IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テクトロニクス・インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-試験測定装置及び任意波形発生器 図1
  • 特開-試験測定装置及び任意波形発生器 図2
  • 特開-試験測定装置及び任意波形発生器 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014841
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】試験測定装置及び任意波形発生器
(51)【国際特許分類】
   G01R 13/20 20060101AFI20240125BHJP
   G01R 13/02 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G01R13/20 L
G01R13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023118726
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】63/391,291
(32)【優先日】2022-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/442,415
(32)【優先日】2023-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/354,584
(32)【優先日】2023-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・ジェイ・デールブルー
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー・クラウスカ
(72)【発明者】
【氏名】マリア・アガストン
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドロ・シー・ブリティカ
(57)【要約】
【課題】様々なタイプの信号の混合信号を生成する。
【解決手段】任意波形発生器10は、少なくとも2つの波形発生部16を有する。各波形発生部は、デジタル成分出力信号に対して選択された信号タイプに従って、同相(I)デジタル信号及び直交(Q)デジタル信号を生成するための信号発生部、Iデジタル信号及びQデジタル信号の振幅を変調するためのパルス・エンベロープ・シーケンサ(PES)、並びにIデジタル信号及びQデジタル信号をキャリア信号と組み合わせてデジタル成分出力信号を作成するための1つ以上の乗算器を含む。任意波形発生器10は、波形発生部に対して変調記述語(MDW)を作成するためのストリーム・マネージャ12と、デジタル成分出力信号を選択的に組み合わせてデジタル多成分出力信号を作成するための合算ブロック18と、デジタル多成分出力信号をアナログ出力信号に変換するためのデジタル・アナログ変換器22と、デジタル出力信号のうちの1つ以上の分析部入力を受けるための内部信号分析部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号発生部であって、該信号発生部によって生成されるデジタル成分出力信号に関して選択された信号タイプに従って、同相デジタル信号及び直交デジタル信号を生成するための信号発生部と、
上記デジタル成分出力信号の上記同相デジタル信号及び上記直交デジタル信号の振幅を変調するためのパルス・エンベロープ・シーケンサと、
上記同相デジタル信号及び上記直交デジタル信号をキャリア信号と組み合わせて、上記デジタル成分出力信号を作成するための1つ以上の乗算部と
を夫々有する少なくとも2つの波形発生部と、
入力信号を受け、上記デジタル成分出力信号を作成するために使用される上記少なくとも2つの波形発生部のいずれかに関する変調記述語(MDW)を作成するためのストリーム・マネージャと、
上記少なくとも2つの波形発生部のいずれかからのデジタル成分出力信号を選択的に組み合わせてデジタル多成分出力信号を作成するための合算ブロックと、
上記デジタル多成分出力信号をアナログ出力信号に変換するためのデジタル・アナログ変換器(DAC)と、
上記デジタル出力信号のうちの1つ以上の分析部入力を受けるように構成された内部信号分析部と
を有するフレキシブル任意波形発生部
を具える試験測定装置。
【請求項2】
上記デジタル多成分出力信号が、単一のデジタル成分出力信号、又は2つ以上のデジタル成分出力信号の混合物のうちのいずれか一方を含む請求項1に記載の試験測定装置。
【請求項3】
上記内部分析部が、上記合算ブロックの前に1つ以上のデジタル成分出力信号を受信して、上記1つ以上のデジタル成分出力信号を分析する、請求項1に記載の試験測定装置。
【請求項4】
上記内部分析部が、上記DACの前に上記デジタル多成分出力信号を受信するように構成される、請求項1に記載の試験測定装置。
【請求項5】
上記アナログ出力信号に適用される乗算器を更に備え、上記乗算器が、引数1を有するか又は上記乗算器のバイパスを可能にするスイッチを有するように構成可能である、請求項1に記載の試験測定装置。
【請求項6】
デジタル信号発生部であって、上記デジタル信号発生部によって生成されるデジタル成分出力信号に関して選択された信号タイプに従って、同相デジタル信号及び直交デジタル信号を生成するためのデジタル信号発生部と、
上記デジタル成分出力信号の上記同相デジタル信号及び上記直交デジタル信号の振幅を変調するためのデジタル・パルス・エンベロープ・シーケンサと、
上記同相信号及び上記直交信号に少なくとも1つのデジタル・フィルタを適用するためのデジタル・フィルタと、
上記同相デジタル信号及び上記直交デジタル信号をキャリア信号と組み合わせて、上記デジタル成分出力信号を作成するように構成されたデジタル信号変調部と
を夫々有する少なくとも2つの波形発生部と、
入力を受け、上記デジタル成分出力信号を作成するために使用される、上記少なくとも2つの波形発生部のいずれかに関するパラメータのカーネルを含む変調記述語(MDW)を作成するためのストリーム・マネージャと、
上記少なくとも2つの波形発生部のいずれかからのデジタル成分出力信号を組み合わせてデジタル多成分出力信号を作成するための合算ブロックと、
