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特開2024-150645両面冷却型半導体モジュールの製造方法及び両面冷却型半導体装置の製造方法
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  • 特開-両面冷却型半導体モジュールの製造方法及び両面冷却型半導体装置の製造方法 図1
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  • 特開-両面冷却型半導体モジュールの製造方法及び両面冷却型半導体装置の製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150645
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】両面冷却型半導体モジュールの製造方法及び両面冷却型半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 23/34 20060101ALI20241016BHJP
   H01L 23/373 20060101ALI20241016BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/34 A
H01L23/36 M
H05K7/20 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117632
(22)【出願日】2024-07-23
(62)【分割の表示】P 2020080423の分割
【原出願日】2020-04-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(72)【発明者】
【氏名】根岸 征央
(72)【発明者】
【氏名】中子 偉夫
(72)【発明者】
【氏名】名取 美智子
(72)【発明者】
【氏名】石川 大
(72)【発明者】
【氏名】川名 祐貴
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性に優れる両面冷却型半導体モジュールの製造方法及び両面冷却型半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体素子1と基板11a,11bとを接合する接合材である銅焼結体31を含む接合部2、4を備える両面冷却型半導体モジュール100を製造する方法であって、接合材は、体積平均粒径が0.12μm以上0.8μm以下のサブマイクロ銅粒子と、体積平均粒径が1.0μm以上50μm以下のフレーク状マイクロ銅粒子と、を含み、サブマイクロ銅粒子の含有量及びフレーク状マイクロ銅粒子の含有量はそれぞれ、接合材に含まれる金属粒子の全質量を基準として、30質量%以上90質量%以下及び10質量%以上70質量%以下であり、接合材が、300℃以上の沸点を有する溶媒を、接合材の全質量を基準として、2質量%以上の割合で含有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、前記半導体素子の一方の主面側に設けられた第1の基板と、前記半導体素子の他方の主面側に設けられた第2の基板と、前記半導体素子と前記第1の基板とを接合する第1の接合部と、前記半導体素子と前記第2の基板とを接合する第2の接合部と、を備え、前記第1の接合部及び前記第2の接合部の少なくとも一方が銅焼結体を含み、前記銅焼結体が、銅粒子を含む接合材の焼結体である、両面冷却型半導体モジュールを製造する方法であって、
前記第1の基板と前記半導体素子との間に設けられた銅粒子を含む接合材を焼結する第1の接合工程、及び/又は、前記第2の基板と前記半導体素子との間に設けられた銅粒子を含む接合材を焼結する第2の接合工程、を備え、
前記接合材は、体積平均粒径が0.12μm以上0.8μm以下のサブマイクロ銅粒子と、体積平均粒径が1.0μm以上50μm以下のフレーク状マイクロ銅粒子と、を含み、
前記サブマイクロ銅粒子の含有量及び前記フレーク状マイクロ銅粒子の含有量はそれぞれ、前記接合材に含まれる金属粒子の全質量を基準として、30質量%以上90質量%以下及び10質量%以上70質量%以下であり、
前記接合材が、300℃以上の沸点を有する溶媒を、接合材の全質量を基準として、2質量%以上の割合で含有する、両面冷却型半導体モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記両面冷却型半導体モジュールが、半導体素子を2以上有する、請求項1に記載の両面冷却型半導体モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記第1の接合部及び前記第2の接合部のうちの一つ又は二つ以上がスペーサーを含む、請求項1又は2に記載の両面冷却型半導体モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記第1の接合工程及び/又は前記第2の接合工程において無加圧での接合を行う、請求項1~3のいずれか一項に記載の両面冷却型半導体モジュールの製造方法。
【請求項5】
半導体素子と、前記半導体素子の一方の主面側に設けられた第1の基板と、前記半導体素子の他方の主面側に設けられた第2の基板と、前記半導体素子と前記第1の基板とを接合する第1の接合部と、前記半導体素子と前記第2の基板とを接合する第2の接合部と、を備える両面冷却型半導体モジュール、並びに、前記両面冷却型半導体モジュールの第1の基板及び第2の基板のそれぞれに接続された第1の冷熱源及び第2の冷熱源、を備える、両面冷却型半導体装置を製造する方法であって、
前記両面冷却型半導体モジュールを請求項1~4のいずれか一項に記載の方法によって得る、両面冷却型半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面冷却型半導体モジュールの製造方法及び両面冷却型半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インバーター等に用いられている半導体装置は、半導体モジュールと冷熱源とを具備するものが提案されている。半導体モジュールの内部には、半導体素子と通電するための基板が配置されており、接合材などから形成される接合部を介して接合されている。基板と冷熱源とは、当接又は接合材によって接合されており、通電時に半導体素子から発生する熱は基板を介して冷熱源に向かって放熱される。
【0003】
近年、半導体装置の小型化・高密度化、及び高温動作化の要求から、通電する基板及び接合部に流れる電流が増大し、半導体素子の発熱量が増加している。そのため、半導体素子の両面に基板を配置し、それぞれの基板に冷熱源が接続された両面冷却型の半導体モジュール及び半導体装置が提案されている(例えば、下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-28040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近の半導体装置の高温動作化に対する要求の増大により、半導体素子の最大温度は上昇しており、従来の両面冷却型半導体モジュールでは信頼性の確保が困難となっている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、信頼性に優れる両面冷却型半導体モジュール及び両面冷却型半導体装置、並びに両面冷却型半導体モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明の一側面は、半導体素子と、半導体素子の一方の主面側に設けられた第1の基板と、半導体素子の他方の主面側に設けられた第2の基板と、半導体素子と第1の基板とを接合する第1の接合部と、半導体素子と第2の基板とを接合する第2の接合部と、を備え、第1の接合部及び第2の接合部の少なくとも一方が銅焼結体を含む、両面冷却型半導体モジュールを提供する。
【0008】
上記の両面冷却型半導体モジュールにおいては、接合部が銅焼結体を含むことにより、温度サイクルに対する接合部の信頼性及び接合寿命の向上を図ることができる。また、接合部が銅焼結体を含むことにより、半導体素子から基板までの放熱経路において接合部が熱抵抗増大の原因となって放熱性が悪化することを抑制することができ、半導体素子で発生した熱を基板を介して冷熱源に向かって効率よく放熱させることができる。よって、上記の両面冷却型半導体モジュールは優れた信頼性を有することができる。
【0009】
上記の両面冷却型半導体モジュールは、半導体素子を2以上有していてもよい。
【0010】
ところで、両面冷却型半導体モジュールにおいて、複数の異なる高さの半導体素子が搭載されている場合、少なくとも一方の半導体素子と少なくとも一方の基板との間にスペーサーを挟む等して高さを調整する必要があり、各部品に求められる高さ方向の精度は厳しくなる。また、各半導体素子の高さのばらつきに起因して半導体素子の基板との接合面の位置又は基板間の距離にばらつきが生じると、接合時に基板及び半導体素子などを挟み込む際、面圧分布が生じるため接合性が悪化する傾向にある。これに対し、本発明に係る両面冷却型半導体モジュールは、接合部が銅焼結体を含むことにより、半導体素子の高さにばらつきがある場合であっても接合面の位置(高さ)を調整することが容易であり、半導体素子の選別の作業や接合面の位置(高さ)を調整するための加工等の追加加工による製造コストの増大を抑制しやすいものになり得る。
