(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148315
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ポンプ機構
(51)【国際特許分類】
F04B 9/115 20060101AFI20241010BHJP
【FI】
F04B9/115
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061350
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110003524
【氏名又は名称】弁理士法人愛宕綜合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花島 聡
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075AA06
3H075BB03
3H075BB13
3H075BB16
3H075BB30
3H075CC03
3H075CC34
3H075CC35
3H075DA02
3H075DA06
3H075DA11
3H075DB03
3H075DB29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】広い接地面積を必要とせず、高圧水を連続的に生成できるポンプ機構を提供する。
【解決手段】駆動源Mが連結されるシャフト3と、シャフト3に連結される第一のクランク4a及び第二のクランク4bと、第一のクランク4aに一端部51aが連結される第一のロッド51と、第二のクランク4bに一端部52aが連結される第二のロッド52と、第一のロッド51の他端部51bに連結されシャフト3と交差する方向に往復移動する第一の移動ブロック61と、第一の移動ブロック61を摺動可能に支持する第一のガイドレール7aと、第二のロッド52の他端部52bに連結されシャフト3と交差する方向に往復移動する第二の移動ブロック62と、第二の移動ブロック62を摺動可能に支持する第二のガイドレール7bと、を備え、第一の移動ブロック61の一端部61aに連結される第一のピストンポンプ10と、を含み構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ機構であって、
駆動源が連結されるシャフトと、該シャフトに連結される第一のクランク及び第二のクランクと、
該第一のクランクに一端部が連結される第一のロッドと、該第二のクランクに一端部が連結される第二のロッドと、
該第一のロッドの他端部に連結され該シャフトと交差する方向に往復移動する第一の移動ブロックと、該第一の移動ブロックを摺動可能に支持する第一のガイドレールと、
該第二のロッドの他端部に連結され該シャフトと交差する方向に往復移動する第二の移動ブロックと、該第二の移動ブロックを摺動可能に支持する第二のガイドレールと、を備え、
該第一の移動ブロックの一端部に連結される第一のピストンポンプと、該第一の移動ブロックの他端部に連結される第二のピストンポンプと、
該第二の移動ブロックの一端部に連結される第三のピストンポンプと、該第二の移動ブロックの他端部に連結される第四のピストンポンプと、
を含み構成されるポンプ機構。
【請求項2】
該第一のクランクと該第二のクランクとは、該シャフトの回転方向で90度ずれている請求項1に記載のポンプ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ機構により供給される高圧水をノズルから噴射して被加工物に加工を施す高圧水加工装置(ウオータージェット)が実用に供されている。
【0003】
また、糸状の水の内部にレーザー光線を導入して被加工物を加工する水レーザー加工装置も実用に供されている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来知られている連続的に高圧水を生成するポンプ機構は、複雑で大型となり広い接地面積が必要で不経済であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、複雑な構成や広い接地面積を必要とせずに、高圧水を連続的に生成できるポンプ機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、ポンプ機構であって、駆動源が連結されるシャフトと、該シャフトに連結される第一のクランク及び第二のクランクと、該第一のクランクに一端部が連結される第一のロッドと、該第二のクランクに一端部が連結される第二のロッドと、該第一のロッドの他端部に連結され該シャフトと交差する方向に往復移動する第一の移動ブロックと、該第一の移動ブロックを摺動可能に支持する第一のガイドレールと、該第二のロッドの他端部に連結され該シャフトと交差する方向に往復移動する第二の移動ブロックと、該第二の移動ブロックを摺動可能に支持する第二のガイドレールと、を備え、該第一の移動ブロックの一端部に連結される第一のピストンポンプと、該第一の移動ブロックの他端部に連結される第二のピストンポンプと、該第二の移動ブロックの一端部に連結される第三のピストンポンプと、該第二の移動ブロックの他端部に連結される第四のピストンポンプと、を含み構成されるポンプ機構が提供される。
