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特開2024-153891単一または複数の容器のための貯留デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024153891
(43)【公開日】2024-10-29
(54)【発明の名称】単一または複数の容器のための貯留デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20241022BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20241022BHJP
【FI】
A61J1/20 314Z
A61J1/05 351Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024128800
(22)【出願日】2024-08-05
(62)【分割の表示】P 2023158182の分割
【原出願日】2016-06-17
(31)【優先権主張番号】62/182,099
(32)【優先日】2015-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーク デイビッド シュウェイス
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル イー. ラウシュ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ホルズナー
(72)【発明者】
【氏名】セス デール ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー マーティン ルーパー
(72)【発明者】
【氏名】テジャス ディヤニ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル シャー
(72)【発明者】
【氏名】マデリーン クレア ギブソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェシカ チュン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医療目的のために使用される改良された貯留デバイスを提供する。
【解決手段】デバイス10が、少なくとも1つの容器14,16を有する容器ユニット12からの流体を貯留するために提供され、デバイス10は、流体または周囲空気を受け取るために構成されている少なくとも1つの入口チャネルを有する入口ポートと、流体を取り付け部に送達するために構成されている少なくとも1つの出口チャネルを有する出口ポート26とを含む。入口および出口ポート26の両方は、デバイス10上に配置されている。空洞40が、少なくとも1つの容器14,16からの流体を貯留するための容器ユニット12の挿入に適応するために提供される。少なくとも1つのスパイク50が、空洞40内に配置され、少なくとも1つのスパイク50は、容器ユニット12が上側位置から下側位置に移行するとき、少なくとも1つの容器14,16のストッパ44,46を貫通する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留デバイス[10]であって、前記貯留デバイスは、
少なくとも1つの容器[14、16]からの流体を貯留するために容器ユニット[12]の挿入に適応するために構成されている空洞[40]と、
前記空洞内に配置されている少なくとも1つのスパイク[48、50]であって、前記少なくとも1つのスパイク[48、50]は、前記容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するとき、前記少なくとも1つの容器のストッパ[44、46]を貫通するために構成されている、少なくとも1つのスパイク[48、50]と、
前記容器ユニットが前記下側位置にあるときに、前記容器ユニットを前記空洞内にしっかりと保持するために構成されている係止機構[58]と
を備える、貯留デバイス。
【請求項2】
前記係止機構[58]は、前記貯留デバイスの使用中に前記容器ユニット[12]を前記空洞[40]内にしっかりと保持するために構成されている、請求項1に記載の貯留デバイス。
【請求項3】
前記係止機構[58]は、前記空洞[40]の内壁[60]上に配置されている、請求項1または請求項2に記載の貯留デバイス。
【請求項4】
前記係止機構[58]は、少なくとも1つの付勢されたクリップを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の貯留デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの付勢されたクリップは、前記容器ユニットが前記上側位置から前記下側位置に移動させられるときに前記容器ユニット[12]によって半径方向外向きに押されるように構成されている、請求項4に記載の貯留デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスパイク[48、50]は、少なくとも1つの入口チャネル[22、24]に接続されている第1のスパイクチャネル[62、70]を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の貯留デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスパイク[48、50]は、少なくとも1つの出口チャネル[32、34]に接続されている第2のスパイクチャネル[66、72]を有する、請求項6に記載の貯留デバイス。
【請求項8】
疎水性フィルタ[118]を介して前記貯留デバイス[10]の前記入口チャネル[22、24]に接続されている空気経路コネクタ[116]を有する空気接続アセンブリ[106]をさらに備える、請求項7に記載の貯留デバイス。
【請求項9】
前記空気接続アセンブリ[106]は、前記容器ユニットの少なくとも2つの容器に同時に接続され、前記少なくとも2つの容器によって共有されている、請求項8に記載の貯留デバイス。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスパイクは、前記貯留デバイスの前記入口チャネルおよび出口チャネルを流体連通した状態で接続するために構成されているスパイクシース[190]で封入されている、請求項6に記載の貯留デバイス。
【請求項11】
前記スパイクシース[190]は、前記容器ユニット[12]が前記上側位置から前記下側位置に移動させられるときに、前記少なくとも1つのスパイク[48、50]によって貫通される、請求項10に記載の貯留デバイス。
【請求項12】
トレイ部材[210]をさらに備え、前記トレイ部材[210]は、流体連通した状態で前記トレイ部材の中に組み込まれている複数の貯留デバイスを含み、前記トレイ部材は、少なくとも1つの流動通路を有し、前記少なくとも1つの流動通路は、前記貯留デバイスの前記少なくとも1つのスパイク[48、50]に流体的に接続している、請求項1~11のいずれか一項に記載の貯留デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つの容器[14、16]は、少なくとも2つの容器であり、前記トレイ部材[210]は、前記少なくとも2つの容器の出口ポートに流体的に接続された位置決め弁[216]を含み、前記位置決め弁は、前記少なくとも1つの容器からの流路を選択的に調整するために構成されている、請求項12に記載の貯留デバイス。
【請求項14】
前記トレイ部材[210]は、前記複数の貯留デバイスから出口ポートに2つの別個の流体を運搬するために構成されている2つの別個の流動通路[214]を含む、請求項12に記載の貯留デバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つのスパイクは、第1のスパイク[48]および第2のスパイク[50]を含み、前記容器ユニットは、第1の容器[14]および第2の容器[16]を含み、前記容器ユニットが前記上側位置から前記下側位置に移動させられるときに、前記第1のスパイクは、前記第1の容器の第1のストッパ[44]を穿刺するように構成され、前記第2のスパイクは、前記第2の容器の第2のストッパ[46]を穿刺するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の貯留デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、米国特許法§119(e)に基づき、米国仮特許出願第62/182,099号(2015年6月19日出願)に対する優先権を主張し、上記出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、医療目的のために使用される貯留デバイスに関し、より具体的には、並行使用のために医薬容器からの内容物を貯留するために構成されるデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの場合、医薬薬剤または流体は、その化学および物理的安定性のために、使用前に分離される。したがって、流体は、患者に静脈内投与されるために流体が一緒に混合されるまで、個々にパッケージ化および貯蔵される。従来、流体の混合は、医療従事者が第1の流体を第2の流体を有するガラスバイアルまたは容器の中に注射することによって達成される。第1および第2の流体を混合後、混合された溶液は、注射筒の中に引き込まれ、患者の中に静脈内注射される。ある場合、2つの溶液は、患者への送達前に、静脈内(IV)投与バッグまたはセット等の大きい容器内で混合されるか、または混合された溶液が、そこに移送される。
【0004】
いくつかの医薬流体は、混合せずに、順に投与される。例えば、条件を改善するために第1の流体が最初に投与され、その条件の下で第2の流体が患者に送達され、または患者によって処理され得る。第1および第2の流体を投与するための例示的二重医療容器ユニットは、共有に係る米国特許第8,684,433号(特許文献1)に説明されており、参照することによって組み込まれる。ある場合、医薬流体のいくつかのバイアルが、正しい用量を患者に提供するために組み合わせられなければならない。ある免疫不全疾患を患う患者は、比較的に大量の免疫グロブリン(IG)流体の注入を用いて治療される。第1の流体薬剤は、第2の薬剤である、比較的に高粘度IG流体に対する身体受け入れを向上させるために適用される。従来、流体を投与する医療従事者は、流体の識別および濃度を検証し、アルコール等の消毒剤を使用して、各容器の対応するストッパを消毒し、流体の送達のために各容器のストッパを刺し、複数の注射器および貯留バッグを使用して、流体をそれぞれの容器から別個に貯留し、そして、患者への流体の投与を連続して行う。ある場合、二重容器ユニットが、手動で持ち上げられるか、またはIVポールから吊るされ、それによって、流体のうちの1つ以上のものが重力流動によって貯留バッグに送達される。
【0005】
ある場合、代替として、患者によって自宅で行われるこの多ステッププロセスに起因して、従来の投与方法は、取り扱い誤りおよび間違いを犯しやすい。例えば、瓶、バイアル、または他の容器は、誤って取り扱われ得、損傷または破損されることさえあり得る。さらに、いくつかの手動ステップが、現在、滅菌環境において所望される一連の投与を達成するために必要とされており、多数の手動ステップに起因して、有意な時間量が無駄にされ、かなりの空間が、使用中、機器の在庫を貯蔵するために要求される。医薬流体の滅菌投与が損なわれ得る場合、細菌または環境汚染が、生じ得る。これらの問題のいずれも、患者への流体の投与および患者の健康に悪影響を及ぼし得る。
【0006】
したがって、より単純かつより信頼性のある様式において単一または複数の医薬容器のための向上された投与方法を提供する改良された貯留デバイスを開発する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第8,684,433号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、少なくとも1つの医療容器からの医薬流体を貯留するための貯留デバイスを対象とし、貯留デバイスは、前述の手動ステップの多くを統合する。本貯留デバイスの重要な側面は、医療容器を受け取るために構成されている中心空洞が、異なる医療容器を繰り返し装填せずに医療容器からの医薬流体を貯留するために提供されることである。内部管腔スパイクが、各医療容器のストッパを貫通するために空洞内に配置され、係止機構が、医療容器を本貯留デバイスの空洞内にしっかりと保持するために提供される。
