(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024149766
(43)【公開日】2024-10-18
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びサーバ装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/86 20140101AFI20241010BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20241010BHJP
A63F 13/35 20140101ALI20241010BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/69
A63F13/35
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024134991
(22)【出願日】2024-08-13
(62)【分割の表示】P 2020182343の分割
【原出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】阿須名 孝次
(72)【発明者】
【氏名】南 清志
(72)【発明者】
【氏名】小倉 建一
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
(57)【要約】
【課題】観戦者が所望するプレーヤが参加する対戦ゲームを観戦者からの要求によって実現することが可能なゲームシステム等を提供すること。
【解決手段】ゲームシステムは、第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、対戦ゲームの観戦者からの設定部によって設定された組み合わせに対する要求を受け付け、観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、要求状況が所定条件を満たす場合に、第1のプレーヤ及び第2のプレーヤに対戦ゲームに関する情報を通知する通知部と、対戦ゲームを実行するゲーム制御部とを含む。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、
前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部とを含み、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが参加する前記対戦ゲームの実施が決定され、
前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部を更に含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、
前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部と、
前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部とを含み、
前記設定部は、
前記観戦者によって指定された前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項2において、
前記設定部は、
各プレーヤのプレーヤ情報に基づいて、前記組み合わせの候補を前記観戦者に提示し、提示された前記組み合わせの候補のうち前記観戦者によって指定された前記組み合わせを設定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、
前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部と、
前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部とを含み、
前記対戦ゲームに関する情報は、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが参加する前記対戦ゲームの実施を通知する情報と、前記対戦ゲームの対戦条件とを含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、
前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部と、
前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部とを含み、
前記通知部は、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記要求を受け付ける要求受付期間の終了後に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知し、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが前記対戦ゲームへの参加を承諾又は拒絶した場合に、その旨を前記観戦者に通知することを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項5において、
前記通知部は、
前記観戦者の要求状況に基づいて、前記観戦者に通知する内容を変更することを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項において、
前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが対戦するゲームであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項において、
前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤが属するチームと第3のプレーヤが対戦するゲームであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項1乃至6のいずれか1項において、
前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤが属するチームと前記第2のプレーヤが属するチームが対戦するゲームであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項において、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤは、ノンプレーヤキャラクタであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項において、
前記要求状況は、設定された前記組み合わせに対する投票数、設定された前記組み合わせに関して消費された対価の量、及び、設定された前記組み合わせに関して対価を消費した前記観戦者の人数の少なくとも1つであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項において、