【0008】
該第一のクランクと該第二のクランクとは、該シャフトの回転方向で90度ずれていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポンプ機構は、駆動源が連結されるシャフトと、該シャフトに連結される第一のクランク及び第二のクランクと、該第一のクランクに一端部が連結される第一のロッドと、該第二のクランクに一端部が連結される第二のロッドと、該第一のロッドの他端部に連結され該シャフトと交差する方向に往復移動する第一の移動ブロックと、該第一の移動ブロックを摺動可能に支持する第一のガイドレールと、該第二のロッドの他端部に連結され該シャフトと交差する方向に往復移動する第二の移動ブロックと、該第二の移動ブロックを摺動可能に支持する第二のガイドレールと、を備え、該第一の移動ブロックの一端部に連結される第一のピストンポンプと、該第一の移動ブロックの他端部に連結される第二のピストンポンプと、該第二の移動ブロックの一端部に連結される第三のピストンポンプと、該第二の移動ブロックの他端部に連結される第四のピストンポンプと、を含み構成されていることから、高圧水を供給するポンプ機構をシンプルな構成で小型化でき、高圧な液体を生成するポンプ機構が大型となって、広い設置面積が必要で不経済であるという問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)ポンプ機構の分解斜視図、(b)(a)に示すポンプ機構を組み立てた状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すポンプ機構を採用した液体噴射システムの概略平面図である。
【
図3】シャフトの回転に伴う各ピストンポンプの流出量と流入量とを示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に基づいて構成されるポンプ機構に係る実施形態について、添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0012】
図1(a)には、本実施形態のポンプ機構1の分解斜視図が示され、
図1(b)には、
図1(a)に示すポンプ機構1を組み立てた状態の斜視図が示されている。ポンプ機構1は、基台2a上に配設されており、該基台2aと共に、天壁2bと、側壁2c、2dとによってポンプケースが形成されて、ポンプ機構1の要部が該ポンプケース内に収容されている。
【0013】
本実施形態のポンプ機構1は、駆動源となる電動モータMと、電動モータMが連結され回転駆動されるシャフト3と、シャフト3に連結される第一のクランク4a及び第二のクランク4bと、第一のクランク4aに一端部51aが連結される第一のロッド51(一点鎖線で示している)と、第二のクランク4bに一端部52aが連結される第二のロッド52(一点鎖線で示している)と、第一のロッド51の他端部51bに連結されシャフト3と交差する方向に往復移動する第一の移動ブロック61と、基台2aに配設され第一の移動ブロック61を摺動可能に支持する第一のガイドレール7aと、第二のロッド52の他端部52bに連結されシャフト3と交差する方向に往復移動する第二の移動ブロック62と、基台2aに配設され第二の移動ブロック62を摺動可能に支持する第二のガイドレール7bと、を備え、第一の移動ブロック61の一端部61aに連結される第一のピストンポンプ10と、第一の移動ブロック61の他端部61bに連結される第二のピストンポンプ20と、第二の移動ブロック62の一端部62aに連結される第三のピストンポンプ30と、第二の移動ブロック62の他端部62bに連結される第四のピストンポンプ40と、を含み構成される。
【0014】
側壁2c、2dには、シャフト3を回転自在に支持する貫通孔2e、2fが形成されており、シャフト3を回転駆動する電動モータMが、側壁2cを介してシャフト3に連結される。なお、
図1では省略しているが、電動モータM、及び第一~第四のピストンポンプ10~40は、ポンプ機構1を作動する際に動かないように、上記したポンプケース又は設置箇所のいずれかに、別途の固定手段により固定される。
【0015】