【0009】
いくつかの実施形態では、2つ以上の本貯留デバイスが、動作中、医療容器を交換する必要なく、別個の医療容器がユーザまたは患者に連続して自動的に投与されるように、相補的関係において連結可能または接続可能である。単なる例として、本貯留デバイスの出口は、全連結された貯留デバイス間の流体経路の切れ目のない接続を促進するために、別の貯留デバイスの入口に連結またはデイジーチェーン接続される。この構成では、2つ以上の医薬流体が、医療容器の中断または操作を伴わずに、比較的に大量(数百mlの範囲内)でユーザに投与されることができる。連結された貯留デバイスは、前述の向きから反転され得ることが想定される。
【0010】
一実施形態では、貯留デバイスが、少なくとも1つの容器を有する容器ユニットからの流体を貯留するために提供され、貯留デバイスは、流体または周囲空気を受け取るために構成されている少なくとも1つの入口チャネルを有する入口ポートと、流体を取り付け部に送達するために構成されている少なくとも1つの出口チャネルを有する出口ポートとを含む。入口および出口ポートの両方は、デバイス上に配置される。空洞が、少なくとも1つの容器からの流体を貯留するための容器ユニットの挿入に適応するために提供される。少なくとも1つのスパイクが、空洞内に配置され、容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するとき、少なくとも1つの容器のストッパを貫通するために構成される。
【0011】
別の実施形態では、貯留デバイスが、医薬流体を貯留するために提供され、貯留デバイスは、流体を貯蔵するために構成される少なくとも1つの容器を有する容器ユニットを含み、容器ユニットは、貯留デバイスに事前に取り付けられる。貯留デバイス内には、流体または周囲空気を受け取るために構成されている少なくとも1つの入口チャネルを有する入口ポートも含まれる。少なくとも1つの出口チャネルを有する出口ポートが、流体を取り付け部に送達するために提供される。入口および出口ポートの両方は、貯留デバイス上に配置される。空洞が、少なくとも1つの容器からの流体を貯留するための事前に取り付けられた位置から容器ユニットの挿入に適応するために提供される。少なくとも1つのスパイクが、空洞内に配置され、容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するとき、少なくとも1つの容器のストッパを貫通するために構成される。
【0012】
さらに別の実施形態では、デバイスが、医薬流体を貯留するために提供され、デバイスは、流体を貯蔵するために構成される少なくとも1つの容器を有する容器ユニットを含み、容器ユニットは、貯留デバイスに事前に取り付けられる。少なくとも1つの入口チャネルを有する入口ポートが、流体または周囲空気を受け取るために提供される。少なくとも1つの出口チャネルを有する出口ポートが、流体を取り付け部に送達するために提供される。入口および出口ポートの両方は、貯留デバイス上に配置される。空洞が、少なくとも1つの容器からの流体を貯留するための事前に取り付けられた位置から容器ユニットの挿入に適応するために提供される。少なくとも1つのスパイクが、空洞内に配置され、容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するとき、少なくとも1つの容器のストッパを貫通するために構成される。貯留デバイスは、連結された貯留デバイスからの流体の途切れない供給を確立するために、各貯留デバイスの縦軸に対して直列配置において別の貯留デバイスと相補的に連結可能である。
【0013】
さらに別の実施形態では、貯留デバイスが、少なくとも1つの容器を有する容器ユニットからの流体を貯留するために提供され、貯留デバイスは、流体または周囲空気を受け取るために構成されている少なくとも1つの入口チャネルを有する入口ポートを含む。貯留デバイス内に、流体を取り付け部に送達するために構成されている少なくとも1つの出口チャネルを有する出口ポートも含まれ、入口および出口ポートは、貯留デバイス上に配置される。空洞が、少なくとも1つの容器からの流体を貯留するために、容器ユニットの挿入に適応するために構成される。少なくとも1つのスパイクが、空洞内に配置され、容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するとき、少なくとも1つの容器のストッパを貫通するために構成される。
【0014】
より具体的には、入口ポートは、対応する管を介して、少なくとも1つのスパイクと流体連通する出口ポートに接続され、少なくとも1つのスパイクは、少なくとも1つの入口チャネルに接続されている第1のスパイクチャネルを有する。さらに、少なくとも1つのスパイクは、少なくとも1つの出口チャネルに接続されている第2のスパイクチャネルを有する。入口および出口ポートのうちの少なくとも1つは、対応する入口および出口チャネルを汚染から防護するための保護カバーを有し、少なくとも1つのスパイクは、貯留デバイスの基部の内側表面から法線状に突出する。
【0015】
係止機構が、貯留デバイスのために提供され、使用中、容器ユニットを空洞内にしっかりと保持するために構成され、係止機構は、好ましくは、空洞の内壁上に配置される。空洞は、単一容器からの流体を貯留するための容器ユニットの挿入に適応するために構成される。少なくとも1つの容器は、流体を貯蔵するように構成され、容器ユニットは、貯留デバイスに取り付けられる。ロックアウト機構が、貯留デバイスのために提供され、上側位置から下側位置への容器ユニットの移行を停止させるために構成される。
【0016】
容器ユニットのために、ロックアウトピンが含まれ、ロックアウトピンは、容器ユニットの本体上に配置されているスロットの中に挿入可能である。プレスバーが、プレスバーを下向きに押すことによって容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するために、容器ユニットの上に配置される。有利には、貯留デバイスは、連結された貯留デバイスからの流体の途切れない供給を確立するために、相補的関係において別の貯留デバイスと直列に連結可能である。好ましくは、第1の貯留デバイスの入口ポートは、相補的関係において第2の貯留デバイスの出口ポートの中に挿入可能であるように構成される。第1の貯留デバイスおよび第2の貯留デバイスは、貯留デバイスの縦軸に対して相補的関係において一緒に直列に連結される。
【0017】
キャップリムーバが、貯留デバイスのために提供され、キャップリムーバは、少なくとも1つの容器に取り付けられ、少なくとも1つの容器の上部キャップを除去するために構成される。漏出防止機構が、貯留デバイス内の流体経路を制御するために構成されている流体接続アセンブリと、貯留デバイス内の空気通気経路を制御するために構成されている空気接続アセンブリとを有する。空気接続アセンブリは、疎水性フィルタを介して貯留デバイスの入口ポートに接続されている空気経路コネクタを含む。
【0018】
流体接続アセンブリ内に、流体の方向性流体流動を選択的に調整するために貯留デバイスの出口ポートに接続されている第1の流体逆止弁と、流体の方向性流体流動を選択的に調整するために貯留デバイスの入口ポートに接続されている第2の流体逆止弁とが含まれる。第1の流体逆止弁は、別の貯留デバイスの第2の逆止弁に解放可能に相補的に接続するために構成されている第1の流体経路コネクタを有し、第2の流体逆止弁は、別の貯留デバイスの第1の流体逆止弁に解放可能に相補的に接続するために構成されている第2の流体経路コネクタを有する。第1および第2の流体逆止弁のクラッキング圧は、3~5ポンド/平方インチの範囲にある。
【0019】
空気接続アセンブリ内に、別の貯留デバイスの空気経路コネクタに解放可能に相補的に接続するために構成される盲空洞を有する空気経路プラグまたは端部構成要素部材が含まれる。流体接続アセンブリは、流体接続アセンブリの第1のオス型部材の挿入に適応するために構成されている第1のメス型部材開口部を有する第1のメス型部材を含む。流体接続アセンブリは、流体接続アセンブリの第1のメス型およびオス型部材を解放可能に接続するために構成されているアセンブリ係止機構も含む。具体的には、第1のメス型部材は、流体の方向性流体流動を防止するために構成されている第1のシール固定具を有し、第1のオス型部材は、流体の方向性流体流動を防止するために構成されている第2のシール固定具を有する。さらに、第1のメス型部材は、第1のメス型部材の内上側表面から垂れ下がっている柱を有し、第1のオス型部材は、第1のメス型部材の柱の挿入に適応するように寸法を決定された中心貫通ボアを有するバックアップワッシャを有する。空気接続アセンブリ内に、空気接続アセンブリの第2のオス型部材の挿入に適応するために構成されている第2のメス型部材開口部を有する第2のメス型部材も含まれる。
【0020】
疎水性フィルタが、第2のメス型部材の第2のメス型部材開口部内に配置され、第2のオス型部材は、シースと第2のメス型部材との間の気密締りばめを生成するために構成される。好ましくは、第2のオス型部材は、環状突出部を有するシースで封入される。複数の流体および空気経路管が、貯留デバイス内に提供され、経路管は、貯留デバイスの空気通気経路および流体経路のうちの少なくとも1つを互いに流体連通した状態で設置するために構築および配置される。
【0021】
空気接続アセンブリは、貯留デバイスの少なくとも2つの容器に同時に接続され、それらによって共有され、流体接続アセンブリは、流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、貯留デバイスの出口ポートに接続される第1の力アクティブ化式弁を含むことが好ましい。流体接続アセンブリは、流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、貯留デバイスの入口ポートに接続される第2の力アクティブ化式弁も含む。流体接続アセンブリ内に、流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、貯留デバイスの入口ポートに接続される一方向性逆止弁が含まれる。
【0022】
少なくとも1つのスパイクが、スパイクシースで封入され、スパイクシースは、貯留デバイスの入口および出口ポートを流体連通した状態で接続するために構成される。流体接続アセンブリは、スパイクコネクタと、アクセスドーム弁とを含む。具体的には、アクセスドーム弁は、相補的関係においてスパイクコネクタの挿入に適応するために構成される開口部を有する。流体接続アセンブリは、疎水性フィルタおよび親水性フィルタのうちの少なくとも1つを含む。疎水性フィルタは、貯留デバイスの方向性空気流動を選択的に調整するために、貯留デバイスの入口ポートに接続されることが好ましい。代替として、または加えて、親水性フィルタは、貯留デバイスの方向性空気流動を選択的に調整するために、貯留デバイスの出口ポートに接続される。
【0023】
トレイ部材が、流体連通した状態でトレイ部材の中に組み込まれる、少なくとも1つの貯留デバイスを含む。好ましくは、トレイ部材は、少なくとも1つの流動通路を有し、流体連通を促進するためにトレイ部材に取り付けられている流動カバーを含む。さらに、トレイ部材は、少なくとも1つの容器からの流路を選択的に調整するために構成されている位置決め弁を含む。少なくとも1つの疎水性フィルタは、入口ポートおよび出口ポートのうちの少なくとも1つに接続される。同様に、少なくとも1つの親水性フィルタが、入口ポートおよび出口ポートのうちの少なくとも1つに接続される。別の実施形態では、トレイ部材は、流体連通した状態でトレイ部材の中に組み込まれる、複数の貯留デバイスを含む。この構成では、トレイ部材は、複数の貯留デバイスから出口ポートに2つの別個の流体を運搬するために構成される2つの別個の管を含むことが好ましい。
【0024】
さらに別の実施形態では、貯留デバイスが、医薬流体を貯留するために提供され、貯留デバイスは、流体を貯蔵するように構成される少なくとも1つの容器を有する容器ユニットを含み、容器ユニットは、貯留デバイスに取り付けられる。入口ポートが、流体または周囲空気を受け取るために構成されている少なくとも1つの入口チャネルを有する。出口ポートが、流体を取り付け部に送達するために構成されている少なくとも1つの出口チャネルを有し、入口および出口ポートは、貯留デバイス上に配置される。空洞が、少なくとも1つの容器からの流体を貯留するために、容器ユニットの挿入に適応するために構成される。少なくとも1つのスパイクが、空洞内に配置され、容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するとき、少なくとも1つの容器のストッパを貫通するために構成される。貯留デバイスは、貯留デバイスからの流体の途切れない供給を確立するために、各連結された貯留デバイスに対して直列配置において別の貯留デバイスと相補的に連結可能である。貯留デバイス内に、出口ポートを収容するために構成されている第1のウイングと、入口ポートを収容するために構成されている第2のウイングとも含まれる。第2のウイングは、第1のウイングに対して垂直に変位させられる。
