(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148449
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】除草剤組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 57/30 20060101AFI20241010BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20241010BHJP
A01N 43/60 20060101ALI20241010BHJP
A01N 41/10 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
A01N57/30 D
A01P13/00
A01N43/60 101
A01N41/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061581
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100126653
【弁理士】
【氏名又は名称】木元 克輔
(72)【発明者】
【氏名】太田 健介
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AB02
4H011BA06
4H011BB07
4H011BB09
4H011BB17
4H011DF04
(57)【要約】
【課題】雑草を防除できる除草剤組成物を提供すること
【解決手段】(A)ブタミホス、並びに、(B)ベンゾビシクロン及びフェンキノトリオンからなる群から選択される少なくとも1つを含有する、除草剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ブタミホス、並びに、
(B)ベンゾビシクロン及びフェンキノトリオンからなる群から選択される少なくとも1つ
を含有する、除草剤組成物。
【請求項2】
(B)成分がベンゾビシクロンである、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項3】
(B)成分がフェンキノトリオンである、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項4】
(A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比が、フリー体換算で11:3~9:3である、請求項1~3のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項5】
イネを栽培する水田における雑草の防除に用いるための、請求項1~3のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一項に記載の除草剤組成物を雑草及び/又はその生育地に施用することを含む、雑草の防除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、除草剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
雑草は、水田及び普通畑等の農耕地における農作物の栽培において、目的の栽培植物以外に生える草であり、土壌中の栄養摂取の競合、葉及び花等による日照障害及び害虫の繁殖等を介して、目的の栽培植物の減収を引き起こす雑草が数多く知られている。そのため、農耕地における農作物の栽培においては、除草剤を施用し、雑草を除去することが通常である。
【0003】
従来、除草剤の有効成分として多くの化合物が知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Crop Protection Handbook,vol.97(2011)
【非特許文献2】Herbicide Handbook,Ninth edition(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、雑草を防除できる除草剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、ブタミホス及び特定の4-HPPD阻害型除草剤を含有する除草剤組成物によれば、ブタミホス及び4-HPPD阻害型除草剤が相乗的な防除効果を発揮し、雑草を防除できることを見出し、本開示を完成させた。
【0007】
本開示は、以下の[1]~[12]に関する。
[1](A)ブタミホス、並びに、
(B)ベンゾビシクロン及びフェンキノトリオンからなる群から選択される少なくとも1つ
を含有する、除草剤組成物。
[2](B)成分がベンゾビシクロンである、[1]に記載の除草剤組成物。
[3](B)成分がフェンキノトリオンである、[1]に記載の除草剤組成物。
[4](A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比が、フリー体換算で11:3~9:3である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の除草剤組成物。
[5]イネを栽培する水田における雑草の防除に用いるための、[1]~[4]のいずれか一つに記載の除草剤組成物。
[6][1]~[5]のいずれか一つに記載の除草剤組成物を雑草及び/又はその生育地に施用することを含む、雑草の防除方法。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態に係る除草剤組成物によれば、雑草を防除することができる。
【0009】
また、本開示の一実施形態に係る除草剤組成物によれば、ブタミホス及び特定の4-HPPD阻害型除草剤が相乗的な防除効果を奏し、雑草を防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について説明するが、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0011】
本開示の一側面は、(A)ブタミホス、並びに、(B)ベンゾビシクロン及びフェンキノトリオンからなる群から選択される少なくとも1つを含有する、除草剤組成物である。
【0012】
本開示において雑草とは、農耕地で目的の栽培植物以外に生える草を意味する。本開示において雑草の生育地とは、雑草が生えている土壌及び雑草が生える可能性がある土壌を意味する。
【0013】
本開示において除草剤とは、雑草及び/又はその生育地に施用することによって、雑草を防除するために用いられる製剤又はその有効成分を意味する。本開示において除草剤組成物とは、雑草及び/又はその生育地に施用することによって、雑草を防除するために用いられる組成物を意味する。
【0014】
本開示においてフリー体換算の質量とは、除草剤組成物に含まれる化合物がフリー体である場合には、その化合物自体の質量を意味し、除草剤組成物に含まれる化合物が塩及び/又は溶媒和物の形態である場合には、カウンターイオン及び溶媒分子を除いた化合物自体の質量を意味する。本開示においてフリー体とは、除草活性を有する化合物の分子からなる形態を意味する。
【0015】
本開示の一側面に係る除草剤組成物の(A)成分は、ブタミホスである。
【0016】
ブタミホス(Butamifos)は、化学名がO-エチル O-6-ニトロ-m-トリル sec-ブチルホスホロアミドチオエート(O-ethyl O-6-nitro-m-tolyl sec-butylphosphoramidothioate)であり、下記の構造式で表される化合物である。
【化1】
【0017】
ブタミホスは、日本国において1981年に初回農薬登録された有機リン系除草剤であり、微小管重合の阻害を作用機序として、主として成長点における細胞分裂を阻害することによって、雑草の枯死を誘導する。ブタミホスは公知の方法によって合成することができる。
【0018】
本開示の一実施形態に係る除草剤組成物における(A)成分の含有量は、除草剤組成物全量に対して例えば10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、91質量%以上、92質量%以上、93質量%以上、94質量%以上又は95質量%以上であってよく、96質量%以下、95質量%以下、94質量%以下、93質量%以下、92質量%以下、91質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、83質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下又は50質量%以下であってもよい。
【0019】
本開示の一実施形態に係る除草剤組成物における(A)成分の含有量は、例えば施用される農耕地1000m2に施用するための除草剤組成物あたり、ブタミホスのフリー体換算の質量基準で、例えば0.005~5.0kg、0.01~1.0kg、0.02~0.50kg、0.03~0.30kg、0.04~0.20kg又は0.05~0.15kgであってよい。
【0020】
本開示の一実施形態において、(B)成分はベンゾビシクロン及びフェンキノトリオンからなる群から選択される少なくとも1つである。
【0021】
ベンゾビシクロンは、化学名が3-(2-クロロ-4-メシルベンゾイル)-2-フェニルチオビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-4-オン(3-(2-chloro-4-mesylbenzoyl)-2-phenylthiobicyclo[3.2.1]oct-2-en-4-one)であり、下記構造式で表される化合物である。
【化2】
【0022】
ベンゾビシクロン(Benzobicyclon)は、植物の光合成における電子伝達を担う分子であるプラストキノン(plastoquinone、PQ)合成経路中における、4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(4-HPPD)が4-ヒドロキシフェニルピルビン酸をホモゲンチジン酸(HGA)に変換する反応を阻害することを作用機序とする除草剤(4-HPPD阻害型除草剤)であり、クロップライフ・インターナショナル(CropLife International、CLI)の除草剤抵抗性対策委員会(Herbicide Resistance Action Committee、HRAC)が2020年2月に定めた除草剤の分類(HRAC分類)において、グループ27(INHIBITION OF HYDROXYPHENYL PYRUVATE DIOXYGENASE[GROUP:27])の中のトリケトン(プロドラッグ)の化学グループに分類されている。ベンゾビシクロン及びその合成方法は、特開平6-25144号公報に化合物番号95として開示されており、該文献に従って合成することができる。