【0011】
上記銅焼結体は銅粒子を含む接合材の焼結体であってもよい。
【0012】
両面冷却型半導体モジュールは、第1の接合部及び第2の接合部のうちの一つ又は二つ以上がスペーサーを含んでいてもよい。
【0013】
本発明の別の側面は、上記の本発明に係る両面冷却型半導体モジュールと、この両面冷却型半導体モジュールの第1の基板及び第2の基板のそれぞれに接続された第1の冷熱源及び第2の冷熱源とを備える両面冷却型半導体装置を提供する。
【0014】
上記の両面冷却型半導体装置は、本発明に係る両面冷却型半導体モジュールを備えることにより、信頼性に優れ、高温動作化を図ることができる。
【0015】
本発明の別の側面は、上記の本発明に係る両面冷却型半導体モジュールを製造する方法であって、第1の基板と半導体素子との間に設けられた銅粒子を含む接合材を焼結する第1の接合工程、及び/又は、第2の基板と半導体素子との間に設けられた銅粒子を含む接合材を焼結する第2の接合工程を備える両面冷却型半導体モジュールの製造方法を提供する。なお、第1の接合工程及び第2の接合工程を備える場合には、第1の接合工程及び第2の接合工程をこの順、逆の順、又は同時に行われることが含まれる。
【0016】
上記の両面冷却型半導体モジュールの製造方法によれば、上記第1の接合工程及び/又は上記第2の接合工程を備えることにより、半導体素子の高さにばらつきがある場合であっても接合面の位置(高さ)を調整することが容易となり、半導体素子の選別の作業や接合面の位置(高さ)を調整するための加工等の追加加工による製造コストの増大を抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、信頼性に優れる両面冷却型半導体モジュール及び両面冷却型半導体装置、並びに両面冷却型半導体モジュールの製造方法を提供することができる。
【0018】
本発明に係る両面冷却型半導体モジュール及び両面冷却型半導体装置は、はんだ接合では困難であった半導体素子温度175℃以上の高温環境下において動作が可能である。また、本発明に係る両面冷却型半導体モジュール及び両面冷却型半導体装置は、長寿命且つ故障タイミングのばらつきが小さいものになり得る。本発明に係る両面冷却型半導体モジュールの製造方法によれば、上記の両面冷却型半導体モジュール及び両面冷却型半導体装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】両面冷却型半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。
図2】両面冷却型半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。
図3】接合部の断面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書において、例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。接合材中の各成分の含有量は、接合材中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、接合材中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
【0021】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0022】
<両面冷却型半導体モジュール及び両面冷却型半導体装置>
本実施形態の両面冷却型半導体モジュールは、半導体素子と、半導体素子の一方の主面側に設けられた第1の基板と、半導体素子の他方の主面側に設けられた第2の基板と、半導体素子と第1の基板とを接合する第1の接合部と、半導体素子と第2の基板とを接合する第2の接合部と、を備え、第1の接合部及び第2の接合部の少なくとも一方が銅焼結体を含む。
【0023】
上記の両面冷却型半導体モジュールは、半導体素子を2以上有していてもよい。また、第1の接合部及び第2の接合部のうちの一つ又は二つ以上がスペーサーを含んでいてもよい。
【0024】
本実施形態の両面冷却型半導体装置は、上記の本実施形態に係る両面冷却型半導体モジュールと、この両面冷却型半導体モジュールの第1の基板及び第2の基板のそれぞれに接続された第1の冷熱源及び第2の冷熱源とを備える。
【0025】
なお、両面冷却型とは、熱流の方向が、半導体素子から半導体素子の両主面側に配置された基板のそれぞれに向かうものをいう。
【0026】
以下、本実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
(1)第一実施形態
図1は、両面冷却型半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示される両面冷却型半導体装置101は、半導体素子1と、半導体素子1の一方の主面側に設けられた第1の基板11aと、半導体素子の他方の主面側に設けられた第2の基板11bと、半導体素子1と第1の基板11aとを接合する第1の接合部2と、半導体素子1と第2の基板11bとを接合する第2の接合部4と、を有してなる両面冷却型半導体モジュール100、及び、第1の基板11a及び第2の基板11bのそれぞれに接続された第1の冷熱源21及び第2の冷熱源22を備える。本実施形態の両面冷却型半導体モジュール100においては、第1の接合部2は銅焼結体31から構成されており、第2の接合部4は、銅焼結体31とスペーサー41とから構成されており、半導体素子1が樹脂部材61によって封止されている。
【0028】
半導体素子1は、昇圧コンバータ―、インバーターなどを構成するダイオード、IGBT、MOSFET等のパワー素子として構成されている。
【0029】
半導体素子1を封止する樹脂部材61は、エポキシ樹脂等の合成樹脂などにより形成することができる。
【0030】
基板11a,11bの材質としては、熱伝導性及び導電性の観点から、銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、チタン、ステンレス、金、銀、白金等が挙げられる。また基板構成によっては導電性基板の内部にセラミックといった、熱伝導性及び耐熱性の良好な絶縁材料が形成されていることが好ましい。基板は、半導体素子と接合される基板と外部に向けて伸びている基板とを有していてもよく、これらの基板を接続するワイヤー51によって形成される電気回路を有していてもよい。ワイヤー51の材質としては、アルミニウム、銅、金などが挙げられる。ワイヤー51の線径はφ0.04~0.4mmが好ましい。ワイヤーに代えてバスバー又はクリップを適用しても構わない。
【0031】
基板11a,11bにおいて、接合部2,4との接合面にはメタライズ層を設けることが好ましい。メタライズ層の材質としては、例えば、ニッケル、金、銀、チタン、タングステン、モリブデン等が挙げられる。メタライズ層は、例えば、めっき、スパッタ、又は蒸着などの方法によって形成することができる。メタライズ層の厚さは0.05μm~500μmとすることができる。
【0032】
基板11a,11bに絶縁層を設ける場合、基板の熱膨張係数が半導体素子1と同等又は近しいことが好ましい。基板の熱膨張係数は、例えば、3.0×10-6~9.0×10-6/Kであってもよい。
【0033】
銅焼結体31は、銅粒子が含まれる接合材(銅ペースト)の焼結体であってもよい。接合材(銅ペースト)の詳細については後述する。
【0034】
スペーサー41は、両面冷却型半導体モジュール100又は両面冷却型半導体装置101の高さ調整として、必要に応じて設けることができる。本実施形態においては、第2の接合部4にスペーサーが設けられているが、第1の接合部に設けられていてもよい。また、各接合部に複数のスペーサーが設けられていてもよい。
【0035】
スペーサー41の材質としては、熱伝導性及び導電性の観点から、銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、チタン、ステンレス、金、銀、白金等が挙げられる。
【0036】
スペーサー41において、銅焼結体31との接合面にはメタライズ層を設けることが好ましい。メタライズ層の材質としては、例えば、ニッケル、金、銀、チタン、タングステン、モリブデン等が挙げられる。メタライズ層は、例えば、めっき、スパッタ、又は蒸着などの方法によって形成することができる。メタライズ層の厚さは0.05μm~500μmとすることができる。
【0037】
冷熱源21,22は、熱伝導性の良好な材料により形成され、公知のものを用いることができる。冷熱源の冷却方式は、水冷、空冷、又はペルチェでもあってもよい。冷却性能の観点から、水冷方式が好ましい。
【0038】
冷熱源21、22と、基板11a,11bとは、当接していてもよく、はんだ、焼結材、ろう材等の接合材によって接合されていてもよい。基板11a,11bが絶縁層を有していない場合、冷熱源21,22と、基板11a,11bとの間に絶縁層が設けられていることが好ましい。
【0039】
(2)第二実施形態
