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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152438
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】処理システム及び処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H01L21/68 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066629
(22)【出願日】2023-04-14
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】東海林 賢斗
(72)【発明者】
【氏名】新藤 健弘
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA32
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB06
5F131DB22
5F131DB25
5F131DB52
5F131DB62
5F131DB76
5F131GA14
5F131KA14
5F131KA22
5F131KB05
5F131KB23
5F131KB33
5F131KB43
5F131KB45
5F131KB53
5F131KB54
5F131KB55
5F131KB56
(57)【要約】
【課題】エンドエフェクタ上での基板の位置ずれを検出する技術を提供する。
【解決手段】開示される処理システムは、アライナと、搬送装置と、記憶部と、制御部と、判定部とを備える。アライナは、基板載置台、及び、基板の位置を測定する測定器を有する。測定器は、アライナ内且つ基板載置台の上方でエンドエフェクタ上に配置されている基板の位置を測定する。アライナは、基板の位置を調整するために用いられる。搬送装置は、エンドエフェクタを有する。搬送装置は、該エンドエフェクタにより基板をアライナに搬送するように構成されている。記憶部は、アライナ内且つ基板載置台の上方でエンドエフェクタ上に配置されている基板の標準位置を記憶する。制御部は、搬送装置により基板をアライナの基板載置台上に搬送するように制御する。判定部は、測定器により測定された該基板の位置と基板の標準位置との間のずれの有無を判定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板載置台、及び、基板の位置を測定する測定器を有し、前記基板の位置を調整するために用いられるアライナと、
エンドエフェクタを有し、該エンドエフェクタにより前記基板を前記アライナに搬送するように構成された搬送装置と、
前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の標準位置を記憶する記憶部と、
前記基板を前記アライナの前記基板載置台上に搬送するように前記搬送装置を制御する制御部と、
前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の測定位置であり、前記測定器により測定された該基板の該測定位置と前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記標準位置との間のずれの有無を判定する判定部と、
を備える処理システム。
【請求項2】
前記測定器は、前記アライナ内の前記エンドエフェクタの位置を測定し、
前記記憶部は、前記アライナ内の前記エンドエフェクタの標準位置を記憶し、
前記判定部は、前記測定器により測定された前記アライナ内の前記エンドエフェクタの測定位置と前記アライナ内の前記エンドエフェクタの前記標準位置との間のずれの有無を判定する、請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記エンドエフェクタは、該エンドエフェクタ上での前記基板の位置を測定する別の測定器を有し、
前記記憶部は、前記エンドエフェクタ上での前記基板の別の標準位置を記憶し、
前記判定部は、前記別の測定器により測定された前記エンドエフェクタ上での前記基板の測定位置と前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記別の標準位置との間のずれの有無を判定する、請求項1又は2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記アライナの前記測定器は、CCDセンサである、請求項1又は2に記載の処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記アライナ内、前記載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記測定位置と前記アライナ内、前記載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記標準位置との間のずれがあると前記判定部により判定された場合、該ずれについて報知する、請求項1又は2に記載の処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記アライナ内、前記載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記測定位置と前記アライナ内、前記載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記標準位置との間のずれがないと前記判定部により判定された場合、前記基板載置台から前記基板を受け取って前記基板の搬送を続行するよう、前記搬送装置を制御する、請求項1又は2に記載の処理システム。
【請求項7】
前記アライナの前記測定器は、前記搬送装置によって前記アライナ内に搬送されて前記基板載置台上に載置された状態の前記基板の位置を測定し、
前記記憶部は、前記基板載置台上での前記基板の標準位置を記憶し、
前記判定部は、前記測定器により測定された前記基板載置台上での前記基板の測定位置と、前記基板載置台上での前記基板の標準位置との間のずれの有無を判定する、請求項1又は2に記載の処理システム。
【請求項8】
前記測定器は、前記搬送装置によって前記アライナ内に搬送されて前記基板載置台上に載置された状態の前記基板の位置を更に測定し、
前記判定部は、前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記測定位置と前記測定器により測定された前記基板載置台上での前記基板の測定位置との間の距離の差と閾値とを比較する、請求項1又は2に記載の処理システム。
【請求項9】
(a) 基板の位置を調整するために用いられるアライナの基板載置台上に前記基板を搬送するようにエンドエフェクタを有する搬送装置を制御する工程と、
(b) 前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の位置を前記アライナにおける測定器によって測定する工程と、
(c) 前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の標準位置を記憶する工程と、
(d) 前記(b)において測定された前記基板の測定位置と前記(c)において記憶された前記基板の前記標準位置との間のずれの有無を判定する工程と、
を含む、処理方法。
【請求項10】
(e) 前記アライナ内の前記エンドエフェクタの位置を前記測定器によって測定する工程と、
(f) 前記アライナ内の前記エンドエフェクタの標準位置を記憶する工程と、
(g) 前記(e)において測定された前記アライナ内の前記エンドエフェクタの測定位置と前記(f)において記憶された前記アライナ内の前記エンドエフェクタの前記標準位置との間のずれの有無を判定する工程と、
を更に含む、請求項9に記載の処理方法。
【請求項11】
(h) 前記エンドエフェクタに設けられる別の測定器によって、該エンドエフェクタ上での前記基板の位置を測定する工程と、
(i) 前記エンドエフェクタ上での前記基板の別の標準位置を記憶する工程と、
(j) 前記(h)において測定された前記エンドエフェクタ上での前記基板の測定位置と前記(i)において記憶された前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記別の標準位置との間のずれの有無を判定する、請求項9又は10に記載の処理方法。
【請求項12】
(k) 前記(b)において測定された前記基板の前記測定位置と前記(c)において記憶された前記基板の前記標準位置との間のずれがあると判定された場合、該ずれについて報知する工程を更に含む、請求項9又は10に記載の処理方法。
【請求項13】
(m) 前記(b)において測定された前記基板の位置と前記(c)において記憶された前記基板の標準位置との間のずれがないと判定された場合、前記基板載置台から前記基板を受け取って、前記基板の搬送を続行させるように前記搬送装置を制御する工程を更に含む、請求項9又は10に記載の処理方法。
【請求項14】
(n) 前記搬送装置によって前記アライナ内に搬送されて前記基板載置台上での前記基板の位置を前記測定器によって測定する工程と、
(p) 前記基板載置台上での前記基板の標準位置を記憶する工程と、
(q) 前記(n)において測定された前記基板載置台上での前記基板の測定位置と、前記(p)において記憶された前記基板載置台上での前記基板の標準位置との間のずれの有無を判定する工程を含む、請求項9又は10に記載の処理方法。
【請求項15】
(r) 前記搬送装置によって前記アライナ内に搬送されて前記載置台上に載置された状態の前記基板の位置を前記測定器によって測定する工程と、
を含み、
