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特開2024-154056画像形成装置用内部カバー及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154056
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】画像形成装置用内部カバー及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
G03G21/16 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067660
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】足利谷 淳史
(72)【発明者】
【氏名】大島 裕範
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 良彦
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA03
2H171GA11
2H171HA11
2H171HA12
2H171HA13
2H171HA15
2H171HA23
2H171KA02
2H171KA05
2H171KA15
2H171KA23
2H171KA26
2H171KA28
2H171QA02
2H171QA24
2H171QB02
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171SA11
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA28
(57)【要約】
【課題】メンテナンス対象のユニットに容易にアクセスでき、ユニットの交換等のメンテナンス作業が行いやすく、他のユニットの交換を阻害しにくい画像形成装置用内部カバーを提供する。
【解決手段】電子写真方式で画像を形成する画像形成装置に設けられる内部カバーであって、回動して開閉可能なカバー部301と、前記カバー部を閉じた状態に維持する手回し式の固定ネジ310と、前記カバー部の回動軸を形成するヒンジ部311と、を有する。前記回動軸は、鉛直方向に対して傾いており、前記カバー部を斜め上方に開き、前記カバー部が開かれることで操作者がメンテナンス対象のユニットにアクセスして前記ユニットを交換でき、前記カバー部は、前記固定ネジが解放されることにより斜め上方に開き、開かれた後、所定の位置で固定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置に設けられる内部カバーであって、
回動して開閉可能なカバー部と、
前記カバー部を閉じた状態に維持する手回し式の固定ネジと、
前記カバー部の回動軸を形成するヒンジ部と、を有し、
前記回動軸は、鉛直方向に対して傾いており、前記カバー部を斜め上方に開き、
前記カバー部が開かれることで操作者がメンテナンス対象のユニットにアクセスして前記ユニットを交換でき、
前記カバー部は、前記固定ネジが解放されることにより斜め上方に開き、開かれた後、所定の位置で固定される
ことを特徴とする画像形成装置用内部カバー。
【請求項2】
前記内部カバーの鉛直方向下側には、他のメンテナンス対象のユニットが装置に設けられており、
前記カバー部が斜め上方に開くことにより、前記カバー部が開かれた状態において、前記他のメンテナンス対象のユニットが装置手前に引き抜かれる動きを阻害しない
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用内部カバー。
【請求項3】
前記カバー部は、当該カバー部の面方向における前記ヒンジ部の反対側に設けられた1つの前記固定ネジにより閉じられる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用内部カバー。
【請求項4】
前記ヒンジ部は、凸部と凹部を有し、前記凸部と前記凹部が勘合することで前記カバー部が前記所定の位置で固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用内部カバー。
【請求項5】
前記カバー部は、前記回動軸の上下の隙間方向に変位可能である
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置用内部カバー。
【請求項6】
