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特開2024-152614半導体フォトレジスト用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
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  • 特開-半導体フォトレジスト用組成物およびこれを用いたパターン形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024152614
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】半導体フォトレジスト用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G03F7/004 531
G03F7/004
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031241
(22)【出願日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】10-2023-0049583
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】柳 東 完
(72)【発明者】
【氏名】金 鈴 根
(72)【発明者】
【氏名】林 雪 熙
(72)【発明者】
【氏名】林 秀 斌
(72)【発明者】
【氏名】姜 錫 一
【テーマコード(参考)】
2H225
【Fターム(参考)】
2H225AB03
2H225AN39P
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC01
2H225CD05
(57)【要約】
【課題】優れた感度を示し、安定性およびコーティング性が向上した半導体フォトレジスト用組成物およびこれを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、化学式1で表される有機金属化合物、および溶媒を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される有機金属化合物;および溶媒を含む、半導体フォトレジスト用組成物:
【化1】

上記化学式1中、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
Mは元素周期表の2族~16族から選択される金属であり、
nおよびmはそれぞれ独立して1~6の整数のうちの一つであり、
2≦n+m≦6であり、
Xは下記化学式1Aおよび化学式1Bのうちの少なくとも一つで表されるリガンドであり、
【化2】

上記化学式1Aおよび化学式1B中、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであり、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよく、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせであり、
*はMと連結される地点である。
【請求項2】
前記有機金属化合物は、下記化学式2または化学式3で表される、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物:
【化3】

上記化学式2および化学式3中、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
Mは元素周期表の2族~16族から選択される金属であり、
n1およびm1はそれぞれ独立して1~5の整数のうちの一つであり、
2≦n1+m1≦6であり、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであり、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよく、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせである。
【請求項3】
前記n+mは4~6の整数のうちの一つである、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項4】
前記MはSnまたはSbである、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項5】
前記R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであり、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよい、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項6】
前記Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項7】
前記Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基であり、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基である、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項8】
前記Rは置換もしくは非置換の炭素数3~20の分枝型アルキル基である、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項9】
前記Rは、iso-プロピル基、iso-ブチル基、iso-ペンチル基、iso-ヘキシル基、iso-へプチル基、iso-オクチル基、iso-ノニル基、iso-デシル基、sec-ブチル基、sec-ペンチル基、sec-ヘキシル基、sec-へプチル基、sec-オクチル基、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、tert-ヘキシル基、tert-へプチル基、tert-オクチル基、tert-ノニル基、またはtert-デシル基である、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項10】
前記有機金属化合物は下記グループ1に羅列された化合物のうちから選択される一つである、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物:
【化4】

【化5】
【請求項11】
半導体フォトレジスト用組成物100重量%を基準にして、前記有機金属化合物は1重量%~30重量%である、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項12】
前記半導体フォトレジスト用組成物は、界面活性剤、架橋剤、レベリング剤、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含む、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項13】
基板の上にエッチング対象膜を形成する段階;
前記エッチング対象膜の上に請求項1~12のうちのいずれか一項に記載の半導体フォトレジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階;
前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階;および
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記エッチング対象膜をエッチングする段階を含む、パターン形成方法。
【請求項14】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は5nm~150nm波長の光を使用する、請求項13に記載のパターン形成方法。
【請求項15】