(s) 前記(b)において測定された前記基板の測定位置と前記(r)において測定された前記基板載置台上での前記基板の測定位置との間の距離の差が閾値未満か否かを判定する工程を更に含む、請求項9又は10に記載の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、処理システム及び処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板搬送装置が、基板を基板載置部上に載置する処理において用いられている。下記の特許文献1に開示された基板搬送装置は、ハンドと、基板検出器と、制御装置とを有する。ハンドは、その上に基板を載置する。基板検出器は、ハンドに設けられ、基板に光を投光する。制御装置は、基板検出器が基板の主面からの反射光を受光したか否かによって、基板の位置ずれが生じているか否かを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-091855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、エンドエフェクタ上での基板の位置ずれを検出する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態において、処理システムが提供される。処理システムは、アライナと、搬送装置と、記憶部と、制御部と、判定部とを備える。アライナは、基板載置台、及び、基板の位置を測定する測定器を有する。測定器は、アライナ内且つ基板載置台の上方でエンドエフェクタ上に配置されている基板の位置を測定する。アライナは、基板の位置を調整するために用いられる。搬送装置は、エンドエフェクタを有する。搬送装置は、該エンドエフェクタにより基板をアライナに搬送するように構成されている。記憶部は、アライナ内且つ基板載置台の上方でエンドエフェクタ上に配置されている基板の標準位置を記憶する。制御部は、搬送装置により基板をアライナの基板載置台上に搬送するように制御する。判定部は、測定器により測定された該基板の位置と基板の標準位置との間のずれの有無を判定する。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態によれば、エンドエフェクタ上での基板の位置ずれを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一つの例示的実施形態に係る処理システムの一部を示す側面図である。
図2】一つの例示的実施形態に係る処理システムを示す図である。
図3】一つの例示的実施形態に係る処理システムの搬送装置を示す上面図である。
図4】一つの例示的実施形態に係る処理システムの一部を示す側面図である。
図5】一つの例示的実施形態に係る処理システムによる異常検出方法の流れ図である。
図6】一つの例示的実施形態に係る処理システムによる他の異常検出方法の流れ図である。
図7】一つの例示的実施形態に係る処理システムの一部を示す側面図である。
図8】一つの例示的実施形態に係る処理システムによる他の異常検出方法の流れ図である。
図9】他の例示的実施形態に係る処理システムの搬送装置を示す上面図である。
図10図9のX-X線に沿った搬送装置及び基板の断面図である。
図11】他の例示的実施形態に係る処理システムによる異常検出方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0009】
〔処理システム〕
図1を参照し、一つの例示的実施形態の処理システムの一例について説明する。図1は、一つの例示的実施形態に係る処理システムの一部を示す側面図である。処理システムPSは、搬送ロボットTR3によって基板Wを搬送して、基板Wを処理するシステムである。処理システムPSは、エンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれを検出するように構成されている。
【0010】
図1に示すように、処理システムPSは、アライナANと、搬送ロボットTR3と、記憶部91と、制御部92と、判定部93とを備える。搬送ロボットTR3は、搬送装置の一例である。処理システムPSは、制御装置CUを更に備えていてもよい。例えば、記憶部91、制御部92、及び判定部93は、制御装置CU内で機能するユニットであってもよい。
【0011】
図2は、一つの例示的実施形態に係る処理システムを示す図である。図2に示すように、処理システムPSは、ロードポートLP1~LP4、ローダモジュールLM、ロードロックモジュールLL1,LL2、ストレージSRを更に備えていてもよい。処理システムPSは、搬送モジュールTM1,TM2、プロセスモジュールPM1~PM12等を更に備えていてもよい。
【0012】
処理システムPSにおいて、ローダモジュールLMは、ロードポートLP1~LP4の何れか一つから取り出した基板を大気圧環境下で搬送するように構成されている。ローダモジュールLMは、チャンバを含んでいる。ローダモジュールLMのチャンバ内の圧力は、大気圧に設定される。ローダモジュールLMは、FFU(Fan Filter Unit)を有していてもよい。ローダモジュールLMは、例えばEFEM(Equipment Front End Module)である。ローダモジュールLMは、ロードポートLP1~LP4の各々とロードロックモジュールLL1,LL2の各々との間に配置されている。ロードポートLP1~LP4は、ローダモジュールLMの長手方向に沿った一対の縁部のうち一方に沿って配列されている。ロードロックモジュールLL1,LL2は、ローダモジュールLMの長手方向に沿った一対の縁部のうち他方に沿って配列されている。ロードポートLP1~LP4の各々は、その上に載置されるカセットCSTを支持するように構成されている。カセットCSTは、その中に複数の基板を収容する容器である。カセットCSTは、例えばFOUP(Front-Opening Unified Pod)である。
【0013】
ローダモジュールLMは、搬送ロボットTR3を更に含む。搬送ロボットTR3は、ローダモジュールLMのチャンバの中に設けられている。搬送ロボットTR3は、例えば、エンドエフェクタEE31を有する。搬送ロボットTR3は、多関節アームAR31を有していてもよい。搬送ロボットTR3は、後述する制御装置CUが出力する動作指示に基づいて基板を搬送する。搬送ロボットTR3は、基板Wを、ロードポートLP1~LP4のうち少なくとも一つの上に載置されるカセットCST、ロードロックモジュールLL1,LL2、アライナAN、及びストレージSRのうち何れか二つの間で基板Wを搬送する。
【0014】
アライナANは、ローダモジュールLMに接続されており、基板Wの位置を調整するように構成されている。アライナANは、ローダモジュールLMの短手方向に沿った一対の縁部のうち一方の縁部に沿って配置されている。アライナANは、ローダモジュールLMの長手方向に沿った縁部に沿って配置されていてもよい。また、アライナANは、ローダモジュールLMのチャンバの中に配置されていてもよい。
【0015】
ストレージSRは、ローダモジュールLMに接続されており、その中に基板を格納するように構成されている。ストレージSRは、ローダモジュールLMの長手方向に沿った縁部に沿って配置されている。ストレージSRは、ローダモジュールLMの短手方向に沿った縁部に沿って配置されていてもよい。また、ストレージSRは、ローダモジュールLMの内部に設けられていてもよい。
【0016】
ロードロックモジュールLL1,LL2の各々は、ローダモジュールLMに接続されており、予備減圧室を提供する。ロードロックモジュールLL1,LL2の各々は、搬送モジュールTM1とローダモジュールLMとの間に配置されている。ロードロックモジュールLL1,LL2の各々とローダモジュールLMは、ゲートバルブG3を介して接続されている。ロードロックモジュールLL1,LL2の各々と搬送モジュールTM1は、ゲートバルブG2を介して接続されている。
【0017】
ロードロックモジュールLL1,LL2の各々は、その内部空間に配置されたステージを有する。当該内部空間の圧力は、減圧可能である。当該内部空間の圧力は、基板Wが当該内部空間とローダモジュールLMとの間で搬送される際には、大気圧に設定される。当該内部空間の圧力は、基板Wが当該内部空間と搬送モジュールTM1との間で搬送される際には、例えば真空状態に減圧される。
【0018】
搬送モジュールTM1,TM2の各々は、チャンバを含んでいる。搬送モジュールTM1,TM2の各々は、そのチャンバ内の減圧された空間を介して基板を搬送するように構成されている。搬送モジュールTM1のチャンバは、ゲートバルブG2を介してロードロックモジュールLL1,LL2の各々と接続されている。搬送モジュールTM1のチャンバには、プロセスモジュールPM1~PM6がゲートバルブG1を介して接続されている。搬送モジュールTM1のチャンバは、搬送モジュールTM2のチャンバに接続されている。搬送モジュールTM2のチャンバには、プロセスモジュールPM7~PM12がゲートバルブG1を介して接続されている。
【0019】
搬送モジュールTM1は、そのチャンバ内に設けられた搬送ロボットTR1を含んでいる。搬送ロボットTR1は、例えば、エンドエフェクタEE11,EE12及び多関節アームAR11,AR12を有する。エンドエフェクタEE11は、フォークFK11を有する。エンドエフェクタEE12は、フォークFK12を有する。フォークFK11は、多関節アームAR11の先端に取り付けられており、その上に載置される基板を支持するように構成されている。フォークFK12は、多関節アームAR12の先端に取り付けられており、その上に載置される基板を支持するように構成されている。搬送ロボットTR1は、後述する制御装置CUが出力する動作指示に基づいて基板を搬送する。搬送ロボットTR1は、フォークFK11,FK12によって基板を保持する。搬送ロボットTR1はロードロックモジュールLL1,LL2、プロセスモジュールPM1~PM6、搬送モジュールTM1のチャンバ及び搬送モジュールTM1のチャンバと搬送モジュールTM2のチャンバとの間のパスのうち何れか二つの間で基板を搬送する。
【0020】
搬送モジュールTM2は、そのチャンバ内に設けられた搬送ロボットTR2を含んでいる。搬送ロボットTR2は、例えば、エンドエフェクタEE21,EE22及び多関節アームAR21,AR22を有する。エンドエフェクタEE21は、フォークFK21を有する。エンドエフェクタEE22は、フォークFK22を有する。フォークFK21は、多関節アームAR21の先端に取り付けられており、その上に載置される基板を支持するように構成されている。フォークFK22は、多関節アームAR22の先端に取り付けられており、その上に載置される基板を支持するように構成されている。搬送ロボットTR2は、後述する制御装置CUが出力する動作指示に基づいて基板を搬送する。搬送ロボットTR2は、フォークFK21,FK22によって基板を保持する。搬送ロボットTR2は、プロセスモジュールPM7~PM12及び上記のパスのうち何れか二つの間で基板を搬送する。
【0021】
プロセスモジュールPM1~PM12の各々は、基板に対して専用の処理を行うように構成された基板処理装置である。プロセスモジュールPM1~PM12のうち少なくとも一つは、プラズマ処理装置であってもよい。搬送モジュールTM1,TM2とプロセスモジュールPM1~PM12とは、開閉自在なゲートバルブG1で仕切られている。
【0022】