前記判定部は、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤのプレーヤ情報に応じて前記所定条件を変更することを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
請求項2乃至6のいずれか1項において、
前記通知部は、
前記要求状況に基づいて前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤに付与する報酬の内容を決定し、決定した報酬の内容を前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに通知することを特徴とするゲームシステム。
【請求項14】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するサーバ装置であって、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、
前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する
要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部とを含み、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが参加する前記対戦ゲームの実施が決定され、
前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部を更に含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項15】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するサーバ装置であって、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、
前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部と、
前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部とを含み、
前記設定部は、
前記観戦者によって指定された前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定することを特徴とするサーバ装置。
【請求項16】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するサーバ装置であって、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、
前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部と、
前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部とを含み、
前記対戦ゲームに関する情報は、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが参加する前記対戦ゲームの実施を通知する情報と、前記対戦ゲームの対戦条件とを含むことを特徴とするサーバ装置。
【請求項17】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するサーバ装置であって、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、
前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部と、
前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部とを含み、
前記通知部は、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記要求を受け付ける要求受付期間の終了後に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知し、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが前記対戦ゲームへの参加を承諾又は拒絶した場合に、その旨を前記観戦者に通知することを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレーヤによってプレイされているゲームを非プレーヤ(観戦者)が観戦できるゲームにおいて、観戦者がプレーヤに対してアイテムをプレゼントすることができるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゲームシステムでは、観戦者が所望するプレーヤが参加する対戦ゲームを観戦者からの要求によって実現するような仕組みはなかった。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、観戦者が所望するプレーヤが参加する対戦ゲームを観戦者からの要求によって実現することが可能なゲームシステム及びサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定する設定部と、前記対戦ゲームの観戦者からの前記設定部によって設定された前記組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部と、前記対戦ゲームを実行するゲーム制御部とを含むことを特徴とするゲームシステムに関する。また本発明は、上記各部を含むサーバ装置に関する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。
【0007】
本発明によれば、対戦ゲームに参加する第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定し、当該組み合わせに対する要求を観戦者から受け付け、観戦者からの要求状況が所定条件を満たす場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤに対戦ゲームに関する情報を通知して対戦ゲームを実行することで、観戦者が所望する第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを観戦者からの要求によって実現することができる。
【0008】
(2)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが対戦するゲームであってもよい。
【0009】
本発明によれば、観戦者が所望する第1のプレーヤと第2のプレーヤが対戦する対戦ゲームを観戦者からの要求によって実現することができる。
【0010】
(3)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体で
は、前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤが属するチームと第3のプレーヤが対戦するゲームであってもよい。