上記デジタル多成分出力信号をアナログ出力信号に変換するためのデジタル・アナログ変換器(DAC)と
を具える任意関数発生器。
【請求項7】
上記MDWが、変調された連続波、無線周波数(RF)搬送波、及びベースバンド搬送波のうちの1つである上記信号の特性を記述する請求項6に記載の任意波形発生器。
【請求項8】
上記デジタル・フィルタが、所望の信号を複製するための歪みモデルを作成する処理と、非理想的な外部装置を考慮して上記デジタル多成分出力信号を予め補償する処理又は予め歪ませる処理のうちのいずれか一方との中の少なくとも1つを実行するように構成される請求項6に記載の任意波形発生器。
【請求項9】
上記デジタル信号発生部が、上記同相信号及び上記直交信号にノイズを加えるように構成される請求項6に記載の任意波形発生器。
【請求項10】
上記波形発生部の夫々が、
各カーネル時間の時間記録を維持する処理と、
各カーネルの信号を作成するまでのレイテンシを求める処理と、
既知の時間に上記デジタル成分出力信号を作成するために、時間相関マスタ・クロックに対する上記信号カーネルのスケジュールを立てる処理と
を行うように構成される請求項6に記載の任意波形発生器。
【請求項11】
サンプルを有するデジタル波形を生成するように構成された波形発生部と、
上記デジタル波形の上記サンプルをアナログ波形に変換するためのデジタル・アナログ変換器(DAC)と、
1つ以上のプロセッサであって、上記DACの前に上記サンプルを分析する処理を1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを実行するように構成され、1つ以上の分析部が、外部装置を接続する必要なしに上記波形に関する信号分析を実行するように構成される上記1つ以上のプロセッサと
を具える試験測定装置。
【請求項12】
上記サンプルを分析する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記波形がどの程度電力を生成するか、上記波形によってどの程度帯域幅が使用されるか、上記波形がどの程度速く立ち上がるか及び立ち下がるかのうちの1つ以上を求める処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項11に記載の試験測定装置。
【請求項13】
上記サンプルを分析する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、上記波形に関する時間及びスペクトラム分析を行う処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項11に記載の試験測定装置。
【請求項14】
上記波形に関する時間及びスペクトラム分析を行う処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、変調、パルス分析及び時間相関測定を含む上記信号の特性をユーザに対して表示する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項13に記載の試験測定装置。
【請求項15】
上記サンプルを分析する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、複数の波形が同時に生成される状況における正確な周波数を求める処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む請求項11に記載の試験測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、試験測定装置に関し、より詳細には、任意波形発生器、並びに生成される波形を作成及び視覚化するための試験測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信、位置特定、及び測距のための様々な信号の使用が増加していることに伴い、機器は、その機器を対象とする信号をその機器の周囲の他の全ての信号から区別しなければならない。例えば、携帯電話塔で使用される5G信号は、異なるタイプの信号を受信するように機器が動作するエリア内に存在することがある。メーカー及びユーザは、様々なタイプの信号の混合物を使用して自身の機器を試験する必要がある。複数の信号を用いて受信機システムのストレス試験を行うために、又はコンポーネントが受ける可能性のある実環境のストレスを再現してコンポーネント若しくはデバイスを試験するために、信号発生器が使用されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-52125号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】テクトロニクスの「任意波形発生器」の紹介サイト、テクトロニクス、[online]、[2023年7月19日検索]、インターネット<https://www.tek.com/ja/products/arbitrary-waveform-generators>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
装置のタイプの1つである任意波形発生器は、選択されたタイプの信号を生成する。しかしながら、これらのほとんどは、他の信号との混合物である信号を生成せず、常に単一の信号タイプを生成する。これは、1つの特定のタイプの信号について機器を試験するためには役立つが、信号が他のタイプの信号を含む混合した信号の一成分である場合には、このタイプの信号について試験することは不可能である。
【0006】
この状況の別の側面は、信号が生成されるときにその信号の真の特性をユーザが判断できないことにある。通常、ユーザは、AWG又は他の信号発生器を信号発生器の外部のスペクトラム・アナライザに接続する。これにより遅延が生じ、場合によっては、生成された信号に対するデジタル・アナログ変換又は他の操作を行う前に、その生成された信号をユーザが確認することができなくなる。信号が実際に発生器から出る前に信号を確認できることは、結果として得られる信号と生成された信号とを比較できるなどの多くの利点を有する。
【0007】
