(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014702
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】粉体収容容器、装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/12 20060101AFI20240125BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G03G21/12
G03G21/16 109
G03G21/16 190
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062625
(22)【出願日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2022116900
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】豊田 稔
(72)【発明者】
【氏名】野寺 健太郎
【テーマコード(参考)】
2H134
2H171
【Fターム(参考)】
2H134GA01
2H134GB02
2H134HD01
2H134JA02
2H134JB02
2H134KF01
2H134KF02
2H134KF04
2H134KH03
2H134KH09
2H134KJ02
2H171FA03
2H171FA17
2H171GA03
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2H171GA12
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2H171QB03
2H171QB15
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2H171QC03
2H171QC22
2H171QC26
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2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171WA17
2H171WA23
(57)【要約】
【課題】粉体収容容器を小型化する。
【解決手段】装置が有する着脱部位に対して着脱可能な、粉体を収容する粉体収容容器であって、前記粉体収容容器は、前記粉体を収容する空間を形成する壁部を有し、前記壁部のうち、前記装置の着脱部位に対向する壁部である第1の壁部の厚みが、前記着脱部位に対向しない壁部である第2の壁部と比べて薄い。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置が有する着脱部位に対して着脱可能な、粉体を収容する粉体収容容器であって、
前記粉体収容容器は、前記粉体を収容する空間を形成する壁部を有し、
前記壁部のうち、前記装置の着脱部位に対向する壁部である第1の壁部の厚みが、前記着脱部位に対向しない壁部である第2の壁部と比べて薄いことを特徴とする粉体収容容器。
【請求項2】
前記第1の壁部と、前記第2の壁部とは、別体であることを特徴とする請求項1に記載の粉体収容容器。
【請求項3】
前記第1の壁部は、フィルム状の部材であることを特徴とする請求項2に記載の粉体収容容器。
【請求項4】
前記フィルム状の部材は、前記第2の壁部に熱を付与することによって取り付け可能な部材であることを特徴とする請求項3に記載の粉体収容容器。
【請求項5】
前記第1の壁部と、前記第2の壁部とは、一体成型により筐体として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体収容容器。
【請求項6】
前記第2の壁部は、樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉体収容容器。
【請求項7】
前記粉体収容容器は、前記着脱部位に着脱するための着脱手段を有することを特徴とする請求項1に記載の粉体収容容器。
【請求項8】
前記着脱手段は、前記粉体収容容器における粉体が収容されている空間である収容空間の外側の部位に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の粉体収容容器。
【請求項9】
前記第1の壁部は、前記着脱部位に設けられた凸部に対応する位置に、前記凸部が嵌まるような凹み形状を設けたことを特徴とする請求項1に記載の粉体収容容器。
【請求項10】
前記粉体収容容器は、
前記粉体収容容器に形成された前記粉体を収容する空間が、
前記装置側に設けられた粉体を検知する粉体検知手段が配置された位置に対応する第1の空間と、
粉体を前記粉体収容容器に受け入れる受け入れ口が設けられており、前記第1の空間とは仕切られている第2の空間と、
前記第1の空間と前記第2の空間とを接続している第3の空間と、
前記第3の空間に位置する粉体搬送部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の粉体収容容器。
【請求項11】
前記粉体は、電子写真方式の画像形成装置においてクリーニングされて回収された廃トナーであることを特徴とする請求項1に記載の粉体収容容器。
【請求項12】
前記装置は、請求項1に記載の粉体収容容器を備えており、
前記装置は、前記粉体収容容器が着脱される着脱部位を有することを特徴とする装置。
【請求項13】
前記着脱部位は、前記装置の外装部であり開閉可能な外装カバーであることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記着脱部位の面積は、前記第1の壁部の面積よりも大きいことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記着脱部位と前記第1の壁部とは、所定の間隔が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記着脱部位は、前記装置の内部の底部であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、請求項10に記載の粉体収容容器を備えており、
前記粉体収容容器が前記着脱部位に取り付けられた状態で、最も下方にある粉体の受け入れ口よりも下方の位置に前記粉体検知手段が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項18】