【0025】
本開示の前述および他の側面ならびに特徴は、付随の図面と併せて検討されることによって、以下の発明を実施するための形態から当業者に明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
少なくとも1つの容器[14、16]を有する容器ユニット[12]からの流体を貯留するための貯留デバイス[10]であって、前記貯留デバイスは、
前記流体または周囲空気を受け取るために構成されている少なくとも1つの入口チャネル[22、24]を有する入口ポート[18]と、
前記流体を取り付け部に送達するために構成されている少なくとも1つの出口チャネル[32、34]を有する出口ポート[26]であって、前記入口および出口ポートは、前記貯留デバイス上に配置されている、出口ポート[26]と、
前記少なくとも1つの容器[14、16]からの前記流体を貯留するための前記容器ユニット[12]の挿入に適応するために構成されている空洞[40]と、
前記空洞内に配置されている少なくとも1つのスパイク[48、50]と
を備え、
前記少なくとも1つのスパイクは、前記容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するとき、前記少なくとも1つの容器のストッパ[44、46]を貫通するために構成されている、貯留デバイス。
(項目2)
前記入口ポート[18]は、対応する管[64]を介して、前記少なくとも1つのスパイク[48、50]と流体連通する前記出口ポート[26]に接続されている、項目1に記載の貯留デバイス。
(項目3)
前記少なくとも1つのスパイク[48、50]は、前記少なくとも1つの入口チャネル[22、24]に接続されている第1のスパイクチャネル[62、70]を有する、項目1または2に記載の貯留デバイス。
(項目4)
前記少なくとも1つのスパイク[48、50]は、前記少なくとも1つの出口チャネル[32、34]に接続されている第2のスパイクチャネル[66、72]を有する、項目1~3のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目5)
前記入口および出口ポート[18、26]のうちの少なくとも1つは、前記対応する入口および出口チャネル[22、24;32、34]を汚染から防護するための保護カバー[38]を有する、項目1~4のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目6)
前記少なくとも1つのスパイク[48、50]は、前記貯留デバイス[10]の基部[54]の内側表面[52]から法線状に突出している、項目1~5のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目7)
前記貯留デバイス[10]は、使用中、前記容器ユニット[12]を前記空洞[40]内にしっかりと保持するために構成されている係止機構[58]を有する、項目1~6のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目8)
前記係止機構[58]は、前記空洞[40]の内壁[60]上に配置されている、項目7に記載の貯留デバイス。
(項目9)
前記空洞[40]は、単一容器[14、16]からの流体を貯留するための前記容器ユニット[12]の挿入に適応するために構成されている、項目1~8のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目10)
前記少なくとも1つの容器[14、16]は、前記流体を貯蔵するように構成され、前記容器ユニット[12]は、前記貯留デバイス[10]に取り付けられる、項目1~9のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目11)
前記貯留デバイス[10]は、前記上側位置から前記下側位置への前記容器ユニット[12]の移行を停止させるために構成されているロックアウト機構[76]を含む、項目1~10のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目12)
前記容器ユニット[12]は、前記容器ユニット[12]の本体[80]上に配置されているスロット[78]の中に挿入可能なロックアウトピン[76]を含む、項目1~11のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目13)
プレスバー[82]が、前記容器ユニット[12]の上に配置されており、前記プレスバーは、前記プレスバーを下向きに押すことによって前記容器ユニット[12]を前記上側位置から前記下側位置に移行させる、項目1~12のいずれかに記載の貯留デバイス。(項目14)
前記貯留デバイス[10]は、連結された貯留デバイス[74a、74b、74c]からの流体の途切れない供給を確立するために、相補的関係において別の貯留デバイスと直列に連結可能である、項目1~13のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目15)
第1の貯留デバイス[74a]の前記入口ポートは、相補的関係において第2の貯留デバイス[74b]の前記出口ポート[26b]の中に挿入可能であるように構成されている、項目1~14のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目16)
第1の貯留デバイス[74a]および第2の貯留デバイス[74b]は、各貯留デバイスの縦軸に対して相補的関係において一緒に直列に連結されている、項目1~15のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目17)
前記貯留デバイス[10]は、前記少なくとも1つの容器[14、16]に取り付けられ、前記少なくとも1つの容器の上部キャップ[42]を除去するために構成されているキャップリムーバ[198]を含む、項目1~16のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目18)
漏出防止機構[102]をさらに備え、前記漏出防止機構は、前記貯留デバイス[10]内の流体経路を制御するために構成されている流体接続アセンブリ[104]と、前記貯留デバイス内の空気通気経路を制御するために構成されている空気接続アセンブリ[106]とを有する、項目1~17のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目19)
前記空気接続アセンブリ[106]は、疎水性フィルタ[118]を介して前記貯留デバイス[10]の前記入口ポート[18]に接続されている空気経路コネクタ[116]を含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目20)
前記流体接続アセンブリ[104]は、前記流体の方向性流体流動を選択的に調整するために前記貯留デバイス[10]の前記出口ポート[26]に接続されている第1の流体逆止弁[108]を含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目21)
前記流体接続アセンブリ[104]は、前記流体の方向性流体流動を選択的に調整するために前記貯留デバイス[10]の前記入口ポート[18]に接続されている第2の流体逆止弁[110]を含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目22)
前記第1の流体逆止弁[108]は、別の貯留デバイスの第2の逆止弁[110]に解放可能に相補的に接続するために構成されている第1の流体経路コネクタ[112]を有する、項目20に記載の貯留デバイス。
(項目23)
前記第2の流体逆止弁[110]は、別の貯留デバイスの前記第1の流体逆止弁[108]に解放可能に相補的に接続するために構成されている第2の流体経路コネクタ[114]を有する、項目21に記載の貯留デバイス。
(項目24)
前記第1および第2の流体逆止弁[108、110]のクラッキング圧は、3~5ポンド/平方インチの範囲にある、項目20に記載の貯留デバイス。
(項目25)
前記空気接続アセンブリ[106]は、盲空洞[122]を有する空気経路プラグ[120]を含み、前記空気経路プラグは、別の貯留デバイスの前記空気経路コネクタ[116]に解放可能に相補的に接続するために構成されている、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目26)
前記流体接続アセンブリ[104]は、前記流体接続アセンブリの第1のオス型部材[128]の挿入に適応するために構成されている第1のメス型部材開口部[126]を有する第1のメス型部材[124]を含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目27)
前記流体接続アセンブリ[104]は、前記流体接続アセンブリの前記第1のメス型部材と前記第1のオス型部材とを解放可能に接続するために構成されているアセンブリ係止機構[130]を含む、項目26に記載の貯留デバイス。
(項目28)
前記第1のメス型部材は、前記流体の方向性流体流動を防止するために構成されている第1のシール固定具[138]を有する、項目26に記載の貯留デバイス。
(項目29)
前記第1のオス型部材は、前記流体の方向性流体流動を防止するために構成されている第2のシール固定具[150]を有する、項目26に記載の貯留デバイス。
(項目30)
前記第1のメス型部材は、前記第1のメス型部材[124]の内上側表面から垂れ下がっている柱[146]を有する、項目26に記載の貯留デバイス。
(項目31)
前記第1のオス型部材は、前記第1のメス型部材の前記柱の挿入に適応するように寸法を決定された中心貫通ボア[162]を有するバックアップワッシャ[160]を有する、項目30に記載の貯留デバイス。
(項目32)
前記空気接続アセンブリは、前記空気接続アセンブリの第2のオス型部材[168]の挿入に適応するために構成されている第2のメス型部材開口部[166]を有する第2のメス型部材[164]を含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目33)
疎水性フィルタ[118]が、前記第2のメス型部材の第2のメス型部材開口部内に配置されている、項目32に記載の貯留デバイス。
(項目34)
前記第2のオス型部材は、前記シースと前記第2のメス型部材との間の気密締りばめを生成するために構成されている、項目32に記載の貯留デバイス。
(項目35)
前記第2のオス型部材は、環状突出部[174]を有するシース[172]で封入されている、項目32に記載の貯留デバイス。
(項目36)
複数の流体および空気経路管[64]が、前記貯留デバイス内に提供され、前記経路管は、前記貯留デバイスの前記空気通気経路および前記流体経路のうちの少なくとも1つを互いに流体連通した状態で設置するために構築および配置されている、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目37)
前記空気接続アセンブリ[106]は、前記貯留デバイスの少なくとも2つの容器に同時に接続され、それらによって共有されている、項目36に記載の貯留デバイス。
(項目38)
前記流体接続アセンブリ[104]は、前記流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、前記貯留デバイスの出口ポートに接続されている第1の力アクティブ化式弁[182]を含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目39)
前記流体接続アセンブリ[104]は、前記流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、前記貯留デバイスの入口ポートに接続されている第2の力アクティブ化式弁[184]を含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目40)
