IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-接合装置および接合方法 図1
  • 特開-接合装置および接合方法 図2
  • 特開-接合装置および接合方法 図3
  • 特開-接合装置および接合方法 図4
  • 特開-接合装置および接合方法 図5
  • 特開-接合装置および接合方法 図6
  • 特開-接合装置および接合方法 図7
  • 特開-接合装置および接合方法 図8
  • 特開-接合装置および接合方法 図9
  • 特開-接合装置および接合方法 図10
  • 特開-接合装置および接合方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024147887
(43)【公開日】2024-10-17
(54)【発明の名称】接合装置および接合方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20241009BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20241009BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H01L21/68 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023060600
(22)【出願日】2023-04-04
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧 哲也
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BB03
5F131CA18
5F131DB02
5F131DB54
5F131DB58
5F131DB72
5F131EA02
5F131EA27
5F131EB02
(57)【要約】
【課題】重合基板の接合精度を向上させる技術を提供する。
【解決手段】本開示による接合装置は、第1保持部と、第2保持部と、移動機構と、粗調整部と、微調整部とを備える。第1保持部は、第1基板を上方から吸着保持する。第2保持部は、第1保持部よりも下方に配置され、第2基板を下方から吸着保持する。移動機構は、第1保持部および第2保持部の一方を他方に対して接近させる。粗調整部は、第1保持部に吸着保持される前の第1基板の回転方向における位置を粗調整する。微調整部は、ピエゾ素子を変位させることによって第1保持部を回転させる少なくとも1つの第1駆動部を備え、第1保持部に吸着保持された第1基板の回転方向における位置を第1駆動部を用いて微調整する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板を上方から吸着保持する第1保持部と、
前記第1保持部よりも下方に配置され、第2基板を下方から吸着保持する第2保持部と、
前記第1保持部および前記第2保持部の一方を他方に対して接近させる移動機構と、
前記第1保持部に吸着保持される前の前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する粗調整部と、
ピエゾ素子を変位させることによって前記第1保持部を回転させる少なくとも1つの第1駆動部を備え、前記第1保持部に吸着保持された前記第1基板の回転方向における位置を前記第1駆動部を用いて微調整する微調整部と
を備える、接合装置。
【請求項2】
少なくとも2つの前記第1駆動部は、前記第1保持部の周方向に対して均等に配置される、請求項1に記載の接合装置。
【請求項3】
前記第1保持部に形成された貫通口に挿通され、前記第1基板を上方から吸着保持する第3保持部と、
前記第3保持部を保持して鉛直方向に移動させる直動機構と
をさらに備え、
前記粗調整部は、前記第3保持部を鉛直軸周りに回転させることにより、前記第3保持部に吸着保持された前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する、請求項1に記載の接合装置。
【請求項4】
前記粗調整部は、
前記直動機構が設置される回転テーブルと、
前記回転テーブルを前記鉛直軸周りに回転させる第2駆動部と
を備え、
前記第2駆動部を用いて前記回転テーブルを回転させることにより、前記直動機構および前記直動機構に保持された前記第3保持部を前記鉛直軸周りに回転させる、請求項3に記載の接合装置。
【請求項5】
前記第3保持部に形成された貫通口に挿通され、前記第1基板の中央部を押圧して前記第2基板に接触させるストライカ
を備える、請求項3に記載の接合装置。
【請求項6】
前記第1基板の接合面を撮像する撮像部と、
制御部と
を備え、
前記制御部は
前記第3保持部によって保持された前記第1基板の接合面を前記撮像部を用いて撮像する第1撮像処理と、前記第1撮像処理による撮像結果に基づいて、前記粗調整部を制御して前記第3保持部を回転させる粗調整処理と、前記粗調整処理後、前記直動機構を制御して前記第3保持部を上昇させることによって前記第1基板を前記第1保持部に受け渡す受け渡し処理と、前記受け渡し処理後、前記撮像部を用いて前記第1保持部によって保持された前記第1基板の接合面を撮像する第2撮像処理と、前記第2撮像処理後、前記第2撮像処理による撮像結果に基づいて、前記第1駆動部を制御して前記第1保持部を回転させる微調整処理とを実行する、請求項3に記載の接合装置。
【請求項7】
前記粗調整部は、
前記第1保持部に吸着保持される前の前記第1基板の回転方向における位置情報を検出するプリアライメント部と、
