IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エフ イー アイ カンパニの特許一覧

特開2024-153680断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ
<>
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図1A
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図1B
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図1C
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図1D
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図1E
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図2
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図3
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図4
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図5
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図6
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図7
  • 特開-断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153680
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダ
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/046 20180101AFI20241022BHJP
   H01J 37/26 20060101ALI20241022BHJP
   H01J 37/20 20060101ALI20241022BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20241022BHJP
   G01N 23/2251 20180101ALI20241022BHJP
   G01N 23/2252 20180101ALI20241022BHJP
【FI】
G01N23/046
H01J37/26
H01J37/20 A
H01J37/20 C
H01J37/22 501Z
G01N23/2251
G01N23/2252
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024111582
(22)【出願日】2024-07-11
(62)【分割の表示】P 2021065348の分割
【原出願日】2021-04-07
(31)【優先権主張番号】16/843,770
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】バルト ヨーゼフ ヤンセン
(72)【発明者】
【氏名】エドウィン ヴァーシューレン
(72)【発明者】
【氏名】エリク フランケン
(57)【要約】
【課題】断層撮影におけるランダムな角度のサンプリングのための回転するサンプルホルダを提供する。
【解決手段】サンプルホルダはサンプルを保持し、サンプルが荷電粒子ビーム(CPB)または他の放射線源に露光されている間、サンプルを単一方向に連続的に回転させることができる。通常、CPBはストロボ発光されて、ランダムなまたは任意の回転角で一連のCPB画像を生成する。サンプルホルダは、サンプルが2回以上完全に一周するよう回転させることができる。CPB画像は、断層撮影再構成において使用され、場合によっては、相対回転角度は、絶対回転角度の入力を伴わずに再構成において使用される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
第1の角度間ステップサイズによって定義される第1の複数の絶対角度の各々にまで試料を回転させることと、
各回転後に、それぞれの電子ビームパルスで前記試料を照射しながら、前記照射に応じて前記試料のそれぞれの画像を取得することと、
第2の角度間ステップサイズによって定義され、前記第1の複数の絶対角度と一致しない第2の複数の絶対角度の各々にまで前記試料を回転させることと、
前記第1の複数の絶対角度と一致しない前記第2の複数の絶対角度にまでの各回転後に、それぞれの電子ビームパルスで前記試料を照射しながら、前記照射に応じて前記試料のそれぞれの画像を取得することと、
を含む、方法。
【請求項2】
全ての回転が同じ方向である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の角度間ステップサイズは、前記第1の角度間ステップサイズよりも小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の角度間ステップサイズは、前記第2の角度間ステップサイズの整数倍である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各画像は、前記それぞれの照射に応じて前記試料から放射される荷電粒子又は電磁放射を検出することによって取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の画像に基づいて前記試料のトモグラフィック復元を演算することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
絶対角度にまでの各回転はエンコーダによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
方法であって、
電子ビームパルスで試料を照射しながら、前記照射に応じて前記試料の画像を取得することであって、前記試料が前記照射中に0に等しい絶対角度で配向される、照射しながら取得することと、
回転角φを選択することと、
整数乗数mを0に設定することと、
繰り返し、
前記値mをインクリメントし、
前記試料を絶対角度αにまで回転させ、ここで、α=+mφであり、
それぞれの後続の電子ビームパルスで前記試料を照射しながら、前記照射に応じて前記試料のそれぞれの画像を取得し、
前記試料を絶対角度βにまで回転させ、ここで、β=-mφであり、
