(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150397
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】画像検査装置、画像形成装置、及び画像検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20241016BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241016BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241016BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G01N21/892 A
B41J29/42 F
H04N1/00 002A
H04N1/00 350
G06F3/14 310B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016490
(22)【出願日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2023063517
(32)【優先日】2023-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】伊地知 和宏
【テーマコード(参考)】
2C061
2G051
5B069
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ41
2G051AA34
2G051AB11
2G051AC21
2G051FA04
5B069AA11
5B069DD15
5B069HA01
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC55
(57)【要約】
【課題】被検査画像から検出した検出対象画像の領域を示す表示枠を、ユーザが視認しやすく表示すること。
【解決手段】被検査画像を検査する画像検査装置であって、被検査画像データを取得する被検査画像取得手段と、取得した被検査画像データを比較画像データと比較し、被検査画像から検出対象画像の領域を検出する検出手段と、検出した検出対象画像の領域を示す表示枠を被検査画像に表示する表示制御手段と、を有し、表示制御手段は、表示枠が重なって表示されないように、重なりのある表示枠に替えて、重なりのある表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示することを特徴とする画像検査装置である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査画像を検査する画像検査装置であって、
被検査画像データを取得する被検査画像取得手段と、
取得した前記被検査画像データを比較画像データと比較し、前記被検査画像から検出対象画像の領域を検出する検出手段と、
検出した前記検出対象画像の領域を示す表示枠を前記被検査画像に表示する表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記表示枠が重なって表示されないように、重なりのある前記表示枠に替えて、重なりのある前記表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示する
ことを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
予め登録されている前記検出対象画像の種類の中から、前記検出手段が検出した前記検出対象画像の種類を判定し、統合前の前記表示枠の前記検出対象画像の種類に基づき、統合後の前記表示枠の前記検出対象画像の種類を判定する判定手段、を更に有し、
前記表示制御手段は、判定した前記検出対象画像の種類を前記統合後の前記表示枠と対応付けて表示すること
を特徴とする請求項1記載の画像検査装置。
【請求項3】
前記判定手段は、統合前の前記表示枠の前記検出対象画像の種類毎に、前記検出対象画像の領域の面積を算出し、最も大きい面積の前記検出対象画像の種類を、統合後の前記表示枠の前記検出対象画像の種類と判定する
請求項2記載の画像検査装置。
【請求項4】
前記判定手段は、統合後の前記表示枠の中心に最も近い、統合前の前記表示枠の前記検出対象画像の種類を、統合後の前記表示枠の前記検出対象画像の種類と判定する
請求項2記載の画像検査装置。
【請求項5】
前記判定手段は、統合前の前記表示枠の前記検出対象画像の種類毎に、統合後の前記表示枠に含まれる前記検出対象画像の領域の数を算出し、最も多い数の前記検出対象画像の種類を、統合後の前記表示枠の前記検出対象画像の種類と判定する
請求項2記載の画像検査装置。
【請求項6】
前記表示枠は、所定の図形である
請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像検査装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示枠が所定距離以下で近接して表示されないように、所定距離以下で近接する前記表示枠に替えて、所定距離以下で近接する前記表示枠を統合した統合後の表示枠を表示する
請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像検査装置。
【請求項8】
前記被検査画像取得手段は、記録媒体上に印刷された画像を前記被検査画像として読み取って前記被検査画像データを取得し、
前記検出手段は、前記被検査画像データを、前記印刷に利用した画像データである比較画像データと比較し、前記被検査画像から前記検出対象画像の領域である欠陥の領域を検出する
請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像検査装置。
【請求項9】
