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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153599
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】ブランクマスク及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/54 20120101AFI20241022BHJP
   G03F 1/32 20120101ALI20241022BHJP
   G03F 1/82 20120101ALI20241022BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241022BHJP
   G03F 1/58 20120101ALI20241022BHJP
【FI】
G03F1/54
G03F1/32
G03F1/82
H01L21/304 647Z
G03F1/58
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066246
(22)【出願日】2024-04-16
(31)【優先権主張番号】10-2023-0050359
(32)【優先日】2023-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】505232852
【氏名又は名称】エスケー エンパルス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SK enpulse Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1043,Gyeonggi-daero,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do 17784, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、テワン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ゴンゴン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ミンギョ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒョンジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、テヨン
【テーマコード(参考)】
2H195
5F157
【Fターム(参考)】
2H195BA02
2H195BA07
2H195BB03
2H195BB19
2H195BB35
2H195BC05
2H195BC11
5F157AA44
5F157AA45
5F157BB01
5F157BE42
5F157DA43
(57)【要約】      (修正有)
【課題】欠陥の発生が少なく、向上した使用回数を有し、高い精密度を有するフォトマスクを製造するブランクマスク及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ブランクマスク100は、光透過性基板10と、光透過性基板上に位置する遮光膜20とを含む。ブランクマスクの製造方法は、光透過性基板上に遮光膜を形成する段階と、遮光膜を洗浄液に洗浄する段階とを含み、洗浄段階における遮光膜の厚さ変化は、15nm未満である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性基板上に遮光膜を形成する段階と、
前記遮光膜を洗浄液で洗浄する段階と、
を含み、
上記洗浄段階における前記遮光膜の厚さ変化は、15nm未満である、
ブランクマスクの製造方法。
【請求項2】
前記光透過性基板上に位相反転膜を形成する段階を更に含み、
前記遮光膜は、前記位相反転膜上に形成される、
請求項1に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項3】
全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.1ng/cm未満であり、窒素系イオンの含量は、3ng/cm未満であり、硫黄系イオンの含量は、0.1ng/cm未満である、
請求項1に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項4】
前記ハロゲンイオンは、塩素系イオンを含み、前記窒素系イオンは、亜硝酸イオン、窒酸イオン及びアンモニアを含み、前記硫黄系イオンは、硫酸イオンを含む、
請求項3に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項5】
前記洗浄液は、炭酸水を含む、
請求項1に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項6】
上記洗浄段階における前記遮光膜の透過率変化は、0.05%未満である、
請求項5に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項7】
上記洗浄段階における前記遮光膜の光学密度変化は、0.07未満である、
請求項6に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項8】
上記洗浄段階における前記遮光膜の反射率変化は、0.5%未満である、
請求項7に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項9】
上記洗浄段階における前記遮光膜の厚さ変化は、0.3nm~3nmである、
請求項1に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項10】
前記遮光膜は、
前記光透過性基板上に配置される第1遮光層と、
前記第1遮光層上に配置される第2遮光層と、
を含み、
前記第2遮光層は、20atom%~40atom%の含量で窒素元素、30atom%~50atom%の含量でクロム元素、及び20atom%~40atom%の含量で酸素元素を含む、
請求項9に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項11】
前記第1遮光層は、10atom%~30atom%の含量で窒素元素、60atom%~90atom%の含量でクロム元素、及び0.5atom%~10atom%の含量で酸素元素を含む、
請求項10に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項12】
前記第2遮光層は、5atom%未満の含量で炭素元素を含む、
請求項10に記載のブランクマスクの製造方法。
【請求項13】
光透過性基板と、
前記光透過性基板上に配置される遮光膜と、
を含み、
全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.05ng/cm未満であり、窒素系イオンの含量は、2ng/cm未満であり、硫黄系イオンの含量は、0.1ng/cm未満である、
ブランクマスク。
【請求項14】
下記の測定方法で測定される遮光膜の厚さ変化は、15nm未満である、
請求項13に記載のブランクマスク。
[測定方法]
2000mg/lの炭酸濃度を有する炭酸水に10分間、前記遮光膜が浸漬し、前記遮光膜の厚さ変化は、前記遮光膜における浸漬前の厚さと浸漬後の厚さとの差である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は、ブランクマスク及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスなどの高集積化により、半導体デバイスの回路パターンの微細化が求められている。これにより、ウエハの表面上にフォトマスクを用いて回路パターンを現像する技術である、リソグラフィ技術の重要性がさらに強調されている。
【0003】
微細化した回路パターンを現像するためには、露光工程で使用される露光光源の短波長化が要求される。近年、使用される露光光源では、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などがある。
【0004】
一方、フォトマスクには、バイナリマスク(Binary mask)と位相シフトマスク(Phase shift mask)などがある。
【0005】
バイナリマスクは、光透過性基板上に遮光層パターンが形成された構成を有する。バイナリマスクは、パターンが形成された面において、遮光層を含まない透過部は、露光光を透過させ、遮光層を含む遮光部は、露光光を遮断することによって、ウエハの表面のレジスト膜上にパターンを露光させる。但し、バイナリマスクは、パターンが微細化するほど、露光工程で透過部の縁で発生する光の回折によって、微細パターンの現像に問題が発生し得る。
【0006】
位相シフトマスクでは、レベンソン型(Levenson type)、アウトリガー型(Outrigger type)、ハーフトーン型(Half-tone type)がある。そのうち、ハーフトーン型の位相シフトマスクは、光透過性基板10上に、半透過膜で形成されたパターンが形成された構成を有する。ハーフトーン型の位相シフトマスクは、パターンが形成された面において、半透過層を含まない透過部は、露光光を透過させ、半透過層を含む半透過部は、減衰した露光光を透過させる。前記減衰した露光光は、透過部を通過した露光光に比べて位相差を有するようになる。これにより、透過部の縁で発生する回折光は、半透過部を透過した露光光によって相殺して、位相シフトマスクは、ウエハの表面にさらに精巧かつ微細なパターンを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
これに関連する先行文献は、次のとおりである。