外部カバーと、前記外部カバーの内側に設けられた内部カバーと、を有し、
前記内部カバーは、請求項1~5のいずれかに記載の画像形成装置用内部カバーである
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置用内部カバー及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、画像品質、搬送品質等の性能を維持することを目的として、装置内部のユニットをメンテナンスすることが知られている。メンテナンスとしては、例えばユニットを交換することが挙げられる。ユニットを交換可能にする場合、交換作業を行いやすくすること、交換したユニットを正しくセットすることなどが求められる。
【0003】
特許文献1では、プロセスカートリッジ及びトナー補給容器を装置前面から着脱可能に構成した画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、複数のトナー補給容器の挿入経路を夫々遮断する複数の遮蔽手段と、複数のプロセスカートリッジの挿入経路を全て遮断する開閉蓋とを有する。遮蔽手段と開閉蓋は独立して動作するよう構成されている。
特許文献1によれば、トナー補給容器とプロセスカートリッジが所定の位置に確実に設置されたことを使用者に認識させ、正確な画像を形成することができるとしている。
【0004】
特許文献2では、カバー本体が閉位置を占めたとき、画像形成装置本体の前面側を向くカバー本体の内面に付設されたじゃま部材を有する画像形成装置の前カバーが開示されている。ユニットが正しい位置にセットされていない場合、じゃま部材によってカバーが閉じられないようにしている。また特許文献2では、カバーを開いたときじゃま部材が倒れ、カバーを閉じたときじゃま部材が立つようにしている。
特許文献2によれば、カバー本体を開いたとき、じゃま部材が作業者の邪魔とならないとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、メンテナンス対象のユニットにアクセスするための内部カバーがネジ止めされており、ユニットを交換するために操作者がドライバーなどの工具を用いて内部カバーを外す必要があった。そのため、交換作業に必要な手間が増えることに加え、交換作業に時間がかかってしまう。これは、ユニットを交換する場合に限らず、ユニットの点検、修理、改修などを含めたメンテナンス作業にいえることである。
【0006】
また、今まではサービス提供者が装置の設置場所に赴き、ユニットを交換するなどのメンテナンスをしていたが、最近では、サービスコストの低減、ダウンタイムの抑制を目的として、ユーザが交換作業を行えるようにすることも求められている。
【0007】
そこで本発明は、メンテナンス対象のユニットに容易にアクセスでき、ユニットの交換等のメンテナンス作業が行いやすく、他のユニットの交換を阻害しにくい画像形成装置用内部カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置用内部カバーは、
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置に設けられる内部カバーであって、
回動して開閉可能なカバー部と、
前記カバー部を閉じた状態に維持する手回し式の固定ネジと、
前記カバー部の回動軸を形成するヒンジ部と、を有し、
前記回動軸は、鉛直方向に対して傾いており、前記カバー部を斜め上方に開き、
前記カバー部が開かれることで操作者がメンテナンス対象のユニットにアクセスして前記ユニットを交換でき、
前記カバー部は、前記固定ネジが解放されることにより斜め上方に開き、開かれた後、所定の位置で固定される
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メンテナンス対象のユニットに容易にアクセスでき、ユニットの交換等のメンテナンス作業が行いやすく、他のユニットの交換を阻害しにくい画像形成装置用内部カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の一例を説明するための全体概略図である。
図2】内部カバーを閉じた状態の一例を説明するための概略図である。
図3】内部カバーを開いた状態の一例を説明するための概略図である。
図4】ヒンジ部の一例を説明するための概略図である。
図5】ヒンジ部の一例を説明するための概略図である。
