(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151532
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】テープの貼着方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064958
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】友成 圭太
(72)【発明者】
【氏名】原田 成規
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA52
5F131BA53
5F131CA09
5F131CA12
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA07
5F131EB01
5F131EC34
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC68
5F131EC69
5F131EC72
5F131HA43
(57)【要約】
【課題】ウエーハへのテープ貼着時にウエーハとテープとの間に異物が混入する恐れを低減することが可能なテープの貼着方法を提供すること。
【解決手段】テープの貼着方法は、ウエーハの表面側を保護する保護テープを表面側に貼着する貼着方法であって、ウエーハの表面側とは反対側に位置する裏面側を保持し表面側を露出させる保持ステップ301と、保持ステップ301の後に、表面側に粘着面を有する保護テープを貼着し貼着した保護テープを剥離することで表面側に付着している異物を除去する異物除去ステップ302と、異物除去ステップ302の後に、ウエーハの表面側に保護テープを貼着するテープ貼着ステップ303と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエーハの一面側を保護する保護テープを該一面側に貼着するテープの貼着方法であって、
該ウエーハの該一面側とは反対側に位置する他面側を保持し該一面側を露出させる保持ステップと、
該保持ステップの後に、該一面側に粘着面を有する異物除去テープを貼着し貼着した該異物除去テープを剥離することで該一面側に付着している異物を除去する異物除去ステップと、
該異物除去ステップの後に、該ウエーハの該一面側に該保護テープを貼着するテープ貼着ステップと、
を備えることを特徴とするテープの貼着方法。
【請求項2】
中央に開口部を有するリングフレームとウエーハとを粘着テープで一体化するテープの貼着方法であって、
該ウエーハを保持する保持ステップと、
該保持ステップの後に、該ウエーハの一面側に粘着面を有する異物除去テープを貼着し貼着した該異物除去テープを剥離することで該一面側に付着している異物を除去する異物除去ステップと、
該異物除去ステップの後に、該リングフレームの該開口部に該ウエーハが位置するように該ウエーハの該一面側と該リングフレームとに粘着テープを貼着するテープ貼着ステップと、
を備えることを特徴とするテープの貼着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエーハにテープを貼着するテープの貼着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスチップは、シリコン等の半導体ウエーハの表面にデバイスを形成し、研削して薄化され、切削ブレードやレーザー光線で分割されて製造される。
【0003】
これらの加工工程において、半導体ウエーハの表面に設けられたデバイスが破損しないように、ウエーハの表面には保護部材として粘着テープが貼られる。
【0004】
また、分割工程においては、デバイスチップに分割された半導体ウエーハを搬送しやすくするために、半導体ウエーハは粘着テープを介してフレームの開口に固定される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、半導体ウエーハに粘着テープを貼着するテープ貼着時に、半導体ウエーハのテープ貼着面に異物が付着している場合がある。この貼着面に付着している異物が除去されることなくテープが貼着されるとウエーハとテープとの間に異物が混入することとなる。
【0007】
このような場合には、混入した異物によって貼着面が傷付くだけではなく、後の加工工程で様々な加工不良を引き起こされる(例えば、切削加工ではチッピングが発生し、研削加工では、研削後の厚みにバラツキが生じる)。
