IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特開-自律型基板処理システム 図1
  • 特開-自律型基板処理システム 図2
  • 特開-自律型基板処理システム 図3
  • 特開-自律型基板処理システム 図4
  • 特開-自律型基板処理システム 図5
  • 特開-自律型基板処理システム 図6
  • 特開-自律型基板処理システム 図7
  • 特開-自律型基板処理システム 図8
  • 特開-自律型基板処理システム 図9
  • 特開-自律型基板処理システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153821
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】自律型基板処理システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20241022BHJP
【FI】
H01L21/302 103
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024124182
(22)【出願日】2024-07-31
(62)【分割の表示】P 2023539821の分割
【原出願日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】17/143,072
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】パンダ プリヤダルシ
(72)【発明者】
【氏名】リアン レイ
(72)【発明者】
【氏名】ハン パンユ
(72)【発明者】
【氏名】イーガン トッド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】アヒ プラシャント
(72)【発明者】
【氏名】モール イライ
(72)【発明者】
【氏名】トム アレックス ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】テデスキ レオナルド マイケル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自律型又は半自律型の基板処理システム等を提供する。
【解決手段】基板処理システム100は、1つ以上の搬送チャンバ101、102、搬送チャンバに接続された複数の処理チャンバ106~118及び処理チャンバの各々に接続されたコンピューティングデバイス120を含む。コンピューティングデバイスは、第1処理チャンバ内で実行される処理中又はその後に、センサにより生成される第1測定値を受信し、第1のトレーニング済み機械学習モデルを使用した第1測定値の処理に基づき、チャンバがメンテナンスの時期にあるかを決定し、第1処理チャンバのメンテナンスが実行された後、シーズニング処理が第1処理チャンバ内で実行される間又は実行された後に、センサにより生成された第2測定値を受信し、第2のトレーニング済み機械学習モデルを使用した第2測定値の処理に基づき、第1処理チャンバをサービスに戻す準備ができていると決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
1つ以上の搬送チャンバと、
1つ以上の搬送チャンバに接続された複数の処理チャンバであって、第1の複数のセンサを含む第1の処理チャンバと、第2の複数のセンサを含む第2の処理チャンバとを備える複数の処理チャンバと、
複数の処理チャンバの各々に接続されたコンピューティングデバイスであって、
第1の処理チャンバ内で実行される処理の第1のインスタンス中又はその後に、第1の処理チャンバの第1の複数のセンサの少なくとも1つから1つ以上の第1の測定値を受信し、
トレーニング済み機械学習モデルを使用して、1つ以上の第1の測定値を処理し、トレーニング済み機械学習モデルは、1つ以上の第1の測定値の処理に基づき第1の出力を生成し、
トレーニング済み機械学習モデルの第1の出力に基づき、第1の処理チャンバに関して第1のアクションを実行させ、
第1のアクションの第1の結果を決定し、
1つ以上の第1の測定値、第1の出力、及び第1のアクションの第1の結果に基づき、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新する、コンピューティングデバイスを備える基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、自律型又は半自律型の基板処理システム、ツール、及び/又は処理チャンバに関する。
【背景】
【0002】
従来、処理チャンバにより実行される製造レシピは、現場(インサイチュ)の条件よって変化することがない機械的に適用される静的なレシピである。更に、処理チャンバのメンテナンスをいつ実行するか、処理チャンバをいつサービス(稼働状態)に戻すかは、設定されたスケジュールと所定のレシピに基づき静的に決定される。一般に、処理チャンバには、処理レシピ、メンテナンス、ツールの適格性評価等に関して独自の決定を下す自律性や能力はない。
【概要】
【0003】
本明細書に記載される実施形態の幾つかは処理システムに関する。処理システムは、1つ以上の搬送チャンバと、1つ以上の搬送チャンバに接続された複数の処理チャンバであって、複数の処理チャンバの各々に接続されたコンピューティングデバイスを含む。複数の処理チャンバは、第1の複数のセンサを含む第1の処理チャンバと、第2の複数のセンサを含む第2の処理チャンバとを含む。コンピューティングデバイスは、第1の処理チャンバ内で実行される処理の第1のインスタンス中又はその後に、第1の処理チャンバの第1の複数のセンサの少なくとも1つから1つ以上の第1の測定値を受信し、トレーニング済み機械学習モデルを使用して、1つ以上の第1の測定値を処理し、トレーニング済み機械学習モデルは、1つ以上の第1の測定値の処理に基づき第1の出力を生成し、トレーニング済み機械学習モデルの第1の出力に基づき、第1の処理チャンバに関して第1のアクションを実行させ、第1のアクションの第1の結果を決定し、1つ以上の第1の測定値、第1の出力、及び第1のアクションの第1の結果に基づき、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新する。
【0004】
幾つかの実施形態では、処理ツールは、処理チャンバ、処理チャンバに接続された複数のセンサ及び処理チャンバ及び複数のセンサの各々に接続されたコンピューティングデバイスを備える。コンピューティングデバイスは、処理チャンバ内で実行される処理中又はその後に、第1の複数のセンサの少なくとも1つから1つ以上の測定値を受信し、トレーニング済み機械学習モデルを使用して、1つ以上の測定値を処理し、トレーニング済み機械学習モデルは、1つ以上の第1の測定値の処理に基づき出力を生成し、トレーニング済み機械学習モデルの出力に基づき、処理チャンバに関してアクションを実行させ、アクションの結果を決定し、1つ以上の第1の測定値、出力、及びアクションの結果に基づき、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新する。
【0005】
幾つかの実施形態では、基板処理システムは、1つ以上の搬送チャンバと、1つ以上の搬送チャンバに接続された複数の処理チャンバと、複数の処理チャンバの各々に接続されたコンピューティングデバイスとを備える。複数の処理チャンバは、第1の複数のセンサを備える第1の処理チャンバを含む。コンピューティングデバイスは、第1の処理チャンバ内で実行される処理中又はその後に、第1の処理チャンバの第1の複数のセンサにより生成される第1の測定値を受信し、第1のトレーニング済み機械学習モデルを使用した第1の複数のセンサからの第1の測定値の処理に基づき、第1の処理チャンバがメンテナンスの時期にあるかを決定し、第1の処理チャンバのメンテナンスが実行された後、シーズニング処理が第1の処理チャンバ内で実行される間又は実行された後に、第1の処理チャンバの複数のセンサにより生成された第2の測定値を受信し、第2のトレーニング済み機械学習モデルを使用した複数のセンサからの第2の測定値の処理に基づき、第1の処理チャンバをサービスに戻す準備ができていると決定する。
【0006】
本開示のこれらの及び他の態様により、多くの他のフィーチャが提供される。本開示の他のフィーチャ及び態様は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付図面からより完全に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、限定としてではなく、例として添付図面に示されており、同様の参照番号は同様の要素を示している。本開示における「1つの」又は「一」実施形態への異なる言及は、必ずしも同じ実施形態を指すわけではなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意すべきである。
図1】一実施形態による、自律型又は半自律型製造システムの第1の例の概略上面図である。
図2】一実施形態による、自律型又は半自律型処理チャンバの断面図を示す。
図3】一実施形態による、処理ツール及び/又は基板処理システムにより自動的に決定を下し、アクションを実行する方法のフローチャートである。
図4】一実施形態による、エッチング処理をいつ停止するかを自動的に決定する方法のフローチャートである。
図5】一実施形態による、処理チャンバのメンテナンスをいつ実行するかを自動的に決定する方法のフローチャートである。
図6】一実施形態による、メンテナンスが実行された後に処理チャンバをいつサービスに戻すかを自動的に決定する方法のフローチャートである。
図7】一実施形態による、処理ツール及び/又は基板処理システムにより自律的に複数の決定を行う方法のフローチャートである。
図8】一実施形態による、エッチング終点に達する時期を決定し、エッチング処理チャンバのメンテナンスをスケジュールするかを決定するためにセンサデータのセットを使用する方法のフローチャートである。
図9】一実施形態による、処理チャンバのメンテナンスをいつスケジュールするか、及びメンテナンス後に処理チャンバをいつサービスに戻すかを自動的に決定する方法のフローチャートである。
図10】コンピューティングデバイスの例示的な形態におけるマシンの図表示を示す。コンピューティングデバイス中で、本明細書で説明される方法のいずれか1つ以上をマシンに実行させるための一連の命令を実行することができる。
【実施形態の詳細な説明】
【0008】
本明細書で説明する実施形態は、自律型及び半自律型の基板処理システム(例えば、プラットフォーム又はツールクラスタ)、処理ツール及び処理チャンバ、このような基板処理システム、ツール及び/又は処理チャンバをトレーニングする方法、及びこのような基板処理システム、ツール、及び/又は処理チャンバにより自動的に決定する方法に関する。実施形態では、基板処理システム、処理ツール及び/又は処理チャンバ用のコントローラ及び/又は他のコンピューティングデバイスは、処理チャンバのセンサからセンサ測定値を受け取り、コンピューティングデバイスがどのようなアクションを実行するかを決定することを可能にする出力を提供するようにトレーニングされた1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルを含む。このような決定の例は、エッチング処理を停止する決定、メンテナンスのために処理チャンバをスケジュールする決定、及びメンテナンスの実行後に処理チャンバのシーズニングを停止する決定を含む。実施形態では、自律型ツール又は半自律型ツールは、リモートコンピューティングデバイスにデータを転送せずに、ローカルで意思決定を行うことができるツールである。実施形態では、スマートツール(自律型ツール又は半自律型ツールと呼ばれる)は、いつ処理を停止するか、いつメンテナンスを実行するか、処理チャンバのメンテナンスを行った後、いつ処理チャンバのシーズニングを停止して処理チャンバをサービス状態に戻すかを決定することができる。実施形態では、スマートツールは、第1の機械学習モデルの出力に基づきエッチング処理をいつ停止するかを決定すること、第2の機械学習モデルの出力に基づき処理チャンバのメンテナンスをいつ実行するかを決定すること、及び第3の機械学習モデルの出力に基づき、処理チャンバのシーズニングをいつ停止し、処理チャンバをサービス状態に戻すかを決定する。
【0009】
実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルは、リモートコンピューティングデバイス上ではなく、ツール及び/又は基板処理システム(例えば、プラットフォーム、搬送チャンバ、メインフレーム、ファクトリインターフェース及び/又はツールクラスタ)自体上で実行されるエッジベースのモデルである。機械学習モデルのトレーニングは遠隔で実行することができ、その後、トレーニング済み機械学習モデルをツール及び/又は基板処理システムに転送することができ、又はツール及び/又は基板処理システム上で実行することができる。機械学習モデルの再トレーニング又はトレーニングの更新は、ツール及び/又は基板処理システム上で定期的又は継続的に実行することができる。機械学習モデルの実行及び/又はトレーニング(再トレーニングを含む)をツール及び/又は基板処理システムに移すことにより、センサ測定値の生成とそのようなセンサ測定値に基づく意思決定の間の待ち時間を大幅に短縮できる。これにより、ツール及び/又は基板処理システムが処理チャンバに対してリアルタイムで決定を下す能力が向上する。更に、意思決定をツール及び/又は基板処理システムに移すことで、ネットワーク上で送信されるデータ量が削減され、効率が向上し、意思決定の速度が向上する。例えば、処理システム又はツール上でエッチング終点を検出するようにトレーニングされた機械学習モデルを含む実施形態では、エッチング処理をいつ停止するかの決定は、そのような決定を引き起こすセンサデータが受信されてから数秒又は数分の1秒以内に行うことができる。
【0010】
他の例では、処理チャンバのメンテナンスをスケジュールするかの決定は、第1の基板上で処理が実行された後、次の基板上で処理が実行される前に行うことができる。例えば、サービスのためのツールをダウンするという決定は、ツールの処理チャンバ内で基板が処理されてから1~5分以内、処理チャンバ内で基板が処理されてから1分未満以内、又は処理チャンバ内で基板が処理されてから数秒以内、又は数分の一秒以内に行うことができる。このような迅速な応答時間により、製品基板(顧客に販売されるデバイスの製品となる基板)の、仕様外であり、基板の汚染や製品の故障の原因となる可能性があり、及び又は究極的に製造される基板の欠陥の原因となる処理チャンバへの暴露を減少する。他の例では、処理チャンバに対してメンテナンスが実行された後、処理チャンバのシーズニングを停止するかの決定は、処理チャンバに対するシーズニング処理の実行の間に行うことができる。これにより、ツールを再適格性評価してサービスに戻すのにかかる時間が短縮され、ツールの全体的な所有コストが削減され、ツールの生涯スループットが向上する。更に、処理チャンバのシーズニングをいつ停止するかを動的に決定することにより、シーズニングを実行するために使用されるリソース(例えば、ガス、ウエハ等)の量が削減される。
【0011】
図面を参照すると、図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態による基板製造用に構成されたクラスタツール100(システム、基板処理システム、又は製造システムとも呼ばれる)の図である。クラスタツール100は、1つ以上の真空搬送チャンバ(VTM)101、102、ファクトリインターフェース104、複数の処理チャンバ/モジュール106、108、110、112、114、116、及び118、及びプラットフォームコントローラ120を含む。また、サーバコンピューティングデバイスをクラスタツール100に(例えば、クラスタツール100のプラットフォームコントローラ120に)接続することができる。図1に示されるように、複数のVTMを備えた実施形態では、図1に示されるような2つ以上のVTMを備えた実施形態において、1つ以上の通過チャンバ(ビアと呼ばれる)を提供し、1つのVTMから別のVTMへの真空移動を容易にすることができる。図1に示される実施形態と一致する実施形態では、2つの通過チャンバ(例えば、通過チャンバ140及び通過チャンバ142)を設けることができる。
【0012】
ファクトリインターフェース104は、クラスタツール100を使用して処理される1つ以上の基板を、例えばフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)又は他の適切な基板含有ボックス又はキャリアから受け取るように構成されたローディングポート122を含む。ローディングポート122は、1つ以上の基板をローディングするために使用可能な1つ以上のローディングエリア124a~124cを含むことができる。3つのローディングエリアが示されている。しかし、使用可能なローディングエリアはこれより多くても、少なくてもよい。