前記プリアライメント部によって検出された位置情報に基づいて前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する搬送アームと
を備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項8】
前記第1保持部に吸着保持される前の前記第1基板の接合面を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像結果に基づいて前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する搬送アームと
を備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項9】
第1基板を上方から吸着保持する第1保持部を用いて前記第1基板を上方から吸着保持する工程と、
前記第1保持部よりも下方に配置され、第2基板を下方から吸着保持する第2保持部を用いて前記第2基板を下方から吸着保持する工程と、
前記第1保持部および前記第2保持部の一方を他方に対して接近させる移動機構を用いて前記第1保持部および前記第2保持部の一方を他方に対して接近させる工程と、
前記第1保持部に吸着保持される前の前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する工程と、
ピエゾ素子を変位させることによって前記第1保持部を駆動させる少なくとも1つの第1駆動部を用いて、前記第1保持部に吸着保持された前記第1基板の回転方向における位置を微調整する工程と
を含む接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接合装置および接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウェハなどの基板同士を接合する接合装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-147944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、重合基板の接合精度を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による接合装置は、第1保持部と、第2保持部と、移動機構と、粗調整部と、微調整部とを備える。第1保持部は、第1基板を上方から吸着保持する。第2保持部は、第1保持部よりも下方に配置され、第2基板を下方から吸着保持する。移動機構は、第1保持部および第2保持部の一方を他方に対して接近させる。粗調整部は、第1保持部に吸着保持される前の第1基板の回転方向における位置を粗調整する。微調整部は、ピエゾ素子を変位させることによって第1保持部を回転させる少なくとも1つの第1駆動部を備え、第1保持部に吸着保持された第1基板の回転方向における位置を第1駆動部を用いて微調整する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、重合基板の接合精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る接合システムの構成を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る第1基板および第2基板の接合前の状態を示す模式図である。
図3図3は、実施形態に係る接合処理部の構成を示す模式図である。
図4図4は、実施形態に係る第1保持部、微調整部および駆動ユニットの模式的な断面図である。
図5図5は、実施形態に係る第1駆動部の配置を示す模式図である。
図6図6は、実施形態に係る接合システムが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図7図7は、ステップS106に示す処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る接合システムの動作例を示す模式図である。
図9図9は、実施形態に係る接合システムの動作例を示す模式図である。
図10図10は、実施形態に係る接合システムの動作例を示す模式図である。
図11図11は、実施形態に係る接合システムの動作例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示による接合装置および接合方法を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0009】
また、以下に示す実施形態では、「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」といった表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密に「一定」、「直交」、「垂直」あるいは「平行」であることを要しない。すなわち、上記した各表現は、例えば製造精度、設置精度などのずれを許容するものとする。
【0010】
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。また、鉛直軸を回転中心とする回転方向をθ方向と呼ぶ場合がある。
【0011】
基板同士を接合する接合装置においては、基板同士を接合する前に、基板の回転方向の位置決めが行われる。この回転方向の位置決め精度の向上は、基板の接合精度の向上につながる。したがって、接合装置において基板の回転方向の位置決め精度を向上させ、基板の接合精度を向上させることが期待される。
【0012】
<接合システムの構成>