制御装置CUは、例えばコンピュータである。制御装置CUは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置等を備える。CPUは、ROM又は補助記憶装置に格納されたプログラムに基づいて動作し、処理システムPSの各部を制御する。例えば、制御装置CUは、動作指示を搬送ロボットTR1,TR2,TR3等に出力する。動作指示は、基板の搬送場所に対する、基板を搬送するフォークFK11,FK12,FK21,FK22,FK31の移動の指示を含む。
【0023】
なお、処理システムPSは、必ずしも図2に示されるものに限定されない。例えば、処理システムにおけるプロセスモジュールの数及び/又はフォークの数は、図2に示されるものとは異なっていてもよい。また、処理システムは、各々がプロセスモジュールとロードロックモジュールを含む複数のモジュール群をローダモジュールに連結させたシステム(所謂ローダー型システム)であってもよい。また、処理システムは、搬送モジュールの周囲に二つ以上のプロセスモジュールを、該搬送モジュールを取り囲むように並べて連結したシステム(所謂クラスタ型システム)であってもよい。
【0024】
以下、一つの例示的実施形態に係る処理システムの各構成の詳細について説明する。まず、アライナANにおける各構成の詳細について、再び図1を参照しつつ説明する。アライナANには、基板載置台10及び第1測定器20が設けられている。
【0025】
アライナANにおいて、基板載置台10は、載置面11を有する。基板載置台10は、載置面11上に載置される基板Wを支持する。なお、載置面11は、幾つかのパッドにより構成されていてもよい。アライナANの基板載置台10は、回転可能である。
【0026】
第1測定器20は、アライナANの測定器の一例である。第1測定器20は、例えば、CCDセンサである。第1測定器20は、アライナANの上部に設けられ、下方の測定領域21内の対象物を測定するように配置されている。第1測定器20は、例えば、測定領域21内に基板載置台10の載置面11が含まれないように設けられる。
【0027】
第1測定器20は、アライナAN内の基板Wの中心位置を特定するために用いられる。第1測定器20は、測定領域21内の基板Wのエッジを検出する。第1測定器20は、アライナAN内、基板載置台10の上方、且つエンドエフェクタEE31上での基板Wのエッジを検出する。次に、第1測定器20、又は、制御装置CUの後述の判定部93は、基板Wのエッジの検出結果に基づいて、基板Wの第1測定位置として、基板Wの中心位置を特定する。第1測定器20、又は、制御装置CUの後述の判定部93は、例えば、検出された基板Wのエッジ、及び、予め記憶されている基板Wの半径に基づいて、基板Wの中心位置を特定する。第1測定器20、又は、制御装置CUの後述の判定部93は、例えば、検出された基板Wの円弧部分の両端のそれぞれから、基板Wの半径の長さを有する線分を延在させ、両端のそれぞれから延在する二つの線分が交差する点を中心位置とする。これにより、第1測定器20は、アライナAN内の基板Wの中心位置を取得できる。基板Wの中心位置は、測定された基板の位置の一例である。
【0028】
以下、図3を参照して、基板載置台10に基板Wを搬送する搬送ロボットTR3について説明する。図3は、一つの例示的実施形態に係る処理システムの搬送装置を示す上面図である。
【0029】
搬送ロボットTR3は、エンドエフェクタEE31によって支持されている状態の基板WをアライナANに搬送するように構成されている。搬送ロボットTR3のエンドエフェクタEE31は、フォークFK31及び少なくとも一つの支持部材Pを含む。少なくとも一つの支持部材Pは、その上に基板Wが載置されるように配置されている。フォークFK31は、基端部311と一対の腕部312,312を有する。一対の腕部312,312は、互いから離間しており、基端部311からそれらの先端まで延在している。すなわち、フォークFK31は、略U字形状または馬蹄形状を有する。腕部312と腕部312との間の間隙の幅は、エンドエフェクタEE31の上下動の際に一対の腕部312,312が基板載置台10に接触しないよう、基板載置台10の幅よりも大きい。
【0030】
図3に示すように、エンドエフェクタEE31は、少なくとも一つの支持部材Pとして、三つの支持部材Pを含んでいてもよい。三つの支持部材Pは、フォークFK31上に設けられる。三つの支持部材Pは、例えば、吸着パッドである。三つの支持部材Pはそれぞれ、吸気孔V1を含む。各吸気孔V1は、各支持部材Pを上下方向に貫通している。三つの支持部材Pは、それぞれの吸気孔V1からの吸気により、基板Wを吸着するように構成されている。三つの支持部材Pそれぞれの吸気孔V1は、フォークFK31の中まで延びている。フォークFK31は、その内部に形成された吸引路V2を含む。三つの支持部材Pそれぞれの吸気孔V1は、吸引路V2に繋がっている。
【0031】
処理システムPSは、排気管V3、排気装置V4及び吸着センサV5を更に備えていてもよい。複数の吸気孔V1は、吸引路V2及び排気管V3を介して排気装置V4に接続されている。排気装置V4は、バルブ、レギュレータ、真空ポンプ等を含む。排気装置V4は、吸気孔V1、吸引路V2及び排気管V3の各々における圧力を調整しながら吸気孔V1、吸引路V2及び排気管V3内を吸引する。吸気孔V1は、吸引路V2及び排気管V3を介して吸着センサV5にも接続されている。吸着センサV5は、排気管V3内の圧力(以下「吸着力」ともいう。)を検出する。
【0032】
以下、エンドエフェクタEE31上の基板Wの位置と基板Wの標準位置との間のずれの有無を判定するまでの処理について、制御装置CUの構成と共に説明する。図1に示すように、制御装置CUは、記憶部91と、制御部92と、判定部93とを備える。
【0033】
記憶部91は、アライナAN内、基板載置台10の上方、且つエンドエフェクタEE31上での基板Wの標準位置である第1標準位置を記憶する。基板Wの第1標準位置とは、搬送ロボットTR3のエンドエフェクタEE31により基板載置台10に載置される前の基板Wの位置として基準となる基板Wの位置である。基板Wの第1標準位置とは、例えば、基板載置台10に対応して設定される位置である。基板Wの第1標準位置は、例えば、オペレータ等によって記憶部91に記憶される。
【0034】
制御部92は、基板WをアライナANの基板載置台10上に搬送するように搬送ロボットTR3を制御する。以下、基板Wを搬送ロボットTR3によりエンドエフェクタEE31から基板載置台10に受け渡す手順の流れを説明する。制御部92は、エンドエフェクタEE31の三つの支持部材P上に基板Wを載置した状態で、アライナAN内且つ基板載置台10の上方の領域まで基板Wを搬送するように、搬送ロボットTR3を制御する。次いで、図1に示すように、制御部92は、基板載置台10の載置面11に対して下方の領域に向かってエンドエフェクタEE31を下降させるように、搬送ロボットTR3を制御する。図4は、一つの例示的実施形態に係る処理システムの一部を示す側面図である。制御部92が、エンドエフェクタEE31を搬送ロボットTR3によって下降させることにより、図4に示すように、基板Wが載置面11に載置され、エンドエフェクタEE31は、基板Wから下方に引き離される。これにより、基板Wが搬送ロボットTR3から基板載置台10に受け渡される。
【0035】
制御部92は、基板Wを基板載置台10上からエンドエフェクタEE31に受け渡すよう搬送ロボットTR3を制御してもよい。制御部92は、基板載置台10の載置面11に対して下方の領域から上方へエンドエフェクタEE31を上昇させるように、搬送ロボットTR3を制御する。これにより、エンドエフェクタEE31は、基板Wを三つの支持部材P上で支持して、基板載置台10の載置面11から持ち上げる。制御部92は、エンドエフェクタEE31が基板Wを基板載置台10の載置面11から持ち上げた後に、基板Wを搬送するように搬送ロボットTR3を制御してもよい。
【0036】
制御部92は、第1測定器20によりアライナAN内の基板Wの位置を検出するように制御する。制御部92は、アライナAN内、基板載置台10の上方、且つエンドエフェクタEE31上での基板Wのエッジを検出するように、第1測定器20を制御する。
【0037】
判定部93は、第1測定位置と第1標準位置との間のずれの有無を判定する。判定部93は、第1測定器20から第1測定位置を取得する。具体的には、判定部93は、第1測定器20によって測定された基板Wのエッジの測定結果に基づいて、基板Wの第1測定位置として、基板Wの中心位置を特定する。判定部93は、記憶部91に記憶された第1標準位置を取得する。判定部93は、第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量を算出する。ずれ量とは、第1測定位置と第1標準位置との間の距離である。ずれ量が第1閾値以下である場合、判定部93は、第1測定位置と第1標準位置との間のずれがないと判定する。ずれ量が第1閾値より大きい場合、判定部93は、第1測定位置と第1標準位置との間のずれがあると判定する。第1閾値は、予め設定されており、例えば、記憶部91に記憶されている。
【0038】
ここで、判定部93により第1測定位置と第1標準位置との間のずれがないと判定された場合、算出されたずれ量は、第1閾値以下となる。すなわち、搬送ロボットTR3によりアライナAN内且つ基板載置台10の上方に搬送される基板Wの位置が第1標準位置から離れている距離は、第1閾値内に収まる。
【0039】
しかし、少なくとも一つの支持部材Pを含むエンドエフェクタEE31が何らかの要因で汚損されている又は劣化している場合がある。この場合、エンドエフェクタEE31上に載置される際に基板Wが適切に配置されず、基板Wが第1標準位置から大きく離れた位置に配置される可能性がある。また、エンドエフェクタEE31を搬送する搬送ロボットTR3において何らかの要因で動作不良が生じている場合等には、基板Wが、搬送ロボットTR3によって、第1標準位置から大きく離れた位置に搬送される可能性がある。よって第1測定位置と第1標準位置との間のずれがある場合には、搬送ロボットTR3が異常であると判定される。搬送ロボットTR3の異常とは、例えば、少なくとも一つの支持部材Pの損傷、少なくとも一つの支持部材Pにおける吸着の異常、エンドエフェクタEE31の傾きの異常、多関節アームAR31の伸縮の異常等を含む。
【0040】
