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特開2024-148452情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024148452
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20241010BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/304 644A
H01L21/304 643Z
H01L21/304 644C
H01L21/304 644Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023061606
(22)【出願日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】黄 竟維
(72)【発明者】
【氏名】大滝 裕史
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴正
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA03
5F157AA96
5F157AB90
5F157BA04
5F157BA07
5F157BA13
5F157BA14
5F157BA31
5F157BB23
5F157CB03
5F157CB13
5F157CB14
5F157CC03
(57)【要約】
【課題】基板処理装置における基板処理の処理内容を定めるレシピ情報の設定を支援することを可能とする情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置3Aは、基板処理装置において複数の基板に対する基板処理及び搬送処理を繰り返す処理動作を実行したときの単位時間当たりの基板の目標処理枚数を受け付ける目標処理枚数受付部300と、処理動作を実行したときの搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報11を含む装置情報10を取得する装置情報取得部301と、目標処理枚数と装置情報10とに基づいて、基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報14を生成する支援情報生成部302Aとを備える。
【選択図】 図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する基板処理を、前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に従って行う基板処理ユニットと、前記基板処理前及び前記基板処理後の基板を搬送する搬送処理を行う搬送処理ユニットとを備える基板処理装置の運転を支援する情報処理装置であって、
前記基板処理装置において、複数の前記基板に対する前記基板処理及び前記搬送処理を繰り返す処理動作を実行したときの単位時間当たりの前記基板の目標処理枚数を受け付ける目標処理枚数受付部と、
前記処理動作を実行したときの前記搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報を含む装置情報を取得する装置情報取得部と、
前記目標処理枚数受付部により受け付けられた前記目標処理枚数と、前記装置情報取得部により取得された前記装置情報とに基づいて、前記レシピ情報に従って行われる前記基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報を生成する支援情報生成部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記搬送処理ユニットは、
前記搬送処理にて前記基板を搬送するときの搬送ルートが選択可能な複数の前記搬送処理ユニットで構成されており、
前記搬送処理情報は、
前記処理動作を実行したときに選択された前記搬送ルートと、
前記処理動作を実行したときに複数の前記搬送処理ユニットにより行われる前記搬送処理の各々に要するユニット搬送処理時間とを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記装置情報は、
前記処理動作を実行したときの前記基板処理装置の動作内容を、複数の装置設定項目毎に設定値がそれぞれ設定されることで定める装置設定情報を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記支援情報生成部は、
前記搬送処理情報に基づいて、前記基板の1枚当たりの前記搬送処理に要する単位搬送時間を算出し、
前記目標処理枚数から換算される前記基板の1枚当たりの単位処理時間から前記単位搬送時間を減算することで前記レシピ利用可能時間を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記支援情報生成部は、
前記搬送ルートに応じて前記ユニット搬送処理時間を積算することで前記基板の1枚当たりの前記搬送処理に要する単位搬送時間を算出し、
前記目標処理枚数から換算される前記基板の1枚当たりの単位処理時間から前記単位搬送時間を減算することで前記レシピ利用可能時間を算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記支援情報生成部は、
前記搬送処理情報に基づいて、前記基板の1枚当たりの前記搬送処理に要する単位搬送時間を算出し、
前記装置設定情報に基づいて、前記基板処理ユニットにて保持された前記基板に対して前記基板処理前及び前記基板処理後に準備動作が行われるときの前記基板の1枚当たりの前記準備動作に要する単位オーバーヘッド時間を算出し、
前記目標処理枚数から換算される前記基板の1枚当たりの単位処理時間から前記単位搬送時間及び前記単位オーバーヘッド時間を減算することで前記レシピ利用可能時間を算出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記支援情報生成部は、
前記目標処理枚数及び前記装置情報と、前記支援情報との相関関係を機械学習により学習させた学習モデルに、前記目標処理枚数受付部により受け付けられた前記目標処理枚数、及び、前記装置情報取得部により取得された前記装置情報を入力することで、当該目標処理枚数及び当該装置情報に対する前記支援情報を生成する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
メモリと、プロセッサとを備え、
基板に対する基板処理を、前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に従って行う基板処理ユニットと、前記基板処理前及び前記基板処理後の基板を搬送する搬送処理を行う搬送処理ユニットとを備える基板処理装置の運転を支援する推論装置であって、
前記基板処理装置において、複数の前記基板に対する前記基板処理及び前記搬送処理を繰り返す処理動作を実行したときの単位時間当たりの前記基板の目標処理枚数を受け付ける目標処理枚数受付処理と、
前記処理動作を実行したときの前記搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報を含む装置情報を取得する装置情報取得処理と、
前記目標処理枚数受付処理にて前記目標処理枚数を受け付けて、前記装置情報取得処理にて前記装置情報を取得すると、当該目標処理枚数と、当該装置情報とに基づいて、前記レシピ情報に従って行われる前記基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報を推論する推論処理と、を実行する、
推論装置。
【請求項9】
基板に対する基板処理を、前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に従って行う基板処理ユニットと、前記基板処理前及び前記基板処理後の基板を搬送する搬送処理を行う搬送処理ユニットとを備える基板処理装置の運転を支援するための学習モデルを生成する機械学習装置であって、
入力データと出力データとで構成される学習用データを複数組記憶する学習用データ記憶部と、
複数組の前記学習用データを前記学習モデルに入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習部と、
前記機械学習部により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを記憶する学習済みモデル記憶部と、を備え、
前記入力データは、
前記基板処理装置において、複数の前記基板に対する前記基板処理及び前記搬送処理を繰り返す処理動作を実行したときの単位時間当たりの前記基板の目標処理枚数と、
前記処理動作を実行したときの前記搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報を含む装置情報とであり、
前記出力データは、
前記レシピ情報に従って行われる前記基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報である、
機械学習装置。
【請求項10】
基板に対する基板処理を、前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に従って行う基板処理ユニットと、前記基板処理前及び前記基板処理後の基板を搬送する搬送処理を行う搬送処理ユニットとを備える基板処理装置の運転を支援する情報処理方法であって、
前記基板処理装置において、複数の前記基板に対する前記基板処理及び前記搬送処理を繰り返す処理動作を実行したときの単位時間当たりの前記基板の目標処理枚数を受け付ける目標処理枚数受付工程と、
前記処理動作を実行したときの前記搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報を含む装置情報を取得する装置情報取得工程と、
前記目標処理枚数受付工程により受け付けられた前記目標処理枚数と、前記装置情報取得工程により取得された前記装置情報とに基づいて、前記レシピ情報に従って行われる前記基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報を生成する支援情報生成工程と、を備える、
情報処理方法。
【請求項11】
メモリと、プロセッサとを備え、