【0008】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、ウエーハへのテープ貼着時にウエーハとテープとの間に異物が混入する恐れを低減することが可能なテープの貼着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のテープの貼着方法は、ウエーハの一面側を保護する保護テープを該一面側に貼着するテープの貼着方法であって、該ウエーハの該一面側とは反対側に位置する他面側を保持し該一面側を露出させる保持ステップと、該保持ステップの後に、該一面側に粘着面を有する異物除去テープを貼着し貼着した該異物除去テープを剥離することで該一面側に付着している異物を除去する異物除去ステップと、該異物除去ステップの後に、該ウエーハの該一面側に該保護テープを貼着するテープ貼着ステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のテープの貼着方法は、中央に開口部を有するリングフレームとウエーハとを粘着テープで一体化するテープの貼着方法であって、該ウエーハを保持する保持ステップと、該保持ステップの後に、該ウエーハの一面側に粘着面を有する異物除去テープを貼着し貼着した該異物除去テープを剥離することで該一面側に付着している異物を除去する異物除去ステップと、該異物除去ステップの後に、該リングフレームの該開口部に該ウエーハが位置するように該ウエーハの該一面側と該リングフレームとに粘着テープを貼着するテープ貼着ステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ウエーハへのテープ貼着時にウエーハとテープとの間に異物が混入する恐れを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るテープの貼着方法を実施するテープ貼り機の概略の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示されたテープ貼り機の概略の構成を模式的に示す側面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示されたテープ貼り機により粘着テープが貼着されるウエーハの斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係るテープの貼着方法の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に示されたテープの貼着方法の保持ステップを模式的に示す側面図である。
【
図6】
図6は、
図4に示されたテープの貼着方法の異物除去ステップにおいてウエーハの表面に保護テープを貼着した状態を模式的に示す側面図である。
【
図7】
図7は、
図4に示されたテープの貼着方法の異物除去ステップにおいてテープ貼着ローラーを上昇させた状態を模式的に示す側面図である。
【
図8】
図8は、
図4に示されたテープの貼着方法の異物除去ステップにおいてウエーハの表面に貼着された保護テープをテープ巻き取りローラーに巻き取る状態を模式的に示す側面図である。
【
図9】
図9は、
図4に示されたテープの貼着方法のテープ貼着ステップにおいて保護テープをウエーハの表面に貼着した状態を模式的に示す側面図である。
【
図10】
図10は、
図4に示されたテープの貼着方法のテープ貼着ステップにおいて保護テープをウエーハの外縁に沿って切断する状態を模式的に示す側面図である。
【
図11】
図11は、実施形態2に係るテープの貼着方法を実施するテープ貼り機の概略の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係るテープの貼着方法のテープ貼着ステップにおいて粘着テープをウエーハの裏面及びリングフレームに貼着した状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係るテープの貼着方法のテープ貼着ステップにおいて粘着テープをリングフレームの外縁に沿って切断する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0014】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るテープの貼着方法を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係るテープの貼着方法を実施するテープ貼り機の概略の構成を模式的に示す斜視図である。
図2は、
図1に示されたテープ貼り機の概略の構成を模式的に示す側面図である。
図3は、
図1に示されたテープ貼り機により粘着テープが貼着されるウエーハの斜視図である。
図4は、実施形態1に係るテープの貼着方法の流れを示すフローチャートである。
【0015】
(ウエーハ)
実施形態1に係るテープの貼着方法は、
図1及び
図2に示すテープ貼り機1により実施される。
図1及び
図2に示すテープ貼り機1は、
図3に示されたウエーハ200に保護テープ210(異物除去テープにも相当)を貼着する装置である。テープ貼り機1により保護テープ210が貼着されるウエーハ200は、実施形態1では、シリコン、サファイア、又はガリウムヒ素などを基板とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等である。ウエーハ200は、