図6】ヒンジ部の動きの一例を説明するための概略図である。(A)は内部カバーが閉じているときのヒンジ部の状態例であり、(B)は内部カバーが開いている最中のヒンジ部の状態例であり、(C)は内部カバーが開いて所定の位置で固定されているときのヒンジ部の状態例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る画像形成装置用内部カバー及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0012】
本発明の画像形成装置用内部カバーは、
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置に設けられる内部カバーであって、
回動して開閉可能なカバー部と、
前記カバー部を閉じた状態に維持する手回し式の固定ネジと、
前記カバー部の回動軸を形成するヒンジ部と、を有し、
前記回動軸は、鉛直方向に対して傾いており、前記カバー部を斜め上方に開き、
前記カバー部が開かれることで操作者がメンテナンス対象のユニットにアクセスして前記ユニットを交換でき、
前記カバー部は、前記固定ネジが解放されることにより斜め上方に開き、開かれた後、所定の位置で固定される
ことを特徴とする。
【0013】
本発明の画像形成装置は、外部カバーと、前記外部カバーの内側に設けられた内部カバーと、を有し、前記内部カバーは、本発明の画像形成装置用内部カバーであることを特徴とする。
【0014】
図1は、本実施形態の画像形成装置の全体構成概略図である。図1中、外部カバーは図示を省略している。
【0015】
本実施形態の画像形成装置は、スキャナとして機能する原稿読取部を有しているが、本発明はこれに限られるものではない。本発明の画像形成装置は、原稿読取部を有していなくてもよい。本実施形態の画像形成装置は、例えば、PCオンライン出力専用機としてもよいし、プリンタバージョン等でコントローラを内蔵してもよい。本実施形態の画像形成装置は、例えば、モノクロ画像を形成する複写印刷機としてもよいし、PC接続によりプリンタとして機能させてもよい。
【0016】
本実施形態の画像形成装置の動作例について、装置構成の概要とあわせて説明する。
まずオペレータが、複写したい画像を有する原稿を原稿読取部にセットする。原稿読取部は、例えば、スキャナユニット104、ADFユニット103が挙げられる。原稿は、スキャナユニット104の上部に配置されたコンタクトガラス上もしくはADFユニット103にセットする。
【0017】
次いで、操作パネルユニット101を操作して所望の画像形成条件を設定する。特に制限されるものではないが、例えば、機能選択キーでコピーモードを選択し、液晶画面の表示内容を確認しつつ、条件を設定する。
【0018】
原稿読取部で読み取られた画像信号は、例えばSBU(Sensor Board Unit)によりA/D(Analog/Digital)変換された後、レーザ光として装置内部に照射される。レーザ光は、シリンダレンズにより集光され、ポリゴンミラーにより主走査方向にライン走査される。シリンダレンズ、ポリゴンミラーを経た光は、レーザ書き込みユニット112から感光体ドラム116に照射され、感光体ドラム116上に静電潜像が形成される。
【0019】
次いで、帯電チャージャ115は、感光体ドラム116を帯電させる。帯電チャージャ115は、例えば、PSU(Power Supply Unit)からリセプタクル、電極端子、導電性軸受け等を介して高電圧が印加される。
【0020】
次いで、現像ユニット113は、感光体ドラム116にトナーを付与し、感光体ドラム116を現像する。これにより、感光体ドラム116にトナー像(可視像、顕像などと称してもよい)が形成される。現像ユニット113は、例えば現像ローラにより感光体ドラム116にトナーを付与する。以下、感光体ドラム116へのトナーの付与について説明を補足する。
【0021】
現像ユニット113には、例えばトナー補給ユニット111からトナーが随時供給される。トナー補給ユニット111には、例えばトナーボトルを用いることができる。現像ユニット113では、トナー補給ユニット111から供給されるトナーと、あらかじめ現像ユニット113内に充填されていた現像剤とが、攪拌混合されつつ、現像ローラへと運ばれる。トナーと現像剤の攪拌混合は、例えば現像ユニット113内の搬送スクリューにより行う。
【0022】
磁力により現像ローラに静電吸着しているトナーは、マイナスに帯電している。現像ローラに担持された二成分現像剤は、現像ローラ上で滴量に規制される。規制は、例えば、現像ローラの下方に配設されたドクタブレードやケーシング等の現像剤穂立ち規制部材などにより行う。
