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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151948
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】組電池収納棚、電力供給装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20241018BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241018BHJP
   H01M 10/627 20140101ALI20241018BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20241018BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20241018BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/627
H01M10/6563
H01M10/617
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065789
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005382
【氏名又は名称】古河電池株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】朝羽 勇至
(72)【発明者】
【氏名】吉田 英明
(72)【発明者】
【氏名】谷村 雄大
(72)【発明者】
【氏名】岩見 正之
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031HH06
5H040AA28
5H040AS01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】複数の蓄電池が電気的に接続された組電池を収納する棚であって、上下方向に複数の電池収納部を有するものとして、収納された複数の蓄電池を上下方向で均一に冷却できるものを提供する。
【解決手段】本発明の組電池収納棚2は、電池収納部を構成する棚板が、板面を貫通する通気穴を有し、複数の電池収納部21~26は、側面の閉塞度が異なる第一収納部と第二収納部とを備え、第一収納部22~25は第二収納部21,26より閉塞度が高く、少なくとも一つの第二収納部21は、上下方向の中心より上であって第一収納部22~25より高い位置に存在し、第一収納部22~25の側面を形成する壁5に給気ファン接続用の貫通穴51が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電池が電気的に接続された組電池を収納する棚であって、
上下方向に複数の電池収納部を有し、
前記電池収納部を構成する棚板は、板面を貫通する通気穴を有し、
複数の前記電池収納部は、側面の閉塞度が異なる第一収納部と第二収納部とを備え、
前記第一収納部は前記第二収納部より前記閉塞度が高く、
少なくとも一つの前記第二収納部は、上下方向の中心より上であって前記第一収納部より高い位置に存在し、
前記第一収納部の側面を形成する壁に給気ファン接続用の貫通穴が形成されている組電池収納棚。
【請求項2】
連続する複数の前記電池収納部が前記第一収納部で構成されている請求項1記載の組電池収納棚。
【請求項3】
前記第二収納部は、上下方向の中心より下にも存在する請求項1記載の組電池収納棚。
【請求項4】
前記第二収納部が最上部に存在する請求項1記載の組電池収納棚。
【請求項5】
前記第二収納部が最下部にも存在する請求項1記載の組電池収納棚。
【請求項6】
前記第二収納部が最上部と最下部に存在する請求項1記載の組電池収納棚。
【請求項7】
最上部に存在する前記電池収納部は天井板で覆われ、前記天井板に排気ファン接続用の貫通穴が形成されている請求項1記載の組電池収納棚。
【請求項8】
前記棚板は複数の梁状部材で構成され、前記梁状部材の交差配置により前記通気穴が形成されている請求項1記載の組電池収納棚。
【請求項9】
複数の蓄電池が電気的に接続された組電池を収納する棚であって、
上下方向に複数の電池収納部を有し、
前記電池収納部を構成する棚板は、板面を貫通する通気穴を有し、
複数の前記電池収納部は、側面の閉塞度が異なる第一収納部と第二収納部とを備え、
前記第一収納部は前記第二収納部より前記閉塞度が高く、
少なくとも一つの前記第二収納部は、上下方向の中心より上であって前記第一収納部より高い位置に存在し、