【0023】
フェンキノトリオン(fenquinotrione)は、化学名が2-[8-クロロ-3,4-ジヒドロ-4-(4-メトキシフェニル)-3-オキソキノキサリン-2-イルカルボニル]シクロヘキサン-1,3-ジオン(2-[8-chloro-3,4-dihydro-4-(4-methoxyphenyl)-3-oxoquinoxalin-2-ylcarbonyl]cyclohexane-1,3-dione)であり、下記構造式で表される化合物である。
【化3】
【0024】
フェンキノトリオンは、4-HPPD阻害型除草剤であり、クロップライフ・インターナショナル(CLI)の除草剤抵抗性対策委員会(HRAC)が2020年2月に定めた除草剤の分類(HRAC分類)にお-いて、グループ27の中のトリケトンの化学グループに分類されている。フェンキノトリオン及びその合成方法は、再表09/016841号公報に化合物番号II-194として開示されており、該文献に従って合成することができる。
【0025】
本開示の一実施形態において、除草剤組成物が含有する(A)成分はブタミホス、(B)成分はベンゾビシクロン及びフェンキノトリオンからなる群から選択される少なくとも1つであり、この場合において、(A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比は、例えばフリー体換算で11:3~9:3であってよく、好ましい一実施形態においては21:6~19:6であってもよく、特に好ましい一実施形態においては10:3であってもよい。(A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比が上記比率である除草剤組成物は、(A)成分のみ、あるいは(B)成分のみを含有する除草剤組成物と比較して、相乗的に優れた防除効果を奏する。なお、本開示の一実施形態に係る除草剤組成物が(B)成分を複数種含有する場合、上記(A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比は、除草剤組成物が含有する(A)成分の質量と、除草剤組成物が含有する(B)成分に該当する成分の質量の合計との比率を意味する。
【0026】
本開示の一実施形態において、除草剤組成物が含有する(A)成分はブタミホス、(B)成分はベンゾビシクロンであり、この場合において、(A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比は、例えばフリー体換算で11:3~9:3であってよく、好ましい一実施形態においては21:6~19:6であってもよく、特に好ましい一実施形態においては10:3であってもよい。(A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比が上記比率である除草剤組成物は、(A)成分のみ、あるいは(B)成分のみを含有する除草剤組成物と比較して、相乗的に優れた防除効果を奏する。
【0027】
本開示の一実施形態において、除草剤組成物が含有する(A)成分はブタミホス、(B)成分はフェンキノトリオンであり、この場合において、(A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比は、例えばフリー体換算で11:3~9:3であってよく、好ましい一実施形態においては21:6~19:6であってもよく、特に好ましい一実施形態においては10:3であってもよい。(A)成分と(B)成分の質量基準の含有量比が上記比率である除草剤組成物は、(A)成分のみ、あるいは(B)成分のみを含有する除草剤組成物と比較して、相乗的に優れた防除効果を奏する。
【0028】
本開示の一実施形態に係る除草剤組成物は、除草剤成分として(A)成分及び(B)成分のみを含む除草剤組成物であってもよい。本開示において除草剤成分とは、雑草の防除効果を奏する化合物であって、除草のために用いられる製剤の有効成分として汎用される成分を意味し、例えば日本国の農薬取締法の規定に基づいて農薬登録された農薬の有効成分を挙げることができる。このような農薬登録された農薬の情報は、農林水産省の提供する農薬登録情報提供システム(https://pesticide.maff.go.jp/)を用いて得ることができる。
【0029】
本開示の一実施形態に係る除草剤組成物は、(A)成分及び(B)成分に加えて、さらに(C)成分として、ブタミホス、ベンゾビシクロン及びフェンキノトリオン以外の除草剤成分を含有していてもよい。(C)成分としては、例えば、日本国の農薬取締法の規定に基づいて農薬登録された農薬の有効成分を挙げることができる。このような農薬登録された農薬の情報は、農林水産省の提供する農薬登録情報提供システム(https://pesticide.maff.go.jp/)を用いて得ることができる。なお、以下では、(A)成分、(B)成分及び(C)成分をまとめて「除草剤成分」とも記載する。
【0030】
(C)成分としては、例えばアイオキシニル(Ioxynil)、アジムスルフロン(Azimsulfuron)、アシュラム(Asulam)、アトラジン(Atrazine)、アミカルバゾン(Amicarbazone)、アラクロー(Alachlor)、イソウロン(Isouron)、イソキサベン(Isoxaben)、イプフェンカルバゾン(Ipfencarbazone)、イマザキン(Imazaquin)、イマザピル(Imazapyr)、イマザモックスアンモニウム塩(Imazamox-ammonium)、イマゾスルフロン(Imazosulfuron)、インダジフラム(Indaziflam)、インダノファン(Indanofan)、エスプロカルブ(Esprocarb)、エトキシスルフロン(Ethoxysulfuron)、エトベンザニド(Etobenzanid)、塩素酸塩(Sodium chlorate)、エンドタール二カリウム塩(Endothal-dipotassium)、オキサジアゾン(Oxadiazon)、オキサジアルギル(Oxadiargyl)、オキサジクロメホン(Oxaziclomefone)、オリザリン(Oryzalin)、カフェンストロール(Cafenstrole)、カルフェントラゾンエチル(Carfentrazone-ethyl)、カルブチレート(Karbutilate)、キザロホップエチル(Quizalofop-ethyl)、クミルロン(Cumyluron)、グリホサートアンモニウム塩(Glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(Glyphosate-isopropylammonium)、グリホサートカリウム塩(Glyphosate-potassium)、グリホサートナトリウム塩(Glyphosate-sodium)、グルホシネート(Glufosinate)、グルホシネートPナトリウム塩(Glufosinate-P-sodium)、クレトジム(Clethodim)、クロメプロップ(Clomeprop)、クロリムロンエチル(Chlorimuron-ethyl)、クロルフタリム(Chlorphthalim)、シアナジン(Cyanazine)、シアン酸塩(Sodium cyanate)、シクロスルファムロン(Cyclosulfamuron)、シクロピリモレート(Cyclopyrimorate)、ジクワット(Diquat)、ジチオピル (Dithiopyr)、シハロホップブチル(Cyhalofop-butyl)、ジフルフェニカン(Diflufenican)、ジメタメトリン(Dimethametryn)、ジメテナミド(Dimethenamid)、ジメテナミドP(Dimethenamid-P)、シメトリン(Simetryn)、セトキシジム(Sethoxydim)、ターバシル(Terbacil)、ダイムロン(Daimuron)、チエンカルバゾンメチル(Thiencarbazone-methyl)、チフェンスルフロンメチル(Thifensulfuron-methyl)、デスメディファム(Desmedipham)、テトラピオン(Flupropanate-sodium)、テニルクロール(Thenylchlor)、テブチウロン(Tebuthiuron)、テプラロキシジム(Tepraloxydim)、テフリルトリオン(Tefuryltrione)、トプラメゾン(Topramezone)、トリアジフラム(Triaziflam)、トリアファモン(Triafamone)、トリクロピルトリエチルアンモニウム(Triclopyr-triethylammonium)、トリクロピルブトキシエチル(Triclopyr-butoxyethyl)、トリフルラリン(Trifluralin)、トリフロキシスルフロンナトリウム塩(Trifloxysulfuron-sodium)、トルピラレート(Tolpyralate)、ナプロパミド(Napropamide)、ニコスルフロン(Nicosulfuron)、パラコート(Paraquat)、ハロスルフロンメチル(Halosulfuron-methyl)、ビスピリバックナトリウム塩(Bispyribac-sodium)、ピラクロニル(Pyraclonil)、ピラゾキシフェン(Pyrazoxyfen)、ピラゾスルフロンエチル(Pyrazosulfuron-ethyl)、ピラゾレート(Pyrazolynate)、ピラフルフェンエチル(Pyraflufen-ethyl)、ピリフタリド(Pyriftalid)、ピリブチカルブ(Pyributicarb)、ピリミスルファン(Pyrimisulfan)、ピリミノバックメチル(Pyriminobac-methyl)、ピロキサスルホン(Pyroxasulfone)、フェノキサスルホン(Fenoxasulfone)、フェントラザミド(Fentrazamide)、フェンメディファム(Phenmedipham)、ブタクロール(Butachlor)、フラザスルフロン(Flazasulfuron)、フルアジホップP(Fluazifop-P-butyl)、フルセトスルフロン(Flucetosulfuron)、フルチアセットメチル(Fluthiacet-methyl)、フルフェナセット(Flufenacet)、フルポキサム(Flupoxam)、フルミオキサジン(Flumioxazin)、プレチラクロール(Pretilachior)、プロジアミン(Prodiamine)、プロスルホカルブ(Prosulfocarb)、プロパニル(Propanil)、プロピザミド(Propyzamide)、プロピリスルフロン(Propyrisulfuron)、ブロマシル(Bromacil)、プロメトリン(Prometryn)、フロルピラウキシフェンベンジル(Florpyrauxifen-benzyl)、ブロモブチド(Bromobutide)、フロラスラム(Florasulam)、ヘキサジノン(Hexazinone)、ベスロジン(Benfluralin)、ペノキススラム(Penoxsulam)、ペラルゴン酸(Pelargonic