図2は、両面冷却型半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。図2に示される両面冷却型半導体装置101は、上記の両面冷却型半導体装置の第一実施形態において、半導体素子が複数になっていること以外は同様の構成を有している。
【0040】
第二実施形態に係る両面冷却型半導体装置においては、半導体素子の高さ(電流方向における長さ)にばらつき(高低差或いは長短差)があってもよい。
【0041】
<両面冷却型半導体モジュールの製造方法>
上述した本実施形態に係る両面冷却型半導体モジュールは、第1の基板と半導体素子との間に設けられた銅粒子を含む接合材を焼結する第1の接合工程、及び/又は、第2の基板と半導体素子との間に設けられた銅粒子を含む接合材を焼結する第2の接合工程、を備える方法によって製造することができる。
【0042】
第一実施形態に係る両面冷却型半導体モジュールを製造する場合、基板11aの半導体素子1との接合位置に接合材を塗布し、必要に応じて乾燥して設けられた塗膜に、必要に応じて治具を用いて半導体素子1を当接し、この塗膜(接合層)を焼成し(第1の接合工程)、半導体素子1のスペーサー41との接合面に接合材を塗布し、必要に応じて乾燥して設けられた塗膜に、必要に応じて治具を用いてスペーサー41を当接し、スペーサー41の基板との接合面に接合材を塗布し、必要に応じて乾燥して設けられた塗膜に、必要に応じて治具を用いて基板11bを当接し、これらの塗膜(接合層)を焼成する(第2の接合工程)ことができる。本実施形態においては、第1の接合工程における塗膜の焼成、及び第2の接合工程における塗膜の焼成を同時に行ってもよい。
【0043】
接合材としては、銅粒子と分散媒とを含む銅ペーストを用いることができる。
【0044】
銅粒子としては、サブマイクロ銅粒子、マイクロ銅粒子が挙げられる。サブマイクロ銅粒子とは、0.01μm以上1.00μm未満の粒径を有する銅粒子を指す。マイクロ銅粒子とは、1μm以上50μm未満の粒径を有する銅粒子を指す。
【0045】
銅粒子の粒径は、下記方法により求めることができる。銅粒子の粒径は、例えば、SEM像から算出することができる。銅粒子の粉末を、SEM用のカーボンテープ上にスパチュラで載せ、SEM用サンプルとする。このSEM用サンプルをSEM装置により5000倍で観察する。このSEM像の銅粒子に外接する四角形を画像処理ソフトにより作図し、その一辺をその粒子の粒径とする。
【0046】
(サブマイクロ銅粒子)
サブマイクロ銅粒子としては、粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子を含むものが挙げられ、例えば、体積平均粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子を用いることができる。サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径が0.12μm以上であれば、サブマイクロ銅粒子の合成コストの抑制、良好な分散性、表面処理剤の使用量の抑制といった効果が得られやすくなる。サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径が0.8μm以下であれば、サブマイクロ銅粒子の焼結性が優れるという効果が得られやすくなる。より一層上記効果を奏するという観点から、サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径は、0.15μm以上0.8μm以下であってもよく、0.15μm以上0.6μm以下であってもよく、0.2μm以上0.5μm以下であってもよく、0.3μm以上0.45μm以下であってもよい。
【0047】
なお、本願明細書において体積平均粒径とは、50%体積平均粒径を意味する。銅粒子の体積平均粒径を求める場合、原料となる銅粒子、又は接合材から揮発成分を除去した乾燥銅粒子を、分散剤を用いて分散媒に分散させたものを光散乱法粒度分布測定装置(例えば、島津ナノ粒子径分布測定装置(SALD-7500nano,株式会社島津製作所製))で測定する方法等により求めることができる。光散乱法粒度分布測定装置を用いる場合、分散媒としては、ヘキサン、トルエン、α-テルピネオール等を用いることができる。
【0048】
サブマイクロ銅粒子は、粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子を10質量%以上含むことができる。接合材の焼結性の観点から、サブマイクロ銅粒子は、粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子を20質量%以上含むことができ、30質量%以上含むことができ、100質量%含むことができる。サブマイクロ銅粒子における粒径が0.12μm以上0.8μm以下の銅粒子の含有割合が20質量%以上であると、銅粒子の分散性がより向上し、粘度の上昇、ペースト濃度の低下をより抑制することができる。
【0049】
サブマイクロ銅粒子の含有量は、接合材に含まれる金属粒子の全質量を基準として、20質量%以上90質量%以下であってもよく、30質量%以上90質量%以下であってもよく、35質量%以上85質量%以下であってもよく、40質量%以上80質量%以下であってもよい。サブマイクロ銅粒子の含有量が上記範囲内であれば、上述した本実施形態に係る接合部を形成することが容易となる。
【0050】
また、本実施形態の接合材が、銅粒子として、サブマイクロ銅粒子及びフレーク状マイクロ銅粒子を含む場合、サブマイクロ銅粒子の含有量は、サブマイクロ銅粒子の質量及びフレーク状マイクロ銅粒子の質量の合計を基準として、20質量%以上90質量%以下であってもよい。サブマイクロ銅粒子の上記含有量が20質量%以上であれば、フレーク状マイクロ銅粒子の間を充分に充填することができ、上述した本実施形態に係る接合部を形成することが容易となる。サブマイクロ銅粒子の上記含有量が90質量%以下であれば、接合材を焼結した時の体積収縮を充分に抑制できるため、上述した本実施形態に係る接合部を形成することが容易となる。より一層上記効果を奏するという観点から、サブマイクロ銅粒子の含有量は、サブマイクロ銅粒子の質量及びフレーク状マイクロ銅粒子の質量の合計を基準として、30質量%以上85質量%以下であってもよく、35質量%以上85質量%以下であってもよく、40質量%以上80質量%以下であってもよい。
【0051】
サブマイクロ銅粒子の形状は、特に限定されるものではない。サブマイクロ銅粒子の形状としては、例えば、球状、塊状、針状、フレーク状、略球状及びこれらの凝集体が挙げられる。分散性及び充填性の観点から、サブマイクロ銅粒子の形状は、球状、略球状、フレーク状であってもよく、燃焼性、分散性、フレーク状マイクロ粒子との混合性等の観点から、球状又は略球状であってもよい。
【0052】
サブマイクロ銅粒子は、分散性、充填性、及びフレーク状マイクロ粒子との混合性の観点から、アスペクト比が5以下であってもよく、3以下であってもよい。本明細書において、「アスペクト比」とは、粒子の長辺/厚みを示す。粒子の長辺及び厚みの測定は、例えば、粒子のSEM像から求めることができる。
【0053】
サブマイクロ銅粒子は、特定の表面処理剤で処理されていてもよい。特定の表面処理剤としては、例えば、炭素数8~16の有機酸が挙げられる。炭素数8~16の有機酸としては、例えば、カプリル酸、メチルヘプタン酸、エチルヘキサン酸、プロピルペンタン酸、ペラルゴン酸、メチルオクタン酸、エチルヘプタン酸、プロピルヘキサン酸、カプリン酸、メチルノナン酸、エチルオクタン酸、プロピルヘプタン酸、ブチルヘキサン酸、ウンデカン酸、メチルデカン酸、エチルノナン酸、プロピルオクタン酸、ブチルヘプタン酸、ラウリン酸、メチルウンデカン酸、エチルデカン酸、プロピルノナン酸、ブチルオクタン酸、ペンチルヘプタン酸、トリデカン酸、メチルドデカン酸、エチルウンデカン酸、プロピルデカン酸、ブチルノナン酸、ペンチルオクタン酸、ミリスチン酸、メチルトリデカン酸、エチルドデカン酸、プロピルウンデカン酸、ブチルデカン酸、ペンチルノナン酸、ヘキシルオクタン酸、ペンタデカン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、パルミチン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸、エチルシクロヘキサンカルボン酸、プロピルシクロヘキサンカルボン酸、ブチルシクロヘキサンカルボン酸、ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、ヘキシルシクロヘキサンカルボン酸、ヘプチルシクロヘキサンカルボン酸、オクチルシクロヘキサンカルボン酸、ノニルシクロヘキサンカルボン酸等の飽和脂肪酸;オクテン酸、ノネン酸、メチルノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、サビエン酸等の不飽和脂肪酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o-フェノキシ安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、ペンチル安息香酸、ヘキシル安息香酸、ヘプチル安息香酸、オクチル安息香酸、ノニル安息香酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。有機酸は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。このような有機酸と上記サブマイクロ銅粒子とを組み合わせることで、サブマイクロ銅粒子の分散性と焼結時における有機酸の脱離性を両立できる傾向にある。
