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特開2024-152292監視方法、監視装置及びコンピュータ記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152292
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】監視方法、監視装置及びコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066404
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】大神 官公
(72)【発明者】
【氏名】赤田 光
【テーマコード(参考)】
5C054
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FE14
5C054HA19
(57)【要約】
【課題】透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する。
【解決手段】床部に取り外し可能なグレーチングが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視方法であって、前記グレーチングは透明なグレーチングを含み、前記透明なグレーチングは貼付体が貼り付けられ、撮像モジュールに撮像された前記クリーンルームの画像に基づいて、前記透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する工程を含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床部に取り外し可能なグレーチングが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視方法であって、
前記グレーチングは透明なグレーチングを含み、
前記透明なグレーチングは貼付体が貼り付けられ、
撮像モジュールに撮像された前記クリーンルームの画像に基づいて、前記透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する工程を含む、監視方法。
【請求項2】
前記貼付体は、色が非黒系であり且つ透明なカラーフィルムである、請求項1に記載の監視方法。
【請求項3】
前記貼付体は、色が非黒系であり且つ前記開口部より面積が小さいシールである、請求項1に記載の監視方法。
【請求項4】
前記検知する工程は、
(A)検知対象の前記画像から、前記開口部の候補に相当する部分である開口候補を抽出する工程と、
(B)前記検知対象の前記画像を含む時系列に並ぶ複数の前記画像に基づいて、前記クリーンルーム内を移動する移動体に相当する前記開口候補を除去する工程と、
(C)次いで、前記検知対象の前記画像における前記開口候補の色によって前記開口候補を絞る工程と、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の監視方法。
【請求項5】
前記(C)工程は、前記検知対象の前記画像における色が白系の前記開口候補と、前記検知対象の前記画像における色が非白系且つ非黒系の前記開口候補と、を除去する、請求項4に記載の監視方法。
【請求項6】
(D)前記(C)工程後、前記移動体に相当する部分を、前記開口候補から除去する工程をさらに含み、
前記(C)工程及び前記(D)工程はそれぞれ、前記複数の前記画像の比較結果に基づいて、前記移動体に相当する部分を前記開口候補から除去し、
前記(D)工程で用いる前記画像が占める時間が、前記(C)工程で用いる前記画像が占める時間より長い、請求項4に記載の監視方法。
【請求項7】
床部に取り外し可能なグレーチングが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視方法を監視装置によって実行させるように、当該監視装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体であって、
前記グレーチングは透明なグレーチングを含み、
前記透明なグレーチングは貼付体が貼り付けられ、
前記監視方法は、撮像モジュールに撮像された前記クリーンルームの画像に基づいて、前記透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する工程を含む、コンピュータ記憶媒体。
【請求項8】
床部に取り外し可能なグレーチングが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視装置であって、
前記グレーチングは透明なグレーチングを含み、
前記透明なグレーチングは貼付体が貼り付けられ、
撮像モジュールにされた前記クリーンルームの画像に基づいて、前記透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する検知部を有する、監視装置。
【請求項9】
前記貼付体は、色が非黒系であり且つ透明なカラーフィルムである、請求項8に記載の監視装置。
【請求項10】
前記貼付体は、色が非黒系であり且つ前記開口部より面積が小さいシールである、請求項8に記載の監視装置。
【請求項11】
前記検知部は、
検知対象の前記画像から、前記開口部の候補に相当する部分である開口候補を抽出する抽出部と、
前記検知対象の前記画像を含む時系列に並ぶ複数の前記画像に基づいて、前記クリーンルーム内を移動する移動体に相当する前記開口候補を除去する移動体除去部と、
前記移動体除去部による前記開口候補の除去後、前記検知対象の前記画像における前記開口候補の色によって前記開口候補を絞る特定色除去部と、を有し、請求項8~10のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項12】
前記特定色除去部は、前記検知対象の前記画像における色が白系の前記開口候補と、前記検知対象の前記画像における色が非白系且つ非黒系の前記開口候補と、を除去する、請求項11に記載の監視装置。
【請求項13】
前記特定色除去部による前記開口候補の絞りの後、前記移動体に相当する部分を、前記開口候補から除去する別の移動体除去部をさらに有し、
前記移動体除去部及び前記別の移動体除去部はそれぞれ、前記複数の前記画像の比較結果に基づいて、前記移動体に相当する部分を前記候補から除去し、
前記別の移動体除去部で用いる前記画像が占める時間が、前記移動体除去部で用いる前記画像が占める時間より長い、請求項11に記載の監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視方法、監視装置及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、床部に取り外し可能な床面が配置されたクリーンルームの内部を監視するためのクリーンルームの監視装置が開示されている。この監視装置は、作業員が通行可能な通路の前記取り外し可能な床面を撮像する監視カメラを備え、監視カメラで得られた画像信号から取り外し可能な床面が取り外された開口部の有無を検出し、開口部が有る場合は当該開口部に接近する作業員の有無を監視カメラの画像信号から検出する。また、この監視装置では、作業員が検出された際に警報信号を出力する監視部と、監視部から警報信号を受け、警報を発する警報発生手段とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-16799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示にかかる技術は、透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、床部に取り外し可能なグレーチングが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視方法であって、前記グレーチングは透明なグレーチングを含み、前記透明なグレーチングは貼付体が貼り付けられ、撮像モジュールに撮像された前記クリーンルームの画像に基づいて、前記透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する工程を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、透明なグレーチングが取り外された開口部を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる監視装置を備える監視システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】クリーンルーム内の床部の構成及び監視カメラの配置を説明するための図である。
