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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149364
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 63/00 20230101AFI20241010BHJP
   H10N 70/20 20230101ALI20241010BHJP
   H10B 63/10 20230101ALI20241010BHJP
   G11C 13/00 20060101ALI20241010BHJP
【FI】
H10B63/00
H10N70/20
H10B63/10
G11C13/00 215
G11C13/00 270C
G11C13/00 270F
G11C13/00 480D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211060
(22)【出願日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2023-0045425
(32)【優先日】2023-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジョン ファン
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FZ10
5F083GA11
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA04
5F083LA05
5F083LA12
5F083LA16
(57)【要約】
【課題】メモリセルの動作フェイルを減少及び/又は防止できる半導体装置を提供すること。
【解決手段】本実施形態の半導体装置は、第1の方向に延びる複数の第1の導電ライン、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の導電ライン、及び前記複数の第1の導電ラインと前記複数の第2の導電ラインとの間でこれらの交差領域に配置される複数のメモリセルを備えるメモリセルアレイと、前記複数の第1の導電ラインと連結されて、これらを駆動する第1の駆動部と、前記複数の第2の導電ラインと連結されて、これらを駆動する第2の駆動部と、前記第1の駆動部と前記複数の第1の導電ラインとの間で、前記複数の第1の導電ラインの各々と直列に連結される複数の第1の抵抗体と、前記第1の駆動部と前記複数の第1の導電ラインとの間で、前記複数の第1の抵抗体の各々と並列に連結される第1のスイッチング素子とを備えることができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延びる複数の第1の導電ライン、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の導電ライン、及び前記複数の第1の導電ラインと前記複数の第2の導電ラインとの間でこれらの交差領域に配置される複数のメモリセルを備えるメモリセルアレイと、
前記複数の第1の導電ラインと連結されて、これらを駆動する第1の駆動部と、
前記複数の第2の導電ラインと連結されて、これらを駆動する第2の駆動部と、
前記第1の駆動部と前記複数の第1の導電ラインとの間で、前記複数の第1の導電ラインの各々と直列に連結される複数の第1の抵抗体と、
前記第1の駆動部と前記複数の第1の導電ラインとの間で、前記複数の第1の抵抗体の各々と並列に連結される第1のスイッチング素子と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
前記複数のメモリセルのうち、選択されたメモリセルに対する書き込み動作の際、前記複数の第1の導電ラインのうち、選択された第1の導電ラインに連結された前記第1のスイッチング素子がターンオンされ、
前記選択されたメモリセルに対する読み出し動作の際、前記選択された第1の導電ラインに連結された前記第1のスイッチング素子がターンオフされる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数のメモリセルの各々は、セレクタ層を備え、
前記書き込み動作の際、前記選択されたメモリセルの前記セレクタ層のホールド電流は、前記読み出し動作の際、前記選択されたメモリセルの前記セレクタ層のホールド電流より大きい請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記書き込み動作の際、前記選択されたメモリセルは、前記第1の抵抗体と遮断され、
前記読み出し動作の際、前記選択されたメモリセルは、前記第1の抵抗体に連結される請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記書き込み動作の際、前記選択されたメモリセルを流れる書き込み電流は、前記読み出し動作の際、前記選択されたメモリセルを流れる読み出し電流より大きい請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記書き込み動作及び前記読み出し動作の際、前記複数の第1の導電ラインのうち、選択されなかった第1の導電ラインに連結された前記第1のスイッチング素子は、ターンオンされる請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の抵抗体は、前記第1の導電ラインの抵抗より小さい抵抗を有する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2の駆動部と前記複数の第2の導電ラインとの間で、前記複数の第2の導電ラインの各々と直列に連結される複数の第2の抵抗体と、
前記第2の駆動部と前記複数の第2の導電ラインとの間で、前記複数の第2の抵抗体の各々と並列に連結される第2のスイッチング素子と、
をさらに備える請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記複数のメモリセルのうち、選択されたメモリセルに対する書き込み動作の際、前記複数の第1の導電ラインのうち、選択された第1の導電ラインに連結された前記第1のスイッチング素子及び前記複数の第2の導電ラインのうち、選択された第2の導電ラインに連結された前記第2のスイッチング素子がターンオンされ、