図3に示すように、基板の表面201(一面に相当)の複数の分割予定ライン202によって区画された領域にそれぞれデバイス203が形成されている。
【0016】
デバイス203は、例えば、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、又は各種のメモリ(半導体記憶装置)等である。なお、実施形態1において、ウエーハ200は、表面201に保護テープ210が貼着されて、裏面204(他面に相当)が研削されて所定の仕上げ厚さまで薄化された後、分割予定ライン202に沿って個々のデバイス203に分割される。
【0017】
ウエーハ200に貼着される保護テープ210は、合成樹脂から構成され非粘着性の基材層と、基材層上に積層されかつ貼着性の粘着層とを備えている。保護テープ210は、長尺なシート状の部材として成形され、粘着層が外周側に位置した状態で図示しない芯の外周に少なくとも1周以上巻回されて、ロール状に巻かれて、
図1及び
図2に示すテープロール211を構成する。実施形態1において、保護テープ210は、長さと幅との双方がウエーハ200の外径よりも長い。また、保護テープ210の粘着層の表面212は、粘着面に相当する。即ち、保護テープ210は、粘着面を有する。
【0018】
(テープ貼り機)
図1及び
図2に示すテープ貼り機1は、ウエーハ200の表面201にテープロール211の保護テープ210を貼着し、ウエーハ200の表面201に貼着した保護テープ210をウエーハ200の外縁に沿って切断する装置である。なお、実施形態1において、テープ貼り機1は、ウエーハ200の表面201に保護テープ210を貼着するが、本発明では、ウエーハ200の裏面204に保護テープ210を貼着しても良い。
【0019】
テープ貼り機1は、
図1及び
図2に示すように、載置テーブル10と、テープ送り出し手段であるテープ送り出しローラー20と、テープ貼着ローラー30と、テープカッター40(
図2のみに示す)と、テープ巻き取り手段であるテープ巻き取りローラー50と、複数のガイドローラー60と、制御ユニット100とを備える。
【0020】
載置テーブル10は、ウエーハ200を保持するものである。載置テーブル10は、載置テーブル10は、ウエーハ200の裏面204を載置する水平方向に沿って平坦な載置面11を有している。載置面11は、ポーラスセラミックス等の多孔質材で構成され、図示しない吸引源に接続されている。載置テーブル10は、載置面11に載置されたウエーハ200を図示しない吸引源により吸引されることで、吸引保持する。
【0021】
テープ送り出しローラー20は、外観が円柱状に形成され、芯内に挿通されてシートロール10即ちロール状の保護テープ210が装着される。テープ送り出しローラー20は、軸心回りに回転自在に支持されている。テープ送り出しローラー20は、軸心回りに回転することで、保護テープ210を端から順に載置テーブル10の載置面11上に送り出す。
【0022】
テープ貼着ローラー30は、テープ送り出しローラー20から載置テーブル10の載置面11上に送り出された保護テープ210を載置テーブル10の載置面11に吸引保持されたウエーハ200の表面201に向かって押圧して、貼着するものである。テープ貼着ローラー30は、載置テーブル10の載置面11の上方に配置されている。テープ貼着ローラー30は、軸心がテープ送り出しローラー20の軸心と平行な円柱状に形成され、軸心回りに回転自在に支持されている。
【0023】
テープ貼着ローラー30は、図示しない移動機構により載置テーブル10の載置面11に対して直交する方向に昇降自在に設けられ、載置面11に沿って軸心に対して直交する方向に載置テーブル10の一端部上の
図2に実線で示す位置と他端部上の
図2に破線で示す位置とに亘って移動自在に設けられている。テープ貼着ローラー30は、移動機構により下降した状態で載置面11に沿って載置テーブル10の一端部上の位置と他端部上の位置とに亘って移動することで、載置テーブル10に保持されたウエーハ200の表面201に保護テープ210を貼着する。
【0024】
テープカッター40は、テープ貼着ローラー30が保護テープ210をウエーハ200に貼着した後に、ウエーハ200の外周である外縁に沿って保護テープ210を切断するものである。テープカッター40は、載置テーブル10の載置面11の上方に配置されている。
【0025】
実施形態1において、テープカッター40は、カッター刃41と、カッター刃移動機構42とを備える。カッター刃41は、載置テーブル10の載置面11上に送り出される保護テープ210の厚みより長い切り刃を下端に有するものである。カッター刃41の切り刃は、載置テーブル10の載置面11に吸引保持されるウエーハ200の外縁と対向する。
【0026】
