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特開2024-152434チャックテーブルの製造方法、チャックテーブル、リフトオフ方法及び保持治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152434
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】チャックテーブルの製造方法、チャックテーブル、リフトオフ方法及び保持治具
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241018BHJP
   B23K 26/382 20140101ALI20241018BHJP
   B23K 26/36 20140101ALI20241018BHJP
   B23K 26/57 20140101ALI20241018BHJP
   B23K 26/03 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B23K26/382
B23K26/36
B23K26/57
B23K26/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066622
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小柳 将
【テーマコード(参考)】
4E168
5F131
【Fターム(参考)】
4E168AD12
4E168AD18
4E168AE05
4E168CA05
4E168CA07
4E168CB04
4E168CB11
4E168DA04
4E168DA24
4E168DA32
4E168DA46
4E168EA15
4E168JA13
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA53
5F131CA07
5F131CA09
5F131CA31
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA05
5F131EA07
5F131EB01
5F131EB53
5F131EB58
5F131EC42
5F131EC72
(57)【要約】
【課題】反りを有する被加工物を破損させることなく適切に保持することが可能なこと。
【解決手段】チャックテーブルの製造方法は、反りを有する被加工物を保持するチャックテーブルを製造する方法であって、反りを有する該被加工物の被保持面の形状を測定する形状測定ステップ301と、チャックテーブルの保持面を構成する弾性部材に対してレーザービームを照射して、形状測定ステップ301で測定した形状に対応する形状を有する保持面を形成するレーザービーム照射ステップ302と、レーザービーム照射ステップ302を実施した後に、チャックテーブル1を構成する弾性部材及び振動吸収部材に対してレーザービームを照射して被加工物に負圧を伝達する吸引孔を形成する吸引孔形成ステップ303と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反りを有する被加工物を保持するチャックテーブルを製造するチャックテーブルの製造方法であって、
反りを有する該被加工物の被保持面の形状を測定する形状測定ステップと、
チャックテーブルの保持面を構成する材料に対してレーザービームを照射して、該形状測定ステップで測定した形状に対応する形状を有する保持面を形成するレーザービーム照射ステップと、
該レーザービーム照射ステップを実施する前または後に、チャックテーブルを構成する該材料に対してレーザービームを照射して被加工物に負圧を伝達する吸引孔を形成する吸引孔形成ステップと、
を含むことを特徴とする、チャックテーブルの製造方法。
【請求項2】
チャックテーブルの保持面を構成する該材料は、弾性部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載のチャックテーブルの製造方法。
【請求項3】
反りを有する被加工物を保持するチャックテーブルであって、
該被加工物を保持する保持面が該反りの形状に沿った形状に形成されていることを特徴とする、チャックテーブル。
【請求項4】
該保持面は、弾性部材を含んで構成されることを特徴とする、請求項3に記載のチャックテーブル。
【請求項5】
該弾性部材より下部に配設されて該弾性部材を支持する振動吸収部材を更に有することを特徴とする、請求項4に記載のチャックテーブル。
【請求項6】
該弾性部材には、被加工物に負圧を伝達する複数の吸引孔が形成されていることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載のチャックテーブル。
【請求項7】
エピタキシー基板の表面にバッファー層を介して光デバイス層が積層された光デバイスウエーハの光デバイス層を移設基板に移し替えるリフトオフ方法であって、
光デバイスウエーハの光デバイス層の表面に接合材を介して移設基板を接合することで形成された複合基板の該移設基板側を、請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載のチャックテーブルの保持面で吸引保持する保持ステップと、