前記流体接続アセンブリ[104]は、前記流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、前記貯留デバイスの入口ポートに接続されている一方向性逆止弁[186]を含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目41)
前記少なくとも1つのスパイクは、前記貯留デバイスの入口および出口ポートを流体連通した状態で接続するために構成されているスパイクシース[190]で封入されている、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目42)
前記流体接続アセンブリは、スパイクコネクタ[192]と、アクセスドーム弁[194]とを含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目43)
前記アクセスドーム弁[194]は、相補的関係において前記スパイクコネクタ[192]の挿入に適応するために構成される開口部を有する、項目42に記載の貯留デバイス。
(項目44)
前記流体接続アセンブリは、疎水性フィルタ[118、206]および親水性フィルタ[208]のうちの少なくとも1つを含む、項目18に記載の貯留デバイス。
(項目45)
前記疎水性フィルタ[118、206]は、前記貯留デバイスの方向性空気流動を選択的に調整するために、前記貯留デバイスの入口ポートに接続されている、項目44に記載の貯留デバイス。
(項目46)
前記親水性フィルタ[208]は、前記貯留デバイスの方向性空気流動を選択的に調整するために、前記貯留デバイスの出口ポートに接続されている、項目44に記載の貯留デバイス。
(項目47)
トレイ部材[210]をさらに備え、前記トレイ部材は、流体連通した状態でトレイ部材の中に組み込まれている少なくとも1つの前記貯留デバイスを含む、項目1~46のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目48)
前記トレイ部材[210]は、少なくとも1つの流動通路を有する流動カバー[212]を含み、前記流動カバーは、前記流体連通を促進するために前記トレイ部材に取り付けられている、項目47に記載の貯留デバイス。
(項目49)
前記トレイ部材[210]は、前記少なくとも1つの容器からの流路を選択的に調整するために構成されている位置決め弁[216]を含む、項目47に記載の貯留デバイス。(項目50)
少なくとも1つの疎水性フィルタ[118、206]が、前記入口ポートおよび前記出口ポートのうちの少なくとも1つに接続されている、項目1~49のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目51)
少なくとも1つの親水性フィルタ[208]が、前記入口ポートおよび前記出口ポートのうちの少なくとも1つに接続されている、項目1~50のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目52)
トレイ部材[210]をさらに備え、前記トレイ部材は、流体連通した状態で前記トレイ部材の中に組み込まれている複数の前記貯留デバイスを含む、項目1~51のいずれかに記載の貯留デバイス。
(項目53)
前記トレイ部材[210]は、前記複数の貯留デバイスから前記出口ポートに2つの別個の流体を運搬するために構成されている2つの別個の管[64]を含む、項目52に記載の貯留デバイス。
(項目54)
医薬流体を貯留するための貯留デバイス[10]であって、前記貯留デバイスは、
前記流体を貯蔵するように構成されている少なくとも1つの容器[14、16]を有する容器ユニット[12]であって、前記容器ユニットは、前記貯留デバイスに取り付けられる、容器ユニットと、
前記流体または周囲空気を受け取るために構成されている少なくとも1つの入口チャネル[22、24]を有する入口ポート[18]と、
前記流体を取り付け部に送達するために構成されている少なくとも1つの出口チャネル[32、34]を有する出口ポート[26]であって、前記入口および出口ポートは、前記貯留デバイス上に配置されている、出口ポート[26]と、
前記少なくとも1つの容器[14、16]からの前記流体を貯留するための前記容器ユニット[12]の挿入に適応するために構成されている空洞[40]と、
前記空洞内に配置されている少なくとも1つのスパイク[48、50]と
を備え、
前記少なくとも1つのスパイクは、前記容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するとき、前記少なくとも1つの容器のストッパ[44、46]を貫通するために構成されており、
前記貯留デバイス[10]は、貯留デバイスからの前記流体の途切れない供給を確立するために、各連結された貯留デバイスに対して直列配置において別の貯留デバイスと相補的に連結可能である、貯留デバイス。
(項目55)
前記貯留デバイス[10]は、前記出口ポートを収容するために構成されている第1のウイング[88]と、前記入口ポートを収容するために構成されている第2のウイング[90]とを含む、項目54に記載の貯留デバイス。
(項目56)
前記第2のウイング[90]は、前記第1のウイング[88]に対して垂直に変位させられている、項目54または55に記載の貯留デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本貯留デバイスの第1の実施形態の斜視図であり、例示的二重医療容器ユニットおよび例示的注入管類の組を特徴とする。
図2図2は、図1の貯留デバイスの平面図であり、流体送達のための例示的入口および出口ポートと、対応する医療容器のストッパを貫通するために貯留デバイスの内側表面上に横方向に配置される統合されたスパイクとを特徴とする。
図3図3は、図2の貯留デバイスの部分的平面図であり、注入管類の組に取り外し可能に接続するために貯留デバイスの外側表面上に配置される例示的出口ポートを特徴とする。
図4図4は、ロックアウトピンを有する本貯留デバイスの第2の実施形態の斜視図であり、接続前の2つの隣接する貯留デバイスの例示的配置を図示する。
図5図5は、接続後の図4の貯留デバイスの斜視図である。
図6図6は、図5の貯留デバイスの概略正面図であり、接続された医療容器間の流体経路の例示的例証を特徴とする。
図7図7は、本貯留デバイスの第3の実施形態の側面斜視図であり、ロックアウトピンならびに入口および出口ポートのための異なる構成を有する2つの接続された貯留デバイスの別の例示的配置を図示する。
図8図8は、隣接する貯留デバイスが相互接続されたときの図7の貯留デバイスの背面斜視図である。
図9図9は、隣接する貯留デバイスが切り離されたときの図7の貯留デバイスの背面斜視図である。
図10図10は、図5の貯留デバイスの概略正面図であり、流体接続アセンブリおよび空気接続アセンブリを有する漏出防止機構を特徴とする。
図10A図10Aは、図10の漏出防止機構の概略正面図であり、2つの力アクティブ化式弁の例示的組み合わせを特徴とする。
図10B図10Bは、図10の漏出防止機構の概略正面図であり、力アクティブ化式弁および一方向性逆止弁の例示的組み合わせを特徴とする。
図10C図10Cは、図10の漏出防止機構の概略正面図であり、スパイクコネクタおよびアクセスドーム弁の例示的組み合わせを特徴とする。
図11図11は、隣接する貯留デバイスが漏出防止機構を介して相互接続されるときの図10の貯留デバイスの概略正面図である。
図12図12は、図10の流体接続アセンブリの分解された断片的垂直断面である。
図13図13は、図10の空気接続アセンブリの分解された断片的垂直断面である。
図14図14は、図10の漏出防止機構の垂直断面であり、流体接続アセンブリの流体経路を図示する。
図15図15は、図10の漏出防止機構の底面図である。
図16図16は、二重医療容器ユニットを促進するために構成される、図10の漏出防止機構の底面図である。
図17A図17Aは、図1の貯留デバイスと併用されるように設計される例示的キャップリムーバの上部斜視図である。
図17B図17Bは、図17Aのキャップリムーバの底部斜視図である。
図17C図17C-17Dは、図17Aのキャップリムーバの例示的使用を図示する。
図17D図17C-17Dは、図17Aのキャップリムーバの例示的使用を図示する。
図18図18は、図10の漏出防止機構の概略正面図であり、疎水性フィルタおよび親水性フィルタの例示的組み合わせを特徴とする。
図19図19は、本貯留デバイスを直列配置において組み込む例示的トレイの分解斜視図である。
図20図20は、例示的モジュール式ユニットの分解斜視図であり、疎水性フィルタを伴う本貯留デバイスを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本貯留デバイスの特定の実施形態が本明細書に説明されているが、本貯留デバイスに関連する全構成要素の他の代替実施形態も、異なる用途に好適であるように、相互交換可能である。用語「貯留デバイス」は、本願において使用される場合、医薬流体を患者に投与するために、1つ以上の医療容器からの医薬流体にアクセスするためのデバイスを指す。したがって、単一容器からの医薬流体を投与するために使用される貯留デバイスのみならず、いくつかの医療容器からの医薬流体を投与するために使用される貯留デバイスも想定される。
【0028】
ここで図1-3を参照すると、本貯留デバイスは、概して、10として指定され、概して、12として指定される医療容器ユニットからの医薬流体または物質を貯留するために設計され、医療容器ユニット12は、第1の医薬流体を貯蔵するために構成される第1の医療容器14と、第2の医薬流体を貯蔵するために構成される第2の医療容器16を有する。いくつかの実施形態では、本貯留デバイス10は、使い捨てユニットであり、再使用からの潜在的汚染を回避する。前述のように、例示的二重医療容器ユニット12は、共有に係る米国特許第8,684,433号に説明されており、参照することによって組み込まれる。他の医薬物質も、本デバイス10との使用のために想定されるが、一実施形態では、第1の医療容器16は、患者の皮下空間内の細孔を大きくする酵素を含有する。細孔の拡大は、第2の容器14内に含まれる大量の比較的に高粘度IG流体の注入による送達を促進する。例えば、酵素がないと、IG流体の予期される注入は、単一部位において約50mlである。しかしながら、酵素があると、600mlの範囲での注入が、単一注入部位において達成されることができる。
【0029】
2つの医療容器14、16を有する容器ユニット12が示されるが、容器ユニットが、単一容器(例えば、注射器、バイアル、フィルムバッグ、アンプル、および同等物)を有することも想定される。一実施形態では、本貯留デバイス10は、上から見ると、略長方形形状を有するが、卵形、正方形、および他の幾何学的形状等の他の好適な形状も、想定される。任意の数または組み合わせの医療容器が、異なる用途に好適であるように、本貯留デバイス10のために使用されることができることも想定される。
【0030】
医薬流体または周囲空気を受け取るために構成されている入口ポート18が本貯留デバイス10に含まれ、入口ポートは、貯留デバイスの外壁20上に配置される。いくつかの実施形態では、以下により詳細に説明されるように、入口ポート18は、貯留デバイスが一緒に連結されると、隣接する貯留デバイスから医薬流体を受け取る(図4および5)。そうでなければ、入口ポート18は、貯留デバイス10が隣接する貯留デバイスに連結されていない間、周囲空気を引き込むための通気口としての役割を果たす。図6に関して以下に説明されるように、貯留デバイス10が一緒に連結されると、それぞれのデバイスと容器との間の空気の適切な通気が、薬剤の連続した送達を向上させることが見出されている。容器ユニット12の構成に応じて、入口ポート18は、使用中、医療容器14、16に対応する1つ以上の入口チャネル22、24を有し得る。
【0031】
医薬流体を貯留デバイス10から送達するために、出口ポート26が、入口ポート18から貯留デバイスの外壁20の反対側に配置され、医薬流体を隣接する貯留デバイスまたは注入管類の組28等の別の医療取り付け部に送達するために構成されている。いくつかの実施形態では、注入管類の組28は、一端において、貯留デバイス10の出口ポート26に、反対端部において、医薬流体を貯留デバイス10から引き出すための蠕動ポンプまたは注入デバイス等のポンプシステム(図示せず)に取り外し可能に接続される。代替として、注射器(図示せず)が、貯留デバイス10からの医薬流体の真空引き出しのために、出口ポート26にドッキングされることができる。
