々に進行することとなり、ポリエン鎖が可視光領域の光を吸収できるまでに長くなってしまい、黄変が発生しやすくなる傾向にあると思料する。偏光子中のホウ素元素の含有量は、ポリビニルアルコール鎖同士の架橋点の数に影響を及ぼすと予期される。偏光子中のホウ素元素の含有量が相対的に多くなると、ポリビニルアルコール鎖同士の架橋点が増えるため、115℃の高温に曝されてポリビニルアルコールの脱水反応が進んだとしてもポリエン鎖が可視光領域の光を吸収できるまでに長くならず、色相の急激な変化が抑制されやすくなる傾向にあると予期される。偏光子中のカリウム元素はポリビニルアルコールの水酸基の保護基として働くと予期される。偏光子中のカリウム元素がポリビニルアルコールの水酸基の保護基として働くと、115℃の高温に曝されたとしてもポリビニルアルコールの脱水反応が抑制され、ポリエン鎖が可視光領域の光を吸収できるほどに長くならず、ポリエン化による黄変を抑制しやすい傾向にある。したがって、115℃の高温に曝した際における黄変を抑制するにあたっては、ホウ素元素とヨウ素と亜鉛元素とカリウム元素とをバランスよく含むことが重要になってくる。
本実施形態に係る偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中にホウ素元素、カリウム元素、ヨウ素元素及び亜鉛元素を上記パラメータCを満たす比率で含み、ホウ素元素とヨウ素元素と亜鉛元素とカリウム元素とをバランスよく含んでいるため、115℃の高温に曝されても、黄変が抑制されると考えられる。
【0022】
(ホウ素元素)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素含有量に特段の限定はないが、は、3.5質量%以上6.0質量%以下であってよい。ホウ素元素は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにおいて、ポリビニルアルコール系樹脂を架橋していてよい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素含有量は、5.5質量%以下であってよく、5.0質量%以下であってよく、4.7質量%以下であってよい。
【0023】
(ヨウ素元素)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量に特段の限定はないが、2.0質量%以上4.0質量%以下であってよい。
【0024】
ヨウ素は、二色性色素であり、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム内に吸着及び配向することで、偏光性能を発揮させることができる。
【0025】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量は、2.1質量%以上であってよく、2.2質量%以上であってよく、2.3質量%以上であってよい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量は、3.5質量%以下であってよく、3.2質量%以下であってよく、3.0質量%以下であってよく、2.9質量%以下であってよく、2.7質量%以下であってよい。
【0026】
(亜鉛元素)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、さらに亜鉛元素を含む。ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素含有量に特段の限定はないが、0.01質量%以上1.0質量%以下であってよい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛の含有量は、0.02質量%以上でもよく、0.03質量%以上であってもよく、0.05質量%以上であってもよい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛の含有量は、0.9質量%以下でもよく、0.7質量%以下でもよく、0.5質量%以下でもよく、0.3質量%以下であってもよく、0.2質量%以下であってもよく、0.15質量%以下であってもよい。
【0027】
(カリウム元素)
ポリビニルアルコール型樹脂フィルムは、さらに、カリウム元素を含む。ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素含有量に特段の限定はないが、0.40質量%以上1.0質量%以下であってよい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素含有量が上記範囲内であると、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのポリエン化による黄変を抑制しやすい傾向にある。
【0028】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のカリウム元素含有量は、0.90質量%以下であってよく、0.80質量%以下であってもよく、0.70質量%以下であってもよく、0.65質量%以下であってもよく、0.60質量%以下であってもよく、0.55質量%以下であってもよく、0.50質量%以下であってもよい。
【0029】
本実施形態の偏光子は、その吸収軸に平行な振動面をもつ直線偏光を吸収し、吸収軸に直交する(透過軸と平行な)振動面をもつ直線偏光を透過する性質を有し、いわゆる、吸収型の偏光子である。
【0030】
(パラメータA)
高温に曝された状態下で、時間の経過と共に偏光子の色相の変化の度合いが大きくなることを抑制する観点から、本実施形態の偏光子は下記式(A)を満たすことができる。
