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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151430
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】燃焼設備及び燃焼設備の制御方法
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/00 20060101AFI20241018BHJP
   B01J 23/755 20060101ALI20241018BHJP
   C04B 7/44 20060101ALI20241018BHJP
   C07C 9/04 20060101ALI20241018BHJP
   C07C 1/22 20060101ALI20241018BHJP
   F23G 5/00 20060101ALN20241018BHJP
【FI】
F23N5/00 G
B01J23/755 A ZAB
C04B7/44
C07C9/04
C07C1/22
F23G5/00 111
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064744
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】521297587
【氏名又は名称】UBE三菱セメント株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100153969
【弁理士】
【氏名又は名称】松澤 寿昭
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐太朗
(72)【発明者】
【氏名】松島 正明
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 智彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 佳典
(72)【発明者】
【氏名】中村 建翔
(72)【発明者】
【氏名】樋口 敬太
【テーマコード(参考)】
3K003
3K161
4G112
4G169
4H006
【Fターム(参考)】
3K003EA00
3K003FA01
3K003FB05
3K003GA03
3K003GA06
3K003HA04
3K161AA03
3K161AA23
3K161CA00
3K161DA40
3K161DA70
3K161EA50
3K161FA30
3K161FA32
3K161FA35
3K161HA90
3K161JA25
3K161KA27
4G112KA02
4G169AA03
4G169BC68A
4G169CA02
4G169CA08
4G169CA20
4G169CB02
4G169CB62
4G169CC22
4G169DA06
4G169EA02Y
4G169EB18Y
4H006AA02
4H006AA04
4H006AB44
4H006AC90
4H006BA21
4H006BE20
4H006BE41
(57)【要約】
【課題】本開示は、燃焼温度の安定化を図ることが可能な燃焼設備及び燃焼設備の制御方法を説明する。
【解決手段】燃焼設備は、燃料の燃焼が行われる燃焼部と、燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とから、メタンを生成する触媒と、触媒を収容する反応器とを含み、生成した当該メタンを燃焼部に燃料として供給するように構成されたメタン生成部と、燃焼部に補助燃料を供給するように構成された供給部と、メタン生成部におけるメタンの生成中に、反応器の内部温度を測定するように構成された測定部と、制御部とを備える。制御部は、反応器の内部温度と、メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、測定部において測定された内部温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する処理と、当該予測値に基づいて、供給部による補助燃料の燃焼部への供給量を調節する処理とを実行するように構成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の燃焼が行われる燃焼部と、
前記燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とから、メタンを生成する触媒と、前記触媒を収容する反応器とを含み、生成した当該メタンを前記燃焼部に燃料として供給するように構成されたメタン生成部と、
前記燃焼部に補助燃料を供給するように構成された供給部と、
前記メタン生成部におけるメタンの生成中に、前記反応器の内部温度を測定するように構成された測定部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記反応器の内部温度と、前記メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、前記測定部において測定された内部温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第1の処理と、
前記第1の処理で算出された前記予測値に基づいて、前記供給部による前記補助燃料の前記燃焼部への供給量を調節する第2の処理とを実行するように構成されている、燃焼設備。
【請求項2】
前記燃焼部は、
セメント原料を焼成してセメントクリンカを生成するように構成されたキルンと、
前記キルンに供給するセメント原料を仮焼するように構成された仮焼炉とを含み、
前記メタン生成部は、生成した前記メタンを前記仮焼炉及び前記キルンのバーナの少なくとも一方に燃料として供給するように構成されており、
前記供給部は、前記仮焼炉に前記補助燃料を供給するように構成されており、
前記第2の処理は、前記第1の処理で算出された前記予測値に基づいて、前記供給部による前記補助燃料の前記仮焼炉及び前記バーナの少なくとも一方への供給量を調節することを含む、請求項1に記載の燃焼設備。
【請求項3】
燃焼が行われる燃焼部と、
前記燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とから、メタンを生成する触媒と、前記触媒を収容する反応器とを含み、生成した当該メタンを前記燃焼部に燃料として供給するように構成されたメタン生成部と、
前記メタン生成部によって生成されたメタンに不活性ガスを混合して、当該メタンの濃度を調整するように構成された調整部と、
前記メタン生成部におけるメタンの生成中に、前記反応器の内部温度を測定するように構成された測定部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記反応器の内部温度と、前記メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、前記測定部において測定された内部温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第1の処理と、
前記第1の処理で算出された前記予測値に基づいて、前記調整部による前記不活性ガスの前記メタンへの混合量を調整する第2の処理とを実行するように構成されている、燃焼設備。
【請求項4】
前記メタン濃度モデルは、パラメータa,b,cをそれぞれ、