【特許文献1】韓国公開特許第10-2012-0057488号
【特許文献2】韓国公開特許第10-2014-0130420号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施例は、欠陥の発生が少なく、向上した使用回数を有し、高い精密度を有するフォトマスクを提供することができる、ブランクマスク及びその製造方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施例によるブランクマスクの製造方法は、光透過性基板上に遮光膜を形成する段階と、前記遮光膜を洗浄液で洗浄する段階とを含み、上記洗浄段階における前記遮光膜の厚さ変化は、15nm未満であってもよい。
【0010】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記光透過性基板上に位相反転膜を形成する段階を更に含み、前記遮光膜は、前記位相反転膜上に形成されていてもよい。
【0011】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記ブランクマスクの全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.1ng/cm未満であり、窒素系イオンの含量は、3ng/cm未満であり、硫黄系イオンの含量は、0.1ng/cm未満であってもよい。
【0012】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記ハロゲンイオンは、塩素系イオンを含み、前記窒素系イオンは、亜硝酸イオン、窒酸イオン及びアンモニアを含み、前記硫黄系イオンは、硫酸イオンを含んでいてもよい。
【0013】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記洗浄液は、炭酸水を含んでいてもよい。
【0014】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、上記洗浄段階における前記遮光膜の透過率変化は、0.05%未満であってもよい。
【0015】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、上記洗浄段階における前記遮光膜の光学密度変化は、0.07未満であってもよい。
【0016】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、上記洗浄段階における前記遮光膜の反射率変化は、0.5%未満であってもよい。
【0017】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、上記洗浄段階における前記遮光膜の厚さ変化は、0.3nm~3nmであってもよい。
【0018】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記遮光膜は、前記光透過性基板上に配置される第1遮光層と、前記第1遮光層上に配置される第2遮光層とを含み、前記第2遮光層は、20atom%~40atom%の含量で窒素元素、30atom%~50atom%の含量でクロム元素、及び20atom%~40atom%の含量で酸素元素を含んでいてもよい。
【0019】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記第1遮光層は、10atom%~30atom%の含量で窒素元素、60atom%~90atom%の含量でクロム元素、及び0.5atom%~10atom%の含量で酸素元素を含んでいてもよい。
【0020】
一実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記第2遮光層は、5atom%未満の含量で炭素元素を含んでいてもよい。
【0021】
実施例によるブランクマスクは、光透過性基板と、前記光透過性基板上に配置される遮光膜とを含み、全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.05ng/cm未満であり、窒素系イオンの含量は、2ng/cm未満であり、硫黄系イオンの含量は、0.1ng/cm未満であってもよい。
【0022】
一実施例によるブランクマスクにおいて、下記の測定方法で測定される遮光膜の厚さ変化は、15nm未満であってもよい。
【0023】
[測定方法]
2000mg/lの炭酸濃度を有する炭酸水に10分間、前記遮光膜が浸漬し、前記遮光膜の厚さ変化は、前記遮光膜における浸漬前の厚さと浸漬後の厚さとの差である。
【0024】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記遮光膜の透過率変化は、0.05%未満であり、前記遮光膜の光学密度変化は、0.07未満であり、前記遮光膜の反射率変化は、0.5%未満であり、前記透過率変化は、前記遮光膜における浸漬前の透過率と浸漬後の透過率との差であり、前記光学密度変化は、前記遮光膜における浸漬前の光学密度と浸漬後の光学密度との差であり、前記反射率変化は、前記遮光膜における浸漬前の反射率と浸漬後の反射率との差であってもよい。
【0025】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記遮光膜は、前記光透過性基板上に配置される第1遮光層と、前記第1遮光層上に配置される第2遮光層とを含み、前記第2遮光層は、20atom%~40atom%の含量で窒素元素、30atom%~50atom%の含量でクロム元素、及び20atom%~40atom%の含量で酸素元素を含んでいてもよい。
【0026】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記第1遮光層は、10atom%~30atom%の含量で窒素元素、60atom%~90atom%の含量でクロム元素、及び0.5atom%~10atom%の含量で酸素元素を含んでいてもよい。
【0027】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記遮光膜の厚さ変化は、0.3nm~3nmであってもよい。
【0028】
一実施例によるブランクマスクにおいて、前記遮光膜の厚さ変化は、0.1nm~1nmであってもよい。
【0029】
実施例によるフォトマスクは、光透過性基板と、前記光透過性基板上に配置される遮光膜とを含み、全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.05ng/cm未満であり、窒素系イオンの含量は、2ng/cm未満であり、硫黄系イオンの含量は、0.1ng/cm未満であってもよい。
【発明の効果】
【0030】
実施例によるブランクマスクの製造方法は、洗浄段階における厚さ変化を最小化する。また、実施例によるブランクマスクの製造方法は、洗浄段階における透過率変化を最小化することができる。実施例によるブランクマスクの製造方法は、上記洗浄段階における光学密度変化を最小化することができる。実施例によるブランクマスクの製造方法は、上記洗浄段階における反射率変化を最小化することができる。
【0031】
これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、表面におけるイオン濃度が低くてもよい。実施例によるブランクマスクの表面におけるハロゲンイオン、窒素系イオン及び硫黄系イオン濃度は、低くてもよい。
【0032】
実施例によるブランクマスクの製造方法において、前記洗浄液は、炭酸水を含んでいてもよい。これによって、実施例によるブランクマスクの製造方法は、前記洗浄段階における前記厚さ変化、前記透過率変化、前記光学密度変化、前記反射率変化を最小化しつつ、前記ハロゲンイオン、前記窒素イオン及び前記硫黄系イオン濃度を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】一実施例によるブランクマスクの一断面を示した断面図である。
図2】他の実施例によるブランクマスクの一断面を示した断面図である。
図3】さらに他の実施例によるブランクマスクの一断面を示した断面図である。
図4】一実施例によるフォトマスクの一断面を示した断面図である。
図5】実施例によるブランクマスクが洗浄される過程を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、具現例の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、実施例について詳説する。しかしながら、具現例は、互いに異なる様々な形態に具現され得、ここで説明する実施例に限定されない。
【0035】
本明細書で使われる程度の用語「約」、「実質的に」などは、言及された意味に固有な製造及び物質の許容誤差が提示されるとき、その数値における、またはその数値に近い意味に使われ、具現例を理解するために正確あるいは絶対的な数値が言及された開示の内容が、非良心的な侵害者によって不当に利用されることを防止するために使われる。
【0036】
本明細書の全体において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」の用語は、マーカッシュ形式の表現に記載の構成要素からなる群から選択される1つ以上の混合または組み合わせを意味するものであって、上記構成要素からなる群から選択される1つ以上を含むことを意味する。
【0037】
本明細書の全体において、「A及び/またはB」の記載は、「A、B、または、A及びB」を意味する。
【0038】
本明細書の全体において、「第1」、「第2」または「A」、「B」のような用語は、特に説明がない限り、同じ用語を互いに区別するために使われる。
【0039】
本明細書において、A上にBが位置するという意味は、A上にBが位置するか、その間に他の層が位置しつつA上にBが位置するか、位置してもよいことを意味し、Aの表面に当接してBが位置することに限定して解釈されない。