前記装置は、電子写真方式の画像形成装置であり、請求項1に記載の粉体収容容器を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体収容容器、装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式におけるプリンタ等の画像形成装置において、感光体や転写ユニットに残ったトナーである残留トナー(残トナー)は、クリーニング機構によって清掃された後、廃トナーとして回収される。そして、それらのトナーは、画像形成装置内に設けられた廃トナー回収容器に溜められ、所定の量になったのち回収され、廃棄等の処理が行われる。
【0003】
ここで近年において、画像形成装置の小型化が求められている。そこで、装置のわずかなスペース内に、トナーを回収するのに必要な容量を確保しつつも廃トナー回収容器を設置可能にするため、例えば、外装カバーと一体に成型するといった構成が考えられている。併せて、廃トナー回収容器の交換作業を容易にするといった作業性の向上や、環境への負荷低減を考慮した省資源化も要求されており、廃トナー回収容器の部品数の低減、部品のリサイクル性を向上させることがより求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、静電潜像を担持する像担持体と、像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング装置とを備える画像形成装置において、当該画像形成装置は、クリーニング装置で回収した残留トナーを収納するトナー回収容器を備える本体外装カバー部材を有する構成の画像形成装置が記載されている。そして、トナー回収容器と本体外装カバーが一体化されている。
【0005】
また、特許文献2には、残留トナーを除去するクリーニング装置と、残留トナーを回収する回収容器と、この回収容器に回収されて蓄積されるトナーの蓄積量が所定のレベルに達したことを検知する蓄積量検知センサとを備えた画像形成装置において、蓄積量検知センサを、その検知面が起立した状態にあるとき回収容器支持フレームに収容されている回収容器と対向するように画像形成装置本体側に配置し、回収容器支持フレームの蓄積量検知センサの検知面と対向する部位を開口した構成が記載されている。そして、特許文献2の残留トナーを回収する回収容器は、蓄積量検知センサの検知面と対向する部位についてのみ、容器の厚さを他の部位よりも薄く構成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、粉体収容容器を小型化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、装置が有する着脱部位に対して着脱可能な、粉体を収容する粉体収容容器であって、前記粉体収容容器は、前記粉体を収容する空間を形成する壁部を有し、前記壁部のうち、前記装置の着脱部位に対向する壁部である第1の壁部の厚みが、前記着脱部位に対向しない壁部である第2の壁部と比べて薄い粉体収容容器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、粉体収容容器を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る実施形態における画像形成装置の構成図。
【
図2】感光体ユニットおよび現像ユニットの構成の概略図。
【
図3】本実施形態における画像形成装置の全体の外観を示す図。
【
図4】廃トナー回収容器が画像形成装置の外装カバーに取り付けられている状態を示す図。
【
図6】本実施形態における廃トナー回収容器の外観を示した斜視図。
【
図8】廃トナー回収容器の廃トナー収容空間の内部の構成を示した図。
【
図9】本実施形態における廃トナー回収容器のフィルム状部材が設けられた部位側から見た構成を示す図。
【
図10】廃トナー回収容器における側面から見た断面の概略図。
【
図11】本実施形態における廃トナー回収容器の固定方法を示す図。
【
図12】外装カバーの変形力を説明するための概略図。
【
図14】本発明に係るさらに別の形態の構成を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る実施形態を、図面を用いて、以下に説明をする。
<本実施形態における画像形成装置について>
図1に、本実施例の電子写真方式の画像形成装置の構成を示す。
図1は、感光体の周上に1つの現像ユニットを配置し、感光体および現像ユニットの上部には中間転写ユニットが配置された作像部が4つ並んだカラーの画像形成装置10の概略を示す断面図である。なお、画像形成装置10は、装置の一例である。画像形成装置10の本体に現像ユニット及び感光体ユニットを装着した状態を示すものでもある。この
図1に基づいて、このカラー画像形成装置の主要部を説明する。
【0011】
それぞれ色の異なるトナーを収容した4つのトナーボトル40(40K、40C、40M、40Y)が、
図1では手前側から奥に向かってK(黒)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)と水平に配置されている。そして、現像ユニット30(30K、30C、30M、30Y)に各色に応じてトナーボトルから現像ユニット30にトナーが搬送される。また、これらの現像ユニット30と組み合わせたユニットとして、感光体ユニット20(20K、20C、20M、20Y)が配置されている。
【0012】
この感光体ユニット20の感光体21の周りには、1次転写後の残トナーを掻きとるためのクリーニングブレード23(23K、23C、23M、23Y)、感光体21に当接する帯電ローラ22(22K、22C、22M、22Y)が設けられている。さらに、感光体21の周りには、感光体21を露光する露光装置50が設けられている。
【0013】
また、中間転写ユニット60は、感光体21と当接・離間する中間転写ベルト61が、駆動ローラ62、従動ローラ63および一次転写ローラ64(64K、64C、64M、64Y)の周りに掛け渡されて循環移動するように構成されている。
【0014】
各現像ユニット30には、現像ローラ31が設けられている。この現像ローラ31の芯金には、図示しないバイアス電源からマイナス電位のバイアス電圧が印加される。また、各帯電ローラ22には、他のバイアス電源から直流のマイナス電位のバイアス電圧が印加される。
【0015】
画像形成装置10は、4つの感光体ユニット20を持つ。そして、各感光体ユニット20は、現像ユニット30とセットとなる感光体21、当該感光体21に当接するクリーニングブレード23、および帯電ローラ22によって構成されている。そして、
図2は、感光体ユニット20および現像ユニット30との構成の概略図である。ここでは、Y色を例に挙げているが、他の色についても同様の構成である。