【0011】
本発明によれば、観戦者が所望する第1のプレーヤ及び第2のプレーヤが属するチームと第3のプレーヤが対戦する対戦ゲームを観戦者からの要求によって実現することができる。
【0012】
(4)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤが属するチームと前記第2のプレーヤが属するチームが対戦するゲームであってもよい。
【0013】
本発明によれば、観戦者が所望する第1のプレーヤが属するチームと第2のプレーヤが属するチームが対戦する対戦ゲームを観戦者からの要求によって実現することができる。
【0014】
(5)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤは、ノンプレーヤキャラクタであってもよい。
【0015】
(6)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定部は、前記観戦者によって指定された前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせを設定してもよい。
【0016】
本発明によれば、観戦者によって指定された第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせに対する観戦者からの要求によって、観戦者が所望する第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実現することができる。
【0017】
(7)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定部は、各プレーヤのプレーヤ情報に基づいて、前記組み合わせの候補を前記観戦者に提示し、提示された前記組み合わせの候補のうち前記観戦者によって指定された前記組み合わせを設定してもよい。
【0018】
本発明によれば、観戦者が第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを指定する際の利便性を向上することができる。
【0019】
(8)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記要求状況は、設定された前記組み合わせに対する投票数、設定された前記組み合わせに関して消費された対価の量、及び、設定された前記組み合わせに関して対価を消費した前記観戦者の人数の少なくとも1つであってもよい。
【0020】
(9)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記判定部は、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤのプレーヤ情報に応じて前記所定条件を変更してもよい。
【0021】
本発明によれば、対戦ゲームを成立させる条件をプレーヤ情報に応じて適切に設定することができる。
【0022】
(10)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記対戦ゲームに関する情報は、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが参加する前記対戦ゲームの実施を通知する情報と、前記対戦ゲームの対戦条件とを含んでいてもよい。
【0023】
(11)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記通知部は、前記要求状況に基づいて前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤに付与する報酬の内容を決定し、決定した報酬の内容を前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに通知してもよい。
【0024】
本発明によれば、プレーヤに対して対戦ゲームに参加する動機を与えることができる。
【0025】
(12)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記通知部は、前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記要求を受け付ける要求受付期間の終了後に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知し、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが前記対戦ゲームへの参加を承諾又は拒絶した場合に、その旨を前記観戦者に通知してもよい。
【0026】
(13)また本発明に係るゲームシステム、サーバ装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記通知部は、前記観戦者の要求状況に基づいて、当該観戦者に通知する内容を変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】本実施形態のサーバの機能ブロック図の一例を示す図。
【
図3】本実施形態の端末の機能ブロック図の一例を示す図。
【
図4】第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定するための設定画面の一例を示す図。
【
図5】設定された組み合わせに投票するための投票画面の一例を示す図。
【
図6】設定された組み合わせに投票するための投票画面の一例を示す図。
【
図7】設定された組み合わせに対する要求状況を管理するためのテーブル情報の一例を示す図。
【
図8】対戦ゲームに関する情報を通知するための通知画面の一例を示す図。
【
図9】本実施形態のゲームシステムの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0029】
1.構成
図1は、本実施形態のゲームシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバシステム)とによって構成される。つまり、
図1に示すように、本実施形態のゲームシステムは、サービスを提供するサーバ20(サーバ装置)と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0030】
サーバ20は、端末10からの要求に応じてオンラインゲームサービスを提供する情報処理装置である。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、マッチングサーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0031】
本実施形態では、プレーヤの端末10においてゲームが実行され、サーバ20において、端末で実行されるゲームの進行制御処理や、プレーヤによりプレイされるゲームを観戦者に観戦させる(観戦者の端末10に当該ゲームの内容を表示させる)処理などが実行さ