acid)、ペラルゴン酸カリウム塩(Pelargonic acid potassium salt)、ベンスルフロンメチル(Bensulfuron-methyl)、ベンゾフェナップ(Benzofenap)、ベンタゾンナトリウム塩(Bentazone-sodium)、ベンチオカーブ(Thiobencarb)、ペンディメタリン(Pendimethalin)、ペントキサゾン(Pentoxazone)、ベンフレセート (Benfuresate)、ホラムスルフロン(Foramsulfuron)、メコプロップPカリウム塩(Mecoprop-P-potassium)、メソトリオン(Mesotrione)、メタゾスルフロン(Metazosulfuron)、メタミトロン(Metamitron)、メタミホップ(Metamifop)、メチオゾリン(Methiozolin)、メトスルフロンメチル(Metsulfuron-methyl)、メトラクロール(Metolachlor)、メトリブジン(Metribuzin)、メフェナセット(Mefenacet)、ヨードスルフロンメチルナトリウム塩(Iodosulfuron-methyl-sodium)、ランコトリオンナトリウム塩(Lancotrione sodium)、リニュロン(Linuron)、リムスルフロン(Rimsulfuron)、レナシル(Lenacil)、ACN(Quinoclamine)、CAT(Simazine)d-リモネン(D-Limonene)、DBN(Dichlobenil)、DCBN(Chlorthiamid)、DCMU(Diuron)、IPC(Chlorpropham)、MCPAイソプロピルアミン塩(MCPA-isopropylamine)、MCPAエチル(MCPA-ethyl)、MCPAナトリウム塩(MCPA-sodium)、MCPB(MCPB-ethyl)、MCPPカリウム(Mecoprop-potassium)、MCPPジメチルアミン(Mecoprop-dimethylammonium)、MDBA(Dicamba)、MDBAカリウム塩(Dicamba-potassium)、MDBAジメチルアミン(Dicamba-dimethylammonium)、PAC(Chloridazon)、S-メトラクロール(s-metolachlor)、2,4-PAイソプロピルアミン塩(2,4-D-isopropylammonium)、2,4-PAエチル(2,4-D-ethyl)、2,4-PAジメチルアミン(2,4-D-dimethylammonium)及び2,4-PAナトリウム一水化物(2,4-D-sodium monohydrate)を挙げることができ、これらの一種のみを含有してもよく、二種以上を含有してもよいが、(C)成分として含有してもよい具体的な除草剤成分はこれらに限定されるものではない。
【0031】
本開示の一実施形態に係る除草剤組成物が(C)成分を含む場合、(A)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計の質量に対して例えば10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、85質量%以上、90質量%以上、91質量%以上、92質量%以上、93質量%以上、94質量%以上又は95質量%以上であってよく、96質量%以下、95質量%以下、94質量%以下、93質量%以下、92質量%以下、91質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、83質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下又は50質量%以下であってもよい。
【0032】
本開示の一実施形態に係る除草剤組成物が(C)成分を含む場合、(C)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計の質量に対して例えば1質量%以上、5質量%以上、20質量%以上又は40質量%以上であってよく、50質量%以下、30質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、2質量%以下又は1質量%以下であってもよい。
【0033】
本開示の一実施形態に係る除草剤組成物が(C)成分を含む場合、(C)成分の含有量は、除草剤組成物全量に対して例えば1質量%以上、5質量%以上、20質量%以上又は40質量%以上であってよく、50質量%以下、30質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、2質量%以下又は1質量%以下であってもよい。
【0034】
本開示の一実施形態において、除草剤組成物は、一般の農薬のとりうる形態、即ち、化合物を適当な液体担体に溶解するか分散させるか、又は適当な固体担体と混合するか固体担体に吸着させ、例えば、乳剤、水和剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、粒剤等の製剤に製剤化して用いることができる。これらの製剤は必要に応じ、更に乳化剤、分散剤、展着剤、浸透剤、湿潤剤、増粘剤、安定剤等を含有させてよく、自体公知の方法で調製することができる。
【0035】
除草剤組成物を製剤化する際に使用し得る液体担体(溶剤)としては、例えば、水、アルコール類(例:メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、エチレングリコール等)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(例:ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素類(例:ケロシン、燃料油、機械油等)、芳香族炭化水素類(例:ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、酸アミド類(例:ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、エステル類(例:酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、脂肪酸グリセリンエステル等)、ニトリル類(例:アセトニトリル、プロピオニトリル等)等の溶媒が挙げられ、これらは1種又は2種以上を適当な割合で混合して使用してもよい。固体担体(希釈・増量剤)としては、植物性粉末(例:大豆粉、タバコ粉、小麦粉、木粉等)、鉱物性粉末(例:カオリン、ベントナイト、酸性白土、クレイ等のクレイ類、滑石粉、ロウ石粉等のタルク類、珪藻土、雲母粉等のシリカ類等)、アルミナ、硫黄粉末、活性炭等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を適当な割合で混合して使用してもよい。当該液体担体又は固体担体は、製剤全体に対して通常約1~99重量%程度、好ましくは約1~80重量%程度用いることができる。
【0036】
除草剤組成物を製剤化する際に乳化剤、展着剤、浸透剤、分散剤等として使用し得る界面活性剤としては、例えば石鹸類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類(例:ノイゲン(登録商標)、イー・エー142;第一工業製薬(株)製)、ポリオキシエチレンアリールエステル類(例:ノナール;東邦化学(株)製)、アルキル硫酸塩類(例:エマール10、エマール40;花王(株)製)、アルキルベンゼンスルホン酸塩類(例:ネオゲン(登録商標)、ネオゲン(登録商標)T;第一工業製薬(株)製、ネオペレックス(登録商標);花王(株)製)、ポリエチレングリコールエーテル類(例:ノニポール85、ノニポール(登録商標)100、ノニポール(登録商標)160;三洋化成(株)製)、多価アルコールエステル類(例:ツイーン(登録商標)20、ツイーン(登録商標)80;花王(株)製)等の非イオン系及びアニオン系界面活性剤が用いられる。当該界面活性剤は、製剤全体に対して、通常0.1~約50重量%程度、好ましくは約0.1~25重量%程度用いることができる。
【0037】
本開示の一側面に係る除草剤組成物は、雑草の防除に用いるための組成物である。
【0038】
本開示において防除とは、農耕地における雑草の予防及び駆除を意味する。すなわち、本開示における防除とは、すでに発芽した雑草の生育異常及び/又は生育停止を起こすことであってもよく、すでに発芽した雑草の枯死を誘導することであってもよく、雑草の種子からの発芽を抑制又は阻害することであってもよく、雑草による種子の形成を抑制又は阻害することであってもよく、またこれら2以上の組み合わせであってもよい。
【0039】
本開示に係る除草剤組成物を用いて防除される対象となる雑草としては、例えば以下に示す雑草が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イラクサ科雑草(Urticaceae):ヒメイラクサ(Urtica urens)
タデ科雑草(Polygonaceae):ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、サナエタデ(Polygonumlapathifolium)、アメリカサナエタデ(Polygonum pensylvanicum)、ハルタデ(Polygonum persicaria)、イヌタデ(Polygonumlongisetum)、ミチヤナギ(Polygonum aviculare)、ハイミチヤナギ(Polygonum arenastrum)、イタドリ(Polygonumcuspidatum)、ギシギシ(Rumex japonicus)、ナガバギシギシ(Rumex crispus)、エゾノギシギシ(Rumex obtusifolius)、スイバ(Rumex acetosa)
スベリヒユ科雑草(Portulacaceae):スベリヒユ(Portulaca oleracea)
ナデシコ科雑草(Caryophyllaceae):ハコベ(Stellaria media)、ウシハコベ(Stellaria aquatica)、ミミナグサ(Cerastium holosteoides)、オランダミミナグサ(Cerastiumglomeratum)、オオツメクサ(Spergula arvensis)、マンテマ(Silene gallica)
ザクロソウ科雑草(Molluginaceae):クルマバザクロウソウ(Mollugo verticillata)
アカザ科雑草(Chenopodiaceae):シロザ(Chenopodium album)、ケアリタソウ(Chenopodiumambrosioides)、ホウキギ(Kochia scoparia)、ノハラヒジキ(Salsola kali)、アトリプレックス属(Atriplex spp.)