第一のピストンポンプ10は、内部に液体が流入し該液体を流出させる空間が形成された円筒状のシリンダ11と、シリンダ11の内部に収容され長手方向に摺動するピストン(図示はしていない)と、該ピストンに連結されて第一の移動ブロック61の一端部61aに連結されるピストンロッド12と、ピストンロッド12が配設された側とは反対側のシリンダ11の先端に配設されたシリンダ11内から液体を流出させるための流出口13と、シリンダ11内に液体を流入させるための流入口14とを備えている。ピストンロッド12と第一の移動ブロック61の一端部61aとは、例えば、ねじ機構により連結される。第二のピストンポンプ20も、上記した第一のピストンポンプ10と同様の構成を備えており、内部に液体が流入し該液体を流出させる空間が形成された円筒状のシリンダ21と、シリンダ21の内部に収容され長手方向に摺動するピストン(図示はしていない)と、該ピストンに連結されて第一の移動ブロック61の他端部61bに連結されるピストンロッド22と、シリンダ21の先端に配設された流出口23及び流入口24とを備えている。
【0016】
第三のピストンポンプ30、第四のピストンポンプ40も、上記した第一のピストンポンプ10、第二のピストンポンプ20と同様の構成を備えており、内部に液体が流入し該液体を流出させる空間が形成された円筒状のシリンダ31、41と、シリンダ31、41それぞれの内部に長手方向に摺動するピストン(図示はしていない)が収容されている。シリンダ31に収容されたピストンに連結されるピストンロッド32は、第二の移動ブロック62の一端部62aに連結され、シリンダ41に収容されたピストンに連結されるピストンロッド42は、第二の移動ブロック62の他端部62bに連結される。シリンダ31の先端には流出口33と流入口34とが形成され、シリンダ41の先端には流出口43と流入口44とが形成されている。
【0017】
第一の移動ブロック61の下面側には、第一のガイドレール7aの長手方向に沿って摺動自在に係合する凹部が形成されている。また、第一の移動ブロック61の上面には、第一のロッド51の他端部51bが連結される連結部63が形成されている。第二の移動ブロック62の下面側にも、第二のガイドレール7bの長手方向に沿って摺動自在に係合する凹部が形成されている。また、第二の移動ブロック62の上面には、第二のロッド52の他端部52bが連結される連結部64が形成されている。
【0018】
第一のクランク4a及び第二のクランク4bは、シャフト3の軸中心に対し偏心している。また、第一のクランク4aと第二のクランク4bとは、シャフト3の回転方向で90°ずれている。シャフト3と、第一のクランク4aと、第一のロッド51とにより、また、シャフト3と、第二のクランク4bと、第二のロッド52とによりクランク機構が構成されている。すなわち、上記した電動モータMによって、
図1(b)に矢印R1で示す方向にシャフト3を回転させることにより上記のクランク機構が作用して第一の移動ブロック61が第一のガイドレール7a上を、第二の移動ブロック62が第二のガイドレール7b上を往復動して、第一~第四のピストンポンプ10~40のピストンロッド12、22、32、42を第一のガイドレール7a、第二のガイドレール7bに沿って往復動させることができる。
【0019】
ポンプ機構1は、概ね上記したとおりの構成を備えており、上記したポンプ機構1を採用し液体を高圧で噴射する液体噴射システム100の実施例について、以下に詳細に説明する。
【0020】
図2は、液体噴射システム100の概略平面図であり、ポンプ機構1を含む液体を高圧で噴射する噴射システム100を示している。この液体噴射システム100は、上記したポンプ機構1に加え、水源5と、噴射ノズル6とを備えている。水源5は、例えば純水Wを貯留するタンクである。水源5には、第一のピストンポンプ10の流入口14に接続され、水源5から該流入口14に向かう方向にのみ開弁する一方弁V1を備えた第一の流入路101と、第二のピストンポンプ20の流入口24に接続され、水源5から該流入口24に向かう方向にのみ開弁する一方弁V3を備えた第二の流入路102と、第三のピストンポンプ30の流入口34に接続され、水源5から該流入口34に向かう方向にのみ開弁する一方弁V5を備えた第三の流入路103と、第四のピストンポンプ40の流入口44に接続され、水源5から該流入口44に向かう方向にのみ開弁する一方弁V7を備えた第四の流入路104と、が接続されている。
【0021】
噴射ノズル6には、第一のピストンポンプ10の流出口13に接続され、第一のピストンポンプ10から噴射ノズル6に向かう方向にのみ開弁する一方弁V2を備えた第一の流出路105と、第二のピストンポンプ20の流出口23に接続され、第二のピストンポンプ20から噴射ノズル6に向かう方向にのみ開弁する一方弁V4を備えた第二の流出路106と、第三のピストンポンプ30の流出口33に接続され、第三のピストンポンプ30から噴射ノズル6に向かう方向にのみ開弁する一方弁V6を備えた第三の流出路107と、第四のピストンポンプ40の流出口43に接続され、第四のピストンポンプ40から噴射ノズル6に向かう方向にのみ開弁する一方弁V8を備えた第四の流出路108と、が接続されている。
