(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024150697
(43)【公開日】2024-10-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/66 20230101AFI20241016BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241016BHJP
H04N 23/69 20230101ALI20241016BHJP
H04N 23/695 20230101ALI20241016BHJP
H04N 23/61 20230101ALI20241016BHJP
【FI】
H04N23/66
H04N23/60 500
H04N23/69
H04N23/695
H04N23/61
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024120318
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2022540065の分割
【原出願日】2021-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2020131166
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮田 真彦
(72)【発明者】
【氏名】村上 泰規
(72)【発明者】
【氏名】青木 貴嗣
(72)【発明者】
【氏名】入江 史憲
(72)【発明者】
【氏名】田村 一紀
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に応じて選択された領域について、仮想視点画像を生成することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成可能なプロセッサと、プロセッサに内蔵又は接続されたメモリと、を備え、プロセッサは、仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に基づいて複数の撮像装置のうちの制御対象撮像装置に対する制御信号を生成する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成可能なプロセッサと、
前記プロセッサに内蔵又は接続されたメモリと、を備え、
前記プロセッサは、
前記仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に基づいて前記複数の撮像装置のうちの制御対象撮像装置に対する制御信号を生成する
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御信号は、前記制御対象撮像装置に対して、前記指示に応じた所定の条件を満たす仮想視点画像を生成するために用いられる前記撮像画像を取得させる制御に関する信号である請求項1の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御信号は、前記制御対象撮像装置に対して、既定値以上の解像度を有する高解像度仮想視点画像を生成するために用いられる前記撮像画像を取得させる制御に関する信号である請求項1又は請求項2の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御信号は、前記制御対象撮像装置の撮像範囲を変える制御に関する信号である請求項1から請求項3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御信号は、前記制御対象撮像装置の位置を変更させる位置変更信号を含む請求項1から請求項4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御信号は、前記制御対象撮像装置による撮像方向を変更させる撮像方向変更信号を含む請求項1から請求項5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御対象撮像装置は、光学ズーム機能を有し、
前記制御信号は、前記制御対象撮像装置の焦点距離を変更させる焦点距離変更信号を含む請求項1から請求項6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御対象撮像装置は、前記制御対象撮像装置の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を変更する変更機構を有し、
前記変更機構は、前記制御信号に従って、前記制御対象撮像装置の前記位置、前記撮像方向、前記焦点距離、及び前記撮像条件のうちの少なくとも一つを変更する請求項1から請求項7の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域のうち、前記被写体の状況に基づいて注視度が高いと予測された領域の高解像度仮想視点画像を生成するために用いられる前記撮像画像を、前記制御対象撮像装置に対して取得させる前記制御信号を生成する請求項1から請求項8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記指示は、高解像度仮想視点画像を生成する対象である高解像度領域に関する指示を含む請求項1から請求項9の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域の中の特定領域を示す情報が前記指示に含まれる場合、前記特定領域の高解像度仮想視点画像を生成するために用いられる前記撮像画像を、前記制御対象撮像装置に対して取得させる前記制御信号を生成する請求項1から請求項10の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記高解像度領域は、前記複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域に含まれる特定のオブジェクトを含む領域である請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記高解像度領域は、前記仮想視点画像に対する注視位置の経路を含む領域である請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
複数の前記指示を集計した結果に基づいて前記高解像度領域を定め、
定めた前記高解像度領域に基づいて、前記制御対象撮像装置に対する前記制御信号を生成する
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記高解像度領域に関する前記指示の履歴に基づいて、前記高解像度領域を定め、
定めた前記高解像度領域に基づいて、前記制御対象撮像装置に対する前記制御信号を生成する
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記制御対象撮像装置の焦点距離を変更することにより、前記高解像度仮想視点画像の解像度を変更可能である請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記制御対象撮像装置の位置、撮像方向、及び焦点距離に基づいて、前記複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域のうち、前記高解像度仮想視点画像を生成可能な高解像度領域を予測し、
予測した前記高解像度領域を出力する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項18】
予測した前記高解像度領域の出力先は、ディスプレイであり、
前記ディスプレイは、前記プロセッサから出力された前記高解像度領域を表示する
請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、予測した前記高解像度領域において、前記焦点距離を変更することに伴って変化する前記高解像度仮想視点画像の解像度と前記高解像度領域の大きさとの関係を、視覚的に識別可能な態様でディスプレイに表示する制御を行う請求項17又は請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、予測した前記高解像度領域に含まれるオブジェクトを、他のオブジェクトと視覚的に識別可能な態様でディスプレイに表示する制御を行う請求項17から請求項19の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、
前記制御対象撮像装置が、基準位置、基準撮像方向、及び基準焦点距離で、前記撮像装置によって撮像可能な実空間領域に含まれる固定オブジェクトを撮像した基準画像を予め前記メモリに記憶しており、
前記制御対象撮像装置に対して、前記基準位置、前記基準撮像方向、及び前記基準焦点距離で前記固定オブジェクトを撮像させることで得られた較正用画像と、前記基準画像とを比較し、
比較結果に基づいて前記制御信号を較正する
請求項1から請求項20の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項22】
複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成可能な情報処理方法であって、
前記仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に基づいて前記複数の撮像装置のうちの制御対象撮像装置に対する制御信号を生成する
情報処理方法。
【請求項23】
複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成可能な情報処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理は、
前記仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に基づいて前記複数の撮像装置のうちの制御対象撮像装置に対する制御信号を生成することを含む
プログラム。
【請求項24】
複数の撮像装置と、
請求項1から請求項21の何れか一項に記載の情報処理装置と、
を備えた情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2019-159593号公報には、蓄積手段と、入力手段と、抽出手段と、提示手段とを備える画像検索システムが開示されている。蓄積手段は、複数のカメラでオブジェクトを複数の方向から撮影した画像データに基づいて生成される仮想視点映像データと、仮想視点映像データの生成に使用される仮想視点パラメータとを関連づけて蓄積する。入力手段は、検索条件を入力する。抽出手段は、蓄積手段から、入力された検索条件に対応する仮想視点パラメータに関連づけられた仮想視点映像データを抽出する。提示手段は、抽出手段が抽出した仮想視点映像データの情報を検索結果として提示する。
【0003】
特開2019-068130号公報には、映像ストリームをクライアントへ配信する映像配信サーバが開示されている。映像配信サーバは、多視点映像に基づいて個別視点ストリームを生成する手段と、多視点映像を結合して全視点ストリームを生成する手段と、各クライアントからの要求に基づいて各映像ストリームをマルチキャストするスケジュールを決定する手段と、決定したスケジュールをクライアントへ通知する手段と、決定したスケジュールに基づいて各映像ストリームをマルチキャストする手段と、を具備する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に応じて選択された領域について、仮想視点画像を生成することができる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術に係る第1の態様は、複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成可能なプロセッサと、プロセッサに内蔵又は接続されたメモリと、を備え、プロセッサは、仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に基づいて複数の撮像装置のうちの制御対象撮像装置に対する制御信号を生成する情報処理装置である。
【0006】
本開示の技術に係る第2の態様は、制御信号が、制御対象撮像装置に対して、指示に応じた所定の条件を満たす仮想視点画像を生成するために用いられる撮像画像を取得させる制御に関する信号である第1の態様に係る情報処理装置である。
【0007】
本開示の技術に係る第3の態様は、制御信号が、制御対象撮像装置に対して、既定値以上の解像度を有する高解像度仮想視点画像を生成するために用いられる撮像画像を取得させる制御に関する信号である第1の態様又は第2の態様に係る情報処理装置である。
【0008】
本開示の技術に係る第4の態様は、制御信号が、制御対象撮像装置の撮像範囲を変える制御に関する信号である第1の態様から第3の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0009】
本開示の技術に係る第5の態様は、制御信号が、制御対象撮像装置の位置を変更させる位置変更信号を含む第1の態様から第4の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0010】
本開示の技術に係る第6の態様は、制御信号が、制御対象撮像装置による撮像方向を変更させる撮像方向変更信号を含む第1の態様から第5の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0011】
本開示の技術に係る第7の態様は、制御対象撮像装置が、光学ズーム機能を有し、制御信号は、制御対象撮像装置の焦点距離を変更させる焦点距離変更信号を含む第1の態様から第6の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0012】
本開示の技術に係る第8の態様は、制御対象撮像装置が、制御対象撮像装置の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を変更する変更機構を有し、変更機構は、制御信号に従って、制御対象撮像装置の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件のうちの少なくとも一つを変更する第1の態様から第7の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0013】
