(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024015175
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】コンピュータによる計測
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240125BHJP
G03F 7/207 20060101ALI20240125BHJP
G03F 9/02 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/207 H
G03F9/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023204691
(22)【出願日】2023-12-04
(62)【分割の表示】P 2021181222の分割
【原出願日】2018-02-12
(31)【優先権主張番号】62/545,578
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/462,201
(32)【優先日】2017-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】テル、ヴィム、ティボー
(72)【発明者】
【氏名】セーゲルス、バルト、ペーテル、ベルト
(72)【発明者】
【氏名】モス、エフェルハルデュス、コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット-ウィーバー、エミル、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】チャン、イチェン
(72)【発明者】
【氏名】リュウ、シン、ラン
(72)【発明者】
【氏名】ユングブルート、ライナー、マリア
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ヒョヌ
(72)【発明者】
【氏名】ファン リー、ペトルス、ヘラルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】キリツィラキ、マリア
(57)【要約】
【課題】デバイス製造プロセスの性能を改善する技術を提供する。
【解決手段】方法は、デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第1のパラメータの第1の分布を決定すること、デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第2のパラメータの第2の分布を決定すること、及び、第1及び第2の分布で動作する関数を使用して、デバイス製造プロセスに関連する関心のあるパラメータの分布を決定することを含む。関数は相関を含んでもよい。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス製造プロセスの実行に使用されるリソグラフィ装置からのデータに基づいて、焦点、CD、またはオーバーレイの誤差又は残差を含む対象パラメータの第1の空間的分布を取得することと、
前記デバイス製造プロセスによって導入された焦点、CD又はオーバーレイの誤差又は残差を含む計測結果から、前記対象パラメータの第2の空間的分布を取得することと、
ハードウェアコンピュータにより、前記第1の空間的分布及び前記第2の空間的分布の結合に基づいて、前記第2の空間的分布よりも高密度である前記対象パラメータの第3の空間的分布を決定することと、を含む方法。
【請求項2】
前記第1の空間的分布は、前記デバイス製造プロセスを使用して処理された特定の基板に固有であるが、前記デバイス製造プロセスを使用して処理された他の基板に一般的ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の空間的分布は、前記対象パラメータへのパターニングデバイス及び/又は基板の位置制御でのサーボ誤差の寄与、前記対象パラメータへのアライメントモデル残差の寄与、前記対象パラメータへの投影システム収差又は像面偏差の寄与、及び/又は前記対象パラメータへの基板表面高さの寄与から選択される1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記計測結果は、焦点計測データを含み、前記第1の空間的分布は、前記対象パラメータへの基板表面高さの寄与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記焦点計測データは、前記対象パラメータの前記第3の空間的分布よりも基板上の位置のまばらなサンプリングによって取得され、前記対象パラメータの前記第3の空間的分布は、前記基板にわたる焦点パラメータの空間的分布を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記計測結果は、クリティカルディメンション(CD)計測データを含み、前記第1の空間的分布は、前記対象パラメータへの基板表面高さの寄与を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記CD計測データは、前記対象パラメータの前記第3の空間的分布よりも基板上の位置のまばらなサンプリングによって取得され、前記対象パラメータの前記第3の空間的分布は、前記基板にわたる焦点パラメータの空間的分布を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記計測結果は、オーバーレイ計測データを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記オーバーレイ計測データは、前記対象パラメータの前記第3の空間的分布よりも基板上の位置のまばらなサンプリングによって取得され、前記対象パラメータの前記第3の空間的分布は、前記基板にわたるオーバーレイパラメータの空間的分布を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の空間的分布、前記第2の空間的分布、及び前記第3の空間的分布は、焦点またはCDの誤差又は残差を含み、
前記方法は、前記対象パラメータの前記第3の空間的分布を基板上のホットスポットでのパターンの1つ又は複数の輪郭の形状及び/又はサイズを予測するために使用することをさらに含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第2の空間的分布は、検査装置及び/又は計測装置からのデータに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
デバイス製造プロセスの実行に使用されるリソグラフィ装置からのデータに基づいて、焦点、CD、またはオーバーレイの誤差又は残差を含む対象パラメータの第1の空間的分布を決定することと、
前記デバイス製造プロセスによって導入された焦点、CD又はオーバーレイの誤差又は残差を含む計測結果から、前記対象パラメータの第2の空間的分布を決定することと、
前記第1の空間的分布及び前記第2の空間的分布の結合に基づいて、前記第2の空間的分布よりも高密度である前記対象パラメータの第3の空間的分布を決定することと、をコンピュータに実行させるように構成されるコンピュータ可読命令を備えるコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記計測結果は、焦点計測データを含み、前記第1の空間的分布は、前記対象パラメータへの基板表面高さの寄与を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記計測結果は、CD計測データを含み、前記第1の空間的分布は、前記対象パラメータへの基板表面高さの寄与を含む、請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記第1の空間的分布、前記第2の空間的分布、及び前記第3の空間的分布は、焦点またはCDの誤差又は残差を含み、
前記コンピュータプログラムは、前記対象パラメータの前記第3の空間的分布を基板上のホットスポットでのパターンの1つ又は複数の輪郭の形状及び/又はサイズを予測するように使用するための命令をさらに備える、請求項12から14のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デバイス製造プロセスの性能を改善する技術に関する。これらの技術は、リソグラフィ装置又は計測装置に関連して使用されてもよい。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ装置は、基板のターゲット部分に所望のパターンを適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用できる。その状況では、代わりにマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層に対応する回路パターンを生成することができ、このパターンは、例えば、放射線感受性材料(レジスト)を有するターゲット部分(例えば1つ又はそれ以上のダイ)の層を有する基板(例えば、シリコンウェーハ)上の一部に露光される。一般に、単一の基板には、連続して露光される隣接するターゲット部分のネットワークが含まれる。既知のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に一度に露光することにより各ターゲット部分を照射するいわゆるステッパと、ビームを通してパターンを、基板をこの方向に平行又は反平行に同期スキャンしながら、指定された方向(「スキャン」方向)スキャンすることにより各ターゲット部分を照射するいわゆるスキャナを含む。
【0003】
パターニングデバイスから基板に回路パターンを転写する前に、基板はプライミング、レジストコーティング、ソフトベークなどのさまざまなステップを経ることがある。露光後、基板は、露光後ベーク(PEB)、現像、ハードベーク、転写された回路パターンの測定/検査など、他のステップにさらされる。この一連のステップは、デバイスの個々の層(ICなど)を作成するための基礎として使用される。次に、基板は、エッチング、イオン注入(ドーピング)、金属化、酸化、化学機械研磨などのさまざまなプロセスを経て、すべてデバイスの個々の層を仕上げることができる。デバイスに複数の層が必要な場合、各層ごとにステップ全体又はその変形が繰り返される。最終的に、基板上の各ターゲット部分にデバイスが存在する。その後、これらのデバイスは、ダイシングやソーイングなどの技術によって互いに分離され、個々のデバイスをキャリアに取り付けることができる。
【0004】
したがって、半導体デバイスなどのデバイスの製造は、通常、多数の製造プロセスを使用して基板(例えば、半導体ウェーハ)を処理して、デバイスのさまざまな特徴及び多層を形成することを伴う。そのような層及び特徴は、通常、例えば、堆積、リソグラフィ、エッチング、化学機械研磨、及びイオン注入を使用して製造及び処理される。基板上の複数のダイ上に複数のデバイスを作成し、個々のデバイスに分離することができる。このデバイス製造プロセスは、パターニングプロセスと見なすことができる。パターニングプロセスは、パターニングデバイス上のパターンを基板に転写するために、リソグラフィ装置のパターニングデバイスを使用する光学及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターニングステップを、通常、しかし任意で、1つ又は複数の関連するパターン処理ステップを含む現像装置によるレジスト現像、ベークツールを使用した基板のベーキング、エッチング装置を使用したパターンを使用したエッチングなどを含む。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、以下を含む方法が開示される。デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第1のパラメータの第1の分布を決定し、デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第2のパラメータの第2の分布を決定する。そして、ハードウェアコンピュータにより、第1及び第2の分布で動作する関数を使用して、デバイス製造プロセスに関連する関心のあるパラメータの分布を決定する。
【0006】
一実施形態では、以下を含む方法が提供される。パターニングプロセスの一部としてオーバーレイへのリソグラフィ装置の基礎となる寄与を得ること。そして、ハードウェアコンピュータによって、基礎となる寄与を基板のオーバーレイへのさらなる寄与と組み合わせて、基板のオーバーレイの推定値を取得する。
【0007】
一実施形態では、以下を含む方法が提供される。デバイス製造プロセスを実行する際に、測定されたアライメントデータの第1の分布を決定し、デバイス製造プロセスの処理パラメータから導出されたアライメントデータの第2の分布を決定し、ハードウェアコンピュータシステムにより、第1及び第2の分布の関数としてデバイス製造プロセスに関連するアライメントデータの分布を決定する。
【0008】
一実施形態では、測定されたアライメントデータに基づいて、パターニングプロセスを使用して処理された基板の少なくとも一部にわたるアライメントデータ分布を取得することを含む方法が提供され、ハードウェアコンピュータにより、測定されたアライメント以外の処理パラメータに起因するアライメントフィンガープリントとアライメントデータ分布を組み合わせて、基板のアライメントデータの推定値を取得する。
【0009】
一実施形態では、本明細書の方法のいずれかを実施するコンピュータによって実行されるときに命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示している。
【
図2】リソグラフィセル又はクラスタの実施形態を概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、例示的な検査装置及び計測技術を概略的に示している。
【
図4】
図4は、例示的な検査装置を概略的に示している。
【
図5】
図5は、検査装置の照明スポットと計測ターゲットの関係を示している。
【
図6】
図6は、測定データに基づいて関心のある複数の変数を導出するプロセスを概略的に示している。
【
図7】
図7は、処理変数のカテゴリの例を示している。
【
図8】
図8は、処理変数の変化が計測データに影響する可能性があることを模式的に示している。
【
図9】
図9は、パターニングプロセスパラメータへの結合寄与を導出する例を模式的に示している。
【
図10】
図10は、計測データから処理変数への寄与を導出する例を模式的に示している。
【
図11】
図11は、一実施形態による方法のフローを概略的に示す。
【
図12】
図12は、一実施形態による方法のフローを概略的に示す。
【
図13】
図13は、一実施形態による方法のフローを概略的に示す。
【
図14】
図14は、例示的な寄与/フィンガープリント及び輪郭の選択の実施形態を概略的に示している。
【
図15】
図15は、例示的な寄与/フィンガープリント及び輪郭の修正の実施形態を概略的に示している。
【
図16】
図16A、16B、及び16Cは、欠陥分析プロセスの実施形態を概略的に示す。
【
図17】
図17A、17B、及び17Cは、欠陥分析プロセスの実施形態を概略的に示す。
【
図18】
図18は、位置合わせのための結合寄与を導出する例を模式的に示している。
【
図19】
図19は、位置合わせのための結合寄与を導出する例を模式的に示している。
【
図20】
図20は、パターニングプロセスが、既存のアライメント測定スキームに従って決定されたフィンガープリントは、オーバーレイエラーフィンガープリントに変換される。
【
図21】
図21は、本明細書で説明されるように計算されたアライメントの導出フィンガープリントを使用して補正されたパターニングプロセスがオーバーレイエラーにどのように変換されるかの例を概略的に示す。
【
図22】
図22は、一実施形態による方法のフローを概略的に示す。
【
図23】
図23は、分布を予測するためのキャリブレーション係数の調整を模式的に示している。
【
図24】
図24は、分布を予測するためのキャリブレーション係数の調整を模式的に示している。
【
図25】
図25は、正しい予測の可能性の決定を概略的に示している。
【
図26】
図26は、コンピュータシステムの例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態を詳細に説明する前に、実施形態が実装され得る例示的な環境を提示することは有益である。
【0012】
図1は、リソグラフィ装置LAの実施形態を概略的に示している。装置の構成:
放射ビームB(UV放射又はDUV放射)を調整するように構成された照明システム(照明器)IL;
パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MT;
基板(例:レジスト被覆ウエハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って正確に基板を配置するように構成された第2ポジショナPWに接続された基板テーブル(例:ウエハテーブル)WT;
パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンをターゲット部分(1つ以上のダイを含み、しばしば基板Wのフィールドと呼ばれる)Cに投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PS;
投影システムは基準フレーム(RF)上で支持される。
【0013】
本明細書に示されているように、装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は、反射型のもの(例えば、上記で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイを使用するもの、又は反射マスクを使用するもの)であってもよい。
【0014】
イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受け取る。例えば、放射源がエキシマレーザーである場合、放射源とリソグラフィ装置は別個の実体であってもよい。そのような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成するとは見なされず、放射ビームは、例えば適切な方向付けミラー及び/又はエキスパンダーによりビームを含むビーム送達システムBDを用いて放射源SOからイルミネータILに送られる。その他の場合、ソースは例えば、光源が水銀ランプの場合、装置の一部である。放射源SO及びイルミネータILは、必要であればビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼ばれることがある。
【0015】
イルミネータILは、ビームの強度分布を変更する場合がある。イルミネータは、イルミネータILの瞳面内の環状領域内で強度分布が非ゼロになるように放射ビームの半径方向範囲を制限するように配置することができる。追加的又は代替的に、イルミネータILは、瞳面内のビームの分布を制限して、瞳面内の等間隔の複数のセクタ内の強度分布が非ゼロになるように動作可能であってもよい。イルミネータILの瞳面における放射ビームの強度分布は、照明モードと呼ばれる場合がある。
【0016】
したがって、イルミネータILは、ビームの(角度/空間)強度分布を調整するように構成されたアジャスタAMを備えてもよい。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。イルミネータILは、ビームの角度分布を変えるように動作可能であってもよい。例えば、イルミネータは、強度分布が非ゼロである瞳面内のセクタの数及び角度範囲を変更するように動作可能であってもよい。イルミネータの瞳面内のビームの強度分布を調整することにより、異なる照明モードを実現できる。例えば、イルミネータILの瞳面内の強度分布の半径及び角度範囲を制限することにより、強度分布は、例えば双極子、四重極又は六重極分布などの多極分布を有し得る。所望の照明モードは、例えば、その照明モードを提供する光学系を照明器ILに挿入することにより、又は空間光変調器を使用することにより取得され得る。
【0017】
イルミネータILは、ビームの偏光を変更するように動作可能であってもよく、調整器AMを使用して偏光を調整するように動作可能であってもよい。イルミネータILの瞳面を横切る放射ビームの偏光状態は、偏光モードと呼ばれることがある。異なる偏光モードの使用により、基板W上に形成された画像においてより大きなコントラストを達成することが可能になる場合がある。放射ビームは偏光されない場合がある。あるいは、イルミネータは、放射ビームを直線偏光するように配置されてもよい。放射ビームの偏光方向は、イルミネータILの瞳面にわたって変化し得る。放射の偏光方向は、イルミネータILの瞳面の異なる領域で異なっていてもよい。放射の偏光状態は、照明モードに応じて選択できる。多極照明モードの場合、放射ビームの各極の偏光は、照明器ILの瞳面内のその極の位置ベクトルにほぼ垂直であってもよい。例えば、双極子照明モードの場合、放射は、双極子の2つの対向するセクタを二等分する線に実質的に垂直な方向に直線偏光されてもよい。放射ビームは、X偏光状態及びY偏光状態と呼ばれる2つの異なる直交方向の1つに偏光される。四重極照明モードの場合、各極の扇形の放射は、その扇形を二等分する線に実質的に垂直な方向に直線偏光することができる。この偏光モードは、XY偏光と呼ばれる場合がある。同様に、六重極照明モードの場合、各極の扇形の放射は、その扇形を二等分する線に実質的に垂直な方向に直線偏光することができる。この偏光モードは、TE偏光と呼ばれる場合がある。
【0018】
さらに、イルミネータILは一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどのさまざまな他のコンポーネントを含む。照明システムは、屈折、反射、磁気、電磁気、静電若しくは放射の方向付け、成形、又は制御のためのそれらの任意の組み合わせ、又は他のタイプの光学コンポーネントなどのさまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0019】
したがって、照明器は、その断面に所望の均一性と強度分布を有する調整された放射ビームBを提供する。
【0020】
支持構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び例えばパターニングデバイスが真空環境に保持されているかどうかなどの他の条件に依存する方法でパターニングデバイスを支持する。支持構造は、機械式、真空式、静電式、又はその他のクランプ技術を使用して、パターニングデバイスを保持できる。支持構造は、例えば、必要に応じて固定又は可動式にすることができるフレーム又はテーブルであってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して所望の位置にあることを保証することができる。本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義と見なすことができる。
【0021】
本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを付与するために使用できるデバイスを指すと広く解釈されるべきである。一実施形態では、パターニングデバイスは、基板のターゲット部分にパターンを作成するために、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用できる任意のデバイスである。放射ビームに与えられるパターンは、例えば、パターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分の所望のパターンに正確に対応しない場合があることに注意する必要がある。一般に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に作成されるデバイスの特定の機能層に対応する。
【0022】
パターニングデバイスは透過型でも反射型でもよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィでよく知られており、バイナリ、交互位相シフト、減衰位相シフトなどのマスクタイプ、及びさまざまなハイブリッドマスクタイプが含まれる。プログラマブルミラーアレイの例では、小さなミラーのマトリックス配置を使用する。各ミラーは、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾けることができる。傾斜ミラーは、放射ビームにパターンを与え、ミラーマトリックスによって反映される。
【0023】
本明細書で使用される「投影システム」という用語は、屈折、反射、反射屈折、磁気、電磁気、及び静電光学システム、又は使用される露光放射線に適切なそれらの組み合わせを含むあらゆるタイプの投影システムを包含すると広く解釈されるべきである。液浸液の使用や真空の使用など、その他の要因の場合。本明細書における「投影レンズ」という用語の使用はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0024】
投影システムPSは、不均一な光学伝達関数を持ち、基板Wに結像されるパターンに影響を与える可能性がある。非偏光放射の場合、そのような効果は、瞳面内の位置に応じた、透過(アポダイゼーション)と相対位相と、投影システムPSを出る放射のスカラーマップとして説明される。これらのスカラーマップは、透過マップ及び相対位相マップと呼ばれる場合があり、基底関数の完全なセットの線形結合として表される場合がある。特に便利なセットは、単位円で定義された直交多項式のセットを形成するゼルニケ多項式である。
各スカラーマップの決定には、そのような展開における係数の決定が含まれる。ゼルニケ多項式は単位円上で直交するため、ゼルニケ係数は、測定されたスカラーマップと各ゼルニケ多項式の内積を計算し、これをそのゼルニケ多項式のノルムの2乗で除算することによって決定できる。
【0025】
伝送マップと相対位相マップは、フィールドとシステムに依存する。すなわち、一般に、各投影システムPSは、各フィールドポイントに対して(すなわち、その画像平面内の各空間位置に対して)異なるゼルニケ展開を有することになる。その瞳面における投影システムPSの相対位相は、例えば投影システムPSの物体平面(すなわちパターニングデバイスMAの平面)の点状光源からの放射を投影を通して投影することにより決定され得る。システムPS及びせん断干渉計を使用して波面(つまり、同じ位相の点の軌跡)を測定する。せん断干渉計は共通経路干渉計であり、したがって、有利なことに、波面を測定するために二次参照ビームは必要ない。せん断干渉計は、投影システムの画像平面(すなわち基板テーブルWT)内の回折格子、例えば二次元グリッド、及び投影システムPSの瞳平面に共役な平面内の干渉パターンを検出するように構成された検出器を備えてもよい。干渉パターンは、せん断方向の瞳面の座標に対する放射の位相の導関数に関連する。検出器は、例えば電荷結合素子(CCD)などの検知素子のアレイを備えてもよい。
【0026】
リソグラフィ装置の投影システムPSは目に見える縞を生成しない可能性があるため、例えば、回折格子の移動などの技術の位相ステップを使用して波面の決定の精度を向上させることができる。回折格子の平面内で、測定の走査方向に垂直な方向にステップを実行することができる。ステッピング範囲は1つのグレーティング周期であり、少なくとも3つの(均一に分布した)位相ステップが使用される。したがって、例えば、y方向に3つの走査測定を実行することができ、各走査測定はx方向の異なる位置に対して実行される。回折格子のこのステッピングは、位相変動を強度変動に効果的に変換し、位相情報を決定できるようにする。回折格子に垂直な方向(z方向)に格子を階段状にして、検出器を較正することができる。
【0027】
回折格子は、投影システムPSの座標系の軸(x及びy)と一致するか、又はこれらの軸に対して45度などの角度であることがある2つの垂直方向に連続的にスキャンすることができる。スキャンは、整数の格子周期、例えば1つの格子周期にわたって実行されてもよい。スキャンにより、1つの方向の位相変動が平均化され、他の方向の位相変動を再構築できる。これにより、波面を両方向の関数として決定できる。
【0028】
その瞳面における投影システムPSの透過(アポダイゼーション)は、例えば投影システムPSの物体平面(すなわちパターニングデバイスMAの平面)の点状光源からの放射を投影することにより決定され得る。投影システムPS及び検出器を使用して、投影システムPSの瞳面に共役な平面内の放射の強度を測定する。収差を決定するために波面を測定するために使用されるのと同じ検出器が使用されてもよい。
【0029】