記録媒体上に画像を印刷し、前記記録媒体上に印刷した画像を被検査画像として検査する画像形成装置であって、
前記被検査画像の被検査画像データを取得する被検査画像取得手段と、
取得した前記被検査画像データを前記印刷に利用した画像データである比較画像データと比較し、前記被検査画像から検出対象画像の領域を検出する検出手段と、
検出した前記検出対象画像の領域を示す表示枠を前記被検査画像に表示する表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記表示枠が重なって表示されないように、重なりのある前記表示枠に替えて、重なりのある前記表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
被検査画像を検査する画像検査装置が行う画像検査方法であって、
被検査画像データを取得する被検査画像取得ステップと、
取得した前記被検査画像データを比較画像データと比較し、前記被検査画像から検出対象画像の領域を検出する検出ステップと、
検出した前記検出対象画像の領域を示す表示枠を前記被検査画像に表示する表示制御ステップと、
を行い、
前記表示制御ステップは、前記表示枠が重なって表示されないように、重なりのある前記表示枠に替えて、重なりのある前記表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示する
ことを特徴とする画像検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査装置、画像形成装置、及び画像検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被検査画像から検出対象画像の領域(例えば比較画像と差のある領域)を検出し、検出対象画像の領域を表示枠で示した被検査画像を表示する画像検査装置は、従来から知られている。
【0003】
特許文献1には、検査対象画像から欠陥領域を特定し、欠陥領域を矩形で示した検査対象画像を表示する印刷検査装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像検査装置では、検出した検出対象画像の領域の数が多い場合に、検出対象画像の領域を示した表示枠の表示が煩雑となり、ユーザが検出対象画像を視認しづらくなるという問題があった。また、従来の画像検査装置では、検出した検出対象画像の領域の数が表示枠の上限数を超えた場合に、表示枠で領域を示せない検出対象画像が発生してしまうという問題があった。なお、特許文献1は、上記の問題を解決するものではない。
【0005】
本開示は、被検査画像から検出した検出対象画像の領域を示す表示枠を、ユーザが視認しやすく表示する画像検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、被検査画像を検査する画像検査装置であって、被検査画像データを取得する被検査画像取得手段と、取得した前記被検査画像データを比較画像データと比較し、前記被検査画像から検出対象画像の領域を検出する検出手段と、検出した前記検出対象画像の領域を示す表示枠を前記被検査画像に表示する表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記表示枠が重なって表示されないように、重なりのある前記表示枠に替えて、重なりのある前記表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、被検査画像から検出した検出対象画像の領域を示す表示枠を、ユーザが視認しやすく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】画像検査システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】画像検査装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る画像検査装置の一例の機能構成図である。
【
図5】本実施形態に係る表示制御部の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図6】欠陥表示枠仮生成処理の一例の説明図である。
【
図7】表示枠重なり判定処理の一例の説明図である。
【
図8】仮表示枠の統合及び再統合の一例を示した図である。
【
図9】ステップS14の表示枠統合処理の一例のフローチャートである。
【
図10】ステップS22の重なりのある表示枠の統合処理の一例のフローチャートである。
【
図14】判定部の処理の一例のフローチャートである。
【
図15】本実施形態に係る画像形成装置の一例の機能構成図である。
【
図16】本実施形態に係る画像形成装置及び画像検査装置を備えた印刷システムの一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第一の実施形態]
図1は、画像検査システム1の全体構成の一例を示す図である。
【0011】
図1の画像検査システム1は、画像検査装置10、画像形成装置12、及び表示装置14を有する。画像検査装置10、画像形成装置12、及び表示装置14は、ネットワーク18を介して通信可能に接続されている。ネットワーク18は例えばインターネット又はLAN(Local Area Network)などである。
【0012】
画像形成装置12は、画像データを利用して用紙等の記録媒体上に被検査画像を印刷する装置の一例である。画像形成装置12は、カラープロダクションプリンタ、レーザープリンタ、インクジェットプリンタ、又は複合機等である。
【0013】
画像検査装置10は、被検査画像を検査する装置の一例である。表示装置14は、画像検査装置10による検査の結果を表示する装置の一例である。表示装置14は、ユーザが操作するPC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォンなどの情報処理端末であってもよい。また、表示装置14はネットワーク18を介さずに接続されたディスプレイなどの表示機能を持った装置であってもよい。