まず、実施形態に係る接合システムの構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、実施形態に係る接合システムの構成を示す模式図である。また、図2は、実施形態に係る第1基板および第2基板の接合前の状態を示す模式図である。
【0013】
図1に示す接合システム1は、第1基板W1と第2基板W2とを接合することによって重合基板Tを形成する(図2参照)。かかる接合システム1は、接合装置の一例である。
【0014】
第1基板W1および第2基板W2は、単結晶シリコンウエハであり、板面には複数の電子回路が形成される。第1基板W1および第2基板W2は、略同径である。なお、第1基板W1および第2基板W2の一方は、たとえば電子回路が形成されていない基板であってもよい。
【0015】
以下では、図2に示すように、第1基板W1の板面のうち、第2基板W2と接合される側の板面を「接合面W1j」と記載し、接合面W1jとは反対側の板面を「非接合面W1n」と記載する。また、第2基板W2の板面のうち、第1基板W1と接合される側の板面を「接合面W2j」と記載し、接合面W2jとは反対側の板面を「非接合面W2n」と記載する。
【0016】
図1に示すように、接合システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2は、処理ステーション3のX軸負方向側に配置され、処理ステーション3と一体的に接続される。
【0017】
搬入出ステーション2は、載置台10と、搬送領域20とを備える。載置台10は、複数の載置板11を備える。各載置板11には、複数枚(たとえば、25枚)の基板を水平状態で収容するカセットC1~C4がそれぞれ載置される。カセットC1は複数枚の第1基板W1を収容可能であり、カセットC2は複数枚の第2基板W2を収容可能であり、カセットC3は複数枚の重合基板Tを収容可能である。カセットC4は、たとえば、不具合が生じた基板を回収するためのカセットである。なお、載置板11に載置されるカセットC1~C4の個数は、図示のものに限定されない。
【0018】
搬送領域20は、載置台10のX軸正方向側に隣接して配置される。搬送領域20には、Y軸方向に延在する搬送路21と、搬送路21に沿って移動可能な搬送装置22とが設けられる。搬送装置22は、Y軸方向だけでなく、X軸方向にも移動可能かつZ軸周りに旋回可能である。搬送装置22は、載置板11に載置されたカセットC1~C4と、後述する処理ステーション3の第3処理ブロックG3との間で、第1基板W1、第2基板W2および重合基板Tの搬送を行う。
【0019】
処理ステーション3には、たとえば3つの処理ブロックG1,G2,G3が設けられる。第1処理ブロックG1は、処理ステーション3の背面側(図1のY軸正方向側)に配置される。また、第2処理ブロックG2は、処理ステーション3の正面側(図1のY軸負方向側)に配置され、第3処理ブロックG3は、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1のX軸負方向側)に配置される。
【0020】
第1処理ブロックG1には、第1基板W1および第2基板W2の接合面W1j,W2jを改質する表面改質処理部30が配置される。表面改質処理部30は、第1基板W1および第2基板W2の接合面W1j,W2jにおけるSiO2の結合を切断して単結合のSiOとすることで、その後親水化され易くするように接合面W1j,W2jを改質する。
【0021】
具体的には、表面改質処理部30では、たとえば減圧雰囲気下において処理ガスである酸素ガスまたは窒素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。そして、かかる酸素イオンまたは窒素イオンが、第1基板W1および第2基板W2の接合面W1j,W2jに照射されることにより、接合面W1j,W2jがプラズマ処理されて改質される。
【0022】
また、第1処理ブロックG1には、表面親水化処理部40が配置される。表面親水化処理部40は、たとえば純水によって第1基板W1および第2基板W2の接合面W1j,W2jを親水化するとともに、接合面W1j,W2jを洗浄する。具体的には、表面親水化処理部40は、たとえばスピンチャックに保持された第1基板W1または第2基板W2を回転させながら、当該第1基板W1または第2基板W2上に純水を供給する。これにより、第1基板W1または第2基板W2上に供給された純水が第1基板W1または第2基板W2の接合面W1j,W2j上を拡散し、接合面W1j,W2jが親水化される。
【0023】
ここでは、表面改質処理部30と表面親水化処理部40とが横並びで配置される場合の例を示したが、表面親水化処理部40は、表面改質処理部30の上方または下方に積層されてもよい。
【0024】
第2処理ブロックG2には、接合処理部41が配置される。接合処理部41は、親水化された第1基板W1と第2基板W2とを分子間力により接合する。接合処理部41の具体的な構成については後述する。
【0025】
第3処理ブロックG3には、第1基板W1、第2基板W2および重合基板Tのトランジション装置(図示せず)が設けられる。
【0026】
第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3に囲まれた領域には、搬送領域60が形成される。搬送領域60には、搬送装置61が配置される。搬送装置61は、たとえば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。かかる搬送装置61は、搬送領域60内を移動し、搬送領域60に隣接する第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3内の所定の装置に第1基板W1、第2基板W2および重合基板Tを搬送する。
【0027】