【0032】
管類の組28内の医薬流体の流動を調整することは、少なくとも1つのクランプ30を対応する管類の縦軸に対して横方向に調節することによって達成される。閉塞位置と非閉塞位置との間を移行する他のクランプデバイスも、当技術分野において公知のように想定される。入口ポート18と同様、出口ポート26も、使用中、医療容器14、16に対応する1つ以上の出口チャネル32、34を有し得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、各チャネル22、24、32、34は、接続される入口ポート18と出口ポート26との間、または出口ポート26と注入管類の組28との間の摩擦嵌めまたはスリップ接続を促進するために、対応するチャネルの入口に位置するOリング等の弾力的に変形可能なシール36を有する。取り外し可能保護カバー38が、各ポート18、26を覆って、またはその周囲に摩擦嵌めされ、対応する入口および出口チャネル22、24、32、34への接触または空気汚染から防護することが想定される。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1および第2の医療容器14、16からの第1および第2の医薬流体を貯留するために、医療容器ユニット12の挿入に適応するために構成される中心開口部または空洞40が提供される。医療容器ユニット12の空洞40の中への挿入前に、医療容器ユニットの上部キャップ42が、除去され、対応する第1および第2の容器14、16の第1および第2のストッパ44、46を露出させる。ストッパ44、46の末端滅菌が、アルコール、過酸化水素等の消毒剤を使用して行われる。
【0035】
第1の管腔スパイクまたは針48が、第1の医療容器14の第1のストッパ44を貫通するために空洞40内に配置され、第2の管腔スパイクまたは針50が、第2の医療容器16の第2のストッパ46を貫通するために空洞内に配置されている。両スパイク48、50は、好ましくは、スパイクが、対応する第1および第2の医療容器14、16の第1および第2のストッパ44、46を同時に貫通するために、基部から法線状に突出するように、貯留デバイス10の基部54の内側表面52に対して横方向に一体的に取り付けられる。ある場合、対応する第1および第2の容器14、16の第1および第2のストッパ44、46は、異なる用途に好適であるように、別個に貫通される。いくつかの実施形態では、保護取り外し可能スリーブまたはシース56が、各スパイク48、50のために提供され、各スパイクの鋭い端部点を覆う。
【0036】
医薬流体送達の開始は、容器ユニットが上側位置から下側位置に移行するように、容器ユニット12を反転させ、容器ユニットを空洞40の中に挿入することによって達成される。具体的には、この描写される実施形態では、挿入中、第1および第2の容器14、16の第1および第2のストッパ44、46は、それぞれ、第1および第2の管腔スパイク48、50に対して押しつけられ、それによって貫通される。スリーブ56によって提供される保護シールが、容器ユニット12の反転および下向き挿入時、破られることも想定される。この描写される実施形態では、空洞40の内壁60上に配置される、付勢、クリップ、またはクランプタイプの係止機構58が、容器が適切なスパイクの上に正しく位置しない限り、容器14、16がスパイク48、50に到達不能であるように、容器ユニット12を基部54の上方に間隔を置かれるように保持するために提供される。
【0037】
図2に見られるように、ユニット12内の容器の適切な向きを促進するために、空洞40は、容器ユニット12が、空洞に合わせられ、正しい向きにのみ挿入され得るように寸法を決定される。容器14、16が、空洞40内に適切に位置付けられると、係止クリップ58は、容器の存在によって半径方向外向きに押され、それは、容器ユニット12が、基部54に対して入れ子になり、スライドし、または下向きに移動することを可能にし、容器と指定されるスパイク48、50との間の係合を可能にする。スパイク48、50は、対応する容器14、16のストッパ44、46を穿刺し、それぞれの含まれる医薬流体の送達を開始する。
【0038】
第1の医薬流体の流体送達を促進するために、第1のスパイク48は、対応する管類64を介して第1の入口チャネル22に接続されている第1のスパイクチャネル62を有する。さらに、第1のスパイク48は、対応する管類64を介して第1の出口チャネル32に接続されている第2のスパイクチャネル66を有する。好ましい実施形態では、少なくとも1つの逆止弁68が、管類64内に挿入または接地され、医薬流体の方向性流動を選択的に制御する。用語「管」または「管類」は、溝等の任意の固定または可撓性流体通路もしくは経路を含むか、またはそれに関連し、本貯留デバイス10と別個またはそれと一体型のいずれかにおいて、用途および構築方法に応じて、種々の断面形状(例えば、丸形、正方形、または他の形状)を有することが想定される。
【0039】
管類64は、当技術分野において公知のように、入口ポート18、スパイク48、50、および出口ポート26を相互接続するように構成されることが想定される。その結果、貯留デバイス10のアクティブ化時、連続流路が、入口ポート18から出口ポート26まで確立され、第1の容器14と流体連通する。以下の図10-16に関連する段落により詳細に説明されるように、疎水性フィルタも、貯留デバイス10の管類64または他の好適な場所内で使用され、空気が貯留デバイスを通過することを可能にするが、医薬流体がそこから漏出することを防止することが想定される。追加の逆止弁が、基部54の下に設置され、医薬流体がスパイク48、50を介して接続される隣接するユニットに進行することを防止し得る。
【0040】
より具体的には、図2に図示されるように、本貯留デバイス10が別の貯留デバイスに連結されていない構成では、周囲空気が、ポンプシステムの作用下、第1の入口チャネル22、対応する管類64、および第1のスパイク48の第1のスパイクチャネル62を介して、第1の容器14(図2の想像線に示される)の中に引き込まれる。その結果、第1の容器14内の第1の医薬流体が、第1のスパイク48の第2のスパイクチャネル66および対応する管類64を介して、第1の出口チャネル32に送達される。空気および第1の医薬流体の例示的流路は、破線矢印Aを用いて指定される。
【0041】
第1の医薬流体の送達が完了すると、第2の医薬流体の送達が、クランプ30(図3)の開閉を制御することによって開始され得る。第2の医薬流体の流体送達を促進するために、第2のスパイク50は、対応する管類64を介して第2の入口チャネル24に接続されている第1のスパイクチャネル70を有する。さらに、第2のスパイク50は、対応する管類64を介して第2の出口チャネル34に接続されている第2のスパイクチャネル72を有する。その結果、貯留デバイス10のアクティブ化時、別の連続流路は、入口ポート18から出口ポート26に確立され、第2の容器16(図2の想像線に示される)と流体連通する。
【0042】
具体的には、第1のスパイク48と同様に、周囲空気が、ポンプシステムの作用下、第2の入口チャネル24、対応する管類64、および第2のスパイク50の第1のスパイクチャネル70を介して、第2の容器16の中に引き込まれる。その結果、第2の容器16内の第2の医薬流体は、第2のスパイク50の第2のスパイクチャネル72および対応する管類64を介して、第2の出口チャネル34に送達される。空気および第2の医薬流体の例示的流路は、破線矢印Bを用いて指定される。
【0043】
ここで図2および4-6を参照すると、本貯留デバイス10の別の実施形態が、概して、74a、74b、74cとして指定される。図4-6では、第1、第2、および第3の貯留デバイス74a、74b、74cの対応する構成要素は、最初の3つのアルファベット(すなわち、「a」、「b」、および「c」)指定を伴う参照番号を用いて示される。貯留デバイス10と共有される構成要素は、同じ参照番号を用いて指定される。貯留デバイス74a、74b、74cに示される特定の実施形態では、第1および第2の容器14、16を有する医療容器ユニット12が、事前に組み立てられたユニットとして、貯留デバイス74a、74b、74cに取り付けられている。
【0044】
より具体的には、容器14、16の第1および第2のストッパ44、46が、貯留デバイス74a、74b、74cの空洞40の中に挿入され、第1および第2のスパイク48、50(図2)によって貫通される準備ができる。本貯留デバイス74a、74b、74cでは、各デバイス74は、ガンマ放射等によって末端が滅菌され、滅菌流体経路を保証するであろうことが想定される。スパイク48、50は、容器14、16が圧縮されるにつれて貫通および圧縮される保護シース56を具備し、それによって、使用まで、スパイクを清潔に、流体経路を滅菌状態に保つ。
【0045】
そして、デバイス74および容器ユニット12は、組み立てられ、通気性パッケージの中にシールされ、過酸化水素蒸気等の消毒剤で処置され、使用までストッパ44、46およびスパイク48、50を滅菌状態に保つ。
【0046】
この構成では、容器14、16の第1および第2のストッパ44、46は、第1および第2のスパイク48、50によって貫通されるように、上側位置に事前に設置され、または事前に位置付けられる。しかしながら、容器ユニット12の上側位置から下側位置への移行を停止させるために構成されているロックアウト機構またはピン76が、貯留デバイス74a、74b、74cの使用前の早期アクティブ化を防止する(例えば、発送および取り扱いの間)。したがって、ピン76は、前述の係止クリップ58と同様の機能を果たす。ロックアウトピン76は、第1および第2の容器14、16間の容器ユニット12の本体80上に配置されているスロット78の中に挿入されることが想定されるが、ロックアウトピンの他の好適な構成も、想定される。
【0047】
ロックアウトピン76が本体80から引き出すことによって係合解除された後、把持向上目的のための複数の溝84を有するプレスバー82が、容器ユニット12の上に配置され、下向きに押され、容器ユニットを上側位置から下側位置に移行させる。容器ユニット12のこの下向き移動は、容器14、16の第1および第2のストッパ44、46を対応する第1および第2のスパイク48、50によって貫通させる。
【0048】
本貯留デバイスのいくつかの実施形態では、描写される実施形態74a、74b、74cにおけるように、2つ以上の貯留デバイスは、連結された貯留デバイスからの医薬流体の途切れない供給を確立するために、各貯留デバイスの縦軸に対して相補的関係において一緒に直列に連結され得る。例えば、図4および5に図示されるように、第1の貯留デバイス74aの入口ポート18aは、第2の貯留デバイス74bの出口ポート26bの中に挿入され、それと相補的に接続される。順に、第2の貯留デバイス74bの入口ポート18bは、全連結された貯留デバイス74a、74b、74c間の流体経路の切れ目のない接続を促進するために、第3の貯留デバイス74cの出口26cの中に挿入される。
【0049】
この構成では、第1、第2、および第3の貯留デバイス74a、74b、74cは、医薬流体の途切れない連続送達のための貯留デバイス間の通路を提供するために、互いに流体連通した状態で接続または連結される。例えば、連結された第1の容器14a、14b、14cの第1の医薬流体は、容器の中断または操作を伴わずに、ユーザに投与されることができる。同様に、連結された第2の容器16a、16b、16cの第2の医薬流体も、続いて、ユーザに投与されることができる。貯留デバイス74a、74b、74cは、任意の他の好適な様式で配置され、医療流体の投与を促進することができることが想定される。さらに、第1および第2の医薬流体は、用途に好適であるように、逆の順序でユーザに送達され得る。
【0050】
ここで図5および6を参照すると、3つの連結された第1の容器14a、14b、14cのための流路を伴う実施形態が、例証目的のために示される。この構成では、周囲空気が、入口ポート18cおよび第1のスパイク48cの第1のスパイクチャネル62cを介して、右の第1の容器14cの中に引き込まれる。第1のスパイク48cの第2のスパイクチャネル66cが、中央の第1の容器14b内の第1のスパイク48bの第1のスパイクチャネル62bに接続される。同様に、第1のスパイク48bの第2のスパイクチャネル66bが、左の第1の容器14a内の第1のスパイク48aの第1のスパイクチャネル62aに接続される。
【0051】