投影システムPSは、複数の光学(例えば、レンズ)要素を備えてもよく、収差(視野全体の瞳面にわたる位相変動)を補正するように1つ以上の光学要素を調整するように構成される調整機構AMをさらに備えてもよい。これを達成するために、調整機構は、1つ以上の異なる方法で投影システムPS内の1つ以上の光学(例えば、レンズ)要素を操作するように動作可能であってもよい。投影システムは、その光軸がz方向に延びる座標系を有してもよい。調整機構は、以下の任意の組み合わせを行うように動作可能であってもよい:1つ以上の光学要素を変位させ、1つ以上の光学素子を傾け、及び/又は1つ以上の光学要素を変形させる。光学素子の変位は、任意の方向(x、y、z、又はそれらの組み合わせ)にある。光学素子の傾斜は、通常、x及び/又はy方向の軸を中心に回転することにより、光軸に垂直な平面から外れるが、z軸を中心とした回転は非回転対称非球面光学素子に使用できる。光学素子の変形には、低周波形状(例えば非点収差)及び/又は高周波形状(例えば自由形状の非球面)が含まれる場合がある。光学素子の変形は、例えば、光学素子の1つ以上の側面に力を及ぼすために1つ以上のアクチュエータを使用することによって、及び/又は光学素子の1つ以上の選択された領域を加熱する加熱素子の1つ以上を使用することによって実行されてもよい。一般に、投影システムPSを調整してアポダイゼーション(瞳面全体の透過率の変動)を補正することは不可能である。投影システムPSの透過マップは、リソグラフィ装置LAのパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを設計するときに使用することができる。計算リソグラフィ技術を使用して、パターニングデバイスMAは、アポディゼーションを少なくとも部分的に修正するように設計されてもよい。
【0030】
リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上のテーブル(例えば、2つ以上の基板テーブルWTa、WTb、2つ以上のパターニングデバイステーブル、基板テーブルWTa、及び投影システムの下にないテーブルWTb、例えば、測定の容易化、及び/又はクリーニングなどに専用の基板)を有するタイプのものであってもよい。そのような「デュアルステージ」機械では、追加のテーブルを並行して使用したり、1つ以上の他のテーブルを露光に使用しながら1つ以上のテーブルで準備ステップを実行したりできる。例えば、アライメントセンサーASを使用したアライメント測定及び/又はレベルセンサーLSを使用したレベル(高さ、傾斜など)測定を行うことができる。
【0031】
リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が、比較的高い屈折率を有する液体、例えば水で覆われるタイプのものであってもよい。投影システムと基板の間のスペースを満たすための水。液浸液は、例えばパターニングデバイスと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。投影システムの開口数を増加させるための液浸技術は、当技術分野で周知である。本明細書で使用する「浸漬」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないことを意味するのではなく、露光中に液体が投影システムと基板の間にあることを意味するだけである。
【0032】
したがって、リソグラフィ装置の動作中、放射ビームは照明システムILによって調整及び提供される。放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分Cに集束させる。第2ポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ、又は静電容量センサ)、基板テーブルWTは正確に移動できる。同様に、第1ポジショナPM及び別の位置センサ(
図1には明示的に示されていない)を使用して、放射ビームBの経路、例えばマスクライブラリから機械的に取得した後、又はスキャン中、パターニングデバイスMAを以下に関して正確に位置決めすることができる。一般に、支持構造MTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現することができる。その場合、(スキャナとは対照的に)ステッパの支持構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、又は固定されてもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示の基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占めるが、それらはターゲット部分の間のスペースに配置されてもよい(これらはスクライブレーンアライメントマークとして知られている)。同様に、2つ以上のダイがパターニングデバイスMA上に提供される状況では、パターニングデバイスアライメントマークはダイ間に配置されてもよい。
【0033】
図示された装置は、以下のモードの少なくとも1つで使用できる:
1.ステップモードでは、支持構造MT及び基板テーブルWTは本質的に静止状態に保たれ、放射ビームに与えられたパターン全体が一度にターゲット部分Cに投影される(すなわち、単一の静的露光)。次に、基板テーブルWTはX及び/又はY方向にシフトされ、異なるターゲット部分Cを露光できるようになる。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズにより、1回の静的露光で撮像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される間、支持構造MT及び基板テーブルWTが同期的にスキャンされる(すなわち、単一動的露光)。サポート構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び画像反転特性によって決定され得る。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズにより、1回の動的露光でのターゲット部分の幅(非スキャン方向)が制限されるが、スキャン動作の長さにより、(スキャン方向の)ターゲット部分の高さが決まる。
3.別のモードでは、支持構造MTは、プログラム可能なパターニングデバイスを保持して本質的に静止状態に保たれ、放射ビームに与えられたパターンがターゲット部分Cに投影される間、基板テーブルWTが移動又はスキャンされる。放射源が使用され、プログラム可能なパターニングデバイスは、基板テーブルWTの各移動後、又はスキャン中の連続放射パルス間で必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用できる。
【0034】
上述の使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも使用することができる。
【0035】
本書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及する場合があるが、ここで説明するリソグラフィ装置には、統合光学システムの製造、磁区メモリ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの用途を有していてもよい。当業者は、そのような代替用途の文脈において、用語「ウエハ」又は「ダイ」は、それぞれより一般的な用語「基板」又は「ターゲット部分」と同義と見なすことができる。本明細書で言及される基板は、露光の前後に、例えばトラック(通常、レジスト層を基板に塗布し、露光されたレジストを現像するツール)又は計測又は検査ツールで処理されてもよい。適用可能な場合、本明細書の開示は、そのような及び他の基板処理ツールに適用されてもよい。さらに、例えば多層ICを作成するために、基板を複数回処理することができ、したがって、本明細書で使用する基板という用語は、すでに複数の処理層を含む基板を指すこともある。
【0036】
本明細書で使用される「放射線」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射線(例えば、365、248、193、157又は126nmの波長を有する)及び極紫外線(EUV)放射線(例えば、5から20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射線を包含する。
【0037】
パターニングデバイス上又はパターニングデバイスによって提供されるさまざまなパターンには、異なるプロセスウィンドウ、つまり、仕様内でパターンが生成される処理変数のスペースがある。潜在的な系統的欠陥に関連するパターン仕様の例には、ネッキング、ラインプルバック、ライン間引き、CD、エッジ配置、オーバーラップ、レジストトップロス、レジストアンダーカット及び/又はブリッジングのチェックが含まれる。パターニングデバイス上のすべてのパターンのプロセスウィンドウ又はその領域は、個々の各パターンのプロセスウィンドウをマージ(例えば、オーバーラップ)することによって取得できる。すべてのパターンのプロセスウィンドウの境界には、個々のパターンの一部のプロセスウィンドウの境界が含まれる。つまり、これらの個々のパターンは、すべてのパターンのプロセスウィンドウを制限する。これらのパターンは、「ホットスポット」又は「プロセスウィンドウ制限パターン(PWLP)」と呼ばれる場合がある。パターニングプロセスを制御する場合、ホットスポットに集中することが可能であり、経済的である。ホットスポットに欠陥がない場合、すべてのパターンに欠陥がない可能性がある。
【0038】
図2に示すように、リソグラフィ装置LAは、リソセル又はクラスタとも呼ばれることがあるリソグラフィセルLCの一部を形成することができ、基板上で露光前及び露光後プロセスを実行する装置も含む。従来、これらは、1つ以上のレジスト層を堆積する1つ以上のスピンコーターSC、露光されたレジストを現像する1つ以上の現像剤DE、1つ以上のチルプレートCH及び/又は1つ以上のベークプレートBKを含む。基板ハンドラ、又はロボットROは、1つ又は複数の基板を入出力ポートI/O1、I/O2から取り上げ、それらを異なるプロセス装置間で移動し、リソグラフィ装置のローディングベイLBに配送する。総称してトラックと呼ばれることが多いこれらの装置は、監視制御システムSCSによって制御されるトラック制御ユニットTCUの制御下にあり、監視制御システムSCSもリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置を制御する。したがって、異なる装置を操作して、スループットと処理効率を最大化できる。
【0039】
リソグラフィ装置によって露光される基板が正しく露光されるように、一貫して及び/又は少なくとも1つのパターン転写ステップ(例えば光リソグラフィーステップ)を含むパターニングプロセス(例えばデバイス製造プロセス)で位置合わせ、オーバーレイなどの1つ又は複数のプロパティ(例えば、上層の構造間、又は例えば二重パターニングプロセスによって層に個別に提供された同じ層の構造間)、線の太さ、クリティカルディメンション(CD)、フォーカスオフセット、材料特性などを監視するために、測定又は決定するために基板又は他の物体を検査することが望ましい。したがって、リソセルLCが配置されている製造施設は、通常、リソセル又はリソセル内の他の物体で処理された基板Wの一部又はすべてを測定する計測システムMETも含む。計測システムMETは、リソセルLCの一部であってもよく、例えば、リソグラフィ装置LA(アライメントセンサASなど)の一部であってもよい。
【0040】
1つ以上の測定パラメータは、例えば、パターニングされた基板内又は上に形成された連続層間のオーバーレイ、パターニングされた基板内又は上に形成されたフィーチャのクリティカルディメンション(CD)(例えば、臨界線幅)、焦点又は、光学リソグラフィ工程の焦点誤差、光学リソグラフィ工程の線量又は線量誤差、光学リソグラフィ工程の光学収差などを含み得る。この測定は、製品基板自体のターゲット上及び/又は基板上に提供された専用の計測ターゲット上で実行されてもよい。測定は、レジストの現像後、エッチング前に実行するか、エッチング後に実行することができる。
【0041】
走査電子顕微鏡、画像ベースの測定ツール、及び/又はさまざまな専用ツールの使用を含む、パターニングプロセスで形成された構造の測定を行うためのさまざまな手法がある。上記のように、高速で非侵襲的な特殊計測ツールは、放射ビームが基板表面のターゲットに向けられ、散乱(回折/反射)ビームの特性が測定されるツールである。基板によって散乱される放射の1つ又は複数の特性を評価することにより、基板の1つ又は複数の特性を決定することができる。これは、回折に基づく計測と呼ばれる場合がある。この回折に基づく計測のこのようなアプリケーションの1つは、ターゲット内のフィーチャの非対称性の測定である。これは、例えば、オーバーレイの尺度として使用できるが、他のアプリケーションも知られている。例えば、非対称性は、回折スペクトルの反対部分を比較することで測定できる(例えば、周期格子の回折スペクトルの-1次と+1次を比較する)。これは、上述のように、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開US2006-066855に記載されているように行うことができる。回折ベースの計測の別の用途は、ターゲット内のフィーチャ幅(CD)の測定である。そのような技術は、以下に説明する装置及び方法を使用できる。
【0042】
したがって、デバイス製造プロセス(例えば、パターニングプロセス又はリソグラフィプロセス)では、プロセス中又はプロセス後に、基板又は他の物体をさまざまなタイプの測定にかけることができる。測定は、特定の基板に欠陥があるかどうかを判断し、プロセス及びプロセスで使用される装置の調整を確立し(例えば、基板上の2つの層の位置合わせ又はパターニングデバイスの基板への位置合わせ)、プロセスのパフォーマンスを測定し、装置、又は他の目的のためであってもよい。測定の例には、光学イメージング(光学顕微鏡など)、非イメージング光学測定(ASMLYieldStar測定ツール、ASMLSMASH測定システムなどの回折に基づく測定)、機械測定(スタイラスを使用したプロファイリング、原子間力など)顕微鏡検査(AFM))、及び/又は非光学イメージング(例、走査電子顕微鏡検査(SEM))がある。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,961,116号に記載されているSMASH(SMartAlignmentSensorHybrid)システムは、アライメントマーカーの2つの重なり合って相対的に回転する画像を生成する自己参照干渉計を使用し、画像のフーリエ変換が干渉する瞳面の強度を検出し、また、干渉次数の強度変動として現れる2つの画像の回折次数間の位相差から位置情報を抽出する。
【0043】
計測結果は、直接又は間接的に監視制御システムSCSに提供される。露光された基板にエラーが検出された場合、後続の基板の露光(特に、バッチの1つ以上の他の基板がまだ露光されるのに十分早く検査を行うことができる場合)及び/又は後続の露光の調整を行うことができる。また、すでに露光した基板は、歩留まりを改善するために剥がして再加工するか、廃棄することができ、それにより欠陥があることが知られている基板のさらなる処理の実行を回避する。基板の一部のターゲット部分のみに欠陥がある場合、良好なターゲット部分のみにさらされる。
【0044】
計測システムMET内で、計測装置を使用して、基板の1つ以上の特性、特に、異なる基板の1つ以上の特性がどのように変化するか、同じ基板の異なる層が層ごとにどのように変化するかを決定する。上述のように、計測装置は、リソグラフィ装置LA又はリソセルLCに統合されてもよいし、スタンドアロンデバイスであってもよい。
【0045】
計測を可能にするために、1つ以上のターゲットを基板上に提供できる。一実施形態では、ターゲットは特別に設計されており、周期構造を含むことができる。一実施形態では、ターゲットはデバイスパターンの一部、例えばデバイスパターンの周期構造である。一実施形態では、デバイスパターンは、メモリデバイスの周期構造(例えば、バイポーラトランジスタ(BPT)、ビットラインコンタクト(BLC)などの構造)である。
【0046】
一実施形態では、基板上のターゲットは、現像後に周期的構造特徴が固体レジスト線で形成されるように印刷される1つ以上の1-D周期構造(例えば、格子)を含むことができる。一実施形態では、ターゲットは、現像後に固体レジストピラー又はレジスト内のビアで形成されるように印刷される1つ又は複数の2-D周期構造(例えば、格子)を含むことができる。あるいは、バー、ピラー、又はビアを基板にエッチングしてもよい(例えば、基板上の1つ以上の層に)。
【0047】
一実施形態では、パターニングプロセスの対象パラメータの1つはオーバーレイである。オーバーレイは、暗視野散乱測定を使用して測定できる。鏡面反射に対応)はブロックされ、高次のみが処理される。暗視野計測の例は、PCT特許出願公開番号WO2009/078708及びWO2009/106279があり、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。この技術のさらなる発展は、米国特許出願公開US2011-0027704、US2011-0043791及びUS2012-0242970に記載されており、それらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。回折次数の暗視野検出を使用した回折ベースのオーバーレイにより、より小さなターゲットでのオーバーレイ測定が可能になる。これらのターゲットは、照明スポットよりも小さくすることができ、基板上のデバイス製品構造に囲まれている場合がある。一実施形態では、1回の放射線捕捉で複数の標的を測定することができる。
【0048】
図3は、例示的な検査装置(例えば、散乱計)を示している。それは、基板W上に放射線を投影する広帯域(白色光)放射線プロジェクタ2を含む。方向転換された放射線は、鏡面反射放射線のスペクトル10(波長の関数としての強度)を測定する分光計検出器4に渡される。例えば、左下のグラフに表示される。このデータから、検出されたスペクトルを生じさせる構造又はプロファイルは、プロセッサPUによって再構築される。厳密な結合波解析と非線形回帰、又は
図3の右下に示すように、シミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較による。一般に、再構築では構造の一般的な形式が既知であり、構造が作成されたプロセスの知識からいくつかの変数が想定され、測定データから決定される構造の変数はごくわずかである。このような検査装置は、通常入射検査装置として構成してもよいし、斜め入射検査装置として構成してもよい。
【0049】
使用できる別の検査装置を
図4に示す。このデバイスでは、放射源2から放射された放射は、レンズシステム12を使用してコリメートされ、干渉フィルタ13と偏光子17を透過し、部分反射面16で反射され、望ましくは少なくとも0.9又は少なくとも0.95の高い開口数(NA)を有する対物レンズ15を介して基板WのスポットSに集光される。浸水検査装置(水などの比較的高い屈折率の流体を使用)は、1を超える開口数を持つことがある。
【0050】
リソグラフィ装置LAのように、測定動作中に基板Wを保持するために1つ以上の基板テーブルが提供されてもよい。基板テーブルは、
図1の基板テーブルWTと形態が類似又は同一であってもよい。検査装置がリソグラフィ装置と一体化される例では、それらは同じ基板テーブルであってもよい。粗動及び細動ポジショナは、基板を測定光学系に正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに提供され得る。例えば、関心対象の位置を取得し、それを対物レンズ15の下の位置に持ってくるために、様々なセンサとアクチュエータが提供される。通常、基板Wの異なる位置にあるターゲットで多くの測定が行われる。基板サポートは、X及びY方向に移動して異なるターゲットを取得し、光学システムをZ方向に移動して、焦点に対するターゲットの所望の位置を取得できる。例えば、実際には光学システムが実質的に静止しているが、対物レンズが基板に対して異なる位置に移動(典型的にはX、及びY方向、ひいてはZ方向)しているように操作を考えて説明するのが便利である。基板と光学システムの相対位置が正しい場合、原理的にはどちらが実際に動いているか、両方が動いているか、又は光学システムの一部の組み合わせが動いているか(例えば、Z及び/又は傾斜方向)は関係ない。光学システムの残りの部分は静止しており、基板は移動している(例えば、X及びY方向だけでなく、任意でZ及び/又は傾斜方向にも)。
【0051】
次に、基板Wによって方向を変えられた放射は、スペクトルを検出させるために、部分反射面16を通過して検出器18に入る。検出器18は、逆投影焦点面11に(すなわち、レンズ系15の焦点距離に)配置されてもよく、又は平面11は、補助光学系(図示せず)で検出器18上に再結像されてもよい。検出器は、基板ターゲット30の二次元角散乱スペクトルを測定できるように、二次元検出器であってもよい。検出器18は、例えば、CCD又はCMOSセンサのアレイであり得、例えば、フレーム当たり40ミリ秒の積分時間を使用し得る。
【0052】
参照ビームを使用して、例えば、入射放射の強度を測定することができる。これを行うために、放射ビームが部分反射面16に入射すると、その一部は、参照ミラー14に向かう参照ビームとして部分反射面16を透過する。次いで、参照ビームは、同じ検出器18の異なる部分に、又は代替的に異なる検出器(図示せず)に投影される。
【0053】
例えば405から790nmの範囲、又は200から300nmなどのさらに低い範囲で関心のある波長を選択するために、1つ又は複数の干渉フィルタ13が利用可能である。干渉フィルタは、異なるフィルタのセットを含むよりも調整可能である。干渉フィルタの代わりにグレーティングを使用できる。開口絞り又は空間光変調器(図示せず)を照明経路に設けて、標的への放射線の入射角の範囲を制御してもよい。
【0054】
検出器18は、単一波長(又は狭い波長範囲)で再指向された放射の強度、複数の波長で個別に、又はある波長範囲にわたって積分された強度を測定することができる。さらに、検出器は、横方向の磁気分極放射及び横方向の電気分極放射の強度、及び/又は横方向の磁気分極放射と横方向の電気分極放射との間の位相差を別々に測定してもよい。
【0055】
基板W上のターゲット30は、現像後にバーが実線のレジストラインで形成されるように印刷される一次元格子であってもよい。ターゲット30は、現像後、格子がレジスト中の固体レジスト柱又はビアで形成されるように印刷される2D格子であってもよい。バー、ピラー、又はビアは、基板内又は基板上(例えば、基板上の1つ又は複数の層)にエッチングされてもよい。パターン(バー、ピラー、ビアなど)は、パターニングプロセスの処理の変化(リソグラフ投影装置(特に投影システムPS)の光学収差、焦点の変化、線量の変化など)に敏感である。印刷されたグレーティングの変化として現れる。したがって、印刷された格子の測定データは、格子を再構築するために使用される。線幅及び/又は形状などの1-D格子の1つ又は複数のパラメータ、又はピラー又はビアの幅又は長さ又は形状などの2-D格子の1つ又は複数のパラメータを再構成プロセスに入力することができる。
【0056】
再構成によるパラメータの測定に加えて、角度分解スキャトロメトリは、製品及び/又はレジストパターンの特徴の非対称性の測定に役立つ。対称性測定の特定の用途は、オーバーレイの測定であり、ターゲット30は別のセットに重ねられた1セットの周期的特徴を含む。
図3又は
図4の機器を使用した非対称測定の概念は、例えば、米国特許出願公開US2006-066855に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれている。簡単に言えば、ターゲットの回折スペクトルにおける回折次数の位置はターゲットの周期性によってのみ決定されるが、回折スペクトルの非対称性はターゲットを構成する個々の特徴の非対称性を示す。検出器18が画像センサであり得る
図4の機器では、回折次数の非対称性は、検出器18によって記録された瞳孔画像の非対称性として直接現れる。この非対称性は、ユニットPUでのデジタル画像処理によって測定でき、オーバーレイの既知の値に対して較正できる。
【0057】
図5は、典型的なターゲット30の平面図と、
図4の装置における照明スポットSの範囲を示している。周囲の構造からの干渉がない回折スペクトルを得るために、一実施形態では、ターゲット30は、照明スポットSの幅(例えば、直径)よりも大きい周期構造(例えば、格子)である。Sは、ターゲットの幅と長さよりも小さい場合がある。言い換えれば、ターゲットは照明によって「アンダーフィル」されており、回折信号は、ターゲット自体の外側の製品の特徴などからの信号を実質的に含まない。照明装置2、12、13、17は、対物レンズ15の後焦点面にわたって均一な強度の照明を提供するように構成され得る。あるいは、例えば、照明経路に開口を含めることにより、照明は、軸上又は軸外方向に制限され得る。
【0058】
図6は、計測を使用して得られた測定データに基づいて、ターゲットパターン30の1つ以上の関心のある変数の値を決定する例示的なプロセスを概略的に示している。検出器18によって検出された放射線は、ターゲット30‘の測定された放射線分布108を提供する。
【0059】
所与のターゲット30‘について、例えば数値マクスウェルソルバ210を使用して、パラメータ化モデル206から放射線分布208を計算/シミュレートすることができる。パラメータ化モデル206は、ターゲットを構成し、それに関連付けられた様々な材料の例示的な層を示している。パラメータ化モデル206は、検討中のターゲットの部分の特徴及び層についての1つ又は複数の変数を含むことができ、これらは変更及び導出することができる。
図6に示すように、変数の1つ又は複数には、1つ又は複数の層の厚さt、1つ又は複数の特徴の幅w(例えばCD)、1つ又は複数の特徴の高さh、及び/又は1つ以上の特徴の側壁角αを含む。図示されていないが、変数の1つ以上は、層の1つ以上の屈折率(例えば、実屈折率又は複素屈折率、屈折率テンソルなど)、1つ又は複数の層の吸光係数、1つ又は複数の層の吸収、現像中の損失、1つ又は複数のフィーチャのフーチング、及び/又は1つ又は複数のフィーチャのラインエッジラフネスをさらに含み得るが、これらに限定されない。変数の初期値は、測定中のターゲットに期待される値である場合がある。次いで、測定された放射線分布108は、212で計算された放射線分布208と比較されて、2つの間の差が決定される。差がある場合、パラメータ化モデル206の1つ又は複数の変数の値を変化させ、新しい計算された放射線分布208を計算し、測定された放射線分布108及び計算された放射線分布208が十分一致するまで測定された放射線分布108と比較する。その時点で、パラメータ化されたモデル206の変数の値は、実際のターゲット30‘のジオメトリの良好又は最良の一致を提供する。一実施形態では、測定された放射線分布108と計算された放射線分布208との差が許容閾値内にある場合、十分な一致が存在する。
【0060】
パターニングプロセスの変数は、「処理変数」と呼ばれる。パターニングプロセスには、リソグラフィ装置内でのパターンの実際の転写の上流及び下流のプロセスが含まれ得る。
図7は、処理変数370のカテゴリの例を示す。第1のカテゴリは、リソグラフィ装置又はリソグラフィプロセスで使用される他の任意の装置の変数310であってもよい。このカテゴリの例には、リソグラフィ装置の照明、投影システム、基板ステージなどの変数が含まれる。第2のカテゴリは、パターニングプロセスで実行される1つ以上のステップの変数320であり得る。このカテゴリの例には、フォーカス制御又はフォーカス測定、線量制御又は線量測定、帯域幅、露光時間、現像温度、現像で使用される化学組成などが含まれる。第3のカテゴリは、設計レイアウトの変数330、及びパターニングデバイスでの、又はパターニングデバイスを使用したその実装であり得る。このカテゴリの例には、アシストフィーチャの形状及び/又は位置、解像度向上技術(RET)によって適用される調整、マスクフィーチャのCDなどが含まれる。第4のカテゴリは、基板の変数340であり、例えば、レジスト層の下の構造の特性、レジスト層の化学組成及び/又は物理的寸法などが含まれる。第5のカテゴリは、パターニングプロセスの1つ以上の変数の時間的変動の特性350であり得る。このカテゴリの例には、高周波ステージの動きの特性(周波数、振幅など)、高周波レーザー帯域幅の変化(周波数、振幅など)、及び/又は高周波レーザーの波長変化が含まれる。これらの高頻度の変化又は動きは、基礎となる変数(ステージ位置、レーザー強度など)を調整するメカニズムの応答時間を超える。第6のカテゴリは、スピンコーティング、露光後ベーク(PEB)、現像、エッチング、堆積、ドーピング及び/又はパッケージングなど、リソグラフィ装置におけるパターン転写の上流又は下流のプロセスの特性360であり得る。
【0061】
理解されるように、これらの変数のすべてではないにしても、多くがパターニングプロセスのパラメータに影響を与え、多くの場合、関心のあるパラメータに影響を与える。パターニングプロセスのパラメータの非限定的な例には、クリティカルディメンション(CD)、クリティカルディメンション均一性(CDU)、焦点、オーバーレイ、エッジ位置又は配置、側壁角、パターンシフトなどが含まれる。多くの場合、これらのパラメータは、公称値(設計値、平均値など)からの誤差を表す。パラメータ値は、個々のパターンの特性値、又はパターンのグループの特性の統計値(平均、分散など)である場合がある。