また、接合システム1は、制御装置70を備える。制御装置70は、接合システム1の動作を制御する。かかる制御装置70は、たとえばコンピュータであり、制御部71および記憶部72を備える。制御部71は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。かかるマイクロコンピュータのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、後述する制御を実現する。また、記憶部72は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0028】
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置70の記憶部72にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
【0029】
<接合処理部の構成>
次に、接合処理部41の構成について図3を参照して説明する。図3は、実施形態に係る接合処理部41の構成を示す模式図である。
【0030】
図3に示すように、接合処理部41は、筐体100と、第1保持部101と、第2保持部102とを備える。また、接合処理部41は、上部撮像部103と、下部撮像部104とを備える。また、接合処理部41は、昇降機構105(移動機構の一例)と、第1水平移動部106と、第2水平移動部107と、微調整部108と、駆動ユニット109とを備える。
【0031】
筐体100は、たとえば土台100aと、土台100aに立設された複数の支柱100bと、複数の支柱100bに架け渡された梁部100cとを備える。
【0032】
第1保持部101は、たとえばバキュームチャックであり、図示しない真空ポンプ等の吸引装置に接続される。第1保持部101は、吸着面(第1保持部101の下面)に位置する第1基板W1を吸引装置が発生させる吸引力を用いて真空引きすることにより、第1基板W1を上方から吸着保持する。第1保持部101の具体的な構成については後述する。
【0033】
第2保持部102は、たとえばバキュームチャックであり、図示しない真空ポンプ等の吸気口に接続される。第2保持部102は、吸着面(第2保持部102の上面)に位置する第2基板W2を吸引装置が発生させる吸引力を用いて第2基板W2を真空引きすることにより、第2基板W2を下方から吸着保持する。
【0034】
上部撮像部103は、第2保持部102に保持された第2基板W2の上面(接合面W2j)を撮像する。上部撮像部103は、たとえば筐体100の梁部100cに取り付けられる。上部撮像部103としては、たとえばCCD(Charge Coupled Device)カメラ等が用いられ得る。
【0035】
下部撮像部104は、第1保持部101に保持された第1基板W1の下面(接合面W1j)を撮像する。下部撮像部104は、たとえば昇降機構105の側方に取り付けられる。下部撮像部104としては、たとえばCCDカメラ等が用いられ得る。
【0036】
第2保持部102は、第2保持部102の下方に設けられた昇降機構105に固定される。昇降機構105は、第2保持部102を鉛直方向(Z軸方向)に沿って移動させる。
【0037】
昇降機構105は、昇降機構105の下方に設けられた第1水平移動部106に固定される。第1水平移動部106は、昇降機構105を水平方向に沿って移動させる。具体的には、第1水平移動部106の下方には、Y軸方向に沿って延在する一対のレール161が設けられており、第1水平移動部106は、一対のレール161に沿って移動することにより、昇降機構105をY軸方向に沿って移動させる。
【0038】
一対のレール161は、第2水平移動部107に固定される。第2水平移動部107は、一対のレール161を介して第1水平移動部106を水平方向に沿って移動させる。具体的には、第2水平移動部107の下方には、X軸方向に沿って延在する一対のレール171が設けられている。第2水平移動部107は、一対のレール171に沿って移動することにより、一対のレール161を介して第1水平移動部106をX軸方向に沿って移動させる。一対のレール171は、筐体100の土台100aに固定される。
【0039】
第1保持部101は、第1保持部101の上方に設けられた微調整部108に固定される。微調整部108は、第1保持部101を鉛直軸(Z軸)まわりに回転させる。これにより、第1保持部101に保持された第1基板W1のθ方向の位置が調整される。
【0040】
微調整部108は、ベース部181と、ベース部181に固定された複数の柱部182と、柱部182の一端に固定され、第1保持部101を鉛直軸周りに回転させる複数の第1駆動部183とを備える。
【0041】
ベース部181は、たとえば平板状の部材であり、筐体100の梁部100cに固定される。ベース部181には、ベース部181を鉛直方向に貫通する貫通口181aが形成されている。貫通口181aは、後述する第3保持部192の円筒部192aよりも大径である。かかる貫通口181aには、第3保持部192の円筒部192aが挿通される。
【0042】
複数の柱部182は、鉛直方向に延在し、ベース部181の下面に設けられる。第1保持部101は、フランジ部181bの下面に固定される。
【0043】
複数の第1駆動部183は、柱部182の一端(下端)に固定される。第1駆動部183の下部には、第1保持部101が位置する。複数の第1駆動部183は、たとえばピエゾステージである。実施形態において、微調整部108は、3つの第1駆動部183を備える(後述する図5参照)。
【0044】