a:前記触媒の使用開始後における所定時点で前記メタン生成部において生成されたメタン濃度を、前記触媒の使用開始時点で前記メタン生成部において生成されたメタン濃度で除算した値
b:前記所定時点における前記反応器の最高内部温度
c:前記所定時点において前記反応器の内部温度が所定値を示す前記反応器の内部位置
と定義した場合に、a/cとb/cとの関係によって規定されており、
前記測定部は、前記メタン生成部におけるメタンの生成中に、前記反応器の前記内部位置における内部温度を測定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の燃焼設備。
【請求項5】
前記メタン濃度モデルは、パラメータa,b,cをそれぞれ、
a:前記触媒の使用開始後における所定時点で前記メタン生成部において生成されたメタン濃度を、前記触媒の使用開始時点で前記メタン生成部において生成されたメタン濃度で除算した値
b:前記所定時点における前記反応器の最高内部温度
c:前記所定時点において前記反応器の内部温度が所定値を示す前記反応器の内部位置を、前記反応器の内部の大きさを示す指標で除算した値
と定義した場合に、a/cとb/cとの関係によって規定されており、
前記測定部は、前記メタン生成部におけるメタンの生成中に、前記反応器の前記内部位置における内部温度を測定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の燃焼設備。
【請求項6】
前記燃焼部の排気ガスから二酸化炭素を分離して、分離後の当該二酸化炭素を前記メタン生成部に供給するように構成された分離部をさらに備える、請求項1又は2に記載の燃焼設備。
【請求項7】
燃料の燃焼が行われる燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とを、メタン生成部の反応器内の触媒に供給して、メタンを生成する第1の工程と、
前記第1の工程において生成されたメタンを、前記燃焼部に燃料として供給する第2の工程と、
前記第1の工程におけるメタンの生成中に、前記反応器の内部温度を測定部によって測定する第3の工程と、
前記反応器の内部温度と、前記メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、前記測定部において測定された内部温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第4の工程と、
前記第4の工程で算出された前記予測値に基づいて、供給部による補助燃料の前記燃焼部への供給量を調節する第5の工程とを含む、燃焼設備の制御方法。
【請求項8】
前記燃焼部は、
セメント原料を焼成してセメントクリンカを生成するように構成されたキルンと、
前記キルンに供給するセメント原料を仮焼するように構成された仮焼炉とを含み、
前記第2の工程は、前記第1の工程において生成されたメタンを、前記仮焼炉及び前記キルンのバーナの少なくとも一方に燃料として供給することを含み、
前記第5の工程は、前記第4の工程で算出された前記予測値に基づいて、前記供給部による前記仮焼炉及び前記バーナの少なくとも一方への前記補助燃料の供給量を調節することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
燃料の燃焼が行われる燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とを、メタン生成部の反応器内の触媒に供給して、メタンを生成する第1の工程と、
前記第1の工程におけるメタンの生成中に、前記反応器の内部温度を測定部によって測定する第2の工程と、
前記反応器の内部温度と、前記メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、前記測定部において測定された内部温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第3の工程と、
前記第3の工程で算出された前記予測値に基づいて、前記第1の工程において生成されたメタンへの不活性ガスの混合量を調整部によって調整して、調整後のガスを前記燃焼部に燃料として供給する第4の工程とを含む、燃焼設備の制御方法。
【請求項10】
前記メタン濃度モデルは、パラメータa,b,cをそれぞれ、
a:前記触媒の使用開始後における所定時点で前記メタン生成部において生成されたメタン濃度を、前記触媒の使用開始時点で前記メタン生成部において生成されたメタン濃度で除算した値
b:前記所定時点における前記反応器の最高内部温度
c:前記所定時点において前記反応器の内部温度が所定値を示す前記反応器の内部位置
と定義した場合に、a/cとb/cとの関係によって規定されており、
前記測定部は、前記メタン生成部におけるメタンの生成中に、前記反応器の前記内部位置における内部温度を測定するように構成されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記メタン濃度モデルは、パラメータa,b,cをそれぞれ、
a:前記触媒の使用開始後における所定時点で前記メタン生成部において生成されたメタン濃度を、前記触媒の使用開始時点で前記メタン生成部において生成されたメタン濃度で除算した値
b:前記所定時点における前記反応器の最高内部温度
c:前記所定時点において前記反応器の内部温度が所定値を示す前記反応器の内部位置を、前記反応器の内部の大きさを示す指標で除算した値
と定義した場合に、a/cとb/cとの関係によって規定されており、
前記測定部は、前記メタン生成部におけるメタンの生成中に、前記反応器の前記内部位置における内部温度を測定するように構成されている、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の工程は、前記燃焼部の排気ガスから分離部によって二酸化炭素を分離し、分離後の当該二酸化炭素を前記触媒に供給して、メタンを生成することを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃焼設備及び燃焼設備の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2は、セメント製造設備において発生した排気ガス中の二酸化炭素と、水素とを触媒に導入することと、二酸化炭素及び水素の反応により生成されたメタンをキルンの窯前部に設けられているバーナに燃料として供給することとを含む、セメントクリンカの製造方法を開示している。これにより、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量の削減と、燃料としてメタンガスが代替として用いられることによる化石燃料の使用量の削減とが図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-187720号公報
【特許文献2】特開2022-096846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、排気ガス中には、二酸化炭素の他に、触媒を劣化させる成分が含まれている。そのため、触媒の劣化の進行に伴い、メタンの生成量が低下する。したがって、特許文献1,2に記載されているように、生成されたメタンをキルンの燃料として用いる場合、メタンの生成量の低下に伴い燃焼によって得られる熱量が減少し、燃焼温度が安定しない懸念があった。
【0005】
そこで、本開示は、燃焼温度の安定化を図ることが可能な燃焼設備及び燃焼設備の制御方法を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