前記第一収納部の側面を形成する壁に設けた貫通穴に給気ファンが接続されている組電池収納棚。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の組電池収納棚の前記電池収納部に、複数の蓄電池が電気的に接続された組電池が収納されている電力供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組電池収納棚および電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の蓄電池が電気的に接続された組電池が棚に収納されている電力供給装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが挙げられる。この電力供給装置では、上下方向に複数の電池収納部を有し、天井に設けられたエアコンの冷気がダクトを通じて棚の床下配線スペースに供給され、棚に収納されている蓄電池は棚の底面から上に向かう冷気で冷却される。また、電池収納部の全体が閉塞されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2018/230234パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電力供給装置では、底面からの冷気が各階層(上下方向の位置)の蓄電池の発熱により温められるため、最上段の蓄電池は冷えにくくなっている。階層による蓄電池の温度の違いは階層毎の蓄電池の寿命に差を生じさせて、電力供給装置全体としての寿命が短くなる場合があるため、より均一な冷却を行う必要がある。
本発明の課題は、複数の蓄電池が電気的に接続された組電池を収納する棚であって、上下方向に複数の電池収納部を有するものとして、収納された複数の蓄電池を上下方向で均一に冷却できるものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決するための本発明の第一態様は、以下の構成(1)~(4)を有する組電池収納棚である。
(1)複数の蓄電池が電気的に接続された組電池を収納する棚であって、上下方向に複数の電池収納部を有し、前記電池収納部を構成する棚板は、板面を貫通する通気穴を有する。
(2)複数の前記電池収納部は、側面の閉塞度が異なる第一収納部と第二収納部とを備える。前記第一収納部は前記第二収納部より前記閉塞度が高い。
(3)少なくとも一つの前記第二収納部は、上下方向の中心より上であって前記第一収納部より高い位置に存在する。
(4)前記第一収納部を形成する壁に給気ファン接続用の貫通穴が形成されている。
【0006】
本発明の第二態様は、上記構成(1)~(3)と下記の構成(5)を有する組電池収納棚である。
(5)前記第一収納部を形成する壁に設けた貫通穴に給気ファンが接続されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の組電池収納棚によれば、収納された複数の蓄電池の冷却の上下方向での均一性が向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の電力供給装置を示す斜視図である。
図2図1の電力供給装置を構成する組電池収納棚の骨格部を示す斜視図である。
図3図2の骨格部分を構成する棚板を示す斜視図である。
図4図2の骨格部分の組み立て途中の状態を示す斜視図である。
図5図1の電力供給装置の組み立て途中の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
【0010】
〔全体構成〕
図1に示すように、本実施形態の電力供給装置1は、組電池収納棚2と複数の蓄電池3とからなる。
組電池収納棚2は、上下方向に六ケ所の電池収納部21~26を有する。各電池収納部21~26の形状は直方体であり、最上部と最下部を除いた四ケ所の電池収納部22~25は、四側面が壁で囲われているが、最上部と最下部の電池収納部21,26は、四側面が壁で囲われていない。つまり、四ケ所の電池収納部22~25は、最上部と最下部の電池収納部21,26よりも側面の閉塞度が高い。そして、全ての電池収納部21~26に、複数の蓄電池3が電気的に接続された組電池が収納されている。
【0011】
組電池収納棚2は、図2に示す骨格部4と、図1に示す四対の第一の壁面パネル5、四対の第二の壁面パネル6、天井パネル7、および六対の押さえ板8とで構成されている。第一の壁面パネル5、第二の壁面パネル6、および上下方向両端以外に配置された押さえ板8が、電池収納部22~25の側面を形成する壁を構成する。
図2に示すように、骨格部4は、一対の長方形の枠体41と、土台42と、天板支持枠43と、五枚の棚板44とで構成されている。
【0012】
図3に示すように、土台42の上面に、土台42の幅方向における四体の蓄電池3の位置を決める立ち上がり部42aが形成されている。土台42は、溝型鋼や山型鋼などの鋼材(梁状部材)421を、間隔を開けて交差配置して溶接することにより形成され、板面を貫通する通気穴420を有するものとなっている。土台42の前後面(奥行き方向両端面)に、等間隔で複数個のねじ穴42bが形成されている。
【0013】
また、図2に示すように、棚板44の上面にも、棚板44の幅方向における四体の蓄電池3の位置を決める立ち上がり部44aが形成されている。棚板44も、溝型鋼や山型鋼などの鋼材(梁状部材)441を、間隔を開けて交差配置して溶接することにより形成され、板面を貫通する通気穴440を有するものとなっている。棚板44の通気穴440により、組電池収納棚2の内部は、電池収納部21~26の全体で上下方向の通気性を有する。棚板44の前後面(奥行き方向両端面)にも、等間隔で複数個のねじ穴44bが形成されている。
【0014】
図4は骨格部4から棚板44を外した状態を示す図である。