【0014】
画像検査装置10は、用紙等の記録媒体上に印刷された被検査画像の被検査画像データを取得する。また、画像検査装置10は、用紙等の記録媒体上への被検査画像の印刷に利用した画像データである比較画像データを取得する。
【0015】
画像検査装置10は、取得した被検査画像データを比較画像データと比較し、被検査画像データから欠陥などの検出対象画像の領域を検出する。画像検査装置10は、検査の結果として、検出対象画像の領域を示す後述の表示枠を表示装置14に表示する。例えば表示装置14は、画像検査装置10の制御により、検出対象画像の領域を示す後述の表示枠が重畳された被検査画像が表示される。
【0016】
なお、
図1に示す画像検査システム1の構成は一例である。例えば画像検査システム1は他の装置が含まれていてもよいし、画像形成装置12が省略された構成でもよいし、画像検査装置10及び表示装置14が一体化していてもよい。
【0017】
図2は、画像検査装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2の画像検査装置10は、インラインセンサ131、操作パネル133、CPU(Central Processing Unit)134、ROM(Read Only Memory)135、RAM(Random Access Memory)136、HDD(Hard Disk Drive)/SSD(Solid State Drive)137、ネットワークI/F138、及び外部I/F139を有する。例えばCPU134、ROM135、RAM136、HDD/SSD137、ネットワークI/F138、及び外部I/F139は、コンピュータによって構成される。
【0018】
CPU134は、ROM135またはHDD/SSD137に格納されたプログラムを読み出して、RAM136に格納する。そして、CPU134は、RAM136に格納されたプログラムに従って、後述する各種の処理を実行する。
【0019】
ROM135は、不揮発性の補助記憶装置である。ROM135には、BIOS等の画像検査装置10の基本的な動作を規定したプログラムが格納される。RAM136は、揮発性の主記憶装置であり、CPU134の作業領域として使用される。操作パネル133は、ユーザに対する情報の表示を行うと共に、ユーザからの操作を受け付ける装置の一例である。HDD/SSD137は、大容量の不揮発性の補助記憶装置である。HDD/SSD137には、印刷物から読み取った被検査画像データ、印刷に利用した画像データである比較画像データ、後述する各種処理のプログラム、及び設定情報等が格納される。
【0020】
ネットワークI/F138は、例えばLANカード等であり、ネットワーク18を介して通信するために利用される。外部I/F139は、外部機器との間で通信するために利用される。
【0021】
インラインセンサ131は、用紙等の記録媒体上に印刷した画像(被検査画像)を読み取る。インラインセンサ131は、例えば光源とラインイメージセンサを有する。ラインイメージセンサは、複数の撮像素子が用紙幅方向に一次元状に並べて配置される。複数の撮像素子は、読取位置を通過する用紙に光源から光を照射して得た反射光を1画素ごとに光電変換して読み取る。
【0022】
インラインセンサ131は、読取位置を通過する用紙の通紙動作に合わせて、用紙幅方向に延在する1ライン分の画像の読取動作を繰り返し行うことで、用紙に印刷された画像を被検査画像として読み取る。
【0023】
図3は、画像形成装置12のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0024】
画像形成装置12は、コントローラ1110、近距離通信回路1120、エンジン制御部1130、操作パネル1140、及びネットワークI/F1150を有している。
【0025】
コントローラ1110は、コンピュータの主要部であるCPU1101、システムメモリ(MEM-P)1102、ノースブリッジ(NB)1103、サウスブリッジ(SB)1104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)1106、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)1107、HDDコントローラ1108、及び、記憶部であるHD1109を有する。
【0026】
NB1103とASIC1106との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス1121で接続されている。CPU1101は、画像形成装置12の全体制御を行う制御部である。NB1103は、CPU1101と、MEM-P1102、SB1104、及びAGPバス1121とを接続するためのブリッジであり、MEM-P1102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0027】
MEM-P1102はコントローラ1110の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM1102aと、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM1102bと、を含む。なお、RAM1102bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0028】
SB1104は、NB1103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC1106は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス1121、PCIバス1122、HDDコントローラ1108およびMEM-C1107をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0029】
