(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150212
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】検査装置、検査方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241016BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G03G21/00 510
B41J29/393 105
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063518
(22)【出願日】2023-04-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】立花 弘貴
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061BB10
2C061BB11
2C061CG02
2C061CK13
2C061CM08
2C061CM17
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ41
2C061HH03
2C061HJ06
2C061HJ07
2C061HJ10
2C061HK06
2C061HK11
2C061KK03
2C061KK04
2C061KK13
2C061KK26
2C061KK27
2C061KK35
2H270LA22
2H270LB01
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD14
2H270MA40
2H270MB25
2H270MB30
2H270ME06
2H270QB01
2H270QB07
2H270QB08
2H270RA15
2H270RB07
2H270RC02
2H270RC17
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】読み取り部に起因した欠陥を解消するための清掃を低減すること。
【解決手段】本発明は、印刷装置で印刷した印刷物を読み取り部で読み取り、第1の被検査画像を生成する印刷画像読取部と、前記印刷物の印刷データから生成されたマスター画像と、前記第1の被検査画像とに基づいて、前記印刷物の欠陥を判定する第1欠陥判別処理部と、通紙なしで前記読み取り部が生成した第2の被検査画像の欠陥を検知する第2欠陥判別処理部と、前記第2欠陥判別処理部が検知した欠陥箇所を、前記第1欠陥判別処理部が欠陥を検知する領域から除外する除外領域設定部と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置で印刷した印刷物を読み取り部で読み取り、第1の被検査画像を生成する印刷画像読取部と、
前記印刷物の印刷データから生成されたマスター画像と、前記第1の被検査画像とに基づいて、前記印刷物の欠陥を判定する第1欠陥判別処理部と、
通紙なしで前記読み取り部が生成した第2の被検査画像の欠陥を検知する第2欠陥判別処理部と、
前記第2欠陥判別処理部が検知した欠陥箇所を、前記第1欠陥判別処理部が欠陥を検知する領域から除外する除外領域設定部と、
を有することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記第2欠陥判別処理部が前記第2の被検査画像の欠陥を検知した場合、前記読み取り部の清掃を促すメッセージを表示するユーザーI/F部を有する請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記ユーザーI/F部は、前記第2欠陥判別処理部が前記第2の被検査画像の欠陥を検知した場合、検知された欠陥箇所を表示する請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記ユーザーI/F部は、前記第1欠陥判別処理部が検査から除外する領域の変更を受け付ける表示部品を表示する請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記ユーザーI/F部は、検知された前記欠陥箇所を囲む領域を、前記第1欠陥判別処理部が検査から除外する前記領域として表示し、
前記表示部品に対する操作に応じて前記領域を変更して表示する請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記第2欠陥判別処理部は、前記第2の被検査画像の欠陥の程度を第1の閾値と比較し、及び、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値と比較し、
前記第2の被検査画像の欠陥の程度が前記第1の閾値以上の場合、前記ユーザーI/F部は前記読み取り部の清掃を促すメッセージを表示し、
前記第2の閾値以上の前記第2の被検査画像の欠陥の数が所定数以上の場合、前記第2欠陥判別処理部は、前記第2の被検査画像の欠陥の程度が前記第2の閾値以上であると判定し、