【0062】
処理変数の一部又はすべての値、又はそれに関連するパラメータは、適切な方法で決定できる。例えば、値は、様々な計測ツール(例えば、基板計測ツール)で取得されたデータから決定されてもよい。値は、パターニングプロセスの装置のさまざまなセンサ又はシステム(例えば、レベリングセンサー又はアライメントセンサーなどのリソグラフィ装置のセンサ、制御システム(例えば、基板又はパターニングデバイステーブル制御システム)、リソグラフィ装置、トラックツールのセンサなど)から取得することができる。値は、パターニングプロセスのオペレータからのものである場合がある。
【0063】
現在、ますます多くの計測が、主に時間の面で負担になっている。これは、例えば、半導体業界で複数のパターニング技術が出現した場合に特に当てはまる。リソエッチリソエッチ(LELE)やサイドウォールアシストダブルパターニング(SADP)などの多重パターニング技術により、処理ステップの数が大幅に増加したため、制御と歩留まりモニタリングに使用される計測ステップの量が増加している。さらに、多重パターニングステップでより多くのレイヤーが使用され、レイヤーごとにより多くのパターニングステップが使用されるにつれて、各ノードの計測の量が増加する(つまり、フィーチャサイズの縮小)。
【0064】
追加又は代替として、欠陥決定及び/又は誘導欠陥検査に対する要望が高まっている。これには、以前よりもかなり高密度のフォーカス、オーバーレイ、及び/又はCD計測が含まれる。
【0065】
追加又は代替として、デバイス上のCD、オーバーレイ、及び/又はフォーカスパフォーマンスには仕様が厳しくなる。これは、あるノードから次のノードへの、例えば、露光ツール及び処理ツール(例えば、堆積、エッチング、トラック、化学機械研磨(CMP)など)の製造装置仕様を推進する。そのため、これにより、パフォーマンスのより厳密な制御と監視が促進され、これにより、制御と監視のためのますます増え続ける計測の需要が高まる。
【0066】
追加又は代替として、デバイス上のCD、フォーカス、及び/又はオーバーレイパフォーマンスの仕様の厳格化に伴い、高次の修正が必要になる場合がある。高次補正は、基本的に、基板のすべて又は一部にわたって小さな空間スケールで選択的な補正アクション(例えば、高い空間解像度での補正)である。高次補正には、計測用の基板ごとの高密度サンプリングが関係するため、おそらく計測機器の生産性の実用的な限界を超えて計測負荷が増大する。
【0067】
追加又は代替として、基板間変動は、所望のCD、焦点、及び/又はオーバーレイ性能を達成するために、さらなる個別の基板レベル制御(例えば、ロットレベル制御と比較して)及び関連する監視を必要とし得る。これにより、ロットごとにより多くの基板を測定できるようになるため、測定機器の生産性の実際的な限界を超えて、使用する測定量が増加する可能性がある。
【0068】
しかし、増加するデータ需要を満たすためには、計測機器の追加又は計測機器の生産性の向上だけでは不十分な場合がある。さらに、高密度CD、フォーカス、及び/又はオーバーレイプロファイルを基板全体でタイムリーに取得するなど、すべての問題を解決できるとは限らない。
【0069】
したがって、計測効率が望ましい。これは、例えば、基板あたりのデータ密度が高く、ロットあたりの基板数が多い場合のデータを取得するためである。
【0070】
したがって、一実施形態では、例えば、計測効率の改善に役立つ方法が提供される。この方法では、複数のソースからの計測データを組み合わせて操作し、基板の複数の位置のそれぞれについて1つ以上のパターニングプロセスパラメータ(CD、フォーカス、オーバーレイ、エッジ配置など)の正確な推定値を導き出す。一実施形態では、次いで、例えば、パターニングプロセスで処理されたすべての基板、及び例えばパターニングプロセスでそのような基板上で処理されたすべての層について、高密度計測データ(例えば、各平方mm)が提供される。
【0071】
実際には、一実施形態では、方法の結果は、基板全体にわたる1つ以上のパターニングプロセスパラメータの値の「仮想」又はエミュレートされた分布であり、これは様々な計測データのそのような組み合わせによって達成される。この方法は、1つ又は複数のパターニングプロセスパラメータ(フォーカス、CD、オーバーレイなど)のハイブリッド計測の効率的な方法を提供できる。そして、本明細書の実施形態は、パターニングプロセスパラメータ、すなわち、フォーカス、CD、及びオーバーレイの主に特定の例を検討するが、1つ又は複数の他の又は追加のパターニングプロセスパラメータが本技術の主題となり得ることを理解されたい。
【0072】
前述のように、この方法には、計測とさまざまなデータからのソース、その他のデータの組み合わせが含まれる。一実施形態では、この方法は、関心のあるパターニングプロセスパラメータの測定値を、リソグラフィ装置の1つ又は複数のセンサからのデータなど、パターニングプロセスにおける1つ又は複数のデバイスからのデータと組み合わせる。その後、このデータの組み合わせを使用して、CD、オーバーレイ、フォーカス、パターンシフト、エッジ配置(エッジ配置エラーなど)などのパターニングプロセスパラメータ、又は歩留まり、欠陥(例えば、欠陥のリスク、欠陥カウントなど)など、派生したパラメータの形で製品のパフォーマンスを予測する。
【0073】
したがって、この方法の基礎となる原則は、関心のあるパターニングプロセスパラメータの変化の個々の根本原因を分離して推定し、それらを組み合わせて製品のパフォーマンスを計算することである。目標は、可能な限り多くの利用可能な情報を使用して、オフライン(及び/又はオンライン)計測の量が増え続けることを回避し、
図3に関して説明したようなツールを使用して、関心のあるパターニングプロセスパラメータを決定することである。
【0074】
したがって、一実施形態では、関心のあるパターニングプロセスパラメータ(CDエラー、フォーカスエラー、オーバーレイなど)の変化に対する様々な寄与を識別することが望ましい。その後、これらの寄与をさまざまな組み合わせで使用して、製品上のパフォーマンスの望ましい推定値を達成できる。通常、これらの寄与はエラー及び/又は残差である。例えば、デバイスは修正を行う際にエラーを生成する場合があり、その後、対象のパターニングプロセスパラメータの変化に現れうる。別の例として、センサーシステムはエラーを測定する場合があり、そのエラーはパターニングプロセスパラメータの変化となるか、それに寄与する。さらなる例として、デバイス又はデバイスの設定を決定するために使用される数学的モデルは、特定の望ましい又は最良の物理的効果を実現できない場合があり(例えば、望ましい物理的補正とデバイスにより達成可能な物理的補正との差、線量、焦点などの所望の物理的効果と、デバイスによって達成できる物理的効果との差、所望の物理的補正又は効果と数学モデルによって決定できる補正又は効果との差など)、パターニングプロセスのパラメータの変化であり又は変化に寄与する残差を実現する。一実施形態では、寄与は実験的又は経験的に決定することができる。
【0075】
ダイ、フィールド、又は基板全体に空間的に分布する対象のパターニングプロセスパラメータへのこれらの各寄与は、フィンガープリントとして特徴付けられる。また、同様に、ダイ、フィールド、又は基板全体での寄与の組み合わせは、フィンガープリントとして特徴付けることができる。
【0076】
したがって、複数のこれらの寄与を組み合わせて、派生フィンガープリントを生成できる。例えば、製品基板上のフォーカスフィンガープリントは、例えば、フォーカス寄与の合成であり、その基板の非平坦性、基板の露光中のリソグラフィ装置の投影システムに関連する焦点誤差、露光中の基板位置制御ループによる高さ誤差、及びリソグラフィ装置の焦点設定の残留フィンガープリントによる。この例については、
図9を参照して以下に説明する。
【0077】
同様に、導出又は測定されたフィンガープリントは、そこから1つ又は複数のフィンガープリントを削除して、(さらに)導出されたフィンガープリントを生成できる。例えば、基板の測定された焦点フィンガープリントから、その基板の非平坦性の焦点寄与、基板の露光中のリソグラフィ装置の投影システムに関連する焦点誤差、基板位置制御ループによる露光中の高さ誤差、及びリソグラフィ装置の焦点設定の残留フィンガープリントを除去することができる。これにより、除去されたフィンガープリントでは捕捉されないエラーを原因とする残留焦点フィンガープリントが生じる可能性がある。この例については、
図10を参照して以下に説明する。
【0078】
したがって、一実施形態では、この方法は、例えば、フィンガープリントを個々の寄与フィンガープリントに分解し、及び/又はフィンガープリントを組み合わせることによりフィンガープリントを導出することができる。
【0079】
したがって、
図8を参照すると、寄与(フィンガープリント)の組み合わせの実施形態が示されている。処理変数311の変化(例えば、フォーカスの場合、高さ誤差)は、基板上のパターンのパターニングプロセスパラメータ352(例えば、フォーカスの場合、フォーカス)への寄与312を有し、処理変数321の変化(例えば、フォーカスの場合、フォーカスセットアップの残差)は、パターニングプロセスパラメータ352への寄与322を有し得る。すなわち、パターニングプロセスパラメータ352は、1つ又は複数の処理変数の変化の組み合わされた寄与を有し得る。これらの寄与312及び322は、単純に加算(重み付き又は線形加算を含み得る)であり得るか、又は他の関数によって(例えば、(デ)コンボリューションを使用して、ニューラルネットワーク、RMS加算、スケーリングなどを使用して)組み合わされ得る。パターニングプロセスパラメータ352は、他の変数の変化の寄与を有し得る。したがって、以下でさらに説明するように、この実現により、さまざまな寄与を決定するか、又はパターニングプロセスパラメータの推定値を導出するために使用できる。一実施形態では、寄与312及び/又は322は、1つ以上の適用可能な処理変数をモデル化することにより決定され得る。寄与312及び/又は322は、1つ以上の適用可能な処理変数の関数として表されてもよい。関数は線形又は非線形の場合がある。
【0080】
図9は、基板のパターニングプロセスパラメータへの導出寄与470を取得する例を概略的に示し、導出寄与は、複数の処理変数の寄与(1つ以上が導出寄与であり得る)の組み合わせである。この場合、導出された寄与470は(デ)フォーカスである。したがって、派生寄与470は、基板の露光400中のリソグラフィ装置の投影システムに関連する焦点誤差(FE)、露光410中の基板位置制御ループにより作成された高さ誤差(例えば、移動標準偏差(MSDz))、その基板420の非平坦性(P)などの複数の処理変数の寄与を使用して得ることができる。重要なことに、このデータはリソグラフィ装置から取得でき、パターニングプロセスの一部として基板を製造する際の副産物である可能性がある。これらの特定された寄与のいずれも、例えば、
図3~6に関して説明されたようなツールを使用して、基板上にパターン化された特徴の測定を必ずしも必要としない。寄与は、必要に応じて、シミュレーション、数学的モデリング及び/又は測定/実験によって取得できる。例えば、寄与度は、物理モデル、経験的モデリング、及び/又は専用の測定に基づくシミュレーションによって取得できる。
【0081】
したがって、焦点の場合、処理変数400の焦点への寄与の例は寄与430として示され、処理変数410の焦点への寄与の例は寄与440として示され、処理変数420の焦点への寄与の例は寄与度450として示されている。次に、これらの寄与のそれぞれが一緒に組み合わされ(460)、導出された寄与470が実現される。要素460(及び図中の他の要素)はプラス記号を示すが、460での演算は加算である必要はなく、例えば、ニューラルネットワークなどの使用による乗算、畳み込みであり得る。操作は、1つ又は複数の寄与について、別の1つ又は複数の寄与とは異なる場合がある(例えば、430から440への追加及び合計と寄与450の畳み込み)。例では、結合された寄与は、F(x、y)=a1*F(FE)(x,y)+b1*F(MSDz)(x,y)+c1*F(P)(x,y)+・・・と表現できる。さまざまな関数が、シミュレーション、数学モデリング、及び/又は測定/実験によって取得できる。さらに、ここに示されていないクロスタームがある場合がある(FEとMSDの関数としてのフォーカスなど)。焦点の絶対値を取得するには、焦点の公称値又はシミュレートされた値を寄与と組み合わせることができる。a、b、cなどの係数は、それぞれの処理変数又はそれらの関数に関するフォーカスの感度である。この例では、寄与は基板全体にわたるが、一実施形態では、寄与の1つ又は複数がダイ/フィールドごとにあり得る(その後、例えば、各インスタンスで適用可能な条件に応じて基板全体で繰り返すことができる)。上述したように、寄与度470は、基板/ダイ/フィールドにわたって空間的に定義することができるため、フィンガープリントとして特徴付けられ得る。さらに、絶対値への寄与の変換は、基板/ダイ/フィールド全体で空間的に定義できるため、フィンガープリントとして特徴付けられる。理解されるように、パターニングプロセスを使用した複数の基板の処理からのデータを使用して、それぞれの寄与を導き出すことができる。このデータは、基板処理の副産物である可能性があるため、すでに入手可能である。
【0082】
現在、CDの文脈では、
図9に関して説明したのと同じ手法を使用できる。例えば、CDへの導出寄与470は、焦点(F)400、基板の移動の移動標準偏差(MSDz)410、基板の法線方向、及び基板に平行な方向の基板の移動の移動標準偏差(MSDx)420などの複数の処理変数に起因する寄与(導出寄与を含むことができる)の組み合わせであり得る。したがって、この場合、フォーカス(F)400のCDへの寄与の例は寄与430であり、移動標準偏差(MSDz)410のCDへの寄与の例は寄与440であり、寄与の例は移動標準偏差(MSDx)420のCDへの寄与は440になる。次に、これらの寄与のそれぞれは、導出された寄与470を実現するために一緒に結合される(460)。例では、結合された寄与はCD(x,y)=a
1*CD(F
2)(x,y)+b
1*CD(MSDx)(x,y)+c
1*CD(MSDz
2)(x,y)+・・と表現できる。さらに、ここに示されていないクロス項がある場合があり、関係が異なる場合がある(例えば、フォーカスやMSDzなどの関係は、純粋に2次ではなく、線形及び3次の項を持つことができる)。一実施形態では、寄与430、440、450は、それぞれ焦点(F)400、移動標準偏差(MSDz)410及び移動標準偏差(MSDx)420の分布であり得、この場合、CDモデルを使用してCDの分布へとそれらを組み合わせる。さらに、ここに示されていないクロスタームがある可能性がある(F倍MSDなどの関数としてのCDなど)。CDの絶対値を取得するには、CDの公称値又はシミュレーション値を寄与と組み合わせることができる。a、b、cなどの係数は、処理変数又はその関数に関するCDの感度である。
【0083】
上述の原理を適用して、
図10は、関心のあるパターニングプロセスパラメータへの寄与を除去することにより、基板の関心のあるパターニングプロセスパラメータのパターニングされた基板の計測データから派生寄与510を得る例を概略的に示す。この文脈におけるパターニング基板計測データは、パターニングにより少なくとも部分的に処理された基板上の特徴(例えば、デバイスパターンフィーチャ、デバイスパターンとは別の計測ターゲットなど)を測定することにより得られる関心パラメータの値である。そのような計測データは、通常、
図3から6に関して説明したような計測ツール又は検査ツールを使用して取得できる。
【0084】
関心のあるパラメータのパターニング基板計測データ500は、少なくとも2つの寄与を有し得る。したがって、パターニング基板計測データ内の1つ以上の他の寄与を除去することにより、パターニング基板計測データ内の1つ以上の寄与を取得できる。したがって、寄与510は、パターニング基板計測データ500から寄与520を除去すること(505)によって取得され得る。要素505(及び図の他の要素)はマイナス記号を示すが、505での演算は減算である必要はない。例えば、ニューラルネットワークなどを使用した乗算、(デ)コンボリューションなどがある。寄与度520は、寄与度470などの導出寄与度とすることができ、又は寄与度430、440、及び450のいずれか1つ又は複数などの他のデータから導出される寄与度とすることができる。さらに、複数の寄与を削除できる。例えば、処理変数530に関連付けられたオプションの寄与540は、寄与520とともにパターニング基板計測データ500から除去することができる。理解されるように、パターニングプロセスを使用した複数の基板の処理からのデータを使用して、パターニングされた基板計測データを取得することができる。
【0085】
一実施形態では、パターン付き基板計測データは、デバイスパターンとは別のパターン、例えばダイの非機能領域、ダイ間又はテスト基板上の計測フィーチャからのものである。したがって、例えば、1つ以上の処理変数の寄与をそのような計測データから除去することができ、それにより、そのような計測データへの1つ以上の処理変数の残りの寄与を得ることができる。同じ又は異なる基板上のデバイスパターンの計測データへの比較可能な寄与は、残りの寄与に基づいて取得できる。デバイスパターンから計測データを実際に取得する必要はない。例えば、適用可能な1つ又は複数の処理変数がデバイスパターンと別のパターンとに匹敵する効果があるため、デバイスパターンの計測への寄与は残りの寄与と同じであると推定される。一実施形態では、別個のパターンは、試験目的(例えば、計測ターゲット)のためのパターンであり、別個のパターンで計測を実行することは、基板上のデバイスパターンに影響を与えない。
【0086】
したがって、寄与を組み合わせたり、パターニング基板計測データから寄与を除去することにより、基板の関心のあるパラメータの推定値を、その基板のパターニング計測データを必ずしも取得する必要なく取得できる。これは、さまざまな寄与の性質を認識することによって行われる。
【0087】
一実施形態では、1つ又は複数の処理変数の寄与は、装置(例えば、リソグラフィ装置)固有であり得る。つまり、寄与は特定の実際の装置又は装置の組み合わせに固有である。したがって、一実施形態では、1つ以上の処理変数の寄与は、あらゆる基板にわたって繰り返し使用されてもよい。したがって、1つ以上の処理変数の寄与を事前に特徴付けて、さまざまな組み合わせ/除去プロセスのためにデータベースから取得することができる。寄与は、装置全体又は装置の特定の部分(例えば、エッチングチャンバ)として装置固有のものであり得る。そのような変数の例には、スピンコーティング、露光後ベーク、現像、エッチング、堆積、ドーピング、及び/又はパッケージングなど、リソグラフィ装置でのパターン転写の上流又は下流のプロセスのさまざまな特性が含まれるが、これらに限定されない。
【0088】
一実施形態では、1つ以上の処理変数の寄与は、特定の基板に固有ではない(したがって、基板全体で使用することができる)。したがって、1つ以上の処理変数の寄与を事前に特徴付けて、後でさまざまな組み合わせ/削除プロセスのためにデータベースから取得することができる。1つ以上の処理変数のこの寄与は、特定の基板について1つ以上の変数のデータ及び感度関係と組み合わせることにより、特定の基板に適用することができる。そのような変数の例には、照明の変数、投影システム、焦点、線量、帯域幅、露光時間、高周波ステージの動きの特性(例えば、基板ステージの動きの標準偏差(MSD)、基板ステージの移動の移動平均、周波数、振幅など)、高周波レーザー帯域幅の変化(例、周波数、振幅など)、高周波レーザーの波長変化、及び/又は基板が含まれるがこれに限定されない。
【0089】
一実施形態では、1つ以上の処理変数の寄与は、基板固有のものであり得る。例えば、寄与は、各基板又は基板の特定のグループに対して決定されてもよい。そのような変数の例には、基板の形状(高さマップ、変形マップ)、基板処理条件、照明の変数、投影システムの変数、焦点、線量、帯域幅、露光時間、高周波ステージ移動の移動(例えば、基板ステージの移動の移動標準偏差(MSD)、基板ステージの移動の移動平均など)、高周波レーザー帯域幅の変更(例えば、周波数、振幅など)、高周波数レーザー波長の変化、及び/又は基板の平坦度がある。
【0090】
一実施形態では、1つ又は複数の処理変数の寄与は、パターン又はパターニングデバイス固有であり得る。すなわち、寄与は、特定の実際のパターニングデバイス又はパターニングデバイスによって提供される特定のパターンに固有である。この寄与は、さらに基板に依存しない可能性がある。したがって、パターン又はパターニングデバイス固有の寄与を事前に特徴付けて、さまざまな組み合わせプロセスのために後でデータベースから取得することができる。そのような変数の例としては、パターニングデバイスフィーチャCD、アシストフィーチャの形状及び/又は位置、解像度向上技術(RET)によって適用される調整などがある。
【0091】
一実施形態では、異なる処理変数に関連する寄与は、異なる空間均一性を有し得る。例えば、いくつかの処理変数の寄与は、基板全体にわたって本質的に空間的に均一であり得るが、いくつかの他の処理変数の寄与は、基板全体にわたってそれほど空間的に均一ではない場合がある。この違いは、処理変数の性質に起因する可能性がある。例えば、レジスト層、レジスト層の現像、及び/又は基板のエッチングに関連する1つ又は複数の処理変数の寄与は、基板全体が通常、同時に同条件でレジスト層でコーティングされ現像され又はエッチングされ、本質的に空間的に均一になる傾向があり、又は、例えば、これらのプロセスの多くの間の基板の回転のために対称になる傾向がある。例えば、パターン転写又はリソグラフィ装置に関連する1つ又は複数の処理変数の寄与は、パターン転写が場所固有になる傾向があり、1つ又は複数の処理変数が1つの場所のパターン転写と別の場所のパターン転写で変化する可能性があるため、空間的に均一でなくなる傾向がある。したがって、パターニング基板計測データから本質的に空間的に均一でない寄与を除去できる場合、パターニング基板計測データから本質的に空間的に均一な寄与を得ることができる。
【0092】
そのため、特定の例では、レベリング情報、基板の移動の移動平均(MA)、MSDxyz、線量、レーザー帯域幅、瞳孔形状など、基板上に露光された各ポイントの処理変数データなどをリソグラフィ装置から収集できる。このデータは、通常、リソグラフィ装置、例えば診断ファイルですでに利用可能である。このデータから、1つ以上の処理変数に対する対象パラメータの感度を記述する対象パラメータのモデルを使用して、上記の寄与を生成できる。1つ又は複数の感度は、シミュレーション又は実験から取得できる。この方法で生成される寄与は、トラックとレジストモデルのキャリブレーションが完全であると仮定した場合、レジスト現像後の測定中に見られると予想されるものである。例えば、現像後又はエッチング後に基板が測定されると、パターニング基板計測データから寄与が削除される。残りの寄与は、パターン転写前又は転写後プロセス(例えば、一般にフィールド間であるトラック及び/又はエッチング装置による)及びパターニングデバイス(フィールド内)による寄与である。リソグラフィ装置の誤差は、パターニング基板計測データから修正される。同様に、パターニングデバイスの寄与を測定し、その寄与を除去して、パターン転写前又はパターン転写プロセスによる寄与を残すことができる。寄与は、プロセスフローごとに(例えば、パターニングプロセスステップ及び/又は使用される装置の組み合わせ)、又は特定の装置又はその一部ごとに(例えば、エッチング装置又はエッチングチャンバ)削除することができる。
【0093】
したがって、これらの手法により、モデル化された関係を通じて、又はパターニング基板計測データから既知の寄与を除去することにより、関心のあるパラメータへの寄与を取得できる。さらに、1つ以上の寄与は、装置固有であり得るが、基板に依存しないこともあり得る。ただし、1つ又は複数の他の寄与は、基板固有である可能性がある。したがって、寄与の適切な混合及びマッチングにより、パターニングプロセスの特定のポイントでの関心のあるパラメータの推定値を推定することができる。
【0094】
したがって、これらの寄与の応用のいくつかの特定の例を、焦点、CD、及びオーバーレイの文脈で説明して、基板のそれぞれの焦点、CD、及びオーバーレイの推定値を決定する。理解されるように、関心のある追加又は他のパラメータを処理及び推定することができる。
【0095】
これらの例を有効にするために、さまざまなデータが使用される。例えば、リソグラフィ装置には、パターン転写制御に使用される重要な計測機能が組み込まれている。そのような統合計測の例は、サーボ制御用の基板及び/又はパターニングデバイスの位置測定装置(例えばセンサーIF)、レベリング制御用の基板表面の測定用のレベリングセンサー(例えばセンサLS)、オーバーレイ制御を可能にするため基板の向き、位置、及び/又は変形を測定するアライメントセンサー(例えば、センサAS)、及び/又は投影システムの波面を制御するための収差センサー(例えば、上述のせん断干渉計)を使用する。リソグラフィ装置は、これらのセンサからのデータを使用して、その全体のCD、オーバーレイ、及び/又は焦点バジェットが満たされるレベルで制御するが、同時に制御後に残る残差及び/又はエラーも追跡する。これらの残差及び/又は誤差を使用して、パターン転写中にどのようなCD、オーバーレイ、及び/又は焦点誤差が生じるか、すなわち、リソグラフィ装置のCD、オーバーレイ、及び/又は焦点フィンガープリントへの寄与を計算することができる。理解されるように、パターニングプロセスで使用される他の装置は、装置の適用可能なメトロロジーについて同様の情報を有し得る。
【0096】
さらに、リソグラフィ装置のセットアップ又は制御は、1つ又は複数の数学モデルを使用して、それぞれの較正又は制御補正を決定することができる。ただし、そのような1つ以上のモデルには、ゼロ以外の残留誤差を引き起こす組み込みの仮定又は制限がある場合がある。このようなモデルの残差は、どのようなCD、オーバーレイ、及び/又はフォーカスエラーが発生したか、つまり、CD、オーバーレイ、及び/又はフォーカスフィンガープリントに対するモデルの寄与を計算する。理解されるように、パターニングプロセスで使用される他の装置は、同様のモデル情報を有することができる。
【0097】
さらに、レジスト内測定を使用してリソグラフィ装置をセットアップし、1つ又は複数のパラメータ(フォーカス、オーバーレイなど)のグローバル及びローカルフィンガープリントの削除を支援することができる。ただし、グローバルフィンガープリントは、最後にキャリブレーションが実行されてから時間とともにドリフトする可能性がある。このセットアップ状態を監視及び制御するために、モニタ基板を露光及び測定して、グローバルフィンガープリントを監視できる。モニタ基板は、レジスト層が塗布され、明確なパターンに関連するパターンで露光され、現像されてから測定される、明確なパターンを基板に持つ基本的な基板であり得る。測定が終了したら、モニタ基板上のレジストを剥がして明確なパターンを残し、新しいレジスト層を塗布できるようにする。これらの測定値に基づいて、リソグラフィ装置に対して補正を行うことができるため、寄与を決定する際にこれらの補正を考慮する必要がある。一実施形態では、モニタ基板は、明確なパターンを使用することによりオーバーレイを決定するために、及び/又はレジストパターンを使用することにより焦点を決定するために使用することができる。
【0098】
焦点の例を見ると、この手法には基本的に2つの主要な部分が含まれている。最初の部分は、推定プロセスで特定の基板の焦点の推定値を決定するために使用される1つ又は複数のタイプのリソグラフィ装置の処理変数に反映されないリソグラフィ装置の基本的な焦点寄与を決定するセットアッププロセスである。第2の部分は、特定の基板の焦点の推定値を決定するために、検討中の基板の変数の1つ以上のタイプの処理装置に関連する焦点寄与を使用する推定プロセスである。
【0099】
したがって、一実施形態によるセットアッププロセスでは、1つ以上の基板についてパターニング基板焦点計測データが取得され、その後、
図10で上述したのと同様に、1つ以上のタイプのリソグラフィ装置処理変数の寄与が除去される。除去できる寄与の1つのタイプは、例えばリソグラフィ装置のレベリングセンサーに関連する基板高さ残差又はエラーマップの焦点寄与である。除去できるさらなるタイプの寄与は、投影システムの画像平面偏差(IPD)の焦点寄与であり、これは、例えば、せん断干渉計及び/又は投影システムのモデル残差から取得することができる。除去できるさらなるタイプの寄与は、パターニングデバイス及び/又は基板サーボ制御(例えばMA)の焦点寄与であり、適用可能なポジショナ、位置測定デバイス(例えばセンサIF)及び/又はサーボ制御モデルの残差から得られる。上述のように、処理変数から焦点寄与への変換は、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は実験を通じて決定できる。
【0100】