図4に示すように、一対の枠体41は、土台42に対して、土台42の長手方向両端から立ち上がるように固定され、その状態の一対の枠体41の上に天板支持枠43が固定されている。枠体41は、上下方向に延びる(長方形の長辺に平行な)二本の補強骨41a,41bを有するとともに、骨格部4の内側となる面の上下方向の五か所に、棚板44の幅方向各端部を受ける受板41cが固定されている。
【0015】
図1および図5に示すように、第一の壁面パネル5の幅方向中心には、四ケ所の電池収納部22~26に対応する各位置に、給気ファン接続用の貫通穴51が形成されている。また、長方形の天井パネル7には、短辺方向の中心で長辺方向に沿った等間隔の三か所に、排気ファン接続用の貫通穴71が形成されている。
【0016】
〔組み立て方法〕
先ず、土台42の上部の幅方向両端に一対の枠体41の下部を固定した後、一対の枠体41の上部に天板支持枠43を固定して図4に示す状態とする。次に、枠体41の各受板41cの上方に棚板44を入れ、棚板44の端部を受板41cに載せて固定することにより、図2に示す骨格部4を組み立てる。
【0017】
その後、72体の蓄電池3を用意し、先ず、土台42の隣り合う立ち上がり部42aで形成された四ケ所の収納位置に、奥行方向へ蓄電池3を3体ずつ配線で接続しながら配置する。つまり、土台42の奥行き方向に3体、幅方向に4体の計12体の蓄電池3を配置する。次に、同様の方法で、5枚の棚板44の隣り合う立ち上がり部44aで形成された各四ケ所の収納位置に、奥行き方向に3体、幅方向に4体の計12体の蓄電池3をそれぞれ配置する。次に、土台42および棚板44において、幅方向の同じ位置に配置されている上下方向で6体の蓄電池3を、配線により接続する。
【0018】
次に、図5に示すように、押さえ板8を、土台42および全ての棚板44の奥行き方向両面に配置して、押さえ板8のねじ穴81と土台42および棚板44のねじ穴42b,44bを合わせて、ねじ止めにより固定する。次に、骨格部4の互いに反対側の側面を形成する一対の枠体41の各外側に、第一の壁面パネル5を固定して、最上部と最下部を除いた四ケ所の電池収納部22~25の一対の側面を囲う。
【0019】
次に、上下の棚板44の押さえ板8間に四対の第二の壁面パネル6をそれぞれ固定して、最上部と最下部を除いた四ケ所の電池収納部22~25の他対の側面を囲う。
次に、骨格部4の天板支持枠43の上に天井パネル7を固定して、骨格部4の上面を覆う。これにより、電力供給装置1の組み立てが完了する。
電力供給装置1の使用時には、第一の壁面パネル5の貫通穴51に給気ファンを接続し、天井パネル7の貫通穴71に排気ファンを接続する。
【0020】
〔作用、効果〕
上述のように、本実施形態の組電池収納棚2は、上下方向に六ケ所の電池収納部21~26を有し、最上部と最下部を除いた四ケ所の電池収納部22~25の側面が第一の壁面パネル5および第二の壁面パネル6で覆われ、最上部と最下部の電池収納部21,26の全ての側面が開放されている。また、棚板44の通気穴440により、組電池収納棚2内の上下方向の通気性が確保されている。さらに、最上部の電池収納部21の上側が天井パネル(天井板)7で覆われ、天井パネル7に排気ファン接続用の貫通穴71が形成され、第一の壁面パネル5に給気ファン接続用の貫通穴51が形成されている。
【0021】
そして、組電池収納棚2は、電池収納部21~26の全体に、複数の蓄電池3が電気的に接続された組電池を設置して電力供給装置1を組み立て、第一の壁面パネル5の貫通穴51に給気ファンを接続し、天井パネル7の貫通穴71に排気ファンを接続して、給気ファンから導入され排気ファンから排出される空気の流れで冷却しながら使用される。また、最上部と最下部の電池収納部21,26では、開放されている側面からの空気の出入りも生じる。
【0022】
従来の組電池収納棚は、全側面および天井部が開放されたものであって、組電池収納棚の外側に空気層が生じる仕切られた収納空間に設置される。蓄電池の充放電反応に伴い、収納棚の上段の蓄電池は下段の蓄電池の発熱の影響を受けるため、このような従来の組電池収納棚では、最下段から最上段にかけて自然対流(温度勾配)が生じることで、煙突効果により上段の蓄電池の温度が大きく上昇する。
【0023】
これに対して、本実施形態の組電池収納棚2では、上下方向で最上部と最下部を除いた四ケ所の電池収納部22~25の四側面が壁で囲われて閉塞され、最上部と最下部の電池収納部21,26の四側面が開放され、電池収納部22~25の閉塞された側面から給気ファンにより冷気を取り込んで強制対流させるため、最下段から最上段にかけての温度勾配が生じにくくなって、煙突効果が抑制される。その結果、上段の蓄電池の大きな温度上昇が抑制される。
つまり、本実施形態の組電池収納棚2を用いることで、収納された複数の蓄電池の冷却の上下方向での均一性が向上する。
【0024】
〔その他:尚書き〕
本実施形態の組電池収納棚2は、最上部と最下部を除いた四ケ所の連続する電池収納部22~25の側面が閉塞され、最上部と最下部の電池収納部21,26の側面が開放されているが、本発明の組電池収納棚はこれに限定されず、複数の電池収納部の一部が他部より側面の閉塞度が高く、閉塞度が高い方の電池収納部(第一収納部)が、上下方向の中心より上であって閉塞度が低い方の電池収納部(第二収納部)より高い位置に存在した構成であればよい。この構成の組電池収納棚を用いて、閉塞度の高い電池収納部の側面を構成する壁の貫通穴に給気ファンを接続して冷却すれば、全側面および天井部が開放された組電池収納棚を、外側に空気層が生じる仕切られた収納空間に設置して、収納された蓄電池を棚の底面から上に向かう冷気で冷却する場合と比較して、冷却の上下方向での均一性が向上する。