前記第2の被検査画像の欠陥の程度が前記第1の閾値未満でも、前記第2の被検査画像の欠陥の程度が前記第2の閾値以上の場合、前記ユーザーI/F部は前記読み取り部の清掃を促すメッセージを表示する請求項2に記載の検査装置。
【請求項7】
前記第2欠陥判別処理部は、前記第2の被検査画像の欠陥の程度を第1の閾値と比較し、及び、前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値と比較し、
前記第2の被検査画像の欠陥の程度が前記第1の閾値以上の場合、前記ユーザーI/F部は前記読み取り部の清掃を促すメッセージを表示し、
前記第2の閾値以上の前記第2の被検査画像の欠陥の数が所定数以上の場合、前記第2欠陥判別処理部は、前記第2の被検査画像の欠陥の程度が前記第2の閾値以上であると判定し、
前記第2の被検査画像の欠陥の程度が前記第1の閾値未満、かつ、前記第2の被検査画像の欠陥の程度が前記第2の閾値未満の場合、前記ユーザーI/F部は前記読み取り部の清掃を促すメッセージを表示せず、
前記第2の被検査画像の欠陥の程度に関わらず、前記除外領域設定部が、前記第2欠陥判別処理部が検知した欠陥箇所を、前記第1欠陥判別処理部が欠陥を検知する領域から除外する請求項2に記載の検査装置。
【請求項8】
印刷画像読取部が、印刷装置で印刷した印刷物を読み取り部で読み取り、第1の被検査画像を生成する処理と、
第1欠陥判別処理部が、前記印刷物の印刷データから生成されたマスター画像と、前記第1の被検査画像とに基づいて、前記印刷物の欠陥を判定する処理と
第2欠陥判別処理部が、通紙なしで前記読み取り部が生成した第2の被検査画像の欠陥を検知する処理と、
除外領域設定部が、前記第2欠陥判別処理部が検知した欠陥箇所を、前記第1欠陥判別処理部が欠陥を検知する領域から除外する処理と、
を実行することを特徴とする検査方法。
【請求項9】
検査装置を、
印刷装置で印刷した印刷物を読み取り部で読み取り、第1の被検査画像を生成する印刷画像読取部と、
前記印刷物の印刷データから生成されたマスター画像と、前記第1の被検査画像とに基づいて、前記印刷物の欠陥を判定する第1欠陥判別処理部と、
通紙なしで前記読み取り部が生成した第2の被検査画像の欠陥を検知する第2欠陥判別処理部と、
前記第2欠陥判別処理部が検知した欠陥箇所を、前記第1欠陥判別処理部が欠陥を検知する領域から除外する除外領域設定部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置、検査方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷データに基づいて用紙に画像を形成する印刷装置と、この画像を読み取り部で読み取り、元の印刷データから生成されたマスター画像と比較する検査装置と、を有する印刷システムが知られている。検査装置は、比較した結果に応じて印刷品質を評価できる。印刷品質の適正な評価のためには、読み取り部に汚れなどの欠陥が生じていないことが好ましい。
【0003】
読み取り部に起因する欠陥を検知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、通紙なしで欠陥を検知し、欠陥を排除する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、読み取り部に起因した欠陥の解消のためにユーザーによる読み取り部の清掃が必要であるという問題がある。読み取り部に起因した欠陥の場合、印刷品質は正常なので、ユーザーとしては清掃せずに印刷を進めたい場合がある。しかし、ユーザーは、検知された欠陥が印刷品質に起因するのか、読み取り部の汚れなどに起因するのか不明のため、ユーザーが読み取り部を清掃せざるを得ない場合があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、読み取り部に起因した欠陥を解消するための清掃を低減する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、印刷装置で印刷した印刷物を読み取り部で読み取り、第1の被検査画像を生成する印刷画像読取部と、前記印刷物の印刷データから生成されたマスター画像と、前記第1の被検査画像とに基づいて、前記印刷物の欠陥を判定する第1欠陥判別処理部と、通紙なしで前記読み取り部が生成した第2の被検査画像の欠陥を検知する第2欠陥判別処理部と、前記第2欠陥判別処理部が検知した欠陥箇所を、前記第1欠陥判別処理部が欠陥を検知する領域から除外する除外領域設定部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
読み取り部に起因した欠陥を解消するための清掃を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】印刷システムの概略のシステム構成図の一例である。
【
図3】プリンタが有する機能を説明する機能ブロック図の一例である。
【
図4】検査装置の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図の一例である。
【