該保持ステップを実施した後、該複合基板を構成する光デバイスウエーハのエピタキシー基板の裏面側から、該エピタキシー基板に対しては透過性を有しバッファー層に対しては吸収性を有する波長のパルスレーザービームを照射し、バッファー層を破壊するバッファー層破壊ステップと、
該バッファー層破壊ステップを実施した後、該エピタキシー基板を光デバイス層から剥離して光デバイス層を移設基板に移設する光デバイス層移設ステップと、を含むことを特徴とする、リフトオフ方法。
【請求項8】
対象物を吸引保持する平坦な対象物保持面を有するチャックテーブルに取り付けられて、反りを有する被加工物を保持する保持治具であって、
該被加工物の該反りの形状に沿った形状に形成されて、該被加工物が載置される保持面と、
一端が保持面に開口しかつ他端が該対象物保持面に対向する複数の吸引孔と、
を備えることを特徴とする、保持治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャックテーブルの製造方法、チャックテーブル、リフトオフ方法及び保持治具に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエーハなどの被加工物は、例えば、レーザー加工ユニットを備えるレーザー加工装置で加工される。このレーザー加工装置は、加工の際に被加工物を保持するチャックテーブルを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に示されたチャックテーブルは、ポーラスセラミック材による吸着部を有しており、被加工物は、吸着部で吸着されてチャックテーブル上に保持される。被加工物の保持されたチャックテーブルをレーザー加工ユニットに対して相対移動させることで、レーザービームの照射位置を変化させて被加工物を加工できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-262249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のようなレーザー加工装置で加工される被加工物は、ある程度の反りを有していることがある。例えば、貼り合わせられた複数の基板に対してレーザービームを照射することで基板を分離するリフトオフ加工において、被加工物は、基板の貼り合わせに起因する反りを有している。
【0006】
反りを有する被加工物を外周側が高くなるようにチャックテーブル上に載置すると、被加工物の外周部分は吸着部の表面から浮き上がり、被加工物と吸着部との密着性は低くなる。この場合、チャックテーブルは十分な吸引力を発揮できず、被加工物を適切に保持できない。また、ウエーハを保持する際の吸引力が強すぎると、吸引時にウエーハを破損してしまう恐れがある。
【0007】
本願発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その目的は、反りを有する被加工物を破損させることなく適切に保持することが可能なチャックテーブルの製造方法、チャックテーブル、リフトオフ方法及び保持治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のチャックテーブルの製造方法は、反りを有する被加工物を保持するチャックテーブルを製造するチャックテーブルの製造方法であって、反りを有する該被加工物の被保持面の形状を測定する形状測定ステップと、チャックテーブルの保持面を構成する材料に対してレーザービームを照射して、該形状測定ステップで測定した形状に対応する形状を有する保持面を形成するレーザービーム照射ステップと、該レーザービーム照射ステップを実施する前または後に、チャックテーブルを構成する該材料に対してレーザービームを照射して被加工物に負圧を伝達する吸引孔を形成する吸引孔形成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
前記チャックテーブルの製造方法では、チャックテーブルの保持面を構成する該材料は、弾性部材を含んでも良い。
【0010】
本発明のチャックテーブルは、反りを有する被加工物を保持するチャックテーブルであって、該被加工物を保持する保持面が該反りの形状に沿った形状に形成されていることを特徴とする。
【0011】
前記チャックテーブルにおいて、該保持面は、弾性部材を含んで構成されても良い。
【0012】
前記チャックテーブルにおいて、該弾性部材より下部に配設されて該弾性部材を支持する振動吸収部材を更に有しても良い。
【0013】
前記チャックテーブルにおいて、該弾性部材には、被加工物に負圧を伝達する複数の吸引孔が形成されても良い。
【0014】