【0040】
本明細書における単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上に解釈される単数または複数を含む意味に解釈される。
【0041】
図1は、一実施例によるブランクマスクの一断面を示した断面図である。図2は、他の実施例によるブランクマスクの一断面を示した断面図である。図3は、さらに他の実施例によるブランクマスクの一断面を示した断面図である。図4は、一実施例によるフォトマスクの一断面を示した断面図である。図5は、実施例によるブランクマスクが洗浄される過程を示した図である。
【0042】
実施例によるブランクマスク100は、光透過性基板10と、前記光透過性基板10上に位置する遮光膜20とを含む。
【0043】
前記光透過性基板10は、露光光に対する光透過性を有していてもよい。前記光透過性基板10は、約193nmの波長の露光光に対して、約85%超の透過率を有していてもよい。前記光透過性基板20の透過率は、約87%超であってもよい。前記光透過性基板10の透過率は、99.99%未満であってもよい。前記光透過性基板10は、合成石英基板を含んでいてもよい。斯かる場合、前記光透過性基板10は、透過する光の減衰(attenuated)を抑制することができる。
【0044】
前記光透過性基板10は、適宜な平坦度及び適宜な照度などの表面特性を有するため、透過する光の歪みを抑制することができる。
【0045】
前記遮光膜20は、光透過性基板10の上面(top side)上に配置されていてもよい。
【0046】
前記遮光膜20は、光透過性基板10の下面(bottom side)側に入射する露光光を少なくとも選択的に遮断することができる。
【0047】
また、図2に示したように、前記光透過性基板10と前記遮光膜20との間に位相反転膜30などが配置される場合、前記遮光膜20は、前記位相反転膜30などをパターンの形状どおりにエッチングする工程でエッチングマスクとして使用することができる。
【0048】
前記遮光膜20は、遷移金属、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0049】
前記遮光膜20は、クロム、酸素、窒素、及び炭素を含んでいてもよい。全体遮光膜20に対する元素別含量は、厚さ方向に互いに異なっていてもよい。全体遮光膜20に対する元素別含量は、複数層の遮光膜20である場合、層別に互いに異なっていてもよい。
【0050】
前記遮光膜20は、クロムを約44atom%~約60atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜20は、クロムを約47atom%~約57atom%の含量で含んでいてもよい。
【0051】
前記遮光膜20は、炭素を約5atom%~30atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜20は、炭素を約7atom%~約25%atom%の含量で含んでいてもよい。
【0052】
前記遮光膜20は、窒素を約3atom%~約20atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜20は、窒素を約5atom%~約15atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜20は、酸素を約20atom%~約45atom%の含量で含んでいてもよい。前記遮光膜20は、酸素を約25atom%~約40atom%の含量で含んでいてもよい。
【0053】
前記遮光膜20の上部は、約6atom%~約16atom%の含量で窒素元素、約26atom%~約46atom%の含量でクロム元素、約37atom%~約47atom%の含量で酸素元素、及び約4atom%~約14atom%の含量で炭素元素を含んでいてもよい。
【0054】
前記遮光膜20の上部は、約16atom%~約26atom%の含量で窒素元素、約28atom%~約40atom%の含量でクロム元素、約27atom%~約37atom%の含量で酸素元素、及び約3atom%~約13atom%の含量で炭素元素を含んでいてもよい。
【0055】
前記遮光膜20の上部は、約18atom%~約27atom%の含量で窒素元素、約35atom%~約41atom%の含量でクロム元素、約31atom%~約41atom%の含量で酸素元素、及び約1atom%~約4atom%の含量で炭素元素を含んでいてもよい。
【0056】
前記遮光膜20の上部は、前記遮光膜20の上面から前記遮光膜20の全体厚を基準に1/8の深さまでと定義することができる。すなわち、前記遮光膜20の全体厚を8としたとき、前記遮光膜20の上部は、前記遮光膜20の上面から1の深さまでを意味する。
【0057】
また、前記遮光膜20の上部における前記窒素元素の含量は、徐々に増加し得る。前記遮光膜20の上部における前記窒素元素の含量は、約15atom%~約25atom%のいずれかから徐々に増加し得る。このとき、前記遮光膜20の上部における前記窒素元素の含量の最小値と最大値との差は、約3atom%~約8atom%であってもよい。
【0058】
また、前記遮光膜20の上部における前記クロム元素の含量は、徐々に増加すし得る。前記遮光膜20の上部における前記クロム元素の含量は、約30atom%~約40atom%のいずれかから徐々に増加し得る。このとき、前記遮光膜20の上部における前記クロム元素の含量の最小値と最大値との差は、約3atom%~約8atom%であってもよい。
【0059】
また、前記遮光膜20の上部における前記炭素元素の含量は、徐々に減少し得る。前記遮光膜20の上部における前記炭素元素の含量は、約1atom%~約7atom%のいずれかから徐々に減少し得る。このとき、前記遮光膜20の上部における前記炭素元素の含量の最小値と最大値との差は、約0.5atom%~約5atom%であってもよい。
【0060】
また、前記遮光膜20の上部における前記酸素元素の含量は、徐々に減少し得る。前記遮光膜20の上部における前記酸素元素の含量は、約35atom%~約45atom%のいずれかから徐々に減少し得る。このとき、前記遮光膜20の上部における前記酸素元素の含量の最小値と最大値との差は、約4atom%~約14atom%であってもよい。
【0061】
斯かる場合、前記遮光膜20は、十分な消光特性を有することができる。
【0062】
図3に示したように、前記遮光膜20は、第1遮光層21と、前記第1遮光層21上に配置される第2遮光層22とを含んでいてもよい。
【0063】
前記第2遮光層22は、遷移金属を含む。また、前記第2遮光層22は、酸素、窒素及び炭素のうち少なくともいずれかを含んでいてもよい。前記第2遮光層22は、遷移金属を約50atom%~約80atom%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層22は、遷移金属を約55atom%~約75atom%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層22は、遷移金属を約60atom%~約70atom%の含量で含んでいてもよい。
【0064】
前記第2遮光層22の酸素、窒素または炭素のうち少なくとも1つに相当する元素の含量は、約10atom%~約35atom%であってもよい。前記第2遮光層22の酸素、窒素または炭素のうち少なくとも1つに相当する元素の含量は、約15atom%~約25atom%であってもよい。
【0065】
前記第2遮光層22は、窒素を約5atom%~約20atom%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層22は、窒素を約7atom%~約13atom%の含量で含んでいてもよい。
【0066】
前記第2遮光層22は、酸素を約5atom%~約20atom%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層22は、酸素を約7atom%~約13atom%の含量で含んでいてもよい。
【0067】
前記第2遮光層22は、炭素を約2atom%~約10atom%の含量で含んでいてもよい。前記第2遮光層22は、窒素を約37atom%~約8atom%の含量で含んでいてもよい。
【0068】
前記第2遮光層22は、窒素、酸素及び炭素をいずれも含んでいてもよい。
【0069】
斯かる場合、前記遮光膜20が前記位相反転膜30と共に積層体を形成して、露光光を実質的に遮断することを助けることができる。
【0070】
前記第1遮光層21は、遷移金属を含んでいてもよい。前記第1遮光層21は、酸素及び窒素を含んでいてもよい。前記第1遮光層21は、遷移金属を30atom%以上且つ60atom%以下で含んでいてもよい。前記遮光層21は、遷移金属を35atom%以上且つ55atom%以下で含んでいてもよい。前記第1遮光層21は、遷移金属を40atom%以上且つ50atom%以下で含んでいてもよい。
【0071】
前記第1遮光層21の酸素含量と窒素含量とを足した値は、40atom%以上且つ70atom%以下であってもよい。前記第1遮光層21の酸素含量と窒素含量とを足した値は、45atom%以上且つ65atom%以下であってもよい。第1遮光層21の酸素含量と窒素含量とを足した値は、50atom%以上且つ60atom%以下であってもよい。
【0072】
前記第1遮光層21は、酸素を20atom%以上且つ40atom%以下で含んでいてもよい。前記第1遮光層21は、酸素を23atom%以上且つ33atom%以下で含んでいてもよい。前記第1遮光層21は、酸素を25atom%以上且つ30atom%以下で含んでいてもよい。
【0073】
前記第1遮光層21は、窒素を5atom%以上且つ20atom%以下で含んでいてもよい。第1遮光層21は、窒素を7atom%以上且つ17atom%以下で含んでいてもよい。前記第1遮光層21は、窒素を10atom%以上且つ15atom%以下で含んでいてもよい。