それぞれの後続の電子ビームパルスで前記試料を照射しながら、前記照射に応じて前記試料のそれぞれの画像を取得することと、
を含む、方法。
【請求項9】
各画像は、前記それぞれの照射に応じて前記試料から放射される荷電粒子又は電磁放射を検出することによって取得される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の画像に基づいて前記試料のトモグラフィック復元を演算することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
絶対角度にまでの各回転はエンコーダによって決定される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
装置であって、
回転可能な試料ホルダと、
電子ビーム源と、
前記電子ビーム源による前記試料への照射に応じて前記試料の画像を取得するように動作可能な検出システムと、
前記回転可能な試料ホルダ、前記電子ビーム源、及び前記検出システムに電気的に結合された1つ以上の電子コントローラ、コンピュータ、又はプロセッサであって、
前記回転可能な試料ホルダに、第1の角度間ステップサイズによって定義される第1の複数の絶対角度の各々にまで、前記回転可能な試料ホルダ上の試料を回転させ、
各回転後に、前記電子ビーム源にそれぞれの電子ビームパルスで前記試料を照射させながら、同時に、前記検出システムに前記それぞれの照射に応じて前記試料のそれぞれの画像を取得させ、
前記回転可能な試料ホルダに、第2の角度間ステップサイズによって定義され、前記第1の複数の絶対角度の絶対角度と一致しない第2の複数の絶対角度の各々にまで前記試料を回転させ、
前記第1の複数の絶対角度と一致しない前記第2の複数の絶対角度にまでの各回転後に、前記電子ビーム源にそれぞれの電子ビームパルスで前記試料を照射させながら、同時に、前記検出システムに前記それぞれの照射に応じて前記試料のそれぞれの画像を取得させる、
ように動作可能な、プロセッサによって実行可能な指示を含む、
1つ以上の電子コントローラ、コンピュータ、又はプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項13】
各画像は、前記それぞれの照射に応じて前記試料から放射される荷電粒子又は電磁放射を前記検出システムが検出することによって取得される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記1つ以上の電子コントローラ、コンピュータ、又はプロセッサは、前記複数の画像に基づいて前記試料のトモグラフィック復元を演算するように更に動作可能である、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記回転可能な試料ホルダに結合され、前記1つ以上の電子コントローラ、コンピュータ、又はプロセッサに電気的に結合されたエンコーダを更に備え、前記1つ以上の電子コントローラ、コンピュータ、又はプロセッサは、前記エンコーダを読み取るように動作可能である、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子断層撮影に関する。
【背景技術】
【0002】
断層撮影画像化電子顕微鏡法は、複数の露光角度におけるサンプル画像の取得に基づいている。これらの角度は通常、サンプルを一連の上昇角度で進めることによって設定される。他の例では、角度はサンプルを前後に傾斜させることによって設定される。これらの従来のアプローチの1つの問題は、従来の電子顕微鏡で利用できる傾斜角度の範囲が限られていることである。さらに、特に前後の傾斜プロトコルでは、連続する大きな角度の移動および角度の方向の変化を考慮して、角度を正確に設定することが難しい場合がある。複数回開始および停止する必要があるため、前後の傾斜にも時間がかかる場合がある。さらに、従来の上昇角度サンプリング方式は、放射線に敏感なサンプルには最適ではなく、サンプルの傾斜が最小となる角度を最初にサンプリングすることが有益である可能性がある。これらの理由およびその他の理由により、代替的なアプローチが必要とされる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示される断層撮影取得におけるランダムな角度のサンプリングは、再構成品質に有益であり得、動的に変形するサンプルの再構成を可能にし得る。本明細書に開示される典型的な実施例では、回転するサンプルホルダのストロボスコープ荷電粒子ビーム(CPB)露光は、断層撮影取得におけるランダムな角度のサンプリングを可能にする。サンプルは一定または可変の角速度において回転させることができ、サンプル角度は露光時間の選択によって選択することができる。本明細書で使用される場合、露光継続時間は、一般に、露光中のサンプル回転が許容できない画像のぼけを生成しないように選択され、このような露光は、本明細書では「ストロボスコープ」露光と呼ばれる。
【0004】
代表的な方法は、サンプルを一方向に回転させることを含み、回転は連続的であり、サンプルは複数の旋回を通じて回転し、サンプルの完全な旋回のすべての角度が利用可能である。サンプルは、パルスレートにおいて、およびサンプルが回転している間に、複数の電子ビームパルスを用いて照明される。あるいは、X線を用いてサンプルを照射することもできる。照明することに応答して、サンプルの複数の画像が取得され、他の取得された画像のうちの少なくとも1つに対して異なる相対角度においてサンプルを用いて取得された各画像、および各取得された画像におけるサンプルの相対角度が決定される。いくつかの実施例では、サンプルの相対角度の決定を決定すること、画像のそれぞれの取得と協働して、または画像のそれぞれの取得の後に実施される。いくつかの実施形態では、各取得された画像におけるサンプルの絶対角度は、サンプルの断層撮影再構成に基づいて、サンプルの断層撮影再構成中に決定される。本明細書で使用される場合、絶対角度は、固定基準に対するサンプルの配向角度である。いくつかの例では、各取得された画像におけるサンプルの相対角度を決定することは、取得時に回転可能なサンプルホルダに結合されたエンコーダを読み取ることを含み、回転可能なサンプルホルダはサンプルを回転させる。本明細書で使用される場合、第1の角度で取得された第1の投影画像と第2の角度で取得された第2の投影画像との間の相対角度は、サンプルを第1の投影角度(すなわち、第1の投影方向)から第2の投影角度(すなわち、第2の投影方向)へと移動させるためにサンプルに適用するのに必要な回転として定義される。代表的な実施例では、各取得された画像のサンプルの絶対角度を決定することは、エンコーダの読み取り値に基づいている。他の実施例では、各取得された画像におけるサンプルの相対角度を決定することは、サンプルの再構成または回転時間に基づいて相対角度を決定することを含む。パルスレートは、サンプルの1旋回につき、または複数の旋回後に変化するなど、可変にすることができるか、またはパルスレートは、サンプルの各全回転後に変化させることができる。いくつかの実施例では、パルスレートは、サンプルの各全回転後に増加または減少し、回転は、一定または可変の速度で行われる。