ASIC1106は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC1106の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C1107を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部1131及びプリンタ部1132との間でPCIバス1122を介したデータ転送を行うPCIユニットを含む。なお、ASIC1106には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェース、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)等のインターフェースによって接続するようにしてもよい。
【0030】
MEM-C1107は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD1109は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積等を行うためのストレージである。HD1109は、CPU1101の制御にしたがってHD1109に対するデータの読出又は書込を制御する。
【0031】
AGPバス1121は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースである。AGPバス1121は、MEM-P1102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0032】
また、近距離通信回路1120は、近距離通信アンテナ1120aを有する。近距離通信回路1120は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。エンジン制御部1130は、スキャナ部1131及びプリンタ部1132によって構成されている。操作パネル1140は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部12aと、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作キー12bと、を有する。
【0033】
コントローラ1110は画像形成装置12の全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル1140からの入力等を制御する。スキャナ部1131は用紙等の記録媒体上に印刷された画像を読み取って画像データを生成する。また、プリンタ部1132は、用紙等の記録媒体上にトナー像等の色材を用いた画像を転写し、転写した画像を用紙等の記録媒体上に定着させることで、用紙等の記録媒体への画像形成を行う。
【0034】
また、ネットワークI/F1150は、ネットワーク18を介してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路1120及びネットワークI/F1150は、PCIバス1122を介して、ASIC1106に電気的に接続されている。
【0035】
図4は、本実施形態に係る画像検査装置10の一例の機能構成図である。画像検査装置10は、被検査画像取得部20、比較画像取得部22、検出部24、判定部26、表示制御部28、及び検出対象種類情報記憶部30を有する。被検査画像取得部20、比較画像取得部22、検出部24、判定部26、表示制御部28、及び検出対象種類情報記憶部30は、画像検査装置10が有するCPU134がROM135等に格納されたプログラムに規定された処理を実行することによって実現される。
【0036】
被検査画像取得部20は、被検査画像データを取得する。例えば画像形成装置12が印刷した用紙等の記録媒体上から画像をインラインセンサ131で読み取ることで、被検査画像取得部20は被検査画像の被検査画像データを取得する。
【0037】
比較画像取得部22は、比較画像データを取得する。比較画像データは、画像形成装置12が用紙等の記録媒体上への画像の印刷に利用した画像データである。画像形成装置12が用紙等の記録媒体上への画像の印刷に利用した画像データは、例えば印刷オリジナルデータである。比較画像取得部22は、用紙等の記録媒体上への画像の印刷を行った画像形成装置12から比較画像データを取得する。
【0038】
検出部24は、被検査画像取得部20が取得した被検査画像データを比較画像取得部22が取得した比較画像データと比較し、被検査画像データから欠陥などの検出対象画像の領域を検出する。
【0039】
例えば検出部24は、被検査画像データを比較画像データと対応する画素ごとに比較することで差分値を算出し、差分値と閾値との大小関係に基づき、被検査画像から欠陥の領域などの検出対象画像の領域を検出する。ここでは、検出対象画像の領域が欠陥の領域の例を説明する。比較画像データは、画像形成装置12において正しく印刷された場合の正解データとして機能する。したがって、欠陥の領域とは、被検査画像において比較画像と異なる領域である。また、閾値は、被検査画像の欠陥の有無を判断するための判断基準となる情報(値)である。読取画像における欠陥の有無を判断する処理は、例えば特開2015-117957号公報などに記載されているように公知である。
【0040】
また、検出部24は、欠陥の座標、色、又は形状等に関する情報を、検出欠陥情報として検出する。以下では、欠陥の座標を欠陥に外接する矩形の対角座標、欠陥の色を白及び黒の2種、欠陥の形状を粒状及び線状の2種、として説明する。
【0041】