【0074】
斯かる場合、前記第1遮光層21は、前記遮光膜20が優れた消光特性を有するように助けることができる。
【0075】
前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti、及びHfのうち少なくともいずれかを含んでいてもよい。前記遷移金属は、Crであってもよい。
【0076】
前記第2遮光層は、約20atom%~約40atom%の含量で窒素元素、約30atom%~約50atom%の含量でクロム元素、及び約20atom%~約40atom%の含量で酸素元素を含んでいてもよい。また、前記第2遮光層は、5atom%未満の含量で炭素元素を更に含んでいてもよい。
【0077】
前記第2遮光層は、約24atom%~約34atom%の含量で窒素元素、約35atom%~約45atom%の含量でクロム元素、及び約26atom%~約36atom%の含量で酸素元素を含んでいてもよい。また、前記第2遮光層は、3atom%未満の含量で炭素元素を更に含んでいてもよい。
【0078】
前記第2遮光層は、約6atom%~約16atom%の含量で窒素元素、約26atom%~約46atom%の含量でクロム元素、約37atom%~約47atom%の含量で酸素元素、及び約4atom%~約14atom%の含量で炭素元素を含んでいてもよい。
【0079】
前記第2遮光層は、約16atom%~約26atom%の含量で窒素元素、約28atom%~約40atom%の含量でクロム元素、約27atom%~約37atom%の含量で酸素元素、及び約3atom%~約13atom%の含量で炭素元素を含んでいてもよい。
【0080】
また、前記第1遮光層は、約10atom%~約30atom%の含量で窒素元素、約60atom%~約90atom%の含量でクロム元素、及び約0.5atom%~約atom%の含量で酸素元素を含んでいてもよい。また、前記第1遮光層は、5atom%未満の含量で炭素元素を含んでいてもよい。
【0081】
前記遮光膜の組成は、X線光電子分析法(X-ray Photoelectron Spectroscopy,XPS)により測定することができる。
【0082】
例えば、実施例によるブランクマスクは、横15mm、縦15mmのサイズに加工されて、試片を用意する。その後、前記試片は、Thermo Scientific社のK-Alphaモデル内に配置されて、前記試片の中央部に位置する横4mm、縦2mmの領域は、アルゴンガスでエッチングすることができる。各層別エッチング時間の間、前記測定装備内の真空度は、1.0×10-8mbarであり、X-rayソース(Source)は、Monochromator Al Kα(1486.6eV)であり、アノード電力は、72Wであり、アノード電圧は、12kVであり、アルゴンイオンビームの電圧は、1kVと適用することができる。
【0083】
また、前記遮光膜のエッチング時間において、約0秒から約30秒までの組成データは、正確でないデータであるため、前記遮光膜の組成の組成から除くことができる。
【0084】
第1遮光層21の厚さは、約250Å~約650Åであってもよい。前記第1遮光層21の厚さは、約350Å~約600Åであってもよい。前記第1遮光層21の厚さは、約400Å~約550Åであってもよい。斯かる場合、前記第1遮光層21は、前記遮光膜20が露光光を効果的に遮断することを助けることができる。
【0085】
前記第2遮光層22の厚さは、約30Å~約200Åであってもよい。前記第2遮光層22の厚さは、約30Å~約100Åであってもよい。前記第2遮光層22の厚さは、約40Å~約80Åであってもよい。斯かる場合、前記第2遮光層22は、前記遮光膜20の消光特性を向上させて、前記遮光膜20のパターニングの際に形成される遮光パターン膜25の側面の表面プロファイルをさらに精巧に制御することを助けることができる。
【0086】
前記第1遮光層21の厚さに対する前記第2遮光層22の厚さの割合は、約0.05~約0.3であってもよい。前記第1遮光層21に対する前記第2遮光層22の厚さの割合は、約0.07~約0.25であってもよい。前記第1遮光層21に対する前記第2遮光層22の厚さの割合は、約0.1~約0.2であってもよい。
【0087】
斯かる場合、前記遮光膜20は、十分な消光特性を有し、かつ、遮光膜20のパターニングの際に形成される遮光パターン膜25の側面の表面プロファイルをさらに精巧に制御することができる。
【0088】
前記第2遮光層22の遷移金属の含量は、前記第1遮光層21の遷移金属の含量よりもさらに大きい値を有していてもよい。
【0089】
前記遮光膜20をパターニングして形成される遮光パターン膜25の側面の表面プロファイルをさらに精巧に制御し、欠陥検査における検査光に対する遮光膜20の表面反射率が検査に適した値を有するようにするために、前記第2遮光層22は、前記第1遮光層31に対する遷移金属の含量がさらに大きい値を有することが求められる。
【0090】
但し、斯かる場合、成膜した遮光膜20を熱処理する過程で、前記第2遮光層22に含まれた遷移金属は、回復、再結晶及び結晶粒の成長が発生し得る。遷移金属が高い含量で含まれた第2遮光層22における結晶粒の成長が発生する場合、成長しすぎた遷移金属の粒子により、遮光膜20の表面照度の特性が過度に変動し得る。これは、遮光膜20の表面を高い感度で欠陥検査する場合、擬似欠陥の検出数を高める原因になり得る。
【0091】
前記遮光膜20は、波長193nmの光に対して、約1%~約2%の透過率を有していてもよい。前記遮光膜20は、波長193nmの光に対して、約1.3%~約2%の透過率を有していてもよい。前記遮光膜20は、波長193nmの光に対して、約1.4%~約2%の透過率を有していてもよい。
【0092】
前記遮光膜20は、約1.8~約3の光学密度を有していてもよい。前記遮光膜20は、約1.9~約3の光学密度を有していてもよい。
【0093】
斯かる場合、前記遮光膜20を含む薄膜は、露光光の透過を効果的に抑制することができる。
【0094】
図3に示したように、実施例によるブランクマスク100は、位相反転膜30を更に含んでいてもよい。
【0095】
前記位相反転膜30は、前記光透過性基板10と前記遮光膜20との間に配置されていてもよい。前記位相反転膜30は、透過する露光光の光の強さを減殺して、位相差を調節し、パターンの縁に発生する回折光を実質的に抑制する薄膜であってもよい。
【0096】
前記位相反転膜30は、波長193nmの光に対して、約170゜~約190゜の位相差を有していてもよい。前記位相反転膜40は、波長193nmの光に対して、約175゜~約185゜の位相差を有していてもよい。
【0097】
前記位相反転膜30は、波長193nmの光に対して、約3%~約10%の透過率を有していてもよい。前記位相反転膜30は、波長193nmの光に対して、約4%~約8%の透過率を有していてもよい。斯かる場合、前記位相反転膜30が含まれたフォトマスク200の解像度が向上し得る。
【0098】
前記位相反転膜30は、遷移金属及びケイ素を含んでいてもよい。前記位相反転膜30は、遷移金属、ケイ素、酸素、及び窒素を含んでいてもよい。前記遷移金属は、モリブデンであってもよい。
【0099】
前記遮光膜20上にハードマスク(不図示)が位置していてもよい。前記ハードマスクは、遮光膜20のパターンをエッチングするとき、エッチングマスク膜としての働きをすることができる。ハードマスクは、ケイ素、窒素及び酸素を含んでいてもよい。
【0100】
図4に示したように、実施例によるフォトマスク200は、前記光透過性基板10と、前記光透過性基板10上に配置される遮光パターン膜25とを含む。
【0101】
前記遮光パターン膜25は、遷移金属、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを含む。
【0102】
前記遮光パターン膜25は、前述したブランクマスク100の遮光膜20をパターニングして形成されていてもよい。
【0103】
前記遮光パターン膜25の物性、組成及び構造などに関する説明は、ブランクマスク100の遮光膜20に関する説明と重複するため、省略する。
【0104】
実施例によるブランクマスク100の製造方法は、前記光透過成膜上に前記遮光膜20が形成される段階を含む。前記遮光膜20は、スパッタリング工程によって形成されていてもよい。
【0105】
スパッタリングチャンバ内に前記光透過性基板とスパッタリングターゲットとの間の距離が260mm以上且つ300mm以下になるように、光透過性基板及びスパッタリングターゲットを設ける準備段階を含んでいてもよい。
【0106】
実施例によるブランクマスク100の製造方法は、スパッタリングチャンバ内に雰囲気ガスを注入して、スパッタリングターゲットに電力を加え、光透過性基板を25rpm以上に回転させて、遮光膜20を成膜する成膜段階を含んでいてもよい。
【0107】
前記成膜段階は、光透過性基板上に第1遮光層を成膜する第1遮光層の成膜過程と、前記第1遮光層上に第2遮光層を成膜する第2遮光層の成膜過程と、を含んでいてもよい。
【0108】
前記スパッタリング工程が行われた後、熱処理工程を行うことができる。
【0109】
前記熱処理段階は、約200℃~約400℃の温度で行うことができる。
【0110】
前記熱処理段階は、約5分~約30分間行うことができる。
【0111】
また、実施例によるブランクマスク100の製造方法は、前記熱処理工程を経た遮光膜20を冷凍させる段階を更に含んでいてもよい。
【0112】
前記スパッタリングターゲットは、形成しようとする遮光膜20の組成を考慮して選択することができる。前記スパッタリングターゲットは、遷移金属を含有する1つのターゲットを適用することができる。スパッタリングターゲットは、遷移金属を含有する1つのターゲットを含み、2つ以上のターゲットを適用することができる。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を90atom%以上含んでいてもよい。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を95atom%以上含んでいてもよい。遷移金属を含有するターゲットは、遷移金属を99atom%含んでいてもよい。