燃焼設備の一例は、燃料の燃焼が行われる燃焼部と、燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とから、メタンを生成する触媒と、触媒を収容する反応器とを含み、生成した当該メタンを燃焼部に燃料として供給するように構成されたメタン生成部と、燃焼部に補助燃料を供給するように構成された供給部と、メタン生成部におけるメタンの生成中に、反応器の所定の位置での温度を測定するように構成された測定部と、制御部とを備える。制御部は、触媒の所定の位置における温度と、メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、測定部において測定された温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第1の処理と、第1の処理で算出された予測値に基づいて、供給部による補助燃料の燃焼部への供給量を調節する第2の処理とを実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る燃焼設備及び燃焼設備の制御方法によれば、燃焼温度の安定化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、クリンカ製造設備の一例を示す模式図である。
図2図2は、メタン生成部の一例を示す断面図である。
図3図3は、クリンカ製造設備の主要部の一例を示すブロック図である。
図4図4は、コントローラのハードウェア構成の一例を示す概略図である。
図5図5は、反応器の上流端からの距離に応じた反応器の内部温度の変化を、所定の時間経過ごとにプロットしたグラフである。
図6図6(a)は、相対メタン濃度の時間変化の一例を示すグラフであり、図6(b)は、反応器内の最高内部温度の時間変化の一例を示すグラフであり、図6(c)は、位置/内径比の時間変化の一例を示すグラフである。
図7図7は、b/cに対するa/cの変化の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、本明細書において、図の上、下、右、左というときは、図中の符号の向きを基準とすることとする。
【0010】
[セメントクリンカの製造設備]
まず、図1図4を参照して、燃焼設備の一形態であるクリンカ製造設備1の一例について説明する。クリンカ製造設備1は、セメント製造設備の一部であり、図1に例示されるように、セメント原料MT1からセメントクリンカMT4を製造するための装置である。クリンカ製造設備1は、自身から排出される排気ガスを内部で処理する機能も有しており、排ガス処理装置としても動作する。クリンカ製造設備1は、原料置場10と、ドライヤ12(乾燥機)と、粉砕機14(乾燥機)と、サイロ16と、SP(サスペンションプレヒータ)18(予熱機;セメント焼成炉)と、焼成部20(キルン)と、発電装置22と、集塵機24と、煙突26と、分離部28と、メタン生成部30と、調整部31と、温度センサSE(測定部)と、供給部32と、出力部34と、コントローラCtr(制御部)とを備える。
【0011】
原料置場10は、セメント原料MT1を貯留するように構成されている。セメント原料MT1は、例えば、石灰石、石炭灰、珪石、粘土、酸化鉄原料、廃棄物等の混合物であり、数cm~十数cm程度の大きさを有している。
【0012】
ドライヤ12は、原料置場10から導入されたセメント原料MT1に熱風(例えば400℃程度)を供給して、セメント原料MT1を乾燥させるように構成されている。ドライヤ12で乾燥されたセメント原料MT1は、乾燥原料MT2となる。ドライヤ12には、発電装置22からの排気ガスG2が導入され、セメント原料MT1の乾燥に利用される。一方、ドライヤ12からの排気ガスG3は、集塵機24に導入される。集塵機24に導入される際の排気ガスG3の温度は、例えば90℃程度である。
【0013】
粉砕機14は、ドライヤ12から導入された乾燥原料MT2を粉砕するように構成されている。粉砕機14は、例えば、竪型ローラミル、ボールミルなどが挙げられる。乾燥原料MT2は、粉砕機14により300μm以下の粒状に粉砕されて粒状原料MT3となる。乾燥原料MT2が粉砕機14において粉砕される際、乾燥原料MT2は、発電装置22からの排気ガスG2と接触してさらに乾燥される。その後、粒状原料MT3はサイロ16に導入される。一方、粉砕機14からの排気ガスG4は、集塵機24に導入される。集塵機24に導入される際の排気ガスG4の温度は、例えば90℃程度である。
【0014】
サイロ16は、粉砕機14からの粒状原料MT3を一時的に貯留するように構成されている。サイロ16は、粒状原料MT3をSP18に適時供給する。
【0015】
SP18は、焼成部20において原料の焼成効率を高める目的で、粒状原料MT3を予熱する装置である。SP18は、複数段(例えば4段~5段程度)のサイクロン18a(分離器)と、仮焼炉18bとを含む。SP18の塔頂部に位置するサイクロン18aに投入された粒状原料MT3は、各段のサイクロン18a及び仮焼炉18bを順次通過しながら下方に移動する。
【0016】
SP18の塔底部からは、焼成部20からの排気ガスが導入される。当該排気ガスと粒状原料MT3とが各段のサイクロン18aで順次熱交換され、粒状原料MT3が例えば850℃程度まで予熱されて予熱処理済原料となる。SP18において生成された予熱処理済原料は、塔底部に位置する位置するサイクロン18aから排出されて、焼成部20内に導入される。一方、SP18からの排気ガスG1は、SP18の塔頂部に位置するサイクロン18aから排出される。排気ガスG1は、例えば400℃程度である。
【0017】
仮焼炉18bは、最下段のサイクロン18aと焼成部20との間に設けられている。仮焼炉18bは、メタン生成部30において生成されたメタンと、供給部32から供給された補助燃料とを燃料として燃焼し、粒状原料MT3を仮焼するように構成されている。そのため、予熱処理済原料(後述する)の生産量及び焼成効率が向上する。仮焼炉18bは、ライジングダクト18cを介して、焼成部20の窯尻20bに接続されている。そのため、仮焼炉18bには、ライジングダクト18cを介して、焼成部20からの排気ガスが導入される。
【0018】
焼成部20は、キルン20aと、窯尻20bと、クリンカクーラ20cと、バーナ20dとを含む。キルン20aは、予熱処理済原料を高温で焼成してセメントクリンカMT4を生成するように構成されている。キルン20aは、例えば、水平方向に沿って延びるロータリキルンであってもよい。キルン20aの最高温度は通常2000℃を超える。そのため、キルン20aでは、予熱処理済原料が例えば1450℃程度まで加熱される。キルン20aでの焼成により内部で発生した排気ガスは、SP18に導入される。SP18に導入される際の当該排気ガスの温度は、例えば900℃~1250℃程度である。
【0019】
窯尻20bは、SP18のライジングダクト18cとキルン20aとを接続しており、SP18において予熱された予熱処理済原料をキルン20aに導入するように構成されている。クリンカクーラ20cは、キルン20aの前部に接続されており、キルン20aにおける予熱処理済原料の焼成によって得られたセメントクリンカMT4が導入される。クリンカクーラ20cは、外気等の冷却風によって、セメントクリンカMT4を冷却するように構成されている。クリンカクーラ20cにおいて冷却されたセメントクリンカMT4は、焼成部20から排出される。
【0020】