【0031】
0.001≦[Zn]/([I]×[B])≦0.025 (A)
ここで、式(A)中、[Zn]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中の亜鉛元素の含有量(質量%)を表し、[I]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のヨウ素元素の含有量(質量%)を表し、[B]はポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素元素の含有量(質量%)を表す。
【0032】
[Zn]/([I]×[B])は、0.002以上であってよく、0.003以上であってよく、0.004以上であってよく、0.005以上であってよい。
【0033】
[Zn]/([I]×[B])は、0.020以下であってよく、0.018以下であってよく、0.015以下であってよく、0.014以下であってよく、0.013以下であってもよく、0.010以下であってもよい。
【0034】
(パラメータS)
高温に曝された場合における色相の変化を抑制する観点から、上記の偏光子は、以下の手順(1)~(2)により得られる係数a~eを代入した吸光度に関する下記関数f(t)を、t=0~72時間にわたって積分して求められる面積S[h]が0.1以上45以下を満たすことができる。
【0035】
手順(1):前記偏光子を115℃の環境下に晒した状態で、0時間、24時間、48時間、120時間、240時間、500時間のそれぞれでクロスニコルでの一対の偏光子の780nmの吸光度を測定する。
【0036】
手順(2):(1)で得られた時間と吸光度との7つの組み合わせと、下記関数f(t)とに基づいて、最小二乗法によるカーブフィッティングを行い、係数a~eを求める。
【0037】
f(t)=a・Exp(-b・t)+c・Exp(-d・t)+e
t:時間[h]
a~e:係数
カーブフィッティングにおける最適化手法としては、特に限定されないが、GRG法(Generalized Reduced Gradient method)が好適である。
【0038】
<偏光子の製造方法>
一実施形態に係る製造方法は、膨潤工程、染色工程、架橋工程、任意である洗浄工程、任意である乾燥工程、及び、延伸工程を有する。
【0039】
(1)膨潤工程
本工程における膨潤処理は、原反フィルムであるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの異物除去、可塑剤除去、易染色性の付与、フィルムの可塑化等の目的で必要に応じて実施される処理であり、具体的には、水を含有する処理液(膨潤液)にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させる処理であることができる。原反フィルムであるポリビニルアルコール系型樹脂フィルムは、偏光子の説明の欄で例示したものを適宜利用できる。当該樹脂フィルムは、1つの膨潤液に浸漬されてもよいし、2以上の膨潤液に順次浸漬されてもよい。膨潤処理前、膨潤処理時、または膨潤処理前および膨潤処理時に、フィルムに対して一軸延伸処理を行ってもよい。
【0040】
原反フィルムであるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの厚みは、例えば10μm以上80μm以下程度であり、偏光子の厚みを15μm以下とする観点から、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下である。
【0041】
原反フィルムであるポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、例えば、長尺の未延伸または延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのロール(巻回品)として用意することができる。この場合、偏光子もまた、長尺物として得られる。
【0042】
膨潤液は、水(例えば純水)であることができる他、アルコール類のような水溶性有機溶媒を添加した水溶液であってもよい。
【0043】
原反フィルムを浸漬するときの膨潤液の温度は、通常10~70℃程度、好ましくは15~50℃程度であり、フィルムの浸漬時間は、通常10~600秒程度、好ましくは20~300秒程度である。
【0044】
(2)染色工程
本工程における染色処理は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着、配向させる目的で行われる処理であり、具体的には、ヨウ素を含有する処理液(染色液)にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する処理であることができる。当該フィルムを、1つの染色液に浸漬してもよいし、2以上の染色液に順次浸漬してもよい。ヨウ素の染色性を高めるために、染色工程に供されるフィルムは、少なくともある程度の一軸延伸処理が施されていてもよい。染色処理前の一軸延伸処理の代わりに、あるいは染色処理前の一軸延伸処理に加えて、染色処理時に一軸延伸処理を行ってもよい。
【0045】
また、ヨウ素と共に二色性有機染料を用いることもできる。二色性有機染料を用いる場合、二色性有機染料は、1つの染色液においてヨウ素と組合わせて用いることもできるし、2以上の染色槽を用いる場合、ヨウ素を用いる染色液とは異なる染色液において用いることもできる。二色性有機染料の具体例は、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックを含む。二色性色素は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