このような理想的な内部信号の一般的な用途は、デジタル・プリディストーション(DPD:digital predistortion)などの発生器とともに採用され得るアルゴリズムの基準、及びデータ駆動型エラー・ベクトル振幅(EVM:error vector magnitude)測定の基準としてである。内部発生器信号は、DPDアルゴリズムの「基準」信号として使用され、DPDアルゴリズムは、発生器の歪んだ出力を基準信号と比較し、出力の歪みを最小限に抑えるための「プリディストーション」を構築する多くの技法のうちの1つを使用する。EVM測定では、基準信号は、外部受信機によるエラー・ベクトル振幅のスコアリングをガイドするために使用される。
【0008】
本開示の実施形態は、従来の装置及び発生器のこれらの制限及び他の制限に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書における実施形態は、複数の信号の混合物の波形を生成することができる任意波形発生器に関与する。入力に応答して、ストリーム・マネージャが、関与する波形発生器ごとに変調記述語(MDW:modulation descriptor word)を生成する。各波形発生器は、そのタイプのシグナリングのための信号を生成し、次いで、装置は、信号を組み合わせて出力信号混合物にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、フレキシブル任意波形発生器の一実施形態の図である。
図2図2は、フレキシブル任意波形発生器のチャンネルの一実施形態の図である。
図3図3は、内部信号モニタリングを含む試験測定装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、実施形態による、混合信号を生成するように構成されたフレキシブル(柔軟性のある)任意波形発生器(AWG:Arbitrary Waveform Generator)又は他の装置10の全体的なアーキテクチャを示す。AWG10は、16などの複数の信号/波形発生部を有する。ストリーム・マネージャ12は、AWGが組み合わせて複合信号(complex signal)にするための複数の信号から成るグループに関する変調タイプ及びパラメータのリストを含む外部ストリーム又は要求を受け取る。要求が単一の信号のみを含み得るという理解の下に、この説明では、要求が、2つ以上の信号を組み合わせて1つの複合信号にすることを含む場合の機能について扱う。
【0012】
結果として得られるデジタル出力信号は、本明細書で使用される場合、「複合信号」と呼ばれ、これは、結果として得られる信号が、様々なタイプの生成信号の混合物であることを意味する。信号発生器は、直交周波数分割多重方式(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexing)、シングル・キャリア複素変調、M値直交振幅変調(M-QAM:M-ary quadrature amplitude modulation)、M値パルス振幅変調(M-PAM:M-ary pulse amplitude modulation)、及びM値位相シフト・キーイング(M-PSK:M-ary phase shift keying)を含むがこれらに限定されない最も良く知られている無線周波数(RF)信号タイプのうちの1つを生成しても良い。信号発生器はまた、デジタル処理で複数の信号を作成しても良いが、任意の非直交信号搬送波も作成しても良い。いくつかの発生部がそれぞれ、選択された信号を生成し、AWGが、選択された信号を組み合わせて複合信号にする。AWGの柔軟性を維持するために、複合信号には選択された1つの信号のみが存在しても良く、これにより、要求側のシステム又はユーザは、AWGを単一のAWG又は組み合わされたAWGとして使用することが可能になる。
【0013】
外部ストリーム入力は、各信号の変調タイプ及びパラメータ、一連のプログラム・インターフェース(PI)コマンドをユーザが入力すること、又は、とりわけ、以下に説明する記憶媒体又は通信媒体を含む、TCP/IPフレーム若しくはAPI(Application Programming Interface)などのレコード・ベースのタイプの構造から生じても良い。ストリーム・マネージャ12は、入力を取得し、1つの信号を16などの各信号発生器に送信する。ストリーム・マネージャ12は、データを提供するストレージ14から内部ストリームにアクセスして、ストリーム・マネージャが発生器にデータを提供することを可能にしても良い。AWGは、1~N個の信号発生部を含んでも良い。AWGは、所与の環境で複数の信号タイプが同時に動作する環境において被試験デバイス又は被試験システム(DUT)を試験するために使用される1つのタイプの試験測定装置を備える。
【0014】
各信号発生部(16-2、16-Nなど)は、信号発生部16と同様又は同じアーキテクチャを有する。一実施形態では、これらの発生部は、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)のセクションから構成されるか、又は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、グラフィックス処理ユニット、リモート・プロセッサ・リソース、ウェブ・コンピューティング・リソースなどの一部から構成されても良い。本明細書において、この説明ではこれらを「プロセッサ」と呼ぶ。プロセッサは、プロセッサに実施形態のタスクを実行させるコードを実行するように構成されても良い。
【0015】
ストリーム・マネージャ12は、入力を受け取り、次いで、複合信号を作成するために必要な数の発生部に変調記述語(MDW)を送る。信号発生部は、生成される信号のエンベロープ、又は全体的な形状を制御する。信号の「エンベロープ」とは、信号を含む境界、言い換えれば、信号の両極端の輪郭を指す。MDWは、エンベロープ情報、及び変調された搬送波、RF搬送波、ベースバンド搬送波などの変調の特性を提供する。MDWは、信号を表現するためにI/Q(同相/直交)コアによって使用されるパラメータのカーネルを定義する。
【0016】