ヒユ科雑草(Amaranthaceae):アオゲイトウ(Amaranthus retroflexus)、ホナガイヌビユ(Amaranthusviridis)、イヌビユ(Amaranthus lividus)、ハリビユ(Amaranthus spinosus)、ホナガアオゲイトウ(Amaranthushybridus)、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus patulus)、ウォーターヘンプ(Amaranthustuberculatus = Amaranthus rudis = Amaranthus tamariscinus)、アメリカビユ(Amaranthus blitoides)、ハイビユ(Amaranthusdeflexus)、アマランサス クイテンシス(Amaranthus quitensis)、ナガエツルノゲイトウ(Alternanthera philoxeroides)、ツルゲイトウ(Alternantherasessilis)、サングイナリア(Alternantheratenella)
ケシ科雑草(Papaveraceae):ヒナゲシ(Papaver rhoeas)、ナガミヒナゲシ(Papaver dubium)、アザミゲシ(Argemone mexicana)
アブラナ科雑草(Brassicaceae):セイヨウノダイコン(Raphanus raphanistrum)、ラディッシュ(Raphanussativus)、ノハラガラシ(Sinapis arvensis)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、セイヨウカラシナ(Brassicajuncea)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ヒメクジラグサ(Descurainia pinnata)、スカシタゴボウ(Rorippaislandica)、キレハイヌガラシ(Rorippa sylvestris)、グンバイナズナ(Thlaspi arvense)、ミヤガラシ(Myagrum rugosum)、マメグンバイナズナ(Lepidium virginicum)、カラクサナズナ(Coronopusdidymus)
フウチョウソウ科雑草(Capparaceae):クレオメ アフィニス(Cleome affinis)
マメ科雑草(Fabaceae):クサネム(Aeschynomene indica)、ジグザグジョイントベッチ(Aeschynomenerudis)、アメリカツノクサネム(Sesbania exaltata)、エビスグサ(Cassia obtusifolia)、ハブソウ(Cassia occidentalis)、ジュズハギ(Desmodiumtortuosum)、ノハラハギ(Desmodiumadscendens)、イリノイヌスビトハギ(Desmodium illinoense)、シロツメクサ(Trifolium repens)、クズ(Pueraria lobata)、カラスノエンドウ(Vicia angustifolia)、タヌキコマツナギ(Indigoferahirsuta)、インディゴフェラ トルキシレンシス(Indigofera truxillensis)、野生ササゲ(Vigna sinensis)
カタバミ科雑草(Oxalidaceae):カタバミ(Oxalis corniculata)、オッタチカタバミ(Oxalis stricta)、オキザリス オキシプテラ(Oxalis oxyptera)
フウロソウ科雑草(Geraniaceae):アメリカフウロ(Geranium carolinense)、オランダフウロ(Erodiumcicutarium)
トウダイグサ科雑草(Euphorbiaceae):トウダイグサ(Euphorbia helioscopia)、オオニシキソウ(Euphorbiamaculata)、コニシキソウ(Euphorbia humistrata)、ハギクソウ(Euphorbia esula)、ショウジョウソウ(Euphorbiaheterophylla)、ヒソップリーフサンドマット(Euphorbia brasiliensis)、エノキグサ(Acalypha australis)、トロピッククロトン(Crotonglandulosus)、ロブドクロトン(Croton lobatus)、ブラジルコミカンソウ(Phyllanthus corcovadensis)、トウゴマ(Ricinuscommunis)
アオイ科雑草(Malvaceae):イチビ(Abutilon theophrasti)、キンゴジカ(Sida rhombifolia)、マルバキンゴジカ(Sida cordifolia)、アメリカキンゴジカ(Sida spinosa)、シダ グラジオビ(Sida glaziovii)、シダ サンタレムネンシス(Sidasantaremnensis)、ギンセンカ(Hibiscus trionum)、ニシキアオイ(Anoda cristata)、エノキアオイ(Malvastrumcoromandelianum)
アカバナ科雑草(Onagraceae):チョウジタデ(Ludwigia epilobioides)、キダチグンバイ(Ludwigiaoctovalvis)、ヒレタゴボウ(Ludwigia decurrens )、メマツヨイグサ(Oenothera biennis)、コマツヨイグサ(Oenotheralaciniata)
アオギリ科雑草(Sterculiaceae):コバンバノキ(Waltheria indica)
スミレ科雑草(Violaceae):マキバスミレ(Viola arvensis)、ワイルドパンジー(Viola tricolor)
ウリ科雑草(Cucurbitaceae):アレチウリ(Sicyos angulatus)、ワイルドキューカンバー(Echinocystislobata)、野生ニガウリ(Momordica charantia)
ミソハギ科雑草(Lythraceae):ヒメミソハギ(Ammannia multiflora)、ナンゴクヒメミソハギ(Ammanniaauriculata)、ホソバヒメミソハギ(Ammannia coccinea)、エゾミソハギ(Lythrum salicaria)、キカシグサ(Rotala indica)
ミゾハコベ科雑草(Elatinaceae):ミゾハコベ(Elatine triandra)、カリフォルニアウォーターウォート(Elatinecalifornica)
セリ科雑草(Apiaceae):セリ(Oenanthe javanica)、ノラニンジン(Daucus carota)、ドクニンジン(Conium maculatum)
ウコギ科雑草(Araliaceae):チドメグサ(Hydrocotyle sibthorpioides)、ブラジルチドメグサ(Hydrocotyleranunculoides)
マツモ科雑草(Ceratophyllaceae):マツモ(Ceratophyllum demersum)
ハゴロモモ科雑草(Cabombaceae):ハゴロモモ(Cabomba caroliniana)
アリノトウグサ科雑草(Haloragaceae):オオフサモ(Myriophyllum aquaticum)、フサモ(Myriophyllumverticillatum)、ウォーターミルフォイル類(Myriophyllum spicatum、Myriophyllum heterophyllum等)
ムクロジ科雑草(Sapindaceae):フウセンカズラ(Cardiospermum halicacabum)
サクラソウ科雑草(Primulaceae):アカバナルリハコベ(Anagallis arvensis)
ガガイモ科雑草(Asclepiadaceae):オオトウワタ(Asclepias syriaca)、ハニーヴァインミルクウィード(Ampelamusalbidus)
アカネ科雑草(Rubiaceae):キャッチウィードベッドストロー(Galium aparine)、ヤエムグラ(Galium spurium var.echinospermon)、ヒロハフタバムグラ(Spermacoce latifolia)、ブラジルハシカグサモドキ(Richardia brasiliensis)、ウィングドファルスボタンウィード(Borreriaalata)