表示制御部28は、検出した欠陥の領域をユーザに通知する為の表示画像データを生成して、表示装置14に表示させる。例えば表示制御部28は、検出した欠陥の領域を示す表示枠を被検査画像に重畳して表示する。また、表示制御部28は、表示枠が重なって表示されないように、重なりのある表示枠に替えて、重なりのある表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示する表示画像データを生成する。なお、表示制御部28の処理の詳細は後述する。
【0042】
判定部26は、検出部24が検出した検出対象画像の種類を判定する。また、判定部26が検出対象画像の種類の判定に利用する検出対象種類情報は、検出対象種類情報記憶部30に予め登録されている。例えば検出対象画像の領域が欠陥の領域の場合、検出対象種類情報記憶部30には、単独欠陥、粒状欠陥、又は線状欠陥などの欠陥の種類と、それらの欠陥の種類を判定する為の情報と、が予め登録されている。判定部26が判定した検出対象画像の種類は、後述のように表示枠と対応付けて表示される。なお、判定部26の処理の詳細は後述する。
【0043】
図5は、本実施形態に係る表示制御部28の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0044】
ステップS10において、表示制御部28は欠陥表示枠仮生成処理を行う。
図6は欠陥表示枠仮生成処理の一例の説明図である。
図6(A)は、検出部24が検出した欠陥の座標の一例を表しており、欠陥に外接する矩形の対角座標(x1、y1)(x2、y2)を表している。
図6(A)の矩形は、そのまま検出対象画像の領域を示す表示枠として表示すると、欠陥と表示枠とが繋がって欠陥が分かりにくい場合がある。そこで、表示制御部28は、
図6(A)の矩形を例えば
図6(B)に示すように拡げる。
図6(B)の矩形の対角座標(x1、y1)(x2、y2)は、
図6(A)の矩形を、例えば10画素などの規定のサイズ、拡げたものである。表示制御部28は、検出部24が検出した全ての欠陥について欠陥表示枠仮生成処理を行う。
【0045】
ステップS12において、表示制御部28は表示枠重なり判定処理を行う。
図7は表示枠重なり判定処理の一例の説明図である。表示制御部28は、ステップS10で仮生成した矩形の表示枠(仮表示枠)について重なっているか(オーバーラップしているか)を判定する。2つの矩形が重なっているかの判定は、2つの矩形の中心の距離と、それぞれの矩形のサイズとに基づき、以下の計算式により判定できる。
【0046】
ここでは、2つの矩形を「rect1」及び「rect2」とする。また、それぞれの矩形の左上隅座標を(x_start,y_start)とし、右下隅座標を(x_end,y_end)とする。
【0047】
また、2つの矩形の中心間の距離を以下の式で求める。
【0048】
distance_x=|(rect1.x_start+rect1.x_end)/2-(rect2.x_start+rect2.x_end)/2|
distance_y=|(rect1.y_start+rect1.y_end)/2-(rect2.y_start+rect2.y_end)/2|
また、2つの矩形の辺の1/2の長さを以下の式で求める。
【0049】
rect1.half_x=(rect1.x_end-rect1.x_start+1)/2
rect1.half_y=(rect1.y_end-rect1.y_start+1)/2
rect2.half_x=(rect2.x_end-rect2.x_start+1)/2
rect2.half_y=(rect2.y_end-rect2.y_start+1)/2
水平方向に隣接した場合の中心間水平方向距離を以下の式で求める。
【0050】
adjoin_x=rect1.half_x+rect2.half_x
垂直方向に隣接した場合の中心間垂直方向距離を以下の式で求める。
【0051】
adjoin_y=rect1.half_y+rect2.half_y
以下の条件式が成立している場合に、表示制御部28は2つの矩形が重なっていると判定する。以下の条件式は、2つの矩形の中心間の距離「distance_x」が中心間水平方向距離「adjoin_x」以下、且つ、2つの矩形の中心間の距離「distance_y」が中心間水平方向距離「adjoin_y」以下という条件を表す。
【0052】
(distance_x<=adjoin_x)&&(distance_y<=adjoin_y)
ステップS14において、表示制御部28はステップS12の表示枠重なり判定処理で重なっていると判定された矩形の仮表示枠の表示枠統合処理を行う。表示制御部28は統合後の矩形「integrated_rect」の領域を以下の式で求める。
【0053】
integrated_rect.x_start=min(rect1.x_start,rect2.x_start)
integrated_rect.y_start=min(rect1.y_start,rect2.y_start)
integrated_rect.x_end=max(rect1.x_end,rect2.x_end)
integrated_rect.y_end=max(rect1.y_end,rect2.y_end)
上記の「min」は括弧の中の要素から最小値を取得することを表す。「max」は括弧の中の要素から最大値を取得することを表す。表示制御部28はステップS14の表示枠統合処理により、重なりのある仮表示枠を統合し、それらの外接矩形を統合後の仮表示枠とする。また、統合後の仮表示枠が仮表示枠と新たに重なった場合は、例えば
図8に示すように再統合する。
図8は仮表示枠の統合及び再統合の一例を示した図である。表示制御部28は、仮表示枠数が収束するまで統合及び再統合の処理を繰り返す。
【0054】
図9は、ステップS14の表示枠統合処理の一例のフローチャートである。ステップS20において、表示制御部28は仮表示枠の個数を「N1」に代入する。ステップS22において、表示制御部28は、重なりのある表示枠の統合処理を行う。
【0055】