第1駆動部183は、圧電効果を利用してピエゾ素子を変位させることによって第1保持部101を微小駆動させる。具体的には、第1駆動部183は、第1保持部101の周方向に沿って第1保持部101を変位させる。第1駆動部183による第1保持部101の変位量は、たとえば±2μm程度である。かかる変位量は、後述する粗調整部194を用いた第3保持部192の変位量よりも少ない。
【0045】
微調整部108は、以上のように構成されており、第1保持部101に吸着保持された第1基板W1の回転方向における位置を第1駆動部183を用いて微調整する。実施形態に係る接合システム1は、ピエゾ素子を含む第1駆動部183を用いることによって、たとえば第1基板W1をナノメートルレベルで回転させる場合であっても、高い応答性および静定性を得ることができる。
【0046】
実施形態に係る接合システム1では、第1基板W1の回転方向における位置の粗調整と微調整とを別の機構で行う。具体的には、接合システム1は、第1保持部101に吸着保持される前の第1基板W1の回転方向における位置を調整する粗調整部と、上述の微調整部108とを備える。これにより、第1基板W1の回転方向における位置を粗調整した後で、高精度な第1駆動部183を用いて第1基板W1の微調整を行うことができる。したがって、第1基板W1の回転方向の位置決め精度を向上することができ、重合基板Tの接合精度を向上することができる。
【0047】
実施形態において、粗調整部は駆動ユニット109に設けられる。駆動ユニット109は、たとえば微調整部108のベース部181の上部に配置される。駆動ユニット109は、第1保持部101に保持された第1基板W1の中心部を押圧するストライカと、第1基板W1を搬送装置61から吸着保持し第1保持部101へ渡す第3保持部と、第1基板W1の回転方向における位置の粗調整を行う粗調整部を備える。駆動ユニット109の具体的な構成については後述する。
【0048】
なお、ここでは図示を省略するが、接合処理部41は、図4に示す第1保持部101や第2保持部102等の前段に、トランジション、位置調節機構、反転機構等を備える。トランジションは、第1基板W1、第2基板W2および重合基板Tを一時的に載置する。位置調節機構は、第1基板W1および第2基板W2の水平方向の向きを調節する。反転機構は、第1基板W1の表裏を反転させる。
【0049】
<第1保持部の構成>
次に、第1保持部101の構成例について図4を参照して説明する。図4は、実施形態に係る第1保持部101、微調整部108および駆動ユニット109の模式的な断面図である。
【0050】
図4に示すように、第1保持部101の下面には、第1基板W1の上面(非接合面W1n)に接触する複数のピン111が設けられている。複数のピン111は、たとえば、径寸法が0.1mm~1mmであり、高さが数十μm~数百μmである。複数のピン111は、たとえば2mmの間隔で均等に配置される。
【0051】
また、第1保持部101の下面には、第1基板W1を真空引きして吸着する複数の外側吸着部301および複数の内側吸着部302が設けられている。複数の外側吸着部301および複数の内側吸着部302は、例えば平面視において円弧形状の吸着領域を有する。また、複数の外側吸着部301および複数の内側吸着部302は、ピン111と同じ高さを有する。複数の外側吸着部301は、第1保持部101の外周部において、周方向に沿って並べて配置される。複数の内側吸着部302は、複数の外側吸着部301よりも第1保持部101の径方向内方において、周方向に沿って並べて配置される。
【0052】
第1保持部101の中央部には、第1保持部101を鉛直方向に貫通する貫通口101aが形成されている。かかる貫通口101aには、後述する円筒部192aが挿通される。
【0053】
<駆動ユニットの構成>
次に、駆動ユニット109の構成について図4を参照して説明する。図4に示すように、駆動ユニット109は、ストライカ191と、第3保持部192、直動機構193と、粗調整部194とを備える。
【0054】
ストライカ191は、押圧ピン191aと、アクチュエータ部191bと、直動機構191cと、支持部材191dとを備える。押圧ピン191aは、鉛直方向に沿って延在する円柱状の部材であり、後述する円筒部192aの内部に挿通されている。言い換えると、押圧ピン191aは、後述する第3保持部192に形成された貫通口に挿通されている。押圧ピン191aは、アクチュエータ部191bによって支持される。
【0055】
アクチュエータ部191bは、たとえば電空レギュレータ(図示せず)から供給される空気により一定方向(ここでは鉛直下方)に一定の圧力を発生させる。アクチュエータ部191bは、電空レギュレータから供給される空気により、第1基板W1の中心部と当接して当該第1基板W1の中心部にかかる押圧荷重を制御することができる。直動機構191cは、アクチュエータ部191bを支持する。また、直動機構191cは、たとえばモータを内蔵した駆動部によってアクチュエータ部191bを鉛直方向に沿って移動させる。支持部材191dは、たとえば後述する粗調整部194における回転テーブル194aの上面に設けられており、直動機構191cを回転テーブル194aから浮かせた状態で支持する。
【0056】
ストライカ191は、以上のように構成されており、直動機構191cによってアクチュエータ部191bの移動を制御し、アクチュエータ部191bによって押圧ピン191aによる第1基板W1の押圧荷重を制御する。これにより、ストライカ191は、第1保持部101に吸着保持された第1基板W1の中心部を押圧して第2基板W2に接触させる。
【0057】
第3保持部192は、円筒部192aと、複数の吸着部192bとを備える。円筒部192aは、筒状の部材であり、第1保持部101に形成された貫通口101aに挿通される。複数の吸着部192bは、円筒部192aの先端部に設けられる。複数の吸着部192bは、第1基板W1を真空引きして吸着する。