図3】カラーフィルムが貼り付けられた状態の透明なグレーチングの概略を示す断面図である。
図4】監視カメラにより撮像される画像の一例を示す図である。
図5】監視カメラにより撮像される画像の一例を示す図である。
図6】クリーンルームの画像に基づく監視に関する図1の監視装置の制御部の機能ブロック図である。
図7図1の監視装置による監視フローの一例を説明するためのフローチャートである。
図8】検知対象画像の例を示す図である。
図9】検知対象画像にかかる二値化差分画像の一例を示す図である。
図10】第1除去後画像の一例を示す図である。
図11】第1置換画像の一例を示す図である。
図12】第2除去後画像の一例を示す図である。
図13】第3除去後画像の一例を示す図である。
図14】監視装置による監視フローで検出される物体の例を示す図である。
図15】開口候補の基準の設定例を説明するための図である。
図16】検知対象のクリーンルームの画像から開口候補を抽出する形態の他の例を説明するための図である。
図17】開口候補の抽出対象の領域を設定するための操作画面の一例を示す図である。
図18】貼付体の他の例を示す図である。
図19】シールが貼り付けられた透明グレーチングによる開口部が形成されていない場合の画像の一例を示す図である。
図20】シールが貼り付けられた透明グレーチングによる開口部が形成されていた合の画像の一例を示す図である。
図21図19の画像と図20の画像との差分画像を二値化した二値化差分画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
従来から、例えば半導体装置を製造するための半導体製造ラインでは、多数の半導体製造装置が、清浄雰囲気とされたクリーンルーム内に配設されている。このようなクリーンルームでは、床部に、多数の格子状の通気部を有するグレーチングが配設されている。また、グレーチングの下部空間には、配管や各種電気機器、ポンプ類、薬液タンク等が収容されている。さらに、これら配管や各種電気機器、ポンプ類等の設置や保守、故障時に作業員がグレーチングの下部空間に降りて作業をすること等を目的として、グレーチングは取り外し自在となっている。
【0009】
このようにグレーチングを取り外した状態でグレーチング下部の空間に作業員が入り作業を行えるようになっている。しかしながら、グレーチングを取り外した場合、多数のグレーチングによって形成されているクリーンルームの床部に開口部が形成されるため、作業員がこの開口部から下部空間すなわち床下部へと落下する危険性がある。とりわけグレーチング上で他の作業を行なっている作業員にとっては、開口部が形成されていることを知らずに作業をしていることがあり、従来から作業員に注意を促すことが行われている。
【0010】
特許文献1に記載の技術は、グレーチングを撮像する監視カメラで得られた画像信号に基づいて、グレーチングが取り外された開口部の有無を検出し、開口部が有る場合は作業員の有無を検出し、作業員が検出された際に、警報信号を出力するようにしている。
【0011】
ところで、グレーチングとして、透明なグレーチングが用いられる場合がある。具体的には、平面視における略全体が無色透明なグレーチングが用いられる場合がある。透明なグレーチングは当該グレーチングを取り付けた状態で床下部の状態を視認すること等を目的として用いられる。
【0012】
透明なグレーチングが用いられる場合に、カメラで撮像した画像に基づいて開口部を検知する方法を採用すると、非透明なグレーチングによる開口部は検知できたとしても透明なグレーチングによる開口部を検知できないことがある。なぜならば、非透明なグレーチングに対応する部分の撮像結果が、当該グレーチングが取り外された状態であるか否かに応じて大きく変化するが、透明なグレーチングに対応する部分は、当該グレーチングが取り外された状態であるか否かに応じては変化があまり生じないため、である。
【0013】
そこで、本開示にかかる技術は、透明なグレーチングが取り外された開口部を検知し、より具体的には、クリーンルームを撮像した画像に基づいて、透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する。
【0014】
以下、本実施形態にかかる監視方法及び監視装置を、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
<監視システム>
図1は、本実施形態にかかる監視装置を備える監視システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、クリーンルーム内の床部の構成及び後述の監視カメラの配置を説明するための図である。図3は、後述のカラーフィルムが貼り付けられた状態の透明なグレーチングの概略を示す断面図である。図4及び図5はそれぞれ、監視カメラにより撮像される画像の一例を示す図である。
【0016】
図1の監視システム1は、クリーンルーム内の床部を監視する監視装置10と、クリーンルーム内の床部を撮像する撮像モジュールとしての監視カメラ20とを備える。この監視システム1は、図2に示すようにクリーンルームの床部に取り付けれられたグレーチングGが透明グレーチングGtを少なくとも一部に含む場合に用いられるものである。なお、以下では、透明グレーチングGt以外のグレーチングGを非透明グレーチングGnといい、透明グレーチングGt及び非透明グレーチングGnを総称してグレーチングGという。
【0017】
監視システム1の監視対象の床部に設けられた透明グレーチングGtそれぞれには、貼付体としてのカラーフィルムCFが貼り付けられている。
【0018】
透明グレーチングGtは、透明であり、具体的には、無色透明であり、その本体部G1が無色透明である。なお、透明グレーチングGtは、本体部G1を保持するフレームG2も有する。
【0019】
カラーフィルムCFは、透明グレーチングGtの略全体(例えば90%以上)を覆うように透明グレーチングGtに貼り付けられる。具体的には、カラーフィルムCFは、透明グレーチングGtの本体部G1の略全体(例えば90%以上)を覆うように、本体部G1に貼り付けられる。
【0020】
カラーフィルムCFは、透明グレーチングGtと同様、透明である。具体的には、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtが取り付けられた状態で作業員が床下部の状態を視認することができる程度な透明性を、カラーフィルムCFを有する。
ただし、カラーフィルムCFは、透明グレーチングGtと異なり、非黒系色を有する。
なお、透明グレーチングGtにカラーフィルムCFが貼り付けられた状態で作業員がカラーフィルムCFに躓くこと等がないよう、カラーフィルムCFは薄く形成される。例えば、カラーフィルムCFの厚さは0.1mm以下である。