【0005】
代表的な装置は、複数の旋回を通じてサンプルを一方向に連続的に回転させるように動作可能な回転可能なサンプルホルダであって、サンプルの完全な旋回のすべての角度が利用可能である。電子ビーム源は、パルスレートにおいて、およびサンプルが回転している間に、複数の電子ビームパルスを用いてサンプルを照射するように動作可能である。複数の電子ビームパルスに対応するサンプルの複数の画像を取得するように動作可能な検出システム。検出システムは、サンプルの電子ビーム照射に応答する電子パルス部分を受信するように配置された電子検出器を含むことができ、各画像が、他の取得された画像のうちの少なくとも1つに対して異なる相対角度においてサンプルを用いて取得される。いくつかの実施形態では、コントローラは、各取得された画像におけるサンプルの相対角度または絶対角度を決定するように構成されている。いくつかの実施例では、エンコーダは、画像取得時に回転可能なサンプルホルダに結合されている。代表的な実施例によれば、電子ビーム源のパルスレートは、ランダムな間隔、非一定の間隔、またはポアソン分布間隔を使用して可変であり、電子ビーム源は、サンプルの各全回転後に変化するパルスレートにおいて電子ビームパルスを生成するように動作可能であり得る。
【0006】
プロセッサ実行可能命令を含む少なくとも1つのコンピュータ可読媒体は、回転可能なサンプルホルダサンプルを複数の旋回を通じて一方向に連続的に回転させるように電子ビームシステムを制御するように構成されており、回転可能なサンプルホルダ上に配置されたサンプルホルダの完全な旋回のすべての角度が利用可能である。サンプルが回転している間、サンプルは、パルスレートにおいて複数の電子ビームパルスを有する電子ビーム源を用いて照射することができる。サンプルの複数の画像は、複数の電子ビームパルスの各々、および取得された複数の画像に基づいてサンプルの再構成に対応して取得される。
【0007】
いくつかの実施例では、方法は、少なくとも1つの全回転旋回を含む角度範囲を通じてサンプルを一方向に回転させることを含む。一方向回転の間、回転するサンプルは、複数の角度においてストロボスコープで照射され、サンプル画像は、対応する複数の角度の各々において取得される。場合によっては、サンプルの断層撮影画像がサンプル画像に基づいて生成される。いくつかの実施例によれば、サンプル画像に関連付けられた相対回転角度または絶対回転角度は、サンプル画像の取得前、取得後、または取得中に決定される。場合によっては、サンプル画像に関連付けられたサンプルの相対角度および/またはサンプルの絶対角度は、断層撮影再構成に基づいて決定される。さらなる実施形態では、サンプルは回転可能なサンプルホルダに固定され、相対回転角度および/または絶対回転角度は、回転可能なサンプルホルダに結合されたエンコーダを用いて決定される。いくつかの実施例では、回転するサンプルは、可変パルスレート、固定パルスレート、またはポアソン分布間隔などのランダムな時間間隔においてストロボスコープで照射される。さらなる実施例では、回転サンプルのストロボスコープ露光は、回転するサンプルの角度または回転数に基づいて決定される可変パルスレートである。代表的な実施例によれば、サンプルは、複数の全回転を含む角度範囲全体にわたって一方向に回転される。
【0008】
代表的な装置は、切り替え可能な荷電粒子ビーム(CPB)源と、サンプルを少なくとも1つの完全な旋回によって回転させるように動作可能な回転可能なサンプルステージと、を含む。コントローラは、CPB源および回転可能なサンプルステージに結合され、サンプルの一方向回転中に複数の角度において回転可能なサンプルステージ上に配置されたサンプルを露光するように構成されており、複数の露光角度は、360°よりも大きい範囲にある。いくつかの実施例では、コントローラは、サンプルをCPBにストロボスコープで露光するために、サンプルの一方向回転中に複数の角度においてCPB源を起動するように結合される。他の実施例では、コントローラは、サンプルの一方向回転中にサンプルが複数の角度においてCPBにストロボスコープで露光されるように、CPBをブランキングするように結合される。いくつかの実施形態によれば、回転エンコーダは、回転可能なサンプルステージに結合され、露光角度の各々に対して相対回転角および絶対回転角のうちの少なくとも1つを提供する。いくつかの実施例では、コントローラは、固定もしくは可変レートまたはランダムな時間においてストロボスコープの露光を確立する。さらなる実施例では、少なくとも1つのCPB検出器が、サンプルのCPB露光に応答して生成された放射線を検出し、対応する断層撮影画像を生成するように結合される。実施形態では、コントローラは、断層撮影画像および複数の角度に基づいてサンプルに対応する断層撮影再構成を生成し、断層撮影再構成中に複数の角度の推定値を生成するように結合される。
【0009】
電子ビーム装置は、電子ビーム源に結合されるように配置されたコントローラを備える。少なくとも1つのコンピュータ可読媒体がコントローラに結合されており、コントローラに、サンプルの一方向回転中に複数の任意の角度においてサンプルをストロボスコープで照射するように電子ビーム源を向けさせ、対応する複数の角度の各々においてサンプル画像を取得させるためのコントローラ実行可能命令を含む。いくつかの実施例によれば、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体は、サンプル画像に基づいてサンプルの断層撮影画像を再構成し、サンプル画像に関連付けられた相対回転角度および/または絶対回転角度を決定するためのコントローラ実行可能命令をさらに含む。いくつかの実施例では、サンプル画像に関連付けられた相対回転角度および/または絶対回転角度は、サンプル画像の取得後に決定されるか、または断層撮影再構成に基づいて決定される。追加の実施例では、少なくとも1つのコンピュータ可読媒体は、回転可能なサンプルホルダに結合されたエンコーダを用いて相対回転角度および/または絶対回転角度を決定するためのコントローラ実行可能命令をさらに含む。他の代表的な実施形態では、コントローラは、電子ビーム源を、サンプルの一方向回転中に複数の任意の角度において、またはポアソン分布間隔などのランダムな時間間隔に基づく可変パルスレートにおいてストロボスコープで照射するように向けるように結合されており、任意の角度の角度範囲は、複数の全回転を含む。