【0013】
ファクトリインターフェース104は、ロードポート122にロードされた基板を搬送するために使用される大気搬送モジュール(ATM)126を含む。より具体的には、ATM126は、ドア135(仮想線で示す、スリットバルブとも呼ばれる)を介してローディングエリア124a~124cからATM126に基板を搬送するように構成された1つ以上のロボットアーム128(仮想線で示す)を含む。ドアはATM126をローディングポート122に接続する。通常、各々のローディングポート(124a~124c)ごとに1つのドアがあり、各々のローディングポートからATM126への基板の搬送が可能である。また、ロボットアーム128は、ドア132(仮想線で示す、各々のロードロックに各々1つずつ)を介してATM126からエアロック130a、130bに基板を搬送するように構成される。ドアはATM126をエアロック130aに接続する。ロードロックの数は2つより多くても少なくてもよいが、説明のみを目的として、ATM126に接続するためのドアを有する各々のロードロックを備えた2つのロードロック(130a及び130b)が示されている。ロードロック130a~bは、バッチロードロックであっても、なくてもよい。
【0014】
ロードロック130a、130bは、プラットフォームコントローラ120の制御下で、大気圧環境又は真空圧力環境のいずれかに維持することができ、VTM101に/VTM101から搬送される基板のための中間又は一時的な保持スペースとして機能する。VTM101は、ロードロック130a、130bから複数の処理チャンバ106、108(プロセスチャンバとも呼ばれる)の1つ又は複数、又は1つ以上の通過チャンバ140及び142(ビアとも呼ばれる)に、真空を破ることなく、即ち、VTM102、複数の処理チャンバ106、108、通過チャンバ140及び142内の真空圧力環境を維持しながら、基板を搬送するように構成されたロボットアーム138(仮想線で示す)を含む。VTM102は、エアロック130a、130bから複数の処理チャンバ106、108、110、112、114、116の1つ以上に、真空を破壊することなく、即ち、VTM102及び複数の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、及び118内の真空圧力環境を維持しながら、基板を搬送するように構成されたロボットアーム138(仮想線)を含む。
【0015】
ドア134、例えばスリットバルブドアは、各々のロードロック130a、130bをVTM101に接続する。同様に、ドア136、例えばスリットバルブドアは、各々の処理モジュールを、各々の処理モジュールが結合されるVTM(例えば、VTM101又はVTM102のいずれか)に接続する。複数の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、及び118は、1つ以上の処理を実行するように構成される。1つ以上の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、及び118により実行することができる処理の例は、クリーニング処理(例えば、基板から表面酸化物を除去する前クリーニング処理)、アニール処理、堆積処理(例えば、キャップ層、ハードマスク層、バリア層、ビット線金属層、バリアメタル層等の堆積のため)、エッチング処理等を含む。1つ以上の処理チャンバにより実行することができる堆積処理の例は、物理気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、原子層蒸着(ALD)等を含む。1つ以上の処理チャンバにより実行することができるエッチング処理の例にはプラズマエッチング処理を含む。
【0016】
プラットフォームコントローラ120(例えば、ツール及び装置コントローラ)は、クラスタツール100の様々な側面(例えば、処理チャンバ内のガス圧力、個々のガス流量、空間流量比、様々な処理チャンバ内のプラズマ出力、様々な処理チャンバの温度、様々なチャンバコンポーネントの温度、処理チャンバの高周波(RF)又は電気状態等)を制御することができる。コントローラ120は、クラスタツール100のコンポーネント(例えば、ロボットアーム128、138、処理チャンバ106、108、110、112、114、116、及び118、ロードロック130a-b、スリットバルブドア、及び/又は、1つ以上のセンサ、及び/又は、クラスタツール100の他の処理コンポーネント)のいずれかから信号を受信し、コマンドを送信することができる。従って、コントローラ120は、処理の開始及び停止を制御し、堆積速度及び/又はターゲット層厚を調整し、処理温度を調整し、堆積組成物の種類又は混合を調整し、エッチング速度を調整すること等ができる。更に、コントローラ120は、様々なセンサから測定データ(例えば、光学測定データ)を受信して処理し、そのような測定データに基づき決定を行うことができる。
【0017】
様々な実施形態において、コントローラ120は、コンピューティングデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、マイクロコントローラ等)であってもよく、及び/又はこれらを含んでいてもよい。コントローラ120は1つ以上の処理装置(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置等の汎用処理装置であってもよい)を含んでいてもよく、又は、であってもよい。より具体的には、処理装置は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実行するプロセッサ又は命令の組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。また、処理装置は1つ以上の専用処理装置(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等)であってもよい。コントローラ120は、データ記憶装置(例えば、1つ以上のディスクドライブ及び/又はソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、及び/又は他のコンポーネントを含んでいてもよい。コントローラ120の処理デバイスは、本明細書で説明される方法及び/又は実施形態の任意の1つ以上を実行するための命令を実行することができる。命令は、コンピュータ可読記憶媒体(メインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶装置、及び/又は処理デバイス(命令の実行中)を含む)に格納することができる。
【0018】
実施形態では、コントローラ120の処理デバイス及びメモリは、クラスタツール用の従来のコントローラの処理能力及びメモリサイズと比較して、増加した容量を有する。実施形態では、処理デバイス及びメモリは、機械学習モデルのトレーニングだけでなく、複数のトレーニング済み機械学習モデルの並列実行及び使用を処理するのに十分である。例えば、メモリ及び処理装置は、6~15の異なる機械学習モデル(例えば、処理チャンバ106~108の各々に対して1つ以上)の並列実行を処理するのに十分であってもよい。
【0019】
一実施形態では、コントローラ120は自律型ツールエンジン121を含む。自律型ツールエンジン121は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実行することができる。自律型ツールエンジン121は、処理チャンバ上での処理の実行中及び/又は実行後に、処理チャンバ106、108、110、112、114、116、及び118の1つ以上のセンサにより生成された測定データを受信し、処理するように構成される。センサ測定は、温度測定、ガス流量、プラズマ電力測定、圧力測定、電圧測定、電流測定、抵抗測定、時間測定、光学測定(例えば、発光分光測定及び/又は反射率測定)、位置測定、及び/又は他のタイプの測定を含むことができる。幾つかの測定例は、チャンバ圧力(例えば、mTorrで測定することができる)、ノズル中央チャネル流量(例えば、SCCMで測定することができる)、ノズル中間チャネル流量(例えば、SCCMで測定することができる)、圧力コントローラ(例えば、バルブ)位置(例えば、開度30%等の開度のパーセンテージとして表すことができる)、チャンバへの総ガス流量(例えば、SCCMで測定することができる)、内部及び/又は外部プラズマ源電流(例えば、アンペアで測定できる)、プラズマ源の内部と外部の電流比、ソース順方向電力(例えば、ワットで測定できる)、プラズマ源マッチングネットワークコンデンサ位置、プラズマ源反射電力(例えば、ワットで測定することができる)、プラズマ源直列コンデンサ位置(例えば、正規化された単位のない値として表することができる)、プラズマ源シャントコンデンサ位置、RFバイアス反射電力(例えば、ワット単位で測定できる)、RFバイアス順方向ポーザー(例えば、ワット単位で測定できる)、RF源順方向電力(例えば、ワット単位で測定できる)、RF源反射電力(例えば、ワット単位で測定できる)、1つ以上の波長又は周波数(例えば、3870nm、7035nm、775nm等の波長)のOESスペクトル測定、プラズマ源内部電圧、プラズマ源外部電圧、1つ以上のチャック/ヒータ温度(例えば、静電チャックの内部温度及び静電チャックの外部温度等)、ヘリウム圧力(例えば、基板と基板を支持するチャックとの間のギャップに供給されるヘリウム)、ヘリウム流量(例えば、基板とチャックの間のギャップに供給されるヘリウム)、蓋の温度等を含む。これらの測定値の一部又は全てを組み合わせて、自律型ツールエンジン121のトレーニング済み機械学習モデルに入力されるフィーチャベクトルを生成することができる。
【0020】
プラットフォームコントローラ120上で動作する自律型ツールエンジン121は、複数の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、118を制御及び/又は決定するための1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルを含むことができる。1つ以上のトレーニングされた学習モデルは、処理チャンバ106、108、110、112、114、116、118からセンサ測定値を受け取り、及び/又は処理チャンバ106、108、110、118に関連付けられたセンサ測定値を受け取り、処理チャンバ、処理チャンバにより実行される処理又は処理チャンバにより実行されている処理についての予測、分類、又は決定を行うようにトレーニングされている。トレーニング済み機械学習モデルの各々は、処理チャンバ106、108、110、112、114、116、118の異なる意思決定処理に関連付けることができる。
【0021】
一実施形態では、1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルは、回帰を使用してトレーニングされた回帰モデルである。回帰モデルの例は、線形回帰又はガウス回帰を使用してトレーニングされた回帰モデルである。回帰モデルは、X変数の既知の値を考慮してYの値を予測する。回帰モデルは、内挿及び/又は外挿を含む回帰分析を使用してトレーニングされることができる。一実施形態では、回帰モデルのパラメータは最小二乗法を使用して推定される。代替的に、ベイジアン線形回帰、パーセンテージ回帰、最小絶対偏差、ノンパラメトリック回帰、シナリオ最適化、及び/又は距離計量学習を実行して、回帰モデルをトレーニングすることもできる。
【0022】
一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルの1つ以上は、決定木、ランダムフォレスト、サポートベクターマシン、又は他のタイプの機械学習モデルである。
【0023】
一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルの1つ以上は、人工ニューラルネットワーク(単に、ニューラルネットワークとも呼ばれる)である。人工ニューラルネットワークは、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)又はディープニューラルネットワークであってもよい。一実施形態では、処理ロジックはスーパーバイズされた機械学習を実行し、ニューラルネットワークをトレーニングする。
【0024】
一般に、人工ニューラルネットワークには、フィーチャをターゲット出力空間にマッピングする分類器又は回帰層を備えたフィーチャ表現コンポーネントを含む。例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、複数の層の畳み込みフィルターをホストする。プーリングが実行され、非線形性は下位層で対処できる。通常、その上に多層パーセプトロンが追加され、畳み込み層により抽出された最上層フィーチャを決定(分類出力等)にマッピングする。ニューラルネットワークは、複数の隠れ層を有する深いネットワーク、又はゼロ又は少数(例えば、1~2)の隠れ層を有する浅いネットワークであってもよい。ディープラーニングは、フィーチャの抽出と変換に非線形処理ユニットの複数層のカスケードを使用する機械学習アルゴリズムのクラスである。後続の各層は、前の層からの出力を入力として使用する。ニューラルネットワークは、スーパーバイズされた(分類等)及び/又はスーパーバイズされていない(パターン分析等)方法で学習することができる。幾つかのニューラルネットワーク(例えば、ディープニューラルネットワーク等)は層の階層を含み、異なる層は異なる抽象化レベルに対応する異なるレベルの表現を学習する。深層学習では、各レベルが入力データをもう少し抽象的で複合的な表現に変換することを学習する。
【0025】
トレーニング済み機械学習モデルの1つ以上は、リカレントニューラルネットワーク(RNN)であってもよい。RNNは、ニューラルネットワークが時間的な依存関係をキャプチャできるようにするメモリを含むニューラルネットワークの一種である。RNNは、現在の入力と過去の入力の両方に依存する入出力マッピングを学習することができる。RNNは過去及び将来の測定に対処し、この継続的な測定情報に基づき予測を行う。例えば、処理中にセンサの測定値を継続的に取得し、それらの測定値のセットをRNNに順次入力することができる。現在のセンサ測定値と以前のセンサ測定値は、トレーニング済み機械学習モデルの現在の出力に影響を与える可能性がある。使用できるRNNの1つのタイプは、長期短期記憶(LSTM)ニューラルネットワークである。
【0026】
自律型ツールエンジン121の幾つかのトレーニング済み機械学習モデルは、共通の処理チャンバタイプを有し、同じ又は類似の処理を実行するために使用される複数の異なる処理チャンバに使用することができる。例えば、処理チャンバ106と処理チャンバ108は両方とも、同じエッチング処理を実行するエッチングチャンバであってもよい。トレーニング済み機械学習モデルを使用して、処理チャンバ106及び処理チャンバ108の各々のメンテナンスをいつスケジュールするかを決定することができる。
【0027】
幾つかのトレーニング済み機械学習モデルは、特定の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、118に特有であってもよい。そのようなトレーニング済み機械学習モデルについては、トレーニング済み機械学習モデルの異なるインスタンスが各々の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、118に対してトレーニングされる場合がある。例えば、自律型ツールエンジン121は、処理チャンバ106のメンテナンスをいつスケジュールするかを決定するための第1のトレーニング済み機械学習モデル、処理チャンバ108のメンテナンスをいつスケジュールするかを決定するための第2のトレーニング済み機械学習モデル、処理チャンバ110のメンテナンスをいつスケジュールするかを決定するための第3のトレーニング済み機械学習モデル、処理チャンバ112のメンテナンスをいつスケジュールするかを決定するための第4のトレーニング済み機械学習モデル、処理チャンバ114のメンテナンスをいつスケジュールするかを決定するための第5のトレーニング済み機械学習モデル、処理チャンバ116のメンテナンスをいつスケジュールするかを決定するための第6のトレーニング済み機械学習モデル、及び処理チャンバ118のメンテナンスをいつスケジュールするかを決定するための第7のトレーニング済み機械学習モデルを含むことができる。
【0028】
