(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153564
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ブランクマスク及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 1/50 20120101AFI20241022BHJP
G03F 1/82 20120101ALI20241022BHJP
【FI】
G03F1/50
G03F1/82
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056869
(22)【出願日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0050360
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】505232852
【氏名又は名称】エスケー エンパルス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK enpulse Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1043,Gyeonggi-daero,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do 17784, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、テワン
(72)【発明者】
【氏名】シン、インキュン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒョンジュ
【テーマコード(参考)】
2H195
【Fターム(参考)】
2H195BB05
2H195BB27
2H195BB30
(57)【要約】 (修正有)
【課題】欠陥の発生が少なく、向上した使用回数を有し、高い精密度を有するフォトマスクを提供することができる、ブランクマスクを製造するための装置及びブランクマスクの製造方法を提供する。
【解決手段】光透過性基板上に遮光膜を形成して、光学基板を形成する段階と、前記遮光膜上にフォトレジスト層を形成する段階と、前記光透過性基板の側面において、前記フォトレジスト層を形成する段階で発生する飛沫を除去する段階と、を含み、前記光透過性基板の側面における前記飛沫から由来する飛沫状の吸着が3個/cm
2未満である、ブランクマスクの製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランクマスクの製造方法であって、
光透過性基板上に遮光膜を形成して、光学基板を形成する段階と、
前記遮光膜上にフォトレジスト層を形成する段階と、
前記光透過性基板の側面において、前記フォトレジスト層を形成する段階で発生する飛沫を除去する段階と、を含み、
前記光透過性基板の側面における前記飛沫から由来する飛沫状の吸着が3個/cm2未満である、
ブランクマスクの製造方法。
【請求項2】
前記光学基板をチャックに安着させる段階を更に含み、
前記フォトレジスト層を形成する段階は、
前記遮光膜上にフォトレジスト組成物をドロップする段階と、
前記光学基板を回転させる段階と、
前記光学基板と前記チャックとの間に圧縮空気を噴射する段階と、
を含み、
前記光学基板を回転させる段階及び前記圧縮空気を噴射する段階は、同時に行われる、
請求項1に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項3】
前記チャックは、
前記光学基板を支持する支持部と、
前記光学基板の側面に配置されるガイド部と、
を含み、
前記光学基板を回転させる段階において、前記光学基板及び前記ガイド部が同時に回転されて、
前記ガイド部と前記光学基板の側面との間に前記圧縮空気が噴射される、
請求項2に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項4】
前記光学基板をチャックに安着させる段階を更に含み、
前記フォトレジスト層を形成する段階は、
前記遮光膜上にフォトレジスト組成物をドロップする段階と、
前記光学基板を回転させる段階と、
前記光学基板の側面と前記チャックとの間に真空圧を印加する段階と、
を含み、
前記光学基板を回転させる段階及び前記真空圧を印加する段階は、同時に行われる、
請求項1に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項5】
前記チャックは、
前記光学基板を支持する支持部と、
前記光学基板の側面に配置されるガイド部と、
を含み、
前記光学基板を回転させる段階において、前記光学基板及び前記ガイド部が同時に回転されて、
前記ガイド部と前記光学基板の側面との間に前記真空圧が印加される、
請求項4に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項6】
前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着は、4個/cm2未満である、
請求項1に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項7】
ブランクマスクであって、
光透過性基板と、
前記光透過性基板上に配置される遮光膜と、
前記遮光膜上に配置されて、感光性樹脂を含むフォトレジスト層と、
を含み、
前記光透過性基板の側面における前記感光性樹脂を含む飛沫状の吸着は、3個/cm2未満である、
ブランクマスク。
【請求項8】
前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着は、4個/cm2未満である、
請求項7に記載のブランクマスク。
【請求項9】
前記光透過性基板の側面における前記飛沫状の吸着は、2.5個/cm2未満である、
請求項7に記載のブランクマスク。
【請求項10】
前記光透過性基板の側面における前記飛沫状の吸着は、0.5個/cm2未満である、
請求項9に記載のブランクマスク。
【請求項11】
前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着は、2個/cm2未満である、
請求項8に記載のブランクマスク。
【請求項12】
前記飛沫状の吸着の直径は、0.01μm~10μmである、
請求項7に記載のンブランクマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、ブランクマスク及びブランクマスクの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスなどの高集積化により、半導体デバイスの回路パターンの微細化が求められている。これにより、ウエハの表面上にフォトマスクを用いて回路パターンを現像する技術である、リソグラフィ技術の重要性がさらに強調されている。
【0003】
微細化した回路パターンを現像するためには、露光工程で使用される露光光源の短波長化が要求される。近年、使用される露光光源では、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などがある。
【0004】
一方、フォトマスクには、バイナリマスク(Binary mask)と位相シフトマスク(Phase shift mask)などがある。
【0005】
バイナリマスクは、光透過性基板上に遮光層パターンが形成された構成を有する。バイナリマスクは、パターンが形成された面において、遮光層を含まない透過部は、露光光を透過させ、遮光層を含む遮光部は、露光光を遮断することによって、ウエハの表面のレジスト膜上にパターンを露光させる。但し、バイナリマスクは、パターンが微細化するほど、露光工程で透過部の縁で発生する光の回折によって、微細パターンの現像に問題が発生し得る。
【0006】
位相シフトマスクでは、レベンソン型(Levenson type)、アウトリガー型(Outrigger type)、ハーフトーン型(Half-tone type)がある。そのうち、ハーフトーン型の位相シフトマスクは、光透過性基板20上に半透過膜で形成されたパターンが形成された構成を有する。ハーフトーン型の位相シフトマスクは、パターンが形成された面において、半透過層を含まない透過部は、露光光を透過させ、半透過層を含む半透過部は、減衰した露光光を透過させる。前記減衰した露光光は、透過部を通過した露光光に比べて位相差を有するようになる。これにより、透過部の縁で発生する回折光は、半透過部を透過した露光光によって相殺し、位相シフトマスクは、ウエハの表面にさらに精巧な微細なパターンを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
これに関連する先行文献は、次のとおりである。
【特許文献1】韓国公開特許第10-2012-0057488号
【特許文献2】韓国公開特許第10-2014-0130420号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施例は、欠陥の発生が少なく、向上した使用回数を有し、高い精密度を有するフォトマスクを提供することができる、ブランクマスクを製造するための装置及びブランクマスクの製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施例によるブランクマスクの製造方法は、光透過性基板上に遮光膜を形成して、光学基板を形成する段階と、前記遮光膜上にフォトレジスト層を形成する段階と、前記光透過性基板の側面において、前記フォトレジスト層を形成する段階で発生する飛沫を除去する段階と、を含み、前記光透過性基板の側面における前記飛沫から由来する飛沫状の吸着が3個/cm2未満である。