本発明のリフトオフ方法は、エピタキシー基板の表面にバッファー層を介して光デバイス層が積層された光デバイスウエーハの光デバイス層を移設基板に移し替えるリフトオフ方法であって、光デバイスウエーハの光デバイス層の表面に接合材を介して移設基板を接合することで形成された複合基板の該移設基板側を、前記チャックテーブルの保持面で吸引保持する保持ステップと、該保持ステップを実施した後、該複合基板を構成する光デバイスウエーハのエピタキシー基板の裏面側から、該エピタキシー基板に対しては透過性を有しバッファー層に対しては吸収性を有する波長のパルスレーザービームを照射し、バッファー層を破壊するバッファー層破壊ステップと、該バッファー層破壊ステップを実施した後、該エピタキシー基板を光デバイス層から剥離して光デバイス層を移設基板に移設する光デバイス層移設ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の保持治具は、対象物を吸引保持する平坦な対象物保持面を有するチャックテーブルに取り付けられて、反りを有する被加工物を保持する保持治具であって、該被加工物の該反りの形状に沿った形状に形成されて、該被加工物が載置される保持面と、一端が保持面に開口しかつ他端が該対象物保持面に対向する複数の吸引孔と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、反りを有する被加工物を破損させることなく適切に保持することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態1に係るチャックテーブルの構成例を模式的に示す断面図である。
図2図2は、図1に示されたチャックテーブルが保持する被加工物の構成例を模式的に示す側面図である。
図3図3は、実施形態1に係るチャックテーブルの製造方法の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、図3に示されたチャックテーブルの製造方法の形状測定ステップを模式的に示す側面図である。
図5図5は、図3に示されたチャックテーブルの製造方法のレーザービーム照射ステップを模式的に示す断面図である。
図6図6は、図3に示されたチャックテーブルの製造方法の吸引孔形成ステップを模式的に示す断面図である。
図7図7は、実施形態1に係るリフトオフ方法の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、図7に示されたリフトオフ方法の保持ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。
図9図9は、図7に示されたリフトオフ方法のバッファー層破壊ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。
図10図10は、図7に示されたリフトオフ方法の光デバイス層移設ステップにおいてエピタキシー基板に超音波振動を付与する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
図11図11は、図7に示されたリフトオフ方法の光デバイス層移設ステップにおいてエピタキシー基板を分離する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
図12図12は、実施形態1の変形例に係るチャックテーブルの構成例を模式的に示す断面図である。
図13図13は、実施形態2に係るチャックテーブルに取り付けられた保持治具の構成例を模式的に示す断面図である。
図14図14は、図13に示されたチャックテーブルに保持される対象物の一例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0019】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るチャックテーブルを図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るチャックテーブルの構成例を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示されたチャックテーブルが保持する被加工物の構成例を模式的に示す側面図である。
【0020】
(被加工物)
実施形態1に係る図1に示すチャックテーブル1は、図2に示す反りを有する被加工物40を保持するものであって、被加工物40を加工(例えば、リフトオフ加工)する加工装置80(図8に示す)に設置される。図1に示すチャックテーブル1の保持対象の被加工物40は、図2に示すように、光デバイスウエーハ41と、移設基板50とを備えている。
【0021】
光デバイスウエーハ41は、円板状のサファイアからなるエピタキシー基板42の表面45に光デバイス層43がエピタキシャル成長法によって形成されている。なお、エピタキシャル成長法によって光デバイス層43が形成されるエピタキシー基板42の表面45と光デバイス層43との間に、窒化ガリウム(GaN)からなる厚みが例えば1μmのバッファー層44が形成される。このように、光デバイスウエーハ41は、図2に示すように、エピタキシー基板42の表面45にバッファー層44を介して光デバイス層43が積層されている。
【0022】
なお、光デバイス層43は、バッファー層44上に順に積層されたp型窒化ガリウム半導体層とn型窒化ガリウム半導体層とからなり、実施形態1では、厚みが例えば10μmに形成されている。なお、実施形態1において、光デバイス層43は、格子状に形成された複数の図示しないストリートによって区画された光デバイスに形成されている。