基板に対する基板処理を、前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に従って行う基板処理ユニットと、前記基板処理前及び前記基板処理後の基板を搬送する搬送処理を行う搬送処理ユニットとを備える基板処理装置の運転を支援する推論装置により実行される推論方法であって、
前記基板処理装置において、複数の前記基板に対する前記基板処理及び前記搬送処理を繰り返す処理動作を実行したときの単位時間当たりの前記基板の目標処理枚数を受け付ける目標処理枚数受付工程と、
前記処理動作を実行したときの前記搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報を含む装置情報を取得する装置情報取得工程と、
前記目標処理枚数受付工程にて前記目標処理枚数を受け付けて、前記装置情報取得工程にて前記装置情報を取得すると、当該目標処理枚数と、当該装置情報とに基づいて、前記レシピ情報に従って行われる前記基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報を推論する推論工程と、を実行する、
推論方法。
【請求項12】
基板に対する基板処理を、前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に従って行う基板処理ユニットと、前記基板処理前及び前記基板処理後の基板を搬送する搬送処理を行う搬送処理ユニットとを備える基板処理装置の運転を支援するための学習モデルを生成する機械学習方法であって、
入力データと出力データとで構成される学習用データを学習用データ記憶部に複数組記憶する学習用データ記憶工程と、
複数組の前記学習用データを前記学習モデルに入力することで、前記入力データと前記出力データとの相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを学習済みモデル記憶部に記憶する学習済みモデル記憶工程と、を備え、
前記入力データは、
前記基板処理装置において、複数の前記基板に対する前記基板処理及び前記搬送処理を繰り返す処理動作を実行したときの単位時間当たりの前記基板の目標処理枚数と、
前記処理動作を実行したときの前記搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報を含む装置情報とであり、
前記出力データは、
前記レシピ情報に従って行われる前記基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報である、
機械学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ等の基板に対して各種の基板処理を行う基板処理装置の1つとして、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理を行う基板処理装置が知られている。このような基板処理装置は、例えば、基板の研磨処理を行う研磨ユニットと、研磨処理後の基板の仕上げ処理(例えば、洗浄処理や乾燥処理)を行う仕上げユニットと、各ユニット間で基板を搬送する搬送処理を行う搬送ユニットとを備え、各ユニットを順次動作させることで、一連の処理を実行するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-301690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板処理装置の運転を管理するときの指標として、単位時間当たりの基板の目標処理枚数(所謂、WPHの目標値)が用いられる。研磨ユニットや仕上げユニット等の基板処理ユニットにて行われる基板処理の処理内容は、レシピ情報にて定められるため、レシピ情報の設定に応じて、基板処理に要する基板処理時間が変動し、目標処理枚数の達成に影響する。特に、基板処理の処理性能(基板面の品質等)を向上させるためには、基板処理時間が長くなる傾向にある。その際、基板処理装置の運転では、基板処理ユニットにて基板処理を行うだけでなく、搬送処理ユニットにて搬送処理も行っている。そのため、目標処理枚数の達成とともに、基板処理の処理性能を向上させるために、レシピ情報に従って行われる基板処理にてどの程度の時間を利用可能なのかを把握することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、基板処理装置における基板処理の処理内容を定めるレシピ情報の設定を支援することを可能とする情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、
基板に対する基板処理を、前記基板処理の処理内容を示すレシピ情報に従って行う基板処理ユニットと、前記基板処理前及び前記基板処理後の基板を搬送する搬送処理を行う搬送処理ユニットとを備える基板処理装置の運転を支援する情報処理装置であって、
前記基板処理装置において、複数の前記基板に対する前記基板処理及び前記搬送処理を繰り返す処理動作を実行したときの単位時間当たりの前記基板の目標処理枚数を受け付ける目標処理枚数受付部と、
前記処理動作を実行したときの前記搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報を含む装置情報を取得する装置情報取得部と、
前記目標処理枚数受付部により受け付けられた前記目標処理枚数と、前記装置情報取得部により取得された前記装置情報とに基づいて、前記レシピ情報に従って行われる前記基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報を生成する支援情報生成部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置によれば、支援情報生成部が、単位時間当たりの基板の目標処理枚数と、搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報を含む装置情報とに基づいて、レシピ情報に従って行われる基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を含む支援情報を生成する。したがって、レシピ情報の設定を行う際に、基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間を事前に把握することができるので、レシピ情報の設定を適切に支援することができる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係る基板処理システム1の一例を示す全体構成図である。
図2】基板処理装置2の一例を示す概略平面図である。
図3】基板処理装置2におけるウェハWの搬送ルート(前半)の一例を示す概略図である。
図4】基板処理装置2におけるウェハWの搬送ルート(後半)の一例を示す概略図である。
図5】第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dの一例を示す斜視図である。
図6】ロールスポンジ洗浄処理を行う第1の仕上げユニット230A、230Bの一例を示す斜視図である。
図7】ペンスポンジ洗浄処理を行う第2の仕上げユニット231A、231Bの一例を示す斜視図である。
図8】乾燥処理を行う第3の仕上げユニット232A、232Bの一例を示す斜視図である。
図9】搬送部24(第2の搬送ユニット241A、241B及び移送ロボット243)一例を示す概略側面図である。
図10】搬送部24(第3の搬送ユニット242A、242B及び移送ロボット243)の一例を示す概略側面図である。
図11】基板処理装置2の一例を示すブロック図である。
図12】コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である
図13】第1の実施形態に係る情報処理装置3Aの一例を示すブロック図である。
図14】第1の実施形態に係る情報処理装置3Aの一例を示す機能説明図である。
図15】研磨処理PPに対するレシピ利用可能時間TRPW1の算出例を示す図である。
図16】仕上げ処理PCに対するレシピ利用可能時間TRPW2の算出例を示す図である。
図17】第1の実施形態に係る情報処理装置3Aによる情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
図18】第2の実施形態に係る情報処理装置3Bの一例を示すブロック図である。
図19】第2の実施形態に係る情報処理装置3Bの一例を示す機能説明図である。
図20】学習用データ15及び学習モデル16の一例を示す図である。
図21】機械学習装置5による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
図22】第2の実施形態に係る情報処理装置3Bによる情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、
本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る基板処理システム1の一例を示す全体構成図である。本実施形態に係る基板処理システム1は、その主要な構成として、基板処理装置2と、情報処理装置3Aとを備え、有線又は無線のネットワーク4に接続されて、各種のデータを相互に送受信可能に構成される。なお、基板処理装置2及び情報処理装置3Aの数やネットワーク4の接続構成は、図1の例に限られず、適宜変更してもよい。
【0012】
基板処理装置2は、半導体ウェハ等の基板(以下、「ウェハ」という)Wに対して各種の基板処理を行う基板処理ユニット(詳細は後述)と、ウェハWを搬送する搬送処理ユニット(詳細は後述)とを備える。本実施形態では、基板処理装置2は、基板処理ユニットとして、研磨ユニット及び仕上げユニットを備え、研磨ユニット、仕上げユニット及び搬送処理ユニットを動作させることで、ウェハWに対して化学機械研磨処理(以下、「研磨処理」という)、仕上げ処理、搬送処理等を行う。その際、基板処理装置2は、研磨ユニット、仕上げユニット及び搬送処理ユニットにそれぞれ設定された複数の装置パラメータからなる装置設定情報12と、研磨処理や仕上げ処理の処理内容を定めるレシピ情報13とを参照しつつ、研磨ユニット、仕上げユニット及び搬送処理ユニットの動作を制御する。
【0013】
情報処理装置3Aは、ユーザが使用する端末装置であり、据置型や携帯型の装置で構成される。情報処理装置3Aは、例えば、アプリケーションプログラム、ウェブブラウザ等の表示画面を介して各種の入力操作を受け付けるとともに、表示画面を介して各種の情報を表示する。
