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  • 特開-チャックテーブル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024154144
(43)【公開日】2024-10-30
(54)【発明の名称】チャックテーブル
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241023BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H01L21/304 643A
B08B3/02 B
B08B3/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023067805
(22)【出願日】2023-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 信
【テーマコード(参考)】
3B201
5F157
【Fターム(参考)】
3B201AA03
3B201AB01
3B201AB33
3B201AB42
3B201BB22
3B201BB43
3B201BB72
3B201BB92
3B201BB98
5F157AA03
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB37
5F157BG86
5F157CE25
5F157CF42
(57)【要約】
【課題】洗浄装置におけるノズルの位置調整作業を容易にする。
【解決手段】チャックテーブル10は、保持面13の中心を示す印15を有している。このため、洗浄流体の着地点が印15を通過するようにノズル50の位置を調整することにより、ノズル50の位置調整が完了する。このように、本実施形態では、保持面13の中心を判別するために、保持面13の中心を示す位置調整用の円板を用いる必要がない。このため、ノズル50の位置調整作業を、容易に実施することが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを保持する保持面の中心を通る回転軸を中心に回転するチャックテーブルであって、
該保持面の中心を示す印を有する、チャックテーブル。
【請求項2】
該印が、該保持面の他の部分と異なる色を有している、
請求項1記載のチャックテーブル。
【請求項3】
ワークの上方に配置されたノズルから下方向に向けて該ワークに洗浄流体を噴射して該ワークを洗浄する洗浄装置に備えられ、
該印の大きさが、該ノズルから噴射される該洗浄流体の洗浄領域の好適な大きさである、
請求項1記載のチャックテーブル。
【請求項4】
該印は、該保持面の中心に開口された吸引口である、
請求項1記載のチャックテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャックテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示のように、ウェーハを洗浄する洗浄装置は、ウェーハを保持した保持テーブルを回転させ、ノズルから噴射した二流体によって、ウェーハの上面を洗浄している。また、特許文献2に開示の技術では、ノズルから噴射した二流体によって、保持テーブルの保持面を洗浄している。また、特許文献3に開示の技術では、ノズルから噴射した超音波振動を伝播させた洗浄水によって、ウェーハを洗浄している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-109324号公報
【特許文献2】特開2020-119931号公報
【特許文献3】特開2021-176165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術では、被洗浄物であるウェーハあるいは保持テーブルの保持面を回転させながら、ノズルを水平方向に移動させることにより、洗浄を実施している。
【0005】
そのため、洗浄水の着地点が被洗浄物の回転中心である保持テーブルの中心を通るように、被洗浄物に対してノズルの位置を調整する作業を、作業者が行っている。
【0006】
この作業には、保持テーブルの中心を示す印を有する円板を用いる。すなわち、この作業では、保持テーブルの中心と印とが一致するように保持テーブルによって円板を保持し、ノズルから噴出した洗浄水の着地点が円板の印を通るように、ノズルの位置を調整している。