必要に応じて、寄与フィンガープリントを同じグリッドに再グリッド(これは、寄与フィンガープリントのいずれかのグリッド又は別のグリッドと同じ)できる。同様に、寄与フィンガープリントは、パターニング基板計測データに再グリッドすることができる。一実施形態では、再グリッド化はアップサンプリング又はダウンサンプリングを含む。
【0101】
一実施形態では、フィルタリング(例えば、移動平均、デコンボリューション、FFTなど)が寄与に適用され、望ましくはそれを別の寄与と組み合わせる前に適用される。
【0102】
一実施形態では、リソグラフィ装置の基礎となる焦点寄与を効果的に一度決定し、様々な焦点推定に使用することができるため、各基板の測定と比較して計測量を大幅に削減することができる。一実施形態では、パターン付き基板焦点計測データは、基板上の位置(例えば、基板上の500個以下のターゲット)及び/又は1つ以上のロットからの基板の数(例えば、25以上の基板のロットから10個より少ない基板)の比較的まばらなサンプリングによって得ることができる。
【0103】
一実施形態では、パターニング基板焦点計測データは、上述のようにモニタ基板の測定された焦点フィンガープリントであり得る。したがって、すでに捕捉されているデータを使用できる。そのため、測定されたフォーカスフィンガープリントは、投影システムの像面偏差(IPD)の焦点寄与、基板の高さの残差又はエラーマップの焦点寄与、パターニングデバイス及び/又は基板サーボ制御の焦点寄与など、リソグラフィ装置のセンサ情報から得られるリソグラフィ装置の影響を補正して、リソグラフィ装置の基礎となる焦点寄与に到達することができる。
【0104】
次いで、リソグラフィ装置の基礎となる焦点寄与は、焦点の製品内推定で使用するために保存される。リソグラフィ装置の基礎となる焦点寄与は、複数のリソグラフィ装置について決定され得る。リソグラフィ装置の基礎となる焦点寄与は、使用されるリソグラフィ装置のデバイスの特定の組み合わせに対して決定され得る。例えば、リソグラフィ装置は、基板を露光することができる複数の基板テーブルを有することができ、したがって、使用されるデバイスの特定の組み合わせ及び/又は複数の組み合わせに対してリソグラフィ装置の基礎となる焦点寄与を決定できる。
【0105】
次に、製品上の推定のために、関心のある基板について、焦点に関連する1つ以上のタイプのリソグラフィ装置処理変数の誤差又は残差が取得され、その焦点寄与が決定される。例えば、投影システムの像面偏差(IPD)の焦点寄与、基板高さ残差又はエラーマップの焦点寄与、及び/又はパターニングデバイス及び/又は基板サーボ制御の焦点寄与は、基板について得ることができる。追加できるさらなるタイプの寄与は、関心のある特定の基板に使用されているパターニングデバイスに起因するパターニングデバイスエラーの焦点寄与であり、これは測定によって取得できる。この寄与は、リソグラフィ装置の適用可能な基礎となる焦点寄与が、パターニングデバイスを使用せずに得られた場合に特に使用され得る。
【0106】
さらに、上述のように、リソグラフィ装置の適用可能な基礎となる焦点寄与が得られる。次に、
図9に関して上述したのと同様に、リソグラフィ装置の適用可能な基礎となる焦点寄与を対象基板の1つ以上の特定の焦点寄与と組み合わせて、対象基板の推定焦点フィンガープリントを取得する。したがって、焦点誤差の推定値は、任意の基板上の任意の場所、又はほぼすべての場所で決定できる。
【0107】
CDの例を見ると、原則として、基板にCDの変動を引き起こす可能性のある処理変数がいくつかある。この実施形態では、基板全体にわたる特定のCD変動が考慮される。特に、焦点、焦点ぼけ、線量、及び全体的なプロセスに関して、CD変動の寄与が考慮される。CD変動のフィールド内寄与であるパターニングデバイスも考慮され得るが、便宜上だけでさらに説明されない。
【0108】
CDへの焦点寄与は、上述の焦点寄与、具体的には、基礎となるリソグラフィ装置の焦点寄与と、検討中の基板のリソグラフィ装置の1つ以上の処理変数の焦点寄与との組み合わせに基づくことができる。この密集した焦点情報は、原則として、例えば、フィーチャ(リソ後及び/又はエッチング後)のボサング(Bossung)挙動が実験又はシミュレーションを通じて既知であれば、パターンフィーチャのフィールド全体及び/又は基板全体のΔCD寄与に変換できる。したがって、フォーカス値を持つ基板上の任意の位置(x、y)について、その基板位置(x、y)に対応するCD値を計算できる。
CD(HDFMx,y)=Φ1(HDFMx,y)
ここで、HDFMは、焦点の例で上述したように導出された高密度焦点マップなどの焦点マップに対応する。
【0109】
CDに対する焦点ぼけの寄与は、サーボ情報(例えば、z方向のMSD)などのリソグラフィ装置データを使用して取得することができる。焦点ぼけ情報は、スキャン方向及び基板全体でΔCD寄与に変換できる。このフォーカスブラーデータからCDへの変換もフィーチャ固有であり、実験又はシミュレーションを通じて知ることができる。
CD(fblurx,y)=Φ2(fblurx,y)
ここで、fblurはフォーカスブラーに対応する。
【0110】
CDへの線量の寄与は、リソグラフィ装置の線量の変動によるものである(例えば、線量マッピングシステムによって決定される)。露光中の基板全体の線量変動は、適用フィーチャの適切な線量感度を使用してΔCDの寄与に変換することができる。これは、実験又はシミュレーションを通じて知ることができる。
CD(dosex,y)=Φ3(dosex,y)
【0111】
CDへの全体的なプロセスの寄与は、パターン転写だけとは別のパターニングプロセスの一部として、さまざまなプロセスステップから生じるCDの変動である。したがって、一実施形態では、全体的なプロセス寄与は、最終エッチングステップ後のCD変動の状態であり、CD変動の推定で考慮される様々な他のCD変動に起因しない。したがって、一実施形態では、この寄与は、例えば、膜堆積の変動、ベーキング及び/又は現像の変動、及び/又はエッチングプロセスの変動から生じるプロセス変動を考慮しないすべての累積効果である。CDへのプロセス全体の寄与度に寄与する処理変数の例には、レジスト層の下の構造の特性、レジスト層の化学組成及び/又は物理的寸法、及び/又はリソグラフィ装置でのパターン転写の上流又は下流の1つ以上のプロセス(スピンコーティング、露光後ベーク、現像、エッチング、堆積、ドーピング、パッケージングなど)の特性が含まれる。そして、CDへの全体的なプロセスの寄与はエッチング後の観点から説明されるが、全体的なプロセスの寄与は、パターニングプロセスのさまざまな時点、例えば現像後、エッチング前に得られる。
【0112】
したがって、焦点の例のセットアッププロセスと同様に、焦点、焦点のぼけ、及び線量によるこれらのΔCDの寄与をすべて使用し、基板CDの測定値から差し引いて、全体のプロセスの寄与を推定できる。すなわち、一実施形態では、エッチング後のアンカー特徴CD測定からエッチング後プロセス全体の寄与を生成することができ、そこから、焦点、焦点ぼけ、及び(アンカー特徴の)線量のΔCD寄与が除去される。前述のように、全体的なプロセスの寄与は、適切なアンカー機能から推定される。したがって、一実施形態では、他のフィーチャに対する全体的なプロセス寄与は、アンカー特徴から決定され得る。例えば、プロセス全体の寄与の残りは、アンカーフィーチャの特性の割合として表すことができる。全体的なプロセスの寄与がパターニングプロセスの異なる時点で得られる場合、例えば、現像後だがエッチング前に得られる場合、現像後だがエッチングCD測定前に使用できる。
【0113】
一実施形態では、プロセス全体の寄与を効果的に決定し、さまざまなCD推定に使用することができ、したがって、各基板の測定と比較して計測の量を大幅に削減することができる。一実施形態では、パターン付き基板焦点計測データは、基板上の位置(例えば、基板上の500個以下のターゲット)及び/又は1つ以上のロットからの基板の数(例えば、25以上の基板のロットから10個より少ない基板)の比較的まばらなサンプリングによって得ることができる。
【0114】
全体的なプロセスの寄与は、CDの製品上の推定で使用するために保存される。全体的なプロセスの寄与は、特定の及び/又は複数の装置構成(例えば、1つ以上の特定のエッチングチャンバ、エッチングチャンバとベークプレートの1つ以上の特定の組み合わせ、基板テーブルとエッチングチャンバの1つ以上の特定の組み合わせ等)について決定できる。
【0115】
次に、上記の焦点推定ステップと同様に、製品上のCDの推定値を取得できる。一実施形態では、CDに関連する1つ又は複数のタイプのリソグラフィ装置処理変数のエラー又は残差が関心のある基板について取得され、そのCD寄与が決定される。例えば、対象の基板について、焦点、焦点ぼけ、及び/又は線量のCD寄与を取得することができる。追加できる追加の寄与のタイプは、関心のある特定の基板に使用されているパターニングデバイスに起因するパターニングデバイスエラーのCD寄与であり、測定により取得することができる。
【0116】
さらに、上記のように、CDへの適用可能な全体的なプロセスの寄与が得られる。次に、
図9に関して上で説明したのと同様に、CDへの適用可能な全体プロセス寄与が、対象基板の1つ又は複数の特定のCD寄与と組み合わされて、対象基板の推定CDフィンガープリントを取得する。したがって、CDエラーの推定値は、任意の基板上の任意の場所、又はほぼすべての場所で決定できる。
【0117】
さらに、ホットスポットなど、基板上の関心のある1つ又は複数の特定のパターンフィーチャについて推定値を取得することができる。上記のように、CDへのプロセス全体の寄与度は特定のアンカーフィーチャに対して決定されたが、関心のある1つ以上の特定のフィーチャに対してスケーリングできる。さらに、1つ以上のタイプのリソグラフィ装置処理変数(焦点、焦点ぼけ及び/又は線量など)のCD寄与は、CD変動と1つ以上のタイプのリソグラフィ装置処理変数の間の1つ以上の特定のフィーチャに対する適切な感度に基づいて計算できる。そのような感度は、例えば、シミュレーション及び/又は実験によって得ることができる。したがって、複数のCD基板フィンガープリントを取得することができ、それぞれが異なるホットスポット又はパターンの他の対象フィーチャに対して使用できる。
【0118】
方法論は、例えば、1つ又は複数の関連モデル、例えばパターニングデバイス及び/又は収差モデルのパラメータを増やすことで改善できる。この方法論は、例えば、プロセス全体の寄与度を、異なるフィーチャに対する異なる感度で堆積、リソグラフィ、及び/又はエッチングなどさまざまな寄与に分割することで推定することで拡張できる。
【0119】
一実施形態では、パターニングプロセスの一部として適用される線量補正は、結果において補正することができる。例えば、リソセルは、例えばASMLのDosemapperシステムを使用して線量補正を適用できる。したがって、この修正は、CDの推定値の決定において考慮される。
【0120】
ここでオーバーレイの例を見ると、基板への少なくとも2つの異なるパターン転写からのデータが使用される。この技術は、フォーカスとCDに関して上記で説明したものと同様である。
【0121】
この手法には、本質的に2つの主要な部分が含まれる。最初の部分は、推定プロセスで特定の基板のオーバーレイの推定値を決定するために使用される1つ又は複数のタイプのリソグラフィ装置処理変数に反映されないリソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイの寄与を決定するセットアッププロセスである。オプションで、全体的なプロセスオーバーレイの寄与も、前述のCDの例の全体的なプロセスCDの寄与と同様に決定できる。2番目の部分は、特定の基板のオーバーレイの推定値を決定するために、少なくとも2つのパターン転写のそれぞれについて検討中の基板の1つ以上のタイプのリソグラフィ装置処理変数に関連するオーバーレイの寄与を使用する推定プロセスである。
【0122】
したがって、一実施形態によるセットアッププロセスでは、1つ以上の基板についてパターン付き基板オーバーレイ計測データが取得され、その後、少なくとも2つのパターン転写のそれぞれについて1つ以上のタイプのリソグラフィ装置処理変数の寄与が除去される。除去できる寄与の1つのタイプは、例えばリソグラフィ装置のレベリングセンサーから得られた基板高さマップのオーバーレイ寄与である。2つのパターン転写の基板高さマップの違いを見つけることができ、その差をオーバーレイ値に変換できる。例えば、基板の反り又は曲げとして高さの差を考慮し、X及び/又はYの変位を計算する第1原理を使用して、Zの高さの差をX及び/又はYの変位に変換できる(例えば、変位はZの変化対X又はYの変化×基板の厚さの半分、例えば基板の厚さ又は変位は、基板の非減衰領域などでキルヒホッフプレート理論を使用して計算できる)。一実施形態では、高さのオーバーレイ寄与への変換は、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は実験を通じて決定することができる。そのため、パターン転写ごとにこのような基板高さ情報を使用することにより、焦点又はチャックスポットによるオーバーレイの影響を観察し、説明することができる。
【0123】
除去できる寄与のさらなるタイプは、X及び/又はY方向(Z周りの回転を含む)のパターニングデバイス及び/又は基板サーボ制御(MAなど)のオーバーレイ寄与であり、該当するポジショナから取得できる。2回のパターン転写で基板全体のサーボ制御値に差が見られ、その差がオーバーレイの寄与を表すことがある。必要に応じて、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は実験を通じて、サーボ制御値からオーバーレイの寄与への変換を決定できる。
【0124】
除去できるさらなるタイプの寄与は、投影システムの収差(例えば、せん断干渉計から取得できる)及び/又は投影システムのオーバーレイ寄与である。収差及び/又は残差からオーバーレイの寄与への変換は、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は実験を通じて決定できる。
【0125】
除去可能な寄与のさらなるタイプは、アライメントシステムモデルの残差のオーバーレイ寄与であり、これはリソグラフィ装置によって提供され得る。残差からオーバーレイの寄与への変換は、シミュレーション、数学モデリング、及び/又は実験を通じて決定できる。一実施形態では、アライメントシステムモデルの残差は、異なるパターン転写ステップに対して異なる可能性があり、したがって、異なるパターン転写ステップのアライメントシステムモデル残差の組み合わせ/差を使用して、オーバーレイ寄与を取得できる。一実施形態では、アライメントモデルの残余は、基板の高さに対して補正することができる。
【0126】
必要に応じて、寄与フィンガープリントを同じグリッドに再グリッドできる。同様に、寄与フィンガープリントは、パターニング基板計測データに再グリッドすることができる。
【0127】
一実施形態では、リソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイの寄与を効果的に一度決定し、様々なオーバーレイ推定に使用することができ、したがって各基板の測定と比較して計測の量を大幅に減らすことができる。一実施形態では、パターニング基板オーバーレイ計測データは、基板上の位置(例えば、基板上の500以下のターゲット)及び/又は1つ以上のロットからの基板の数(例えば、25以上の基板のロットから10個より少ない基板)の比較的まばらなサンプリングによって得ることができる。
【0128】
一実施形態では、パターニング基板オーバーレイ計測データは、上記のようにモニタ基板の測定されたオーバーレイフィンガープリントであり得る。したがって、すでに捕捉されているデータを使用できる。そのため、測定されたオーバーレイフィンガープリントは、リソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイ寄与に到達するために、投影システムのオーバーレイ寄与、基板高さのオーバーレイ寄与、アライメントモデル残差のオーバーレイ寄与、又は、パターニングデバイス及び/又は基板サーボ制御のオーバーレイ寄与などのリソグラフィ装置センサ情報から導出されるリソグラフィ装置の影響に対して補正できる。一実施形態では、測定されたオーバーレイフィンガープリントデータは、製品基板の最初のパターン転写のために一度捕捉され、次に(パターン転写の間にモニタ基板の再加工を伴う)第二のパターン転写に対して捕捉される。一実施形態では、パターン付き基板オーバーレイ計測データは、最初のパターン転写後に1つ以上のモニタ基板から測定されたオーバーレイフィンガープリントと、後の1つ以上のモニタ基板から測定されたオーバーレイフィンガープリントとの差から得られるオーバーレイデルタフィンガープリントである。したがって、製品層とほぼ同時にモニタ基板のセットを露光することにより、短期ドリフトの観点でのオーバーレイへのリソグラフィ装置の寄与を定量化できる。すなわち、その後、デルタフィンガープリントをオーバーレイすることにより、第1及び第2のパターン転写間の短期間のドリフトによるフィールド間オーバーレイに対するリソグラフィ装置の寄与を得ることができる。
【0129】
随意的に、エッチング後オーバーレイが望まれる場合、エッチングプロセスからオーバーレイへの寄与を決定することができ、これはエッチングから生じるオーバーレイの変動である。エッチングプロセスオーバーレイ寄与を得るために、現像後だがエッチング前のパターニング基板計測データをエッチング後パターニング基板計測データから削除して、エッチングプロセスオーバーレイ寄与を得ることができる。一実施形態では、エッチングプロセスのオーバーレイ寄与は、効果的に一度決定され、オーバーレイ推定に使用され、したがって、計測の量は、各基板の測定と比較して大幅に削減され得る。一実施形態では、パターニング基板オーバーレイ計測データは、基板上の位置(例えば、基板上の500以下のターゲット)及び/又は1つ以上のロットからの基板の数(例えば、25以上の基板のロットから10個より少ない基板)の比較的まばらなサンプリングによって得ることができる。第1又は第2のパターン転写で誘導されたエッチングプロセスフィンガープリントは、現像後からエッチングオーバーレイ測定前と、第1又は第2のパターン転写の他のエッチング後のエッチングオーバーレイ測定後のデルタフィンガープリントで推定できる。各パターン転写は同じである。
【0130】
次いで、リソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイ寄与(及びオプションのエッチングプロセスオーバーレイ寄与)は、オーバーレイの製品上推定で使用するために保存される。リソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイの寄与は、複数のリソグラフィ装置に対して決定できる。リソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイの寄与は、使用されるリソグラフィ装置のデバイスの特定の組み合わせに対して決定され得る。例えば、リソグラフィ装置は、基板が露光される可能性のある複数の基板テーブル、したがって、リソグラフィ装置の下にあるオーバーレイの寄与は特定の使用されるデバイスの組み合わせ及び/又は複数の組み合わせを有する場合がある。エッチングプロセスオーバーレイの寄与は、特定の及び/又は複数の装置構成(例えば、1つ又は複数の特定のエッチングチャンバ)に対して決定することができる。
【0131】
次に、製品上推定のために、対象の基板について、オーバーレイに関連する1つ又は複数のタイプのリソグラフィ装置処理変数の誤差又は残差が取得され、そのオーバーレイ寄与が決定される。例えば、投影システムのオーバーレイの寄与、基板の高さのオーバーレイの寄与、アライメントモデルの残余のオーバーレイの寄与、及び/又はパターニングデバイス及び/又は基板サーボ制御のオーバーレイの寄与は、リソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイの寄与に到達するために、対象の基板について取得することができる。一実施形態では、基板高さのオーバーレイ寄与のみが取得される。
【0132】
さらに、上述のように、リソグラフィ装置の適用可能な基礎となるオーバーレイの寄与が得られ、オプションとして、適用可能なエッチングプロセスのオーバーレイの寄与が得られる。次に、リソグラフィ装置の適用可能な基礎となるオーバーレイの寄与(及びオプションとして、任意のエッチングプロセスのオーバーレイの寄与)が、上記に関して説明したのと同様に組み合わされる。
図9は、対象基板の推定オーバーレイフィンガープリントを取得するための、対象基板の1つ以上の特定のオーバーレイの寄与を示す。したがって、オーバーレイの推定値は、任意の基板上のほぼすべての場所で決定できる。
【0133】
一実施形態において、パターニングプロセスの一部として適用されるオーバーレイ補正は、結果において補正され得る。例えば、リソセルは、例えば、ASMLのBaselinerシステムを使用したモニタ基板の測定に基づいて、オーバーレイ補正を適用する場合がある。したがって、この補正は、オーバーレイの推定値の決定において考慮される。
【0134】
一実施形態では、多重パターニングプロセスにおいて、第1と第2のパターン転写ステップの間、露光条件とリソグラフィ装置条件の両方、例えば、露光量、パターニングデバイス透過率、パターニングデバイス資格誤差、照明設定、リソグラフィ装置の基板クランプ誤差などが非常に類似していることが望ましい。さらに、フィールド内レベルでの露光と加熱の特徴は、第1と第2のパターン転写ステップ間で類似していると予想されるため、オーバーレイに対するこのような影響は小さいはずである。
【0135】
さらに、一実施形態では、複数の予測を組み合わせることができる。例えば、オーバーレイ予測とCD予測を組み合わせることができる。例えば、異なるパターン転写ステップを使用して互いに隣接する構造を作成し、それらの構造間にギャップがある多重パターニング状況では、1つ以上の異なるパターン転写ステップのCD及び異なるパターン転写ステップのオーバーレイを組み合わせることで、オーバーレイ又はCDのみの推定よりもギャップのサイズをより正確に予測できる。
【0136】
図11は、一実施形態による方法のフローを概略的に示している。特に、リソグラフィ装置の基礎となる焦点の寄与、CDへの全体的なプロセスの寄与、及び/又はリソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイの寄与(及びオプションで適用可能なエッチングプロセスのオーバーレイの寄与)などの一般化された寄与を示す。対象の基板の特定の情報に適用して、基板の対象のパラメータの推定値を取得できる。したがって、寄与912は、例えばホットスポットについて、特定の基板の1つ又は複数の処理変数に対応する。これは、モデリングによって、デバイス情報などから決定できる。さらに、リソグラフィ装置の基礎となる焦点寄与、CDへの全体的なプロセス寄与、及び/又はリソグラフィ装置の基礎となるオーバーレイ寄与(及び任意で適用可能なエッチングプロセスオーバーレイ寄与)など、複数の基板に適用可能な寄与922が取得される。寄与922は、本明細書に記載された技術のいずれかを使用して取得され得る。寄与912は、複数の基板について(例えば、関心のあるあらゆる基板について)決定されてもよく、一方、寄与922は、多くの基板にわたって繰り返し使用されてもよい。寄与912及び寄与922を組み合わせることで、例えばホットスポットに関する対象のパラメータの推定値950が取得されるが、必ずしもホットスポットのパターニング基板計測データを取得する必要はない。ステップ970では、ホットスポットに欠陥があるかどうかが決定されるなどのアクションが、対象パラメータの推定に基づいて行われる。
【0137】
したがって、デバイスセンサーデータを活用してレジスト内及び/又はエッチング後の計測を強化し、例えば基板の密なサンプリングや基板ごとにパターニング基板計測データを取得する必要なく、基板ごとに高密度の計測を提供でき、すべてではないにしても多くの基板に計測を提供できる、計算された計測を取得できる。さらに、高密度の計算された計測により、例えば、より高次の補正が可能になる。計算された計測により、基板ごとの制御を含む、より優れた制御が可能になる。そのような基板ごとにパターニング基板計測データを取得する必要もなく、基板上でパターニング基板計測データを密に測定する必要もない。
【0138】
さらに、これらの計算された計測技術からの推定により、パターニングプロセス制御(1つ又は複数のプロセス変数の調整など)、パターニングプロセスの監視、障害検出、欠陥予測、パターニングプロセス設計などのさまざまなアプリケーションが可能になる。
【0139】
一実施形態では、(
図10を使用して導出されるなどの)導出寄与を使用して、関心のあるパラメータに対する1つ以上の処理変数の変化の寄与を決定する数学モデルをパラメータ化できる。すなわち、導出された寄与に対して数学的モデルを適合させ、それにより数学的モデルの1つ又は複数のパラメータ、定数などの値を取得することができる。そのため、一例として、プロセス及び/又は基板スタックの変化に適応するために、モデルとモデルで表される感度を持つことが望ましい。したがって、一実施形態では、測定されるすべての基板について予測される基板フィンガープリントを生成することができる。このため、関心のあるパラメータのモデル(例えば、CDの場合、CD=a
1*DOSE+a
2*FOCUS+a
3*MSDx+a
4*MSDy+a
5*MSDz+...)を確立できる。基板の測定により、前処理及び/又は後処理(トラック/エッチングなど)のフィンガープリントとパターニングデバイスのフィンガープリントを削除できる。残りのフィンガープリント測定値は、予測値と比較できる。この状況では、CD、線量、焦点、MSD-xyz、収差などがわかっている方程式のセット(測定ポイントと同じ数の方程式)がある。この方程式のセットは、必要な感度(a
1、a
2、...)について解くことができる。これを特定のデバイスパターンに対して測定された多数の基板に対して実行すると、必要な感度を再評価するためのデータがたくさんある。複数のリソグラフィ装置からのデータを使用する場合、及び/又は焦点露光マトリックス露光からのデータを同じ方法で使用する場合、入力信号(フォーカス、線量、MSD、CDなど)の十分な変動により、感度を適切に推定できる。さらに、この技術は、焦点深度、露光ラチチュード、オーバーレイ、エッジ位置など、関心のある他のパラメータに適用できる。
【0140】
一実施形態では、トレーニングアルゴリズムを使用して、さらなる精度を追加することができる。例えば、収差の感度が解決されると、境界条件を考慮することができる。収差はスリットでのみ変化し、これらの感度を調整する前にCD(又はオーバーレイ)データを事前にフィルタ処理できる。一実施形態では、感度は、時々又は連続的にそれらを再評価することにより、パターニングプロセスの変動に対してロバストになり得る。
【0141】
図6及びその関連する説明を再び参照すると、一実施形態では、パラメータ化モデル206の変数の1つ以上は、1つ以上の他の変数よりも計算された放射線分布に強い影響を及ぼし得る。例えば、1つ又は複数の変数のわずかな割合の変化によって、計算される放射線分布に大きな違いが生じる場合がある。このような変数は、強い変数と呼ばれる場合がある。強い変数には、フィーチャのクリティカルディメンションが含まれるが、これに限定されない。一方、1つ以上の他の変数の大幅な変化により、計算される放射線分布にわずかな差が生じる場合がある。このような変数は、弱い変数と呼ばれる場合がある。弱い変数には、フィーチャの側壁角、フィーチャの高さ、層の厚さ、現像中のレジスト損失、フィーチャのフーチング、層の屈折率、層の吸収、及び/又は層の吸光係数が含まれるが、これらに限定されない。
【0142】
パラメータ化モデル206の強い変数と弱い変数の両方が、パターニングプロセスの1つ又は複数のステップを評価するために、ユーザ(例えば、人間、制御システムなど)によって使用され得る。具体的には、スピンコーティング、PEB、開発、エッチング、堆積、ドーピング、パッケージングのようなリソグラフィ装置のパターン転写の上流又は下流の1つ又は複数のプロセスで使用できるターゲット30‘又は他のパターンに欠陥があるかどうかを判断するために、1つ又は複数の弱い変数が役立つ場合がある。例えば、基板上のパターンの側壁角が特定のしきい値を超えると、後続のエッチング中に1つ又は複数の欠陥が発生する可能性がある。そのようなものとして、エッチングによる可能性のある欠陥は、基板上のパターンの側壁角の値に基づいてエッチングプロセスが起こる前に予測され得る。そのような例は非限定的である。
【0143】
ただし、測定に直接基づいて弱変数の値を決定することは困難である。これは、検査システムで弱変数の値を決定するために使用される信号が通常非常に弱く、時には検出するには弱すぎるためである。さらに、特にパラメータ化されたモデルに多くの変数があり、強い変数の値が不明である場合、弱い変数の値を決定する一定レベルの精度を提供することは困難である。
【0144】
図6で説明した再構築プロセスを通じて、さまざまな用途(例えば、欠陥を予測する)で1つ以上の弱い変数のより正確な値を取得するには、1つ以上の強い変数の値(例えば、CD)再構成プロセス自体の外部のパラメータ化モデル内で決定することが好ましい。