自律型ツールエンジン121の幾つかのトレーニング済み機械学習モデルは、処理チャンバにより、及び/又は処理チャンバに対して(例えば、処理チャンバ上で実行される処理に対して)、生成された全てのセンサ測定値を使用する。自律型ツールエンジン121のトレーニング済み機械学習モデルの幾つかは、生成されたセンサ測定値のサブセットを使用する。例えば、エッチング終点を決定するようにトレーニングされたトレーニング済み機械学習モデルは、1つ以上の光センサからの測定値(例えば、反射率測定信号及び/又は発光分光信号等)を入力として受信することができる。
【0029】
一実施形態では、自律型ツールエンジン121はメンテナンスマネージャ123を含む。メンテナンスマネージャ123は、1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルを含む。この機械学習モデルは、処理チャンバに関連付けられたセンサから処理チャンバ及び/又は処理のセンサ測定値と受信し、処理チャンバのメンテナンスを実行する必要があるかの決定を出力するようにトレーニングされている。一実施形態では、メンテナンスマネージャ123は、クラスタツール100の各々の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、118に対して異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。一実施形態では、メンテナンスマネージャ123は、処理チャンバのタイプのための異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。一実施形態では、メンテナンスマネージャ123は、特定の処理を実行する処理チャンバのタイプごとに異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。例えば、処理チャンバ106、108、110及び112は同じタイプの処理チャンバであり、処理チャンバ106、108は第1の処理を実行し、処理チャンバ110、112は第2の処理を実行することがある。従って、メンテナンスマネージャ123は、処理チャンバ106、108についての第1のトレーニング済み機械学習モデルと、処理チャンバ110、112についての第2のトレーニング済み機械学習モデルとを含むことができる。
【0030】
一実施形態では、自律型ツールエンジン121は、再適格性評価マネージャ125を含む。再適格性評価マネージャ125は、1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルを含む。この機械学習モデルは、処理チャンバに関連付けられたセンサから処理チャンバ及び/又は処理のセンサ測定値を受信し、処理チャンバが適切にシーズニングされ、使用に戻る準備ができているかに関する決定を出力する。センサ測定値は、処理チャンバ内でシーズニング処理が実行されている間及び/又は実行された後に受信することができる。実施形態では、ブランケット基板、センサ基板、ベア基板、又はテスト基板が処理チャンバ内にある間に、シーズニング処理を実行することができる。一実施形態では、再適格性評価マネージャ125は、クラスタツール100の各々の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、118に対して異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。一実施形態では、再適格性評価マネージャ125は、処理チャンバの各々のタイプのための異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。一実施形態では、再適格性評価マネージャ125は、特定の処理を実行する処理チャンバのタイプために異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。例えば、処理チャンバ106、108、110及び112は同じタイプの処理チャンバであり、処理チャンバ106、108は第1の処理を実行し、処理チャンバ110、112は第2の処理を実行することがある。従って、再適格性評価マネージャ125は、処理チャンバ106、108のための第1のトレーニング済み機械学習モデルと、処理チャンバ110、112のための第2のトレーニング済み機械学習モデルとを含むことができる。
【0031】
一実施形態では、自律型ツールエンジン121は、処理マネージャ127を含む。処理マネージャ127は1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルを含む。この機械学習モデルは、処理チャンバに関連付けられたセンサから処理チャンバ及び/又は処理のセンサ測定値を受信し、特定の処理条件(例えば、エッチングの終点に到達したか等)が満たされているかに関する決定を出力するようトレーニングされている。一実施形態では、処理マネージャ127は、クラスタツール100の各々の処理チャンバ106、108、110、112、114、116、118のための異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。一実施形態では、処理マネージャ127は、処理チャンバのタイプのための異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。一実施形態では、処理マネージャ127は、特定の処理を実行する処理チャンバのタイプのための異なるトレーニング済み機械学習モデルを含む。例えば、処理チャンバ106、108、110及び112は同じタイプの処理チャンバであり、処理チャンバ106、108は第1の処理を実行し、処理チャンバ110、112は第2の処理を実行ことがある。従って、処理マネージャ127は、処理チャンバ106、108のための第1のトレーニング済み機械学習モデルと、処理チャンバ110、112のための第2のトレーニング済み機械学習モデルとを含むことができる。
【0032】
実施形態では、処理マネージャ127の機械学習モデルの少なくとも1つへの入力は、製造処理中の1つ以上の時点からの1つ以上のセンサ測定値を含むフィーチャベクトルであり、機械学習モデルの出力はエッチング終点の決定(例えば、エッチング終点に達したこと、又はエッチング終点に達していないことを示す)、推定膜厚値及び/又は推定トレンチ深さである。一実施形態では、トレーニングされたニューラルネットワークは、基板上の堆積層の反射率測定値及び/又は基板上の堆積層のエッチング中に生成される発光分光測定値を入力として受信し、推定膜厚さ及び/又はトレンチの深さの少なくとも1つを出力するようにトレーニングされる。次に、推定された膜厚及び/又はトレンチ深さは、処理マネージャ127により目標膜厚及び/又はトレンチ深さと比較することができる。目標膜厚及び/又はトレンチ深さは、膜をエッチングするための処理レシピに含まれていてもよい。推定膜厚が目標膜厚に等しい、及び/又は推定トレンチ深さが目標トレンチ深さに等しい場合、処理マネージャ127は、エッチング終点に達したと決定する。
【0033】
トレーニング済み機械学習モデルは、複数のデータ項目を含むトレーニングデータセットを使用してトレーニングされることができる。データ項目は、処理中(例えば、堆積処理又はエッチング処理中)のOESセンサ及び又は反射率測定センサ等の光学センサから生成される膜のスペクトル(例えば、特定の厚さを有する膜及び/又は特定の深さを有するトレンチの反射率測定)、及び処理後に測定された関連する厚さ値及び/又は深さ値(例えば、光学臨界寸法(OCD)測定)を含む。ニューラルネットワーク(例えば、畳み込みニューラルネットワーク)又は回帰モデル(例えば、ガウス回帰モデル又は線形回帰モデル)等の機械学習モデルをトレーニングして、光センサ測定値(例えばスペクトル情報)を膜厚及び/又はトレンチ深さに相関させることができる。次に、トレーニング済み機械学習モデルは、処理(例えば、エッチング又は堆積処理)中に光センサ測定値(例えば、スペクトル情報)を受信し、光センサ測定値に基づき膜厚及び/又はトレンチ深さを推定することができる。
【0034】
一実施形態では、機械学習モデルのトレーニングは、膜厚及び/又はトレンチ深さに最も大きな影響を与えるスペクトル情報のセットを決定するために主成分分析を実行することを含む。例えば、以下の方程式に示されるように、主成分分析を通じて、システムはy(トレンチの深さ又は膜厚)がx、xからxまでの関数であることを決定できる(ここで、1からnまでのiに対するxはスペクトル情報(例えば、異なる波長)の主成分である)。
y=F(α
ここで、i=1~nの場合、αは各々の主成分xの重みである。
【0035】
一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルは、処理(例えば、エッチング処理)中に定期的に(例えば、50~100ミリ秒ごと)光センサ測定値を処理する。入力ごとに、トレーニング済み機械学習モデルは膜厚及び/又はトレンチ深さを出力することができる。処理マネージャ127は、推定されたトレンチ深さ及び/又は膜厚を目標トレンチ深さ及び/又は膜厚と比較し、次のセンサ測定値が処理される前にエッチング終点に到達したか、又は到達するかを決定することができる。一実施形態では、処理マネージャ127は、複数の膜厚及び/又はトレンチ深さの推定値と、膜厚及び/又はトレンチ深さの推定値に関連する測定値が生成された関連時間に基づき、推定エッチング速度を決定する。例えば、式(D1-D2)/(T2-T1)=Rを使用してエッチング速度を決定できる。ここで、Dは時間Tでの厚さ、Dは時間Tでの厚さである。Rはエッチング速度である。従って、最後の数回の測定にわたる厚さの値を調べて、エッチング速度を推定することができる。次に、推定されたエッチング速度を将来に外挿して、いつエッチングの終点に到達するかを推定することができる。処理ロジックには、膜厚及び/又はトレンチ深さを決定するために光センサ測定を処理するのにどれくらいの時間がかかるかを識別する情報が含まれてもよい。この情報は、エッチングの終点に到達すると予測される推定時間と比較することができる。トレーニング済み機械学習モデルにより次の一連の光学測定が処理される前に推定トレンチ終点に到達する場合、推定トレンチ終点に到達する時刻を使用して、いつエッチング処理を停止するかを決定することができる。一実施形態では、処理マネージャ127は、以前の光センサ測定に基づく膜厚及び/又はトレンチ深さの2~10の推定値を使用してエッチング速度を決定し、エッチング速度を将来に外挿して次の2~10のデータポイントを予測する(即ち、次の2~10セットの光学測定に対してトレーニング済み機械学習モデルにより出力される推定膜厚及び/又はトレンチ深さ)。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルはリカレントニューラルネットワーク(RNN)である。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルは、静的スペクトル情報を受け取るニューラルネットワーク(例えば、CNN)である。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルは線形回帰モデルであり、別の実施形態では、機械学習モデルはガウス回帰モデルである。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルはランダムフォレストである。
【0036】
実施形態では、センサ測定値(例えば、OES及び/又は反射率測定スペクトル情報)は、エッチング終点に達したかに関する「はい」/「いいえ」の決定ではなく、実際のOCD情報と相関する。センサ測定値を実際のOCD情報と相関させると、単に終点の決定をエッチングするために相関させるよりも精度が20~30%向上することが示されている。
【0037】
コントローラ120は、サーバ(図示せず)に動作可能に接続することができる。サーバは、製造施設内の一部又は全てのツールとインターフェースするファクトリフロアサーバとして動作するコンピューティングデバイスであるか、又はこれを含むことができる。サーバは、トレーニングを実行してトレーニング済み機械学習モデルを生成することができ、トレーニング済み機械学習モデルをプラットフォームコントローラ120上の自律型ツールエンジン121に送信することができる。代替的に、機械学習モデルはプラットフォームコントローラ120上でトレーニングされることができる。
【0038】
ニューラルネットワークのトレーニングは、教師あり学習方式で実現できる。これには、ネットワークを介してラベル付き入力で構成されるトレーニングデータセットを供給し、その出力を観察し、(出力とラベル値の間の差を測定することにより)エラーを定義し、深勾配降下法やバックプロパゲーション等の手法を使用して、エラーが最小限に抑えられるように、全ての層とノードにわたるネットワークの重みを調整する。多くのアプリケーションでは、トレーニングデータセット内の多くのラベル付き入力に対してこの処理を繰り返すことにより、トレーニングデータセットに存在するものとは異なる入力が与えられた場合に正しい出力を生成できるネットワークが得られる。大きなイメージ等の高次元の設定では、十分に大きく多様なトレーニングデータセットが利用可能になると、この一般化が達成される。
【0039】
自律型ツールエンジン121のトレーニング済み機械学習モデルの各々は定期的又は継続的に再トレーニングされ、トレーニング済み機械学習モデルの継続的な学習及び改善を達成することができる。各々のモデルは入力に基づき出力を生成し、その出力に基づきアクションを実行し、アクションの結果を測定することができる。場合により、アクションの結果は、数分の1秒(ミリ秒等)、秒又は分以内に測定されるが、場合により、アクションの結果の測定に更に時間がかかる場合もある。例えば、アクションの結果を測定する前に、1つ以上の追加の処理を実行することができる。アクション及びアクションの結果は、出力が正しい出力であったか、及び/又は本来あるべきも出力と実際の出力の差異を示すことができる。従って、アクション及びアクションの結果を使用して、センサ測定のラベルとして使用できる目標出力を決定することができる。アクションの結果が決定されると、入力(即ち、センサ測定値)、トレーニング済み機械学習モデルの出力、及び機械学習モデルのターゲット出力(又はアクションとアクションの結果)が新しいトレーニングデータ項目として使用される。次に、新しいトレーニングデータ項目は、トレーニング済み機械学習モデルを更にトレーニングするために使用できる。この再トレーニング処理は、プラットフォームコントローラ120の自律型ツールエンジン121によりツール上で実行することができる。
【0040】
一実施形態では、処理マネージャ127は、エッチング終点、膜厚、及び/又はエッチング深さを検出するようにトレーニングされた1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルを含む。上で説明したように、エッチング終点、膜厚及び/又はトレンチ深さを検出するようにトレーニングされたそのようなトレーニング済み機械学習モデルは、光学測定(例えば、反射率測定及び/又は発光分光測定)及び膜厚及び/又はトレンチ深さを示すラベルを含むトレーニングデータセットからトレーニングされることができる。一実施形態では、光学測定により、深さ又は厚さの情報及び/又はエッチング終点と相関するスペクトル情報が得られる。次に、反射率測定情報及び/又は発光分光法情報を含むスペクトル情報をトレーニング済み機械学習モデルに入力して、厚さ又は深さ(例えば、トレンチ深さ)出力を生成することができる。厚さ又は深さの出力を目標の厚さ又は深さと比較して、エッチングの終点に到達したかを決定することができる。同様の処理を実行して、堆積処理中に膜の目標厚さを測定することができる。例えば、処理マネージャ127のトレーニング済み機械学習モデルは、光学測定を使用して、堆積中の膜がいつ目標厚さに達したかを決定することができ、膜が目標厚さに達したときに堆積処理を停止することができる。
【0041】
異なるエッチング終点検出機械学習モデルを、各々のエッチングレシピ及び/又は各々の処理チャンバに対してトレーニングすることができる。トレーニング済み機械学習モデルがプラットフォームコントローラ120により(例えば、処理マネージャ127により)採用されると、光学測定値をエッチング処理中にエッチングチャンバの光センサにより定期的又は連続的に生成することができる。これらの光学測定は処理マネージャ127のトレーニング済み機械学習モデルにより処理され、いつエッチング終点に到達したか、また、いつエッチング処理(又はエッチング処理のステップ)を停止するかを決定することができる。その後、エッチング処理によりエッチングされた膜を有する基板の厚さ又は深さの測定、及び/又は他の光学臨界寸法(OCD)測定を実行することができる。OCD測定は、例えば、法線入射分光偏光解析法、光学散乱法、走査型電子顕微鏡法、及び/又は他のOCD測定技術を使用して実行することができる。測定された厚さ又は深さを目標の厚さ又は深さと比較することができ、その差は、機械学習モデルの出力及び機械学習モデルに入力されたセンサ測定値とともに使用され、機械学習モデルのトレーニングを更新することができる。一実施形態では、センサ測定値、予測されたOCD、及び実際に測定されたOCDを含むトレーニングデータ項目が、機械学習モデルを更にトレーニングするために使用される。トレーニング済み機械学習モデルは、ロットごと、又は基板が処理されるごとに再トレーニングされることができる。例えば、25枚のウエハごとに機械学習モデルを更新することができ、精度が向上し、処理チャンバの現在の状態を反映するその更新された機械学習モデルを、次の25枚のウエハの処理に使用することができる。これにより、エッチング処理に対して非常に正確な深さ制御が提供され、実施形態では歩留まりを約0.2~0.3%改善することができる。