図10は、ステップS22の重なりのある表示枠の統合処理の一例のフローチャートである。ステップS30において、表示制御部28は統合前の仮表示枠の個数を「N」に代入する。
【0056】
ステップS32~S34において、表示制御部28はループi及びjのループ処理で重なりのある2つの仮表示枠「rect1」及び「rect2」を見つける。表示制御部28は重なりのある2つの仮表示枠「rect1」及び「rect2」についてステップS36~S40の処理を行う。ステップS36において、表示制御部28は重なりのある2つの仮表示枠「rect1」及び「rect2」を統合し、仮表示枠「integrated_rect」とする。ステップS38において、表示制御部28はi番目の仮表示枠を統合後の仮表示枠「integrated_rect」とする。また、表示制御部28はj番目の仮表示枠を「NULL(枠なし)」とする。このように、表示制御部28は重なりのある2つの仮表示枠を統合し、統合後の仮表示枠を一方の仮表示枠として更新し、他方の仮表示枠を「NULL」として更新する。
【0057】
図9のステップS24に戻り、表示制御部28はステップS22の重なりのある表示枠の統合処理後の仮表示枠の個数を「N2」に代入する。ステップS26において、表示制御部28はステップS22の重なりのある表示枠の統合処理前後の仮表示枠の個数が一致しているか否かを判定する。
【0058】
一致していなければ、表示制御部28はステップS20に戻り、処理を続ける。一致していれば、表示制御部28は
図9のフローチャートの処理を終了する。表示制御部28は
図9のフローチャートの処理により、ステップS22の重なりのある表示枠の統合処理前の仮表示枠の個数とステップS22の重なりのある表示枠の統合処理後の仮表示枠の個数とが一致するまでステップS22の重なりのある表示枠の統合処理を繰り返す。
【0059】
図5のステップS16に戻り、表示制御部28は表示画像生成処理を行う。表示制御部28は被検査画像取得部20が取得した被検査画像データに、ステップS10~S14の処理で得られた仮表示枠を、欠陥の領域を示す表示枠200として重ねた画像データを生成する。
図11及び
図12は、表示画像生成処理の一例の説明図である。
【0060】
図11(A)及び
図12(A)は被検査画像取得部20が取得した被検査画像データにより表示される被検査画像の一例のイメージ図である。
図11(A)及び
図12(A)の被検査画像は、欠陥の領域の一例として、単独欠陥、欠陥群1、及び欠陥群2を含む。
図11(B)はステップS10~S14の処理で得られた仮表示枠を、欠陥の領域を示す表示枠200として表示している。
図12(B)は検出部24が検出した欠陥の領域を示す表示枠200の一例である。
【0061】
例えば
図11(B)の被検査画像は、近接する欠陥群1の欠陥の表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠200と、近接する欠陥群2の欠陥の表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠200と、を含む。
【0062】
図11(B)の被検査画像は、
図12(B)に示すように、近接する欠陥群1の欠陥の表示枠200が重なって表示されないように、欠陥群1をまとめて囲う統合後の表示枠200を表示するため、ユーザが欠陥を視認しやすくなる。同様に、
図11(B)の被検査画像は、近接する欠陥群2の欠陥の表示枠が重なって表示されないように、欠陥群2をまとめて囲う統合後の表示枠200を表示するため、ユーザが欠陥を視認しやすくなる。
【0063】
このように、表示制御部28は、表示枠が重なって表示されないように、重なりのある表示枠に替えて、重なりのある表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示することで、ユーザが欠陥を視認しやすいように被検査画像を表示できる。
【0064】
なお、
図12(B)では、欠陥群1の欠陥の領域を示す表示枠200の表示が煩雑で視認しにくい例を示している。また、
図12(B)では、検出した欠陥の領域の数が表示枠200の上限数を超えた場合を示しており、欠陥群2の欠陥の領域の一部が表示枠200で示せていない。なお、欠陥を検出するアルゴリズムの高性能化に伴い、検出される欠陥の領域の数は増える傾向にあり、検出した欠陥の領域の数が表示枠200の上限数を超えてしまうケースの増加が予想される。
【0065】
また、本実施形態に係る表示制御部28は、
図13に示すように、表示枠200の近辺に、判定部26が判定した欠陥の種類を表示してもよい。
図13は、表示画像生成処理の一例の説明図である。
図13に示すように、表示制御部28は表示枠200に複数の種類の欠陥が含まれている場合も、判定部26が判定した欠陥の種類を例えば代表欠陥種として表示する。
【0066】
図14は判定部26の処理の一例のフローチャートである。判定部26はステップS50において、表示枠の個数を「N」に代入する。判定部26は表示枠ごとにステップS52~S60の処理を繰り返す。
【0067】
ステップS52において、判定部26はi番目の表示枠に含まれる粒状欠陥の面積総和を算出する。また、ステップS54において、判定部26はi番目の表示枠に含まれる線状欠陥の面積総和を算出する。ステップS56において、判定部26はステップS52で算出した粒状欠陥の面積総和の方がステップS54で算出した線状欠陥の面積総和よりも大きいかを判定する。
【0068】
ステップS52で算出した粒状欠陥の面積総和の方がステップS54で算出した線状欠陥の面積総和よりも大きければ、判定部26はステップS58に進み、粒状欠陥をi番目の表示枠の代表欠陥種と判定する。また、ステップS52で算出した粒状欠陥の面積総和の方がステップS54で算出した線状欠陥の面積総和よりも大きくなければ、判定部26はステップS60に進み、線状欠陥をi番目の表示枠の代表欠陥種と判定する。