【0145】
図12は、基板上の強い変数の値を決定する方法のフローを示す(これにより、基板上の強い変数の計測の実行を回避できる)。このプロセスを適用して、複数の異なる強い変数の値を取得することができる。示されるように、基板の強い変数1640は、リソグラフィ装置に関連する1つ以上の変数の第1のグループの第1の寄与1610(焦点、線量、MSD、収差、瞳孔形状、など、ダイ/フィールドごとに空間的に指定され、適用条件下で基板全体に繰り返されるか、又は基板全体に空間的に指定される)、リソグラフィ装置でのパターン転写前後での1つ又はそれ以上の製造プロセスに関連する1つ又はそれ以上の変数の第2のグループの第2の寄与1620(エッチング、現像など、基板全体に空間的に指定できる)、及びパターニングプロセスで使用されるパターニングデバイスに関連する1つ又はそれ以上の変数の第3のグループの寄与1630(マスクCDなどで、ダイ/フィールドごとに空間的に指定し、アプリケーション条件下で基板全体に繰り返し配置したり、空間的に指定したりすることができる)を組み合わせることで得られる。強い変数1640のフィンガープリントは、ターゲット30‘の部分など、基板の特定の部分について取得することができる。
【0146】
リソグラフィ装置に関係する1つ以上の変数の第1のグループは、上述のような1つ以上の変数であり得る。第1の寄与1610は、リソグラフィ装置固有のものであり得る。すなわち、第1の寄与1610は、特定の実際のリソグラフィ装置に固有のものである。一実施形態では、第1の寄与1610は、特定の基板に固有ではない(したがって、複数基板全体で使用することができる)。したがって、第1の寄与1610は事前に特徴付けられ、後で再構成プロセスのためにデータベースから取得されてもよい。この第1の寄与1610は、特定の基板及び感度関係に関する1つ以上の変数のデータと組み合わせることにより、特定の基板に適用することができる。第1の寄与1610は、基板固有のものであり得る。例えば、第1の寄与1610は、強い変数1640のフィンガープリントが基板又は基板のグループに特有であるように、各基板又は基板の特定のグループに対して決定されてもよい。変数の最初のグループの例には、照明の変数、投影システム、焦点、線量、帯域幅、露光時間、高周波ステージ移動の特性(例えば、移動標準偏差(MSD)基板ステージの移動、基板ステージの移動の移動平均など)、高周波レーザー帯域幅の変化(周波数、振幅など)、高周波レーザーの波長変化、及び/又は平面度基板がある。
【0147】
パターニングデバイスに関連する1つ又は複数の変数の第3のグループは、上記の1つ又は複数の変数であってもよい。第3の寄与1630は、パターン又はパターニングデバイス固有であり得る。すなわち、第3の寄与1630は、特定の実際のパターニングデバイス又はパターニングデバイスによって提供される特定のパターンに固有のものである。第3の寄与1630は、基板に依存しない可能性がある。したがって、第3の寄与1630は事前に特徴付けられ、後で再構成プロセスのためにデータベースから取得されてもよい。変数の第3グループの例には、マスクCD、アシストフィーチャの形状及び/又は位置、解像度向上技術(RET)によって適用される調整等が含まれる。
【0148】
リソグラフィ装置でのパターン転写の前又は後の1つ以上の製造プロセスに関連する1つ以上の変数の第2のグループは、上述の1つ以上の変数であり得る。第1の寄与1610と同様に、第2の寄与1620は、基板に依存しないか、基板に依存する場合がある。一実施形態では、第2の寄与1620は、あらゆる基板にわたって繰り返し使用されてもよい。したがって、第2の寄与1620は事前に特徴付けられ、再構成プロセス中にデータベースから取得されてもよい。1つ又は複数の変数の第2グループの例には、スピンコーティング、PEB、現像、エッチング、堆積、ドーピング及び/又は包装など、リソグラフィ装置のパターン転写の上流又は下流のプロセスのさまざまな特性が含まれるが、これらに限定されない。
【0149】
第1の寄与1610、第2の寄与1620及び/又は第3の寄与1630は、実験によって特徴付けられるか、又は例えば
図8から11のいずれかのフローを使用して、以前の生産データから取得され得る。一実施形態では、第3の寄与1630(すなわち、パターニングデバイスフィンガープリント)は、パターニングデバイスメトロロジーツールを使用してパターニングデバイスを直接測定することにより取得され得る。
【0150】
強い変数のフィンガープリント1640が決定された後、強い変数のフィンガープリント1640と強い変数の特定の値1650とを組み合わせることにより、強い変数1660の値を得ることができる。一実施形態では、強い変数の特定の値は、公称設計値とすることができる。一実施形態では、強い変数は、基板上の強い変数の測定値のグループの平均であってもよい。強い変数の測定グループは、基板上の2つ以上のダイの同じフィーチャに関して実行される。
【0151】
パラメータ化されたモデルの1つ以上の強い変数の値が与えられた場合(例えば、1つ以上の強い変数の値を固定するか、1つ以上の強い変数のそれぞれの値を所定の範囲内(例えば、10%、5%以内、3%以内、1%以内)に制限し、計算された放射線分布が測定された放射線分布に実質的に類似するか、又は計算された放射線分布と測定された放射線分布の差が所定の許容閾値内になるまで、1つ以上の弱い変数を調整してもよい。計算された放射線分布が測定された放射線分布と実質的に類似している場合、又は差が所定の許容閾値内にある場合、1つ又は複数の弱い変数の値が出力され得る。
【0152】
前述のように、1つ以上の弱い変数の値を使用して、露光後の1つ以上の下流プロセス、例えばPEB、レジスト層の現像、エッチング、堆積、ドーピング、及び/又はパッケージングによる欠陥があるかを予測するのに使用される。欠陥が予測される場合、1つ以上の変数の最初のグループ、1つ以上の変数の2つ目のグループ、及び/又は1つ以上の変数の3つ目のグループの1つ以上の変数の値を調整して、強い変数の新しいフィンガープリントを取得する。これは、1つ以上の弱い変数の値の新しいセットが上記のプロセスを使用して再構築される。そのような調整は、1つ又は複数の弱い変数の値の新しいセットに基づいて欠陥が予測されなくなるまで繰り返し実行されてもよい。
【0153】
上述の寄与/フィンガープリントのさらなる応用では、1つ以上の寄与/フィンガープリントを使用してパターンの輪郭を予測することができる。これに関連して、輪郭は、基板に転写されたパターンの特徴の形状の輪郭である。輪郭は、例えば、基板の画像(例えば、走査型電子顕微鏡画像)を処理して、基板に転写されたパターンフィーチャの形状の外側境界を抽出することにより視覚化することができる。ただし、数学的プロセス(シミュレーションなど)によって輪郭を生成して、基板に転写されると予想されるパターンフィーチャの電子表現を作成することもできる。通常、輪郭は線の形になるが、ここで使用する輪郭は、特徴の境界を記述するデータにより一般化することができる。輪郭は連続している必要はない。つまり、不連続なアウトライン及び/又はデータがフィーチャの境界を十分に記述している場合、アウトライン及び/又はデータはフィーチャの周囲で不連続になる可能性がある。一実施形態では、輪郭は二次元(すなわち、平面を定義する)又は三次元であり得る。一実施形態では、輪郭は、パターンが形成される基板の表面に実質的に平行な平面内に延びることができる。一実施形態では、輪郭は、パターンが形成される基板の表面に実質的に垂直な平面内に延びることができる。その場合、プロファイルとして特徴付けることができ、2次元又は3次元の形式にすることができる。
【0154】
輪郭を予測するには、ここで説明するように1つ以上の寄与/フィンガープリントを取得し、予測輪郭に到達するために特定の名目輪郭を選択及び/又は名目輪郭を修正するために使用できる。
図13を参照すると、輪郭の予測方法のフローチャートの実施形態が示されている。1700で、パターンの特徴の名目上の輪郭が決定される。一実施形態では、名目上の輪郭は、レジストで予想される輪郭である。一実施形態では、名目上の輪郭は、現像されたレジストで予想される輪郭である。
【0155】
一実施形態では、公称輪郭は、モデル及び/又はシミュレーションを介した数学的計算により取得することができる。一実施形態では、シミュレータ又はモデル、例えば、ASMLのTachyon製品などのシミュレータは、フィーチャのパターニングプロセスの1つ又は複数の処理変数の適用可能な設計値で、パターンのフィーチャの予想輪郭を決定できる。計算によって得られたこの輪郭は、公称輪郭として指定できる。同様に、シミュレータ又はモデルは、1つ又は複数の処理変数のさまざまな異なる値で輪郭を決定できる(例えば、異なるフォーカス設定又は条件、異なる線量設定又は条件、異なる投影システム収差設定などの1つ又は複数の光学設定又は条件、又は条件、異なる照明瞳形状の設定又は条件など)を使用して、フィーチャの複数の輪郭を取得する。各輪郭は、1つ又は複数の処理変数の異なる値である。計算によって得られたこれらの輪郭は、1つ以上の処理の異なる値に関連付けられた各公称輪郭を持つ公称輪郭として指定できる。一実施形態では、公称焦点は、異なる焦点設定又は条件に対して決定され、したがって、公称輪郭のそれぞれは、異なる焦点設定又は条件(最良焦点からの特定の分散など)に関連付けることができる。以下の説明はフォーカス設定又は条件に焦点を当てるが、公称輪郭は、フォーカスとは異なる設定又は条件に対して決定でき、設定又は条件のさまざまな組み合わせに対して決定できる。
【0156】
一実施形態では、公称輪郭が決定される1つ以上の他の処理変数に対する1つ以上の処理変数の影響が評価される。一実施形態では、評価される1つ以上の他の処理変数は、輪郭の形状及び/又はサイズに影響を与える1つ以上の処理変数である。したがって、焦点設定に対して公称輪郭が決定される実施形態では、1つ又は複数の他の処理変数(CDなど)に対する焦点の影響が決定される。一実施形態では、この影響は、フォーカス露光マトリックス(FEM)タイプのプロセスを使用して決定することができ、特定のパターンが少なくとも異なるフォーカス設定又は条件で評価される。これらの異なるフォーカス設定又は条件でのCDは、CDの変化がフォーカスによる変化の程度を評価するために決定できる。一実施形態では、上述の影響は、1つ以上の処理された基板を使用して実験的に決定することができ、その後、測定ツールにより測定される。一実施形態では、上述の影響は、シミュレータを使用して決定することができる。
【0157】
計算により公称輪郭を決定することに加えて、又はその代わりに、一実施形態では、公称輪郭を実験により取得することができる。例えば、パターニングプロセスの1つ又は複数の処理変数の適用可能な設計値で1つ又は複数の基板上にフィーチャを作成し、測定(例えば、走査型電子顕微鏡を使用)してフィーチャの輪郭を導き出すことができる。測定により得られたこの輪郭は、公称輪郭として指定できる。追加又は代替として、フィーチャは、1つ又は複数の処理変数(例えば、上記の1つ又は複数の光学設定又は条件)のさまざまな異なる値で1つ又は複数の基板上に作成し、測定することができる(例えば、走査電子顕微鏡を使用して)フィーチャの複数の輪郭を導き出すために、各輪郭は1つ以上の処理変数の異なる値にある。次に、測定によって得られたこれらの輪郭は、1つ以上の処理変数の異なる値に関連付けられた各公称輪郭を持つ公称輪郭として指定できる。そのため、特定の例として、各公称輪郭を異なるフォーカス設定又は条件(ベストフォーカスからの特定の分散など)に関連付けることができる。
【0158】
したがって、一実施形態では、名目上の輪郭は、輪郭の形状の指標を提供することができる。例えば、名目上の輪郭は、特定の焦点条件での輪郭の形状を示すことができる。したがって、複数の異なる焦点条件が得られた複数の名目上の輪郭の場合、各名目上の輪郭は、適用可能な焦点条件での予測された輪郭の形状の指標を提供できる。
【0159】
したがって、一実施形態では、さらに議論されるように、それぞれが1つ又は複数の処理変数(例えば、焦点)の異なる値に関連付けられる名目上の輪郭により、輪郭の形状は、公称輪郭を参照することで、より多くの処理変数について予測できる。1つ又は複数の処理変数の特定の値に対して公称輪郭が使用できない場合、補間、外挿などによって輪郭を生成できる。そのため、一例として、基板上の特定の位置にある任意の焦点値について、対象となる該当するパターンフィーチャの輪郭の形状を予測できる。
【0160】
したがって、1710で、名目上の輪郭が決定された1つ以上の処理変数について、最初の寄与/フィンガープリントを取得できる。最初の寄与/フィンガープリントは、ここで説明されている技術のいずれかを使用して取得できる。一実施形態では、この第1の寄与/フィンガープリントは、エッチング前の状況に対応する。
【0161】
一実施形態では、第1の寄与/フィンガープリントは焦点が合っており、したがって、一実施形態では、第1の寄与/フィンガープリントは基板全体の焦点マップである。一実施形態では、第1の寄与/フィンガープリントは、基板をパターニングするために使用されるリソグラフィ装置から得られたデータに基づいて生成することができる。例えば、リソグラフィ装置は、焦点情報(例えば、焦点残留誤差など)及び/又は高周波ステージ移動の特性(例えば、MSD)を提供して、焦点マップを構築することができる。
図14は、パターン形成プロセスのための例示的な焦点マップ1800を示し、異なる陰影は、公称焦点(例えば、最良焦点、平均焦点など)からの異なる分散を概略的に表す。
【0162】
1720で、第1の寄与/フィンガープリント1710を使用して、対象のフィーチャの名目上の輪郭を選択する。例えば、基板上の特定の位置で、関心のある特定のフィーチャについて、名目上の輪郭が決定された1つ以上の処理変数の値は、第1の寄与/フィンガープリント1710から決定され、次に、関連する公称輪郭を選択するために使用される。したがって、第1の寄与/フィンガープリント1710が焦点マップである例では、焦点マップ内の基板位置での焦点推定を使用して、輪郭の予測として関連する公称輪郭を取得することができる。したがって、予測された輪郭は、フィーチャごと及び基板位置ごとに決定できる。
【0163】
再び
図14を参照すると、このような選択の例が示されている。
図14では、最良の焦点における公称輪郭1810、1812、1814が示されている。ここで、名目輪郭1812に関連付けられたフォーカスマップ1800上の位置で、フォーカスマップは、フォーカスがベストフォーカス又はその付近にあったことを示す。したがって、その場所については、名目輪郭1812が予測輪郭として選択されるだろう。公称輪郭1810に関連付けられた場所の場合、フォーカスマップは、フォーカスが負のデフォーカス-Fにあったことを示す。したがって、その場合、公称輪郭1810を使用する代わりに、負のデフォーカス-Fに対して決定された公称輪郭、すなわち公称輪郭1820が選択される。
図14に示すように、名目輪郭1820にはフィーチャの特性があるが、負のデフォーカス-Fにより形状が異なる。同様に、名目上の輪郭1814に関連付けられた場所の場合、フォーカスマップは、フォーカスが正のデフォーカス+Fにあったことを示す。したがって、その場合、公称輪郭1814を使用する代わりに、正のデフォーカス+Fに対して決定された公称輪郭、すなわち公称輪郭1830が選択される。
図14に見られるように、名目上の輪郭1830は特徴の特徴を有するが、正の焦点外れ+Fにより異なる形状を有する。したがって、焦点が-Fの場合、最適な焦点の公称輪郭は形状を変更し、同様に、焦点が+Fの場合、最適な焦点の公称輪郭は形状を変更する。したがって、例えば、Fがベストフォーカスからの分散であり、+Fと-Fの絶対値が同じ場合、それぞれの輪郭形状の変化は
図14に示すように同じになる可能性がある。
【0164】
再び
図13を参照すると、1730で、名目上の輪郭が決定された1つ以上の処理変数以外の1つ以上の処理変数について、第2の寄与/フィンガープリントを取得することができる。第2の寄与/フィンガープリント1730は、本明細書で説明される技術のいずれかを使用して取得することができる。一実施形態では、第2の寄与/フィンガープリントは、エッチング後の状況に対応する。
【0165】
一実施形態では、第2の寄与/フィンガープリント1730はクリティカルディメンションであり、したがって、一実施形態では、第2の寄与/フィンガープリントは基板全体のクリティカルディメンションマップ(例えば、クリティカルディメンション均一性マップ)である。一実施形態において、寄与/フィンガープリントは、計測ツールを使用して、パターニングプロセスのエッチングステップ後のパターンを有する1つ以上の基板上で測定されたデータに基づいて生成され得る。
図15は、パターニングプロセスの例示的なクリティカルディメンションマップ1900を示し、異なるシェードは、公称クリティカルディメンション(例えば、設計クリティカルディメンション、平均クリティカルディメンションなど)からの異なる分散を概略的に表す。したがって、例えば、クリティカルディメンションマップ1800は、アンカーアスペクトで測定され、平均クリティカルディメンションの%としてプロットされたクリティカルディメンションを表すことができる。
【0166】
一実施形態では、第2の寄与/フィンガープリントの1つ以上の処理変数に対する第1の寄与/フィンガープリントに関連する1つ以上の処理変数の影響について第2の寄与/フィンガープリントが補正される。したがって、例えば、第1の寄与/フィンガープリントが焦点マップであり、第2の寄与/フィンガープリントがクリティカルディメンションマップである場合、第2の寄与/フィンガープリントは、焦点の影響(例えば、焦点情報(例えば、焦点残留誤差など)及び/又は高周波ステージの動きの特性))がクリティカルディメンションについて第2の寄与/フィンガープリントについて補正される。このような影響を判断する詳細は、上記で説明した。例えば、FEMを使用して、パターン転写ステップ中に発生するCDへのフォーカスの影響を分離し、エッチング後のCD測定からその影響を取り除くことができる。追加又は代替として、さまざまなリソグラフィ装置の測定信号を処理して、パターン転写中の焦点の推定値とそのCDへの影響に到達し、エッチング後のCDからその影響を除去することができる。理解されるように、補正は、第2の寄与/フィンガープリントに直接補正を組み込むこと、1740に関連して以下で説明するように値が第2の寄与/フィンガープリントから選択された後に補正を行うなど、さまざまな方法で行うことができる。
【0167】
1740で、第2の寄与/フィンガープリント1730を使用して、対象のフィーチャの名目上の輪郭を修正する。一実施形態では、公称輪郭は、1720で選択された公称輪郭である。ただし、1720での選択ステップを使用せずに、対象のフィーチャに対して所定の名目上の輪郭が既に選択されている場合、1720での選択をスキップできる(ただし、変更は実行される)。同様に、ステップ1720で公称輪郭が選択され、変更が必要ない場合、1740での変更をスキップできる。
【0168】
したがって、1740では、例えば、基板上の特定の場所で、特定の対象フィーチャに対して、1つ以上の他の処理変数の値が第2の寄与/フィンガープリント1730から取得され、その値が公称輪郭の適切な修正の決定に使用される。一実施形態では、修正は、名目上の輪郭のサイズの変化である。したがって、一例では、第2の寄与/フィンガープリント1730がクリティカルディメンションマップである場合、クリティカルディメンションマップ内の基板位置でのクリティカルディメンション推定を使用して、輪郭の予測として公称輪郭(例えば、1720で選択された公称輪郭)のサイズを変更することができる。したがって、予測された輪郭は、フィーチャごと及び基板位置ごとに決定できる。
【0169】
一実施形態では、第2の寄与/フィンガープリント1730から特定の位置で得られた1つ以上の他の処理変数の値は、関心のあるフィーチャ全体に適用されると想定される。したがって、第2の寄与/フィンガープリント1730で表されるフィーチャのクリティカルディメンションが特定のクリティカルディメンション(平均クリティカルディメンション)から特定の量(例えば5%)ずれている場合、フィーチャのすべてのクリティカルディメンションは同じ場所は同じ量だけ逸脱する。したがって、この仮定は、完全な輪郭がクリティカルディメンションの偏差と同じ量だけサイズ変更されることを意味する。したがって、基板上の特定の位置でのフィーチャの完全な輪郭サイズが、第2の寄与/フィンガープリント1730を取得するために測定された同じ位置でのアンカーアスペクトのクリティカルディメンションと比較的同じ量変化すると仮定すると、公称輪郭クリティカルディメンションがx減少するとxだけ収縮し、クリティカルディメンションがx増加すると公称輪郭がxだけ拡大する。変更は、輪郭全体に均一に提供される。
【0170】
再び
図15を参照すると、このようなサイズの変更の例が示されている。
図15では、公称輪郭1910、1912、1914が示されている。ここで、公称輪郭1912(ステップ1720を使用して選択できる)に関連付けられたクリティカルディメンションマップ1900上の位置で、クリティカルディメンションマップは、クリティカルディメンションが公称クリティカルディメンション(例えば、設計クリティカルディメンション、平均クリティカルディメンションなど)に対応する。したがって、その場所については、名目輪郭1912が予測輪郭として選択される。公称輪郭1910に関連付けられた場所の場合、クリティカルディメンションマップは、クリティカルディメンションが特定の量だけ低いことを示す(例:-x)。したがって、その場合、公称輪郭1910を使用する代わりに、公称輪郭1910は、予測された輪郭1920を取得するために特定の量(例えば、-x)だけ縮小される。
図15に見られるように、輪郭1920はフィーチャの特性を持っているが、クリティカルディメンションが小さいためにサイズが小さくなっている。同様に、公称輪郭1914に関連付けられた場所の場合、クリティカルディメンションマップは、クリティカルディメンションが特定の量(+xなど)だけ高いことを示す。したがって、その場合、公称輪郭1914を使用する代わりに、公称輪郭1914のサイズを特定の量(例えば、+x)だけ大きくして、予測された輪郭1930を取得する。
図15に見られるように、輪郭1930はフィーチャの特性を持っているが、クリティカルディメンションが高いためサイズが大きくなっている。したがって、クリティカルディメンションが-xの場合、公称輪郭は均一に収縮するが、形状は維持される。クリティカルディメンションが+xの場合、公称輪郭はサイズが均一に増加するが、形状は維持される。
【0171】
したがって、一実施形態では、これらの2つの仮定(すなわち、特定の1つ又は複数の処理変数(例えば、焦点)の値は輪郭形状を予測でき、特定の1つ又は複数の他の処理変数(例えば、CD)の値は輪郭サイズを予測する)、1つ以上の寄与/フィンガープリントから選択された値に基づいて、フィーチャの輪郭形状とサイズを予測できる。特に、基板上のすべての場所について、1つ又は複数の対象フィーチャの完全な輪郭を予測できる。一実施形態では、関心のあるフィーチャは、決定されたホットスポットである。
【0172】
特定の実施形態では、輪郭は、クリティカルディメンション及び焦点測定から予測される。特定の実施形態では、クリティカルディメンションと焦点のフィンガープリントを使用して輪郭が推定される。
【0173】
1750では、予測された輪郭をさまざまなアプリケーションで使用できる。例えば、輪郭をそれ自体で、又は1つ以上の他の輪郭と関連してチェックして、欠陥が予測されるかどうかを判断できる(例えば、ネッキング、ブリッジング、ラインプルバック、細線化、オーバーラッピング、レジストトップロス、及び/又はレジストアンダーカットについて1つ以上のチェックを行える)。この手法は、例えば、ブリッジングの欠陥を特定する場合に特に役立つ。これらの欠陥は、2つのフィーチャが互いに接触することによって発生し、原則として2つのフィーチャの輪郭上の任意のポイントで発生する可能性がある(特定のCD、フォーカス、及び/又はその場所のオーバーレイ条件によって異なる)。輪郭を使用すると、例えば、隣接するフィーチャのカットラインでの寸法の評価と比較して、このような欠陥のより堅牢な評価が可能になる。
【0174】
別の例として、輪郭を使用してエッジ配置位置及び/又はエラーを評価できる(ブリッジングなどの欠陥を識別するためにも使用できる)。実際には、この手法は、エッジ配置エラーを決定するために、計測の計算形式を提供できる。例えば、予測された輪郭を使用すると、「仮想」エッジ配置エラーを予測できる。これは、例えば、エッジ配置エラー駆動型のマルチパターニング欠陥予測で使用できる。したがって、エッジ配置エラーに起因する欠陥は、CD及びフォーカスフィンガープリントを使用して推定できる。
【0175】
予測された輪郭を使用して潜在的な欠陥を特定できる例は、スペーサとカットレイヤープロセスである。この例を
図16A-Cに示す。
図16Aは、パターン2010を使用して線2000が「切断」される例示的なスペーサカット層プロセスを示す。
図16Aは、ライン2000及びパターン2010が所望の整列、サイズなどにある公称プロセスを示している。このようなプロセスの結果は、パターン2010による中間線2000のクリーンカットになる。さて、
図13のプロセスは、
図16に概略的に示されるマップ1800及び1900を使用して適用され、線2000及びパターン2010の予測された輪郭の決定に到達することができる。
図16Bに示されているこの例では、パターン2010の輪郭のサイズが大きくなると予測されている(この例では形状は変更されていないが、変更されている可能性がある)が、ライン2000の予測された輪郭は期待される。ここで、
図16Cは、パターン2010の予測された輪郭がスペーサとカットのレイヤープロセスで使用された場合の結果を示す。2020に見られるように、パターン2010は、上線2000と下線2000の一部を不必要に切断する。したがって、一実施形態では、スペーサ及びカット層プロセスの予測される動作は、パターン2010を使用してライン2000を切断するときに潜在的な欠陥を生成するものとしてフラグを立てることができる。
【0176】
別の例として、予測された輪郭を使用して、リソエッチングリソエッチング(LELE)プロセスの潜在的な欠陥を判断することができる。この例を
図17A-Cに示す。
図17Aは、例示的なリソエッチング及びリソエッチングプロセスを示しており、ライン2100は、第1のリソエッチングプロセスで作成され、パターン2110は、第2のリソエッチングプロセスを通じてライン2100と交互配置される。
図17Aは、ライン2100及びパターン2110が所望のアライメント、サイズなどにある公称プロセスを示している。そのようなプロセスの結果は、パターン2110とライン2100の間の設計された分離になるだろう。ここで、
図13のプロセスは、
図17に概略的に示されるマップ1800及び1900を使用して適用され、線2100及びパターン2110の予測された輪郭の決定に到達することができる。
図17Bに示されるこの例では、パターン2110の輪郭はサイズが大きくなり形状が変化すると予測されたが、線2100の予測された輪郭は予想通りであると判定される。さて、
図17Cは、パターン2110の予測された輪郭がリソエッチング及びリソエッチングプロセスで使用された場合の結果を示している。2120で見られるように、パターン2110は、望ましくないほど下の線2100に近すぎる(例えば、フィーチャ間の間隔が特定の閾値未満である)。つまり、オーバーラップエリアであるか、最小距離要件に違反している。これにより、ブリッジングの欠陥が生じる可能性がある。さらに、パターン2110は、フィーチャが狭すぎるように形状が変化した(例えば、幅が閾値を下回った)ネッキング欠陥2130を有する可能性がある。したがって、一実施形態では、リソエッチング及びリソエッチングプロセスの予測された動作は、パターン2110がライン2100と関連して作成されるときに1つ又は複数の潜在的な欠陥を生成するものとしてフラグを立てられ得る。したがって、一実施形態では、多重露光LELEタイプのアプリケーションでの欠陥予測について、予測された輪郭は、欠陥インジケータ/カットラインのみを使用する場合と比較して、ネッキング及び/又はブリッジング欠陥の予測能力を改善できなければならない。
【0177】
予測された輪郭の別の可能な使用法では、モデルのキャリブレーション、特に光学近接効果補正モデルのキャリブレーションで予測された輪郭を使用できる予測された輪郭により、測定されたゲージ(輪郭)のエッチングフィンガープリント及び/又は焦点フィンガープリントの修正が可能になる。例えば、この予測された輪郭を使用して、エッチング後のマスクモデルの準備を調整できる。
【0178】
したがって、一実施形態では、この技術により、仮想基板からの輪郭予測が可能になる。したがって、この手法は、計測と計算を組み合わせて、計測することなく輪郭を生成する。一実施形態では、この技術により、適切なフィンガープリント(例えば、エッチング後のクリティカルディメンションフィンガープリント及びリソグラフィ装置の焦点フィンガープリント)が与えられると、基板全体の輪郭及びエッジ配置誤差の変動性の予測が可能になる。一実施形態では、この技法により、マルチパターニングの予測能力が向上する。一実施形態では、この技術は、予測された輪郭に基づくエッジ配置最適化を使用することにより、パターン制御を可能にする。