【0016】
次に、感光体ユニット20Yを例に挙げ、残トナー(残留トナー)の回収方法について説明する。なお、他の感光体ユニット20K、20C、20Mについても回収方法については同様であるとする。まず、感光体21上に残った残トナーは、感光体21の回転に伴いクリーニング部材であるクリーニングブレード23に掻き取られ、感光体ユニット20から搬送部材24にて廃トナー回収容器70に搬送される。そして、中間転写ベルト61上に残った残トナーも中間転写クリーニングユニット66に回収された後、後述の廃トナー回収容器70に搬送される。そして、残トナーは、廃トナー回収容器70に収容され、廃トナーとして廃棄等の処理がされる。廃トナー回収容器70の詳細については、後ほど説明する。
【0017】
再び、
図1に戻り、次は、作像方法について説明する。まず、Y色の感光体ユニット20について、帯電ローラ22Yは、その清掃された感光体21Yの周面について、高電位に一様に帯電させて初期化する。そして、露光装置50Yが、帯電された感光体21を、画像データに基づき選択的に露光する。これにより、その感光体21Yの周面には、この露光により電位の減衰した低電位部と、その初期化による高電位部とからなる静電潜像が形成される。
【0018】
また、現像ユニット30Yの現像ローラ31Yは、当該静電潜像の低電位部にトナーを転移させてトナー像を形成(現像)する。感光体21Yは、トナー像を回転搬送して、中間転写ベルト61に転写する。
【0019】
その後、この中間転写ベルト61上の当該トナー像が、感光体21Mとの当接部に来る。そして、当該トナー像に、感光体ユニット20Mで形成されたM色のトナー像を重ねて転写する。さらに、同様の動作をC色およびK色の感光体ユニット20まで行う。これによって、四重のトナー像を搬送し、そのトナー像を二次転写ローラ65により給紙ユニット80より搬送された用紙Sに転写する。
【0020】
その後、転写された用紙Sは、定着ユニット90を通過し、そのとき熱と圧力が付与されることでトナー像が用紙に定着される。そして、トナー像が定着された用紙は、排紙ユニット100を通過し、画像形成装置10の本体の排紙部に排出される。
【0021】
<本実施形態における廃トナー回収容器の取り付けについて>
図3(a)は、本実施形態における画像形成装置の全体の外観を示す図である。
図3(b)は、外装カバーが画像形成装置本体に対して開閉することを示した図である。また、
図4(a)は、廃トナー回収容器が画像形成装置の外装カバーに取り付けられている状態を示す平面図であり、
図4(b)は、斜視図である。
【0022】
図3(a)に示すように画像形成装置10には、操作パネル13が設けられている。ユーザが印刷をする際、操作パネル13を操作することで、画像形成装置10において印刷動作等が実行される。また、画像形成装置10には、原稿をコピーあるいは読み取るための自動原稿搬送装置(ADF)14が設けられている。
【0023】
ここで、
図4(a)に示すように、画像形成装置10には、感光体21や中間転写ベルト61上に残った残トナーを廃トナーとして回収するための粉体収容容器である廃トナー回収容器70が設けられている。廃トナー回収容器70は、
図3(a)において画像形成装置10を正面(操作パネルで操作する側)から見たときに、右側に位置するカバー部材に取り付けられている。ここで、カバー部材は、本実施形態では樹脂で形成されており、画像形成装置10に固定される固定カバー11と扉のように開閉可能な外装カバー12との二つ部材を有する構成である。なお、外装カバー12は、
図3(b)に示すように、矢印Rの方向に、外装カバー12の下部のヒンジを軸にして上下に開閉するように構成されている。そして、
図4に示すように、外装カバー12に廃トナー回収容器70が着脱可能に取り付けられている。そのため、例えば、廃トナー回収容器70の廃トナーが満杯になり、作業者が交換する際、外装カバー12を開くと共に、廃トナー回収容器70が現れるようになる。それによって廃トナー回収容器70を外装カバー12から取り外すことが可能となる。
【0024】
また、画像形成装置によっては、転写ユニットや作像ユニットは、廃トナー回収容器を外さないとアクセスできないため、例えば、これらのユニットを交換する際、廃トナー回収容器を外した後でなければ、これらのユニットを取り外すことができないものもある。これに対して、本実施形態では、上記のように外装カバー12に廃トナー回収容器70が取り付けられているため、外装カバー12の開閉を行うだけで、廃トナー回収容器70も退避し、転写ユニットや作像ユニットにアクセスすることが可能となっている。
【0025】
図5は、外装カバー12の全体を示した図である。なお、外装カバー12は、着脱部位の一例である。ここで、装置の着脱部位とは、粉体収容容器における粉体を収容する空間を形成する第1の壁部(本実施形態において、フィルム状部材73で構成されている壁部である)と対面する装置の部位が、着脱部位である。本実施形態では、外装カバー12に廃トナー回収容器70が取り付けられた状態で、廃トナー回収容器70のフィルム状部材73と対面する部位が着脱部位に相当する。そして、廃トナー回収容器70は、外装カバー12に設けられた突起121と嵌合する穴部701を有する。この穴部701と突起121が嵌合することで、廃トナー回収容器70の外装カバー12に対する位置が決められる。
【0026】
また、廃トナー回収容器70は、外装カバー12に設けられたねじ穴部124でねじ止めして締結を行う締結部702を有する。なお、締結部702は、着脱手段の一例である。廃トナー回収容器70の外装カバー12への固定は、締結部702においてねじ止めにより実現される。なお、ここでは、固定方法は、ねじ止めを例に挙げたが、本発明は、これに限らず、例えば、スナップフィット等でもよい。
【0027】
<本実施形態における廃トナー回収容器について>
図6は、本実施形態における廃トナー回収容器70の外観を示した斜視図である。なお、
図6(a)は、ケーシング部材72側から見た図、
図6(b)は、フィルム状部材73側から見た図である。まず、これらの図を用いて本発明に係る廃トナー回収容器70について説明する。
【0028】
廃トナー回収容器70は、ケーシング部材72、フィルム状部材73を有し、廃トナーを収容する収容ケースである。なお、ケーシング部材72は、第2の壁部の一例であり、フィルム状部材73は、第1の壁部の一例である。なお、フィルム状部材73は、