【0023】
前述した構成の光デバイスウエーハ41は、エピタキシー基板42の表面45に光デバイス層43をエピタキシャル成長法によって形成する際に、エピタキシー基板42を構成するサファイア結晶と、光デバイス層43を構成するGaN結晶との格子定数の違いによりエピタキシー基板42の表面45の中央が凸となる反りが生じ、表面45が、中央が凸の曲面に形成される。なお、反りは、エピタキシー基板42の表面45の中央と外縁との厚み方向の距離が30μm~50μm程度の反りである。
【0024】
移設基板50は、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、又はシリコン(Si)等から構成される。実施形態1において、移設基板50は、シリコンからなりかつ光デバイスウエーハ41と同径でかつ厚みが1mmの円板状に形成されている。移設基板50は、光デバイスウエーハ41のエピタキシー基板42の表面45に形成された光デバイス層43の表面46に接合材47を介して接合される。
【0025】
接合材47は、AgSn(銀錫)、AuSn(金錫)、金(Au)、白金(Pt)、クロム(Cr)、インジウム(In)、パラジウム(Pd)等の金属、もしくは樹脂等の有機物により構成される。実施形態1では、エピタキシー基板42の表面45に形成された光デバイス層43の表面46または移設基板50の表面51に上記金属を蒸着、もしくは樹脂を形成し、接合材47と移設基板50の表面51または光デバイス層43の表面46とを対面させて圧着することにより、光デバイスウエーハ41を構成する光デバイス層43の表面46に移設基板50の表面51を接合材47を介して接合する。こうして、実施形態1において、被加工物40は、エピタキシー基板42の表面45にバッファー層44を介して光デバイス層43が積層された複合基板である。
【0026】
なお、実施形態1において、エピタキシー基板42と移設基板50との格子定数の違いにより、接合時にエピタキシー基板42の表面45の中央及び移設基板50の表面51の裏側の裏面52の中央が凸に湾曲した反りが生じる。即ち、接合後、移設基板50は、エピタキシー基板42の反りに倣って反ることとなる。
【0027】
(チャックテーブル)
チャックテーブル1は、図1に示すように、ベース2と、弾性部材10と、振動吸収部材20とを備える。実施形態1において、ベース2は、ステンレス鋼等の金属により構成され、被加工物40よりも大径な円盤状に形成されている。ベース2は、前述した加工装置80に設置される。
【0028】
また、ベース2は、上面3の中央に円形凸部4が突出している。円形凸部4は、ベース2の上面と同軸に配置され、円形凸部4の外径は、被加工物40の外径と等しく、上面6が平坦に形成されている。ベース2は、内部に加工装置80の図示しない吸引源に接続された吸引路5が形成され、吸引路5が円形凸部4の上面6に開口している。なお、実施形態では、吸引路5は、円形凸部4の上面6に複数開口している。
【0029】
弾性部材10は、ゴムなどの弾性を有する樹脂により構成され、実施形態1では、被加工物40及び円形凸部4よりも大径でかつベース2よりも小径な円板状に形成されている。実施形態1において、弾性部材10は、CR(クロロプレン)ゴム又はシリコーンゴムにより構成される。
【0030】
弾性部材10は、上面が被加工物40を保持する保持面11である。即ち、チャックテーブル1の保持面11を構成する材料は、弾性部材10を含み、保持面11は、弾性部材10を含んで構成される。保持面11は、中央に被加工物40の移設基板50の表面51の裏側の裏面52(被加工物40の被保持面に相当)の反りの形状に沿った形状の凹み12が形成されている。即ち、実施形態1は、凹み12は、中央が最も深く形成され、内面が曲面に形成されている。
【0031】
振動吸収部材20は、変形可能な樹脂により構成され、実施形態1では、弾性部材10と同径の円板状に形成されている。実施形態1において、振動吸収部材20は、ウレタン樹脂により構成される。振動吸収部材20は、上面21に弾性部材10の平坦な下面13が取り付けられて、弾性部材10よりも下部に配設されて、弾性部材10を支持する。また、振動吸収部材20は、下面22の中央に円形凸部4が嵌合する円形凹部23が形成されている。
【0032】
また、実施形態1において、チャックテーブル1は、保持面11上の被加工物40に前述した加工装置80の吸引源の負圧を伝達する複数の吸引孔30が形成されている。実施形態1において、吸引孔30は、弾性部材10と振動吸収部材20とを貫通した孔であって、一端が保持面11に開口し、他端がベース2の円形凸部4の上面6に開口した吸引路5に接続している。こうして、吸引孔30は、弾性部材10に複数形成されているとともに、吸引路5を介して吸引源に接続して、保持面11上の被加工物40に吸引源からの負圧を伝達して、保持面11に被加工物40を吸引保持する。なお、実施形態1では、吸引孔30は、吸引路5の円形凸部4の上面6の開口と1対1で対応している。
【0033】
(チャックテーブルの製造方法)