【0179】
さらなる実施形態では、本明細書に記載の技術をアライメント測定に適用することができる。当技術分野で知られているように、様々なアライメントマーク(例えば、回折格子の形で)が、少なくとも基板及びパターニングデバイス(例えば、マスク)上に提供される。アライメントマークは、基板テーブルなどの他の構造にも提供できる。アライメントマークをアライメントセンサーで測定して、基板の表面及び/又はパターニングデバイス上の平面内の1つ又は複数の特定の場所の空間位置を決定する(例えば、基板上の場所とパターニングデバイス)。測定された空間的位置は、例えば、パターンの基板への転写のX-Y平面における適切な位置決めを容易にするために、すなわち、パターンが基板のパターニング受け面上の適切な位置に提供されるために使用される。
【0180】
パターンが以前に基板に適用され、後続のパターンがその前のパターンと位置合わせされる必要がある場合、そのような適切な位置決めは特に重要である。パターンの不整合は、本書で説明するオーバーレイエラーとして特徴付けることができる。第1のデバイスパターンとその後に適用される第2のデバイスパターンとの適切な位置合わせを容易にするために、第1のデバイスパターンの生成時に第2のデバイスパターンの適切な位置決めに使用する位置合わせマークを生成することができる。例えば、第1のデバイスパターンを生成するためのパターニングデバイスパターンは、第1のデバイスパターンが基板に転写されるときに基板に転写される1つ以上のアライメントマークパターンを有することができる。したがって、第1のデバイスパターンに関連付けられた1つ以上のアライメントマークは、第1のデバイスパターンとともに処理されて、第1のデバイスパターンに関連付けられた基板の層にアライメントマーク構造を生成する。次に、第2のデバイスパターンを適用する必要がある場合、最初のデバイスパターンに関連付けられた1つ又は複数のアライメントマークを測定し(通常、レジストなどの1つ又は複数の層を上から重ねて)、例えば、第1のデバイスパターンに関連付けられた第2のデバイスパターンを正確に配置できるように、第1のデバイスパターンの位置を決定する。
【0181】
正確な位置合わせにより、優れたオーバーレイパフォーマンスが保証され、生産の歩留まりが向上する。しかし、デバイスを作成するために設計された基板のスペースの制約は、その基板のどこにでもアライメントマークを提供できないことを意味する(結局、その基板の大部分はデバイスを生成するためのパターンを適用するために使用されるべきである)。さらに、時間の制約により、製造システムの適切なスループット(例えば、1時間あたりに処理される生産基板の数)を維持しながら、生産中に測定できる生産基板あたりのアライメントマークの数が制限される。
【0182】
そのため、一般的な配置では、一定の数のアライメントマークが基板全体で測定され(通常、パターンがパターニングデバイスから転写される基板全体に複数のダイ/フィールドが広がる)、その基板上の場所の位置でかなりの空間カバレッジを提供する。例示的なスキームでは、基板アライメント計測シーケンスは、基板全体で20から100のアライメントマーク(位置)を測定できる。これらの測定の結果は、基板ごとに比較的低い空間周波数で基板全体の全体的なフィンガープリントを捕捉する。測定結果は、アライメント数学モデルと組み合わせて使用される。モデルの目的は、理想的なグリッドと比較したデバイスパターンフィーチャの転写された位置間の偏差を表すことである。これにより、例えば、モデルの出力に基づいてデバイス製造プロセスの装置による適切な補正を行うことができる。理解されるように、基板全体に20から100より多くのアライメントマークを設けることができるが、例えばスループットの制約のために20から100(例えば20から40)のアライメントマークのみがサンプリングされる。さらに、これらのサンプリングされたアライメントマークのすべて又は大部分は、デバイスパターンに使用できない領域、例えばスクライブレーンに提供することができる。
【0183】
しかし、この種のアライメントマークの比較的まばらなサンプリングでは、高い空間周波数で基板のフィンガープリントを捕捉しない。その結果、オーバーレイのパフォーマンスが低下する場合がある。
【0184】
局所効果を捕捉する(つまり、より高い空間周波数を取得する)ために、フィールド内アライメントスキームを使用できる。ただし、1つ以上の欠点がある。例えば、アライメントマークの比較的密な測定を実行する必要があるが、これはスループットに影響を与えることなく達成することはおそらく不可能である。さらに、貴重なダイ内スペースをアライメントマークで占有する必要がある。また、制約(スループットなど)により、フィールド内アライメントは、デバイス製造プロセスの装置(例えば、リソグラフィ装置)で修正できるパラメータよりも少ないパラメータに制限される場合がある。例えば、フィールド内アライメントのモデルは、6つのパラメータ(例えば、リソグラフィ装置がデバイスパターンの転写ごとに高次を補正できる場合でも、パターニングデバイスパターンの倍率(M)、z軸周りの回転(R)、x及びyの平行移動(Cx、Cy)、フィールドごとにy方向(My)、及びスキャンスキュー(RI))を有する。
【0185】
したがって、例えば、より多くのアライメントマーク測定(密なフィールド内アライメントなど)を実行する必要なく、より密なアライメントフィンガープリントを有することが望ましいであろう。そのため、ここで説明する手法では、比較的密なアライメントフィンガープリント(又はハイブリッド密アライメントマップ(HDAM))は、測定されたアライメントデータとアライメントの関連要因からのコンテキスト情報を組み合わせることによって計算される。つまり、オーバーレイやCDなどの他のパラメータの場合で同様に説明したように、フィンガープリントの組み合わせを組み合わせて、位置合わせのための派生フィンガープリントを取得できる。
【0186】
特に、生産において、例えば汚染、投影システムの収差、パターニングデバイスの書き込みエラー(すなわち、パターンの作成におけるエラー又はパターン作成デバイスによるエラーなど)、加熱、プロセス効果(化学機械平坦化(CMP)、エッチングなど)による基板高さの変動などの局所的な影響が、アライメントマークの少なくとも一部(及びデバイスパターン)の位置ずれを引き起こす。これらのローカルエフェクトの1つ以上は、比較的高い空間周波数のフィンガープリントを効果的に持つことができるが、通常、製造で使用されるアライメントマーク測定サンプリングでは捕捉されない場合がある(アライメントマークについてスループットや使用可能なダイ/フィールドスペースなどによって制約される)。
【0187】
したがって、一実施形態では、これらの局所効果の1つ又は複数のアライメント寄与が決定され、比較的低い密度でのアライメント測定と組み合わされて、より高い密度のアライメントフィンガープリントが生成される。1つ又は複数のさまざまな局所効果のアライメントへの寄与は、リソセル(例えば、リソグラフィ装置内)の他の計測測定から導出でき、及び/又は「オフライン」で計算/測定できる(つまり、HDAMが決定されているリソセルを介した特定の基板の処理中に計算又は測定する必要はない)。
【0188】
したがって、
図18は、複数の処理パラメータの寄与(1つ以上が派生寄与であり得る)の組み合わせである、基板のアライメントに対する派生寄与2275を取得する例を概略的に示している。したがって、導出された寄与2275は、例えば汚染による基板高さ2205、1つ又は複数のプロセス効果2210(化学機械平坦化(CMP)、エッチングなど)、加熱2215(例えば、基板の露光用のパターン付きビームを得るための照明ビームによるパターニングデバイスの)、投影システム異常2220、及び/又はパターニングデバイス書き込みエラー2225などの1つ又は複数の処理パラメータ(例えば、局所効果処理パラメータ)のそれぞれの寄与と組み合わされたアライメントマーク測定2200からの測定寄与を使用して取得できる。重要なことに、処理パラメータデータは、リソグラフィ装置又は他のパターニングプロセス装置から取得することができ、パターニングプロセスの一部として基板を製造する副産物であり得る。これらの1つ以上の処理パラメータに関連付けられた寄与は、必ずしもアライメントセンサーを使用した基板上のアライメントマークの測定が必要ではない。
【0189】
したがって、この位置合わせの場合、位置合わせマーク測定2200の位置合わせフィンガープリント(A‘)の例は、寄与2240として示され、基板の高さ又は非平坦性(SH)の位置合わせへの寄与の例は寄与2245(概略図は、基板全体の基板の高さデータを示し、このデータは、本明細書で説明するアライメントの対応する効果に変換できる)、1つ又はそれ以上のプロセス影響(PE)による例は寄与2250(概略図は、データ又はエッチング効果データなどの基板全体の1つ又はプロセス効果データを示し、必要に応じて、ここで説明するようにアライメントの対応する効果に変換できる)、加熱(RH)2215の位置合わせへの寄与の例は寄与2255(概略図はマスクの露光フィールド全体のマスク加熱データを示し、ここで説明するようにアライメントの対応する効果に変換できる)、投影システム収差(PA)2220の位置合わせへの寄与の例は寄与2260、パターニングデバイス書き込みエラー(RWE)2225による位置合わせへの寄与の例は寄与2265として示される。理解されるように、これらの寄与2245-2260のすべてを寄与2240と組み合わせる必要はない。むしろ、1つ以上の投稿2245-2260を寄与2240と組み合わせることができる。寄与は、必要に応じて、シミュレーション、数学モデリング、及び/又は測定/実験によって取得できる。例えば、寄与度は、物理モデル、経験的モデリング、及び/又は専用の測定に基づくシミュレーションによって取得できる。
【0190】
これらの寄与2245-2260の1つ又は複数をそれぞれ寄与2240と組み合わせて(2270)、導出された寄与2275を実現できる。要素2270はプラス記号を示すが、2270での演算は加算である必要はない。例えば、ニューラルネットワークなどを使用して乗算、畳み込みを行うことができる。操作は、1つ以上の寄与について、別の1つ以上の寄与とは異なる場合がある(例:寄与2245と2250の寄与2240への加算、及び合計と1つ以上の寄与2255から2265との畳み込み)。例では、アライメントに対する結合された寄与は、A(x,y)=A‘(x,y)+b1*F(SH)(x,y)+c1*F(PE)(x,y)+d1*F(RH)(x,y)+e1*F(PA)x,y)+f1*F(RWE)(x,y)....と表現できる。さまざまな関数が、シミュレーション、数学モデリング、及び/又は実験によって取得できる。さらに、ここに示されていないクロスタームがある場合がある(RHとPAの積の関数としてのフォーカスなど)。アライメントの絶対値を取得するために、アライメントの公称値又はシミュレートされた値を寄与と組み合わせることができる。b1、c1などの係数は、それぞれの処理パラメータ又はそれらの関数に対するアライメントの感度である。寄与の一部は基板全体にわたるものである(例えば、プロセス効果、基板の高さ、非平坦性など)。一実施形態では、1つ又は複数の寄与(例えば、加熱の寄与(RH)2215、投影システムの収差(PA)2220、パターニングデバイスの書き込みエラー(RWE)2225など)がダイ/フィールドごとにある(各インスタンスで適用可能な条件に依存して基板全体に繰り返されてもよい)。上記のように、寄与2275は、基板/ダイ/フィールド全体に空間的に定義できるため、フィンガープリントとして特徴付けられる。さらに、絶対値への寄与の変換は、基板/ダイ/フィールド全体で空間的に定義できるため、フィンガープリントとして特徴付けられる。理解されるように、パターニングプロセスを使用した複数の基板の処理からのデータを使用して、それぞれの寄与を導き出すことができる。このデータは、基板処理の副産物である可能性があるため、すでに入手可能である。
【0191】
局所効果に関連する処理パラメータの例に戻ると、基板の高さ又は非平坦性のアライメントへの寄与2205は、基板内の面内変位に変換されたレベリング基板の高さマップである(例えば、基板あたり5000ポイント以上、10,000ポイント以上、20,000ポイント以上、又は50,000ポイント以上があってもよく、アライメントの寄与に対応する対応する面内変位)。アライメントに影響し、基板の高さ又は非平坦に対応する面内変位は、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は測定/実験により取得できる。そのため、面内変位に変換されたプロセス誘発汚染に敏感なレベリング測定を使用して、アライメント測定をより高密度に洗練及び強化することができる。一実施形態では、レベリング測定は、アライメント測定が行われるときの基板の状態に関するものである。したがって、実施形態では、基板の高さ又は非平坦性に関連するフィンガープリントは、検討中の特定の基板に固有のものであり得る。
【0192】
3D-NANDなどの特定の技術を使用すると、レベリング基板の高さマップは、1つ又は複数のプロセス依存性アーチファクトを削除した後、特にフィールド内レベルでアライメントの変位をプローブできる(例えば、より多くのレベリングポイントが使用される)。光学式レベルセンサーで知られているように、異なる基板、及び基板の異なる部分は、放射線の測定ビームと異なる方法で相互作用する。言い換えると、レベルセンサーによって取得された高さの測定値は、プロセスに依存する影響を受けやすく、常に真の高さを与えるとは限らない。特に、基板から反射された光がいわゆるグース-ヘンヒェンシフトを受けると、見かけ上の表面のくぼみが生じることが知られているこの効果は材料によって異なり、いくつかの層の構造と材料に大きく依存する。したがって、見かけの表面のくぼみは、層ごと、及び基板全体の領域間で大幅に異なる場合がある。例えば、金属化された領域は、主に誘電体のある領域よりも確実に光を反射する。したがって、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,265,364号、米国特許出願公開第US2010/0233600号及び米国特許出願公開第US2016-0370711号などの1つ又は複数の技術を、1つ若しくはプロセスの依存アーチファクトを修正及び/又は識別するのに使用できる。
【0193】
局所的効果に関連する処理パラメータに起因する別の寄与は、1つ以上のプロセス効果に関連するフィンガープリントである(例:エッチング、CMP、及び/又はリソグラフィパターン転写ステップ以外の処理からの1つ以上の他のプロセスステップ)。1つ又は複数のプロセス効果のデータは、例えば、
図3から6に関して図示及び説明される計測装置を使用する「オフライン」測定を使用して決定することができる。一実施形態では、1つ又は複数のプロセス効果のフィンガープリントは、上記のように決定された導出寄与であり得る。1つ以上のプロセス効果に対応するアライメントに影響する面内変位は、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は測定/実験によって取得できる。一実施形態では、プロセス効果データは、アライメントマークに基づいて特定のリソグラフィパターン転写ステップに対してアライメント測定が行われる前に、アライメントマークの作成に関連付けられる。一実施形態では、検討中の基板が同じプロセス効果を受ける場合、プロセス効果に関連付けられたフィンガープリントは、処理される特定の基板に依存しなくてもよい。しかし、場合によっては、プロセス効果に関連付けられたフィンガープリントは、異なる基板がプロセス効果の異なる値の影響を受ける可能性がある特定の基板に固有のものである場合がある。
【0194】
さらに可能な処理パラメータは投影システムの収差であり、これはパターンシフトを引き起こす可能性がある。一実施形態では、投影システムの収差は、センサ(例えば、収差及び他のパラメータを測定するために使用される干渉計タイプの測定装置であるASMLのILIASセンサ)を使用してリソグラフィ装置で測定できる。一実施形態では、アライメントマークパターンシフトの投影システム収差は、センサによって測定された収差残差に基づいて計算される。投影システムの収差に対応するアライメントに影響する面内変位は、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は測定/実験により取得できる。一実施形態では、投影システムの収差データは、そのアライメントマークに基づいて特定のリソグラフィパターン転写ステップに対してアライメント測定が行われる前に、アライメントマークの作成に関連付けられる。一実施形態では、投影システムの収差に関連するフィンガープリントは、ダイ/フィールドについて決定され、その後、基板全体の1つ以上の他のダイ/フィールドに対して繰り返し適用され得る。したがって、投影システムの収差に関連するフィンガープリントは、処理される特定の基板に依存しない場合がある。
【0195】
加熱は、パターンシフトを引き起こす可能性がある別の可能な処理パラメータである。一実施形態では、加熱は、パターニングデバイス(例えば、マスク)の加熱及び/又は投影システムの加熱である。一実施形態では、加熱は、パターン転写のための照明へのパターニングデバイス及び/又は投影システムの長時間の露光によるものである。一実施形態では、加熱は、センサ(例えば、温度センサ)を使用してリソグラフィ装置で測定することができる。一実施形態では、加熱は、1つ以上のパターニングデバイス及び/又は投影システムの特性(例えば、熱材料特性)及び照射線量を使用する第1原理に基づいて計算され得る。加熱に対応するアライメントに影響する面内変位は、シミュレーション、数学的モデリング及び/又は測定/実験により取得できる。一実施形態では、加熱は、そのアライメントマークに基づいて特定のリソグラフィパターン転写ステップに対してアライメント測定が行われる前に、アライメントマークの作成に関連付けられる。一実施形態では、加熱に関連するフィンガープリントは、ダイ/フィールドについて決定され、その後、基板全体にわたって1つ以上の他のダイ/フィールドに対して繰り返し適用され得る。したがって、加熱に関連するフィンガープリントは、処理される特定の基板に依存しない場合がある。
【0196】
パターニングデバイスの書き込みエラーは、さらに可能な処理パラメータであり、パターンシフトを引き起こす可能性がある。一実施形態では、パターニングデバイスの書き込みエラーは、パターニングデバイス自体に、又はそれによってパターンを形成することに関連するエラーである。例えば、マスクの吸収体のパターンは完全には作成されない場合があり、したがって、設計されたパターンからの変動は、パターニングデバイスの書き込みエラーとして特徴付けられる。一実施形態では、計測装置を使用した「オフライン」測定によってパターニングデバイスの書き込みエラーを取得することができる。パターニングデバイスの書き込みエラーに対応する、アライメントに影響する面内変位は、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は測定/実験によって取得できる。一実施形態では、パターニングデバイスの書き込みエラーは、そのアライメントマークに基づいて特定のリソグラフィパターン転写ステップに対してアライメント測定が行われる前に、アライメントマークの作成に関連付けられる。一実施形態では、パターニングデバイスの書き込みエラーに関連するフィンガープリントは、ダイ/フィールドについて決定され、その後、基板全体の1つ以上の他のダイ/フィールドに対して繰り返し適用され得る。したがって、パターニングデバイスの書き込みエラーに関連するフィンガープリントは、処理される特定の基板に依存しない場合がある。
【0197】
サーボ制御(X、Y、及び/又はZの移動平均(MA)及び/又は移動標準偏差(MSD))、パターニングデバイス形状(Z方向曲げなど)、パターニングデバイスのペリクルの衝撃、投影システムの基準軸の変動など他の可能なプロセスパラメータに関する情報を、可能な場合には含むことができる。アライメントに影響する対応する面内変位は、シミュレーション、数学的モデリング、及び/又は測定/実験により取得できる。一実施形態では、1つ以上の処理パラメータ(例えば、パターニングデバイスの形状、ペリクルの影響、投影システムの基準軸など)は、そのアライメントマークに基づいた特定のリソグラフィパターン転写ステップについてアライメント測定が行われる前にアライメントマークの作成に関連付けられる。これらの1つ又は複数の他の可能な処理パラメータに関する情報は、リソグラフィ装置(又はリソセル)の計測測定から、「オフライン」計測測定から、又は計算(例えば、シミュレーション、較正数学モデル、第一原理など)に由来する。
【0198】
そのため、アライメント測定データと、局所効果に関連する1つ以上の処理パラメータによるアライメントへの影響を組み合わせることにより(どの処理パラメータデータが、例えばリソグラフィ装置又は他のリソセル計測データであり、及び/又はプロセス及びアプリケーションに依存する可能性がある)、例えば、リソグラフィパターン転写の制御のためのプリリソグラフィーパターン転写出力であるハイブリッド高密度アライメントマップ(HDAM)を計算することができる。ハイブリッド高密度アラインメントマップは個別のソースから取得したデータを使用するため、この計算ベースの計測では、プロセスとアプリケーションの寄与度を別々に示すことができる。
【0199】
HDAMを計算するための特定の非限定的なワークフローの例を
図19に示す。つまり、
図19は、位置合わせのための結合寄与を導出する例を模式的に示す。ここで、例HDAM2275は、
図18のワークフロー例にリストされている最初の4つの入力を使用して作成される。この例では、検討中の特定の基板のアライメントマーク測定のアライメントフィンガープリント2240は、アライメント測定では得られないが前述のようにアライメントへの効果に変換される3つの他の寄与と組み合わされ、HDAM2275が得られる。他の3つの入力は、基板の高さ又は非平坦度2205の位置合わせへの寄与2245(概略図は、基板全体の基板高さデータを示し、このデータは、ここで説明する位置合わせの対応する効果に変換できる)、化学機械的平坦化(CMP)、エッチングなどの1つ又は複数のプロセス効果の位置合わせへの寄与2250(概略図は、基板全体の1つ又は複数のプロセス効果データ(エッチング効果データなど)を示し、データは必要に応じて、位置合わせに対応する効果に変換できる)、パターニングデバイス加熱のアライメントへの寄与2255(概略図は、マスクの露光フィールド全体のパターニングデバイス加熱データを示しており、このデータは、説明した基板のアライメントに対する対応する効果に変換でき、ダイ/フィールドでの効果は、基板全体で繰り返すことができる)である。理解されるように、HDAMを形成するのに適切なように、さまざまな寄与を再グリッド及び/又はスケーリングすることができる。さらに、HDAMの全体的な密度を調整するために、さまざまな寄与の密度を必要に応じて調整できる。したがって、アライメントデータと1つ以上の処理パラメータのアライメント効果を組み合わせることにより、アライメントデータのみよりも非常に密度の高い計算されたアライメントマップを作成できる。
【0200】
HDAMはさまざまな目的に使用できる。使用例は、パターニングプロセスの制御への入力としてである。例えば、HDAMは、リソグラフィ装置のパターン転写の制御への入力であり得る。その点で、リソグラフィ装置の補正を決定するために使用されるフィールド間及び/又はフィールド内基板アライメントモデルの入力として使用できる。組み合わされた高密度アライメント基板マップは、フィールド間レベルとフィールド内レベルの両方で高密度計測情報を提供するため、アライメントデータが単独で使用される場合よりも制御ループの一部として高次基板アライメントモデルの使用をサポートできる。
【0201】
ユースケースと入力データに応じて、フィールド間レベルとフィールド内レベルの両方で、必要に応じてアライメント密度を高めることができる。生産で使用される一般的なアライメント手法と比較して、このような高密度計測により、高次フィールド間及び/又はフィールド内アライメントモデルが可能になる。モデルコンテンツの精度が高くなる可能性があり(高次アライメントモデルの場合)、基板ごとのレベルでのオーバーレイパフォーマンスが向上する。例えば、
図20は、既存のアライメント測定方式に従って決定されたフィンガープリントを使用して修正されたパターニングプロセスが、オーバーレイエラーフィンガープリントに変換される方法の例を概略的に示す。アライメントフィンガープリント2240は、既存のアライメント測定技術を使用して取得され、アライメントモデルを使用してパターニングプロセスを修正するために使用される。修正されたパターニングプロセスのオーバーレイフィンガープリントは、2300として示される。フィンガープリント2300に見られるように、かなり大きな数のベクトルがあり、基板全体のさまざまな位置に比較的重大なオーバーレイエラーがあることを示す。これと比較して、
図21は、本明細書で説明するように計算されたアライメントの導出フィンガープリントを使用して修正されたパターニングプロセスがオーバーレイエラーにどのように変換されるかの例を概略的に示す。派生フィンガープリント又はHDAM2275は、本明細書に記載の技術を使用して取得され、アライメントモデル(アライメントフィンガープリント2240のみに使用されるよりも高次のモデルであり得る)を使用してパターニングプロセスを修正するために使用される。この例では、HDAMの基板あたりのサンプリング位置は約1000であり、生産中にアライメント測定のみを使用する場合よりも大幅に高く(生産の時間的制約がある場合)、アライメント測定を使用する場合よりもデバイス上のパターンカバレッジが非常に高くなり、生産中に単独で(アライメントマークの配置にインダイ/フィールドスペースの制約がある場合)修正されたパターニングプロセスのオーバーレイフィンガープリントは2310として示されている。フィンガープリント2310に見られるように、比較的大きなベクトルはほとんどなく、基板全体の様々な位置に比較的重大なオーバーレイエラーがほとんどないことを示す。実際、例では、既存のアライメント手法と比較して、アライメント計測を使用してハイブリッド高密度の出力から計算された高次補正後、オーバーレイを大幅に改善できる(例えば、オーバーレイ[平均プラス3標準偏差]を4nmから1nmに低減)。
【0202】
一実施形態では、寄与又はHDAMを分析して、起こり得る重大なアライメントエラー又は残差(例えば、汚染問題による)を識別することができる。これは、例えば、データの統計分析、データに対するしきい値の適用、又はその両方によって実行できる。大幅なアライメントエラーがある場合、計測サンプリングを再分散(例えば、増加、空間集中など)して、計算計測入力の改善を可能にし、及び/又はモデリングの複雑さを改善でき(例えば、高次モデルを提供し)、例えば、基板の不必要な手直しを回避し、パターニングプロセスの改善された動作を可能にすることが望まれる。例として、基板対基板レベルでの支配的な加熱寄与の場合、この計算計測は、フィールド内レベルで高い計測密度を提供することにより、スループットヒットなしで、かつ大スペースを犠牲にすることなく高次のフィールド内基板アライメントモデルを使用できるようになる。
【0203】
したがって、一実施形態では、アライメント測定値以外のデータに基づいてハイブリッド密集アライメントマップを構築できる計算ベースのアライメント計測法が提供される(例えば、アライメントセンサー以外のリソグラフィ装置センサによる測定からのデータなど、パターニングプロセスにおける他のセンサからの測定からのデータ)。HDAMは「インライン」で作成でき、HDAMを修正に使用できるリソグラフィパターン転写ステップの前に作成できる。これにより、HDAMデータを、例えばフィードフォワード方式で使用したり、パターン転写の直前又は途中で修正したりすることができる。一実施形態では、ハイブリッド密集アライメントマップは、アライメント測定のような「インライン」と組み合わせることができる「オフライン」計測(例えば、パターニングデバイスの書き込みエラー、プロセス効果(CMP、エッチングなどの効果)からの測定に基づいて構築することができる。
【0204】