次に、第1のスパイク48aの第2のスパイクチャネル66aが、図6における第1の容器14aの左に示される出口ポート26aを介して、ポンプシステムに接続される。3つの連結された第2の容器16a、16b、16cの別の流路は、同様の方式で確立される。
【0052】
動作時、ポンプシステムによってポート26aを通して生成される陰圧または吸引圧力は、3つの第1の容器14a、14b、14cからの第1の医薬流体の途切れない連続した送達を生じさせる。システム74a-cは、それぞれの容器14a-cからの薬剤の連続した送達を提供するための内蔵空気/流体管理特徴を有する。例えば、最初に、左の第1の容器14a内の流体が、真空がその容器14a内の流体のレベルを上回って発生するまで、ポート26aおよびスパイクチャネル66aを介して容器14aの流体内容物に加えられる吸引圧力によって引き下げられる。この真空圧力の蓄積は、出口チャネル26bおよびスパイクチャネル66bへのスパイクチャネル62aならびに入口チャネル18aの流体接続を介して、容器14bの流体内容物に及ぼす吸引圧力を生成する。
【0053】
次に、中央の第1の容器14b内の流体内容物に付与される吸引圧力が、同様の真空がその容器内の流体のレベルを上回って発生するまで、内容物を引き下げる。真空が、両容器14aおよび14b内に発生されると、吸引圧力が、出口チャネル26cおよびスパイクチャネル66cへのスパイクチャネル62bおよび入口チャネル18bの流体接続を介して、容器14cの流体内容物に対して生成される。容器14cは、ライン18cを通して周囲に通気されているので、ほんのわずかな真空圧力が、この容器14cの液体内容物の上方に生成される。代わりに、生成された吸引圧力は、スパイクチャネル62cおよび入口ポート18cを介して周囲に連通され、この容器14cの中への空気の引き込みを生じさせ、この容器は、最初に空になるであろう。
【0054】
容器14cは、液体レベルがスパイクチャネル66cの入口の下方に到達するまで空になり、それによって、次の容器14bの内部が、容器14cを介して、周囲にさらされ、容器14bの流体内容物がポンプシステムの吸引力下で空にされることを可能にするであろう。最後に、容器14bが空になった後、容器14aが、次いで、同様の方式で空にされる。故に、3つの容器14a、14b、14cは、容器の全てが空にされるまで、遠位から近位の順序で連続して自動的に投与される。
【0055】
各容器14a、14b、14cの異なる容積量は、この連続した流体送達プロセスに影響を及ぼさない。標準的バイアルの例示的容積量は、25、50、100、200、および300ミリリットルを含むが、医療容器の任意の他の好適なサイズまたは組み合わせが、想定される。ここで図2および7-9を参照すると、本貯留デバイス74のさらに別の(第3の)実施形態が、概して、86a、86bとして指定される。図7-9では、第1および第2の貯留デバイス86a、86bの対応する構成要素は、最初の2つのアルファベット(すなわち、「a」および「b」)指定を伴う参照番号を用いて示される。貯留デバイス74と共有される構成要素は、同じ参照番号を用いて指定される。貯留デバイス86a、86bにおける特徴付けられる主要な差異は、貯留デバイスが、各貯留デバイスの縦軸に対して直列配置において一緒に連結またはデイジーチェーン接続されることである。
【0056】
より具体的には、各貯留デバイス86a、86bは、出口ポート26a、26bを収容するために構成される第1または左のウイング88a、88bと、入口ポート18a、18bを収容するために構成される第2または右のウイング90a、90bとを含む。図9に示される第1の貯留デバイス86aに対して、第1および第2の入口チャネル22a、24aは、第2のウイング90a上に配置され、第1および第2の出口チャネル32a、34aは、第1のウイング88a上に配置される。第2の貯留デバイス86bは、対応する入口および出口チャネルに対して同一構成を有する。
【0057】
図8および9に図示されるように、2つの隣接する貯留デバイス86a、86bのデイジーチェーン接続された結合を確立するために、第1の貯留デバイス86aの第2のウイング90aは、第2の貯留デバイス86bの第1のウイング88bと相補的に接続される。より具体的には、好ましい実施形態では、第2のウイング90aは、貯留デバイス86a、86bの縦軸に対して直角の軸に対して第1のウイング88bより高く位置付けられる。第1および第2のウイング88b、90aの相対的位置および構成は、前述の向きから逆にされ得ることが想定される。
【0058】
第1および第2の入口チャネル22a、24aが第2のウイング90aの下側表面から下向きに延び、第1および第2の出口チャネル32b、34bが第1のウイング88bの上側表面から上向きに延びていることも好ましい。したがって、貯留デバイス86a、86bのデイジーチェーン接続された結合は、第1の貯留デバイスの入口チャネル22a、24aが相補的配置において第2の貯留デバイスの出口チャネル32b、34bの中に挿入されるように、第1の貯留デバイスの第2のウイング90aを第2の貯留デバイスの第1のウイング88b上に押し下げることによって達成される。
【0059】
図2、7、および9に戻ると、貯留デバイス86a、86bの別の特徴は、保護カバー38が、第1および右のウイング88a、88b、90a、90bの輪郭またはプロファイルを収容するように構成される細長い本体を有することである。随意に、保護カバー38は、医薬容器16aおよび16bから対応する出口ポート26a、26bを通して注射器の中に医薬流体を送達するために構成されている補助ポート92を有し、注射器は、例えば、補助ポート92にドッキングされる。保護カバー38は、医療流体を他の容器14aおよび14bから注入のために患者に接続された注入ポンプに送達するために構成されている管類の組も有する。ロックアウトピン76(図5)の代わりに、係止スペーサ94が、容器ユニット12が下側位置に移行することを防止するために提供される。最初に、係止スペーサ94は、対応する貯留デバイス86a、86bの上側部分98上に配置される円周方向に延びている環状溝96の中に挿入され、容器ユニット12を上側位置に係止する。
【0060】
ロックアウトピン76と同様に動作されるように、係止スペーサ94がスペーサに取り付けられるリング100を引っ張ることによって貯留デバイス86a、86bから除去された後、容器ユニット12のプレスバー82が、下向きに押され、容器ユニットを上側位置から下側位置に移行させる。容器ユニット12のこの下向きの移動は、容器14、16の第1および第2のストッパ44、46が対応する第1および第2のスパイク48、50によって貫通されることをもたらす。
【0061】
ここで図2、6、および10を参照すると、例示的漏出防止機構が、概して、102として指定され、それは、貯留デバイス10からの望ましくない空気または流体漏出を防止するために設計される。貯留デバイス10と共有される構成要素は、同じ参照番号を用いて指定される。漏出防止機構102内には、概して、104として指定され、貯留デバイス10内の流体経路を制御するために構成されている流体接続アセンブリと、概して、106として指定され、貯留デバイス内の空気通気経路を制御するために構成されている空気接続アセンブリとが含まれる。漏出防止機構102が前述の貯留デバイス10、74、86の全実施形態に適用可能であることが想定される。
【0062】
好ましい実施形態では、流体接続アセンブリ104は、第1の容器14からの医薬流体の流体流動を選択的に調整するために第1の貯留デバイス74の出口ポート26の中に統合される第1の流体弁108を含む。第1の流体弁108は、典型的には、別のデバイスまたは管類コネクタに接続されていないとき、閉鎖され、別のデバイスまたは管類コネクタに接続されているとき、機械的に開放され、コネクタ114を介する流体流動を可能にする。流体接続アセンブリ104は、第1の容器14への医薬流体の方向性流体流動を選択的に調整するために第1の貯留デバイス74の入口ポート18に接続される第2の流体逆止弁110を含む。
【0063】
流体逆止弁110は、第1および第2の流体逆止弁が静止位置にあるとき、第1の容器内の医薬流体が容器から漏出しないように、第1の容器14に向かってのみ流体経路を可能にする一方向性弁であることが想定される。第1の弁108は、別の貯留デバイスの第2の逆止弁110に解放可能に相補的に接続するために構成される第1の流体経路コネクタ112を有する。随意に、第2の逆止弁110は、別の貯留デバイスの第1の逆止弁108に解放可能に相補的に接続するために構成される第2の流体経路コネクタ114を有する。
【0064】
使用中、第1の流体弁108は、貯留デバイス74が別の貯留デバイスに接続されていないとき、第1の容器14からの流体流動を防止する。弁は、別のデバイス74に接続されているとき、機械的に開放され、自由な流体流動を可能にする。第2の流体逆止弁110は、デバイス74が別の貯留デバイスに接続されていないとき、コネクタ114からの漏出を防止し、接続される貯留デバイス74間の望ましくない漏出も防止する。流体逆止弁110の例示的クラッキング圧は、約3~5ポンド/平方インチ(PSI)であり、弁が接続されるポンプによって生成される流体圧力によって開放されることを可能にする。
【0065】
貯留デバイス74の方向性空気流動を選択的に調整するために、空気接続アセンブリ106は、疎水性フィルタ118を介して第1の貯留デバイス74の入口ポート18に接続されている空気経路コネクタ116を含む。具体的には、疎水性フィルタ118は、一端において、空気経路コネクタ116に、反対端において、流体逆止弁110の下流のスパイク48に接続される。当技術分野において公知のように、疎水性フィルタ118は、空気の通過を可能にするが、流体がフィルタを通して進行することを防止する。したがって、疎水性フィルタ118は、空気経路コネクタ116からの医薬流体の望ましくない漏出を防止する。代替として、他の好適な親水性フィルタも、異なる用途に好適であることが想定される。
【0066】
盲空洞122を有する空気経路プラグまたは端部構成要素120が、空気接続アセンブリ106内に提供され、別の貯留デバイスの空気経路コネクタ116に解放可能に相補的に接続するために構成される。空気経路プラグ120と空気経路コネクタ116とが、嵌合して、または相補的に接続されると、貯留デバイス74内の空気通気経路は、盲空洞122によって妨害または遮断され、それによって、空気漏出を効果的に防止する。
【0067】
ここで図2、6、および11を参照すると、第1の貯留デバイス74aが、第2の貯留デバイス74bに連結またはデイジーチェーン接続されることが想定される(図11)。漏出防止機構102a、102bおよび第1および第2の貯留デバイス74a、74bの対応する構成要素は、最初の2つのアルファベット(すなわち、「a」および「b」)指定を伴う参照番号を用いて示される。この構成では、第2の空気接続アセンブリ106bの空気経路プラグ120bは、第1の空気接続アセンブリ106aの空気経路コネクタ116aに嵌合して、または相補的に接続される。したがって、第1および第2の貯留デバイス74a、74bが連結またはデイジーチェーン接続されると、接続される貯留デバイスの空気通気経路は、デイジーチェーン接続されたデバイスの最遠位デバイスの空気通気経路(例えば、第2の空気接続アセンブリ106bの空気経路コネクタ116bによって画定された空気通気経路)を除き、自動的に閉鎖または遮断される。
【0068】
流体経路に対して、第2の流体接続アセンブリ104bの第1の流体弁108bの第1の流体経路コネクタ112bは、第1の流体接続アセンブリ104aの第2の流体逆止弁110aの第2の流体経路コネクタ114aに嵌合して、または相補的に接続される。ポンプシステムも、第1の流体接続アセンブリ104aの第1の流体弁108aの第1の流体経路コネクタ112aに接続され、容器14aと流体連通することが想定される。
【0069】
この構成では、接続される第1の弁108a、108bは、ポンプシステムと貯留デバイス74a、74bとの間の流体連通を可能にするために、第1の流体経路コネクタ112a、112bによって機械的に開放される。しかしながら、第2の逆止弁110a、110bはいずれも、第2の貯留デバイス74bから第1の貯留デバイス74aへの流体流動が、一方向性第2の逆止弁110aによってすでに対応されているので、機械的に開放される必要はない。容器14a、14bからの流体流動を可能にしない、第1の弁108a、108bのみが、機械的に開放される。
【0070】