【0058】
直動機構193は、第3保持部192を保持する。また、直動機構193は、たとえばモータを内蔵した駆動部によって第3保持部192を鉛直方向に沿って移動させる。
【0059】
第3保持部192は、接合処理部41が備える図示しない反転機構から吸着部192bを用いて第1基板W1を受け取る。その後、直動機構193は、円筒部192aを上昇させることにより、第1基板W1を第1保持部101に渡す。
【0060】
粗調整部194は、第1基板W1を鉛直軸周りに回転させるための回転テーブル194aと、回転テーブル194aを回転可能に支持する支持台194bを備える。
【0061】
上述した直動機構193は、回転テーブル194a上に設置される。回転テーブル194aは、図示しない駆動部(第2駆動部の一例)により鉛直軸周りに回転可能に動作する。回転テーブル194aの回転軸は、第3保持部192の円筒部192aの中心軸R0と一致する。すなわち、回転テーブル194aは、円筒部192aの中心軸R0周りに回転する。これに伴い、円筒部192aも中心軸R0周りに回転する。これにより、吸着部192bに吸着された第1基板W1は、中心軸R0周りに回転する。
【0062】
回転テーブル194aの中央部には、回転テーブル194aを鉛直方向に貫通する貫通口194cが形成されている。かかる貫通口194cには、第3保持部192の円筒部192aが挿通される。同様に、支持台194bの中央部には、支持台194bを鉛直方向に貫通する貫通口194dが形成されている。かかる貫通口194dには、第3保持部192の円筒部192aが挿通される。
【0063】
粗調整部194は、以上のように構成されており、図示しない駆動部を用いて回転テーブル194aを回転させることにより、直動機構193および直動機構193に保持された第3保持部192を鉛直軸周りに回転させる。これにより、第3保持部192に吸着保持された第1基板W1の回転方向における位置を粗調整する。
【0064】
なお、粗調整とは、微調整よりも精度が低い調整のことをいう。また、粗調整とは、1ステップの調整幅が微調整よりも大きい調整のことであってもよい。また、粗調整とは、調整可能な範囲が微調整よりも大きい調整のことであってもよい。
【0065】
<第1駆動部の配置>
次に、第1駆動部183の配置について図5を参照して説明する。図5は、実施形態に係る第1駆動部183の配置を示す模式図である。なお、図5は、図4におけるV-V矢視断面図である。
【0066】
図5に示すように、3つの第1駆動部183は、第1保持部101の周方向に対して均等に、具体的には、120度間隔で配置される。これにより、第1保持部101の周方向に対して均等に力がかかるため、第1基板W1を高精度に位置決めすることができる。
【0067】
3つの第1駆動部183は、第1保持部101の変位方向が第1保持部101の周方向に沿うように配置される。具体的には、3つの第1駆動部は、平面視において第1保持部101の径方向(図5に示す一点鎖線に沿った方向)と直交する方向に、第1保持部101を変位させるように配置される。なお、図5の例では、接合処理部41が3つの第1駆動部183を有しているが、第1駆動部183の数は3つに限定されない。
【0068】
<接合システムの具体的動作>
次に、接合システム1の具体的な動作について図6を参照して説明する。図6は、実施形態に係る接合システム1が実行する処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す各種の処理は、制御装置70による制御に基づいて実行される。
【0069】
まず、複数枚の第1基板W1を収容したカセットC1、複数枚の第2基板W2を収容したカセットC2、および空のカセットC3が、搬入出ステーション2の所定の載置板11に載置される。その後、搬送装置22によりカセットC1内の第1基板W1が取り出され、第3処理ブロックG3に配置されたトランジション装置に搬送される。
【0070】
次に、第1基板W1は、搬送装置61によって第1処理ブロックG1の表面改質処理部30に搬送される。表面改質処理部30では、所定の減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。この酸素イオンが第1基板W1の接合面に照射されて、当該接合面がプラズマ処理される。これにより、第1基板W1の接合面が改質される(ステップS101)。
【0071】
次に、第1基板W1は、搬送装置61によって第1処理ブロックG1の表面親水化処理部40に搬送される。表面親水化処理部40では、スピンチャックに保持された第1基板W1を回転させながら、第1基板W1上に純水を供給する。これにより、第1基板W1の接合面が親水化される。また、当該純水によって、第1基板W1の接合面が洗浄される(ステップS102)。
【0072】
次に、第1基板W1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の接合処理部41に搬送される。接合処理部41に搬入された第1基板W1は、トランジションを介して位置調節機構に搬送され、位置調節機構によって水平方向の向きが調節される(ステップS103)。
【0073】
その後、位置調節機構から反転機構に第1基板W1が受け渡され、反転機構によって第1基板W1の表裏面が反転される(ステップS104)。具体的には、第1基板W1の接合面W1jが下方に向けられる。つづいて、反転機構から第3保持部192に第1基板W1が受け渡され、第3保持部192によって第1基板W1が吸着保持される(ステップS105)。具体的には、第3保持部192が吸着部192bを用いて反転機構から第1基板W1を受け取る。これにより、第1基板W1は、第3保持部192に吸着保持された状態となる(図8参照)。