【0014】
情報処理装置3Aは、装置設定情報12やレシピ情報13の設定、基板処理装置2の運転計画の策定や運転実績の確認等を行うことで、基板処理装置2の運転を支援する装置である。特に、情報処理装置3Aは、レシピ情報13の設定作業を支援するための支援情報(詳細は後述)を生成し、ユーザに提供する。なお、情報処理装置3Aは、サーバ型又はクラウド型の装置で構成されていてもよく、その場合には、クライアント側のユーザ端末装置(不図示)と連携して動作するようにすればよい。
【0015】
(基板処理装置)
図2は、基板処理装置2の一例を示す概略平面図である。図3及び図4は、基板処理装置2におけるウェハWの搬送ルートの一例を示す概略図である。基板処理装置2は、平面視で略矩形状のハウジング20の内部に、ロード/アンロード部21と、研磨部22と、仕上げ部23と、基板搬送部24と、制御ユニット25とを備えて構成される。
【0016】
(ロード/アンロード部)
ロード/アンロード部21は、多数のウェハWを上下方向に収納可能なウェハカセット(FOUP等の基板カセット)がウェハカセット位置LL1、LL2に載置される第1及び第2のフロントロード部210A、210Bと、ウェハWの供給及び排出を行う供給排出ロボット211とを備える。
【0017】
供給排出ロボット211は、ハウジング20の短手方向に沿って水平方向に移動可能に構成されるとともに、上下方向及び旋回方向に移動可能に構成される。供給排出ロボット211は、ウェハWを受け渡すための上下2段のハンド(不図示)を備える。一方のハンドは、研磨処理前のウェハWを受け渡すときに使用され、他方のハンドは、仕上げ処理後
のウェハWを受け渡すときに使用される。ハンドは、例えば、伸縮可能であるとともに、ウェハWを上下反転可能に構成される。
【0018】
供給排出ロボット211は、ウェハWの搬送処理PTとして、ウェハカセットから研磨処理前のウェハWを取り出し、第1の搬送ユニット240に供給する基板供給処理PT1と、仕上げ処理後のウェハWを仕上げ部23(本実施形態では、第3の仕上げユニット232A、232B)から受け取り、ウェハカセットに収納する基板排出処理PT10とを行う。
【0019】
(研磨部)
研磨部22は、ウェハWの研磨処理PPをそれぞれ行う複数(本実施形態では、4つ)の研磨ユニット22A~22Dを備える。本実施形態では、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dは、ハウジング20の長手方向に沿って並べられて配置され、研磨位置LP1~LP4にてウェハWの研磨処理PPを並行して行う。第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dは、ウェハWの受け渡しのための研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4にアクセス可能に構成される。研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4は、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dに対して個別に設定される。
【0020】
図5は、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dの一例を示す斜視図である。本実施形態では、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dの基本的な構成や機能は共通するものとして説明する。
【0021】
第1乃至第4の研磨ユニット22A~22Dの各々は、研磨面を有する研磨パッド2200を回転可能に支持する研磨テーブル220と、ウェハWを回転可能に保持し、かつウェハWを研磨テーブル220上の研磨パッド2200に押圧しながら研磨するためのトップリング(基板保持部)221と、研磨パッド2200に研磨流体を供給する研磨流体供給部222と、ドレッサディスク2230を回転可能に支持するとともにドレッサディスク2230を研磨パッド2200の研磨面に接触させて研磨パッド2200をドレッシングするドレッサ223と、研磨パッド2200に洗浄流体を噴射するアトマイザ224とを備える。
【0022】
研磨テーブル220は、研磨テーブルシャフト220aにより支持されて、その軸心周りに研磨テーブル220を回転駆動させる回転移動機構部220bと、研磨パッド2200の表面温度を調節する温調機構部220cとを備える。
【0023】
トップリング221は、上下方向に移動可能なトップリングシャフト221aに支持されて、その軸心周りにトップリング221を回転駆動させる回転移動機構部221cと、トップリング221を上下方向に移動させる上下移動機構部221dと、支持シャフト221bを旋回中心にしてトップリング221を旋回(揺動)移動させる揺動移動機構部221eとを備える。回転移動機構部221c、上下移動機構部221d及び揺動移動機構部221eは、研磨パッド2200とウェハWの被研磨面との相対位置を移動させる基板移動機構部として機能する。
【0024】
研磨流体供給部222は、研磨パッド2200の研磨面に研磨流体を供給する研磨流体供給ノズル222aと、支持シャフト222bに支持されて、支持シャフト222bを旋回中心にして研磨流体供給ノズル222aを旋回移動させる揺動移動機構部222cと、研磨流体の流量を調節する流量調節部222dと、研磨流体の温度を調節する温調機構部222eとを備える。研磨流体は、研磨液(スラリー)又は純水であり、さらに、薬液を含むものでもよいし、研磨液に分散剤を添加したものでもよい。
【0025】
ドレッサ223は、上下方向に移動可能なドレッサシャフト223aに支持されて、その軸心周りにドレッサ223を回転駆動させる回転移動機構部223cと、ドレッサ223を上下方向に移動させる上下移動機構部223dと、支持シャフト223bを旋回中心にしてドレッサ223を旋回移動させる揺動移動機構部223eとを備える。
【0026】
アトマイザ224は、支持シャフト224aに支持されて、支持シャフト224aを旋回中心にしてアトマイザ224を旋回移動させる揺動移動機構部224bと、洗浄流体の流量を調節する流量調節部224cとを備える。洗浄流体は、液体(例えば、純水)と気体(例えば、窒素ガス)の混合流体又は液体(例えば、純水)である。
【0027】
研磨処理PPでは、トップリング221が、研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4に移動し、トップリング221の下面に研磨処理前のウェハWを吸着保持することで、研磨処理前のウェハWを第2の搬送ユニット241A、241Bから受け取る。次に、トップリング221が、研磨テーブル220上の研磨位置LP1~LP4に移動し、研磨流体供給ノズル222aから研磨流体が供給された研磨パッド2200の研磨面に対してウェハWを押圧することで、ウェハWが研磨される。そして、研磨処理PPが終了すると、トップリング221は、研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4に移動し、研磨処理後のウェハWを第2の搬送ユニット241A、241Bに受け渡す。
【0028】
(仕上げ部)
仕上げ部23は、ウェハWの仕上げ処理PCをそれぞれ行う複数(本実施形態では、上下2段に3種類ずつ配置された計6つ)の仕上げユニット230A~232A、230B~232Bを備える。本実施形態では、第1乃至第3の仕上げユニット230A~232Aが、ハウジング20の長手方向に沿って並べられて上段に配置されるともに、同一の構成を有する第1乃至第3の仕上げユニット230B~232Bが、ハウジング20の長手方向に沿って並べられて下段に配置される。第1乃至第3の仕上げユニット230A~232A、230B~232Bは、仕上げ位置LC1~LC3にて、その並び順(仕上げ工程順)に仕上げ処理PCをそれぞれ行う。
【0029】
第1の仕上げユニット230A、230Bは、最上流工程の仕上げ処理PCとして、ロールスポンジ2300を用いて研磨処理後のウェハWを洗浄するロールスポンジ洗浄処理(第1の仕上げ処理PC1)を行う。第2の仕上げユニット231A、231Bは、ペンスポンジ2310を用いてロールスポンジ洗浄処理後のウェハWを洗浄するペンスポンジ洗浄処理(第2の仕上げ処理PC2)を行う。第3の仕上げユニット232A、232Bは、最下流工程の仕上げ処理PCとして、ペンスポンジ洗浄処理後のウェハWを乾燥させる乾燥処理(第3の仕上げ処理PC3)を行う。なお、仕上げ処理PCは、例えば、ロールスポンジ洗浄処理を省略して、ペンスポンジ洗浄処理から開始してもよい。
【0030】
なお、仕上げ部23は、第1及び第2の仕上げユニット230A、230B、230A、231A、231Bのいずれかに代えて又は加えて、バフを用いてウェハWを洗浄するバフ洗浄処理を行う仕上げユニット(不図示)を備えるようにしてもよいし、第1及び第2の仕上げユニット230A、230B、230A、231A、231Bのいずれかを省略してもよい。また、本実施形態では、第1乃至第3の仕上げユニット230A~232A、230B~232Bは、ウェハWを水平置きで保持(水平保持)するものとして説明するが、ウェハWを垂直保持又は斜め保持するものでもよい。
【0031】
図6は、ロールスポンジ洗浄処理を行う第1の仕上げユニット230A、230Bの一例を示す斜視図である。第1の仕上げユニット230A、230Bは、ウェハWを保持する基板保持部2301と、ウェハWに基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部2302と、ロールスポンジ2300を回転可能に支持するとともにロールスポンジ2300をウェ
ハWに接触させてウェハWを洗浄する基板洗浄部2303と、ロールスポンジ2300を洗浄具洗浄流体にて洗浄(セルフクリーニング)する洗浄具洗浄部2304とを備える。基板洗浄流体は、純水(リンス液)及び薬液のいずれでもよく、液体でもよいし、液体及び気体を混合させた二流体でもよいし、ドライアイスのような固体を含むものでもよい。洗浄具洗浄流体は、純水(リンス液)及び薬液のいずれでもよい。
【0032】
第1の仕上げユニット230A、230Bによるロールスポンジ洗浄処理では、ウェハWは、基板保持部2301により第1の仕上げ位置LC1に保持された状態で回転される。そして、洗浄流体供給部2302からウェハWの被洗浄面に基板洗浄流体が供給された状態で、基板洗浄部2303により軸心周りに回転されたロールスポンジ2300がウェハWの被洗浄面に摺接することでウェハWは洗浄される。