前記選択されたメモリセルに対する読み出し動作の際、前記選択された第1の導電ラインに連結された前記第1のスイッチング素子及び前記選択された第2の導電ラインに連結された前記第2のスイッチング素子のうち、少なくとも1つがターンオフされる請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記複数のメモリセルの各々は、セレクタ層を備え、
前記書き込み動作の際、前記選択されたメモリセルの前記セレクタ層のホールド電流は、前記読み出し動作の際、前記選択されたメモリセルの前記セレクタ層のホールド電流より大きい請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記書き込み動作の際、前記選択されたメモリセルは、前記第1の抵抗体及び前記第2の抵抗体と遮断され、
前記読み出し動作の際、前記選択されたメモリセルは、前記第1の抵抗体及び前記第2の抵抗体のうち、少なくとも1つに連結される請求項9に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記書き込み動作の際、前記選択されたメモリセルを流れる書き込み電流は、前記読み出し動作の際、前記選択されたメモリセルを流れる読み出し電流より大きい請求項9に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記書き込み動作及び前記読み出し動作の際、前記複数の第1の導電ラインのうち、選択されなかった第1の導電ラインに連結された前記第1のスイッチング素子及び前記複数の第2の導電ラインのうち、選択されなかった第2の導電ラインに連結された前記第2のスイッチング素子は、ターンオンされる請求項9に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第2の抵抗体は、前記第2の導電ラインの抵抗より小さい抵抗を有する請求項8に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1のスイッチング素子は、動作モードによって選択的にターンオンまたはターンオフされる請求項1に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1及び第2のスイッチング素子は、動作モードによって選択的にターンオンまたはターンオフされる請求項8に記載の半導体装置。
【請求項17】
第1の方向に延びる複数の第1の導電ライン、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の導電ライン、及び前記複数の第1の導電ラインと前記複数の第2の導電ラインとの間でこれらの交差領域に配置され、各々がセレクタ層を備える複数のメモリセルを備えるメモリセルアレイと、
前記複数の第1の導電ラインのそれぞれの端部に動作モードによって選択的に連結される第1の抵抗体と、
を備える半導体装置。
【請求項18】
前記複数のメモリセルのうち、選択されたメモリセルに対する書き込み動作の際、前記第1の抵抗体は、前記複数の第1の導電ラインのうち、選択された第1の導電ラインと遮断され、
前記選択されたメモリセルに対する読み出し動作の際、前記第1の抵抗体は、前記選択された第1の導電ラインと連結される請求項17に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記複数の第2の導電ラインのそれぞれの端部に動作モードによって選択的に連結される第2の抵抗体をさらに備える請求項17に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記複数のメモリセルのうち、選択されたメモリセルに対する書き込み動作の際、前記第1の抵抗体は、前記複数の第1の導電ラインのうち、選択された第1の導電ラインと遮断され、前記第2の抵抗体は、前記複数の第2の導電ラインのうち、選択された第2の導電ラインと遮断され、
前記選択されたメモリセルに対する読み出し動作の際、前記第1の抵抗体が前記選択された第1の導電ラインと連結される第1の場合、前記第2の抵抗体が前記選択された第2の導電ラインと連結される第2の場合、及び前記第1の抵抗体が前記選択された第1の導電ラインと連結され、前記第2の抵抗体が前記選択された第2の導電ラインと連結される第3の場合のうち、いずれか1つが可能な請求項19に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体技術に関し、より詳細には、セレクタを備えるメモリセルを備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、低電力化、高性能化、多様化などによって、コンピュータ、携帯用通信機器など、様々な電子機器で情報を格納できる半導体装置が求められており、これについての研究が進められている。このような半導体装置では、印加される電圧または電流によって互いに異なる抵抗状態間でスイッチングする特性を利用してデータを格納できる半導体装置、例えば、RRAM(Resistive Random Access Memory)、PRAM(Phase-change Random Access Memory)、FRAM(登録商標)(Ferroelectric Random Access Memory)、MRAM(Magnetic Random Access Memory)、電子ヒューズ(E-fuse)などがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一実施形態等が解決しようとする課題は、メモリセルの動作フェイルを減少及び/又は防止できる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る半導体装置は、第1の方向に延びる複数の第1の導電ライン、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の導電ライン、及び前記複数の第1の導電ラインと前記複数の第2の導電ラインとの間でこれらの交差領域に配置される複数のメモリセルを備えるメモリセルアレイと、前記複数の第1の導電ラインと連結されて、これらを駆動する第1の駆動部と、前記複数の第2の導電ラインと連結されて、これらを駆動する第2の駆動部と、前記第1の駆動部と前記複数の第1の導電ラインとの間で、前記複数の第1の導電ラインの各々と直列に連結される複数の第1の抵抗体と、前記第1の駆動部と前記複数の第1の導電ラインとの間で、前記複数の第1の抵抗体の各々と並列に連結される第1のスイッチング素子とを備えることができる。
【0005】