バーナ20dは、キルン20aの前部において水平方向に沿って延びるように、キルン20aに設けられている。バーナ20dは、メタン生成部30において生成されたメタンと、供給部32から供給された補助燃料とを燃料として燃焼し、キルン20a内において火炎を形成するように構成されている。キルン20a内では、バーナ20dの火炎によって予熱処理済原料が焼成される。この焼成処理の際にキルン20a内で発生した排気ガスは、窯尻20bを介してSP18に導入される。当該排気ガスは、二酸化炭素を含んでいる。
【0021】
発電装置22は、排気ガスG1と熱交換して生成された蒸気によって発電タービンを駆動して、発電するように構成されている。そのため、排気ガスG1の熱の一部は、発電装置22において電気エネルギーとして回収される。発電装置22からの排気ガスG2は、ドライヤ12及び粉砕機14にそれぞれ導入される。
【0022】
集塵機24は、排気ガスG3,G4に含まれる粉粒体(粉末又は粒子)をガスから分離するように構成されている。集塵機24は、例えば電気集塵機が挙げられる。集塵機24を通過後の排気ガスG5の一部は、クリンカ製造設備1の排気ガスとして煙突26を通じてクリンカ製造設備1の外部に放出される。一方、集塵機24を通過後の排気ガスG5の残部は、分離部28に導入される。
【0023】
分離部28は、集塵機24から供給された排気ガスG5から二酸化炭素を分離するように構成されている。分離部28は、例えば、二酸化炭素を吸収可能な吸収液を含んでいてもよい。吸収液から二酸化炭素を回収する際には、二酸化炭素を吸着している吸収液を加熱などすることによって、吸収液から二酸化炭素を取り出してもよい。分離部28は、回収した二酸化炭素を圧縮して二酸化炭素の濃度を高めるように構成されていてもよい。分離部28は、排気ガスG5から二酸化炭素を分離する前に、排気ガスG5に含まれる有害成分(例えば、窒素酸化物、硫黄酸化物など)を除去するように構成されていてもよい。
【0024】
メタン生成部30は、分離部28において回収された二酸化炭素と、外部から供給された水素とから、メタンを生成するように構成されている。メタン生成部30は、生成したメタンを、仮焼炉18b及びバーナ20dの少なくとも一方(以下、単に「燃焼部」と称する。)に供給するように構成されている。メタン生成部30では、例えば、触媒CT(詳しくは後述する)を介して二酸化炭素及び水素を反応させてメタンを得るサバティエ反応(下記の反応式を参照)が利用されてもよい。
CO+4H→CH+2H
ΔH289K=-164.9kJ/mol
【0025】
メタン生成部30は、図2に例示されるように、反応器30aと、断熱材30bとを含む。反応器30aは、内側筒部30a1と、外側筒部30a2とを含む。内側筒部30a1及び外側筒部30a2は、円筒状を呈しており、これらの中心軸方向から見たときに同心円状に配置されていてもよい。内側筒部30a1と外側筒部30a2との間の空間は、触媒CTを収容するための収容空間として構成されている。
【0026】
触媒CTは、例えば、直径及び高さがそれぞれ数mm程度の円柱状のペレットであってもよい。触媒CTは、二酸化炭素のメタン化反応に高活性を有する材料によって構成されていてもよく、例えば、触媒担体に担持されたNi又はNi合金によって構成されていてもよい。触媒担体は、例えば、Al、Cr、SiO、MgAl、TiO、ZrOなどであってもよい。
【0027】
図2に例示されるように、分離部28において回収された二酸化炭素と、外部から供給された水素とが反応器30aの上方から導入されると、これらが反応器30a内の触媒CTと接触しながら下流側へと流れる。この過程で、二酸化炭素と水素とが触媒CTを介して反応してメタンが反応器30a内で生成される。生成されたメタンは、反応器30aの下方から排出され、バーナ20dに燃料として供給される。なお、水素は、例えば、ボンベに貯留されている水素が用いられてもよいし、水の電気分解によって得られた水素が用いられてもよい。
【0028】
断熱材30bは、反応器30a(外側筒部30a2)の外周面に設けられている。断熱材30bは、当該外周面の全体に設けられていてもよいし、当該外周面の大部分に設けられていてもよい。断熱材30bは、反応器30aから外部への熱放散を抑制することにより、反応器30a内でのメタン化反応の進行を促すように構成されている。
【0029】
調整部31は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作し、メタン生成部30において生成されたメタンの濃度を調整するように構成されている。具体的には、調整部31は、メタン生成部30において生成されたメタンに、必要に応じて不活性ガスを混合し、当該メタンの濃度を低下させるように構成されている。調整部31において当該メタンに混合される不活性ガスは、例えば、窒素、二酸化炭素などであってもよい。
【0030】
温度センサSEは、反応器30a内の内部温度を測定するように構成されている。温度センサSEは、図2に例示されるように、内側筒部30a1の内部に温度センサSEの先端部が挿入された状態で、当該先端部における内部温度を測定するように構成されていてもよい。温度センサSEは、内側筒部30a1の内部への挿入深さを変化させることにより、反応器30aの種々の内部位置での内部温度を測定することが可能とされている。温度センサSEは、例えば、熱電対によって構成されていてもよい。温度センサSEによって測定された温度のデータは、図1に例示されるように、コントローラCtrに送信される。
【0031】
供給部32は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作し、燃焼部に補助燃料を供給するように構成されている。燃焼部への供給部32からの補助燃料の供給量は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて適宜調節される。補助燃料は、例えば、微粉炭等の石炭、コークスなどであってもよい。
【0032】
出力部34は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作し、所定の表示や所定の報知を行うように構成されている。出力部34は、例えば、ディスプレイであってもよいし、スピーカであってもよい。
【0033】
コントローラCtrは、図3に例示されるように、機能モジュールとして、読取部M1と、記憶部M2と、処理部M3と、指示部M4とを有する。これらの機能モジュールは、コントローラCtrの機能を便宜上複数のモジュールに区切ったものに過ぎず、コントローラCtrを構成するハードウェアがこのようなモジュールに分かれていることを必ずしも意味するものではない。各機能モジュールは、プログラムの実行により実現されるものに限られず、専用の電気回路(例えば論理回路)、又は、これを集積した集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)により実現されるものであってもよい。
【0034】
読取部M1は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体RMからプログラムを読み取るように構成されている。記録媒体RMは、クリンカ製造設備1の各部を動作させるためのプログラムを記録している。記録媒体RMは、例えば、半導体メモリ、光記録ディスク、磁気記録ディスク、光磁気記録ディスクであってもよい。なお、以下では、クリンカ製造設備1の各部は、調整部31、供給部32及び出力部34を含みうる。
【0035】