【0042】
一実施形態では、再適格性評価マネージャ125は、処理チャンバで予防的メンテナンス又はその他のメンテナンスが行われた後、いつ処理チャンバが回復(例えば、処理チャンバがサービスに戻り、製品基板の処理を再び開始する準備ができたとき)するかを検出するようにトレーニングされた1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルを含む。メンテナンスからの回復を検出するためにトレーニングされたそのようなトレーニング済み機械学習モデルは、シーズニング処理中に1つ以上の処理チャンバにより生成された多くの異なる測定値を含むトレーニングデータセットからトレーニングされることができる。多くの異なる測定値には、基板の光学測定値(例えば、反射率測定及び/又は発光分光測定)、圧力測定値、電力測定値、電圧測定値、電流測定値、他の電気測定値、温度測定値、シーズニング処理中に生成されたもの、及び複合センサ測定が行われたシーズニング処理が完了した後に処理チャンバが使用に戻る準備ができているかを示すラベルを含むことができる。
【0043】
異なるメンテナンス回復検出機械学習モデルは、各々の処理チャンバに対して、及び/又は処理チャンバとその処理チャンバ上で実行される処理又は処理のセットとの各ペアに対して(例えば、教師あり学習処理又は半教師あり学習処理を使用して)トレーニングされることができる。トレーニング済み機械学習モデルがプラットフォームコントローラ120により(例えば、再適格性評価マネージャ125により)採用されると、センサ測定値をシーズニング処理中及び/又はシーズニング処理後に処理チャンバ複数のセンサにより、定期的に(例えば、10秒ごと、30秒ごと、1分ごと等)又は連続的に生成することができる。これらの測定値は、再適格性評価マネージャ125のトレーニング済み機械学習モデルにより処理され、メンテナンスイベント後に処理チャンバに対して十分なシーズニング処理がいつ実行されたか、これによって処理チャンバがいつサービスに戻る準備ができているかを決定することができる。更に、これらの測定値をトレーニング済み機械学習モデルにより処理し、現在のシーズニング処理を終了するかを決定することができる。その後、処理チャンバに対して1つ以上のテスト処理を実行することができ、テスト処理の結果は、処理チャンバが再適格性評価されるか、又は処理チャンバが再適格性評価されない(処理チャンバ上で更にシーズニング処理を実行する必要があることを示す)ことである。一実施形態では、実行することができるテスト処理には、ブランケットウエハエッチング速度及び/又はエッチング均一性が測定されるブランケットウエハエッチング処理、パターン化ウエハエッチング速度及び/又はエッチング均一性が測定されるパターン化ウエハエッチング処理、及び/又は粒子試験ウエハが処理され、次に粒子試験ウエハ上の粒子が計数される粒子テスト処理の1つ以上を含む。ブランケットウエハエッチング速度及び/又はエッチング均一性が目標ブランケットウエハエッチング速度及び目標ブランケットウエハエッチング均一性の許容範囲内にあり、パターン化ウエハエッチング速度及び/又はエッチング均一性が目標パターン化ウエハエッチング速度及び目標エッチング均一性の許容範囲内にあり、粒子計測数が目標粒子数の許容範囲内にある場合、処理チャンバを再適格性評価することができる。一実施形態では、目標粒子数は、特定のサイズ以上の粒子の閾値数よりも少ない。例えば、ターゲット粒子数は、直径22mm以上の粒子5個未満であってもよい。
【0044】
一実施形態では、センサ測定値を含むトレーニングデータ項目、処理チャンバがサービスに戻る準備ができているかに関する予測、及び処理チャンバが実際にサービスに戻る準備ができているかに関する機械学習出力(例えば、処理チャンバが再適格性評価テストに合格したか、再適格性評価テストに合格しなかった)は、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新するために使用される。トレーニング済み機械学習モデルは、処理チャンバ(又は他の処理チャンバ)がメンテナンスのために停止された後に稼働状態に戻った後、毎回、再トレーニングされることができる。実施形態は、メンテナンス後に処理チャンバを使用に戻す前に実行されるシーズニング処理の繰り返しの数を減らす。例えば、エッチングチャンバをシーズニングするための標準処理は、エッチングチャンバ上でシーズニング処理を25回繰り返し実行し、その後、処理チャンバ上でテスト処理を実行することであってもよい。しかしながら、実施形態では、処理ロジックは、シーズニング処理の完全な25回の反復が完了するまで待つのではなく、処理チャンバがテスト処理を実行する準備ができているときを即座に決定することができる。幾つかの実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルが処理チャンバがサービスに戻る準備ができていることを示した後は、テスト処理は実行されない。
【0045】
一実施形態では、再適格性評価マネージャ125のトレーニング済み機械学習モデルは、シーズニング処理中に入力されるセンサ測定値に基づき処理チャンバのチャンバ状態インデックス(CCI)値を出力するようにトレーニングされる。チャンバ状態インデックス(CCI)値は、閾値CCI値と比較され、トレーニング済み機械学習モデルにより出力されたCCI値が閾値CCI値を満たすか又はそれを超える場合、再適格性評価マネージャ125は、処理チャンバがサービスに戻る準備ができていると判定することができる。予測されたCCI値がCCI閾値を満たさない場合、更なるシーズニング処理を実行することができる。また、再適格性評価マネージャ125は、予測されたCCI値とCCI閾値との間の差に基づき、処理チャンバがサービスの準備にどの程度近づいているかを決定することができる。
【0046】
実施形態では、処理チャンバのCCI値は、ブランケットウエハエッチング処理及び/又はパターン化ウエハエッチング処理に基づき測定された1つ以上のエッチング速度値(例えば、平均エッチング速度値)及び/又はエッチング均一性値に基づくことができる。また、CCI値は、シーズニングが実行された後に処理チャンバにより処理された粒子ウエハの粒子数に基づくこともできる。チャンバのCCI値は、処理チャンバに対してシーズニングが実行された後に1つ以上の再適格性評価テストを実行することにより測定することができる。幾つかの実施形態では、CCI値は、ブランケットウエハエッチング速度、ブランケットウエハエッチング均一性、パターン化ウエハエッチング速度、パターン化ウエハエッチング均一性、及び/又は粒子数と相関する正規化された値であってもよい。1のCCI値は、目標ブランケットウエハエッチング速度、目標ブランケットウエハエッチング均一性、目標パターン化ウエハエッチング速度、目標パターン化ウエハエッチング均一性、及び/又は目標粒子数を示す試験結果を表すことができる。1未満のCCI値は、目標ブランケットウエハエッチング速度、目標ブランケットウエハエッチング均一性、目標パターン化ウエハエッチング速度、目標パターン化ウエハエッチング均一性、及び/又は目標粒子数の1つ又は複数からの逸脱を示すことができる。一実施形態では、CCI閾値は、目標ブランケットウエハエッチング速度、目標ブランケットウエハエッチング均一性、目標パターン化ウエハエッチング速度、目標パターン化ウエハエッチング均一性、目標パターン化ウエハエッチング均一性、及び/又はターゲットの粒子数からの許容可能な複合偏差を表すある値(例えば、0.9)である。
【0047】
再適格性評価テストは、サービスに復帰する準備ができていると識別された処理チャンバに対して実行することができ(例えば、トレーニング済み機械学習モデルがCCI閾値より大きい予測CCI値を出力した後)、テストの結果は実際に測定されたCCI値であってもよい。再適格性評価テストは、ブランケットウエハ(例えば、酸化物膜又は窒化物膜のブランケット又は均一な膜を有するウエハ)上でエッチング処理を実行すること、ブランケットウエハのエッチング速度及び/又はブランケットウエハのエッチング均一性を測定することを含むことができる。追加的又は代替的に、再適格性評価テストは、パターン化ウエハ上でエッチング処理を実行すること、及びパターン化ウエハのエッチング速度及び/又はパターン化ウエハのエッチング均一性を測定することを含むことができる。追加的又は代替的に、再適格性評価テストは、ベアウエハ又はブランケットウエハ上で処理(例えば、エッチング処理)を実行すること、ウエハ上の粒子を計数することが含むことができる。実際のCCIは、ブランケットウエハのエッチング速度、パターン化されたウエハのエッチング速度、及び/又は粒子数に基づき計算することができる。実際に測定されたチャンバ状態指標値が閾値以上である場合には、処理チャンバを稼働状態に戻すことができる。次に、機械学習モデルは、センサ測定値、予測されたチャンバ状態インデックス値、及び実際のチャンバ状態インデックス値を含むデータポイントを使用して更新することができる。
【0048】
一実施形態では、メンテナンスマネージャ123は、処理チャンバに対していつメンテナンスを実行すべきかを検出するようにトレーニングされた1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルを含む。処理チャンバのメンテナンス時期を検出するようにトレーニングされたそのようなトレーニング済み機械学習モデルは、製品基板(例えば、製品ウエハ)上で実行される処理中に1つ以上の処理チャンバにより生成される多くの異なる測定値を含むトレーニングデータセットからトレーニングされることができる。多くの異なる測定値には、基板の光学測定値(例えば、反射率測定値及び/又は発光分光測定値)、圧力測定値、電力測定値(例えば、バイアス電力、ソース電力、プラズマ電力等)、電圧測定値、電流測定値、他の電気測定値、温度測定値等、及び処理中に生成されるその他の測定値、組み合わせセンサ測定が行われ処理が完了した後に処理チャンバがメンテナンスの時期にあるかを示すラベルを含むことができる。実施形態では、センサ測定値は、処理中に定期的に取得される最大又は約165個の異なるセンサ測定値を含む。更に、場合により、テスト基板、ブランケット基板(パターン化されていない均一なコーティングが施された基板)、ベア基板、センサ基板(複数のセンサが配置された基板)等を使用してテスト処理を実行することができる。処理チャンバ(及びオプションでセンサ基板)からのセンサ測定値を生成し、トレーニング済み機械学習モデルに入力して出力を生成することができる。
【0049】
異なるメンテナンス予測機械学習モデルは、各々の処理チャンバに対して、及び/又は処理チャンバとその処理チャンバ上で実行される処理又は処理のセットとの各々のペアに対してトレーニングされることができる。トレーニング済み機械学習モデルがプラットフォームコントローラ120により(例えば、メンテナンスマネージャ123により)採用されると、センサ測定値は、製品処理中及び/又はその時々のテスト処理中に、処理チャンバ(及び/又はセンサ基板)の複数のセンサにより定期的又は継続的に生成することができる。これらの測定値は、メンテナンスマネージャ123のトレーニング済み機械学習モデルにより処理され、いつ処理チャンバがメンテナンスを必要とするか、従って、いつ処理チャンバがメンテナンスのために停止されるべきかを決定することができる。メンテナンスの例は、処理チャンバのクリーニング、処理チャンバの1つ以上の部品の交換等を含む。実施形態では、メンテナンス予測機械学習モデルは、センサ測定に基づき処理チャンバに対して実行されるべきメンテナンスの種類を特定する。例えば、トレーニング済み機械学習モデルは、処理チャンバをクリーニングする必要がある、保護ライナーを交換する必要がある、プロセスキットリングを交換する必要がある、シャワーヘッドを交換する必要がある等を示すことができる。
【0050】
一実施形態では、メンテナンスマネージャ123の機械学習モデルは、センサ測定値を入力として受信し、チャンバにより処理される各々の基板のチャンバ条件インデックス(CCI)又はチャンバ処理条件インデックス(CPCI)を出力するようにトレーニングされる。1つ以上の計測測定は、後で基板上で実行されてもよい(任意選択で、基板上で1つ以上の追加処理が実行され、基板又は基板上のデバイスの1つ以上のOCDを決定した後)。OCDは、実行された処理に基づきその基板に対して決定されたCCI値又CPCI値に関連付けることができる。基板のOCD測定値が目標OCD値から閾値量を超えて逸脱している場合、これは処理を実行した処理チャンバでメンテナンスを実行する必要があったことを示している可能性がある。データ項目は、処理中に生成されたセンサ測定値、トレーニング済み機械学習モデルにより出力されたCCI又はCPCI値、及びa)測定されたOCD値が目標OCD値から逸脱しているか、及び/又は測定されたOCD値が目標OCDから逸脱している量の指標、及び/又はb)メンテナンスを実行する必要があったかに関する指示に基づいて生成することができる。
【0051】
処理チャンバがサービスが必要とマークされた後、技術者は、処理チャンバを実際に整備すべきか、及び/又は処理チャンバに対して実行すべきメンテナンスの種類を決定することができる。一実施形態では、トレーニングデータ項目は、センサ測定値、処理チャンバがメンテナンスの時期にあるか(及び/又は実行されるメンテナンスの種類)についての予測、及び処理チャンバに対してメンテナンスが実際に保証されているかについての表示を含む。これらはトレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新するために使用される。トレーニング済み機械学習モデルは、処理チャンバ(又は他の処理チャンバ)のメンテナンスが予定された後毎に再トレーニングされることができる。代替的又は追加的に、機械学習モデルは、処理チャンバにより処理される基板に関連付けられたデータポイントを使用して継続的又は定期的に再トレーニングされることができる。ここで、データポイントは、センサ測定値、CCI又はCPCI値、目標OCD値と測定されたOCD値との間の差、及び/又はメンテナンスを実行する必要があったかに関する表示を含む。実施形態は、メンテナンスが必要な処理チャンバにより処理される基板の数を減らし、更に、処理チャンバが必要以上に頻繁にメンテナンスされないようにする。
【0052】
一実施形態では、メンテナンスマネージャ123のトレーニング済み機械学習モデルは、製造処理中に入力されるセンサ測定値に基づき処理チャンバのCCI値又はCPCI値を出力するようにトレーニングされる。CCI又はCPCI値は閾値CCI又はCPCI値と比較され、トレーニング済み機械学習モデルにより出力されたCCI又はCPCI値が閾値CCI又はCPCI値を下回っている(又は、幾つかの実施形態では、出力されたCCI又はCPCI値が閾値を超えている)場合、メンテナンスマネージャ123は、メンテナンスのために処理チャンバを停止すべきであると決定することができる。CCI又はCPCI値がCCI又はCPCI閾値を上回る場合(又は、幾つかの実施形態では、出力CCI又はCPCI値が閾値を下回る場合)、最初に処理チャンバのメンテナンスをスケジュールすることなく、処理チャンバ内で更なる製造処理を実行することができる。また、メンテナンスマネージャ123は、予測されたCCI又はCPCI値とCCI又はCPCI閾値との間の差に基づき、処理チャンバのメンテナンス期限がどの程度近づいているかを決定することもできる。
【0053】