次に、実施形態1に係るチャックテーブルの製造方法を図面に基づいて説明する。図3は、実施形態1に係るチャックテーブルの製造方法の流れを示すフローチャートである。実施形態1に係るチャックテーブルの製造方法は、図1に示されたチャックテーブル1を製造する方法である。実施形態1に係るチャックテーブルの製造方法は、図3に示すように、形状測定ステップ301と、レーザービーム照射ステップ302と、吸引孔形成ステップ303とを含む。
【0034】
(形状測定ステップ)
図4は、図3に示されたチャックテーブルの製造方法の形状測定ステップを模式的に示す側面図である。形状測定ステップ301は、反りを有する被加工物40の被保持面である移設基板50の裏面52の形状を測定するステップである。
【0035】
実施形態1において、形状測定ステップ301では、図4に示すように、被加工物40の移設基板50の裏面52にレーザー変位計60を相対して配置し、レーザー変位計60を被加工物40の移設基板50の裏面52に対して相対的に移動させながらレーザー変位計60で裏面52の形状を測定する。なお、測定時、レーザー変位計60を被加工物40に対して裏面52の周方向に移動させながら径方向に移動させて、即ちレーザー変位計60を被加工物40に対してらせん状に移動させて(即ち、スパイラルスキャン方式で)も良く、レーザー変位計60を被加工物40の裏面52の中心を通って径方向に複数移動させて(即ち、ラインスキャン方式で)も良い。
【0036】
なお、形状測定ステップ301は、被加工物40の種類ごとに1回行うのが望ましい。即ち、形状測定ステップ301は、被加工物40毎に行わなくても良い。即ち、被加工物40の数と同じ回数、形状測定ステップ301を行わなくても良い。
【0037】
(レーザービーム照射ステップ)
図5は、図3に示されたチャックテーブルの製造方法のレーザービーム照射ステップを模式的に示す断面図である。レーザービーム照射ステップ302は、チャックテーブル1の保持面11を構成する材料である弾性部材10に対してレーザービーム71を照射して、形状測定ステップ301で測定した形状に対応する形状を有する保持面11を形成するステップである。
【0038】
実施形態1において、レーザービーム照射ステップ302では、下面13に振動吸収部材20が取り付けられた弾性部材10の上面に弾性部材10及び振動吸収部材20に対して吸収性を有する波長のレーザービーム71を照射するレーザービーム照射ユニット70を相対させる。実施形態1において、レーザービーム照射ステップ302では、図5に示すように、集光点72を形状測定ステップ301で測定した裏面52の形状に対応する高さに位置付けながらレーザービーム71を弾性部材10に対して相対的に移動させながらレーザービーム照射ユニット70からレーザービーム71を弾性部材10の上面に照射させる。なお、レーザービーム71は、ガルバノスキャナなどで弾性部材10の上面上を走査して、レーザービーム71を弾性部材10の上面に照射しても良く、レーザービーム照射ユニット70自体を弾性部材10の上面に対して相対的に移動させて照射しても良い。
【0039】
すると、レーザービーム71が弾性部材10に対して吸収性を有するので、弾性部材10の上面がアブレーション加工されて、被加工物40の裏面52の形状に合致する凹み12が上面に形成されて、弾性部材10の上面が保持面11に形成される。こうして、レーザービーム照射ステップ302では、被加工物40の裏面52の形状に合致する形状に保持面11を形成する。なお、合致とは、保持面11に被加工物40の裏面52が載置されると、保持面11と裏面52とが密着する、又は保持面11と裏面52とが吸引孔30の吸引により密着する程度に隙間を生じることをいう。
【0040】
(吸引孔形成ステップ)
図6は、図3に示されたチャックテーブルの製造方法の吸引孔形成ステップを模式的に示す断面図である。吸引孔形成ステップ303は、レーザービーム照射ステップ302を実施する前または後に、チャックテーブル1を構成する材料である弾性部材10及び振動吸収部材20に対してレーザービーム71を照射して被加工物40に負圧を伝達する吸引孔30を形成するステップである。
【0041】
実施形態1において、吸引孔形成ステップ303は、レーザービーム照射ステップ302を実施した後に実施される。しかしながら、本発明では、吸引孔形成ステップ303は、レーザービーム照射ステップ302を実施する前に実施しても良い。実施形態1において、吸引孔形成ステップ303では、図6に示すように、レーザービーム71の集光点72を弾性部材10の上面から下面13及び振動吸収部材20の上面21から下面22に向かって変化させながらレーザービーム照射ユニット70からレーザービーム71を照射する。
【0042】
すると、レーザービーム71が弾性部材10及び振動吸収部材20に対して吸収性を有するので、弾性部材10及び振動吸収部材20がアブレーション加工されて、保持面11から振動吸収部材20の下面22とに亘って弾性部材10及び振動吸収部材20を貫通した吸引孔30が形成される。こうして、吸引孔形成ステップ303では、弾性部材10及び振動吸収部材20に吸引孔30を形成する。
【0043】