図6(b)において、斜線でハッチングして示したところになる。そして、壁部であるケーシング部材72とフィルム状部材73とで廃トナーを収容するための空間を形成している。また、廃トナー回収容器70は、感光体ユニット20に対応する残トナーの受け口である穴部71(71K、71C、71M、71Y)がある。また、感光体ユニット20と同様に、中間転写クリーニングユニット66で回収された残トナーについては、穴部71Tから受け渡される。そして、受け口からのトナー飛散・トナー漏れが発生しないように各々の穴部71には、受け口を阻害しないように封止部材711が貼り付けられている。封止部材711は、例えば、スポンジ等が用いられる。なお、廃トナー回収容器70の詳細については、後ほど説明する。
【0029】
<本実施形態における残トナーの回収方法について>
次に、
図7を用いて残トナーの回収方法について説明する。
図7(a)は、感光体ユニットからの残トナーを搬送するための構成を示した図である。また、
図7(b)は、感光体ユニットと廃トナー回収容器70と残トナーの受け渡し部の構成を示した断面図である。そして、
図7(c)は、中間転写クリーニングユニットと廃トナー回収容器70の位置関係を示した図である。また、
図7(d)は、中間転写クリーニングユニットと廃トナー回収容器70の受け渡し部の断面図を示す図である。ここで、K色トナーの残トナーの回収方法について例を挙げて説明するが、他の残トナーについても同様であるとする。
【0030】
まず、
図1で説明したクリーニングブレード23で回収された残トナーは、配送菅の搬送部材24によってシャッタ部材25の方へ搬送される(
図7(a))。そして、廃トナー回収容器70が画像形成装置10の本体へセットされているときは、感光体ユニット20から廃トナー回収容器70への残トナーを受け渡す配送菅が、廃トナー回収容器70の受け渡し部である穴部71Kにセットされている(
図7(b))。
【0031】
ここで、セットされたときは、廃トナー回収容器70のケーシング部材72の一部であり、シャッタ部材を押す突起部材を保持する突起部材保持部724(724K、724C、724M、724Yおよび724T)に設けられた突起部材721が、感光体ユニット20のシャッタ部材25を押すことにより当該シャッタ部材25が移動する。すると、感光体ユニット20と廃トナー回収容器70の搬送経路がつながり、搬送部材24から送られてきた残トナーが廃トナー回収容器70に溜まるようになる。また、封止部材711は、感光体ユニット20および中間転写クリーニングユニット66と穴部71(71K、71C、71M、71Yおよび71T)からトナーが飛散するのを防いでいる。
【0032】
また、感光体ユニット20と同様に、中間転写クリーニングユニット66の回収された残トナーについても同様の回収方法になっている。すなわち、中間転写クリーニングユニット66から廃トナー回収容器70への受け渡す配送菅663が、廃トナー回収容器70の穴部71Tを受け渡し部としてセットされている(
図7(c))。
【0033】
そして、廃トナー回収容器70が画像形成装置10本体へセットされているときは、ケーシング部材72の突起部材保持部724Tに設けられた突起部材722が、中間転写クリーニングユニット66のシャッタ部材661を押す。このことにより当該シャッタ部材661が移動し、中間転写クリーニングユニット66と廃トナー回収容器70の搬送経路がつながる(
図7(d))。このことで、搬送部材662から送られてきた残トナーが、廃トナーとして廃トナー回収容器70に溜まるようになっている。
【0034】
<本実施形態における廃トナーの回収容器の内部構成および満杯検知方法>
次に、本発明に係る廃トナー回収容器70における内部構成および廃トナーの満杯検知方法の詳細について
図8(a)、(b)を用いて説明する。なお、
図8(a)、
図8(b)では、フィルム状部材73は除いて示している。
図8(a)は、廃トナー回収容器70の廃トナー収容空間における内部の構成を示した図である。この
図8(a)を用いて、まずは、内部の構成を説明する。
【0035】
ここで、廃トナー収容空間は、前述したが壁部であるケーシング部材72とフィルム状部材73とで形成された廃トナーを収容するための空間である。この空間は、樹脂で形成されたケーシング部材72の縁部723にフィルム状部材73を貼り付けて封止することで形成される。
【0036】
また、廃トナー回収容器70には、複数の残トナーの受け口である穴部71が設けられている。そして、各穴部71と対応する位置には、残トナーの搬送経路内に設けられたシャッタ部材25、661を開く突起部材721、722が取り付けられた突起部材保持部724(724K、724C、724M、724Yおよび724T)が設けられている(
図7(b)、(d)参照)。穴部71は、中間転写クリーニングユニット66および各感光体ユニット20との連結部であり、そこから廃トナー回収容器70内に残トナーが搬送されてくる。
【0037】
廃トナー収容空間内には、画像形成装置10の本体の駆動連結部と連結して一体動作し、搬送された残トナーを搬送する廃トナースクリュー704が設けられている。また、廃トナースクリュー704は、廃トナー回収容器70を外装カバー12に取り付けた際に、複数の廃トナーの受け口である穴部71の下方となる位置に配置されている。また、廃トナースクリュー704は、画像形成装置10の動作時には、回転している。
【0038】
さらに、廃トナーが廃トナー回収容器70内で廃トナーが満杯になった状態を検知するためのトナー満杯検知センサを画像形成装置10側に設けている。トナー満杯検知センサは、透過型のセンサであり、トナー満杯検知センサ透過部706を当該センサの光が通過する。このトナー満杯検知センサ透過部706で廃トナーが溜まると光を遮り、このことで廃トナー回収容器70内に廃トナーが溜まってきたことを知らせる仕組みとなっている。また、トナー満杯検知センサは、廃トナー回収容器70を外装カバー12に取り付けた際に、廃トナーの受け口の穴部71のちで最も下方にある穴部(本実施形態では穴部71K)よりも下方になるように配置されている。
【0039】
仮に、トナー満杯検知センサを穴部71よりも上方に位置すると、廃トナーが満杯になってもこのことを検知できず、廃トナーが、収容した穴部71から画像形成装置10本体へ溢れてしまうことがある。そのため、これを防止するために、上記のような構成にしている。
【0040】
また、本実施形態においては、可能な限り多くの廃トナーを収容容器内に溜めるようにするため、廃トナースクリュー704から所定の距離をおいた下方の位置に、トナー満杯検知センサを設けている。
【0041】