図6】通紙なし検知モードにおいて、欠陥検知処理後の流れを示すフローチャート図の一例である。
【
図7】検査除外領域登録の処理を説明するフローチャート図の一例である。
【
図8】検査装置が表示する清掃推奨メッセージ及び検査除外領域設定画面を示す図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として検査装置と、検査装置が行う検査方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<処理の概略>
本実施形態の印刷システムは、実際の印刷物を読み取り部で読み取り被検査画像(第1の被検査画像の一例)を生成し、印刷物に形成された元の印刷データから生成したマスター画像と比較することで、期待する品質で印刷物が出力されたかどうか判定することができる。被検査画像とマスター画像に一定以上の差異が生じる(欠陥あり)場合には、印刷工程に何らかの不具合がある場合と、読み取り部に汚れなどの欠陥がある場合とがあった。しかし、ユーザーは、検知された欠陥が印刷工程に起因するのか、読み取り部の汚れなどに起因するのか不明のため、読み取り部を清掃せざるを得ない場合があり、印刷物の生産性が低下するおそれがあった。欠陥が検知された場合、ユーザーに適切なメンテナンス方法を提示するために、欠陥の発生原因を読み取り起因か、印刷起因かを切り分ける必要がある。
【0011】
そこで、本実施形態の印刷システムは、実際の原稿を読み取ることなく(以下、通紙なしという)読み取り部の欠陥を検知し、欠陥が検知された領域を検査除外領域に設定する。
1.印刷システムは、通紙なしで被検査画像(第2の被検査画像の一例)を生成する。通紙なしの被検査画像は、読み取り部が所定の基準面を読み取って生成した画像であり、汚れなどの欠陥がなければ全体がほぼ白画素又は黒画素の均一な画像になる。
2.印刷システムは、通紙なしの被検査画像から欠陥を検知する。
3.印刷システムは、通紙なしの被検査画像から検知された欠陥を、検査除外領域に設定する。あるいは、ユーザーが検知された欠陥を参考に検査除外領域を設定できる。検査除外領域では、実印刷時に、被検査画像とマスター画像との差分に欠陥があっても、この欠陥は読み取り部の汚れの可能性が高いので、検査装置は、清掃を勧めるアラート等を出力しない。
【0012】
従って、本実施形態の印刷システムは、読み取り部に起因する欠陥を印刷開始前に検知し、ユーザーに清掃を勧めなくても、印刷中に読み取り部に起因する欠陥を検知することを抑制できる。
【0013】
<用語について>
被検査画像とは、印刷品質の検査に使用される画像であり、読み取り部が光学的に読み取ることで生成した画像である。被検査画像には、印刷物が読み取られて生成されたものと、通紙なしで基準面が読み取られて生成されたものがある。
【0014】
マスター画像とは、印刷物の元の印刷データから生成された画像であり、印刷品質の基準となる画像である。
【0015】
欠陥とは、印刷品質の基準を満たしていない箇所又は基準を満たしていないことをいう。欠陥は、印刷物の被検査画像に生じるものと、通紙なしで基準面が読み取られた場合の被検査画像に生じるものがある。前者の場合、印刷品質の低下したことになるが、起因として印刷工程の不具合や読み取り部に汚れが生じた可能性がある。後者の場合、読み取り部に汚れが生じた可能性がある。
【0016】
<システム構成例>
図1は、印刷システム100の概略のシステム構成図を示す。
図1のシステム構成は一例であって、本実施形態で説明する欠陥検知が可能な構成であればよい。
【0017】
印刷システム100は、プリンタ101と、検査装置103と、スタッカ104とを有している。プリンタ101と、検査装置103と、スタッカ104の全て又は2つが一体の構成でもよい。プリンタ101は、文字、画像又は図形などのデータを受け取り、用紙などに印刷する装置である。プリンタ101は、印刷装置、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)、複合機等と呼ばれてもよい。
【0018】
プリンタ101の上面にはプリンタ101の操作部102が設置されている。操作部102は、ディスプレイ(タッチパネル)とキーボードを有し、操作画面を表示する。操作部102は、印刷システム100の操作画面を表示し、ユーザーからの各種の操作を受け付ける。
【0019】
プリンタ101は、後述するDFE(Digital Front End)又はPC(Personal Computer)等の外部から、RIP画像を含んだ印刷ジョブを受け取るか、又は、プリンタ101内に格納されている印刷ジョブの実行指示を受ける。なお、本実施形態では、一例として、RIP画像はCMYK各8bit600dpiとする。
【0020】