【0022】
図2に加え、
図3を参照しながら、上記した液体噴射システム100の動作について説明する。なお、
図3は、横軸がシャフト3の回転角度を示し、縦軸は原点(0)よりも上方が各ピストンポンプから流出する純水Wの流出量を示し、該原点(0)よりも下方が各ピストンポンプに流入する純水Wの流入量を示している。
【0023】
電動モータMを作動して、シャフト3を回転させる(回転方向については、
図1(b)に示すR1を参照)ことにより、上記したクランク機構を介して第一の移動ブロック61及び第二の移動ブロック62が往復動して、第一~第四のピストンポンプ10~40のピストンロッド12、22、32、42が、矢印R2、R3で示す方向に往復動する。
【0024】
より具体的には、シャフト3の回転に伴い、第一のクランク4aによって駆動される第一の移動ブロック61と共に、第一の移動ブロック61の一端部61aに連結されたピストンロッド12がR2で示す方向に移動することで、第一のピストンポンプ10内に収容されたピストン(図示していない)が流出口13の方向に移動する。それにより、シリンダ11内の純水Wを、流出口13から第一の流出路105に流出させる(流出工程)。該流出工程において流出口13から流出した純水Wは、第一の流出路105に配設された一方弁V2を開き、矢印P1で示す流出流れとなって噴射ノズル6に導かれ、ノズル先端6aから噴射される。
図3の上段に示すように、第一のピストンポンプ10から噴射ノズル6への流出流れP1の流出量は、該流出流れP1が開始されるシャフト3の回転角度位置を基準位置0°とすると、90°でピークとなり、180°で0となる。なお、第一のピストンポンプ10の流入口14に接続された第一の流入路101には一方弁V1が配設されていることから、水源5側に純水Wが流出することはない。
【0025】
シャフト3が回転角度180°の位置からさらに回転すると、第一のクランク4aによって駆動される第一の移動ブロック61がピストンロッド12と共に矢印R3で示す方向に移動して、第一のピストンポンプ10内に収容されたピストン(図示していない)も矢印R3で示す方向に移動する。これにより、第一の流入路101を介して水源5から純水Wが吸引され、第一の流入路101上に配設された一方弁V1を開いて矢印Q1で示す流入流れとなり、第一のピストンポンプ10に導かれ、流入口14を介して純水Wをシリンダ11に流入させる(流入工程)。
図3の上段に示すように、水源5から第一のピストンポンプ10へ向かう流入流れQ1の流入量は、該流入流れQ1が開始するシャフト3の回転角度180°から増加して270°でピークとなり、270°から減少して360°で0となる。なお、第一のピストンポンプ10の流出口13に接続された第一の流出路105には一方弁V2が配設されていることから、第一の流出路105側から純水Wが流入することはない。
【0026】
上記したように、第一の移動ブロック61が矢印R2又はR3で示す方向に移動することにより、第一の移動ブロック61の他端部61bに接続された第二のピストンポンプ20も作動する。より具体的には、シャフト3が上記した基準位置0°から回転する際には、第二の流入路102上に配設された一方弁V3を開いて水源5から純水Wを吸引して矢印Q2で示す流入流れとなって、流入口24を介して第二のピストンポンプ20のシリンダ21に純水Wを流入させる(流入工程)。
図3の上から2段目に示すように、水源5から第二のピストンポンプ20への流入流れQ2の流入量は、該流入流れQ2が開始するシャフト3の回転角度の基準位置0°から増加して90°でピークとなり、180°で0となる。
【0027】
これに続き、シャフト3がさらに回転すると、回転角度が180°の位置から、第一の移動ブロック61が矢印R3で示す方向に移動する。これにより、ピストンロッド22と共に第二のピストンポンプ20内に収容されたピストン(図示していない)が矢印R3で示す方向に移動して、純水Wを流出口23から第二の流出路106に流出させる(流出工程)。該流出工程において流出口23から流出した純水Wは、第二の流出路106に配設された一方弁V4を開いて矢印P2で示す流出流れとなって噴射ノズル6に導かれて、ノズル先端6aから噴射される。
図3の2段目に示すように、第二のピストンポンプ20から噴射ノズル6へ導かれる流出流れP2は、シャフト3の回転角度180°で開始され、270°でピークとなり、360°で0となる。なお、第二のピストンポンプ20の流入口24に接続された第二の流入路102には、一方弁V3が配設されていることから、水源5側に純水Wが流出することはない。
【0028】