そして、本実施形態においては、廃トナー収容空間は、仕切り部材705によって複数の空間(部屋)に分割している。そして、廃トナー収容空間は、廃トナーを溜めるための空間である回収空間703(第2の空間の一例)と、トナー満杯検知センサ透過部706が設けられている空間である検知空間707(第1の空間の一例)と、回収空間703と検知空間707と接続しており、廃トナースクリュー704が設けられている空間であるスクリュー配置空間708(第3の空間の一例、
図8において丸く囲った破線部のところ)と、を有する構成としている。例えば、仕切り部材705がないと、収容した廃トナーがトナー満杯検知センサ透過部706付近に偏って溜まってしまい、満杯を誤検知してしまうことがある。そこで、仕切り部材705を設けることで、これを防止し、多くの量の廃トナーを収容できるようにしている。
【0042】
また、外装カバー12に廃トナー回収容器70を取り付けるが、当該外装カバー12は、扉のように開閉するように構成されている。そのため、その開閉に伴い、廃トナー回収容器70内に収容されている廃トナーが振られて、廃トナーが収容空間の内部で移動してしまうことがある。このとき、例えば、回収空間703にあるトナーが、検知空間707に移動することがあり、このことは誤検知につながるおそれがある。そこで、この誤検知を防止するために、空間での廃トナーの移動は、廃トナースクリュー704が配置されているスクリュー配置空間708から行うように構成している。
【0043】
そして、このような構成にして、本実施形態では、以下のように、廃トナーの満杯を検知している。
【0044】
まず、廃トナー回収容器70に入った残トナーは、回収空間703で蓄積されていく。そして、廃トナースクリュー704の高さまで廃トナーの量が溜まったときに、
図8(a)におけるスクリュー配置空間708を介して、今度は検知空間707に廃トナーが運ばれるようになり、検知空間707に廃トナーが溜められていくことになる。
【0045】
そして、検知空間707内の廃トナーが所定の量になると、トナー満杯検知センサの光が遮られ、これにより廃トナー回収容器70内のトナーが満杯になったことを検知し、ユーザに交換を促すようになる。
【0046】
図8(b)は、廃トナー回収容器70の廃トナー収容空間における内部の構成の別の例を示した図である。中間転写クリーニングユニット66の残トナー受け口である穴部71Tの下に仕切り部材709を設けた点で、
図8(a)と異なっている。このような仕切り部材709を設けた構成にすることで、残トナーは、仕切り部材709に形成された空間に廃トナーとして溜まるため、より多くの量の廃トナーを溜めることが可能となる。
【0047】
<本実施例における特徴部について>
次に、本発明の特徴部について説明する。ここで、特徴部について説明する前に、比較対象となる構成(比較例)を挙げ、その課題について説明することにする。
【0048】
<比較例>
例えば、廃トナー回収容器70を樹脂で成型した平板状の部材で蓋をして、廃トナーの収容空間を封止するような構成も考えられる。しかしながら、その場合、平板状の部材を樹脂で成型しているため、所定の厚みが必要となり、その厚みの分の影響で小型化に寄与することができなくなる。
【0049】
また、代わりに平板状の部材を金属で成型する方法も挙げられる。この場合、厚みを抑えることは可能となる。しかしながら、廃トナー回収容器70あるいは外装カバー12に、その蓋部材を固定するような機構を設ける必要があり、却って構成が複雑になってしまう。また、その機構分のスペースが必要でもあり、望ましくない。
【0050】
他には、廃トナーを収容する空間部分だけを覆うような蓋部材を形成する方法も挙げられる。しかし、この場合も、廃トナー回収容器70あるいは外装カバー12に、その蓋部材を固定するような機構を設ける必要があり、却って構成が複雑になってしまう。また、その機構分のスペースが必要でもあり、望ましくない。
【0051】
<本実施形態におけるフィルム状部材について>
そこで、本発明における実施形態においては、以下に述べる構成にして、廃トナー回収容器70の小型化を図っている。
図9は、本実施形態における廃トナー回収容器70のフィルム状部材73が設けられた部位側から見た構成を示す図である。本実施形態において廃トナー回収容器70における廃トナーを収容する空間を形成する壁部のうち外装カバー12側の部位(廃トナー回収容器70を取り付ける部材である外装カバー12に対向する部位)は、フィルム状の部材であるフィルム状部材73で構成されている。そして、フィルム状部材73の厚みは、廃トナーを収容する空間を形成している壁部における他の壁部の厚みに比べて薄く構成されている。なお、フィルム状部材73は、
図9において、斜線でハッチングして示したところになる。また、
図10(a)は、廃トナー回収容器70における側面から見た(
図9で矢印Aから見た)断面の概略図である。すなわち、フィルム状部材73の厚みは、ケーシング部材72の縁部723の厚みよりも薄く構成されている。
【0052】
本実施形態においてフィルム状部材73は、透明なものを用いている。なお、これに限らず、着色が施されていてもよい。また、フィルム状部材73の材質としてはプラスチックが用いられる。フィルム状部材73の厚みとしては、0.1mm程度としている。
【0053】
そして、フィルム状部材73は、熱を付与することでケーシング部材72に融着され、これにより収容している廃トナーの封止を実現することができる。
【0054】
ここで、フィルム状部材73をケーシング部材72に取り付ける際に、仮に、ケーシング部材72の縁部723にシールを貼り、そのシールを貼り付けた部位にフィルム状部材73を取り付ける方法も挙げられる。しかしながら、その場合は、シールを剥離紙からはがして取り付ける場合に、シールが作業者の手に付着することや、意図しないところに付着するといったことが発生する。また、シールの分だけ、厚みが出てしまう。そのため、熱融着によりフィルム状部材73を取り付けることで、作業性を向上させ、厚みを抑えることができる。
【0055】
ここで、フィルム状部材73の熱融着による貼り付けは、仕切り部材705についても行うようにする。仕切り部材705にフィルム状部材73が貼り付いていないと、仕切り部材705とフィルム状部材73との間に隙間ができ、そこから廃トナーが移動するおそれがある。すなわち、回収空間703から検知空間707へ廃トナーが移動するおそれがある。そのため、これを防止する必要があり、上記のようにしている。
【0056】
また、ケーシング部材72への貼り付ける力を強めるために、熱融着を行う部位を多くする例を説明する。具体的には、フィルム状部材73は、ケーシング部材72の縁部723だけでなく、仕切り部材705は当然のこと、別の仕切り部材である仕切り部材709や突起部材721、722が設けられている突起部材保持部724についても熱融着を行うようにする。ここで、