一実施形態において、判定部93によって第1測定位置と第1標準位置との間のずれがあると判定された場合に、制御部92は、当該ずれについて報知してもよい。例えば、制御部92は、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、第1測定位置と第1標準位置との間のずれを報知する。制御部92は、第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量に応じて、報知の態様を変更してもよい。例えば、当該ずれ量が第1閾値より大きく第2閾値以下である場合には、エンドエフェクタEE31上の少なくとも一つの支持部材Pの交換、又は、当該少なくとも一つの支持部材Pのクリーニングを促す通知を行ってもよい。例えば、ずれ量が第2閾値より大きい場合には、制御部92は、制御部92は、搬送ロボットTR3の停止を促す警告を行ってもよい。第2閾値は、予め設定されており、例えば、記憶部91に記憶されている。
【0041】
一実施形態において、判定部93によって第1測定位置と第1標準位置との間のずれがないと判定された場合に、基板載置台10から基板Wを受け取って、基板Wの搬送を続行するよう、搬送ロボットTR3を制御してもよい。判定部93によって第1測定位置と第1標準位置との間のずれがあると判定された場合であっても、制御部92は、第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量に応じて、基板Wの搬送を継続してもよい。制御部92は、第1測定位置から特定されるエンドエフェクタEE31上での基板Wの位置を、第1標準位置に補正する。例えば、制御部92は、基板WをアライナANの基板載置台10上に載置した後、再び基板Wを受け取る際に、基板載置台10に対するエンドエフェクタEE31の位置を搬送ロボットTR3により調整することで上述の補正を行う。
【0042】
次に、図5を参照して一つの例示的実施形態に係る処理システムにおいて行われる異常検出方法について説明する。図5は、一つの例示的実施形態に係る処理システムによる異常検出方法の流れ図である。以下、処理システムPSが用いられる場合を例にとって、図5に示す異常検出方法MT1(以下、「方法MT1」という)について説明する。方法MT1は、処理方法の一例である。また、図5を参照しつつ、方法MT1における制御装置CUによる処理システムPSの各構成及び各部の制御について説明する。なお、方法MT1は、処理システムPS以外の処理システムを用いて行われてもよい。
【0043】
方法MT1では、基板Wが搬送ロボットTR3によりアライナAN内の基板載置台10の上方に搬送されるときに、基板Wの位置を測定し、測定された基板Wの位置と第1標準位置とに基づいて、第1標準位置からの基板Wの位置ずれが検出される。
【0044】
方法MT1は、工程S10を含む。工程S10では、判定部93によって、第1標準位置が記憶部91に記憶されているか否かが判定される。第1標準位置が記憶部91に記憶されていると判定された場合、処理は、工程S12に移る。第1標準位置が記憶部91に記憶されていないと判定された場合、処理は、工程S11に移る。
【0045】
工程S11では、記憶部91によって、第1標準位置が記憶される。第1標準位置は、オペレータ等の入力によって設定される。第1標準位置は、オペレータ等の操作によって記憶される。工程ST11の後の処理は、工程S12に移る。
【0046】
方法MT1では、次いで、工程S12が行われる。工程S12では、搬送ロボットTR3により基板WがアライナAN内、且つ、基板載置台10の上方に搬送される。工程S12では、制御部92は、基板Wを載置した状態のエンドエフェクタEE31をアライナAN内に進入させるよう、搬送ロボットTR3を制御する。制御部92は、基板Wの少なくとも一部が第1測定器20の測定領域21に入るように搬送ロボットTR3を制御する。
【0047】
方法MT1では、次いで、工程S13が行われる。工程S13では、第1測定器20により、第1測定位置として基板Wの位置が測定される。制御部92は、アライナAN内、基板載置台10の上方、且つエンドエフェクタEE31上での基板Wのエッジを検出するように、第1測定器20を制御する。第1測定器20は、検出された基板Wのエッジに基づいて、基板Wの中心位置を第1測定位置として検出する。第1測定器20は、検出された第1測定位置を判定部93に通知する。
【0048】
方法MT1では、次いで、工程S14が行われる。工程S14では、判定部93によって、第1測定位置と第1標準位置との間のずれの有無が判定される。判定部93は、工程S13において測定された第1測定位置と、記憶部91に記憶されている第1標準位置との間のずれ量を算出する。第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量が第1閾値以下である場合、判定部93によって、第1測定位置と第1標準位置との間のずれがなく、基板Wの位置ずれが生じていないと判定され、処理は、工程S15に移る。第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量が第1閾値より大きい場合、判定部93によって、第1測定位置と第1標準位置との間のずれがあり、基板Wの位置ずれが生じていると判定され、処理は、工程S16に移る。
【0049】
工程S15では、搬送ロボットTR3によって、基板Wが搬送される。制御部92は、例えば、アライナAN内の基板載置台10に基板Wを受け渡すため、エンドエフェクタEE31を下降させるように、搬送ロボットTR3を制御してもよい。制御部92は、例えば、基板載置台10から基板Wを受け取るため、エンドエフェクタEE31を上昇させるように、搬送ロボットTR3を制御してもよい。制御部92は、例えば、基板WをアライナANの外部に搬送するように、搬送ロボットTR3を制御してもよい。工程S15の後、方法MT1は終了する。
【0050】
工程S16では、判定部93によって、第1測定位置と第1標準位置との間のずれが大きいか否かが判定される。判定部93は、工程S13において測定された第1測定位置と、記憶部91に記憶されている第1標準位置との間のずれ量を算出する。第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量が第2閾値以下である場合、判定部93によって、基板Wの位置ずれが生じているものの、比較的小さく収まっていると判定され、処理は、工程S17に移る。第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量が第2閾値より大きいである場合、判定部93によって、基板Wの位置ずれが比較的大きいと判定され、処理は、工程S18に移る。
【0051】
工程S17では、異常が通知される。制御部92は、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、異常を報知する。工程S17の後、方法MT1は終了する。
【0052】
工程S18では、異常について警告される。制御部92は、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、異常について警告する。工程S18における警告の態様は、工程S17における通知の態様と異なる。例えば、工程S18では、工程S17に比べて、ブザーによる音声報知において、音量が大きくてもよく、報知時間が長くてもよい。例えば、工程S18では、工程S17に比べて、表示部の画面表示において、表示要素が大きくてもよく、表示時間が長くてもよい。工程S18の後、方法MT1は終了する。
【0053】
実施形態の処理システムPSによれば、第1測定位置及び第1標準位置に基づいて、エンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれを検出できる。第1測定位置及び第1標準位置は、それぞれアライナAN内、基板載置台10の上方、且つエンドエフェクタEE31上での基板Wの位置を表す。したがって、エンドエフェクタEE31から基板載置台10に基板Wが受け渡される前に、エンドエフェクタEE31上での基板の位置ずれを検出できる。エンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれが検出されることにより、搬送ロボットTR3の異常の有無を検出できる。
【0054】
また、第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量が第1閾値より大きい場合、制御部92により、工程S17における異常の通知、又は、工程S18における警告が行われる。これにより、処理システムPSは、オペレータ等に対して適切にエンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれを認識させることができる。また、工程S18における警告により、処理システムPSは、オペレータ等に対して適切にエンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれ、及び、エンドエフェクタEE31を含む搬送ロボットTR3に異常が発生した可能性を認識させることができる。
【0055】
なお、エンドエフェクタEE31の支持部材Pの数は三つに限定されない。エンドエフェクタEE31は、一つの支持部材Pを有してもよく、二つ又は四つ以上の支持部材Pを有してもよい。また、工程S17の後に、工程S15が実行されてもよい。すなわち、判定部93によって、基板Wの位置ずれが生じていても、第1測定位置と第1標準位置との間のずれ量が第2閾値以下に収まっていると判定された場合には、制御部92は、搬送ロボットTR3により基板Wを搬送させてもよい。
【0056】
第1測定器20は、アライナAN内の基板Wの中心位置を特定する代わりに、アライナAN内の基板Wの角度位置を特定してもよい。第1測定器20は、測定領域21内の基板Wのノッチのようなマーカーを検出することで、基板Wの角度位置を測定する。第1測定器20は、アライナAN内、基板載置台10の上方、且つエンドエフェクタEE31上での基板Wのマーカーを検出する。判定部93は、基板Wのマーカーの検出結果に基づいて、基板Wの第1測定位置として、基板Wのマーカーの角度位置を特定する。基板Wのマーカーの角度位置は、基板の位置の一例である。これにより、第1測定器20は、基板Wの第1測定位置を取得できる。このとき、記憶部91は、第1標準位置として、基板Wの基準となる角度位置を記憶している。なお、制御部92は、第1測定位置としての基板Wの角度位置と、第1標準位置としての基板Wの角度位置との間のずれ量を算出する。制御部92は、算出したずれ量だけ基板載置台10を回転させる。これにより、制御部92は、基板Wの角度位置を基準角度位置に一致させることができる。
【0057】
