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  • 特開-ガス分析装置 図1
  • 特開-ガス分析装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024146985
(43)【公開日】2024-10-16
(54)【発明の名称】ガス分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 5/02 20060101AFI20241008BHJP
【FI】
G01N5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059728
(22)【出願日】2023-04-03
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、ムーンショット型農林水産研究開発事業委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(71)【出願人】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 直規
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 泉
(57)【要約】
【課題】ガスの組成を、高精度に分析することを可能とするガス分析装置を提供する。
【解決手段】上記のガス分析装置は、ガスを吸着する吸着膜が製膜されており、少なくとも一端が固定されて、振動源の振動に基づいて振動する振動子と、振動子の振動を検出する振動検出素子と、振動源の振動を制御する制御部と、振動子の振動に基づき、振動子の共振周波数の所定期間における変化量を検出する検出部と、を備え、吸着膜の少なくとも一部は、高分子材料を含んで形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの組成を分析するためのガス分析装置であって、
片面または両面に、前記ガスを吸着する吸着膜が製膜されており、少なくとも一端が固定されて、振動源の振動に基づいて振動する振動子と、
前記振動子の振動を検出する振動検出素子と、
前記振動源の振動を制御する制御部と、
前記振動検出素子が検出した前記振動子の振動に基づき、前記振動子の共振周波数の所定期間における変化量を検出する検出部と、を備え、
前記吸着膜の少なくとも一部は、高分子材料を含んで形成されていることを特徴とする、ガス分析装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記振動源が間欠駆動するように前記振動源を制御することを特徴とする、請求項1に記載のガス分析装置。
【請求項3】
前記吸着膜を形成する前記高分子材料は、ラバー材料であることを特徴とする、請求項1に記載のガス分析装置。
【請求項4】
前記ガスは、揮発性脂肪酸のガスであることを特徴とする、請求項1に記載のガス分析装置。
【請求項5】
前記吸着膜と前記振動検出素子は、異なる場所に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のガス分析装置。
【請求項6】
前記吸着膜は、吸着した前記ガスを放出可能である、請求項1に記載のガス分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばVFA(Volatile Fatty Acid:揮発性脂肪酸)等のガスの組成を分析可能なガス分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水晶振動子の片面または両面に吸着膜を製膜した構造を有する、少なくとも2つの同一特性の水晶振動子式センサを備えるガス分析装置が公知である。当該ガス分析装置においては、それぞれのセンサに同一のサンプルガスをそれぞれ異なった流速で供給し、それぞれのサンプルガスに対する応答速度(時定数)を測定し、応答速度の差を算出することによって、サンプルガスの成分を特定することが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、上記のガス分析装置においては、振動子の材料として水晶が用いられているが、水晶は、サンプルガスに対する吸着性が低いため、サンプルガスの検出の感度を向上させる点において不利である。また、上記のガス分析装置は、少なくとも2つのセンサを備えているが、製造コストがかかる点や使用時の消費電力が大きい点で不利である。また、応答速度の差を算出する必要があるため、サンプルガスの成分を特定するに当たって多くの工数が生じ得る。
【0004】
また、梁状の振動子と、振動子の表面に配置された電極と、電極を跨いで形成された吸着膜と、を備える検出センサも公知である。当該検出センサにおいては、吸着膜に物質が吸着したときの、振動子に生じた振動数の変化を検出し、また、吸着した物質によって電極間に生じた抵抗または導電率の変化を測定する。これにより、吸着量とこれに付随する導電率の変化という2つの情報を同時に得ることができ、これらの情報を組み合わせることで物質の識別分解能を高めることができる(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