また、前記課題を解決するための本発明の他の一実施形態に係る半導体装置は、第1の方向に延びる複数の第1の導電ライン、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の導電ライン、及び前記複数の第1の導電ラインと前記複数の第2の導電ラインとの間でこれらの交差領域に配置され、各々がセレクタ層を備える複数のメモリセルを備えるメモリセルアレイと、前記複数の第1の導電ラインのそれぞれの端部に動作モードによって選択的に連結される第1の抵抗体とを備えることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態等の半導体装置によれば、メモリセルの動作フェイルを減少及び/又は防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本発明の一実施形態に係る半導体装置を説明するための図である。
図1B図1Aの半導体装置のメモリセルアレイを説明するための斜視図である。
図2図1A及び図1Bのメモリセルに備えられたセレクタ層の動作を説明するための電流-電圧グラフである。
図3A図1A及び図1Bのメモリセルに備えられたセレクタ層の動作を説明するための電流-時間グラフである。
図3B図1A及び図1Bのメモリセルに備えられたセレクタ層の動作を説明するための電流-時間グラフである。
図4図1A及び図1Bのメモリセルのセレクタ層が抵抗体と連結された場合の動作を説明するための電流-電圧グラフである。
図5】本発明の他の一実施形態に係る半導体装置を説明するための図である。
図6A図5の半導体装置で選択されたメモリセルに対する書き込み動作を説明するための図である。
図6B図6Aの書き込み動作の際に選択されたメモリセルのセレクタ層の動作を説明するための電流-電圧グラフである。
図7A図5の半導体装置で選択されたメモリセルに対する読み出し動作を説明するための図である。
図7B図7Aの読み出し動作の際に選択されたメモリセルのセレクタ層の動作を説明するための電流-電圧グラフである。
図8】本発明の他の一実施形態に係る半導体装置を説明するための図である。
図9】本発明の他の一実施形態に係る半導体装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、添付された図面を参照して様々な実施形態が詳細に説明される。
【0009】
図面は、必ずしも一定の割合で図示されたものとはいえず、いくつかの例示において、実施形態等の特徴を明確に見せるために図面に示された構造物のうち、少なくとも一部の比例は誇張されることもできる。図面または詳細な説明に2つ以上の層を有する多層構造物が開示された場合、図示されたような層等の相対的な位置関係や配列順序は、特定実施形態を反映するだけであり、本発明がこれに限定されるものではなく、層等の相対的な位置関係や配列順序は変わることもできる。また、多層構造物の図面または詳細な説明は、特定多層構造物に存在する全ての層を反映しないこともできる(例えば、図示された2つの層の間に1つ以上の追加層が存在することもできる)。例えば、図面または詳細な説明の多層構造物において第1層が第2層上にあるか、または基板上にある場合、第1層が第2層上に直接形成されるか、または基板上に直接形成され得ることを表すだけでなく、1つ以上の他の層が第1層と第2層との間または第1層と基板との間に存在する場合も表すことができる。
【0010】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る半導体装置を説明するための図であり、図1Bは、図1Aの半導体装置のメモリセルアレイを説明するための斜視図である。
【0011】
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態の半導体装置は、第1の方向に延びながら互いに平行な複数の第1の導電ライン11、第1の方向と交差する第2の方向に延びながら互いに平行な複数の第2の導電ライン12、及び第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との交差点に配置されながら、第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との間に介在される複数のメモリセルMCを備えるメモリセルアレイMCA、複数の第1の導電ライン11に連結されて、これらを駆動するための第1の駆動部110、及び複数の第2の導電ライン12に連結されて、これらを駆動するための第2の駆動部120を備えることができる。
【0012】
第1の駆動部110は、アドレスに応答して複数の第1の導電ライン11のうち、いずれか1つを選択し、選択された第1の導電ライン11に求められる電圧または電流を供給できる。第2の駆動部120は、アドレスに応答して複数の第2の導電ライン12のうち、いずれか1つを選択し、選択された第2の導電ライン12に求められる電圧または電流を供給できる。これにより、選択された第1の導電ライン11及び選択された第2の導電ライン12に連結された、選択されたメモリセルMCに求められる電圧または電流が供給され、メモリセルMCの種々の動作が可能でありうる。第1の導電ライン11及び第2の導電ライン12が各々ワードライン及びビットラインとして機能する場合、第1の駆動部110及び第2の駆動部120は、各々ワードライン駆動部及びビットライン駆動部に該当することができる。または、第1の導電ライン11及び第2の導電ライン12が各々ビットライン及びワードラインとして機能する場合、第1の駆動部110及び第2の駆動部120は、各々ビットライン駆動部及びワードライン駆動部に該当することができる。
【0013】
第1の導電ライン11及び第2の導電ライン12は、メモリセルMCの両端と各々接続することができる。本実施形態では、第1の導電ライン11と第2の導電ライン12とが垂直方向で互いに離間しながら第1の導電ライン11が第2の導電ライン12の下に配置されるが、本開示がこれに限定されるものではない。第1の導電ライン11と第2の導電ライン12とは、第1の方向及び第2の方向と交差する第3の方向で互いに離間し、メモリセルMCがこのような離間空間に介在さえすれば、第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との間の位置関係は、様々に変形されることができる。例えば、第1の導電ライン11が第2の導電ライン12の上に配置されるか、または、図1Bに示されたこととは異なり、第1の導電ライン11及び第2の導電ライン12は、垂直方向に延びながら水平方向で互いに離間することもできる。第1の導電ライン11及び第2の導電ライン12のうち、いずれか1つは、ワードラインとして機能し、他の1つは、ビットラインとして機能することができる。第1の導電ライン11及び第2の導電ライン12は、各々様々な導電物質、例えば、白金(Pt)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)などの金属、チタニウム窒化物(TiN)、タンタル窒化物(TaN)などの金属窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0014】