処理システムPSにおいて、第1測定器20は、基板Wの第1測定位置を測定しなくてもよい。この場合、方法MT1における工程S11の代わりに、記憶部91は、基板Wの第2標準位置として、搬送ロボットTR3によってアライナAN内に搬送されて基板載置台10上に載置された状態の基板Wの標準位置を記憶してもよい。次いで、方法MT1における工程S12の代わりに、制御部92は、基板WをアライナAN内の基板載置台10上に載置するように、搬送ロボットTR3を制御してもよい。次いで、方法MT1における工程S13の代わりに、第1測定器20は、基板Wの第2測定位置として、搬送ロボットTR3によってアライナAN内に搬送されて基板載置台10上に載置された状態の基板Wの位置を測定してもよい。制御部92は、第1測定器20を制御して、基板載置台10を回転させる前に基板Wの第2測定位置を測定する。次いで、方法MT1における工程S14の代わりに、判定部93は、基板Wの第2測定位置と、基板Wの第2標準位置との間のずれの有無を判定してもよい。
【0058】
上述の処理システムによれば、第2測定位置及び第2標準位置に基づいて、基板載置台10上に載置された状態の基板Wの位置ずれを検出できる。制御部92は、基板載置台10が回転する前の基板Wの位置を第2測定位置として測定するように、第1測定器20を制御する。基板載置台10上での基板Wの位置ずれは、基板載置台10に基板Wを載置したエンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれ、又は、搬送ロボットTR3によるエンドエフェクタEE31の下降時のずれ等を反映している。基板載置台10上に載置された状態の基板Wの位置ずれが検出されることにより、搬送ロボットTR3の異常の有無を検出できる。
【0059】
以下、図6を参照して一つの例示的実施形態に係る処理システムにおいて行われる他の異常検出方法について説明する。図6は、一つの例示的実施形態に係る処理システムによる他の異常検出方法の流れ図である。以下、処理システムPSが用いられる場合を例にとって、図6に示す異常検出方法MT2(以下、「方法MT2」という)について説明する。方法MT2は、処理方法の一例である。また、方法MT2における制御装置CUによる処理システムPSの各構成及び各部の制御について説明する。なお、方法MT2は、処理システムPS以外の処理システムを用いて行われてもよい。図6に示す方法MT2は、第1測定位置及び第2測定位置を測定し、第1測定位置と第2測定位置との間のずれを検出し、基板Wの位置ずれを検出している点で図5に示す方法MT1と相違する。このとき、処理システムPSにおいて、記憶部91は、第1標準位置及び第2標準位置を記憶しなくてもよい。
【0060】
方法MT2は、工程S20を含む。工程S20では、搬送ロボットTR3により基板WがアライナAN内、且つ、基板載置台10の上方に搬送される。工程S20は、方法MT1の工程S12と同様に行われる。
【0061】
方法MT2では、次いで、工程S21が行われる。工程S21では、第1測定器20により、第1測定位置として基板Wの位置が測定される。第1測定器20は、検出された第1測定位置を判定部93に通知する。工程S21は、方法MT1の工程S13と同様に行われる。
【0062】
方法MT2では、次いで、工程S22が行われる。工程S22では、搬送ロボットTR3により基板WがアライナAN内の基板載置台10上に載置される。工程S22では、制御部92は、基板Wは、アライナAN内の基板載置台10上に載置させるよう、搬送ロボットTR3を制御する。具体的には、制御部92は、基板載置台10の載置面11に対して下方の領域に向かってエンドエフェクタEE31を下降させるように、搬送ロボットTR3を制御する。これにより、基板Wが載置面11に載置され、エンドエフェクタEE31は、基板Wから下方に引き離される。
【0063】
方法MT2では、次いで、工程S23が行われる。工程S23では、第1測定器20により、第2測定位置として基板Wの位置が測定される。制御部92は、アライナAN内の基板載置台10上に載置されている基板Wのエッジを検出するように、第1測定器20を制御する。第1測定器20は、検出された基板Wのエッジに基づいて、基板載置台10上に載置されている基板Wの中心位置を第2測定位置として検出する。第1測定器20は、検出された第1測定位置を判定部93に通知する。
【0064】
方法MT2では、次いで、工程ST24が行われる。工程S14では、判定部93によって、第1測定位置と第2測定位置との間のずれの有無が判定される。判定部93は、工程S21において測定された第1測定位置と、工程S23において測定された第2測定位置との間のずれ量を算出する。第1測定位置と第2測定位置との間のずれ量が第3閾値以下である場合、判定部93によって、第1測定位置と第2測定位置との間のずれがなく、基板Wの位置ずれが生じていないと判定され、処理は、工程S25に移る。第1測定位置と第2測定位置との間のずれ量が第3閾値より大きいである場合、判定部93によって、第1測定位置と第2測定位置との間のずれがあり、基板Wの位置ずれが生じていると判定され、処理は、工程S26に移る。第3閾値は、予め設定されており、例えば、記憶部91に記憶されている。
【0065】
工程S25では、搬送ロボットTR3によって、基板Wが搬送される。制御部92は、例えば、基板載置台10から基板Wを受け取るため、エンドエフェクタEE31を上昇させるように、搬送ロボットTR3を制御してもよい。制御部92は、例えば、基板WをアライナANの外部に搬送するように、搬送ロボットTR3を制御してもよい。工程S25の後、方法MT2は終了する。
【0066】
工程S26では、判定部93によって、第1測定位置と第2測定位置との間のずれが大きいか否かが判定される。判定部93は、工程S21において測定された第1測定位置と、工程S23において測定された第2測定位置との間のずれ量を算出する。第1測定位置と第2測定位置との間のずれ量が第4閾値以下である場合、判定部93によって、基板Wの位置ずれが生じているものの、小さく収まっていると判定され、処理は、工程S27に移る。第1測定位置と第2測定位置との間のずれ量が第4閾値より大きいである場合、判定部93によって、基板Wの位置ずれが大きいと判定され、処理は、工程S28に移る。第4閾値は、予め設定されており、例えば、記憶部91に記憶されている。
【0067】
工程S27では、異常が通知される。制御部92は、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、異常を報知する。工程S27の後、方法MT2は終了する。
【0068】
工程S28では、異常について警告される。制御部92は、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、異常について警告する。工程S28は、方法MT1の工程S13と同様に行われる。工程S28の後、方法MT2は終了する。
【0069】
実施形態の処理システムPSの方法MT2によれば、第1測定位置及び第2測定位置に基づいて、エンドエフェクタEE31の下降中の基板Wの位置ずれを検出できる。第1測定位置は、アライナAN内、基板載置台10の上方、且つエンドエフェクタEE31上での基板Wの位置である。第2測定位置は、アライナAN内の基板載置台10上に載置されている基板Wの位置である。したがって、処理システムPSは、エンドエフェクタEE31から基板載置台10に基板Wが受け渡される前後において、基板の位置ずれを検出できる。方法MT2において検出される基板Wの位置ずれは、例えば、搬送ロボットTR3による下降中の動作不良によって、基板載置台10に対するエンドエフェクタEE31上の基板Wの位置ずれが生じると考えられる。これにより、例えば、エンドエフェクタEE31の下降を制御する搬送ロボットTR3の異常の有無を検出できる。
【0070】
以下、図7及び図8を参照して、処理システムPSにおける他の異常検出方法について説明する。図7は、他の例示的実施形態に係る処理システムの一部を説明するための側面図である。図8は、一つの例示的実施形態に係る処理システムによる他の異常検出方法の流れ図である。図7は、搬送ロボットTR3によりエンドエフェクタEE31がアライナAN内の基板載置台10の上方に移動した状態を示している。図7に示す処理システムPSは、エンドエフェクタEE31上及び基板載置台10上に基板Wが載置されていない。すなわち、図1及び図7に示す処理システムPSは、図8に示す異常検出方法にも対応可能である。
【0071】
以下、図7を参照して処理システムPSの他の処理例を説明する。処理システムPSの第1測定器20は、アライナAN内のエンドエフェクタEE31の位置を測定するために用いられる。第1測定器20は、測定領域21内のエンドエフェクタEE31のエッジを検出する。第1測定器20は、アライナAN内かつ基板載置台10の上方に配置されているエンドエフェクタEE31のエッジを検出する。次に、第1測定器20又は制御装置CUの判定部93は、エンドエフェクタEE31のエッジの検出結果に基づいて、エンドエフェクタEE31の第3測定位置として、エンドエフェクタEE31の中心位置を特定する。エンドエフェクタEE31の中心位置とは、エンドエフェクタEE31上に基板Wが載置される場合における基板Wの中心位置が位置する箇所である。これにより、第1測定器20は、第3測定位置を取得できる。第3測定位置は、測定されたアライナAN内のエンドエフェクタEE31の位置の一例である。
【0072】
制御装置CUの記憶部91は、アライナAN内のエンドエフェクタEE31の標準位置の一例である第3標準位置を記憶する。第3標準位置は、アライナAN内かつ基板載置台10の上方に配置されているエンドエフェクタEE31の標準位置である。エンドエフェクタEE31の第3標準位置とは、搬送ロボットTR3のエンドエフェクタEE31により基板載置台10に載置される前のエンドエフェクタEE31の位置として基準となるエンドエフェクタEE31の位置である。エンドエフェクタEE31の第3標準位置とは、例えば、基板載置台10に対応して設定される位置である。エンドエフェクタEE31の第3標準位置は、例えば、オペレータ等によって記憶部91に記憶される。
【0073】
制御部92は、第1測定器20によりアライナAN内のエンドエフェクタEE31の位置を検出するように制御する。制御部92は、アライナAN内且つ基板載置台10の上方に配置されているエンドエフェクタEE31のエッジを検出するように、第1測定器20を制御する。
【0074】