【0021】
監視システム1は図1に示すようにカラーフィルムCFを含んでもよい。
【0022】
監視装置10は、本体部11、表示部12、警報部13、入力部14とを有する。
【0023】
本体部11は、例えばCPU等のプロセッサやメモリ等を備えたコンピュータであり、記憶部11aと、制御部11bとを有する。
記憶部11aは、各種情報を記憶するものであり、RAM等のメモリやHDD等のストレージデバイスを有する。記憶部11aには、後述の監視フローを実行するための指令を含むプログラム等が記憶されている。上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから本体部11にインストールされたものであってもよい。また、上記記憶媒体Hは、一時的なものであっても非一時的なものであってもよい。
【0024】
表示部12は、各種画像を表示するものであって、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。
【0025】
警報部13は、光または音の少なくともいずれか一方により警報を発する。音による警報は、警報音を発する形態であっても、音声によって警告メッセージを読み上げる形態であってもよい。この警報部13は例えば監視対象のクリーンルーム内の半導体製造装置SA(図2参照)に設けられる。
【0026】
入力部14は、作業員が指示を入力するためのものであり、例えば、タッチパネルやキーボードを含む。
【0027】
監視カメラ20は、図2に示すように、グレーチングGが着脱自在に取り付けられるクリーンルーム内の床部を撮像する。監視カメラ20の監視対象のクリーンルーム内の床部には、塗布現像装置等の半導体製造装置SAが載置される。
監視カメラ20は、少なくとも、クリーンルーム内の床部における半導体製造装置SAが載置されない領域すなわち作業員が通行する領域を撮像可能に、配設されている。例えば、平面視において半導体製造装置SAの各辺部に沿う床部と平面視において半導体製造装置SAの各角部と対向する床部とを撮像するように、6つの監視カメラ20が設けられている。また、6つの監視カメラ20は、半導体製造装置SAの周囲の全てのグレーチングGが監視カメラ20の視野内に入るように配設されている。
【0028】
監視カメラ20は例えば半導体製造装置SAに取り付けられる。なお、監視カメラ20の少なくとも一部は、半導体製造装置SA以外に取り付けられてもよく、具体的には、例えば、クリーンルームの天井部や壁部、クリーンルーム内の他の装置に取り付けられていてもよい。
【0029】
また、監視カメラ20はそれぞれ、視野内のクリーンルームをカラーで撮像する。
監視カメラ20それぞれで撮像されたクリーンルームの画像(具体的には床部を含むクリーンルームのカラー画像)は、監視装置10に出力され記憶部11aに記憶される。
【0030】
監視装置10は、監視カメラ20毎に、撮像されたクリーンルームの画像を用いて、クリーンルームの監視を行う。監視装置10による監視中、監視カメラ20はそれぞれ順次撮像を行う。
また、監視カメラ20はそれぞれ、監視装置10による監視の開始前に、すなわち、事前に、以下の条件を満たす状態で、クリーンルーム内をカラーで撮像する。
・視野内のグレーチングGが全て取り付けられている(すなわち視野内にグレーチングGが取り外された開口部が存在しない)。
・クリーンルーム内を移動する移動体(例えば作業者等)が視野内に存在しない。
【0031】
この状態で撮像された図4で例示する画像Iは、監視の基準となる基準画像(以下、基準画像I)として、監視カメラ20の記憶部11aに記憶される。なお、図4の基準画像Iには、グレーチングGの他、床部上の半導体製造装置SA、クリーンルームの壁部W等が示されている。この基準画像Iも監視装置10によるクリーンルームの監視に用いられる。
【0032】
なお、図5で例示する画像Ieは、非透明グレーチングGnによる開口部Op1及びカラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2が形成された状態のクリーンルーム内が撮像されたものである。
【0033】
以下では、説明の簡易化のため、監視カメラ20は1台であるものとする
【0034】
上述のように構成される監視システム1において、監視装置10は、クリーンルームの監視の一環として、グレーチングGが取り外された開口部の検知を行う。具体的には、監視装置10の制御部11bが、監視カメラ20で撮像されたクリーンルームの画像に基づいて開口部を検知する。より具体的には、監視装置10の制御部11bが、監視中に監視カメラ20で撮像されたクリーンルームの画像と、上述の基準画像Iとに基づいて、開口部を検知する。
【0035】
監視中に非透明グレーチングGnによる開口部Op1が形成された場合、監視カメラ20で撮像されるクリーンルームの画像は、図5の画像Ieで例示するように、開口部Op1が形成されていない状態で撮像された基準画像Iから、開口部Op1に対応する部分が変化する。
そのため、監視装置10の制御部11bは、監視中に監視カメラ20で撮像されたクリーンルームの画像と、上述の基準画像Iと、の比較結果に基づいて、非透明グレーチングGnによる開口部Op1を検知する。
【0036】
一方、監視中にカラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2が形成された場合も、監視カメラ20で撮像されるクリーンルームの画像は、図5の画像Ieで例示するように、開口部Op2が形成されていない状態で撮像された基準画像Iから、開口部Op2に対応する部分が変化する。
そのため、監視装置10の制御部11bは、監視中に監視カメラ20で撮像されたクリーンルームの画像と、上述の基準画像Iと、の比較結果に基づいて、透明グレーチングGtによる開口部Op2も検知する。
【0037】
<監視装置10の制御部11b>
図6は、クリーンルームの画像に基づく監視に関する監視装置10の制御部11bの機能ブロック図である。
制御部11bは、図6に示すように、CPU等のプロセッサが記憶部11aに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される、取得部100と、検知部200と、報知制御部300と、を有する。
【0038】
取得部100は、記憶部11aに記憶された、監視カメラ20に順次撮像されたクリーンルームの画像の中から、検知部200による検知対象の画像を選択し取得する。取得部100は、検知対象の画像を時系列に選択する。具体的には、取得部100は、記憶部11aに記憶された、監視カメラ20に順次撮像されたクリーンルームの画像を、n(nは1以上の整数)枚毎に抽出すなわち選択し、取得する。
【0039】
検知部200は、取得部100に取得された検知対象のクリーンルームの画像(以下、検知対象画像と省略する場合がある。)に基づいて、グレーチングGが取り外された開口部を検知する。検知部200は、抽出部210と、除去部220と、を有する。
【0040】
抽出部210は、検知対象画像から、開口部の候補に相当する部分(以下、開口候補と省略する場合がある。)を抽出する。具体的には、抽出部210は、前述の基準画像と検知対象画像とに基づいて、両画像間で画素値に差が生じている画素すなわち部分を、開口候補として、抽出する。
【0041】
より具体的には、抽出部210は、カラーの検知対象画像をグレースケール化し、検知対象グレースケール画像を生成する。そして、抽出部210は、検知対象グレースケール画像において、輝度値が基準グレースケール画像に比べて所定の閾値以上低い画素すなわち基準グレースケール画像に比べて暗い部分を、開口候補として抽出する。基準グレースケール画像は、カラーの基準画像をグレースケール化したものであり、例えば、予め生成され記憶部11aに記憶されている。