ヒルガオ科雑草(Convolvulaceae):アサガオ(Ipomoea nil)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)、マルバアサガオ(Ipomoea purpurea)、マルバアメリカアサガオ(Ipomoeahederacea var. integriuscula)、マメアサガオ(Ipomoea lacunosa)、ホシアサガオ(Ipomoea triloba)、ノアサガオ(Ipomoea acuminata)、ツタノハルコウ(Ipomoea hederifolia)、マルバルコウ(Ipomoea coccinea)、ルコウソウ(Ipomoea quamoclit)、イポモエア グランディフォリア(Ipomoeagrandifolia)、イポモエア アリストロチアフォリア(Ipomoeaaristolochiaefolia)、モミジバヒルガオ(Ipomoea cairica)、セイヨウヒルガオ(Convolvulus arvensis)、コヒルガオ(Calystegiahederacea)、ヒルガオ(Calystegia japonica)、ツタノハヒルガオ(Merremia hederacea)、ヘアリーウッドローズ(Merremiaaegyptia)、ロードサイドウッドローズ(Merremia cissoides)、オキナアサガオ(Jacquemontia tamnifolia)
ムラサキ科雑草(Boraginaceae):ワスレナグサ(Myosotis arvensis)
シソ科雑草(Lamiaceae):ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)、ホトケノザ(Lamium amplexicaule)、タマザキメハジキ(Leonotis nepetaefolia)、ニオイニガクサ(Hyptissuaveolens)、ヒプティス ロファンタ(Hyptis lophanta)、メハジキ(Leonurus sibiricus)、ヤブチョロギ(Stachys arvensis)
ナス科雑草(Solanaceae):ヨウシュウチョウセンアサガオ(Datura stramonium)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、テリミノイヌホオズキ(Solanum americanum)、アメリカイヌホオズキ(Solanumptycanthum)、ケイヌホオズキ(Solanum sarrachoides)、トマトダマシ(Solanum rostratum)、キンギンナスビ(Solanumaculeatissimum)、ワイルドトマト(Solanum sisymbriifolium)、ワルナスビ(Solanum carolinense)、センナリホオズキ(Physalisangulata)、スムーズグランドチェリー(Physalis subglabrata)、オオセンナリ(Nicandra physalodes)
ゴマノハグサ科雑草(Scrophulariaceae):フラサバソウ(Veronica hederaefolia)、オオイヌノフグリ(Veronicapersica)、タチイヌノフグリ(Veronica arvensis)、アゼナ(Lindernia procumbens)、タケトアゼナ(Lindernia dubiavar. dubia)、アメリカアゼナ(Lindernia dubia var. major)、アゼトウガラシ(Lindernia angustifolia)、ウキアゼナ(Bacoparotundifolia)、アブノメ(Dopatrium junceum)、オオアブノメ(Gratiola japonica)、
オオバコ科雑草(Plantaginaceae):オオバコ(Plantago asiatica)、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)、セイヨウオオバコ(Plantago major)、ミズハコベ(Callitriche palustris)
キク科雑草(Asteraceae):オナモミ(Xanthium pensylvanicum)、オオオナモミ(Xanthiumoccidentale)、イガオナモミ(Xanthium italicum)、野生ヒマワリ(Helianthus annuus)、カミツレ(Matricariachamomilla)、イヌカミツレ(Matricaria perforata)、コーンマリーゴールド(Chrysanthemum segetum)、オロシャギク(Matricariamatricarioides)、ヨモギ(Artemisia princeps)、オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、チャイニーズマグウォート(Artemisiaverlotorum)、セイタカアワダチソウ(Solidago altissima)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、ハキダメギク(Galinsogaciliata)、コゴメギク(Galinsoga parviflora)、ノボロギク(Senecio vulgaris)、セネシオ ブラジリエンシス(Seneciobrasiliensis)、セネシオ グリセバチ(Senecio grisebachii)、アレチノギク(Conyza bonariensis)、オオアレチノギク(Conyzasmatrensis)、ヒメムカシヨモギ(Conyza canadensis)、ブタクサ(Ambrosia artemisiifolia)、クワモドキ(Ambrosiatrifida)、タウコギ(Bidens tripartita)、コセンダングサ(Bidens pilosa)、アメリカセンダングサ(Bidens frondosa)、ビーデンス スバルテルナンス(Bidens subalternans)、セイヨウトゲアザミ(Cirsiumarvense)、アメリカオニアザミ(Cirsium vulgare)、マリアアザミ(Silybum marianum)、マスクチッスル(Carduus nutans)、トゲチシャ(Lactuca serriola)、ノゲシ(Sonchus oleraceus)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ビーチクリーピングオックスアイ(Wedeliaglauca)、パーフォリエートブラックフット(Melampodium perfoliatum)、ウスベニニガナ(Emilia sonchifolia)、シオザキソウ(Tagetes minuta)、パラクレス(Blainvillea latifolia)、コトブキギク(Tridaxprocumbens)、イェルバ ポロサ(Porophyllumruderale)、パラグアイ スターバー(Acanthospermum australe)、ブリストリー スターバー(Acanthospermumhispidum)、フウセンガズラ(Cardiospermum halicacabum)、カッコウアザミ(Ageratum conyzoides)、コモンボーンセット(Eupatoriumperfoliatum)、アメリカタカサブロウ(Eclipta alba)、ダンドボロギク(Erechtites hieracifolia)、アメリカンエバーラスティング(Gamochaetaspicata)、ウラジロチチコグサ(Gnaphalium spicatum)、ジャゲリア ヒトラ(Jaegeria hirta)、ゴマギク(Partheniumhysterophorus)、メナモミ(Siegesbeckia orientalis)、メリケントキンソウ(Soliva sessilis)、タカサブロウ(Eclipta prostrata)、アメリカタカサブロウ(Eclipta alba)、トキンソウ(Centipeda minima)、
オモダカ科雑草(Alismataceae):ウリカワ(Sagittaria pygmaea)、オモダカ(Sagittaria trifolia)、セイヨウオモダカ(Sagittaria sagittifolia)、タイリンオモダカ(Sagittariamontevidensis)、アギナシ(Sagittaria aginashi)、ヘラオモダカ(Alisma canaliculatum)、サジオモダカ(Alismaplantago-aquatica)
キバナオモダカ科雑草(Limnocharitaceae):キバナオモダカ(Limnocharis flava) トチカガミ科雑草(Hydrocharitaceae):フロッグビット(Limnobium spongia)、クロモ(Hydrilla verticillata)、コモンウォーターニンフ(Najas guadalupensis)
サトイモ科雑草(Araceae):ボタンウキクサ(Pistia stratiotes)
ウキクサ科雑草(Lemnaceae):アオウキクサ(Lemna aoukikusa、 Lemna paucicostata、 Lemna aequinoctialis )、ウキクサ(Spirodelapolyrhiza)、ミジンコウキクサ属(Wolffia spp.)