様々な実施形態において、サーバはコンピューティングデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、マイクロコントローラ等)であってもよく、及び/又はこれらを含んでいてもよい。サーバは1つ以上の処理装置を含んでいてもよく、又は、処理装置であってもよい。処理装置は、マイクロプロセッサ、中央処理装置等の汎用処理装置であってもよい。より具体的には、処理装置は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の命令セットを実行するプロセッサ又は命令セットの組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。また、処理装置は、1つ以上の専用処理装置(特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等)であってもよい。サーバは、データ記憶装置(例えば、1つ以上のディスクドライブ及び/又はソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、及び/又は他のコンポーネントを含むことができる。実施形態において、サーバの処理デバイスは、機械学習モデルをトレーニングし、トレーニング済み機械学習モデルをプラットフォームコントローラ120及び/又は個々のツールのコントローラ(例えば、処理チャンバのコントローラ)に送信するための命令を実行することができる。命令はコンピュータ可読記憶媒体に格納することができ、記憶媒体はメインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶装置、及び/又は処理デバイス(命令の実行中)を含むことができる。
【0054】
幾つかの場合、1つ以上の処理を、第1のクラスタツール(例えば、クラスタツール100)内の基板上で実行することができる。これらの処理からの測定値は、1つ以上のトレーニング済み機械学習モデルに入力され、出力が生成することができる。出力に基づきアクションを実行することができ、アクションの結果を決定又は測定することができる。次に、測定値、出力、アクション、及び/又は結果を用い、機械学習モデル(例えば、メンテナンスマネージャ123、再適格性評価マネージャ125、及び/又は処理マネージャ127の機械学習モデル)のトレーニングを更新することができる。トレーニング済み機械学習モデルの更新は、サーバ上又はプラットフォームコントローラ120上で実行することができる。トレーニング済み機械学習モデルの更新されたバージョンはサーバに送信することができ、サーバは、トレーニングされたマシンの更新されたバージョンを同様の処理チャンバを有する、及び/又は同様の処理を実行する他のクラスターツールに学習させることができる。
【0055】
図2は、処理チャンバ202と、処理チャンバ202に動作可能に接続されたチャンバコントローラ205とを含む半導体処理ツール200の断面図である。チャンバコントローラ205は処理チャンバ230に取り付けられてもよいし、処理チャンバの近くに配置されてもよい(例えば、基板処理システムの別のコンポーネントに接続される)。処理チャンバ202は、エッチング処理チャンバ、堆積チャンバ、アニールチャンバ、又は半導体基板等の基板(例えば、ウエハ)を処理するために使用される他のタイプの処理チャンバであってもよい。例えば、処理チャンバ202は、プラズマエッチャ又はプラズマエッチングリアクタ、プラズマクリーナー、CVD又はALDリアクタ(例えば、プラズマ強化CVD又はALDリアクタ等)、イオンアシスト堆積(IAD)チャンバ、物理蒸着(PVD)チャンバ等であってもよい。
【0056】
一実施形態では、処理チャンバ202は、チャンバ本体と、内部容積206を取り囲むシャワーヘッド230とを含む。シャワーヘッド230は、シャワーヘッドベース及びシャワーヘッドガス分配プレートを含むことができる。代替的に、シャワーヘッド230は、幾つかの実施形態では蓋及びノズルにより、又は他の実施形態では複数のパイ形状のシャワーヘッドコンパートメント及びプラズマ生成ユニットにより置き換えられていてもよい。チャンバ本体は、アルミニウム、ステンレス鋼、又は他の適切な材料(例えば、チタン(Ti)等)から製造することができる。チャンバ本体は、一般に、側壁208及び底部210を含む。チャンバ本体を保護するために、側壁208に隣接してライナ216を配置することができる。
【0057】
排気ポート226をチャンバ本体内に画定することができ、内部容積206をポンプシステム228に結合することができる。ポンプシステム228は、処理チャンバ202の内部容積206を排気し、その圧力を調節するために利用される1つ以上のポンプ及びスロットルバルブを含むことができる。
【0058】
シャワーヘッド230(又は蓋)は、チャンバ本体の側壁208上に支持することができる。シャワーヘッド230(又は蓋)は、処理チャンバ202の内部容積206へのアクセスを可能にするために開くことができ、閉じている間は処理チャンバ202にシールを提供することができる。ガスパネル258を処理チャンバ202に結合し、シャワーヘッド230又は蓋及びノズルを通して内部容積206に処理ガス及び/又はクリーニングガスを供給することができる。シャワーヘッド230は、誘電体エッチング(誘電体材料のエッチング)に使用される処理チャンバに使用することができる。シャワーヘッド230は、ガス分配プレート(GDP)を含むことができ、GDP全体に亘って複数のガス送出孔232を有することができる。シャワーヘッド230は、アルミニウムベース又は陽極酸化アルミニウムベースに結合されたGDPを含むことができる。GDPはSi又はSiCから作られていてもよく、あるいはY、Al、YAl12(YAG)等でコーティングされたセラミックであってもよい。
【0059】
導体エッチング(導電性材料のエッチング)に使用される処理チャンバの場合、シャワーヘッドではなく蓋が使用される場合がある。蓋は、蓋の中心穴に嵌合する中心ノズルを含んでいてもよい。蓋は、Al、Y3、YAG、又はYAl及びY-ZrOの固溶体を含むセラミック化合物でコーティングされたコーティングセラミック部品であってもよい。また、ノズルは、Y3、YAG、又はYAl及びY-ZrOの固溶体を含むセラミック化合物でコーティングされたセラミックであってもよい。
【0060】
処理チャンバ200内で基板を処理するために使用することができる処理ガスの例は、とりわけ、ハロゲン含有ガス(例えば、C、SF、SiC、HBr、NF、CF、CHF、CH、F、NF、Cl、CCl、BCl及びSiF等)及び他のガス(例えば、O又はNO等)を含む。キャリアガスの例は、N、He、Ar、及び処理ガスに不活性な他のガス(非反応性ガス等)を含む。
【0061】
ヒータアセンブリ248は、シャワーヘッド230又は蓋の下の処理チャンバ202の内部容積206に配置される。ヒータアセンブリ248は、処理中に基板244を保持する支持体250を含む。支持体250は、フランジを介してチャンバ本体に結合されたシャフト252の端部に取り付けられている。支持体250、シャフト252及びフランジは、例えばAlNを含む材料で構成することができる。更に、支持体250は、メサ(例えば、ディンプル又はバンプ)を含むことができる。更に、支持体は、支持体250のヒータ材料内に埋め込まれたワイヤ、例えばタングステンワイヤ(図示せず)を含んでいてもよい。一実施形態では、支持体250は、AlNセラミック層の間に挟まれた金属ヒータ層及びセンサ層を含んでいてもよい。このようなアセンブリを高温炉で焼結して、モノリシックアセンブリを作成することができる。これらの層は、ヒーター回路、センサ素子、グランドプレーン、高周波グリッド、金属及びセラミックのフローチャネルの組み合わせを含むことができる。
【0062】
処理チャンバ202の例示的なチャンバコンポーネントは、静電チャック、ノズル、ガス分配プレート、シャワーヘッド(例えば、230)、静電チャックコンポーネント、チャンバ壁(例えば、208)、ライナ(例えば、216)、ライナーキット、ガスライン、チャンバ蓋、ノズル、シングルリング、処理キットリング、エッジリング、ベース、シールド、プラズマスクリーン、フローイコライザー、冷却ベース、チャンバビューポート、ベローズ、ヒーターアセンブリの任意の部分(サポート250、シャフト252、フランジを含む)、フェースプレート、ブロッカープレート等を含むが、こられに限定されない。
【0063】
実施形態では、処理チャンバは、多くの異なるセンサ235、203、230を含む。センサは、光センサ(例えば、発光分光計230及び/又は反射率計203等)を含むことができる。更に、センサ235は、熱センサ、圧力センサ、電力センサ、他の電気センサ、流量センサ等を含むことができる。幾つかのセンサ235は処理チャンバ202の内部にあってもよく、他のセンサ235は処理チャンバ202の外部にあってもよく、処理チャンバ230へのガス、電力等の流量及び/又は供給を測定することができる。一実施形態では、センサ235は、処理チャンバ202について約165の異なるセンサ測定値を生成する。
【0064】
チャンバコントローラ205は、プラットフォームコントローラ120と同じ又は同様の機能を果たすことができるが、1つ又は幾つかの処理チャンバ(例えば、処理チャンバ202)に対して動作を実行するように構成することができる。例えば、チャンバコントローラ205は、クラスタツールのエッチングチャンバ、又は特定のエッチング処理を実行するエッチングチャンバを制御するように構成することができる。実施形態では、チャンバコントローラ205は、自律型ツールエンジン221を含み、自律型ツールエンジン221は、メンテナンスマネージャ223、再適格性評価マネージャ225、及び/又は処理マネージャ227を含むことができる。再適格性評価マネージャ225、処理マネージャ227、メンテナンスマネージャ223及び自律型ツールエンジン221は、実施形態において、図1の同様の名前のコンポーネントに対応することができる。複数の処理チャンバが取り付けられた単一のプラットフォームの場合、各々の処理チャンバは、それ自体の専用のチャンバコントローラ205を含んでいてもよい。代替的に、クラスタツール又はメインフレームに取り付けられた処理チャンバの幾つかは、共通のチャンバコントローラを共有してもよい。一実施形態では、チャンバコントローラ205は使用されず、代わりにプラットフォームコントローラ120がクラスタツールに取り付けられた全ての処理チャンバを制御するために使用される。
【0065】
処理チャンバ202は、1つ以上の窓又はビューポート220、240を含むことができる。窓又はビューポートは、例えば、石英、ガラス、サファイア、ダイヤモンド、炭化ケイ素、透明結晶、又は光学的に透明なセラミックであってもよい。一実施形態では、処理チャンバ202は、蓋、ノズル、又はシャワーヘッド230に窓220を含み、更に側壁216にビューポート240を含む。
【0066】
実施形態では、反射率計203が窓220に結合される。反射率計203は、光源201(例えば、広帯域光源又は他の電磁放射源)、光結合装置204(例えば、コリメータ又はミラー)及び分光計225を含む。光源201及び分光計225は、1つ以上の光ファイバケーブル232を介して光結合装置204に光学的に結合することができる。
【0067】
様々な実施形態において、光結合装置204は、光路に沿った2方向に光をコリメートするか、又は伝送するように適合することができる。第1の方向は、コリメートされて窓220を通ってチャンバ206内に伝送される光源201からの光を含むことができる。第2の方向は、基板244で反射されて窓220を通過して光結合装置204に戻ってくる反射光であってもよい。反射光は光ファイバケーブル232内に集束され、従って光路に沿った第2の方向で分光計225に向けられる。更に、光ファイバケーブル232は、光源201から窓220へ、そして分光計225に戻る光の効率的な伝達のために、分光計225と光源201との間に結合することができる。
【0068】
一実施形態では、光源は約200~800nmのスペクトルの光を放射し、分光計225も200~800nmの波長範囲を有する。分光計225は、光結合装置204から受け取った反射光のスペクトルを検出するように適合することができる。例えば、反射光はチャンバ202内の基板から反射され、窓220を通って戻り、光結合装置204により光ファイバケーブル232に集光される。
【0069】
一実施形態では、コントローラ205は、光源201を点滅させ、次に分光計225から光スペクトルを受信するように指示することができる。また、コントローラ205は、光源201をオフにし、光源が点灯したときに分光計225から第2のスペクトルを受信することができる。コントローラ205は、第1のスペクトルから第2のスペクトルを減算して、ある瞬間の反射率測定信号を決定することができる。次に、コントローラ205は、反射率測定信号を1つ以上の薄膜モデルに数学的に当てはめて、測定される膜の1つ以上の光学薄膜特性を決定することができる。
【0070】
幾つかの実施形態では、1つ以上の光学薄膜特性は、膜厚、屈折率(n)、及び/又は消衰係数(k)値を含むことができる。屈折率は、真空中の光の速度とフィルム中の光の速度の比である。消衰係数は、フィルム内でどれだけの光が吸収されるかを示す尺度である。コントローラ205は、n値とk値を使用して膜の組成を決定することができる。自律型ツールエンジン221は、膜の1つ以上の特性のデータを分析し、膜の厚さを決定し、及び/又は膜にエッチングされたトレンチの深さを決定するように構成することができる。
【0071】
一実施形態では、発光分光計(OES)230は、ビューポート240を介して処理チャンバ202に接続される。OES230は、光を処理チャンバ202の内部容積206に指向し、及び/又は内部容積206からの光を測定し、光を利用した発光分光法を実行することができる。フラッシュ光をOES230により処理チャンバ202の内部容積206内のプラズマに指向することができる。次に、OES230は、チャンバ内のバルクプラズマ状態に関連するスペクトル情報を受信することができる。受信されたスペクトル情報は、プラズマ中のエッチング反応物質及びエッチング副生成物の濃度に関連する情報を含むことができる。特に、スペクトル情報は、エッチング副生成物に対するエッチング反応物質の比に関連付けることができる。エッチング反応物質とエッチング副生成物の比率は、エッチングの終点に達すると(例えば、層が完全にエッチングされ、エッチングされる層からの材料がなくなったとき)、劇的に変化する場合がある。自律型ツールエンジン221は、処理チャンバ202の内部容積206から測定されたスペクトルを分析して、エッチング終点に達したかを決定し、及び/又は膜の厚さを決定し、膜の1つ以上の特性を決定し、及び/又は膜にエッチングされたトレンチの深さを決定するように構成することができる。OESデータ及び反射率測定データは両方とも、実施形態においてそのような特性及び/又は条件を決定するために使用することができる。
【0072】
幾つかの実施形態では、自律型ツールエンジン221は、反射率計203、OES230、及び1つ以上のセンサ235からのセンサ測定値を使用して、処理チャンバ202に関する決定を下す。チャンバコントローラ205は、例えば、自律型ツールエンジン221を使用して、処理チャンバ202がメンテナンスの時期であるか、処理チャンバ202に対して実行されるメンテナンスのタイプ、処理チャンバ202がメンテナンス及びシーズニングを受けた後にサービスに戻す準備ができているか等を決定することができる。
【0073】
図3~9は、実施形態による、機械学習モデルをトレーニングする方法、及び/又はトレーニング済み機械学習モデルを使用して、センサ測定に基づき処理チャンバに関する決定を行う方法のフローチャートである。これらの方法は、明らかなように、図1~2を参照して説明したコンポーネントを用いて実行することができる。例えば、実施形態では、方法は、プラットフォームコントローラ120又はチャンバコントローラ205により実行することができる。方法の少なくとも一部のオペレーションは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード等)、ソフトウェア(例えば、ハードウェアシミュレーションを実行するために処理デバイス上で実行される命令)、又はこれらの組み合わせを含むことができる処理ロジックにより実行することができる。特定のシーケンス又は順序で示されているが、特に指定がない限り、処理の順序は変更することができる。従って、図示の実施形態は例としてのみ理解されるべきであり、図示の処理は異なる順序で実行することができ、一部の処理は並行して実行することができる。更に、様々な実施形態において、1つ以上の処理を省略することができる。従って、全ての実施形態において全ての処理が実行されるわけではない。他の処理フローも可能である。
【0074】
図3は、一実施形態による、処理ツール及び/又は基板処理システムにより自動的に決定を下し、アクションを実行する方法300のフローチャートである。方法300のブロック302で、処理ロジックは、処理チャンバに、処理(例えば、エッチング処理、堆積処理、テスト処理、又はシーズニング処理等)を実行させる。ブロック305で、処理ロジックは、処理中及び/又は処理後に、処理チャンバの1つ以上のセンサから測定値を受け取る。ブロック310で、処理ロジックは、トレーニング済み機械学習モデルを使用して測定値を処理する。測定値の処理に基づき、トレーニング済み機械学習モデルは出力を生成する。出力は、トレンチの深さ、膜厚、エッチングの終点に達したかに関する表示、処理チャンバのメンテナンスをスケジュールすべきか関する表示、又は処理チャンバをサービスに戻すかに関する表示等である。トレーニング済み機械学習モデルは本明細書において上述されたようにトレーニングされることができ、本明細書において上述されたトレーニング済み機械学習モデルのいずれかに対応することができる。