ヨウ素を含有する染色液としては、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液を用いることができる。ヨウ化カリウムに代えて、ヨウ化亜鉛等の他のヨウ化物を用いてもよく、ヨウ化カリウムと他のヨウ化物を併用してもよい。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルト等を共存させてもよい。ホウ酸を添加する場合は、ヨウ素を含む点で後述する架橋処理と区別される。上記水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100質量部あたり0.01質量部以上1質量部以下である。また、ヨウ化カリウム等のヨウ化物の含有量は通常、水100質量部あたり0.01質量部以上20質量部以下である。上記水溶液におけるホウ酸の濃度は、水100質量部あたり0.1質量部以上5質量部以下とすることができる。
【0047】
フィルムを浸漬するときの染色液の温度は、通常10℃以上45℃以下、好ましくは10℃以上40℃以下であり、より好ましくは20℃以上35℃以下であり、フィルムの浸漬時間は、通常30秒以上600秒以下、好ましくは60秒以上300秒以下である。
【0048】
二色性有機染料を用いる場合、染色液には、二色性有機染料を含有する水溶液を用いることができる。当該水溶液における二色性有機染料の含有量は通常、水100質量部あたり1×10-4質量部以上10質量部以下であり、好ましくは1×10-3質量部以上1質量部以下である。染色液には染色助剤等を共存させてもよく、例えば、硫酸ナトリウム等の無機塩や界面活性剤等を含有させてもよい。二色性有機染料は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。フィルムを浸漬するときの染色液の温度は、例えば20℃以上80℃、好ましくは30℃以上70℃以下であり、フィルムの浸漬時間は、通常30秒以上600秒以下、好ましくは60秒以上300秒以下である。
【0049】
(3)架橋工程
染色工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを架橋剤で処理する架橋処理は、架橋による耐水化や色相調整等の目的で行う処理であり、具体的には、架橋剤を含有する処理液(架橋液)に染色工程後のフィルムを浸漬させる処理であることができる。当該フィルムを、1つの架橋液に浸漬してもよいし、2以上の架橋液に順次浸漬してもよい。架橋処理時に一軸延伸処理を行ってもよい。
【0050】
(架橋剤)
架橋剤としては、ホウ酸、グリオキザール、グルタルアルデヒド等を挙げることができ、ホウ酸が好ましく用いられる。2種以上の架橋剤を併用することもできる。架橋液におけるホウ酸の含有量は通常、水100質量部あたり0.1質量部以上15質量部以下であり、好ましくは1質量部以上10質量部以下である。
【0051】
(ヨウ化物)
二色性色素がヨウ素である場合、架橋液は、ホウ酸に加えてヨウ化物を含有することが好ましい。架橋液におけるヨウ化物の含有量は通常、水100質量部あたり0.1質量部以上15質量部以下であり、好ましくは1質量部以上12質量部以下である。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛等が挙げられる。
【0052】
(硫酸亜鉛及び硫酸カリウム)
架橋液は、さらに、硫酸亜鉛および硫酸カリウムを含む。
【0053】
架橋液における硫酸亜鉛(ZnSO)の含有量は、水100質量部あたり0.0005質量部以上30質量部以下であってよく、好ましくは0.001質量部以上25質量部以下であり、より好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。
【0054】
架橋液における硫酸カリウム(KSO)の含有量は、通常水100質量部あたり0.1質量部以上、30質量部以下であってよく、好ましくは0.2質量部以上25質量部以下であり、より好ましくは0.3質量部以上20質量部以下である。
【0055】
(他の成分)
架橋液は、架橋剤、ヨウ化物、硫酸亜鉛、及び、硫酸カリウム以外に、他の成分を含有していてもよい。
【0056】
架橋液に含まれる他の成分の例は、硫酸亜鉛及び硫酸カリウム以外の亜鉛塩である。架橋液に含まれる硫酸亜鉛及び硫酸カリウム以外の亜鉛塩としては、例えば塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛や、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛等が挙げられる。
【0057】
架橋液に含まれる他の成分の別の例は、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウムである。
【0058】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを複数の架橋液に浸漬する場合、架橋液中の硫酸亜鉛及び硫酸カリウムの濃度は、それぞれの架橋液ごとに異なっていてよい。
【0059】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを硫酸亜鉛および硫酸カリウムを含有する架橋液に浸漬することにより、得られる偏光子におけるホウ素、カリウム、ヨウ素、亜鉛の含有量を上述のパラメータCを満足する範囲内に調整することができ、上記の偏光子を得ることができる。