判定部93は、第3測定位置と第3標準位置との間のずれの有無を判定する。判定部93は、第1測定器20から第3測定位置を取得する。具体的には、判定部93は、第1測定器20によって測定されたエンドエフェクタEE31のエッジの測定結果に基づいて、エンドエフェクタEE31の第3測定位置として、エンドエフェクタEE31の中心位置を特定する。判定部93は、記憶部91に記憶された第3標準位置を取得する。判定部93は、第3測定位置と第3標準位置との間のずれ量を算出する。ずれ量とは、第3測定位置と第3標準位置との間の距離である。ずれ量が第5閾値以下である場合、判定部93は、第3測定位置と第3標準位置との間のずれがないと判定する。ずれ量が第5閾値より大きい場合、判定部93は、第3測定位置と第3標準位置との間のずれがあると判定する。第5閾値は、予め設定されており、例えば、記憶部91に記憶されている。
【0075】
ここで、判定部93により第3測定位置と第3標準位置との間のずれがないと判定された場合、算出されたずれ量は、第5閾値以下となる。すなわち、搬送ロボットTR3によりアライナAN内且つ基板載置台10の上方に配置されるエンドエフェクタEE31の位置が第3標準位置から離れている距離は、第5閾値内に収まる。
【0076】
しかし、搬送ロボットTR3が何らかの要因で汚損又は劣化している場合には、エンドエフェクタEE31が適切に配置されず、エンドエフェクタEE31が第3標準位置から大きく離れた位置に配置される可能性がある。よって第3測定位置と第3標準位置との間のずれがある場合には、搬送ロボットTR3が異常であると判定される。ここでの搬送ロボットTR3の異常とは、例えば、エンドエフェクタEE31の傾きの異常、多関節アームAR31の伸縮の異常等を含む。
【0077】
一実施形態において、判定部93によって第3測定位置と第3標準位置との間のずれがあると判定された場合に、制御部92は、当該ずれについて報知してもよい。例えば、制御部92は、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、第3測定位置と第3標準位置との間のずれを報知する。制御部92は、第3測定位置と第3標準位置との間のずれ量に応じて、報知の態様を変更してもよい。例えば、当該ずれ量が第5閾値より大きく第6閾値以下である場合には、エンドエフェクタEE31を含む搬送ロボットTR3の異常の可能性を示唆する通知を行ってもよい。例えば、ずれ量が第6閾値より大きい場合には、制御部92は、制御部92は、搬送ロボットTR3の停止を促す警告を行ってもよい。第6閾値は、予め設定されており、例えば、記憶部91に記憶されている。
【0078】
次に、図8を参照して一つの例示的実施形態に係る処理システムにおいて行われる他の異常検出方法について説明する。以下、処理システムPSが用いられる場合を例にとって、図8に示す異常検出方法MT3(以下、「方法MT3」という)について説明する。方法MT3は、処理方法の一例である。また、図8を参照しつつ、方法MT3における制御装置CUによる処理システムPSの各構成及び各部の制御について説明する。なお、方法MTは、処理システムPS以外の処理システムを用いて行われてもよい。図8に示す方法MT3は、第3測定位置としてエンドエフェクタEE31の位置を測定し、第1測定位置と第1標準位置との間のずれを検出し、エンドエフェクタEE31の位置ずれを検出している点で図5に示す方法MT1と相違する。
【0079】
方法MT3は、工程S30を含む。工程S30では、判定部93によって、第3標準位置が記憶部91に記憶されているか否かが判定される。第3標準位置が記憶部91に記憶されていると判定された場合、処理は、工程S12に移る。第3標準位置が記憶部91に記憶されていないと判定された場合、処理は、工程S11に移る。
【0080】
工程S31では、記憶部91によって、第3標準位置が記憶される。第3標準位置は、オペレータ等の入力によって設定される。第3標準位置は、オペレータ等の操作によって記憶される。工程ST31の後の処理は、工程S32に移る。
【0081】
方法MT3では、次いで、工程S32が行われる。工程S32では、搬送ロボットTR3によりエンドエフェクタEE31がアライナAN内、且つ、基板載置台10の上方に移動する。工程S32では、制御部92は、基板Wを載置していない状態のエンドエフェクタEE31をアライナAN内に進入させるよう、搬送ロボットTR3を制御する。制御部92は、エンドエフェクタEE31の少なくとも一部が第1測定器20の測定領域21に入るように搬送ロボットTR3を制御する。
【0082】
方法MT3では、次いで、工程S33が行われる。工程S33では、第1測定器20により、第3測定位置としてエンドエフェクタEE31の位置が測定される。制御部92は、アライナAN内且つ基板載置台10の上方に配置されているエンドエフェクタEE31のエッジを検出するように、第1測定器20を制御する。第1測定器20は、検出されたエンドエフェクタEE31のエッジに基づいて、エンドエフェクタEE31の中心位置を第3測定位置として検出する。第1測定器20は、検出された第3測定位置を判定部93に通知する。
【0083】
方法MT3では、次いで、工程ST34が行われる。工程S34では、判定部93によって、第3測定位置と第3標準位置との間のずれの有無が判定される。判定部93は、工程S33において測定された第3測定位置と、記憶部91に記憶されている第3標準位置との間のずれ量を算出する。第3測定位置と第3標準位置との間のずれ量が第5閾値以下である場合、判定部93によって、第3測定位置と第3標準位置との間のずれがなく、エンドエフェクタEE31の位置ずれが生じていないと判定され、方法MT3は終了する。第3測定位置と第3標準位置との間のずれ量が第5閾値より大きいである場合、判定部93によって、第3測定位置と第3標準位置との間のずれがあり、エンドエフェクタEE31の位置ずれが生じていると判定され、処理は、工程S35に移る。
【0084】
工程S35では、判定部93によって、第3測定位置と第3標準位置との間のずれが大きいか否かが判定される。判定部93は、工程S33において測定された第3測定位置と、記憶部91に記憶されている第3標準位置との間のずれ量を算出する。第3測定位置と第3標準位置との間のずれ量が第6閾値以下である場合、判定部93によって、エンドエフェクタEE31の位置ずれが生じているものの、比較的小さく収まっていると判定され、処理は、工程S36に移る。第3測定位置と第3標準位置との間のずれ量が第6閾値より大きいである場合、判定部93によって、エンドエフェクタEE31の位置ずれが比較的大きいと判定され、処理は、工程S37に移る。
【0085】
工程S36では、異常が通知される。制御部92は、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、異常を報知する。工程S36の後、方法MT3は終了する。
【0086】
工程S37では、異常について警告される。制御部92は、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、異常について警告する。工程S37は、方法MT1の工程S18と同様の態様で異常について警告する。工程S37の後、方法MT3は終了する。
【0087】
他の例示的実施形態の処理システムPSによれば、第3測定位置及び第3標準位置に基づいて、エンドエフェクタEE31の位置ずれを検出できる。基板載置台10に対するエンドエフェクタEE31の位置ずれが検出されることにより、エンドエフェクタEE31及び搬送ロボットTR3の異常の有無を検出できる。
【0088】
また、第3測定位置と第3標準位置との間のずれ量が第5閾値より大きい場合、制御部92により、工程S36における異常の通知、又は、工程S37における警告が行われる。これにより、処理システムPSは、オペレータ等に対して適切にエンドエフェクタEE31の位置ずれを認識させることができる。また、工程S37における警告により、処理システムPSは、オペレータ等に対してエンドエフェクタEE31を含む搬送ロボットTR3に異常が発生した可能性を認識させることができる。
【0089】
処理システムPSにおいて、第1測定器20は、エンドエフェクタEE31の第3測定位置を測定しなくてもよい。この場合、方法MT3における工程S31の代わりに、記憶部91は、基板Wの第4標準位置として、搬送ロボットTR3によってアライナAN内且つ基板載置台10の下方に移動した状態のエンドエフェクタEE31の標準位置を記憶してもよい。次いで、方法MT3における工程S32の代わりに、制御部92は、エンドエフェクタEE31がアライナAN内且つ基板載置台10の下方に移動するように、搬送ロボットTR3を制御してもよい。次いで、方法MT3における工程S33の代わりに、第1測定器20は、基板Wの第4測定位置として、搬送ロボットTR3によってアライナAN内且つ基板載置台10の下方に移動した状態のエンドエフェクタEE31の位置を測定してもよい。次いで、方法MT3における工程S34の代わりに、判定部93は、エンドエフェクタEE31の第4測定位置と、エンドエフェクタEE31の第4標準位置との間のずれの有無を判定してもよい。
【0090】
上述の処理システムによれば、第4測定位置及び第4標準位置に基づいて、アライナAN内且つ基板載置台10の下方に移動した状態のエンドエフェクタEE31の位置ずれを検出できる。検出されたエンドエフェクタEE31の位置ずれは、搬送ロボットTR3によるエンドエフェクタEE31の下降時のずれ等を反映している。アライナAN内且つ基板載置台10の下方に移動した状態のエンドエフェクタEE31の位置ずれが検出されることにより、搬送ロボットTR3の異常の有無を検出できる。
【0091】
処理システムPSにおいて、記憶部91は、第3標準位置及び第4標準位置を記憶しなくてもよい。このとき、方法MT2における第1測定位置及び第2測定位置に関する記載を第3測定位置及び第4測定位置に置き換えて、基板Wの位置ずれの検出の代わりにエンドエフェクタEE31の位置ずれの検出を行う方法を実行してもよい。当該方法では、方法MT2内の処理と同様の処理が、エンドエフェクタEE31上に基板Wが載置されていない状態で行われる。当該方法では、方法MT2の処理内の基板Wに代わってエンドエフェクタEE31の位置が第1測定器20により測定される。当該方法実施形態の処理システムPSの当該方法によれば、第3測定位置及び第4測定位置に基づいて、エンドエフェクタEE31の下降時の位置ずれを検出できる。第3測定位置は、アライナAN内且つ基板載置台10の上方に配置されているエンドエフェクタEE31の位置である。第4測定位置は、アライナAN内の基板載置台10の下方に配置されているエンドエフェクタEE31の位置である。したがって、処理システムPSは、エンドエフェクタEE31が基板載置台10に接近して離間する前後において、エンドエフェクタEE31の位置ずれを検出できる。当該方法において検出されるエンドエフェクタEE31の位置ずれは、例えば、搬送ロボットTR3による下降中の動作不良によって、基板載置台10に対するエンドエフェクタEE31の位置ずれが生じると考えられる。これにより、例えば、エンドエフェクタEE31の下降を制御する搬送ロボットTR3の異常の有無を検出できる。