メモリセルMCは、第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との間でこれらの交差領域と各々重なるように柱状を有することができる。本実施形態においてメモリセルMCは、平面が円状を有することができる。しかし、本開示がこれに限定されるものではなく、メモリセルMCの平面形状は、四角形、楕円形などに様々に変形されることができる。例えば、メモリセルMCは、第1の導電ライン11及び第2の導電ライン12とともにパターニングされて、第1の方向の両側壁が第2の導電ライン12と整列され、第2の方向の両側壁が第1の導電ライン11と整列される四角柱状を有することもできる。
【0015】
メモリセルMCは、実質的にデータが格納される部分であるメモリ部MU、及びメモリ部MUへの接近(access)を制御する選択素子部SUを備えることができる。一例として、メモリセルMCは、下部電極層13、セレクタ層14、中間電極層15、可変抵抗層16、及び上部電極層17の積層構造物を備えることができる。ここで、選択素子部SUは、下部電極層13、セレクタ層14、及び中間電極層15を備えることができ、メモリ部MUは、中間電極層15、可変抵抗層16、及び上部電極層17を備えることができる。中間電極層15は、選択素子部SUとメモリ部MUとに共有されることができる。
【0016】
下部電極層13及び上部電極層17は、メモリセルMCの両端、例えば、下端及び上端に各々位置し、メモリセルMCの動作に必要な電圧または電流を伝達する機能をすることができる。中間電極層15は、セレクタ層14と可変抵抗層16とを物理的に分離しながら電気的に連結させる機能をすることができる。下部電極層13、中間電極層15、または上部電極層17は、様々な導電物質、例えば、白金(Pt)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、チタニウム(Ti)などの金属、チタニウム窒化物(TiN)、タンタル窒化物(TaN)などの金属窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。または、下部電極層13、中間電極層15、または上部電極層17は、炭素電極を備えることもできる。
【0017】
セレクタ層14は、第1の導電ライン11または第2の導電ライン12を共有するメモリセルMCの間で発生しうる電流漏れを防止する機能をすることができる。このために、セレクタ層14は、その上端及び下端に供給される電圧のサイズが所定閾値電圧未満である場合、電流を遮断するか、電流をほとんど流さず、この閾値電圧以上で急に電流を流す閾値スイッチング(threshold switching)特性を有することができる。セレクタ層14は、ダイオード、カルコゲナイド系物質などのようなOTS(Ovonic Threshold Switching)物質、金属含有カルコゲナイド系物質などのようなMIEC(Mixed Ionic Electronic Conducting)物質、NbO、VOなどのようなMIT(Metal Insulator Transition)物質、またはSiO、Alなどのように相対的に広いバンドギャップを有するトンネリング絶縁物質などを含むことができる。または、セレクタ層14は、ドーパントがドーピングされた絶縁物質を含むことができる。ここで、絶縁物質は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物などのようなシリコン含有絶縁物質、絶縁性の金属酸化物、絶縁性の金属窒化物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。ドーパントは、絶縁物質内で移動する伝導性キャリアを捕獲するか、捕獲された伝導性キャリアが再度移動する通路を提供するトラップサイトを生成する役割をすることができる。このようなトラップサイト形成のために、絶縁物質内で伝導性キャリアを収容できるエネルギー準位生成が可能な様々な元素がドーパントとして用いられ得る。一例として、絶縁物質がシリコンを含有する場合、ドーパントは、シリコンと相違した原子価を有する金属、例えば、ガリウム(Ga)、ボロン(B)、インジウム(In)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)、ゲルマニウム(Ge)、炭素(C)、タングステン(W)、またはこれらの組み合わせを含むことができる。または、絶縁物質が金属を含有する場合、ドーパントは、この金属と相違した原子価を有する金属、シリコンなどを含むことができる。一例として、セレクタ層14は、ヒ素(As)がドーピングされた二酸化ケイ素(SiO)を含むことができる。ドーパントがドーピングされた絶縁物質を含むセレクタ層14に閾値電圧以上の電圧が印加される場合、伝導性キャリアがトラップサイトを介して移動することにより、セレクタ層14を介して電流が流れるオン状態が実現され得るし、セレクタ層14に印加される電圧を閾値電圧未満に減少させる場合、伝導性キャリアが移動せず、電流が流れないオフ状態が実現され得る。
【0018】
可変抵抗層16は、メモリセルMCでデータを格納する機能をする部分であることができる。このために、可変抵抗層16は、印加される電圧によって互いに異なる抵抗状態間でスイッチングすることで、互いに異なるデータを格納することができる。可変抵抗層16は、RRAM、PRAM、FRAM(登録商標)、MRAMなどに用いられる様々な物質、例えば、転移金属酸化物、ペロブスカイト(perovskite)系物質などのような金属酸化物、カルコゲナイド(chalcogenide)系物質などのような相変化物質、強誘電物質、強磁性物質などを含む単一膜構造または多重膜構造を有することができる。
【0019】
しかし、メモリセルMCの層構造がこれに限定されるものではなく、膜の積層順序が変わるか、積層される膜の少なくとも一部が省略され得る。一例として、下部電極層13、中間電極層15、及び上部電極層17のうち、1つ以上の層が省略されるか、または、セレクタ層14と可変抵抗層16との位置が互いに変わることもできる。または、一例として、メモリセルMCは、工程改善や特性向上のための1つ以上の層(図示せず)をさらに備えることもできる。または、可変抵抗層16の代わりに、両端に印加される電圧または電流によって互いに異なるデータ格納が可能な他のデータ格納層が利用され得る。