【0074】
その後、粗調整部194および微調整部108を用いた第1基板W1の回転方向の位置調整が行われる(ステップS106)。ステップS106の具体的な手順については後述する。
【0075】
第1基板W1に対するステップS101~S106の処理と重複して、第2基板W2の処理が行われる。まず、搬送装置22によりカセットC2内の第2基板W2が取り出され、第3処理ブロックG3に配置されたトランジション装置に搬送される。
【0076】
次に、第2基板W2は、搬送装置61によって表面改質処理部30に搬送され、第2基板W2の接合面W2jが改質される(ステップS107)。その後、第2基板W2は、搬送装置61によって表面親水化処理部40に搬送され、第2基板W2の接合面W2jが親水化されるとともに当該接合面が洗浄される(ステップS108)。
【0077】
その後、第2基板W2は、搬送装置61によって接合処理部41に搬送される。接合処理部41に搬入された第2基板W2は、トランジションを介して位置調節機構に搬送される。そして、位置調節機構によって、第2基板W2の水平方向の向きが調節される(ステップS109)。
【0078】
その後、第2基板W2は、第2保持部102に搬送され、ノッチ部を予め決められた方向に向けた状態で第2保持部102に吸着保持される(ステップS110)。
【0079】
つづいて、第1保持部101に保持された第1基板W1と第2保持部102に保持された第2基板W2との水平方向の位置調節が行われる(ステップS111)。その後、昇降機構105を用いて第2基板W2を上昇させて、第1基板W1と第2基板W2とを接合する(ステップS112)。具体的には、第2基板W2を上昇させた後、第1基板W1の中心部をストライカ191の押圧ピン191aを用いて上方から下方に押圧して第2基板W2の中心部に接触させることにより、第1基板W1と第2基板W2とを接合する。
【0080】
次に、ステップS106における第1基板W1の回転方向の位置調整の具体的な手順の一例について図7を参照して説明する。図7は、ステップS106に示す処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。また、図8図11は、実施形態に係る接合システム1の動作例を示す模式図である。
【0081】
図7に示すように、制御部71は、まず、第1撮像処理を行う(ステップS201)。第1撮像処理において、制御部71は、下部撮像部104を用いて第1基板W1の非保持面である接合面W1jを撮像する。制御部71は、下部撮像部104によって撮像された画像から第1基板W1の回転角度を算出する。回転角度とは、第1基板W1の水平方向の向きを示す情報であって、基準となる向きからのずれを角度で表したものである。
【0082】
つづいて、制御部71は、粗調整処理を行う(ステップS202)。粗調整処理において、制御部71は、第1撮像処理による撮像結果に基づいて粗調整部194を制御して第3保持部192を回転させる(図9参照)。一例として、制御部71は、第1基板W1の回転角度が第2基板W2の回転角度に近付くように、粗調整部194を制御して第3保持部192を回転させる。第2基板W2の回転角度は、上部撮像部103による第2基板W2の接合面W2jの撮像結果から算出することができる。
【0083】
つづいて、制御部71は、受け渡し処理を行う(ステップS203)。受け渡し処理において、制御部71は、直動機構193を制御して円筒部192aを上昇させることによって第1基板W1を第1保持部101に受け渡す。これにより、第1基板W1は、第1保持部101に吸着保持された状態となる(図10参照)。
【0084】
つづいて、制御部71は、第2撮像処理を行う(ステップS204)。第2撮像処理において、制御部71は、下部撮像部104を用いて第1基板W1の接合面W1jを撮像する。制御部71は、下部撮像部104によって撮像された画像から第1基板W1の回転角度を再度算出する。
【0085】
つづいて、制御部71は、微調整処理を行う(ステップS205)。微調整処理において、制御部71は、第2撮像処理による撮像結果に基づいて第1駆動部183を制御してピエゾ素子を変位させることによって第1保持部101を回転させる(図11参照)。一例として、制御部71は、第1基板W1の回転角度が第2基板W2の回転角度と一致するように、第1駆動部183を制御してピエゾ素子を微少に変位させる。
【0086】
このように、実施形態に係る接合システム1では、第1基板W1の回転方向における位置の粗調整と微調整とを別の機構で行う。これにより、第1基板W1の回転方向における位置を粗調整した後で、高精度な第1駆動部183を用いて第1基板W1の微調整を行うことができる。したがって、第1基板W1の回転方向の位置決め精度を向上することができ、重合基板Tの接合精度を向上することができる。
【0087】
(他の実施形態)
上述した実施形態では、回転テーブル194aを有する粗調整部194が第3保持部192を回転方向に回転させることによって第1基板W1の回転方向における位置を粗調整する例について示したが、粗調整部194の構成はこれに限らない。
【0088】
たとえば、粗調整部は、第3保持部192に第1基板W1を受け渡す前に第1基板W1の回転方向における位置を粗調整してもよい。この場合、接合システム1は、粗調整部194として、第1基板W1の回転方向における位置情報を検出するプリアライメント部と、プリアライメント部によって検出された位置情報に基づいて第1基板W1の回転方向における位置を粗調整し、第3保持部192に受け渡す搬送アームとを備えてもよい。この場合、制御部71は、プリアライメント部によって第1基板W1の位置情報を検出し、検出した位置情報に基づいて搬送アームを用いて第1基板W1の回転方向における位置を粗調整し、第3保持部192に第1基板W1を受け渡す。