ヒルムシロ科雑草(Potamogetonaceae):ヒルムシロ(Potamogeton distinctus)、ポンドウィード類(Potamogetoncrispus、Potamogeton illinoensis、Stuckenia pectinata等)
ユリ科雑草(Liliaceae):ワイルドオニオン(Allium canadense)、ワイルドガーリック(Allium vineale)、ノビル(Allium macrostemon)
ミズアオイ科雑草(Pontederiaceae):ホテイアオイ(Eichhornia crassipes)、アメリカコナギ(Heterantheralimosa)、ミズアオイ(Monochoria korsakowii)、コナギ(Monochoria vaginalis)
ツユクサ科雑草(Commelinaceae):ツユクサ(Commelina communis)、マルバツユクサ(Commelinabenghalensis)、エレクトデイフラワー(Commelina erecta)、イボクサ(Murdannia keisak)
イネ科雑草(Poaceae):イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、タイヌビエ(Echinochloaoryzicola)、ヒメタイヌビエ(Echinochloa crus-galli var.formosensis)、レイトウォーターグラス(Echinochloa oryzoides)、コヒメビエ(Echinochloa colona)、ガルフコックスパー(Echinochloacrus-pavonis)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、キンエノコロ(Setaria glauca)、アメリカエノコログサ(Setaria geniculata)、メヒシバ(Digitaria ciliaris)、ラージクラブグラス(Digitaria sanguinalis)、ジャマイカンクラブグラス(Digitariahorizontalis)、ススキメヒシバ(Digitaria insularis)、オヒシバ(Eleusine indica)、スズメノカタビラ(Poa annua)、オオスズメノカタビラ(Poa trivialis)、ナガハグサ(Poa pratensis)、スズメノテッポウ(Alopecurus aequalis)、ブラックグラス(Alopecurusmyosuroides)、カラスムギ(Avena fatua)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、シャターケーン(Sorghum vulgare)、シバムギ(Agropyron repens)、ネズミムギ(Lolium multiflorum)、ホソムギ(Lolium perenne)、ボウムギ(Lolium rigidum)、イヌムギ(Bromus catharticus)、アレチノチャヒキ(Bromus sterilis)、スズメノチャヒキ(Bromus japonicus)、カラスノチャヒキ(Bromus secalinus)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)、ホソノゲムギ(Hordeum jubatum)、ヤギムギ(Aegilops cylindrica)、クサヨシ(Phalarisarundinacea)、ヒメカナリークサヨシ(Phalaris minor)、シルキーベントグラス(Apera spica-venti)、オオクサキビ(Panicumdichotomiflorum)、テキサスパニカム(Panicum texanum)、ギネアキビ(Panicum maximum)、メリケンニクキビ(Brachiariaplatyphylla)、ルジグラス(Brachiaria ruziziensis)、アレクサンダーグラス(Brachiaria plantaginea)、スリナムグラス(Brachiariadecumbens)、パリセードグラス(Brachiaria brizantha)、コロンビアグラス(Brachiaria humidicola)、シンクリノイガ(Cenchrusechinatus)、ヒメクリノイガ(Cenchrus pauciflorus)、ナルコビエ(Eriochloa villosa)、ペニセタム(Pennisetum setosum)、アフリカヒゲシバ(Chloris gayana)、オヒゲシバ(Chloris virgata)、オオニワホコリ(Eragrostis pilosa)、ルビーガヤ(Rhynchelytrumrepens)、タツノツメガヤ(Dactyloctenium aegyptium)、タイワンアイアシ(Ischaemum rugosum)、チゴザサ(Isachne globosa)、野生イネ(Oryza sativa)、アメリカスズメノヒエ(Paspalum notatum)、コースタルサンドパスパルム(Paspalum maritimum)、キシュウスズメノヒエ(Paspalumdistichum)、キクユグラス(Pennisetum clandestinum)、ホソバチカラシバ(Pennisetum setosum)、ツノアイアシ(Rottboelliacochinchinensis)、アゼガヤ(Leptochloa chinensis)、オニアゼガヤ(Leptochloa fascicularis)、イトアゼガヤ(Leptochloafiliformis)、アマゾンスプラングルトップ(Leptochloa panicoides)、アシカキ(Leersiajaponica)、サヤヌカグサ(Leersia sayanuka)、エゾノサヤヌカグサ(Leersia oryzoides)、ウキガヤ(Glyceria leptorrhiza)、ムツオレグサ(Glyceria acutiflora)、ドジョウツナギ(Glyceria maxima)、コヌカグサ(Agrostis gigantea)、ハイコヌカグサ(Agrostisstolonifera)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、カモガヤ(Dactylisglomerata)、ムカデシバ(Eremochloaophiuroides)、オニウシノケグサ(Festuca arundinacea)、オオウシノケグサ(Festuca rubra)、チガヤ(Imperata cylindrica)、ススキ(Miscanthus sinensis)、スイッチグラス(Panicumvirgatum)、ノシバ(Zoysia japonica)
カヤツリグサ科雑草(Cyperaceae):カヤツリグサ(Cyperus microiria)、コゴメガヤツリ(Cyperus iria)、クグガヤツリ(Cyperus compressus)、タマガヤツリ(Cyperus difformis)、ヒナガヤツリ(Cyperus flaccidus)、アゼガヤツリ(Cyperus globosus)、アオガヤツリ(Cyperus nipponicus) 、キンガヤツリ(Cyperus odoratus)、ミズガヤツリ(Cyperus serotinus)、ハマスゲ(Cyperus rotundus)、キハマスゲ(Cyperusesculentus)、ヒメクグ(Kyllinga gracillima)、アイダクグ(Kyllinga brevifolia)、ヒデリコ(Fimbristylismiliacea)、テンツキ(Fimbristylis dichotoma)、マツバイ(Eleocharis acicularis)、クログワイ(Eleochariskuroguwai)、ホタルイ(Schoenoplectiella hotarui)、イヌホタルイ(Schoenoplectiella juncoides)、タイワンヤマイ(Schoenoplectiellawallichii)、ヒメカンガレイ(Schoenoplectiella mucronatus)、カンガレイ(Schoenoplectiella triangulatus)、シズイ(Schoenoplectiellanipponicus)、サンカクイ(Schoenoplectiella triqueter)、コウキヤガラ(Bolboschoenus koshevnikovii)、ウキヤガラ(Bolboschoenusfluviatilis)