しかしながら、このように円板の中心と保持テーブルの中心とを一致させるように保持テーブルによって円板を保持するには、時間がかかる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、ノズルから噴出した洗浄水等の洗浄流体によって被洗浄物を洗浄する洗浄装置に関して、ノズルの位置調整作業を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のチャックテーブル(本チャックテーブル)は、ワークを保持する保持面の中心を通る回転軸を中心に回転するチャックテーブルであって、該保持面の中心を示す印を有する。
【0009】
本チャックテーブルでは、該印が、該保持面の他の部分と異なる色を有していてもよい。
【0010】
本チャックテーブルは、ワークの上方に配置されたノズルから下方向に向けて該ワークに洗浄流体を噴射して該ワークを洗浄する洗浄装置に備えられ、該印の大きさが、該ノズルから噴射される該洗浄流体の洗浄領域の好適な大きさであってもよい。
【0011】
本チャックテーブルでは、該印は、該保持面の中心に開口された吸引口であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本チャックテーブルは、保持面の中心を示す印を有している。したがって、本チャックテーブルを備えた洗浄装置では、ノズルから噴射される洗浄流体の着地点が印を通過するようにノズルの位置を調整することにより、ノズルの位置調整が完了する。すなわち、本チャックテーブルを用いれば、保持面の中心を判別するために、保持面の中心を示す位置調整用の円板を用いる必要がない。このため、洗浄装置におけるノズルの位置調整作業を、容易に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】洗浄装置の構成を示す説明図である。
図2】チャックテーブルの構成を示す斜視図である。
図3】チャックテーブルの他の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施形態に係る洗浄装置1の構成を示す斜視図である。洗浄装置1は、たとえば、被洗浄物としてのワーク110を洗浄する。
【0015】
ワーク110は、たとえば、シリコン母材を含む円形板状の半導体ウェーハであり、略平坦な被洗浄面112を有している。図1において下方を向いているワーク110の表面111は、たとえば、複数のデバイスが形成されており、図示しない保護テープによって保護されている。
【0016】
洗浄装置1は、図1に示すように、ワーク110を保持するチャックテーブル10、チャックテーブル10を収容するケーシング20、チャックテーブル10を回転させるテーブル回転機構30、ワーク110に対して洗浄流体を噴射するノズル50、ノズル50を移動させるノズル移動機構40、および、洗浄装置1の動作を制御する制御部7を備えている。
【0017】
チャックテーブル10は、円板状の保持部11と、保持部11を支持する枠体12とを備える。保持部11は、ポーラス部材からなる板であり、枠体12の上面と面一に形成された保持面13を有する。保持部11が吸引源60に連通されることにより、吸引源60の吸引力が保持面13に伝達される。これにより、チャックテーブル10は、保持面13によって、ワーク110を、被洗浄面112を上面として吸引保持することができる。
【0018】
また、チャックテーブル10は、エアシリンダ等からなる図示しない昇降装置によって、上下方向に移動可能に構成されている。この昇降装置は、チャックテーブル10を上昇させて、チャックテーブル10を、ワーク110の搬入および搬出に適した高さに位置付ける。また、昇降装置は、ワーク110を保持した状態のチャックテーブル10を下降させて、チャックテーブル10を、ケーシング20内における洗浄に適した高さに位置付ける。
【0019】
チャックテーブル10は、ケーシング20の内部空間に収容されている。ケーシング20は、チャックテーブル10を囲繞する外側壁21と、底板23とを備えている。底板23は、外側壁21の下部に一体的に連接されており、中央に、スピンドル31が挿通される挿通孔221を有している。
なお、図1においては、ケーシング20の外側壁21の一部を切欠いて、ケーシング20の内部を示している。
【0020】
テーブル回転機構30は、チャックテーブル10の下方に配設されており、チャックテーブル10を、ワーク110を保持する保持面13の中心を通る回転軸100を中心に回転させる。テーブル回転機構30は、スピンドル31、スピンドル31を回転駆動するスピンドルモータ33、および、スピンドルモータ33の回転量(回転角度)を検知するためのエンコーダ34を備えている。
【0021】