【0054】
表面処理剤の処理量は、サブマイクロ銅粒子の表面に一分子層~三分子層付着する量であってもよい。この量は、サブマイクロ銅粒子の表面に付着した分子層数(n)、サブマイクロ銅粒子の比表面積(Ap)(単位m/g)と、表面処理剤の分子量(Ms)(単位g/mol)と、表面処理剤の最小被覆面積(SS)(単位m/個)と、アボガドロ数(NA)(6.02×1023個)から算出できる。具体的には、表面処理剤の処理量は、表面処理剤の処理量(質量%)={(n・Ap・Ms)/(SS・NA+n・Ap・Ms)}×100%の式に従って算出される。
【0055】
サブマイクロ銅粒子の比表面積は、乾燥させたサブマイクロ銅粒子をBET比表面積測定法で測定することで算出できる。表面処理剤の最小被覆面積は、表面処理剤が直鎖飽和脂肪酸の場合、2.05×10-19/1分子である。それ以外の表面処理剤の場合には、例えば、分子モデルからの計算、又は「化学と教育」(上江田捷博、稲福純夫、森巌、40(2),1992,p114-117)に記載の方法で測定できる。表面処理剤の定量方法の一例を示す。表面処理剤は、接合材から分散媒を除去した乾燥粉の熱脱離ガス・ガスクロマトグラフ質量分析計により同定でき、これにより表面処理剤の炭素数及び分子量を決定できる。表面処理剤の炭素分割合は、炭素分分析により分析できる。炭素分分析法としては、例えば、高周波誘導加熱炉燃焼/赤外線吸収法が挙げられる。同定された表面処理剤の炭素数、分子量及び炭素分割合から上記式により表面処理剤量を算出できる。
【0056】
表面処理剤の上記処理量は、0.07質量%以上2.1質量%以下であってもよく、0.10質量%以上1.6質量%以下であってもよく、0.2質量%以上1.1質量%以下であってもよい。
【0057】
サブマイクロ銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されているサブマイクロ銅粒子としては、例えば、CH-0200(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.36μm)、HT-14(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.41μm)、CT-500(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.72μm)、Tn-Cu100(太陽日酸株式会社製、体積平均粒径0.12μm)が挙げられる。
【0058】
(マイクロ銅粒子)
マイクロ銅粒子としては、粒径が1.0μm以上50μm以下の銅粒子を含むものが挙げられ、例えば、体積平均粒径が1.0μm以上50μm以下の銅粒子を用いることができる。マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、2.0μm以上20μm以下であってよく、2.0μm以上10μm以下であってもよく、3.0μm以上~20μm以下であってもよく、3.0μm以上~10μm以下であってもよい。
【0059】
マイクロ銅粒子の形状としては、例えば、球状、塊状、針状、フレーク状、略球状、及びこれらの凝集体が挙げられる。これらの中でも、フレーク状が好ましい。なお、フレーク状とは板状、鱗片状等の平板状の形状を包含する。
【0060】
フレーク状マイクロ銅粒子としては、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上の銅粒子を含むものが挙げられ、例えば、平均最大径が1μ以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上の銅粒子を用いることができる。フレーク状マイクロ銅粒子の平均最大径及びアスペクト比が上記範囲内であれば、接合材を焼結した際の体積収縮を充分に低減でき、上述した本実施形態に係る接合部を形成することが容易となる。より一層上記効果を奏するという観点から、フレーク状マイクロ銅粒子の平均最大径は、1μm以上10μm以下であってもよく、3μm以上10μm以下であってもよい。フレーク状マイクロ銅粒子の最大径及び平均最大径の測定は、例えば、粒子のSEM像から求めることができ、後述するフレーク状構造の長径X及び長径の平均値Xavとして求められる。
【0061】
フレーク状マイクロ銅粒子は、最大径が1μm以上20μm以下の銅粒子を50質量%以上含むことができる。接合体内での配向、補強効果、接合ペーストの充填性の観点から、フレーク状マイクロ銅粒子は、最大径が1μm以上20μm以下の銅粒子を70質量%以上含むことができ、80質量%以上含むことができ、100質量%含むことができる。接合不良を抑制する観点から、フレーク状マイクロ銅粒子は、例えば、最大径が20μmを超える粒子等の接合厚みを超えるサイズの粒子を含まないことが好ましい。
【0062】
フレーク状マイクロ銅粒子の長径XをSEM像から算出する方法を例示する。フレーク状マイクロ銅粒子の粉末を、SEM用のカーボンテープ上にスパチュラで載せ、SEM用サンプルとする。このSEM用サンプルをSEM装置により5000倍で観察する。SEM像のフレーク状マイクロ銅粒子に外接する長方形を画像処理ソフトにより作図し、長方形の長辺をその粒子の長径Xとする。複数のSEM像を用いて、この測定を50個以上のフレーク状マイクロ銅粒子に対して行い、長径の平均値Xavを算出する。
【0063】
フレーク状マイクロ銅粒子は、アスペクト比が4以上であってもよく、6以上であってもよい。アスペクト比が上記範囲内であれば、接合材内のフレーク状マイクロ銅粒子が、接合面に対して略平行に配向することにより、接合層(接合材)を焼結させたときの体積収縮を抑制でき、上述した本実施形態に係る接合部を形成することが容易となる。
【0064】
本実施形態に係るフレーク状マイクロ銅粒子の形状は、長径(平均最大径)X、中径(幅)Y、短径(厚さ)Tというパラメータで規定することもできる。長径Xは、フレーク状マイクロ銅粒子の三次元形状において、フレーク状マイクロ銅粒子に外接する平行二平面のうち、この平行二平面間の距離が最大となるように選ばれる平行二平面の距離である。中径Yは、長径Xを与える平行二平面に直交し、且つ、フレーク状マイクロ銅粒子に外接する平行二平面のうち、この平行二平面間の距離が最大となるように選ばれる平行二平面の距離である。短径Tは、長径Xを与える平行二平面及び中径Yを与える平行二平面に直交し、且つ、フレーク状マイクロ銅粒子に外接する平行二平面のうち、平行二平面間の距離が最大となるように選ばれる平行二平面の距離である。
【0065】
長径の平均値Xavは、1μm以上50.0μm以下であってもよく、1μm以上20μm以下であってもよく、3μm以上10μm以下であってもよい。Xavが上記範囲内であれば、接合材を焼結させて製造される接合体において、接合材の焼結体を適切な厚みで形成しやすい。
【0066】
短径の平均値Tavに対する長径の平均値Xavの比(アスペクト比)であるXav/Tavは、4.0以上であってもよく、6.0以上であってもよく、10.0以上であってもよい。Xav/Tavが上記範囲内であれば、接合材内のフレーク状マイクロ銅粒子が、接合面に対して略平行に配向しやすくなり、接合材を焼結させたときの体積収縮を抑制でき、接合材を焼結させて製造される接合体の接合強度を確保することが容易となる。
【0067】
中径の平均値Yavに対する長径の平均値Xavの比であるXav/Yavは、2.0以下であってもよく、1.7以下であってもよく、1・5以下であってもよい。Xav/Yavが上記範囲内であれば、フレーク状マイクロ銅粒子の形状がある程度の面積を有するフレーク状の粒子となり、接合材内のフレーク状マイクロ銅粒子が接合面に対して略平行に配向しやすくなり、接合材を焼結させたときの体積収縮を抑制でき、接合材を焼結させて製造される接合体の接合強度を確保することが容易となる。Xav/Yavが2.0を超える場合、フレーク状マイクロ銅粒子の形状が細長い線状に近づくことを意味する。
【0068】
短径の平均値Tavに対する中径の平均値Yavの比であるYav/Tavは、2.5以上であってもよく、4.0以上であってもよく、8.0以上であってもよい。Yav/Tavが上記範囲内であれば、接合材内のフレーク状マイクロ銅粒子が、接合面に対して略平行に配向しやすくなり、接合材を焼結させたときの体積収縮を抑制でき、接合材を焼結させて製造される接合体の接合強度を確保することが容易となる。
【0069】
フレーク状マイクロ銅粒子の含有量は、金属粒子の全質量を基準として、1質量%以上90質量%以下であってもよく、10質量%以上70質量%以下であってもよく、20質量%以上50質量%以下であってもよい。フレーク状マイクロ銅粒子の含有量が、上記範囲内であれば、上述した本実施形態に係る接合部を形成することが容易となる。
【0070】