前記フォトレジストパターンは5nm~100nmの幅を有する、請求項13に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、半導体フォトレジスト用組成物およびこれを用いたパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次世代の半導体デバイスを製造するための要素技術の一つとして、EUV(極端紫外線光)リソグラフィが注目されている。EUVリソグラフィは露光光源として波長13.5nmのEUV光を用いるパターン形成技術である。EUVリソグラフィによれば、半導体デバイス製造プロセスの露光工程で、極めて微細なパターン(例えば、20nm以下)を形成することができることが実証されている。
【0003】
極端紫外線(extreme ultraviolet、EUV)リソグラフィの実現に向けては、16nm以下の空間解像度(spatial resolutions)で行うことができる互換可能なフォトレジストの現像(development)が必要とされる。従来の化学増幅型(CA:chemically amplified)フォトレジストにおいて、次世代デバイスに向けて、解像度(resolution)、光速度(photospeed)、フィーチャ粗さ(feature roughness)、ラインエッジ粗さ(line edge roughnessまたはLER)に対する仕様(specifications)を充足させるために、現在検討されている。
【0004】
電子ビーム(e-beam)リソグラフィにおいて長い間知られてきた事実であるが、高分子型フォトレジストで起こる酸触媒反応(acid catalyzed reactions)に起因した固有画像ぶれ(intrinsic image blur)は、小さなフィーチャ(feature)大きさにおいて解像度が制限される。化学増幅型(CA)フォトレジストは高感度(sensitivity)のために設計されたが、それらの典型的な元素構成(elemental makeup)が13.5nmの波長でフォトレジストの吸光度を低下させ、その結果、感度を減少させる。このため、部分的にはEUV露光下でさらに問題となることがある。
【0005】
CAフォトレジストはまた、小さなフィーチャ大きさで粗さ(roughness)の点で問題となることがある。例えば、部分的に酸触媒工程の本質に起因して、光速度(photospeed)が減少するにつれてラインエッジ粗さ(LER)が増加することが実験で確認された。CAフォトレジストの欠点および問題に起因して、半導体産業では新たな類型の高性能フォトレジストに対する要求がある。
【0006】
前記説明した化学増幅型有機系感光性組成物の短所を克服するために無機系感光性組成物が研究されてきた。無機系感光性組成物の場合、主に非化学増幅型機構による化学的変性で現像剤組成物による除去に耐性を有するネガティブトーンパターニングに使用される。無機系組成物の場合、炭化水素に比べて高いEUV吸収率を有する無機系元素を含有していて、非化学増幅型機構でも敏感性(sensitivity)を確保することができ、ストキャスティク効果にもあまり敏感でなく、ラインエッジ粗さおよび欠陥個数も少ないと知られている。
【0007】
タングステン、およびニオブ(niobium)、チタン(titanium)、および/またはタンタル(tantalum)と混合されたタングステンのペルオキソポリ酸(peroxopolyacids)に基づいた無機フォトレジストは、パターニングのための放射敏感性材料(radiation sensitive materials)用として報告されてきた(特許文献1:US5061599;非特許文献1:H.Okamoto,T.Iwayanagi,K.Mochiji,H.Umezaki,T.Kudo,Applied Physics Letters,49(5),298-300,1986)。
【0008】
これらの材料は、遠紫外線(deep UV)、x線、および電子ビームソースであって二重層構成(bilayer configuration)に大きなフィーチャをパターニングすることにおいて効果的であった。さらに最近は、プロジェクションEUV露光によって15nmハーフピッチ(HP)をイメージング(image)するためにペルオキソ錯化剤(peroxo complexing agent)と共に陽イオンハフニウムメタルオキシドスルフェート(cationic hafnium metal oxide sulfate、HfSOx)材料を使用する場合、印象的な性能を示した(特許文献2:US2011-0045406;非特許文献2:J.K.Stowers,A.Telecky,M.Kocsis,B.L.Clark,D.A.Keszler,A.Grenville,C.N.Anderson,P.P.Naulleau,Proc.SPIE,7969,796915,2011)。このシステムは非CAフォトレジスト(non-CA photoresist)の最上の性能を示し、実行可能なEUVフォトレジストのための要件に近しい光速度を有する。しかし、ペルオキソ錯化剤を有するハフニウムメタルオキシドスルフェート材料(hafnium metal oxide sulfate materials)は、いくつかの現実的な欠点を有する。第一に、この材料は高い腐食性の硫酸(corrosive sulfuric acid)/過酸化水素(hydrogen peroxide)混合物でコーティングされ、保存期間(shelf-life)安定性(stability)が良くない。第二に、複合混合物として性能改善のための構造変更が容易でない。第三に、25wt%程度の極めて高濃度のTMAH(tetramethylammonium hydroxide)溶液などで現像されなければならない。
【0009】
スズを含む分子の極端紫外線吸収が卓越しているということが知られるにつれて、近年活発な研究が行われている。そのうちの一つである有機スズ高分子の場合、光吸収またはこれによって生成された二次電子によってアルキルリガンドが解離されながら、周辺鎖とのオキソ結合による架橋を通じて有機系現像液で除去されないネガティブトーンパターニングが可能である。このような有機スズ高分子は解像度、ラインエッジ粗さを維持しながら飛躍的に感度が向上することを示したが、商用化のためには前記パターニング特性の追加的な向上が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5061599号明細書
【特許文献2】米国特許第2011-0045406号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】H.Okamoto,T.Iwayanagi,K.Mochiji,H.Umezaki,T.Kudo,Applied Physics Letters, 49(5),298-300,1986
【非特許文献2】J.K.Stowers,A.Telecky,M.Kocsis,B.L.Clark,D.A.Keszler,A.Grenville,C.N.Anderson,P.P.Naulleau,Proc.SPIE,7969,796915,2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一実施形態は、優れた感度を示し、安定性が向上した半導体フォトレジスト用組成物を提供する。一実施形態は、コーティング性が向上した半導体フォトレジスト用組成物を提供する。
【0013】
他の実施形態は、前記半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は下記化学式1で表される有機金属化合物および溶媒を含む。
【0015】
【化1】
【0016】
上記化学式1中、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
Mは元素周期表の2族~16族から選択される金属であり、
nおよびmはそれぞれ独立して1~6の整数のうちの一つであり、
2≦n+m≦6であり、
Xは下記化学式1Aおよび化学式1Bのうちの少なくとも一つで表されるリガンドであり、
【0017】
【化2】
【0018】
上記化学式1Aおよび化学式1B中、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであり、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよく、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせであり、
*はMと連結される地点である。
【0019】
前記有機金属化合物は、下記化学式2または化学式3で表すことができる。