このように基準グレースケール画像に比べて暗い部分を開口候補として抽出する理由は、基準グレースケール画像において非透明グレーチングGnは比較的明るく示されるのに対し、開口部が形成される場合、検知対象グレースケール画像において開口部が比較的暗く示されるから、である。
【0042】
なお、以下の例では、カラーの検知対象画像及びカラーの基準画像の各色の階調と、検知対象グレースケール画像及び基準グレースケール画像の階調はそれぞれ256であるものとする。
【0043】
除去部220は、抽出部210により抽出された検知対象画像内の開口候補から、特定の開口候補を除去する。除去部220は、移動体除去部221と、特定色除去部222と、物体単位除去部と、を有する。
【0044】
移動体除去部221は、検知対象画像を含む時系列に並ぶ複数のクリーンルームの画像に基づいて、移動体に相当する開口候補を除去する。上記時系列に並ぶ複数のクリーンルームの画像とは、具体的には、現在の検知対象画像を含む、取得部100が順次取得した複数の検知対象画像である。また、移動体には、短時間で閉じられる開口部も含まれる。
この移動体除去部221は、第1除去部221a及び第2除去部221bを有する。
【0045】
第1除去部221aは、上記時系列に並ぶ複数のクリーンルームの画像の比較結果に基づいて、移動体に相当する部分を開口候補から除去する。具体的には、第1除去部221aは、現在の検知対象画像を含む時系列に並ぶ3つの検知対象画像に亘って連続して存在しない開口候補を、移動体として除去する。すなわち、第1除去部221aは、上記時系列に並ぶ3つの検知対象画像全てに存在する開口候補のみが残るよう、該当しない開口候補を移動体として除去する。
【0046】
第2除去部221bは、第1除去部221aと同様、上記時系列に並ぶ複数のクリーンルームの画像の比較結果に基づいて、移動体に相当する開口候補を除去する。ただし、第2除去部221bは、比較に用いる、上記時系列に並ぶ複数のクリーンルームの画像が占める時間が、第1除去部221aと異なる。
【0047】
具体的には、第2除去部221bで上記比較に用いる上記時系列に並ぶ複数のクリーンルームの画像が占める時間は、第1除去部221aで用いる3つの検知対象画像が占める時間より長い。
第2除去部221bは、より具体的には、第1除去部221a、後述の特定色除去部222及び物体単位除去部223による除去後の開口候補が、現在の検知対象画像を含む所定時間に相当する所定の数以上の検知対象画像に亘って連続して存在しない場合、当該開口候補を除去する。
【0048】
特定色除去部222は、第1除去部221aによる開口候補の除去後、検知対象のクリーンルームの画像における開口候補の色によって、開口候補を絞る。すなわち、特定色除去部222は、検知対象画像内の開口候補のうち、カラーの検知対象画像において特定の色を示す開口候補を除去する。開口候補を絞るということは、開口候補を少ない或いは小さい範囲に限定すること、または開口部を特定することと言い換えることができる。
具体的には、監視カメラ20が撮像するクリーンルームの画像には、開口部が黒系色で示され非透明グレーチングGnが非黒系色で示されるため、特定色除去部222は、カラーの検知対象画像における色が黒系の開口候補のみが残るよう、開口候補を除去する。すなわち、特定色除去部222は、カラーの検知対象画像における色が白系の開口候補と、同画像における色が非白系且つ非黒系すなわち色付きの開口候補を除去する。
【0049】
なお、「白系」とは、例えば、画素値のR成分、G成分、B成分のいずれかが所定の閾値(例えば100)を超えるという条件(以下、条件A)を満たすことを意味する。また、「非白系且つ非黒系すなわち色付き」であるとは、画素値のR成分とG成分との差の絶対値、画素値のR成分とG成分との差の絶対値または画素値のR成分とG成分との差の絶対値の少なくともいずれか1つが所定の閾値(例えば20)を超えるという条件(以下、条件B)を満たすことを意味する。さらに、「非黒系」とは、上記条件Aまたは条件Bの少なくともいずれか一方を満たすことを意味する。以下では、「白色」とは、画素値のR成分、G成分、B成分の全ての輝度値が255であることを意味し、「黒色」とは、画素値のR成分、G成分、B成分の全ての輝度値が0であることを意味する。
【0050】
物体単位除去部223は、検知対象画像内の開口候補の集合を物体として検出し、且つ、検出した物体すなわち開口候補の集合が開口部であり得るかの機械学習による判定を行い、判定の結果に基づいて、開口候補を絞る。
物体単位除去部223は、物体検出部223a、面積除去部223b及び判定部223cを有する。
【0051】
物体検出部223aは、検知対象画像内の開口候補の集合を、すなわち、検知対象画像内の開口候補である画素の塊を、物体として検出する。この物体検出には、例えば輪郭検出及びブロブ検出が用いられる。
【0052】
面積除去部223bは、物体検出部223aが検出した物体のうち、面積が所定の第1閾値以下のものと、面積が所定の第2閾値(>第1閾値)以上のものとを除去する。
これにより、検知対象画像内の開口候補の画素の塊のうち、その面積がクリーンルームの画像中の開口部より明らかに大きいものや明らかに小さいものが除去される。
【0053】
判定部223cは、検知対象画像内における物体検出部223aが検出した物体毎すなわち開口候補の集合毎に、当該物体すなわち開口候補の集合が開口部の画像であり得るかを、機械学習により予め作成されたモデルに基づいて判定する。
【0054】
物体単位除去部223は、判定部223cにおいて開口部の画像であり得ると判定されなかった物体すなわち開口候補の集合に含まれる開口候補を、検知対象画像内の開口候補から除去する。
【0055】
報知制御部300は、除去部220による除去後に検知対象画像内の開口候補が残っていた場合に、検知部200により開口部が検知されたものとして、表示部12及び警報部13を制御して、報知させる。この場合、警報部13は、報知制御部300の制御の下、光または音の少なくともいずれか一方により警報を発する。また、この場合、表示部12は、報知制御部300の制御の下、開口部が検知されたことを示す画像または開口部の位置を示す画像の少なくともいずれか一方を表示する。開口部の位置を示す画像は、例えば、除去部220による除去後に残っている検知対象画像内の開口候補の情報に基づいて生成される。
【0056】
<監視フロー>
次に、監視装置10による監視フローの一例を、図4を参照し、図7図13を用いて、説明する。図7は、監視装置10による監視フローの一例を説明するためのフローチャートである。図8は、検知対象画像の例を示す図である。図9は、検知対象画像にかかる後述の二値化差分画像の一例を示す図である。図10は、後述の第1除去後画像の一例を示す図である。図11は、後述の第1置換画像の一例を示す図である。図12は、後述の第2除去後画像の一例を示す図である。図13は、後述の第3除去後画像の一例を示す図である。図12は、監視装置10による監視フローで検出される物体の例を示す図である。
【0057】
(ステップS1:取得工程)
まず、図7に示すように、監視装置10の制御部11bの取得部100が、記憶部11aに記憶された、監視カメラ20に順次撮像されたクリーンルームの画像の中から、後段のステップS2での次の検知対象として、n(nは3以上の整数)番目の検知対象画像Inを取得する。