システムは、複雑なエンベロープ形状を作成する。エンベロープ形状は、立ち上がり/立ち下がり/整定時間、方形、台形、二乗余弦、平方根二乗余弦、ガウス、指数関数などの多くの形式の振幅エンベロープ変調を表現するために発生部によって使用されても良い。RF信号に適用される場合、多くの形式のRF信号振幅変調は、RFパルスの立ち上がり/立ち下がり時間、アンテナ・パラメータの掃引、パルス・デューティ・サイクルの変化、及びパルス繰り返し周波数(PRF:pulse repetition frequency)を含んでも良い。PRF自体は、静的パターン、線形パターン、非線形パターン、指数関数的パターン、ジッタ・パターン、又は他の任意のパターンによって変調されても良い。本明細書で使用される「パルス信号」という用語は、非パルスの連続信号のサブセットを含む。パルス信号又は連続信号は、上記の技法のいずれかを使用して、変調された信号、変調されていない信号、フィルタ処理された信号、フィルタ処理されていない信号、歪んだ信号、又は歪んでいない信号を含んでも良い。
【0017】
本明細書における実施形態は、検知波形として二次的な使用により信号通信に使用される傾向にある、IQ信号バースト、3GPP(登録商標)規格に準拠した5Gなどのデータベースのデジタル変調、IEEE規格に準拠したWi-fi、(以下で具体的に述べる)汎用デジタルQAM、FM及びFSK、AM及びASK、並びにPM及びPSKのうちのいずれか又は全てからのRF信号形成のより完全でより一般的な形式について説明する。信号形成はまた、連続波(CW:continuous wave)、マルチトーンCW、及びパイロット・トーンとして使用する他の信号を含んでも良い。更に、信号は、検知に二次的に使用できる信号検知波形、様々なプロファイルのCWチャープ、アップ、ダウン、アップダウン線形及び非線形の掃引、方形、台形、指数関数、ガウス、ウィンドウのパルス・エンベロープ、様々なタイプのフィルタ、線形アップ/ダウン、アップ/ダウン・チャープ、FM-FSK、線形FM、非線形FM、非線形PM、バーカ・コード、ステップFMの変調、エッジ・ジッタ、インパルス整定欠陥をシミュレートするためのパルス・パラメータの変調、パルス幅変調、及び様々なタイプのパルス繰り返し率変調を含んでも良い。最後に、様々な検知、通信、又は他の目的のための様々な革新的な確立された標準波形及び標準以前の波形をフレームワークによって構築する機能である。最も一般的な概念は、全ての信号がパルス信号であるということである。CW信号は、無限のパルス幅を有するパルス信号と見なすことができる。
【0018】
次いで、18において、複合信号の作成に関与する各発生部からのデジタル成分出力信号が選択的に合算されて、デジタル複合出力信号が作成される。次いで、デジタル・アナログ変換器(DAC)が、デジタル複合出力信号をアナログ信号に変換する。乗算器26において、アナログ信号は、局部発振器24を使用して周波数変換を受けても良いが、バイパス・スイッチ34からなるバイパス経路は、信号が周波数変換を受けないようにしても良い。周波数変換を回避する別の選択肢は、乗算器26に引数1を持たせることを含む。
【0019】
結果として得られる信号は、可変帯域通過フィルタ28を使用した可変帯域通過フィルタ処理、30における増幅又はバッファリング、及び信号電力を制御するために32における可変抵抗の適用を受けても良い。結果として得られる複合信号のフィルタ処理は、いくつかの用途を有しても良い。一実施形態では、フィルタ処理は、チャンネル若しくは他の歪み又は非線形歪みに対応するためのプロトコルの適合を可能にしても良い。フィルタ周波数応答、時間及び位相応答、又は非線形振幅応答は、顧客が信号源に所望の信号として複製してほしいと望み得る歪みのモデルをシステムが作成できるようにしても良い。また、フィルタ処理は、信号を予め補償するか又は予め歪ませて、信号発生部が非理想的な外部装置に接続できるようにし、増幅器、混合器、フィルタ、伝送線などの外部アクセサリの欠陥を補償することを可能にしても良い。図2に関してより詳細に説明するように、フィルタは、信号発生部内の複合信号及び/又は成分信号に適用されても良い。
【0020】
次に、個々の発生部のアーキテクチャに注目すると、図2は、そのような信号発生部16の実施形態を示している。これはそのような信号発生部の一例を構成するものであり、この信号発生部のアーキテクチャを限定するものではないことに留意すべきである。信号発生部16は、図1に示すシステム全体において、ストリーム・マネージャ12から受け取られる発生部用のMDWを受け取るMDWモジュール40を含む。MDWモジュール40は、パラメータのカーネルを設定するMDW語を受け取り、様々なパラメータをフィルタ・ブロック46に提供する。パルス・エンベロープ・シーケンサ(PES)42は、MDW語を使用し、ベースバンド発生部44に、チャープ又は掃引信号、及び信号のタイプを提供する。ベースバンド発生部44は、デジタル複合出力信号に加算されるデジタル成分出力信号としてベースバンド発生部44が生成する選択されたタイプの信号に従って、同相(I)信号及び直交(Q)信号を生成する。次いで、ベースバンド発生部44は、IQ信号をフィルタ・ブロック46に提供する。
【0021】
信号は、一般的な振幅変調をA(t)及びB(t)、周波数変調をfm(t)、位相変調をθ(t)で表現する1つの方法として、
s(t)=(A(t)+A)*cos(2π(fo1+fm(t))t+θ(t)+θ)+(B(t)+B)*sin(2π(fo2+fm(t))t+θ(t)+θ
と表現されても良い。
【0022】
振幅のDCオフセット項A、B、周波数オフセット項fo1、fo2、及び位相オフセット項θ、θには時間変化がない。増幅器の歪み及びオフセット、混合器の歪み及びオフセット、IQの歪み及びオフセットなどのチャンネル欠陥を補正するために、これらの項をシステム運用で使用して、チャンネル全体にわたるオフセットのチャンネル全体にわたる所望のシステムを作成する。
【0023】
効率的かつ柔軟な実装のために、振幅オフセット項は、DACを経由してRF増幅器の下流のハードウェアにルーティングされても良い。これは複合処理と呼ばれる場合があり、複合処理によって、AC信号は、DAC、並びに下流のRF増幅器及びRF混合器を通過し、続いて、DC成分の追加を可能にするDC合算ジャンクションを通過する。
【0024】
A(t)=(A(t)+A)及びB(t)=(B(t)+B)は大きさが異なるため、変調に必要とされるシンボル形成に柔軟に対処すること、及びプリディストーションによる補正が可能になる。
【0025】
周波数項及び位相項(θ(t):θ,θ,θ,θ)は、数学的に、
【数1】