【0023】
現像ローラに担持された二成分現像剤は、規制された後、二成分中の摩擦帯電したトナーがバイアス電圧により感光体ドラム116に移動し、感光体ドラム116の静電潜像に応じて選択的に付着する。現像剤ユニット113内部のトナー濃度は、例えば、ユニットの底面に設けられたトナー濃度センサによりユニット内部のトナーの帯電量が求められ、この帯電量に基づいてトナー濃度が検出される。
【0024】
現像ユニット113の周囲には、例えばマイラーやスポンジなどで形成された入口シールが適宜設けられている。入口シールにより、トナー飛散を抑制することができる。
【0025】
次いで、感光体ドラム116に形成されたトナー像は、中間転写ベルトユニット105に一旦転写される。中間転写ベルトユニット105は、中間転写ベルトを有しており、トナー像は中間転写ベルトに転写される。
【0026】
転写後の感光体ドラム116上に残存する未転写のトナーは、感光体クリーニングユニット114により回収される。感光体クリーニングユニット114は、例えばクリーニングブレードで感光体ドラム116上のトナーを掻き落とす。掻き落とされたトナーは、廃トナーボトル125へと搬送回収される。
【0027】
次いで、レジストローラ部を通過した記録媒体が、中間転写ベルトユニット105と、二次転写ユニット118のニップ間を通過する。記録媒体がニップ間を通過する際、二次転写ユニット118における二次転写ローラからのプラス帯電により、中間転写ベルトユニット105に転写されたトナーは記録媒体に転写される。
【0028】
転写ローラは、例えば、PSU(Power Supply Unit)からリセプタクル、電極端子、軸受け等を介して電圧が印加される。
【0029】
二次転写ユニット118では、環境や紙種等による変動を抑制するために定電流制御がなされている。また、転写電流は、給紙トレイ、転写紙サイズ、紙厚等に応じて、適宜切り替えられる。
【0030】
転写ローラをクリーニングする目的で、所定のタイミングで転写ローラにマイナスバイアスを印加する。転写ローラにマイナスバイアスを印加することで、転写ローラに付着したトナーを中間転写ベルトユニット105に戻すことができる。これにより、転写ローラに付着したトナーによる転写紙の裏汚れを抑制することができる。
【0031】
転写後の中間転写ベルトユニット105上に残存する未転写のトナーは、中間転写ベルトクリーニングユニット106により回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット106は、例えばクリーニングブレードで中間転写ベルト上のトナーを掻き落とす。掻き落とされたトナーは、廃トナーボトル125へと搬送回収される。
【0032】
次いで、定着ユニット107は、記録媒体に転写されたトナーを定着させる。定着ユニット107は、搬送された記録媒体に一定の温度と圧力を加えて、トナーを記録媒体に熱融着させている。定着ユニット107は、例えば、定着ローラ、定着ローラにかけまわされた定着ベルト、定着ローラと対向する加圧ローラ、定着ベルトを加熱するヒータ等を有する。
【0033】
定着ユニット107は、例えばサーミスタにより定着ローラの表面温度を検出し、これに基づいてヒータのON/OFF制御を行う。サーミスタは、定着ローラと接触していてもよいし、接触していなくてもよい。定着ユニット107は、温度が高くなり過ぎないようにするために、温度ヒューズ等を有していてもよい。
【0034】
定着ユニット107は、例えば、加圧ローラと定着ベルトにより定着ニップを形成する。記録媒体が定着ニップを通過することで、トナーの定着が行われる。例えば、カムにより加圧ローラの加圧や脱圧が制御される。
【0035】
次いで、定着ニップを通過した記録媒体は、定着分離板により加圧ローラ及び定着ベルトから分離され、反転排紙ユニット109に搬送される。反転排紙ユニット109は、設定条件によって、両面印刷を行うための搬送を行う。反転排紙ユニット109を経た記録媒体は、排紙トレイ126に排出される。これらの一連の動作により、電写真方式を用いた画像形成の工程が完了する。
【0036】
上記の例は、排紙トレイ126に排出する例としているが、本発明はこれに限られない。反転排紙ユニット109を経た後に、記録媒体を他の装置に搬送してもよい。他の装置としては、例えば後処理装置が挙げられる。後処理装置は、例えば折り処理、ステープル処理などを行う。
【0037】
次に、本実施形態の画像形成装置用内部カバーの詳細例を説明する。