また、吸着膜における、対象分子の付着による物理量の変化を測定することにより対象分子を検出可能な分子センサも公知である。当該分子センサは、対象分子を検出することにおいて、高い感度及び選択性を有する(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
ここで、特許文献2及び3に示すようなセンサにおいては、振動子はガスの吸着性の弱い材質から形成されるため、振動子とは別に、対象分子を吸着するための吸着部材を設ける必要があるが、ヤング率等の特性の異なる材料を積層して振動させることによって、振動特性が劣化、または不安定化する虞、及び吸着膜が剥がれる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4051589号公報
【特許文献2】特許第5419767号公報
【特許文献3】特開2022-007969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本件開示の技術は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ガスの組成を、高精度に分析することを可能とするガス分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための本開示は、
ガスの組成を分析するためのガス分析装置であって、
片面または両面に、前記ガスを吸着する吸着膜が製膜されており、少なくとも一端が固定されて、振動源の振動に基づいて振動する振動子と、
前記振動子の振動を検出する振動検出素子と、
前記振動源の振動を制御する制御部と、
前記振動検出素子が検出した前記振動子の振動に基づき、前記振動子の共振周波数の所定期間における変化量を検出する検出部と、を備え、
前記吸着膜の少なくとも一部は、高分子材料を含んで形成されていることを特徴とする、ガス分析装置を含む。
【0010】
より詳細には、本開示によるガス分析装置においては、振動子が振動源の振動に基づいて振動している際に、吸着膜にガスが吸着すると、吸着膜の質量が増加する。これによって、振動子の共振周波数が低下し、振動検出素子は、この共振周波数の低下を検出する。検出部は、所定期間におけるこの共振周波数の低下量を検出する。ここで、ガスが複数種類の分子から構成されている場合、各々の分子は、吸着膜に対する吸着速度が異なるため、所定期間における共振周波数の低下量も各々の分子によって異なる。所定期間における共振周波数の低下量の差に基づき、複数種類の分子の組成を分析することが可能である。
【0011】
吸着膜の材質によって、対象のガスを効率的に検出することが可能である。具体的には、吸着膜を形成する高分子材料は複雑な分子構造を有するものが多く、その構造の隙間においてガスが捕捉されやすい。これによって、ガスを高感度に検出することが可能であり、所定期間における共振周波数の低下量を正確に求めることが可能である。その結果、より高精度にガスの組成を分析することが可能である。
【0012】
また、本開示においては、前記制御部は、前記振動源が間欠駆動するように前記振動源を制御することとしてもよい。上記の通り、振動源が振動することによって、検出部は、所定期間における共振周波数の低下量を検出可能であるが、振動源が間欠駆動することによって、所定期間における共振周波数の低下量をより多く取得することが可能であり、信頼性の高い値を取得しやすい。その結果、ガスの組成を高精度に分析することが可能である。
【0013】
また、本開示においては、前記吸着膜を形成する前記高分子材料は、ラバー材料であることとしてもよい。さらに、本開示においては、前記ガスは、揮発性脂肪酸のガスであることとしてもよい。ラバー材料としては、具体的にPBD(Poly Butadiene:ポリブタジエン)等が挙げられる。上記の通り、対象のガスの、高分子材料を含んで形成されている吸着膜に対する吸着速度に差が生じることによって、ガスの組成を高精度に分析することが可能である。吸着膜を形成する高分子材料をラバー材料とし、検出対象のガスを揮発性脂肪酸(VFA)とすることによって、係る効果がより効率的に得られる。
【0014】
また、本開示においては、前記吸着膜と前記振動検出素子は、異なる場所に配置されていることとしてもよい。仮に吸着膜の表面に振動検出素子を実装した場合、吸着膜によるガスの吸着が阻害され、振動検出素子が振動子の振動を検出する精度が低下する虞があるが、本開示に係る構成を採用することにより、係る問題を解消することが可能である。
【0015】
また、本開示においては、前記吸着膜としては、吸着した前記ガスを放出可能な膜を使ってもよい。これによれば、吸着膜に吸着したガスの濃度を可逆的に調整することが可能であり、その結果、吸着膜を反復使用することが可能である。なお、吸着したガスを放出する方法の一例としては、吸着膜を空気に暴露することや、吸着膜を洗うことや、吸着膜
を加熱すること等が挙げられる。
【0016】
なお、上記の課題を解決するための手段は、可能な限り互いに組み合わせて用いることができる。
【発明の効果】
【0017】