本実施形態の接合材が、銅粒子として、サブマイクロ銅粒子及びフレーク状マイクロ銅粒子を含む場合、サブマイクロ銅粒子の含有量及びフレーク状マイクロ銅粒子の含有量の合計は、金属粒子の全質量を基準として、80質量%以上であってもよい。サブマイクロ銅粒子の含有量及びフレーク状マイクロ銅粒子の含有量の合計が上記範囲内であれば、上述した本実施形態に係る接合部を形成することが容易となる。より一層上記効果を奏するという観点から、サブマイクロ銅粒子の含有量及びフレーク状マイクロ銅粒子の含有量の合計は、金属粒子の全質量を基準として、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
【0071】
フレーク状マイクロ銅粒子において、表面処理剤の処理の有無は特に限定されるものではない。分散安定性及び耐酸化性の観点から、フレーク状マイクロ銅粒子は表面処理剤で処理されていてもよい。表面処理剤は、接合時に除去されるものであってもよい。このような表面処理剤としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o-フェノキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソボルニルシクロヘキサノール、テトラエチレングリコール等の脂肪族アルコール;p-フェニルフェノール等の芳香族アルコール;オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン;ステアロニトリル、デカンニトリル等の脂肪族ニトリル;アルキルアルコキシシラン等のシランカップリング剤;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、シリコーンオリゴマー等の高分子処理材等が挙げられる。表面処理剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0072】
表面処理剤の処理量は、粒子表面に一分子層以上の量であってもよい。このような表面処理剤の処理量は、フレーク状マイクロ銅粒子の比表面積、表面処理剤の分子量、及び表面処理剤の最小被覆面積により変化する。表面処理剤の処理量は、通常0.001質量%以上である。フレーク状マイクロ銅粒子の比表面積、表面処理剤の分子量、及び表面処理剤の最小被覆面積については、上述した方法により算出することができる。
【0073】
サブマイクロ銅粒子とフレーク状マイクロ銅粒子とを併用することで、接合材を焼結させたときの体積収縮が抑制され、接合材の焼結時に被着面より剥離しにくくなり、半導体素子等の接合においては充分な接合性及び信頼性が得られやすくなる。
【0074】
本実施形態の接合材において、金属粒子に含まれる、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が2未満のマイクロ銅粒子の含有量は、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上のフレーク状マイクロ銅粒子全量を基準として、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。平均最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が2未満のマイクロ銅粒子の含有量を制限することにより、接合材内のフレーク状マイクロ銅粒子が、接合面に対して略平行に配向しやすくなり、接合材を焼結させたときの体積収縮をより有効に抑制することができる。これにより、上述した本実施形態に係る接合部を形成することが容易となる。このような効果が更に得られやすくなる点で、平均最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が2未満のマイクロ銅粒子の含有量は、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上のフレーク状マイクロ銅粒子全量を基準として、20質量%以下であってもよく、10質量%以下であってもよい。
【0075】
本実施形態に係るフレーク状マイクロ銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されているフレーク状マイクロ銅粒子としては、例えば、MA-C025(三井金属鉱業株式会社製、平均最大径4.1μm)、3L3(福田金属箔粉工業株式会社製、体積最大径7.3μm)、1110F(三井金属鉱業株式会社製、平均最大径5.8μm)、2L3(福田金属箔粉工業株式会社製、平均最大径9μm)などが挙げられる。
【0076】
本実施形態の接合材においては、配合するマイクロ銅粒子として、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上のフレーク状マイクロ銅粒子を含み、且つ、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が2未満のマイクロ銅粒子の含有量が、上記フレーク状マイクロ銅粒子全量を基準として、50質量%以下、好ましくは30質量%以下であるマイクロ銅粒子を用いることができる。市販されているフレーク状マイクロ銅粒子を用いる場合、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が4以上のフレーク状マイクロ銅粒子を含み、且つ、最大径が1μm以上20μm以下であり、アスペクト比が2未満のマイクロ銅粒子の含有量が、上記フレーク状マイクロ銅粒子全量を基準として、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下であるものを選定してもよい。
【0077】
接合材は、銅粒子以外のその他の金属粒子を含んでいてもよい。その他の金属粒子としては、例えば、ニッケル、銀、金、パラジウム、白金等の粒子が挙げられる。
【0078】
その他の金属粒子は、体積平均粒径が0.01μm以上10μm以下であってもよく、0.01μm以上5μm以下であってもよく、0.05μm以上3μm以下であってもよい。その他の金属粒子を含んでいる場合、その含有量は、充分な接合性を得るという観点から、接合材に含まれる金属粒子の全質量を基準として、20質量%未満であってもよく、10質量%以下であってもよい。その他の金属粒子は、含まれなくてもよい。その他の金属粒子の形状は、特に限定されるものではない。
【0079】
本実施形態の接合材が銅粒子以外の金属粒子を含むことで、複数種の金属が固溶又は分散した焼結金属層を得ることができるため、接合部の降伏応力、疲労強度等の機械的な特性が改善され、接続信頼性が向上しやすい。また、複数種の金属粒子を添加することで、形成される接合部は、半導体素子及び基板などの被着体に対して、接合強度及び接続信頼性が向上しやすい。
【0080】
(分散媒)
分散媒は特に限定されるものではなく、揮発性のものであってもよい。揮発性の分散媒としては、例えば、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、α-テルピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール(MTPH)等の一価及び多価アルコール類;エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ-ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の酸アミド;シクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;炭素数1~18のアルキル基を有するメルカプタン類;炭素数5~7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類が挙げられる。炭素数1~18のアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、エチルメルカプタン、n-プロピルメルカプタン、i-プロピルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、i-ブチルメルカプタン、t-ブチルメルカプタン、ペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン及びドデシルメルカプタンが挙げられる。炭素数5~7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、シクロペンチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン及びシクロヘプチルメルカプタンが挙げられる。
【0081】
分散媒の含有量は、接合材に含まれる金属粒子の全質量を100質量部として、5~50質量部であってもよい。分散媒の含有量が上記範囲内であれば、接合材をより適切な粘度に調整でき、また、銅粒子の焼結を阻害しにくい。
【0082】
本実施形態において、分散媒は、300℃以上の沸点を有する溶媒を含むことが好ましい。塗膜(接合層)の焼結時において、焼結及び緻密化を妨げず、接合温度に達した際に速やかに蒸発・除去されるという観点から、300℃以上の沸点を有する溶媒の沸点としては、300℃以上450℃以下であってもよく、305℃以上400℃以下であってもよく、310℃以上380℃以下であってもよい。
【0083】