【0010】
一実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光学基板をチャックに安着させる段階を更に含み、前記フォトレジスト層を形成する段階は、前記遮光膜上にフォトレジスト組成物をドロップする段階と、前記光学基板を回転させる段階と、前記光学基板と前記チャックとの間に圧縮空気を噴射する段階と、を含み、前記光学基板を回転させる段階及び前記圧縮空気を噴射する段階は、同時に行うことができる。
【0011】
一実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光学基板をチャックに安着させる段階を更に含み、前記フォトレジスト層を形成する段階は、前記遮光膜上にフォトレジスト組成物をドロップする段階と、前記光学基板を回転させる段階と、前記光学基板の側面と前記チャックとの間に真空圧を印加する段階と、を含み、前記光学基板を回転させる段階及び前記真空圧を印加する段階は、同時に行うことができる。
【0012】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着は、4個/cm2未満であってもよい。
【0013】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記チャックは、前記光学基板を支持する支持部と、前記光学基板の側面に配置されるガイド部と、を含み、前記光学基板を回転させる段階において、前記光学基板及び前記ガイド部が同時に回転されて、前記ガイド部と前記光学基板の側面との間に前記圧縮空気が噴射されていてもよい。
【0014】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記チャックは、前記光学基板を支持する支持部と、前記光学基板の側面に配置されるガイド部と、を含み、前記光学基板を回転させる段階において、前記光学基板及び前記ガイド部が同時に回転されて、前記ガイド部と前記光学基板の側面との間に前記真空圧が印加されていてもよい。
【0015】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記光学基板は、前記飛沫状の吸着を含み、前記飛沫状の吸着は、島状を有し、前記飛沫状の吸着の直径は、約0.01μm~約10μmであってもよい。
【0016】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記光透過性基板の側面における前記飛沫状の吸着は、約0.05個/cm2~約1個/cm2であってもよい。
【0017】
実施例によるブランクマスクは、光透過性基板と、前記光透過性基板上に配置される遮光膜と、前記遮光膜上に配置されて、感光性樹脂を含むフォトレジスト層と、を含み、前記光透過性基板の側面における前記感光性樹脂を含む飛沫状の吸着は、3個/cm2未満である。
【0018】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着は、4個/cm2未満であってもよい。
【0019】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記光透過性基板の側面における前記飛沫状の吸着は、2.5個/cm2未満であってもよい。
【0020】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記光透過性基板の側面における前記飛沫状の吸着は、0.5個/cm2未満であってもよい。
【0021】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着は、2個/cm2未満であってもよい。
【0022】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記飛沫状の吸着の直径は、0.01μm~10μmであってもよい。
【0023】
実施例によるブランクマスクは、光透過性基板と、前記光透過性基板上に配置される遮光膜と、前記遮光膜上に配置されて、感光性樹脂を含むフォトレジスト層と、前記光透過性基板の側面において、前記感光性樹脂を含み、島状を有する飛沫状の吸着と、を含み、前記光透過性基板の側面における前記飛沫状の吸着の密度は、約0.05個/cm2~約3個/cm2である。
【0024】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着が配置され、前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着の密度は、約0.05個/cm2~約3個/cm2であってもよい。
【0025】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記飛沫状の吸着は、約0.01μm以上かつ約0.04μm未満の直径を有する第1飛沫状の吸着を含み、前記第1飛沫状の吸着の個数は、約0.05個/cm2~約0.5個/cm2であってもよい。
【0026】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記飛沫状の吸着は、約0.04μm以上かつ約0.3μm未満の直径を有する第2飛沫状の吸着を含み、前記第2飛沫状の吸着の個数は、約0.05個/cm2~約0.5個/cm2であってもよい。
【0027】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記飛沫状の吸着は、約0.3μm以上かつ約3μm未満の直径を有する第3飛沫状の吸着を含み、前記第3飛沫状の吸着の個数は、約0.05個/cm2~約0.5個/cm2であってもよい。
【0028】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記飛沫状の吸着は、約3μm以上かつ約10μm未満の直径を有する第4飛沫状の吸着を含み、前記第4飛沫状の吸着の個数は、約0.05個/cm2~約0.5個/cm2であってもよい。
【0029】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記光透過性基板の側面における前記飛沫状の吸着の密度は、約0.05個/cm2~約1個/cm2であってもよい。
【発明の効果】
【0030】
実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記フォトレジスト層を形成する段階で発生する飛沫を除去する段階を含む。これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光透過性基板の側面及び/または下面が、前記飛沫などのような工程副産物によって汚染することを防止することができる。
【0031】
特に、実施例によるブランクマスクの製造方法は、圧縮空気または真空圧を用いて、前記フォトレジスト層を形成するためフォトレジスト組成物から飛散する飛沫を前記光透過性基板の側面から除去することができる。
【0032】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記飛沫が、前記光透過性基板の側面及び下面に吸着することを効果的に防止することができる。
【0033】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、光透過性基板の側面における飛沫状の吸着が3個/cm2未満であるブランクマスクを提供することができる。また、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光透過性基板の下面における前記飛沫状の吸着が4個/cm2未満であるブランクマスクを提供することができる。
【0034】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記飛沫状の吸着による光学的歪みを最小化することができる。これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、向上した光学的性能を有していてもよい。
【0035】
また、実施例によるブランクマスクの製造方法は、上記のように、前記飛沫状の吸着を抑制することから、前記光透過性基板の側面及び下面に吸着した飛沫を除去するための追加工程を用いない。
【0036】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記飛沫状の吸着を除去するための追加工程によって、前記フォトレジスト層が損傷することを防止することができる。
【0037】
実施例によるブランクマスクは、前記光透過性基板の側面及び下面における前記飛沫状の吸着が4個/cm2未満であるため、光学的歪みを最小化することができ、向上した光学的性能を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】実施例によるブランクマスクの製造装置を示した概略図である。
【
図2】一実施例によるチャックを示した斜視図である。
【
図3】一実施例によるチャックの上面を示した図である。
【
図5】
図4におけるA部分を拡大して示した断面図である。
【
図6】一実施例において、工程副産物が除去される過程を示した図である。
【
図7】他の実施例において、工程副産物が除去される過程を示した図である。
【
図8】さらに他の実施例によるブランクマスクの製造装置を示した概略図である。
【
図9】さらに他の実施例において、工程副産物が除去される過程を示した図である。
【
図10】一実施例による光学基板の一断面を示した断面図である。
【
図11】他の実施例による光学基板の一断面を示した断面図である。
【