本開示の技術に係る第9の態様は、プロセッサが、複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域のうち、被写体の状況に基づいて注視度が高いと予測された領域の高解像度仮想視点画像を生成するために用いられる撮像画像を、制御対象撮像装置に対して取得させる制御信号を生成する第1の態様から第8の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0014】
本開示の技術に係る第10の態様は、指示が、高解像度仮想視点画像を生成する対象である高解像度領域に関する指示を含む第1の態様から第9の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0015】
本開示の技術に係る第11の態様は、プロセッサが、複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域の中の特定領域を示す情報が指示に含まれる場合、特定領域の高解像度仮想視点画像を生成するために用いられる撮像画像を、制御対象撮像装置に対して取得させる制御信号を生成する第1の態様から第10の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0016】
本開示の技術に係る第12の態様は、高解像度領域が、複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域に含まれる特定のオブジェクトを含む領域である第10の態様に係る情報処理装置である。
【0017】
本開示の技術に係る第13の態様は、高解像度領域が、仮想視点画像に対する注視位置の経路を含む領域である第10の態様に係る情報処理装置である。
【0018】
本開示の技術に係る第14の態様は、プロセッサが、複数の指示を集計した結果に基づいて高解像度領域を定め、定めた高解像度領域に基づいて、制御対象撮像装置に対する制御信号を生成する第10の態様に係る情報処理装置である。
【0019】
本開示の技術に係る第15の態様は、プロセッサが、高解像度領域に関する指示の履歴に基づいて、高解像度領域を定め、定めた高解像度領域に基づいて、制御対象撮像装置に対する制御信号を生成する第10の態様に係る情報処理装置である。
【0020】
本開示の技術に係る第16の態様は、プロセッサが、制御対象撮像装置の焦点距離を変更することにより、高解像度仮想視点画像の解像度を変更可能である第3の態様に係る情報処理装置である。
【0021】
本開示の技術に係る第17の態様は、プロセッサが、制御対象撮像装置の位置、撮像方向、及び焦点距離に基づいて、複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域のうち、高解像度仮想視点画像を生成可能な高解像度領域を予測し、予測した高解像度領域を出力する第3の態様に係る情報処理装置である。
【0022】
本開示の技術に係る第18の態様は、予測した高解像度領域の出力先が、ディスプレイであり、ディスプレイが、プロセッサから出力された高解像度領域を表示する第17の態様に係る情報処理装置である。
【0023】
本開示の技術に係る第19の態様は、プロセッサが、予測した高解像度領域において、焦点距離を変更することに伴って変化する高解像度仮想視点画像の解像度と高解像度領域の大きさとの関係を、視覚的に識別可能な態様でディスプレイに表示する制御を行う第17の態様又は第18の態様に係る情報処理装置である。
【0024】
本開示の技術に係る第20の態様は、プロセッサが、予測した高解像度領域に含まれるオブジェクトを、他のオブジェクトと視覚的に識別可能な態様でディスプレイに表示する制御を行う第17の態様から第19の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0025】
本開示の技術に係る第21の態様は、プロセッサが、制御対象撮像装置が、基準位置、基準撮像方向、及び基準焦点距離で、撮像装置によって撮像可能な実空間領域に含まれる固定オブジェクトを撮像した基準画像を予めメモリに記憶しており、制御対象撮像装置に対して、基準位置、基準撮像方向、及び基準焦点距離で固定オブジェクトを撮像させることで得られた較正用画像と、基準画像とを比較し、比較結果に基づいて制御信号を較正する第1の態様から第20の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置である。
【0026】
本開示の技術に係る第22の態様は、複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成可能な情報処理方法であって、仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に基づいて複数の撮像装置のうちの制御対象撮像装置に対する制御信号を生成する情報処理方法である。
【0027】
本開示の技術に係る第23の態様は、複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成可能な情報処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、情報処理は、仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に基づいて複数の撮像装置のうちの制御対象撮像装置に対する制御信号を生成することを含むプログラムである。
【0028】
本開示の技術に係る第24の態様は、複数の撮像装置と、第1の態様から第21の態様の何れか一つの態様に係る情報処理装置と、を備えた情報処理システムである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】情報処理システムの外観構成の一例を示す概略斜視図である。
【
図2】情報処理装置の電気系のハードウェア構成の一例、及び情報処理装置と周辺機器との関係性の一例を示すブロック図である。
【
図3】ユーザデバイスの電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置の要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図5】可動撮像装置の位置、撮像方向、及び画角、並びに高解像度領域の一例を示す概念図である。
【
図6】第1実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図7】ディスプレイに表示された設定画面の一例を示す概念図である。
【
図8】可動撮像装置の電気系のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】仮想視点画像生成部の要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図10】可動撮像装置の位置及び画角、並びに高解像度領域の一例を示す概念図である。
【
図11】第1実施形態による可動撮像装置制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】仮想視点画像生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の一例を示す説明図である。
【
図14】第2実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図15】第2実施形態による可動撮像装置制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図16】第3実施形態による設定画面の一例を示す概念図である。
【
図17】特定オブジェクトを含む特定領域の一例を示す概念図である。
【
図18】注視位置パスを含む高解像度領域の一例を示す概念図である。
【
図19】第4実施形態による特定領域及び重複領域の一例を示す概念図である。
【
図20】第4実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図21】第5実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図22】第6実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図23】第6実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の他の一例を示すブロック図である。
【
図24】第6実施形態による設定画面の一例を示す概念図である。
【
図25】第6実施形態による設定画面の他の一例を示す概念図である。
【
図26】第7実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の一例を示す説明図である。
【
図27】第7実施形態による可動撮像装置制御部の要部機能の一例を示すブロック図である。
【
図28】記憶媒体から情報処理装置のコンピュータに可動撮像装置制御プログラムがインストールされる態様の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付図面に従って本開示の技術に係る情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムの実施形態の一例について説明する。
【0031】
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
【0032】
CPUとは、“Central Processing Unit”の略称を指す。RAMとは、“Random Access Memory”の略称を指す。SSDとは、“Solid State Drive”の略称を指す。HDDとは、“Hard Disk Drive”の略称を指す。EEPROMとは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称を指す。I/Fとは、“Interface”の略称を指す。ICとは、“Integrated Circuit”の略称を指す。ASICとは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称を指す。PLDとは、“Programmable Logic Device”の略称を指す。FPGAとは、“Field-Programmable Gate Array”の略称を指す。SoCとは、“System-on-a-chip”の略称を指す。CMOSとは、“Complementary Metal Oxide Semiconductor”の略称を指す。CCDとは、“Charge Coupled Device”の略称を指す。ELとは、“Electro-Luminescence”の略称を指す。GPUとは、“Graphics Processing Unit”の略称を指す。LANとは、“Local Area Network”の略称を指す。3Dとは、“3 (three)Dimensional”の略称を指す。USBとは、“Universal Serial Bus”の略称を指す。GNSSとは、“Global Navigation Satellite System”の略称を指す。以下では、説明の便宜上、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例として、CPUを例示しているが、本開示の技術に係る「プロセッサ」は、CPU及びGPU等のように複数の処理装置の組み合わせであってもよい。本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例として、CPU及びGPUの組み合わせが適用される場合、GPUは、CPUの制御下で動作し、画像処理の実行を担う。
【0033】
以下の説明において、「一致」とは、完全な一致の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの一致を指す。また、以下の説明において、「平行」とは、完全な平行の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの平行を指す。また、以下の説明において、「同時刻」とは、完全な同時刻の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの同時刻を指す。
【0034】
[第1実施形態]
一例として
図1に示すように、情報処理システム10は、情報処理装置12、ユーザデバイス14、複数の固定撮像装置16、可動撮像装置18、及び無線通信基地局(以下、単に「基地局」と称する)20を備えている。ここで、情報処理システム10は、本開示の技術に係る「情報処理システム」の一例である。
【0035】
固定撮像装置16は、撮像素子を有する撮像用のデバイスである。撮像素子としては、CMOSイメージセンサが採用される。なお、CMOSイメージセンサに代えてCCDイメージセンサ等の他種類のイメージセンサを採用してもよい。
【0036】
複数の固定撮像装置16は、サッカー競技場22内に設置されている。複数の固定撮像装置16の各々は、サッカーフィールド24を取り囲むように配置されており、サッカー競技場22内の実空間領域を撮像領域として撮像する。各固定撮像装置16の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件は固定されている。
【0037】
可動撮像装置18は、撮像素子69(
図8参照)を有する撮像用のデバイスであり、光学式ズーム機能を備えている。撮像素子69としては、CMOSイメージセンサが採用される。なお、CMOSイメージセンサに代えてCCDイメージセンサ等の他種類のイメージセンサを採用してもよい。
【0038】
本実施形態では、例えば、4つの可動撮像装置18が、平面視矩形状のサッカーフィールド24の各辺に1つずつ配置されており、各可動撮像装置18は、サッカーフィールド24の各辺に沿って移動可能である。各可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件は変更可能である。ここでは、4つの可動撮像装置18が配置されている形態例を挙げているが、本開示の技術はこれに限定されず、可動撮像装置18の数は、4つより多くても少なくてもよい。また、各可動撮像装置18は、平面視矩形状のサッカーフィールド24の各辺に沿って可動であるが、本開示の技術において、可動撮像装置18の配置及び可動範囲は特に限定されない。以下、固定撮像装置16及び可動撮像装置18を区別して説明する必要がない場合、符号を付けず単に「撮像装置」と称する。撮像装置は、本開示の技術に係る「撮像装置」の一例である。