【0033】
図7は、ペンスポンジ洗浄処理を行う第2の仕上げユニット231A、231Bの一例を示す斜視図である。第2の仕上げユニット231A、231Bは、ウェハWを保持する基板保持部2311と、ウェハWに基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部2312と、ペンスポンジ2310を回転可能に支持するとともにペンスポンジ2310をウェハWに接触させてウェハWを洗浄する基板洗浄部2313と、ペンスポンジ2310を洗浄具洗浄流体にて洗浄(セルフクリーニング)する洗浄具洗浄部2314とを備える。
【0034】
第2の仕上げユニット231A、231Bによるペンスポンジ洗浄処理では、ウェハWは、基板保持部2311により第2の仕上げ位置LC2に保持された状態で回転される。そして、洗浄流体供給部2312からウェハWの被洗浄面に基板洗浄流体が供給された状態で、基板洗浄部2313により軸心周りに回転されたペンスポンジ2310がウェハWの被洗浄面に摺接することでウェハWは洗浄される。
【0035】
図8は、乾燥処理を行う第3の仕上げユニット232A、232Bの一例を示す斜視図である。第3の仕上げユニット232A、232Bは、ウェハWを保持する基板保持部2321と、ウェハWに基板乾燥流体を供給する乾燥流体供給部2322とを備える。基板乾燥流体は、例えば、IPA蒸気及び純水(リンス液)であり、液体でもよいし、液体及び気体を混合させた二流体でもよいし、ドライアイスのような固体を含むものでもよい。
【0036】
第3の仕上げユニット232A、232Bによる乾燥処理では、ウェハWは、基板保持部2321により第3の仕上げ位置LC3に保持された状態で回転される。そして、乾燥流体供給部2322からウェハWの被洗浄面に基板乾燥流体が供給された状態で、乾燥流体供給部2322がウェハWの側縁部側(径方向外側)に移動される。その後、ウェハWは、高速回転されることでウェハWが乾燥される。
【0037】
(基板搬送部)
図9は、搬送部24(第2の搬送ユニット241A、241B及び移送ロボット243)一例を示す概略側面図である。図10は、搬送部24(第3の搬送ユニット242A、242B及び移送ロボット243)の一例を示す概略側面図である。基板搬送部24は、搬送処理にて基板を搬送するときの搬送ルートが選択可能な複数の搬送処理ユニットで構成される。
【0038】
基板搬送部24は、図2に示すように、第1の搬送ユニット240と、第2の搬送ユニット241A、241Bと、第3の搬送ユニット242A、242Bと、移送ロボット243とを備える。本実施形態では、第2の搬送ユニットとして、第1及び第2の研磨ユニット22A、22B側(以下「右側」という)に配置された第2の搬送ユニット241Aと、第3及び第4の研磨ユニット22C、22D側(以下「左側」という)に配置された第2の搬送ユニット241Bとを備える。また、第3の搬送ユニットとして、上段に配置
された第3の搬送ユニット242Aと、下段に配置された第3の搬送ユニット242Bとを備える。
【0039】
第1の搬送ユニット240は、研磨部22及び仕上げ部23の間に配置されて、ハウジング20の長手方向に沿って、第1の搬送開始位置LS1と第1の搬送終了位置LE1との間を水平方向に移動可能に構成される。
【0040】
第1の搬送ユニット240は、ウェハWの搬送処理PTとして、供給排出ロボット211により供給された研磨処理前のウェハWを第1の搬送開始位置LS1から第1の搬送終了位置LE1に搬送する研磨処理前搬送処理PT2を行う。
【0041】
第2の搬送ユニット241A、241Bは、研磨部22側に配置されて、ハウジング20の長手方向に沿って水平方向に移動可能、かつ、上下方向に移動可能に構成される。
【0042】
右側の第2の搬送ユニット241Aは、移送ロボット受け渡し位置LR1と研磨ユニット受け渡し位置LT1、LT2との間を互いに独立に水平方向に移動する複数(本実施形態では、上下3段に配置された計3つ)の搬送機構2410A~2412Aと、研磨ユニット受け渡し位置LT1に配置され、上下方向に移動する第1のプッシャ機構2413Aと、研磨ユニット受け渡し位置LT2に配置され、上下方向に移動する第2のプッシャ機構2414Bとを備える。
【0043】
左側の第2の搬送ユニット241Bは、移送ロボット受け渡し位置LR2と研磨ユニット受け渡し位置LT3、LT4との間を互いに独立に水平方向に移動する複数(本実施形態では、上下3段に配置された計3つ)の搬送機構2410B~2412Bと、研磨ユニット受け渡し位置LT3に配置され、上下方向に移動する第1のプッシャ機構2413Bと、研磨ユニット受け渡し位置LT4に配置され、上下方向に移動する第2のプッシャ機構2414Bとを備える。
【0044】
第2の搬送ユニット241A、241Bにおける複数の搬送機構2410A~2412A、2410B~2412Bの各々は、ウェハWの搬送処理PTとして、研磨処理前のウェハWを移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2から研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4に搬送する研磨処理前搬入処理PT4と、研磨処理後のウェハWを研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4から移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2に搬送する研磨処理後搬出処理PT5とを行う。
【0045】
第3の搬送ユニット242A、242Bは、仕上げ部23側に配置されて、ハウジング20の長手方向に沿って、第3の搬送開始位置LS3、第1の仕上げ位置LC1、第2の仕上げ位置LC2、及び、第3の仕上げ位置LC3の間を水平方向に移動可能に構成される。
【0046】
上段の第3の搬送ユニット242Aは、研磨処理後のウェハWを保持し、ウェハWが待機可能なウェハステーション2420Aと、ウェハステーション2420Aと第1乃至第3の仕上げユニット230A~232Aとの間を水平方向に移動する搬送機構2421Aとを備える。下段の第3の搬送ユニット242Bは、研磨処理後のウェハWを保持し、ウェハWが待機可能なウェハステーション2420Bと、ウェハステーション2420Bと第1乃至第3の仕上げユニット230B~232Bとの間を水平方向に移動する搬送機構2421Bとを備える。搬送機構2421A、2421Bは、ウェハWを受け渡すための左右一対のハンド2422、2423を備える。一方のハンド2422は、研磨処理後で仕上げ処理前のウェハWを受け渡すときに使用され、他方のハンド2433は、仕上げ処理後のウェハWを受け渡すときに使用される。ハンド2422、2433は、例えば、伸
縮可能であるとともに、ウェハWを上下反転可能に構成される。
【0047】
第3の搬送ユニット242A、242Bにおける搬送機構2421A、2421Bは、ウェハWの搬送処理PTとして、研磨処理後のウェハWを第3の搬送開始位置LS3から仕上げ部23(本実施形態では、第1の仕上げユニット230A、230Bの第1の仕上げ位置LC1)に搬送する研磨処理後搬送処理PT7と、仕上げ処理中のウェハWを各仕上げユニット間で搬送する仕上げ中搬送処理PT8、PT9とを行う。本実施形態では、第3の搬送ユニット242A、242Bは、仕上げ中搬送処理として、第1の仕上げユニット230A、230B(第1の仕上げ位置LC1)から第2の仕上げユニット231A、231B(第2の仕上げ位置LC2)に仕上げ処理中のウェハWを搬送する第1の仕上げ中搬送処理PT8と、第2の仕上げユニット231A、231B(第2の仕上げ位置LC2)から第3の仕上げユニット232A、232B(第3の仕上げ位置LC3)に仕上げ処理中のウェハWを搬送する第2の仕上げ中搬送処理PT9とを行う。
【0048】
移送ロボット243は、上下方向に移動可能、かつ、及び旋回方向に移動可能に構成される。移送ロボット243は、ウェハWを受け渡すためのハンド2430を備える。ハンド2430は、例えば、伸縮可能であるとともに、ウェハWを上下反転可能に構成される。
【0049】
移送ロボット243は、ウェハWの搬送処理PTとして、研磨処理前のウェハWを第1の搬送終了位置LE1にて第1の搬送ユニット240から受け取り、移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2にて第2の搬送ユニット241A、241Bに受け渡す研磨処理前移送処理PT3と、研磨処理後のウェハWを移送ロボット受け渡し位置LR1、LR2にて第2の搬送ユニット241A、241Bから受け取り、第3の搬送開始位置LS3にて第3の搬送ユニット242A、242Bに受け渡す研磨処理後移送処理PT6とを行う。
【0050】
(制御ユニット)
図11は、基板処理装置2の一例を示すブロック図である。制御ユニット25は、各部21~24と電気的に接続されて、各部21~24を統括的に制御する制御部として機能する。以下では、研磨部22、仕上げ部23、及び、基板搬送部24の制御系(モジュール、センサ、シーケンサ)を例にして説明するが、ロード/アンロード部21も基本的な構成や機能は共通するため、説明を省略する。
【0051】
研磨部22は、各基板処理ユニット(本実施形態では、第1乃至第4の研磨ユニット22A~22D)にそれぞれ配置されて、制御対象となる複数のモジュール227と、複数のモジュール227にそれぞれ配置されて、各モジュール227の制御に必要なデータ(検出値)を検出する複数のセンサ228と、各センサ228の検出値に基づいて各モジュール227の動作を制御するシーケンサ229とを備える。
【0052】
仕上げ部23は、各基板処理ユニット(本実施形態では、第1乃至第3の仕上げユニット230A~232A、230B~232B)にそれぞれ配置されて、制御対象となる複数のモジュール237と、複数のモジュール237にそれぞれ配置されて、各モジュール247の制御に必要なデータ(検出値)を検出する複数のセンサ238と、各センサ238の検出値に基づいて各モジュール237の動作を制御するシーケンサ239とを備える。
【0053】
基板搬送部24は、各搬送処理ユニット(本実施形態では、第1の搬送ユニット240、第2の搬送ユニット241A、241B、第3の搬送ユニット242A、242B、移送ロボット243)にそれぞれ配置されて、制御対象となる複数のモジュール247と、複数のモジュール247にそれぞれ配置されて、各モジュール247の制御に必要なデー