のように関連しており、つまり、効率的な実装は完全な関係を位相方程式又は周波数方程式のみとして表現できるが、これらは、時間の経過に伴う位相ベクトルθ(n)若しくは時間の経過に伴う周波数ベクトルfm(n)のいずれかとして又は周波数と位相との両方として発生部の実装における柔軟性を可能にするために個別に表現され、ここで、nは展開するベクトルのn番目のサンプルを表す。
【0026】
ベクトルx(n)の使用は、離散サンプルがメモリに記憶されているか若しくはFIFOに動的にキャッシュされているか又は生成的に展開されているかに関係なく、離散サンプルの任意のシーケンスを意味する。生成的な意味では、恐らくは現在のサンプルのみが利用可能である。
【0027】
フィルタ・ブロック46は、波形領域、チャンネル伝播など、エンベロープ時間フィルタ処理、及び累乗根二乗余弦(RRC:root-raised cosine)フィルタ処理などのシンボル時間フィルタ処理などの情報をMDWモジュールから受け取る。次いで、フィルタ・ブロック46は、所望のフィルタ処理を適用する。
【0028】
クロック20は、21において、整数と分数との両方でダウン・サンプリングを受け、パルス・エンベロープ・シーケンサ、ベースバンド発生部、及びフィルタ・ブロックに個別の同期クロッキングを提供する。フィルタ・ブロックの出力は、成分信号のI信号及びQ信号である。乗算器48及び50、並びに数値制御発振器(NCO:numerically controlled oscillator)52は、I信号語及びQ信号語を取得し、それらをNCOのサイン出力及びコサイン出力において乗算し、合算出力58において、MDWによって決定されたキャリア周波数語でデジタル・アップコンバートされた信号を作成する。フィルタ・ブロック46は、低レートの可能性のあるデジタル信号を乗算器及びNCO出力のサンプル・レートと一致させるためのデジタル・アップ・コンバージョンを含んでも良い。顧客/ユーザはキャリア周波数を提供する。低域通過フィルタ54及び56は、同じ幅及び形状を有しても良い。例えば、フィルタ54及び56が100MHzの低域通過フィルタである場合、これらは、NCO52によって与えられる周波数を中心とする200MHzの通過帯域を可能にする。46で生じるベースバンド信号を乗算器48及び50によって乗算すると、n*FNCO付近の高調波及びイメージが作成される。低域通過フィルタは最初のナイキスト・イメージを選択する。帯域通過フィルタは、より高次のナイキスト・イメージを選択しても良い。
【0029】
16などの信号発生部は、フィルタ・ブロック46などのフィルタを含んでも良く、信号に対して必要又は所望に応じて動作を実行する能力を有しても良い。例えば、信号発生部は、信号をディザリングして信号のスプリアス・フリー・ダイナミック・レンジ(SFDR)を拡大する手段と、顧客が信号に追加したい意図的なアーティファクトとの両方として、信号にノイズを追加することができる。ノイズは、時間長、周波数形状、及び振幅分布によって形成されても良い。デジタル信号処理は、システムが、バックプレーンの損失、遅延、若しくは分散、ケーブル、導波路、若しくはファイバの損失若しくは分散、又は上述した外部アクセサリの影響など、環境又はチャンネルの歪みを表現することを可能にしても良い。
【0030】
成分信号を生成し、18において他の信号と合算して複合信号を形成した後、信号は、DAC22による変換を受ける。ベースバンド又はRFのいずれかのキャリア信号は、DACに適用され、25又は50ギガ・サンプル/秒(GS/s)などのDACのフル・サンプル・レートでクロックされるものとする。DACの出力は、直接又はRF変換器を介して、ルーティングされても良い。
【0031】
時間同期及び考慮事項に関しては、各信号カーネル時間、RFパルス、ベースバンド・パルス、CW信号の瞬間を知ることができるように、発生部が時間記録を維持することになる。これにより、クロック20などの高レート・クロックのサイクルの64ビット・カウンタなどの高精度カウンタにおいて各パルスの時間を知ることが可能になる。これは、DAC及びアップコンバータを通じて作成されたパルス・エンベロープから特定のMDWパラメータを有する信号を作り出すまでのレイテンシ(latency:応答待ち時間)が既知であることを意味する。信号の形式が異なればレイテンシも異なることが予想されるが、それぞれが既知であるため、DACへ及び発生器製品の出力への配信に先立って、準備計算が行われる。これにより、時間相関マスタ・クロックに対して信号カーネルをスケジュールすることが可能になり、その結果、既知の時間にコネクタ出力において信号カーネルにその変調が発生する。内部フィルタ処理ブロック及び時間整合回路は、特定の信号を任意の時間/位相オフセットに変調することを可能にする。デジタル時間整合の一例としては、レイテンシを早める又は遅らせるコンベア・ベルトとして機能するポリフェーザ回転シフト法がある。一実施形態では、上記で説明した既知のタイミングに基づいて異なるレイテンシのチャンネルが整合するように、各チャンネルに一定量の静的レイテンシが追加されても良い。ユーザは、デフォルトの装置、整合後の装置、又は他のユーザ仕様によって、時間をどのように整合するかを指定しても良い。ユーザはまた、出力の整合に使用される整合オフセットに加えてオフセットを指定する能力を有しても良い。
【0032】
図1に示す出力回路に戻ると、周波数変換器は、中程度のスイッチング速度の低位相ノイズ局部発振器24、又はより低い位相ノイズ及びより速いスイッチング時間を採用しても良い。信号発生部のうちの1つ(通常は第1の信号発生部)を動作させるFPGA又は他のプロセッサは、スイッチングの周波数のレートを制御する。これにより、様々な性能レベルの複数の製品が、プログラム可能な機能によってアプリケーション固有の要件を満たすことが可能になる。
【0033】
図2に戻ると、内部分析部(internal analyzer:内部アナライザ)60を見ることができる。内部分析部60により、ユーザは、生成された複合信号、又は成分信号のうちの1つ以上、又は更には成分信号のIQ信号のうちの1つ以上を、DACの前にデジタル形式で見ることが可能になるが、簡略化のため本明細書ではその接続については示されていない。試験測定装置は、上記のフレキシブルな任意波形発生器など、測定装置自体によって生成又は供給された信号を試験及び分析する。実施形態は、信号発生器のユーザに、信号源装置によって内部的に生成された試験信号の時間及びスペクトラム成分を見る機能を提供する。スペクトラム成分は、例えば、オレゴン州ビーバートンのテクトロニクス社から入手可能なSignalVuスペクトラム視覚化処理を採用する装置上でユーザに示されても良い。