【0092】
以下、図9及び図10を参照して、別の処理システムについて説明する。図9は、他の例示的実施形態に係る処理システムの搬送装置を示す上面図である。図10は、図9のX-X線に沿った搬送装置及び基板の断面図である。図9及び図10に示す例示的実施形態に係る処理システムPSBは、第2測定器30と、制御装置CUBとを備えている点で処理システムPSと相違する。処理システムPSBは、例えば、処理システムPSにおける第1測定器20を備えなくてもよい。
【0093】
エンドエフェクタEE31は、エンドエフェクタEE31上での基板Wの位置を測定する少なくとも一つの第2測定器30を有する。少なくとも一つの第2測定器30は、別の測定器の一例である。第2測定器30は、例えば、CCDセンサである。第2測定器30は、上方の測定領域31内の対象物を測定するように配置されている。第2測定器30は、少なくとも一つの支持部材P上に設けられた基板Wが測定領域31内に含まれるように設けられる。
【0094】
エンドエフェクタEE31は、少なくとも一つの第2測定器30として、第2測定器30a,30b,30cを有する。第2測定器30a,30b,30cは、エンドエフェクタEE31上の基板Wの中心位置を特定するために用いられる。第2測定器30a,30b,30cは、CCDセンサのうち、長尺のラインセンサである。第2測定器30a,30b,30cは、互いに交差するように設けられる。第2測定器30a,30b,30cの長手方向は、エンドエフェクタEE31上に載置される基板Wの中心が設けられる方向に延びている。第2測定器30a,30b,30cは、各測定領域31において、基板Wにおいて遮蔽された部分の長さを測定する。判定部93は、第2測定器30a,30b,30cが延びている方向と、当該遮蔽された部分の長さとに基づいて、基板Wの第5測定位置として、基板Wの中心位置を特定する。これにより、第2測定器30は、エンドエフェクタEE31上の基板Wの中心位置を取得できる。基板Wの中心位置は、測定された基板の位置の一例である。
【0095】
制御装置CUBは、例えば、コンピュータである。制御装置CUBのハード構成は、制御装置CUと同一であってもよい。制御装置CUBは、記憶部91B、制御部92B、及び、判定部93Bを有する。
【0096】
記憶部91Bは、エンドエフェクタEE31上に配置されている基板Wの標準位置である第5標準位置を記憶する。基板Wの第5標準位置とは、搬送ロボットTR3のエンドエフェクタEE31により搬送されている基板Wの位置として基準となる基板Wの位置である。基板Wの第5標準位置とは、例えば、エンドエフェクタEE31に対応して設定される位置である。基板Wの第5標準位置は、例えば、オペレータ等によって記憶部91に記憶される。
【0097】
制御部92Bは、搬送ロボットTR3により基板Wを搬送するように制御する。制御部92Bは、搬送ロボットTR3により基板WをアライナANの基板載置台10上に搬送するように制御してもよい。
【0098】
制御部92Bは、第2測定器30BによりエンドエフェクタEE31上の基板Wの位置を検出するように制御する。制御部92Bは、エンドエフェクタEE31上に配置されている基板Wのエッジを検出するように、第2測定器30を制御する。
【0099】
判定部93Bは、第5測定位置と第5標準位置との間のずれの有無を判定する。判定部93Bは、第2測定器30から第5測定位置を取得する。具体的には、判定部93Bは、第2測定器30a,30b,30cが延びている方向と、第2測定器30a,30b,30cがそれぞれ基板Wにより遮蔽された部分の長さとに基づいて、基板Wの第5測定位置として、基板Wの中心位置を特定する。判定部93Bは、記憶部91Bに記憶された第5標準位置を取得する。判定部93Bは、第5測定位置と第5標準位置との間のずれ量を算出する。ずれ量とは、第5測定位置と第5標準位置との間の距離である。ずれ量が第7閾値以下である場合、判定部93Bは、第5測定位置と第5標準位置との間のずれがないと判定する。ずれ量が第7閾値より大きい場合、判定部93Bは、第5測定位置と第5標準位置との間のずれがあると判定する。第7閾値は、予め設定されており、例えば、記憶部91Bに記憶されている。
【0100】
ここで、判定部93Bにより第5測定位置と第5標準位置との間のずれがないと判定された場合、算出されたずれ量は、第7閾値以下となる。すなわち、エンドエフェクタEE31上の基板Wの位置が第5標準位置から離れている距離は、第7閾値内に収まる。
【0101】
しかし、少なくとも一つの支持部材Pを含むエンドエフェクタEE31が何らかの要因で汚損されている又は劣化している場合がある。この場合、エンドエフェクタEE31上に載置される際に基板Wが適切に配置されず、基板Wが第5標準位置から大きく離れた位置に配置される可能性がある。よって第5測定位置と第5標準位置との間のずれがある場合には、搬送ロボットTR3が異常であると判定される。搬送ロボットTR3の異常とは、例えば、少なくとも一つの支持部材Pの損傷、少なくとも一つの支持部材Pにおける吸着の異常、エンドエフェクタEE31の傾きの異常等を含む。
【0102】
一実施形態において、判定部93Bによって第5測定位置と第5標準位置との間のずれがあると判定された場合に、制御部92Bは、当該ずれについて報知してもよい。例えば、制御部92Bは、不図示のブザーによる音声報知、及び表示部における画面表示等によって、第5測定位置と第5標準位置との間のずれを報知する。制御部92Bは、第5測定位置と第5標準位置との間のずれ量に応じて、報知の態様を変更してもよい。例えば、当該ずれ量が第7閾値より大きく第8閾値以下である場合には、エンドエフェクタEE31上の少なくとも一つの支持部材Pの交換、又は、当該少なくとも一つの支持部材Pのクリーニングを促す通知を行ってもよい。例えば、ずれ量が第8閾値より大きい場合には、制御部92Bは、制御部92Bは、搬送ロボットTR3の停止を促す警告を行ってもよい。第8閾値は、予め設定されており、例えば、記憶部91Bに記憶されている。
【0103】
一実施形態において、判定部93Bによって第5測定位置と第5標準位置との間のずれがないと判定された場合に、基板Wの搬送を続行するよう、搬送ロボットTR3を制御してもよい。判定部93Bによって第5測定位置と第5標準位置との間のずれがあると判定された場合であっても、制御部92Bは、第5測定位置と第5標準位置との間のずれ量に応じて、基板Wの搬送を継続してもよい。
【0104】
次に、図11を参照して一つの例示的実施形態に係る処理システムにおいて行われる異常検出方法について説明する。図11は、他の例示的実施形態に係る処理システムによる異常検出方法の流れ図である。以下、処理システムPSBが用いられる場合を例にとって、図11に示す異常検出方法MT4(以下、「方法MT4」という)について説明する。方法MT4は、処理方法の一例である。また、図11を参照しつつ、方法MT4における制御装置CUBによる処理システムPSBの各構成及び各部の制御について説明する。なお、方法MT4は、処理システムPSB以外の処理システムを用いて行われてもよい。
【0105】
方法MT4では、基板Wが搬送ロボットTR3により搬送されるときに、基板Wの位置を測定し、測定された基板Wの位置と第5標準位置とに基づいて、第5標準位置からの基板Wの位置ずれが検出される。
【0106】
方法MT4は、工程S40を含む。工程S40では、判定部93Bによって、第5標準位置が記憶部91Bに記憶されているか否かが判定される。第5標準位置が記憶部91Bに記憶されていると判定された場合、処理は、工程S42に移る。第5標準位置が記憶部91Bに記憶されていないと判定された場合、処理は、工程S41に移る。
【0107】
工程S41では、記憶部91Bによって、第5標準位置が記憶される。第5標準位置は、オペレータ等の入力によって設定される。第5標準位置は、オペレータ等の操作によって記憶される。工程ST41の後の処理は、工程S42に移る。
【0108】
方法MT4では、次いで、工程S42が行われる。工程S42では、第2測定器30a,30b,30cにより、第5測定位置として基板Wの位置が測定される。制御部92Bは、エンドエフェクタEE31上に配置されている基板Wにより測定領域31が遮蔽されている部分の長さを測定するように、第2測定器30a,30b,30cを制御する。第2測定器30a,30b,30cは、当該遮蔽されている部分の長さと、第2測定器30a,30b,30cの延びている方向とに基づいて、基板Wの中心位置を第5測定位置として検出する。第2測定器30は、検出された第5測定位置を判定部93Bに通知する。
【0109】
方法MT4では、次いで、工程S43が行われる。工程S43では、判定部93Bによって、第5測定位置と第5標準位置との間のずれの有無が判定される。判定部93Bは、工程S42において測定された第5測定位置と、記憶部91Bに記憶されている第5標準位置との間のずれ量を算出する。第5測定位置と第5標準位置との間のずれ量が第5閾値以下である場合、判定部93Bによって、第5測定位置と第5標準位置との間のずれがなく、基板Wの位置ずれが生じていないと判定され、処理は、工程S44に移る。第5測定位置と第5標準位置との間のずれ量が第7閾値より大きい場合、判定部93Bによって、第5測定位置と第5標準位置との間のずれがあり、基板Wの位置ずれが生じていると判定され、処理は、工程S45に移る。
【0110】
工程S44では、搬送ロボットTR3によって、基板Wが搬送される。工程S44は、方法MT1の工程S15と同様に行われる。工程S44の後、方法MT4は終了する。
【0111】
工程S45では、判定部93Bによって、第5測定位置と第5標準位置との間のずれが大きいか否かが判定される。判定部93Bは、工程S42において測定された第5測定位置と、記憶部91Bに記憶されている第5標準位置との間のずれ量を算出する。第5測定位置と第5標準位置との間のずれ量が第8閾値以下である場合、判定部93Bによって、基板Wの位置ずれが生じているものの、比較的小さく収まっていると判定され、処理は、工程S46に移る。第5測定位置と第5標準位置との間のずれ量が第8閾値より大きいである場合、判定部93Bによって、基板Wの位置ずれが比較的大きいと判定され、処理は、工程S48に移る。
【0112】
工程S46では、異常が通知される。工程S46は、方法MT1の工程S17と同様に行われる。工程S46の後、方法MT4は終了する。
【0113】