れる。また、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム媒体(キャラクタ、アイテム等のゲーム媒体)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報が管理される。
【0032】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0033】
図2に、本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のサーバは
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0034】
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部200のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部270は、格納部272(例えばデータベース)を含む。
【0035】
格納部272は、本実施形態のゲームシステムで実行されるオンラインゲームに参加する(登録された)複数のプレーヤそれぞれのプレーヤ情報を格納する。例えば、格納部272は、複数のプレーヤそれぞれのプレーヤ識別情報(プレーヤIDや、プレーヤが使用する端末IDなど)に対応づけて、プレーヤ名(プレーヤアカウント)、パスワード、端末10の宛先情報(IPアドレス等)などを、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤとフレンド関係(所定の関係の一例)にある他のプレーヤを特定するための情報を、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤ識別情報に対応づけて、プレーヤが所有するゲーム媒体やゲーム内通貨に関する情報を、プレーヤ情報として格納する。また、格納部272は、プレーヤ識別情報に対応づけて、プレーヤの個人スケジュール(対戦可能な日時)や対戦成績、人気度などを、プレーヤ情報として格納する。
【0036】
通信部296は端末10や他のサーバとの間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0037】
処理部200(プロセッサ)は、端末10から送信され通信部296を介して受信したデータ、プログラムなどに基づいて、プレーヤ情報の管理、ログイン/ログアウトに関する処理、通信制御処理などの各種処理を行う。処理部200は記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部200は、設定部210と、判定部212と、通知部214と、観戦制御部216を含む。
【0038】
設定部210は、対戦ゲームに参加する第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定する。例えば、設定部210は、観戦者の端末10からの操作情報に基づいて、当該観戦者によって指定された第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定してもよい。この場合、登録された各プレーヤのプレーヤ情報(個人スケジュール、対戦成績、人気度など)に基づいて、第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせの候補を観戦者に提示し(観戦者の端末10の表示部に表示させ)、提示された候補のうち観戦者によって指定された第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定してもよい。設定部210によって設定された前記組み合わせは、後述する要求を受け付けるために観戦者に所定期間提示される。ここで、対戦ゲームは、第1のプレーヤと第2のプレーヤが対戦する
ゲームであってもよいし、第1のプレーヤ及び第2のプレーヤが属するチームと第3のプレーヤ(他のプレーヤ、NPCであってもよい)が対戦するゲームであってもよいし、第1のプレーヤが属するチームと第2のプレーヤが属するチームが対戦するゲームであってもよい。第1のプレーヤと第2のプレーヤの一方は、ノンプレーヤキャラクタ(NPC)であってもよい。また、対戦ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、音楽ゲーム、パズルゲーム、スポーツゲームなど、対戦の要素を含むゲームであればどのようなジャンルのゲームであってもよい。
【0039】
判定部212は、観戦者からの設定部210によって設定された前記組み合わせに対する要求(投票、対価(ゲーム内通貨、アイテム等)の消費を伴う投げ銭など)を受け付け、観戦者からの要求状況(投票数、投げ銭の総額(消費された対価の量)、投げ銭を行った観戦者の人数など)が所定条件を満たすか否かを判断する。また、判定部212は、第1のプレーヤと第2のプレーヤのプレーヤ情報に応じて所定条件を変更してもよい。
【0040】
通知部214は、観戦者からの要求状況が所定条件を満たす場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する(第1のプレーヤの端末10と第2のプレーヤの端末10に当該情報を送信する)。前記対戦ゲームに関する情報は、第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームの実施を通知する情報と、対戦ゲームの対戦条件(対戦ゲームを実施する日時、対戦ゲームに参加した際に獲得できる報酬、対戦ゲームで勝利した際に獲得できる報酬、対戦ゲームで敗北した際に獲得できる報酬、対戦ゲームのゲームタイトルなど)とを含む。また、通知部214は、観戦者からの要求状況に基づいて第1のプレーヤと第2のプレーヤに付与する報酬(ゲーム内通貨、アイテム等)の内容を決定して、決定した報酬の内容を対戦ゲームに関する情報(対戦条件)として通知してもよい。この場合、処理部200は、対戦ゲームの終了後に、通知部214で決定された内容の報酬を第1のプレーヤと第2のプレーヤに付与する。また、処理部200は、第1のプレーヤと第2のプレーヤが対戦ゲームへの参加を承諾又は拒絶した場合に、その旨を観戦者に通知してもよい。
【0041】
観戦制御部216は、観戦者に対して、第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加するプレイ中の対戦ゲームの内容の少なくとも一部を把握可能に提示する。例えば、観戦制御部216は、第1のプレーヤの端末10及び第2のプレーヤの端末10から送信されたプレーヤの操作情報やゲーム進行状況等に基づいて、前記対戦ゲームのゲーム画面を視聴するために必要な情報を随時生成して観戦者の端末10に送信する。
【0042】
図3に、本実施形態の端末10の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態の端末は
図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0043】