タ(検出値)を検出する複数のセンサ248と、各センサ248の検出値に基づいて各モジュール247の動作を制御するシーケンサ249とを備える。
【0054】
モジュール227、237、247には、各部に設けられた回転モータ、リニアモータ、エアアクチュエータ、油圧アクチュエータ等が含まれて、回転運動や直線運動を行う。また、センサ228、238、248には、例えば、リニアセンサ、エンコーダセンサ、リミットセンサ、トルクセンサ、加速度センサ、角速度センサ、電流センサ、流量センサ、圧力センサ、振動センサ、温度センサ、近接センサ等が含まれる。
【0055】
制御ユニット25は、制御部250、通信部251、入力部252、出力部253、及び、記憶部254を備える。制御ユニット25は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図12参照)で構成される。
【0056】
通信部251は、ネットワーク4に接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。入力部252は、各種の入力操作を受け付けるとともに、出力部253は、表示画面、シグナルタワー点灯、ブザー音を介して各種の情報を出力することで、ユーザインターフェースとして機能する。
【0057】
記憶部254は、基板処理装置2の動作で使用される各種のプログラム(オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、ウェブブラウザ等)やデータ(装置設定情報12、レシピ情報13等)を記憶する。装置設定情報12及びレシピ情報13は、表示画面を介してユーザにより編集可能なデータである。
【0058】
制御部250は、複数のシーケンサ219、229、239、249(以下、「シーケンサ群」という)を介して複数のセンサ218、228、238、248(以下、「センサ群」という)の検出値を取得するとともに、複数のモジュール217、227、237、247(以下、「モジュール群」という)を連携して動作させる。そして、基板処理装置2は、制御部250により各部21~24を制御し、ウェハカセット内の複数のウェハWに対して研磨処理PP、仕上げ処理PC、搬送処理PT等を順次行うことで、自動運転を実行する。
【0059】
装置設定情報12は、基板処理装置2において複数のウェハWに対する基板処理及び搬送処理を繰り返す処理動作(自動運転)を実行したときの基板処理装置2の動作内容を定める情報である。装置設定情報12は、複数の装置設定項目を有し、複数の装置設定項目毎に設定値がそれぞれ設定されることで基板処理装置2の動作内容を定める。
【0060】
装置設定項目としては、例えば、各搬送処理ユニットの座標値、移動速度、移動加速度、タイマー時間等が含まれる。なお、装置設定項目には、基板処理ユニット(本実施形態では、研磨ユニット22A~22Dや仕上げユニット230A~232A、230B~232B)の座標値、移動速度、移動加速度、タイマー時間等が含まれていてもよい。
【0061】
レシピ情報13は、研磨処理PP及び仕上げ処理PCの処理内容を示す情報である。レシピ情報13は、複数のレシピ設定項目を有し、複数のレシピ設定項目毎に設定値がそれぞれ設定されることで、研磨処理PP及び仕上げ処理PCの処理内容を定める。なお、レシピ情報13は、ウェハWの1枚毎に設定されていてもよいし、ロットを構成する複数枚毎に設定されていてもよい。
【0062】
研磨処理PPのレシピ設定項目としては、例えば、研磨テーブル220によるテーブル回転速度、トップリング221によるトップリング押付時間、ウェハ押付荷重、ウェハ回転速度、研磨流体供給部222による研磨流体の供給量、供給タイミング、ドレッサ22
3によるドレッサ動作時間、アトマイザ224によるアトマイザ動作時間等が含まれる。
【0063】
仕上げ処理PCのレシピ設定項目としては、例えば、ロールスポンジ洗浄処理(第1の仕上げ処理PC1)でのロールスポンジ動作時間、ロールスポンジ回転速度、ウェハ回転速度、基板洗浄流体の供給量、供給タイミング、ペンスポンジ洗浄処理(第2の仕上げ処理PC2)でのペンスポンジ動作時間、ペンスポンジ回転速度、ウェハ回転速度、基板洗浄流体の供給量、供給タイミング、ウェハ回転速度、乾燥処理(第3の仕上げ処理PC3)での乾燥動作時間、ウェハ回転速度、基板乾燥流体の供給量、供給タイミング等が含まれる。
【0064】
(各装置のハードウエア構成)
図12は、コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。基板処理装置2の制御ユニット25、及び、情報処理装置3Aの各々は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。
【0065】
コンピュータ900は、図12に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0066】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0067】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD、SSD(Solid State Drive)等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0068】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(図1のネットワーク4と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデータの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVDドライブ、CDドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD等のメディア(非一時
的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0069】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA、ASIC等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0070】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよいし、例えば、制御盤、コントローラ(マイコン、プログラマブルロジックコントローラ、シーケンサを含む)等と呼ばれる組込型コンピュータでもよい。コンピュータ900は、基板処理装置2及び情報処理装置3A以外の装置にも適用されてもよい。
【0071】
(情報処理装置)
図13は、第1の実施形態に係る情報処理装置3Aの一例を示すブロック図である。図14は、第1の実施形態に係る情報処理装置3Aの一例を示す機能説明図である。
【0072】
情報処理装置3Aは、制御部30、通信部31、記憶部32、入力部33、及び、出力部34を備える。図13に示す各部30~34の具体的なハードウエア構成は、図12に示す汎用又は専用のコンピュータ900で構成されるため、詳細な説明を省略する。
【0073】
制御部30は、目標処理枚数受付部300、装置情報取得部301、支援情報生成部302A、及び、出力処理部303として機能する。通信部31は、ネットワーク4を介して外部装置(例えば、基板処理装置2)と接続され、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。記憶部32は、情報処理装置3Aの動作で使用される各種のプログラム(オペレーティングシステムや情報処理プログラム等)やデータ(装置情報10、搬送処理情報11と、装置設定情報12、レシピ情報13、支援情報14)等を記憶する。入力部33は、各種の入力操作を受け付けるとともに、出力部34は、表示画面や音声を介して各種の情報を出力することで、ユーザインターフェースとして機能する。
【0074】
目標処理枚数受付部300は、基板処理装置2において複数のウェハWに対する基板処理及び搬送処理を繰り返す処理動作(自動運転)を実行したときの単位時間当たりのウェハWの目標処理枚数TWPHを受け付ける。例えば、目標処理枚数受付部300は、出力部34に表示画面を表示し、その表示画面に対するユーザの入力操作として、目標処理枚数TWPHを受け付ける。
【0075】
装置情報取得部301は、基板処理装置2が処理動作を実行したときの各種の情報を含む装置情報10を取得する。装置情報10には、搬送処理情報11と、装置設定情報12とが含まれる。なお、装置情報10は、搬送処理情報11を少なくとも含むものであればよく、他の情報をさらに含むものでもよい。装置設定情報12は、基板処理装置2の記憶部254に記憶されたものと同様の情報であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0076】
搬送処理情報11は、基板処理装置2が処理動作を実行したときの搬送処理の動作状態
を定める情報である。本実施形態では、搬送処理PT1~PT10は、複数の搬送処理ユニットとして、供給排出ロボット211、第1の搬送ユニット240、第2の搬送ユニット241A、241B、第3の搬送ユニット242A、242B、移送ロボット243により行われる。
【0077】
搬送処理情報11は、例えば、処理動作を実行したときに選択された搬送ルートと、処理動作を実行したときに複数の搬送処理ユニットにより行われる搬送処理PT1~PT10の各々に要するユニット搬送処理時間TT1~TT10とを含む。なお、搬送処理情報11は、ウェハWの1枚毎に取得されていてもよいし、ロットを構成する複数枚毎に取得されていてもよい。
【0078】
搬送ルートとしては、複数の搬送処理ユニットによりウェハWが搬送されたときにそのウェハWが各搬送処理ユニットを通過した経路や順序が取得される。ウェハWに対する処理内容が、例えば、研磨処理後に洗浄処理を行う場合や、研磨処理前及び研磨処理後の両方で洗浄処理を行う場合等のように異なることで、搬送ルートは異なる。また、1つの搬送処理ユニットにおいて複数の搬送処理を行う場合に、それら搬送処理の間での優先順位が異なることで、搬送ルートは異なる。例えば、移送ロボット243において、研磨処理前移送処理PT3と、研磨処理後移送処理PT6とが同時に実行可能となった場合に、どちらを優先順位が高い搬送処理として行うかによって搬送ルートが異なることになる。