【0020】
図2は、図1A及び図1Bのメモリセルに備えられたセレクタ層の動作を説明するための電流-電圧グラフである。
【0021】
図2に示すように、セレクタ層に印加される電圧が次第に増加して閾値電圧Vthに到達すれば、セレクタ層がターンオンされながら急な電流流れが発生しうる。
セレクタ層が一応ターンオンされた後には、セレクタ層は、閾値電圧Vthより所定程度低い電圧下でもオン状態を維持できる。しかし、セレクタ層に印加される電圧がオン状態を維持できる限界未満に低くなると、セレクタ層が再度ターンオフされ得る。セレクタ層がターンオフされる時点に流れる電流をホールド電流Iholdといえる。言い換えれば、ホールド電流Iholdは、セレクタ層がオン状態を維持するのに必要な最小限の電流を意味しうる。
【0022】
一方、メモリセルにデータを格納する動作、例えば、可変抵抗層の抵抗状態を変える動作を書き込みwrite動作といい、メモリセルに格納されたデータを読む動作、例えば、可変抵抗層の抵抗状態を読む動作を読み出しread動作といえる。また、書き込み動作のためにメモリセルに書き込み電圧印加の際、メモリセルに流れる電流を書き込み電流Iwriteといい、読み出し動作のためにメモリセルに読み出し電圧印加の際、メモリセルに流れる電流を読み出し電流Ireadといえる。
【0023】
このとき、書き込み電流Iwriteまたは読み出し電流Ireadがホールド電流Iholdより大きい場合(破線1参照)には、当該書き込み電流Iwriteまたは読み出し電流Ireadでセレクタ層がオン状態を維持できる。それに対し、書き込み電流Iwriteまたは読み出し電流Ireadがホールド電流Iholdより小さい場合(破線2参照)には、当該書き込み電流Iwriteまたは読み出し電流Ireadでセレクタ層がオン状態とオフ状態との間を繰り返すオシレーション(oscillation)現象が発生しうる。これについては、図3A及び図3Bに示した。
【0024】
図3A及び図3Bは、図1A及び図1Bのメモリセルに備えられたセレクタ層の動作を説明するための電流-時間グラフであって、図3Aは、書き込み電流または読み出し電流がホールド電流より大きい場合を示し、図3Bは、書き込み電流または読み出し電流がホールド電流より小さい場合を示す。
【0025】
図3Aに示すように、セレクタ層のオン状態が維持されて、セレクタ層を流れる電流が実質的に一定に維持されることが分かる。
【0026】
それに対し、図3Bに示すように、セレクタ層を流れる電流が急に変動されて、セレクタ層がオン状態とオフ状態との間を繰り返すことが分かる。このような場合、安定的な書き込み動作及び読み出し動作が不可能でありうる。
【0027】
したがって、ホールド電流を書き込み電流及び読み出し電流より下げる技術の開発が求められる。
【0028】
一例として、セレクタ層が抵抗体と連結されれば、セレクタ層のホールド電流が減少することにより、書き込み電流及び読み出し電流よりホールド電流を下げることができる。セレクタ層が抵抗体と連結された場合の動作は、図4を参照して説明する。
【0029】
図4は、図1A及び図1Bのメモリセルのセレクタ層が抵抗体と連結された場合の動作を説明するための電流-電圧グラフである。説明の都合上、図2のグラフを本図4に点線で共に図示した。
【0030】
図4に示すように、セレクタ層が抵抗体と連結された場合、セレクタ層のオン状態でセレクタ層を介して流れる電流(以下、オン電流)が全体的に図2のグラフに比べて下向きになることができる。その理由は、電圧分配効果(voltage divider effect)によりセレクタ層のターンオンの際に発生するオーバーシューティング(overshooting)電流が減少してセレクタ層内の伝導性経路のサイズ及び/又は幅が減少するためである。伝導性経路のサイズ及び/又は幅が減少すれば、セレクタ層の伝導性経路維持に必要な最小限の電流であるホールド電流も減少することができる。その結果、抵抗体と連結されたセレクタ層のホールド電流Ihold’は、図2のグラフのホールド電流Iholdより下向きになることができる(矢印a参照)。このような場合、書き込み電流Iwriteまたは読み出し電流Ireadが相対的に大きい場合(破線1参照)だけでなく、書き込み電流Iwriteまたは読み出し電流Ireadが相対的に小さい場合(破線2参照)でも、ホールド電流Ihold’が書き込み電流Iwriteまたは読み出し電流Ireadより小さいことができる。結果として、前述したオシレーション現象が防止され得る。
【0031】
しかし、セレクタ層が抵抗体と連結された場合、セレクタ層のオン電流も図2のグラフに比べて下向きになるため(矢印b参照)、メモリセルに十分な電流を供給できないという問題が生じうる。特に、一般に、書き込み電流Iwriteが読み出し電流Ireadより大きいため、書き込み電流の供給が難しく、書き込み動作のフェイル(fail)が発生しうる。
【0032】
以下では、セレクタ層のオシレーション現象を防止及び/又は減少させつつも、書き込み動作のフェイルを防止及び/又は減少させることができる半導体装置に関して説明する。
【0033】
図5は、本発明の他の一実施形態に係る半導体装置を説明するための図である。前述した図1A及び図1Bの半導体装置と実質的に同じ構成要素については、同じ図面符号を使用し、その詳細な説明を省略する。
【0034】
図5に示すように、本実施形態の半導体装置は、第1の方向に延びながら互いに平行な複数の第1の導電ライン11、第1の方向と交差する第2の方向に延びながら互いに平行な複数の第2の導電ライン12、及び第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との交差点に配置されながら、第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との間に介在される複数のメモリセルMCを備えるメモリセルアレイMCA、複数の第1の導電ライン11に連結されて、これらを駆動するための第1の駆動部110、複数の第2の導電ライン12に連結されて、これらを駆動するための第2の駆動部120、複数の第1の導電ライン11と第1の駆動部110との間で複数の第1の導電ライン11の各々と直列に連結される複数の抵抗体R、及び複数の第1の導電ライン11と第1の駆動部110との間で複数の抵抗体Rの各々と並列に連結される複数のスイッチング素子SWを備えることができる。
【0035】