【0113】
前記遷移金属は、Cr、Ta、Ti、及びHfのうち少なくともいずれかを含んでいてもよい。遷移金属は、Crを含んでいてもよい。
【0114】
前記成膜段階において、前記光透過性基板の回転速度を25rpm以上に適用することができる。前記回転速度を30rpm以上に適用することができる。前記回転速度を100rpm以下に適用することができる。斯かる場合、成膜する遮光膜20の面内方向への厚さの変動幅を効果的に減少させることができる。また、遮光膜20の表面内の各セクターの表面照度の特性を具現例で既に設定した範囲内に調節することができる。
【0115】
前記雰囲気ガスは、不活性ガス、反応性ガス及びスパッタリングガスを含んでいてもよい。前記不活性ガスは、成膜した薄膜を構成する元素を含まないガスである。反応性ガスは、成膜した薄膜を構成する元素を含むガスである。
【0116】
前記スパッタリングガスは、プラズマ雰囲気でイオン化して、ターゲットと衝突するガスである。前記不活性ガスは、ヘリウムを含んでいてもよい。
【0117】
前記反応性ガスは、窒素元素を含むガスを含んでいてもよい。前記窒素元素を含むガスは、例示として、N、NO、NO、NO、N、NまたはNなどであってもよい。反応性ガスは、酸素元素を含むガスを含んでいてもよい。
【0118】
前記酸素元素を含むガスは、例示としてOであってもよい。反応性ガスは、窒素元素を含むガスと、酸素元素を含むガスとを含んでいてもよい。前記反応性ガスは、窒素元素と酸素元素をいずれも含むガスを含んでいてもよい。前記窒素元素と酸素元素をいずれも含むガスは、例示として、NO、NO、NO、N、NまたはNなどであってもよい。
【0119】
また、前記炭素及び酸素を含む反応性ガスは、COであってもよい。
【0120】
前記スパッタリングガスは、Arガスであってもよい。
【0121】
前記スパッタリングのターゲットに電力を加える電源は、DC電源を用いることができ、RF電源を用いることもできる。
【0122】
前記第1遮光層21の成膜過程において、スパッタリングターゲットに加える電力を約1.5kW~約2.5kに適用することができる。前記第1遮光層21の成膜過程において、スパッタリングターゲットに加える電力を約1.6kW~約2kWに適用することができる。
【0123】
前記第1遮光層21の成膜過程において、雰囲気ガスの不活性気体の流量に対する反応性気体の流量の割合は、約1.5~約3であってもよい。前記流量の割合は、約1.8~約2.7であってもよい。前記流量の割合は、約2~約2.5であってもよい。
【0124】
前記反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の割合は、約1.5~約4であってもよい。前記反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の割合は、約2~約3であってもよい。前記反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の割合は、約2.2~約2.7であってもよい。
【0125】
斯かる場合、前記第1遮光層21は、前記遮光膜20が十分な消光特性を有することを助けることができる。また、前記第1遮光層21のエッチング速度を向上させて、前記遮光膜20のパターニングによって形成された遮光パターン膜25の側面の表面プロファイルが光透過性基板10から垂直に近い形状を有するように助けることができる。
【0126】
前記第1遮光層21の成膜時間は、約200秒~約300秒であってもよい。前記第1遮光層21の成膜時間は、約210秒~約240秒であってもよい。斯かる場合、前記第1遮光層21は、前記遮光膜20が十分な消光特性を有するように助けることができる。
【0127】
前記第2遮光層22の成膜過程において、前記スパッタリングターゲットに加わる電力は、約1kW~約2kWに適用することができる。前記第2遮光層22の成膜過程において、前記スパッタリングターゲットに加わる電力は、約1.2kW~約1.7kWに適用することができる。
【0128】
前記第2遮光層22の成膜過程において、前記雰囲気ガスにおける前記不活性気体の流量に対する前記反応性気体の流量の割合は、約0.3~約0.8であってもよい。前記流量の割合は、約0.4~約0.6であってもよい。
【0129】
前記第2遮光層22の成膜過程において、前記反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の割合は、約0.3未満であってもよい。前記反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の割合は、約0.1未満であってもよい。前記反応性気体に含まれた窒素含量に対する酸素含量の割合は、0.001超であってもよい。上記のように、前記第2遮光層22が形成されるため、前記遮光膜20は、安定的な消光特性を有していてもよい。
【0130】
前記第2遮光層22の成膜時間は、約10秒~約30秒であってもよい。前記第2遮光層22の成膜時間は、約15秒~約25秒であってもよい。斯かる場合、前記第2遮光層22は、露光光の透過を抑制することができる。
【0131】
前記熱処理段階において、遮光膜20の表面の複数の区域をそれぞれ独立に制御した温度で熱処理することができる。具体的には、前記遮光膜20の表面の各区域別にヒーターが設置されていてもよい。区域別ヒーターは、光透過性基板側に設置されていてもよい。
【0132】
前記区域別ヒーターの温度は、約200℃~400℃の範囲内でそれぞれ独立に制御することができる。
【0133】
前記ブランクマスク100は、熱処理段階を終了した後、2分内に冷却段階を適用することができる。斯かる場合、遮光膜20内の残熱による遷移金属粒子の結晶粒の成長を効果的に防ぐことができる。
【0134】
上記冷却段階において、冷却プレートに既に設定した長さを有するピンを各隅に設けて、前記ピン上に基板が冷却プレートに向かうようにブランクマスク100を配置し、実施例によるブランクマスク100の冷却速度を制御することができる。
【0135】
上記冷却段階において、前記冷却プレートに適用された冷却温度は、約10℃~約30℃であってもよい。上記冷却温度は、約15℃~約25℃であってもよい。
【0136】
上記冷却段階において、実施例によるブランクマスク100と前記冷却プレートとの間の離隔距離は、約0.01mm~約30mmであってもよい。前記離隔距離は、0.05mm以上且つ5mm以下であってもよい。前記離隔距離は、0.1mm以上且つ2mm以下であってもよい。
【0137】
上記冷却段階は、約1分~約10分間実施することができる。上記冷却段階は、約3分~約7分間行うことができる。
【0138】
その後、前記冷却した遮光膜20は、洗浄することができる。上記洗浄工程は、紫外線照射工程及び/またはリンス工程を含んでいてもよい。
【0139】
上記紫外線照射工程は、前記遮光膜20に紫外線を照射する段階を含んでいてもよい。
【0140】
上記紫外線照射工程で使用される紫外線は、真空紫外線であってもよい。上記紫外線照射工程で使用される紫外線は、約100nm~約190nmのピーク波長帯を有する紫外線であってもよい。
【0141】
上記紫外線照射工程は、常温で、約30%~約60%の相対湿度の条件で行うことができる。上記紫外線照射工程は、常温で、約40%~約50%の相対湿度の条件で行うことができる。
【0142】
上記紫外線照射工程において、前記遮光膜20に照射する紫外線の出力は、約5mW/cm~約100mW/cmであってもよい。上記紫外線照射工程において、前記遮光膜20に照射する紫外線の出力は、約10mW/cm~約70mW/cmであってもよい。
【0143】
上記紫外線照射工程において、前記遮光膜20に前記紫外線を照射する時間は、約10秒~約10分であってもよい。上記紫外線照射工程において、前記遮光膜20に前記紫外線を照射する時間は、約10秒~約5分であってもよい。上記紫外線照射工程において、前記遮光膜20に前記紫外線を照射する時間は、約1分~約10分であってもよい。上記紫外線照射工程において、前記遮光膜20に前記紫外線を照射する時間は、約10秒~約1分であってもよい。
【0144】
また、上記紫外線照射工程において、雰囲気気体として窒素気体(N)または酸素気体(O)を使用することができる。
【0145】
上記リンス工程は、前記遮光膜20に洗浄液を処理する段階を含む。前記洗浄液は、脱イオン水、水素水、オゾン水または炭酸水のうち少なくとも1つを含んでいてもよい。前記洗浄液は、前記炭酸水を含んでいてもよい。
【0146】
前記炭酸水における炭酸濃度は、約500mg/l~約5000mg/lであってもよい。前記炭酸水における炭酸濃度は、約1000mg/l~約3000mg/lであってもよい。
【0147】
前記オゾン水におけるオゾン濃度は、約50mg/l~約2000mg/lであってもよい。前記オゾン水におけるオゾン濃度は、約100mg/l~約1000mg/lであってもよい。
【0148】
前記水素水における水素濃度は、約0.1mg/l~約10mg/lであってもよい。前記水素水における水素濃度は、約0.5mg/l~約5mg/lであってもよい。
【0149】
上記洗浄液処理段階は、実施例によるブランクマスク100を前記洗浄液に浸漬する段階を含んでいてもよい。上記洗浄液処理段階は、前記遮光膜20に前記洗浄液を噴射して流す段階を含んでいてもよい。
【0150】
上記洗浄液処理段階において、工程時間は、約1分~約10分であってもよい。上記洗浄液処理段階において、前記工程時間は、約2分~約7分であってもよい。
【0151】