【0075】
ブロック315で、処理ロジックは出力が1つ以上の基準を満たすと決定する。基準は、トレンチ深さの基準、チャンバ状態指数閾値、「はい」/「いいえ」の基準、又は他の基準を含むことができる。エッチング終点を検出するようにトレーニングされた機械学習モデルの場合、基準はトレンチ深さであってもよく、決定されたトレンチ深さが目標トレンチ深さ以上である場合、基準を満たすことができる。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルは「はい」又は「いいえ」を出力し、ここで、「はい」はエッチング終点に到達したことを示し、「いいえ」はエッチング終点に未だ到達していないことを示す。トレーニング済み機械学習モデルが処理チャンバにメンテナンスを実行する必要があるかを決定するためにトレーニングされたものである場合、出力はCCI又はCPCI値であり、トレーニング済み機械学習モデルにより出力された決定されたCCI又はCPCI値がCCI又はCPCIの閾値を下回っている場合、基準を満たすことができる。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルは「はい」又は「いいえ」を出力し、ここで「はい」は処理チャンバに対してメンテナンスを実行すべきであることを示す。
【0076】
一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルは、複数のメンテナンス分類を出力し、各々のメンテナンス分類について、トレーニング済み機械学習モデルは、そのメンテナンス分類に関連付けられたメンテナンスの種類が実行されるべきであることを示す「はい」、又はそのメンテナンス分類に関連付けられたメンテナンスを実行する必要はないことを示す「いいえ」を提示する。メンテナンス分類の例は、スケジュールされたクリーニング、最初の部品の部品交換、2回目の部品の部品交換等を含む。処理チャンバで1つ以上のシーズニング処理が実行された後、メンテナンスを受けた処理チャンバをサービスに戻す準備ができているかを決定するようにトレーニングされている機械学習モデルの場合、出力はCCI又はCPCI値であってもよい。トレーニング済み機械学習モデルにより出力された決定されたCCI又はCPCI値がCCI又はCPCI閾値以上である場合、基準を満たすことができる。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルは、「はい」又は「いいえ」を出力し、ここで、「はい」は処理チャンバに対してこれ以上のシーズニングが必要とされていないこと(及び処理チャンバがサービスに戻る準備ができていること)を示し、「いいえ」は1つ以上のシーズニングを実行する必要があること(処理チャンバがサービスに戻る準備ができていないこと)を示す。
【0077】
ブロック320で、処理ロジックは、機械学習モデルの出力と、その出力が1つ以上の基準を満たすかに基づき、処理チャンバに関してアクションを実行させる。トレーニング済み機械学習モデルがエッチング終点を検出するようにトレーニングされたている場合、アクションはエッチング処理を停止することであってもよい。トレーニング済み機械学習モデルが、処理チャンバがいつメンテナンスを受けるべきかを検出するようにトレーニングされている場合、アクションは処理チャンバにメンテナンスのフラグを立てたり、処理チャンバにより更なる製品基板が処理されないように処理チャンバを使用停止にしたり、及び/又はチャンバのメンテナンスや処理チャンバのメンテナンスのスケジュールを設定することであってもよい。トレーニング済み機械学習モデルが、処理チャンバがメンテナンスを受け、シーズニング処理の1回以上の反復が処理チャンバに対して実行されたときを検出するようにトレーニングされている場合、アクションは処理チャンバを稼働状態に戻す、処理チャンバに適格性評価テストを実行する準備ができていることをマークする、及び/又は処理チャンバの再適格性評価テスト又は処理をスケジュールすることであってもよい。
【0078】
ブロック325で、処理ロジックはアクションの結果を決定する。エッチング終点を検出するようにトレーニングされた機械学習モデルの場合、その結果は1つ以上の光学臨界寸法測定値(例えば、光学的に測定されたトレンチ深さ等)であってもよい。処理チャンバのメンテナンスをいつ行うべきかを自動的に決定するようにトレーニングされた機械学習モデルの場合、アクションの結果は、メンテナンスが保証されているかに関する技術者からの指示、又は基板のOCD値、及び/又は測定されたOCD値が1つ以上の閾値を上回っているか下回っているか(例えば、目標OCD値から閾値量を超えて逸脱しているか)であってもよい。トレーニング済み機械学習モデルが、メンテナンスを受けた処理チャンバがいつサービスに戻る準備ができているかを自動的に決定するようにトレーニングされている場合、アクションの結果は再適格性テストの結果であってもよい。これは、処理チャンバ内でブランケットウエハ、テストウエハ、センサウエハ、ベアウエハ又は他のウエハについて、再適格性評価プロセスを実行し、再適格性評価処理中及び/又は再適格性評価処理後のブランケットウエハ、テストウエハ、センサウエハ、ベアウエハ又は他のウエハの1つ以上の特性及び/又は状態を測定し、及び/又は、処理チャンバのセンサ測定を行うことにより得られる。ウエハ測定値の例は、粒子数、金属汚染、エッチング深さ、層の厚さ等を含む。一実施形態では、アクションの結果は、処理チャンバが再適格性評価に合格したか、不合格したかで示される。
【0079】
ブロック330で、処理ロジックは、センサ測定値、機械学習モデルの出力、及びアクションの結果に基づき、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新する。従って、継続的な学習を実行して、トレーニング済み機械学習モデルを継続的に更新及び改善することができる。これにより、トレーニング済み機械学習モデルが継続的なベースでチャンバ条件に適応できるようになる。実施形態において、トレーニング済み機械学習モデルの再トレーニングは、トレーニング済み機械学習モデルが展開されるコントローラ上のツール上で実行することができる。
【0080】
図4は、一実施形態による、エッチング処理をいつ停止するかを自動的に決定する方法400のフローチャートである。方法400のブロック402で、処理ロジックはエッチングチャンバ内でエッチング処理を開始する。エッチング処理は、その上に1つ以上の膜を有する製品基板上で実行することができる。ブロック405で、処理ロジックは、エッチング処理中及び/又はエッチング処理後に、処理チャンバの1つ以上の光センサから1つ以上の測定値を受け取る。光センサは、例えば、反射率測定センサ及び/又は発光分光センサを含むことができる。ブロック410で、処理ロジックは、トレンチ深さ、膜厚、及び/又はエッチング終点条件を検出するようにトレーニングされたトレーニング済み機械学習モデルを使用して測定値を処理する。トレーニング済み機械学習モデルは、トレンチ深さ及び/又は膜厚を示す出力、及び/又はエッチング終点に到達したかを示す出力を生成するようにトレーニングされることができる。
【0081】
ブロック415で、処理ロジックは、トレーニング済み機械学習モデルの出力がエッチング終点基準を満たすかを決定する。一実施形態では、処理ロジックは、出力トレンチ深さを目標トレンチ深さと比較し、及び/又は出力膜厚と目標膜厚を比較する。一実施形態では、処理ロジックは、出力がエッチング終点に到達したことを示すものであるか決定する(例えば、これは「はい」/「いいえ」出力であってもよい)。出力トレンチ深さがターゲットトレンチ深さより小さい場合、又は膜厚がターゲット膜厚より大きい場合、又は出力がエッチング終点に到達していないことを示す場合、エッチング処理は続行され、方法はブロック405に戻り、追加のセンサ測定値が生成される。出力トレンチ深さが目標トレンチ深さ以上である場合、又は出力がエッチング終点に到達したことを示すものである場合、方法はブロック420に進む。
【0082】
ブロック420で、処理ロジックは、エッチングの終点に到達したと決定する。ブロック425で、処理ロジックはエッチング処理(又はエッチング処理のステップ)を停止する。ブロック430で、処理ロジックは、エッチング処理中にエッチングされた膜の臨界寸法(例えば、トレンチ深さ)を決定する。臨界寸法は、膜を有する基板の製造シーケンスにおける下流処理中又は後に決定することができる。ブロック435で、処理ロジックは、膜の測定臨界寸法と膜の目標臨界寸法の差(例えば、目標厚さ又はトレンチ深さと測定厚さ又はトレンチ深さの差)を決定する。ブロック440で、処理ロジックは、ブロック405で受信した測定値、エッチング終点に到達したことを示すブロック410からの出力、及び膜の測定された臨界寸法と目標臨界寸法の差に基づき、機械学習モデルのトレーニングを更新する。これにより、継続的な学習を実行して、トレーニング済み機械学習モデルを継続的に更新及び改善することができる。トレーニング済み機械学習モデルの再トレーニングは、実施形態において、トレーニング済み機械学習モデルが展開されるコントローラ上のツール上で実行することができる。
【0083】
図5は、一実施形態による、処理チャンバのメンテナンスをいつ実行するかを自動的に決定する方法500のフローチャートである。方法500のブロック502で、処理ロジックはチャンバ内の製品基板の処理を開始する。この処理は、例えば、エッチング処理、堆積処理、アニール処理、又はその他の処理であってもよい。この処理は、その上に1つ以上の膜を有する製品基板上で実行することができ、及び/又はその上に膜を堆積するために実行することができる。ブロック505で、処理ロジックは、処理中及び/又は処理後に、処理チャンバの1組のセンサから1つ以上の測定値を受け取る。ブロック510で、処理ロジックは、処理チャンバに対してメンテナンスを実行すべきかを決定するためにトレーニングされたトレーニング済み機械学習モデルを使用して測定値を処理する。トレーニング済み機械学習モデルは、CCI値又はCPCI値を示す出力、及び/又はメンテナンスが必要であること、及び/又は実行すべきメンテナンスの種類を示す出力を生成するようにトレーニングされることができる。
【0084】
ブロック515で、処理ロジックは、トレーニング済み機械学習モデルの出力が基準を満たすかを決定する。一実施形態では、処理ロジックは出力CCIをCCI又はCPCI閾値と比較する。CCI又はCPCI値がCCI又はCPCI閾値を下回る場合、処理ロジックは、出力が基準を満たすと決定することができる。CCI又はCPCI値がCCI又はCPCI閾値を超えている場合、基準を満たしていない可能性がある。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルの出力は、メンテナンスを実行すべきかに関する「はい」/「いいえ」の表示である。出力が「はい」の場合、そのメンテナンスを実行する必要があり(又は特定のタイプのメンテナンスを実行する必要がある)、基準を満たす。出力が「いいえ」、即ちメンテナンスを実行すべきではない場合、基準を満たしていない。基準を満たしていない場合、方法はブロック520に進む。基準を満たす場合、方法はブロック525に進む。
【0085】
ブロック520で、処理ロジックは、(ロボットアームが第1の基板を処理チャンバから取り出し、新しい基板を処理チャンバに挿入した後)新しい基板に対する処理を開始する。次に、方法はブロック505に戻り、新しい基板上の処理の実行に関連するセンサ測定値が受信される。更に、方法はブロック535に進むことができる。
【0086】
ブロック525で、処理ロジックは、処理チャンバがメンテナンスの時期にあると決定する。ブロック530で、処理ロジックは、メンテナンス(例えば、クリーニング)のために処理チャンバにフラグを立ててもよく、及び/又は処理チャンバのクリーニングを能動的にスケジュールしてもよい。ブロック535で、処理ロジックは、処理チャンバに対してメンテナンスが実際に実行されたか関する表示を受信することができる。追加的又は代替的に、ブロック502及び/又はブロック520で、処理ロジックは、処理チャンバの状態及び/又は処理チャンバにより処理された製品基板の臨界寸法測定値に関する表示を受信することができる。ブロック540で、処理ロジックは機械学習モデルのトレーニングを更新する。この更新は、ブロック505で受信された測定値、メンテナンスを実行すべきかを示すブロック510からの出力、及びメンテナンスが実行されたかに関する表示及び/又は製品基板上の1つ以上の膜の測定された臨界寸法と目標臨界寸法の差異に関する表示の少なくとも1つに基づく。これによって、継続的な学習を実行して、トレーニング済み機械学習モデルを継続的に更新及び改善することができる。実施形態において、トレーニング済み機械学習モデルの再トレーニングは、トレーニング済み機械学習モデルが展開されるコントローラ上のツール上で実行することができる。
【0087】
図6は、一実施形態による、メンテナンスが実行された後に処理チャンバをいつサービスに戻すかを自動的に決定する方法600のフローチャートである。方法600のブロック602で、処理ロジックはチャンバ内でシーズニング処理を開始する。シーズニング処理は、処理チャンバの状態を既知の状態にするチャンバコンディショニング処理である。メンテナンス後(例えば、部品交換後及び/又はウェットクリーニング処理又はドライクリーニング処理等のクリーニング処理後)処理チャンバを適切にシーズニング又はコンディショニングすると、ウエハ間の処理の再現性が向上する。一実施形態では、シーズニング処理は、プラズマ生成種によるリアクタ表面の不動態化を生じさせ、これによりラジカルの反応性付着係数を変化させることができる。チャンバシーズニングの実行により、同じイオン密度、電子温度、フラックスを備えた均一なプラズマをウエハごとに再現することが可能になり、デバイスの臨界寸法を一貫して確実に再現することが可能になる。この処理は、ブランケット基板、ベア基板、テスト基板等で実行することができる。
【0088】
ブロック605で、処理ロジックは、処理中及び/又は処理後に、処理チャンバの1組のセンサから1つ以上の測定値を受け取る。ブロック610で、処理ロジックは、シーズニングが完了したか、及び/又は処理チャンバをサービスに戻す準備ができているかを決定するようにトレーニングされたトレーニング済み機械学習モデルを使用して測定値を処理する。トレーニング済み機械学習モデルは、推定されたCCIを示す出力、及び/又はシーズニングが完了したか(及び処理チャンバがサービスに復帰できるか)を示す出力を生成するようにトレーニングされることができる。
【0089】
ブロック615で、処理ロジックは、トレーニング済み機械学習モデルの出力が基準を満たすかを決定する。一実施形態では、処理ロジックは、出力推定CCIをCCI閾値と比較する。推定されたCCIがCCI閾値以上である場合、処理ロジックは、出力が基準を満たすと決定することができる。推定されたCCIがCCI閾値を下回る場合、基準を満たしていない可能性がある。一実施形態では、トレーニング済み機械学習モデルの出力は、シーズニングが完了したかに関する「はい」/「いいえ」の表示である。出力が「いいえ」の場合、シーズニングは完了しておらず、基準を満たしていない。出力が「はい」の場合、そのシーズニングは完了し、基準を満たす。基準を満たしていない場合、方法はブロック620に進む。基準を満たす場合、方法はブロック625に進む。
【0090】
ブロック620で、処理ロジックは、(ロボットアームが処理チャンバから最初の基板を取り出し、新しい基板を処理チャンバに挿入した後)任意選択で新しい基板上でシーズニング処理の別の反復を開始する。次に、方法はブロック605に戻り、新しい基板上の処理の実行に関連するセンサ測定値が受信される。
【0091】
ブロック625で、処理ロジックは、処理チャンバが再適格性評価される準備ができている、及び/又は(製品基板上で使用される)サービスに戻る準備ができていると決定する。ブロック630で、処理ロジックは、適格性評価のために処理チャンバにフラグを立ててもよく、及び/又は再適格性評価処理をスケジュールしてもよい。ブロック635で、処理ロジックは、処理チャンバが再適格性評価テストに合格したかに関する表示を受け取ることができる。この表示は、テストレシピ又はテスト処理を使用して処理された1つ以上のテスト基板の1つ以上の測定結果を含むことができる。一実施形態では、ブランケットウエハエッチング処理がブランケットウエハ上で実行され、パターン化ウエハエッチング処理がパターン化ウエハ上で実行され、及び/又は粒子テスト処理が粒子ウエハ(例えば、ブランクウエハ又はブランクウエハであってもよい)上で実行される。ブランケットウエハエッチング処理により、平均ブランケットウエハエッチング速度及びブランケットウエハエッチング均一性を測定することができる。パターン付きウエハのエッチング処理により、パターン付きウエハの平均エッチング速度及びパターン付きウエハのエッチング均一性を測定することができる。粒子テスト後、粒子エハ上の粒子をカウントすることができる。測定結果は、例えば、ウエハ上の粒子数、金属汚染、膜厚、膜組成、ブランケットウエハエッチング速度、ブランケットウエハエッチング均一性、パターン化ウエハエッチング速度、パターン化ウエハエッチング均一性等を含むことができる。追加的又は代替的に、処理ロジックは、、処理チャンバの状態に関する表示を受け取ることができる。実際のCCI値は、測定結果に基づき処理チャンバについて決定することができる。