プリンタ101は、実行を指示された印刷ジョブの内容に従い、給紙部105より用紙を取得し、図中に点線で示す経路にて用紙を搬送する。プリンタ101は、ドラム113、114、115、116により画像を用紙に形成する。ドラム113、114、115、116はそれぞれK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のトナー像をベルト111上に重ね、ローラー112まで搬送された用紙にカラーのトナー像を転写し、ローラー117にて熱と圧力で用紙上にトナー像を定着させる。片面印刷の場合、用紙はそのまま検査装置103に排紙される。両面印刷の場合には反転パス118にて用紙が反転されて、ローラー112まで搬送され、ドラム113、114、115、116により用紙の反対側にもカラーのトナー像が転写・定着されたのち、検査装置103に排紙される。
【0021】
検査装置103は、プリンタ101が出力した印刷物の印刷品質を検査する装置である。検査装置103は、検査装置103の操作部133を有している。操作部133の機能は操作部102と同様でよい。検査装置103は、操作部133を有していなくてもよく、プリンタ本体の操作部102で兼ねてもよい。また、検査装置103の操作部133は、LAN等で接続されたPCであってもよい。この場合、PCは例えばWebブラウザや専用アプリなどで検査結果を表示する。
【0022】
検査装置103は、プリンタ101から排紙された用紙上の画像を、読み取り装置131、132(読み取り部の一例)によりそれぞれ片面ずつ読み取り、経路の矢印方向に搬送し、スタッカ104に排紙する。なお、本実施形態では、一例として、読み取り画像はRGB各8bit・200dpiとする。
【0023】
スタッカ104は、検査装置103から排出された用紙を、トレイ141にスタックする。
【0024】
<DFE>
図2を参照してDFE150について説明する。DFE150とは、プリンタに入力するためのデータ処理を行う装置の総称である。DFE150は、例えばPostScriptデータなどの印刷データから、プリンタ101にて印刷するためのRIPデータ(ラスタデータ)を作成する。
【0025】
図2はDFE150の機能ブロック図の一例である。DFE150には、
図1のプリンタ101、及び、ユーザーインターフェースを表示するためのDFEパネル151が接続される。DFEパネル151はディスプレイ(タッチパネル)やキーボードを有するユーザーインターフェースである。
【0026】
DFE150は、システム制御部501、ネットワークI/F部502、ユーザーI/F部505、記憶部503、及び、プリンタI/F部504を有している。DFE150が有する各機能部は、DFE150にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPUが実行することで実現される機能又は手段である。
【0027】
DFE150が有するユーザーI/F部505は、UI表示情報を用いてDFEパネル151に表示するための画面を生成し、DFEパネル151に表示させる。UI表示情報は、画面を構成する複数の表示部品とその配置を含む。
【0028】
DFE150が有するネットワークI/F部502は、DFE150をLANに接続させる通信のためのインターフェースである。ネットワークI/F部502はLANから印刷ジョブを受信して、システム制御部501に送信する。
【0029】
また、記憶部503には印刷ジョブが保存されていてよく、システム制御部501が記憶部503から印刷ジョブを取得してもよい。すなわち、システム制御部501は、ネットワークIを介して印刷ジョブを受信してもよいし、記憶部503から取得してもよい。
【0030】
DFE150はシステム制御部501を有する。システム制御部501は、DFE150の全体を制御する。システム制御部501は、ジョブ情報処理部551、RIP処理部552、記憶部553、及び、階調補正データ生成部554を有している。
【0031】
ジョブ情報処理部551は、印刷ジョブに関するジョブ管理情報として、印刷ジョブの状態、プリンタ101への投入、印刷ジョブの進捗(プリンタ101から取得)等を記憶部553にて管理する。ジョブ情報処理部551は、ジョブ管理情報とRIP画像データとを合わせて印刷ジョブデータをプリンタ101に投入する。記憶部553には、印刷ジョブに関する印刷ジョブデータ(例えば、ジョブID、ファイル名、ジョブ登録日時、ジョブオーナー等)が記憶されている。
【0032】
階調補正データ生成部554は、原稿と同じ階調、濃度、色味で印刷されるように、印刷データを調整する。階調補正データ生成部554は、例えば、階調を増減したり、濃度を増減したり、暖色系や青色系を多くしたり少なくしたりする。
【0033】
RIP処理部552は、PostScriptデータなどの印刷データを、プリンタ101にて印刷するためのRIPデータを作成する。RIPデータは各色のトナーの網点データ(点を打つかどうか)である。
【0034】
また、DFE150が有するプリンタI/F部504は、プリンタ101と通信するためのインターフェースである。プリンタI/F部504はシステム制御部501が投入すると決定した印刷ジョブデータをプリンタ101に送信する。
【0035】
<プリンタの機能について>