以下では、ユニットのメンテナンス作業として、例えばユニットの交換作業を例に挙げて説明しているところがあるが、ユニットのメンテナンス作業は、ユニットの交換作業に限られない。ユニットのメンテナンスは、ユニットの交換以外にも、ユニットの点検、修理、改修などが含まれる。また、ユニットの交換とあるのは、例えば、古いユニットや不具合の生じたユニットを新しいユニットや不具合のないユニットに交換することをいう。
【0038】
本実施形態によれば、メンテナンス対象のユニットに容易にアクセスでき、ユニットの交換等のメンテナンス作業が行いやすく、他のユニットの交換を阻害しにくい画像形成装置用内部カバーを提供することができる。内部カバーは、インナーカバーなどと称されてもよい。
【0039】
図2は、画像形成装置の外部カバーを開いた状態の例を示す概略図であり、内部カバー300のカバー部301が閉じられた状態の例を示す概略図である。図3は、図2において、カバー部301を開いた状態の例を説明するための概略図である。
【0040】
本例の内部カバー300は、画像形成ユニット用内部カバー302、カバー部301、固定ネジ310、ヒンジ部311を有する。内部カバー300の内側には、例えば、画像形成ユニットと中間転写ベルトクリーニングユニット106が設けられている。画像形成ユニット用内部カバー302と定着ユニット用内部カバー304はネジ止めされている。
【0041】
図2に示すように、本実施形態の内部カバー300は、回動して開閉可能なカバー部301と、カバー部301を閉じた状態に維持する手回し式の固定ネジ310と、カバー部301の回動軸を形成するヒンジ部311と、を有している。
【0042】
カバー部301が回動して開くことを図3中の黒矢印で模式的に示している。また、カバー部301の回動軸は、鉛直方向に対して傾いており、これにより、カバー部301は斜め上方に開く。図3に示すように、カバー部301は、斜め上方に開かれる。
【0043】
カバー部301が斜め上方に開かれることにより、中間転写ユニットの交換作業を阻害しないようにすることができる。カバー部301が開いた状態でも中間転写ベルトユニット用内部カバー303の開閉を阻害せず、中間転写ベルトユニットを交換する作業を阻害しない。そのため、他のユニットの交換を阻害しにくい内部カバー300にすることができる。
【0044】
本実施形態において、内部カバー300の鉛直方向下側には、他のメンテナンス対象のユニット(本例では中間転写ベルトユニット105)が装置に設けられており、カバー部301が斜め上方に開くことにより、カバー部301が開いた状態において、前記他のメンテナンス対象のユニットが装置手前に引き抜かれる動きを阻害しない。このため、他のユニットの交換を阻害しにくい内部カバー300にすることができ、メンテナンス作業の効率を向上させることができる。
【0045】
例えば図3の状態において、カバー部301が開いていても、中間転写ベルトユニット用内部カバー303が取り付けられている中間転写ベルトユニット105をそのまま全体で手前方向にスライドレールで移動可能になる。カバー部301が斜め上方に開くことにより、中間転写ベルトユニット105が干渉破損されることを防止できる。なお、中間転写ベルトユニット105は、レバー303aを倒すことで、手前方向に引き抜くことができる。
【0046】
従来技術では、画像形成ユニットと中間転写ベルトクリーニングユニット106に対応する内部カバーが一体構造になっており、中間転写ベルトクリーニングユニット106を交換する場合でも、一体となったインナーカバーを外す必要があるため、ユニットを交換する際の手間が大きい。一方、本実施形態では、カバー部301が開かれることで操作者がメンテナンス対象のユニットにアクセスして前記ユニットを交換できるため、メンテナンスの作業効率が向上する。
【0047】
本実施形態において、カバー部301は、手回し式の固定ネジ310により閉じた状態に維持される。そのため、ドライバー等の工具を用いずに、手回し式の固定ネジ310を手で回すだけでカバー部301を開くことができる。このため、メンテナンス対象のユニットに容易にアクセスでき、ユニットの交換等のメンテナンス作業が行いやすくなる。更に、カバー部301を閉じる際においても、ドライバー等の工具が不要になり、メンテナンス作業の手間と時間を低減できる。また、装置に精通していないユーザであっても、簡便にユニットの交換作業を行うことができる。手回し式の固定ネジ310は、特に制限されるものではなく、例えば市販品を用いることができる。