図12】さらに他の実施例による光学基板の一断面を示した断面図である。
【
図13】一実施例によるブランクマスクの一断面を示した断面図である。
【
図14】一実施例によるフォトマスクの一断面を示した断面図である。
【
図15】一実施例による光透過性基板の側面の一部を示した図である。
【
図16】
図15におけるB-B'に沿って切断した断面を示した断面図である。
【
図17】一実施例による光透過性基板の下面の一部を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、具現例の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、実施例について詳説する。しかしながら、具現例は、互いに異なる様々な形態に具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。
【0040】
本明細書で使われる程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有な製造及び物質の許容誤差が提示されるとき、その数値における、またはその数値に近い意味に使われ、具現例を理解するために正確あるいは絶対的な数値が言及された開示の内容が、非良心的な侵害者にとって不当に利用されることを防止するために使われる。
【0041】
本明細書の全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」の用語は、マーカッシュ形式の表現に記載の構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合または組み合わせを意味するものであって、前記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0042】
本明細書の全体において、「A及び/またはB」の記載は、「A、B、または、A及びB」を意味する。
【0043】
本明細書の全体において、「第1」、「第2」または「A」、「B」のような用語は、特に説明がない限り、同じ用語を互いに区別するために使われる。
【0044】
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上にBが位置するか、その間に他の層が位置しつつA上にBが位置するか、位置してもよいことを意味し、Aの表面に接してBが位置することに限定して解釈されない。
【0045】
本明細書における単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上に解釈される単数または複数を含む意味に解釈される。
【0046】
図1は、実施例によるブランクマスクの製造装置を示した概略図である。
図2は、一実施例によるチャックを示した斜視図である。
図3は、一実施例によるチャックの上面を示した図である。
図4は、チャックの一断面を示した断面図である。
図5は、
図4におけるA部分を拡大して示した断面図である。
図6は、一実施例において、工程副産物が除去される過程を示した図である。
図7は、他の実施例において、工程副産物が除去される過程を示した図である。
図8は、さらに他の実施例によるブランクマスクの製造装置を示した概略図である。
図9は、さらに他の実施例において、工程副産物が除去される過程を示した図である。
図10は、一実施例による光学基板の一断面を示した断面図である。
図11は、他の実施例による光学基板の一断面を示した断面図である。
図12は、さらに他の実施例による光学基板の一断面を示した断面図である。
図13は、一実施例によるブランクマスクの一断面を示した断面図である。
図14は、一実施例によるフォトマスクの一断面を示した断面図である。
図15は、一実施例による光透過性基板の側面の一部を示した図である。
図16は、
図15におけるB-B'に沿って切断した断面を示した断面図である。
図17は、一実施例による光透過性基板の下面の一部を示した断面図である。
【0047】
図1を参照すると、実施例によるブランクマスクの製造装置は、チャンバ100、チャック200、第1エアポンプ300、排気部400、フォトレジスト樹脂組成物の供給部500、エアスイープ部610、第2エアポンプ600、及びスピンドルモータ700を含む。
【0048】
前記チャンバ100は、前記チャック200を収容する。前記チャンバ100は、ブランクマスクを製造するため光学基板10を収容することができる。前記チャンバ100は、内部を外部から隔離させることができる。前記チャンバ100の内部は、密封し得る。前記チャンバ100の内部圧力は、大気圧よりも低く真空がかかり得る。
【0049】
また、前記チャンバ100は、開閉できるドアまたは蓋を含んでいてもよい。前記チャンバ100の内部温度を調節できるヒータなどを前記チャンバ100に備えることができる。
【0050】
図2~
図7を参照すると、前記チャック200は、支持部210、ガイド部220、及び副産物の除去部230を含む。
【0051】
前記支持部210は、前記ガイド部220及び前記副産物の除去部230を支持することができる。前記支持部210は、前記光学基板10を支持する。前記支持部210は、前記光学基板10の下に配置されていてもよい。
【0052】
前記支持部210は、前記光学基板10を臨時固定させることができる。前記支持部210は、真空圧または静電気力によって、前記光学基板10を臨時固定させることができる。
【0053】
前記ガイド部220は、前記支持部210に連結されていてもよい。前記ガイド部220は、前記支持部210と一体に形成されていてもよい。前記ガイド部220は、前記光学基板10の側面12に配置されていてもよい。前記ガイド部220は、前記光学基板10の側面12を囲んでいてもよい。
【0054】
前記支持部210及び前記ガイド部220によって、前記光学基板10を収容する収容部240を形成することができる。すなわち、前記支持部210は、前記光学基板10の下面13に配置されて、前記ガイド部220は、前記光学基板10の側面12に配置され、前記収容部240が構成されていてもよい。
【0055】
前記収容部240は、前記光学基板10の平面状に対応するものであってもよい。前記収容部240の平面状は、前記光学基板10の平面状とほぼ類似であってもよい。前記光学基板10の平面状は、正方形であり、前記収容部240の平面状も正方形であってもよい。
【0056】
前記ガイド部220の外郭は、円状を有していてもよい。前記ガイド部220及び前記支持部210は、円状を有していてもよい。
【0057】
前記副産物の除去部230は、前記支持部210に形成されていてもよい。前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220に形成されていてもよい。前記副産物の除去部230は、前記支持部210と前記ガイド部220が交わる部分に形成されていてもよい。前記副産物の除去部230は、前記支持部210及び前記ガイド部220にわたって形成されていてもよい。
【0058】
前記副産物の除去部230は、前記光学基板10のエッジ部分に対応する領域に形成されていてもよい。前記副産物の除去部230は、前記支持部210のエッジ部分に沿って形成されていてもよい。
【0059】
前記副産物の除去部230は、気体を噴射する多数個の孔を含んでいてもよい。前記孔は、上方に延在していてもよい。前記孔の直径は、約0.5mm~約2mmであってもよい。前記孔の間の間隔は、約10mm~100mmであってもよい。
【0060】
前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10の側面12との間の空間250の下に配置されていてもよい。前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220の内側面と前記光学基板10の側面12との間の領域250に対応して配置されていてもよい。
【0061】
前記ガイド部220及び前記光学基板10の側面12は、一定間隔で離隔していてもよい。前記ガイド部220の内側面と前記光学基板10の側面12との間の距離(D)は、約0.01mm~約1mmであってもよい。前記ガイド部220と前記光学基板10の側面12との間の間隔(D)は、約1mm未満であってもよい。
【0062】
前記ガイド部220及び前記光学基板10の側面12が、上記のような間隔(D)を有することから、前記ガイド部220と前記光学基板10との間の空間250への前記工程副産物511の流入が抑制し得る。
【0063】
また、前記孔は、上記のような範囲で直径及び間隔を有するため、前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10との間の空間に容易に圧縮空気を噴射するか、真空圧を印加することができる。これによって、前記孔が上記のような直径及び間隔を有するため、前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10との間の空間250に流入する前記工程副産物511を容易に除去することができる。
【0064】
前記ガイド部220の上面221と前記光学基板10の上面11との間の高さ差(H)は、約1mm未満であってもよい。前記ガイド部220の上面221と前記光学基板10の上面11との間の高さ差(H)は、約0.1mm~約1mmであってもよい。前記ガイド部220の上面221は、前記光学基板10の上面11よりもさらに低くてもよい。
【0065】
前記ガイド部220の上面221と前記光学基板10の上面11との間の高さ差(H)が上記のとおりである場合、前記光学基板10にフォトレジスト樹脂組成物がスピンコートされるとき、前記工程副産物511を容易に排出することができる。
【0066】