【0060】
パラメータCを満足させようとして、例えば架橋液のヨウ化カリウムの含有量を高めると、偏光子のヨウ素とカリウムとの両方の量が多くなってしまい、偏光子におけるカリウムとヨウ素とのバランスを取りにくく、パラメータCのコントロールもしにくくなる。そのため、架橋液にヨウ化カリウムとは別に硫酸カリウムを添加すると、ヨウ素とは別に偏光子のカリウム量を調節しやすくなる。また、架橋液に硫酸亜鉛を添加すると、偏光子の耐水性が向上することが予期される。
【0061】
フィルムを浸漬するときの架橋液の温度は、通常50℃以上85℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下であり、フィルムの浸漬時間は、通常10秒以上600秒以下、好ましくは20秒以上300秒以下である。
【0062】
架橋工程では、2以上の架橋液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬してもよい。この場合、各架橋液の組成および温度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。2以上の架橋液にポリビニルアルコール型樹脂フィルムを浸漬する場合には、少なくとも1つの架橋液が硫酸亜鉛及び硫酸カリウムを含有する。
【0063】
架橋液は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する目的に応じた架橋剤及びヨウ化物等の濃度や、温度を有していてもよい。架橋による耐水化のための架橋処理および色相調整(補色)のための架橋処理を、それぞれ複数の工程(例えば複数の処理液を含む槽)で行ってもよい。
【0064】
一般に、架橋による耐水化のための架橋処理および色相調整(補色)のための架橋処理の双方を実施する場合、色相調整(補色)のための架橋処理を実施する架橋液(補色液)が後段に配置される。補色液の温度は、例えば10℃以上55℃以下であり、好ましくは20℃以上50℃以下である。補色液にフィルムを浸漬する浸漬時間は、通常5秒以上600秒以下、好ましくは10秒以上300秒以下である。
【0065】
補色液における架橋剤の含有量は、水100質量部あたり、例えば1質量部以上5質量部以下である。補色液におけるヨウ化物の含有量は、水100質量部あたり、例えば1質量部以上30質量部以下である。上述の通り、補色液は亜鉛塩や他の成分を含有することができる。補色液が硫酸亜鉛を含有する場合、硫酸亜鉛の含有量は水100質量部あたり0.1質量部以上20質量部以下であってよく、好ましくは1質量部以上10質量部以下である。補色液が硫酸カリウムを含有する場合、硫酸カリウムの含有量は水100質量部あたり0.1質量部以上20質量部以下であってよく、好ましくは1質量部以上10質量部以下である。
【0066】
本態様の偏光子の製造方法において、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、膨潤工程の前から架橋工程までのいずれか1または2以上の段階で一軸延伸処理される(延伸工程)ことが好適である。二色性色素の染色性を高める観点から、染色工程に供されるフィルムは、少なくともある程度の一軸延伸処理を施したフィルムであることが好ましく、または染色処理前の一軸延伸処理の代わりに、あるいは染色処理前の一軸延伸処理に加えて、染色処理時に一軸延伸処理を行うことが好ましい。
【0067】
一軸延伸処理は、空中で延伸を行う乾式延伸、液中で延伸を行う湿式延伸のいずれであってもよく、これらの双方を行ってもよい。一軸延伸処理は、2つのニップロール間に周速差をつけて縦一軸延伸を行うロール間延伸、熱ロール延伸、テンター延伸等であることができるが、好ましくはロール間延伸を含む。原反フィルムを基準とする延伸倍率(2以上の段階で延伸処理を行う場合にはそれらの累積延伸倍率)は、3倍以上8倍以下程度である。良好な偏光特性を付与するために、延伸倍率は、好ましくは4倍以上、より好ましくは5倍以上とされる。
【0068】
(4)洗浄工程
本工程における洗浄処理は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した余分な架橋剤や二色性色素等の薬剤を除去する目的で必要に応じて実施される処理であり、水を含有する洗浄液を用いて架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを洗浄する処理である。具体的には、洗浄液に架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬させる処理であることができる。当該フィルムは、1つの洗浄液に浸漬されてもよいし、2以上の洗浄液に順次浸漬されてもよい。あるいは、洗浄処理は、架橋工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して洗浄液をシャワーとして噴霧する処理であってもよく、上記の浸漬と噴霧とを組み合わせてもよい。
【0069】
洗浄液は、水(例えば純水)であることができる他、アルコール類のような水溶性有機溶媒を添加した水溶液であってもよい。洗浄液の温度は、例えば5℃以上40℃以下程度であることができる。
【0070】
洗浄工程は任意の工程であり省略されてもよいし、後述するように、乾燥工程中に洗浄処理を行ってもよい。好ましくは、洗浄工程を行った後のフィルムに対して乾燥工程を行う。
【0071】
(5)乾燥工程