【0069】
なお、
図13では、表示枠に含まれる欠陥の面積総和に基づいて表示枠の代表欠陥種を判定する例を示したが、表示枠の中心に最も近い欠陥の種類をi番目の表示枠の代表欠陥種と判定してもよい。
【0070】
また、i番目の表示枠の代表欠陥種は、i番目の表示枠に含まれる欠陥の数が最も多い欠陥の種類としてもよい。i番目の表示枠の代表欠陥種は、欠陥の形状のみならず、黒い粒状欠陥又は私論線状欠陥など、欠陥の色も欠陥の種類に含めるようにしてもよい。
【0071】
上記では、検出対象画像が用紙等の記録媒体上に印刷した画像に含まれる欠陥の例を説明した。本実施形態に係る画像検査装置10は、CT(Computed Tomography)画像、レントゲン画像、又はエコー画像の対比にも適用可能である。
【0072】
例えばCT画像の対比に適用する場合、画像検査装置10は被検査画像として取得したCT画像と比較画像として取得したCT画像とを比較し、差異のある領域を示す表示枠を表示する場合に、重なりのある表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示できる。
【0073】
また、例えばレントゲン画像の対比に適用する場合、画像検査装置10は被検査画像として取得したレントゲン画像と比較画像として取得したレントゲン画像とを比較し、差異のある領域を示す表示枠を表示する場合に、重なりのある表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示できる。
【0074】
また、例えばエコー画像の対比に適用する場合、画像検査装置10は被検査画像として取得したエコー画像と比較画像として取得したエコー画像とを比較し、差異のある領域を示す表示枠を表示する場合に、重なりのある表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示できる。
【0075】
また、
図4の画像検査装置10の機能は、
図15に示すように、画像形成装置12で実現することもできる。
図15は、本実施形態に係る画像形成装置12の一例の機能構成図である。
図15の画像形成装置12は、
図4の画像検査装置10と同様な機能を有する構成である。
【0076】
画像形成装置12の被検査画像取得部20、比較画像取得部22、検出部24、判定部26、表示制御部28、及び検出対象種類情報記憶部30は、画像形成装置12が有するCPU1101がROM1102a等に格納されたプログラムに規定された処理を実行することによって実現される。
【0077】
被検査画像取得部20は、被検査画像データを取得する。例えば印刷した用紙等の記録媒体上から画像をスキャナ部1131で読み取ることで、被検査画像取得部20は被検査画像の被検査画像データを取得する。また、比較画像取得部22は、比較画像データを取得する。比較画像データは、用紙等の記録媒体上への画像の印刷に利用する画像データである。
【0078】
検出部24は、被検査画像取得部20が取得した被検査画像データを比較画像取得部22が取得した比較画像データと比較し、被検査画像データから欠陥などの検出対象画像の領域を検出する。表示制御部28は、検出した欠陥の領域をユーザに通知する為の表示画像データを画像検査装置10と同様に生成して、操作パネル1140又は表示装置14に表示させる。判定部26は、検出部24が検出した検出対象画像の種類を判定する。判定部26が判定した検出対象画像の種類は、上述のように表示枠と対応付けて操作パネル1140又は表示装置14に表示される。
【0079】
図16は、本実施形態に係る画像形成装置及び画像検査装置を備えた印刷システムの一例の構成図である。
図16のシステム構成は一例であって、本実施形態で説明する欠陥検知が可能な構成であればよい。
【0080】
印刷システム2100は、画像形成装置の一例としてのプリンタ2101と、画像検査装置の一例としての検査装置2103と、スタッカ2104とを有している。プリンタ2101と、検査装置2103と、スタッカ2104との全て又は2つが一体の構成でもよい。プリンタ2101は、文字、画像又は図形などのデータを受け取り、用紙などに印刷する装置である。プリンタ2101は、印刷装置、MFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)、複合機等と呼ばれてもよい。
【0081】
プリンタ2101の上面にはプリンタ2101の操作部2102が設置されている。操作部2102は、ディスプレイ(タッチパネル)とキーボードを有し、操作画面を表示する。操作部2102は、印刷システム2100の操作画面を表示し、ユーザからの各種の操作を受け付ける。
【0082】
プリンタ2101は、DFE(Digital Front End)又はPC等の外部から、RIP画像を含んだ印刷ジョブを受け取るか、又は、プリンタ2101内に格納されている印刷ジョブの実行指示を受ける。なお、本実施形態では、一例として、RIP画像はCMYKの4プレーンとする。
【0083】
プリンタ2101は、実行を指示された印刷ジョブの内容に従い、給紙部2105より用紙を取得し、図中に点線で示す経路にて用紙を搬送する。プリンタ2101は、ドラム2113、2114、2115、及び2116により画像を用紙に形成する。ドラム2113、2114、2115、及び2116は、それぞれK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のトナー像をベルト2111上に重ね、ローラ2112まで搬送された用紙にカラーのトナー像を転写し、ローラ2117にて熱と圧力で用紙上にトナー像を定着させる。片面印刷の場合、用紙はそのまま検査装置2103に排紙される。両面印刷の場合には、反転パス2118にて用紙が反転されて、ローラ2112まで搬送され、ドラム2113、2114、2115、及び2116により用紙の反対側にもカラーのトナー像が転写・定着されたのち、検査装置2103に排紙される。
