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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151642
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】二酸化炭素吸収量の評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/04 20060101AFI20241018BHJP
   A01G 17/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G01N27/04 Z
A01G17/00
G01N27/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065154
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 新平
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA13
2G060AC01
2G060AC03
2G060AE17
2G060AF07
2G060AF09
2G060AG03
2G060AG11
2G060CA01
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させることが可能な、二酸化炭素吸収量の評価方法を提供する。
【解決手段】本開示の一実施の形態に係る二酸化炭素吸収量の評価方法は、樹木に取り付けられた複数の電極を用いて、樹木内の水分量を評価するステップと、評価した水分量の変化に基づいて、樹木における二酸化炭素吸収量を評価するステップと、を含んでいる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木に取り付けられた複数の電極を用いて、前記樹木内の水分量を評価するステップと、
評価した前記水分量の変化に基づいて、前記樹木における二酸化炭素吸収量を評価するステップと
を含む、二酸化炭素吸収量の評価方法。
【請求項2】
前記水分量を評価するステップでは、
前記複数の電極を用いて、前記樹木における電気抵抗を測定すると共に、
測定した前記電気抵抗に基づいて、前記水分量を評価する
請求項1に記載の二酸化炭素吸収量の評価方法。
【請求項3】
同種の導電性材料を含む前記複数の電極を用いて、前記電気抵抗を測定する
請求項2に記載の二酸化炭素吸収量の評価方法。
【請求項4】
異種の導電性材料を含む前記複数の電極を用いて、前記樹木から電力を取り出すと共に、取り出した前記電力を蓄電するステップを、更に含む
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収量の評価方法。
【請求項5】
前記樹木の表面に前記複数の電極が刺されていることにより、前記複数の電極が前記樹木に取り付けられている
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の二酸化炭素吸収量の評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、樹木における二酸化炭素吸収量の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木における各種特性を評価する方法として、様々な手法が提案されている。このような評価方法としては、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-276063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような樹木の評価方法では、利便性を向上させることが求められている。利便性を向上させることが可能な、二酸化炭素吸収量の評価方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施の形態に係る二酸化炭素吸収量の評価方法は、樹木に取り付けられた複数の電極を用いて、樹木内の水分量を評価するステップと、評価した水分量の変化に基づいて、樹木における二酸化炭素吸収量を評価するステップと、を含むようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施の形態に係る二酸化炭素吸収量の評価方法によれば、利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施の形態に係る評価システムの全体構成例を模式的に表すブロック図である。