【0010】
開示された技術の前述および他の特徴は、添付図面を参照しながら説明する、以下の発明を実施するための形態から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】回転可能なサンプルステージを含む代表的なCPB顕微鏡を示す。
図1B図1AのCPB顕微鏡を用いて得られた代表的なサンプルの回転を示す。
図1C図1AのCPB顕微鏡を用いて得られた代表的なサンプルの回転を示す。
図1D図1AのCPB顕微鏡を用いて得られた代表的なサンプルの回転を示す。
図1E】回転のために配置された代表的な針またはカラムの形状のサンプルを示す。
図2】連続回転可能なサンプルステージを用いた断層撮影のためのランダムな角度のCPB画像を取得するための別の代表的なシステムを示す。
図3】連続回転可能なサンプルステージを用いた断層撮影のためのランダムな角度のCPB画像を取得するための代表的なシステムを示す。
図4】回転するサンプルのランダムな角度のストロボスコープ露光を用いて取得された画像を使用して断層撮影再構成を生成する代表的な方法を示す。
図5】サンプル回転速度の関数としてのランダムな露光時間に基づいて、サンプル画像を取得する代表的な方法を示す。
図6】DCモータで回転可能なサンプルステージを用いてCPB画像を取得するための代表的なシステムを示す。
図7】断層撮影再構成のためにCPB画像を取得する別の方法を示す。
図8】断層撮影再構成のための画像の取得および分析のための代表的なコンピューティング環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に開示されるのは、荷電粒子断層撮影のための方法および装置である。通常、サンプルは、荷電粒子ビーム(CPB)に対して繰り返し露光されるように、回転可能なサンプルステージに配置される。開示された実施例は、一般に、透過型電子顕微鏡法を参照して説明されているが、他のCPBを使用することができる。あるいは、サンプルをX線を用いて照射し、X線に基づく画像を取得することができる。いくつかの実施例では、ランダムな角度または他の一連の角度における回転するサンプルのストロボスコープ照明を使用して、断層撮影再構成で使用される一連の画像を取得する。サンプルは均一な角速度で回転することができ、ランダムな角度露光は、必要に応じて生成するか、またはメモリなどのコンピュータ可読記憶装置から取得することができる1つ以上の一連の角度値に基づいて確立することができる。角度は、サンプルの回転に関連付けられた位相、サンプルの回転速度に基づく一連の露光時間に基づいているか、画像取得中にランダムに生成されるか、またはその他の方法で指定され得る。サンプルは、固定速度または可変速度で回転させ、回転中にストロボスコープで照射することができる。ストロボスコープ照射は、ランダムな時間継続時間回転を含む固定または可変のレートであってもよい。照射角度は、照射前、照射中、または照射後に決定することができ、照射角度は、ランダムな角度を含む、固定または可変の角度分布にすることができる。
【0013】
本明細書で使用される場合、「カラム」は、一般に、1つ以上のCPB光学素子、またはCPB光源、CPBレンズ、CPB偏向器、CPBアパーチャ、スティグメータ、または他のCPB光学素子などの要素の組み合わせを指す。1つまたはそのような光学素子を使用して、パルス露光を提供するために、サンプルに向けることができるパルスCPBを生成することができる。このようなパルス露光は、一般に「ストロボスコープ」露光と呼ばれて、有効な露光時間は、好適な画像が生成されるサンプルの回転に対して十分に短く、すなわち、過度な動きによるブレがないことを示す。好適な露光時間は、0.0001、0.001、0.01度または他の角度未満の回転に対応することができる。任意の許容される最大露光継続時間の指定は、画像の倍率および目的の解像度によって異なってもよい。開示された実施例では、CPBまたはCPBカラムが通電されて、ストロボスコープCPB露光を生成するが、連続CPBは、ストロボスコープ検出、すなわち、CPB露光に応答して生成され、検出時間枠において受信される荷電粒子または電磁放射の検出(本明細書では「ストロボスコープ」検出と呼ばれる)とともに使用することができる。ストロボスコープ露光では、CPBは、ストロボスコープ成分に加えて連続成分を有する場合がある。多くの実用的な実施例では、連続成分を含むCPB露光によって生成されるサンプルの劣化を減少させるために、パルス露光が好ましい。連続成分は、断層撮影画像を改善することなく、望ましくないサンプルの変化に寄与する可能性がある。
【0014】
いくつかの実施例では、サンプル画像は、ランダムな角度またはランダムな角度差などの、複数の角度における露光を使用して取得される。本明細書で使用される場合、ランダムまたはランダムな選択は、不均等な間隔であり、乱数または疑似乱数生成器を使用して選択することができるか、それ以外の方法でランダムに選択された値を近似することができる値を指す。このようなランダムな値の任意のセットは、一般に、いわゆる擬似乱数生成器を用いて選択できることが理解されよう。ランダムな値の1つ以上のセットを使用することができ、異なるセットは、異なる値および/または異なる数の値を含むことができる。角度、露光時間、または位相に関連付けられた値は、対応する乱数のセット、および対応する角度、露光時間、または位相を確立するために処理されたセットの乱数に基づいて決定することができる。例えば、0~1のN個の乱数Rのセットが得られた場合、角度αは、πRラジアン、2πRラジアン、またはより一般には、AπRラジアンとして選択することができ、Aπラジアンは使用される全角度範囲である。角度αは、正および負として指定することができ、任意の特定の角度αにおける露光は、複数の回転を含むことができ、すなわち、αは、ラジアンmodulo-2πまたはmodulo-πの回転角度である。露光時間、相対時間、位相、および相対位相は、乱数のセット基づいて同様に指定することができる。乱数生成器を使用して、必要に応じてその場で値を生成することもできる。いくつかの実施例では、選択または生成された値が画像再構成に使用され、セットの各画像は、特定の値を有するそれぞれの乱数に関連付けられる。
【0015】
いくつかの実施例では、便宜上、一定のサンプル回転速度を使用してサンプル露光を行うが、単調に増加もしくは減少する速度、または任意の増加および減少するレートなどの不均一な速度を使用することができる。均一で一定の回転を用いて、サンプルはランダムな露光角度で取得される。上述したように、このようなランダムな露光は、必要に応じて記憶または生成することができるランダムな露光時間または回転位相に基づくことができる。あるいは、サンプルの回転をランダム速度などの可変速度にすることができ、露光時間は一定の遅延によって分離することができる。