【0089】
また、接合システム1は、粗調整部して、接合処理部41内に設けられ、第1基板W1の接合面W1jを撮像する撮像部と、撮像部による撮像結果に基づいて第1基板W1の回転方向における位置を粗調整し、第3保持部192に受け渡す搬送アームとを備えてもよい。この場合、制御部71は、撮像部を用いて第1基板W1の接合面を撮像し、撮像結果に基づいて搬送アームを用いて第1基板W1の回転方向における位置を粗調整し、第3保持部192に第1基板W1を受け渡す。
【0090】
なお、本開示は以下のような構成もとることができる。
(1)
第1基板を上方から吸着保持する第1保持部と、
前記第1保持部よりも下方に配置され、第2基板を下方から吸着保持する第2保持部と、
前記第1保持部および前記第2保持部の一方を他方に対して接近させる移動機構と、
前記第1保持部に吸着保持される前の前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する粗調整部と、
ピエゾ素子を変位させることによって前記第1保持部を回転させる少なくとも1つの第1駆動部を備え、前記第1保持部に吸着保持された前記第1基板の回転方向における位置を前記第1駆動部を用いて微調整する微調整部と
を備える、接合装置。
(2)
少なくとも2つの前記第1駆動部は、前記第1保持部の周方向に対して均等に配置される、(1)に記載の接合装置。
(3)
前記第1保持部に形成された貫通口に挿通され、前記第1基板を上方から吸着保持する第3保持部と、
前記第3保持部を保持して鉛直方向に移動させる直動機構と
をさらに備え、
前記粗調整部は、前記第3保持部を鉛直軸周りに回転させることにより、前記第3保持部に吸着保持された前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する、(1)または(2)に記載の接合装置。
(4)
前記粗調整部は、
前記直動機構が設置される回転テーブルと、
前記回転テーブルを前記鉛直軸周りに回転させる第2駆動部と
を備え、
前記第2駆動部を用いて前記回転テーブルを回転させることにより、前記直動機構および前記直動機構に保持された前記第3保持部を前記鉛直軸周りに回転させる、(3)に記載の接合装置。
(5)
前記第3保持部に形成された貫通口に挿通され、前記第1基板の中央部を押圧して前記第2基板に接触させるストライカ
を備える、(3)または(4)に記載の接合装置。
(6)
前記第1基板の接合面を撮像する撮像部と、
制御部と
を備え、
前記制御部は
前記第3保持部によって保持された前記第1基板の接合面を前記撮像部を用いて撮像する第1撮像処理と、前記第1撮像処理による撮像結果に基づいて、前記粗調整部を制御して前記第3保持部を回転させる粗調整処理と、前記粗調整処理後、前記直動機構を制御して前記第3保持部を上昇させることによって前記第1基板を前記第1保持部に受け渡す受け渡し処理と、前記受け渡し処理後、前記撮像部を用いて前記第1保持部によって保持された前記第1基板の接合面を撮像する第2撮像処理と、前記第2撮像処理後、前記第2撮像処理による撮像結果に基づいて、前記第1駆動部を制御して前記第1保持部を回転させる微調整処理とを実行する、(3)~(5)のいずれかに記載の接合装置。
(7)
前記粗調整部は、
前記第1保持部に吸着保持される前の前記第1基板の回転方向における位置情報を検出するプリアライメント部と、
前記プリアライメント部によって検出された位置情報に基づいて前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する搬送アームと
を備える、(1)に記載の接合装置。
(8)
前記第1保持部に吸着保持される前の前記第1基板の接合面を撮像する撮像部と、
前記撮像部による撮像結果に基づいて前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する搬送アームと
を備える、(1)に記載の接合装置。
(9)
第1基板を上方から吸着保持する第1保持部を用いて前記第1基板を上方から吸着保持する工程と、
前記第1保持部よりも下方に配置され、第2基板を下方から吸着保持する第2保持部を用いて前記第2基板を下方から吸着保持する工程と、
前記第1保持部および前記第2保持部の一方を他方に対して接近させる移動機構を用いて前記第1保持部および前記第2保持部の一方を他方に対して接近させる工程と、
前記第1保持部に吸着保持される前の前記第1基板の回転方向における位置を粗調整する工程と、
ピエゾ素子を変位させることによって前記第1保持部を駆動させる少なくとも1つの第1駆動部を用いて、前記第1保持部に吸着保持された前記第1基板の回転方向における位置を微調整する工程と
を含む接合方法。
【0091】
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 接合システム(接合装置の一例)
41 接合処理部
71 制御部
72 記憶部
101 第1保持部
102 第2保持部
104 下部撮像部
105 昇降機構(移動機構の一例)
108 微調整部
109 駆動ユニット
181 ベース部
182 柱部
183 第1駆動部
191 ストライカ
192 第3保持部
193 直動機構
194 粗調整部
194a 回転テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11