図2】本開示の一実施の形態に係る評価方法の一例を表す流れ図である。
図3】電圧および気温の時間変化の一例を表す図である。
図4】電圧、電流および気温の時間変化の一例を表す図である。
図5】電圧および気温における日照時間帯および降水時間帯との対応関係の一例を表す図である。
図6】電圧および気温における日照時間帯および降水時間帯との対応関係の他の例を表す図である。
図7】電圧および気温における時期別の時間変化の一例を表す図である。
図8】樹齢および環境に応じた電圧の時間変化等の一例を表す図である。
図9】樹齢および環境に応じた電圧の時間変化等の他の例を表す図である。
図10】樹齢および環境に応じた電圧の時間変化等の他の例を表す図である。
図11】樹齢および環境に応じた電圧の時間変化等の他の例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(複数の電極を用いて、樹木の二酸化炭素吸収量を評価する方法の例)
2.実施例
3.変形例
【0009】
<1.実施の形態>
[全体構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る評価システムの全体構成例を、模式的にブロック図で表したものである。本実施の形態の評価システムは、樹木9における二酸化炭素(CO2)の吸収量を評価するためのシステムである。また、評価対象の樹木9は、例えば図1に示したように、地面Gから伸びている幹90の部分と、図示しない枝の部分と、葉91の部分とを、含んで構成されている。なお、本開示の一実施の形態に係る評価方法(樹木9における二酸化炭素吸収量の評価方法)は、本実施の形態の評価システムによって具現化されるため、以下併せて説明する。
【0010】
本実施の形態の評価システムは、図1に示したように、評価装置1と、複数(この例では2つ)の電極2a,2bとを、備えている。
【0011】
電極2a,2bはそれぞれ、樹木9の表面に刺されていることによって、樹木9に取り付けられている。これらの電極2a,2bは、例えば、互いに同種または異種の導電性(金属)材料を含んで、構成されている。
【0012】
(評価装置1)
評価装置1は、図1に示したように、測定部11と、評価部12と、出力部(表示部)13と、蓄電部14とを、有している。
【0013】
測定部11は、電極2a,2b(この場合、互いに同種の導電性材料を含む電極2a,2b)を用いて、電流Iおよび電圧V(樹木9に発生する電流Iおよび電圧V)をそれぞ
れ、測定するものである。具体的には、測定部11は、例えば、電流Iを検出する電流計や、電圧Vを検出する電圧計を含んで、構成されている。また、測定部11は、このようにして測定された電流Iおよび電圧Vに基づいて、樹木9における電気抵抗R(=V/I)を測定するようになっている。
【0014】
評価部12は、図1に示したように、測定部11にて測定された電気抵抗Rに基づいて、樹木9内の水分量Awと、樹木9内のイオン量Aiとを評価するものである。また、評価部12は、このようにして評価された水分量Awの変化とイオン量Aiの変化との少なくとも一方に基づいて、樹木9の成長度合いと比較することで、樹木9における二酸化炭素吸収量(CO2吸収量Ac)を評価するようになっている。つまり、評価部12は、例えば、水分量Awの変化に基づいてCO2吸収量Acを評価してもよいし、イオン量Aiの変化に基づいてCO2吸収量Acを評価してもよいし、水分量Awの変化とイオン量Aiの変化との双方に基づいて、CO2吸収量Acを評価してもよい。
【0015】
なお、これらの測定部11および評価部12等による処理動作の詳細については、後述する(図2)。
【0016】
出力部(表示部)13は、評価装置1の外部へ向けて、各種の情報を出力(表示)する部分であり、例えば、各種方式のディスプレイ等を用いて構成されている。具体的には、出力部(表示部)13は、例えば図1に示したように、測定部11にて測定された電気抵抗Rや、評価部12にて評価された水分量Aw、イオン量AiおよびCO2吸収量Acなどの情報を、外部へ出力するようになっている。
【0017】