【0016】
いくつかの実施例では、回転速度は一定または可変であり、ストロボスコープ露光は、ランダムな、可変レートの固定された、またはこれらの組み合わせなどの、異なるパルス分布を有することができる。相対および/または絶対露光角度は、一部またはすべての画像の取得後に決定することができる。
【0017】
実施例1
図1Aを参照すると、CPBシステム100は、エミッタチップ106からCPBを生成する、電界エミッタ104または他の放出源を含むことができるCPBエミッタ102を含む。CPB電流は、エミッタ駆動装置107によって提供されるように、電界エミッタ104またはエミッタチップ106に印加された電圧のうちの1つ以上のよって制御することができる。サプレッサ電極108は、通常、浮遊荷電粒子放出を抑制するように、電界エミッタ104の周りに配置され、エクストラクタ電極110は、選択済CPB電流を誘導するように、エミッタチップ106に対して電圧を確立するように配置される。ビーム電流駆動装置112は、サプレッサ電極108およびエクストラクタ電極110に結合されている。図1Aに示すように、サプレッサ電極108、エクストラクタ電極110、および電界エミッタ104もしくはエミッタチップ106のいずれかまたはすべてを、エミッタ駆動装置107またはビーム電流駆動装置112を用いて制御して、パルスCPBまたは他の可変CPBを生成し、サンプルSをストロボスコープで露光できるようにすることができる。1つ以上の追加のビームアパーチャは、CPBシステム軸119に沿って配置することができ、例えば、所定の露光時間において除いてCPBを遮断することによってCPBを制御するために使用することができる。例えば、アパーチャプレート118に画定されたアパーチャを使用して、偏向ドライバ120から共振ビーム偏向器などのビーム偏向器122への偏向電圧の印加に応答して、CPBを遮断または減衰させることができる。ビーム偏向器122が作動すると、CPB126は、アパーチャプレート118によって遮断されるように偏向される。追加のアパーチャおよび偏向器を提供することができるが、図1Aには示されていない。図1Aの実施例は、ガンレンズを使用してビーム変調を提供することもできるが、そのようなレンズは、示されていない。1つ以上のCPBレンズ、偏向器、アパーチャプレート、または他のCPB光学素子を駆動することによって提供されたCPB変調に加えて、パルス化されたまたは変調された光ビーム(単数または複数)を用いた好適なターゲットの照射に応答して、パルスCPB放出を生成することができる。このようなCPBは、必要に応じてCPB光学素子を使用してさらに変調されることができる。
【0018】
サンプルSは、モータまたは他の機構132の作動に応答して、軸134の周りで所望の角度αまで回転可能なサンプルステージ130上に配置されている。いくつかの実施形態では、サンプルの連続回転に起因して、サンプルのすべての角度が利用可能であり得る。すべての角度が利用可能であるが、サンプルの形状によっては、データ収集が限られることに起因して、一部の角度が回避される場合がある。例えば、CPBがサンプルの比較的長い部分を透過することを必要とするサンプルの面を提示する角度は、望ましくない場合がある。通常、サンプルは複数の角度を通じて調整され、対応するストロボスコープ(パルス)電子ビーム放出が適用して、荷電粒子(例えば、散乱CPB部分、二次電子)または電磁放射(例えば、X線)が生成され、これらは検出器140によって受信されて対応する画像を生成する。これらの画像は、その後、断層撮影で処理することができる。コントローラ142は、ストロボスコープCPB放出を生成し、軸119に対して複数の角度においてサンプルSを配置するように結合されている。角度はランダムな角度とすることができ、軸119の周りのサンプルSの1つ以上の完全な回転を含むことができる。コントローラは、通常、所望の角度で画像を得るように、パルスタイミングおよびパルス分布を制御する。
【0019】
図1B図1Dは、任意の回転を提供するためのサンプルSの一方向の回転を示している。これらの実施例では、初期のほぼ垂直な入射露光を使用して、この露光のあらゆるサンプル劣化を減少させることができる。便宜上、有効回転角度αは、π/2未満のサンプルSの時計回りの回転に対して正であるとみなされ、有効回転角αは、π/2未満のサンプルSの反時計回りの回転に対して負であるとみなされる。便宜上、有効回転角度は、CPBシステム軸119を基準としている。任意の初期回転角度において開始する任意のサンプル回転は、時計回りまたは反時計回りの連続回転を使用して実現できる。図1Bに示すように、サンプルSは、CPBシステム軸119とサンプル表面法線129とが実質的に平行になるように、すなわち、α=0になるように配置されている。図1Cでは、サンプルSは、サンプルSがCPBシステム軸119に対してα>0の角度において配置されるように、時計方向に回転される。図1Dでは、サンプルSは、サンプルSがCPBシステム軸119に対して角度α<0において配置されるように、角度2π-|α|だけさらに時計回りに回転される。追加の回転角度は、回転方向を変化させることなく、サンプルSの追加の完全な回転旋回を使用して得ることができる。時計回りまたは反時計回りの回転を使用して、サンプル回転角度任意のセットα, . . . ,αを得ることができ、初期露光のために任意の特定の角度を使用することができる。これらの回転角度はすべて、必要に応じて一方向の回転を用いて提供することができる。
【0020】
図1A図1DのサンプルSはラメラとして示されているが、他の形状を使用することができる。図1Eに示すように、サンプルS’は、カラム、ピラー、または針の形状を有し、同様に回転することができる。
【0021】
いくつかの実施例では、より小さな傾斜角度に関連付けられた画像は、より大きな傾斜において画像を取得する前に取得される。例えば、一連の小さな傾斜(CPBシステム軸に対して時計回りと反時計回りとの両方)における露光を最初に得ることができ、露出によっては、360度よりも大きい一方向のサンプル回転または複数の旋回を必要とする場合がある。傾斜角度αは一般に、360度を法として得られる。次に、より大きな傾斜において露光を行うことができ、そのような露光は、360度よりも大きい一方向のサンプル回転を必要とする場合がある。
【0022】
実施例2