チャックテーブルの製造方法では、振動吸収部材20の下面22に円形凹部23を形成し、円形凹部23に円形凸部4を嵌合させて、ベース2に弾性部材10及び振動吸収部材20を取り付ける。
【0044】
(リフトオフ方法)
次に、実施形態1に係るリフトオフ方法を図面に基づいて説明する。図7は、実施形態1に係るリフトオフ方法の流れを示すフローチャートである。実施形態1に係るリフトオフ方法は、エピタキシー基板42の表面45にバッファー層44を介して光デバイス層43が積層された光デバイスウエーハ41の光デバイス層43を移設基板50に移し替える方法である。実施形態1に係るリフトオフ方法は、図7に示すように、保持ステップ401と、バッファー層破壊ステップ402と、光デバイス層移設ステップ403とを含む。
【0045】
(保持ステップ)
図8は、図7に示されたリフトオフ方法の保持ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。保持ステップ401は、光デバイスウエーハ41の光デバイス層43の表面46に接合材47を介して移設基板50を接合することで形成された被加工物40の移設基板50側を、チャックテーブル1の保持面11で吸引保持するステップである。
【0046】
実施形態1において、保持ステップ401では、加工装置80が、チャックテーブル1の保持面11に被加工物40の移設基板50の裏面52側が載置される。すると、保持面11に凹み12が形成されているので、保持面11に被加工物40の移設基板50の裏面52が合致する。実施形態1において、保持ステップ401では、加工装置80が、図8に示すように、吸引源で吸引孔30を吸引して、チャックテーブル1の保持面11に被加工物40の移設基板50の裏面52を吸引保持する。すると、保持面11に被加工物40の裏面52が密着する。
【0047】
(バッファー層破壊ステップ)
図9は、図7に示されたリフトオフ方法のバッファー層破壊ステップを一部断面で模式的に示す側面図である。バッファー層破壊ステップ402は、保持ステップ401を実施した後、被加工物40を構成する光デバイスウエーハ41のエピタキシー基板42の表面45の裏側の裏面48側からエピタキシー基板42に対しては透過性を有しバッファー層44に対しては吸収性を有する波長のパルス状のレーザービーム81(パルスレーザービームに相当)を照射し、バッファー層44を破壊するステップである。
【0048】
実施形態1において、バッファー層破壊ステップ402では、加工装置80が、図示しない加工送り手段を作動してチャックテーブル1をレーザービーム照射ユニット82の集光レンズ83の下方の加工領域に移動し、被加工物40の一端をレーザービーム照射ユニット82の集光レンズ83の直下に位置付ける。
【0049】
実施形態1において、バッファー層破壊ステップ402では、加工装置80が、集光レンズ83から照射されるレーザービーム81の集光点84をバッファー層44に設定する。この際、加工装置80は、形状測定ステップ301で測定した裏面52の形状及び加工条件(エピタキシー基板42、バッファー層44、光デバイス層43、接合材47及び移設基板50の厚み)等に基づいて、集光点84の高さを算出して、集光点84をバッファー層44に設定するのが望ましい。
【0050】
実施形態1において、バッファー層破壊ステップ402では、加工装置80が、図9に示すように、レーザービーム照射ユニット82のレーザー発振器85からパルス状のレーザービーム81を出射し、レーザービーム81をミラー86で集光レンズ83に向けて反射し、集光レンズ83からパルス状のレーザービーム81を被加工物40に照射しつつチャックテーブル1を所定の加工送り速度で加工送り方向に移動させる。
【0051】
実施形態1において、バッファー層破壊ステップ402では、加工装置80が、レーザービーム照射ユニット82の集光レンズ83の下方にエピタキシー基板42の他端が達したら、レーザービーム81の照射を一旦停止するとともにチャックテーブル1の移動を停止する。その後、実施形態1において、バッファー層破壊ステップ402では、加工装置80が、レーザービーム照射ユニット82の集光レンズ83とチャックテーブル1とを水平方向に沿いかつ加工送り方向に対して直交する割り出し送り方向に相対的に移動させた後、集光レンズ83からパルス状のレーザービーム81を被加工物40に照射しつつチャックテーブル1を所定の加工送り速度で加工送り方向に移動させる。
【0052】
実施形態1において、バッファー層破壊ステップ402では、加工装置80が、チャックテーブル1を加工送り方向に移動させながら被加工物40にレーザービーム81を照射する工程を繰り返して、バッファー層44の全面にレーザービーム81を照射する。すると、バッファー層44が破壊されて、GaNが分解して形成された窒素ガスがエピタキシー基板42と光デバイス層43との間に生じる。
【0053】
なお、本発明において、バッファー層破壊ステップ402では、加工装置80が、集光レンズ83をエピタキシー基板42の最外縁の上方に位置付け、チャックテーブル1を軸心回りに回転しつつ集光レンズ83をエピタキシー基板42の中央に向けて移動することによりバッファー層44の全面にレーザービーム81を照射してもよい。また、本発明において、バッファー層破壊ステップ402では、チャックテーブル1を固定した状態で、レーザービーム81をガルバノミラー等の走査手段によりらせん状にスキャンすることでバッファー層44を破壊してもよい。