その後、上記洗浄液処理段階において、前記遮光膜20に紫外線が照射し得る。すなわち、上記リンス工程及び上記紫外線照射工程を同時に行うことができる。上記紫外線照射工程の後、上記リンス工程を行うことができる。このとき、上記リンス工程が行われるうち、上記紫外線照射工程に類似する方式で前記遮光膜20に紫外線が照射し得る。
【0152】
上記リンス工程が行われた後、実施例によるブランクマスク100は、乾燥することができる。
【0153】
図6に示したように、上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さが変化し得る。すなわち、上記洗浄工程において、前記遮光膜20の一部が除去されて、前記遮光膜20の厚さが減少し得る。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化(△T)は、上記洗浄工程前の厚さと上記洗浄工程後の厚さとの差であってもよい。
【0154】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約15nm未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約5nm未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約4nm未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約3nm未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約2.5nm未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約2nm未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約1.5nm未満であってもよい。
【0155】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約0.3nm~約3nm、または約0.1nm~約1nmであってもよい。
【0156】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約0.1nm~約5nmであってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約0.2nm~約5nmであってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約0.3nm~約5nmであってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約0.1nm~約3nmであってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約0.2nm~約3nmであってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約0.3nm~約3nmであってもよい。
【0157】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約3nm~約15nmであってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約3nm~約8nmであってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、約5nm~約15nmであってもよい。
【0158】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化を考慮して、上記成膜工程における前記遮光膜20の厚さを決定することができる。
【0159】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、前記第2遮光層22の厚さ変化であってもよい。
【0160】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化が上記のように、適宜な範囲を有することから、前記遮光膜20の光学的物性変化は、適宜な範囲を有することができる。
【0161】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の厚さ変化は、上記と同様であるため、前記遮光膜20の光学的物性の変化が最小化し得る。
【0162】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化が発生し得る。前記遮光膜20の透過率変化は、上記洗浄工程前の透過率と上記洗浄工程後の透過率との差であってもよい。前記遮光膜20の透過率は、約193nm波長帯の光によって測定することができる。
【0163】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化は、約0.03%未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化は、約0.02%未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化は、約0.01%未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化は、約0.007%未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化は、約0.005%未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化は、約0.003%未満であってもよい。
【0164】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化は、約0.005%~約0.02%であってもよい。
【0165】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化の最小値は、約0.00001%であってもよい。
【0166】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の透過率変化は、上記と同様であるため、前記遮光膜20は、位置別透過率の偏差を減少させることができる。これによって、実施例によるブランクマスク100は、精密なフォトマスクを提供することができる。
【0167】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の光学密度変化が発生し得る。前記遮光膜20の光学密度変化は、上記洗浄工程前の光学密度と上記洗浄工程後の光学密度との差であってもよい。前記光学密度は、linshang LS117等のような光学密度測定機(Optical Density Meter)によって測定することができる。
【0168】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の光学密度変化は、約0.1未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の光学密度変化は、約0.07未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の光学密度変化は、約0.05未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の光学密度変化は、約0.03未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の光学密度変化は、約0.02未満であってもよい。
【0169】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の光学密度変化は、約0.01~約0.08であってもよい。
【0170】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の光学密度変化は、上記と同様であるため、前記遮光膜20は、位置別光学密度の偏差を減少させることができる。これによって、実施例によるブランクマスク100は、精密なフォトマスクを提供することができる。
【0171】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の反射率変化が発生し得る。前記遮光膜20の反射率変化は、上記洗浄工程前の反射率と上記洗浄工程後の反射率との差であってもよい。前記反射率は、約193nmの波長帯の光によって測定することができる。
【0172】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の反射率変化は、約0.5%未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の反射率変化は、約0.4%未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の反射率変化は、約0.3%未満であってもよい。上記洗浄工程において、前記遮光膜20の反射率変化は、約0.2%未満であってもよい。
【0173】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の反射率変化の最小値は、約0.01%であってもよい。
【0174】
上記洗浄工程において、前記遮光膜20の反射率変化は、上記と同様であるため、前記遮光膜20は、位置別反射率の偏差を減少させることができる。これによって、実施例によるブランクマスク100は、精密なフォトマスクを提供することができる。
【0175】
実施例によるブランクマスク100は、表面における低いイオン濃度を有していてもよい。
【0176】