300℃以上の沸点を有する溶媒は、含まれる金属粒子の分散性を向上させるため、金属粒子表面と親和性の高い構造を選ぶことが好ましい。金属粒子がアルキル基を含む表面処理剤で表面処理されている場合には、アルキル基を有する溶媒を選ぶことが好ましい。このような300℃以上の沸点を有する溶媒としては、イソボルニルシクロヘキサノール(MTPH、日本テルペン社製)、ステアリン酸ブチル、エキセパールBS(花王社製)、ステアリン酸ステアリル、エキセパールSS(花王社製)、ステアリン酸2-エチルヘキシル、エキセパールEH-S(花王社製)、ステアリン酸イソトリデシル、エキセパールTD-S(花王社製)、イソオクタデカノール、ファインオキソコール180(日産化学社製)、ファインオキソコール180T(日産化学社製)、2-ヘキシルデカノール、ファインオキソコール1600(日産化学社製)、トリブチリン、テトラエチレングリコール、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘネイコサン、ドコサン、メチルヘプタデカン、トリデシルシクロヘキサン、テトラデシルシクロヘキサン、ペンタデシルシクロヘキサン、ヘキサデシルシクロヘキサン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、ペンタデシルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘプタデシルベンゼン、ノニルナフタレン、ジフェニルプロパン、オクタン酸オクチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル、トリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサン酸)、クエン酸トリブチル、ペンチルフェノール、セバシン酸ジブチル、オレイルアルコール、セチルアルコール、メトキシフェネチルアルコール、ベンジルフェノール、ヘキサデカンニトリル、ヘプタデカンニトリル、安息香酸ベンジル、シンメチリン等が挙げられる。
【0084】
300℃以上の沸点を有する溶媒としては、分散性向上という観点から、表面処理剤とのハンセン溶解度パラメータが近いものを選ぶことが好ましい。表面処理剤として、有機酸、有機アミン、ヒドロキシル基含有ポリマー、ポリビニルピロリドン等が扱いやすいことから、300℃以上の沸点を有する溶媒は、ヒドロキシ基、エーテル基、及びエステル基からなる群から少なくとも1種の基を有していることが好ましい。ハンセン溶解度パラメータは、例えば、ハンドブックの巻末データベースから検索する、又は、データベース及びシミュレーション統合ソフトウエアHSPiPで検索/計算することができる。
【0085】
300℃以上の沸点を有する溶媒の含有量は、接合材の全質量を基準として、2質量%以上とすることができる。300℃以上の沸点を有する溶媒の含有量は、接合材の全質量を基準として、2.2質量%以上であってもよく、2.3質量%以上であってもよく、2.4質量%以上であってもよい。300℃以上の沸点を有する溶媒の含有量が、上記範囲であれば、本実施形態の塗膜(接合層)を焼結する際に、一定量の溶媒が接合層中に残留することができ、部材間の接合材の可撓性及び付着性が維持されやすく、接合に用いる部材同士が異なる熱膨張率を有している場合でも、剥離なく接合できる傾向にある。300℃以上の沸点を有する溶媒の含有量の上限は、特に限定されるものではない。焼結温度で分散媒が除去されるまでの時間を抑え、焼結時間を短くすることができるという観点から、接合材の全質量を基準として、9質量%以下であってもよい。
【0086】
また、本実施形態の接合材において、300℃以上の沸点を有する溶媒の含有量は、接合材の全体積を基準として、15体積%以上であってもよく、17体積%以上であってもよく、23体積%以上であってもよい。300℃以上の沸点を有する溶媒の含有量が、上記範囲であれば、本実施形態の塗膜(接合層)を焼結する際に、一定量の溶媒が塗膜(接合層)中に残留することができ、部材間の接合材の可撓性及び付着性が維持されやすく、接合に用いる部材同士が異なる熱膨張率を有している場合でも、剥離なく接合できる傾向にある。300℃以上の沸点を有する溶媒の含有量の上限は、特に限定されるものではない。焼結温度で分散媒が除去されるまでの時間を抑え、焼結時間を短くすることができるという観点から、接合材の全体積を基準として、60体積%以下であってもよい。
【0087】
接合材に含まれる分散媒の種類は、例えば、高温脱離ガスのガスクロマトグラフ-質量分析法、及びTOF-SIMSで分析できる。その他の分析方法としては、遠心分離により粒子成分を分離して得られる上澄みを通常の有機分析、例えば、FT-IR、NMR、液体クロマトグラフ及びこれらの組み合わせで同定しても良い。分散媒の種類の比率は、液体クロマトグラフ、NMR等で定量できる。
【0088】
(添加剤)
接合材には、必要に応じて、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤;シリコーン油等の消泡剤;無機イオン交換体等のイオントラップ剤等を適宜添加してもよい。
【0089】
(接合材の調製)
接合材は、上述のサブマイクロ銅粒子、マイクロ銅粒子、その他の金属粒子及び任意の添加剤を分散媒に混合して調製してもよい。各成分の混合後に、撹拌処理を行ってもよい。接合材は、分級操作により分散液の最大粒径を調整してもよい。
【0090】
接合材は、サブマイクロ銅粒子、表面処理剤、分散媒をあらかじめ混合して、分散処理を行ってサブマイクロ銅粒子の分散液を調製し、更にマイクロ銅粒子、その他の金属粒子及び任意の添加剤を混合して調製してもよい。このような手順とすることで、サブマイクロ銅粒子の分散性が向上してマイクロ銅粒子との混合性が良くなり、接合材の性能がより向上する。サブマイクロ銅粒子の分散液を分級操作によって凝集物を除去してもよい。
【0091】
接合材を塗布する方法としては、ステンシル印刷、ディスペンサー、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、スリットコート、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ソフトリソグラフ、バーコート、アプリケータ、粒子堆積法、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ、電着塗装等を用いることができる。
【0092】
塗膜の厚みは、1μm以上1000μm以下であってもよく、10μm以上1000μm以下であってもよく、10μm以上500μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよく、10μm以上3000μm以下であってもよく、15μm以上500μm以下であってもよく、20μm以上300μm以下であってもよく、5μm以上500μm以下であってもよく、10μm以上250μm以下であってもよく、15μm以上150μm以下であってもよい。
【0093】
半導体素子の高さばらつき又は基板間の距離のばらつきを吸収する効果、及び印刷精度の観点から、10μm以上1000μm以下が好ましい。塗膜の厚さが10μm以上であると、高さばらつき吸収果を得ることが容易となり、1000μm以下であると、印刷精度を確保しやすくなる。
【0094】
塗膜の乾燥方法は、常温放置による乾燥であってもよく、加熱乾燥であってもよく、減圧乾燥であってもよい。加熱乾燥又は減圧乾燥には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉、熱板プレス装置等を用いることができる。乾燥の温度及び時間は、使用した分散媒の種類及び量に合わせて適宜調整してもよい。乾燥の温度及び時間としては、例えば、50℃以上180℃以下で1分以上120分間以下乾燥させてもよい。
【0095】
塗膜(接合層)の焼結は、加熱処理することによって行うことができる。加熱処理には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉等を用いることができる。
【0096】
焼結時のガス雰囲気は、酸化抑制の観点から、無酸素雰囲気であってもよい。焼結時のガス雰囲気は、銅粒子の表面酸化物を除去するという観点から、還元雰囲気であってもよい。無酸素雰囲気としては、例えば、窒素、希ガス等の無酸素ガスの導入、又は真空下が挙げられる。還元雰囲気としては、例えば、純水素ガス中、フォーミングガスに代表される水素及び窒素の混合ガス中、ギ酸ガスを含む窒素中、水素及び希ガスの混合ガス中、ギ酸ガスを含む希ガス中等が挙げられる。
【0097】
加熱処理時の到達最高温度は、パワーカードあるいは両面冷却モジュールを構成する部材への熱ダメージの低減及び歩留まりを向上させるという観点から、250℃以上450℃以下であってもよく、250℃以上400℃以下であってもよく、250℃以上350℃以下であってもよい。到達最高温度が、200℃以上であれば、到達最高温度保持時間が60分以下において焼結が充分に進行する傾向にある。
【0098】
到達最高温度保持時間は、分散媒を全て揮発させ、また、歩留まりを向上させるという観点から、1分以上60分以下であってもよく、1分以上40分未満であってもよく、1分以上30分未満であってもよい。
【0099】
本実施形態においては、銅粒子を主成分とする接合材の還元性、及び基板と半導体素子との間で生じる熱応力低減の観点から、濃度1%以上の水素中、350℃以下で加熱することが好ましい。
【0100】