図3は、プリンタ101が有する機能を説明する機能ブロック図である。プリンタ101は、システム制御部201、ユーザーI/F部202、DFF I/F部207、ネットワークI/F部203、外部I/F制御部204、記憶部205、画像処理制御部208、印写制御部209、及び、機構制御部206を有している。プリンタ101が有する各機能部は、プリンタ101にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPUが実行することで実現される機能又は手段である。
【0036】
システム制御部201はプリンタ101の全体を制御する。システム制御部201には、ユーザーI/F部202、DFF I/F部207、ネットワークI/F部203、外部I/F制御部204、記憶部205、画像処理制御部208、印写制御部209、及び、機構制御部206が接続されている。
【0037】
ユーザーI/F部202は、システム制御部201と
図1に示した操作部102とを接続するためのインターフェースである。
【0038】
DFE I/F部207は、システム制御部201と
図2に示したDFE150との通信(例えば印刷ジョブデータの受信)を可能にするためのインターフェースである。
【0039】
ネットワークI/F部203は、システム制御部201をLAN等のネットワークに接続させ、ネットワーク上の機器とプリンタ101が通信するためのインターフェースである。
【0040】
外部I/F制御部204は、他の機器(検査装置103、スタッカ104等)とプリンタ101が通信するためのインターフェースである。
【0041】
記憶部205は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などにより実現された記憶手段である。記憶部205には例えば印刷ジョブデータが保存される。
【0042】
機構制御部206はプリンタ101内の用紙搬送、転写プロセス、両面/片面印刷制御等、プリンタ101内の各機構の制御を行う。
【0043】
印写制御部209は、機構制御部206に対し各機構のタイミング制御を指示すると共に、用紙への画像形成の全体的な制御を行う。画像処理制御部208は、機構制御部206により転写される画像の処理を行う。
【0044】
システム制御部201は、メモリ251、ジョブ処理部252、RIP処理部253、及び、ジョブ情報生成部254を有している。メモリ251は、システム制御部201の作業用のメモリである。ジョブ情報生成部254は、DFE150から印刷ジョブデータを受信した場合に、プリンタ内のジョブID、受付日時、進捗などを生成し、記憶部205に保存する。RIP処理部253は、印刷ジョブがRIP処理されていない場合に、印刷データに対しRIP処理を行う。ジョブ処理部252は、印写制御部209に印刷ジョブの空き状況を問い合わせ、記憶部205に保存されている印刷ジョブデータのうち優先度などに従って実行する印刷ジョブを決定する。
【0045】
<検査装置の機能>
図4は、検査装置103の機能をブロックに分けて説明する機能ブロック図である。検査装置103は、システム制御部301、マスター画像生成部308、差分画像生成部309、印刷画像読取部307、外部I/F制御部304、ユーザーI/F部302、記憶部305、ネットワークI/F部303、及び、機構制御部306を有する。検査装置103が有する各機能部は、検査装置103にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPUが実行することで実現される機能又は手段である。
【0046】
システム制御部301は、検査装置103の全体を制御する。システム制御部301には、マスター画像生成部308、差分画像生成部309、印刷画像読取部307、外部I/F制御部304、ユーザーI/F部302、記憶部305、ネットワークI/F部303、及び、機構制御部306が接続されている。
【0047】
ユーザーI/F部302は、システム制御部301と
図1の操作部133を接続するためのインターフェースである。ユーザーI/F部302は、システム制御部301の情報を操作部133に表示させる。
【0048】
ネットワークI/F部303は、システム制御部301をLAN等のネットワークに接続させるためのインターフェースである。
【0049】
外部I/F制御部304は、他の機器(例えばプリンタ101、スタッカ104等)とのインターフェースである。
【0050】
機構制御部306は、用紙搬送、用紙の両面/片面の読み取り、排紙等、検査装置103が有する各機構の動作を制御する。
【0051】
記憶部305は、HDDやSSDなどにより実現された記憶手段である。記憶部305には例えば被検査画像、差分画像、マスター画像、及び検査結果等が保存される。また、記憶部305には、検査除外領域が保存される。
【0052】
印刷画像読取部307は、プリンタ101から搬送された用紙の両面を読み取り装置131、132により読み取り、検査対象画像を出力する。印刷画像読取部307は、後述する実印刷中検知モードと通紙なし検知モードのいずれでも被検査画像を生成する。実印刷中検知モードは、印刷ジョブの実行中に印刷物を検査するモードであり、通紙なし検知モードは、印刷ジョブの実行を開始する前に読み取り装置131,132の欠陥を検知するモードである。
【0053】