記憶部M2は、種々のデータを記憶するように構成されている。記憶部M2は、例えば、読取部M1において記録媒体RMから読み出したプログラム、外部入力装置(図示せず)を介してオペレータから入力された設定データなどを記憶してもよい。記憶部M2は、温度センサSEによって測定された反応器30aの内部温度のデータを記憶してもよい。記憶部M2は、反応器30aの内部温度と、メタン生成部30において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルを記憶していてもよい。当該メタン濃度モデルの詳細については、後述する。
【0036】
処理部M3は、各種データを処理するように構成されている。処理部M3は、例えば、記憶部M2に記憶されている各種データに基づいて、クリンカ製造設備1の各部を動作させるための指示信号を生成してもよい。
【0037】
指示部M4は、処理部M3において生成された指示信号を、クリンカ製造設備1の各部に送信するように構成されている。
【0038】
コントローラCtrのハードウェアは、例えば一つ又は複数の制御用のコンピュータにより構成されていてもよい。コントローラCtrは、図4に示されるように、ハードウェア上の構成として回路C1を含んでいてもよい。回路C1は、電気回路要素(circuitry)で構成されていてもよい。回路C1は、例えば、プロセッサC2と、メモリC3と、ストレージC4と、ドライバC5と、入出力ポートC6とを含んでいてもよい。
【0039】
プロセッサC2は、メモリC3及びストレージC4の少なくとも一方と協働してプログラムを実行し、入出力ポートC6を介した信号の入出力を実行することで、上述した各機能モジュールを実現するように構成されていてもよい。メモリC3及びストレージC4は、記憶部M2として機能してもよい。ドライバC5は、クリンカ製造設備1の各部をそれぞれ駆動するように構成された回路であってもよい。入出力ポートC6は、ドライバC5とクリンカ製造設備1の各部との間で、信号の入出力を仲介するように構成されていてもよい。
【0040】
クリンカ製造設備1は、一つのコントローラCtrを備えていてもよいし、複数のコントローラCtrで構成されるコントローラ群(制御部)を備えていてもよい。クリンカ製造設備1がコントローラ群を備えている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコントローラCtrによって実現されていてもよいし、2個以上のコントローラCtrの組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrが複数のコンピュータ(回路C1)で構成されている場合には、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのコンピュータ(回路C1)によって実現されていてもよいし、2つ以上のコンピュータ(回路C1)の組み合わせによって実現されていてもよい。コントローラCtrは、複数のプロセッサC2を有していてもよい。この場合、上記の機能モジュールがそれぞれ、一つのプロセッサC2によって実現されていてもよいし、2つ以上のプロセッサC2の組み合わせによって実現されていてもよい。
【0041】
[メタン濃度モデルの生成方法]
続いて、図5図7を参照して、メタン濃度モデルの生成方法について説明する。メタン濃度モデルの生成にあたっては、上述したクリンカ製造設備1を用いてもよいし、別途用意した小型の反応器30aを備える実験設備を用いてもよい。
【0042】
まず、二酸化炭素及び水素を反応器30aに導入してメタンを生成しつつ、反応器30aにおいて生成されたメタン濃度を測定する。具体的には、触媒CTの使用開始時点(時点t0)におけるメタンの濃度MC0と、触媒CTの使用開始後の複数の異なる時点(時点t1,t2,・・・,tn(ただし、nは自然数))でのメタンの濃度MC1,MC2,・・・,MCnとを測定する。なお、メタン濃度は、例えば、ガスクロマトグラフによって測定されてもよい。
【0043】
ここで、パラメータMC,MC0,aをそれぞれ、
MC:触媒CTの使用開始後における所定時点でメタン生成部30において生成されたメタンの濃度
MC0:触媒CTの使用開始時点でメタン生成部30において生成されたメタンの濃度
a:MC/MC0(以下、「相対メタン濃度」ともいう。)
と定義した場合、時点t1,t2,・・・,tnにおける相対メタン濃度a1,a2,・・・,anはそれぞれ、
a1=MC1/MC0
a2=MC2/MC0
・・・
an=MCn/MC0
と表すことができる。図6(a)に、相対メタン濃度aの時間変化の一例を示す。
【0044】
次に、二酸化炭素及び水素を反応器30aに導入してメタンを生成しつつ、反応器30a内の複数の内部位置における内部温度を温度センサSEによって測定する。この測定結果の一例を、図5に示す。図5に例示される曲線L0は、触媒CTの使用開始時における、反応器30aの内部位置に応じた反応器30aの内部温度の変化を示している。図5に例示される曲線L1は、触媒CTの使用開始から所定時間経過後(例えば時点t1)における、反応器30aの内部位置に応じた反応器30aの内部温度の変化を示している。図5に例示される曲線L2は、曲線L2の作成時からさらに所定時間が経過した後(例えば時点t2)における、反応器30aの内部位置に応じた反応器30aの内部温度の変化を示している。図5に例示される曲線L3は、曲線L3の作成時からさらに所定時間が経過した後(例えば時点t3)における、反応器30aの内部位置に応じた反応器30aの内部温度の変化を示している。
【0045】
図5に例示されるように、曲線L0~L3は、この順に下方に移動している。この理由は、次のとおりである。すなわち、二酸化炭素及び水素が反応器30aの上方から導入されると、反応器30aの上流端近傍における触媒CTが主としてメタン化反応に利用される。そのため、反応器30aの上流端近傍における触媒CTから劣化が進行する。したがって、触媒CTの使用開始から時間の経過に応じて、メタン化反応に利用される触媒CTが反応器30aの下流側に移行する。これにより、図5の縦軸が反応器30aの上流端からの距離となっていることと併せて、図5において、曲線L1の全体が曲線L0よりも下方に遷移しており、曲線L2の全体が曲線L1よりも下方に遷移しており、曲線L3の全体が曲線L2よりも下方に遷移しているのである。
【0046】
ここで、パラメータbを、
b:上記所定時点における反応器30aの最高内部温度(以下、単に「最高内部温度」ともいう。)
と定義する。図5の例では、曲線L0において最高温度を示す内部温度Tm0と、曲線L1において最高温度を示す内部温度Tm1と、曲線L2において最高温度を示す内部温度Tm2と、曲線L3において最高温度を示す内部温度Tm3とが、それぞれ最高内部温度bの定義に適合する。すなわち、時点t1,t2,・・・,tnにおける最高内部温度b1,b2,・・・,bnはそれぞれ、
b1:時点t1において温度センサSEによって測定された反応器30a内の内部温度のうち最も高い内部温度Tm1
b2:時点t2において温度センサSEによって測定された反応器30a内の内部温度のうち最も高い内部温度Tm2
・・・
bn:時点tnにおいて温度センサSEによって測定された反応器30a内の内部温度のうち最も高い内部温度Tmn
と言い換えることができる。図6(b)に、最高内部温度bの時間変化の一例を示す。
【0047】
また、パラメータX,R,cをそれぞれ、
X:上記所定時点において反応器30aの内部温度が所定値を示す反応器30aの内部位置
R:反応器30aの内部の大きさを示す指標
c:XをRで除算した値(以下、「位置/内径比」ともいう。)