トクサ科雑草(Equisetaceae):スギナ(Equisetum arvense)、イヌスギナ(Equisetum palustre)
サンショウモ科雑草(Salviniaceae):サンショウモ(Salvinia natans)
アカウキクサ科雑草(Azollaceae):オオアカウキクサ(Azolla japonica)、アカウキクサ(Azolla pinnata)
デンジソウ科雑草(Marsileaceae):デンジソウ(Marsilea quadrifolia)
その他:糸状藻類(Pithophora、Cladophora)、蘚類、苔類、ツノゴケ類、シアノバクテリア、シダ類、永年性作物(仁果類、石果類、液果類、堅果類、カンキツ類、ホップ、ブドウ等)の吸枝(sucker)。
【0040】
本開示の一側面に係る除草剤組成物は、好ましくは、農耕地における雑草の防除に用いるための組成物である。この場合において、除草剤組成物を用いて雑草が防除される農耕地で栽培される目的の栽培作物としては、例えばイネ(ジャポニカ種、長粒種、短粒種、中粒種、熱帯ジャポニカ種、インディカ種、ジャワニカ種、水稲、陸稲、浮稲、直播、移植、糯米)、トウモロコシ(馬歯種、硬粒種、軟粒種、爆裂種、糯種、甘味種)、コムギ(パンコムギ(硬質、軟質、中質、赤コムギ、白コムギ)、マカロニコムギ、スペルトコムギ、クラブコムギ、それぞれの秋播き型、春播き型)、オオムギ(二条オオムギ(=ビールムギ)、六条オオムギ、ハダカムギ、もち麦、それぞれの秋播き型、春播き型)、ライムギ(秋播き型、春播き型)、ライコムギ(秋播き型、春播き型)、エンバク(秋播き型、春播き型)、ソルガム、ワタ(アップランド種、ピマ種)、ダイズ(無限伸育型、有限伸育型、半有限伸育型)、ラッカセイ(ピーナッツ)、サイトウ(インゲンマメ)、ライマメ、アズキ、ササゲ、リョクトウ、ウラドマメ、ベニバナインゲン、タケアズキ、モスビーン、テパリービーン、ソラマメ、エンドウ、ヒヨコマメ、レンズマメ、ルーピン、キマメ、アルファルファ、ソバ、テンサイ、ナタネ、カノーラ(秋播き型、春播き型)、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ、ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ベルペッパー、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン、スカッシュ等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル、ラベンダー等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ、仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、茶、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)、花卉、観葉植物、シバ類及び牧草類等を挙げることができる。
【0041】
本開示の一側面に係る除草剤組成物を用いて雑草が防除される農耕地において栽培される目的の栽培作物としては、一般的に作物として栽培される品種であれば限定されない。
【0042】
一実施形態において、本開示の一側面に係る除草剤組成物を用いて雑草が防除される農耕地で栽培される目的の栽培作物は、自然交配で作出しうる植物、突然変異により発生しうる植物、F1ハイブリッド植物、トランスジェニック植物(遺伝子組換え植物とも言う)であってもよい。これらの植物は、一般に、除草剤に対する耐性、有害生物に対する毒性物質の蓄積(害虫抵抗性とも言う)、病害に対する感性抑制(病害抵抗性とも言う)、収量ポテンシャルの増加、生物的及び非生物的ストレス因子に対する抵抗性の向上、生産物の品質改変(例えば、特定の成分の含有量増減、組成の変化、保存性又は加工性の向上)等の特性を有する。
【0043】
F1ハイブリッド植物とは、2つの異なった系統の品種を交配して得られる一代雑種であり、一般に、両親のどちらよりも優れた形質を持つ雑種強勢の特性を有す植物である。トランスジェニック植物とは、微生物等の他の生物などから外来遺伝子を導入することにより、自然環境下における交雑育種、突然変異誘発又は自然組換えによっては容易に取得することが出来ないような特性を付与された植物である。
【0044】
上記の植物を作出するための技術としては、例えば、従来型の品種改良技術;遺伝子組換え技術;ゲノム育種技術;新育種技術(new breeding techniques);ゲノム編集技術が挙げられる。従来型の品種改良技術とは、すなわち突然変異や交配により望ましい性質を有する植物を得る技術である。遺伝子組換え技術とは、ある生物(例えば、微生物)から目的とする遺伝子(DNA)を取り出し、別のターゲット生物のゲノムに導入することで、その生物に新しい性質を付与する技術、又は植物に存在する他の遺伝子をサイレントすることによって、新しい又は改良された特性を付与するアンチセンス技術又はRNA干渉技術である。ゲノム育種技術とは、ゲノム情報を用いて育種を効率化するための技術であり、DNAマーカー(ゲノムマーカー又は遺伝子マーカーとも呼ぶ)育種技術及びゲノミックセレクションを含む。例えば、DNAマーカー育種は、特定の有用形質遺伝子のゲノム上の存在位置の目印となるDNA配列であるDNAマーカーを用いて、多数の交配後代から目的の有用形質遺伝子を持つ後代を選抜する方法である。交配後代を幼植物の時にDNAマーカーを用いて解析することで、育種に要する時間を効果的に短縮することができる特徴を持つ。
【0045】
また、ゲノミックセレクションは、事前に入手した表現型とゲノム情報から予測式を作成し、予測式とゲノム情報から表現型の評価を行わずに特性を予測する手法であり、育種の効率化に寄与しうる技術である。新育種技術(new breeding techniques)とは、分子生物学的な手法を組合せた品種改良(育種)技術の総称である。例えば、シスジェネシス/イントラジェネシス、オリゴヌクレオチド指向型突然変異導入、RNA依存性DNAメチル化、ゲノム編集、GM台木又は穂木への接ぎ木、逆育種、アグロインフィルトレーション、種子生産技術(Seed Production Technology,SPT)などの技術がある。ゲノム編集技術とは、配列特異的に遺伝情報を変換する技術であり、塩基配列の欠失、アミノ酸配列の置換、外来遺伝子の導入等が可能である。そのツールとして、例えば、配列特異的なDNA切断が可能なジンクフィンガーヌクレアーゼ(Zinc-Finger、ZFN)、ターレン(TALEN)、クリスパー・キャスナイン(CRISPR/Cas9)、クリスパー・シーピーエフ1(CRISPER/Cpf1)及びメガヌクレアーゼ(Meganuclease)が挙げられる。また、前述のツールを改変して作成されたCAS9ニッカーゼ及びTarget-AID等の配列特異的なゲノム修飾技術がある。
【0046】
このような植物としては、例えば、国際アグリバイオ事業団(INTERNATINAL SERVICE for the ACQUISITION of AGRI-BIOTECH APPLICATIONS,ISAAA)の電子情報サイト中(http://www.isaaa.org/)の遺伝子組換え作物の登録データベース(GM APPROVAL DATABASE)に収載された植物等が挙げられる。
【0047】