また、塗膜(接合層)は、0~100MPaの荷重下で焼結することができる。なお、本実施形態においては、無加圧で接合することができる。本明細書において、「無加圧」とは、接合する部材の自重、又はその自重に加え、0.01MPa以下の圧力を受けている状態を意味する。
【0101】
接合材(銅ペースト)が、銅粒子と分散媒とを含み、銅粒子が、体積平均粒径が0.01μm以上0.8μm以下であるサブマイクロ銅粒子と、体積平均粒径が2.0μm以上50μm以下であるマイクロ銅粒子とを含み、サブマイクロ銅粒子の含有量及びマイクロ銅粒子の含有量の合計が、接合材に含まれる金属粒子の全質量を基準として、80質量%以上であり、サブマイクロ銅粒子の含有量が、サブマイクロ銅粒子の質量及びマイクロ銅粒子の質量の合計を基準として、30質量%以上90質量%以下であり、マイクロ銅粒子の含有量が、接合材に含まれる金属粒子の全質量を基準として、10質量%以上50質量%以下である場合、無加圧での接合を行う場合であっても充分な接合強度を得ることができる。
【0102】
上記の理由については、接合材中に含まれるサブマイクロ銅粒子とマイクロ銅粒子とを特定の割合で含有させることにより、充分な焼結性を維持しつつ、表面保護剤又は分散媒に起因する焼結時の体積収縮を充分抑制することが可能となり、焼結体強度の確保及び被着面との接合力向上が達成されることが考えられる。
【0103】
また、上記の接合材は、サブマイクロ銅粒子及びマイクロ銅粒子によって前記の効果を得ることができることから、高価な銅ナノ粒子を主成分とする接合材に比べて、より安価で且つ安定的に供給できるという利点を有する。
【0104】
さらに、上記マイクロ銅粒子はフレーク状であることが好ましい。フレーク状のマイクロ銅粒子を用いると、半導体素子と基板との間で生じる熱応力を低減することが更に容易となる。なお、このような効果が得られる理由として、接合材内のマイクロ銅粒子が、接合面に対して略平行に配向することにより、接合材を焼結させたときの体積収縮を抑制できること、フレーク状のマイクロ銅粒子の重なり面積が増大することで接合力が向上すること及び、フレーク状のマイクロ銅粒子がサブマイクロ銅粒子を整列し補強効果が得られることが考えられる。
【0105】
接合後の接合材(銅ペースト)は、銅の焼結体(多孔質体)となる。
【0106】
図3は、本実施形態に係る接合部の断面拡大図である。基板と半導体素子、又は半導体素子とスペーサーとを接合する銅焼結体は、銅粒子と分散媒とを含み、銅粒子がサブマイクロ銅粒子及びマイクロ銅粒子を含む接合材から形成された接合層の焼結体であり、サブマイクロ銅粒子に由来する構造31(a)と、マイクロ銅粒子としてフレーク状マイクロ銅粒子の銅粒子に由来する構造31(b)と、空孔31(c)とを含む多孔質体である。
【0107】
本実施形態においては、上述した本実施形態の接合材から形成される接合層を、濃度1%以上の水素中、350℃以下で加熱して、体積抵抗率、熱伝導率及び接着強度がそれぞれ、1×10-5Ω・cm以下、50W・m-1・K-1以上及び20MPa以上である焼結体を形成することができ、接合部がこのような焼結体を含むことにより、信頼性に優れた両面冷却型半導体モジュールの実現が可能となる。
【0108】
体積抵抗率は下記式によって算出される。
ρ=A・R/L
ここで、ρは単位体積あたりの電気抵抗率(体積抵抗率)(Ω・m)、Rは焼結体の抵抗(Ω)、Aは焼結体の断面積(m)、Lは焼結体の厚さ(m)を示す。
【0109】
熱伝導率は、接合部の熱拡散率、比熱容量、及び密度から、算出することができる。例えば、接合部の熱拡散率をレーザーフラッシュ法(LFA467、ネッチ社製)で測定し、この熱拡散率と、示差走査熱量測定装置(DSC8500、パーキンエルマー社製)で得られた比熱容量と、上記と同様にして求めた密度との積により、25℃における接合部の熱伝導率[W/(m・K)]を算出することができる。
【0110】
接合強度は、万能型ボンドテスタ(4000シリーズ、DAGE社製)等を用いて測定することができる。
【0111】
上記接合部は、電極との界面に対して略平行に配向したフレーク状の銅粒子に由来する構造31(b)を含み、接合部における銅の含有量が、接合部の体積を基準として、65体積%以上であってもよい。
【0112】
本実施形態に係るフレーク状マイクロ銅粒子の銅粒子に由来する構造、すなわち、フレーク状構造を有する焼結銅におけるフレーク状構造としては、長径と厚みとの比が5以上であってもよい。フレーク状構造の長径の数平均径は2μm以上であってもよく、3μm以上であってもよく、4μm以上であってもよい。フレーク状構造の形状がこの範囲内であれば、接合部に含まれるフレーク状構造による補強効果が向上し、両面冷却型半導体モジュールが信頼性により一層優れるものとなる。
【0113】
フレーク状構造の長径及び厚みは、例えば、接合体(銅焼結体と半導体素子又は基板)のSEM像から求めることができる。以下に、フレーク状構造の長径と厚みをSEM像から測定する方法を例示する。接合体をエポキシ注形樹脂でサンプル全体が埋まるように注ぎ、硬化する。注形したサンプルの観察したい断面付近で切断し、研磨で断面を削り、CP(クロスセクションポリッシャ)加工を行う。サンプルの断面をSEM装置により5000倍で観察する。接合体の断面画像(例えば5000倍)を取得し、稠密な連続部であり、直線状、直方体状、楕円体状の部分で、この部分の内に内包される直線の中で最大の長さのものを長径、それと直交してこの部分に内包される直線の中で最大の長さのものを厚みとしたときに、長径の長さが1μm以上で且つ長径/厚みの比が4以上であるものをフレーク状構造とみなし、測長機能のある画像処理ソフトによりフレーク状構造の長径と厚みを測長することができる。それらの平均値については、無作為に選んだ20点以上で数平均を計算することで得られる。
【0114】
フレーク状構造の長径は、フレーク状構造に外接する平行二直線のうち平行二直線間距離が最大となるように選ばれる平行直線間の距離として与えられる。フレーク状構造の厚みは、長径を与える平行二直線に直交し、且つフレーク状構造に外接する平行二平面のうち、平行二平面間距離が最大となるように選ばれる平行二平面間の距離として与えられる。
【0115】
画像処理ソフトとしては、特に限定されるものではなく、例えば、Microsoft PowerPoint(Microsoft社製)、ImageJ(アメリカ国立衛生研究所製)を用いることができる。
【0116】
構造体全体に対するフレーク状構造の含有割合は、接合体のSEM像から接合体の断面積を求め、前述の方法により測定したフレーク状構造の長径と厚みからフレーク状構造の断面積を求め、これらを合計したフレーク状構造の総断面積を接合体の断面積で割ることにより、算出することができる。本実施形態に係る接合部は、上記の方法で求められる構造体全体に対するフレーク状構造の含有割合が、10~40%であってもよく、15~35%であってもよく、20~30%であってもよい。
【0117】
接合部における銅の含有量(体積割合)は、接合部の体積を基準として、65体積%以上とすることができる。接合部における銅の含有量が上記範囲内であれば、接合部の内部に大きな空孔が形成したり、フレーク状構造を繋ぐ焼結銅が疎になったりすることを抑制できる。そのため、接合部における銅の含有量が上記範囲内であれば、充分な熱伝導性が得られるとともに銅焼結体と半導体素子又は基板との接合強度が向上し、接合体は接続信頼性に優れるものとなる。接合部における銅の含有量は、接合部の体積を基準として、67体積%以上であってもよく、70体積%以上であってもよい。接合部における銅の含有量は、接合部の体積を基準として、製造プロセスの容易さの観点から、90体積%以下であってもよい。
【0118】
接合部を構成する材料の組成が分かっている場合には、例えば、以下の手順で接合部における銅の含有量を求めることができる。まず、接合部を直方体に切り出し、接合部の縦、横の長さをノギス又は外形形状測定装置で測定し、厚みを膜厚計で測定することにより接合部の体積を計算する。切り出した接合部の体積と、精密天秤で測定した接合部の重量とから見かけの密度M(g/cm)を求める。求めたM1と、銅の密度8.96g/cmとを用いて、下記式(2)から接合部における銅の含有量(体積%)が求められる。
接合部における銅の含有量(体積%)=[(M)/8.96]×100・・・(2)
【0119】
本実施形態においては、上記第1及び第2の接合工程の後に、基板にワイヤーを打つことによって電気回路を形成し、その後、樹脂部材による封止を行うことができる。
【0120】
その後、基板11a,11bに冷熱源21、22を当接又は接合材で接合して、両面冷却型半導体装置を作製してもよい。
【0121】
また、本実施形態に係る両面冷却型半導体モジュールの製造方法は、基板の一方と半導体素子、及び、基板のもう一方とスペーサーをそれぞれ予め接合する接合工程を行って2つの部材を用意した後、一方の部材の半導体素子の接合面、又は、他方の部材のスペーサーの半導体素子との接合位置に接合材を塗布した後、両部材を当接し、接合材の塗膜(接合層)を焼成する第3の接合工程を備えるものであってもよい。
【0122】