【0025】
本実施形態の組電池収納棚2は、上下方向に六ケ所の電池収納部を有するが、電池収納部の上下方向における数はこれに限定されず、例えば、上下方向に三ケ所の電池収納部を設けて、最上部と最下部を第二収納部とし、中間部を第一収納部としてもよい。
本実施形態の組電池収納棚2において、最上部と最下部の電池収納部21,26の側面の閉塞度は同じになっているが、電池収納部22~25の側面の閉塞度よりも低ければ、最上部と最下部の電池収納部21,26の側面の閉塞度は異なっていてもよい。つまり、最上部と最下部の電池収納部21,26は第二収納部(閉塞度が低い方の電池収納部)に相当するが、電池収納部21,26の側面の閉塞度は、第一収納部(閉塞度が高い方の電池収納部)の側面の閉塞度よりも低ければ、同じであっても異なるものであってもよい。
【0026】
電池収納部の側面を形成する壁には、配線ケーブルを通過させるための貫通穴などの不可避的な隙間が存在していてもよい。
なお、電池収納部の上下方向における数が奇数の場合、上下方向の中心に存在する電池収納部は、上下方向の中心より上および下の電池収納部に該当しない。
【実施例0027】
以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに説明する。
〔サンプルNo.1~7〕
図1に示す電力供給装置1について、組電池収納棚2に対する給気ファンの接続の有無と接続位置、組電池収納棚2に接続する給気ファンの種類、および組電池収納棚2に対する排気ファンの接続の有無を変えることで、組電池収納棚2に収納されている72体の蓄電池3の温度がどのように変化するかをシミュレーションし、サンプル毎に72体の蓄電池3の温度の最高値(最高温度)および最高温度と最低温度との差(温度差)を調べた。
【0028】
〔サンプルNo.8〕
図2に示す骨格部4の土台42および棚板44に、図1に示す電力供給装置1と同様に72体の蓄電池3を収納して、仕切られた空間(骨格部4の上面及び全側面の外側に400mm幅の空気層が生じる空間)内に設置した場合の、収納されている72体の蓄電池3の温度をシミュレーションし、72体の蓄電池3の温度の最高値(最高温度)および最高温度と最低温度との差(温度差)を調べた。
【0029】
〔シミュレーション条件〕
株式会社計算力学研究センターの流体解析ソフト「Ansys Fluent ver.19」を用い、固体と気体の熱連成解析、定常計算、層流、非圧縮製理想気体の条件で解析を行った。
電池発熱量:24W(充電を模擬し、等方発熱体とした)
電池体積:333.5×278×324mm3
熱伝導率(セル積層方向):0.65W/m*K(異方性あり、内部構造を考慮)
熱伝導率(セル積層方向に垂直な方向):5.1W/m*K(異方性あり、内部構造を考慮)
組電池収納棚2(サンプルNo.1~6)、骨格部4(サンプルNo.7,8)、天井パネル(サンプルNo.7)の材質:SS400
開放面の圧力境界:1気圧
空気の吸入温度:300K
給気ファン用の貫通穴51の開口寸法:119mm×119mm
給気ファンAの流量:2m3/min
給気ファンBの流量:4m3/min
排気ファン用の貫通穴71の開口寸法:119mm×119mm
排気ファンの流量:2m3/min
シミュレーション結果を構成とともに表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
本発明の実施例に相当するNo.1~5では、最高温度が48.9~46.6℃で、温度差が5.6~9.9℃となっているのに対して、比較例に相当するNo.6~8では、最高温度が53.2~71.3℃で、温度差は14.9~19.6℃となっていた。
この結果から分かるように、本発明の構成とすることで、12体ずつ6段に配置された72体の蓄電池の冷却の不均一性が大きく改善され、最高温度も低くすることができる。つまり、上下方向に複数の電池収納部を有する組電池収納棚を本発明の構成とすることで、収納された複数の蓄電池を上下方向で均一に冷却でき、冷却性能も向上できる。また、収納された蓄電池の数が多いほど、上下方向で均一に冷却でき、冷却性能も向上できる効果が高くなる。
【符号の説明】
【0032】
1 電力供給装置
2 組電池収納棚
21 電池収納部(第二収納部)
22 電池収納部(第一収納部)
23 電池収納部(第一収納部)
24 電池収納部(第一収納部)
25 電池収納部(第一収納部)
26 電池収納部(第二収納部)
3 蓄電池
4 骨格部
41 枠体
42 土台
420 通気穴
421 鋼材(梁状部材)
43 天板支持枠
44 棚板
440 通気穴
441 鋼材(梁状部材)
5 第一の壁面パネル(第一収納部の側面を形成する壁の構成部材)
51 給気ファン接続用の貫通穴
6 第二の壁面パネル(第一収納部の側面を形成する壁の構成部材)
7 天井パネル(天井板)
71 排気ファン接続用の貫通穴
8 押さえ板
図1
図2
図3
図4
図5