【0020】
【化3】
【0021】
上記化学式2および化学式3中、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
Mは元素周期表の2族~16族から選択される金属であり、
n1およびm1はそれぞれ独立して1~5の整数のうちの一つであり、
2≦n1+m1≦6であり、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであり、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよい。
【0022】
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせである。
【0023】
前記n+mは、4~6の整数であってもよい。
【0024】
前記Mは、SnまたはSbであってもよい。
【0025】
前記R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであってもよく、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよい。
【0026】
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0027】
前記Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基であり、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基であってもよい。
【0028】
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数3~20の分枝型アルキル基であってもよい。
【0029】
前記Rは、iso-プロピル基、iso-ブチル基、iso-ペンチル基、iso-ヘキシル基、iso-へプチル基、iso-オクチル基、iso-ノニル基、iso-デシル基、sec-ブチル基、sec-ペンチル基、sec-ヘキシル基、sec-へプチル基、sec-オクチル基、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、tert-ヘキシル基、tert-へプチル基、tert-オクチル基、tert-ノニル基、またはtert-デシル基であってもよい。
【0030】
前記有機金属化合物は、下記グループ1に羅列された化合物のうちから選択される一つであってもよい。
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
前記半導体フォトレジスト用組成物100重量%を基準にして、前記有機金属化合物は1重量%~30重量%であってもよい。
【0034】
前記半導体フォトレジスト用組成物は、界面活性剤、架橋剤、レベリング剤、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含むことができる。
【0035】
他の実施形態によるパターン形成方法は、基板の上にエッチング対象膜を形成する段階、前記エッチング対象膜の上に前述の半導体フォトレジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階、前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階、および前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記エッチング対象膜をエッチングする段階を含む。
【0036】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は、5nm~150nm波長の光を使用することができる。
【0037】
前記フォトレジストパターンは、5nm~100nmの幅を有することができる。
【発明の効果】
【0038】
一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、保管安定性、および感度が向上したフォトレジストパターンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図2】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図3】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図4】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図5】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、本記載を説明する際に、既に公知の機能あるいは構成に関する説明は、本記載の要旨を明瞭にするために省略することにする。
【0041】
本記載を明確に説明するために説明上不必要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本記載が必ずしも図示されたところに限定されない。
【0042】
図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において説明の便宜のために一部層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという時、これは他の部分「の直上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0043】
本記載において、「置換」とは、水素原子が重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、-NRR’(ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~30の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~30の飽和または不飽和脂環式炭化水素基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基である)、-SiRR’R”(ここで、R、R’、およびR”は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~30の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~30の飽和または不飽和脂環式炭化水素基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基である)、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のアルキルシリル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはこれらの組み合わせで置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されずに水素原子として残っていることを意味する。
【0044】
本明細書で「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含んでいない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であってもよい。
【0045】
前記アルキル基は、例えば、炭素数1~10のアルキル基であってもよい。例えば、前記アルキル基は炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基、または炭素数1~4のアルキル基であってもよい。例えば、炭素数1~5のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、またはtert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基であってもよい。
【0046】
本記載において、「シクロアルキル(cycloalkyl)基」とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族飽和炭化水素基を意味する。
【0047】