【0092】
ブロック640で、処理ロジックは、ブロック605で受信した測定値、メンテナンスを実行すべきか示すブロック610からの出力、及び処理チャンバが再適格性評価テストに合格したか及び/又は再適格性評価テストの結果に関する表示に基づき、機械学習モデルのトレーニングを更新する。これによって、継続的な学習を実行して、トレーニング済み機械学習モデルを継続的に更新及び改善することができる。実施形態において、トレーニング済み機械学習モデルの再トレーニングは、トレーニング済み機械学習モデルが展開されるコントローラ上のツール上で実行することができる。
【0093】
図7は、一実施形態による、処理ツール及び/又は基板処理システムにより複数の決定を自律的に行う方法700のフローチャートである。方法700のブロック702で、処理ロジックは処理チャンバに第1の処理(例えば、エッチング処理、堆積処理、テスト処理、又はシーズニング処理等)を実行させる。ブロック705で、処理ロジックは、処理中及び/又は処理後に処理チャンバの1つ以上のセンサから第1の測定値を受け取る。ブロック710で、処理ロジックは、第1のトレーニング済み機械学習モデル(例えば、エッチング終点検出を実行するようにトレーニングされた機械学習モデル等)を使用して、第1の測定値(又は第1の測定値の第1のサブセット)を処理する。測定値の処理に基づき、第1のトレーニング済み機械学習モデルは出力を生成する。出力は、トレンチの深さ、膜厚、エッチングの終点に達したかに関する表示、処理チャンバのメンテナンスをスケジュールすべきかに関する表示、又は処理チャンバをサービスに戻すかに関する表示等である。第1のトレーニング済み機械学習モデルは、本明細書において上述されたようにトレーニングされており、本明細書において上述されたトレーニング済み機械学習モデルのいずれかに対応することができる。
【0094】
ブロック715で、処理ロジックは、第1の出力が1つ以上の第1の基準を満たすと決定する。第1の基準は、トレンチ深さの基準、チャンバ状態指数閾値、「はい」/「いいえ」の基準、又は他の基準を含むことができる。処理ロジックは、第1の基準を満たす第1のトレーニング済み機械学習モデルの第1の出力に基づき、処理チャンバに関して第1のアクションを実行させる。
【0095】
ブロック720で、処理ロジックは、第2のトレーニング済み機械学習モデルを使用して、第1の測定値(又は第1の測定値の第2のサブセット)を処理する。測定値の処理に基づき、第2のトレーニング済み機械学習モデルは第2の出力を生成する。第2の出力は、トレンチ深さ、膜厚、エッチング終点に達したかに関する表示、処理チャンバのメンテナンスをスケジュールすべきかに関する表示、又は処理チャンバをサービスに戻すかに関する表示であってもよい。第2のトレーニング済み機械学習モデルは、本明細書において上述されたようにトレーニングされており、本明細書において上述されたトレーニング済み機械学習モデルのいずれかに対応することができる。
【0096】
ブロック725で、処理ロジックは、第2の出力が1つ以上の第2の基準(第1の基準とは異なる)を満たすと決定する。第2の基準は、トレンチ深さの基準、膜厚の基準、チャンバ状態指数閾値、「はい」/「いいえ」の基準、又は他の基準を含むことができる。処理ロジックは、第2の基準を満たす第2のトレーニング済み機械学習モデルの第2の出力に基づき、処理チャンバに関して第2の動作を実行させる。
【0097】
ブロック730で、処理ロジックは、処理チャンバに、第2の処理(例えば、エッチング処理、堆積処理、テスト処理、又はシーズニング処理等)を実行させる。第2の処理は、ブロック702で実行される第1の処理と異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、第1の処理は製品基板上で実行されるエッチング処理であってもよく、第2の処理は処理チャンバのメンテナンスがスケジュールされた後に実行されるチャンバシーズニング処理であってもよい。ブロック735で、処理ロジックは、第2の処理中及び/又はその後に、処理チャンバの1つ以上のセンサから第2の測定値を受け取る。ブロック740で、処理ロジックは、第3のトレーニング済み機械学習モデル(例えば、処理チャンバのシーズニングがいつ完了したかを検出するようにトレーニングされた機械学習モデル等)を使用して、第2の測定値(又は第2の測定値のサブセット)を処理する。第2の測定値の処理に基づき、第3のトレーニング済み機械学習モデルは第3の出力を生成する。第3の出力は、トレンチの深さ、膜厚、エッチングの終点に達したかの表示、処理チャンバのメンテナンスをスケジュールするかの表示、又は処理チャンバをサービスに戻す必要があるかの表示等である。第3のトレーニング済み機械学習モデルは、本明細書において上述されたようにトレーニングされており、本明細書において上述されたトレーニング済み機械学習モデルのいずれかに対応することができる。
【0098】
ブロック745で、処理ロジックは、第3の出力が1つ以上の第3の基準を満たすと決定する。第3の基準は、トレンチ深さ基準、チャンバ状態指数閾値、「はい」/「いいえ」基準、又は他の基準を含むことができる。処理ロジックは、第3の基準を満たす第3のトレーニング済み機械学習モデルの第3の出力に基づき、処理チャンバに関して第3の動作を実行させる。
【0099】
ブロック750で、処理ロジックは、第1のアクション、第2のアクション、及び/又は第3のアクションの結果を受け取る。ブロック755で、処理ロジックは、第1、第2及び第3のアクション、第1、第2及び第3のアクションの結果、第1、第2及び第3の出力、第1及び第2の測定値に基づき、第1のトレーニング済み機械学習モデル、第2のトレーニング済み機械学習モデル、及び/又は第3のトレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを各々更新する。
【0100】
図8は、一実施形態による、エッチング終点に達する時点を決定し、エッチング処理チャンバのメンテナンスをスケジュールするかを決定するためにセンサデータのセットを使用する方法800のフローチャートである。方法800のブロック802で、処理ロジックはエッチングチャンバ内でエッチング処理を開始する。エッチング処理は、その上に1つ以上の膜を有する製品基板上で実行することができる。ブロック805で、処理ロジックは、エッチング処理中及び/又はエッチング処理後に、処理チャンバの1つ以上の光センサから1つ以上の測定値を受け取る。ブロック810で、処理ロジックは、トレンチ深さ、膜厚、及びトレンチ深さ及び/又はエッチング終点条件を検出するようにトレーニングされた第1のトレーニング済み機械学習モデルを使用して、測定値(又は受け取った測定値からの1つ以上の光学測定値等の測定値の第1のサブセット)を処理する。トレーニング済み機械学習モデルは、トレンチ深さ、膜厚を示す出力、及び/又はエッチング終点に到達したかを表示する出力を生成するようにトレーニングされることができる。
【0101】
ブロック815で、処理ロジックは、トレーニング済み機械学習モデルの出力がエッチング終点基準を満たすか決定する。出力がトレンチ終点基準を満たさない場合、方法はブロック805に戻り、そこで追加のセンサ測定値が生成される。出力がトレンチ終点基準を満たす場合、方法はブロック820に進む。
【0102】
ブロック820で、処理ロジックは、エッチングの終点に到達したと決定する。ブロック825で、処理ロジックはエッチング処理(又はエッチング処理のステップ)を停止する。
【0103】
ブロック830で、処理ロジックは、処理チャンバに対してメンテナンスを実行すべきか決定するためにトレーニングされた第2のトレーニング済み機械学習モデルを使用して、測定値(又は測定値の第2のサブセット)を処理する。第2のトレーニング済み機械学習モデルは、CCIを表示する出力、及び/又はメンテナンスを行う時期であるか、及び/又は実行されるメンテナンスの種類を示す出力を生成するようにトレーニングされることができる。
【0104】
ブロック835で、処理ロジックは、トレーニング済み機械学習モデルの出力が第2の基準を満たすかを決定する。出力が第2の基準を満たす場合、方法はブロック840に進む。出力が第2の基準を満たさない場合、方法はブロック802に戻り、新しい基板上でエッチング処理が実行される。
【0105】
ブロック840で、処理ロジックは、処理チャンバがメンテナンスの時期にあると決定する。ブロック845で、処理ロジックは、メンテナンス(例えば、クリーニング)のために処理チャンバにフラグを立て、及び/又は処理チャンバのクリーニングを能動的にスケジュールすることができる。ブロック850で、処理ロジックは、処理チャンバに対してメンテナンスが実際に実行されたかに関する表示を受け取ることができる。
【0106】
処理ロジックは、センサ測定値、各々の出力、及び各々の出力が正しい出力であるか関する表示に基づき、第1のトレーニング済み機械学習モデルと第2のトレーニング済み機械学習モデルの両方のトレーニングを更新することができる。
【0107】
図9は、一実施形態による、処理チャンバのメンテナンスをいつスケジュールするか、又は処理チャンバをメンテナンス後にいつサービスに戻すかを自動的に決定する方法900のフローチャートである。方法900のブロック902で、処理ロジックは、処理チャンバ内の製品基板上で処理を開始する。この処理は、例えば、エッチング処理、堆積処理、アニール処理、又はその他の処理であってもよい。この処理は、その上に1つ以上の膜を有する製品基板上で実行されてもよく、及び/又はその上に膜を堆積するために実行されてもよい。ブロック905で、処理ロジックは、第1の処理中及び/又はその後に、処理チャンバの1組のセンサから第1の測定値を受け取る。ブロック910で、処理ロジックは、処理チャンバに対してメンテナンスを実行すべきかを決定するためにトレーニングされた第1のトレーニング済み機械学習モデルを使用して第1の測定値を処理する。トレーニング済み機械学習モデルは、CCIを示す出力、及び/又はメンテナンスの時期であるか、及び/又は実行されるメンテナンスの種類を示す出力を生成するようにトレーニングされることができる。
【0108】
ブロック915で、処理ロジックは、第1のトレーニング済み機械学習モデルの第1の出力が1つ以上の第1の基準を満たすか(例えば、出力CCI値がCCI閾値を下回るか)を決定する。第1の出力が1つ以上の第1の基準を満たす場合、方法はブロック920に進む。第1の出力が1つ以上の第1の基準を満たさない場合、方法はブロック902に戻り、処理チャンバ内で新しい基板に対して第1の処理が実行される。
【0109】
ブロック920で、処理ロジックは、処理チャンバがメンテナンスの時期にあると決定する。ブロック925で、処理ロジックは、メンテナンス(例えば、クリーニング)のために処理チャンバにフラグを立て、及び/又は処理チャンバのクリーニングを能動的にスケジュールすることができる。
【0110】
ブロック930で、処理チャンバのメンテナンスが実行された後、処理ロジックは処理チャンバのシーズニング処理を開始することができる。ブロック935で、処理ロジックは、シーズニング処理中及び/又はシーズニング処理後に、処理チャンバのセンサのセットから第2の測定値を受け取る。ブロック940で、処理ロジックは、シーズニングが完了したか、及び/又は処理チャンバをサービスに戻す準備ができているかを決定するようにトレーニングされた第2のトレーニング済み機械学習モデルを使用して、第2の測定値を処理する。第2のトレーニング済み機械学習モデルは、CCIを示す第2の出力、及び/又はシーズニングが完了したか(及び処理チャンバを稼働に戻すことができるか)を示す第2の出力を生成するようにトレーニングされることができる。
【0111】
ブロック945で、処理ロジックは、トレーニング済み機械学習モデルの第2の出力が1つ以上の第2の基準を満たすかを判定する。一実施形態では、処理ロジックは出力CCIをCCI閾値と比較する。CCIがCCI閾値以上である場合、処理ロジックは、出力が第2の基準を満たすと決定することができる。CCIがCCI閾値を下回っている場合、2番目の基準を満たしていない可能性がある。第2の基準を満たしていない場合、方法は継続してブロック930に戻り、別のシーズニング処理が処理チャンバ上で実行される。基準を満たす場合、方法はブロック950に進む。
【0112】
ブロック950で、処理ロジックは、シーズニングが終了し、処理チャンバが再適格性評価される準備ができている、及び/又は(製品基板上で使用される)サービスに戻る準備ができていると決定する。ブロック955で、処理ロジックは、適格性評価のために処理チャンバにフラグを立て、及び/又は再適格性評価処理をスケジュールしてもよい。ブロック960で、処理ロジックは、処理チャンバが再適格性評価テストに合格したかに関する表示を受け取ることができる。追加的又は代替的に、処理ロジックは、処理チャンバの状態に関する表示を受け取ることができる。処理チャンバが再適格性評価テストに合格しなかった場合、方法はブロック930に戻り、処理チャンバに対して別のシーズニング処理が実行される。処理チャンバが再適格性評価テストに合格した場合、方法はブロック965に進む。ブロック965で、処理ロジックは処理をサービス状態に戻す。また、処理ロジックは、本明細書で説明するように、第1及び/又は第2のトレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新することができる。
【0113】
図10は、本明細書で説明された任意の1つ以上の方法をマシンに実行させるための命令セットを実行することができるコンピューティングデバイス1000の例示的な形態のマシンの図面を示す。代替的実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク接続)することができる。マシンは、クライアント/サーバネットワーク環境ではサーバ又はクライアントマシンとして動作することも、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境ではピアマシンとして動作することもできる。このマシンには、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、Webアプライアンス、サーバ、ネットワークルーター、スイッチ、ブリッジ、又はそのマシンが実行するアクションを指定する一連の命令(シーケンス又はその他)を実行することができる任意のマシンであってもよい。更に、単一のマシンのみが図示されているが、「マシン」という用語は、本明細書で説明される1つ以上の方法を実行する命令セット(又は複数セット)を個別に又は共同で実行するマシンの集合(例えば、コンピュータ)も含むと解釈される。
【0114】
例示的なコンピューティングデバイス1000は、処理デバイス1002、メインメモリ1004(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM、例えば、同期DRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)等)、スタティックメモリ1006(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ハードディスク(磁気記憶装置)等)、及び二次メモリ(例えば、データ記憶装置1018)を含み、これらはバス1030を介して各々と通信する。
【0115】
処理デバイス1002は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置等)を表す。より具体的には、処理デバイス1002は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令ワード(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実行するプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。また、処理デバイス1002は、1つ以上の専用処理装置(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等)であってもよい。処理デバイス1002は、本明細書で説明する操作及びステップを実行するための処理ロジック(命令1022)を実行するように構成される。