【0079】
ユニット搬送処理時間TT1~TT10としては、例えば、基板供給時間TT1、研磨処理前搬送時間TT2、研磨処理前移送時間TT3、研磨処理前搬入時間TT4、研磨処理後搬出時間TT5、研磨処理後移送時間TT6、研磨処理後搬送時間TT7、第1の仕上げ中搬送時間TT8、第2の仕上げ中搬送時間TT9、及び、基板排出時間TT10が取得される。
【0080】
例えば、基板処理装置2が過去に処理動作を行ったときの生成履歴情報として、搬送処理情報11や装置設定情報12が外部の生産管理装置に記憶されている場合には、装置情報取得部301は、装置情報10を外部の生産管理装置から取得する。なお、装置情報取得部301は、例えば、例えば、通信部31を介して基板処理装置2との間でデータを送受信したり、記憶部32を参照したりすることで、装置情報10を取得してもよい。
【0081】
特に、ユニット搬送処理時間TT1~TT10は、搬送処理ユニットが実際に動作したときの時間を計測した実測値でもよい。また、ユニット搬送処理時間TT1~TT10は、搬送処理ユニットの仕様から算出された理論値でもよく、装置設定情報12に搬送処理ユニットの移動速度や移動加速度等が含まれる場合には、それらの設定値に基づいて算出されたものでもよい。さらに、ユニット搬送処理時間TT1~TT10は、上記の理論値に対して、搬送処理ユニットが実際に動作したときの実測値との誤差(実動誤差)を考慮した推論値でもよく、機械学習等の推定モデルを用いて実動誤差を算出し、実測値と実動誤差とに基づいて算出されたものでもよい。
【0082】
支援情報生成部302Aは、目標処理枚数受付部300により受け付けられた単位時間当たりの目標処理枚数TWPHと、装置情報取得部301により取得された装置情報10とに基づいて、レシピ情報13に従って行われる基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間TRPWを含む支援情報14を生成する。
【0083】
本実施形態では、基板処理装置2は、基板処理として研磨処理PP及び仕上げ処理PCを行うため、レシピ利用可能時間TRPWとしては、研磨処理PPに対するレシピ利用可能時間TRPW1と、仕上げ処理PCに対するレシピ利用可能時間TRPW2とが算出される。以下では、支援情報生成部302Aが研磨処理PP及び仕上げ処理PCのレシピ利
用可能時間TRPW1、TRPW2をそれぞれ算出する際の算出方法について説明する。
【0084】
図15は、研磨処理PPに対するレシピ利用可能時間TRPW1の算出例を示す図である。図16は、仕上げ処理PCに対するレシピ利用可能時間TRPW2の算出例を示す図である。図15及び図16の搬送ルートは、図3及び図4と同様であり、研磨処理後移送処理PT6に対して研磨処理前移送処理PT3を優先させて実行する場合を図示したものである。なお、図15及び図16では、説明を容易にするため、研磨処理PPに要する研磨処理時間と、仕上げ処理PCに要する仕上げ処理時間とが示されているが、これらの時間を、レシピ利用可能時間TRPW1、TRPW2として算出することが、支援情報生成部302Aの機能として実現される。
【0085】
まず、支援情報生成部302Aは、単位時間当たりの目標処理枚数TWPHからウェハWの1枚当たりの単位処理時間TAPWを換算する。例えば、目標処理枚数TWPHが、「60枚/時間」である場合には、単位処理時間TAPWは、「60秒/枚」と換算される。
【0086】
次に、支援情報生成部302Aは、搬送処理情報11に基づいて、ウェハWの1枚当たりの搬送処理PTに要する単位搬送時間TTPWを算出する。その際、搬送ルートに応じてユニット搬送処理時間TT1~TT10を積算することで単位搬送時間TTPWを算出する。
【0087】
例えば、研磨処理PPが終了した後に次のウェハWに対する研磨処理PPが開始されるまでの間に行われる搬送処理PTを、図15に示すように、研磨処理前移送処理PT3の一部と、研磨処理前搬入処理PT4と特定した場合には、それに要するユニット搬送処理時間TTとして、研磨処理前移送時間TT3の一部と、研磨処理前搬入時間TT4とを積算することで単位搬送時間TTPW1を算出する。なお、上記の搬送処理PTを特定する際、研磨処理後搬出処理PT5と、研磨処理後移送処理PT6の一部と特定してもよく、その場合には、研磨処理後搬出時間TT5と、研磨処理後移送時間TT6の一部とを積算することで単位搬送時間TTPW1を算出してもよい。
【0088】
また、第1の仕上げ処理PC1が終了した後に次のウェハWに対する第1の仕上げ処理PC1が開始されるまでの間に行われる搬送処理PTを、図16に示すように、研磨処理後搬送処理PT7と、第1の仕上げ中搬送処理PT8と特定した場合には、それに要するユニット搬送処理時間TTとして、研磨処理後搬送時間TT7と、第1の仕上げ中搬送時間TT8とを積算することで単位搬送時間TTPW2を算出する。
【0089】
すなわち、支援情報生成部302Aは、搬送ルート(ウェハWが各搬送処理ユニットを通過した経路や順序)に応じて、基板処理が終了した後に次のウェハWに対する基板処理が開始されるまでの間に行われる搬送処理PTを特定し、その特定した搬送処理PTに要するユニット搬送処理時間を積算することで単位搬送時間TTPWを算出する。
【0090】
そして、支援情報生成部302Aは、単位処理時間TAPWから単位搬送時間TTPWを減算することで、ウェハWの1枚当たりのレシピ利用可能時間TRPWを算出する。図15の例では、単位処理時間TAPWから単位搬送時間TTPW1が減算されることで、研磨処理PPのレシピ利用可能時間TRPW1(黒塗り矢印)が算出される。図16の例では、単位処理時間TAPWから単位搬送時間TTPW2が減算されることで、仕上げ処理PCのレシピ利用可能時間TRPW2(黒塗り矢印)が算出される。
【0091】
なお、支援情報生成部302Aは、装置設定情報12に基づいて、基板処理ユニット(本実施形態では、研磨ユニット22A~22Dや仕上げユニット230A~232A、2
30B~232B)にて保持されたウェハWに対して基板処理前及び基板処理後に準備動作が行われるときのウェハWの1枚当たりの準備動作に要する単位オーバーヘッド時間TOPWを算出するようにしてもよい。
【0092】
研磨処理PPの準備動作には、例えば、トップリング221が研磨処理前のウェハWを吸着する吸着動作、研磨位置LP1~LP4に移動する旋回動作、研磨パッド2200に接触させるように下降する下降動作、トップリング221が研磨処理後のウェハWを研磨パッド2200から離すように上昇する上昇動作、研磨ユニット受け渡し位置LT1~LT4に移動する旋回動作、吸着を解除する吸着解除動作等が含まれる。研磨処理PPの単位オーバーヘッド時間TOPW1は、装置設定情報12において、トップリング221の移動速度、移動加速度、タイマー時間等の装置設定項目に対して設定された設定値に基づいて、図15に示すように、算出される。
【0093】
仕上げ処理PCの準備動作には、例えば、基板保持部2301、2311、2321が仕上げ処理前のウェハWを保持する保持動作、基板洗浄部2303、2313が仕上げ処理前のウェハWにロールスポンジ2300やペンスポンジ2310を接触させるように移動する移動動作、仕上げ処理後のウェハWからロールスポンジ2300やペンスポンジ2310を離すように移動する移動動作、基板保持部2301、2311、2321が仕上げ処理後のウェハWの保持を解除する保持解除動作等が含まれる。仕上げ処理PCの単位オーバーヘッド時間TOPW2は、装置設定情報12において、基板保持部2301のタイマー時間や基板洗浄部2303の移動速度、移動加速度等の装置設定項目に対して設定された設定値に基づいて、図16に示すように、算出される。
【0094】
そして、支援情報生成部302Aは、単位処理時間TAPWから単位搬送時間TTPW及び単位オーバーヘッド時間TOPWを減算することで、ウェハWの1枚当たりのレシピ利用可能時間TRPWを算出するようにしてもよい。図15の例では、単位処理時間TAPWから単位搬送時間TTPW1及び単位オーバーヘッド時間TOPW1が減算されることで、研磨処理PPのレシピ利用可能時間TRPW1(白抜き矢印)が算出される。図16の例では、単位処理時間TAPWから単位搬送時間TTPW2及び単位オーバーヘッド時間TOPW2が減算されることで、仕上げ処理PCのレシピ利用可能時間TRPW2(白抜き矢印)が算出される。
【0095】
また、レシピ利用可能時間TRPWは、所定の基準時間に対しての差分値として算出されるものでもよい。例えば、レシピ情報13(デフォルト値でもよい)がすでに設定されている場合には、そのレシピ情報13に従って基板処理が行われたときの基板処理時間を算出し、レシピ利用可能時間TRPWは、その基板処理時間を基準時間として、その基準時間からの差分値として算出されてもよい。本実施形態では、基準時間としては、レシピ情報13に基づいて、図15に示すように、研磨基準時間TPBが算出されるととともに、図16に示すように、仕上げ基準時間TCBが算出される。
【0096】
そして、研磨処理PPに対するレシピ利用可能時間TRPW1(ハッチング付き矢印)は、図15に示すように、研磨基準時間TPBに対しての差分値として算出される。また、仕上げ処理PCに対するレシピ利用可能時間TRPW2(ハッチング付き矢印)は、図16に示すように、研磨基準時間TPBに対しての差分値として算出される。
【0097】
その際、支援情報生成部302Aは、例えば、通信部31を介して基板処理装置2との間でデータを送受信したり、記憶部32を参照したりすることで、レシピ情報13を取得する。なお、レシピ情報13は、ユーザの入力操作に基づくものでもよいし、外部の生産管理装置(不図示)から取得してもよい。そして、支援情報生成部302Aは、レシピ情報13にてレシピ設定項目毎に設定された設定値に基づいて、研磨処理PP及び仕上げ処
理PCに要する時間をそれぞれ積算することで、研磨基準時間TPB及び仕上げ基準時間TCBを取得する。例えば、支援情報生成部302Aは、研磨処理PPのレシピ設定項目に対して設定された設定値に基づいて、研磨基準時間TPBを取得する。また、支援情報生成部302Aは、仕上げ処理PCのレシピ設定項目に対して設定された設定値に基づいて、仕上げ基準時間TCBを取得する。
【0098】