【0054】
なお、実施形態1では、バッファー層破壊ステップ402では、例えば、光源としてYAGレーザーが用いられ、レーザービーム81の波長を266nmとし、レーザービーム81の繰り返し周波数を50kHzとし、レーザービーム81の平均出力を0.12Wとし、レーザービーム81のパルス幅を100psとし、集光点84を直径70μmの円形とし、エピタキシー基板42の裏面48にレーザービーム81の集光点84を位置付けた状態で集光レンズ83を1mmエピタキシー基板42に近付け、加工送り速度を600mm/秒として、実施される。
【0055】
(光デバイス層移設ステップ)
図10は、図7に示されたリフトオフ方法の光デバイス層移設ステップにおいてエピタキシー基板に超音波振動を付与する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。図11は、図7に示されたリフトオフ方法の光デバイス層移設ステップにおいてエピタキシー基板を分離する状態を一部断面で模式的に示す側面図である。
【0056】
光デバイス層移設ステップ403は、バッファー層破壊ステップ402を実施した後に、エピタキシー基板42を光デバイス層43から剥離して光デバイス層43を移設基板50に移設するステップである。実施形態1において、光デバイス層移設ステップ403では、加工装置80は、図10に示すように、超音波振動付与ユニット87の先端をチャックテーブル1に吸引保持された被加工物40のエピタキシー基板42に当接させて、超音波ホーン88で超音波振動付与ユニット87の先端を所定時間超音波振動させる。
【0057】
すると、被加工物40のエピタキシー基板42に超音波振動が付与されて、この超音波振動によりエピタキシー基板42と移設基板50とが相対的に超音波振動に応じて変位して、被加工物40は、バッファー層44の全面が破断して、光デバイス層43を移設基板50に移設することとなる。実施形態1において、光デバイス層移設ステップ403では、加工装置80は、図11に示すように、搬送ユニット89の吸引パッド90にエピタキシー基板42を吸引保持して、搬送ユニット89でエピタキシー基板42をチャックテーブル1に吸引保持された移設基板50に移設された光デバイス層43から分離させる。
【0058】
以上、説明した実施形態1に係るチャックテーブル1及びチャックテーブルの製造方法は、被加工物40の被保持面である移設基板50の裏面52の形状に対応する形状の凹み12を形成して、保持面11を移設基板50の裏面52の形状に対応する形状に形成する。このために、実施形態1に係るチャックテーブル1及びチャックテーブルの製造方法は、チャックテーブル1の保持面11に被加工物40の移設基板50の裏面52全体を吸引保持することができる。
【0059】
その結果、実施形態1に係るチャックテーブル1及びチャックテーブルの製造方法は、反りを有する被加工物40を破損させることなく適切に保持することが可能となるという効果を奏する。
【0060】
また、実施形態1に係るリフトオフ方法は、前述したチャックテーブル1の保持面11に被加工物40の移設基板50の裏面52を吸引保持して、バッファー層破壊ステップ402を実施する。このために、実施形態1に係るリフトオフ方法は、被加工物40の移設基板50の裏面52全体をチャックテーブル1の保持面11に吸引保持することができるので、バッファー層破壊ステップ402で生じる窒素ガス等により被加工物40が保持面11上で位置ずれすることを抑制できる。
【0061】
〔変形例〕
実施形態1の変形例に係るチャックテーブルを図面に基づいて説明する。図12は、実施形態1の変形例に係るチャックテーブルの構成例を模式的に示す断面図である。なお、図12は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
実施形態1の変形例に係るチャックテーブル1は、図12に示すように、ベース2の円形凸部4の上面6の中心に吸引路5が一つ開口し、振動吸収部材20内で吸引路5が一つにまとまって、まとまった一つの吸引孔30が振動吸収部材20の円形凹部23の底の中心に開口している事以外、実施形態1と同じである。
【0063】
実施形態1の変形例に係るチャックテーブル1は、被加工物40の被保持面である移設基板50の裏面52の形状に対応する形状の凹み12を形成しているので、チャックテーブル1の保持面11に被加工物40の移設基板50の裏面52全体を吸引保持することができ、実施形態1と同様に、反りを有する被加工物40を破損させることなく適切に保持することが可能となるという効果を奏する。
【0064】
〔実施形態2〕
実施形態2に係る保持治具を図面に基づいて説明する。図13は、実施形態2に係るチャックテーブルに取り付けられた保持治具の構成例を模式的に示す断面図である。図14は、図13に示されたチャックテーブルに保持される対象物の一例を模式的に示す斜視図である。なお、図13及び図14は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