以下の説明では、n番目の検知対象画像Iには、図8に示すように、図4の基準画像Iには存在しない画像P1~P4が示されているものとする。また、以下の説明では、画像P1は、非透明グレーチングGnによる開口部Op1を示し、時系列順で検知対象画像Iより1つ前すなわちn-1番目の検知対象画像In-1、2つ前すなわちn-2番目の検知対象画像In-2にも示されているものとする。さらに、画像P2は、グレーチングGや開口部ではなくグレーチングG上に存在するものを示し、検知対象画像In-1及び検知対象画像In-2に示されているものとする。さらにまた、画像P3は、画像P2と同様、グレーチングG上に存在するものを示すが、検知対象画像In-1にのみ示され検知対象画像In-1には示されていないものとする。また、画像P4は、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2を示し、検知対象画像In-1及び検知対象画像In-2に示されているものとする。
【0058】
(ステップS2:検知工程)
次いで、検知部200が、ステップS1で取得された検知対象画像Iに基づいて、開口部を検知する。このステップS2の検知工程は、抽出工程(ステップS11)と、除去工程(ステップS12)と、を含む。
【0059】
(ステップS11:抽出工程)
本工程では、抽出部210が、ステップS1で取得された検知対象画像Iから、開口候補を抽出する。
具体的には、抽出部210が、カラーの検知対象画像Iについて、グレースケール化し、検知対象グレースケール画像Ig、nを生成する。そして、抽出部210が、検知対象グレースケール画像Ig、nにおいて、グレースケール化した基準画像Iすなわち基準グレースケール画像Ig、0に比べて輝度値が所定の閾値以上低い画素を、開口候補として抽出する。
【0060】
より具体的には、抽出部210が、基準グレースケール画像Ig、0と検知対象グレースケール画像Ig、nとの差分画像Id、nを生成する。それと共に、抽出部210が、差分画像Id、nにおいて輝度値が所定の閾値以下の画素すなわち開口候補のみが白色となりそれ以外の画素が黒色となるよう、差分画像Id、nを二値化処理し、図9で例示する検知対象画像Iについての二値化差分画像It、nを生成する。すなわち、二値化差分画像It、nにおいて白色の画素は開口候補である。この二値化差分画像It、nにおいて、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2に対応する部分が白色となるよう、カラーフィルムCFの色は非黒系色の中から選択される。そのため、二値化差分画像It、nには、非透明グレーチングGnによる開口部Op1に対応する部p1だけでなく、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2に対応する部分p4も、白色の画素すなわち開口候補として存在する。
【0061】
(ステップS12:除去工程)
本工程では、除去部220が、ステップS11で抽出された検知対象画像I内の開口候補から、特定の開口候補を除去する。このステップS12の除去工程は、移動体除去工程(ステップS21)と、特定色除去工程(ステップS22)と、物体単位除去工程(ステップS23)と、時間判定工程(ステップS24)と、を含む。
【0062】
(ステップS21:移動体除去工程)
本工程では、第1除去部221aが、検知対象画像Iを含む複数のクリーンルームの画像の比較結果に基づいて、移動体に相当する部分を開口候補から除去する。
具体的には、第1除去部221aが、現在の検知対象画像Iを含む検知対象画像I、In-1、In-2内に、これら3つの画像全てに亘って連続して存在しない開口候補を、移動体として除去する。
より具体的には、第1除去部221aが、検知対象画像Iの二値化差分画像It、nの白色の画素のうち、検知対象画像In-1、In-2についての二値化差分画像It、n-1、It、n-2のいずれかで黒色となっている画素を黒色化し、図10で例示する第1除去後画像Ir1、nを生成する。第1除去後画像Ir1、nにおいても白色の画素は開口候補である。また、第1除去後画像Ir1、nには、非透明グレーチングGnによる開口部Op1に対応する部p1だけでなく、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2に対応する部分p4も、除去されずに、白色の画素すなわち開口候補として残る。
【0063】
(ステップS22:特定色除去工程)
本工程では、特定色除去部222が、カラーの検知対象画像Iにおける色によって、検知対象画像I内の開口候補を絞る。このステップS22の特定色除去工程は、色付き候補除去工程(ステップS22a)と、白色候補除去工程(ステップS22b)と、を含む。
【0064】
(ステップS22a:色付き候補除去工程)
本工程では、特定色除去部222が、検知対象画像I内の開口候補から、カラーの検知対象画像Iにおける色が非白系且つ非黒系すなわち色付きの開口候補を除去する。
具体的には、特定色除去部222が、カラーの検知対象画像Iにおいて、画素値のR成分とG成分との差の絶対値、画素値のR成分とG成分との差の絶対値または画素値のR成分とG成分との差の絶対値の少なくともいずれか1つが所定の閾値を超える画素を、検知対象画像I内の開口候補から除去する。
【0065】
より具体的には、例えば、まず、特定色除去部222が、第1除去後画像Ir1、nにおける白色の画素の画素値を、カラーの検知対象画像Iの画素値で置き換えると共に、第1除去後画像Ir、nにおける黒色の画素の画素値を、最高の輝度値(255)のR成分、G成分またはB成分のみを有する色に置き換える。これにより、特定色除去部222は、図11で例示する第1置換画像Ic1、nを生成する。
次いで、特定色除去部222は、第1置換画像Ic1、nからR成分、G成分及びB成分それぞれのみを抽出した画像を生成する。すなわち、特定色除去部222は、第1置換画像Ic1、nについて、R成分の輝度画像IRc、n、G成分の輝度画像IGc、n及びB成分の輝度画像IBc、nを生成する。
その後、特定色除去部222は、R成分の輝度画像IRc、nとG成分の輝度画像IGc、nとの差分画像IR-G、d、nを生成する。それと共に、特定色除去部222が、差分画像IR-G、d、nにおいて輝度値が所定の閾値以下の画素が白色となりそれ以外の画素が黒色となるよう、差分画像IR-G、d、nを二値化処理し、R成分とG成分とについての二値化差分画像IR-G、t、nを生成する。
同様に、特定色除去部222は、G成分の輝度画像IGc、nとG成分の輝度画像IBc、nとに基づいて、G成分とB成分とについての二値化差分画像IG-B、t、nを生成する。また、特定色除去部222は、B成分の輝度画像IBc、nとR成分の輝度画像IRc、nとに基づいて、B成分とR成分とについての二値化差分画像IB-G、t、nを生成する。
そして、特定色除去部222は、二値化差分画像IR-G、t、n、IG-B、t、n、IR-G、t、nの全てで白色となる画素を抽出する。すなわち、特定色除去部222は、図12で例示する第2除去後画像Ir2、nを生成する。第2除去後画像Ir2、nは、二値化差分画像IR-G、t、n、IG-B、t、n、IR-G、t、nの全てで白色となる画素のみが白色となり、それ以外の画素が黒色となっている。また、第2除去後画像Ir2、nは、白色の画素が開口候補であり、第1除去後画像Ir1、nから色付きの開口候補に対応する白色の画素群P21を除いたものである。また、第2除去後画像Ir2、nには、非透明グレーチングGnによる開口部Op1に対応する部p1だけでなく、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2に対応する部分p4も、除去されずに、白色の画素すなわち開口候補として残る。
【0066】
(ステップS22b:白系候補除去工程)
本工程では、特定色除去部222が、検知対象画像I内の開口候補から、カラーの検知対象画像Iにおける色が白系の開口候補を除去する。
具体的には、カラーの検知対象画像Iにおいて、画素値のR成分、G成分、B成分のいずれかが所定の閾値(例えば20)を超える画素を、検知対象画像I内の開口候補から除去する。