図2を参照すると、CPB顕微鏡または他のCPB画像化システム200は、軸201の周りでサンプルSを回転させるように配置されたサンプルステージ202を含む。典型的な実施例では、このような回転は連続的であり、回転角度は、180度、360度、720度、または他の値まで大きくすることができる。ステージドライバ206は、サンプルステージ202のこのような回転を生成するように作動可能である。サンプルステージ202および/またはステージドライバ206は、試験片の回転角度を決定できるようにする回転式エンコーダ208に結合されている。ステージドライバ206および回転式エンコーダ208は、一般に、ステージの回転を開始または調整することができるコントローラ210に結合されている。コントローラ210はまた、それぞれのストロボスコープ露光を定義する一連の値を記憶するメモリ212に結合されている。このような値は、例えば、一連の露光時間、サンプル傾斜角度、または露光間の相対位相もしくは時間差として記憶することができる。いくつかの例では、実際の露光時間は、サンプルの所定の回転に基づいて、またはサンプルステージ202の固定もしくは可変の回転速度に基づいて計算される。
【0023】
コントローラ210は、CPB源および/またはカラム213に結合されて、記憶された一連の値に基づいてパルスCPB214を生成する。検出器218は、散乱電子、二次電子、X線、または他の荷電粒子もしくは中性粒子、または他の電磁放射などのパルスCPB214に応答して生成される荷電粒子または電磁放射を受信するように配置されている。検出器218は、パルス露光に関連付けられた画像を、メモリ220に記憶されたコンピュータ実行可能命令を使用して断層撮影処理のために記憶することができるように、コントローラ210に結合される。あるいは、コントローラ210は、有線または無線ネットワークを介して、断層撮影処理、再構成、および表示のために任意の場所に画像を通信することができる。
【0024】
実施例3
図3を参照すると、CPB画像化システム300は、サンプルSを受け取るように構成されたサンプルステージ302を含む。ステージドライバ304は、軸301の周りのサンプル回転を生成するように、サンプルステージ302に結合される。ほとんどの場合、サンプルステージ302を伴うサンプルSの並進運動が提供されるが、並進構成要素は図3に詳細に示されていない。ステージドライバ304は、固定周波数fにおいてサンプル回転を生成することができる。この周波数は、ステージドライバ304への1つ以上のユーザまたはコントローラ入力を用いて設定することができるが、内部で固定することもできる。ほとんどの場合、サンプル回転の開始は、画像取得の準備としてユーザ入力によって提供される。図示するように、ステージドライバ304は、1つ以上の出力で固定周波数fの指示を提供することができる。パルスシーケンサ310は、一連のサンプル角度または角度差においてサンプルSのストロボスコープ露光を生成するように、CPB源またはカラム312に結合される。パルスシーケンサ310はまた、ストロボスコープ露光の時間または相対時間の他の指示のデータ値を出力することもできる。検出器314は、ストロボスコープ露光に応答する放射線を受信し、断層撮影画像を生成するための遠隔または局所処理のために出力することができる、対応するサンプル画像を生成する。図3に示すように、サンプル角度は測定されず、再構成は、一連の角度または角度差に基づく。
【0025】
実施例4
図4を参照すると、代表的な方法400は、402において、パルス分布を選択することを含み、パルス分布は、サンプル角度α, . . . ,αに関連付けることができ、ここで、Nは正の整数である。パルス分布は、露光時間、露光レートもしくはレートの組み合わせ、またはランダムな時間として直接指定することができる。露光時間は、サンプルの回転に対する相対位相として、角度に直接関連付けることもでき、または他の方法で都合に合わせて指定することもできる。通常、角度はランダムである。404において、ストロボスコープ画像は、一方向のサンプル回転を用いてパルス分布のパルスの各々に対して取得される。場合によっては、パルス分布は、サンプル角度α, . . . ,αを生成し、これらは、(ラジアン単位で)モジュロ-2π、モジュロ-π、またはその他の方法で指定され、90度、180度、または360度よりも大きい1つ以上の回転を用いて達成することができる。パルスの各々に対するストロボスコープ画像は、次に406において、断層撮影再構成を生成するために処理される。
【0026】
実施例5
図5を参照すると、方法500は、502においてサンプル回転速度f(t)を確立することを含み、通常、一定のレート、すなわち、f(t)=一定であるが、任意の可変回転速度を使用することができる。一般に、露光中にサンプルの回転が単一方向で行われるように、単極レートが好ましい(f(t)>0ラジアン/秒)。一方向の動きは、方向の変化に関連付けられた回転アーチファクトを減少または排除し、より迅速なサンプルの回転を可能にし、したがって、連続的により迅速に変化する(相対的な)角度におけるサンプルの画像化を可能にし得る。504において、露光時間/パルス分布が選択される。露光時間は、ランダムな露光時間を生成するためにスケーリングされた乱数を使用して確立することができる。固定または可変のf(t)の場合、サンプル露光時間は均一な間隔にすることができるか、または均一な間隔とランダムな間隔との組み合わせ、もしくはいくつかのその他の分布に基づくことができる。ランダムな回転も使用することができるが、一般に、露光中に多かれ少なかれ一定の回転速度を維持することがより便利であるため、図5には示されていない。506において、ストロボスコープ露光を使用して、露光時間の各々に対して画像を得て、画像を、508における断層撮影処理または記憶のために通信することができる。場合によっては、関連する露光角度は画像とともに通信されないが、通常、各画像および関連する角度は通信される。
【0027】
実施例6
図6を参照すると、CPB画像化システム600は、サンプルSを保持するように構成されたサンプルステージ602を含む。サンプルステージ602は、サンプルSがCPB露光軸608に対して非平行(通常は垂直)である軸606の周りを任意の角度αだけ回転可能であるように、DCモータ604に結合されている。エンコーダ610は、パルスCPB615へのサンプルSのストロボスコープ露光を提供するCPB源またはCPBカラム614に結合されたコントローラ612に回転角度の指示を提供する。検出器616は、パルスCPB615への露光に応答して、サンプルSから電磁放射または荷電粒子620を受信するように配置されている。例えば、X線、二次電子、散乱電子、または他の散乱、反射、回折された荷電粒子を生成することができる。検出器616は、コントローラ612に結合され、画像データをコントローラ612に提供する。コントローラ612は、受信された画像を処理し、受信された画像を遠隔処理に向け、CPB源/カラム614、DCモータ604、サンプルステージ602を制御するとともに、エンコーダ610から回転データを受信するように構成することができる。