乾燥工程は、架橋工程後又は洗浄工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを乾燥させるための工程であり、架橋工程後又は洗浄工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに乾燥処理を施すことができ、これにより偏光子が得られる。
【0072】
乾燥処理は、フィルムの乾燥手段(加熱手段)を用いて行われる。乾燥手段の好適な一例は乾燥炉である。乾燥炉は、好ましくは炉内温度を制御可能なものである。乾燥炉は、例えば、熱風の供給等により炉内温度を高めることができる熱風オーブンである。また乾燥手段による乾燥処理は、凸曲面を有する1または2以上の加熱体に架橋工程後又は洗浄工程後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを密着させる処理や、ヒーターを用いて該フィルムを加熱する処理であってもよい。
【0073】
上記加熱体としては、熱源(例えば、温水等の熱媒や赤外線ヒーター)を内部に備え、表面温度を高めることができるロール(例えば熱ロールを兼ねたガイドロール)を挙げることができる。上記ヒーターとしては、赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等を挙げることができる。
【0074】
乾燥処理の温度(例えば、乾燥炉の炉内温度、熱ロールの表面温度等)は、通常30℃以上100℃以下であり、50℃以上90℃以下であることが好ましい。乾燥時間は特に制限されないが、例えば30秒以上600秒以下である。
【0075】
以上の工程を経て、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向されている偏光子を得ることができる。
【0076】
<偏光板>
図1に示すように、本発明の一態様に係る偏光板100は、上述の偏光子102と、その一方の面に設けられた第1保護フィルム101と、他方の面に設けられた第2保護フィルム103とを備える偏光板である。なお、偏光板は、第2保護フィルム103を有さなくてもよい。
【0077】
第1及び第2保護フィルムとしては、熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;またはこれらの混合物、共重合物等からなる透明樹脂フィルムであることができる。第1及び第2保護フィルムは互いに同一材料で有ってもよく、異なっていてもよい。
【0078】
第1保護フィルムと第2保護フィルムのいずれか一方または両方は、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記材料からなる透明樹脂フィルムを延伸(一軸延伸または二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
【0079】
第1保護フィルム101及び/又は第2保護フィルム103における偏光子102とは反対側の表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。
【0080】
第1及び第2保護フィルムの厚みは、偏光板100の薄型化の観点から薄いことが好ましいが、薄すぎると強度が低下して加工性に劣る傾向があることから、好ましくは5~150μm、より好ましくは5~100μm、さらに好ましくは10~50μmである。
【0081】
偏光板100は、偏光子102の両面に接着剤を介して第1保護フィルム101及び第2保護フィルム103をそれぞれ貼合(積層)することにより得ることができる。偏光子と保護フィルムとの貼合に用いる接着剤としては、紫外線硬化性接着剤等の活性エネルギー線硬化性接着剤や、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液又はこれに架橋剤が配合された水溶液、ウレタン系エマルジョン接着剤等の水系接着剤を挙げることができる。偏光子102の両面に保護フィルムを貼合する場合、2つの接着剤層を形成する接着剤は同種であってもよいし、異種であってもよい。例えば、偏光子の両面に保護フィルムを貼合する場合、片面は水系接着剤を用いて貼合し、もう片面は活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて貼合してもよい。紫外線硬化型接着剤は、ラジカル重合性の(メタ)アクリル系化合物と光ラジカル重合開始剤の混合物や、カチオン重合性のエポキシ化合物と光カチオン重合開始剤の混合物等であることができる。また、カチオン重合性のエポキシ化合物とラジカル重合性の(メタ)アクリル系化合物とを併用し、開始剤として光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤を併用することもできる。
【0082】
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合、貼合後、活性エネルギー線を照射することによって接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線(紫外線)が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好ましく用いられる。
【0083】
偏光子と保護フィルムとの接着性を向上させるために、偏光子と熱可塑性樹脂フィルムとの貼合に先立ち、偏光子および/または保護フィルムの貼合面に、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、プライマー塗布処理、ケン化処理等の表面処理を施してもよい。
【0084】