【0067】
より具体的には、例えば、まず、特定色除去部222が、第2除去後画像Ir2、nにおける白色の画素の画素値を、カラーの検知対象画像Iの画素値で置き換えると共に、第1除去後画像Ir、nにおける黒色の画素の画素値を、白色に置き換える。これにより、特定色除去部222は、第2置換画像Ic2、nを生成する。
次いで、特定色除去部222は、画素値のR成分、G成分、B成分のいずれかが所定の閾値(例えば20)を超える画素が黒色となりそれ以外が白い色となるよう、第2置換画像Ic2、nを変換し、図13で例示する第3除去後画像Ir3、nを生成する。第3除去後画像Ir3、nにおいても白色の画素が開口候補である。また、第3除去後画像Ir3、nは、第2除去後画像Ir2、nから白系の開口候補に対応する白色の画素群P22を除いたものである。さらに、第3除去後画像Ir3、nには、非透明グレーチングGnによる開口部Op1に対応する部p1だけでなく、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2に対応する部分p4も、除去されずに、白色の画素すなわち開口候補として残る。
【0068】
(ステップS23:物体単位除去工程)
本工程では、物体単位除去部223が、検知対象画像I内の開口候補の集合を物体として検出し、且つ、検出した物体すなわち開口候補の集合が開口部であり得るかの機械学習による判定を行い、判定の結果に基づいて、開口候補を絞る。このステップS23の物体単位除去工程は、物体検出工程(ステップS23a)と、面積除去工程(ステップS23b)と、開口判定工程(ステップS23c)と、を含む。
【0069】
(ステップS23a:物体検出工程)
本工程では、物体検出部223aが、検知対象画像I内の開口候補の集合を物体として検出する。
具体的には、物体検出部223aが、第3除去後画像Ir3、nに対し、輪郭検出及びブロブ検出を行い、第3除去後画像Ir3、n内の開口候補である白色の画素の塊を、物体として検出する。これにより、第3除去後画像Ir3、nから例えば図14に示すように物体B1、B2、B4が検出される。物体B1は、非透明グレーチングGnによる開口部Opに対応し、物体B4は、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2に対応する。
【0070】
(ステップS23b:面積除去工程)
本工程では、面積除去部223bが、ステップS23aで検出された第3除去後画像Ir3、n内の物体(すなわち白色の画素の塊)のうち、面積が所定の第1閾値以下のものと、面積が所定の第2閾値(>第1閾値)以上のものとを、それを除去する。なお、該当する物体がなければ、物体の除去は行われない。
【0071】
(ステップS23c:開口判定工程)
本工程では、判定部223cが、ステップS23cで検出された物体毎に、当該物体が開口部の画像であり得るかを、機械学習により予め作成されたモデルに基づいて判定する。
具体的には、判定部223cが、ステップS23aで検出されステップS23b後も残った物体毎に、当該物体が開口部の画像であり得るかを、機械学習により予め作成されたモデルに基づいて判定する。例えば、判定部223cが、図14の物体B1、B2、B4それぞれについて、開口部の画像であり得るかを、機械学習により予め作成されたモデルに基づいて判定する。
【0072】
そして、判定の結果、開口部の画像であり得ると判定されなかった場合、物体単位除去部223は、該当する物体すなわち開口候補の集合に含まれる開口候補を、検知対象画像In内の開口候補から除去する。例えば、物体B2については、開口部の画像であり得ると判定されないため、物体単位除去部223は、物体B2に含まれる開口候補を、検知対象画像In内の開口候補から除去する。
一方、判定の結果、開口部の画像であり得ると判定された場合、物体単位除去部223は、該当する物体すなわち開口候補の集合に含まれる開口候補を、検知対象画像I内の開口候補から除去しない。例えば、物体B1、B4については、開口部の画像であり得ると判定されるため、物体単位除去部223は、物体B1、B4に含まれる開口候補を、検知対象画像In内の開口候補から除去しない。
【0073】
(ステップS24:時間判定工程)
本工程では、ステップS23c後も、検知対象画像I内の開口候補が残っている場合、第2除去部221bが、当該開口候補が所定時間以上連続して存在するか否か判定する。上記所定時間は、少なくとも、時系列に並ぶ3つの検知対象画像In、n-1、In-2が占める時間よりも長く、例えば10秒である。
本工程では、具体的には、ステップS23c後も、検知対象画像I内の開口候補が残っている場合、第2除去部221bが、例えば、当該開口候補が、時系列に並び且つ検知対象画像Iを含む、上記所定時間に相当する以上の数の検知対象画像に亘って連続して存在するか否か判定する。
つまり、この判定は、検知対象画像Iを含む時系列に並ぶ複数の検知対象画像の比較結果に基づいて行われ、また、この判定に用いられる検知対象画像の総数は、上記所定時間に相当する数以上である。
【0074】
本工程では、より具体的には、第2除去部221bが、上記所定時間に相当する以上の数の検知対象画像の全てにおいて、該当する開口候補がステップS23c後も存在するか否か判定する。
【0075】
判定の結果、ステップS23c後も残っていた開口候補が所定時間以上連続して存在していると判定されなかった場合(NOの場合)、ステップS23c後も残っていた開口候補を全て第2除去部221bが移動体として除去したように検知部200が処理する。そして、検知部200により開口部が検知されていないものとして、監視フローがステップS1に戻される
【0076】
一方、ステップS24での判定の結果、ステップS23c後も残っていた開口候補が所定時間以上連続して存在していると判定された場合(NOの場合)、除去部220による除去後も開口候補が残っており検知部200により開口部が検知されたものとして、監視フローがステップS3に進められる。
【0077】
(ステップS3:報知)
そして、報知制御部300が、表示部12及び警報部13を制御して、開口部が検知されたことを報知させる。
具体的には、報知制御部300の制御の下、警報部13が、光または音の少なくともいずれか一方により警報を発する。また、報知制御部300の制御の下、表示部12が、例えば、開口部の位置を示す画像の少なくともいずれか一方を表示する。開口部の位置を示す画像は、例えば、監視カメラ20で現在撮像しているクリーンルームの画像に、ステップS23cの開口判定工程で開口部の画像であり得ると判定された物体の輪郭を強調色で重ねた画像である。
【0078】
上記監視フローによれば、上述から明らかなように、検知対象画像Iにおける開口候補として、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2に対応する部分が、非透明グレーチングGnによる開口部Op1に対応する部分と同様に、抽出され且つ残り続ける。したがって、上記監視フローでは、非透明グレーチングGnによる開口部Op1だけでなく、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2も検出することができる。
【0079】
<主な効果>
上述のように、本実施形態にかかる、床部にグレーチングGが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視方法は、監視カメラ20に撮像されたクリーンルームの画像に基づいて、グレーチングGが取り外された開口部を検知する工程を含む。また、グレーチングGが透明グレーチングGtを含む。そして、透明グレーチングGtにカラーフィルムCFが貼り付けられている。そのため、カラーフィルムCFが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op2が形成された場合と形成されていない場合とで、監視カメラ20で撮像されるクリーンルームの画像は、開口部Op2に対応する部分が変化する。したがって、検知する工程において、透明グレーチングGtによる開口部Op2を検知することができる。