【0028】
実施例7
図7を参照すると、断層撮影処理のために画像を取得する方法700は、初期回転角度および702における回転周波数を確立することを含む。704において、カウンタIが初期化され、ここで、Iは正の整数であり、706において、サンプルは、時間Tにおいて露光される。708において、露光に応答して得られた画像が記憶され、710において、追加の露光を得るかどうかが決定される。得る場合、712において、カウンタIが増分され、露光および画像記憶が繰り返される。露光が完了すると、714において、取得された画像は、断層撮影再構成のために通信される。
【0029】
実施例8
図8および以下の考察は、開示された技術が実装され得る例示的なコンピューティング環境の簡潔で一般的な説明を提供することを意図している。必須ではないが、開示された技術は、パーソナルコンピュータ(PC)によって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で説明される。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施するか、または特定の抽象データ型を実施する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。さらに、開示された技術は、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサに基づくかまたはプログラム可能な家電製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む他のコンピュータシステム構成を用いて実施することができる。開示された技術はまた、タスクが、通信ネットワークを介してリンクされているリモート処理デバイスによって実行される、分散型コンピュータ環境においても実践され得る。分散型コンピュータ環境では、プログラムモジュールは、ローカルおよびリモートメモリ記憶デバイスの両方に位置することができる。
【0030】
図8を参照すると、開示された技術を実装する例示的なシステムは、1つ以上の処理ユニット802、システムメモリ804、および、システムメモリ804を含む様々なシステムコンポーネントと1つ以上の処理ユニット802を結合する、システムバス806を含む、例示的な従来のPC800の形態である、汎用コンピューティングデバイスを含む。システムバス806は、様々なバスアーキテクチャのうちの任意のものを使用する、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、およびローカルバスを含む数種のバス構造のうちのいずれかであってもよい。例示的なシステムメモリ804は、読取専用メモリ(ROM)808およびランダムアクセスメモリ(RAM)810を含む。ROM808には、PC800内の要素間の情報の転送を助ける基本ルーチンを包有する基本入出力システム(BIOS)812が記憶されている。
【0031】
例示的なPC800は、ハードディスクから読み書きするためのハードディスクドライブ、取り外し可能な磁気ディスクから読み書きするための磁気ディスクドライブ、および取り外し可能な光ディスク(CD-ROMまたは他の光媒体など)から読み書きするための光ディスクドライブなどの1つ以上の記憶デバイス830をさらに含む。このような記憶デバイスは、それぞれ、ハードディスクドライブインターフェース、磁気ディスクドライブインターフェース、および光学ドライブインターフェースによってシステムバス806に接続することができる。ドライブおよび関連するコンピュータ可読媒体は、PC800用のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、および他のデータの不揮発性記憶を提供する。他のタイプのコンピュータ可読媒体は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、CD、DVD、RAM、ROMなどのような、PCによってアクセス可能なデータを記憶することができ、例示的な動作環境において使用することもできる。
【0032】
いくつかのプログラムモジュールは、オペレーティングシステム、1つ以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、およびプログラムデータを含む記憶デバイス830に格納することができる。ユーザは、キーボードなどの1つ以上の入力デバイス840およびマウスなどのポインティングデバイスを介して、コマンドおよび情報をPC800に入力することができる。他の入力デバイスは、デジタルカメラ、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信機、スキャナなどを含むことができる。これらおよび他の入力デバイスは、しばしば、システムバス806に結合されるシリアルポートインターフェースを介して1つ以上の処理ユニット802に接続されるが、パラレルポート、ゲームポート、またはユニバーサルシリアルバス(USB)などの他のインターフェースによって接続されてもよい。モニタ846または他のタイプの表示デバイスもまた、ビデオアダプタなどのインターフェースを介してシステムバス806に接続されている。スピーカおよびプリンタ(図示せず)のような他の周辺出力デバイスを含めることができる。
【0033】
PC800は、リモートコンピュータ860などの1つ以上のリモートコンピュータへの論理接続を使用してネットワーク環境で動作することができる。いくつかの例では、1つ以上のネットワークまたは通信接続850が含まれる。リモートコンピュータ860は、別のPC、サーバ、ルータ、ネットワークPC、またはピアデバイスもしくは他の共通ネットワークノードであってもよく、典型的には、PC800に関して上述した要素の多くまたはすべてを含むが、図8にはメモリ記憶デバイス862のみ図示されている。パーソナルコンピュータ800および/またはリモートコンピュータ860は、論理ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)に接続することができる。このようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットでは通常である。
【0034】