上で同様に説明されるように、周囲空気が、空気経路コネクタ116bおよび空気接続アセンブリ106bの疎水性フィルタ118bを介して、第2の貯留デバイス74bの容器14bの中に引き込まれる。同時に、第2の貯留デバイス74bの第2の流体接続アセンブリ104bの第2の逆止弁110bは、容器14bからの流体漏出を防止する。その結果、ポンプシステムによって生成される真空等の陰圧が、任意の望ましくない流体漏出を伴わずに、容器14a、14bからの医薬流体の途切れない順次送達を生じさせる。
【0071】
ここで図10および12を参照すると、流体接続アセンブリ104は、流体接続アセンブリのオス型部材128の挿入に適応するために構成されるメス型部材開口部126を有するメス型部材124を含むことが好ましい。メス型部材124をオス型部材128にしっかりと取り付けるために、概して、130として指定される、スナップ嵌めアセンブリ係止機構が、流体接続アセンブリ104内に提供され、メス型およびオス型部材124、128を一緒に解放可能に接続するために構成される。
【0072】
好ましい実施形態では、係止機構130は、メス型部材124の側壁134の内側表面上に配置される少なくとも1つの係止タブまたは突出部132と、オス型部材128の外側表面上に配置される少なくとも1つのくぼみまたは溝136とを含む。オス型部材128がメス型部材開口部126の中にスライドして挿入されると、係止機構130の係止タブ132と対応するくぼみ136とは、メス型およびオス型部材124、128を定位置にしっかりと保持するために嵌合して掛止され、それによって、矢印Cによって指定されるように、医薬流体の方向性流体流動を開始する。環状係止および解放溝、側方ウイング等の他の係止機構構造も、想定される。
【0073】
流体接続アセンブリ104の重要な側面は、メス型部材124が、液密圧縮シールを提供するために、メス型部材の外上側表面に取り付けられる第1のシール固定具138を有することである。第1のシール固定具138は、第1の凹面側140および反対の第1の凸面側142を有し、シールは、圧力が第1の凹面または凸面側140、142に対して加えられると開放されるように設計されることが想定される。好ましくは、第1のシール固定具138は、略ドーム形状であり、可撓性エラストマー材料から作製される。所定の長さを有する第1のスリットまたはギャップ144が、スリットが静止時は緊密に閉鎖され、圧力が第1の凹面または凸面側140、142に対して加えられると開放されるように、第1のシール固定具138の略中心に配置されることが想定される。
【0074】
より具体的には、第1のシール固定具138の第1のスリット144は、第1のシール固定具が静止位置にあるとき、医薬流体の流体流動を防止する。しかしながら、ポンプシステムによって生成される陰圧が、第1のシール固定具138の凸面側142に加えられると、第1のスリット144は、開放され、矢印Cによって指定されるように、医薬流体の流体流動を可能にする。ばね荷重ボール逆止弁、ダックビル弁、アンブレラ弁、ダイヤフラム弁等の他の好適なタイプの逆止弁も、用途に好適であることが想定される。
【0075】
メス型部材124は、メス型部材の縦軸に沿ってメス型部材開口部126内のメス型部材124の内上側表面の略中心から垂れさがっている管状柱146を有することが想定される。好ましくは、管状柱146は、漏斗形状の外壁をもたらす導入幾何学形状を伴う傾斜または勾配付き外側表面148を有する。具体的には、管状柱146の外径は、メス型部材124の内上側表面に向かって徐々に増加される。正方形、長方形、六角形形状等の他の好適な幾何学的形状も、柱146のために想定される。
【0076】
流体接続アセンブリ104の別の重要な側面は、オス型部材128が、略管状であり、液密圧縮シールを提供するために、オス型部材の内側表面に取り付けられる第2のシール固定具150を有することである。第1のシール固定具138と同様、第2のシール固定具150も、第2の凹面側152と、反対の第2の凸面側154とを有する。前述のように、第2のシール固定具150は、第1のシール固定具138と同一構成を有し、第1のシール固定具と同様に動作する。しかしながら、第1および第2のシール固定具138、150は、流体接続アセンブリ104からの流体漏出を防止するために反対向きに配置されることに留意されたい。
【0077】
より具体的には、第1のシール固定具138は、第1の凸面側142が、矢印Cによって指定されるように、流体流動方向にメス型部材の縦軸に沿って上向きに面するように、メス型部材124の外上側表面上に配置される。対照的に、第2のシール固定具150は、第2の凸面側154が、矢印Cによって指定されるように、流体流動方向に逆らって、オス型部材の縦軸に沿って下向きに面するように、オス型部材128の内側表面上に配置される。したがって、静止時、第2のシール固定具150の第2のスリットまたはギャップ156は、オス型部材128からの医薬流体の流体流動を防止し、第1のシール固定具138の第1のスリットまたはギャップ144は、メス型部材124からの医薬流体の流体流動を防止する。
【0078】
オス型部材128が、メス型部材124の管状柱146の挿入に適応するために構成されるメス型部材開口部158を有することが想定される。中心貫通ボア162を有するエラストマーバックアップワッシャ160が、オス型部材128の内側表面の上側端部の近傍に配置される。バックアップワッシャ160の中心貫通ボア162が、メス型部材124の管状柱146の挿入に適応するように寸法を決定されているので、貫通ボアの内径は、管状柱の最小外径より若干小さい。したがって、メス型部材124の管状柱146が、バックアップワッシャ160の中心貫通ボア162の中に徐々に挿入されるにつれて、液密締りばめが、管状柱とバックアップワッシャとの間に形成される。管状柱146が完全に挿入されると、それは、スリット156を開放させ、メス型部材124とオス型部材128との間の流体連通を可能にする。
【0079】
ここで図10および13を参照すると、空気接続アセンブリ106は、空気接続アセンブリのオス型部材168の挿入に適応するために構成されるメス型部材開口部166を有する、メス型部材164を含むことが好ましい。空気接続アセンブリ106のメス型部材164の重要な側面は、疎水性フィルタ118が、メス型部材164の内側表面の下側端部の近傍に配置されることである。例えば、疎水性フィルタ118は、化学接着剤、溶媒接合、超音波溶接、または他の従来の留め技法によって、メス型部材164の内側表面に取り付け可能である。
【0080】
オス型部材168の剛体円筒形本体170は、環状突出部174を有する可撓性エラストマーシース172で封入されているオス型部材168がメス型部材開口部166の中に徐々に挿入されるにつれて、環状突出部が気密締まり嵌めをシースとメス型部材164との間に生成する。したがって、環状突出部174の外径は、メス型部材開口部166の内径を若干上回ることが好ましい。オス型部材168の中空内側部分176は、例証目的のために示されるが、任意の好適な中実または半中実材料が、用途に好適であるように、オス型部材の内側部分の中に別個に挿入されるか、またはそれと一体的に形成されることができる。
【0081】
ここで図2、10-12、および14を参照すると、流体接続アセンブリ104の例示的流体経路が、図14に図示される。前述のように、ポンプシステムは、流体接続アセンブリ104のオス型部材128に接続されることが想定される。ポンプシステムは、貯留デバイス上のものに類似するメス型コネクタ124を伴う管類の組を有するであろう。メス型コネクタ124を伴う管類の組が、貯留デバイスに接続されると、メス型コネクタ124の内側の管状柱146は、貯留デバイスのオス型コネクタ128内のスリット156を開放させ、それによって、第2のスパイクチャネル66および出口ポート26を介して、医療容器14からの医薬流体の流体流動を可能にするであろう。
【0082】
流体接続アセンブリ104のメス型部材124が、別の隣接する貯留デバイス74のオス型部材128に接続されると、陰圧が、メス型部材の第1のシール固定具138を開放させる。その結果、隣接する貯留デバイスからの医薬流体は、連結されたまたはデイジーチェーン接続された貯留デバイスからの医薬流体の途切れない供給を確立するために、第1のスパイクチャネル62および入口ポート18を介して、医療容器14の中に流動するであろう。シール固定具138、150およびワッシャ160は、合成樹脂またはプラスチック、ゴム等の可撓性の弾力的な材料から作製されることが想定される。他の好適な材料が用途に好適であることも想定される。
【0083】
貯留デバイス74の医薬流体の流体経路は、一体型ユニットとして射出成形アセンブリの中に組み込まれることが想定される。例えば、いくつかの実施形態では、流体接続アセンブリ104のオス型部材128は、好ましくは、オス型部材が基部から法線状に突出するように、貯留デバイス74の基部54に直角に一体的に取り付けられる。この構成では、同様に図8および9に示されるように、メス型部材124とオス型部材128とが互いに接続されると、連結された貯留デバイスの向上された固定結合が、達成され、それによって、連結されたデバイスの望ましくない分解を防止する。メス型およびオス型部材124、128の相対的位置および構成は、前述の向きから逆にされ得ことも想定される。
【0084】
ここで図10-12、14、および15を参照すると、複数の流体および空気経路溝178が、医薬流体の流体経路の少なくとも一部を形成するために、貯留デバイス74の基部54の中に成形されることが想定される。この構成では、入口ポート18および出口ポート26は、スパイク48から流体および空気接続アセンブリ104、106への流体および空気経路がシームレスに移行させられるように、単一ユニットとして溝178の中に統合される。
【0085】
より具体的には、流体経路に対して、流体接続アセンブリ104のメス型部材124のメス型部材開口部126は、医療容器14と流体連通する溝178を介して、スパイク48の第1のスパイクチャネル62に接続され、スパイク48の第2のスパイクチャネル66は、別の溝を使用して、流体接続アセンブリのオス型部材128のオス型部材開口部158に接続され、それによって、メス型部材124からオス型部材128への連続流体経路を形成する。
【0086】
空気通気経路に対して、空気接続アセンブリ106のメス型部材164のメス型部材開口部166は、空気接続アセンブリのメス型部材が空気接続アセンブリのオス型部材168によって塞がれていないとき、周囲空気が医療容器14の中に引き込まれるように、医療容器14と流体連通する溝178を介して、スパイク48の第1のスパイクチャネル62に接続される。
【0087】
いくつかの実施形態では、保護プレート180(図14)が、溝178によって画定された流体および空気経路を覆い、かつシールするために使用される。プレート180の基部54への取り付けは、化学接着剤、溶媒接合、超音波溶接、または他の従来の留め技法によって達成される。プレート180の形状は、溝の形状に応じて可変であるが、正方形、長方形、または卵形形状等の他の好適な幾何学的形状が用途に好適であることも想定される。
【0088】
ここで図1、2、14、および16を参照すると、漏出防止機構102の溝178の別の例示的レイアウトが、図示され、溝は、二重医療容器ユニット12を促進するために構築および配置される。流体接続アセンブリ104の対応する構成要素は、最初の2つのアルファベット(すなわち、「a」および「b」)指定を伴う参照番号を用いて示される。この溝構成の重要な側面は、2つの別個または異なる流体接続アセンブリ104a、104bが漏出防止機構102内に含まれるが、1つのみの空気接続アセンブリ106が含まれ、第1および第2のスパイク48、50によって共有されることである。
【0089】
具体的には、空気接続アセンブリ106のメス型部材164のメス型部材開口部166が、空気接続アセンブリのメス型部材を通して受け取られた周囲空気が第1および第2の医療容器14、16の両方の中に同時に流動するように、溝178を介して、第1のスパイク48の第1のスパイクチャネル62および第2のスパイク50の第1のスパイクチャネル70の両方に接続される。溝178の「T」形状の空気通気経路レイアウトが、例証目的のために示されるが、「Y」および「V」形状のレイアウト等の他の好適な配置も、用途に好適であることが想定される。
【0090】
ここで図2、10A-10C、および14を参照すると、また、流体接続アセンブリ104が、流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、貯留デバイス74の出口ポート26に接続される第1の力アクティブ化式弁182(図10A)を含むことが想定される。同様の構成において、流体接続アセンブリ104は、流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、貯留デバイス74の入口ポート18に接続される第2の力アクティブ化式弁184(図10A)を含む。