計算ベースのアライメント計測は、アライメント測定データと比較して基板アライメントフィンガープリントの密度を高めたハイブリッド高密度アライメントマップを、例えば、基板処理スループットの低下を引き起こさずに、及び/又は基板内のスペースを犠牲にすることなく構築できる。計算ベースのアライメント計測では、ハイブリッド高密度アライメントマップを構築できる。これにより、アライメント測定データだけと比較して、ハイブリッド高密度アライメントマップに基づいた高次フィールド内アライメントが可能になる。一実施形態では、ハイブリッド密集アライメントマップへの寄与のうちの1つ以上は、物理モデルを使用して決定することができ、それによりモデルフィッティングを回避することができる。例えば、加熱に起因するパターンシフトによる(オフライン)シミュレーション又はモデルベースのアライメントフィンガープリントをフィールド内レベルで計算できる。これにより、高次フィールド内基板アライメントが可能になり、基板間レベルでの支配的な変位を補償できる。さらなる例として、光学収差誘発パターンシフトに起因する(オフライン)シミュレーション又はモデルベースのアライメントフィンガープリントを計算して、フィールド内基板アライメントモデルの使用など、フィールド内レベルで高密度計測データを生成することができる。別の例として、パターニングデバイスの書き込みエラーに起因するパターンシフトによる(オフライン)シミュレーション又はモデルベースのアライメントフィンガープリントを計算して、フィールド内基板アライメントモデルの使用など、フィールド内レベルで高密度計測データを生成できる。加熱、光学収差、及び/又はパターニングデバイスの書き込みエラーの測定値を、それぞれのアライメントフィンガープリントの決定に入力することができる。
【0205】
HDAMの利点は、既存のアライメント測定プロセスと比較して高い密度のアライメント計測であり、例えば、既存のアライメント測定プロセスよりも高い空間周波数で基板フィンガープリントを捕捉できることである。追加又は代替の利点は、複数の入力(寄与)を備えたこの計算メトロロジーにより、リソグラフィ前のエラーのクラスタリングと、パターニングプロセスの優先度が異なる複数の自動プロセス制御スレッドを含めることができることである。追加又は代替の利点は、彼の計算メトロロジーを「インライン」で、つまり基板の処理中に実行できるため、フィードフォワード補正に適していること、及び/又はプロセスの偏位を識別するツールとして適していることである(基板ができるように再加工、廃棄など)。追加又は代替の利点は、これが計算計測により、サンプリング密度が高いため、アライメントの基板フィンガープリントのより正確な捕捉を決定できる。追加又は代替の利点は、この計算メトロロジーにより、より正確な位置合わせ入力により、オーバーレイ基板対基板のパフォーマンスを改善できることである。
【0206】
本明細書の方法の結果(又は本明細書の方法の結果に由来する別の結果(例えば、欠陥予測))は、パターニングプロセス又はその中の装置の制御、パターニングプロセスにより生産された基板のモニタリング、パターニングプロセスのプロセス又は装置の設計などを含む様々な目的に使用できる。例えば、結果又はそこから導出される別の結果を使用して、基板のさらなる処理又は別の基板の処理のためにパターニングプロセスの装置又はプロセスを変更することができる。例えば、結果を使用して欠陥を予測できる。欠陥の予測は、例えば、計測ツールを制御して、影響を受ける領域を検査し、及び/又は基板のさらなる処理又は別の基板の処理のためにパターニングプロセスの装置又はプロセスを変更するために使用できる。さらに、結果を使用して、例えば、リソグラフィ装置の補正のための線量レシピを導出し、パターニングデバイス及びそのパターンの設計、プロセスのセットアップなどを可能にすることにより、パターニングプロセスを設計することができる。さらに、結果は、モデルのキャリブレーション、例えば、光学近接効果補正モデル、ソースマスク最適化モデル、リソグラフィ製造検査モデル、レジストモデル、イメージングモデル、測定モデルのキャリブレーション(例えば、測定プロセス)などその結果を使用して、プロセスの1つ以上の変数(例えば、最適な曝露及び/又は最適な線量)を決定し、さまざまな目的に使用できる。理解されるように、他の多くの用途があり得る。
【0207】
一実施形態では、以下を含む方法が提供される。デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第1のパラメータの第1の分布を決定し、デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第2のパラメータの第2の分布を決定し、ハードウェアコンピュータにより、第1及び第2の分布で動作する関数を使用して、デバイス製造プロセスに関連する関心のあるパラメータの分布を決定する。
【0208】
一実施形態では、第1のパラメータ、第2のパラメータ、及び関心のあるパラメータは同じである。一実施形態では、第1の分布はデバイス製造プロセスに固有であるが、デバイス製造プロセスを使用して処理される特定の基板に固有ではない。一実施形態では、第2の分布は、デバイス製造プロセスを使用して処理された特定の基板に固有であるが、デバイス製造プロセスを使用して処理された他の基板に一般的ではない。一実施形態では、第1の分布及び/又は第2の分布は、それぞれの第1及び/又は第2のパラメータへのサーボエラーの寄与、それぞれの第1及び/又は第2のパラメータへのアライメントモデル残差の寄与、それぞれの第1及び/又は第2パラメータへの投影システム収差又は像面偏差の寄与、それぞれの第1及び/又は第2パラメータへの投影システムモデル残差の寄与、及び/又はそれぞれの第1及び/又は第2パラメータへの基板表面高さの寄与から選択される1つ以上を含む。一実施形態では、第1の分布を決定することは、第1のパラメータの測定データを取得し、そこからデバイス製造プロセスの特定のデバイスの第1のパラメータへの寄与を除去することをさらに含む。一実施形態では、特定のデバイスの寄与は、サーボエラーの寄与、アライメントモデル残差の寄与、投影システム収差又は像平面偏差の寄与、投影システムモデル残差の寄与、及び/又は基板表面の高さの寄与から選択される1つ又は複数を含む。一実施形態では、測定された第1のパラメータデータは、モニタ基板から測定された第1のパラメータデータを含む。一実施形態では、第1の分布、第2の分布及び/又は関心のあるパラメータの分布は、空間的な基板フィンガープリントを含む。一実施形態では、方法は、対象パラメータの分布を使用して、基板の欠陥を予測し、デバイス製造プロセスを制御し、デバイス製造プロセスを監視し、デバイスの態様を設計し、製造プロセス、及び/又は数学モデルの較正することから選択される1つ以上を実行することをさらに含む。一実施形態では、第1のパラメータ、第2のパラメータ及び/又は関心のあるパラメータは、オーバーレイ、CD、焦点、線量、及び/又はエッジ位置から選択される1つ以上である。一実施形態では、デバイス製造プロセスは、リソグラフィプロセス及び/又は半導体製造プロセスを含む。一実施形態では、関数は、算術加算、畳み込み及び/又はニューラルネットワークから選択される1つ又は複数を含む。一実施形態では、第1のパラメータ及び/又は第2のパラメータは、対象のパラメータとは異なり、第1のパラメータ及び/又は第2のパラメータを対象のパラメータにさらに含む。一実施形態では、この方法は、デバイス製造プロセスで使用されるリソグラフィ装置及び/又はエッチング装置によって提供されるデータを使用して、第1の分布及び/又は第2の分布を決定することをさらに含む。
【0209】
一実施形態では、以下を含む方法が提供される。パターニングプロセスの一部としてオーバーレイへのリソグラフィ装置の基礎となる寄与を取得し、ハードウェアコンピュータによって、基礎となる寄与を基板のオーバーレイへのさらなる寄与と組み合わせて、基板のオーバーレイの推定値を取得する。
【0210】
一実施形態では、さらなる寄与は、オーバーレイへの基板の基板表面高さの寄与を含む。一実施形態では、さらなる寄与は、オーバーレイへの基板の基板サーボエラーの寄与を含む。一実施形態では、さらなる寄与は、アライメント及び/又は投影システムモデルの残差の寄与を含む。一実施形態では、この方法は、基礎となる寄与及び基板表面の高さの寄与と、基板のオーバーレイに対するエッチングプロセスの寄与とを組み合わせることをさらに含む。一実施形態では、エッチングプロセスの寄与は、パターニングプロセスに固有であるが、パターニングプロセスを使用して処理される特定の基板に固有ではない。一実施形態では、基礎となる寄与は特定のパターニングプロセスに固有であるが、パターニングプロセスを使用して処理される特定の基板に固有ではない。一実施形態では、基礎となる寄与を取得することは、測定されたオーバーレイデータを取得し、そこからリソグラフィ装置の特定のコンポーネントのオーバーレイへの寄与を除去することをさらに含む。一実施形態では、特定の成分の寄与は、サーボエラーの寄与、アライメントモデル残差の寄与、投影システム収差の寄与、投影システムモデル残差の寄与、及び/又は基板表面の高さの寄与である。一実施形態では、測定されたオーバーレイデータは、モニタ基板から測定されたオーバーレイデータを含む。一実施形態では、寄与は空間的な基板フィンガープリントを含む。一実施形態では、この方法はさらに、推定値を使用して、基板の欠陥を予測し、パターニングプロセスを制御し、パターニングプロセスを監視し、パターニングプロセスの態様を設計し、及び/又は数学モデルを校正することを含む。
【0211】
一実施形態では、以下を含む方法が提供される。デバイス製造プロセスを実行する際に、測定されたアライメントデータの第1の分布を決定し、デバイス製造プロセスの処理パラメータから導出されたアライメントデータの第2の分布を決定し、ハードウェアコンピュータシステムにより、第1及び第2の分布の関数としてデバイス製造プロセスに関連するアライメントデータの分布を決定する。
【0212】
一実施形態では、処理パラメータは、基板の高さ又は非平坦性、プロセス効果、光学素子の加熱、光学収差、及び/又はパターニングデバイスの書き込みエラーから選択される1つ又は複数を含む。一実施形態では、第2の分布は、デバイス製造プロセスの複数の処理パラメータから導出される。一実施形態では、処理パラメータは、基板の高さ又は非平坦性、プロセス効果、及び光学素子の加熱を含む。一実施形態では、第2の分布はデバイス製造プロセスに固有であるが、デバイス製造プロセスを使用して処理される特定の基板に固有ではない。一実施形態では、第2の分布は、デバイス製造プロセスを使用して処理される特定の基板に固有であるが、デバイス製造プロセスを使用して処理される他の基板に一般的ではない。一実施形態では、第2の分布は、処理パラメータの測定値から導出される。一実施形態では、この方法は、アライメントデータの分布を使用して、基板の欠陥を予測し、デバイス製造プロセスを制御し、デバイス製造プロセスを監視し、デバイス製造プロセスの態様を設計し、及び/又は数学モデルを較正することから選択される1つ以上を実行することをさらに含む。一実施形態では、この方法は、アライメントデータの分布に基づいて計測データのサンプリングを変更することをさらに含む。一実施形態では、この方法は、測定されたアライメントデータのみで使用されるものと比較したアライメントデータの分布を含む高次アライメントモデルを使用することをさらに含む。一実施形態では、この方法は、デバイス製造プロセスで使用されるリソグラフィ装置によって提供されるデータを使用して、第1の分布及び/又は第2の分布を決定することをさらに含む。一実施形態では、関心のあるパラメータの第1の分布、第2の分布及び/又は分布は、空間的な基板フィンガープリントを含む。一実施形態では、デバイス製造プロセスは、リソグラフィプロセス及び/又は半導体製造プロセスを含む。一実施形態では、関数は、算術加算、畳み込み及び/又はニューラルネットワークから選択される1つ又は複数を含む。
【0213】
一実施形態では、測定されたアライメントデータに基づいて、パターニングプロセスを使用して処理された基板の少なくとも一部にわたるアライメントデータ分布を取得することを含む方法が提供される。そして、ハードウェアコンピュータにより、測定されたアライメント以外の処理パラメータに起因するアライメントフィンガープリントとアライメントデータ分布を組み合わせて、基板のアライメントデータの推定値を取得する。
【0214】
一実施形態では、位置合わせフィンガープリントは、位置合わせに対する基板の高さ又は基板の非平坦性の寄与を含む。一実施形態では、アライメントフィンガープリントは、リソグラフィパターン転写以外のパターニングプロセスの一部による、アライメントへの基板のプロセス効果の寄与を含む。一実施形態では、位置合わせフィンガープリントは、位置合わせに対する基板の加熱の寄与を含む。一実施形態では、アライメントフィンガープリントは、パターニングプロセスに固有であるが、パターニングプロセスを使用して処理される特定の基板に固有ではない。一実施形態では、アライメントフィンガープリントは、パターニングプロセスを使用して処理された特定の基板に固有であるが、パターニングプロセスを使用して処理された他の基板に一般的ではない。一実施形態では、アライメントフィンガープリントは、処理パラメータの測定値から導出される。一実施形態では、位置合わせフィンガープリントは空間的な基板フィンガープリントを含む。一実施形態では、この方法はさらに、推定値を使用して、基板の欠陥を予測し、パターニングプロセスを制御し、パターニングプロセスを監視し、パターニングプロセスの態様を設計し、及び/又は数学モデルを校正することを含む。
【0215】
オーバーレイの計算計測(CM)の入力要因は、スキャナの露光センサと検査ツールによって収集された測定値である。例えば、レベルセンサー及びアライメントセンサー測定、ステージダイナミックサーボロギング、オーバーレイ、その他のオフライン計測測定などが含まれる。
【0216】
アラインメントの入力を寄与の例として使用する場合、高次のアラインメントモデル、例えば3次多項式に基づいて、アライメント測定からモデルコンテンツを計算するために使用される。そのようなモデルの内容は、アライメントマークの変形とともにウエハ変形の寄与によって支配される場合がある。しかし正確なオーバーレイ計測モニタリング、制御又は欠陥予測のために、ウエハ変形の寄与のみが真の信号である。アライメントマークの変形は関連性がなく、除外すべきエラー(又は「ノイズ」)の原因である。このような不正確なモデルコンテンツを含めることの結果は、計算計測(CM)の一貫性のないパフォーマンスである。アライメントマークのわずかな変形のみが発生するウエハの場合、高次モデルを使用したアライメント入力により、信号対雑音比が高くなるため、計測精度が向上する。アライメントマークの変形がひどいウエハの場合、この入力は信号対雑音比が低いために計測精度を低下させる可能性がある。エラー(又は「ノイズ」)は、使用されているモデルの次数に比例する。通常、それはプロセスに起因する影響により、アライメントマークが最も変形するウェーハエッジの場所で発生する。このような制限により、「ノイズ」の振幅を制限するために低次モデルが選択されるが、高次モデルでのみ捕捉される真のウエハ変形信号が入力から欠落しているため、CMのパフォーマンスが制限される。
【0217】
これらの制限は一般に、レベルセンサー測定ウエハ高さマップ、スキャナーダイナミクス、オフライン計測測定エッチング誘起オーバーレイ、ボトムグレーティング非対称測定、CD測定など他の入力寄与度に存在することに注意すべきである。
【0218】
スキャナ又はオフライン計測からの測定値をCMへの入力要因として含める場合、要因間の直交性は有用な仮定である。この仮定により、寄与度を追加し、現像後のオーバーレイ、エッチング後のオーバーレイ、SEM測定のCD又はオーバーレイなどのパターニングプロセスパラメータなどの関心のあるパラメータとのクロストークなしで相関させることができる。ただし、これらの要因は、特に特定の空間周波数条件で互いに干渉する場合がある。関心のあるパラメータに応じて、これらの寄与は異なる条件で関心のあるパラメータと相関させることもできる。
【0219】
CMの複数の入力要因の周波数分布では、高い(>100Hz)周波数範囲で、スキャナ計測入力(例:ウエハ高さマップを測定するレベルセンサー)は、他の要因からのわずかなクロストーク(例:スキャナーダイナミクスサーボエラー)でオーバーレイコンテンツを予測する場合がある。
【0220】
ただし、低い(<100Hz)周波数範囲では、寄与は共通の周波数ウィンドウを共有する。これらの要因には、例えば、ウェーハアライメントモデルコンテンツ、モニターウェーハモデルコンテンツ、レベルセンサー測定、ダイナミックサーボデータが含まれる。これは、そのようなモデルのコンテンツが互いに干渉する可能性があることを意味する。しかし、これらの寄与は、ここでは周波数ウィンドウと呼ばれる特定の周波数条件のオーバーレイコンテンツの特定の部分と相関する可能性があることも示す。これらの周波数ウィンドウ外の信号では、不要な寄与が「ノイズ」の一部となり、CMの精度が低下する場合がある。したがって、例えば周波数低域/高域/帯域通過フィルタを介して、CMの入力要因からこのような「ノイズ」を除外して、信号対ノイズ比を増加させることが有利である。以下で説明する実施形態は、CMがそのような「ノイズ」を排除するための方法論を提供する。
【0221】
このような機能は、他のアプリケーションの一般化されたデータ使用に対してCMの結果をさまざまな関心パラメータについて調整するのにも役立つ。例えば、光学的に測定されたオーバーレイとSEMによって測定されたデバイスフィーチャに依存するオーバーレイの間では、ターゲットは、寸法とデザインが異なるため、パターニング処理に対する応答が異なる。このような機能は、欠陥予測の観点から、光学的に測定された寄与と実際のデバイスフィーチャの応答との間の無相関のオーバーレイコンテンツを除外するのに役立つ。
【0222】
一実施形態では、モデル又はNCE(修正不可能なエラー)モデルは、周波数ローパス/ハイパスフィルターとして機能し、特定のモデルパラメータのセットは、周波数バンドパスフィルターとして機能することができる。これは、2つの入力データのいずれかから推定される特定のモデルパラメータのペア(つまり、寄与又は任意のパターニングプロセスパラメータ)は各ペア内の相関を示し、ここではキャリブレーション係数と呼ばれる2つの入力データ間の重みを適宜決定できる。
【0223】
一実施形態では、関心のある2つの入力寄与又はパラメータのいずれかの間の相関モデルパラメータのキャリブレーション係数を推定するための方法論が提供される。理解を助けるために、あるドメインを別のドメインから予測するという観点から方法論を説明する。予測に使用される入力寄与度はドメインAとして定義される。対象のパラメータはドメインBとして定義される。
【0224】
入力寄与度のドメインAは、
図7を参照して説明したように、アライメント変数などの処理変数である。関心のあるドメインBは、
図7及び
図8を参照して説明したように、オーバーレイなどのパターニングプロセスパラメータであってもよい。
【0225】
図22は、一実施形態による方法のフローを概略的に示す。
【0226】
オーバーレイ分布などの関心分布2322(DB)のパラメータが決定される。これは、デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第1のパラメータ2321の第1の分布2322である。分布2322を決定するために、第1のパラメータ2321の値2325の第1の分布が取得される。次に、値の第1分布2325がモデル化され2328、値の第1モデル化分布2322(DB)を取得する。したがって、この実施形態では、決定された第1の分布(関心のあるパラメータ)は、値2322(DB)の第1のモデル化された分布を含む。
【0227】
アライメント分布などの入力寄与分布2312(DA)が決定される。これは、デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第1パラメータ2311の第2分布2312である。分布を決定するために、第1パラメータ2311の値の第2分布2315が取得される。次いで、値の第1の分布2315がモデル化され2318、値の第2のモデル化分布2312(DA)を取得する。したがって、この実施形態では、決定された第2の分布(入力寄与)は、値の第1のモデル化された分布2312(DA)を含む。
【0228】
モデリング2328、2318について、変動のスケール2304(SV)(例えば、周波数<100Hz)が決定され2302、そのための第1の分布2325の値と第2の分布2315がしきい値を超える。次に、決定された変動のスケール2304(SV)に応じて、値の第1及び第2の分布がモデル化され(2328、2318)、値の第1のモデル化分布及び第2のモデル化分布2322(DB)、2312(DA)が取得される。
【0229】
次に、ハードウェアコンピュータにより、第1及び第2の分布2322(DB)、2312(DA)で動作する関数を使用して、関心のあるパラメータ(この実施形態ではオーバーレイなどの第1のパラメータ)の分布が決定される。この実施形態の関数は、第1及び第2の分布2322、2312で動作する相関2332(CORR)を含む。
【0230】
対象のパラメータ2352(DB’)の分布の決定は、第1のモデル化された分布値2322に関連する第1モデル係数と、第2のモデル化された分布値2312に関連する第2モデル係数の間のマッピング2332で得られたスケーリング係数2334(キャリブレーション係数CF)を使用する、モデル化された第2分布2312(DA)のスケーリング2335に基づく。スケーリング係数2334(キャリブレーション係数、CF)を使用して、モデル化されたコンポーネントを、対象のパラメータ2352の分布を決定するステップから除外することができる。例えば、スケーリング係数が閾値2333以下である場合、値2312(DA)の最初のモデル化された分布に関連付けられたモデル係数はスケーリングから除外されてもよい。
【0231】
図23と
図24は、キャリブレーション係数を調整して、目的のパラメータの分布を予測する様子を模式的に示す。2つのドメインA(アライメント)とドメインB(オーバーレイ)の相関を定義できる。線形、高次又は結合多項式係数など、同じパラメータのセットで記述できる2つのドメインについて、例えば単純な線形代数を使用して、ドメインBの係数をドメインAの係数で除算することにより、スケーリング係数又はキャリブレーション係数のセットを定義できる。
【0232】
一方のドメインが他方のドメインから修正を受け取る場合、これらの2つのドメイン間に良好な相関が存在する可能性が高く、多数のデータポイントが与えられる。例えば、スキャナはアライメント測定からの情報を使用して基板グリッド(変形)を修正する。アライメントモデル内で使用される最大5次多項式成分のパラメータのアライメントとオーバーレイの間に強い相関があるという仮定がある。つまり、ドメインB(オーバーレイ)はドメインA(アライメント)から修正を受け取り、ドメインAとドメインBの間に強い相関関係がある。
【0233】
図23と
図24は、すべてのモデルパラメータのキャリブレーション係数を使用して他のドメインDAを投影することにより、1つのドメインDB‘を予測する方法を示す。最初に、すべてのモデルパラメータがドメインごとに計算される。2つのモデルパラメータMPAとMPBには、それぞれ8つのポイントPIからP8が集計される。
【0234】
図23に関して、表2362は、ドメインA(DA)及びドメインB(DB)のMPAの値を示す。グラフ2366は、ドメインAのMPAとドメインBのMPAのプロットであり、表2362のデータポイントが含まれる。相関は、線形モデル(y=a*x)をあてはめて、モデルパラメータMPAのパラメーターセット間のキャリブレーション係数、ここでは0.50(y=0.5*x)を決定することにより決定される。
【0235】
図24に関して、表2364は、ドメインA(DA)及びドメインB(DB)のMPBの値を示す。グラフ2368は、表2364のデータポイントを含む、ドメインAのMPBとドメインBのMPBのプロットである。相関関係は、線形モデル(y=a*x)をフィッティングして、モデルパラメータMPBのパラメーターセット間のキャリブレーション係数、ここでは0.33(y=0.33*x)を決定することによって決定される。
【0236】
モデルパラメータMPA及びMPBのそれぞれについて、
図23の表2370及び
図24の2372に示すように、キャリブレーション係数を使用して、ドメインAパラメータ値から対象DB‘(例えば、オーバーレイ)のモデルパラメータを予測する。
【0237】
ドメインAとドメインBの間に完全な相関関係がある場合でも、2つのパラメーターセット間の重みが1であることを保証しない。例えば、アライメント測定のウエハ間の変換値は、オーバーレイエラーの場合で観察される変換の値の2倍になる場合がある。この場合、2つのパラメーターセット間に完全な相関関係があるが、スケールは常に1とは限らない。言い換えると、2つのパラメーターセットの間に強い相関がある場合、ドメインAのパラメータと乗算されるパラメータのキャリブレーション係数を調整することにより、ドメインBをより正確に予測することができる。ドメインAとドメインBの入力サンプリングは、入力サンプリングの非対称レイアウトに起因するモデルパラメータ間のクロストークを回避するように制約されることが好ましい。
【0238】
アライメントとオーバーレイがスケール1と相関している場合、オーバーレイ補正は実際のウエハ変形を表す情報、この場合は真で実際のアライメント情報に基づいていることを意味する。この場合、2つのパラメーターセットのキャリブレーション係数はすべて1であり、観測されたスケールと同じである。
【0239】
アライメント測定にアライメントマークの非対称性又は計測が影響する場合、測定の不確かさは、アライメントに関して、変形したアライメントマークからの誤った情報があることを意味する。アライメントモデルがこの誤った情報を使用して計算される場合、マークの変形から生じるこのようなエラーは、オーバーレイ予測に反映される。一実施形態では、相関が十分に良好なアライメントとオーバーレイとの間の相関モデルパラメータのみを調べることにより、パラメータごとにアライメントとオーバーレイとの間のキャリブレーション係数を計算することができる。これらの選択されたキャリブレーション係数をアライメントデータに適用することにより、アライメントマークの誤った変形によって引き起こされるオーバーレイ予測を、すべてのパラメータに対してキャリブレーション(フィルタリング)できる。
【0240】
計測オーバーレイターゲットの変形により、通常、計測ターゲットオーバーレイとデバイスオーバーレイの間にオフセットがある。このオフセット予算は、「バッチ」と「ウエハ間」(W2W)のカテゴリに分けることができる。「バッチ」オフセットは実際のデバイスオーバーレイに基づいて計算されるが、W2Wの場合、計測とデバイスオーバーレイの間に安定した相関がある場合、測定値を定義して、このオフセットを説明した方法でW2Wとして校正/予測することができる。これは、ドメインAを「メトロロジーオーバーレイ」に、ドメインBを「デバイスオーバーレイ」に置き換えることで理解できる。
【0241】
オーバーレイのキャリブレーション/予測は、コンテキスト情報を使用して拡張できる。コンテキストベースのグループ化の概念を使用する。生産ロットがいくつかのグループに分割され、各グループが異なるプロセスツールで個別に処理される場合、各グループのフィンガープリント(又はウエハ/マークの変形/非対称の程度)は互いに異なる。この場合、データセット全体をサブデータセットにグループ化し、グループごとに相関/キャリブレーション係数を再度計算できる。計算されたキャリブレーション/予測は、各グループに個別に適用され、キャリブレーション/予測結果はより適切になる。
【0242】
図25は、正しい予測の可能性の決定を概略的に示す。縦軸DBはドメインBモデルパラメータ値であり、横軸DAはドメインAモデルパラメータ値である。
【0243】
各データセットのキャリブレーション係数を計算するときに、データポイントが均等に分布しているという仮定の下で、以下で説明するフレームワークを使用して、正しい予測の可能性を定義できる。
【0244】
(1)特定のデータポイントが相関係数ライン2706の勾配とドメインB(DB)の軸の間の領域2704にある場合、予測値は常にゼロより大きく、ドメインBの値より小さくなる。ドメインBを正しく予測/予測できる。
【0245】
(2)データポイントが斜面2706にある場合、投影/予測は完全である。
【0246】
(3)ポイントが勾配2706と勾配2710の半分の間の領域2708にある場合、予測が可能である。ただし、予測値はドメインBの値よりも大きくなる。このデータポイントへのキャリブレーションは、キャリブレーションされた結果の符号を変更する。
【0247】
(4)これら3つ(2704、2706、及び2708)以外の領域にあるデータポイントの場合、ここで説明する方法を使用したドメインBのキャリブレーションは、結果を元の値よりも悪化させる。
【0248】
これにより、軸A領域と傾斜2706の間の角度θで、正しい予測の領域を以下で定義できる。傾きがx軸に近づくにつれて、角度θ1で正しい投影/予測の可能性が最大値の50%になる。ただし、この投影法を使用する利点は、キャリブレーション係数がゼロに近いほどゼロに近くなる。したがって、2つのドメイン間の相関が良好な特定の周波数ウィンドウ又は条件を見つけることは非常に重要である(例えば、データセット全体をサブセットに分離することを使用する)。これにより、上で説明した3つの領域(2704、2706、2708)内にある勾配に集中するデータポイントの分布が作成される。また、校正係数と修正可能性の間のトレードオフが可能である。相関(セットアップ)フェーズで定義される校正係数は、元の定義値よりも小さくなるように調整できる。これにより、データポイントの数が正しく増加する。予測/調整されるが、メリットはそれまでよりも小さくなる。
【0249】
キャリブレーション係数(Fcal)=(tanθ)