なお、研磨基準時間TPB及び仕上げ基準時間TCBは、例えば、研磨ユニット22A~22Dや仕上げユニット230A~232A、230B~232Bが実際に動作したときの時間を計測した実測値を考慮したものでもよい。その際、例えば、実測値が基板処理装置2や外部の生産管理装置に記憶されている場合には、支援情報生成部302Aは、基板処理装置2や外部の生産管理装置からその実測値を研磨基準時間TPB及び仕上げ基準時間TCBとして取得してもよいし、その実測値に基づいて、レシピ情報13から算出した研磨基準時間TPB及び仕上げ基準時間TCBを補正してもよい。
【0099】
出力処理部303は、支援情報生成部302Aにより生成された支援情報14を出力するための出力処理を行う。例えば、出力処理部303は、支援情報14を出力部34により表示出力するようにしてもよいし、記憶部32に記憶するようにしてもよい。また、出力処理部303は、支援情報14を通信部31により基板処理装置2に送信し、基板処理装置2がその支援情報14を表示出力するようにしてもよい。
【0100】
(情報処理方法)
図17は、第1の実施形態に係る情報処理装置3Aによる情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
【0101】
まず、ステップS100において、ユーザが、例えば、情報処理装置3Aに表示された支援画面に対して支援情報14の生成条件(例えば、支援対象とするウェハWのロット番号、支援対象とする基板処理装置2の型式番号、単位時間当たりのウェハWの目標処理枚数TWPH等)を指示するとともに、支援情報14の生成開始を指示することにより、情報処理装置3Aは、その入力操作を受け付ける。
【0102】
次に、ステップS110において、目標処理枚数受付部300は、ステップS100にて受け付けた入力操作に応じて、目標処理枚数TWPHを受け付ける。
【0103】
次に、ステップS120において、装置情報取得部301は、ステップS100にて受け付けた入力操作に応じて、基板処理装置2が処理動作を実行したときの装置情報10を取得する。装置情報10には、搬送処理情報11と、装置設定情報12とが含まれる。例えば、装置情報取得部301は、入力操作にて指示されたウェハWのロット番号に対応付けられた搬送処理情報11を取得するとともに、入力操作にて指示された基板処理装置2の型式番号に対応付けられた装置設定情報12を取得する。
【0104】
次に、ステップS130において、支援情報生成部302Aは、ステップS110にて受け付けられた目標処理枚数TWPHと、ステップS110にて取得された装置情報10とに基づいて、レシピ利用可能時間TRPWを算出することで支援情報14を生成する。
【0105】
そして、ステップS140において、出力処理部303は、ステップS130にて生成された支援情報14を出力するための出力処理を行い、図17に示す一連の情報処理方法を終了する。上記の情報処理方法において、ステップS110が目標処理枚数受付工程、ステップS120が装置情報取得工程、S130が支援情報生成工程、ステップS140が出力処理工程に相当する。
【0106】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置3A及び情報処理方法によれば、支援情報生成部302Aが、単位時間当たりのウェハWの目標処理枚数TWPHと、搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報11を含む装置情報10とに基づいて、レシピ情報13に従って行われる基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間TRPWを含む支援情報14を生成する。したがって、レシピ情報13の設定を行う際に、基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間TRPHを事前に把握することができるので、レシピ情報13の設定を適切に支援することができる。
【0107】
すなわち、レシピ情報13が設定されたときに、その設定されたレシピ情報13に従って処理動作(自動運転)が実行されたときの単位時間当たりのウェハWの処理枚数が算出されるのではなく、目標処理枚数TWPHが設定されたときに、その設定された目標処理枚数TWPHを達成するために、基板処理に要する基板処理時間の許容範囲が、レシピ利可能時間TRPHとして逆算される。そのため、ユーザは、目標処理枚数TWPHの達成のためには、どの程度の時間を基板処理に利用することができるのかを把握した上で、レシピ情報13を設定することができる。
【0108】
(第2の実施形態)
図18は、第2の実施形態に係る情報処理装置3Bの一例を示すブロック図である。図19は、第2の実施形態に係る情報処理装置3Bの一例を示す機能説明図である。
【0109】
第2の実施形態に係る情報処理装置3Bは、学習用データ15を用いて機械学習により学習モデル16を生成する機械学習装置5として動作するとともに、支援情報生成部302Bが、図19に示すように、機械学習装置5により生成された学習モデル16を用いて支援情報14を生成する点で、第1の実施形態に係る情報処理装置3Aと相違する。その他の基板処理装置2及び情報処理装置3Bの構成及び動作は、第1の実施形態と同様であるため、同一符号を振って詳細な説明を省略する。
【0110】
制御部30は、学習用データ取得部304、及び、機械学習部305としてさらに機能する。なお、本実施形態では、機械学習装置5は、情報処理装置3Bに組み込まれたものとして説明するが、機械学習装置5と情報処理装置3Bとは、別々の装置として構成されてもよく、その場合には、学習済みの学習モデル16は、ネットワーク4や任意の記憶媒体等を介して情報処理装置3Bに提供されるようにすればよい。
【0111】
第1の記憶部32Aは、第1の実施形態の記憶部32と同様に、各種のプログラムやデータ等を記憶し、第2の記憶部32Bは、学習用データ15及び学習モデル16を記憶する。第2の記憶部32Bは、学習用データ15を記憶する学習用データ記憶部、及び、学習済みの学習モデル16を記憶する学習済みモデル記憶部として機能する。なお、第1及び第2の記憶部32A、32Bは、単一の記憶部で構成されていてもよいし、外部の記憶装置であってもよい。
【0112】
図20は、学習用データ15及び学習モデル16の一例を示す図である。学習モデル16の機械学習に用いられる学習用データ15は、単位時間当たりのウェハWの目標処理枚数TWPH及び装置情報10を入力データとし、レシピ利用可能時間TRPWを含む支援情報14を出力データとして構成される。なお、装置情報10は、搬送処理情報11を少なくとも含むものであればよく、他の情報(例えば、装置設定情報12)をさらに含むものでもよい。
【0113】
学習用データ取得部304は、例えば、基板処理装置2が過去に処理動作を行ったときの生成履歴情報が、外部の生産管理装置のデータベースに記憶されている場合には、単位時間当たりのウェハWの処理枚数と、装置情報10とを外部の生産管理装置から取得する
とともに、そのときのレシピ利用可能時間TRPWを生成履歴情報から算出する。そして、学習用データ取得部304は、それらを対応付けた学習用データ15を複数組取得し、その複数組の学習用データ15を第2の記憶部32Bに記憶する。
【0114】
学習モデル16は、例えば、ニューラルネットワークの構造を採用したものであり、入力層160、中間層161、及び、出力層162を備える。各層の間には、各ニューロンをそれぞれ接続するシナプス(不図示)が張られており、各シナプスには、重みがそれぞれ対応付けられている。各シナプスの重みからなる重みパラメータ群が、機械学習により調整される。入力層160は、入力データとしての目標処理枚数TWPH及び装置情報10に対応する数のニューロンを有し、目標処理枚数TWPH及び装置情報10の各値が各ニューロンにそれぞれ入力される。出力層162は、出力データとしての支援情報14に対応する数のニューロンを有し、目標処理枚数TWPH及び装置情報10に対する支援情報14の予測結果(推論結果)が、出力データとして出力される。
【0115】
機械学習部305は、第2の記憶部32Bに記憶された複数組の学習用データ15を用いて機械学習を実施する。すなわち、機械学習部305は、学習モデル16に学習用データ15を複数組入力し、学習用データ15に含まれる入力データと出力データとの相関関係を学習モデル16に学習させることで学習済みの学習モデル16を生成し、その学習モデル16(具体的には、調整済みの重みパラメータ群)を第2の記憶部32Bに記憶する。
【0116】
支援情報生成部302Bは、学習モデル16に、目標処理枚数受付部300により受け付けられた目標処理枚数TWPHと、装置情報取得部301により取得された装置情報10とを入力することで、当該装置情報10及び当該搬送処理情報11に対する支援情報14を生成する。
【0117】
(機械学習方法)
図21は、機械学習装置5による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
【0118】
まず、ステップS200において、学習用データ取得部304は、機械学習を開始するための事前準備として、所望の数の学習用データ15を取得し、その取得した学習用データ15を第2の記憶部32Bに記憶する。
【0119】
次に、ステップS210において、機械学習部305は、機械学習を開始すべく、各シナプスの重みが初期値に設定された学習前の学習モデル16を準備する。
【0120】
次に、ステップS220において、機械学習部305は、第2の記憶部32Bに記憶された複数組の学習用データ15から、例えば、ランダムに1組の学習用データ15を取得する。
【0121】
次に、ステップS230において、機械学習部305は、1組の学習用データ15に含まれる流体供給情報(入力データ)を、準備された学習前(又は学習中)の学習モデル16の入力層160に入力する。その結果、学習モデル16の出力層162から推論結果として出力データが出力されるが、当該出力データは、学習前(又は学習中)の学習モデル16によって生成されたものである。そのため、学習前(又は学習中)の状態では、推論結果として出力された出力データは、学習用データ15に含まれる出力データ(正解ラベル)とは異なる情報を示す。
【0122】
次に、ステップS240において、機械学習部305は、ステップS220において取得された1組の学習用データ15に含まれる出力データ(正解ラベル)と、ステップS2
30において出力層162から推論結果として出力された出力データ(推論結果)とを比較し、各シナプスの重みを調整する処理(バックプロバケーション)を実施することで、機械学習を実施する。