【0034】
生成された試験信号の時間相関測定値としてパルス分析を示す追加のビューもユーザに表示されても良い。例えば、ユーザは、試験信号が生成される前に又は生成されているときに、生成された試験信号の時間及び周波数分析を閲覧することができる。更に、内部信号モニタリングを含むこのような装置は、外部装置に接続する必要なしに、ユーザがそのDUTの中に生成しようとしている正しい性質及び特性を試験信号が有していることをユーザが実証するのに役立つ。内部に生成された信号をモニタリング及び/又は視覚化するこの能力は、試験シナリオの不確実性を最小限に抑え、ユーザが正しい刺激信号でユーザのDUT又は制御対象のサブシステムを駆動しているという確信をユーザに持たせる。
【0035】
図3は、内部信号モニタリングを含む、AWGなどの試験測定装置70の一実施形態を示す。試験測定装置70は、波形発生部62を含み、波形発生部62は、任意のタイプの波形を生成するように構造化され、上記で説明した柔軟な(フレキシブル)AWGの形式をとっても良い。通常、これらの波形は、既知の信号でDUTを試験するために外部DUTに適用される。生成波形64は、図3では波形64と呼ばれる。次いて、サンプルによって表される生成波形64は、IQ分析を実行し得る分析部(アナライザ)60などの異なるタイプの波形分析部に送られる。分析されるサンプルは、波形全体のサンプルから選択されても良く、本質的にそのサンプルをサンプリングする。サンプルは、データ・レートを低減するために再サンプリングを受けることもできる。生成波形サンプル64は、生成波形サンプル64をアナログ信号に変換するためにデジタル・アナログ変換器(DAC)72にも送られても良い。次いで、分析部60は、生成波形サンプル64について、スペクトラム及び時間分析を実行することができる。一実施形態では、分析は、DAC72によって生成された生成波形のアナログ・バージョンにも適用されても良い。
【0036】
上記で説明したこの分析及び表示機能は、スペクトラム測定能力を信号源に組み込んで、信号源が再生する(又は現在生成している)サンプルを分析し、数値的に正確な結果をユーザに与える。結果は、ディスプレイ68上でユーザに表示されても良い。このようにして、顧客は、様々な信号がどの程度帯域幅を占めるか、様々な信号がどの程度電力を生成するか、様々な信号がどの程度速く立ち上がるか及び立ち下がるか、並びに複数の波形が同時に再生している環境という状況における正確な周波数位置(frequency location)がわかる。複数のサンプル・レートがあるため、信号の正確な周波数位置について混乱する可能性がある。各データ経路における既知のレートで信号を分析することにより、明確で正確な表示が可能になる。例えば、現在のAWG製品では、250MHzの帯域幅によって25GS/sのクロック・レートで5GHzの信号を作成することを目的としている。しかしながら、クロック・レートが20Gzに設定されたことに気づかない場合、実際の信号は、代わりに4GHzで生成される。
【0037】
システムが生成又は開始した信号の内部監視及び測定のためのシステムを含む装置の利点の1つは、生成された信号の属性に基づいて装置のスペクトラム・アナライザを事前設定できることである。更に、信号源が生成するサンプルに対して真に代表的で正確な測定を実行することができるため、外部分析器(外部アナライザ)を使用した予備測定ステップが不要になる。
【0038】
スペクトラム・アナライザなどの内部分析モジュールを含める場合、通常、試験測定装置の1つ以上のプロセッサが、プロセッサに分析を実行させるコード(プログラム)を実行するという形式をとる。次いで、プロセッサは、分析の結果をユーザに表示する。上述した信号の推定とは異なり、分析は、数値的に正確な測定となる。
【0039】
本開示の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ、又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作しても良い。本明細書で使用されるコントローラ又はプロセッサという用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び専用ハードウェア・コントローラを含むよう意図されている。本開示の1つ以上の態様は、1つ以上のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)又は他のデバイスによって実行される、1つ以上のプログラム・モジュールなどのコンピュータ使用可能データ及びコンピュータ実行可能命令において具現化されても良い。一般に、プログラム・モジュールには、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などが含まれ、これらは、コンピュータ又は他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハード・ディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)などの非一過性コンピュータ可読媒体に記憶されても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な態様において必要に応じて組み合わされるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、FPGAなどのファームウェア又はハードウェアの均等物において全体的に又は部分的に具現化されても良い。本開示の1つ以上の態様をより効果的に実施するために特定のデータ構造が使用されても良く、そのようなデータ構造は、本明細書に記載のコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内であると考えられる。