マスター画像生成部308は、実印刷中検知モードにおいて、DFE150が送信したRIP画像からマスター画像を生成する。このRIP画像は、用紙に形成される印刷データから生成されたものである。
【0054】
差分画像生成部309は、実印刷中検知モードにおいて、マスター画像と検査対象画像との差分画像を生成する。差分画像とは、マスター画像と検査対象画像の画素ごとの画素値の差を表す画像である。RIP画像は、用紙に形成される印刷データから生成され、被検査画像は印刷物を読み取ったものなので、正常であれば差分画像はその画素値が閾値未満になる。
【0055】
システム制御部301は、記憶部351、ジョブ管理データ処理部352、第1欠陥判別処理部355、第2欠陥判別処理部357、及び、除外領域設定部356を有している。
【0056】
実印刷中検知モードにおいて、システム制御部301は、印刷管理情報(ジョブ管理情報に含まれる)を外部I/F制御部304を経由して受信し、システム制御部301内の記憶部351に格納する。ジョブ管理データ処理部352は、
図5に示すジョブ管理情報から後処理機情報を抽出し、外部I/F制御部304を経由して、検査装置103より後段の後処理装置であるスタッカ104に送信する。ジョブ管理データ処理部352は、記憶部351から印刷管理情報を読み出す。ジョブ管理データ処理部352は、マスター画像生成部308、差分画像生成部309、印刷画像読取部307、及び機構制御部306が印刷ジョブを処理するために印刷管理情報をこれらに転送する。また、転送される印刷管理情報は、
図5に示すジョブ管理情報から、後処理機情報を除いたものである。
【0057】
システム制御部301は、実印刷中検知モードにおいて、被検査画像と差分画像を記憶部351に記憶させ、第1欠陥判別処理部355に通知する。第1欠陥判別処理部355は、差分画像に対して、予め設定された欠陥判別閾値により欠陥判別を行う。第1欠陥判別処理部355は、差分画像に対して、例えば欠陥判別閾値より強度が大きいエッジ検出を行う。検出されるエッジは、点や線などどのような形状でもよい。
【0058】
また、システム制御部301は、通紙なし検知モードにおいて、被検査画像を記憶部351に記憶させ、第2欠陥判別処理部357に通知する。第2欠陥判別処理部357は、被検査画像に対して、予め設定された欠陥判別閾値により欠陥判別を行う。通紙なし検知モードの被検査画像は汚れなどの欠陥がなければ全体がほぼ白画素又は黒画素の均一な画像になる。また、マスター画像は全面が白又は黒の画素の画像である。あるいは、マスター画像はなくてもよい。第2欠陥判別処理部357は、被検査画像に対して、閾値より強度が大きいエッジ検出を行う。検出されるエッジは、点や線などどのような形状でもよい。
【0059】
除外領域設定部356は、第2欠陥判別処理部357が検知した欠陥箇所又はユーザーが設定した欠陥箇所を、第1欠陥判別処理部355が欠陥を検知する領域から除外する。換言すると、除外領域設定部356は第1欠陥判別処理部355が欠陥を検知しない検査除外領域を設定する。
【0060】
図5は、ジョブ管理情報の一例を示す。このジョブ管理情報は、プリンタ101が通常の印刷処理(実印刷中検知モード)を実施する場合のものである。印刷処理の際、DFE150又はプリンタ101の少なくとも一方により印刷データが1ページごとに生成される。印刷ジョブの処理は、ジョブ管理情報に基づいて行われる。
【0061】
ジョブ管理情報は、パラメータ、備考、及び初期値の項目を有する。パラメータは項目名であり、備考はパラメータの説明であり、初期値は、プリンタ101のシステム制御部201が受け取る際の値を示す。
【0062】
ジョブ生成元は、ジョブ出力ソースを示す情報である。ジョブ生成元にはDFE150から投入された印刷ジョブか、プリンタ101の内部データかの情報が含まれている。
【0063】
生成時刻は、ジョブ生成元がジョブ情報を生成した日にちや時刻の情報である。
【0064】
ページIDは印刷ページの識別番号である。ページIDは、電源ON時から1ページの処理につき+1される。ページIDには印刷実行時に数値が設定される。
【0065】
印刷面は、印刷ジョブが片面印刷か、両面印刷の際に表に印刷される面のものか(両面表)、又は、裏に印刷されるものか(両面裏)を識別する。
【0066】
用紙IDは印刷に使用される用紙の識別情報である。両面印刷の場合、同じ用紙に印刷されるページIDは、同じ用紙IDとなる。用紙IDは、電源ON時から用紙1枚の処理につき+1される。用紙IDは、印刷実行時に数値が設定される。
【0067】
部IDは、部単位の識別情報である。部IDは、電源ON時から1部の出力完了につき+1される。部IDは、印刷実行時に数値が設定される。
【0068】
ジョブIDは、ジョブ単位の識別情報である。ジョブIDは、電源ON時から1ジョブの出力完了につき+1される。ジョブIDは、印刷実行時に数値が設定される。
【0069】
用紙種類は、印刷に使用される用紙の種類の情報である。用紙サイズは、用紙のサイズの情報である。ジョブ種類は、印刷ジョブが、欠陥検知の対象の印刷ジョブか、欠陥検知の非対象の印刷ジョブか、又は、欠陥検知識別用の合紙かを示す。