【0039】
撮像装置による撮像とは、例えば、撮像範囲を含む画角での撮像を指す。ここで、「撮像範囲」という概念には、サッカー競技場22内の全体を示す範囲という概念の他に、サッカー競技場22内の一部を示す範囲という概念も含まれる。撮像範囲は、撮像装置の位置、撮像方向、及び画角に応じて変更される。
【0040】
情報処理装置12は、管制室28に設置されている。情報処理装置12は、コンピュータ30、受付デバイス32、及びディスプレイ34を備えている。情報処理装置12は、LANケーブル38Aを介して固定撮像装置16に接続されており、LANケーブル38Bを介して可動撮像装置18に接続されている。なお、ここでは、LANケーブル38A及び38Bによる有線通信方式を用いた接続を例示しているが、これに限らず、無線通信方式を用いた接続であってもよい。なお、情報処理装置12は、本開示の技術に係る「情報処理装置」の一例である。
【0041】
情報処理装置12は、固定撮像装置16によって撮像されることで得られた第1撮像画像17、及び、可動撮像装置18によって撮像されることで得られた第2撮像画像19を取得する。以下、第1撮像画像17と第2撮像画像19とを区別して説明する必要がない場合には、符号を付けず単に「撮像画像」と称する。なお、撮像画像は、本開示の技術に係る「撮像画像」の一例である。
【0042】
サッカー競技場22には、サッカーフィールド24を取り囲むように観戦席40が設けられており、観戦席40には観賞者26が着座している。観賞者26は、ユーザデバイス14を所持しており、ユーザデバイス14は、観賞者26によって用いられる。なお、ここでは、サッカー競技場22内に観賞者26が存在している形態例を挙げて説明しているが、本開示の技術はこれに限定されず、観賞者26は、サッカー競技場22外に存在していてもよい。
【0043】
ユーザデバイス14は、スマートフォンである。但し、スマートフォンは、あくまでもユーザデバイス14の一例に過ぎず、例えば、タブレット端末、ノートパソコン、又はヘッドマウントディスプレイ等の携帯型の多機能端末であってもよい。
【0044】
基地局20は、情報処理装置12及びユーザデバイス14と電波を介して各種情報の送受信を行う。すなわち、情報処理装置12は、基地局20を介して、ユーザデバイス14と無線通信可能に接続されている。情報処理装置12は、基地局20を介して、各種画像をユーザデバイス14に送信する。ユーザデバイス14は、情報処理装置12から送信された各種画像を受信し、受信した各種画像をディスプレイ54に表示させる。
【0045】
情報処理装置12はサーバに相当するデバイスであり、ユーザデバイス14は、情報処理装置12に対するクライアント端末に相当するデバイスである。情報処理装置12及びユーザデバイス14が、基地局20を介して互いに無線通信を行うことにより、ユーザデバイス14は、情報処理装置12に対して各種サービスの提供を要求し、情報処理装置12は、ユーザデバイス14からの要求に応じたサービスをユーザデバイス14に提供する。
【0046】
情報処理装置12は、複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成する。仮想視点画像は、複数の撮像画像に基づいて生成された3Dポリゴン画像であり、仮想視点位置から注視位置を観察した場合における仮想的な画像である。注視位置とは、サッカー競技場22内の実空間領域のうち、ユーザデバイス14を使用する観賞者26からの注目度が基準レベルよりも高い位置であり、一例として、選手、ボール、又はゴール等を含む特定オブジェクトの位置が挙げられる。ここで、基準レベルは、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって予め得られた固定値であってもよいし、外部から与えられた指示、又は、予め定められた条件に応じて変動する可変値であってもよい。なお、仮想視点画像は、本開示の技術に係る「仮想視点画像」の一例である。
【0047】
また、情報処理装置12は、仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。制御信号29は、可動撮像装置18に対して、指示に応じた所定の条件を満たす仮想視点画像を生成するために用いられる第2撮像画像19を取得させる制御に関する信号である。ここで、「所定の条件を満たす仮想視点画像」とは、例えば、既定値以上の解像度を有する仮想視点画像、又は特定の視点から注視位置を観察した場合における仮想視点画像等である。なお、可動撮像装置18は、本開示の技術に係る「制御対象撮像装置」の一例である。また、制御信号29は、本開示の技術に係る「制御信号」の一例である。
【0048】
一例として
図2に示すように、情報処理装置12は、コンピュータ30、受付デバイス32、ディスプレイ34、第1通信I/F42、第2通信I/F44、及び第3通信I/F46を備えている。コンピュータ30は、CPU30A、ストレージ30B、及びメモリ30Cを備えており、CPU30A、ストレージ30B、及びメモリ30Cは、バス48を介して接続されている。
図2に示す例では、図示の都合上、バス48として1本のバスが図示されているが、複数のバスであってもよい。また、バス48には、シリアルバス、又は、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等で構成されるパラレルバスが含まれていてもよい。
【0049】
CPU30Aは、情報処理装置12の全体を制御する。ストレージ30Bは、各種パラメータ及び各種プログラムを記憶している。ストレージ30Bは、不揮発性の記憶装置である。ここでは、ストレージ30Bの一例として、EEPROM、SSD及びHDDが採用されているが、これに限らず、これら複数の不揮発性の記憶装置の組み合わせであってもよい。メモリ30Cは、記憶装置である。メモリ30Cには、各種情報が一時的に記憶される。メモリ30Cは、CPU30Aによってワークメモリとして用いられる。ここでは、メモリ30Cの一例として、RAMが採用されているが、これに限らず、他の種類の記憶装置であってもよい。なお、CPU30Aは、本開示の技術に係る「プロセッサ」の一例である。また、メモリ30Cは、本開示の技術に係る「メモリ」の一例である。
【0050】
受付デバイス32は、情報処理装置12を管理する管理者(図示省略)からの指示を受け付ける。受付デバイス32の一例としては、キーボード、タッチパネル、及びマウス等が挙げられる。受付デバイス32は、バス48等に接続されており、受付デバイス32によって受け付けられた指示は、CPU30Aによって取得される。
【0051】
ディスプレイ34は、本開示の技術に係る「ディスプレイ」の一例である。ディスプレイ34は、バス48に接続されており、CPU30Aの制御下で、各種情報を表示する。ディスプレイ34の一例としては、液晶ディスプレイが挙げられる。なお、液晶ディプレイに限らず、ELディスプレイ(例えば、有機ELディスプレイ又は無機ELディスプレイ)等の他の種類のディスプレイがディスプレイ34として採用されてもよい。
【0052】
第1通信I/F42は、LANケーブル38Aに接続されている。第1通信I/F42は、例えば、FPGAを有するデバイスによって実現される。第1通信I/F42は、バス48に接続されており、CPU30Aと固定撮像装置16との間で各種情報の授受を司る。例えば、第1通信I/F42は、固定撮像装置16によって撮像されることで得られた第1撮像画像17を受信して、受信した第1撮像画像17をCPU30Aに出力する。なお、ここでは、第1通信I/F42は有線通信I/Fとして例示されているが、高速無線LAN等の無線通信I/Fであってもよい。
【0053】
第2通信I/F44は、LANケーブル38Bに接続されている。第2通信I/F44は、例えば、FPGAを有するデバイスによって実現される。第2通信I/F44は、バス48に接続されており、CPU30Aと可動撮像装置18との間で各種情報の授受を司る。例えば、第2通信I/F44は、CPU30Aの要求に従って、可動撮像装置18に制御信号29を送信する。また、第2通信I/F44は、可動撮像装置18によって撮像されることで得られた第2撮像画像19を受信して、受信した第2撮像画像19をCPU30Aに出力する。なお、ここでは、第2通信I/F44は有線通信I/Fとして例示されているが、高速無線LAN等の無線通信I/Fであってもよい。
【0054】
第3通信I/F46は、基地局20に対して無線通信可能に接続されている。第3通信I/F46は、例えば、FPGAを有するデバイスによって実現される。第3通信I/F46は、バス48に接続されている。第3通信I/F46は、基地局20を介して、無線通信方式で、CPU30Aとユーザデバイス14との間で各種情報の授受を司る。なお、第1通信I/F42、第2通信I/F44、及び第3通信I/F46のうちの少なくとも一つは、FPGAの代わりに固定回路で構成することも可能である。また、第1通信I/F42、第2通信I/F44、及び第3通信I/F46のうちの少なくとも一つは、ASIC、FPGA、及び/又はPLD等で構成された回路であってもよい。
【0055】
一例として
図3に示すように、ユーザデバイス14は、コンピュータ50、受付デバイス52、ディスプレイ54、マイクロフォン55、スピーカ56、カメラ57、及び通信I/F58を備えている。コンピュータ50は、CPU50A、ストレージ50B、及びメモリ50Cを備えており、CPU50A、ストレージ50B、及びメモリ50Cは、バス60を介して接続されている。
図3に示す例では、図示の都合上、バス60として1本のバスが図示されているが、バス60は、複数本のバスであってもよい。バス60は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。なお、
図3に示す例では、CPU50A、受付デバイス52、ディスプレイ54、マイクロフォン55、スピーカ56、カメラ57、及び通信I/F58は、共通のバスで接続されているが、CPU50Aと各デバイスは専用バス又は専用通信線で接続されていてもよい。
【0056】
CPU50Aは、ユーザデバイス14の全体を制御する。ストレージ50Bは、各種パラメータ及び各種プログラムを記憶している。ストレージ50Bは、不揮発性の記憶装置である。ここでは、ストレージ50Bの一例として、フラッシュメモリが採用されている。フラッシュメモリはあくまでも一例に過ぎず、ストレージ50Bとしては、例えば、フラッシュメモリに代えて、又は、フラッシュメモリと併せて、磁気抵抗メモリ及び/又は強誘電体メモリなどの各種の不揮発性メモリが挙げられる。また、不揮発性の記憶装置は、EEPROM、HDD、及び/又はSSD等であってもよい。メモリ50Cは、各種情報を一時的に記憶し、CPU50Aによってワークメモリとして用いられる。メモリ50Cの一例としては、RAMが挙げられるが、これに限らず、他の種類の記憶装置であってもよい。
【0057】
受付デバイス52は、観賞者26からの指示を受け付ける。受付デバイス52の一例としては、タッチパネル52A及びハードキー等が挙げられる。受付デバイス52は、バス60に接続されており、受付デバイス52によって受け付けられた指示は、CPU50Aによって取得される。
【0058】
ディスプレイ54は、バス60に接続されており、CPU50Aの制御下で、各種情報を表示する。ここでは、ディスプレイ54の一例として、有機ELディスプレイが採用されている。なお、有機ELディスプレイに限らず、液晶ディスプレイ又は無機ELディスプレイ等の他の種類のディスプレイがディスプレイ54として採用されてもよい。なお、ディスプレイ54は、本開示の技術に係る「ディスプレイ」の一例である。
【0059】
ユーザデバイス14は、タッチパネル・ディスプレイを備えており、タッチパネル・ディスプレイは、タッチパネル52A及びディスプレイ54によって実現される。すなわち、ディスプレイ54の表示領域に対してタッチパネル52Aを重ね合わせることによって、或いは、ディスプレイ54の内部にタッチパネル機能を内蔵(「インセル」型)することによってタッチパネル・ディスプレイが形成される。なお、「インセル」型のタッチパネル・ディスプレイは、あくまでも一例に過ぎず、「アウトセル」型又は「オンセル」型のタッチパネル・ディスプレイであってもよい。
【0060】
マイクロフォン55は、収集した音を電気信号に変換する。マイクロフォン55は、バス60に接続されている。マイクロフォン55によって収集された音が変換されて得られた電気信号は、バス60を介してCPU50Aによって取得される。
【0061】
スピーカ56は、電気信号を音に変換する。スピーカ56は、バス60に接続されている。スピーカ56は、CPU50Aから出力された電気信号を、バス60を介して受信し、受信した電気信号を音に変換し、電気信号を変換して得た音をユーザデバイス14の外部に出力する。ここでは、スピーカ56は、ユーザデバイス14と一体となっているが、ユーザデバイス14と有線又は無線で接続された別途のヘッドホンによる音の出力を採用してもよい。なお、ヘッドホンには、イヤホンも含まれる。
【0062】
カメラ57は、被写体を撮像することで、被写体を示す画像を取得する。カメラ57は、バス60に接続されている。カメラ57によって被写体が撮像されることで得られた画像は、バス60を介してCPU50Aによって取得される。
【0063】
通信I/F58は、基地局20に対して無線通信可能に接続されている。通信I/F58は、例えば、回路(例えば、ASIC、FPGA、及び/又はPLD等)で構成されたデバイスによって実現される。通信I/F58は、バス60に接続されている。通信I/F58は、基地局20を介して、無線通信方式で、CPU50Aと外部装置との間で各種情報の授受を司る。ここで、「外部装置」としては、例えば、情報処理装置12が挙げられる。
【0064】
一例として