カッター刃移動機構42は、カッター刃41を載置テーブル10の載置面11に対して直交する方向に昇降するとともに、ウエーハ200の外縁に沿ってカッター刃41を移動させるものである。カッター刃移動機構42は、載置テーブル10の載置面11の中心上に配置されかつ図示しない昇降機構により昇降されるベース43と、ベース43に軸心回りに回転自在に設けられかつ載置テーブル10の載置面11の中心上に配置されているとともに図示しないモータ等の駆動装置により軸心回りに回転される回転軸44と、回転軸44から載置テーブル10の載置面11と平行に載置テーブル10の外縁に向かって延びかつ先端にカッター刃41を支持したアーム45とを備える。
【0027】
テープカッター40は、カッター刃移動機構42の昇降機構によりベース43即ちカッター刃41を下降させて、カッター刃41の切り刃をウエーハ200に貼着された保護テープ210のウエーハ200の外縁の外側に切り込ませる。テープカッター40は、モータ等の駆動装置によりアーム45即ちカッター刃41を回転軸44の軸心回りに回転させて、カッター刃41により保護テープ210をウエーハ200の外縁に沿って切断する。
【0028】
テープ巻き取りローラー50は、テープカッター40によってウエーハ200に貼着された部分が切断された後の保護テープ210の不要部分(ウエーハ200に貼着されなかった保護テープ210に相当)を巻き取るものである。なお、保護テープ210の不要部分は、カッター刃41により切断されるウエーハ200外縁よりも外周側の部分である。
【0029】
テープ巻き取りローラー50は、実施形態1では、水平方向に沿って、テープ送り出しローラー20との間に載置テーブル10を位置付ける位置に配置されている。テープ巻き取りローラー50は、軸心がテープ送り出しローラー20及びテープ貼着ローラー30の軸心と平行な円柱状に形成され、図示しないモータなどの駆動装置により軸心回りに回転されることで、外周面上に保護テープ210の不要部分を巻き取る。テープ巻き取りローラー50は、外周面上に保護テープ210の不要部分を巻き取ることで、テープ送り出しローラー20に支持されたテープロール211から保護テープ210を載置テーブル10の載置面11上に引き出すものである。
【0030】
複数のガイドローラー60は、実施形態1では、2つ設けられ、載置テーブル10の端とテープ巻き取りローラー50との間に配置されているとともに互いに間に保護テープ210の不要部分を挟み込んで、保護テープ210をテープ送り出しローラー20からテープ巻き取りローラー50に搬送するとともに、保護テープ210に弛みが生じることを抑制するために保護テープ210にテンションを付与するものである。ガイドローラー60は、軸心がテープ送り出しローラー20及びテープ巻き取りローラー50の軸心と平行な円柱状に形成され、かつ軸心回りに回転自在に設けられている。
【0031】
制御ユニット100は、テープ貼り機1の上述した各構成要素をそれぞれ制御して、ウエーハ200に保護テープ210を貼着する貼着動作をテープ貼り機1に実施させるものである。制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、テープ貼り機1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介してテープ貼り機1の上述した各ユニットに出力する。
【0032】
また、制御ユニット100は、貼着動作の状態や画像などを表示する表示ユニットと、オペレータがテープ貼り機1の制御ユニット100に情報などを入力する際に用いる入力ユニットと、音と光のうち少なくとも一方を発してオペレータに報知する報知ユニットとが接続されている。
【0033】
(テープの貼着方法)
次に、実施形態1に係るテープの貼着方法を説明する。実施形態1に係るテープの貼着方法は、ウエーハ200の表面201を保護する保護テープ210をウエーハ200の表面201に貼着する方法である。また、実施形態1に係るテープの貼着方法は、前述した構成のテープ貼り機1が、ウエーハ200の表面201に保護テープ210を貼着する貼着動作でもある。実施形態1に係るテープの貼着方法は、
図4に示すように、保持ステップ301と、異物除去ステップ302と、テープ貼着ステップ303とを備える。
【0034】
テープ貼り機1は、オペレータ等が入力した貼着動作の条件を制御ユニット100が受け付け、制御ユニット100がオペレータ等からの貼着動作の開始指示を受け付けると、貼着動作を開始する。貼着動作を開始すると、テープ貼り機1は、保持ステップ301を開始する。
【0035】
(保持ステップ)
図5は、
図4に示されたテープの貼着方法の保持ステップを模式的に示す側面図である。保持ステップ301は、ウエーハ200の表面201側とは反対側に位置する裏面204側を保持し表面201を露出させるステップである。
【0036】
実施形態1において、保持ステップ301では、テープ貼り機1は、図示しない搬送ユニットによりウエーハ200の裏面204が載置テーブル10の載置面11上に載置され、