【0070】
<欠陥検知処理>
図6は、通紙なし検知モードにおいて、欠陥検知処理後の流れを示すフローチャート図である。
図6の処理は、通紙なし検知モードが実行され、第2欠陥判別処理部357が被検査画像に対し欠陥検知処理を行った後に実行される。通紙なし検知モードでは、印刷画像読取部307が、用紙が搬送されない状態で被検査画像を生成する。被検査画像に欠陥がある場合、読み取り装置131、132に起因する欠陥(例えば汚れ)である可能性が高い。
【0071】
まず、第2欠陥判別処理部357が欠陥判別情報を生成する(S701)。第2欠陥判別処理部357は、被検査画像に対して、予め設定された欠陥判別閾値により欠陥判別し、以下の欠陥判別情報を生成する。
・通紙なし時の読み取り欠陥検知数
・通紙なし時の読み取り欠陥位置
第2欠陥判別処理部357は、欠陥判別情報に基づいて、欠陥の有無を判定する(S702)。欠陥がない場合(S702のNo)、
図6の処理は終了する。
【0072】
欠陥がある場合(S702のYes)、第2欠陥判別処理部357は、まず欠陥レベル判定1を実行する(S703)。欠陥レベル判定1は、1つ以上の致命的な欠陥があるかどうかの判定である。ステップS701で検知された欠陥の中に、予め設定した欠陥レベル判定1用の欠陥の幅値や背景画像との輝度差値を超える欠陥がない場合、処理は欠陥レベル判定2に移る。ステップS701で検知された欠陥の中に、予め設定した欠陥レベル判定1用の欠陥の幅値や背景画像との輝度差値を超える欠陥がある場合、清掃推奨メッセージの出力に移る。
【0073】
欠陥レベル判定1用の閾値と欠陥レベル判定2用の閾値には「欠陥レベル判定1用の閾値>欠陥レベル判定2用の閾値」の関係がある。すなわち、欠陥レベル判定2用の閾値(第2の閾値の一例)は、欠陥レベル判定1用の閾値(第1の閾値の一例)より小さい。欠陥レベル判定1は、強めの欠陥の判定であり、少数でもアラートを出すべき欠陥の判定方法である。例えば欠陥を1本検知してもアラートを出す、それだけで欠陥があることが確定する欠陥である。欠陥レベル判定2は、弱めの欠陥の判定であり、ある程度の数の欠陥までは許容すべき欠陥の判定方法である。例えば、欠陥が5本(所定数の一例)検知されるまでアラートを出さない等の判定が行われる。
【0074】
欠陥レベル判定を2段階で行うことで、細かな欠陥でも清掃を促すメッセージを表示することを避けられる。
【0075】
ステップS703の判定がNoの場合、第2欠陥判別処理部357は、欠陥レベル判定2を実行する(S704)。第2欠陥判別処理部357は、ステップS701で検知された欠陥の中に、予め設定した欠陥レベル判定2用の欠陥の幅値や背景画像との輝度差値を超える欠陥があるかどうか、又は、欠陥の数が予め設定した欠陥レベル判定2用欠陥上限数を超えるかどうかを判定する。
【0076】
ステップS703の判定がYes、又は、検知された欠陥の中に、予め設定した欠陥レベル判定2用の閾値を超える輝度値が有るか、若しくは、基準値を超える欠陥の数が予め設定した欠陥レベル判定2用欠陥上限数を超える場合(S704のYes)、処理は、清掃推奨メッセージの出力に進む(S705)。これは、汚れが強いので、ユーザーによる清掃が好ましいためである。
【0077】
予め設定した欠陥レベル判定2用の欠陥の幅値や背景画像との輝度差値を超える欠陥がなく、かつ、欠陥の数が予め設定した欠陥レベル判定2用欠陥上限数を超えない場合(S704のNo)、処理は検査除外領域設定に移る(S706)。これは、それほど汚れが強くないので、検査除外領域の設定で対応が可能なためである。
【0078】
予め設定した清掃推奨メッセージ表示が有効の場合、ステップS705で、ユーザーI/F部302は、ユーザーに読み取り装置131、132の清掃を促すメッセージを表示する(S705)。清掃が必要なレベルの読み取り装置131、132の汚れがあることにユーザーが気づくことができる。清掃推奨メッセージの一例を
図8に示す。
【0079】
そして、予め設定されている検査除外領域手動調整が無効の場合、除外領域設定部356が、欠陥が検知された領域を検査除外領域として設定する(S706)。検査除外領域は、ステップS705の清掃有無にかかわらず登録される。通紙なしで検知された欠陥箇所を、実印刷中検知モードにおける欠陥検知領域から除外することで、読み取り装置131、132に起因する欠陥検知解消のための清掃を不要又は低減することができる。
【0080】
予め設定されている検査除外領域手動調整が有効の場合、検査除外領域設定画面が表示される。検査除外領域設定画面の一例を
図8に示す。ユーザーI/F部302は、検知された欠陥を含むように設定された検査除外領域幅を表示する。ユーザーは、検査除外領域設定画面を操作することで検査除外領域を調整できる。ユーザーが設定した検査除外領域を、除外領域設定部356が設定する。欠陥の発生箇所が多少変動するため、ユーザーが除外領域に幅を持たせることで検査除外領域の除外漏れを回避できる。
【0081】
図7は、検査除外領域登録の処理を説明するフローチャート図である。
図7の処理は、例えば検査装置103の電源がONされた際に実行される。