偏光子102偏光子の両面に保護フィルムを積層する場合には、さらに片面第1保護フィルム付偏光板の偏光子面に接着剤を用いて第2保護フィルムを貼合する第2貼合工程を含む。
【0085】
(用途)
偏光板は、表示装置に用いることができる。表示装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置等いかなるものであってもよいが、好ましくは液晶表示装置である。液晶表示装置は、画像表示素子としての液晶セルを備える液晶パネルと、バックライトとを備える。液晶表示装置を構築するにあたって偏光板は、視認側に配置される偏光板に用いられてもよいし、バックライト側に配置される偏光板に用いられてもよいし、視認側およびバックライト側の双方の偏光板に用いられてもよい。
【0086】
特に、上記の偏光板は、車載用表示装置に適する。例えば、車載用表示装置において、偏光板は画像表示セルに粘着剤又は接着剤で貼合され、前記画像表示セルに貼合された面とは反対側の面にガラス板・タッチパネル等の透光性部材が粘着剤又は接着剤で貼合される。車載用表示装置の偏光板は比較的高温下で長時間使用される場合があり、黄変は、そのような場合に発生し易い傾向にあり、本実施形態に係る偏光子では効果が高い。
【0087】
偏光板は、偏光板と、偏光板の第1保護フィルム側に配置された透光性部材と、偏光板の第2保護フィルム側に配置された表示装置とをこの順に備える車載用表示装置に好適である。透光性部材は、ガラス板や透光性を有する樹脂フィルム等であってよい。
【0088】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【実施例0089】
<実施例1>
(偏光子の製造)
ケン化度が99.9%以上の透明な厚さ45μmの未延伸ポリビニルアルコールフィルム(TS4500、クラレ社製)を30℃の水(脱イオン水)に86秒浸漬して膨潤させた後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.4/2.0/97.6で温度が30℃の染色液に160秒浸漬することで染色した。この時、膨潤及び染色段階でそれぞれ2.00倍、1.51倍の延伸比で延伸し、染色槽までの累積延伸比が3.02倍 となるように延伸を行った。
【0090】
続いて、ヨウ化カリウム/ホウ酸/硫酸亜鉛/硫酸カリウム/水の質量比が2.2/3.5/2.1/2.6/89.6の水溶液を60℃に加熱した架橋液で76秒間浸漬(架橋段階)して架橋させつつ、1.86倍の延伸比で延伸を行った。
【0091】
さらに、ヨウ化カリウム/ホウ酸/硫酸亜鉛/硫酸カリウム/水の質量比が2.6/4.4/2.3/2.7/88.0の水溶液を45℃に加温した架橋液に12秒間浸漬(補色段階)して架橋させつつ、1.04倍の延伸処理を行った。この時、膨潤、染色、及び架橋、補色段階の総累積延伸比が5.83倍になるようにした。
【0092】
架橋が終了した後、5.83倍に延伸されたポリビニルアルコールフィルムを60℃のオーブンで200秒乾燥して偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0093】
<実施例2>
(偏光子の製造)
ケン化度が99.9%以上の透明な厚さ45μmの未延伸ポリビニルアルコールフィルム(TS4500、クラレ社製)を30℃の水(脱イオン水)に86秒浸漬して膨潤させた後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.4/2.0/97.6で温度が30℃の染色液に160秒浸漬することで染色した。この時、膨潤及び染色段階でそれぞれ2.00倍、1.51倍の延伸比で延伸し、染色槽までの累積延伸比が3.02倍 となるように延伸を行った。
【0094】
続いて、ヨウ化カリウム/ホウ酸/硫酸亜鉛/硫酸カリウム/水の質量比が2.4/3.9/4.8/5.7/100の水溶液を60℃に加熱した架橋液で76秒間浸漬(架橋段階)して架橋させつつ、1.86倍の延伸比で延伸を行った。
【0095】
さらに、ヨウ化カリウム/ホウ酸/硫酸亜鉛/硫酸カリウム/水の質量比が2.9/5.0/4.8/6.2/100の水溶液を45℃に加温した架橋液に12秒間浸漬(補色段階)して架橋させつつ、1.04倍の延伸処理を行った。この時、膨潤、染色、及び架橋、補色段階の総累積延伸比が5.83倍になるようにした。
【0096】
架橋が終了した後、5.83倍に延伸されたポリビニルアルコールフィルムを60℃のオーブンで200秒乾燥して偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0097】
<比較例1>
(偏光子の製造)
ケン化度が99.9%以上の透明な厚さ45μmの未延伸ポリビニルアルコールフィルム(TS4500、クラレ社製)を30℃の水(脱イオン水)に86秒浸漬して膨潤させた後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.4/2.0/97.6で温度が30℃の染色液に160秒浸漬することで染色した。この時、膨潤及び染色段階でそれぞれ2.00倍、1.51倍の延伸比で延伸し、染色槽までの累積延伸比が3.02倍となるように延伸を行った。
【0098】
続いて、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が1.2/3.7/95.1の水溶液を60℃の架橋液で76秒間浸漬(架橋段階)して架橋させつつ、1.86倍の延伸比で延伸を行った。
【0099】
さらに、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が1.4/4.7/93.9の水溶液を45℃に加温した架橋液に12秒間浸漬(補色段階)して架橋させつつ、1.04倍の延伸処理を行った。この時、膨潤、染色、及び架橋、補色段階の総累積延伸比が5.83倍になるようにした。