【0048】
メンテナンスを行うタイミングとしては、特に制限されるものではなく、定期的に行ってもよいし、不定期に行ってもよい。不定期とあるのは、例えば、不具合が生じたときが挙げられる。また、カバー部301は、ユニットを交換する場合だけでなく、ユニットを点検、修理、改修する場合に開けてもよい。
【0049】
図3に示す状態の場合、中間転写ベルトクリーニングユニット106を交換することができる。ユニットを交換する方法は、特に制限されるものではなく、例えばユニットを引き出す方法が挙げられる。例えば、取手106aを引っ張って中間転写ベルトクリーニングユニット106を引き出し、交換する。図3に示すように、中間転写ベルトクリーニングユニット106を交換する場合、内部カバー303を開くだけでよく、画像形成ユニット用内部カバー302は閉じたままでよい。
【0050】
本実施形態では、図3に示すように、カバー部301は、カバー部301の面方向におけるヒンジ部311の反対側に設けられた1つの固定ネジ310により閉じられることが好ましい。このようにすることで、カバー部301を1つの手回し式の固定ネジ310で固定できるとともに、1つの固定ネジ310を解放するだけでカバー301を開くことができるため、作業の手間を低減できる。
【0051】
本実施形態において、カバー部301は、固定ネジ310が解放されることにより斜め上方に開き、開かれた後、所定の位置で固定される。図3は、所定の位置で固定された状態を示している。このように、カバー部301が開かれた状態で固定されることにより、ユニットの交換等のメンテナンス作業が行いやすくなる。例えば、ユニットの交換等のメンテナンスをする際にカバー部301を手で押さえる必要がなく、また、カバー部301が操作者や交換中のユニットに当たることがない。
【0052】
なお、所定の位置で固定とあるのは、操作者(オペレータ、ユーザ等)がカバー部301に対して力を加えていない場合に、カバー部301がその位置を維持することを意味する。本実施形態において、所定の位置で固定されたカバー部301に対して操作者が力を加えると、カバー部301の固定状態が解除され、カバー部301は位置を変えることができる。つまり、カバー部301が開いた状態で所定の位置に固定された後、操作者はカバー部301を手で閉じることができる。このようなことから、ここでいう固定とあるのは、仮固定などと称してもよい。
【0053】
カバー部301が開かれた後、所定の位置で固定されるようにするには、適宜選択することができる。例えば、ヒンジ部311は、凸部と凹部を有し、前記凸部と前記凹部が勘合することでカバー部301が前記所定の位置で固定されることが好ましい。この場合、簡易な構成でカバー部301が所定の位置で固定されるようにすることができる。
【0054】
このような凹凸形状の例について、図4図6を用いて説明する。
図4は、画像形成ユニット用内部カバー302において、カバー部301の回動軸周辺を上から見た場合の平面概略図である。図5は、カバー部301において、カバー部301の回動軸周辺を下から見た場合の平面概略図である。図6は、凸部320の動きの一例を説明するための平面概略図である。(A)はカバー部301が閉じた状態(図2)であり、(B)はカバー部301が開閉中の状態であり、(C)はカバー部301が開いた状態(図3)である。
【0055】
なお、本例におけるヒンジ部311は、カバー部301の一部と、画像形成ユニット用内部カバー302の一部を含む箇所である。ヒンジ部311に含まれる画像形成ユニット用内部カバー302の一部は、カバー部301と対向する部分であり、第1の凹部321と第2の凹部322を含む箇所である。
【0056】
図4に示すように、画像形成ユニット用内部カバー302は、回動軸313の周辺に第1の凹部321と、第2の凹部322を有している。第1の凹部321と、第2の凹部322は、カバー部301と対向する位置に設けられる。
【0057】
図5に示すように、カバー部301は、回動軸313の周辺に凸部320を有している。凸部320は、下側に凸となっており、下側とあるのは、鉛直方向の斜め下方向である。凸部320は、カバー部301の動きに連動して移動する。
【0058】