例えば、第二実施形態に係る両面冷却型半導体モジュールを製造する場合、上記第3の接合工程において、半導体素子とスペーサーとが互いに近づく方向に加圧しながら両部材を当接させる、及び/又は、半導体素子とスペーサーとが互いに近づく方向に加圧しながら接合材の塗膜(接合層)を焼成することが好ましい。これらの加圧を行うことにより、複数の半導体素子1の高さにばらつきがある場合であっても、形状追従性を有する上記接合層によってそれぞれの半導体素子1と基板11及びスペーサー41との接合性を充分に得ることができる。また、接合後における両面冷却型半導体モジュールの厚みのばらつきを低減させることができる。
【実施例0123】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0124】
本実施例では、接合体における接合部の信頼性を評価するため、リードフレームとSiチップとの接合体を作製し、この接合体を用いてパワーサイクル試験を行った。
【0125】
接合材を調製するために下記の材料を用意した。
[金属粒子]
3L3N(福田金属箔粉工業株式会社製、形状:フレーク状、50%体積平均粒径:6.1μm)
CH-0200(三井金属鉱業株式会社製、形状:擬球状、表面処理剤:ラウリン酸(ドデカン酸)、表面処理量:0.973質量%(CH-0200の全質量基準)、50%体積平均粒径:0.36μm、0.1μm以上1μm未満の粒子径を有する銅粒子の含有量:100質量%、0.12μm以上0.8μm以下の粒子径を有する銅粒子の含有量:100質量%)
亜鉛フレーク(Aifa Aesar製、325mesh、商品名Zinc Flake)
AgC239(福田金属箔粉工業株式会社製、形状:フレーク状、50%体積平均粒径:7μm)
[分散媒]
ヒドロテルピネオール(日本テルペン化学株式会社製)
トリブチリン(富士フィルム和光純薬株式会社製)
イソボルニルシクロヘキサノール(日本テルペン化学株式会社製、商品名:テルソルブMTPH)
ステアリン酸ブチル(富士フィルム和光純薬株式会社製)
【0126】
(接合体1)
メノウ乳鉢に、ジヒドロテルピネオールを1.215g、トリブチリンを0.18g、CH-0200を2.067g、3L3Nを1.531g、及び亜鉛フレークを0.5g加え、乾燥粉がなくなるまで混練し、混合液をポリ瓶に移した。密栓をしたポリ瓶を、自転公転型攪拌装置(Planetary Vacuum Mixer ARV-310、株式会社シンキー製)を用いて、2000min-1(2000回転/分)で2分間攪拌した。得られたペースト状の混合液(金属ペースト)を接合材1とした。接合材1の濃度(接合材1全量に対するCH-0200、3L3N及び亜鉛フレークの含有量の合計の割合)は、88質量%であった。
【0127】
得られた接合材1を、電解Niめっきが施されたリードフレーム(接合部サイズ:19×25×3mm)に、メタルスキージを用いてステンシル印刷にて搭載するチップと同サイズの面積(5.7mm×5.7mm)に、印刷厚200μmで塗布した。次いで、リードフレームに塗布した接合材1の直上にSiチップ(infinion製ショットキーバリアダイオード、SIDC32D170H)を、めっき被膜を施した面とは反対側が塗布した接合材1に接するように搭載した。次いで、これをチューブ炉(株式会社エイブイシー製)にセットし、アルゴンガスを1L/minで流して空気をアルゴンガスに置換した。その後、水素ガスを500mL/minで流しながら30分かけて300℃まで昇温し、300℃で60分の条件で焼結処理して、リードフレームとSiチップとの間に焼結銅層を接合部として形成した。その後、アルゴンガスを0.3L/minに換えて冷却し、50℃以下でサンプルを空気中に取り出した。次いで、焼結銅層が試験中に酸化することを防止するために、Siチップ外周にはみ出た焼結銅上に、ポリイミド樹脂(日立化成株式会社製、HIMAL(HL-1210))を刷毛にて塗布し、ホットプレート上にサンプルを配置し、ブフナロートで蓋をしたのち、Nガスブローしながら50℃、10分の条件で仮乾燥させたのちに、200℃、60分の条件で本乾燥を施した。こうして、接合体1のサンプルを作製した。
【0128】
(接合体2)
ポリ瓶に、ステアリン酸ブチルを1.26g及びイソボルニルシクロヘキサノールを0.54g入れ、ミックスロータで60分攪拌し、混合液1を作製した。次いで、メノウ乳鉢に、AgC239を18.2g、及び混合液1を加え、乾燥粉がなくなるまで混練し、新たなポリ瓶に移した。密栓をしたポリ瓶を、自転公転型攪拌装置(Planetary Vacuum Mixer ARV-310、株式会社シンキー製)を用いて、2000min-1(2000回転/分)で1分間攪拌した。得られたペースト状の混合液(金属ペースト)を接合材2とした。接合材2の濃度(接合材2全量に対するAgC239の含有量の割合)は、91質量%であった。
【0129】
得られた接合材2を、電解Agめっきが施されたリードフレーム(接合部サイズ:19×25×3mm)に、メタルスキージを用いてステンシル印刷にて搭載するチップと同サイズの面積(5.7mm×5.7mm)に、印刷厚100μmで塗布した。次いで、リードフレームに塗布した接合材2の直上にSiチップ(infinion製ショットキーバリアダイオード、SIDC32D170H)を、めっき被膜を施した面とは反対側が塗布した接合材2に接するように搭載した。次いで、これを、ホットプレート上で180℃、20分の乾燥処理を施した後、熱圧着装置(アユミ工業株式会社製)にセットし、大気中で昇温1分、300℃で5分、20MPaの条件で焼結処理して、リードフレームとSiチップとの間に焼結銀層を接合部として形成した。その後、除荷し、50℃以下でサンプルを取り出した。こうして、接合体2のサンプルを作製した。
【0130】
(接合体3)
シート状鉛はんだ(千住金属工業株式会社製、Pb Ag1.5 Sn0.5、厚さ100μm)を、搭載するチップと同サイズの面積(5.7mm×5.7mm)に切り出し、リードフレーム(接合部サイズ:19×25×3mm)上に搭載した。次いで、搭載したシート状鉛はんだの直上にSiチップ(infinion製ショットキーバリアダイオード、SIDC32D170H)を、めっき被膜を施した面とは反対側が搭載したシート状鉛はんだに接するように搭載した。次いで、これを、熱圧着装置(アユミ工業株式会社製)にセットし、ギ酸中にて250℃、15分の条件で還元処理を施し、その後N中で、380℃に到達するまで加熱し、温度到達とはんだ溶融を確認した後、真空置換を施し、溶融したはんだのボイド除去を行った。その後、徐冷しながらNガス置換を行い、リードフレームとSiチップとの間にはんだ層を接合部として形成した。その後、50℃以下でサンプルを取り出した。こうして、接合体3のサンプルを作製した。
【0131】
<接合部の信頼性評価>
上記で得られた接合体について、下記のパワーサイクル試験を行なった。
[パワーサイクル試験]
作製したサンプルを、ばね治具を用いて荷重0.3MPaで挟み、パワーサイクル試験装置(特注品)にセットし、ダイオード特性から推定されるチップの発熱温度(ジャンクション温度、Tj)の最大値(Tjmax)が175℃になるようにサンプルに通電し、チップ温度が100℃(Tjmin)になるまで通電を停止することで、短時間で接合部に温度差(ΔTj)が生じる条件を導出した。この時の通電電流、時間を試験条件とし、サンプルが故障するまでこれを繰り返した。故障判定については、開始時と同じ電流をサンプルに印加した際、前記ジャンクション温度Tjが±10%以上変化したときを故障と判定し、このときのサイクル数を故障サイクル数とした。この試験をn=10個のサンプルについて実施し、得られた故障サイクル数についてワイブル分布解析を行った。このワイブル分布解析によって、故障サイクル数と累積故障率の関係を導出し、各接合部のパワーサイクル寿命を評価した。なお、累積故障率とは、同一構成の全サンプルのうち、あるサイクル数における故障しているサンプルの割合を意味する。
【0132】
パワーサイクル試験に対するワイブル分布解析の結果を表1にまとめた。なお、表中の評価項目は下記の意味である。
サイクル数平均:パサーサイクル試験を多数実施(各サンプル毎にn=10個以上)したときの平均故障サイクル数。
形状パラメータm:故障発生因子を推定する指標であり、m<1の場合は偶発故障を、m≧1の場合は劣化による故障を指す。
尺度パラメータη:累積故障率63.2%における故障サイクル数。
特性寿命(対接合体3)(倍):接合体3の尺度パラメータηを1としたときの倍率。
【0133】
【表1】
【0134】
接合体1は、放熱特性に優れた銅焼結体によって無加圧条件で接合されたものでありながらも、はんだを用いた接合体3の14.2倍の特性寿命を示すことが確認された。また、接合体1は、焼結銀によって接合された接合体2に比べて、特性寿命の倍率が大きく、形状パラメータmの値も大きいことから、長寿命且つ故障タイミングのばらつきが小さいことが分かる。
【0135】
本発明に係る両面冷却型半導体モジュール及び両面冷却型半導体装置によれば、半導体素子と基板との接合部に銅焼結体を適用することにより、信頼性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0136】
1…半導体素子(パワーデバイス)、11a、11b…基板(リードフレーム)、21,22…冷熱源、31…銅焼結体、41…スペーサー、51…ワイヤー、61…樹脂部材、100,100’…両面冷却型半導体モジュール(パワーカード)、101…両面冷却型半導体装置。
図1
図2
図3