【0080】
また、本実施形態にかかる監視方法は、上記検知する工程が、(A)検知対象のクリーンルームの画像すなわち検知対象画像から開口候補を抽出する工程と、(B)検知対象画像を含む時系列に並ぶ複数の画像に基づいて、移動体に相当する開口候補を除去する工程と、(C)次いで、検知対象画像における開口候補の色によって開口候補を絞る工程と、を含む。
したがって、本実施形態によれば、監視カメラ20に撮像されたクリーンルームの画像に基づいてグレーチングGが取り外された開口部を検知する際に、移動体が開口部として検知されるのを抑制することができる。すなわち、本実施形態によれば、開口部をより適切に検知することができる。
【0081】
また、本実施形態では、移動体に該当する開口候補の除去手法として、現在の検知対象のクリーンルームの画像を含む時系列に並ぶ3つの検知対象画像に亘って連続して存在しない開口候補を移動体として除去する手法を採用している。
本実施形態と異なる、移動体の除去手法としては、時系列に並ぶ検知対象画像間で開口候補の集合の重心が移動していた場合に、その開口候補の集合全体を除去する手法がある。この手法では、移動体と開口部が重なると、開口候補の集合全体除去した際に、開口部に該当する開口候補も一緒に除去されてしまう。この手法に比べて、本実施形態が採用する、移動体に該当する開口候補の除去手法は、実際に開口部に該当する開口候補が除去されるのを抑制することができる。
【0082】
さらに、本実施形態にかかる監視方法では、開口候補の集合単位すなわち検知対象画像内の一部である物体単位で、当該物体が開口部の画像であり得るかの機械学習による判定を行っている。そのため、本実施形態では、検知対象画像単位で開口部が存在するかの機械学習による判定を行う場合に比べて、判定に要する演算量が少ない。したがって、本実施形態にかかる監視方法はリアルタイムの監視に好適に用いることができる。
また、検知対象画像単位で開口部が存在するかの機械学習による判定を行う場合、開口部が存在すると判定されたとしても、開口部が形成されている場所を特定するのは難しい。それに対し、本実施形態のように、検知対象画像内の物体単位で開口部であり得るかの機械学習による判定を行う場合、開口部が形成されている場所を特定するのは容易である。
【0083】
さらにまた、本実施形態にかかる監視方法では、移動体に相当する開口候補等を除去して開口候補を絞った後に、開口候補の集合単位すなわち物体単体で、上述の機械学習による判定を行っている。したがって、開口候補を絞らずに上述の機械学習による判定を行う場合に比べて、判定に要する演算量を減らすことができる。
【0084】
<開口候補の基準の設定例>
開口候補の基準(具体的には、例えば、ステップS11の抽出工程における二値化で用いられる閾値またはステップS23bの面積除去工程で用いられる第1の閾値の少なくともいずれか一方)は、例えば以下のように設定される。
【0085】
すなわち、まず、図15に示すように、検知対象画像内に含まれる範囲すなわち監視カメラ20の視野F内で監視カメラ20から最も遠いグレーチングGl上に、基準設定用の部材である調整治具Zが載置される。調整治具Zは、シート状の薄い部材であり、開口部と同系色を有する。また、調整治具Zのサイズはグレーチング1枚分と略等しく、調整治具Zは上記最も遠いグレーチングGl全体を覆うように載置される。
【0086】
調整治具Zの載置後、クリーンルーム内が監視カメラ20より撮像される。
そして、監視カメラ20による撮像結果に基づいて、上述の開口候補の基準が設定される。具体的には、例えば、監視カメラ20により撮像されたクリーンルームの画像内における調整治具Zの画素値に基づいて、ステップS11の抽出工程における二値化で用いられる閾値が設定される。また、例えば、監視カメラ20により撮像されたクリーンルームの画像内における調整治具Zの面積に基づいて、ステップS23bの面積除去工程で用いられる第1の閾値が設定される。
【0087】
このように開口候補の基準が設定されることで、監視カメラ20の設置環境(具体的にはクリーンルーム内の照度やクリーンルームに用いられる光源の種類、監視カメラ20の設置位置)によらず、監視カメラ20によるクリーンルームの撮像画像に基づく開口部の検知をより適切に行うことができる。
【0088】
<検知対象画像から開口候補を抽出する形態の他の例>
以上の例では、抽出部210が、検知対象画像全体から開口候補を抽出していた。すなわち、以上の例では、抽出部210による開口候補の抽出対象の領域が検知対象画像全体であった。
これに代えて、監視カメラ20で撮像されるクリーンルームの画像を縦横複数に分割した小領域を分割領域としたとき、以下のようにしてもよい。抽出部210が、図16に示すように、分割領域SRのうち予め選択されたグレーチングGを含まない分割領域SRNが除外された、検知対象画像Inから、開口候補を抽出してもよい。すなわち、抽出部210による開口候補の抽出対象の領域から、予め選択されたグレーチングGを含まない分割領域SRNが除外すなわちマスクされてもよい。具体的には、ステップS11の抽出工程で抽出部210が検知対象グレースケール画像との差分を算出する領域から、予め選択されたグレーチングGを含まない分割領域SRNが除外されてもよい。
これにより、開口候補の抽出に要する演算量を減らすことができる。また、これにより、予め選択されたグレーチングGを含まない分割領域SRNに対し、開口候補の抽出以外の処理(例えば判定部223cの機械学習による判定処理)も行われないため、この観点でも演算量を減らすことができる。。
【0089】
グレーチングGを含まない分割領域SRNの作業員による選択は、例えば、図17で例示する操作画面Uを介して行われ、具体的には、操作画面Uを表示部12に表示した状態で、入力部14を介して入力される。操作画面Uは、監視カメラ20で撮像されたクリーンルームの画像を各分割領域を視認可能に表示する領域U1と、各分割領域を開口候補の抽出対象の領域から除外するかしないかを切り替える切替ボタンを表示する領域U2とを含む。
【0090】
<貼付体の他の例>
図18は、貼付体の他の例を示す図である。
透明グレーチングGtに貼り付けられる貼付体は、カラーフィルムCFに限られず、図18に示すようなシールSLであってもよい。
シールSLは、カラーフィルムCFと同様、非黒系色を有する。
ただし、シールSLは、カラーフィルムCFと異なり、不透明である。そのため、シールSLは、透明グレーチングGtを介した床下空間の視認性を損なわないよう透明グレーチングGtの一部のみを覆うように、透明グレーチングGtに貼り付けられる。すなわち、シールSLはグレーチングGによる開口部より面積が小さく、具体的には、平面視における透明グレーチングGtの本体部G1の面積より小さい。シールSLの面積は、例えば、平面視における透明グレーチングGtの面積(具体的には本体部G1の面積)の30%以下である。
【0091】
また、シールSLは例えば平面視矩形状に形成されている。例えば、シールSLの厚さは、カラーフィルムCFと同様、0.1mm以下である。
【0092】
このシールSLが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op3が形成された場合と形成されていない場合とで、監視カメラ20で撮像されるクリーンルームの画像は、上記開口部Op3におけるシールSLが位置していた領域に対応する部分が、変化する。したがって、監視カメラ20で撮像されるクリーンルームの画像に基づいて、グレーチングGが取り外された開口部を検知する工程において、シールSLが貼り付けられた透明グレーチングGtによる開口部Op3を検知することができる。具体的には、上記検知する工程において、シールSLが位置していた領域を上記開口部として検知することができる。