【0040】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様はまた、1つ以上のプロセッサによって読み取られ実行され得る1つ以上の非一過性コンピュータ可読媒体によって搬送されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム製品と呼ばれることがある。本明細書で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング・デバイスによってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例として、コンピュータ可読媒体には、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体が含まれても良い。
【0041】
コンピュータ記憶媒体とは、コンピュータ可読情報を記憶するために使用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例として、コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ又は他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)又は他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体が含まれても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号自体及び信号伝送の一過性の形式は除外される。
【0042】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に使用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例として、通信媒体には、電気信号、光信号、無線周波数(RF)信号、赤外線信号、音響信号、又は他のタイプの信号の通信に適した、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気、又は任意の他の媒体が含まれても良い。

実施例
【0043】
以下では、開示された技術の例示的な実施例が提供される。この技術の実施形態は、以下で説明する実施例の1つ以上及びそれらの任意の組み合わせを含んでも良い。
【0044】
実施例1は、試験測定装置であり、試験測定装置は、信号発生部であって、信号発生部によって生成されるデジタル成分出力信号に関して選択された信号タイプに従って、同相デジタル信号及び直交デジタル信号を生成するための信号発生部と、デジタル成分出力信号の同相デジタル信号及び直交デジタル信号の振幅を変調するためのパルス・エンベロープ・シーケンサと、同相デジタル信号及び直交デジタル信号をキャリア信号と組み合わせて、デジタル成分出力信号を作成するための1つ以上の乗算器とを夫々有する少なくとも2つの波形発生部と、入力を受け、デジタル成分出力信号を作成するために使用される少なくとも2つの波形発生部のいずれかに関する変調記述語(MDW)を作成するためのストリーム・マネージャと、少なくとも2つの波形発生部のいずれかからのデジタル成分出力信号を選択的に組み合わせてデジタル多成分出力信号を作成するための合算ブロックと、デジタル多成分出力信号をアナログ出力信号に変換するためのデジタル・アナログ変換器(DAC)と、デジタル出力信号のうちの1つ以上の分析部入力を受け取るように構成された内部信号分析部とを有するフレキシブル任意波形発生部を具える。
【0045】
実施例2は、実施例1の試験測定装置であり、デジタル多成分出力信号は、単一のデジタル成分出力信号、又は2つ以上のデジタル成分出力信号の混合物のうちのいずれか一方を含む。
【0046】
実施例3は、実施例1又は2のいずれかの試験測定装置であり、内部分析部(内部アナライザ)は、合算ブロックの前に1つ以上のデジタル成分出力信号を受信して、1つ以上のデジタル成分出力信号を分析する。
【0047】
実施例4は、実施例1から3のいずれかの試験測定装置であり、内部分析部は、DACの前にデジタル多成分出力信号を受信するように構成される。
【0048】
実施例5は、実施例1から4のいずれかの試験測定装置であり、アナログ出力信号のフィルタ処理を可能にするためにDACに接続されたフィルタを更に具える。
【0049】
実施例6は、実施例1から5のいずれかの試験測定装置であり、アナログ出力信号に適用される乗算器を更に具え、乗算器は、引数1を有するか又は乗算器のバイパスを可能にするスイッチを有するように構成可能である。
【0050】
実施例7は、任意関数発生器であり、任意関数発生器は、デジタル信号発生部であって、デジタル信号発生部によって生成されるデジタル成分出力信号に関して選択された信号タイプに従って、同相デジタル信号及び直交デジタル信号を生成するためのデジタル信号発生部と、デジタル成分出力信号の同相デジタル信号及び直交デジタル信号の振幅を変調するためのデジタル・パルス・エンベロープ・シーケンサと、同相信号及び直交信号に少なくとも1つのデジタル・フィルタを適用するためのデジタル・フィルタと、同相デジタル信号及び直交デジタル信号をキャリア信号と組み合わせて、デジタル成分出力信号を作成するように構成されたデジタル信号変調器とを夫々有する少なくとも2つの波形発生部と、入力を受け、デジタル成分出力信号を作成するために使用される少なくとも2つの波形発生部のいずれかに関するパラメータのカーネルを含む変調記述語(MDW)を作成するためのストリーム・マネージャと、少なくとも2つの波形発生部のいずれかからのデジタル成分出力信号を組み合わせてデジタル多成分出力信号を作成するための合算ブロックと、デジタル多成分出力信号をアナログ出力信号に変換するためのデジタル・アナログ変換器(DAC)とを具える。
【0051】
実施例8は、実施例7の任意波形発生器であり、各波形発生部に対して選択される信号タイプは、直交周波数分割多重(OFDM)、シングル・キャリア複素変調、M値直交振幅変調(M-QAM)、M値パルス振幅変調(M-PAM)、及びM値位相シフト・キーイング(M-PSK)のうちの1つである。
【0052】
実施例9は、実施例7又は8のいずれかの任意波形発生器であり、MDWは、変調された連続波、無線周波数(RF)搬送波、及びベースバンド搬送波のうちの1つである信号の特性を記述する。
【0053】
実施例10は、実施例7からXのいずれかの任意波形発生器であり、アナログ出力信号に適用されるフィルタを更に具える。
【0054】