図5に示すように、載置面11にウエーハ200の裏面204を吸引保持して、表面201を露出させる。
【0037】
(異物除去ステップ)
図6は、
図4に示されたテープの貼着方法の異物除去ステップにおいてウエーハの表面に保護テープを貼着した状態を模式的に示す側面図である。
図7は、
図4に示されたテープの貼着方法の異物除去ステップにおいてテープ貼着ローラーを上昇させた状態を模式的に示す側面図である。
図8は、
図4に示されたテープの貼着方法の異物除去ステップにおいてウエーハの表面に貼着された保護テープをテープ巻き取りローラーに巻き取る状態を模式的に示す側面図である。
【0038】
異物除去ステップ302は、保持ステップ301の後に、ウエーハ200の表面201側に保護テープ210を貼着し、貼着した保護テープ210を剥離することでウエーハ200の表面201側に付着している異物を除去するステップである。実施形態1において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、載置テーブル10の載置面11にウエーハ200を吸引保持した状態で、テープ送り出しローラー20からテープロール211の保護テープ210を載置テーブル10の載置面11上に送り出し、保護テープ210の粘着層の表面212を載置テーブル10の載置面11に吸引保持したウエーハ200の表面201に相対させる。
【0039】
実施形態1において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、
図6に示すように、テープ貼着ローラー30を下降させて、保護テープ210の粘着層の表面212を載置テーブル10の載置面11に吸引保持したウエーハ200の表面201に押圧し、テープ貼着ローラー30を載置面11に沿って
図6に実線で示す位置から破線で示す位置に向かって移動させる。すると、ウエーハ200の表面201に保護テープ210の粘着層が貼着し、ウエーハ200の表面201に付着した異物が、保護テープ210の粘着層に貼着する。
【0040】
実施形態1において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、
図7に示すように、テープ貼着ローラー30を上昇させる。実施形態1において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、
図8に示すように、テープ巻き取りローラー50に保護テープ210を巻き取る。すると、載置テーブル10のテープ巻き取りローラー50側の端から順に保護テープ210がウエーハ200の表面201から剥離し、保護テープ210に貼着した異物がウエーハ200の表面201から除去される。実施形態1において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、1枚のウエーハ200の外径以上の長さの保護テープ210をテープ巻き取りローラー50に巻き取って、保護テープ210をウエーハ200の表面201全体から剥離する。
【0041】
(テープ貼着ステップ)
図9は、
図4に示されたテープの貼着方法のテープ貼着ステップにおいて保護テープをウエーハの表面に貼着した状態を模式的に示す側面図である。
図10は、
図4に示されたテープの貼着方法のテープ貼着ステップにおいて保護テープをウエーハの外縁に沿って切断する状態を模式的に示す側面図である。
【0042】
テープ貼着ステップ303は、異物除去ステップ302の後に、ウエーハ200の表面201側に保護テープ210を貼着するステップである。実施形態1において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、
図9に示すように、テープ貼着ローラー30を下降させて、保護テープ210の粘着層を載置テーブル10の載置面11に吸引保持されたウエーハ200の表面201に押圧し、テープ貼着ローラー30を載置面11に沿って
図9に実線で示す位置から破線で示す位置に向かって移動させて、保護テープ210をウエーハ200の表面201に貼着する。テープ貼り機1は、テープ貼着ローラー30を上昇させて、テープ貼着ローラー30を載置面11上から退避させる。
【0043】
実施形態1において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、
図10に示すように、カッター刃41を下降させて、カッター刃41を保護テープ210のウエーハ200の外縁の外側に切り込ませる。実施形態1において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、カッター刃移動機構42にカッター刃41を回転軸44の軸心回りに360度以上回転させて、カッター刃41の切り刃を保護テープ210のウエーハ200の外縁の外側に切り込ませながらウエーハ200の外縁に沿って保護テープ210を切断する。
【0044】