図4に示すように、情報処理装置12において、ストレージ30Bには、可動撮像装置制御プログラム62及び仮想視点画像生成プログラム64が記憶されている。可動撮像装置制御プログラム62は、コンピュータ30に処理を実行させるためのプログラムであって、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。また、コンピュータ30は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。
【0065】
CPU30Aは、ストレージ30Bから可動撮像装置制御プログラム62を読み出し、読み出した可動撮像装置制御プログラム62をメモリ30C上で実行する。CPU30Aは、メモリ30C上で実行する可動撮像装置制御プログラム62に従って、可動撮像装置制御部72として動作することで、可動撮像装置18の撮像範囲71(
図5参照)を制御する可動撮像装置制御処理を行う。また、CPU30Aは、ストレージ30Bから仮想視点画像生成プログラム64を読み出し、読み出した仮想視点画像生成プログラム64をメモリ30C上で実行する。CPU30Aは、メモリ30C上で実行する仮想視点画像生成プログラム64に従って、仮想視点画像生成部74として動作することで、仮想視点画像を生成する仮想視点画像生成処理を行う。
【0066】
可動撮像装置制御部72は、受付デバイス32から制御指示76を受け付ける。本第1実施形態では、制御指示76は、可動撮像装置18の撮像範囲71(
図5参照)に関する指示である。制御指示76は、例えば、管理者によって、受付デバイス32から入力される。制御指示76は、本開示の技術に係る「指示」の一例である。可動撮像装置制御部72は、受け付けた制御指示76に基づいて、制御信号29を生成する。制御信号29は、可動撮像装置18の撮像範囲71を変える制御に関する信号である。
【0067】
仮想視点画像生成部74は、可動撮像装置18から第2撮像画像19を受信する。また、仮想視点画像生成部74は、固定撮像装置16から第1撮像画像17を受信する。仮想視点画像生成部74は、受信した撮像画像を用いて、注視位置を示す注視位置対応領域79に基づく仮想視点画像80を生成する。仮想視点画像生成部74は、生成した仮想視点画像80をユーザデバイス14に送信する。
【0068】
図5を参照して、可動撮像装置制御部72によって行われる可動撮像装置制御処理の一例を説明する。可動撮像装置制御部72から送信される制御信号29は、位置変更信号29A、撮像方向変更信号29B、焦点距離変更信号29C、及び撮像条件変更信号29Dを含む。位置変更信号29Aは、可動撮像装置18の位置を変更させる信号である。撮像方向変更信号29Bは、可動撮像装置18による撮像方向を変更させる信号である。焦点距離変更信号29Cは、可動撮像装置18の焦点距離を変更させる信号である。撮像条件変更信号29Dは、可動撮像装置18のシャッタ速度、絞り値、及び感度等を含む撮像条件を変更させる信号である。なお、位置変更信号29Aは、本開示の技術に係る「位置変更信号」の一例である。また、撮像方向変更信号29Bは、本開示の技術に係る「撮像方向変更信号」の一例である。また、焦点距離変更信号29Cは、本開示の技術に係る「焦点距離変更信号」の一例である。なお、制御信号29は、位置変更信号29A、撮像方向変更信号29B、焦点距離変更信号29C、及び撮像条件変更信号29Dの全てを含む必要は無く、少なくともいずれか1つを含んでいればよい。
【0069】
平面視略矩形のサッカー競技場22には、サッカー競技場22の四辺に沿って、4つのスライドバー82が設けられている。各スライドバー82は、サッカー競技場22の各辺と平行に延設されている。各可動撮像装置18は、各スライドバー82上に配置される。可動撮像装置制御部72は、位置変更信号29Aを可動撮像装置18に送信することで、スライドバー82上で可動撮像装置18の位置を変更させる。各スライドバー82の中心を基準位置とする場合、各可動撮像装置18の位置は、基準位置を原点として正又は負の値で示される。
【0070】
また、可動撮像装置18は、可動撮像装置18のレンズ鏡筒94をパン軸及びチルト軸周りに旋回する旋回台84を備えている(
図8参照)。可動撮像装置制御部72は、撮像方向変更信号29Bを各可動撮像装置18に送信することで、可動撮像装置18に備えられた旋回台84を動作させる。これにより、可動撮像装置18の撮像方向が変更される。各スライドバー82に垂直な方向を基準撮像方向とする場合、各可動撮像装置18の撮像方向は、基準撮像方向と成す正又は負の角度で示される。
【0071】
また、可動撮像装置18は、光学ズーム機能を有する。可動撮像装置制御部72は、焦点距離変更信号29Cを可動撮像装置18に送信し、可動撮像装置18は、可動撮像装置制御部72からの焦点距離変更信号29Cを受信する。可動撮像装置18は、受信した焦点距離変更信号29Cに従って光学ズーム機能を働かせる。すなわち、可動撮像装置18は、焦点距離変更信号29Cに従って焦点距離を変更する。各可動撮像装置18の焦点距離は、予め定められた基準焦点距離を原点として正又は負の値で示される。これにより、可動撮像装置18の画角が変更される。
【0072】
また、可動撮像装置制御部72は、撮像条件変更信号29Dを可動撮像装置18に送信することで、可動撮像装置18の撮像条件を変更させる。
【0073】
各可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件は、メモリ30Cに記憶されており、メモリ30C内の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件は、可動撮像装置制御部72によって、制御信号29が生成される毎に、更新される。可動撮像装置18の撮像範囲71は、可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び画角によって定められる。なお、撮像範囲71は、本開示の技術に係る「撮像範囲」の一例である。
【0074】
可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18の各々が撮像範囲71を撮像することで得られた第2撮像画像19に基づき、高解像度領域75(
図5参照)を導出する。高解像度領域75とは、既定値以上の解像度を有する仮想視点画像(以下、「高解像度仮想視点画像」と称する)を生成可能な領域である。ここで、既定値は、実機による試験及び/又はコンピュータ・シミュレーション等によって、高解像度の下限値として導き出された固定値である。既定値は、可変値であってもよく、管理者が、情報処理装置の出荷時に与えられたデフォルト値から変更することも可能である。なお、高解像度領域75は、本開示の技術に係る「高解像度領域」の一例である。
【0075】
高解像度領域75の導出方法の一例を以下に説明する。サッカー競技場22内の実空間領域は、例えば、センターサークルの中心を原点とした3次元座標で表される。可動撮像装置制御部72は、例えば、サッカー競技場22が撮像されることによって得られた画像内の各画素と、実空間領域内での位置を示す3次元座標とを機械学習に基づく画像認識技術を利用して対応付けることができる。
【0076】
図5に示す例では、可動撮像装置制御部72は、同時刻に4つの可動撮像装置18によって撮像されることで得られた4つの第2撮像画像19の各々から、既定値よりも高いコントラストを有する高コントラスト領域を示す画像(以下、「高コントラスト領域画像」と称する)を抽出する。ここでは、4つの第2撮像画像19の各々から少なくとも1つの高コントラスト領域画像が可動撮像装置制御部72によって抽出される。可動撮像装置制御部72は、上述の画像認識技術を用いて、各高コントラスト領域画像から、対応する実空間領域の3次元座標を取得し、全ての高コントラスト領域画像により示される実空間領域の3次元座標の論理和を高解像度領域75として導出する。高解像度領域75は、3次元座標で示されるサッカー競技場22内の実空間領域のうちの一部を示す領域である。
【0077】
一例として
図6に示すように、可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件をメモリ30Cから取得する。さらに、可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18のレンズ及び撮像素子69(
図8参照)に関する情報をメモリ30Cから取得する。可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18の撮像素子69に関する情報と焦点距離とから、各可動撮像装置18の画角を導出する。可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び画角に基づいて、各可動撮像装置18の撮像範囲71を導出する。
【0078】
また、可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18から第2撮像画像19を取得し、取得した第2撮像画像19に基づいて高解像度領域75を導出する。可動撮像装置制御部72は、導出した撮像範囲71及び高解像度領域75から、設定画面36を作成する。可動撮像装置制御部72は、作成した設定画面36をディスプレイ34に出力する。
【0079】
可動撮像装置制御部72は、受付デバイス32によって受け付けられた制御指示76に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。可動撮像装置制御部72は、生成した制御信号29を対応する可動撮像装置18に送信する。可動撮像装置18は、制御信号29を受信し、受信した制御信号29に従って撮像範囲71を変更する。また、可動撮像装置18は、受信した制御信号29に従って撮像条件を変更してもよい。可動撮像装置制御部72は、生成した制御信号29に基づいて、メモリ30Cに記憶されている可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を更新する。
【0080】
図7に設定画面36の一例を示す。設定画面36には、例えば、無人航空機(図示省略)に搭載された撮像装置により上空から撮像されることで得られたサッカー競技場22の俯瞰画像に、各可動撮像装置18の位置及び撮像範囲71を示す画像、スライドバー82を示す画像、並びに高解像度領域75を示す画像が重畳表示されている。なお、設定画面36は、ユーザデバイス14に出力され、ユーザデバイス14のディスプレイ54に表示されてもよい。
【0081】
例えば、情報処理装置12の管理者は、ディスプレイ34に表示された設定画面36上で、受付デバイス32を用いて、可動撮像装置制御部72に対して制御指示76を出力する。制御指示76は、例えば、4つの可動撮像装置18のうちの何れか1つの可動撮像装置18の撮像範囲71を変更させる指示である。制御指示76は、管理者が、設定画面36上でマウスの操作を行うことにより出力される。例えば、管理者が、マウスの操作により、可動撮像装置18の位置を示す画像を、スライドバー82を示す画像に沿って別の位置にドラッグすると、対応する実空間上の位置に可動撮像装置18を動かす制御指示76が出力される。同様に、可動撮像装置18の位置を示す画像に対してクリック、ドラッグ又はその他の操作をすることにより可動撮像装置18の撮像方向又は焦点距離を変更する制御指示76が出力されるようにしてもよい。又は、各可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び画角を示す数値を設定画面36に表示しておき、管理者が、キーボードを使って何れかの数値を書き換えることで制御指示76が出力されてもよい。
【0082】
一例として
図8に示すように、可動撮像装置18は、レンズ鏡筒94、撮像素子69、コントローラ88、変更機構95、外部I/F92、及び通信I/F93を備えている。
【0083】
レンズ鏡筒94は、対物レンズ65、フォーカスレンズ66、及び絞り67を備えている。対物レンズ65、フォーカスレンズ66、及び絞り67は、被写体側(物体側)から撮像素子69側(像側)にかけて、光軸OAに沿って、対物レンズ65、フォーカスレンズ66、及び絞り67の順に配置されている。レンズ鏡筒94を透過した被写体光は、撮像素子69の受光面に結像される。
【0084】
コントローラ88は、可動撮像装置18の全体を制御する。コントローラ88は、CPU88A、ストレージ88B、メモリ88C、制御I/F88D、及び入力I/F88Eを備えている。CPU88A、ストレージ88B、メモリ88C、制御I/F88D、及び入力I/F88Eは、バス89を介して相互に接続されている。
【0085】
ストレージ88Bの一例としては、EEPROMが挙げられる。ただし、EEPROMはあくまでも一例に過ぎず、例えば、EEPROMに代えて強誘電体メモリであってもよく、可動撮像装置18に搭載可能な不揮発性メモリであれば如何なるメモリであってもよい。メモリ88Cは、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ストレージ88Bには、各種プログラムが記憶されている。CPU88Aは、ストレージ88Bから各種プログラムを読み出し、読み出したプログラムをメモリ88C上で実行することで、可動撮像装置18を統括的に制御する。
【0086】
入力I/F88Eは、撮像素子69に接続されている。入力I/F88Eは、撮像素子69から入力された画像データを受け付ける。コントローラ88は、画像データに対して、例えば、ホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、色空間変換処理、及び色差補正などの公知の信号処理を施すことによって、第2撮像画像19を示す画像データを生成する。
【0087】
制御I/F88Dは、FPGAを有するデバイスである。制御I/F88Dは、可動撮像装置18に備えられた変更機構95に接続されている。制御I/F88Dは、情報処理装置12から受信した制御信号29を変更機構95に出力することで、可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を制御する。なお、変更機構95は、本開示の技術に係る「変更機構」の一例である。
【0088】
変更機構95は、可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を変更する機構である。変更機構95は、制御信号29に従って、可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件のうちの少なくとも1つを変更する。
【0089】