LANネットワーキング環境において使用される場合、PC800は、ネットワークインターフェースを介してLANに接続される。WANネットワーキング環境において使用される場合、PC800は、通常、インターネットなどのWANを介した通信を確立するためのモデムまたは他の手段を含む。ネットワーク環境では、パーソナルコンピュータ800に関連して図示されたプログラムモジュールまたはその部分は、リモートメモリ記憶デバイスまたはLANもしくはWAN上の他の場所に記憶されてもよい。示されているネットワーク接続は例示であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段が使用されてもよい。
【0035】
図8に示すように、メモリ810は、ランダムシーケンスを生成する(または1つ以上のそのようなシーケンスを記憶する)ためのコンピュータ実行可能命令を記憶し、画像データを記憶し、ステージおよびCPBシステム制御をそれぞれ記憶する部分804A、806B、806Cを含む。CBPシステムまたはCPBシステムに関連付けられた構成要素との通信は、1つ以上のアナログ-デジタル変換器(ADC)870または1つ以上のデジタル-アナログ変換器(DAC)871を用いて提供される。
【0036】
一般的な考慮事項
本出願および特許請求の範囲において使用される、「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形も含む。加えて、「含む」という用語は、「備える」を意味する。さらに、「結合された」という用語は、結合された項目間の中間要素の存在を排除するものではない。
【0037】
本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、多少なりとも制限的なものとして解釈されるべきではない。代替的に、本開示は、単独で、ならびに相互の様々な組み合わせおよび部分的な組み合わせにおいて、様々な開示された実施形態のすべての新規でかつ非自明な特徴および態様を対象とする。開示されたシステム、方法、および装置は、任意の特定の態様もしくは特徴またはそれらの組み合わせに限定されず、開示されたシステム、方法、および装置は、任意の1つ以上の特定の利点が存在すべきである、または問題が解決されるべきであることも必要としない。いずれの動作理論も説明を容易にするためであるが、開示されたシステム、方法、および装置は、そのような動作理論に限定されない。
【0038】
開示された方法のいくつかの動作は、便宜的な提示のため、特定の順番で記載されているが、以下に記載される具体的な用語によって特定の順序が要求されない限り、この説明様式が並び替えを包含することを理解されたい。例えば、順に記載される動作は、場合によっては、並び替えられるかまたは同時に実施され得る。さらに、単純化のために、添付の図は、開示されたシステム、方法、および装置を、他のシステム、方法、および装置とともに使用することができる様々な方式を示していない場合がある。加えて、説明は、時に、開示された方法を説明するために、「生成する」および「提供する」のような用語を使用する。これらの用語は、実施される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実施に応じて、様々であり、当業者には容易に認識可能である。
【0039】
いくつかの例では、値、手順、または装置は、「最低」、「最良」、「最小」などと言及される。そのような記載は、多くの使用される機能的選択肢からの選択が可能であることを示すことを意図しており、そのような選択は、他の選択よりも優れている、小さい、または他の点で好ましい必要はないことが理解されよう。
【0040】
例は、「上に」、「下に」、「上の」、「下の」などとして示される方向に言及して説明される。これらの用語は、説明の便宜上使用されているが、特定の空間的方向性を示唆するものではない。
【0041】
「画像」という用語は、本明細書では、コンピュータモニタなどに表示された画像、または表示される画像を生成するために使用できるデジタルまたはアナログ表現を指すために使用される。デジタル表現は、JPEG、TIFF、またはその他の形式など、様々な形式で記憶することができる。画像信号は、サンプルの好適なスキャンとともに、アレイ検出器または単一の元素検出器を使用して生成することができる。最も実用的な例では、画像は二次元である。
【0042】
サンプルステージの回転には、DCモータ、ステッピングモータ、回転式圧電モータ、ACモータ、またはその他のデバイスを含む、様々な種類のモータおよびアクチュエータを使用することができる。回転角度は、光学式エンコーダ、磁気式エンコーダ、またはその他のデバイスを用いて検出することができる。連続回転とは、画像取得中に進行できる回転を指す。例えば、ステッピングモータに駆動信号を印加して回転を生成するシーケンスは、画像取得中に継続することができ、選択された画像化角度における待機時間は必要とされない。ステッピングモータを使用しているが、回転は連続的なものであると考えられる。他の実施例では、連続(すなわち、非ステッピング)モータがサンプルを自由に回転させることができる。画像はランダムな時間において取得することができる。いくつかの実施例では、ポアソン分布に基づいてランダムな時間間隔が選択される。この場合、最小の時間間隔Δtと平均時間間隔
【数1】
が選択され、関連するポアソン分布は次式のように定義される。
【数2】
式中、nは整数の時間間隔であり、画像取得のためのサンプル時間間隔はnΔtとして選択される。このような時間間隔は、乱数または疑似乱数などのコンピュータ実行可能命令を使用して定義された好適なランダムプロセスを使用して実装することができる。
【0043】
場合によっては、角度範囲を粗くサンプリングしてから精緻化する。例えば、20°の角度ステップが使用され、続いて5°のステップ(以前にサンプリングされた角度をスキップする)、次に1°のステップ(以前にサンプリングされた角度をスキップする)が続く。「線量対称」と呼ばれる別の例では、取得は0°のサンプル傾斜において始まり、+°2、-2°、+4°、-4°、+6°、-6°などの角度が続く。さらに他の実施例では、どの角度が最も有用な情報を含むかを検出できるオンザフライ再構成を使用して、1つ以上の角度を選択することができる。
【0044】
本開示の技術の原理を適用できる多数の可能な実施形態の観点では、図示された実施形態は好ましい実施例のみであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないと認識すべきである。したがって、我々は、添付の請求項の範囲および趣旨に含まれるすべてのものを主張する。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】