本件開示の技術によれば、複数種類の分子を含むガスの組成を、高精度に分析することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施例に係るガス分析装置の構成を示す模式図である。
図2図2は、実施例に係る吸着膜にVFAが吸着することによって得られる、共振周波数の時間経過による変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔実施例〕
以下、本開示の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は、本開示の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0020】
<装置構成>
図1は、実施例に係るガス分析装置1の構成を示す模式図である。本実施例に係るガス分析装置1は、表面に吸着膜10が製膜された梁状の振動子11、振動検出素子12、制御部13、及び検出部14等を備えて構成される。本実施例において、ガス分析装置1は、単数または複数種類の分子を含むガスが吸着膜10に吸着することによる共振周波数の変化を利用して、ガスの組成を分析することを目的として用いられる。
【0021】
ガス分析装置1を用いるにあたっては、最初に、制御部13からの指令信号に基づき発信回路15を稼働し、振動源である駆動部17に所定の周波数の電圧を加える。また、振動子11は、その一端が支持部18に固定されており、支持部18は駆動部17に結合されている。よって、駆動部17に所定の周波数の電圧が加わると、駆動部17の振動が、支持部18を介して振動子11に伝達され、振動子11は印加された振動に応じた周波数で振動する。そして、その際、所定の周波数が共振周波数に近いほど、振動子11の振動ゲインは大きくなる。
【0022】
また、振動検出素子12は、振動子11の変位に応じた信号を出力する。また、振動検出素子12は、周波数カウンタ16及び検出部14に接続されており、振動子11の振動の周波数及び振動ゲインが検出され、振動ゲインが最大となる周波数が振動子11の共振周波数として検出される。周波数カウンタ16の出力は、コンピュータ等の表示部(不図示)に表示されるようにしてもよい。なお、発信回路15及び周波数カウンタ16は、図1に示す様に、駆動部17の外部に備え付けられていてもよく、または、駆動部17に接触して設置されていてもよい。
【0023】
吸着膜10の少なくとも一部は、ガスに対する吸着性を有する高分子材料を含んで形成されており、吸着膜10をガスに暴露することによって、吸着膜10にガスが吸着する。ここで、本実施例においては、検出対象のガスとして、有機ガスの一種であるVFA2のガスを例示し、より詳細には、VFA2のガス(以下、単にVFA2という)は、酢酸と酪酸を所定の比率で含む混合気体であるものとする。なお、VFA2以外の有機ガスを検出対象のガスとしてもよい。また、吸着膜10は、PBD(Polybutadiene:ポリブタジエン)等の高分子材料を含んで形成されている。ここで、高分子材料を含む
とは、高分子以外の物質を含んでもよいことを示す。また、吸着膜10は、高分子材料そ
のものであってもよい。
【0024】
また、振動子11も、吸着膜10と同様に、PC(Poly Carbonate:ポリカーボネート)やPMMA(Poly Methyl Methacrylate:ポリメタクリル酸メチル樹脂)等の高分子材料を含んで形成されている。すなわち、振動子11と吸着膜10は、ヤング率等の特性が類似している。このような特性が類似した材料を積層することによって、例えば振動子11が振動した際に吸着膜10が剥がれてしまうことを防止することが可能である。
【0025】
上記の様に振動子11が駆動部17の振動に励振されて振動している際に、VFA2が吸着膜10に吸着すると、吸着膜10の質量が増加し、これによって、振動子11の共振周波数が低下する。検出部14は、この共振周波数の低下を検出する。このことにより、検出部14は、上記の通り、VFA2を検出することや、VFA2の物質量や濃度等を測定することが可能である。
【0026】
なお、本実施例においては、振動検出素子12からの検出信号を発信回路15にフィードバックすることで、振動子11の共振周波数を自動的にサーチするシステムを構築してもよい。また、本実施例においては、駆動部17を、振動検出素子12とは別に備える構成としているが、駆動部17を、振動検出素子12と共用しても構わない。
【0027】
また、図1に示す通り、吸着膜10と振動検出素子12は、異なる場所に設けられている。仮に吸着膜10の表面に振動検出素子12を実装した場合、振動検出素子12によって吸着膜10によるVFA2の吸着が阻害され、振動検出素子12が振動子11の振動を検出する精度が低下する虞があるが、図1に示す構成を採用することにより、係る問題を解消することが可能である。
【0028】
<グラフ>