【0082】
ユーザーの操作により又は自動的に、検査装置103のシステム制御部301が通紙なし検知モード動作を実行する(S801)。すなわち、実際の印刷ジョブを用いた実印刷開始前に、システム制御部301が通紙なしで読み取り装置131、132の欠陥検知を行う。
【0083】
通紙なしの欠陥検知後、上記の
図6の処理が実施される。システム制御部301は、ユーザーにステップS706の画面を表示する前に、ステップS706で登録される検査除外領域をリセットする。その上で、除外領域設定部356は、ステップS706で設定された検査除外領域を登録する。なお、通紙なし検知モード動作は、実印刷終了後に実施されてもよい。
【0084】
通紙なし検知モードが終了すると、システム制御部301は、実印刷中検知モードを実行する(S802)。実印刷中検知モードでは、第1欠陥判別処理部355が、登録されている検査除外領域で欠陥が検知しても、欠陥(印刷品質の低下)として扱わない。アラートも出力されないが、システム制御部301が検査結果として記録してもよい。
【0085】
実印刷中検知モードでは、読み取り装置131、132に起因する欠陥が検知対象から除外されるので、欠陥検知解消のための清掃を不要又は低減することができる。
【0086】
<清掃推奨メッセージ、検査除外領域設定画面>
図8は、検査装置103が表示する清掃推奨メッセージ902及び検査除外領域設定画面900を示す。清掃推奨メッセージはステップS705で表示され、検査除外領域設定画面はステップS706で表示される。
【0087】
検査除外領域設定画面900は、欠陥検知結果901を表示する。欠陥検知結果901は通紙なしの被検査画像の一部又は全体である。欠陥の検知箇所は赤枠906で囲まれている。検査除外領域もこの赤枠906内(例えば赤枠906が検査除外領域となる)で設定される。
図8ではスジ状の3本の線907が欠陥である。通紙なしの被検査画像に欠陥があるので、読み取り装置131、132に汚れなどの欠陥があると推定される。
【0088】
検査除外領域設定画面900は清掃推奨メッセージ902も表示する。清掃推奨メッセージ902は例えば「読み取り部の清掃をお願いします」である。予め設定されている清掃推奨メッセージ表示が有効の場合、このようなメッセージが表示される。
【0089】
予め設定されている検査除外領域手動調整が有効の場合、検査除外領域設定欄903が表示される。検査除外領域設定欄903は、実印刷中検知モードで、欠陥が検知されても欠陥と扱わない検査除外領域をユーザーが設定するための設定欄である。検査除外領域設定欄903は、検査除外領域の幅を調整するボタン904と、検査除外領域設定完了ボタン905を表示する。ボタン904を押下して検査除外領域の幅をユーザーが調整すると、赤枠906の範囲も連動して変更される。すなわち、スジ状の欠陥を囲む赤枠906が、ボタン904の操作に連動して狭くなったり、太くなったりする。ユーザーが、検査除外領域設定完了ボタン905を押すと、検査除外領域設定画面900が閉じられる。閉じた際の赤枠906の範囲を、除外領域設定部356が検査除外領域として登録する。
【0090】
<主な効果>
本実施形態の印刷システム100は、通紙なしで検知された欠陥箇所を、実印刷中検知モードにおける欠陥検知領域から除外することで、読み取り装置131、132に起因する欠陥検知解消のための清掃を不要又は低減することができる。
【0091】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0092】
また、
図4などの構成例は、検査装置103による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。検査装置103の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0093】
また、プリンタ101は電子写真方式で印刷するものでなく、インクジェット方式、熱転写方式、凸版印刷方式、平版印刷方式、凹版印刷方式、孔版印刷方式等、印刷できるものであればよい。
【0094】
また、印刷システム100は、商用印刷に使用されるものに限らず、オフィス、工場、一般家庭、コンビニなどで使用されてもよい。
【0095】
また、検査装置103とプリンタ101とが別体でもよい。ユーザーは印刷物を検査装置103に読み取らせ、検査装置103が決定した検査除外領域を自機に保存する。
【0096】
また、本実施形態で説明した検査装置103の処理を、ネットワークを介して接続されたサーバー装置が実行してもよい。検査装置103は被検査画像をサーバー装置に送信し、サーバー装置が検査結果を検査装置103に送信する。検査装置103は検査除外領域の設定を受け付けて、自機又はサーバー装置に登録する。
【0097】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0098】
101 プリンタ
103 検査装置
104 スタッカ
131,132 読み取り装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】