実施形態1において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、保護テープ210を切断した後、テープカッター40を上昇させてからテープ巻き取りローラー50で1枚のウエーハ200に貼着する分の保護テープ210を巻き取って、保護テープ210をウエーハ200の1枚分移動させる。実施形態1において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、載置テーブル10の載置面11の吸引保持を解除して、搬送ユニットにより載置面11上のウエーハ200が搬出されて、保護テープ210の貼着動作即ち実施形態1に係るテープの貼着方法を終了する。
【0045】
以上説明した実施形態1に係るテープの貼着方法は、ウエーハ200に保護テープ210を貼着するテープ貼着ステップ303の実施前に、ウエーハ200の表面201側に粘着面を有する保護テープ210を貼着し貼着した保護テープ210を剥離することで表面201側に付着している異物を除去する異物除去ステップ302を実施する。
【0046】
その結果、実施形態1に係るテープの貼着方法は、ウエーハ200への保護テープ210の貼着時にウエーハ200と保護テープ210との間に異物が混入する恐れを低減することができるという効果を奏する。
【0047】
〔実施形態2〕
実施形態2に係るテープの貼着方法を図面に基づいて説明する。
図11は、実施形態2に係るテープの貼着方法を実施するテープ貼り機の概略の構成を模式的に示す斜視図である。
図12は、実施形態2に係るテープの貼着方法のテープ貼着ステップにおいて粘着テープをウエーハの裏面及びリングフレームに貼着した状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
図13は、実施形態2に係るテープの貼着方法のテープ貼着ステップにおいて粘着テープをリングフレームの外縁に沿って切断する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。なお、
図11、
図12及び
図13は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
実施形態2に係るテープの貼着方法は、中央に開口部205を有するリングフレーム206(
図11に示す)とウエーハ200とを粘着テープ210-1(
図11に示し、異物除去テープに相当)で一体化する方法である。リングフレーム206は、開口部205の内径がウエーハ200の外径よりも大径な円環状に形成されている。
【0049】
粘着テープ210-1は、実施形態1に係る保護テープ210と同様に、合成樹脂から構成され非粘着性の基材層と、基材層上に積層されかつ貼着性の粘着層とを備えている。粘着テープ210-1は、長尺なシート状の部材として成形され、粘着層が外周側に位置した状態で図示しない芯の外周に少なくとも1周以上巻回されて、ロール状に巻かれて、
図11に示すテープロール211-1を構成する。実施形態2において、粘着テープ210-1は、長さと幅との双方がウエーハ200の外径よりも長い。また、粘着テープ210-1の粘着層の表面212は、粘着面に相当する。即ち、粘着テープ210-1は、粘着面を有する。
【0050】
実施形態2に係るテープの貼着方法は、実施形態1と同様に、保持ステップ301と、異物除去ステップ302と、テープ貼着ステップ303とを備える。
【0051】
実施形態2において、保持ステップ301では、テープ貼り機1は、図示しない搬送ユニットによりウエーハ200の表面201(他面に相当)が載置テーブル10の載置面11上に載置され、リングフレーム206が載置面11上に載置される。実施形態2において、保持ステップ301では、テープ貼り機1は、載置面11にウエーハ200の表面201及びリングフレーム206を吸引保持して、ウエーハ200の裏面204(一面に相当)を露出させる。
【0052】
実施形態2において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、載置テーブル10の載置面11にウエーハ200及びリングフレーム206を吸引保持した状態で、テープ送り出しローラー20からテープロール211-1の粘着テープ210-1を載置テーブル10の載置面11上に送り出し、粘着テープ210-1の粘着層の表面212を載置テーブル10の載置面11に吸引保持したウエーハ200の裏面204に相対させる。
【0053】
実施形態2において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、テープ貼着ローラー30を下降させて、粘着テープ210-1の粘着層の表面212を載置テーブル10の載置面11に吸引保持したウエーハ200の裏面204及びリングフレーム206に押圧し、テープ貼着ローラー30を載置面11に沿ってウエーハ200及びリングフレーム206上を移動させる。すると、ウエーハ200の裏面204及びリングフレーム206に粘着テープ210-1の粘着層が貼着し、ウエーハ200の裏面204及びリングフレーム206に付着した異物が、粘着テープ210-1の粘着層に貼着する。