工程S47では、異常について警告される。工程S47は、方法MT1の工程S18と同様に行われる。工程S47の後、方法MT4は終了する。
【0114】
他の例示的実施形態の処理システムPSによれば、第5測定位置及び第5標準位置に基づいて、エンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれを検出できる。第5測定位置及び第5標準位置は、それぞれエンドエフェクタEE31上に配置されているエンドエフェクタEE31に対する基板Wの位置を表す。したがって、搬送ロボットTR3による基板Wの搬送中に、エンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれを検出できる。エンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれが検出されることにより、搬送ロボットTR3の異常の有無を検出できる。
【0115】
また、第5測定位置と第5標準位置との間のずれ量が第7閾値より大きい場合、制御部92Bにより、工程S46における異常の通知、又は、工程S47における警告が行われる。これにより、処理システムPSBは、オペレータ等に対して適切にエンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれを認識させることができる。また、工程S47における警告により、処理システムPSBは、オペレータ等に対して適切にエンドエフェクタEE31上での基板Wの位置ずれ、及び、エンドエフェクタEE31を含む搬送ロボットTR3に異常が発生した可能性を認識させることができる。
【0116】
なお、方法MT1,MT2,MT3,MT4は、一つの処理システムによって実行することができる。方法MT1,MT2,MT4は、組み合わせて同時に実行されてもよい。また、方法MT1,MT2,MT4において、基板Wを基板載置台10に載置した後に方法MT3が実行されてもよい。これらの場合、複数の方法によって基板Wの位置ずれを検出することができるので、適切に搬送ロボットTR3の異常を検出できる。
【0117】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0118】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E15]に記載する。
【0119】
[E1]
基板載置台、及び、基板の位置を測定する測定器を有し、前記基板の位置を調整するために用いられるアライナと、
エンドエフェクタを有し、該エンドエフェクタにより前記基板を前記アライナに搬送するように構成された搬送装置と、
前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の標準位置を記憶する記憶部と、
前記基板を前記アライナの前記基板載置台上に搬送するように前記搬送装置を制御する制御部と、
前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の測定位置であり、前記測定器により測定された該基板の該測定位置と前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記標準位置との間のずれの有無を判定する判定部と、
を備える処理システム。
【0120】
[E2]
前記測定器は、前記アライナ内の前記エンドエフェクタの位置を測定し、
前記記憶部は、前記アライナ内の前記エンドエフェクタの標準位置を記憶し、
前記判定部は、前記測定器により測定された前記アライナ内の前記エンドエフェクタの測定位置と前記アライナ内の前記エンドエフェクタの前記標準位置との間のずれの有無を判定する、[E1]に記載の処理システム。
【0121】
[E3]
前記エンドエフェクタは、該エンドエフェクタ上での前記基板の位置を測定する別の測定器を有し、
前記記憶部は、前記エンドエフェクタ上での前記基板の別の標準位置を記憶し、
前記判定部は、前記別の測定器により測定された前記エンドエフェクタ上での前記基板の測定位置と前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記別の標準位置との間のずれの有無を判定する、[E1]又は[E2]に記載の処理システム。
【0122】
[E4]
前記アライナの前記測定器は、CCDセンサである、[E1]~[E3]の何れか一項に記載の処理システム。
【0123】
[E5]
前記制御部は、前記アライナ内、前記載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記測定位置と前記アライナ内、前記載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記標準位置との間のずれがあると前記判定部により判定された場合、該ずれについて報知する、[E1]~[E4]の何れか一項に記載の処理システム。
【0124】
[E6]
前記制御部は、前記アライナ内、前記載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記測定位置と前記アライナ内、前記載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記標準位置との間のずれがないと前記判定部により判定された場合、前記基板載置台から前記基板を受け取って前記基板の搬送を続行するよう、前記搬送装置を制御する、[E1]~[E4]の何れか一項に記載の処理システム。
【0125】
[E7]
前記アライナの前記測定器は、前記搬送装置によって前記アライナ内に搬送されて前記基板載置台上に載置された状態の前記基板の位置を測定し、
前記記憶部は、前記基板載置台上での前記基板の標準位置を記憶し、
前記判定部は、前記測定器により測定された前記基板載置台上での前記基板の測定位置と、前記基板載置台上での前記基板の標準位置との間のずれの有無を判定する、[E1]~[E6]の何れか一項に記載の処理システム。
【0126】
[E8]
前記測定器は、前記搬送装置によって前記アライナ内に搬送されて前記基板載置台上に載置された状態の前記基板の位置を更に測定し、
前記判定部は、前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記測定位置と前記測定器により測定された前記基板載置台上での前記基板の測定位置との間の距離の差と閾値とを比較する、[E1]~[E7]の何れか一項に記載の処理システム。
【0127】
[E9]
(a) 基板の位置を調整するために用いられるアライナの基板載置台上に前記基板を搬送するようにエンドエフェクタを有する搬送装置を制御する工程と、
(b) 前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の位置を前記アライナにおける測定器によって測定する工程と、
(c) 前記アライナ内、前記基板載置台の上方、且つ前記エンドエフェクタ上での前記基板の標準位置を記憶する工程と、
(d) 前記(b)において測定された前記基板の測定位置と前記(c)において記憶された前記基板の前記標準位置との間のずれの有無を判定する工程と、
を含む、処理方法。
【0128】
[E10]
(e) 前記アライナ内の前記エンドエフェクタの位置を前記測定器によって測定する工程と、
(f) 前記アライナ内の前記エンドエフェクタの標準位置を記憶する工程と、
(g) 前記(e)において測定された前記アライナ内の前記エンドエフェクタの測定位置と前記(f)において記憶された前記アライナ内の前記エンドエフェクタの前記標準位置との間のずれの有無を判定する工程と、
を更に含む、[E9]に記載の処理方法。
【0129】
[E11]
(h) 前記エンドエフェクタに設けられる別の測定器によって、該エンドエフェクタ上での前記基板の位置を測定する工程と、
(i) 前記エンドエフェクタ上での前記基板の別の標準位置を記憶する工程と、
(j) 前記(h)において測定された前記エンドエフェクタ上での前記基板の測定位置と前記(i)において記憶された前記エンドエフェクタ上での前記基板の前記別の標準位置との間のずれの有無を判定する、[E9]又は[E10]に記載の処理方法。
【0130】
[E12]
(k) 前記(b)において測定された前記基板の前記測定位置と前記(c)において記憶された前記基板の前記標準位置との間のずれがあると判定された場合、該ずれについて報知する工程を更に含む、[E9]~[E11]の何れか一項に記載の処理方法。
【0131】
[E13]
(m) 前記(b)において測定された前記基板の位置と前記(c)において記憶された前記基板の標準位置との間のずれがないと判定された場合、前記基板載置台から前記基板を受け取って、前記基板の搬送を続行させるように前記搬送装置を制御する工程を更に含む、[E9]~[E11]の何れか一項に記載の処理方法。
【0132】
[E14]
(n) 前記搬送装置によって前記アライナ内に搬送されて前記基板載置台上での前記基板の位置を前記測定器によって測定する工程と、
(p) 前記基板載置台上での前記基板の標準位置を記憶する工程と、
(q) 前記(n)において測定された前記基板載置台上での前記基板の測定位置と、前記(p)において記憶された前記基板載置台上での前記基板の標準位置との間のずれの有無を判定する工程を含む、[E9]~[E13]の何れか一項に記載の処理方法。
【0133】
[E15]
(r) 前記搬送装置によって前記アライナ内に搬送されて前記載置台上に載置された状態の前記基板の位置を前記測定器によって測定する工程と、
を含み、
(s) 前記(b)において測定された前記基板の測定位置と前記(r)において測定された前記基板載置台上での前記基板の測定位置との間の距離の差が閾値未満か否かを判定する工程を更に含む、[E9]~[E14]の何れか一項に記載の処理方法。
【0134】
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
【符号の説明】
【0135】
10…基板載置台、11…載置面、20…第1測定器、30…第2測定器、91,91B…記憶部、92,92B…制御部、93,93B…判定部、AN…アライナ、CU…制御装置、EE11,EE12,EE21,EE22,EE31…エンドエフェクタ、FK11,FK12,FK21,FK22,FK31…フォーク、MT1,MT2,MT3,MT4…異常検出方法、P…支持部材、PS,PSB…処理システム、TR1,TR2,TR3…搬送ロボット、W…基板。
図1
図2
図3
図4
図5
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図11