図6(A)に示すように、凸部320は、カバー部301が閉じた状態であるとき、第1の凹部321と勘合する。カバー部301が開かれると、(B)に示すように、凸部320はカバー部301と連動して第2の凹部322の方向へ回動する。カバー部301が所定の位置になったとき、(C)に示すように、凸部320は第2の凹部322と勘合する。カバー部301が開かれて所定の位置になったとき、凸部320と第2の凹部322が勘合してカバー部301が開かれた状態で固定される。例えばこのような構成により、カバー部301を所定の位置で開いた状態で固定できる。カバー部301を閉じる場合は、(C)、(B)、(A)の順に遷移する。
【0059】
上記の勘合は、勘合状態が解除できるようになっている。また、凸部320は、カバー部301の重みにより、鉛直下方もしくは鉛直斜め下方に力が働く。この力により、凸部320は、第1の凹部321の凹部と第2の凹部322の凹部に嵌まる。
【0060】
ヒンジ部311が凸部と凹部を有する場合、カバー部301は、回動軸313の上下の隙間方向に変位可能であることが好ましい。凹凸形状のみでカバー部301の解放位置を固定するため、隙間方向に変位可能であることで、その凹凸を乗り越える際に必要となる上下方向の隙間が確保される。
【0061】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
電子写真方式で画像を形成する画像形成装置に設けられる内部カバーであって、
回動して開閉可能なカバー部と、
前記カバー部を閉じた状態に維持する手回し式の固定ネジと、
前記カバー部の回動軸を形成するヒンジ部と、を有し、
前記回動軸は、鉛直方向に対して傾いており、前記カバー部を斜め上方に開き、
前記カバー部が開かれることで操作者がメンテナンス対象のユニットにアクセスして前記ユニットを交換でき、
前記カバー部は、前記固定ネジが解放されることにより斜め上方に開き、開かれた後、所定の位置で固定される
ことを特徴とする画像形成装置用内部カバー。
<2>
前記内部カバーの鉛直方向下側には、他のメンテナンス対象のユニットが装置に設けられており、
前記カバー部が斜め上方に開くことにより、前記カバー部が開かれた状態において、前記他のメンテナンス対象のユニットが装置手前に引き抜かれる動きを阻害しない
ことを特徴とする<1>に記載の画像形成装置用内部カバー。
<3>
前記カバー部は、当該カバー部の面方向における前記ヒンジ部の反対側に設けられた1つの前記固定ネジにより閉じられる
ことを特徴とする<1>又は<2>に記載の画像形成装置用内部カバー。
<4>
前記ヒンジ部は、凸部と凹部を有し、前記凸部と前記凹部が勘合することで前記カバー部が前記所定の位置で固定される
ことを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置用内部カバー。
<5>
前記カバー部は、前記回動軸の上下の隙間方向に変位可能である
ことを特徴とする<4>に記載の画像形成装置用内部カバー。
<6>
外部カバーと、前記外部カバーの内側に設けられた内部カバーと、を有し、
前記内部カバーは、<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置用内部カバーである
ことを特徴とする画像形成装置。
【符号の説明】
【0062】
100 コールライト
101 操作パネルユニット
103 ADF(Auto Document Feeder)ユニット
104 スキャナユニット
105 中間転写ベルトユニット
106 中間転写ベルトクリーニングユニット
107 定着ユニット
108 定着搬送ユニット
109 反転排紙ユニット
110 反転両面貯留ユニット
111 トナー補給ユニット
112 レーザ書き込みユニット
113 現像ユニット
114 感光体クリーニングユニット
115 帯電チャージャ
116 感光体ドラム
117 用紙搬送部
118 二次転写ユニット
119 縦搬送ユニット
120 第一給紙ユニット
121 第二給紙ユニット
122 第三給紙ユニット
123 ユニバーサルトレイ×2段
124 タンデムトレイ
125 廃トナーボトル
126 排紙トレイ(周辺機未接続時)
127 移動用キャスタ
300 内部カバー
301 カバー部
302 画像形成ユニット用内部カバー
303 中間転写ベルトユニット用内部カバー
304 定着ユニット用内部カバー
310 固定ネジ
311 ヒンジ部
313 回動軸
320 凸部
321 第1の凹部
322 第2の凹部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2002-318480号公報
【特許文献2】特開平8-16064号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6