蓄電部14は、評価装置1内で使用される電力を蓄える部分であり、例えば、各種方式のバッテリー等を用いて構成されている。また、この蓄電部14は、例えば図1に示したように、電極2a,2bを用いて取り出した電力(電流Iおよび電圧Vに基づいて得られる電力)を、蓄電するようになっている。なお、このようにして樹木9から電力を取り出す場合には、例えば、互いに異種の導電性材料を含む電極2a,2bが、用いられるようになっている。
【0018】
[動作および作用・効果]
続いて、本実施の形態の評価システムにおける動作(評価システムを利用した評価方法)、作用および効果について、詳細に説明する。
【0019】
まず、世界中で議論されているカーボンニュートラルに向けて、二酸化炭素の排出削減は重要であるものの、二酸化炭素の吸収源に関する議論については少ないのが現状である。例えば、日本国内での二酸化炭素の吸収量のうち、森林による吸収量が80%以上であると言われている。この森林は、空気中の二酸化炭素を吸収して成長することから、樹木の状態(成長度合い)を直接的に評価することは、重要であると言える。これらのことから、本実施の形態では、樹木9における二酸化炭素吸収量の評価方法について、以下のように規定している。
【0020】
(A.評価方法)
図2は、本実施の形態に係る評価方法(上記した評価システムを用いた、樹木9における二酸化炭素吸収量の評価方法)の一例を、流れ図で表したものである。
【0021】
この図2に示した評価方法では、まず、複数の電極2a,2bをそれぞれ、例えば図1に示したように、評価対象となる樹木9(幹90)の表面に取り付ける(ステップS11)。これは、幹90における表面(表皮)の部分は、相対的に新しい年輪に対応する部分であり、この表皮付近に、根から吸い上げた水分およびイオンが流れるためである。
【0022】
次に、評価装置1内の測定部11は、このようにして樹木9に取り付けられた複数の電極2a,2bを用いて、前述した電流Iおよび電圧Vをそれぞれ測定する(ステップS12)。続いて、測定部11は、ステップS12にて測定された電流Iおよび電圧Vに基づいて、樹木9における電気抵抗R(=V/I)を求める(ステップS13)。なお、この際には前述したように、互いに同種の導電性材料を含む複数の電極2a,2bを用いて、電気抵抗Rが測定されるようになっている。
【0023】
次いで、評価装置1内の評価部12は、ステップS13にて求められた電気抵抗Rに基づいて、樹木9内の水分量Awと、樹木9内のイオン量Aiとを評価する(ステップS14)。具体的には、詳細は後述するが、評価部12は、電気抵抗R(電圧V)が増加するのに従って、水分量Awやイオン量Aiも増加するとの評価を行う一方、電気抵抗R(電圧V)が減少するのに従って、水分量Awやイオン量Aiも減少するとの評価を行う。
【0024】
続いて、評価部12は、ステップS14にて評価された水分量Awの変化や、イオン量Aiの変化に基づいて、樹木9におけるCO2吸収量Acを評価する(ステップS15)。具体的には、詳細は後述するが、評価部12は、水分量Awの変動幅や、イオン量Aiの変動幅が増加するのに従って、CO2吸収量Acも増加するとの評価を行う一方、水分量Awの変動幅や、イオン量Aiの変動幅が減少するのに従って、CO2吸収量Acも減少するとの評価を行う。
【0025】
次に、評価装置1内の出力部(表示部)13は、S13~S15にてそれぞれ得られた、電気抵抗R、水分量Aw、イオン量AiおよびCO2吸収量Acなどの各情報を、外部へ出力(表示)する(ステップS16)。
【0026】
以上により、図2に示した一連の評価方法が終了となる。
【0027】
(B.作用・効果)
このようにして本実施の形態では、樹木9に取り付けられた複数の電極2a,2bを用いて、樹木9内の水分量Awを評価すると共に、評価した水分量Awの変化に基づいて、樹木9におけるCO2吸収量Acを評価するようにしたので、以下のようになる。
【0028】
すなわち、このようにして得られた樹木9内の水分量Awの情報の変化(例えば、水分量Awの変動幅などの情報)に基づき、樹木9の状態(樹木9の成長度合い)を直接的に評価することができる。言い換えると、そのような水分量Aw(樹木9内での光合成に寄与する水分量Aw)の変化と、樹木9の成長度合い(樹木9の高さや、幹90の太さなど)との関係性を規定し、樹木9が吸収する二酸化炭素量の(定量的な)評価を実現することができる。その結果、本実施の形態では、樹木9を評価する際の利便性を向上させることが可能となる。
【0029】