ここで、抵抗体Rは、実質的に固定された抵抗値を有することができ、抵抗体Rの抵抗は、第1の導電ライン11の抵抗より大きいことができる。一例として、抵抗体Rは、金属、金属合金などのような導電物質、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸化窒化物などのようなシリコン含有絶縁物質、絶縁性の金属酸化物、絶縁性の金属窒化物などを含むことができる。抵抗体Rが導電物質を含む場合、第1の導電ライン11より高い抵抗を有する導電物質を含むことができる。一例として、第1の導電ライン11がタングステン(W)を含む場合、抵抗体Rは、チタニウム窒化物(TiN)またはタングステンシリコン窒化物(WSiN)を含むことができる。抵抗体Rが絶縁物質を含む場合、抵抗体Rは、数Åないし数十Åの薄い厚みを有することにより、メモリセルMCの動作電圧で電流を流すことができる絶縁物質を含むことができる。しかし、本開示がこれに限定されるものではなく、第1の導電ライン11より高い抵抗を有する様々な物質が抵抗体Rとして用いられ得る。
【0036】
スイッチング素子SWは、抵抗体Rと並列連結されることができる。すなわち、スイッチング素子SWの一端子は、第1の導電ライン11の端部と抵抗体Rの一端子との間に連結され、スイッチング素子SWの他端子は、抵抗体Rの他端子と第1の駆動部110との間に連結されることができる。スイッチング素子SWは、半導体装置の動作によって選択的にターンオンまたはターンオフされることができる様々な素子を備えることができる。例えば、スイッチング素子SWは、トランジスタ、ダイオードなどを含むことができる。
【0037】
このような半導体装置において、スイッチング素子SWがターンオフされれば、第1の導電ライン11は、抵抗体Rと直列連結されることができ、抵抗体Rを介して第1の駆動部110に連結されることができる。これにより、第1の駆動部110を介して供給される電圧または電流は、抵抗体Rを経由して第1の導電ライン11に伝達されることができる。その結果、第1の導電ライン11に連結されたメモリセルMCのセレクタ層が抵抗体Rと連結されたことと同じ効果が発生しうる。言い換えれば、第1の導電ライン11に連結されたメモリセルMCのセレクタ層のホールド電流が減少しうる。
【0038】
それに対し、スイッチング素子SWがターンオンされれば、第1の導電ライン11は、抵抗体Rと遮断され、スイッチング素子SWを介して第1の駆動部110に連結されることができる。これにより、第1の駆動部110を介して供給される電圧または電流は、スイッチング素子SWを経由して第1の導電ライン11に伝達されることができる。その結果、第1の導電ライン11に連結されたメモリセルMCのセレクタ層は、抵抗体Rに連結されなかったことと同じ効果が発生しうる。言い換えれば、第1の導電ライン11に連結されたメモリセルMCのセレクタ層のホールド電流は、実質的に維持されることができる。
【0039】
要約すれば、スイッチング素子SWがターンオフされた場合のセレクタ層のホールド電流は、スイッチング素子SWがターンオンされた場合のセレクタ層のホールド電流より減少することができる。
【0040】
本実施形態では、半導体装置の動作モードによって選択的にスイッチング素子SWをターンオンまたはターンオフさせることにより、セレクタ層のホールド電流を可変させることができる。これについては、図6A図7Bを参照して例示的に説明する。
【0041】
図6Aは、図5の半導体装置で選択されたメモリセルに対する書き込み動作を説明するための図であり、図6Bは、図6Aの書き込み動作の際に選択されたメモリセルのセレクタ層の動作を説明するための電流-電圧グラフである。
【0042】
図6Aに示すように、選択された第1の導電ライン11及び選択された第2の導電ライン12に連結されたメモリセルMCを選択メモリセルSELと呼ぶことにする。一例として、最も上側の第1の導電ライン11が、選択された第1の導電ライン11であり、最も左側の第2の導電ライン12が、選択された第2の導電ライン12であると呼び、後続説明を進める。選択メモリセルSELに対する書き込み動作の際、最も上側の第1の導電ライン11及び最も左側の第2の導電ライン12を介して書き込み電圧が印加され得る。一例として、最も上側の第1の導電ライン11に書き込み電圧の1/2に該当する電圧が印加され、最も左側の第2の導電ライン12に書き込み電圧の1/2に該当する電圧が印加されることで、選択メモリセルMCに書き込み電圧が印加され得る。残りの第1の導電ライン11及び残りの第2の導電ライン12にはグランド電圧が印加されて、残りのメモリセルMCに対する書き込み動作は行われないことができる。
【0043】
このとき、最も上側の第1の導電ライン11に連結されたスイッチング素子SWは、ターンオンされることができる。それにより、第1の駆動部110と最も上側の第1の導電ライン11との間には、スイッチング素子SWを経由する電流流れが発生しうる。このような場合、最も上側の第1の導電ライン11に連結された、選択されたメモリセルSELのセレクタ層は、抵抗体Rに連結されないので、そのホールド電流は、維持されることができる。
【0044】
残りの第1の導電ライン11に連結されたスイッチング素子SWもターンオンされることができる。選択されなかった残りの第1の導電ライン11にグランド電圧を供給するためである。
【0045】
図6Bに示すように、選択されたメモリセルが抵抗体と連結されなかった状態であるため、図2のグラフと類似した電流-電圧特性を見せることができる。すなわち、相対的に大きい第1のホールド電流Ihold1及びオン電流を見せることができる。
【0046】
書き込み電流Iwriteは、一般的に大きい値、例えば、読み出し電流より大きい値を有するので、ホールド電流を減少させなくとも、ホールド電流より大きい値を有することができる。すなわち、書き込み電流Iwriteは、第1のホールド電流Ihold1より大きい値を有することができる。このため、選択されたメモリセルに対する書き込み動作の際、セレクタ層のオシレーション現象が防止及び/又は減少されることができる。さらに、セレクタ層のオン電流が減少しないので、書き込み動作のフェイルも防止及び/又は減少されることができる。
【0047】
図7Aは、図5の半導体装置で選択されたメモリセルに対する読み出し動作を説明するための図であり、図7Bは、図7Aの読み出し動作の際に選択されたメモリセルのセレクタ層の動作を説明するための電流-電圧グラフである。
【0048】