シクロアルキル基は、例えば、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数3~7のシクロアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数3~5のシクロアルキル基、または炭素数3~4のシクロアルキル基であってもよい。例えば、シクロアルキル基はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であってもよく、これらに制限されない。
【0048】
本明細書で、「アリール(aryl)基」は、環状の置換基の全ての元素がp-オービタルを有しており、これらp-オービタルが共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、モノサイクリックまたは融合環ポリサイクリック(即ち、炭素原子の隣接した対を共有する環)官能基を含む。
【0049】
本明細書で、「アルケニル(alkenyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の二重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルケニル(unsaturated alkenyl)基を意味する。
【0050】
本明細書で、「アルキニル(alkynyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の三重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルキニル(unsaturated alkynyl)基を意味する。
【0051】
本明細書に記載された化学式中、t-Bu(t-ブチル)は、tert-ブチル基を意味する。
【0052】
以下、一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を説明する。
【0053】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、下記化学式1で表される有機金属化合物および溶媒を含む。
【0054】
【化6】
【0055】
上記化学式1中、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(または炭素数7~30)のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
Mは元素周期表の2族~16族から選択される金属であり、
nおよびmはそれぞれ独立して1~6の整数のうちの一つであり、
2≦n+m≦6であり、
Xは下記化学式1Aおよび化学式1Bのうちの少なくとも一つで表されるリガンドであり、
【0056】
【化7】
【0057】
上記化学式1Aおよび化学式1B中、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(または炭素数7~30)のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであり、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよく、(この際、RおよびRの双方が水素原子とならないことが好ましい)
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(または炭素数7~30)のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせであり、
*はMと連結される地点である。
【0058】
前記有機金属化合物はアルファ効果を有するN含有リガンドを金属に配位させることによってNの電子供与体特性によって金属とリガンドの結合が強くなって水分に対する保管安定性が向上できる。
【0059】
特に、4価(または5価)に配位された一般的な単分子形態と比較して追加配位結合によってSn(またはSb)の配位数が充足され構造的にSn原子(またはSb原子)が覆われる形態になるので水分安定性が向上し、凝集現象が防止されることによってスピンコーティング時に添加剤の使用がなくても非晶質形態にコーティングされ、これにより感度向上およびコーティング性が改善できる。
【0060】
一例として、前記有機金属化合物は、下記化学式2または化学式3で表すことができる。
【0061】
【化8】
【0062】
上記化学式2および化学式3中、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(または炭素数7~30)のアリールアルキル基、または-R-O-R(ここで、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)であり、
Mは元素周期表の2族~16族から選択される金属であり、
n1およびm1はそれぞれ独立して1~5の整数のうちの一つであり、
2≦n1+m1≦6であり、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(または炭素数7~30)のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであり、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよい。
【0063】
は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30(または炭素数7~30)のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせである。
【0064】
なお、以降、mまたはnの説明における好適な範囲等の説明は、n1、m1にも適用される。
【0065】
一例として、前記n+m(または前記n1+m1)は3~6の整数のうちの一つであってもよい。
【0066】
例えば、前記n+m(または前記n1+m1)は4~6の整数のうちの一つであってもよい。前記n+m(または前記n1+m1)は、4または5であってもよい。
【0067】
一例として、n、mは、独立して、1~3の整数であってもよい。
【0068】
前記MはSnまたはSbであってもよい。例えば、MがSnである場合に、nが1、mが3であってもよく、MがSbである場合に、nが3、mが2であってもよい。アルファ効果を有するN含有リガンドを金属に複数配位させる(mが2以上である)ことによってNの電子供与体特性によって金属とリガンドの結合が強くなって水分に対する保管安定性を一層向上させることができる。
【0069】
前記R、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基またはこれらの組み合わせであってもよい。前記R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基であってもよい。前記R、RおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基であってもよく、置換もしくは非置換の炭素数1~12のアルキル基であってもよく、置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルキル基であってもよく、置換もしくは非置換の炭素数1~4のアルキル基であってもよく、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、またはtert-ブチル基であってもよい。
【0070】
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基(この際、置換基は炭素数6~30のアリール基であってもよく、フェノキシ基であってもよい)、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせであってもよい。前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基(この際、置換基は炭素数6~30のアリール基であってもよく、フェノキシ基であってもよい)、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0071】