実施形態2に係る保持治具100は、図13に示すように、チャックテーブル110に取り付けられて、反りを有する被加工物40を保持するものである。実施形態2に係る保持治具100が取り付けられるチャックテーブル110は、図14に一例を示す対象物200を吸引保持するものであり、の加工装置80に設置されるものである。
【0066】
チャックテーブル1が保持する対象物200は、例えば、図14に示すように、シリコン、サファイア、ガリウムなどを基板とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハである。
【0067】
対象物200は、表面201に互いに交差する分割予定ライン202が複数設定され、分割予定ライン202によって区画された領域にデバイス203が形成されている。デバイス203は、例えば、IC(Integrated Circuit)、又はLSI(Large Scale Integration)等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサ、又は各種のメモリ(半導体記憶装置)である。
【0068】
また、本発明では、対象物200は、樹脂により封止されたデバイスを複数有した矩形状の樹脂パッケージ基板、セラミックス板、ガラス板等でも良い。
【0069】
チャックテーブル110は、図13に示すように、円板形状であり、ポーラスセラミック等の多孔質材から形成されて、水平方向に沿って平坦な対象物200を吸引保持する対象物保持面111を有したポーラス板112と、ステンレス鋼等の金属により構成され、円形凸部4と吸引路5とを有して円形凸部4の上面6にポーラス板112が内側にはめ込まれる円形凹部113が形成された環状基台114とを備える。
【0070】
チャックテーブル110は、対象物保持面111に対象物200が載置され、吸引路5が吸引源により吸引されることで、対象物保持面111に対象物200を吸引保持する。
【0071】
保持治具100は、実施形態1に係るチャックテーブル1の弾性部材10と、振動吸収部材20とを備えて、被加工物40の反りの形状に沿った形状に形成されて被加工物40が保持される保持面11を備える。保持治具100は、円形凸部4が円形凹部23に嵌合して、チャックテーブル110に取り付けられる。このために、保持治具100は、チャックテーブル110に取り付けられると、一端が保持面11に開口し他端が対象物保持面111に対向する吸引孔30を備えている。
【0072】
保持治具100は、チャックテーブル110に取り付けられて、保持面11に被加工物40の移設基板50の裏面52が載置されて、吸引路5が吸引源により吸引されることで、保持面11に被加工物40を吸引保持する。
【0073】
なお、保持治具100は、実施形態1に係るチャックテーブルの製造方法と同様に、形状測定ステップ301と、レーザービーム照射ステップ302と、吸引孔形成ステップ303とが施されて、製造される。また,保持治具100は、チャックテーブル110に取り付けられて、実施形態1に係るリフトオフ方法に用いられる。
【0074】
なお、本発明は、上記実施形態等に等限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。なお、本発明のチャックテーブル1及び保持治具100は、保持面11を有する弾性部材10を備えていれば、振動吸収部材20を備えていなくても良い。
【0075】
例えば、本発明では、円形凸部4の外径を弾性部材10及び振動吸収部材20の外径よりも大きく、即ち、円形凸部4の外径を保持治具100の外径よりも大きくして、円形凸部4に弾性部材10及び振動吸収部材20即ち保持治具100を嵌合しても良いし(この場合、保持治具100には円形凹部23が形成されておらず、円形凸部4に保持治具100が嵌合する凹部が形成されている)、円形凸部4の外径と弾性部材10及び振動吸収部材20の外径とを等しく、即ち、円形凸部4の外径と保持治具100の外径とを等しくしても良いし、嵌合させるのではなくネジ等でこれらを固定しても良い。
【0076】
また、本発明では、例えば、保持面11を形成するレーザービームと、吸引孔30を形成するレーザービームが異なるものでも良い。
【符号の説明】
【0077】
1 チャックテーブル
10 弾性部材
11 保持面
20 振動吸収部材
30 吸引孔
40 被加工物(複合基板)
41 光デバイスウエーハ
42 エピタキシー基板
43 光デバイス層
44 バッファー層
45 表面
46 表面
47 接合材
48 裏面
50 移設基板
52 裏面(被保持面)
71 レーザービーム
81 レーザービーム(パルスレーザービーム)
100 保持治具
110 チャックテーブル
111 対象物保持面
200 対象物
301 形状測定ステップ
302 レーザービーム照射ステップ
303 吸引孔形成ステップ
401 保持ステップ
402 バッファー層破壊ステップ
403 光デバイス層移設ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14