また、本実施の形態では、樹木9内の水分量Awを評価する際に、複数の電極2a,2bを用いて樹木9における電気抵抗Rを測定すると共に、測定した電気抵抗Rに基づいて水分量Awを評価するようにしたので、以下のようになる。すなわち、樹木9内の水分量Awを簡易な手法で評価することができ、樹木9を評価する際の利便性を、更に向上せることが可能となる。
【0030】
更に、本実施の形態では、互いに異種の導電性材料を含む複数の電極2a,2bを用いて、樹木9から電力を取り出すと共に、取り出した電力を(評価装置1内の蓄電部14に)蓄電するようにした場合には、以下のようになる。すなわち、そのようにして樹木9から得られる電力を、例えば、IoT(Internet of Things)センサの電源や、非常用照明の電源として、利用することも可能となる。つまり、樹木9そのものを電源として利用することが、可能となる。
【0031】
<2.実施例>
続いて、上記実施の形態の評価方法に関する、具体的な実施例について説明する。
【0032】
図3は、電圧Vおよび気温Tの時間変化の一例を表したものであり、図4は、電圧V、電流Iおよび気温Tの時間変化の一例を、表したものである。図5図6はそれぞれ、電圧Vおよび気温Tにおける日照時間帯Tsおよび降水時間帯Trとの対応関係の一例を、表したものである。図7は、電圧Vおよび気温Tにおける時期別の時間変化の一例を、表したものである。図8図11はそれぞれ、樹齢および環境に応じた電圧Vの時間変化等の一例を、表したものである。なお、各図における横軸は、時間tを示している。また、各図において、電圧V、電流Iおよび気温Tに関する符号の図示は、適宜省略している。
【0033】
まず、図3図4の例によれば、樹木9に発生する電圧Vや電流Iの増減をモニターすることで、気象データ(気温Tのデータや、天候のデータなど)が得られることが分かる。また、樹木9の成長に応じて、電圧Vや電流Iも変化することになる。ちなみに、樹木9内の細胞壁を観察すると、春や夏の時期では、幹90の成長は盛んであり、秋や冬の時期では、幹90の成長はゆっくりであることが分かる。
【0034】
また、図5図6の例によれば、降水がない場合には、日中の晴れ間(日照時間帯Ts)に電圧Vが減少し、夜間に電圧Vが増加することが分かる。また、降水があった場合、降水時間帯Trにおいて、電圧Vが急激に増加する場合が多いことが分かる。これらのことから、樹木9における吸水量(水分量Aw)の変化に応じて、電圧Vが変化することが分かる。また、樹木9における水分量Awの変動量(水分の消費量)をモニターすることで、樹木9内での光合成量を把握することができ、ひいては、樹木9におけるCO2吸収量Acを評価することが可能になると言える。つまり、図5図11にそれぞれ示したように、電圧Vの増減に応じて、水分量AwおよびCO2吸収量Acもそれぞれ増減することが分かる。また、図5図6によれば、降雨量の情報を得ることも可能となる。
【0035】
更に、図7の例によれば、5月前半の時期と5月後半の時期とで、電圧Vの大きさが変化している(5月前半の時期と比べて5月後半の時期では、電圧Vが減少する傾向にある)ことが分かる。これは、5月前半の時期と比べて5月後半の時期では、気温Tが上昇する傾向にあることから、そのような気温Tの上昇に伴い、樹木9内の水分量Awが減少する(水分の蒸発量が増加する)ことで、電圧Vが減少する傾向にあるものと予想される。このようにして、電圧Vをモニターすることで、気温Tの情報を得ることも可能となる。
【0036】
加えて、図8図11の例によれば、樹木9の樹齢や、樹木9の周囲の環境に応じて、電圧Vの変動幅が異なっていることが分かる。具体的には、図8図10では、(樹齢5年・陽当たり環境が良好),(樹齢5年・陽当たり環境が劣悪),(樹齢10年),(樹齢60年)の各樹木9について、電圧Vの時間変化例を示している。また、図11では、(樹齢60年)の樹木9における複数のサンプル(No.11~14の各サンプル)について、電圧Vの時間変化例を示している。これらの図8図11の例によれば、電圧Vの変動幅をモニターすることで、樹木9の樹齢や、樹木9間でのCO2吸収量Acの差などを、把握することが可能となる。
【0037】
ここで、特に図10の例では、(樹齢5年・陽当たり環境が良好),(樹齢5年・陽当たり環境が劣悪),(樹齢10年),(樹齢60年)の分類ごとに求められた、電圧Vの平均値を示している。この図10の例によれば、例えば以下のことが分かる。