図10(b)は、廃トナー回収容器70における側面から見た(
図9で矢印Aから見た)断面の概略図であるが、この図では、突起部材保持部724にフィルム状部材73を貼り付けている構成を例にとって示している。このようにすることでフィルム状部材73をケーシング部材72に強く貼り付けることができ、廃トナーの封止力を高めることができる。
【0057】
そして、廃トナー回収容器70は、上記した構成で形成して、外装カバー12に取り付けられる。ここで、廃トナー回収容器70のフィルム状部材73が設けられているフィルム側の部位を外装カバー12の内面側に向かい合わせにした状態で廃トナー回収容器70を外装カバー12に取り付けるようにする。このような構成にすることで、廃トナー回収容器70の小型化に寄与することができる。
【0058】
また、外装カバー12のフィルム状部材73が対向する部位の面積は、フィルム状部材73の面積よりも大きくしている。
【0059】
そして、廃トナー回収容器70のフィルム側の部位は、外装カバー12側に位置するようになる。このため廃トナー回収容器70の外装カバー12への装着後、廃トナーが収容されている状態は、フィルム状部材73よりも面積の大きい外装カバー12で覆われることになるため、ユーザが視認することができなくなる。これにより、ユーザが不用意にフィルム状部材73に触れて、フィルム状部材73が破損して廃トナーがこぼれてしまうことを防ぐことができる。
【0060】
本実施形態では、このように厚みの薄いフィルム状部材73で廃トナー回収容器70を構成しているので、廃トナー回収容器70自体の厚みを可能な限り薄くすることができる。その結果として廃トナー回収容器70の小型化が実現でき、画像形成装置10内のわずかなスペースを設置スペースとして有効に活用することができる。また、フィルム状部材73側を外装カバー12に取り付けることで、廃トナー回収容器70の外装カバー12で保護される側の強度をそれほど必要としなくてもよくなる。そのため、廃トナー回収容器70は、廃トナーを収容できる容量を確保しつつも、小型化、軽量化に寄与することができる。
【0061】
そして、フィルム状部材73を用いることで、外装カバー12と廃トナー回収容器70とを一体成型する必要がないため、外装カバー12から廃トナー回収容器70を分離できる。そのため、廃トナー回収容器70だけを交換すればよく、さらなる交換部品の数の低減も実現可能である。
【0062】
また、廃トナー回収容器70の外装カバー12への取り付けと、廃トナーの封止のための貼り合わせとが、フィルム状部材73により面で行うようになる。これは、作業性の向上が見込める。そして、外装カバー12と廃トナーが接することがないので、外装カバー12が汚れを防止できるという効果も併せて得ることができる。
【0063】
次に、本実施形における廃トナー回収容器70の取り付けには、外装カバー12に廃トナー回収容器70をねじで固定することになる。
図11(a)に、廃トナー回収容器70の外装カバー12への取り付けた状態を示した概略図を示す。また、
図11(b)は、廃トナー回収容器70の締結部702の位置を示した斜視図である。具体的な取り付け方法としては、上記したように締結部702にて、外装カバー12に設けられたねじ穴部124でねじ止めして締結を行う。このとき、ねじを締める際の締結する力で廃トナー回収容器70に負荷がかかる。そして、その負荷が廃トナー収容領域である収容空間にかかると、フィルム状部材73が破損する可能性がある。そこで、フィルム状部材73に負荷がかかるのを避けるために、本実施形態では、締結部702を、収容空間(
図11(b)でいうと一点鎖線枠の部分)の外側に設けている。
【0064】
また、外装カバー12が一時的に変形することがあり、この変形力Fにより、フィルム状部材73に負荷がかかることがある。
図12(a)~(c)は、外装カバー12の変形力を説明するための概略図である。ここで、
図12(a)において、破線が外装カバー12の変形、二点鎖線がフィルム状部材73の変形を示している。そこで、上記の変形力の影響を受けないようにするため、フィルム状部材73のケーシング部材72への貼り付けの際には、この負荷がかからないことを考慮して貼り付けるようにする。このとき、
図12(b)に示すように、外装カバー12とフィルム状部材73との間には、予めギャップGを設けておくとよい。ここで、ギャップGは、所定の間隔の一例である。当該ギャップGは、両者の距離をとりすぎるとスペースをとるため、結果的に廃トナー回収容器70の小型化に寄与できなくなる。そこで、本実施形態において、ギャップGは、0.5mm程度にしている。このようにすることで、
図12(c)に示すように、当該変形力Fがかかっても、ギャップGによってフィルム状部材73は、その影響を受けない。そのため、フィルム状部材73が破損されることを未然に防止できる。
【0065】
なお、本実施形態では、廃トナー回収容器70についてフィルム状部材73を設ける構成を例に挙げたが、本発明は、これに限られない。成型が可能であれば廃トナー回収容器70の筐体の外装カバー12側の部位を薄肉化してもよい。例えば、フィルム状部材73に代わり、厚みの薄い樹脂パーツを使用し、ケーシング部材72と一体成型してもよい。
【0066】
<本発明に係る別の実施形態について>
本発明に係る別の実施形態(変形例)について説明する。
図13(a)は、外装カバー12にリブを設けた構成を示す図である。また、
図13(b)は、フィルム状部材73にリブを避けるための凹み形状を設けた構成を示す図である。そして、
図13(c)は、フィルム状部材73にリブを避けるための凹み形状を設けた構成における断面の概略図である。
【0067】
図13(a)に示すように、外装カバー12は、その強度を確保するために内側(廃トナー回収容器70の設置側)にリブ122(着脱部位に設けられた凸部の一例)を設ける場合がある。その場合、内側には凸形状が形成されることになる。このとき、廃トナー回収容器70の取り付け面内にリブ122を設けると、そのリブ122によってフィルム状部材73に圧力がかかり、フィルム状部材73は押されて凹部ができることになる。この凹部は、フィルムの熱融着を行う際の作業を困難なものとする。また、その圧力により、場合によってはフィルム状部材73が破損する可能性がある。このような場合は、フィルム状部材73が平面から形成されるシート状のものでは、このような課題に対応ができない。
【0068】
上記した課題に対しては、フィルム状部材73について、リブ122からの圧力がかかるのを避けるような構成にする必要がある。一方で、廃トナー回収容器70の回収容量が低減するのを最小限に抑える必要もある。
【0069】
そこで、