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルキル基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~4のアルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルコキシ基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~4のアルコキシ基)であってもよい。
【0072】
前記Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基であり、
、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基であり、
は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基であってもよい。
【0073】
前記Rは、前記Rは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基であってもよい。
【0074】
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基であってもよく、置換もしくは非置換の炭素数3~20のアルキル基であってもよい。前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数3~20の分枝型アルキル基であってもよく、非置換の炭素数3~20の分枝型アルキル基であってもよく、非置換の炭素数3~12の分枝型アルキル基であってもよく、非置換の炭素数3~8の分枝型アルキル基であってもよい。この際、アルキル基の置換基としては、炭素数6~30のアリール基であってもよく、例えば、フェニル基であってもよい。
【0075】
例えば、MがSnである場合に、前記Rは、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、ベンジル基、シクロペンチル基またはiso-プロピル基であってもよい。
【0076】
例えば、MがSbである場合に、前記Rは、フェニル基、エチル基、tert-ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはiso-プロピル基であってもよい。
【0077】
前記Rは、iso-プロピル基、iso-ブチル基、iso-ペンチル基、iso-ヘキシル基、iso-へプチル基、iso-オクチル基、iso-ノニル基、iso-デシル基、sec-ブチル基、sec-ペンチル基、sec-ヘキシル基、sec-へプチル基、sec-オクチル基、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、tert-ヘキシル基、tert-へプチル基、tert-オクチル基、tert-ノニル基、またはtert-デシル基であってもよい。
【0078】
前記Rは、水素原子または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルキル基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキル基)であってもよい。
【0079】
MがSnで、Xが化学式1Aで表される場合、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルキル基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数3~6のシクロアルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数6~24のアリール基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数6~12のアリール基)であってもよく、この際、この際、R、Rは互いに結合して環を形成してもよく、RおよびRの双方が水素原子とはならない。
【0080】
MがSnで、Xが化学式1Bで表される場合、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルキル基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアルキル基(例えば、ベンジル基)、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数6~24のアリール基)、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルコキシ基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~4のアルコキシ基、この際、置換基は炭素数6~30のアリール基であってもよく、フェノキシ基であってもよい)であってもよい。
【0081】
MがSbで、Xが化学式1Aで表される場合、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルキル基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数3~6のシクロアルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数6~24のアリール基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数6~12のアリール基)、置換もしくは非置換の炭素数5~30のヘテロアリール基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数5~24のヘテロアリール基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数5~12のヘテロアリール基)、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアシル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアシル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアシル基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~3のアシル基)であってもよい。
【0082】
MがSbで、Xが化学式1Bで表される場合、Rは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルキル基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキル基)、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数6~24のアリール基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数6~12のアリール基)、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルコキシ基(好ましくは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基、より好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~6のアルコキシ基、さらに好ましくは置換もしくは非置換の炭素数1~4のアルコキシ基、この際、置換基は炭素数6~30のアリール基であってもよく、フェノキシ基であってもよい)であってもよい。
【0083】
前記有機金属化合物は、下記グループ1に羅列された化合物のうちから選択できる。
【0084】
【化9】
【0085】
【化10】
【0086】
前記有機金属化合物は13.5nmで極端紫外線光を強く吸収して、高エネルギーを有する光に対する感度が優れ得る。
【0087】
一実施形態による半導体フォトレジスト組成物で、前記半導体フォトレジスト用組成物100重量%を基準にして、前記有機金属化合物は1重量%~30重量%、例えば、1重量%~25重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%の含量で含まれてもよく、これらに制限されない。有機金属化合物が前記範囲の含量で含まれる場合、半導体フォトレジスト用組成物の保管安定性およびエッチング耐性が向上し、解像度特性が改善される。