前記副産物の除去部230は、前記第1エアポンプ300に連結されていてもよい。前記副産物の除去部230は、流路260を介して前記第1エアポンプ300に連結されていてもよい。前記副産物の除去部230は、前記第1エアポンプ300によって発生する圧縮空気を前記流路260を介して印加されて、前記工程副産物511を押し出すことができる。すなわち、前記工程副産物511は、前記第1エアポンプ300によって、前記副産物の除去部230から上方に噴出し得る。
【0067】
すなわち、前記圧縮空気は、前記第1エアポンプ300から発生して、前記流路260を介して前記副産物の除去部230から上方に噴射される。これによって、前記光学基板10と前記ガイド部220との間に流入する工程副産物は、上方に排出し得る。
【0068】
また、前記圧縮空気は、前記副産物の除去部230から上方に継続して噴射し得る。これによって、前記工程副産物が前記光学基板10の側面と前記ガイド部220との間の空間250に流入することを基本的に抑制することができる。
【0069】
前記工程副産物511は、微細粒子を含んでいてもよい。前記微細粒子は、前記フォトレジスト樹脂組成物の飛散によって形成され得る。前記工程副産物511は、前記フォトレジスト樹脂組成物が飛散して形成される飛沫であってもよい。すなわち、前記微細粒子は、前記飛沫であってもよい。
【0070】
また、前記飛沫は、前記フォトレジスト樹脂組成物を含んでいてもよい。前記飛沫は、前記フォトレジスト層を形成するための物質と実質的に同じ物質を含んでいてもよい。前記飛沫及び前記フォトレジスト層は、実質的に同じ組成を有していてもよい。
【0071】
前記微細粒子の粒径は、約10μm未満であってもよい。前記微細粒子の粒径は、約1μm~約10μmであってもよい。
【0072】
前記副産物の除去部230の噴射速度は、約0.3ml/s~約100ml/sであってもよい。前記副産物の除去部230の噴射速度は、約0.4ml/s~約20ml/sであってもよい。前記副産物の除去部230の噴射速度は、約0.5ml/s~約10ml/sであってもよい。これによって、前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10との間の空間250に含まれた工程副産物511を容易に除去することができる。
【0073】
前記第1エアポンプ300は、前記副産物の除去部230と連結されていてもよい。前記第1エアポンプ300は、前記流路を介して前記副産物の除去部230と連結されていてもよい。前記第1エアポンプ300は、前記副産物の除去部230に前記圧縮空気を供給することができる。
【0074】
前記排気部400は、前記チャンバ100の内部気体を排気させることができる。また、前記排気部400は、前記光学基板10上にコートして残ったフォトレジスト組成物を排出させることができる。前記排気部400は、前記チャック200の側方に飛散するフォトレジスト樹脂組成物を排出させることができる。
【0075】
前記フォトレジスト樹脂組成物の供給部500は、前記光学基板10の上面に前記フォトレジスト樹脂組成物510を供給することができる。前記フォトレジスト樹脂組成物510は、前記チャンバ100内に配置される噴射ノズルを含んでいてもよい。前記噴射ノズルを介して前記光学基板10に、前記フォトレジスト樹脂組成物510がドロップされていてもよい。すなわち、前記フォトレジスト樹脂組成物の供給部500は、前記光学基板10の上面に前記フォトレジスト樹脂組成物510を噴射することができる。
【0076】
前記チャック200及び前記光学基板10は、同時に回転されてもよい。すなわち、前記ガイド部220及び前記光学基板10は、同時に回転されてもよい。また、前記ガイド部220及び前記光学基板10が同時に回転されるとともに、前記フォトレジスト樹脂組成物の供給部500は、前記光学基板10の上面に前記フォトレジスト樹脂組成物510を供給することができる。
【0077】
また、前記ガイド部220及び前記光学基板10が同時に回転されるとともに、前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10との間の空間250に含まれた工程副産物511を除去することができる。
【0078】
図1及び
図6に示されたように、前記エアスイープ部610は、前記光学基板10上に配置されていてもよい。前記エアスイープ部610は、前記チャック200上に配置されていてもよい。
【0079】
前記エアスイープ部610は、前記光学基板10の外郭部分に向かって誘導空気を噴射することができる。前記エアスイープ部610は、前記光学基板10の中心から外側に向かって誘導空気を噴射することができる。前記エアスイープ部610は、前記光学基板10の上面に対して、外側の下方に前記誘導空気を噴射することができる。すなわち、前記エアスイープ部610は、前記誘導空気を前記光学基板10の外側に噴射することができる。
【0080】
これによって、前記光学基板10の側面と前記ガイド部220との間の空間から噴出する工程副産物は、外側に流れ得る。すなわち、前記エアスイープ部610は、前記光学基板10の側面と前記ガイド部220との間の空間250から上方に噴出する空気の流れを前記光学基板10の外側に導くことができる。
【0081】
これによって、前記エアスイープ部610は、前記噴出した工程副産物によって、前記光学基板10の上面が汚染することを防止することができる。
【0082】
前記第2エアポンプ600は、前記エアスイープ部610に連結されていてもよい。前記第2エアポンプ600は、前記エアスイープ部610に前記誘導空気を供給することができる。
【0083】
前記第2エアポンプ600は、省略されて、前記エアスイープ部610は、前記第1エアポンプ300と連結されていてもよい。前記エアスイープ部610は、前記第1エアポンプ300から前記誘導空気を供給されていてもよい。
【0084】
図7に示されたように、前記エアスイープ部610は、吸入ノズル620を含んでいてもよい。前記吸入ノズル620は、前記排気部400から延在して、前記チャック200の一側に配置されていてもよい。前記吸入ノズルは、前記チャック200から側方に飛散するフォトレジスト組成物を吸入することができる。
【0085】
また、前記エアスイープ部610は、前記光学基板10の側面と前記ガイド部220との間の空間250から噴出する圧縮空気の流れを、前記光学基板10の外側に導くことができる。これによって、前記エアスイープ部610は、前記噴出した工程副産物によって、前記光学基板10の上面が汚染することを防止することができる。
【0086】
前記スピンドルモータ700は、前記チャック200に連結されていてもよい。前記スピンドルモータ700は、前記チャック200を高速回転させることができる。前記チャック200は、前記スピンドルモータ700によって、約500rpm~約7000rpmの速度で回転することができる。
【0087】
前記チャック200の回転によって、前記ドロップしたフォトレジスト樹脂組成物に遠心力が印加されて、前記光学基板10上に均一な厚さでフォトレジスト樹脂組成物層が形成されていてもよい。
【0088】
前記副産物の除去部230は、前記圧縮空気を介して前記工程副産物511を押し出すことができる。これによって、前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10の側面12との間に流入する微細粒子状の工程副産物511を容易に除去することができる。すなわち、前記ガイド部220及び前記光学基板10が同時に回転するうちに、前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10の側面12との間に流入する微細粒子状の工程副産物511を除去することができる。
【0089】
特に、前記副産物の除去部230は、前記光学基板10の側面12と前記ガイド部220との間の領域に対応して配置されるため、前記工程副産物511を効率良く除去することができる。
【0090】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造装置は、前記工程副産物511への汚染を最小化することができる。特に、実施例によるブランクマスクは、前記工程副産物511が前記光学基板10の側面12及び下面13を汚染させることを防止することができる。
【0091】
図8を参照すると、さらに他の実施例によるブランクマスクの製造装置は、真空部310を更に含んでいてもよい。また、他の実施例によるブランクマスクの製造装置は、前記エアスイープ部を省略することができる。
【0092】
前記真空部300は、前記副産物の除去部230と連結されていてもよい。前記真空部300は、前記流路260を介して前記副産物の除去部230と連結されていてもよい。前記真空部300は、前記副産物の除去部230に真空圧を印加することができる。前記真空部300は、前記工程副産物511を吸入して、フィルタリングすることができる。前記真空部300は、前記工程副産物511を排出させることができる。
【0093】
図9に示されたように、前記副産物の除去部230は、真空圧を介して前記工程副産物511を吸入することができる。これによって、前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10の側面12との間に流入する微細粒子状の工程副産物511を容易に除去することができる。
【0094】
特に、前記副産物の除去部230は、前記光学基板10の側面12と下面13が交わる角部分に対応して配置されるとき、前記工程副産物511を効率良く除去することができる。