図13(b)に示すようにフィルム状部材73の外装カバー12側への取り付け面の一部に、外装カバー12のリブ122と対応するように凹み形状731(
図13(b)の破線部)を形成した構成とする。なお、凹み状形状731は、凹み状形状の一例である。この凹み状形状731の大きさ等は、廃トナーの回収容量を踏まえ、リブ122の圧力を受けない程度のものとする。そして、このようにすることで、
図13(c)に示すように凹み形状731にリブ122が嵌まるため、フィルム状部材73にリブ122からの圧力がかからなくなる。これによって、フィルム状部材73の破損を防止できる。その結果、外装カバー12の強度の確保をしつつも、廃トナー回収容器70の回収容量が大きく低減することなく、廃トナー回収容器70も取り付けすることができる。
【0070】
本発明に係る別の変形例について説明する。
図14(a)は、本発明に係る別の形態の画像形成装置の構成を示すものである。また、
図14(b)は、別形態の画像形成装置から転写ユニットを取り外す状態を示した図である。そして、
図14(c)は、廃トナー回収容器70を別形態の画像形成装置に取り付けた構成を示した図である。
【0071】
本形態における画像形成装置110は、中間転写ユニットを設けておらず、代わりに転写ユニット160を設けており、感光体ユニット130上で形成されたトナー像を直接用紙Sに転写する構成を採用している。いわゆる直接転写方式を採用していることになる。なお、画像形成装置110は、装置の一例である。
【0072】
ここで、本形態における転写ユニット160について、転写ユニット160以外の構成は、画像形成装置10と同様の構成であるとする。
【0073】
まず、転写ユニット160は、画像形成装置110本体に対して装着可能である。
図14(a)に示すように、転写ユニット160は、画像形成装置110の本体に対して装着された状態で、感光体ユニット130が内部位置に位置するときに、複数の感光体ユニット130の下方に位置する。転写ユニット160は、ベルト161を備える。すなわち、画像形成装置10は、ベルト161を備える。ベルト161は、転写ユニット160が画像形成装置110本体に対して装着された状態で、感光体ユニット130が内部位置に位置するときに、複数の感光体ユニット130が有する感光体に接触する。
【0074】
ベルト161は、給紙ユニット80から供給された用紙Sを定着ユニット90に向かって搬送する。転写ユニット160は、ベルト161によって搬送される用紙Sが複数の感光体のそれぞれと接触するときに、複数の感光体の各々のトナー像を用紙Sに転写する。
【0075】
また、本形態において、転写ユニット160の下部には、スペース162が設けられている。そして、廃トナー回収容器70は、
図14(b)に示すように、当該スペース162に着脱可能に取り付けられている。
【0076】
廃トナー回収容器70は、フィルム状部材73が設けられている部位を取り付け面である画像形成装置110の底部163と対向するように配置されている。ここで、底部163は、着脱部位の一例である。なお、底部163のフィルム状部材73と対向する部位の面積は、フィルム状部材73の面積よりも大きい。そして、廃トナー回収容器70は、
図14(c)に示すように底部163にねじ止めされる。また、廃トナー回収容器70の着脱作業は、まず画像形成装置110の本体カバーから感光体ユニット130や転写ユニット160を取り外した後に行うようになっている。
【0077】
転写ユニット160の下部のスペース162は、画像形成装置110の小型化により、わずかに限られたスペース(空間)であることが多い。そこで、本実施形態における廃トナー回収容器70は、フィルム状部材73によって容器の収容部を形成していることから、厚みを抑えることができるため、そのわずかなスペースを有効活用することができる。
【0078】
また、フィルム状部材73は、底部163に対向するように取り付けられていることから、フィルム状部材73から廃トナー回収容器70に廃トナーが溜められている様子が、ユーザからは、見ることができないようになっている。
【0079】
また、画像形成装置110の内部のわずかなスペースで廃トナー回収容器70の着脱作業をすることは、視界を確保しにくい等といった理由から、作業が行いにくい。しかしながら、本形態における廃トナー回収容器70は、ねじ止めで画像形成装置110に簡単に設置することができるため、作業性の向上が見込める。
【0080】
なお、本発明においては、粉体収容容器が廃トナー回収容器である場合について説明したが、これに限らず、他の粉体を収容する容器についても適用可能である。
【0081】
また、粉体収容容器における粉体を収容する収容空間は矩形状に限らず、たとえば、収容空間を形成する壁部が丸みを帯びた形状や、収容空間の形状が楕円形状であっても良い。
【0082】
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
【0083】
[第1態様]
第1態様は、装置(例えば、画像形成装置10、110)が有する着脱部位(例えば、外装カバー12、底部163)に対して着脱可能な、粉体(例えば、廃トナー)を収容する粉体収容容器(例えば、廃トナー回収容器70)であって、前記粉体収容容器は、前記粉体を収容する空間を形成する壁部を有し、前記壁部のうち、前記装置の着脱部位に対向する壁部である第1の壁部(例えば、フィルム状部材73)の厚みが、前記着脱部位に対向しない壁部である第2の壁部(例えば、ケーシング部材72)と比べて薄いことを特徴とするものである。
【0084】
第1態様によれば、粉体収容容器を小型化することができる。
【0085】
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記第1の壁部と、前記第2の壁部とは、別体であることを特徴とすることを特徴とするものである。
【0086】
第2態様によれば、交換の際の作業性を向上させることができる。
【0087】
[第3態様]
第3態様は、第2態様において、前記第1の壁部は、フィルム状の部材(例えば、フィルム状部材73)であることを特徴とするものである。
【0088】
第3態様によれば、粉体収容容器を小型化することができる。
【0089】
[第4態様]
第4態様は、第3態様において、前記フィルム状の部材は、前記第2の壁部に熱を付与することによって取り付け可能な(例えば、熱融着)部材であることを特徴とするものである。
【0090】
第4態様によれば、交換の際の作業性を向上させ、粉体収容容器の厚みを抑えることができる。
【0091】
[第5態様]
第5態様は、第1態様において、前記第1の壁部と、前記第2の壁部とは、一体成型により筐体として形成されていることを特徴とするものである。