スピンドル31は、その上端がチャックテーブル10の下面の中央に固定されており、保持面13に垂直な方向であるZ軸方向に延びている。スピンドルモータ33は、スピンドル31の下端側に連結されている。スピンドルモータ33がスピンドル31を回転させることにより、チャックテーブル10が回転軸100を中心に回転され、その保持面13に保持されているワーク110が回転される。エンコーダ34は、スピンドルモータ33の回転量を検知することにより、チャックテーブル10の回転量を検知する。
【0022】
また、スピンドル31にはロータリジョイント35が連結されている。そして、ロータリジョイント35には、吸引路61を介して吸引源60が連結されている。吸引路61は、ロータリジョイント35、スピンドル31を通過するように延びており、チャックテーブル10の枠体12を通過して保持部11の底部に接続されている。
【0023】
ノズル移動機構40は、ノズル50を備えた旋回アーム41、旋回アーム41の基端に連結された旋回シャフト42、旋回シャフト42の下端に連結された旋回モータ45、および、旋回モータ45の回転量(回転角度)を検知するためのエンコーダ46を備えている。
【0024】
旋回シャフト42は、その先端によって旋回アーム41の基端側を支持している。旋回アーム41の先端側には、ノズル50が配設されている。
旋回モータ45は、旋回シャフト42を回転させることにより、旋回アーム41を旋回移動させる。これにより、旋回アーム41の先端に備えられているノズル50を、チャックテーブル10の保持面13に対して水平方向に旋回移動させる。
エンコーダ46は、旋回モータ45の回転量を検知することにより、ノズル50の水平方向における位置を検知する。
【0025】
また、ノズル移動機構40は、ノズル50を昇降させるための昇降機構47を備えている。昇降機構47は、旋回アーム41、旋回シャフト42、旋回モータ45およびエンコーダ46をZ軸に沿って昇降移動させることにより、旋回アーム41に備えられているノズル50を、チャックテーブル10の保持面13に対して昇降移動させて、保持面13に対するノズル50の高さを調整する。本実施形態では、たとえば、作業者あるいは制御部7が、昇降機構47を用いてノズル50の高さを調整する。
【0026】
ノズル50は、チャックテーブル10の保持面13に保持されたワーク110の上面である被洗浄面112、あるいは、保持面13自体を洗浄する装置として機能する。すなわち、洗浄装置1における被洗浄物は、ワーク110に限られず、チャックテーブル10の保持面13であってもよい。
【0027】
ノズル50は、筐体であるノズル本体51、および、洗浄用の流体(洗浄流体)を噴射するノズル部53を備えている。ノズル本体51には、エア源63に接続されたエア供給口54、および、洗浄水源62に接続された洗浄水供給口55が連結されている。ノズル50では、エア供給口54を介してエア源63から供給されたエアと、洗浄水供給口55を介して洗浄水源62から供給された洗浄水とが、ノズル本体51内で混合されて、エアと洗浄水とからなる二流体が形成される。そして、この二流体が、洗浄流体として、ノズル本体51の下端に設けられたノズル部53から下方に向けて噴射される。
なお、ノズル50のノズル部53から噴射される洗浄流体は、二流体に限られず、洗浄水源62から供給される洗浄水(たとえば純水)であってもよい。
【0028】
このように、洗浄装置1は、チャックテーブル10の保持面13に保持されているワーク110の上方に配置されたノズル50から下方向に向けてワーク110に洗浄流体を噴射してワーク110を洗浄するものである。
【0029】
また、ノズル50には、ノズル位置調整機構3が接続されている。このノズル位置調整機構3は、旋回アーム41におけるノズル50の水平方向の位置を調整するために用いられる。本実施形態では、作業者が、ノズル位置調整機構3を用いて、ノズル50の水平方向の位置を調整する。
【0030】
制御部7は、制御プログラムに従って演算処理を行うCPU、および、メモリ等の記憶媒体等を備えている。制御部7は、各種の処理を実行し、洗浄装置1の各構成要素を統括制御する。
【0031】
さらに、洗浄装置1は、入出力パネル8を備えている。この入出力パネル8は、洗浄装置1の動作に関する情報を作業者に表示する。また、入出力パネル8は、作業者が各種情報を入力および編集するためにも用いられる。このように、入出力パネル8は、情報を表示するための表示装置および情報を入力するための入力装置として機能する。また、作業者は、入出力パネル8を用いて、制御部7に対して指示を伝達することが可能である。
【0032】
次に、チャックテーブル10の保持面13について詳細に説明する。