【0054】
実施形態2において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、テープ貼着ローラー30を上昇させ、テープ巻き取りローラー50に粘着テープ210-1を巻き取る。すると、載置テーブル10のテープ巻き取りローラー50側の端から順に粘着テープ210-1がウエーハ200の裏面204及びリングフレーム206から剥離し、粘着テープ210-1に貼着した異物がウエーハ200の裏面204及びリングフレーム206から除去される。実施形態2において、異物除去ステップ302では、テープ貼り機1は、1枚のウエーハ200の外径以上の長さの粘着テープ210-1をテープ巻き取りローラー50に巻き取って、粘着テープ210-1をウエーハ200の裏面204及びリングフレーム206全体から剥離する。
【0055】
実施形態2において、テープ貼着ステップ303は、異物除去ステップ302の後に、リングフレーム206の開口部205内にウエーハ200が位置するようにウエーハ200の裏面204側とリングフレーム206とに粘着テープ210-1を貼着するステップである。実施形態2において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、
図12に示すように、テープ貼着ローラー30を下降させて、粘着テープ210-1の粘着層を載置テーブル10の載置面11に吸引保持されたウエーハ200の裏面204及びリングフレーム206に押圧し、テープ貼着ローラー30を載置面11に沿って
図12に実線で示す位置から破線で示す位置に向かって移動させて、粘着テープ210-1をウエーハ200の裏面204及びリングフレーム206に貼着する。テープ貼り機1は、テープ貼着ローラー30を上昇させて、テープ貼着ローラー30を載置面11上から退避させる。
【0056】
実施形態2において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、
図13に示すように、カッター刃41を下降させて、カッター刃41を粘着テープ210-1のリングフレーム206の外縁の外側に切り込ませる。実施形態2において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、カッター刃移動機構42にカッター刃41を回転軸44の軸心回りに360度以上回転させて、カッター刃41の切り刃を粘着テープ210-1のリングフレーム206の外縁の外側に切り込ませながらウエーハ200の外縁に沿って粘着テープ210-1を切断する。
【0057】
実施形態2において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、粘着テープ210-1を切断した後、テープカッター40を上昇させてからテープ巻き取りローラー50で1枚のウエーハ200及びリングフレーム206に貼着する分の粘着テープ210-1を巻き取って、粘着テープ210-1をウエーハ200の1枚分移動させる。実施形態2において、テープ貼着ステップ303では、テープ貼り機1は、載置テーブル10の載置面11の吸引保持を解除して、搬送ユニットにより載置面11上の粘着テープ210-1により一体化したウエーハ200及びリングフレーム206が搬出されて、粘着テープ210-1の貼着動作即ち実施形態2に係るテープの貼着方法を終了する。
【0058】
実施形態2に係るテープの貼着方法は、ウエーハ200及びリングフレーム206に保護テープ210を貼着するテープ貼着ステップ303の実施前に、ウエーハ200の裏面204側に粘着面を有する粘着テープ210-1を貼着し貼着した粘着テープ210-1を剥離することで裏面204側に付着している異物を除去する異物除去ステップ302を実施する。
【0059】
その結果、実施形態2に係るテープの貼着方法は、ウエーハ200への粘着テープ210-1の貼着時にウエーハ200と粘着テープ210-1との間に異物が混入する恐れを低減することができるという効果を奏する。
【0060】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、本発明では、テープの貼着方法をテープ貼り機1を用いずに実施しても良く、この場合、保護テープ210及び粘着テープ210-1と同等の構成の異物除去テープを予めウエーハ200と同径の円板状に切断しておき、この円板状の異物除去テープを用いて、異物を除去しても良い。
【符号の説明】
【0061】
200 ウエーハ
201 表面(一面、他面)
204 裏面(一面、他面)
205 開口部
206 リングフレーム
210 保護テープ(異物除去テープ)
210-1 粘着テープ(異物除去テープ)
301 保持ステップ
302 異物除去ステップ
303 テープ貼着ステップ