【0095】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造装置は、前記工程副産物511への汚染を最小化することができる。特に、実施例によるブランクマスクは、前記工程副産物511が前記光学基板10の側面12及び下面13を汚染させることを防止することができる。
【0096】
前記副産物の除去部230は、前記真空部300によって発生する真空圧を前記流路260を介して印加されて、前記工程副産物511を吸入することができる。すなわち、前記工程副産物511は、前記真空部300によって、前記副産物の除去部230及び前記流路260を介して除去することができる。
【0097】
特に、前記ガイド部220及び前記光学基板10が同時に回転するうちに、前記副産物の除去部230は、前記真空部300によって発生する真空圧を前記流路260を介して印加されて、前記ガイド部220と前記光学基板10との間で前記工程副産物511を吸入することができる。
【0098】
前記副産物の除去部230の排気速度は、約1ml/s~約100ml/sであってもよい。これによって、前記副産物の除去部230は、前記ガイド部220と前記光学基板10との間の空間に含まれた工程副産物511を容易に除去することができる。
【0099】
実施例によるブランクマスクは、下記の製造工程によって製造することができる。
【0100】
先ず、光学基板10を提供することができる。前記光学基板10は、光透過性基板20と、前記光透過性基板20上に位置する遮光膜30とを含む。
【0101】
前記光透過性基板20は、露光光に対する光透過性を有していてもよい。前記光透過性基板20は、約193nmの波長の露光光に対して、約85%超の透過率を有していてもよい。前記光透過性基板20の透過率は、約87%超であってもよい。前記光透過性基板2010の透過率は、99.99%未満であってもよい。前記光透過性基板20は、合成石英基板を含んでいてもよい。斯かる場合、前記光透過性基板20は、透過する光の減衰(attenuated)を抑制することができる。
【0102】
前記光透過性基板20は、適宜な平坦度及び適宜な照度などの表面特性を有するため、透過する光の歪みを抑制することができる。
【0103】
前記遮光膜30は、光透過性基板20の上面(top side)上に配置されていてもよい。
【0104】
前記遮光膜30は、光透過性基板20の下面(bottom side)側に入射する露光光を少なくとも選択的に遮断することができる。
【0105】
また、
図10に示されたように、前記光透過性基板20と前記遮光膜30との間に位相反転膜40などが配置される場合、前記遮光膜30は、前記位相反転膜40などをパターンの形状どおりにエッチングする工程でエッチングマスクとして使用することができる。
【0106】
前記遮光膜30は、遷移金属、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0107】
前記遮光膜30は、クロム、酸素、窒素、及び炭素を含んでいてもよい。全体遮光膜30に対する元素別含量は、厚さ方向に互いに異なっていてもよい。全体遮光膜30に対する元素別含量は、複数層の遮光膜30である場合、層別に互いに異なっていてもよい。
【0108】
前記遮光膜30は、クロムを約44atom%~約60atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜30は、クロムを約47atom%~約57atom%の含量で含んでいてもよい。
【0109】
前記遮光膜30は、炭素を約5atom%~30atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜30は、炭素を約7atom%~約25%atom%の含量で含んでいてもよい。
【0110】
前記遮光膜30は、窒素を約3atom%~約20atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜30は、窒素を約5atom%~約15atom%の含量で含んでいてもよい。
【0111】
前記遮光膜30は、酸素を約20atom%~約45atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜30は、酸素を約25atom%~約40atom%の含量で含んでいてもよい。
【0112】
斯かる場合、前記遮光膜30は、十分な消光特性を有することができる。
【0113】
図11に示されたように、前記遮光膜30は、それぞれ遷移金属と、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを含む第1遮光層301及び第2遮光層302を含んでいてもよい。
【0114】
前記第2遮光層302は、遷移金属を約50at%~約80at%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層302は、遷移金属を約55at%~約75at%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層302は、遷移金属を約60at%~約70at%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層302において、酸素の含量と窒素の含量を足した値は、約10at%~約30at%であってもよい。前記第2遮光層302において、酸素の含量と窒素の含量を足した値は、約15at%~約25at%であってもよい。前記第2遮光層302は、窒素を約5at%~約15at%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層22は、窒素を約7at%~約13at%の含量で含んでいてもよい。
【0115】
前記第1遮光層301は、遷移金属を約30at%~約60at%の含量で含んでいてもよい。前記第1遮光層301は、遷移金属を約35at%~約55at%の含量で含んでいてもよい。前記第1遮光層301は、遷移金属を約40at%~約50at%の含量で含んでいてもよい。前記第1遮光層301において、酸素の含量と窒素の含量を足した値は、約40at%~約70at%であってもよい。前記第1遮光層301において、酸素の含量と窒素の含量を足した値は、約45at%~約65at%であってもよい。前記第1遮光層301において、酸素の含量と窒素の含量を足した値は、約50at%~約60at%であってもよい。前記第1遮光層301は、酸素を約20at%~約37at%の含量で含んでいてもよい。前記第1遮光層301は、酸素を約23at%~約33at%の含量で含んでいてもよい。前記第1遮光層301は、酸素を約25at%~約30at%の含量で含んでいてもよい。前記第1遮光層301は、窒素を約20at%~約35at%の含量で含んでいてもよい。前記第1遮光層301は、窒素を約26at%~約33at%の含量で含んでいてもよい。前記第1遮光層301は、窒素を約26at%~約30at%の含量で含んでいてもよい。
【0116】
前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti、及びHfのうち少なくともいずれかを含んでいてもよい。前記遷移金属は、Crであってもよい。
【0117】
斯かる場合、前記第1遮光層31は、前記遮光膜30が優れた消光特性を有するように助けることができる。
【0118】
第1遮光層31の厚さは、約250Å~約650Åであってもよい。前記第1遮光層31の厚さは、約350Å~約600Åであってもよい。前記第1遮光層31の厚さは、約400Å~約550Åであってもよい。斯かる場合、前記第1遮光層31は、前記遮光膜30が露光光を効果的に遮断することを助けることができる。
【0119】
前記第2遮光層32の厚さは、約30Å~約200Åであってもよい。前記第2遮光層32の厚さは、約30Å~約100Åであってもよい。前記第2遮光層32の厚さは、約40Å~約80Åであってもよい。斯かる場合、前記第2遮光層32は、前記遮光膜30の消光特性を向上させて、前記遮光膜30パターニングの際に形成される遮光パターン膜35の側面の表面プロファイルをさらに精巧に制御することを助けることができる。
【0120】
前記第1遮光層31の厚さに対する前記第2遮光層32の厚さの割合は、約0.05~約0.3であってもよい。前記第1遮光層31に対する前記第2遮光層32の厚さの割合は、約0.07~約0.25であってもよい。前記第1遮光層31に対する前記第2遮光層32の厚さの割合は、約0.1~約0.2であってもよい。
【0121】
斯かる場合、前記遮光膜30は、十分な消光特性を有し、かつ、遮光膜30のパターニングの際に形成される遮光パターン膜35の側面の表面プロファイルをさらに精巧に制御することができる。
【0122】
前記第2遮光層32の遷移金属の含量は、前記第1遮光層31の遷移金属の含量よりもさらに大きい値を有していてもよい。
【0123】
前記遮光膜30をパターニングして形成される遮光パターン膜35の側面の表面プロファイルをさらに精巧に制御し、欠陥検査における検査光に対する遮光膜30の表面反射率が検査に適した値を有するようにするために、前記第2遮光層32は、前記第1遮光層31に対する遷移金属の含量がさらに大きい値を有することが求められる。
【0124】
但し、斯かる場合、成膜した遮光膜30を熱処理する過程で、前記第2遮光層32に含まれた遷移金属は、回復、再結晶、及び結晶粒の成長が発生し得る。遷移金属が高い含量で含まれた第2遮光層32における結晶粒の成長が発生する場合、成長しすぎた遷移金属の粒子により、遮光膜30の表面照度の特性が過度に変動し得る。これは、遮光膜30の表面を高い感度で欠陥検査する場合、擬似欠陥の検出数を高める原因になり得る。
【0125】