図7Aに示すように、最も上側の第1の導電ライン11と最も左側の第2の導電ライン12とに連結されたメモリセルMCを選択メモリセルSELと呼ぶことにする。選択メモリセルSELに対する読み出し動作の際、最も上側の第1の導電ライン11及び最も左側の第2の導電ライン12を介して読み出し電圧が印加され得る。一例として、最も上側の第1の導電ライン11に読み出し電圧の1/2に該当する電圧が印加され、最も左側の第2の導電ライン12に読み出し電圧の1/2に該当する電圧が印加されることで、選択メモリセルMCに読み出し電圧が印加され得る。残りの第1の導電ライン11及び残りの第2の導電ライン12にはグランド電圧が印加されて、残りのメモリセルMCに対する読み出し動作は行われないことができる。
【0049】
このとき、最も上側の第1の導電ライン11に連結されたスイッチング素子SWは、ターンオフされることができる。それにより、第1の駆動部110と最も上側の第1の導電ライン11との間には、抵抗体Rを経由する電流流れが発生しうる。このような場合、最も上側の第1の導電ライン11に連結された、選択されたメモリセルSELのセレクタ層は、抵抗体Rに連結されるので、そのホールド電流は、減少することができる。
【0050】
残りの第1の導電ライン11に連結されたスイッチング素子SWは、ターンオンされることができる。選択されなかった残りの第1の導電ライン11にグランド電圧を供給するためである。
【0051】
図7Bに示すように、選択されたメモリセルが抵抗体と連結された状態であるので、図4のグラフと類似した電流-電圧特性を見せることができる。すなわち、相対的に小さい第2のホールド電流Ihold2及びオン電流を見せることができる。
【0052】
読み出し電流Ireadは、一般的に小さい値、例えば、書き込み電流より小さい値を有するので、ホールド電流が減少されなければ、ホールド電流より小さい値を有しやすい。例えば、読み出し電流Ireadは、前述した第1のホールド電流Ihold1より小さい値を有することができる。しかし、選択されたメモリセルが抵抗体と連結されて、選択されたメモリセルのセレクタ層が第1のホールド電流Ihold1より小さい第2のホールド電流Ihold2を有するので、読み出し電流Ireadが第2のホールド電流Ihold2より大きい値を有することができる。このため、選択されたメモリセルに対する読み出し動作の際、セレクタ層のオシレーション現象が防止及び/又は減少されることができる。さらに、読み出し電流Ireadは、相対的に小さい値、例えば、書き込み電流Iwriteより小さい値を有するので、セレクタ層のオン電流が減少しても、読み出し動作のフェイルは発生しないことができる。
【0053】
一方、上記の実施形態では、抵抗体R及びスイッチング素子SWが第1の導電ライン11に連結される場合について説明したが、本開示がこれに限定されるものではない。抵抗体R及びスイッチング素子SWは、第2の導電ライン12に連結されるか、または、第1の導電ライン11及び第2の導電ライン12に共に連結されることもできる。これについては、図8及び図9を参照して説明する。
【0054】
図8は、本発明の他の一実施形態に係る半導体装置を説明するための図である。前述した図5の半導体装置及びその動作との差を中心に説明する。
【0055】
図8に示すように、本実施形態の半導体装置は、第1の方向に延びながら互いに平行な複数の第1の導電ライン11、第1の方向と交差する第2の方向に延びながら互いに平行な複数の第2の導電ライン12、及び第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との交差点に配置されながら、第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との間に介在される複数のメモリセルMCを備えるメモリセルアレイMCA、複数の第1の導電ライン11に連結されて、これらを駆動するための第1の駆動部110、複数の第2の導電ライン12に連結されて、これらを駆動するための第2の駆動部120、複数の第2の導電ライン12と第2の駆動部120との間で複数の第2の導電ライン12の各々と直列に連結される複数の抵抗体R、及び複数の第2の導電ライン12と第2の駆動部120との間で複数の抵抗体Rの各々と並列に連結される複数のスイッチング素子SWを備えることができる。
【0056】
このような半導体装置において、スイッチング素子SWがターンオフされれば、第2の導電ライン12は、抵抗体Rと直列連結されることができ、抵抗体Rを介して第2の駆動部120に連結されることができる。これにより、第2の駆動部120を介して供給される電圧または電流は、抵抗体Rを経由して第2の導電ライン12に伝達されることができる。その結果、第2の導電ライン12に連結されたメモリセルMCのセレクタ層が抵抗体Rと連結されたことと同じ効果が発生しうる。言い換えれば、第2の導電ライン12に連結されたメモリセルMCのセレクタ層のホールド電流が減少しうる。
【0057】
それに対し、スイッチング素子SWがターンオンされれば、第2の導電ライン12は、抵抗体Rと遮断され、スイッチング素子SWを介して第2の駆動部120に連結されることができる。これにより、第2の駆動部120を介して供給される電圧または電流は、スイッチング素子SWを経由して第2の導電ライン12に伝達されることができる。その結果、第2の導電ライン12に連結されたメモリセルMCのセレクタ層は、抵抗体Rに連結されなかったことと同じ効果が発生しうる。言い換えれば、第2の導電ライン12に連結されたメモリセルMCのセレクタ層のホールド電流は、実質的に維持されることができる。
【0058】
選択されたメモリセルMCに対する書き込み動作の際、選択された第2の導電ライン12に連結されたスイッチング素子SWは、ターンオンされることができる。このような場合、選択されたメモリセルMCのセレクタ層は、抵抗体Rに連結されないので、そのホールド電流は、維持されることができる。ホールド電流が維持されても、書き込み電流がホールド電流より大きくなりやすいので、正常な書き込み動作が行われ得る。残りの選択されなかった第2の導電ライン12に連結されたスイッチング素子SWは、ターンオンされることができる。
【0059】
それに対し、選択されたメモリセルMCに対する読み出し動作の際、選択された第2の導電ライン12に連結されたスイッチング素子SWは、ターンオフされることができる。このような場合、選択されたメモリセルMCのセレクタ層は、抵抗体Rに連結されるので、そのホールド電流は、減少することができる。読み出し電流が書き込み電流より小さくても、ホールド電流を減少させることにより、読み出し電流をホールド電流より大きくしやすいので、正常な読み出し動作が行われ得る。残りの選択されなかった第2の導電ライン12に連結されたスイッチング素子SWは、ターンオンされることができる。