【0091】
例えば、図10Bに図示されるように、第2の力アクティブ化式弁184は、第2の流体逆止弁110と第1のスパイク48との間に配置され、コネクタ114からの流体流動が、流体接続アセンブリ104からの流体漏出を防止するために、第2の力アクティブ化式弁の動作によって制御されるように、入口ポート18に接続される。一方向性逆止弁186は、流体の方向性流体流動を選択的に調整するために、貯留デバイス74の入口ポート18および出口ポート26のうちの少なくとも1つに接続されることが好ましい。
【0092】
具体的には、第2の力アクティブ化式弁184をアクティブ化し、したがって、入口ポート18内の流体流動を可能にするために、第1の医療容器14は、下向きに押され、矢印Dによって指定されるように、第1の医療容器を上側位置から下側位置に移行させる(図10B)。第1の医療容器14のこの下向きの移動は、第1の医療容器14の上部部分188が対応する力アクティブ化式弁184を押し下げることをもたらし、コネクタ114からの流体流動を可能にする。逆に、第2の力アクティブ化式弁184がアクティブ化されていないとき、流体流動は、入口ポート18内で防止される。入口ポート18および出口ポート26に接続する流体または空気流動に沿った他の好適な場所も、異なる用途に好適であることが想定される。
【0093】
同様に、図10Aに示される第1または第2の力アクティブ化式弁182、184のアクティブ化は、貯留デバイス74の流体接続アセンブリ104の第1の流体経路コネクタ112を別の貯留デバイスの流体接続アセンブリ104の第2の流体経路コネクタ114に嵌合すること、または相補的に相互接続することによって達成される。前述のように、2つの隣接する貯留デバイス74a、74bの例示的相互接続は、図11に示される。
【0094】
スパイク48、50のうちの少なくとも1つは、貯留デバイス74の入口および出口ポート18、26を流体連通した状態で接続するために構成されるスパイクシース190(図14の想像線に示される)で封入されることも想定される。例えば、初期位置では、スパイクシース190は、第1のスパイク48の第1のスパイクチャネル62および第2のスパイクチャネル66を同時に、かつしっかりと封入し、それによって、貯留デバイス74の入口および出口ポート18、26間の空気流動または流体流動を可能にする。
【0095】
しかしながら、図10Bに示されるように、スパイクシース190は、容器14が押し下げられるにつれて、貫通可能かつ圧縮可能である。前述のように、第1の医療容器14が、矢印Dによって指定されるように、上側位置から下側位置に移行すると、スパイクシース190も、容器14の上部部分188によって、図14に示される上側位置から図10Bに示される下側位置に下向きに押される。容器14のこの移動によって、スパイクシース190は、破られ、入口および出口ポート18、26間の流体流動が達成される。
【0096】
ここで図10Cおよび14を参照すると、流体接続アセンブリ104は、スパイクコネクタ192と、アクセスドーム弁194とを含む。スパイクコネクタ192は、貯留デバイス74の入口ポート18に接続され、アクセスドーム弁194は、貯留デバイスの出口ポート26に接続されることが好ましい。前述のように、アクセスドーム弁194は、図14に示されるスナップ嵌め係止機構130の第2のシール固定具150に類似する構成を有する。この構成では、アクセスドーム弁194は、相補的関係においてスパイクコネクタ192の挿入に適応するために構成される開口部または貫通ボア162を有する。
【0097】
ここで図1、8、および17A-17Dを参照すると、貯留デバイス74は、貯留デバイスのうちの少なくとも1つに取り付けられ、対応する容器の上部キャップ42を除去するために構成されるキャップリムーバ198を含む。好ましい実施形態では、キャップリムーバ198は、ヘッド領域202およびテール領域204を有する中心空洞200を含み、ヘッドおよびテール領域は、好ましくは、空洞の周囲で互いに反対向きに内向きに配置される。使用時、キャップリムーバ198のヘッド領域202は、上部キャップ42に係合するか、またはそれを握持し、矢印E(図17C)によって指定されるように、上部キャップを開放するためにテール領域204の近傍の点の周りに旋回する。キャップリムーバ198の略丸形または卵形形状が、例証目的のために図17A-17Cに示されるが、多面または不規則形状等の他の好適な形状もしくは設計も、用途に好適であることが想定される。
【0098】
図17Dに示されるように、キャップリムーバ198のヘッド領域202は、好ましくは、貯留デバイス10の基部54と一体的に形成されることが想定される。この構成では、キャップリムーバ198のヘッド領域202は、テール領域204を伴わずに、貯留デバイス10の基部54に固定して取り付けられる。使用中、医療容器ユニット12の上部キャップ42は、基部54におけるヘッド領域202が容器の上部キャップと係合またはぴったりと嵌まり得るように、貯留デバイス10に隣接して逆さまの姿勢で位置付けられる。次に、容器14は、容器が、矢印E’によって指定されるように、上部キャップを開放するために、貯留デバイス10から離れるように引っ張られるように、上部キャップ42に対してヘッド領域202の反対点の周りに旋回する。
【0099】
ここで図1、10、および18を参照すると、いくつかの実施形態では、流体接続アセンブリ104は、疎水性フィルタ206および親水性フィルタ208のうちの少なくとも1つを含むことが想定される。いくつかの実施形態では、疎水性フィルタ206は、貯留デバイスの方向性空気/流体流動を選択的に調整するために、貯留デバイス10の入口ポート18に接続される。逆に、親水性フィルタ208は、貯留デバイスの方向性流体および空気流動を選択的に調整するために、貯留デバイス10の出口ポート26に接続される。
【0100】
二重医療容器ユニット12を促進するために構築および配置される図18の例示的構成では、第1の疎水性フィルタ206’は、第1の医薬流体を貯蔵するために構成される第1の医療容器14のための第1の入口ポート18’に接続される。同様に、第2の疎水性フィルタ206”は、第2の医薬流体を貯蔵するために構成される第2の医療容器16のための第2の入口ポート18”に接続される。したがって、第1および第2の疎水性フィルタ206’、206”は、入口ポート18’、18”からの任意の望ましくない流体漏出を伴わずに、空気が通気することを可能にすることが有利である。
【0101】
第1または第2の医薬流体の方向性流体流動を選択的に制御するために、親水性フィルタ208は、第1の医療容器14のための第1の出口ポート26’と、第2の医療容器16のための第2の出口ポート26”の両方に接続される。この構成では、親水性フィルタ208は、有利には、それが第1または第2の医薬流体によってぬれるまで、空気が通気することを可能にし、その後、親水性フィルタは、医薬流体のみが流体経路コネクタ112を通して進行することを可能にする。
【0102】
単なる例として、第1の医療容器14が流体を空にしているとき、親水性フィルタ208は、空気が親水性フィルタを通過し、患者中に注入されることを防止する。この空気の遮断はまた、任意の流体流動を停止させ、ポンプがアラームを鳴らし、それは、患者/介護者に、流路を第2の医療容器16を開放するために位置決め弁216を移動させるように信号伝達する。次に、ポンプ動作が、再開され、第2の医療容器16の内容物を注入する。親水性フィルタ208が、出口ポート216”にも設置される場合、親水性フィルタは、医療容器16が空であるとき、空気がフィルタを通過し、患者の中に注入されることを防止する。この空気の遮断は、任意の流体流動を停止させ、ポンプに、アラームを鳴らさせ、患者/介護者に第2の医療流体の注入が完了したことを信号伝達する。疎水性および親水性フィルタ206、208の他の好適な配置が、異なる用途に好適であることも想定される。
【0103】
ここで図1、6、7、10、11および19を参照すると、トレイ部材210が、直列配置において連結された少なくとも1つの本貯留デバイス74を含み、貯留デバイスを流体連通した状態でトレイ部材の中に組み込むことが想定される。図19では、4つの貯留デバイス74が、トレイ部材210の中に組み込まれるが、貯留デバイスの任意の数または実施形態が、用途に好適であることが想定される。少なくとも1つの流路または通路214を有する流動カバー212が、トレイ部材210に取り付けられ、貯留デバイス74間の流体連通を促進する。第1の流動通路214’が第1の医療容器14に接続するために提供され、別個の第2の流動通路214”が第2の医療容器16に接続するために提供されることが好ましい。この例では、トレイ部材210は、流体連通した状態でトレイ部材の中に組み込まれている複数の貯留デバイス74を含む。さらに、トレイ部材210は、第1および第2の医療容器14、16から出口ポート52に2つの別個の流体を運搬するために構成される2つの別個の管または通路214’、214”を含む。図1、6および11に示される貯留デバイス10と共有される構成要素は、同じ参照番号を用いて指定される。
【0104】
トレイ部材210は、第1および第2の医療容器14、16のうちの少なくとも1つからの流体経路を選択的に可能にするために、または調整するために構成される位置決め弁216を含むことが好ましい。例えば、位置決め弁216は、第1および/または第2の医療容器14、16からの流体流動を選択的に可能にし、および遮断するために構成される捻れ弁を有する手動スイッチまたは停止栓である。位置決め弁216が、管類の組28がトレイ部材210から取り外されているときに流体流動を防止するための弁付アクセスを提供することも想定される。好ましい実施形態では、スパイクキャップ218が、スパイクシース190およびスパイク48、50を保護するために提供される。例として、図19では、流体経路コネクタ112は、点108において、一方の経路から他方の経路へのために位置決め弁216と置換される。位置決め弁216は、ルアー係止コネクタを有し、ユーザがユーザに送達される流体を制御するように、軸方向に回転可能であることが想定される。
【0105】
ここで図1、4、7-9および20を参照すると、貯留デバイス74、86aは、スタック可能な連結可能モジュール式ユニットとして構築および配置されることが好ましい。貯留デバイス10、74、86aと共有される構成要素は、同じ参照番号を用いて指定される。同様に図4および7-9に示されるように、貯留デバイス86aは、出口ポート26aを収容するために構成される第1のウイング88aと、入口ポート18aを収容するために構成される第2のウイング90aとを含むことが想定される。
【0106】
図20に示されるように、第1および第2の医薬流体の望ましくない漏出を防止するために、例えば、第1の疎水性フィルタ118’が、入口ポート18aに配置され、第1のスパイク48に接続され、第2の疎水性フィルタ118”が、第2のウイング90aに配置され、第2のスパイク50に接続される。疎水性フィルタ118’、118”の他の好適な配置も、異なる用途に好適であることが想定される。
【0107】
図20に示されるように、貯留デバイス86aは、それぞれのスパイク48、50からの流体流動を促進するために、少なくとも1つの専用流路または通路214’、214”を有する流動カバー212を含むことが想定される。各流路214’、214”は、分割部材220を使用して、対応するスパイク48、50のスパイクチャネル62、66、70、72に従って分岐または分離される。少なくとも1つの保護プレートまたはカバー222が、貯留デバイス86aに関連付けられた露出された流体または空気経路もしくは通路をシールするために提供されることも想定される。さらに、少なくとも1つのキャップ部材224が、貯留デバイス86aに関連付けられた流体または空気経路もしくは通路を取り外し可能に遮断するために提供される。
【0108】
本貯留デバイスの特定の実施形態が、本明細書に説明されたが、変更および修正が、以下の請求項に記載のそのより広範な側面における本開示から逸脱することなく、本明細書に成され得ることが、当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
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図17A
図17B
図17C
図17D
図18
図19
図20