変更機構95は、撮像装置スライド機構95A、旋回機構95B、レンズスライド機構95C、及び撮像条件変更機構95Dを含む。撮像装置スライド機構95A、旋回機構95B、レンズスライド機構95C、及び撮像条件変更機構95Dの各々は、モータを介して制御I/F88Dに接続されている。
【0090】
撮像装置スライド機構95Aは、可動撮像装置18の本体に取り付けられている。撮像装置スライド機構95Aに接続されたモータは、制御I/F88Dから入力された位置変更信号29Aに従って動作する。撮像装置スライド機構95Aは、モータの動力を受けて作動することで、可動撮像装置18をスライドバー82に沿って移動させる。
【0091】
旋回機構95Bは、レンズ鏡筒94に備えられた旋回台84に取り付けられている。旋回機構95Bに接続されたモータは、制御I/F88Dから入力された撮像方向変更信号29Bに従って動作する。旋回機構95Bは、モータの動力を受けて作動することで、レンズ鏡筒94をパン軸(図示省略)及びチルト軸(図示省略)周りに選択的に旋回させる。なお、レンズ鏡筒94をパン軸及びチルト軸周りに同時に旋回させてもよい。
【0092】
レンズスライド機構95Cは、フォーカスレンズ66に取り付けられている。レンズスライド機構95Cに接続されたモータは、制御I/F88Dから入力された焦点距離変更信号29Cに従って動作する。レンズスライド機構95Cは、モータの動力を受けて作動することで、フォーカスレンズ66を光軸OAに沿って移動させる。
【0093】
撮像条件変更機構95Dは、絞り変更機構(図示省略)、シャッタ速度変更機構(図示省略)、及び感度変更機構(図示省略)を有する。絞り変更機構は、モータを介して絞り67に取り付けられている。シャッタ速度変更機構及び感度変更機構は、撮像素子69に取り付けられている。絞り変更機構に接続されたモータは、制御I/F88Dから入力された撮像条件変更信号29Dに従って動作する。絞り変更機構は、モータの動力を受けて作動することで、絞り67の開口の大きさを変更する。また、シャッタ速度変更機構は、制御I/F88Dから入力された撮像条件変更信号29Dに従って撮像素子69のシャッタ速度を変更する。更に、感度変更機構は、制御I/F88Dから入力された撮像条件変更信号29Dに従って撮像素子69の感度を変更する。
【0094】
バス89には、外部I/F92が接続されている。外部I/F92は、FPGAを有するデバイスである。外部I/F92には、USBメモリ又はメモリカード等の外部装置(図示省略)が接続される。外部I/F92は、CPU88Aと外部装置との間の各種情報の授受を司る。CPU88Aは、外部I/F92を介して、第2撮像画像19を示す第2撮像画像データを外部装置に記憶させる。
【0095】
また、バス89には、通信I/F93が接続されている。通信I/F93は、例えばLANケーブル38Bを介して情報処理装置12に接続されている。CPU88Aは、通信I/F93を介して、第2撮像画像データを情報処理装置12に送信する。また、通信I/Fは無線通信I/Fであってもよく、その場合は無線電波を介して情報処理装置12に接続される。
【0096】
なお、
図8に示す例では、図示の都合上、バス89として1本のバスが図示されているが、複数本のバスであってもよい。バス89は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。
【0097】
一例として
図9に示すように、仮想視点画像生成部74は、固定撮像装置16から受信した第1撮像画像17、又は、可動撮像装置18から受信した第2撮像画像19を用いて、注視位置に基づく仮想視点画像80を生成する。
【0098】
先ず、仮想視点画像生成部74は、ユーザデバイス14から、注視位置を示す注視位置対応領域79を取得する。具体的には、例えば、観賞者26は、ユーザデバイス14のディスプレイ54に設定画面36(
図7参照)を表示させる。観賞者26は、設定画面36上で、特定オブジェクトを示す特定オブジェクト画像にタッチすることにより、タッチパネル52Aを用いて、注視位置対応領域79を指定する。ユーザデバイス14は、指定された注視位置対応領域79を情報処理装置12に送信する。なお、ユーザデバイス14がヘッドマウントディスプレイ等の眼鏡型デバイスである場合、備えている視線入力装置から得られる注視位置を用いることもできる。
【0099】
仮想視点画像生成部74は、ユーザデバイス14から取得した注視位置対応領域79によって示される注視位置が、高解像度領域75内にあるか否かを判定する。仮想視点画像生成部74は、設定画面36における注視位置対応領域79の位置に基づいて、サッカーフィールド24の実空間領域における注視位置の3次元座標を取得する。仮想視点画像生成部74は、高解像度領域75の3次元座標と注視位置の3次元座標とを比較することにより、注視位置が高解像度領域75内にあるか否かを判定する。
【0100】
注視位置が高解像度領域75外である場合、仮想視点画像生成部74は、注視位置対応領域79を含む第1撮像画像17を用いて、注視位置対応領域79に基づく仮想視点画像80を生成する。第1撮像画像17を用いて生成された仮想視点画像80は、通常の解像度を有する通常解像度仮想視点画像80Aである。
【0101】
注視位置が高解像度領域75内である場合、仮想視点画像生成部74は、注視位置対応領域79を含む第2撮像画像19を用いて、注視位置対応領域79に基づく仮想視点画像80を生成する。第2撮像画像19を用いて生成された仮想視点画像80は、既定値よりも高い解像度を有する高解像度仮想視点画像80Bである。仮想視点画像生成部74は、生成した通常解像度仮想視点画像80A又は高解像度仮想視点画像80Bをユーザデバイス14に送信する。なお、高解像度仮想視点画像80Bは、本開示の技術に係る「所定の条件を満たす仮想視点画像」、「既定値以上の解像度を有する高解像度仮想視点画像」、及び「高解像度仮想視点画像」の一例である。
【0102】
一例として
図10に示すように、可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18の焦点距離を変更することにより、高解像度仮想視点画像80Bの解像度を変更することが可能である。
図10に示す例では、各可動撮像装置18の焦点距離が
図5に示す例に比べて長くなった場合、各可動撮像装置18の撮像範囲71は
図5に示す例に比べて狭くなる。
【0103】
この場合、4つの可動撮像装置18で取得された第2撮像画像19から導出される高解像度領域75は、
図5に示す例に比べて小さくなる。また、第2撮像画像19を用いて、高解像度領域75内の注視位置に基づいて作成される高解像度仮想視点画像80Bの解像度は、
図5に示す例に比べて高くなる。
【0104】
次に、情報処理装置12の作用について説明する。
【0105】
まず、情報処理装置12の可動撮像装置制御部72によって実行される可動撮像装置制御処理の流れの一例について、
図11を参照しながら説明する。
【0106】
図11に示す可動撮像装置制御処理は、例えば、情報処理装置12の管理者によって、受付デバイス32からCPU30Aに、設定画面36の表示要求が入力された場合に開始される。可動撮像装置制御処理では、ステップST101で、可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件をメモリ30Cから読み出す。この後、可動撮像装置制御処理はステップST102に移行する。
【0107】
ステップST102で、可動撮像装置制御部72は、メモリ30Cから読み出した各可動撮像装置18の位置及び撮像方向と、各可動撮像装置18の画角とに基づいて、各可動撮像装置18の撮像範囲71を導出する。なお、各可動撮像装置18の画角は、各可動撮像装置18の焦点距離と撮像素子69に関する情報から算出される。この後、可動撮像装置制御処理はステップST103に移行する。
【0108】
ステップST103で、可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18で撮像が行われることで得られた第2撮像画像19を取得する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST104に移行する。
【0109】
ステップST104で、可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18から取得された第2撮像画像19に基づいて、高解像度領域75を導出する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST105に移行する。
【0110】
ステップST105で、可動撮像装置制御部72は、導出した各可動撮像装置18の撮像範囲71、及び導出した高解像度領域75に基づいて作成した設定画面36をディスプレイ34に表示させる。この後、可動撮像装置制御処理はステップST106に移行する。
【0111】
ステップST106で、可動撮像装置制御部72は、受付デバイス32から制御指示76を受け付けたか否かを判定する。ステップST106において、制御指示76を受け付けた場合、判定が肯定されて、可動撮像装置制御処理はステップST107に移行する。ステップST106において、制御指示76を受け付けていない場合、判定が否定されて、可動撮像装置制御処理はステップST110に移行する。
【0112】
ステップST107で、可動撮像装置制御部72は、受け付けた制御指示76に基づいて制御信号29を生成する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST108に移行する。
【0113】
ステップST108で、可動撮像装置制御部72は、生成した制御信号29を対応する可動撮像装置18に送信する。可動撮像装置18は、制御信号29を受信して、受信した制御信号29に従って、変更機構95を作動させる。これにより、可動撮像装置18の撮像範囲71又は撮像条件が変更される。この後、可動撮像装置制御処理はステップST109に移行する。
【0114】
ステップST109で、可動撮像装置制御部72は、メモリ30Cに記憶されている可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を更新する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST110に移行する。
【0115】
ステップST110で、可動撮像装置制御部72は、終了条件を満足しているか否かを判定する。終了条件としては、例えば、可動撮像装置18による撮像が停止したこと、又は停止ボタンが操作されたこと等が挙げられる。停止ボタンは、例えば、情報処理装置12のディスプレイ34にソフトキーとして表示される。具体的には、停止ボタンは、設定画面36内に表示される。ステップST110において、終了条件を満足している場合、判定が肯定されて、可動撮像装置制御処理は終了する。ステップST110において、終了条件を満足していない場合、判定が否定されて、可動撮像装置制御処理はステップST102に移行する。
【0116】
次に、情報処理装置12の仮想視点画像生成部74によって実行される仮想視点画像生成処理の流れの一例について、
図12を参照しながら説明する。
【0117】
図12に示す仮想視点画像生成処理は、ユーザデバイス14からCPU30Aに、仮想視点画像の観賞要求が入力された場合に開始される。仮想視点画像生成処理では、ステップST111で、仮想視点画像生成部74は、仮想視点画像生成タイミングが到来したか否かを判定する。ステップST111において、仮想視点画像生成タイミングが到来した場合、判定が肯定されて、仮想視点画像生成処理はステップST112に移行する。ステップST111において、仮想視点画像生成タイミングが到来していない場合、判定が否定されて、仮想視点画像生成処理はステップST121に移行する。
【0118】
ステップST112で、仮想視点画像生成部74は、固定撮像装置16から第1撮像画像17を取得する。この後、仮想視点画像生成処理はステップST113に移行する。
【0119】
ステップST113で、仮想視点画像生成部74は、可動撮像装置18から第2撮像画像19を取得する。この後、仮想視点画像生成処理はステップST114に移行する。
【0120】
ステップST114で、仮想視点画像生成部74は、可動撮像装置制御部72から高解像度領域75を取得する。この後、仮想視点画像生成処理はステップST115に移行する。
【0121】
ステップST115で、仮想視点画像生成部74は、ユーザデバイス14から注視位置対応領域79を取得する。この後、仮想視点画像生成処理はステップST116に移行する。
【0122】
ステップST116で、仮想視点画像生成部74は、注視位置対応領域79が示す注視領域が高解像度領域75内か否かを判定する。ステップST116において、注視領域が高解像度領域75内である場合、判定が肯定されて、仮想視点画像生成処理はステップST117に移行する。ステップST116において、注視領域が高解像度領域75外である場合、判定が否定されて、仮想視点画像生成処理はステップST119に移行する。
【0123】
ステップST117で、仮想視点画像生成部74は、第2撮像画像19を用いて、注視位置対応領域79に基づく通常解像度仮想視点画像80Aを生成する。この後、仮想視点画像生成処理はステップST118に移行する。
【0124】
ステップST118で、仮想視点画像生成部74は、生成した通常解像度仮想視点画像80Aをユーザデバイス14に送信する。ユーザデバイス14は、通常解像度仮想視点画像80Aを受信し、受信した通常解像度仮想視点画像80Aをディスプレイ54に表示させる。
【0125】
ステップST119で、仮想視点画像生成部74は、第1撮像画像17を用いて、注視位置対応領域79に基づく高解像度仮想視点画像80Bを生成する。この後、仮想視点画像生成処理はステップST120に移行する。
【0126】
ステップST120で、仮想視点画像生成部74は、生成した高解像度仮想視点画像80Bをユーザデバイス14に送信する。ユーザデバイス14は、高解像度仮想視点画像80Bを受信し、受信した高解像度仮想視点画像80Bをディスプレイ54に表示させる。
【0127】