【0060】
図9は、本発明の他の一実施形態に係る半導体装置を説明するための図である。前述した図5の半導体装置及びその動作との差を中心に説明する。
【0061】
図9に示すように、本実施形態の半導体装置は、第1の方向に延びながら互いに平行な複数の第1の導電ライン11、第1の方向と交差する第2の方向に延びながら互いに平行な複数の第2の導電ライン12、及び第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との交差点に配置されながら、第1の導電ライン11と第2の導電ライン12との間に介在される複数のメモリセルMCを備えるメモリセルアレイMCA、複数の第1の導電ライン11に連結されて、これらを駆動するための第1の駆動部110、複数の第2の導電ライン12に連結されて、これらを駆動するための第2の駆動部120、複数の第1の導電ライン11と第1の駆動部110との間で複数の第1の導電ライン11の各々と直列に連結される複数の第1の抵抗体R1、複数の第1の導電ライン11と第1の駆動部110との間で複数の第1の抵抗体R1の各々と並列に連結される複数の第1のスイッチング素子SW1、複数の第2の導電ライン12と第2の駆動部120との間で複数の第2の導電ライン12の各々と直列に連結される複数の第2の抵抗体R2、及び複数の第2の導電ライン12と第2の駆動部120との間で複数の第2の抵抗体R2の各々と並列に連結される複数の第2のスイッチング素子SW2を備えることができる。
【0062】
このような半導体装置において、第1のスイッチング素子SW1がターンオフされれば、第1の導電ライン11は、第1の抵抗体R1と直列連結されることができ、第1の抵抗体R1を介して第1の駆動部110に連結されることができる。その結果、第1の導電ライン11に連結されたメモリセルMCのセレクタ層が第1の抵抗体R1と連結されたことと同じ効果、すなわち、ホールド電流減少が発生しうる。
【0063】
それに対し、第1のスイッチング素子SW1がターンオンされれば、第1の導電ライン11は、第1の抵抗体R1と遮断され、第1のスイッチング素子SW1を介して第1の駆動部110に連結されることができる。その結果、第1の導電ライン11に連結されたメモリセルMCのセレクタ層は、抵抗体Rに連結されなかったことと同じ効果、すなわち、ホールド電流維持が発生しうる。
【0064】
また、第2のスイッチング素子SW2がターンオフされれば、第2の導電ライン12は、第2の抵抗体R2と直列連結されることができ、第2の抵抗体R2を介して第2の駆動部120に連結されることができる。その結果、第2の導電ライン12に連結されたメモリセルMCのセレクタ層が第2の抵抗体R2と連結されたことと同じ効果、すなわち、ホールド電流減少が発生しうる。
【0065】
それに対し、第2のスイッチング素子SW2がターンオンされれば、第2の導電ライン12は、第2の抵抗体R2と遮断され、第2のスイッチング素子SW2を介して第2の駆動部120に連結されることができる。その結果、第2の導電ライン12に連結されたメモリセルMCのセレクタ層は、第2の抵抗体R2に連結されなかったことと同じ効果、すなわち、ホールド電流維持が発生しうる。
【0066】
選択されたメモリセルMCに対する書き込み動作の際、選択された第1の導電ライン11に連結された第1のスイッチング素子SW1及び選択された第2の導電ライン12に連結された第2のスイッチング素子SW2は、ターンオンされることができる。このような場合、選択されたメモリセルMCのセレクタ層は、第1及び第2の抵抗体R1、R2に連結されないので、そのホールド電流は、維持されることができる。ホールド電流が維持されても、書き込み電流がホールド電流より大きくなりやすいので、正常な書き込み動作が行われ得る。残りの選択されなかった第1及び第2の導電ライン11、12に連結された第1及び第2のスイッチング素子SW1、SW2は、ターンオンされることができる。
【0067】
それに対し、選択されたメモリセルMCに対する読み出し動作の際、選択された第1の導電ライン11に連結された第1のスイッチング素子SW1及び選択された第2の導電ライン12に連結された第2のスイッチング素子SW2のうち、少なくとも1つがターンオフされ得る。言い換えれば、第1のスイッチング素子SW1のみターンオフされる第1の場合、第2のスイッチング素子SW2のみターンオフされる第2の場合、及び第1及び第2のスイッチング素子SW1、SW2が共にターンオフされる第3の場合のうち、いずれか1つが可能でありうる。いかなる場合であろうと、選択されたメモリセルMCのセレクタ層が第1及び第2の抵抗体R1、R2のうち、少なくとも1つに連結されるので、そのホールド電流は、減少することができる。読み出し電流が書き込み電流より小さくても、ホールド電流を減少させることにより、読み出し電流をホールド電流より大きくしやすいので、正常な読み出し動作が行われ得る。残りの選択されなかった第1及び第2の導電ライン11、12に連結された第1及び第2のスイッチング素子SW1、SW2は、ターンオンされることができる。
【0068】
一方、第1ないし第3の場合は、読み出し電流のサイズを考慮して選択的に行われることができる。第1の場合及び第2の場合に比べて、第3の場合にセレクタ層のホールド電流減少がより大きいことができる。したがって、読み出し電流が相対的に小さく、ホールド電流がさらに大きく減少される必要がある場合、第3の場合が行われ得る。それに対し、読み出し電流が相対的に大きく、ホールド電流がさらに小さく減少される必要がある場合、第1の場合及び第2の場合のうち、いずれか1つが行われ得る。
【0069】
本実施形態による場合、読み出し電流のサイズを考慮し、セレクタ層のホールド電流減少程度を調整できるので、読み出し動作をより精密に制御することができる。
【0070】
本発明の技術思想は、上記望ましい実施形態等によって具体的に記録されたが、上記した実施形態は、その説明のためのものであり、その制限のためのものでないことに注意しなければならない。また、本発明の技術分野における通常の専門家であれば、本発明の技術思想の範囲内で様々な実施形態が可能であることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0071】
MCA メモリセルアレイ
11 第1の導電ライン
12 第2の導電ライン
MC メモリセル
110 第1の駆動部
120 第2の駆動部
R 抵抗体
SW スイッチング素子
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9