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作情報)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
【0044】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0045】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのディスプレイにより実現できる。
【0046】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0047】
通信部196はサーバ20や他の端末10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0048】
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0049】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作情報)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲームを進行させる処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。プレーヤの端末10の処理部100は、ゲーム制御部110、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0050】
ゲーム制御部110は、プレーヤの操作と、対戦ゲームに参加する他のプレーヤの操作(当該の他プレーヤの端末10からの操作情報)に基づいて対戦ゲームを実行する(対戦ゲームを進行させる制御を行う)。プレーヤの端末10のゲーム制御部110は、ゲームを開始した場合には、ゲームを開始したことを通知するための情報をサーバ20に送信し、ゲーム中においては、プレーヤの操作情報やゲーム進行状況を随時サーバ20に送信する。サーバ20は、対戦ゲームに参加する各プレーヤの端末10から送信された情報に基づいて、観戦制御処理や、各プレーヤに対応付けられた各種データの更新処理を行う。
【0051】
また、観戦者の端末10のゲーム制御部110は、観戦者の操作に基づいて、対戦ゲームに参加する第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを指定するための情報や、設定部210によって設定された前記組み合わせに対する要求(投票、投げ銭など)に関する情報をサーバ20に送信する。また、観戦者の端末10のゲーム制御部110は、前記対戦ゲームの観戦を開始することを通知(要求)するための情報をサーバ20に送信し、これに応じてサーバ20から送信された情報に基づいて、前記対戦ゲームのゲーム画面を表示部190に表示させる制御を行う。
【0052】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
【0053】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0054】
また、本実施形態のゲームシステムをサーバシステムとして構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、処理部100の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用デー
タとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。このように、ゲーム制御部110、設定部210、判定部212、通知部214及び観戦制御部216の処理を、全てサーバで実行するように構成してもよいし、全て端末で実行するように構成してもよいし、サーバと端末で分散して実行するように構成してもよい。本発明は、スマートフォンで実行されるゲームアプリ、家庭用ゲーム機用のゲームソフト、PC用のゲームソフト、スマートフォンやPC用のブラウザゲーム、業務用ゲーム機などに適用することができる。
【0055】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。本実施形態のゲームシステムは、対戦ゲームに参加する第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを観戦者が設定し、設定された当該組み合わせに対して他の観戦者が投票(要求)し、投票状況(要求状況)が所定条件を満たすと、当該組み合わせに係る対戦ゲームが実施されるように構成されている。以下では、主に、第1のプレーヤと第2のプレーヤが対戦する対戦ゲームを実施する場合について説明する。
【0056】
観戦者は、端末10からサーバ20にアクセスし、端末10の表示部190に表示される設定画面において、自身が所望する第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを指定することができる。例えば、観戦者は、設定画面において、まず、所望のプレーヤのプレーヤID等を入力したり、プレーヤのリスト(例えば、当該観戦者とフレンド関係にあるプレーヤのリスト、プレーヤのランキングのリスト、直近の対戦に参加したプレーヤのリスト)から所望のプレーヤを選択したりすることで、第1のプレーヤを指定する。観戦者が第1のプレーヤを指定すると、サーバ20において、登録された複数のプレーヤの中から、指定された第1のプレーヤの対戦相手となる第2のプレーヤの候補が決定(抽出)され、決定された候補が設定画面に表示される。
図4に示す例では、設定画面SIにおいて、観戦者が第1のプレーヤとしてプレーヤ「A」を指定した結果、プレーヤ「A」の対戦相手の候補CAとして、プレーヤ「B」、プレーヤ「D」、プレーヤ「E」等が決定されている。観戦者が、設定画面SIに表示された候補CAのうち、例えばプレーヤ「B」を選択して、設定ボタンSBを操作すると、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の組み合わせが設定され登録される。ここで、対戦相手の候補(組み合わせの候補)の決定は、各プレーヤのプレーヤ情報に基づいて行われる。例えば、指定されたプレーヤ「A」と他のプレーヤの個人スケジュール(プレーヤ自身が設定した参加可能な日時、空き時間)や対戦成績(例えば、過去の(或いは、直近の)対戦での勝敗数、勝率、対戦成績に基づくランク)や人気度(例えば、過去の対戦での観戦者数に基づくランク)を参照して、プレーヤ「A」と参加可能な日時が合致するプレーヤであって、プレーヤ「A」と対戦成績や人気度が同等のプレーヤをプレーヤ「A」の対戦相手の候補として決定(抽出)する。また、プレーヤのプレーヤ情報として、プレーヤが希望する報酬額(最低報酬額)が設定されている場合、プレーヤ「A」と最低報酬額が同等のプレーヤを優先して抽出してもよい。また、プレーヤのプレーヤ情報として、対戦ゲームへの参加率(対戦が成立した回数のうち実際に対戦に参加した回数の割合)が設定されている場合、参加率の高いプレーヤを優先して抽出してもよい。このようにすると、観戦者がプレーヤを検索する手間を省き利便性を高めることができる。なお、観戦者が、第1のプレーヤと第2のプレーヤの両方を直接指定するようにしてもよい。また、観戦者が、対戦ゲームに参加する第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせに加えて、第1のプレーヤ及び第2のプレーヤのそれぞれが当該対戦ゲームで使用するキャラクタや、当該対戦ゲームのゲームタイトルを指定できるようにしてもよい。