ステップST121で、仮想視点画像生成部74は、終了条件を満足しているか否かを判定する。終了条件としては、例えば、固定撮像装置16又は可動撮像装置18による撮像が停止したこと、又は停止ボタンが操作されたこと等が挙げられる。停止ボタンは、例えば、ユーザデバイス14のディスプレイ54にソフトキーとして表示される。具体的には、停止ボタンは、通常解像度仮想視点画像80A又は高解像度仮想視点画像80Bが表示される画面内に表示される。ステップST121において、終了条件を満足している場合、判定が肯定されて、仮想視点画像生成処理は終了する。ステップST121において、終了条件を満足していない場合、判定が否定されて、仮想視点画像生成処理はステップST111に移行する。
【0128】
以上説明したように、本第1実施形態において、情報処理装置12は、複数の撮像装置により撮像されることで取得された第1撮像画像17及び第2撮像画像19に基づいて、仮想視点画像80を生成可能なCPU30Aと、CPU30Aに接続されたメモリ30Cとを備える。CPU30Aの可動撮像装置制御部72は、仮想視点画像80の生成に関して外部から与えられた制御指示76に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。従って、本構成によれば、可動撮像装置18に対する制御信号29が生成されない場合に比べ、外部から与えられた制御指示76に応じて選択された領域について、仮想視点画像80を生成することができる。
【0129】
また、本第1実施形態において、制御信号29は、可動撮像装置18に対して、制御指示76に応じた所定の条件を満たす仮想視点画像80を生成するために用いられる第2撮像画像19を取得させる制御に関する信号である。従って、本構成によれば、可動撮像装置18に対する制御信号29が生成されない場合に比べ、外部から与えられた制御指示76に応じて選択された領域について、制御指示76に応じた所定の条件を満たす仮想視点画像80を生成することができる。
【0130】
また、本第1実施形態において、制御信号29は、可動撮像装置18に対して、既定値以上の解像度を有する高解像度仮想視点画像80Bを生成するために用いられる第2撮像画像19を取得させる制御に関する信号である。従って、本構成によれば、可動撮像装置18に対する制御信号29が生成されない場合に比べ、外部から与えられた制御指示76に応じて選択された領域について、高解像度仮想視点画像80Bを生成することができる。
【0131】
また、本第1実施形態において、制御信号29は、可動撮像装置18の撮像範囲71を変える制御に関する信号である。従って、本構成によれば、可動撮像装置18の撮像範囲71を変更させるという簡単な制御で、外部から与えられた制御指示76に応じて選択された領域について、仮想視点画像80を生成することができる。
【0132】
また、本第1実施形態において、制御信号29は、可動撮像装置18の位置を変更させる位置変更信号29Aを含む。従って、本構成によれば、可動撮像装置18の位置を変更させるという簡単な制御で、外部から与えられた制御指示76に応じて選択された領域について、仮想視点画像80を生成することができる。
【0133】
また、本第1実施形態において、制御信号29は、可動撮像装置18の撮像方向を変更させる撮像方向変更信号29Bを含む。従って、本構成によれば、可動撮像装置18の撮像方向を変更させるという簡単な制御で、外部から与えられた制御指示76に応じて選択された領域について、仮想視点画像80を生成することができる。
【0134】
また、本第1実施形態において、可動撮像装置18は光学ズーム機能を有し、制御信号29は、可動撮像装置18の焦点距離を変更させる焦点距離変更信号29Cを含む。従って、本構成によれば、可動撮像装置18の焦点距離を変更させるという簡単な制御で、外部から与えられた制御指示76に応じて選択された領域について、仮想視点画像80を生成することができる。
【0135】
また、本第1実施形態において、可動撮像装置18は、可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を変更する変更機構95を有する。変更機構95は、制御信号29に従って、可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件のうちの少なくとも一つを変更する。従って、本構成によれば、変更機構95を用いずに可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を手動で変更する場合に比べ、可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件を簡便に変更することができる。
【0136】
また、本第1実施形態において、可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18の焦点距離を変更することにより、高解像度仮想視点画像80Bの解像度を変更可能である。従って、本構成によれば、高解像度仮想視点画像80Bの解像度が変更可能でない場合に比べ、可動撮像装置18の焦点距離を変更するという簡単な制御で、高解像度仮想視点画像80Bの解像度をさらに向上させることができる。
【0137】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、可動撮像装置制御部72は、受付デバイス32から受け付けた制御指示76に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する態様例を説明した。本第2実施形態では、可動撮像装置制御部72は、撮像装置によって撮像可能なサッカー競技場22内の実空間領域に存在する被写体に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。以下、より詳しく説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0138】
一例として
図13に示すように、可動撮像装置制御部72は、被写体の状況に基づいて、サッカー競技場22内の実空間領域のうち、ユーザデバイス14を使用している観賞者26からの注目度が高いと予想される領域、すなわち注視位置を予測する。
図13に示す例では、被写体はペナルティキックを行っている最中である。可動撮像装置制御部72は、この被写体の状況に基づいて、ペナルティエリアが注視位置であると予測する。可動撮像装置制御部72は、予測した注視位置の高解像度仮想視点画像80Bを生成するために用いられる第2撮像画像19を、可動撮像装置18に対して取得させる制御信号29を生成する。つまり換言すれば、可動撮像装置制御部72は、予測した注視位置が高解像度領域75になるように、可動撮像装置18の撮像範囲71を変更させる制御信号29を生成する。
【0139】
具体的に説明すると、一例として
図14に示すように、例えば、サッカーボール21には、サッカー競技場22内でのサッカーボール21の位置を検出する位置センサ21Aが内蔵されている。位置センサ21Aとしては、例えば、自らの移動による角速度を検出するジャイロセンサ、又はGNSS衛星(例えば、GPS衛星)を用いた位置センサ等が用いられる。
【0140】
可動撮像装置制御部72は、位置センサ21Aからの出力信号を、被写体状況判断材料情報100として、一定(例えば、数十分の一秒)のクロック周期で受信する。可動撮像装置制御部72は、受信した被写体状況判断材料情報100に基づいて、被写体の状況を判断する。
図13に示す例では、可動撮像装置制御部72は、被写体状況判断材料情報100に基づいて、サッカーボール21が既定時間(例えば、5秒)を超えて静止している状況であると判断する。
【0141】
可動撮像装置制御部72は、複数の固定撮像装置16で得られた複数の第1撮像画像17を取得する。可動撮像装置制御部72は、上述の画像認識技術を用いて、第1撮像画像17から、サッカー競技場22内の実空間領域におけるサッカーボール21及び選手の位置を示す3次元座標を取得する。可動撮像装置制御部72は、被写体の状況と、サッカーボール21及び選手の位置とに基づいて、注視位置を予測する。注視位置は、サッカー競技場22内の実空間領域における3次元座標で示される位置である。
【0142】
可動撮像装置制御部72は、予測した注視位置が高解像度領域75になるように、可動撮像装置18の撮像範囲71を変更させる制御信号29を生成する。可動撮像装置制御部72は、生成した制御信号29を可動撮像装置18に送信する。具体的には、制御信号29に含まれる位置変更信号29Aは、撮像装置スライド機構95A(
図8参照)に対して、可動撮像装置18を予測した注視位置に最も近い位置に移動させる。制御信号29に含まれる撮像方向変更信号29Bは、旋回機構95B(
図8参照)に対して、可動撮像装置18を注視位置に向かせる。制御信号29に含まれる焦点距離変更信号29Cは、レンズスライド機構95C(
図8参照)に対して、注視位置にピントが合うように、可動撮像装置18の焦点距離を変更させる。制御信号29に含まれる撮像条件変更信号29Dは、撮像条件変更機構95D(
図8参照)に対して、被写体の明るさ等に応じて、可動撮像装置18のシャッタ速度、絞り、及び感度を変更させる。
【0143】
次に、第2実施形態に係る可動撮像装置制御部72によって実行される可動撮像装置制御処理の流れの一例について、
図15を参照しながら説明する。
【0144】
図15に示す可動撮像装置制御処理は、例えば、情報処理装置12の管理者によって、注視位置の予測を開始する開始ボタンが操作された場合に開始される。開始ボタンは、例えば、情報処理装置12のディスプレイ34にソフトキーとして表示される。
【0145】
第2実施形態に係る可動撮像装置制御処理では、ステップST201で、可動撮像装置制御部72は、被写体状況判断材料情報100を取得する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST202に移行する。
【0146】
ステップST202で、可動撮像装置制御部72は、被写体状況判断材料情報100に基づいて被写体の状況を判断する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST203に移行する。
【0147】
ステップST203で、可動撮像装置制御部72は、固定撮像装置16から第1撮像画像17を取得する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST204に移行する。
【0148】
ステップST204で、可動撮像装置制御部72は、判断した被写体の状況と、第1撮像画像17から得た情報とに基づいて、注視位置を予測する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST205に移行する。
【0149】
ステップST205で、可動撮像装置制御部72は、予測した注視位置が高解像度領域75になるように制御信号29を生成する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST206に移行する。
【0150】
ステップST206で、可動撮像装置制御部72は、生成した制御信号29を可動撮像装置18に送信する。この後、可動撮像装置制御処理はステップST207に移行する。
【0151】
ステップST207で、可動撮像装置制御部72は、終了条件を満足しているか否かを判定する。終了条件としては、例えば、可動撮像装置18による撮像が停止したこと、又は注視位置の予測を停止する停止ボタンが操作されたこと等が挙げられる。停止ボタンは、例えば、情報処理装置12のディスプレイ34にソフトキーとして表示される。ステップST207において、終了条件を満足している場合、判定が肯定されて、可動撮像装置制御処理は終了する。ステップST207において、終了条件を満足していない場合、判定が否定されて、可動撮像装置制御処理はステップST201に移行する。
【0152】
以上説明したように、本第2実施形態において、情報処理装置12は、複数の撮像装置により撮像可能な実空間領域のうち、被写体の状況に基づいて予測された注視位置の高解像度仮想視点画像80Bを生成するために用いられる第2撮像画像19を、可動撮像装置18に対して取得させる制御信号29を生成する。従って、本構成によれば、被写体の状況に基づいて予測された注視位置の高解像度仮想視点画像80Bを得ることができる。
【0153】
上記第2実施形態において、サッカーボール21に内蔵された位置センサ21Aから得られたサッカーボール21の位置情報が被写体状況判断材料情報100として用いられているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、選手に位置センサを取り付け、選手の位置情報を被写体状況判断材料情報100として用いてもよい。また、複数の固定撮像装置16で取得された複数の第1撮像画像17を被写体状況判断材料情報100として取得し、機械学習等を用いた画像認識技術を用いて被写体の状況を判断してもよい。
【0154】
また、上記第2実施形態において、可動撮像装置制御部72は、被写体状況判断材料情報100に基づいて、サッカーボール21が既定時間を超えて静止している状況であると判断したが、本開示の技術はこれに限定されない。可動撮像装置制御部72は、被写体状況判断材料情報100に基づいて、サッカーボール21がサッカーフィールド24のラインを超えたこと、選手が特定の配置に付いていること、又は選手が狭い範囲に密集していること等の状況を判断してもよい。可動撮像装置制御部72は、これらの被写体の状況に基づいて、注視位置を予測してもよい。
【0155】
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、制御指示76として、可動撮像装置18の撮像範囲71に関する指示を例示したが、本第3実施形態では、制御指示76として、高解像度仮想視点画像80Bを生成する対象である高解像度領域75に関する指示を用いる形態例について説明する。なお、本第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0156】
本第3実施形態において、高解像度領域75は、例えば、サッカー競技場22内の実空間領域に含まれる特定オブジェクトを含む領域である。特定オブジェクトは、例えば、特定の選手である。
【0157】
管理者が、情報処理装置12に対して、特定オブジェクトを含む高解像度領域75に関する制御指示76を与える方法の一例を説明する。一例として
図16に示すように、管理者は、ディスプレイ34に表示された設定画面36上で、マウスを用いて、特定オブジェクトを示す特定オブジェクト画像をクリックする。