予測の可能性=1/2-1/π・(tan-1(Fcal/2))
【0250】
実施形態は、ドメインのいずれかからフィルタリングされた周波数間のキャリブレーション係数、ここでは相関モデルパラメータと呼ばれ、計測予測/キャリブレーションのために1つのドメインを他のドメインに投影し、キャリブレーション係数の値を決定する一般化された方法論を提供する。
【0251】
実施形態は、センサ内の複数の波長(色)、時間内のマルチリファレンス測定(ウェーハ)、及び測定内の複数の空間周波数(位置)にわたる、ドメイン変形によるウエハ変形/アライメントマーク非対称からのオーバーレイ予測を較正することができる。
【0252】
実施形態は、データをサブセットに分けて、2つのドメイン間の相関及び予測精度を高める。
【0253】
実施形態は、両方のドメインの非相関モデルパラメータからコンテンツを選択解除して、入力寄与度から誘導される予測のノイズを抑制することができる。
【0254】
実施形態は、実際の生産測定を必要とするウエハの指標を提供することができる。例えば、新しいドメインAから測定されたスキャナーメトロロジーが以前に観測された母集団に該当しない場合、ドメインBの実際のウエハを測定して以前に定義された母集団を更新するアクションをトリガーできる。
【0255】
実施形態は、スキャナ又は予測からのオーバーレイ計測、すなわちアライメントマークの非対称性、誤補正されたウエハ変形、又は入力寄与度内の非相関コンテンツによって測定された誤ったコンテンツの一部を較正する。
【0256】
実施形態は、関心のある入力データ及びパラメータのいずれか、すなわちオフラインウェーハ形状測定又はSEM測定に使用することができる。
【0257】
ウエハ間変動フィードフォワードの場合、実施形態は、これら2つの間に相関がある場合、前の層のアライメントからの次の層のウエハ間補正を予測することができる。例えば、Litho-Etch-Litho-Etch処理を行ったレイヤーの場合。
【0258】
図26は、本明細書で開示される方法及びフローの実施を支援することができるコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を通信するためのバス102又は他の通信機構、及び情報を処理するためにバス102に結合されたプロセッサ104(又は複数のプロセッサ104及び105)を含む。コンピュータシステム100は、プロセッサ104によって実行される情報及び命令を格納するためにバス102に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置などのメインメモリ106も含む。メインメモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令を実行中に一時変数又は他の中間情報を格納するために使用されてもよい。コンピュータシステム100は、プロセッサ104のための静的情報及び命令を記憶するために、バス102に結合された読み取り専用メモリ(ROM)108又は他の静的記憶装置をさらに含む。磁気ディスク又は光ディスクなどの記憶装置110が提供され、情報及び命令を格納するためにバス102に結合される。
【0259】
コンピュータシステム100は、バス102を介して、情報をコンピュータユーザに表示するための陰極線管(CRT)又はフラットパネル又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ112に結合され得る。英数字及び他のキーを含む入力デバイス114は、情報及びコマンド選択をプロセッサ104に通信するためにバス102に結合されている。別のタイプのユーザ入力デバイスは、方向情報及びコマンド選択をプロセッサ104に伝達し、ディスプレイ112上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御116である。この入力デバイスは通常、2つの軸、つまり第1軸(xなど)と第2軸(yなど)に2つの自由度があり、デバイスが平面内の位置を指定できるようにする。タッチパネル(画面)ディスプレイも入力デバイスとして使用できる。
【0260】
一実施形態によれば、プロセッサ104がメインメモリ106に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステム100によりプロセスの一部を実行することができる。そのような命令は、記憶装置110などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ106に読み込まれてもよい。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスの実行により、プロセッサ104は本明細書で説明されるプロセスステップを実行する。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスを実行するために、マルチプロセッシング構成の1つ以上のプロセッサを使用することもできる。代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はそれと組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用することができる。したがって、本明細書の説明は、ハードウェア回路とソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0261】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ104に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態を取り得る。不揮発性媒体には、例えば、記憶装置110などの光ディスク又は磁気ディスクが含まれる。揮発性メディアには、メインメモリ106などのダイナミックメモリが含まれる。伝送媒体には、バス102を構成するワイヤーを含む、同軸ケーブル、銅線、光ファイバーが含まれる。伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなど、音響波又は光波の形を取ることもできる。コンピュータ可読媒体の一般的な形式には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを備えた他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、後述の搬送波、又はコンピュータが読み取ることができるその他の媒体を含む。
【0262】
実行のためにプロセッサ104に1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを搬送することに、さまざまな形態のコンピュータ可読媒体が関与し得る。例えば、命令は最初はリモートコンピュータの磁気ディスクで作成される。リモートコンピュータは、命令をダイナミックメモリにロードし、モデムを使用して電話回線で命令を送信できる。コンピュータシステム100にローカルなモデムは、電話線でデータを受信し、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で運ばれたデータを受信し、データをバス102に置くことができる。バス102は、データをメインメモリ106に運び、そこからプロセッサ104は命令を取り出して実行する。メインメモリ106によって受信された命令は、プロセッサ104による実行の前又は後のいずれかに、記憶装置110にオプションで格納されてもよい。
【0263】
コンピュータシステム100は、バス102に結合された通信インターフェース118も含むことが好ましい。通信インターフェース118は、ローカルネットワーク122に接続されたネットワークリンク120に結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース118は、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カード又はモデムであり、対応するタイプの電話回線へのデータ通信接続を提供する。別の例として、通信インターフェース118は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得る。無線リンクを実装してもよい。そのような実装では、通信インターフェース118は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを運ぶ電気信号、電磁信号、又は光信号を送受信する。
【0264】
ネットワークリンク120は、通常、1つ以上のネットワークを介して他のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク120は、ローカルネットワーク122を介して、ホストコンピューター124又はインターネットサービスプロバイダー(ISP)126によって運用されるデータ機器への接続を提供することができる。ISP126は、今や一般に「インターネット」128と呼ばれる世界的なパケットデータ通信ネットワークを通じてデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク122及びインターネット128は両方とも、デジタルデータストリームを運ぶ電気信号、電磁信号、又は光信号を使用する。コンピュータシステム100との間でデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを介した信号及びネットワークリンク120及び通信インターフェース118を介した信号は、情報を搬送する搬送波の形態例である。
【0265】
コンピュータシステム100は、ネットワーク、ネットワークリンク120、及び通信インターフェース118を介して、メッセージを送信し、プログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバー130は、インターネット128、ISP126、ローカルネットワーク122、及び通信インターフェース118を介してアプリケーションプログラムに要求されたコードを送信する場合がある。そのようなダウンロードされたアプリケーションの1つは、例えば、実施形態の照明最適化を提供し得る。受信されたコードは、受信されたときにプロセッサ104によって実行され、及び/又は後で実行するためにストレージデバイス110又は他の不揮発性ストレージに格納され得る。このようにして、コンピュータシステム100は、搬送波の形でアプリケーションコードを取得し得る。
【0266】
さらなる実施形態は、以下の番号付き実施形態のリストに開示されている。
1.以下を含む方法:
デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第1パラメータの第1分布を決定し、
デバイス製造プロセスを実行する際のエラー又は残差に関連する第2のパラメータの第2の分布を決定し、
第1及び第2の分布で動作する関数を使用して、デバイス製造プロセスに関連する関心のあるパラメータの分布をハードウェアコンピュータにより決定する。
2.第1のパラメータ、第2のパラメータ、及び関心のあるパラメータが同じである、実施形態1の方法。
3.第1の分布がデバイスに固有であり、デバイス製造プロセスを使用して処理された特定の基板に固有ではない、実施形態1の方法。
4.第2の分布が、デバイス製造プロセスを使用して処理された特定の基板に固有であるが、デバイス製造プロセスを使用して処理された他の基板に一般的ではない、実施形態1の方法。
5.第1の分布及び/又は第2の分布が、それぞれの第1及び/又は第2のパラメータへのサーボ誤差の寄与、それぞれの第1及び/又は第2パラメータへのアライメントモデル残差の寄与、それぞれの第1及び/又は第2パラメータへの投影システム収差又は像面偏差の寄与、それぞれの第1及び/又は第2パラメータへの投影システムモデル残差の寄与、及び/又はそれぞれの第1及び/又は第2パラメータへの基板表面高さの寄与から選択される1つ以上を含む、実施形態1の方法。
6.第1の分布を決定することは、第1のパラメータの測定データを取得し、そこからデバイス製造プロセスの特定のデバイスの第1のパラメータへの寄与を除去することをさらに含む、実施形態1の方法。
7.特定のデバイスの寄与が、サーボエラーの寄与、アライメントモデル残差の寄与、投影システム収差又は像平面偏差の寄与、投影システムモデルの残差、及び/又は基板表面の高さの寄与から選択される1つ又は複数を含む、実施形態6の方法。
8.測定された第1のパラメータデータが、モニタ基板から測定された第1のパラメータデータを含む、実施形態6の方法。
9.前記第1の分布、前記第2の分布、及び/又は前記関心のあるパラメータの分布は、空間的な基板フィンガープリントを含む、実施形態1の方法。
10.基板の欠陥を予測し、デバイス製造プロセスを制御し、デバイス製造プロセスを監視し、デバイス製造プロセスの側面を設計し、及び/又は数学モデルを較正することから選択された任意の1つ以上を実行する関心のパラメータの分布を使用することをさらに含む、実施形態1の方法。
11.第1のパラメータ、第2のパラメータ、及び/又は関心のあるパラメータが、オーバーレイ、CD、焦点、線量、及び/又はエッジ位置から選択される1つ以上である、実施形態1の方法。
12.デバイス製造プロセスがリソグラフィプロセス及び/又は半導体製造プロセスを含む、実施形態1の方法。
13.前記関数は、算術加算、畳み込み及び/又はニューラルネットワークから選択される1つ以上を含む、実施形態1の方法。
14.第1のパラメータ及び/又は第2のパラメータが関心のあるパラメータと異なり、第1のパラメータ及び/又は第2のパラメータを関心のあるパラメータに変換することをさらに含む、実施形態1の方法。
15.デバイス製造プロセスで使用されるリソグラフィ装置及び/又はエッチング装置によって提供されるデータを使用して、第1の分布及び/又は第2の分布を決定することをさらに含む、実施形態1の方法。
16.前記関数は、前記第1及び第2の分布に作用する相関を含む、実施形態1の方法。
17.実施形態16の方法であって、
決定された第1の分布は、値の第1のモデル化された分布を含み、
決定された第2の分布は、値の第2のモデル化された分布を含み、
対象のパラメータは最初のパラメータであり、
最初のパラメータの値の最初の分布を取得し、
第2パラメータの値の第2分布を取得し、
値の第1及び第2の分布をモデル化して、値の第1及び第2のモデル化分布を取得し、
値の第1のモデル化された分布に関連付けられた第1のモデル係数と値の第2のモデル化された分布に関連付けられた第2のモデル係数との間のマッピングによって取得されたスケーリング係数を使用して、モデル化された第2の分布のスケーリングに基づいて、関心のあるパラメータの分布を決定する。
18。実施形態17の方法であって、
第1の分布の値と第2の分布の値との間の相関が閾値を超える変動のスケールを決定し、
決定されたスケールに応じて、第1の分布のモデル化された値と第2の分布のモデル化された値を取得するために、決定された変動のスケールによって第1及び第2の分布の値をモデル化する。
19.対象のパラメータの分布を決定するステップからモデル化されたコンポーネントを除外するためにスケーリング係数を使用することを含む、実施形態17の方法。
20.パターニングプロセスの一部としてオーバーレイへのリソグラフィ装置の基礎となる寄与を取得し、
ハードウェアコンピュータにより、基礎となる寄与を基板のオーバーレイへのさらなる寄与と組み合わせて、基板のオーバーレイの推定値を取得する方法。
21.さらなる寄与が、基板の基板表面高さのオーバーレイへの寄与を含む、実施形態20の方法。
22.前記さらなる寄与が、オーバーレイに対する基板の基板サーボエラーの寄与を含む、実施形態20の方法。
23.前記さらなる寄与は、アライメント及び/又は投影システムモデル残差の寄与を含む、実施形態20の方法。
24.基礎となる寄与及び基板表面の高さの寄与と、基板のオーバーレイに対するエッチングプロセスの寄与とを組み合わせることをさらに含む、実施形態20の方法。
25.エッチングプロセスの寄与は、パターニングプロセスに固有であるが、パターニングプロセスを使用して処理される特定の基板に固有ではない、実施形態24の方法。
26.基礎となる寄与が特定のパターニングプロセスに固有であるが、パターニングプロセスを使用して処理される特定の基板に固有ではない、実施形態20の方法。
27.基礎となる寄与を取得することは、測定されたオーバーレイデータを取得し、そこからリソグラフィ装置の特定のコンポーネントのオーバーレイへの寄与を除去することをさらに含む、実施形態20の方法。
28.特定の成分の寄与が、サーボエラーの寄与、アライメントモデル残差の寄与、投影システム収差の寄与、投影システムモデル残差の寄与、及び/又は基板表面の高さの寄与から選択される1つ又は複数を含む、実施形態27の方法。
29.測定されたオーバーレイデータが、モニタ基板から測定されたオーバーレイデータを含む、実施形態27の方法。
30.寄与が空間的な基板フィンガープリントを含む、実施形態20の方法。
31.推定を使用して、基板の欠陥を予測し、パターニングプロセスを制御し、パターニングプロセスを監視し、パターニングプロセスの態様を設計し、及び/又は数学モデルを較正することから選択される1つ又は複数を実行することをさらに含む、実施形態20の方法。
32.デバイス製造プロセスを実行する際に、測定アライメントデータの第1の分布を決定し、
デバイス製造プロセスの処理パラメータから導出されたアライメントデータの第2の分布を決定し、
ハードウェアコンピュータシステムにより、デバイス製造プロセスに関連するアライメントデータの分布を、第1及び第2の分布の関数として決定する、方法。
33.処理パラメータが、基板の高さ又は非平坦性、プロセス効果、光学素子の加熱、光学収差、及び/又はパターニングデバイスの書き込みエラーから選択される1つ以上を含む、実施形態32の方法。
34.第2の分布が、デバイス製造プロセスの複数の処理パラメータから導出される、実施形態32の方法。
35。処理パラメータが、基板の高さ又は非平坦性、プロセス効果、及び光学素子の加熱を含む、実施形態34の方法。
36.第2の分布がデバイス製造プロセスに固有であるが、デバイス製造プロセスを使用して処理される特定の基板に固有ではない、実施形態32の方法。
37.第2の分布が、デバイス製造プロセスを使用して処理された特定の基板に固有であるが、デバイス製造プロセスを使用して処理された他の基板に一般的ではない、実施形態32の方法。
38.第2の分布は、処理パラメータの測定値から導出される実施形態32の方法。
39.アライメントデータの分布を使用して、基板の欠陥を予測し、デバイス製造プロセスを制御し、デバイス製造プロセスを監視し、デバイス製造プロセスの側面を設計すること、及び/又は数学モデルを較正することから選択される1つ以上を実行することをさらに含む、実施形態32の方法。
40.アライメントデータの分布に基づいて計測データのサンプリングを変更することをさらに含む、実施形態32の方法。
41.測定されたアライメントデータのみで使用されるものと比較して、アライメントデータの分布で高次のアライメントモデルを使用することをさらに含む、実施形態32の方法。
42.デバイス製造プロセスで使用されるリソグラフィ装置によって提供されるデータを使用して、第1の分布及び/又は第2の分布を決定することをさらに含む、実施形態32の方法。
43.第一の分布、第二の分布及び/又は関心のあるパラメータの分布は、空間的な基板フィンガープリントを含む実施形態32の方法。
44.デバイス製造プロセスがリソグラフィプロセス及び/又は半導体製造プロセスを含む、実施形態32の方法。
45.前記関数は、算術加算、畳み込み及び/又はニューラルネットワークから選択される1つ又は複数を含む実施形態32の方法。
46.測定されたアライメントデータに基づいて、パターニングプロセスを使用して処理された基板の少なくとも一部にわたるアライメントデータ分布を取得し、
ハードウェアコンピュータによって、アライメントデータ分布を、測定アライメント以外の処理パラメータに起因するアライメントフィンガープリントと組み合わせて、基板のアライメントデータの推定値を取得する、方法。
47.アライメントフィンガープリントが、基板の高さ又は基板の非平坦性のアライメントへの寄与を含む、実施形態46の方法。
48.アライメントフィンガープリントが、リソグラフィパターン転写以外のパターニングプロセスの一部に起因する、アライメントに対する基板のプロセス効果の寄与を含む、実施形態46の方法。
49.位置合わせフィンガープリントが、位置合わせに対する基板の加熱の寄与を含む、実施形態46の方法。
50.アライメントフィンガープリントがパターニングプロセスに固有であるが、パターニングプロセスを使用して処理された特定の基板に固有ではない、実施形態46の方法。
51.アライメントフィンガープリントが、パターニングプロセスを使用して処理された特定の基板に固有であるが、パターニングプロセスを使用して処理された他の基板に一般的ではない、実施形態46の方法。
52.アライメントフィンガープリントは、処理パラメータの測定値から導出される、実施形態46の方法。
53.アライメントフィンガープリントが空間的な基板フィンガープリントを含む、実施形態46の方法。
54.推定値を使用して、基板の欠陥を予測し、パターニングプロセスを制御し、パターニングプロセスを監視し、パターニングプロセスの態様を設計し、及び/又は数学モデルを較正することから選択される1つ以上を実行することをさらに含む、実施形態46の方法。
55.実施形態1から54のいずれかの方法を実施するコンピュータによって実行されるとき、命令が記録された非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品。
【0267】
本開示の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装され得る。本開示の実施形態は、機械可読媒体に格納された命令として実装されてもよく、それは1つ以上のプロセッサによって読み取られ実行されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形式で情報を格納又は送信するための任意のメカニズムを含むことができる。例えば、機械可読媒体には読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)。磁気ディスク記憶媒体。光学記憶媒体;フラッシュメモリデバイス。電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝播信号(搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)などが含まれる場合がある。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明される場合がある。しかし、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際にはコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスから生じることを理解されたい。
【0268】
ブロック図では、図示されたコンポーネントは個別の機能ブロックとして描かれているが、実施形態は、本明細書に記載された機能が図示のように編成されたシステムに限定されない。各コンポーネントによって提供される機能は、現在示されているものとは異なる編成のソフトウェア又はハードウェアモジュールによって提供される場合がある。例えば、このようなソフトウェア又はハードウェアは、混在、結合、複製、分割、分散(例えば、データセンター内又は地理的に)、又は別の方法で編成されている。本明細書で説明される機能は、有形の非一時的な機械可読媒体に格納されたコードを実行する1つ又は複数のコンピュータの1つ又は複数のプロセッサによって提供され得る。場合によっては、サードパーティのコンテンツ配信ネットワークは、ネットワークを介して伝達される情報の一部又はすべてをホストすることがあるが、その場合、情報(コンテンツなど)が供給又は提供されると言われる範囲で、コンテンツ配信ネットワークからその情報を取得するための指示を送ることで提供される。
【0269】
特に明記しない限り、議論から明らかなように、本明細書の議論全体を通して、「処理」、「コンピューティング」、「計算する」、「決定する」などは、専用コンピュータ又は同様の専用電子処理/計算デバイスなどの特定の装置のアクション又はプロセスを指す。
【0270】
読者は、本出願がいくつかの発明を説明していることを理解すべきである。これらの発明を複数の独立した特許出願に分けるのではなく、出願人は関連する主題が出願プロセスの経済に役立つため、これらの発明を単一の文書にグループ化し。しかし、そのような発明の明確な利点と側面を混同すべきではない。いくつかの場合、実施形態は本明細書に記載されたすべての欠陥に対処するが、本発明は独立して有用であり、いくつかの実施形態はそのような問題のサブセットのみに対処するか、又は当業者に明らかな他の言及されていない利点を提供することを理解されたい。コストの制約により、ここに開示されたいくつかの発明は現在請求されていない可能性があり、継続出願のような後の出願で、又は現在の請求項を修正することにより請求される。同様に、スペースの制約により、本文書の要約セクションも要約セクションも、そのようなすべての発明又はそのような発明のすべての態様の包括的なリストを含むと解釈されるべきではない。
【0271】
説明及び図面は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図するものではなく、反対に、添付のクレームで定義されているとおり、本発明の精神及び範囲内にあるすべての修正、均等物、及び代替物を網羅することを理解されたい。
【0272】
本発明の様々な態様の修正及び代替実施形態は、この説明に鑑みて当業者には明らかであろう。したがって、この説明及び図面は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示する目的のためのものである。本明細書に示され説明された本発明の形態は、実施形態の例として解釈されるべきであることを理解されたい。要素及び材料は、本明細書で図示及び説明されたものの代わりになり、本発明のこの説明の利益を得た後の当業者により、部品及びプロセスは逆になり、順序が変更又は省略され、特定の特徴が独立して利用され、実施形態又は実施形態の特徴がすべて組み合わされる可能性がある。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される要素に変更を加えることができる。ここで使用される見出しは、組織的な目的のためだけのものであり、説明の範囲を制限するために使用されることを意図したものではない。
【0273】
このアプリケーション全体で使用されているように、「may」という言葉は、強制的な意味(つまり、「しなければならない」という意味)ではなく、寛容な意味(つまり、可能性があるという意味)で使用されている。「含む」、「含む」、「含む」などの語は、含むことを意味するが、これに限定されない。このアプリケーション全体で使用されているように、単数形「a」、「an」、及び「the」には、コンテンツで明示的に示されていない限り、複数の指示対象が含まれる。したがって、例えば、「an」要素又は「a」要素への言及は、「1つ以上」などの1つ以上の要素に対する他の用語及び句の使用にもかかわらず、2つ以上の要素の組み合わせを含む。「又は」という用語は、特に明記しない限り、非排他的、つまり「及び」と「又は」の両方を包含する。複数の属性又は機能が複数のオブジェクトにマップされる(例えば、ステップA、B、C、及びDを実行する1つ以上のプロセッサ)には、すべてのそのようなオブジェクト又は属性のサブセットにマップされるすべての属性又は機能のサブセットにマッピングされている機能(例えば、すべてがステップAからDを実行するすべてのプロセッサと、プロセッサ1がステップAを実行し、プロセッサ2がステップBとステップCの一部を実行し、プロセッサ3が一部を実行する場合特に指定がない限り、ステップC及びステップD)が含まれる。さらに、特に明記しない限り、1つの値又はアクションが別の条件又は値に「基づいている」という記述は、条件又は値が唯一の要因である場合と、条件又は値が複数の要因のうちの1つの要因である場合の両方を含む。特に指定のない限り、コレクションの「各」インスタンスにプロパティがあるというステートメントは、大きなコレクションの同一又は類似のメンバーがプロパティを持たない場合、つまり、それぞれが必ずしもすべてを意味するわけではない場合を除外するために読むべきではない。
【0274】
特定の米国特許、米国特許出願、又はその他の資料(例、記事)が参照により組み込まれている限り、そのような米国特許、米国特許出願、及びその他の資料の本文は、矛盾しない範囲でのみ参照により組み込まれる。そのような矛盾が生じた場合、参照により組み込まれた米国特許、米国特許出願、及びその他の資料におけるそのような矛盾したテキストは、参照により本明細書に具体的に組み込まれない。
【0275】
本開示の特定の実施形態が上記で説明されたが、実施形態は説明された以外の方法で実施されてもよいことが理解されるであろう。
【外国語明細書】