上記の通り、検出部14は、振動子11の共振周波数の変化を検出することが可能である。図2には、横軸が経過時間、縦軸が共振周波数を表すグラフを用いて、吸着膜10にVFA2が吸着することによって得られる、共振周波数の時間経過による変化の例を示す。また、上記の通り、本実施例においては、VFA2は、酢酸と酪酸を所定の比率で含む混合気体であり、共振周波数の変化を検出するにあたっては、酢酸と酪酸を各々質量百分率で0.01%含む水溶液の蒸気をVFA2として、VFA2に吸着膜10を暴露する。図2のグラフにおいては、実線は0.01%の酢酸が吸着膜10に吸着したことによる共振周波数の変化、点線は0.01%の酪酸が吸着膜10に吸着したことによる共振周波数の変化を示す。
【0029】
図2に示すグラフにおいては、振動子11が振動して最初の約30秒は、吸着膜10をVFA2に暴露せず、区間Xに示す時間帯において吸着膜10をVFA2に暴露する。区間Xに示す時間帯において、振動子11が振動してから約40秒経過した時点で、酢酸と酪酸の各々に係る、一定の時間当たりの共振周波数に顕著に差が発生し始め、約2分経過した時点で、これらの差が発生しなくなり、各々に係る共振周波数の時間経過による変化が平衡状態に達する。この時点で吸着膜10をVFA2に暴露することを停止することにより、各々に係る共振周波数は、振動子11の振動を開始した時点の共振周波数とほとんど同じ値にまで増加する。酢酸と酪酸の各々の分子量はほとんど同じ値であり、かつ、質量百分率が同じであるため、飽和状態に達した時点の各々に係る共振周波数はほとんど等しい。
【0030】
上述のとおり、酪酸と酢酸では分子量は同等であるため、飽和後の一定の時間当たりの共振周波数を測定したとしても、両者を識別することは困難な場合がある。これに対し、
両者の吸着膜10への拡散速度の相違が影響するため、図2に示すように、VFA2への暴露中の共振周波数の変化速度については両者の差が顕著となる傾向がある。
【0031】
すなわち、区間Xに示す時間帯において、酢酸と酪酸の各々に係る一定の時間当たりの共振周波数の低下量(すなわち、共振周波数の変化の傾き)には顕著に差が発生し始める。共振周波数の変化の傾きは、図2に示す共振周波数の変化を微分することで算出することも可能である。事前に、酢酸のみが吸着膜10に吸着した場合の直線の傾きと、酪酸のみが吸着膜10に吸着した場合の直線の傾きを取得しておき、これらの値と、上記の直線の傾きを比較することによって、VFA2の組成、すなわちVFA2に含まれる酢酸と酪酸の比率を分析することが可能である。
【0032】
ここで、制御部13は、発信回路15を介して駆動部17が間欠駆動するように駆動部17を制御する。具体的には、制御部13は、駆動部17が約10秒の間隔で間欠駆動するように制御する。これによって、区間Xに示す時間帯において、直線の傾きの情報をより多く取得することが可能であり、信頼性の高いデータを取得しやすい。その結果、VFA2の組成を高精度に分析することが可能である。
【0033】
また、上記の通り、吸着膜10は、高分子材料を含んで形成されているが、より具体的に、この高分子材料は、PBD等のラバー材料であってもよい。ラバー材料とVFA2を組み合わせることによって、VFA2の組成によって異なるラバー材料への吸着速度を取得しやすくなる。その結果、VFA2の組成を高精度に分析することが可能である。
【0034】
また、区間Xの終了後の区間において、吸着膜10をVFA2に暴露することを停止することにより、共振周波数が増加するが、このとき、吸着膜10に吸着したVFA2が放出されている。吸着膜10は、VFA2に対する吸着性に加えて、吸着したVFA2を放出する性質を有し、これによって、吸着膜10に吸着したVFA2の濃度を可逆的に調整することが可能である。その結果、吸着膜10を反復使用することが可能である。なお、吸着したVFA2を放出する方法の一例としては、吸着膜10を空気に暴露することや、吸着膜10を洗うことや、吸着膜10を加熱すること等が挙げられる。
【0035】
本実施例に係るガス分析装置1を産業上の分野に適用する例として、家畜産業の分野における、牛のルーメン(第一胃)内の情報のモニターが挙げられる。このモニターを実施する際には、ガス分析装置1を含む小型のスマートピル(不図示)をルーメン内に留置する。ルーメン内では、牛が摂取した飼料の発酵産物として、VFA2が多く生成されやすい。そのため、ルーメン内にスマートピルを留置することによって、効率的にVFA2を検出し、その組成を分析することが可能である。VFA2は二酸化炭素に分解され、さらに二酸化炭素が水素と化学反応すると、メタンガスが生成される。メタンガスは地球温暖化の原因物質の一つであり、牛が体外にメタンガスを放出することは、地球温暖化につながり得る。また、メタンガスの生成は、摂取した飼料のエネルギーの損失を意味する。このエネルギーの損失は、乳と肉の生産性の低下に繋がる。
【0036】
すなわち、ルーメン内のVFA2を検出し、その組成を分析することは、メタンガスが生成される度合いを検出する上で非常に有用であり、これによって、上記の、メタンガスの放出、及び生産性の低下を抑制することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・ガス分析装置
10・・吸着膜
11・・振動子
12・・振動検出素子
13・・制御部
14・・検出部
15・・発信回路
16・・周波数カウンタ
17・・駆動部
18・・支持部
2・・・VFA
図1
図2