実施例11は、実施例7から10のいずれかの任意波形発生器であり、デジタル・フィルタは、所望の信号を複製するための歪みモデルを作成する処理と、非理想的な外部装置(external device)を考慮してデジタル多成分出力信号を予め補償する処理又は予め歪ませる処理のうちのいずれか一方との中の少なくとも1つを実行するように構成される。
【0055】
実施例12は、実施例7から11のいずれかの任意波形発生器であり、デジタル信号発生部は、同相信号及び直交信号にノイズを加えるように構成される。
【0056】
実施例13は、実施例7から12のいずれかの任意波形発生器であり、信号発生器のうちの1つの制御下で周波数変換器としてアナログ出力信号に接続された局部発振器を更に具える。
【0057】
実施例14は、実施例7から13のいずれかの任意波形発生器であり、各波形発生部が、各カーネル時間の時間記録を維持する処理と、各カーネルの信号を作成するまでのレイテンシ(latency:応答待ち時間)を求める処理と、既知の時間にデジタル成分出力信号を作成するために時間相関マスタ・クロックに対する信号カーネルのスケジュールを立てる処理とを行うように構成される。
【0058】
実施例15は、試験測定装置であり、試験測定装置は、サンプルを有するデジタル波形を生成するように構成された波形発生部と、デジタル波形のサンプルをアナログ波形に変換するためのデジタル・アナログ変換器(DAC)と、DACの前に1つ以上のプロセッサにサンプルを分析させるプログラム(コード)を実行するように構成された1つ以上のプロセッサであって、1つ以上の分析が、外部装置を接続する必要なしに波形に関する信号分析を実行するように構成される、1つ以上のプロセッサとを具える。
【0059】
実施例16は、実施例15の試験測定装置であり、上記サンプルを分析する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、1つ以上のプロセッサにサンプルの同相及び直交(IQ)分析を実行させるプログラムを含む。
【0060】
実施例17は、実施例15又は16のいずれかの試験測定装置であり、上記サンプルを分析する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、波形がどの程度電力を生成するか、波形によってどの程度帯域幅が使用されるか、波形がどの程度速く立ち上がるか及び立ち下がるかのうちの1つ以上を求める処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0061】
実施例18は、実施例15から17のいずれかの試験測定装置であり、サンプルを分析する処理を1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、波形に関する時間及びスペクトラム分析を行う処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0062】
実施例19は、実施例18の試験測定装置であり、波形に関する時間及びスペクトラム分析を行う処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、変調、パルス分析及び時間相関測定を含む上記信号の特性をユーザに対して表示する処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0063】
実施例20は、実施例15から19のいずれかの試験測定装置であり、サンプルを分析する処理を1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムが、複数の波形が同時に生成される状況における正確な周波数を求める処理を上記1つ以上のプロセッサに行わせるプログラムを含む。
【0064】
開示された主題の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの利点を有する。それでも、開示された装置、システム、又は方法の全てのバージョンにおいて、これらの利点又は機能が要求されるわけではない。
【0065】
特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む、本明細書に開示される全ての機能、並びに開示される方法又はプロセスにおける全てのステップは、そのような機能及び/又はステップの少なくとも一部が相互に排他的な組み合わせである場合を除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む、本明細書に開示される各機能は、特に明記されない限り、同じ、等価、又は類似の目的を果たす代替の機能によって置き換えることができる。
【0066】
更に、この文書による説明は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例の文脈で開示されている場合、その特徴は、可能な限り、他の態様及び実施例の文脈においても使用することができる。
【0067】
また、本願において2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、文脈上でそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0068】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除いて、限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0069】
10 任意波形発生器(AWG)
12 ストリーム・マネージャ
14 ストレージ
16 信号発生部
18 合算器
20 クロック
22 デジタル・アナログ変換器(DAC)
24 局部発振器
26 乗算器
28 帯域通過フィルタ
30 バッファ
32 可変抵抗器
34 バイパス・スイッチ
21 ダウン・サンプラ
40 変調記述語(MDW)モジュール
42 パルス・エンベロープ・シーケンサ(PES)
44 ベースバンド発生器
46 フィルタ・ブロック
48 乗算器
50 乗算器
52 数値制御発振器(NCO)
54 低域通過フィルタ
56 低域通過フィルタ
58 合算器
60 内部分析部
62 波形発生器
64 波形サンプル
68 ディスプレイ
70 試験測定装置
72 デジタル・アナログ変換器(DAC)
74 出力端子
図1
図2
図3
【外国語明細書】