前記遮光膜30は、波長193nmの光に対して、約1%~約2%の透過率を有していてもよい。前記遮光膜30は、波長193nmの光に対して、約1.3%~約2%の透過率を有していてもよい。前記遮光膜30は、波長193nmの光に対して、約1.4%~約2%の透過率を有していてもよい。
【0126】
前記遮光膜30は、約1.8~約3の光学密度を有していてもよい。前記遮光膜30は、約1.9~約3の光学密度を有していてもよい。
【0127】
斯かる場合、前記遮光膜30を含む薄膜は、露光光の透過を効果的に抑制することができる。
【0128】
図12に示されたように、前記光学基板10は、位相反転膜40を更に含んでいてもよい。
【0129】
前記位相反転膜40は、前記光透過性基板20と前記遮光膜30との間に配置されていてもよい。前記位相反転膜40は、透過する露光光の光の強さを減殺して、位相差を調節し、パターンの縁に発生する回折光を実質的に抑制する薄膜であってもよい。
【0130】
前記位相反転膜40は、波長193nmの光に対して約170゜~約190゜の位相差を有していてもよい。前記位相反転膜40は、波長193nmの光に対して約175゜~約185゜の位相差を有していてもよい。
【0131】
前記位相反転膜40は、波長193nmの光に対して約3%~約10%の透過率を有していてもよい。前記位相反転膜40は、波長193nmの光に対して約4%~約8%の透過率を有していてもよい。斯かる場合、前記位相反転膜40が含まれたフォトマスク200の解像度が向上し得る。
【0132】
前記位相反転膜40は、遷移金属及びケイ素を含んでいてもよい。前記位相反転膜40は、遷移金属、ケイ素、酸素、及び窒素を含んでいてもよい。前記遷移金属は、モリブデンであってもよい。
【0133】
前記遮光膜30上にハードマスク(不図示)が位置していてもよい。前記ハードマスクは、遮光膜30のパターンのエッチングに際して、エッチングマスク膜としての働きをすることができる。ハードマスクは、ケイ素、窒素及び酸素を含んでいてもよい。
【0134】
前記光学基板10の製造方法は、前記光透過成膜上に前記遮光膜30が形成される段階を含む。前記遮光膜30は、スパッタリング工程によって形成されていてもよい。
【0135】
前記スパッタリング工程が行われた後、熱処理工程を行うことができる。
【0136】
前記熱処理段階は、約200℃~約400℃の温度で行うことができる。
【0137】
前記熱処理段階は、約5分~約30分間行うことができる。
【0138】
また、前記光学基板10の製造方法は、前記熱処理工程を経た遮光膜30を冷却させる段階を更に含んでいてもよい。
【0139】
前記スパッタリングターゲットは、形成しようとする遮光膜30の組成を考慮して選択することができる。前記スパッタリングターゲットは、遷移金属を含有する1つのターゲットを適用することができる。スパッタリングターゲットは、遷移金属を含有する1つのターゲットを含み、2つ以上のターゲットを適用することができる。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を90atom%以上で含んでいてもよい。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を95atom%以上で含んでいてもよい。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を99atom%で含んでいてもよい。
【0140】
前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti、及びHfのうち少なくともいずれかを含んでいてもよい。遷移金属は、Crを含んでいてもよい。
【0141】
前記雰囲気ガスは、不活性ガス、反応性ガス、及びスパッタリングガスを含んでいてもよい。前記不活性ガスは、成膜した薄膜を構成する元素を含まないガスである。反応性ガスは、成膜した薄膜を構成する元素を含むガスである。
【0142】
前記スパッタリングガスは、プラズマ雰囲気でイオン化して、ターゲットと衝突するガスである。前記不活性ガスは、ヘリウムを含んでいてもよい。
【0143】
前記反応性ガスは、窒素元素を含むガスを含んでいてもよい。前記窒素元素を含むガスは、例示としてN2、NO、NO2、N2O、N2O3、N2O4またはN2O5などであってもよい。反応性ガスは、酸素元素を含むガスを含んでいてもよい。
【0144】
前記酸素元素を含むガスは、例示としてO2であってもよい。反応性ガスは、窒素元素を含むガスと、酸素元素を含むガスとを含んでいてもよい。前記反応性ガスは、窒素元素と酸素元素をいずれも含むガスを含んでいてもよい。前記窒素元素と酸素元素をいずれも含むガスは、例示としてNO、NO2、N2O、N2O3、N2O4またはN2O5などであってもよい。
【0145】
また、前記炭素及び酸素を含む反応性ガスは、CO2であってもよい。
【0146】
前記スパッタリングガスは、Arガスであってもよい。
【0147】
前記スパッタリングのターゲットに電力を加える電源は、DC電源を用いることができ、RF電源を用いることもできる。
【0148】
その後、前記冷却した遮光膜30は、洗浄することができる。前記洗浄工程は、紫外線の照射工程及び/またはリンス工程を含んでいてもよい。
【0149】
前記紫外線の照射工程は、前記遮光膜30に紫外線を照射する段階を含んでいてもよい。
【0150】
前記リンス工程は、前記遮光膜30に洗浄液を処理する段階を含む。前記洗浄液は、脱イオン水、水素水、オゾン水または炭酸水のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。前記洗浄液は、前記炭酸水を含んでいてもよい。
【0151】
前記光学基板10は、前記チャンバ100内に配置されていてもよい。前記光学基板10は、前記チャック200に臨時固定されていてもよい。前記光学基板10は、前記収容部内に配置されていてもよい。前記光学基板10は、前記チャック200に安着していてもよい。
【0152】
図13に示されたように、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光学基板10上にフォトレジスト層50を形成する段階を含む。
【0153】
前記フォトレジスト層50が形成されるために、前記チャンバ100の蓋によって、前記チャンバ100の内部は、外部と隔離される。その後、前記チャック200が高速回転される状態で、前記フォトレジスト樹脂組成物の供給部500によって、前記光学基板10の上面に前記フォトレジスト樹脂組成物がドロップして、コートされる。これによって、前記光学基板10上にフォトレジスト樹脂組成物層が形成されていてもよい。
【0154】
実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光学基板10の側面12と前記チャック200との間の空間から、前記フォトレジスト層50を形成する過程で発生する工程副産物511を前記圧縮空気によって排出する段階を含む。
【0155】
前記光学基板10上に前記フォトレジスト樹脂組成物がコートされるとき、前記第1エアポンプ300は、前記副産物の除去部230に前記圧縮空気を供給することができる。これによって、前記光学基板10の側面12と前記チャック200との間の空間250から前記工程副産物511を除去することができる。すなわち、前記光学基板10の側面12と前記ガイド部220との間の空間250から、前記工程副産物511が前記副産物の除去部230によって排出されていてもよい。
【0156】
前記光学基板10上に前記フォトレジスト樹脂組成物がコートされるとき、前記真空部300は、前記副産物の除去部230に前記真空圧を印加することができる。これによって、前記光学基板10の側面12と前記チャック200との間の空間250から前記工程副産物511を除去することができる。すなわち、前記光学基板10の側面12と前記ガイド部220との間の空間250から、前記工程副産物511が前記副産物の除去部230によって排出されていてもよい。
【0157】
前記工程副産物511を除去する段階と、前記チャック200によって前記光学基板10を高速回転させる段階は、同時に行うことができる。すなわち、前記フォトレジスト層50を形成するための工程と、前記工程副産物511を排出するための工程は、同時に行うことができる。
【0158】
前記フォトレジスト樹脂組成物は、バインダー樹脂、感光性樹脂、及び有機溶剤を含んでいてもよい。
【0159】
前記バインダー樹脂の例では、ノボラック樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂またはポリイミド系樹脂などが挙げられる。前記バインダー樹脂の例では、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrolidone)またはポリ(アクリルアミド-コ-ジアセトンアクリルアミド)[poly(acrylamide-co-diacetoneacrylamide)]などが挙げられる。
【0160】
前記感光性樹脂は、感光剤を含んでいてもよい。
【0161】
前記感光剤の例では、4,4'-ジアジド-2,2'-スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩、4,4'-ジアゾ-2,2'-ジベンジリデンアセトンジスルホン酸二ナトリウム塩、2,5-ビス(4-アジド-2-スルホベンジリデン)シクロペンタノン二ナトリウム塩、または4,4'-ジアジド-2,2'-スチルベンジスルホン酸ナトリウム塩(4,4'-diazido-2,2'-dicinnamylideneacetone sulfonate salt,DACA)からなるグループから少なくとも1つ以上を選択することができる。
【0162】