【0088】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は前述の有機金属化合物を含むことによって、優れた感度およびパターン形成性を有する半導体フォトレジスト用組成物を提供することができる。
【0089】
一実施形態による半導体フォトレジスト組成物に含まれる溶媒は有機溶媒であってもよく、一例として、芳香族化合物類(例えば、キシレン、トルエン)、アルコール類(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、1-プロパノール)、エーテル類(例えば、アニソール、テトラヒドロフラン)、エステル類(n-ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート)、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン)、これらの混合物などを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0090】
一実施形態で、前記半導体フォトレジスト組成物は、前記有機金属化合物、および溶媒以外に、追加的に樹脂をさらに含むことができる。
【0091】
前記樹脂としては、下記グループ2に羅列された芳香族モイエティを少なくとも一つ以上含むフェノール系樹脂であってもよい。
【0092】
【化11】
【0093】
前記樹脂は、重量平均分子量が500~20,000であってもよい。
【0094】
前記樹脂は、前記半導体フォトレジスト用組成物の総含量に対して0.1重量%~50重量%で含まれてもよい。
【0095】
前記樹脂が前記含量範囲で含まれる場合、優れた耐エッチング性および耐熱性を有することができる。
【0096】
一方、一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、前述の有機金属化合物、溶媒、および樹脂からなることが好ましい。但し、前述の実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は場合によって添加剤をさらに含むことができる。前記添加剤の例示としては、界面活性剤、架橋剤、レベリング剤、有機酸、抑制剤(quencher)またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0097】
界面活性剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4アンモニウム塩、またはこれらの組み合わせを使用することができるが、これに限定されるのではない。
【0098】
架橋剤は、例えば、メラミン系架橋剤、置換尿素系架橋剤、アクリル系架橋剤、エポキシ系架橋剤、またはポリマー系架橋剤などが挙げられるが、これに限定されるのではない。少なくとも2つの架橋形成置換基を有する架橋剤であって、例えば、メトキシメチル化グリコルリル、ブトキシメチル化グリコルリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、4-ヒドロキシブチルアクリレート、アクリル酸、ウレタンアクリレート、アクリルメタクリレート、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリシドール、ジグリシジル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、1,3-ビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、またはメトキシメチル化チオ尿素などの化合物を使用することができる。
【0099】
レベリング剤は印刷時コーティング平坦性を向上させるためのものであって、商業的な方法で入手可能な公知のレベリング剤を使用することができる。
【0100】
有機酸はp-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-ドデシルベンゼンスルホン酸、1,4-ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ化スルホニウム塩、マロン酸、クエン酸、プロピオン酸、メタクリル酸、シュウ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これに限定されるのではない。
【0101】
抑制剤(quencher)は、ジフェニル(p-トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0102】
前記これら添加剤の使用量は所望の物性によって容易に調節することができ、省略することもできる。
【0103】
また、前記半導体フォトレジスト用組成物は、基板との密着力などの向上のために(例えば、半導体フォトレジスト用組成物の基板との接着力向上のために)、接着力増進剤としてシランカップリング剤を添加剤としてさらに使用することができる。前記シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン;または3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン;トリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シランなどの炭素-炭素不飽和結合含有シラン化合物などを使用することができるが、これに限定されるのではない。
【0104】
前記半導体フォトレジスト用組成物は高い縦横比(aspect ratio)を有するパターンを形成してもパターン崩壊が発生しない、またはしにくい。したがって、例えば、5nm~100nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~80nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~70nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~50nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~40nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~30nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~20nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~10nmの幅を有する微細パターンを形成するために、5nm~150nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~100nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~80nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~50nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~30nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~20nm波長の光を使用するフォトレジスト工程に使用することができる。したがって、一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を使用すれば、約13.5nm波長のEUV光源を使用する極端紫外線リソグラフィを実現することができる。
【0105】
一方、他の一実施形態によれば、前述の半導体フォトレジスト用組成物を使用してパターンを形成する方法を提供することができる。一例として、製造されたパターンはフォトレジストパターンであってもよい。
【0106】
一実施形態によるパターン形成方法は、基板の上にエッチング対象膜を形成する段階、前記エッチング対象膜の上に前述の半導体フォトレジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階、前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階、および前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記エッチング対象膜をエッチングする段階を含む。