【0057】
第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせが設定されると、端末10の表示部19
0に表示される投票画面(観戦者からの投票を受け付ける画面)において、設定された組み合わせが所定期間表示される。
図5に示す例では、投票画面VIにおいて、設定された第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせとして、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」、プレーヤ「A」とプレーヤ「E」、プレーヤ「C」とプレーヤ「F」等が表示されている。投票画面VIには、各組み合わせに関連付けて、投票を行うための投票ボタンVBが表示される。観戦者が、いずれかの組み合わせに対応する投票ボタンVBを操作すると、当該組み合わせに対応付けて管理される投票数(要求状況の一例)が「1」だけ増加する。なお、設定された組み合わせを指定した観戦者が当該組み合わせに対して投票したと見做して、組み合わせが設定された段階で当該組み合わせの投票数が「1」となるようにしてもよい。また、観戦者が、当該観戦者と所定の関係(フレンド関係など)にあるプレーヤを含む組み合わせに投票した場合、所定の関係にないプレーヤを含む組み合わせに投票した場合よりも、投票数の増加量が大きくなるようにしてもよい。例えば、観戦者がプレーヤ「A」とプレーヤ「B」の組み合わせに投票したとき、当該観戦者がプレーヤ「A」とプレーヤ「B」のいずれとも所定の関係にない場合には、当該投票により当該組み合わせの投票数が「1」だけ増加し、当該観戦者がプレーヤ「A」とプレーヤ「B」のいずれかと所定の関係にある場合には、当該投票により当該組み合わせの投票数が「5」だけ増加するようにする。また、観戦者が、設定された組み合わせに投票する際に、当該組み合わせに係るプレーヤのうち観戦者が勝つと予想するいずれか一方のプレーヤに投票する(勝者を予想して投票する)ようにしてもよい。この場合、設定された組み合わせに係る一方のプレーヤを勝者として予想した投票数と他方のプレーヤを勝者として予想した投票数とを合算した値が当該組み合わせの投票数となる。
【0058】
また、観戦者が、設定された組み合わせに投票することに代えて(或いは、加えて)、設定された組み合わせに対して投げ銭を行えるようにしてもよい。例えば、投票画面VIにおいて、観戦者がいずれかの組み合わせに対応する投票ボタンVBを操作すると、
図6に示すように、投げ銭の額を指定するためのダイアログDLが表示され、観戦者がダイアログDL内の入力エリアIAに金額を入力して実行ボタンRBを操作すると、観戦者の保有するゲーム内通貨が入力された額(
図6に示す例では、「100」)だけ消費され(減少し)、当該組み合わせに対応付けて管理される投げ銭の総額(要求状況の一例)が、入力された額だけ増加する。この場合、当該組み合わせに対応付けて管理される、投げ銭を行った観戦者の人数(要求状況の一例)が「1」だけ増加するようにしてもよい。
【0059】
図7は、設定された組み合わせに対する要求状況を管理するためのテーブル情報の一例を示す図である。このテーブル情報は格納部272に格納される。
図7に示すテーブル情報300は、設定された第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせに関連付けて要求状況(ここでは、投票数)を格納する。
図7に示す例では、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の組み合わせに対する投票数が「10,000」、プレーヤ「A」とプレーヤ「E」の組み合わせに対する投票数が「10」、プレーヤ「C」とプレーヤ「F」の組み合わせに対する投票数が「100」となっている。なお、観戦者が勝者を予想して投票する場合、第1のプレーヤを勝者として予想した投票数と、第2のプレーヤを勝者として予想した投票数を区別して格納するようにしてもよい。また、投票数に代えて(或いは、加えて)、投げ銭の総額や、投げ銭を行った観戦者の人数を格納するようにしてもよい。
【0060】
ここで、設定された組み合わせに対する投票数が所定期間(当該組み合わせが設定された時点からの所定期間)内に所定数に達すると、当該組み合わせに対する要求状況が所定条件を満たすと判断され、当該組み合わせの対戦ゲームの実施が決定される。例えば、
図7に示す例において、所定条件を満たすための投票数が「10,000」であるとすると、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の組み合わせに対する投票数が所定条件を満たし、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」が参加(対戦)する対戦ゲームの実施が決定される。なお、設定された組み合わせに対する投げ銭の総額が所定期間内に所定額に達した場合や、設
定された組み合わせに対して投げ銭を行った観戦者の人数が所定期間内に所定数に達した場合に、当該組み合わせに対する要求状況が所定条件を満たすと判断するようにしてもよい。
【0061】
また、設定された第1のプレーヤと第2のプレーヤのプレーヤ情報(対戦成績に基づくランク、人気度など)に応じて所定条件を変更してもよい。例えば、設定された第1のプレーヤと第2のプレーヤそれぞれのランクや人気度が高いほど、所定条件を満たすために必要な投票数(或いは、投げ銭の総額、投げ銭を行った観戦者の人数)が多くなるようにしてもよい。このように、ランクや人気度の高い(多くの投票が見込まれる)プレーヤ同士の対戦では投票数が多くないと所定条件が満たされないようにすることで、対戦ゲームの実施を成立させる条件を適正化することができる。
【0062】
設定された組み合わせの対戦ゲームの実施が決定されると、当該組み合わせに係る第1のプレーヤと第2のプレーヤに対して、当該対戦ゲームに関する情報が通知される。例えば、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」が対戦する対戦ゲームの実施が決定された場合、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」それぞれの端末10の表示部190に、
図8に示すような通知画面NIが表示される。通知画面NIには、対戦ゲームに関する情報として、対戦ゲームを実施する旨と、対戦ゲームを実施する日時(対戦日時)、対戦ゲームに参加したプレーヤが獲得できる報酬(参加報酬)、対戦ゲームで勝利したプレーヤが獲得できる報酬(勝利報酬)が表示される。