【0158】
一例として
図17に示すように、可動撮像装置制御部72は、設定画面36における特定オブジェクト画像の位置に基づいて、サッカー競技場22内の実空間領域における特定オブジェクト102の3次元座標を取得する。また、可動撮像装置制御部72は、特定オブジェクト102の座標を中心に半径数メートル(例えば、半径2メートル)の領域を特定領域104と定める。可動撮像装置制御部72は、特定領域104の座標を含む制御指示76を受け付ける。なお、特定オブジェクトは、本開示の技術に係る「特定のオブジェクト」の一例である。また、特定領域104は、本開示の技術に係る「特定領域」の一例である。
【0159】
可動撮像装置制御部72は、実空間領域内の特定領域104を示す情報が制御指示76に含まれる場合、特定領域104の高解像度仮想視点画像80Bを生成するために用いられる第2撮像画像19を、可動撮像装置18に対して取得させる制御信号29を生成する。換言すれば、可動撮像装置制御部72は、特定領域104が高解像度領域75になるように、可動撮像装置18の撮像範囲71を変更させる制御信号29を生成する。実空間内の特定領域104が高解像度領域75になるように制御信号29を生成する方法は、上記第2実施形態で説明したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0160】
以上説明したように、本第3実施形態において、制御指示76は、高解像度仮想視点画像80Bを生成する対象である高解像度領域75に関する指示を含む。従って、本構成によれば、サッカー競技場22内の実空間領域のうち、管理者が意図する領域を高解像度領域75として定めることができる。
【0161】
また、本第3実施形態において、可動撮像装置制御部72は、複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域内の特定領域104を示す情報が制御指示76に含まれる場合、特定領域104の高解像度仮想視点画像80Bを生成するために用いられる第2撮像画像19を、可動撮像装置18に対して取得させる制御信号29を生成する。従って、本構成によれば、特定領域104を高解像度領域75として定めることができる。
【0162】
また、本第3実施形態において、高解像度領域75は、複数の撮像装置によって撮像可能な実空間領域に含まれる特定オブジェクト102を含む領域である。従って、本構成によれば、実空間領域内のオブジェクトのうち、管理者が意図するオブジェクトを高解像度領域75として定めることができる。
【0163】
なお、上記第3実施形態において、特定オブジェクト102は、特定の選手であったが、本開示の技術はこれに限定されない。特定オブジェクト102は、サッカーボール21、ゴール、審判、又はライン等を含む、撮像領域中に含まれうる任意のオブジェクトであってもよい。
【0164】
また、上記第3実施形態において、高解像度領域75は、特定オブジェクト102を含む領域であったが、本開示の技術はこれに限定されない。高解像度領域75は、特定オブジェクト102を含む領域でなくてもよい。可動撮像装置制御部72は、管理者が設定画面36において任意に指定した領域を特定領域104として含む制御指示76を受け付け、特定領域104が高解像度領域75になるように制御信号29を生成してもよい。
【0165】
また、高解像度領域75は、仮想視点画像80に対する注視位置の経路を含む領域であってもよい。一例として
図18に示すように、例えば、特定オブジェクト102の存在する位置を注視位置106とする場合、注視位置106の経路である注視位置パス108を含む領域が特定領域104として定められる。可動撮像装置制御部72は、特定領域104を含む制御指示76を受け付け、特定領域104が高解像度領域75になるように制御信号29を生成する。従って、本構成によれば、実空間領域のうち、観賞者26からの注視度が高い領域を高解像度領域75として定めることができる。なお、注視位置パス108は、本開示の技術に係る「注視位置の経路」の一例である。
【0166】
[第4実施形態]
上記第1~第3実施形態では、管理者が、受付デバイス32から制御指示76を入力し、可動撮像装置制御部72は、制御指示76に基づいて高解像度領域75を決定する態様を例に挙げて説明した。本第4実施形態では、管理者に加えて、複数の観賞者26の操作によって、ユーザデバイス14が制御指示76を送信する。以下、管理者と観賞者26とを区別して説明する必要がない場合には、包括的に「ユーザ」と称する。可動撮像装置制御部72は、複数のユーザからの複数の制御指示76を集計する。可動撮像装置制御部72は、集計結果に基づいて高解像度領域75を定め、定めた高解像度領域75に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。なお、本第4実施形態では、上記第1~第3実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0167】
一例として
図19に示すように、第1のユーザによって与えられる第1制御指示76-1は、特定領域104-1を含んでいる。第2ユーザによって与えられる第2制御指示76-2は、特定領域104-2を含んでいる。第3ユーザによって与えられる第3制御指示76-3は、特定領域104-3を含んでいる。特定領域104-1~104-3は、重複している。なお、本実施形態では、複数の制御指示76-1~76-3に含まれる複数の特定領域104-1~104-3は、重複しているが、本開示の技術はこれに限定されず、特定領域104-1~104-3は重複していなくてもよい。以下、制御指示76-1~76-3を区別して説明する必要がない場合には、包括的に「複数の制御指示76」と称する。特定領域104-1~104-3を区別して説明する必要がない場合には、包括的に「複数の特定領域104」と称する。
【0168】
可動撮像装置制御部72は、複数の特定領域104の集計結果に基づいて、高解像度領域75を定める。可動撮像装置制御部72は、例えば、複数の特定領域104の重複領域110を高解像度領域75と定める。又は、可動撮像装置制御部72は、複数の特定領域104を全て含む高解像度領域75を定めてもよい。又は、可動撮像装置制御部72は、複数の特定領域104を統計的に処理し、サッカー競技場22内の実空間領域のうち、既定値を超える注目度を有していると判断される領域を高解像度領域75と定めてもよい。
【0169】
一例として
図20に示すように、可動撮像装置制御部72は、受付デバイス32及びユーザデバイス14から受け付けた複数の制御指示76を集計する。可動撮像装置制御部72は、複数の制御指示76の集計結果に基づいて、高解像度領域75を決定する。可動撮像装置制御部72は、決定した高解像度領域75に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。
【0170】
以上説明したように、本第4実施形態において、可動撮像装置制御部72は、複数の制御指示76を集計した結果に基づいて高解像度領域75を定め、定めた高解像度領域75に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。従って、本構成によれば、高解像度領域75が、一つの制御指示76に基づいて定められる場合に比べ、複数の制御指示76を反映した高解像度領域75を定めることができる。
【0171】
[第5実施形態]
上記第3実施形態では、可動撮像装置制御部72が、高解像度領域75に関する制御指示76に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する態様例を説明した。本第5実施形態では、可動撮像装置制御部72は、高解像度領域75に関する制御指示76の履歴に基づいて高解像度領域75を定め、定めた高解像度領域75に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。なお、本第5実施形態では、上記第1~第4実施形態で説明した構成要素と同じ構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0172】
一例として
図21に示すように、本第5実施形態では、高解像度領域75(
図5及び
図13参照)に関する制御指示76の履歴である制御指示履歴114が、メモリ30Cに記憶されている。制御指示履歴114は、例えば、予め定められた時間(例えば、90分間)に可動撮像装置制御部72に受け付けられた制御指示76の履歴である。又は、制御指示履歴114は、
図11に示す可動撮像装置制御処理の開始から終了までの間の制御指示76の履歴であってもよい。また、情報処理装置12のユーザが複数居る場合には、制御指示履歴114は、ユーザ毎の制御指示76の履歴であってもよい。なお、制御指示履歴114は、本開示の技術に係る「履歴」の一例である。
【0173】
可動撮像装置制御部72は、メモリ30Cから制御指示履歴114を読み出し、読み出した制御指示履歴114に含まれる高解像度領域75を解析する。例えば、可動撮像装置制御部72は、高解像度領域75に最も高い頻度で含まれた特定オブジェクト102を検出し、検出した特定オブジェクト102を含む領域を高解像度領域75に定める。又は、可動撮像装置制御部72は、制御指示履歴114に含まれる高解像度領域75を統計的に処理し、サッカー競技場22内の実空間領域のうち、高解像度領域75となる頻度が既定値よりも高い領域を高解像度領域75に定めてもよい。可動撮像装置制御部72は、決定した高解像度領域75に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。
【0174】
以上説明したように、本第5実施形態において、可動撮像装置制御部72は、高解像度領域75に関する制御指示76の履歴に基づいて高解像度領域75を定め、定めた高解像度領域75に基づいて、可動撮像装置18に対する制御信号29を生成する。従って、本構成によれば、高解像度領域75が一つの制御指示76に基づいて定められる場合に比べ、制御指示履歴114を反映した高解像度領域75を定めることができる。
【0175】
[第6実施形態]
上記第1実施形態では、可動撮像装置制御部72が、可動撮像装置18から取得された第2撮像画像19に基づいて、高解像度領域75を導出する態様例を説明した。本第6実施形態では、可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び焦点距離に基づいて高解像度領域75を予測し、予測した高解像度領域75をディスプレイ34に出力する。ディスプレイ34は、可動撮像装置制御部72から入力された高解像度領域75を表示する。
【0176】
一例として
図22に示すように、可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18の位置、撮像方向、焦点距離、及び撮像条件をメモリ30Cから読み出す。また、可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18のレンズ及び撮像素子69に関する情報をメモリ30Cから読み出す。可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び画角に基づいて、各可動撮像装置18の撮像範囲71を導出する。各可動撮像装置18の撮像範囲71を導出する方法は、上記第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0177】
可動撮像装置制御部72は、高解像度領域75を予測する。例えば、可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18について、撮像条件と、レンズ及び撮像素子69に関する情報とに基づいて、被写界深度を導出する。可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び被写界深度に基づき、サッカー競技場22内の実空間領域のうち、各可動撮像装置18によって合焦した像が得られる合焦領域を示す3次元座標を取得する。可動撮像装置制御部72は、全ての可動撮像装置18の合焦領域を示す3次元座標の論理和を、高解像度領域75として取得する。
【0178】
可動撮像装置制御部72は、導出した各可動撮像装置18の撮像範囲71と、予測した高解像度領域75とを用いて、設定画面36を作成する。可動撮像装置制御部72は、作成した設定画面36をディスプレイ34に表示する制御を行う(例えば、
図7参照)。
【0179】
また、一例として
図23に示すように、可動撮像装置制御部72は、現在の可動撮像装置18の焦点距離に基づく第1高解像度領域と、可動撮像装置18の焦点距離を変更させることで実現される第2高解像度領域とを予測してもよい。例えば、可動撮像装置18の焦点距離を現在の焦点距離よりも長くすれば、可動撮像装置18の撮像範囲71は狭くなり、第1高解像度領域よりも狭い第2高解像度領域が予想される。さらに、第2高解像度領域に含まれる被写体を示す仮想視点画像80の解像度は、第1高解像度領域に含まれる被写体を示す仮想視点画像80の解像度よりも高くなる。可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18の撮像範囲71と、予測した第1及び第2高解像度領域とから設定画面36を作成する。可動撮像装置制御部72は、作成した設定画面36をディスプレイ34に表示する。
【0180】
一例として
図24に示すように、可動撮像装置制御部72は、予測した第1及び第2高解像度領域において、可動撮像装置18の焦点距離を変更することに伴って変化する高解像度仮想視点画像80Bの解像度と、第1高解像度領域及び第2高解像度領域の大きさの関係を、視覚的に識別可能な態様でディスプレイ34に表示する制御を行う。
【0181】
設定画面36において、第1高解像度領域を示す第1高解像度領域画像116と、第2高解像度領域を示す第2高解像度領域画像118は、例えば、色分けしてディスプレイ34に表示される。設定画面36の右側には、第1解像度領域を実現する場合に取得される高解像度仮想視点画像80Bの解像度117と、第2解像度領域を実現する場合に取得される高解像度仮想視点画像80Bの解像度119とが表示される。解像度119は、解像度117よりも高い値である。
【0182】
一例として