【0107】
以下、前述の半導体フォトレジスト用組成物を使用してパターンを形成する方法について図1図5を参照して説明する。図1図5は、本発明による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0108】
図1を参照すれば、まずエッチング対象物を準備する。前記エッチング対象物の例としては、半導体基板100上に形成される薄膜102であってもよい。以下では、前記エッチング対象物が薄膜102である場合に限って説明する。前記薄膜102上に残留する汚染物などを除去するために前記薄膜102の表面を洗浄する。前記薄膜102は、例えば、シリコン窒化膜、ポリシリコン膜またはシリコン酸化膜であってもよい。
【0109】
その次に、洗浄された薄膜102の表面上にレジスト下層膜104を提供するためのレジスト下層膜形成用組成物をスピンコーティング方式を適用してコーティングする。但し、一実施形態が必ずしもこれに限定されるのではなく、公知された多様なコーティング方法、例えば、スプレーコーティング、ディップコーティング、ナイフエッジコーティング、プリンティング法、例えば、インクジェットプリンティングおよびスクリーンプリンティングなどを用いることもできる。
【0110】
前記レジスト下層膜コーティング過程は省略することができ、以下では前記レジスト下層膜をコーティングする場合について説明する。
【0111】
その後、乾燥およびベーキング工程を行って前記薄膜102上にレジスト下層膜104を形成する。前記ベーキング処理は約100~約500℃で行い、例えば約100℃~約300℃で行うことができる。
【0112】
レジスト下層膜104は、基板100とフォトレジスト膜106の間に形成されて、基板100とフォトレジスト膜106の界面または層間ハードマスク(hardmask)から反射される照射線が意図されないフォトレジスト領域に散乱する場合、フォトレジスト線幅(linewidth)の不均一およびパターン形成性を妨害するのを防止することができる。
【0113】
図2を参照すれば、前記レジスト下層膜104の上に前述の半導体フォトレジスト用組成物をコーティングしてフォトレジスト膜106を形成する。前記フォトレジスト膜106は、基板100上に形成された薄膜102の上に前述の半導体フォトレジスト用組成物をコーティングした後、熱処理過程を通じて硬化した形態であってもよい。
【0114】
より具体的に、半導体フォトレジスト用組成物を使用してパターンを形成する段階は、前述の半導体フォトレジスト用組成物を薄膜102が形成された基板100上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程および塗布された半導体フォトレジスト用組成物を乾燥してフォトレジスト膜106を形成する工程を含むことができる。
【0115】
半導体フォトレジスト用組成物についてはすでに詳しく説明したので、重複説明は省略する。
【0116】
その次に、前記フォトレジスト膜106が形成されている基板100を加熱する第1ベーキング工程を行う。前記第1ベーキング工程は、約80℃~約120℃の温度で行うことができる。
【0117】
図3を参照すれば、前記フォトレジスト膜106をパターン化されたマスク110を用いて選択的に露光する。
【0118】
一例として、前記露光工程で使用できる光の例としては、(活性化照射線図)i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0119】
より具体的に、一実施形態による露光用光は5nm~150nm波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であってもよい。
【0120】
フォトレジスト膜106中の露光された領域106bは、有機金属化合物間の縮合など架橋反応によって重合体を形成することにより、フォトレジスト膜106の未露光の領域106aと互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0121】
その次に、前記基板100に第2ベーキング工程を行う。前記第2ベーキング工程は、約90℃~約200℃の温度で行うことができる。前記第2ベーキング工程を行うことによって、前記フォトレジスト膜106の露光された領域106bは現像液に溶解し難い状態となる。
【0122】
図4には、現像液を用いて前記未露光の領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解させて除去することによって形成されたフォトレジストパターン108が示されている。具体的に、2-ヘプタノン(2-heptanone)などの有機溶媒を使用して前記未露光の領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解させた後に除去することによって、前記ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターン108が完成される。
【0123】
前述のように、一実施形態によるパターン形成方法で使用される現像液は有機溶媒であってもよい。一実施形態によるパターン形成方法で使用される有機溶媒の一例として、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、n-ブチルアセテート、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0124】
但し、一実施形態によるフォトレジストパターンが必ずしもネガティブトーンイメージに形成されることに制限されるわけではなく、ポジティブトーンイメージを有するように形成されてもよい。この場合、ポジティブトーンイメージ形成のために使用できる現像剤としてはテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドまたはこれらの組み合わせのような第4アンモニウムヒドロキシド組成物などが挙げられる。
【0125】
前述のように、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたフォトレジストパターン108は5nm~100nm厚さの幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターン108は、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nm、5nm~10nmの幅で形成することができる。
【0126】
一方、前記フォトレジストパターン108は、約50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば10nm以下のハーフピッチ(half-pitch)および、約5nm以下、約3nm以下、約2nm以下、約1nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0127】
その次に、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクにして前記レジスト下層膜104をエッチングする。前記のようなエッチング工程で有機膜パターン112が形成される。形成された前記有機膜パターン112もフォトレジストパターン108に対応する幅を有することができる。
【0128】
図5を参照すれば、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして適用して露出された薄膜102をエッチングする。その結果、前記薄膜は薄膜パターン114として形成される。
【0129】
前記薄膜102のエッチングは、例えばエッチングガスを使用した乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスは、例えばCHF、CF、Cl、BClおよびこれらの混合ガスを使用することができる。
【0130】