【0092】
第5態様によれば、交換の際の作業性を向上させることができる。
【0093】
[第6態様]
第6態様は、第1態様乃至第5態様のいずれかにおいて、前記第2の壁部は、樹脂で形成されていることを特徴とするものである。
【0094】
第6態様によれば、交換作業の簡略化を図れる。
【0095】
[第7態様]
第7態様は、第1態様乃至第6態様のいずれかにおいて、前記粉体収容容器は、前記着脱部位に着脱するための着脱手段(例えば、締結部702)を有することを特徴とするものである。
【0096】
第7態様によれば、粉体収容容器を着脱部位に対して簡単に着脱できる。
【0097】
[第8態様]
第8態様は、第7態様において、前記着脱手段は、前記粉体収容容器における粉体が収容されている空間である収容空間の外側の部位に設けられていることを特徴とするものである。
【0098】
第8態様によれば、粉体収容容器の着脱の際、第1の壁部に負荷がかかるのを避け、破損することを防止できる。
【0099】
[第9態様]
第9態様は、第3態様または第4態様において、前記第1の壁部は、前記着脱部位に設けられた凸部(例えば、リブ122)に対応する位置に、前記凸部が嵌まるような凹み形状(例えば、凹み形状731)を設けたことを特徴とするものである。
【0100】
第9態様によれば、着脱部位の強度を確保しつつも、第1の壁部に凸部からの圧力がかかるのを避け、破損することを防止できる。
【0101】
[第10態様]
第10態様は、第1態様乃至第9態様のいずれかにおいて、前記粉体収容容器は、前記粉体収容容器に形成された前記粉体を収容する空間(例えば、廃トナー収容空間)が、前記装置側に設けられた粉体を検知する粉体検知手段が配置された位置に対応する第1の空間(例えば、検知空間707)と、粉体を前記粉体収容容器に受け入れる受け入れ口が設けられており、前記第1の空間とは仕切られている第2の空間(例えば、回収空間703)と、前記第1の空間と前記第2の空間とを接続している第3の空間(例えば、スクリュー配置空間708)と、前記第3の空間に位置する粉体搬送部材(例えば、廃トナースクリュー704)と、を有することを特徴とするものである。
【0102】
第10態様によれば、粉体の満杯の誤検知を防止することができる。
【0103】
[第11態様]
第11態様は、第1態様乃至第10態様のいずれかにおいて、前記粉体は、電子写真方式の画像形成装置においてクリーニングされて回収された廃トナーであることを特徴とするものである。
【0104】
第11態様によれば、本発明を電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。
【0105】
[第12態様]
第12態様は、前記装置は、第1態様乃至第11態様のいずれかの粉体収容容器を備えており、前記装置は、前記粉体収容容器が着脱される着脱部位(例えば、外装カバー12、底部163)を有することを特徴とするものである。
【0106】
第12態様によれば、粉体収容容器の小型化および粉体収容容器の交換部品数の低減ができる。
【0107】
[第13態様]
第13態様は、第12態様において、前記着脱部位は、前記装置の外装部であって開閉可能な外装カバー(例えば、外装カバー12)であることを特徴とするものである。
【0108】
第13態様によれば、装置のわずかなスペースに粉体収容容器を設置でき、限られたスペースを有効活用できる。
【0109】
[第14態様]
第14態様は、第12態様または第13態様において、前記着脱部位の面積は、前記第1の壁部の面積よりも大きいことを特徴とするものである。
【0110】
第14態様によれば、ユーザが不用意に第1の壁部に触れて、第1の壁部が破損して粉体がこぼれてしまうことを防ぐことができる。
【0111】
[第15態様]
第15態様は、第11態様乃至第14態様のいずれかにおいて、前記着脱部位と前記第1の壁部とは、所定の間隔(例えば、ギャップG)が設けられていることを特徴とするものである。
【0112】
第15態様によれば、第1の壁部に負荷がかかるのを避け、破損を防止できる。
【0113】
[第16態様]
第16態様は、第12態様において、前記着脱部位は、前記装置の内部の底部(例えば、底部163)であることを特徴とするものである。
【0114】
第16態様によれば、装置のわずかなスペースに粉体収容容器を設置でき、限られたスペースを有効活用できる。
【0115】
[第17態様]
第17態様は、前記装置は、第10態様において、前記粉体収容容器が前記着脱部位に取り付けられた状態で、最も下方にある粉体の受け入れ口よりも下方の位置に前記粉体検知手段(例えば、トナー満杯検知センサ)が設けられていることを特徴とするものである。
【0116】
第17態様によれば、粉体が、粉体を収容した部位から装置本体へ溢れてしまうことを防止することができる。
【0117】
[第18態様]
第18態様は、前記装置は、電子写真方式の画像形成装置であり、第1態様乃至第10態様のいずれかの粉体収容容器を備えたことを特徴とするものである。
【0118】
第18態様によれば、本発明を電子写真方式の画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0119】
10、110 画像形成装置
11 固定カバー
12 外装カバー
121 突起
122 リブ
124 ねじ穴部
13 操作パネル
14 自動原稿搬送装置(ADF)
20、130 感光体ユニット
21、131 感光体
22 帯電ローラ
23 クリーニングブレード
24、662 搬送部材
25、661 シャッタ部材
30 現像ユニット
31 現像ローラ
40 トナーボトル
50 露光装置
60 中間転写ユニット
61 中間転写ベルト
62 駆動ローラ
63 従動ローラ
64 一次転写ローラ
65 二次転写ローラ
66 中間転写クリーニングユニット
663 配送菅
70 廃トナー回収容器
701 穴部
702 締結部
703 回収空間
704 廃トナースクリュー
705、709 仕切り部材
706 トナー満杯検知センサ透過部
707 検知空間
708 スクリュー配置空間
71 穴部
711 封止部材
72 ケーシング部材
721、722突起部材
723 縁部
724 突起部材保持部
73 フィルム状部材
731 凹み形状
80 給紙ユニット
90 定着ユニット
100 排紙ユニット
160 転写ユニット
161 ベルト
162 スペース
163 底部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2009-63618号公報
【特許文献2】特開2006-195492号公報