【0084】
検査装置2103は、プリンタ2101が出力した印刷物の印刷品質を検査する装置である。検査装置2103は、検査装置2103の操作部2133を有している。操作部2133の機能は、操作部2102と同様でよい。検査装置2103は、操作部2133を有していなくてもよく、プリンタ本体の操作部2102で兼ねてもよい。また、検査装置2103の操作部2133は、LAN等で接続されたPCであってもよい。この場合、PCは、例えばWebブラウザや専用アプリなどで検査結果を表示する。
【0085】
検査装置2103は、プリンタ2101から排紙された用紙上の画像を、読み取り装置2131、2132(読み取り部の一例)によりそれぞれ片面ずつ読み取り、経路の矢印方向に搬送し、スタッカ2104に排紙する。読み取られた画像データは、制御装置2134によりRIPデータと比較され、欠陥の検出処理が行われる。検出結果は操作部2133に表示される。
【0086】
スタッカ2104は、検査装置2103から排出された用紙を、トレイ2141にスタックする。
【0087】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0088】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【0089】
本発明の態様は、例えば、以下の通りである。
<1>
被検査画像を検査する画像検査装置であって、
被検査画像データを取得する被検査画像取得手段と、
取得した前記被検査画像データを比較画像データと比較し、前記被検査画像から検出対象画像の領域を検出する検出手段と、
検出した前記検出対象画像の領域を示す表示枠を前記被検査画像に表示する表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記表示枠が重なって表示されないように、重なりのある前記表示枠に替えて、重なりのある前記表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示する
ことを特徴とする画像検査装置。
<2>
予め登録されている前記検出対象画像の種類の中から、前記検出手段が検出した前記検出対象画像の種類を判定し、統合前の前記表示枠の前記検出対象画像の種類に基づき、統合後の前記表示枠の前記検出対象画像の種類を判定する判定手段、を更に有し、
前記表示制御手段は、判定した前記検出対象画像の種類を前記統合後の前記表示枠と対応付けて表示すること
を特徴とする前記<1>記載の画像検査装置。
<3>
前記判定手段は、統合前の前記表示枠の前記検出対象画像の種類毎に、前記検出対象画像の領域の面積を算出し、最も大きい面積の前記検出対象画像の種類を、統合後の前記表示枠の前記検出対象画像の種類と判定する
前記<2>記載の画像検査装置。
<4>
前記判定手段は、統合後の前記表示枠の中心に最も近い、統合前の前記表示枠の前記検出対象画像の種類を、統合後の前記表示枠の前記検出対象画像の種類と判定する
前記<2>記載の画像検査装置。
<5>
前記判定手段は、統合前の前記表示枠の前記検出対象画像の種類毎に、統合後の前記表示枠に含まれる前記検出対象画像の領域の数を算出し、最も多い数の前記検出対象画像の種類を、統合後の前記表示枠の前記検出対象画像の種類と判定する
前記<2>記載の画像検査装置。
<6>
前記表示枠は、所定の図形である
前記<1>乃至<5>の何れか一項に記載の画像検査装置。
<7>
前記表示制御手段は、前記表示枠が所定距離以下で近接して表示されないように、所定距離以下で近接する前記表示枠に替えて、所定距離以下で近接する前記表示枠を統合した統合後の表示枠を表示する
前記<1>乃至<6>の何れか一項に記載の画像検査装置。
<8>
前記被検査画像取得手段は、記録媒体上に印刷された画像を前記被検査画像として読み取って前記被検査画像データを取得し、
前記検出手段は、前記被検査画像データを、前記印刷に利用した画像データである比較画像データと比較し、前記被検査画像から前記検出対象画像の領域である欠陥の領域を検出する
前記<1>乃至<7>の何れか一項に記載の画像検査装置。
<9>
記録媒体上に画像を印刷し、前記記録媒体上に印刷した画像を被検査画像として検査する画像形成装置であって、
前記被検査画像の被検査画像データを取得する被検査画像取得手段と、
取得した前記被検査画像データを前記印刷に利用した画像データである比較画像データと比較し、前記被検査画像から検出対象画像の領域を検出する検出手段と、
検出した前記検出対象画像の領域を示す表示枠を前記被検査画像に表示する表示制御手段と、
を有し、
前記表示制御手段は、前記表示枠が重なって表示されないように、重なりのある前記表示枠に替えて、重なりのある前記表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示する
ことを特徴とする画像形成装置。
<10>
被検査画像を検査する画像検査装置が行う画像検査方法であって、
被検査画像データを取得する被検査画像取得ステップと、
取得した前記被検査画像データを比較画像データと比較し、前記被検査画像から検出対象画像の領域を検出する検出ステップと、
検出した前記検出対象画像の領域を示す表示枠を前記被検査画像に表示する表示制御ステップと、
を行い、
前記表示制御ステップは、前記表示枠が重なって表示されないように、重なりのある前記表示枠に替えて、重なりのある前記表示枠を統合して重なりをなくした統合後の表示枠を表示する
ことを特徴とする画像検査方法。
【符号の説明】
【0090】
1 画像検査システム
10 画像検査装置
12 画像形成装置
14 表示装置
18 ネットワーク
20 被検査画像取得部
22 比較画像取得部
24 検出部
26 判定部
28 表示制御部
30 検出対象種類情報記憶部
200 表示枠
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】