先に行われた露光工程で、EUV光源を使用して行われた露光工程によって形成されたフォトレジストパターン108を用いて形成された薄膜パターン114は、前記フォトレジストパターン108に対応する幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターン108と同一に5nm~100nmの幅を有することができる。例えば、EUV光源を使用して行われた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、前記フォトレジストパターン108と同様に5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅を有することができ、より具体的に、20nm以下の幅で形成することができる。
【0131】
以下、前述の半導体フォトレジスト用組成物の製造に関する実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明する。しかし、下記実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるのではない。
【実施例0132】
(有機金属化合物の合成)
合成例1
100mLシュレンクフラスコにt-ブチルトリスジエチルアミドスズ10g(25.5mmol)を入れ無水ジクロロメタン10mLを加えた後、0℃、および窒素雰囲気下で攪拌した。
【0133】
ここにアセトンオキシム5.7g(78mmol)を無水ジクロロメタン16mLに溶かした溶液を0℃で徐々に加える。溶液を常温で3時間攪拌した後、溶液を減圧濃縮してジクロロメタンとジエチルアミンを除去した後、下記化学式1aで示される化合物を得た。
【0134】
【化12】
【0135】
合成例2
100mLシュレンクフラスコにt-ブチルトリスジエチルアミドスズ10g(25.5mmol)を入れ無水ジクロロメタン10mLを加えた後、0℃、および窒素雰囲気下で攪拌した。
【0136】
ここにtブチル-N-ヒドロキシカルバメート10.4g(78mmol)を無水ジクロロメタン16mLに溶かした溶液を0℃で徐々に加える。溶液を常温で3時間攪拌した後、溶液を減圧濃縮してジクロロメタンとジエチルアミンを除去した後、固体をノルマルヘキサンで再結晶して下記化学式1bで表される化合物を得た。
【0137】
【化13】
【0138】
合成例3
100mLシュレンクフラスコにアセトヒドロキサム酸5.8g(78mmol)を入れ無水ジクロロメタン16mLを加えた後、0℃、および窒素雰囲気下で攪拌した。
【0139】
ここにt-ブチルトリスジエチルアミドスズ10g(25.5mmol)を無水ジクロロメタン10mLに溶かした溶液を0℃で徐々に加える。溶液を常温で3時間攪拌した後、溶液を減圧濃縮してジクロロメタンとジエチルアミンを除去した後、固体をジクロロメタン/ノルマルヘキサンで再結晶して下記化学式1cで表される化合物を得た。
【0140】
【化14】
【0141】
合成例4
100mLシュレンクフラスコにアセトンオキシム1.43g(19.5mmol)を無水テトラヒドロフラン20mLに溶かした溶液を0℃に冷却し窒素下で攪拌した。ここにナトリウム片0.45g(19.5mmol)を徐々に加えて反応させた。0℃で30分間攪拌した。ここにトリフェニルアンチモンジブロミド5g(9.75mmol)を無水トルエン30mLに溶かした溶液を徐々に加えた。
【0142】
反応液を窒素雰囲気、70℃で12時間攪拌した。反応液を常温に冷却した後、セライトろ過し、ろ過液を減圧濃縮した後、固体をジクロロメタン/ノルマルヘキサンで再結晶して下記化学式1dで表される化合物を得た。
【0143】
【化15】
【0144】
合成例5
100mLシュレンクフラスコにt-ブチル-N-ヒドロキシカルバメート2.6g(19.5mmol)を無水テトラヒドロフラン20mLに溶かした溶液を0℃に冷却し窒素下で攪拌した。ここにナトリウム片0.45g(19.5mmol)を徐々に加えて反応させた。0℃で30分間攪拌した。ここにトリフェニルアンチモンジブロミド5g(9.75mmol)を無水トルエン30mLに溶かした溶液を徐々に加えた。
【0145】
反応液を窒素雰囲気、70℃で12時間攪拌した。反応液を常温に冷却した後、セライトろ過し、ろ過液を濃縮した後、固体をジクロロメタンに溶かした後、ノルマルヘキサンを加えて再結晶して下記化学式1eで表される化合物を得た。
【0146】
【化16】
【0147】
比較合成例1
n-BuSnCl(8.5g、30mmol)を無水ペンタンに溶かし温度を0℃まで低下させた。その後、triethylamine(10.0g、99mmol)を徐々に滴加した後、エタノール(4.2g、90mmol)を添加し、常温で5時間攪拌した。反応が終了するとろ過して濃縮後、真空乾燥して下記化学式4で表される化合物を得た。
【0148】
【化17】
【0149】
比較合成例2
比較合成例1でn-BuSnClの代わりにBnSnClを使用したこと以外は比較合成例1と同様な方法で合成して下記化学式5で表される化合物を得た。
【0150】
【化18】
【0151】
(半導体フォトレジスト用組成物の製造)
実施例1~5、比較例1および2
合成例1~5で得られた化学式1a~化学式1eで表される化合物と比較合成例1および2で得られた化学式4および化学式5で表される化合物をそれぞれPGMEA(propylene glycol monomethyl ether acetate)に3wt%に溶かし、0.1μmPTFE syringe filterでろ過してフォトレジスト組成物を製造した。
【0152】
評価1:感度およびラインエッジ粗さ(LER)評価
直径が500μmである50個の円形パッド直線アレイをEUV光(Lawrence Berkeley National Laboratory Micro Exposure Tool、MET)を使用して実施例1~5、そして比較例1および2のフォトレジスト用組成物がコーティングされたウエハーに投射した。パッド露出時間を調節してEUV増加線量が各パッドに適用されるようにした。
【0153】
その後、レジストと基材をhotplate上で160℃で120秒間露出後、焼成(post-exposure bake、PEB)した。焼成されたフィルムを現像液(2-heptanone)にそれぞれ30秒間浸漬させた後、同一な現像剤で追加的に10秒間洗浄してネガティブトーンイメージを形成、即ち、非露出のコーティング部分を除去した。最終的に150℃、2分熱板焼成を行って工程を終結した。
【0154】
偏光計測法(Ellipsometer)を使用して露出されたパッドの残留レジスト厚さを測定した。各露出量に対して残っている厚さを測定して露出量に対する関数でグラフ化して、レジストの種類別にDg(現像が完了するエネルギーレベル)を下記基準に従って評価して表1に示した。
【0155】
※評価基準(Dg値)
A:16mJ/cm未満
B:16mJ/cm以上。
【0156】
評価2:保管安定性評価
実施例1~実施例5、そして比較例1および2に使用された有機金属化合物に対して、下記のような基準で保管安定性を評価して、下記表1に示した。
【0157】
[保管安定性]
常温(20±5℃)条件で実施例1~5、そして比較例1および2による半導体フォトレジスト組成物を特定期間放置時、沈殿が発生する程度を肉眼で観察して、下記保管可能な基準に従って評価した。
【0158】
※評価基準
-○:1ヶ月以上保管可能
-△:1週~1ヶ月未満保管可能
-X:1週未満保管可能
【0159】
【表1】
【0160】
表1の結果から、実施例による半導体用フォトレジスト組成物は比較例に対比して感度に優れ、保管安定性も顕著に改善されるのを確認することができる。
【0161】
以上、本発明の特定の実施例が説明され図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるのではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せず多様に修正および変形できるのはこの技術の分野における通常の知識を有する者に自明なことである。したがって、そのような修正例または変形例は本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属すると言うべきである。
【符号の説明】
【0162】
100:基板
102:薄膜
104:レジスト下層膜
106:フォトレジスト膜
106a:未露光の領域
106b:露光された領域
108:フォトレジストパターン
110:パターン化されたマスク
112:有機膜パターン
114:薄膜パターン
図1
図2
図3
図4
図5