本開示の好ましい一実施形態において、本開示の一側面に係る除草剤組成物を用いて農耕地で栽培される目的の栽培作物は、イネであってよい。すなわち、好ましい一実施形態において、本開示の一側面に係る除草剤組成物は、イネを栽培する水田における雑草の防除に用いるための組成物であってよい。この場合において、イネはジャポニカ種、すなわちイネ族イネにおける亜種がジャポニカであるイネ(O. sativasubsp. japonica)であってもよい。本開示の特に好ましい一実施形態においては、本開示の一側面に係る除草剤組成物を用いて雑草が防除される農耕地において栽培される目的の栽培作物がイネであり、かつ、防除される雑草がイヌビエ及びタイヌビエからなる群から選択される少なくとも1つであってよく、この場合におけるイヌビエ及びタイヌビエは、除草剤抵抗性であってもよい。
【0048】
本開示の一側面に係る除草剤組成物は、農耕地において施用することによって、雑草を防除することができる。この場合において、除草剤組成物は、雑草に対して施用されてよく、雑草の生育地に対して施用されてもよく、雑草及びその生育地に対して施用されてもよい。また、除草剤組成物の施用方法は、雑草及び/又はその生育地に対する施用によって雑草を防除することができる方法であれば特に限定されず、例えば水面施用(湛水散布)、湛水周縁散布、株本施用、作条施用、側条施用、雑草茎葉散布、雑草茎葉塗布、田植同時処理及び水口施用等の方法によって施用することができる。除草剤組成物を水と混合して散布液を調製し、当該散布液を散布する場合の散布液量は、通常、50~1000L/haであり、例えば、100~500L/haまたは140~300L/haであってもよい。特に、本開示の一側面に係る除草剤組成物を水田における雑草の防除に用いる場合、施用方法としては例えば水面施用(湛水散布)、湛水周縁散布、雑草茎葉散布、雑草茎葉塗布、田植同時処理及び水口施用等の方法によって施用することができる。本開示の一側面に係る除草剤組成物を水田における雑草の防除に用いる場合の一実施形態においては、水面施用(湛水散布)、湛水周縁散布、田植同時処理又は水口施用によって施用してもよく、この場合において、除草剤組成物の剤型は粒剤、ジャンボ剤又はフロアブル剤であってよい。本開示の一側面に係る除草剤組成物を水田における雑草の防除に用いる場合の好ましい一実施形態において、施用方法は水面施用であってよく、この場合において、除草剤組成物の剤型は粒剤、ジャンボ剤又はフロアブル剤であってよく、ジャンボ剤又はフロアブル剤であってもよい。除草剤組成物を施用する際には、散布機器を用いることができる。施用する際に用いる機器としては、例えば、手回し散布器、動力散布機、パンクルスプレーヤー、有人航空機(有人ヘリコプターなど)、無人航空機(ラジコンヘリ、ドローンなど)、トラクター、プランター等が挙げられる。また、散布機器を使わず、手で施用してもよい。
【0049】
本開示の一側面に係る除草剤組成物は、農耕地における雑草の防除に用いることができる。除草剤を用いて雑草を防除することができなかった場合、雑草が農耕地において発生し、土壌中の栄養摂取の競合、葉及び花等による日照障害及び害虫の繁殖等を介して、目的の栽培植物の減収を引き起こしうる。したがって、本開示の一側面に係る除草剤組成物を用いて、農耕地において雑草を防除することができれば、目的の栽培植物の減収を抑制することができる。
【0050】
本開示の一側面に係る除草剤組成物を用いて雑草が防除されたかは、例えば以下の方法によって評価することができる。
【0051】
例えば、除草剤組成物を雑草及び/又はその生育地に施用した場合に、除草剤組成物を雑草及び/又はその生育地に施用していない場合と比較して、出芽及び/又は生育が抑制されていることをもって、該雑草が防除されたと評価することができる。具体的な評価の一例としては、除草剤組成物を雑草及び/又はその生育地に施用した場合に、除草剤組成物を雑草及び/又はその生育地に施用していない場合と比較して、出芽又は生育の状態に違いが全くないか、ほとんど違いがないものを「0」とし、完全枯死又は出芽若しくは生育が完全に抑制されているものを「100」として、0~100に区分することによって、評価することができる。この評価方法においては、数値が大きいほど雑草が防除されていると評価することができ、例えば上記数値が80以上、90以上、95以上、96以上97以上、98以上又は99以上である場合に、防除効果が高いと評価してもよい。
【0052】
本開示の他の一側面は、本開示の一側面に係る除草剤組成物を雑草及び/又はその生育地に施用することを含む、雑草の防除方法である。除草剤組成物及びその施用方法としては、上述したものを用いることができる。
【0053】
本開示の一実施形態に係る雑草の防除方法が農耕地における防除方法である場合、除草剤組成物の施用は、農耕地における目的の栽培作物の栽培期間において1回だけ行われてもよく、2回、3回、4回、5回又はそれ以上行われてもよく、栽培期間外に行われてもよい。施用を複数回行う場合、その間隔は特に限定されず、例えば1日以上180日以下、2日以上120日以下、3日以上90日以下、4日以上60日以下、5日以上45日以下又は7日以上30日以下であってよい。また、施用を3回以上行う場合、それぞれの施用の間の間隔は異なってもよい。
【実施例0054】
以下に、実施例を用いて本開示をより詳細に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
【0055】
[試験例1:ブタミホス及びベンゾビシクロンを含有する除草剤組成物の防除効果]
1/20000アール ワグネルポットに水田土壌を詰め、これに水を入れて代かきし、該ポットに、イヌホタルイ(W574L変異をALS2に保有)の種子を播種し、また、同ポットにコウキヤガラの塊茎を植え付け、温室で栽培した。
【0056】
播種および塊茎の植え付けから7日後に、各除草剤の最終的な施用量が表1に示した値となるように、ブタミホス、ベンゾビシクロン、又はブタミホスとベンゾビシクロンのツイーン20(界面活性剤)2%(W/V)含有アセトン溶液を、アセトン濃度が20容量%となるように水で希釈した。得られた除草剤の水希釈液を、表1に記載された量となるように、上記2草種の生育しているポットに施用した。除草剤の水希釈液を施用してから52日後に、達観によって除草効果を評価した。除草効果の評価は、除草剤を施用されたポットにおける雑草の出芽または生育の状態が、除草剤を施用されていないポットにおける雑草の出芽または生育の状態と比較して違いが全くないか、ほとんど違いがないものを「0」とし、除草剤を施用されたポットにおける雑草が完全枯死または出芽若しくは生育が完全に抑制されているものを「100」として、0~100に区分した。結果を表1に示す。なお、特に断りのない限り、表における各除草剤の施用量は、1ヘクタール当たりの有効物質の質量をグラム単位で示している(g a.i./ha、a.i.:active ingredient)。また、表中において除草活性(予測値)とは、ブタミホス及び4-HPPD阻害型除草剤が相加的な除草効果を示すと仮定した場合に、ブタミホスのみを施用した比較例の結果及び4-HPPD阻害型除草剤のみを施用した比較例の結果に基づいて予測される除草効果の数値である。
【0057】
【0058】
表1によれば、ブタミホス及びベンゾビシクロンを含有する除草剤組成物を施用すると、ブタミホス及びベンゾビシクロンが相乗的な防除効果を発揮し、雑草を防除できることが示された。
【0059】
[試験例2:ブタミホス及びフェンキノトリオンを含有する除草剤組成物の防除効果]
1/20000アール ワグネルポットに水田土壌を詰め、これに水を入れて代かきし、該ポットに、タイヌビエの種子を播種し、また、同ポットにコウキヤガラの塊茎を植え付け、温室で栽培した。
【0060】
播種および塊茎の植え付けから7日後に、各除草剤の最終的な施用量が表2に示した値となるように、ブタミホス、フェンキノトリオン、又はブタミホスとフェンキノトリオンのツイーン20(界面活性剤)2%(W/V)含有アセトン溶液を、アセトン濃度が20容量%となるように水で希釈した。得られた除草剤の水希釈液を、表2に記載された量となるように、上記2草種の生育しているポットに施用し、次いで湛水した。湛水してから52日後に、試験例1と同様の方法によって除草効果を評価した。結果を表2に示す。
【0061】
【0062】
表2によれば、ブタミホス及びフェンキノトリオンを含有する除草剤組成物を施用すると、ブタミホス及びフェンキノトリオンが相乗的な防除効果を発揮し、雑草を防除できることが示された。