図2に示すように、保持面13は、多孔質構造を有するポーラス部材からなる保持部11の上面である。したがって、保持面13には、図2に示すように、多数の孔が形成されている。そして、特に、本実施形態では、チャックテーブル10の回転中心である保持面13の中心に、保持面13の中心を示す印15が形成されている。すなわち、チャックテーブル10は、保持面13の中心を示す印15を有している。
【0033】
この印15は、作業者が、目視によって、保持面13の他の部分から区別することの可能なものである。本実施形態では、印15は、保持面13に形成された他の孔の形状(たとえば6角形)とは異なる形状(たとえば円形)を有しており、かつ、保持面13の他の部分の色(たとえば黒色)と異なる色(たとえば白色、青色、灰色)を有している。
また、ポーラス部材からなる保持面13における印15の孔の大きさを、保持面13の印15以外の部分よりも大きくするなど、ポーラス部材の孔の大きさで印15と他の部分とを区別することを可能にしてもよい。
【0034】
このような構成を有する洗浄装置1では、チャックテーブル10の保持面13によって保持したワーク110を適切に洗浄するために、ノズル50から噴射される洗浄流体の着地点(着水点)が、被洗浄物であるワーク110の回転中心である保持面13の中心を通るように、ノズル50の位置調整を実施する。
【0035】
具体的には、まず、制御部7が、図1に示したエア源63をノズル50のエア供給口54に連通させるとともに、洗浄水源62を洗浄水供給口55に連通させることにより、ノズル50のノズル部53から下方に向けて、洗浄体を噴射させる。さらに、制御部7は、ノズル移動機構40の旋回モータ45を制御して、旋回アーム41を旋回させる。これにより、ノズル50が、チャックテーブル10における保持面13の上方において旋回移動しながら、保持面13に対して洗浄流体を噴射する。
【0036】
この際、作業者は、ノズル50から噴射された洗浄流体の保持面13における着地点が、保持面13の中心に設けられた印15を通過するか否かを確認する。そして、洗浄流体の着地点が印15を通過すること確認した場合、作業者は、ノズル50の位置調整を終了する。
【0037】
一方、作業者は、洗浄流体の着地点が印15を通過しないことを確認した場合、入出力パネル8を介してノズル位置調整機構3を制御することにより、洗浄流体の着地点が印15を通過するように、旋回アーム41におけるノズル50の水平方向の位置を調整して、ノズル50の位置調整を終了する。
【0038】
以上のように、本実施形態にかかるチャックテーブル10は、保持面13の中心を示す印15を有している。このため、洗浄流体の着地点が印15を通過するようにノズル50の位置を調整することにより、ノズル50の位置調整が完了する。このように、本実施形態では、保持面13の中心を判別するために、保持面13の中心を示す位置調整用の円板をチャックテーブル10に保持させる必要がない。このため、ノズル50の位置調整作業を、容易に実施することが可能となる。
【0039】
なお、本実施形態では、保持面13の中心を示す印15は、保持面13に形成された他の孔の形状とは異なる形状を有しているとともに、保持面13の他の部分の色と異なる色を有している。これに関し、印15は、作業者が目視によって保持面13の他の部分から区別することの可能なものであればよい。
したがって、印15は、保持面13に形成された他の孔の形状とは異なる形状を有していれば、保持面13の他の部分の色と同じ色を有していてもよい。あるいは、印15は、保持面13の他の部分の色と異なる色を有していれば、保持面13に形成された他の孔の形状と同じ形状を有していてもよい。さらに、印15は、保持面13に形成された他の孔のサイズとは異なるサイズの孔であれば、保持面13の他の孔と同じ形状を有していてもよいし、保持面13の他の部分の色と同じ色を有していてもよい。これらの場合でも、作業者は、保持面13における印15の位置を容易に認識することができる。
【0040】
また、保持面13の中心を示す印15の大きさは、ノズル50から噴射される洗浄流体(洗浄水、高圧水、二流体あるいは超音波振動を伝播させた洗浄水)の洗浄領域の好適な大きさであってもよい。ここで、洗浄流体の洗浄領域の大きさとは、ノズル50から噴射された洗浄流体が直接に当たる、保持面13の領域の大きさ(洗浄流体の着地点の大きさ)である。また、洗浄領域の好適な大きさとは、たとえば、洗浄流体による洗浄力が高くなる大きさである。
【0041】
この構成では、印15の大きさが洗浄領域の好適な大きさであるため、ノズル50から噴射された洗浄流体の洗浄領域が印15の同じ大きさとなるときに、洗浄流体の洗浄力が高まる。このため、洗浄領域の大きさが印15の大きさと同じになるように、たとえば昇降機構47によってノズル50の高さを調整することが好ましい。