図25に示すように、可動撮像装置制御部72は、予測した第1及び第2高解像度領域に含まれるオブジェクトを、他のオブジェクトと視覚的に識別可能な態様でディスプレイ34に表示する制御を行う。
図25に示す例では、第1高解像度領域に含まれるオブジェクトである第1高解像度オブジェクト120は、円形の枠で囲まれてディスプレイ34に表示される。第2高解像度領域に含まれるオブジェクトである第2高解像度オブジェクト122は、矩形の枠で囲まれてディスプレイ34に表示される。なお、第1及び第2高解像度オブジェクト120及び122は、本開示の技術に係る「予測した高解像度領域に含まれるオブジェクト」の一例である。
【0183】
以上説明したように、本第6実施形態において、可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び焦点距離に基づいて、複数の可動撮像装置18によって撮像可能な実空間領域のうち、高解像度仮想視点画像80Bを生成可能な高解像度領域75を予測し、予測した高解像度領域75を出力する。従って、本構成によれば、高解像度領域75が、可動撮像装置18によって取得された第2撮像画像19から導出される場合に比べ、可動撮像装置制御部72の処理負荷が軽減される。
【0184】
また、本第6実施形態において、予測した高解像度領域75の出力先はディスプレイ34であり、ディスプレイ34は、可動撮像装置制御部72から入力された高解像度領域75を表示する。従って、本構成によれば、ユーザは、ディスプレイ34を介して、高解像度領域75を視覚的に認知することができる。
【0185】
また、本第6実施形態において、可動撮像装置制御部72は、予測した第1及び第2高解像度領域において、焦点距離を変更することに伴って変化する高解像度仮想視点画像80Bの解像度と、第1及び第2高解像度領域の大きさとの関係を、視覚的に識別可能な態様でディスプレイ34に表示する制御を行う。従って、本構成によれば、高解像度仮想視点画像80Bの解像度と第1及び第2高解像度領域の大きさとの関係を表示しない場合に比べ、ユーザは、所望の解像度を有する高解像度仮想視点画像80Bを生成するための高解像度領域を容易に指定することができる。
【0186】
また、本第6実施形態において、可動撮像装置制御部72は、予測した第1及び第2高解像度領域に含まれるオブジェクトを、他のオブジェクトと視覚的に識別可能な態様でディスプレイ34に表示する制御を行う。従って、本構成によれば、第1及び第2高解像度領域に含まれるオブジェクトを、他のオブジェクトと視覚的に識別可能な態様で表示しない場合に比べ、ユーザは、所望のオブジェクトに関する高解像度仮想視点画像80Bを生成するための高解像度領域を容易に指定することができる。
【0187】
なお、上記第6実施形態において、第1高解像度領域に含まれるオブジェクトは円形の枠で囲まれて、第2高解像度領域に含まれるオブジェクトは矩形の枠で囲まれてディスプレイ34に表示されるが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、第1高解像度領域に含まれるオブジェクトと第2高解像度領域に含まれるオブジェクトについて、オブジェクトがそれぞれ異なる色で色付けされて表示されてもよいし、又はオブジェクトの輪郭がそれぞれ異なる色で強調されて表示されてもよい。
【0188】
[第7実施形態]
本第7実施形態では、可動撮像装置制御部72は、制御信号29を生成する際に、各可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び焦点距離を較正する較正処理を行う。なお、本第7実施形態では、上記第1~第6実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0189】
本第7実施形態において、可動撮像装置制御部72は、受付デバイス32から較正指示を受け付けた場合、可動撮像装置18を基準位置、基準撮像方向、及び基準焦点距離に移動させる。基準位置は、各スライドバー82の中心である(
図5参照)。また、基準撮像方向は、各スライドバー82に垂直な方向である(
図5参照)。基準焦点距離は、可動撮像装置18毎に予め定められた焦点距離である。
【0190】
一例として
図26に示すように、各可動撮像装置18は、移動後、サッカー競技場22内の実空間領域に含まれる固定オブジェクト、例えば、ライン128を撮像することにより、較正用画像126を取得する。固定オブジェクトは、サッカー競技場22内の実空間領域における位置が固定されたオブジェクトであり、予め定められたオブジェクトである。なお、固定オブジェクトは、本開示の技術に係る「固定オブジェクト」の一例である。また、基準位置、基準撮像方向、及び基準焦点距離は本開示の技術に係る「基準位置」、「基準撮像方向」、及び「基準焦点距離」の一例である。また、較正用画像126は、本開示の技術に係る「較正用画像」の一例である。
【0191】
可動撮像装置制御部72は、各可動撮像装置18から較正用画像126を取得し、メモリ30Cから基準画像127を取得する。基準画像127は、基準位置、基準撮像方向、及び基準焦点距離に配置された可動撮像装置18により、固定オブジェクトを撮像することで得た画像であり、予めメモリ30Cに記憶されている。なお、基準画像127は、本開示の技術に係る「基準画像」の一例である。
【0192】
可動撮像装置制御部72は、基準画像127に写っているライン128と、較正用画像126に写っているライン128とを比較する。基準画像127と較正用画像126と間の位置の差は、基準位置に対する、可動撮像装置18の位置のずれを表している。基準画像127と較正用画像126と間の撮像方向の差は、基準撮像方向に対する、可動撮像装置18の撮像方向のずれを表している。基準画像127と較正用画像126と間の画角の差は、基準焦点距離に対する、可動撮像装置18の焦点距離のずれを表している。
【0193】
可動撮像装置18の位置、撮像方向、及び焦点距離にずれが発生する原因としては、例えば、可動撮像装置18を撮像装置スライド機構95Aに取り付ける際の取り付け誤差、旋回台84を旋回機構95Bに取り付ける際の取り付け誤差、及び、フォーカスレンズ66をレンズスライド機構95Cに取り付ける際の取り付け誤差が考えられる。他にも、可動撮像装置18が屋外に設置されている場合には、風、雨、又は日照等による外力が考えられる。
【0194】
可動撮像装置制御部72は、較正用画像126と基準画像127との間の位置、撮像方向、及び焦点距離に関するずれに基づいて、位置、撮像方向、及び焦点距離のそれぞれに関する較正値129を算出する。可動撮像装置制御部72は、算出した較正値129をメモリ30Cに記憶する。
【0195】
一例として
図27に示すように、可動撮像装置制御部72は、受付デバイス32から較正指示を受け付けた場合、可動撮像装置18に対して基準位置、基準撮像方向、及び基準焦点距離への移動を指示する移動信号125を、各可動撮像装置18に送信する。各可動撮像装置18は、移動信号125を受信し、受信した移動信号125に従って、基準位置、基準撮像方向、及び基準焦点距離に移動する。
【0196】
移動後、各可動撮像装置18は、サッカー競技場22内の実空間領域に含まれる固定オブジェクトを撮像することにより、較正用画像126を取得し、取得した較正用画像126を可動撮像装置制御部72に送信する。
【0197】
可動撮像装置制御部72は、可動撮像装置18から較正用画像126を受信する。また、可動撮像装置制御部72は、メモリ30Cから基準画像127を読み出す。可動撮像装置制御部72は、受信した較正用画像126と基準画像127とを比較する。可動撮像装置制御部72は、較正用画像126と基準画像127との比較結果に基づいて較正値129を算出する。較正値129は、可動撮像装置18毎に求められる値である。可動撮像装置制御部72は、算出した較正値129をメモリ30Cに記憶する。
【0198】
可動撮像装置制御部72は、受付デバイス32から制御指示76を受け付けた場合、制御指示76に基づいて、可動撮像装置18に対して撮像範囲71を変更させる制御信号を生成する。可動撮像装置制御部72は、メモリ30Cから較正値129を読み出す。可動撮像装置制御部72は、読み出した較正値129を用いて、生成した制御信号を較正する。可動撮像装置制御部72は、較正した制御信号を制御信号29として可動撮像装置18に送信する。
【0199】
以上説明したように、本第7実施形態において、可動撮像装置制御部72は、基準画像127を、予めメモリ30Cに記憶している。可動撮像装置制御部72は、較正用画像126と基準画像127とを比較し、比較結果に基づいて制御信号29を較正する。従って、本構成によれば、可動撮像装置制御部72が較正処理を行わない場合に比べ、精度の良い制御信号29を生成することができる。
【0200】
上記実施形態では、サッカー競技場22を例示したが、これはあくまでも一例に過ぎず、野球場、ラグビー場、カーリング場、陸上競技場、競泳場、コンサートホール、野外音楽場、及び演劇会場等のように、複数の物理カメラが設置可能であれば、如何なる場所であってもよい。
【0201】
また、上記実施形態では、コンピュータ30を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、コンピュータ30に代えて、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスを適用してもよい。また、コンピュータ30に代えて、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせを用いてもよい。
【0202】
また、上記実施形態では、情報処理が情報処理装置12のCPU30Aによって実行される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。CPU30Aに代えて、GPUを採用してもよいし、複数のCPUを採用してもよい。また、1つのプロセッサ、又は、物理的に離れている複数のプロセッサによって各種処理が実行されるようにしてもよい。
【0203】
また、上記実施形態では、ストレージ30Bに可動撮像装置制御プログラム62が記憶されているが、本開示の技術はこれに限定されず、一例として
図28に示すように、任意の可搬型の記憶媒体200に可動撮像装置制御プログラム62が記憶されていてもよい。記憶媒体200は、非一時的記憶媒体である。記憶媒体200としては、例えば、SSD又はUSBメモリ等が挙げられる。記憶媒体200に記憶されている可動撮像装置制御プログラム62はコンピュータ30にインストールされ、CPU30Aは、可動撮像装置制御プログラム62に従って、可動撮像装置制御処理を実行する。
【0204】
また、通信網(図示省略)を介してコンピュータ30に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等のプログラムメモリに可動撮像装置制御プログラム62を記憶させておき、情報処理装置12の要求に応じて可動撮像装置制御プログラム62が情報処理装置12にダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされた可動撮像装置制御プログラム62に基づく可動撮像装置制御処理がコンピュータ30のCPU30Aによって実行される。
【0205】
情報処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、上述したように、ソフトウェア、すなわち、プログラムに従って可動撮像装置制御処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。
【0206】
また、他のプロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで可動撮像装置制御処理を実行する。
【0207】
可動撮像装置制御処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、可動撮像装置制御処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【0208】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、可動撮像装置制御処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoCなどに代表されるように、可動撮像装置制御処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、可動撮像装置制御処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0209】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。
【0210】
また、上述した情報処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0211】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0212】
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0213】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の撮像装置により撮像されることで取得された複数の撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成可能なプロセッサと、
前記プロセッサに内蔵又は接続されたメモリと、を備え、
前記プロセッサは、
前記仮想視点画像の生成に関して外部から与えられた指示、及び、被写体のうちの少なくとも一方に基づいて前記複数の撮像装置のうちの制御対象撮像装置に対する制御信号を生成し、
前記指示は、前記仮想視点画像に対する指示を含み、
前記プロセッサは、複数の前記指示を集計した結果に基づいて、前記仮想視点画像に対する注視位置の経路を含む領域である注視領域を定め、
前記制御対象撮像装置に対する前記制御信号は、前記プロセッサによって定められた前記注視領域に基づいて生成される
情報処理装置。
【請求項2】
前記仮想視点画像に対する指示は、前記経路の指示を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記経路の指示の履歴も用いて前記注視領域を定める
請求項2に記載の情報処理装置。