図8に示す例は、参加報酬としてゲーム内通貨が「5,000」だけ付与され、勝利報酬としてゲーム内通貨が「10,000」だけ付与されることを示している。ここで、プレーヤに付与する報酬(参加報酬、勝利報酬)の内容を、観戦者からの要求状況に基づき決定してもよい。例えば、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の組み合わせに対する投票数が多いほど、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」に付与する報酬の額が大きくなるようにしてもよい。また、観戦者が投げ銭を行える場合、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の組み合わせに対して投げ銭を行った観戦者の人数(或いは、投げ銭の総額)が多いほど、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」に付与する報酬の額が大きくなるようにしてもよい。例えば、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」の組み合わせに対する投げ銭の総額を、プレーヤ「A」とプレーヤ「B」に付与する報酬の原資とするようにしてもよい。その他、対戦ゲームの主催者(ゲームシステムの運営者、対戦ゲームの興行主、出資者、スポンサーなど)からのボーナスを報酬の原資としてもよい。また、観戦者が投票時に勝者を予想して指定できる場合、例えばプレーヤ「A」を勝者として予想した投票数が、プレーヤ「B」を勝者として予想した投票数よりも多い場合には、プレーヤ「B」に付与される勝利報酬の額がプレーヤ「A」に付与される勝利報酬の額よりも大きくなるようにしてもよい。このように、観戦者からの要求状況に基づきプレーヤに付与する報酬の内容を決定して通知画面NIにおいて通知することで、プレーヤに対して対戦ゲームに参加する動機を与えることができる。
【0063】
通知を受けたプレーヤが通知画面NIに表示された承諾ボタンABを操作すると、当該プレーヤが対戦ゲームへの参加を承諾した旨の情報がサーバ20に送信される。第1のプレーヤと第2のプレーヤの両方が所定期間内に承諾した場合、対戦ゲームの実施が正式に決定され、通知した対戦日時に(或いは、通知後所定期間内に)対戦が実施される。なお、通知後所定期間に対戦が実施されない場合はドローとなるようにしてもよい。この場合、プレーヤに付与される予定の報酬は次回の対戦に持ち越される。対戦が実施されると、第1のプレーヤと第2のプレーヤそれぞれの端末10で対戦ゲームが実行され、観戦者の端末10の表示部190に、第1のプレーヤと第2のプレーヤによってプレイされている対戦ゲームのゲーム画像が表示される。対戦ゲームが終了すると、当該対戦ゲームに参加した第1のプレーヤと第2のプレーヤに参加報酬が付与され、当該対戦ゲームで勝利した一方のプレーヤに勝利報酬が付与される。また、当該対戦ゲームに参加した第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定した観戦者に報酬(対戦ゲームを実現させた報酬
)を付与するようにしてもよいし、当該対戦ゲームで勝利したプレーヤの勝利を予想して投票したプレーヤに報酬(予想を的中させた報酬)を付与するようにしてもよい。
【0064】
第1のプレーヤと第2のプレーヤに対する対戦ゲームに関する情報の通知(通知画面NIの表示)は、観戦者からの要求(投票、投げ銭など)を受け付ける要求受付期間の終了後に行ってもよい。また、第1のプレーヤと第2のプレーヤが対戦ゲームへの参加を承諾した(或いは、拒絶した)場合、その旨を観戦者に通知する(その旨の情報が表示された通知画面を観戦者の端末10の表示部190に表示させる)ようにしてもよい。この場合、観戦者の要求状況(要求の対価として消費したゲーム内通貨やポイントの量、観戦者と第1のプレーヤ又は第2のプレーヤとの関係性)に基づいて、当該観戦者に通知する内容(通知自体の内容、通知するタイミング)を変化させてもよい。例えば、観戦者が要求時に消費したゲーム内通貨の額が大きいほど、当該観戦者に通知される内容が豪華になる(例えば、通知画面に装飾が表示される、通知画面に表示される文章の内容がより詳細になる)ようにしてもよい。要求時に消費したゲーム内通貨の額とは、投票時の投げ銭の額であってもよいし、投票を伴わない投げ銭の額であってもよい。また、観戦者が要求時に消費したゲーム内通貨の額が大きいほど、第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加を承諾してから当該観戦者に通知されるまでの時間が短くなる(他の観戦者よりも通知の優先順位を高くしてより早く通知する)ようにしてもよい。また、観戦者が第1のプレーヤ又は第2のプレーヤと所定の関係(フレンド関係など)にある場合に、当該観戦者に通知される内容が豪華になるようにしたり、第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加を承諾してから当該観戦者に通知されるまでの時間が短くなるようにしてもよい。
【0065】
本実施形態によれば、観戦者によって指定された第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定し、当該組み合わせに対する要求(投票など)を観戦者から受け付け、観戦者からの要求状況が所定条件を満たす場合に、第1のプレーヤと第2のプレーヤに対戦ゲームに関する情報を通知して対戦ゲームを実行することで、観戦者が所望する第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを観戦者からの要求によって実現することができる。
【0066】
上記例では、第1のプレーヤと第2のプレーヤが対戦する対戦ゲームを実施する場合について説明したが、第1のプレーヤと第2のプレーヤが同じチームに属し、当該チームと第3のプレーヤが対戦する対戦ゲームを実施するようにしてもよい。この場合、第3のプレーヤは予め定められたプレーヤであってもよいし、第1のプレーヤと第2のプレーヤそれぞれのプレーヤ情報(対戦成績、人気度など)に基づいて第3のプレーヤを決定してもよい。また、第1のプレーヤが属するチームと第2のプレーヤが属するチームが対戦する対戦ゲームを実施するようにしてもよい。この場合、観戦者が、第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせのみを指定するようにしてもよいし、チームに属する他のプレーヤについても指定できるようにしてもよい。例えば、観戦者が、第1のチームに属するプレーヤ「a」及びプレーヤ「b」と第2のチームの属するプレーヤ「c」及びプレーヤ「d」の組み合わせを指定して設定できるようにしてもよい。
【0067】