実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.15ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.10ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.07ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるハロゲンイオンの含量は、0.05ng/cm未満であってもよい。
【0177】
前記ハロゲンイオンは、塩素イオンを含んでいてもよい。
【0178】
実施例によるブランクマスク100の全体表面における窒素系イオンの含量は、3ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面における窒素系イオンの含量は、2.5ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面における窒素系イオンの含量は、2ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面における窒素系イオンの含量は、1.8ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面における窒素系イオンの含量は、1.5ng/cm未満であってもよい。
【0179】
前記窒素系イオンは、亜硝酸イオン、窒酸イオン及びアンモニアを含んでいてもよい。
【0180】
実施例によるブランクマスク100の全体表面における硫黄系イオンの含量は、約0.2ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面における硫黄系イオンの含量は、約0.17ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面における硫黄系イオンの含量は、約0.1ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面における硫黄系イオンの含量は、約0.07ng/cm未満であってもよい。
【0181】
前記硫黄系イオンは、硫酸イオンを含んでいてもよい。
【0182】
また、実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるアセテートの含量は、0.02ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるシュウ酸の含量は、0.02ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるナトリウムの含量は、0.02ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるカリウムの含量は、0.02ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるマグネシウムの含量は、0.02ng/cm未満であってもよい。実施例によるブランクマスク100の全体表面におけるカルシウムの含量は、0.02ng/cm未満であってもよい。
【0183】
実施例によるブランクマスク100は、上記のように、表面イオン濃度が低いため、欠陥を抑制して、向上した品質のフォトマスクを提供することができる。
【0184】
実施例によるブランクマスク100において、表面イオン濃度は、イオンクロマトグラフィーによって測定することができる。実施例によるブランクマスク100が脱イオン水に浸漬して、十分な時間の間にイオンが溶出し、溶出したイオンの含量を測定することができる。
【0185】
実施例によるブランクマスク100において、下記の測定方法で測定される遮光膜20の厚さ変化は、約2nm未満であってもよい。
【0186】
[測定方法]
約2000mg/lの炭酸濃度を有する炭酸水に約10分間、前記遮光膜20が浸漬し、前記遮光膜20の厚さ変化は、前記遮光膜20における浸漬前の厚さと浸漬後の厚さとの差である。
【0187】
前記厚さ変化は、約20nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約15nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約10nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約7nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約5nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約4nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約3nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約2.5nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約2nm未満であってもよい。前記厚さ変化は、約1.55nm未満であってもよい。
【0188】
前記厚さ変化は、約0.1nm~約10nmであってもよい。前記厚さ変化は、約0.1nm~約7nmであってもよい。前記厚さ変化は、約0.1nm~約5nmであってもよい。前記厚さ変化は、約0.1nm~約4nmであってもよい。前記厚さ変化は、約0.1nm~約3nmであってもよい。前記厚さ変化は、約0.1nm~約2.5nmであってもよい。前記厚さ変化は、約0.1nm~約2nmであってもよい。前記厚さ変化は、約0.1nm~約1.55nmであってもよい。
【0189】
前記厚さ変化は、0.3nm~3nm、または0.1nm~1nmであってもよい。
【0190】
前記厚さ変化は、約3nm~約15nmであってもよい。前記厚さ変化は、約3nm~約8nmであってもよい。前記厚さ変化は、約7nm~約15nmであってもよい。
【0191】
前記厚さ変化は、前記第2遮光層22の厚さ変化であってもよい。
【0192】
また、実施例によるブランクマスク100は、透過率変化を有していてもよい。前記測定方法により前記透過率変化を導出することができる。前記透過率変化は、前記遮光膜20における前記浸漬前の透過率と浸漬後の透過率との差である。
【0193】
前記透過率変化は、約0.3%未満であってもよい。前記透過率変化は、約0.2%未満であってもよい。前記透過率変化は、約0.1%未満であってもよい。前記透過率変化は、約0.05%未満であってもよい。前記透過率変化の最小値は、約0.00001%であってもよい。
【0194】
前記透過率変化は、約0.003%~約0.02%であってもよい。
【0195】
また、実施例によるブランクマスク100は、光学密度変化を有していてもよい。前記測定方法により前記光学密度変化を導出することができる。
【0196】
前記光学密度変化は、0.1未満であってもよい。前記光学密度変化は、0.08未満であってもよい。前記光学密度変化は、0.07未満であってもよい。前記光学密度変化は、0.05未満であってもよい。前記光学密度変化は、0.03未満であってもよい。前記光学密度変化は、0.02未満であってもよい。前記光学密度変化の最小値は、約0.0001であってもよい。
【0197】
前記光学密度変化は、0.01~0.07であってもよい。前記光学密度変化は、0.01~0.04であってもよい。前記光学密度変化は、0.03~0.07であってもよい。
【0198】
また、実施例によるブランクマスク100は、反射率変化を有していてもよい。前記測定方法により前記反射率変化を導出することができる。
【0199】
前記反射率変化は、約0.3%未満であってもよい。前記反射率変化は、約0.2%未満であってもよい。前記反射率変化は、約0.1%未満であってもよい。前記反射率変化は、約0.08%未満であってもよい。前記反射率変化は、約0.05%未満であってもよい。前記反射率変化の最小値は、約0.0001%であってもよい。
【0200】
実施例によるブランクマスク100は、上記のように、前記炭酸水に浸漬した後、前記厚さ変化、前記透過率変化、前記光学密度変化、及び前記反射率変化が低い。これによって、実施例によるブランクマスク100は、フォトマスクの製造工程の洗浄工程などにおいて、光学的物性の変化を最小化することができる。
【0201】
実施例による半導体素子の製造方法は、光源、フォトマスク200及びレジスト膜が塗布された半導体ウエハを配置する準備段階と、前記フォトマスク200を介して前記光源から入射した光を、前記半導体ウエハ上に選択的に透過させて出射する露光段階と、前記半導体ウエハ上にパターンを現像する現像段階と、を含む。
【0202】
前記フォトマスク200は、光透過性基板10と、前記光透過性基板10上に配置される遮光パターン膜35とを含む。
【0203】
前記遮光パターン膜25は、遷移金属、酸素、窒素、及び炭素のうち少なくともいずれかを含む。
【0204】
上記準備段階において、光源は、短波長の露光光を発生させることができる装置である。露光光は、波長が200nm以下の光であってもよい。露光光は、波長が193nmのArF光であってもよい。
【0205】
前記フォトマスク200と半導体ウエハとの間にレンズがさらに配置されていてもよい。レンズは、フォトマスク200上の回路パターンの形状を縮小して、半導体ウエハ上に転写する働きをする。レンズは、ArF半導体ウエハの露光工程に一般に適用できるものであれば、限定されない。例示として、前記レンズは、フッ化カルシウム(CaF)からなるレンズを適用することができる。
【0206】
上記露光段階において、フォトマスク200を介して半導体ウエハ上に露光光を選択的に透過させることができる。斯かる場合、レジスト膜のうち露光光が入射した部分で化学的変性が発生し得る。
【0207】
上記現像段階において、露光段階を終了した半導体ウエハを現像溶液で処理して、半導体ウエハ上にパターンを現像することができる。塗布されたレジスト膜がポジ型レジスト(positive resist)である場合、レジスト膜のうち露光光が入射した部分は、現像溶液によって溶解し得る。塗布されたレジスト膜がネガ型レジスト(negative resist)である場合、レジスト膜のうち露光光が入射していない部分は、現像溶液によって溶解し得る。現像溶液での処理によってレジスト膜は、レジストパターンに形成される。前記レジストパターンをマスクとして、半導体ウエハ上にパターンを形成することができる。