【0100】
架橋が終了した後、ポリビニルアルコールフィルムを60℃ のオーブンで200秒乾燥して偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0101】
<比較例2>
(偏光子の製造)
ケン化度が99.9%以上の透明な厚さ45μmの未延伸ポリビニルアルコールフィルム(TS4500、クラレ社製)を30℃の水(脱イオン水)に86秒浸漬して膨潤させた後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.4/2.0/97.6で温度が30℃の染色液に160秒浸漬することで染色した。この時、膨潤及び染色段階でそれぞれ2.00倍、1.51倍の延伸比で延伸し、染色槽までの累積延伸比が3.02倍 となるように延伸を行った。
【0102】
続いて、ヨウ化カリウム/ホウ酸/硝酸亜鉛・6水和物/水の質量比が2.3/3.6/2.0/92.1の水溶液を60℃に加熱した架橋液で76秒間浸漬(架橋段階)して架橋させつつ、1.86倍の延伸比で延伸を行った。
【0103】
さらに、ヨウ化カリウム/ホウ酸/硝酸亜鉛・6水和物/水の質量比が2.7/4.5/2.4/90.4の水溶液を45℃に加温した架橋液に12秒間浸漬(補色段階)して架橋させつつ、1.04倍の延伸処理を行った。この時、膨潤、染色、及び架橋、補色段階の総累積延伸比が5.83倍になるようにした。
【0104】
架橋が終了した後、5.83倍に延伸されたポリビニルアルコールフィルムを60℃のオーブンで200秒乾燥して偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0105】
[イエローインデックス評価用耐久性試験]
実施例及び比較例の偏光子をMD方向(偏光子の吸収軸方向)30mm、TD方向(偏光子の透過軸方向)25mmにカットした。その偏光子を、縦40mm横40mm厚さ2mmで中央に直径20mmの穴の開いた金属の板2枚で挟み、4辺をカプトンテープで固定した。
【0106】
115℃の加熱オーブンに金属板に固定された評価サンプルを立てた状態で投入し、500Hr経過後に取り出して評価を行った。
【0107】
[イエローインデックスの評価]
分光光度計(日立製作所製、U4100)を使用して、JIS K 7373(2006)に準拠し、耐久性試験前の偏光子サンプルの初期イエローインデックスを測定した。
次に耐久性試験後のサンプルも同様に、分光光度計(日立製作所製、U4100)を使用して、JIS K 7373(2006)に準拠し、イエローインデックスを求めた。
【0108】
得られたイエローインデックスをもとに、耐久性試験前後のイエローインデックスの差ΔYIを次式で計算した。
【0109】
ΔYI=(耐久性試験後イエローインデックス)-(初期イエローインデックス)
得られたイエローインデックスの差が115℃、500Hr経過時点で30未満の場合を良と評価し、30以上の場合を不良と評価した。
【0110】
<SingleΔab評価用耐久性試験>
偏光子の吸収軸が長辺と平行になるように、50mm×40mmの大きさに裁断して評価サンプルを作製した。この様にして得た評価用サンプルに対して、(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U-4100にて耐久性試験前の分光測定を行った(測定波長:280~900nm)。その後、同サンプルを115℃の環境において、一定時間毎に単体透過率を測定、色相(a、b)を求めた。測定時間は、耐久性試験24h経過後、48h経過後、120h経過後、240h経過後、500h経過後とした。
下記計算式にてSingleΔabを計算した。
【0111】
SingleΔab=√{(耐久性試験後a-耐久性試験前a)+(耐久性試験後b-耐久性試験前b)
【0112】
[カーブフィッティング及び面積S]
上記SingleΔab評価用耐久性試験の結果から、Excel2016のソルバにてGeneralized ReducedGradient method法を用いて、時間と吸光度との組み合わせのデータと、関数f(t)とに基づいて、係数a~eを求めた。なお、式(A)における係数a~eの初期値は0を用いた。
なお、カーブフィッティングの結果、実施例1で得られた偏光子から求めた係数a~eは、係数a=1.1、係数b=0.36、係数c=0.40、係数d=0.0084、係数e=0.21であった。実施例1で得られた偏光子の面積Sは39.8であった。
実施例2で得られた偏光子から求めた係数a~eについて、係数a=1.0、係数b=0.36、係数c=0.39、係数d=0.0075、係数e=0.22であった。実施例2で得られた偏光子の面積Sは、40.7であった。
【0113】
[240h~500hの間でのSingleΔabの変化]
<SingleΔab評価用耐久性試験>の結果をもとに、下記計算式にてSingleΔabの240h~500hでの急峻な変化を計算した。
【0114】
240h~500hの間でのSingleΔabの急峻な変化=500h経過時のSΔab - 240h経過時のSΔab
【0115】
[偏光子中の元素分析測定方法]
実施例及び比較例の偏光子について、マイクロウェーブ分解/ICP-AES法によりホウ素元素及び亜鉛元素含有量を求め、マイクロウェーブ分解/原子吸光法によりカリウム元素含有量を求め、酸素燃焼/イオンクロマトグラフ法によりヨウ素含有量をそれぞれ求めた。
【0116】
[偏光子の厚さの測定]