・(樹齢60年)の樹木9では、電圧Vの増減において、雨の影響が顕著となる
・(樹齢5年・陽当たり環境が良好)の樹木9では、電圧Vが比較的安定している
・気温Tが上昇する6月中旬以降では、分類ごとの電圧Vの差が増加する(樹木9の成長期となるため)
【0038】
また、図11の例((樹齢60年)の樹木9における複数のサンプルについての、電圧Vの時間変化例)では、例えば以下のことが分かる。
図10の例と同様に、電圧Vの増減において、雨の影響が顕著となる
・大雨が降ると電圧Vが急激に上昇し、その後晴れた場合でも、数日間では電圧Vが高止まりする
・昼夜での電圧Vの差が、ほとんどない
・上記した他の分類の場合と比べ、全体的に電圧Vの値は低めである一方、雨天時に限っては、他の分類の場合と比べ、電圧Vの値が高くなる(1(V)以上の上昇)
【0039】
<3.変形例>
以上、実施の形態および実施例を挙げて本開示の技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。
【0040】
例えば、上記実施の形態等において説明したシステムや装置、部材の構成(具体例や配置位置、材料、個数等)は限定されるものではなく、他の構成としてもよい。具体的には、上記実施の形態等では、樹木9の表面に複数の電極2a,2bが刺されていることによって、複数の電極2a,2bが樹木9に取り付けられている場合の例について説明したが、この場合の例には限られない。すなわち、例えば他の手法を用いて、複数の電極2a,2bを樹木9に取り付けるようにしてもよい。また、上記実施の形態等では、2つの電極2a,2bを用いた場合の例について説明したが、この場合の例には限られず、例えば3つ以上の電極を用いるようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態等では、評価装置1内において、樹木9から取り出した電力を蓄電部14に蓄電する場合の例について説明したが、この場合の例には限られない。すなわち、例えば、蓄電部14におけるこのような機能(樹木9から取り出した電力を蓄電する機能)を、設けないようにしてもよい。
【0042】
更に、上記実施の形態等で説明した二酸化炭素吸収量の評価方法についても、上記実施の形態等で説明した手法には限られず、例えば、他の手法を用いるようにしてもよい。
【0043】
加えて、本技術では、これまでに説明した内容を、任意の組み合わせで適用することも可能である。
【0044】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0045】
また、本発明は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
樹木に取り付けられた複数の電極を用いて、前記樹木内の水分量を評価するステップと、
評価した前記水分量の変化に基づいて、前記樹木における二酸化炭素吸収量を評価するステップと
を含む、二酸化炭素吸収量の評価方法。
(2)
前記水分量を評価するステップでは、
前記複数の電極を用いて、前記樹木における電気抵抗を測定すると共に、
測定した前記電気抵抗に基づいて、前記水分量を評価する
上記(1)に記載の二酸化炭素吸収量の評価方法。
(3)
同種の導電性材料を含む前記複数の電極を用いて、前記電気抵抗を測定する
上記(2)に記載の二酸化炭素吸収量の評価方法。
(4)
異種の導電性材料を含む前記複数の電極を用いて、前記樹木から電力を取り出すと共に、取り出した前記電力を蓄電するステップを、更に含む
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の二酸化炭素吸収量の評価方法。
(5)
前記樹木の表面に前記複数の電極が刺されていることにより、前記複数の電極が前記樹木に取り付けられている
上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の二酸化炭素吸収量の評価方法。
【符号の説明】
【0046】
1…評価装置、11…測定部、12…評価部、13…出力部(表示部)、14…蓄電部、2a,2b…電極、9…樹木、90…幹、91…葉、G…地面、I…電流、V…電圧、R…電気抵抗、Aw…水分量、Ai…イオン量、Ac…CO2吸収量、T…気温、t…時間、Ts…日照時間帯、Tr…降水時間帯。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11