観戦者による第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせの指定と当該組み合わせに対する要求(投票など)は、観戦者の個人情報と紐づいた情報を格納する媒体(ICカード等)を用いて行うようにしてもよい。この場合、観戦者は、端末10(業務用ゲーム機など)に設けられた読取部に当該媒体に格納された情報を読み取らせ、当該情報がサーバ20に送信されサーバ20において当該観戦者が登録された観戦者であることが確認された場合に、当該端末10において組み合わせの指定や投票を行うことができるようになる。
【0068】
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステム(サーバ20)の処理の一例について
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0069】
まず、設定部210は、端末10から、第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを指定する操作が行われた旨の情報を受信したか否かを判断し(ステップS10)、当該情報を受信した場合(ステップS10のY)には、当該操作で指定された第1のプレーヤと第2のプレーヤの組み合わせを設定(テーブル情報300に登録)する(ステップS11)。
【0070】
次に、判定部212は、端末10から、設定された組み合わせに対する要求(投票など)が行われた旨の情報を受信したか否かを判断し(ステップS12)、当該情報を受信した場合(ステップS12のY)には、設定された組み合わせに対する要求状況(テーブル情報300に格納された投票数など)を更新し(ステップS13)、当該要求状況が所定条件を満たすか否かを判断する(ステップS14)。設定された組み合わせに対する要求状況が所定条件を満たす場合(ステップS14のY)には、通知部214は、当該組み合わせに係る第1のプレーヤと第2のプレーヤに対戦ゲームに関する情報を通知する(ステップS15)。
【0071】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0072】
10…端末、20…サーバ、100…処理部、110…ゲーム制御部、120…画像生成部、130…音生成部、150…入力部、170…記憶部、190…表示部、192…音出力部、196…通信部、200…処理部、210…設定部、212…判定部、214…通知部、216…観戦制御部、270…記憶部、272…格納部、296…通信部
【手続補正書】
【提出日】2024-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記対戦ゲームの観戦者からの、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部を含み、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが参加する前記対戦ゲームの実施が決定されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、
前記対戦ゲームの観戦者からの、前記観戦者によって指定された前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部とを含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記判定部は、
前記組み合わせに係るプレーヤのうち前記観戦者が勝つと予想するプレーヤに対する投票を、前記組み合わせに対する要求として受け付けることを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項3において、
前記対戦ゲームで勝利したプレーヤの勝利を予想して投票した前記観戦者に報酬が付与されることを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項2において、
前記判定部は、
各プレーヤのプレーヤ情報に基づいて前記観戦者に提示された前記組み合わせの候補の
うち前記観戦者によって指定された前記組み合わせに対する要求を受け付けることを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが対戦するゲームであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤが属するチームと第3のプレーヤが対戦するゲームであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記対戦ゲームは、前記第1のプレーヤが属するチームと前記第2のプレーヤが属するチームが対戦するゲームであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項において、
前記第1のプレーヤ又は前記第2のプレーヤは、ノンプレーヤキャラクタであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項において、
前記要求状況は、前記組み合わせに対する投票数、前記組み合わせに関して消費された対価の量、及び、前記組み合わせに関して対価を消費した前記観戦者の人数の少なくとも1つであることを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項において、
前記判定部は、
前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤのプレーヤ情報に応じて前記所定条件を変更することを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項2において、
前記通知部は、
前記要求状況に基づいて前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤに付与する報酬の内容を決定し、決定した報酬の内容を前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに通知することを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するサーバ装置であって、
前記対戦ゲームの観戦者からの、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部を含み、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤが参加する前記対戦ゲームの実施が決定されることを特徴とするサーバ装置。
【請求項14】
第1のプレーヤと第2のプレーヤが参加する対戦ゲームを実行するサーバ装置であって、
前記対戦ゲームの観戦者からの、前記観戦者によって指定された前記第1のプレーヤと前記第2のプレーヤの組み合わせに対する要求を受け付け、前記観戦者からの要求状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記要求状況が前記所定条件を満たす場合に、前記第1のプレーヤ及び前記第2のプレーヤに前記対戦ゲームに関する情報を通知する通知部とを含むことを特徴とするサーバ装
置。