なお、上記開口部Op3が形成されていない場合の画像Is1と、形成されていた場合の画像Is2はそれぞれ、例えば、図19及び図20に示すようになる。また、画像Is1と画像Is2との差分画像を二値化した二値化差分画像Istは図21に示すようになる。図21の二値化差分画像Istにおいて白い画素は、シールSLが位置していた領域に対応し、前述の監視フローでは、開口候補として検知され得る。
【0093】
また、前述の監視フローを採用した場合、検知対象画像Iにおける開口候補として、上記開口部Op3におけるシールSLが位置していた領域に対応する部分が、非透明グレーチングGnによる開口部Op1に対応する部分と同様に、抽出され且つ残り続ける。したがって、前述の監視フローを採用した場合、非透明グレーチングGnによる開口部Op1だけでなく、上記開口部Op3の形成前すなわち透明グレーチングGtの取り外し前にシールSLが位置していた領域を、開口部として検知することができる。
【0094】
シールSLを用いる場合、検知対象画像Iにおいて、開口部として検知された領域に連続する領域が黒系色であるときは、上記隣接する領域も開口部であると、制御部11bが判定してもよい。
なお、一部の透明グレーチングGtにはシールSLが貼り付けられ、他の透明グレーチングGtにはカラーフィルムCFが貼り付けられてもよい。
【0095】
<変形例>
以上の例では、色付き候補除去工程後に白系候補除去工程が行われていたが、白系候補除去工程後に、色付き候補除去工程が行われてもよい。
また、監視フローに含まれる工程全てを単一の装置で行う必要はない。例えば、監視フローに含まれる前半の工程を、作業員の携帯端末による制御部により行い、機械学習による判定を含む後半の工程を、半導体製造装置SAを含むクリーンルーム内の装置全体を制御する管理用コンピュータによる制御部により行ってもよい。
【0096】
本実施形態にかかる監視方法は、クリーンルーム内における監視カメラ20の視野内に半導体製造装置SAを載置する前から適用することができる。
【0097】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要件は任意に組み合わせることができる。当該任意の組み合せからは、組み合わせにかかるそれぞれの構成要件についての作用及び効果が当然に得られるとともに、本明細書の記載から当業者には明らかな他の作用及び他の効果が得られる。
【0098】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0099】
なお、以下のような構成例も本開示の技術的範囲に属する。
(1)床部に取り外し可能なグレーチングが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視方法であって、
前記グレーチングは透明なグレーチングを含み、
前記透明なグレーチングは貼付体が貼り付けられ、
撮像モジュールに撮像された前記クリーンルームの画像に基づいて、前記透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する工程を含む、監視方法。
(2)前記貼付体は、色が非黒系であり且つ透明なカラーフィルムである、前記(1)に記載の監視方法。
(3)前記貼付体は、色が非黒系であり且つ前記開口部より面積が小さいシールである、前記(1)または(2)に記載の監視方法。
(4)前記検知する工程は、
(A)検知対象の前記画像から、前記開口部の候補に相当する部分である開口候補を抽出する工程と、
(B)前記検知対象の前記画像を含む時系列に並ぶ複数の前記画像に基づいて、前記クリーンルーム内を移動する移動体に相当する前記開口候補を除去する工程と、
(C)次いで、前記検知対象の前記画像における前記開口候補の色によって前記開口候補を絞る工程と、を含む、前記(1)~(3)のいずれか1に記載の監視方法。
(5)前記(C)工程は、前記検知対象の前記画像における色が白系の前記開口候補と、前記検知対象の前記画像における色が非白系且つ非黒系の前記開口候補と、を除去する、前記(4)に記載の監視方法。
(6)(D)前記(C)工程後、前記移動体に相当する部分を、前記開口候補から除去する工程をさらに含み、
前記(C)工程及び前記(D)工程はそれぞれ、前記複数の前記画像の比較結果に基づいて、前記移動体に相当する部分を前記開口候補から除去し、
前記(D)工程で用いる前記画像が占める時間が、前記(C)工程で用いる前記画像が占める時間より長い、前記(4)または(5)に記載の監視方法。
(7)床部に取り外し可能なグレーチングが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視方法を監視装置によって実行させるように、当該監視装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体であって、
前記グレーチングは透明なグレーチングを含み、
前記透明なグレーチングは貼付体が貼り付けられ、
前記監視方法は、撮像モジュールに撮像された前記クリーンルームの画像に基づいて、前記透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する工程を含む、コンピュータ記憶媒体。
(8)床部に取り外し可能なグレーチングが配置されたクリーンルーム内を監視するための監視装置であって、
前記グレーチングは透明なグレーチングを含み、
前記透明なグレーチングは貼付体が貼り付けられ、
撮像モジュールにされた前記クリーンルームの画像に基づいて、前記透明なグレーチングが取り外された開口部を検知する検知部を有する、監視装置。
(9)前記貼付体は、色が非黒系であり且つ透明なカラーフィルムである、前記(8)に記載の監視装置。
(10)前記貼付体は、色が非黒系であり且つ前記開口部より面積が小さいシールである、前記(8)または(9)に記載の監視装置。
(11)前記検知部は、
検知対象の前記画像から、前記開口部の候補に相当する部分である開口候補を抽出する抽出部と、
前記検知対象の前記画像を含む時系列に並ぶ複数の前記画像に基づいて、前記クリーンルーム内を移動する移動体に相当する前記開口候補を除去する移動体除去部と、
前記移動体除去部による前記開口候補の除去後、前記検知対象の前記画像における前記開口候補の色によって前記開口候補を絞る特定色除去部と、を有し、前記(8)~(10)のいずれか1に記載の記載の監視装置。
(12)前記特定色除去部は、前記検知対象の前記画像における色が白系の前記開口候補と、前記検知対象の前記画像における色が非白系且つ非黒系の前記開口候補と、を除去する、前記(11)に記載の監視装置。
(13)前記特定色除去部による前記開口候補の絞りの後、前記移動体に相当する部分を、前記開口候補から除去する別の移動体除去部をさらに有し、
前記移動体除去部及び前記別の移動体除去部はそれぞれ、前記複数の前記画像の比較結果に基づいて、前記移動体に相当する部分を前記候補から除去し、
前記別の移動体除去部で用いる前記画像が占める時間が、前記移動体除去部で用いる前記画像が占める時間より長い、前記(11)または(12)に記載の監視装置。
【符号の説明】
【0100】
10 監視装置
20 監視カメラ
200 検知部
CF カラーフィルム
G グレーチング
Gn 非透明グレーチング
Gt 透明グレーチング
n枚目の検知対象画像
図1
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