【0208】
前記フォトマスク200に関する説明は、上記内容と重複するため、省略する。
【0209】
以下では、具体的な実施例についてより詳説する。
【0210】
実施例1
DCスパッタリング装備のチャンバ内の横6インチ、縦6インチ、厚さ0.25インチの石英素材の光透過性基板を配置した。T/S距離が200mm、基板とターゲットとの角度が45度を形成するように、クロムターゲットをチャンバ内に配置した。前記チャンバの温度は、約400℃まで上昇した。
【0211】
その後、21体積比%のAr、11体積比%のN、32体積比%のCO、及び36体積比%のHeが混合した雰囲気ガスをチャンバ内に導入して、スパッタリングターゲットに加える電力を1.85kWに適用し、基板回転速度を30rpmに適用し、250秒間スパッタリング工程を実施して、第1遮光層を成膜した。
【0212】
第1遮光層の成膜を終了した後、第1遮光層上に57体積比%のAr、33体積比%のN、及び10体積比%のCOが混合した雰囲気ガスをチャンバ内に導入して、スパッタリングターゲットに加える電力を1.5kWに適用し、基板回転速度を30rpmに適用し、45秒間のスパッタリング工程を実施して、第2遮光層を成膜したブランクマスク試片を製造した。
【0213】
第2遮光層の成膜を終了した試片を熱処理チャンバ内に配置して、ヒーターの温度は、約300℃に適用し、約15分間、熱処理を実施した。
【0214】
熱処理を経た試片の基板側に冷却温度が23℃に適用された冷却プレートを設けた。その後、ノズルを介して冷却気体を50sccmの流量で注入して、5分間の冷却処理を実施した。冷却気体は、ヘリウムを適用した。
【0215】
その後、前記遮光膜の上面に、約185nmの波長帯を有する真空紫外線が、約40mW/cmの強さで、約1分間、真空圧が印加されたチャンバ内で照射した。
【0216】
その後、上記紫外線工程を経た遮光膜に炭酸水(炭酸濃度、2000mg/l)が流された。同時に、前記真空紫外線も上記と同様の条件で、前記遮光膜に照射された。前記炭酸水によるリンス工程は、約1分間行われた。
【0217】
その後、前記炭酸水及び水素水(水素濃度、1.6mg/l)が約1:1で混合した洗浄液は、前記遮光膜に約30秒間流されて、表面洗浄工程が行われた。
【0218】
その後、実施例によるブランクマスクが乾燥した。
【0219】
実施例2~4及び比較例1
第2遮光層の成膜条件及び洗浄条件が、下記の表1及び表2のように行われており、その他工程は、実施例1を参照した。オゾン水におけるオゾン濃度は、約200mg/lであった。
【0220】
実施例5~実施例8
DCスパッタリング装備のチャンバ内の横6インチ、縦6インチ、厚さ0.25インチの石英素材の光透過性基板を配置した。T/S距離が200mm、基板とターゲットとの角度が45度を形成するように、クロムターゲットをチャンバ内に配置した。前記チャンバの温度は、約400℃まで上昇した。
【0221】
その後、57体積比%のArと43体積比%のNとが混合した雰囲気ガスをチャンバ内に導入して、スパッタリングターゲットに加える電力を1.35kWに適用し、基板回転速度を30rpmに適用し、430秒間、スパッタリング工程を実施して、第1遮光層を成膜した。
【0222】
第1遮光層の成膜を終了した後、第1遮光層上に15体積比%のAr、72体積比%のN及び13体積比%のOが混合した雰囲気ガスをチャンバ内に導入して、スパッタリングターゲットに加える電力を1.85kWに適用し、基板回転速度を30rpmに適用し、210秒間のスパッタリング工程を実施して、第2遮光層を成膜したブランクマスク試片を製造した。
【0223】
前記遮光層が成膜した後、熱処理工程、冷却工程及び洗浄工程は、実施例1と同様に行われた。
【0224】
また、実施例6~実施例8において、前記第2遮光層の成膜条件及び洗浄条件は、下記の表1及び2のように行われ、その他工程は、実施例5のように行われた。また、実施例7及び実施例8では、ヘリウム気体がそれぞれ約34体積%及び約32体積%に適用された。
【0225】
実施例9
DCスパッタリング装備のチャンバ内の横6インチ、縦6インチ、厚さ0.25インチの石英素材の光透過性基板を配置した。T/S距離が200mm、基板とターゲットとの角度が45度を形成するように、クロムターゲットをチャンバ内に配置した。前記チャンバの温度は、約400℃まで上昇した。
【0226】
前記チャンバ内にアルゴン気体及び窒素気体が約15:35の体積比で満たされた。その後、前記チャンバの内部は、前記アルゴン気体及び前記窒素気体の割合が維持されたまま、約1.4kWのパワーで約30秒間、1段階のスパッタリング工程が行われた。
【0227】
その後、前記スパッタリングパワーは、約1.4kWから約1.8kWに高くなり、前記チャンバの内部にアルゴン気体、窒素気体及び二酸化炭素の体積比が2:2:1の割合で流入しつつ、2段階のスパッタリング工程が約80秒間行われた。
【0228】
その後、3段階のスパッタリング工程が約100秒間行われた。上記3段階のスパッタリング工程において、前記チャンバ内に前記アルゴン気体、ヘリウム気体、窒素気体、酸素気体、及び前記二酸化炭素の体積比が約2:2:0:0:1から約2:2:4:4:1に徐々に変化するように、前記チャンバの内部に導入する気体の体積比がそれぞれ調節された。上記3段階のスパッタリング工程の間、前記スパッタリングパワーは、約1.8kWから約1.4kWに継続して低くなった。
【0229】
その後、4段階のスパッタリング工程が約60秒間行われた。上記4段階のスパッタリング工程の間、前記スパッタリングパワーは、約1.4kWに維持した。また、上記4段階のスパッタリング工程において、前記チャンバ内に前記アルゴン気体、ヘリウム気体、窒素気体、酸素気体、及び前記二酸化炭素の体積比が約2:2:4:4:1から2:2:2:5:1に徐々に変化するように、前記チャンバの内部に導入する気体の体積比がそれぞれ調節された。
【0230】
前記遮光層が成膜した後、熱処理工程、冷却工程及び洗浄工程は、実施例1と同様に行われた。
【0231】
【表1】
【0232】
【表2】
【0233】
評価例
1.表面イオン濃度
実施例及び比較例で製造されたブランクマスクは、クリーンバッグに入れて、脱イオン水の約100mlが前記クリーンバッグに投入された。その後、約90℃の温度で、約120分間、実施例及び比較例で製造されたブランクマスクが入れたクリーンバッグは、放置された。その後、実施例及び比較例で製造されたブランクマスクから溶出したイオン濃度は、イオンクロマトグラフィー装備(Thermo SCIENTIFIC社のDionex ICS-2100)で分析されており、前記ブランクマスクの表面積に対する前記溶出したイオン濃度は、下記の表3で表された。フッ素、アセテート、ギ酸塩(formate)、シュウ酸(oxalate)、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウムは、検出されていない。
【0234】
2.厚さ変化、透過率変化、光学密度変化、及び反射率変化の測定
前記洗浄前の遮光膜かつ洗浄後の遮光膜における厚さ変化、透過率変化、光学密度変化、及び反射率変化が測定されており、下記の表4で表された。
【0235】
実施例及び比較例で製造されたブランクマスクは、約2000mg/lの炭酸濃度を有する炭酸水に約10分間、浸漬した。
【0236】
前記浸漬前の遮光膜かつ浸漬後の遮光膜における厚さ変化、透過率変化、光学密度変化、及び反射率変化が測定されており、下記の表5で表された。
【0237】
前記遮光膜の厚さ、透過率、光学密度、及び反射率は、23カ所の地点で測定されて、平均値として導出されている。
【0238】
前記遮光膜の厚さ、透過率、光学密度、及び反射率は、ナノビュ社のMG-PROによって測定されている。
【0239】
前記透過率及び反射率は、約193nmの波長帯の光に対して測定されている。
【0240】
3.遮光層の組成
遮光層の組成は、X線光電子分析法(X-ray Photolectron Spectroscopy,XPS)により測定されている。
【0241】
実施例及び比較例で製造されたブランクマスクは、横15mm、縦15mmのサイズに加工されて、試片を用意した。その後、前記試片は、Thermo Scientific社のK-Alphaモデル内に配置されて、前記試片の中央部に位置する横4mm、縦2mmの領域は、アルゴンガスでエッチングされた。各層別エッチング時間の間、前記測定装備内の真空度は、1.0×10-8mbarであり、X-rayソース(Source)は、Monochromator Al Kα(1486.6eV)であり、アノード電力は、72Wであり、アノード電圧は、12kVであり、アルゴンイオンビームの電圧は、1kVと適用された。
【0242】
エッチング時間の約30秒から約80秒までの前記第2遮光層の組成は、上記測定装備によって下記の表6のように測定されている。
【0243】
また、実施例9における遮光膜は、エッチング時間が約30秒から約84秒まで、前記遮光層の上部の組成が上記測定装備によって、下記の表7のように測定されている。
【0244】
【表3】
【0245】
【表4】
【0246】
【表5】
【0247】
【表6】
【0248】
【表7】
【0249】
表3~表7に記載したように、実施例によるブランクマスクは、低い表面イオン濃度を有し、低い厚さ変化、透過率変化、光学密度変化、及び反射率変化を有する。
【符号の説明】
【0250】
100 ブランクマスク
10 光透過性基板
20 遮光膜
21 第1遮光層
22 第2遮光層
25 遮光パターン膜
30 位相反転膜
200 フォトマスク
図1
図2
図3
図4
図5