前記溶媒は、エチルアセテート、ブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート(EEP)、エチルラクテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、ジエチレングリコールメチルアセテート、ジエチレングリコールエチルアセテート、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、γ-ブチロラクトン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジグリム(Diglyme)、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、エタノ-ル、プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、及びオクタンからなるグループから少なくとも1つ以上を選択することができる。
【0163】
前記フォトレジスト樹脂組成物は、前記バインダー樹脂を約3wt%~約50 wt%の含量で含み、前記感光剤を約2wt%~約40wt%の含量で含み、前記溶媒を約10wt%~約94wt%の含量で含んでいてもよい。
【0164】
前記フォトレジスト樹脂組成物は、レベリング剤または接着補助剤などのような添加剤を更に含んでいてもよい。
【0165】
これによって、前記光学基板10上に形成されたフォトレジスト樹脂組成物層が乾燥して、前記溶媒が除去される。これによって、
図13に示したように、前記光学基板10上に前記フォトレジスト層50が形成されていてもよい。これによって、前記光学基板10及び前記フォトレジスト層50を含むブランクマスクを製造することができる。
【0166】
前記フォトレジスト層50に光が選択的に照射して、前記遮光膜は、選択的にエッチングされ、遮光パターン膜35が形成されていてもよい。
【0167】
図14に示されたように、前記光透過性基板20及び前記光透過性基板20上に配置される前記遮光パターン膜35を含むフォトマスク2が形成されていてもよい。
【0168】
前記遮光パターン膜35は、遷移金属、酸素及び窒素の少なくともいずれかを含む。
【0169】
前記遮光パターン膜35は、前述したブランクマスク100の遮光膜30をパターニングして形成されていてもよい。
【0170】
前記遮光パターン膜35の物性、組成及び構造などに関する説明は、ブランクマスク1の遮光膜30に関する説明と重複するため、省略する。
【0171】
実施例による半導体素子の製造方法は、光源、フォトマスク2及びレジスト膜が塗布された半導体ウエハを配置する準備段階と、前記フォトマスク2を介して前記光源から入射した光を、前記半導体ウエハ上に選択的に透過させて出射する露光段階と、前記半導体ウエハ上にパターンを現像する現像段階と、を含む。
【0172】
前記フォトマスク2は、光透過性基板20と、前記光透過性基板20上に配置される遮光パターン膜35とを含む。
【0173】
前記遮光パターン膜35は、遷移金属、酸素、窒素、及び炭素のうち少なくともいずれかを含む。
【0174】
前記準備段階において、光源は、短波長の露光光を発生させる装置である。露光光は、波長200nm以下の光であってもよい。露光光は、波長193nmであるArF光であってもよい。
【0175】
前記フォトマスク2と半導体ウエハとの間にレンズがさらに配置されていてもよい。レンズは、フォトマスク2上の回路パターンの形状を縮小して、半導体ウエハ上に転写する働きをする。レンズは、ArF半導体ウエハの露光工程に一般に適用できるものであれば、限定されない。例示として、前記レンズは、フッ化カルシウム(CaF2)からなるレンズを適用することができる。
【0176】
前記露光段階において、フォトマスク2を介して半導体ウエハ上に露光光を選択的に透過させることができる。斯かる場合、レジスト膜のうち露光光が入射した部分における化学的変性が発生し得る。
【0177】
前記現像段階において、露光段階を終えた半導体ウエハを現像溶液で処理して、半導体ウエハ上にパターンを現像することができる。塗布されたレジスト膜がポジ型レジスト(positive resist)である場合、レジスト膜のうち露光光が入射した部分は、現像溶液によって溶解し得る。塗布されたレジスト膜がネガ型レジスト(negative resist)である場合、レジスト膜のうち露光光が入射していない部分は、現像溶液によって溶解し得る。現像溶液による処理によってレジスト膜は、レジストパターンに形成される。前記レジストパターンをマスクとして、半導体ウエハ上にパターンを形成することができる。
【0178】
前記フォトマスク2に関する説明は、上記内容と重複するため、省略する。
【0179】
実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光透過性基板20の側面12に前記飛沫の吸着51を最小化することができる。また、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光透過性基板20の下面13に前記飛沫の吸着52を最小化することができる。すなわち、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光透過性基板20の側面12及び/または下面13に、前記飛沫によって形成される飛沫状の吸着51,52を最小化することができる。
【0180】
これによって、前記飛沫状の吸着51は、前記光透過性基板20の側面12で存在しないことがある。また、前記飛沫状の吸着52は、前記光透過性基板20の下面13で存在していなくてもよい。すなわち、前記飛沫状の吸着51,52は、前記光透過性基板20の側面12及び下面13で0個であってもよい。
【0181】
これとは異なり、
図15~
図16に示されたように、前記飛沫状の吸着51は、前記光透過性基板20の側面12上に形成されていてもよい。
【0182】
前記飛沫状の吸着51は、前記光透過性基板20の側面12に液状の飛沫が吸着して形成されていてもよい。前記液状の飛沫は、前述した微細粒子であってもよい。すなわち、前記フォトレジスト組成物が微細粒子に飛散して、前記光透過性基板20の側面12に蒸着し、前記飛沫状の吸着51が形成されていてもよい。
【0183】
また、
図17に示されたように、前記飛沫状の吸着52は、前記光透過性基板20の下面13に形成されていてもよい。
【0184】
前記飛沫状の吸着52は、前記光透過性基板20の下面13に前記液状の飛沫が吸着して形成されていてもよい。すなわち、前記フォトレジスト組成物が微細粒子に飛散して、前記光透過性基板20の下面に蒸着し、前記飛沫状の吸着52が形成されていてもよい。
【0185】
前記飛沫状の吸着51,52は、前記フォトレジスト組成物を含む。前記フォトレジスト層と実質的に同じ物質を含んでいてもよい。
【0186】
前記飛沫状の吸着51,52は、曲面を有していてもよい。前記飛沫状の吸着51,52は、前記吸着した面に対して、反対面に曲面が形成されていてもよい。
【0187】
前記飛沫状の吸着51,52は、島状を有していてもよい。前記飛沫状の吸着51,52の直径(DA)は、約0.01μm~約10μmであってもよい。
【0188】
前記光透過性基板20の側面12において、前記飛沫状の吸着51の個数は、約4個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12において、前記飛沫状の吸着51の個数は、約3個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12における前記飛沫状の吸着51の個数は、約2.5個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12における前記飛沫状の吸着51の個数は、約2個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12における前記飛沫状の吸着51の個数は、約1.5個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12における前記飛沫状の吸着51の個数は、約1個/cm2未満であってもよい。
【0189】
前記光透過性基板20の側面12における前記飛沫状の吸着51の個数の最小値は、約0.005個/cm2であってもよい。
【0190】
前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数は、約5個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数は、約4個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数は、約3.5個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数は、約3個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数は、約2.5個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数は、約2個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数は、約1.5個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数は、約1個/cm2未満であってもよい。
【0191】
前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52の個数の最小値は、約0.005個/cm2であってもよい。
【0192】
前記飛沫状の吸着51,52は、約0.01μm以上かつ約0.04μm未満の直径を有する第1飛沫状の吸着を含んでいてもよい。