【0123】
次に、ステップS250において、機械学習部305は、所定の学習終了条件が満たされたか否かを、例えば、学習用データ15に含まれる出力データ(正解ラベル)と、推論結果としての出力データとに基づく誤差関数の評価値や、第2の記憶部32B内に記憶された未学習の学習用データ15の残数に基づいて判定する。
【0124】
ステップS250において、機械学習部305が、学習終了条件が満たされておらず、機械学習を継続すると判定した場合(ステップS250でNo)、ステップS220に戻り、学習中の学習モデル16に対してステップS220~S240の工程を未学習の学習用データ15を用いて複数回実施する。一方、ステップS250において、機械学習部305が、学習終了条件が満たされて、機械学習を終了すると判定した場合(ステップS250でYes)、ステップS260に進む。
【0125】
そして、ステップS260において、機械学習部305は、各シナプスに対応付けられた重みを調整することで生成された学習済みの学習モデル16(調整済みの重みパラメータ群)を第2の記憶部32Bに記憶し、図21に示す一連の機械学習方法を終了する。上記の機械学習方法において、ステップS200が学習用データ記憶工程、ステップS210~S250が機械学習工程、ステップS260が学習済みモデル記憶工程に相当する。
【0126】
以上のように、本実施形態に係る機械学習装置5及び機械学習方法によれば、目標処理枚数TWPH及び装置情報10から、レシピ利用可能時間TRPWを含む支援情報14を生成(推論)することが可能な学習モデル16を提供することができる。
【0127】
(情報処理方法)
図22は、第2の実施形態に係る情報処理装置3Bによる情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
【0128】
まず、ステップS300において、ユーザが、第1の実施形態と同様に、支援情報14の生成条件と、支援情報14の生成開始とを指示すると、ステップS310において、目標処理枚数受付部300は、目標処理枚数TWPHを受け付ける。そして、ステップS320において、装置情報取得部301は、装置情報10を取得する。
【0129】
次に、ステップS330において、支援情報生成部302Bは、ステップS310にて受け付けられた目標処理枚数TWPHと、ステップS310にて取得された装置情報10とを入力データとして学習モデル16に入力することで学習モデル16から出力された出力データに基づいて、当該目標処理枚数TWPH及び当該装置情報10に対する支援情報14を生成する。
【0130】
そして、ステップS340において、出力処理部303は、ステップS330にて生成された支援情報14を出力するための出力処理を行い、図22に示す一連の情報処理方法を終了する。上記の情報処理方法において、ステップS310が目標処理枚数受付工程、ステップS320が装置情報取得工程、S330が支援情報生成工程、ステップS340が出力処理工程に相当する。
【0131】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置3B及び情報処理方法によれば、支援情報生成部302Bが、単位時間当たりの基板の目標処理枚数TWPHと、搬送処理の動作状態を定める搬送処理情報11を含む装置情報10とを学習モデル16に入力することで
、レシピ情報13に従って行われる基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間TRPWを含む支援情報14を生成する。したがって、レシピ情報13の設定を行う際に、基板処理にて利用可能なレシピ利用可能時間TRPHを事前に把握することができるので、レシピ情報13の設定を適切に支援することができる。
【0132】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思想に含まれるものである。
【0133】
上記実施形態では、基板処理装置2及び情報処理装置3A、3Bは、別々の装置で構成されたものとして説明したが、単一の装置で構成されていてもよく、例えば、情報処理装置3A、3Bが、基板処理装置2の制御ユニット25に組み込まれていてもよい。また、機械学習装置5は、基板処理装置2の制御ユニット25に組み込まれていてもよい。
【0134】
上記実施形態では、基板処理装置2が、研磨処理として化学機械研磨処理を行うものとして説明したが、基板処理装置2は、化学機械研磨処理に代えて、物理機械研磨処理を行うものでもよい。また、基板処理装置2は、基板処理として、ウェハWの研磨処理及び仕上げ処理を行うものとして説明したが、基板処理装置2は、研磨処理及び仕上げ処理のいずれかを行うものでもよいし、研磨処理及び仕上げ処理に代えて又は加えて、他の基板処理を行うものでよい。
【0135】
上記実施形態では、基板処理装置2が、図2に示すように、各基板処理ユニット(研磨ユニット、仕上げユニット)、及び、各搬送処理ユニットを備える場合について説明した。これに対し、基板処理装置2の構成として、各基板処理ユニット、及び、各搬送処理ユニットの数、配置、上流・下流の関係、並列関係、直列関係は、図2の例に限れられず、適宜変更してもよい。例えば、研磨ユニットの数を1又は複数にしてもよいし、仕上げユニットの数を1又は複数にしてもよい。また、搬送処理ユニットの数として、供給排出ロボットの数を1又は複数にしてもよいし、第1乃至第3の搬送ロボットの数を1又は複数にしてもよいし、移送ロボットの数を1又は複数にしてもよい。また、各基板処理ユニット、及び、各搬送処理ユニットの間でウェハWを受け渡す位置や、ウェハWを一時的に待機させる位置等を適宜変更してもよいし、それらの数を適宜追加してもよい。上記のような場合には、各基板処理ユニット、及び、各搬送処理ユニットの構成に合わせて、支援情報生成部302Aにおけるレシピ利用可能時間TRPWの算出方法を変更すればよい。また、各処理ユニットの構成に合わせて、学習用データ15及び学習モデル16における入力データ及び出力データのデータ構成を変更すればよい。
【0136】
上記実施形態では、機械学習部305による機械学習を実現する学習モデルとして、ニューラルネットワークを採用した場合について説明したが、他の機械学習のモデルを採用してもよい。他の機械学習のモデルとしては、例えば、決定木、回帰木等のツリー型、バギング、ブースティング等のアンサンブル学習、再帰型ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、LSTM等のニューラルネット型(ディープラーニングを含
む)、階層型クラスタリング、非階層型クラスタリング、k近傍法、k平均法等のクラス
タリング型、主成分分析、因子分析、ロジスティク回帰等の多変量解析、サポートベクターマシン等が挙げられる。また、機械学習部305による機械学習アルゴリズムは、教師あり学習に代えて、強化学習を採用するようにしてもよい。
【0137】
(機械学習プログラム及び情報処理プログラム)
本発明は、情報処理装置3A、3Bが備える各部としてコンピュータ900を機能させるためのプログラム(情報処理プログラム)や、上記実施形態に係る情報処理方法が備え
る各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラム(情報処理プログラム)の態様で提供することもできる。また、また、本発明は、機械学習装置5が備える各部としてコンピュータ900を機能させるプログラム(機械学習プログラム)や、機械学習方法が備える各工程をコンピュータ900に実行させるためのプログラム(機械学習プログラム)の態様で提供することもできる。
【0138】
(推論装置、推論方法及び推論プログラム)
本発明は、上記実施形態に係る情報処理装置3A、3B(情報処理方法又は情報処理プログラム)の態様によるもののみならず、基板処理装置の運転を支援する推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することもできる。その場合、推論装置(推論方法又は推論プログラム)としては、メモリと、プロセッサとを含み、このうちのプロセッサが、一連の処理を実行するものとすることができる。当該一連の処理とは、単位時間当たりの基板の目標処理枚数TWPHを受け付ける目標処理枚数受付処理(目標処理枚数受付工程)と、搬送処理情報11を含む装置情報10を取得する装置情報取得処理(装置情報取得工程)と、目標処理枚数受付処理にて目標処理枚数TWPHを受け付けて、装置情報取得処理にて装置情報10を取得すると、当該目標処理枚数TWPHと、当該装置情報10とに基づいて、レシピ利用可能時間TRPWを含む支援情報14を推論する推論処理(推論工程)とを含む。
【0139】
推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することで、情報処理装置を実装する場合に比して簡単に種々の装置への適用が可能となる。推論装置(推論方法又は推論プログラム)が支援情報を推論する際、上記実施形態に係る機械学習装置及び機械学習方法により生成された学習済みの学習モデルを用いて、支援情報生成部が実施する推論手法を適用してもよいことは、当業者にとって当然に理解され得るものである。
【符号の説明】
【0140】
1…基板処理システム、2…基板処理装置、3A、3B…情報処理装置、
5…機械学習装置、10…装置情報、11…搬送処理情報、12…装置設定情報、
13…レシピ情報、14…支援情報、15…学習用データ、16…学習モデル、
21…ロード/アンロード部、22…研磨部、22A~22D…研磨ユニット、
23…仕上げ部、24…基板搬送部、25…制御ユニット、
30…制御部、31…通信部、32、32A、32B…記憶部、
33…入力部、34…出力部、
211…供給排出ロボット220…研磨テーブル、221…トップリング、
222…研磨流体供給部、223…ドレッサ、224…アトマイザ、
230A~232A、230B~232B…仕上げユニット、
240…第1の搬送ユニット、241A、241B…第2の搬送ユニット、
242A、242B…第3の搬送ユニット、243…移送ロボット、
250…制御部、251…通信部、252…入力部、
253…出力部、254…記憶部、
300…目標処理枚数受付部、301…装置情報取得部、
302A、302B…支援情報生成部、303…出力処理部、
304…学習用データ取得部、305…機械学習部
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