と定義する。図5の例において、例えば500℃を選択する場合、曲線L0が500℃を示すときの反応器30aの内部位置X0と、曲線L1が500℃を示すときの反応器30aの内部位置X1と、曲線L2が500℃を示すときの反応器30aの内部位置X2と、曲線L3が500℃を示すときの反応器30aの内部位置X3とが、それぞれパラメータXの定義に適合する。
【0048】
一方、パラメータRは、例えば、反応器30aの内径であってもよいし、反応器30aの内部の断面積であってもよい。図2の形態では、反応器30aがその延在方向において一定の大きさであるので、反応器30aのいずれの内部位置においても、反応器30aの内径も断面積も変化しない。そのため、この場合のパラメータRは定数となる。一方、反応器30aの形状がその延在方向において変化する場合には、パラメータRは、パラメータXの内部位置における反応器30aの内径、断面積などであってもよい。
【0049】
以上を踏まえると、時点t1,t2,・・・,tnにおける位置/内径比c1,c2,・・・,cnはそれぞれ、
c1=X1/R
c2=X3/R
・・・
cn=Xn/R
と表すことができる。図6(c)に、位置/内径比cの時間変化の一例を示す。
【0050】
以上の手順でパラメータa,b,cを得た後、横軸をb/cとし、縦軸をa/cとして、各データをプロットする。この場合、図7に例示されるように、b/cとa/cとは、強い正の相関を示す。そのため、各データから例えば最小二乗法を用いて一次近似直線を算出することで、b/cとa/cとを次の関係式1で表すことができる。
a/c=α×b/c+β (α,βは任意の実数) ・・・(1)
こうして得られたb/cとa/cとの一次近似直線が、メタン濃度モデルである。なお、図7に例示される一次近似直線ALは、関係式1に
α=0.16
β=-6.76
を代入して得られるものであり、決定係数Rは0.997である。
【0051】
[クリンカ製造設備の制御方法]
続いて、クリンカ製造設備1の制御方法について説明する。まず、上記の手順で予め生成されたメタン濃度モデル(関係式1)を、記憶部M2に記憶させておく。また、実際に稼働するクリンカ製造設備1の反応器30aにおけるパラメータRを予め取得し、記憶部M2に記憶させておく。
【0052】
次に、焼成部20において予熱処理済原料が焼成されると、焼成に伴って発生した排気ガスが、SP18、発電装置22、ドライヤ12、粉砕機14及び集塵機24において順次熱交換される。集塵機24から排出された排気ガスG5の少なくとも一部が分離部28に導入されると、排気ガスG5から二酸化炭素が分離される。メタン生成部30には、分離部28において分離された二酸化炭素と、水素とが導入され、これらが触媒CTを介して反応して、メタンが生成される。生成されたメタンは、メタン生成部30からバーナ20dに燃料として供給される。このとき、触媒CTの使用開始時点でメタン生成部30において生成されたメタンの濃度MC0を測定し、記憶部M2に記憶させておく。
【0053】
メタン生成部30におけるメタンの生成中に、温度センサSEは、反応器30aの複数の内部位置における内部温度をそれぞれ測定し、その測定結果をコントローラCtrに送信する。コントローラCtrは、その時点での反応器30a内の内部温度のうち最も高い内部温度を、最高内部温度bとして記憶部M2に記憶させる。また、コントローラCtrは、メタン濃度モデルを生成する際にパラメータXを得るために選択した温度(上記の例では500℃)を示す反応器30aの内部位置を、パラメータXとして記憶部M2に記憶させる。
【0054】
以上により、関係式1のうち、パラメータMC以外のパラメータが既知となる。そこで、コントローラCtrは、既知のパラメータを関係式1に代入することにより、温度センサSEによる測定時点でメタン生成部30において生成されているメタンの濃度の予測値(パラメータMC)を算出する。
【0055】
次に、コントローラCtrは、算出した予測値に基づいて調整部31を制御し、調整部31による不活性ガスのメタンへの混合量を調整する。例えば、コントローラCtrは、算出した予測値が所定の閾値Th1よりも高いか否かを判断してもよい。コントローラCtrは、算出した予測値が所定の閾値Th1よりも高いと判断した場合、メタン生成部30において生成されたメタンの濃度が閾値Th1以下となるように、当該メタンへの不活性ガスの混合量を調整してもよい。
【0056】
コントローラCtrは、算出した予測値に基づいて供給部32を制御し、供給部32による、燃焼部への補助燃料の供給量を調節する。例えば、コントローラCtrは、算出した予測値が所定の閾値Th2よりも低いか否かを判断してもよい。コントローラCtrは、算出した予測値が所定の閾値Th2よりも低いと判断した場合、当該閾値Th2以上の濃度のメタンが燃焼部に供給されたときの燃焼部における熱量が得られるように、燃焼部への補助燃料の供給量を調節してもよい。
【0057】
クリンカ製造設備1の稼働中、上記したように、温度センサSEによる内部温度の測定と、測定された内部温度とメタン濃度モデルとに基づく予測値の算出と、予測値に基づく補助燃料の供給量の調節とが、断続的に(例えば、1週間に1回程度)、又は、連続的に、実行される。
【0058】
[作用]
以上の例によれば、メタン濃度モデルを予め取得しておくことで、当該メタン濃度モデルと、温度センサSEによって測定される反応器30aの所定の位置での温度とに基づいて、メタン生成部30において生成されたメタンの濃度の予測値を適時に取得しうる。そのため、触媒CTの劣化の進行に伴ってメタンの生成量が低下しても、当該予測値に応じて燃焼部への補助燃料の供給量を調節することで、燃焼部における燃焼によって得られる熱量が略一定に維持される。したがって、クリンカ製造設備1の燃焼部における燃焼温度の安定化を図ることが可能となる。その結果、セメントクリンカMT4の品質を均質化することが可能となる。
【0059】
以上の例によれば、メタン濃度モデルを予め取得しておくことで、当該メタン濃度モデルと、温度センサSEによって測定される反応器30aの所定の位置での温度とに基づいて、メタン生成部30において生成されたメタンの濃度の予測値を適時に取得しうる。そのため、メタン生成部30において生成されたメタンの濃度が必要以上に高い場合でも、当該予測値に応じて不活性ガスの混合量を調整することで、燃焼部における燃焼によって得られる熱量が略一定に維持される。したがって、クリンカ製造設備1の燃焼部における燃焼温度の安定化を図ることが可能となる。その結果、セメントクリンカMT4の品質を均質化することが可能となる。
【0060】
以上の例によれば、a/cとb/cとの関係によって規定されたメタン濃度モデルを用いることで、補助燃料の燃焼部への供給量がより正確に算出される。そのため、クリンカ製造設備1における燃焼温度のさらなる安定化を図ることが可能となる。
【0061】
以上の例によれば、反応器30aの内部位置を、反応器30aの内部の大きさを示す指標で除算して、パラメータcが得られるため、メタン濃度モデルから、反応器30aの大きさによる影響が除かれる。すなわち、反応器30aの当該内部位置におけるメタン濃度の濃度分布による影響が除かれる。したがって、メタン濃度モデルの作成時には、小型の反応器30aを備える実験設備を用いればよい。その結果、メタン濃度モデルを、低コストで且つ簡易に得ることが可能となる。
【0062】
以上の例によれば、分離部28において排気ガスG5から分離された二酸化炭素が、メタン生成部30に供給される。そのため、単に、排気ガスG5がメタン生成部30に供給される形態と比較して、メタン生成部30に供給される二酸化炭素の濃度が高まる。したがって、メタン生成部30において、より高濃度のメタンが生成される。その結果、燃焼部に供給されるメタンの割合が高まるので、補助燃料の使用量の削減を図ることが可能となる。