【0042】
また、図1に示した洗浄装置1は、保持面13を撮像するカメラを備えていてもよい。この場合、ノズル50の位置調整の際、制御部7は、カメラによって保持面13および洗浄流体の着地点を撮像する。そして、制御部7は、得られた撮像画を用いて、保持面13の中心の印15と、ノズル50から噴射された洗浄流体の着地点とを認識し、そのズレ量を算出する。さらに、制御部7は、印15と洗浄流体の着地点とのズレが解消される(洗浄流体の着地点が保持面13の中心を通る)ように、ノズル位置調整機構3を用いて、ノズル50の位置調整を実施する。この構成では、作業者は、洗浄流体の着地点が印15を通過するか否かを目視によって確認する必要がない。このため、より容易に、ノズル50の位置調整を実施することが可能である。
【0043】
また、本実施形態では、チャックテーブル10が、ポーラス部材からなる保持部11の上面としての保持面13を有するように構成されている。これに関し、チャックテーブル10は、図3に示すように、吸引口18および吸引溝19を有する保持面17を備えるように構成されていてもよい。
【0044】
図3に示すチャックテーブル10は、金属あるいはアルミナ等からなる円板状のテーブル本体16、および、テーブル本体16の上面としての保持面17を有している。保持面17は、保持面17の中心に開口された吸引口18、および、吸引溝19を有している。
【0045】
吸引口18は、たとえば円形であり、吸引源60(図1参照)に接続されている。吸引溝19は、吸引口18から保持面13の外縁に向かって四方向に延びる4本の第1溝191、および、円形の第2溝192を有している。第2溝192は、4本の第1溝191の端部を接続するように、保持面13の外周縁に沿って形成されている。
【0046】
この構成では、保持面17の吸引口18が吸引源60に連通されることにより、吸引源60の吸引力が保持面17の吸引溝19に伝達される。これにより、チャックテーブル10は、保持面17によって、ワーク110を吸引保持することができる。
【0047】
そして、この構成では、吸引口18が、作業者が目視によって保持面17の他の部分から区別することの可能な、保持面17の中心を示す印として機能する。
すなわち、この構成では、作業者は、図1に示した印15を有する保持面13の場合と同様に、ノズル50の位置調整の際、ノズル50から噴射された洗浄流体の保持面17における着地点が、保持面17の中心に設けられた吸引口18を通過するように、旋回アーム41におけるノズル50の水平方向の位置を調整する。
【0048】
この構成でも、保持面13の中心を示す位置調整用の円板を用いることなく、ノズル50の位置調整作業を容易に実施することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態では、ノズル位置調整機構3が、旋回アーム41におけるノズル50の水平方向の位置を調整するように構成されている。これに関し、ノズル位置調整機構3は、このノズル50の水平方向の位置に代えてあるいは加えて、ノズル部53の向きに対応する、旋回アーム41におけるノズル50の取付角度を調整するように構成されていてもよい。
【0050】
この場合、作業者は、ノズル50の位置調整の際、ノズル位置調整機構3を用いて、ノズル50から噴射される洗浄流体の着地点が印15を通過するように、ノズル50の水平方向の位置および/またはノズル50の取付角度を調整する。この構成では、ノズル50からの洗浄流体の着地点における保持面13上での位置を、より詳細に調整することが可能となる。したがって、ノズル50の位置調整を、より良好に実施することができる。
【符号の説明】
【0051】
1:洗浄装置、3:ノズル位置調整機構、7:制御部、8:入出力パネル、
10:チャックテーブル、11:保持部、12:枠体、13:保持面、15:印、
16:テーブル本体、17:保持面、18:吸引口、19:吸引溝、
20:ケーシング、21:外側壁、23:底板、30:テーブル回転機構、
31:スピンドル、33:スピンドルモータ、34:エンコーダ、
35:ロータリジョイント、40:ノズル移動機構、41:旋回アーム、
42:旋回シャフト、45:旋回モータ、46:エンコーダ、47:昇降機構、
50:ノズル、51:ノズル本体、53:ノズル部、54:エア供給口、
55:洗浄水供給口、60:吸引源、61:吸引路、62:洗浄水源、63:エア源、
100:回転軸、110:ワーク、111:表面、112:被洗浄面、
191:第1溝、192:第2溝
図1
図2
図3