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーター“MH-15M”を用いて測定した。
【0117】
表1に、得られた偏光子中の成分、及び、偏光子の特性について示す。
【0118】
【表1】
【0119】
<実施例3>
染色液をヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.4/2.8/96.8とし、架橋液をヨウ化カリウム/ホウ酸/硫酸亜鉛/硫酸カリウム/水の質量比が2.4/5.5/2.4/2.6/100で温度が66℃の水溶液とし、補色液をヨウ化カリウム/ホウ酸/硫酸亜鉛/硫酸カリウム/水の質量比が2.5/6.1/2.5/2.7/100で温度が47℃の水溶液とした以外は実施例1と同様にして、偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0120】
<実施例4>
染色液をヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.4/2.0/97.6とし、架橋液をヨウ化カリウム/ホウ酸/硫酸亜鉛/硫酸カリウム/水の質量比が2.8/5.5/2.4/2.6/100で温度が62℃の水溶液とし、補色液をヨウ化カリウム/ホウ酸/硫酸亜鉛/硫酸カリウム/水の質量比が2.9/6.1/2.5/2.7/100で温度が47℃の水溶液とした以外は実施例1と同様にして、偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0121】
<実施例5>
染色液をヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.3/2.0/97.7とし、架橋段階の架橋液の温度を64℃、補色段階液の温度を47℃とした以外は実施例1と同様にして、偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0122】
<実施例6>
染色液をヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.6/2.0/97.4とし、架橋段階の架橋液の温度を64℃、補色段階の液の温度を47℃とした以外は実施例1と同様にして、偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0123】
<実施例7>
染色液をヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が1.0/2.0/7.0の水溶液とホウ酸と水との質量比が0.6/2.0/97.4とし、架橋段階の架橋液の温度を65℃、補色段階の液の温度を47℃とした以外は実施例1と同様にして、偏光子を製造した。偏光子の厚みは約20μmであった。
【0124】
[イエローインデックス評価用耐久性試験]
実施例3-7の偏光子それぞれをMD方向(偏光子の吸収軸方向)30mm、TD方向(偏光子の透過軸方向)25mmにカットした。その偏光子を、縦40mm横40mm厚さ2mmで中央に直径20mmの穴の開いた金属の板2枚で挟み、4辺をカプトンテープで固定した。
【0125】
115℃の加熱オーブンに金属板に固定された評価サンプルを立てた状態で投入し、500Hr経過後に取り出して評価を行った。
【0126】
[イエローインデックスの評価]
分光光度計(日立製作所製、U4100)を使用して、JIS K 7373(2006)に準拠し、耐久性試験前の偏光子サンプルの初期イエローインデックスを測定した。
次に耐久性試験後のサンプルも同様に、分光光度計(日立製作所製、U4100)を使用して、JIS K 7373(2006)に準拠し、イエローインデックスを求めた。
【0127】
得られたイエローインデックスをもとに、耐久性試験前後のイエローインデックスの差ΔYIを次式で計算した。
【0128】
ΔYI=(耐久性試験後イエローインデックス)-(初期イエローインデックス)
得られたイエローインデックスの差が115℃、500Hr経過時点で30未満の場合を良と評価し、30以上の場合を不良と評価した。
【0129】
<SingleΔab評価用耐久性試験>
実施例3-5、実施例7の偏光子の吸収軸が長辺と平行になるように、50mm×40mmの大きさに裁断して評価サンプルを作製した。この様にして得た評価用サンプルに対して、(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U-4100にて耐久性試験前の分光測定を行った(測定波長:280~900nm)。その後、同サンプルを115℃の環境において、一定時間毎に単体透過率を測定し、色相(a、b)を求めた。測定時間は、耐久性試験24h経過後、48h経過後、120h経過後、240h経過後、500h経過後とした。下記計算式にてSingleΔabを計算した。
SingleΔab=√{(耐久性試験後a-耐久性試験前a)+(耐久性試験後b-耐久性試験前b)
【0130】
[240h~500hの間でのSingleΔabの変化]
<SingleΔab評価用耐久性試験>の結果をもとに、下記計算式にてSingleΔabの240h~500hでの急峻な変化を計算した。
240h~500hの間でのSingleΔabの急峻な変化=500h経過時のSΔab - 240h経過時のSΔab
【0131】
表2に、実施例3-7の偏光子中の成分、及び、偏光子の特性について示す。
【0132】
【表2】
【符号の説明】
【0133】
100…偏光板、101…第1保護フィルム,102…偏光子、103第2保護フィルム。


図1