【0116】
更に、コンピューティングデバイス1000はネットワークインターフェースデバイス1008を含むことができる。また、コンピューティングデバイス1000は、ビデオ表示ユニット1010(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス1012(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス1014(例えば、マウス)、及び信号生成装置1016(例えば、スピーカ)を含むことができる。
【0117】
データ記憶装置1018は、本明細書で説明される方法又は機能のいずれか1つ以上を具体化する1つ以上の命令セット1022が記憶されるマシン可読記憶媒体(又はより具体的にはコンピュータ可読記憶媒体)1028を含むことができる。また、命令1022は、コンピュータシステム1000による実行中に、完全に又は少なくとも部分的にメインメモリ1004内及び/又は処理デバイス1002内に常駐することもでき、メインメモリ1004及び処理デバイス1002もコンピュータ可読記憶媒体を構成する。
【0118】
また、コンピュータ可読記憶媒体1028は、自律型ツールエンジン121、及び/又は自律型ツールエンジン121を呼び出す方法を含むソフトウェアライブラリを記憶するために使用することもできる。コンピュータ可読記憶媒体1028は実施形態では単一の媒体として示されている。しかし、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、1つ以上のセットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むと解釈されるべきである。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、マシンによる実行のための命令セットを記憶又は符号化することができ、マシンに本明細書に記載の方法のいずれか1つ又は複数を実行させる任意の媒体を含むと解釈される。従って、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、ソリッドステートメモリ、光学媒体及び磁気媒体等)を含むと解釈されるが、これらに限定されない。
【0119】
本明細書(例えば、図1~2に関連して)で説明されるモジュール、コンポーネント、及び他のフィーチャは、個別のハードウェアコンポーネントとして実行することも、ハードウェアコンポーネント(例えば、ASICS、FPGA、DSP又は同様のデバイス等)の機能に統合することもできる。更に、モジュールはハードウェアデバイス内のファームウェア又は機能回路として実行することができる。更に、モジュールは、ハードウェアデバイスとソフトウェアコンポーネントの任意の組み合わせで、又はソフトウェアのみで実行することができる。
【0120】
詳細な説明の幾つかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットのオペレーションのアルゴリズム及び記号表現の観点から提示されている。これらのアルゴリズムの記述及び表現は、データ処理技術の当業者がその仕事の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用する手段である。ここでのアルゴリズムとは、一般に、目標の結果に至るまでの一貫したステップのシーケンスであると考えらる。これらのステップは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。必ずというわけではないが、通常、これらの量は、保存、転送、結合、比較、その他の操作が可能な電気信号又は磁気信号の形を取る。主に一般的な使用上の理由から、多くの場合、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数字等と称すると便利である。
【0121】
しかし、これらの用語及び同様の用語は全て、適切な物理量に関連付けられており、これらの量に適用される便宜的なラベルにすぎないことに留意する必要がある。特に明記しない限り、以下の説明から明らかなように、本説明全体を通じて、「受信する」、「識別する」、「決定する」、「選択する」、「提供する」、「保存する」等はコンピュータシステム又は同様の電子計算デバイスの動作及び処理を意味する。コンピュータシステム又は同様の電子計算デバイスは、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムメモリ、レジスタ、又は他の同様の情報記憶装置、送信装置、又は表示装置内で、物理量として同様に表される他のデータに変換する。
【0122】
また、本発明の実施形態は、本明細書の動作を実行するための装置に関する。この装置は、説明された目的のために特別に構築されてもよく、コンピュータシステムに記憶されたコンピュータプログラムにより選択的にプログラムされた汎用コンピュータシステムを含んでいてもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、及び光磁気ディスクを含む任意の種類のディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、他の種類のマシンアクセス可能な記憶媒体、又は電子命令の保存に適した任意の種類の媒体等、これらに限定されない)に記憶することができ、これらの各々はコンピュータシステムバスに接続される。
【0123】
上述の説明は、本開示の幾つかの実施形態の十分な理解を提供するために、特定のシステム、コンポーネント、方法等の例等の多くの特定の詳細を記載した。しかしながら、本開示の少なくとも幾つかの実施形態は、これらの特定の詳細がなくても実施できることが当業者には明らかである。他の例では、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知のコンポーネント又は方法は詳細に説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示されている。従って、記載された具体的な詳細は単なる例示である。特定の実施は、これらの例示的な詳細とは異なる場合があるが、依然として本開示の範囲内にあると考えられる。
【0124】
本明細書全体にわたる「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、又は特徴が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態」又は「実施形態」という語句は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。更に、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。「約」又は「およそ」という用語が本明細書で使用される場合、これは、提示された公称値が±10%以内の精度を意味することを意図している。
【0125】
本明細書における方法のオペレーションは特定の順序で示され説明されているが、各方法のオペレーションの順序を変更し、特定のオペレーションを逆の順序で実行し、特定のオペレーションを少なくとも部分的に他のオペレーションを並行して実行することができる。他の実施形態では、別個の動作の命令又はサブオペレーションは、断続的及び/又は交互の方法であってもよい。
【0126】
上記の説明は例示を目的としたものであり、限定的なものではないと理解される。上記の説明を読んで理解すれば、他の多くの実施形態が当業者には明らかとなる。従って、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理のためのツールクラスタであって、
1つ以上の搬送チャンバと、
1つ以上の搬送チャンバに接続された複数の処理チャンバであって、第1の複数のセンサを含む第1の処理チャンバと、第2の複数のセンサを含む第2の処理チャンバとを備える複数の処理チャンバと、
ツールクラスタのためのコンピューティングデバイスであって、
第1の処理チャンバ内で実行される処理の第1のインスタンス中又はその後に、第1の処理チャンバの第1の複数のセンサの少なくとも1つから1つ以上の第1の測定値を受
信し、
トレーニング済み機械学習モデルを使用して、1つ以上の第1の測定値を処理し、トレーニング済み機械学習モデルは、1つ以上の第1の測定値の処理に基づき第1の出力を生成し、
トレーニング済み機械学習モデルの第1の出力に基づき、第1の処理チャンバに関して第1のアクションを実行させ、
第1のアクションの第1の結果を決定し、
第1の測定値、第1の出力、及び第1のアクションの第1の結果の1つ以上に基づき、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新する、コンピューティングデバイスを備えるツールクラスタ。
【請求項2】
処理は半導体製造処理であり、複数の処理チャンバは半導体製造処理を実行するように構成される、請求項1に記載のツールクラスタ。
【請求項3】
コンピューティングデバイスは更に、
第2の処理チャンバ内で実行される処理の第2のインスタンス中又はその後に、第2の処理チャンバの第2の複数のセンサの少なくとも1つから1つ以上の第2の測定値を受信し、
トレーニング済み機械学習モデルを使用して、1つ以上の第2の測定値を処理し、第2の出力を生成し、
トレーニング済み機械学習モデルの第2の出力に基づき、第2の処理チャンバに関して第2のアクションを実行させ、
第2のアクションの第2の結果を決定し、
第2の測定値、第2の出力、及び第2のアクションの第2の結果の1つ委譲に基づき、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新するコンピューティングデバイスを備える、請求項1に記載のツールクラスタ。
【請求項4】
1つ以上のロードロックを介して少なくとも1つの搬送チャンバに接続されたファクトリインターフェースを含み、
コンピューティングデバイスは、1つ以上の搬送チャンバの搬送チャンバ、1つ位以上の処理チャンバの処理チャンバ、又はファクトリインターフェースの少なくとも1つに取り付けられるオンツールコンピューティングデバイスであり、
コンピューティングデバイスは、1つ以上の第1の測定値をリモートコンピューティングデバイスに送信することなく、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新する、請求項1に記載のツールクラスタ。
【請求項5】
第1の処理チャンバ及び第2の処理チャンバはエッチングチャンバであり、処理はエッチング処理である、請求項1に記載のツールクラスタ。
【請求項6】
1つ以上の第1の測定値が、処理の第1のインスタンス中に生成された基板上の膜の反射率測定値を含み、第1の出力が、膜の推定厚さ又は推定トレンチ深さの少なくとも1つを含み、第1のアクションはエッチング処理を停止することを含み、第1のアクションの第1の結果は、a)膜の測定厚さと膜の推定膜厚の差、又はb)膜の測定トレンチ深さと膜の推定トレンチ深さの差の少なくとも1つを含む、請求項5に記載のツールクラスタ。
【請求項7】
処理は、第1の処理チャンバでメンテナンスを実行した後に第1の処理チャンバで実行されるシーズニング処理を含み、1つ以上の第1の測定値は、処理の第1のインスタンス中に生成される第1の複数のセンサからの測定値の第1のセットを含み、第1の出力は、第1の処理チャンバをサービスに戻す準備ができているという表示を含み、第1のアクションは、第1の処理チャンバ内でテスト基板上で実行されるテスト処理を含み、第1のアクションの第1の結果は、テスト処理中又はテスト処理後に生成されたテスト基板の1つ以上の測定値を含む、請求項5に記載のツールクラスタ。
【請求項8】
測定値の第1のセットは、光学測定値、電力測定値、及び圧力測定値を含む、請求項7に記載のツールクラスタ。
【請求項9】
処理は、第1の処理チャンバ内の基板上で実行される堆積処理又はエッチング処理を含み、1つ以上の第1の測定値は、処理の第1のインスタンス中に生成される第1の複数のセンサからの測定値の第1のセットを含み、第1の出力は、第1の処理チャンバがメンテナンスの時期であるという表示を含み、第1のアクションは、第1の処理チャンバにメンテナンスのフラグを立てることを含み、第1のアクションの第1の結果は、メンテナンスが必要であったかの表示を含む、請求項1に記載のツールクラスタ。
【請求項10】
測定値の第1のセットは、光学測定値、電力測定値及び圧力測定値を含む、請求項9に記載のツールクラスタ。
【請求項11】
トレーニング済み機械学習モデルはニューラルネットワークを含む、請求項7に記載のツールクラスタ。
【請求項12】
コンピューティングデバイスは更に、
第1の処理チャンバに対して予防的メンテナンスをいつ実行するか、及び第2の処理チャンバに対して予防的メンテナンスをいつ実行するかを決定し、
第1の処理チャンバの予防的メンテナンスを実行した後、第1の処理チャンバをいつサービスに戻すかを決定し、
第2の処理チャンバの予防的メンテナンスを実行した後、第2の処理チャンバをいつ使用に戻すかを決定する、請求項1に記載のツールクラスタ。
【請求項13】
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
処理チャンバに接続された複数のセンサと、
処理チャンバのためのコンピューティングデバイスであって、
処理チャンバ内で実行される処理中又はその後に、複数のセンサの少なくとも1つから1つ以上の測定値を受信し、
トレーニング済み機械学習モデルを使用して、1つ以上の測定値を処理し、トレーニング済み機械学習モデルは、1つ以上の第1の測定値の処理に基づき出力を生成し、
トレーニング済み機械学習モデルの出力に基づき、処理チャンバに関してアクションを実行させ、
アクションの結果を決定し、
測定値、出力、及びアクションの結果の少なくとも1つに基づき、トレーニング済み機械学習モデルのトレーニングを更新する、コンピューティングデバイスを備えるシステム。
【請求項14】
1つ以上の測定値が、処理中に生成された基板上の膜の反射率測定値を含み、出力が、膜の推定厚さ又は推定トレンチ深さの少なくとも1つを含み、アクションは処理を停止することを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
処理は、処理チャンバでメンテナンスを実行した後に処理チャンバで実行されるシーズニング処理を含み、1つ以上の測定値は、処理中に生成される複数のセンサからの測定値のセットを含み、出力は、処理チャンバをサービスに戻す準備ができているという表示を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
1つ以上の測定値は、光学測定値、電力測定値及び圧力測定値を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
出力は、処理チャンバがメンテナンスの時期であるという表示を含み、アクションは、処理チャンバにメンテナンスのフラグを立てることを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
トレーニング済み機械学習モデルはニューラルネットワークを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
コンピューティングデバイスは更に、
処理チャンバに対して予防的メンテナンスをいつ実行するかを決定し、
処理チャンバの予防的メンテナンスを実行した後、処理チャンバをいつサービスに戻すかを決定する、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
基板処理のためのツールクラスタであって、
1つ以上の搬送チャンバと、
1つ以上の搬送チャンバに接続された複数の処理チャンバであって、複数のセンサを含む第1の処理チャンバを含む複数の処理チャンバと、
ツールクラスタのためのコンピューティングデバイスであって、
処理チャンバ内で実行される処理中又はその後に、処理チャンバの複数のセンサにより生成される第1の測定値を受信し、
第1のトレーニング済み機械学習モデルを使用した複数のセンサからの第1の測定値の処理に基づき、処理チャンバがメンテナンスの時期にあるかを決定し、
処理チャンバのメンテナンスが実行された後、シーズニング処理が処理チャンバ内で実行される間又は実行された後に、処理チャンバの複数のセンサにより生成された第2の測定値を受信し、
第2のトレーニング済み機械学習モデルを使用した複数のセンサからの第2の測定値の処理に基づき、処理チャンバをサービスに戻す準備ができていると決定するコンピューティングデバイスを備えるツールクラスタ。