【0063】
[変形例]
本明細書における開示はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特許請求の範囲及びその要旨を逸脱しない範囲において、以上の例に対して種々の省略、置換、変更などが行われてもよい。
【0064】
(1)コントローラCtrは、算出した予測値が所定の閾値を下回るか否かを判断してもよい。コントローラCtrは、算出した予測値が所定の閾値を下回ると判断した場合、予測値が所定の閾値を下回る旨を示す警報を出力部34に出力させてもよい。例えば、出力部34がディスプレイの場合には、文字等による警告文をディスプレイに表示してもよい。出力部34がスピーカの場合には、音声による案内音声、アラーム等の警報音などをスピーカから発してもよい。
【0065】
(2)パラメータcに関して、パラメータXをパラメータRで除算しなくてもよい。すなわち、パラメータcが、パラメータXによって定義されていてもよい。
【0066】
(3)温度センサSEは、複数の測定点を含んでいてもよい。この場合、当該複数の測定点を所定間隔で内側筒部30a1に取り付ける(例えば、接着する)ことにより、内側筒部30a1の内部における温度センサSEの挿入深さを変化させることなく、反応器30aの複数の内部位置における内部温度を測定することができる。
【0067】
(4)温度センサSEは、反応器30aの内部温度を測定可能なサーモグラフィカメラであってもよい。
【0068】
(5)上記の例では、反応器30aが円筒形状を呈していたが、他の形態を呈する反応器30aが用いられてもよい。例えば、反応器30aは、一対の板状体で構成されたプレート型の反応器であってもよい。この場合、例えば、一対の板状体の間に触媒CTが充填され、これら全体が筐体内に収容されることで、メタン生成部30が構成されてもよい。プレート型の反応器30aが用いられる場合、パラメータRは、例えば、反応器30aの内部の断面積であってもよい。
【0069】
(6)メタン生成部30において生成されたメタンの一部又は全部を、他の事業者に販売等することにより、クリンカ製造設備1とは別の設備においてメタンが利用されてもよい。この場合も、メタン生成部30において生成されたメタンの濃度の予測値をコントローラCtrによって算出することで、当該予測値と共に、別の設備においてメタンが利用されてもよい。
【0070】
(7)本明細書において説明された技術が、クリンカ製造設備1以外の他の燃焼設備に適用されてもよい。他の燃焼設備は、例えば、発電設備、鋳造設備などが挙げられる。
【0071】
(8)メタン生成部30は、生成したメタンを仮焼炉18bに供給するように構成された第1のメタン生成部と、生成したメタンをバーナ20dに供給するように構成された第2のメタン生成部とを含んでいてもよい。すなわち、メタンは、仮焼炉18bとバーナ20dとにそれぞれ独立して供給されてもよい。
【0072】
(9)供給部32は、仮焼炉18bに補助燃料を供給するように構成された第1の供給部と、バーナ20dに補助燃料を供給するように構成された第2の供給部とを含んでいてもよい。すなわち、補助燃料は、仮焼炉18bとバーナ20dとにそれぞれ独立して供給されてもよい。
【0073】
(10)クリンカ製造設備1が調整部31を備えておらず、メタンへの不活性ガスの混合量の調整が実行されずに、メタンの濃度の予測値に基づく、補助燃料の燃焼部への供給量の調節が実行されてもよい。あるいは、メタンの濃度の予測値に基づく、補助燃料の燃焼部への供給量の調節が実行されずに、メタンへの不活性ガスの混合量の調整が実行されてもよい。
【0074】
(11)上記の例では、SP18は、仮焼炉18bを含むニューサスペンションプレヒータであったが、SP18は、仮焼炉18bを含まないノーマルのサスペンションプレヒータであってもよい。
【0075】
[他の例]
例1.燃焼設備の一例は、燃料の燃焼が行われる燃焼部と、燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とから、メタンを生成する触媒と、触媒を収容する反応器とを含み、生成した当該メタンを燃焼部に燃料として供給するように構成されたメタン生成部と、燃焼部に補助燃料を供給するように構成された供給部と、メタン生成部におけるメタンの生成中に、反応器の内部温度を測定するように構成された測定部と、制御部とを備える。制御部は、反応器の内部温度と、メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、測定部において測定された温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第1の処理と、第1の処理で算出された予測値に基づいて、供給部による補助燃料の燃焼部への供給量を調節する第2の処理とを実行するように構成されている。この場合、メタン濃度モデルを予め取得しておくことで、当該メタン濃度モデルと、測定部によって測定される反応器の所定の位置での温度とに基づいて、メタン生成部において生成されたメタンの濃度の予測値を適時に取得しうる。そのため、触媒の劣化の進行に伴ってメタンの生成量が低下しても、当該予測値に応じて補助燃料の燃焼部への供給量を調節することで、燃焼部における燃焼によって得られる熱量が略一定に維持される。したがって、燃焼設備における燃焼温度の安定化を図ることが可能となる。
【0076】
例2.例1の燃焼設備において、燃焼部は、セメント原料を焼成してセメントクリンカを生成するように構成されたキルンと、キルンに供給するセメント原料を仮焼するように構成された仮焼炉とを含み、メタン生成部は、生成したメタンを仮焼炉及びキルンのバーナの少なくとも一方に燃料として供給するように構成されており、供給部は、仮焼炉に補助燃料を供給するように構成されており、第2の処理は、第1の処理で算出された予測値に基づいて、供給部による補助燃料の仮焼炉及びバーナの少なくとも一方への供給量を調節することを含んでいてもよい。この場合、クリンカ製造設備の燃焼部における燃焼温度の安定化が図られているので、セメントクリンカの品質を均質化することが可能となる。
【0077】
例3.燃焼設備の他の例は、燃焼が行われる燃焼部と、燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とから、メタンを生成する触媒と、触媒を収容する反応器とを含み、生成した当該メタンを燃焼部に燃料として供給するように構成されたメタン生成部と、メタン生成部によって生成されたメタンに不活性ガスを混合して、当該メタンの濃度を調整するように構成された調整部と、メタン生成部におけるメタンの生成中に、反応器の内部温度を測定するように構成された測定部と、制御部とを備える。制御部は、反応器の内部温度と、メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、測定部において測定された内部温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第1の処理と、第1の処理で算出された予測値に基づいて、調整部による不活性ガスのメタンへの混合量を調整する第2の処理とを実行するように構成されている。この場合、メタン濃度モデルを予め取得しておくことで、当該メタン濃度モデルと、測定部によって測定される反応器の所定の位置での温度とに基づいて、メタン生成部において生成されたメタンの濃度の予測値を適時に取得しうる。そのため、メタン生成部において生成されたメタンの濃度が必要以上に高い場合でも、当該予測値に応じて不活性ガスの混合量を調整することで、燃焼部における燃焼によって得られる熱量が略一定に維持される。したがって、燃焼設備における燃焼温度の安定化を図ることが可能となる。