【0193】
前記光透過性基板20の側面12における前記第1飛沫状の吸着の個数は、約2個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12における前記第1飛沫状の吸着の個数は、約1.8個/cm2未満であってもよい。
【0194】
前記光透過性基板20の側面12における前記第1飛沫状の吸着の個数の最小値は、約0.005個/cm2であってもよい。
【0195】
前記光透過性基板20の下面13における前記第1飛沫状の吸着の個数は、約2.5個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記第1飛沫状の吸着の個数は、約2個/cm2未満であってもよい。
【0196】
前記光透過性基板20の下面13における前記第1飛沫状の吸着の個数の最小値は、約0.005個/cm2であってもよい。
【0197】
前記飛沫状の吸着51,52は、約0.04μm以上かつ約0.3μm未満の直径を有する第2飛沫状の吸着を含んでいてもよい。
【0198】
前記光透過性基板20の側面12における前記第2飛沫状の吸着の個数は、約1個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12における前記第2飛沫状の吸着の個数は、約0.5個/cm2未満であってもよい。
【0199】
前記光透過性基板20の側面12における前記第2飛沫状の吸着の個数の最小値は、約0.005個/cm2であってもよい。
【0200】
前記光透過性基板20の下面13における前記第2飛沫状の吸着の個数は、約1個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記第2飛沫状の吸着の個数は、約0.5個/cm2未満であってもよい。
【0201】
前記光透過性基板20の下面13における前記第2飛沫状の吸着の個数の最小値は、約0.005個/cm2であってもよい。
【0202】
前記飛沫状の吸着51,52は、約0.3μm以上かつ約3μm未満の直径を有する第3飛沫状の吸着を含んでいてもよい。
【0203】
前記光透過性基板20の側面12における前記第3飛沫状の吸着の個数は、約1個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12における前記第3飛沫状の吸着の個数は、約0.5個/cm2未満であってもよい。
【0204】
前記光透過性基板20の側面12における前記第3飛沫状の吸着の個数の最小値は、約0個/cm2であってもよい。
【0205】
前記光透過性基板20の下面13における前記第3飛沫状の吸着の個数は、約1個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記第3飛沫状の吸着の個数は、約0.5個/cm2未満であってもよい。
【0206】
前記光透過性基板20の下面13における前記第3飛沫状の吸着の個数の最小値は、約0個/cm2であってもよい。
【0207】
前記飛沫状の吸着51,52は、約3μm以上かつ約10μm未満の直径を有する第4飛沫状の吸着を含んでいてもよい。
【0208】
前記光透過性基板20の側面12における前記第4飛沫状の吸着の個数は、約1個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の側面12における前記第4飛沫状の吸着の個数は、約0.5個/cm2未満であってもよい。
【0209】
前記光透過性基板20の側面12における前記第4飛沫状の吸着の個数の最小値は、約0個/cm2であってもよい。
【0210】
前記光透過性基板20の下面13における前記第4飛沫状の吸着の個数は、約1個/cm2未満であってもよい。前記光透過性基板20の下面13における前記第4飛沫状の吸着の個数は、約0.5個/cm2未満であってもよい。
【0211】
前記光透過性基板20の下面13における前記第4飛沫状の吸着の個数の最小値は、約0個/cm2であってもよい。
【0212】
実施例によるブランクマスクは、上記のように、前記飛沫状の吸着51,52を最小化するため、光学的歪みを最小化することができる。特に、実施例によるブランクマスクは、上記のように、相対的に大きな飛沫状の吸着を最小化するため、光学的歪みをさらに最小化することができる。
【0213】
実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記フォトレジスト層を形成する段階で発生する飛沫を除去する段階を含む。これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光透過性基板20の側面12及び/または下面13が、前記飛沫などのような工程副産物によって汚染することを防止することができる。
【0214】
特に、実施例によるブランクマスクの製造方法は、圧縮空気または真空圧を用いて、前記フォトレジスト層を形成するためフォトレジスト組成物から飛散する飛沫を前記光透過性基板20の側面12から除去することができる。
【0215】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記飛沫が前記光透過性基板20の側面12及び下面13に吸着することを効果的に防止することができる。
【0216】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、光透過性基板20の側面12における飛沫状の吸着51が3個/cm2未満であるブランクマスクを提供することができる。また、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記光透過性基板20の下面13における前記飛沫状の吸着52が4個/cm2未満であるブランクマスクを提供することができる。
【0217】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記飛沫状の吸着51,52による光学的歪みを最小化することができる。これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、向上した光学的性能を有することができる。
【0218】
また、実施例によるブランクマスクの製造方法は、上記のように、前記飛沫状の吸着51,52を抑制するため、前記光透過性基板20の側面12及び下面13に吸着した飛沫を除去するための追加工程を用いない。
【0219】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記飛沫状の吸着を除去するための追加工程によって、前記フォトレジスト層が損傷することを防止することができる。
【0220】
実施例によるブランクマスクは、前記光透過性基板20の側面12及び下面13における前記飛沫状の吸着51,52の個数が少ないため、光学的歪みを最小化することができ、向上した光学的性能を有することができる。
【0221】
以上では、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、下記の請求範囲に定義する本発明の基本概念を利用した、当業者による様々な変形及び改良形態も、本発明の権利範囲に属するものである。
【0222】
実施例1
レジストコートは、FEP171(FUJIFILM Arch Co,Ltd製)8.5%溶液を用いて行われた。FEP171は、陽電子ビームレジストであり、溶液の溶媒は、8対2の割合のPGMEA(propylene glycolmonomethly ether acetate)と、PGME(propylene glycol monomethyl ether)との混合溶液である。
【0223】
約6インチ×約6インチのサイズを有する石英基板が使用され、前記石英基板は、0.25インチの厚さを有する。前記石英基板は、支持部上に、ガイド部の内側に安着した。前記ガイド部と前記石英基板との間の間隔は、0.5mmであり、前記ガイド部と前記石英基板との高さ差は、0.5mmであった。
【0224】
また、前記支持部の外郭に沿って約1mmの直径を有する貫通孔が約25mmのピッチに配置される。前記貫通孔を介して、約3ml/秒の速度で圧縮空気が継続して噴射されている。
【0225】
前記石英基板上に前記FEP171溶液がドロップされた後、主な回転速度は、約750rpm~約1750rpmの範囲内における250rpm間隔(5個条件)で段階的に変化し、主な回転時間は、1~5秒の範囲内における1秒間隔(5個条件)で段階的に変化した。乾燥回転速度は、300rpmと固定された。
【0226】
これによって、フォトレジスト層が形成された光学基板が製造された。
【0227】
実施例2~5及び比較例
下記の表1のように、圧縮空気の速度が調節されている。他の工程は、実施例1を参照している。
【0228】
【0229】
評価例
1.飛沫状の吸着の個数
実施例及び比較例で製造された光学基板における前記石英基板の側面及び下面において、光学式表面検査装備(LASERTEC社のM6641S)によって、飛沫状の吸着の個数が測定されている。
【0230】
前記石英基板の側面において、粒径別に、前記飛沫状の吸着の個数が下記の表2のように導出されている。
【0231】
【0232】
前記石英基板の下面において、粒径別に、前記飛沫状の吸着の個数が下記の表2のように導出されている。
【0233】
【0234】
上記表2及び表3のように、実施例による光学基板において、飛沫状の吸着の個数は、非常に少なく、エッジビードは、ほとんどなかった。
【符号の説明】
【0235】
100 チャンバ
200 チャック
300 第1エアポンプ
400 排気部
500 フォトレジスト樹脂組成物の供給部
600 第2エアポンプ
610 エアスイープ部