上記したように、シャフト3には、第一のクランク4aに加え、第二のクランク4bが連結され、シャフト3の回転に伴い第二のクランク4bによって第二の移動ブロック62も矢印R2、R3で示す方向に往復動される。本実施形態では、第一のクランク4aと第二のクランク4bとは、シャフト3の回転方向でみて90°ずれていることから、第三のピストンポンプ30は、第一のピストンポンプ10に対し90°遅れで作動し、第四のピストンポンプ40は、第二のピストンポンプ20に対して、90°遅れで作動する。すなわち、
図3の3段目に示すように、シャフト3の回転角度が上記した基準位置0°にあるときは、第三のピストンポンプ30は、第三の流入路103を介した水源5からの流入流れQ3を生じさせる流入工程のピークであり、シャフト3の回転角度が90°となる位置で流入流れQ3が0となる。シャフト3が回転角度90°の位置からさらに回転すると、第三のピストンポンプ30から第三の流出路107を介した噴射ノズル6への流出流れP3が開始される。該流出流れP3によって第三の流出路107に配設された一方弁V6が開き、該流出流れP3の流出量は、シャフト3の回転角度が180°でピークとなり、270°で0となる。シャフト3の回転が進み、回転角度が270°を越えたならば、第三の流入路103上に配設された一方弁V5が流入流れQ3によって開き、流入口34を介してシリンダ31に純水Wを流入させる流入工程が開始され、シャフト3の回転角度が360°で、流入流れQ3の流入量がピークとなる。
【0029】
また、
図3の4段目に示すように、シャフト3の回転角度が上記した基準位置0°にあるとき、第四のピストンポンプ40は、第四の流出路108を介した噴射ノズル6への流出流れP4を生じさせる流出工程のピークであり、シャフト3の回転角度が90°で流出流れP4の流出量が0となる。さらに、シャフト3の回転角度が90°となる位置から、第三の流出路104を介した水源5から第四のピストンポンプ40への流入流れQ4が開始される。この流入流れQ4によって第四の流入路104に配設された一方弁V7が開かれ、該流入流れQ4の流入量は、シャフト3の回転角度が180°でピークとなり、270°で0となる。シャフト3の回転が進み、回転角度が270°を越えたならば、第四の流出路108上に配設された一方弁V8を開く流出流れP4によって流出口43を介して噴射ノズル6へ純水Wを流出させる流出工程が開始される。シャフト3の回転角度が360°で前記した流出流れP4の流出量がピークとなる。
【0030】
シャフト3の回転角度が360°を越えた後は、上記した第一~第四のピストンポンプ10~40の動作が、シャフト3の1回転(360°)毎で繰り返される。
【0031】
上記したように、ポンプ機構1からは、シャフト3の回転に伴って、第一のピストンポンプ10からの流出流れP1、第三のピストンポンプ30からの流出流れP3、第二のピストンポンプ20からの流出流れP2、及び第四のピストンポンプ40からの流出流れP4が、シャフト3の回転角度90°のずれをもって連続的に発生し、噴射ノズル6に供給される。そして、噴射ノズル6から、前記した流出流れP1、P2、P3、及びP4に基づく、例えば10MPaに達する高圧の純水Wの噴射が連続的に実施される。上記した構成によりポンプ機構を小型化できることから、高圧な液体を生成するポンプ機構が大型となり、広い設置面積が必要で不経済であるという問題が解消する。
【0032】
なお、上記した実施形態では、ポンプ機構1によって流出させる液体を純水Wとしたが、本発明はこれに限定されず、液体として、オイルを圧送するオイルポンプとして機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0033】
1:ポンプ機構
2a:基台
2b:天壁
2c、2d:側壁
3:シャフト
4a:第一のクランク
4b:第二のクランク
7a:第一のガイドレール
7b:第二のガイドレール
10:第一のピストンポンプ
11:シリンダ
12:ピストンロッド
13:流出口
14:流入口
20:第二のピストンポンプ
21:シリンダ
22:ピストンロッド
23:流出口
24:流入口
30:第三のピストンポンプ
31:シリンダ
32:ピストンロッド
33:流出口
34:流入口
40:第四のピストンポンプ
41:シリンダ
42:ピストンロッド
43:流出口
44:流入口
51:第一のロッド
51a:一端部
51b:他端部
52:第二のロッド
52a:一端部
52b:他端部
61:第一の移動ブロック
61a:一端部
61b:他端部
62:第二の移動ブロック
62a:一端部
62b:他端部
100:液体噴射システム
101:第一の流入路
102:第二の流入路
103:第三の流入路
104:第四の流入路
105:第一の流出路
106:第二の流出路
107:第三の流出路
108:第四の流出路
M:電動モータ(駆動源)
V1~V8:一方弁
P1~P4:流出流れ
Q1~Q4:流入流れ