【0078】
例4.例1~例3のいずれかの燃焼設備において、メタン濃度モデルは、パラメータa,b,cをそれぞれ、
a:触媒の使用開始後における所定時点でメタン生成部において生成されたメタン濃度を、触媒の使用開始時点でメタン生成部において生成されたメタン濃度で除算した値
b:所定時点における反応器の最高内部温度
c:所定時点において反応器の内部温度が所定値を示す反応器の内部位置
と定義した場合に、a/cとb/cとの関係によって規定されており、測定部は、メタン生成部におけるメタンの生成中に、反応器の内部位置における内部温度を測定するように構成されていてもよい。この場合、a/cとb/cとが比較的強い相関を示す。そのため、a/cとb/cとの関係によって規定されたメタン濃度モデルを用いることで、補助燃料の燃焼部への供給量がより正確に算出される。したがって、燃焼設備における燃焼温度のさらなる安定化を図ることが可能となる。
【0079】
例5.例1~例3のいずれかの燃焼設備において、メタン濃度モデルは、パラメータa,b,cをそれぞれ、
a:触媒の使用開始後における所定時点でメタン生成部において生成されたメタン濃度を、触媒の使用開始時点でメタン生成部において生成されたメタン濃度で除算した値
b:所定時点における反応器の最高内部温度
c:所定時点において反応器の内部温度が所定値を示す反応器の内部位置を、反応器の内部の大きさを示す指標で除算した値
と定義した場合に、a/cとb/cとの関係によって規定されており、測定部は、メタン生成部におけるメタンの生成中に、反応器の内部位置における内部温度を測定するように構成されていてもよい。この場合、例2と同様の作用効果が得られる。また、この場合、反応器の内部位置を、反応器の内部の大きさを示す指標で除算して、パラメータcが得られるため、メタン濃度モデルから、反応器の大きさによる影響が除かれる。すなわち、反応器の内部位置におけるメタン濃度の濃度分布による影響が除かれる。したがって、メタン濃度モデルの作成時には、小型の反応器を備える実験設備を用いればよい。その結果、メタン濃度モデルを、低コストで且つ簡易に得ることが可能となる。
【0080】
例6.例1~例5のいずれかの燃焼設備は、燃焼部の排気ガスから二酸化炭素を分離して、分離後の当該二酸化炭素をメタン生成部に供給するように構成された分離部をさらに備えていてもよい。この場合、単に、燃焼部の排気ガスがメタン生成部に供給される形態と比較して、メタン生成部に供給される二酸化炭素の濃度が高まる。そのため、メタン生成部において、より高濃度のメタンが生成される。したがって、燃焼部に供給されるメタンの割合が高まるので、補助燃料の使用量の削減を図ることが可能となる。
【0081】
例7.燃焼設備の制御方法の一例は、燃料の燃焼が行われる燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とを、メタン生成部の反応器内の触媒に供給して、メタンを生成する第1の工程と、第1の工程において生成されたメタンを、燃焼部に燃料として供給する第2の工程と、第1の工程におけるメタンの生成中に、反応器の内部温度を測定部によって測定する第3の工程と、反応器の内部温度と、メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、測定部において測定された内部温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第4の工程と、第4の工程で算出された予測値に基づいて、供給部による補助燃料の燃焼部への供給量を調節する第5の工程とを含む。この場合、例1の燃焼設備と同様の作用効果が得られる。
【0082】
例8.例7の方法において、燃焼部は、セメント原料を焼成してセメントクリンカを生成するように構成されたキルンと、キルンに供給するセメント原料を仮焼するように構成された仮焼炉とを含み、第2の工程は、第1の工程において生成されたメタンを、仮焼炉及びキルンのバーナの少なくとも一方に燃料として供給することを含み、第5の工程は、第4の工程で算出された予測値に基づいて、供給部による仮焼炉及びバーナの少なくとも一方への補助燃料の供給量を調節することを含んでいてもよい。この場合、例2の燃焼設備と同様の作用効果が得られる。
【0083】
例9.燃焼設備の制御方法の他の例は、燃料の燃焼が行われる燃焼部において発生した二酸化炭素と、水素とを、メタン生成部の反応器内の触媒に供給して、メタンを生成する第1の工程と、第1の工程におけるメタンの生成中に、反応器の内部温度を測定部によって測定する第2の工程と、反応器の内部温度と、メタン生成部において生成されるメタン濃度との関係を表すメタン濃度モデルと、測定部において測定された内部温度とに基づいて、メタン濃度の予測値を算出する第3の工程と、第3の工程で算出された予測値に基づいて、第1の工程において生成されたメタンへの不活性ガスの混合量を調整部によって調整して、調整後のガスを燃焼部に燃料として供給する第4の工程とを含む。この場合、例3の燃焼設備と同様の作用効果が得られる。
【0084】
例10.例7~例9のいずれかの方法において、メタン濃度モデルは、パラメータa,b,cをそれぞれ、
a:触媒の使用開始後における所定時点でメタン生成部において生成されたメタン濃度を、触媒の使用開始時点でメタン生成部において生成されたメタン濃度で除算した値
b:所定時点における反応器の最高内部温度
c:所定時点において反応器の内部温度が所定値を示す反応器の内部位置
と定義した場合に、a/cとb/cとの関係によって規定されており、測定部は、メタン生成部におけるメタンの生成中に、反応器の内部位置における内部温度を測定するように構成されていてもよい。この場合、例4の燃焼設備と同様の作用効果が得られる。
【0085】
例11.例7~例9のいずれかの方法において、メタン濃度モデルは、パラメータa,b,cをそれぞれ、
a:触媒の使用開始後における所定時点でメタン生成部において生成されたメタン濃度を、触媒の使用開始時点でメタン生成部において生成されたメタン濃度で除算した値
b:所定時点における反応器の内部の最高温度
c:所定時点において反応器の内部温度が所定値を示す反応器の内部位置を、反応器の内部の大きさを示す指標で除算した値
と定義した場合に、a/cとb/cとの関係によって規定されており、測定部は、メタン生成部におけるメタンの生成中に、反応器の内部位置における内部温度を測定するように構成されていてもよい。この場合、例5の燃焼設備と同様の作用効果が得られる。
【0086】
例12.例7~例11のいずれかの方法において、第1の工程は、燃焼部の排気ガスから分離部によって二酸化炭素を分離し、分離後の当該二酸化炭素を触媒に供給して、メタンを生成することを含んでいてもよい。この場合、例6の燃焼設備と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0087】
1…クリンカ製造設備(燃焼設備)、18…SP、18b…仮焼炉(燃焼部)、20…焼成部、20a…キルン(燃焼部)、20d…バーナ、28…分離部、30…メタン生成部、30a…反応器、31…調整部、32…供給部、CT…触媒、Ctr…コントローラ(制御部)、MT1…セメント原料、MT4…セメントクリンカ、SE…温度センサ(測定部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7